説明

有機物蒸着装置

【課題】 本発明は、基板をほぼ垂直で起立した状態で有機物を蒸着して有機薄膜を形成して大型基板に適用可能で、かつ、均一な厚さの有機薄膜を形成することができる有機物蒸着装置を提供するためのものである。
【解決手段】本発明の有機物蒸着装置は胴体を成し、基板を地面に対し、70゜ないし110゜の角度を維持するようにするチャンバと、基板上に蒸着する有機物を受け入れる少なくとも一つの有機物格納所からなる有機物格納部と、基板上に蒸着する有機物を噴射する有機物噴射ノズル部と、有機物噴射ノズル部と有機物格納部とを連結させる連結ラインと、有機物格納部、有機物噴射ノズル部及び連結ライン中の少なくとも有機物噴射ノズルを垂直方向に移動させることができる移送装置を備えてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機半導体素子などの有機薄膜形成のための有機物蒸着装置に関し、より詳しくは、基板をほぼ垂直で起立した状態で有機物を蒸着し、有機薄膜を形成して大型基板に適用可能で、均一な厚さの有機薄膜を形成することができる有機物蒸着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、有機電界発光素子(OLED;Organic Light Emitting Device)などを含む有機半導体素子の有機薄膜は、低分子有機物質を真空中から蒸発させて有機薄膜を形成する方法と、高分子有機物質を溶剤に溶解した後、スピンコーティング(spin coating)、 ディップコーティング(dip coating)、ダクターブレーティング、インクジェットプリンティングなどを用いて有機薄膜を形成する方法とに大別される。
【0003】
前記の方法中から、真空で低分子有機物質からなる薄膜を製作する場合には、形成しようとする形状の開口部を有するシャドーマスクパターン(shadow mask pattern)を基板の前に整列し、前記基板に有機物質を蒸着することにより、前記基板上に有機薄膜を製作することになる。
【0004】
前記のような低分子有機物質からなる有機薄膜の製造方法としては、点型有機物蒸着源を用いる方法と、線型有機物蒸着源を用いる方法などがある。
【0005】
しかし、前記のような点型または線型の有機源物蒸着源を用いて大型基板上に 有機薄膜を形成する場合には、前記基板と蒸発源との間の距離が共に増加することになり、前記基板と蒸発源との間の距離の増加は前記基板上に形成される有機薄膜の均一性が低下する原因となる。
【0006】
また、前記基板と蒸発源との間の距離が増加することになると、前記蒸発源から蒸発した有機物が前記基板以外の真空チャンバに蒸着して、有機物の損失が増加することになり、前記有機物が高価であることを勘案すると、製造コストが増加する問題がある。
【0007】
また、有機薄膜の均一性の確保のために、前記シャドーマスクパターンと蒸発源とが所定の角度を成すようにして、有機薄膜を形成することができる。その際、前記シャドーマスクパターンと蒸発源とが所定の角度を成す場合、前記シャドーマスクパターンによる影効果が発生して希望する形状の有機薄膜を得ることが困難であるという問題がある。
【0008】
また、蒸発源と噴射ノズルとが一体化されていて、熱による基板及びマスクパターンの熱による変形が発生する問題がある。
【0009】
また、大型基板の場合、基板の垂れ現象により、基板の中央部とエッジ部との薄膜の均一性が相違するという問題がある。
【0010】
また、従来の有機物蒸着装置は有機物の均一な蒸着のために基板が移動する方式を採択するが、このような基板が移動する場合、チャンバの大きさが非常に大きくなる問題がある。
【0011】
また、従来の有機物蒸着装置の場合、前記有機物蒸着装置の使用時、各構成要素の隙間に有機物粒子が入り込んで、有機物の漏れが発生することになる。このような有機物の漏れにより前記加熱ヒータの汚染が発生することになれば、前記加熱ヒータのショートが発生する問題がある。
【0012】
前記加熱ヒータのショートが発生して前記加熱ヒータを交換する場合、前記加熱ヒータが前記有機物蒸着源と一体型からなっているので、交換の困難性があり、また、交換作業が時間が長いという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、前記の従来技術の問題を解決するためのものであって、本発明は、基板をほぼ垂直で起立した状態で有機物を蒸着して有機薄膜を形成して大型基板に適用可能で、かつ、均一な厚さの有機薄膜を形成することができる有機物蒸着装置を提供することをその目的とする。
【0014】
また、本発明は、基板をほぼ垂直で起立した状態で有機物を蒸着して有機薄膜を形成して大型基板に適用可能で、かつ、均一な厚さの有機薄膜を形成することができ、有機物格納部と有機物噴射ノズルとを分離して基板及びマスクパターンの変形を最小化した有機物蒸着装置を提供することをその目的とする。
【0015】
また、本発明は、独立分離可能な加熱ヒータと、跳ね防止板と一体化したノズル部とを備える有機物蒸着装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記の目的の達成するための本発明の有機物蒸着装置は、胴体を成し、基板を地面に対し、70゜ないし110゜の角度を維持するようにするチャンバと、有機物格納部、有機物誘導路、加熱ヒータ、内部熱反射板、外部冷却板及び有機物噴射ノズルからなり、前記基板上に有機物を蒸着して有機薄膜を形成するための有機物蒸着源と、前記有機物蒸着源を垂直方向に移動させることができる有機物蒸着源移送装置とを備えてなる。
【0017】
前記有機物格納部は多数のセルに区分されることが好ましい。
【0018】
前記有機物誘導路は前記有機物格納部から蒸発した有機物粒子の移動経路であることが好ましい。
【0019】
前記有機物誘導路は、有機物粒子の最終移動方向を地面に対し、-20゜ないし+20゜の角度を維持するようにすることが好ましい。
【0020】
前記加熱ヒータは、有機物格納部及び有機物誘導路の外部に設けられて前記有機物格納部及び有機物誘導路を加熱することが好ましい。
【0021】
前記内部熱反射板は前記加熱ヒータより外部に設けられることが好ましい。
【0022】
前記外部冷却板は、前記内部熱反射板の外部に位置して、前記有機物蒸発部の内部の熱が外部に伝導されることを防止することが好ましくて、前記外部冷却板は冷媒を用いて外部熱反射板を冷却させることが好ましい。
【0023】
前記有機物蒸着源は、前記有機物噴射ノズル部の有機物噴射方向の先端に位置して、前記基板上に蒸着する有機物の蒸着率及び蒸着厚さを測定する測定 センサーを更に備えることが好ましい。
【0024】
前記有機物に不純物をドーピングするための手段を更に備えることもできる。
【0025】
また、本発明の有機物蒸着装置は、胴体を成し、基板を地面に対し、70゜ないし110゜の角度を維持するようにするチャンバと、前記基板上に物質を蒸着して薄膜を形成し、蒸着物質格納部、蒸着物質誘導路、前記蒸着物質格納部及び蒸着物質誘導路を加熱する加熱ヒータ、前記蒸着物質格納部及び蒸着物質誘導路の外部に形成されて熱を反射させるための内部熱反射板、前記内部熱反射板の外部に設けられて前記内部熱反射板を冷却させる外部冷却板、 蒸着物質噴射ノズル部からなる複数の有機物蒸着源と、前記蒸着源を垂直方向に移動させることができる有機物蒸着源移送装置とを備えてなる。
【0026】
前記複数の蒸着源は互いに同じ有機物を内包して、基板、特に、大型基板上に均一な有機薄膜を形成することができる。
【0027】
また、前記複数の蒸着源は、第1蒸着源及び第2蒸着源からなることが好ましくて、より好ましくは、前記第1蒸着源は基板上の薄膜の原材料蒸着源であり、 前記第2蒸着源は前記薄膜の特性改善のための不純物を前記薄膜に含めるための不純物蒸着源であることが好ましい。
【0028】
前記複数の相違する有機物蒸着源は、噴射角度が調節可能なので好ましい。
【0029】
また、本発明の有機物蒸着装置は、胴体を成し、基板を支持するチャンバと、有機物を格納し、一部分が開口された有機物格納部と、前記有機物格納部の開口された部分と連結されて有機物を噴射するノズル部と、前記有機物格納部を覆いかぶせる形態のハウジングと、前記有機物格納部とハウジングとの間に介される加熱ヒータ部を備える少なくとも一つの有機物蒸着源とを含む構造からなる。
【0030】
前記有機物蒸着源を垂直方向に移動させることができる有機物蒸着源移送装置を更に備えることができる。
【0031】
前記有機物格納部及び前記ノズル部中の少なくともいずれかの一つは、黒鉛(graphite)からなることが好ましい。
【0032】
前記ノズル部は、有機物粒子を前記基板上に噴射する有機物噴射ノズルと、前記有機物格納部の有機物が跳ねることを防止する跳ね防止膜とを備えてなることができる。
【0033】
前記加熱ヒータ部は、熱源の熱線と、前記熱線の垂れを防止する熱線支持体とを備えることが好ましい。
【0034】
前記有機物蒸着源は、前記ハウジングの内壁に取り付けられる内部熱反射板を 更に備えることができる。
【0035】
前記有機物蒸着源は、前記ノズル部の基板方向の外部面に取り付けられる熱遮断手段を更に備えることができる。
【0036】
前記有機物蒸着源は、前記ハウジングの外壁に設けられる冷却装置を更に備えることができる。
【0037】
また、本発明の有機物蒸着装置は、胴体を成し、基板を支持するチャンバと、有機物を格納して一部分が開口された有機物格納部と、前記有機物格納部の開口された部分と連結して有機物を噴射するノズル部と、前記有機物格納部を覆いかぶせる形態のハウジングと、前記有機物格納部とハウジングとの間に介される加熱ヒータ部とを備える有機物蒸着源と、前記有機物蒸着源を垂直方向に移動させることができる有機物蒸着源移送装置とを含む構造からなる。
【0038】
前記加熱ヒータ部は、熱源の熱線と、前記熱線の垂れを防止する熱線支持体を 備え、前記有機物格納部を覆いかぶせる形態のヒータトンネル(heater tunnel)構造からなることが好ましい。
【発明の効果】
【0039】
前記のように、本発明によると、基板をほぼ垂直で起立した状態で有機物を蒸着して有機薄膜を形成して大型基板に適用可能で、かつ、均一な厚さの有機薄膜を形成することができ、有機物格納部と有機物噴射ノズルとを分離して基板及びマスクパターンの変形を最小化した有機物蒸着装置を提供することができる。
【0040】
また、本発明は、基板をほぼ垂直で起立した状態で有機物を蒸着して有機薄膜を形成して大型基板に適用可能で、かつ、均一な厚さの有機薄膜を形成することができ、有機物格納部と有機物噴射ノズルとを分離して基板及びマスクパターンの変形を最小化した有機物蒸着装置を提供することができる。
【0041】
また、本発明は、独立分離可能な加熱ヒータ部と、跳ね防止板と一体化したノズル部を備える有機物蒸着装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0043】
図面の同一参照符号は同一構成要素を表す。
【0044】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る有機物蒸着装置を説明するための概略図である。
【0045】
図1を参照すると、本実施の形態に係る有機物蒸着装置100は、胴体を成すチャンバ110と、有機物が蒸着する基板S上に有機物粒子を噴射させるための有機物蒸着源120と、前記有機物蒸着源120を垂直方向に移動させることができる有機物蒸着源移送装置130とを備える。
【0046】
チャンバ110は、有機物を蒸着しようとする基板Sをほぼ垂直、好ましくは、地面と70゜ないし110゜の角度を維持するようにする。また、チャンバ110は真空チャンバであることが好ましい。
【0047】
図2に示すように、有機物蒸着源120は、基板S上に蒸着する有機物を受け入れる有機物格納部121、有機物格納部121から蒸発した有機物を基板S上に噴射する有機物噴射ノズル部122、有機物格納部121及び有機物噴射ノズル部122を連結させて蒸発した有機物の移動経路となる連結ライン123と、基板S上に蒸着する有機物蒸着率及び有機物の厚さを測定する測定装置124とを備える。
【0048】
有機物蒸着源移送装置130は、有機物蒸着源120中の少なくとも有機物噴射ノズル部122を垂直方向に移動させることができる移動手段を備える。その際、有機物蒸着源移送装置130は真空状態が維持されるチャンバ110内で使用が適した垂直移送装置であって、有機物蒸着源120中の少なくとも有機物噴射ノズル部122の移動速度が調節できるように移送速度調節機構(図示省略する)を更に具備することができる。
【0049】
図1中、符号Mは、基板S上に蒸着する有機物の形状を決定するマスクパターンである。
【0050】
図2及び図3は、本発明の第1の実施の形態に係る有機物蒸着装置を説明するための概略図であって、有機物が蒸着する基板及び有機物蒸着源に限定して図示したものである。
【0051】
図2及び図3を参照すると、本発明の第1の実施の形態に係る有機物蒸着装置100の有機物蒸着源120は、基板S上に蒸着する有機物を収納する少なくとも一つの有機物格納所121aからなる有機物格納部121(図3は有機物格納部121aが2つの例)と、基板S上に蒸着する有機物を噴射する有機物噴射ノズル部122と、有機物噴射ノズル部122と有機物格納部121とを連結させる連結ライン123と、基板S上に蒸着する有機物の蒸着率及び有機物の厚さを測定する測定装置124とからなる。
【0052】
有機物格納部121は、基板S上に蒸着する有機物を格納する少なくとも一つの有機物格納所121aからなる。有機物格納部121は、有機物格納所121aを加熱して有機物粒子に蒸発させる部分であって、有機物格納部121は一般的にチャンバ110の内部に位置するが、有機物格納部121はチャンバ110の外部に配置してもよい。即ち、有機物格納部121の位置はチャンバ110の内部または外部に配置するように構成することができる。
【0053】
有機物噴射ノズル部122は、有機物格納部121から蒸発した有機物粒子を基板S上に噴射する部分であって、図示してはいないが、 有機物粒子の凝縮を防止する加熱ヒータと、有機物粒子の噴射を均一にするためのノズルとを備える構造からなる。また、有機物噴射ノズル部122は有機物格納部121から蒸発する有機物中、完全に粒子状態で蒸発しなくて、多数の有機物粒子が固まったクラスタ形態を維持する有機物を更に有機物粒子状態に分散するようにして、基板S上に噴射される有機物粒子の大きさを均一にするための隔壁(baffle)を更に備えてもよい。
【0054】
連結ライン123は、有機物格納部121と有機物噴射ノズル部122とを連結して、有機物格納部121から蒸発する有機物粒子を有機物噴射ノズル部122に移送させる部分である。連結ライン123は、有機物格納部121から蒸発した有機物粒子が凝縮することを防止するために温度が制御できるように構成される。また、有機物粒子が凝縮を最小化するために2つの領域以上の個別制御をすることもできる。また、有機物格納部121がチャンバ110の外部に位置する場合には、有機物格納部121と有機物噴射ノズル部122とを連結させる連結ライン123はチャンバ110の外部に連結される。また、連結ライン123は有機物噴射ノズル部122が垂直方向に移動可能にするために、蛇腹状の可撓性を有する管であることが好ましい。
【0055】
測定装置124は、基板S上に蒸着する有機物の蒸着率及び有機物の厚さを測定するものであって、有機物噴射ノズル部122の有機物噴射方向の先端部に位置し、有機物噴射ノズル部122と一体化している。測定装置124は基板S上に有機薄膜を形成するために有機物噴射ノズル部122の移動の際、有機物噴射ノズル部122と共に移動し、基板S上に蒸着する有機物の蒸着率を測定して有機物格納部121内の有機物蒸発量を制御する。
【0056】
前記のような有機物蒸着装置100を用いる有機薄膜の形成方法は下記の通りである。
【0057】
まず、図1に示すように、有機物蒸着装置100のチャンバ110内に基板Sを地面にほぼ垂直、好ましくは、地面と70゜ないし110゜の角度を維持するように装着する。
【0058】
次に、チャンバ110の内部または外部に位置し、有機物を収納する少なくとも一つの有機物格納部121aからなる有機物格納部121を加熱して有機物を有機物粒子状態で蒸発させる。
【0059】
蒸発した有機物粒子は、有機物格納部121及び有機物噴射ノズル部122の連結ライン123を介して有機物噴射ノズル部122に移動し、有機物噴射ノズル部122を介して基板S上に噴射される。
【0060】
その際、有機物格納部121から蒸発する有機物中、完全に粒子状態で蒸発せず、多数の有機物粒子が固まったクラスタ形態を維持する有機物が有機物噴射ノズル部122の隔壁と衝突して更に有機物粒子状態に潰れて分散するようにすることにより、基板S上に噴射される有機物粒子の大きさを均一にする。
【0061】
また、有機物格納部121及び有機物噴射ノズル部122の連結ライン123と有機物噴射ノズル部122は補助加熱ヒータを介して加熱して蒸発した有機物粒子が凝縮しないようにする。
【0062】
また、有機物蒸着源移送装置130を介して有機物蒸着源120中、 少なくとも有機物噴射ノズル部122を移動させ、基板S上に有機物粒子を均一に噴射して、基板S上に均一な有機薄膜を形成することができる。
【0063】
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る有機物蒸着装置を説明するための概略図であって、有機物が蒸着する基板及び有機物蒸着源に限定して図示したのである。
【0064】
図4を参照すると、本発明の第2の実施の形態に係る有機物蒸着装置は図1、図2及び図3に図示された有機物蒸着装置と類似する。但し、有機物蒸着装置の有機物蒸着源200が多数の有機物格納部210と多数の有機物噴射ノズル部220とからなる構造のみが相違する。
【0065】
即ち、本発明の第2の実施の形態に係る有機物蒸着装置の有機物蒸着源200は基板S上に蒸着する有機物を収納する少なくとも一つの有機物格納部からなり、有機物蒸着装置のチャンバの内部、または、外部に位置する複数(本例は3つの場合を示す)の有機物格納部210と、有機物格納部210に各々対応する多数の有機物噴射ノズル部220と、各有機物噴射ノズル部220と有機物格納部210とを連結させる複数の(本例は3本の場合を示す)連結ライン230と、各有機物噴射ノズル部220の有機物噴射方向の先端に設けられて基板S上に蒸着する有機物の蒸着率を測定する測定装置240とを備える構造からなる。
【0066】
前記のような有機物蒸着装置の有機物蒸着源200は、多数の有機物格納部210及び複数の有機物噴射ノズル部220とを備えることにより、有機物噴射ノズル部220を移動させるための移動手段を具備しなくてもほぼ垂直で起立した大型基板上に有機物が蒸着でき、移動手段を備える場合にはより均一に有機物を蒸着することができる。
【0067】
(第3の実施の形態)
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る有機物蒸着装置を説明するための概略図であって、有機物が蒸着する基板及び有機物蒸着源に限定して図示したものである。
【0068】
図5を参照すると、本発明の第3の実施の形態に係る有機物蒸着装置は、図1、 図2及び図3に図示された有機物蒸着装置と類似する。但し、有機物蒸着装置の有機物蒸着源300が少なくとも一つの有機物格納部310と、有機物格納部310中のいずれかの一つと対応する多数の有機物噴射ノズル部320とからなる構造のみが相違する。
【0069】
即ち、本発明の第3の実施の形態に係る有機物蒸着装置の有機物蒸着源300は、基板上に蒸着する有機物を受け入れる少なくとも一つの有機物格納所からなり、有機物蒸着装置の内部または外部に位置する有機物格納部と、基板上に有機物粒子を噴射する多数の有機物噴射ノズル部と、各有機物噴射ノズル部と有機物格納部とを連結させる多数の連結ラインと、各有機物噴射ノズル部の有機物噴射方向の先端に設けられて基板上に蒸着する有機物の蒸着率を測定する測定装置を備える。
【0070】
上述のような有機物蒸着装置は、一つの有機物格納所に2つ以上の有機物噴射ノズルが対応する。
【0071】
即ち、一つの有機物格納所に多数の有機物噴射ノズルが対応して、ほぼ垂直で起立した基板上に有機物を蒸着して有機薄膜を形成するものである。
【0072】
上述のように、図1ないし図5に示すような本発明の実施の形態に係る有機物蒸着装置は基板を垂直で起立した状態で有機物粒子を噴射して有機薄膜を形成することにより、大型基板の場合、基板の垂れ形状を防止するので、大型基板に適用が可能である。
【0073】
また、有機物格納部と有機物噴射ノズル部とを分離して、基板及びマスクパターンの熱による変形を防止し、基板上に有機物の粒子分布が均一な有機薄膜を形成することができる。
【0074】
また、多数の有機物格納部に格納される有機物を相違する物質を使用して有機薄膜の特性を改善するための不純物の注入が可能である。
【0075】
また、有機薄膜の形成のためのマスクとして現在ファインメタルマスク(fine metal mask)を使用する現在の趨勢において、有機物が基板Sとほぼ垂直に噴射されるので、均一のステップカバリッジを確保することができる長所がある。
【0076】
また、有機物蒸着源移送装置130を介して有機物蒸着源120、 200、300が移動して基板S上に有機物を蒸着するので、従来の有機物蒸着源移送装置がなく、基板Sを移動させる有機物蒸着装置100を用いて有機物を蒸着する場合に比べて、チャンバ110の大きさを約75% 以内に縮小することが可能である。
【0077】
(第4の実施の形態)
図6及び図7は、本発明の第4の実施の形態に係る有機物蒸着装置を説明するための図面であって、図6は有機物蒸着装置の有機物蒸着源の縦断面図であり、図7は有機物蒸着装置の有機物蒸着源の横断面図である。
【0078】
図6及び図7を参照すると、本発明の第4の実施の形態に係る有機物蒸着装置の有機物蒸着源400は有機物格納部410、有機物誘導路420、加熱ヒータ430、内部熱反射板440、外部冷却板450、有機物噴射ノズル部460及び測定装置470からなる。
【0079】
有機物格納部410は、基板S上に形成される有機薄膜の材料の有機物を格納する部分であって、少なくとも一つのセル410aに区分されるつるぼからなることが好ましい。
【0080】
有機物誘導路420は、有機物格納部410から蒸発した有機物粒子を有機物噴射ノズル部460に移送する役割を遂行し、有機物粒子の移動経路を決定する役割を遂行する。より詳細に説明すると、有機物格納部410から有機物粒子が上向きに蒸発し、ほぼ垂直で起立した基板S上に有機物を蒸着するためには有機物粒子の最終移動経路がほぼ水平方向でなければならないので、有機物誘導路420の末端は地面と-20゜ないし20゜の角度を維持しなければならない。即ち、有機物粒子の最終移動経路を地面と-20゜ないし20゜の角度を維持するように誘導する。また、有機物誘導路420の中間部分は所定の角度で傾斜するように形成して、有機物格納部410から蒸発する有機物中の一部のクラスター(cluster)形態の有機物が誘導路の内壁と衝突して有機物粒子状態に潰れるようにすることにより、クラスター形態の有機物がスムーズに有機物誘導路420の内部で均等に混合され、基板S上に有機物が固まって蒸着することを防止する役割を遂行する。
【0081】
加熱ヒータ430は有機物格納部410及び有機物誘導路420の外部に設けられて有機物格納部410及び有機物誘導路420を加熱する役割を遂行する。即ち、有機物格納部410を加熱して、有機物が有機物の粒子状態で蒸発させ、蒸発した有機物粒子を有機物誘導路420の内部で凝縮されないように加熱するものである。
【0082】
内部熱反射板440は、加熱ヒータ430より外部に設けられて有機物蒸着源400の熱効率を増加させるためのものであって、有機物蒸着源400の内部の熱容量を吸収できるように多段で構成されている。
【0083】
外部冷却板450は内部熱反射板440の外部に位置し、有機物蒸着源400の内部の熱が外部に伝導されることを防止する。外部冷却板450は、冷媒を用いて内部熱反射板440を冷却させる。
【0084】
有機物噴射ノズル部460は、有機物格納部410から蒸発して、有機物誘導路420を介して流入する有機物粒子をほぼ垂直で起立した基板Sに噴射し、有機物粒子が基板S上に蒸着、分布する形態を決定する役割を遂行する。また、有機物噴射ノズル部460は有機物粒子を噴射時に噴射角度が調節可能な形態からなることが好ましい。有機物噴射ノズル部460の開口された形態によって有機物粒子が噴射される形態が調節可能なので、有機物格納所410内の有機物が均一に蒸発可能に制御することができる。
【0085】
測定装置470は、地面に70゜ないし110゜の角で起立した基板S上に蒸着する有機物の蒸着率及び厚さを測定する役割を遂行する。また、測定装置470は有機物噴射ノズル部460の有機物噴射方向の先端部に位置し、有機物噴射ノズル部460と一体化している。
【0086】
一方、図7に示すように、有機物格納部410は少なくとも一つのセル410aに区分され、それぞれのセル410aに有機物を格納することになる。また、加熱ヒータ430は有機物格納部410の周辺に均等に分布する。
【0087】
これは、有機物格納部410の有機物を蒸発させる場合、有機物格納部410が一つのセルからなると、有機物格納部410の内部の温度分布差により位置による有機物蒸発率の差が発生することになる。このような位置による蒸発率の差は均一な不純物の注入及び有機薄膜の均一性を低下することになるが、有機物格納部410を多数のセル410aに区分することにより、有機物格納部410内の有機物蒸発率を均一にすることができる。
【0088】
このような本発明の又別の実施の形態に係る有機物蒸着源を備える有機物 蒸着装置を用いる有機薄膜の形成方法は下記の通りである。
【0089】
まず、有機物蒸着装置100のチャンバ内に基板Sを地面にほぼ垂直、好ましくは、地面と70゜ないし110の角度を維持するように装着する。
【0090】
次に、有機物蒸着源400の有機物を受け入れている有機物格納部410を加熱ヒータ430を介して加熱する。
【0091】
その際、加熱ヒータ430を介して有機物格納部410のつるぼの内の各セルに受容されている有機物が有機物粒子状態に蒸発することになる。
【0092】
蒸発した有機物粒子は有機物誘導路420を介して有機物噴射ノズル部460に流入する。その際、有機物粒子の移動経路は有機物誘導路420の形状により決定される。有機物誘導路420の末端が地面と-20゜ないし20゜の角度を維持するので、有機物蒸着源400 内における有機物粒子の最終移動経路は地面と-20゜ないし20゜の角度を維持する。また、有機物誘導路420は有機物格納部410から蒸発する有機物中、完全に粒子状態に蒸発しなくて、多数の有機物粒子が固まったクラスター形態を維持する有機物が有機物誘導路420の内壁と衝突して有機物粒子状態に潰れるようにすることにより、基板S上に噴射される有機物粒子の大きさを均一にする。また、有機物誘導路420の外部の加熱ヒータ430は有機物誘導路420内で蒸発した有機物粒子が凝縮しないようにする。
【0093】
有機物噴射ノズル部460に流入した有機物粒子は有機物噴射ノズル部460を介して基板S上に蒸着して有機薄膜を形成する。その際、有機物蒸着源移送装置130を介して有機物蒸着源400が垂直方向に移動し、地面と70゜ないし110の角度を維持する基板S上に有機物粒子が蒸着して有機薄膜を形成する。また、有機物粒子はその最終移動経路が地面と-20゜ないし20゜の角度を維持するので、有機物粒子が有機物噴射ノズル部460を介して基板Sに噴射される際、有機物粒子は地面と-20゜ないし20゜の角度で噴射される。また、有機物粒子が基板S上に蒸着際に有機物噴射ノズル部460の開口された形態により基板S上に蒸着する有機物粒子の形態が調節される。
【0094】
一方、有機物噴射ノズル部460の有機物噴射方向に先端部に設けられている測定装置470は有機物を基板S上に蒸着する間、基板S上に蒸着する有機物の蒸着率及び有機物の蒸着厚さを測定する。従って、測定装置470を用いて、有機薄膜を形成する間、有機物粒子の蒸着率及び有機物蒸着厚さを制御することにより、均一な有機薄膜の厚さの再現性を実現することができる。
【0095】
(第5の実施の形態)
図6は、本発明の第5の実施の形態に係る有機物蒸着装置を説明するための概略図である。
【0096】
図8を参照すると、本発明の第5の実施の形態に係る有機物蒸着装置は図1に示すような有機物蒸着源120を複数個備え、各有機物蒸着源を垂直に移動させるための有機物蒸着源移送装置を備える構造からなる。
【0097】
一例に、相違する多数の蒸着源は第1有機物蒸着源400A及び第2有機物蒸着源400Bからなり、第1有機物蒸着源400A及び第2有機物蒸着源400Bは同じ有機物を収納し、互いに所定の間隔が離隔されて移動し、均一な有機薄膜を基板上に蒸着することができる。特に、大型基板を適用して有機薄膜を蒸着する場合により有利である。
【0098】
または、相違する多数の有機物蒸着源は第1有機物蒸着源400A及び第2有機物蒸着源400Bからなり、第1有機物蒸着源400A及び第2有機物蒸着源400B中のいずれかの一つの有機物蒸着源、例えば、第1有機物蒸着源400Aは有機薄膜の原材料である有機物を基板S上に噴射する有機物蒸着源であり、第2有機物蒸着源400Bは有機薄膜の特性の改善のための不純物を有機薄膜に含めるための有機物蒸着源である。
【0099】
その際、第1有機物蒸着源400A及び第2有機物蒸着源400Bは有機薄膜に有機物を含めるために、基板S上に物質を蒸着させる前に一定の領域内で混合されるように噴射角度が調節可能である。
【0100】
また、第1有機物蒸着源400A及び第2有機物蒸着源400Bの噴射ノズルの噴射方向先端に各々有機物の蒸着率及び蒸着厚さを測定することができる測定装置を設けることにより、基板S上に不純物を含む有機薄膜を形成する間、蒸着率及び有機物の厚さ制御を可能にし、有機薄膜に含まれる不純物含量の制御が可能である。
【0101】
前記のように、図6、図7及び図8に示すように、本発明の第4及び第5の実施の形態に係る有機物蒸着装置は内部熱反射板440及び外部冷却板450を介して有機物噴射ノズル部460を除外した外部に熱が放出されることを防止することにより、基板S及びマスクパターンMに及ぼす熱影響を最小化することができる。即ち、熱による基板S及びマスクパターンMの変形を防止することができる。
【0102】
(第6の実施の形態)
図9ないし図12は、本発明の第6の実施の形態に係る有機物蒸着装置の有機物蒸着源を説明するための図面であって、図9は有機物蒸着装置の有機物蒸着源の縦断面図であり、図10は本発明の又別の実施の形態に係る有機物蒸着装置の有機物格納部、ノズル部及び加熱ヒータ部に限定して図示したものであり、図11は本発明の又別の実施の形態に係る有機物蒸着装置のハウジングに限定して図示したものであり、図12有機物蒸着装置の冷却装置に限定して図示したものである。
【0103】
図9ないし図12を参照すると、本発明の第5の実施の形態に係る有機物蒸着装置100の有機物蒸着源500は有機物を格納して一部分が開口された有機物格納部510と、有機物格納部510の開口された部分と連結されて有機物を噴射するノズル部520と、有機物格納部510を覆いかぶせる形態のハウジング530と、有機物格納部510とハウジング530との間に介される加熱ヒータ部540とを備える。
【0104】
有機物格納部510は基板S上に蒸着しようとする有機薄膜の原材料の有機物を格納する部分であって、一般的につるぼからなる。また、有機物格納部510は熱伝導度が優れる黒鉛(graphite)、または、その等価物からなることができるが、本発明において、その材質に限るのではない。
【0105】
ノズル部520は、有機物格納部310から蒸発する有機物粒子をほぼ垂直で起立した基板S上に噴射し、有機物粒子が基板S上に蒸着、分布する形態を決定する役割を遂行する。その際、ノズル部520は有機物格納部510から蒸発する有機物粒子を基板S上に噴射する有機物噴射ノズル521と、有機物格納部510から有機物粒子に蒸発しなくて、クラスター(cluster)形態の有機物が跳ねることを防止する跳ね防止膜525が一体化した形態からなる。また、ノズル部520は熱伝導度が優れる黒鉛(graphite)またはその等価物からなることができるが、本発明において、その材質に限るのではない。また、ズル部520は開口された形態により有機物粒子が噴射される形態が調節可能なので、有機物格納部510内の有機物が均一に蒸発可能に制御することができる。
【0106】
ハウジング(housing)530は、有機物格納部510を覆いかぶせる形態からなり、有機物格納部510を外部環境と隔離する役割を遂行する。
【0107】
加熱ヒータ部540は、有機物格納部510とハウジング530との間に介されて有機物格納部510の有機物を蒸発可能に加熱する役割を遂行する。その際、加熱ヒータ部540は有機物が蒸発可能にする熱源の熱線541と、一種のリブ(Rib)のような形態からなり、熱線541の垂れを防止して受け入れる熱線支持体545からなる。言い換えると、加熱ヒータ部540は熱線541と熱線支持体545からなる一種のヒータトンネル(heater tunnel)構造からなり、ヒータトンネル(heater tunnel)が有機物格納部510を覆いかぶせる形態からなる。従って、加熱ヒータ部540は有機物蒸着源500でその他の構成要素、特に有機物格納部510と一体化したりまたはその他の構成要素に取り付けられる形態からなるものでないので、独立的に分離及び交替が可能である。
【0108】
また、有機物蒸着源500は、ハウジング530の内壁に取り付けられる内部熱反射板550を更に備えることもできる。内部熱反射板550は加熱ヒータ部540から発生される熱を反射して、加熱ヒータ部540の熱効率を増加させるためのものである。
【0109】
また、有機物蒸着源500は、ノズル部520の基板S方向に外部面に取り付けられる熱遮断手段560を更に備えることができる。熱遮断手段560は、ノズル部520を介して熱が放出されて基板Sに影響を及ぼすことを防止する。
【0110】
また、有機物蒸着源500はハウジング530の外壁に設けられる冷却装置570を更に備えることもできる。冷却装置570は加熱ヒータ部540から発生した熱がハウジング530を介して外部に放出されることを防止する。
【0111】
一方、有機物蒸着源500は図面上に図示してはいないが、基板S上に蒸着する有機物の蒸着率及び有機物の蒸着厚さを測定する役割を遂行する測定装置を更に備えることもできる。
【0112】
前記のように、図9ないし図12に示すような、有機物蒸着装置の有機物蒸着源500は有機物格納部510がヒータトンネル(heater tunnel)構造の加熱ヒータ部540に介され、有機物格納部510の開口された部分にノズル部520が挿入され、加熱ヒータ部540がハウジング530に挿入される構造からなり、有機物格納部510、ノズル部520及び加熱ヒータ部540の分解組立が容易な構造からなっている。
【0113】
一方、このような有機物蒸着源500を備える有機物蒸着装置100を用いる有機薄膜の形成方法は下記の通りである。
【0114】
まず、有機物蒸着装置100のチャンバ110内に基板Sを地面にほぼ垂直、 好ましくは、地面と70゜ないし110゜角度を維持するように装着する。
【0115】
次に、有機物蒸着源500の基板S上に蒸着しようとする有機物を受け入れている有機物格納部510を加熱ヒータ部540を介して加熱する。その際、加熱ヒータ部540を介して有機物格納部510に格納されている有機物が加熱されて有機物粒子状態で蒸発する。
【0116】
蒸発した有機物粒子は、ノズル部520に流入して、ノズル部520を介して噴射されて基板S上に蒸着する。その際、基板S上に蒸着する有機物粒子はマスクパターンMによりその蒸着形状が決定される。
【0117】
その際、移送装置130を介して有機物蒸着源500を移送させ、基板S上に有機物を蒸着して、より均一な有機物の蒸着を遂行することができる。
【0118】
一方、ノズル部520は有機物噴射ノズル521と跳ね防止板525が一体化しているので、有機物格納部510から有機物粒子に蒸発しなくて、クラスター形態の有機物が跳ねることを防止することができる。
【0119】
また、ノズル部520が黒鉛(graphite)のような熱伝導度が優れる物質からなっており、別途の加熱装置を設置しなくてもノズル部520を介して噴射される有機物粒子の凝縮を防止することができる。
【0120】
また、有機物粒子が基板S上に蒸着時に有機物噴射ノズル部520有機物噴射ノズル321の開口された形態により基板S上に蒸着する有機物粒子の形態が調節される。
【0121】
一方、有機物蒸着源は測定装置(図示してはいない)を更に備えることにより、有機物を基板S上に蒸着する間、基板S上に蒸着する有機物の蒸着率及び有機物の蒸着厚さを測定することができる。従って、測定装置580を用いて、有機薄膜を形成する間、有機物粒子の蒸着率及び有機物蒸着厚さを制御することにより、均一な有機薄膜の厚さの再現性を実現することができる。
【0122】
上述した実施の形態の開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る有機物蒸着装置を説明するための概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る有機物蒸着装置を説明するための概略図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る有機物蒸着装置を説明するための概略図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る有機物蒸着装置を説明するための概略図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る有機物蒸着装置を説明するための概略図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る有機物蒸着装置を説明するための図面である。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係る有機物蒸着装置を説明するための図面である。
【図8】本発明の第5の実施の形態に係る有機物蒸着装置を説明するための概略図である。
【図9】本発明の第6の実施の形態に係る有機物蒸着装置の有機物蒸着源の 縦断面図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態に係る有機物蒸着装置の有機物格納部、ノズル部及び加熱ヒータ部に限定して図示した図面である。
【図11】本発明の第6の実施の形態に係る有機物蒸着装置のハウジングに限定して図示した図面である。
【図12】本発明の第6の実施の形態に係る有機物蒸着装置の冷却装置に限定して図示した図面である。
【符号の説明】
【0124】
100 有機物蒸着装置
110 チャンバ
120、200、300、400、400A、400B、500 有機物蒸着源
S 基板
M マスクパターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を地面に対し、70゜ないし110゜の角度を維持するようにする胴体を成すチャンバと、
有機物格納部、有機物誘導路、加熱ヒータ、内部熱反射板、外部冷却板及び有機物噴射ノズルからなり、前記基板上に有機物を蒸着して有機薄膜を形成するための有機物蒸着源と、
前記有機物蒸着源を垂直方向に移動させる有機物蒸着源移送装置と、
を備えることを特徴とする有機物蒸着装置。
【請求項2】
前記有機物格納部は、複数のセルに区分されることを特徴とする請求項1記載の有機物蒸着装置。
【請求項3】
前記有機物誘導路は、前記有機物格納部から蒸発した有機物粒子の移動経路であることを特徴とする請求項1記載の有機物蒸着装置。
【請求項4】
前記有機物誘導路は、有機物粒子の最終移動方向を地面に対し、−20゜ないし+20゜の角度を維持するようにすることを特徴とする請求項3記載の有機物蒸着装置。
【請求項5】
前記加熱ヒータは、有機物格納部及び有機物誘導路の外部に設けられて前記有機物格納部及び有機物誘導路を加熱することを特徴とする請求項1記載の有機物蒸着装置。
【請求項6】
前記内部熱反射板は、前記加熱ヒータより外部に設けられることを特徴とする請求項1記載の有機物蒸着装置。
【請求項7】
前記外部冷却板は、前記内部熱反射板の外部に位置して、前記有機物蒸発部の内部の熱が外部に伝導されることを防止することを特徴とする請求項1記載の有機物蒸着装置。
【請求項8】
前記外部冷却板は、冷媒を用いて外部熱反射板を冷却させることを特徴とする請求項7記載の有機物蒸着装置。
【請求項9】
前記有機物蒸着源は、
前記有機物噴射ノズル部の有機物噴射方向の先端に位置して、前記基板上に蒸着する有機物の蒸着率及び蒸着厚さを測定する測定センサーを更に備えることを特徴とする請求項1記載の有機物蒸着装置。
【請求項10】
前記有機物に不純物をドーピングするための手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の有機物蒸着装置。
【請求項11】
胴体を成し、基板を地面に対し、70゜ないし110゜の角度を維持するようにするチャンバと、
前記基板上に物質を蒸着して薄膜を形成し、蒸着物質格納部、蒸着物質誘導路、前記蒸着物質格納部及び蒸着物質誘導路を加熱する加熱ヒータ、前記蒸着物質格納部及び蒸着物質誘導路の外部に形成されて熱を反射させるための内部熱反射板、前記内部熱反射板の外部に設けられて前記内部熱反射板を冷却させる外部冷却板及び蒸着物質噴射ノズル部からなる複数の有機物蒸着源と、
前記蒸着源を垂直方向に移動させる有機物蒸着源移送装置と、
を備えることを特徴とする有機物蒸着装置。
【請求項12】
前記複数の蒸着源は互いに同じ有機物を蒸着することを特徴とする請求項11記載の有機物蒸着装置。
【請求項13】
前記複数の有機物蒸着源は、第1有機物蒸着源及び第2有機物蒸着源からなることを特徴とする請求項11記載の有機物蒸着装置。
【請求項14】
前記第1有機物蒸着源は、基板上の薄膜の原材料蒸着源であり、
前記第2有機物蒸着源は、前記薄膜の特性の改善のための不純物を前記薄膜に含めるための不純物蒸着源であることを特徴とする請求項13記載の有機物蒸着装置。
【請求項15】
前記多数の相違する有機物蒸着源は、噴射角度が調節可能なことを特徴とする請求項11記載の有機物蒸着装置。
【請求項16】
前記有機物蒸着源は、
前記有機物噴射ノズル部の有機物噴射方向の先端に位置して、前記基板上に蒸着する有機物の蒸着率及び蒸着厚さを測定する測定センサーを更に備えることを特徴とする請求項11記載の有機物蒸着装置。
【請求項17】
胴体を成し、基板を支持するチャンバと、
有機物を格納し、一部分が開口された有機物格納部と、前記有機物格納部の開口された部分と連結されて有機物を噴射するノズル部と、前記有機物格納部を覆いかぶせる形態のハウジングと、前記有機物格納部とハウジングとの間に介される加熱ヒータ部とを備える少なくとも一つの有機物蒸着源とを含むことを特徴とする有機物蒸着装置。
【請求項18】
前記有機物蒸着源を垂直方向に移動させることができる有機物蒸着源移送装置を更に備えることを特徴とする請求項17記載の有機物蒸着装置。
【請求項19】
前記有機物格納部及び前記ノズル部中の少なくともいずれかの一つは、黒鉛(graphite)からなることを特徴とする請求項17記載の有機物蒸着装置。
【請求項20】
前記ノズル部は、
有機物粒子を前記基板上に噴射する有機物噴射ノズルと、
前記有機物格納部の有機物が跳ねることを防止する跳ね防止膜を備えることを特徴とする請求項17記載の有機物蒸着装置。
【請求項21】
前記加熱ヒータ部は、
熱源の熱線と、
前記熱線の垂れを防止する熱線支持体とを備えることを特徴とする請求項17記載の有機物蒸着装置。
【請求項22】
前記有機物蒸着源は、前記ハウジングの内壁に取り付けられる内部熱反射板を更に備えることを特徴とする請求項17記載の有機物蒸着装置。
【請求項23】
前記有機物蒸着源は、前記ノズル部の基板方向の外部面に取り付けられる熱遮断手段を更に備えることを特徴とする請求項17記載の有機物蒸着装置。
【請求項24】
前記有機物蒸着源は、前記ハウジングの外壁に設けられる冷却装置を更に備えることを特徴とする請求項17記載の有機物蒸着装置。
【請求項25】
胴体を成し、基板を支持するチャンバと、
有機物を格納し、一部分が開口された有機物格納部と、前記有機物格納部の開口された部分と連結されて有機物を噴射するノズル部と、前記有機物格納部を覆いかぶせる形態のハウジングと、前記有機物格納部とハウジングとの間に介される加熱ヒータ部とを備える有機物蒸着源と、
前記有機物蒸着源を垂直方向に移動させることができる有機物蒸着源移送装置とを備えることを特徴とする有機物蒸着装置。
【請求項26】
前記ノズル部は、
有機物粒子を前記基板上に噴射する有機物噴射ノズルと、
前記有機物格納部の有機物が跳ねることを防止する跳ね防止膜を備えることを特徴とする請求項25記載の有機物蒸着装置。
【請求項27】
前記加熱ヒータ部は、
熱源の熱線と、前記熱線の垂れを防止する熱線支持体とを備え、前記有機物格納部を覆いかぶせる形態のヒータトンネル(heater tunnel)構造からなることを特徴とする請求項25記載の有機物蒸着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−63447(P2006−63447A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−239881(P2005−239881)
【出願日】平成17年8月22日(2005.8.22)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】