説明

有機発光ダイオードにおける両極性ホスト

いくつかの実施形態は、式1によって表される化合物を提供する(式中、R、R、R、R、RおよびRは、独立して、H、必要に応じて置換されるC1−12アルキル、必要に応じて置換されるフェニル、必要に応じて置換されるカルバゾリル、必要に応じて置換されるジフェニルアミンおよび必要に応じて置換されるジフェニルアミノフェニルからなる群から選択されるが;ただし:R、RおよびRのうちの少なくとも1つは、必要に応じて置換されるカルバゾリル、必要に応じて置換されるジフェニルアミンおよび必要に応じて置換されるジフェニルアミノフェニルから選択され、R、RおよびRのうちの少なくとも1つは、必要に応じて置換されるカルバゾリル、必要に応じて置換されるジフェニルアミンおよび必要に応じて置換されるジフェニルアミノフェニルから選択され;RおよびRは、独立して、H、必要に応じて置換されるC1−12アルキル、必要に応じて置換されるフェニル、必要に応じて置換されるジフェニルアミンおよび必要に応じて置換されるジフェニルアミノフェニルからなる群から選択される)。他の実施形態は、式Iの化合物を含む有機発光ダイオードデバイスを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2009年2月3日出願の米国仮出願番号61/149,560(その全体が本明細書中で参考として援用される)の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
(発明の分野)
本発明は、ホスト材料用などの、有機発光ダイオードにおいて使用するための化合物に関する。
【0003】
(関連技術の説明)
白色有機発光デバイス(WOLEDs)は、バックライト源、フルカラーディスプレイおよび一般的な照明のようなその潜在用途を理由に、大きな注目を集め、広く研究されている。白色光を生じる様々なデバイス構成の中でも、適切なホスト材料と組み合わせて燐光材料を使用した単層発光層(single−emissive−layer)デバイスが望ましい。そのようなデバイスのいくつかの利点としては、総コストが低いこと、量子効率が高いこと、および製作が容易であることが挙げられうる。燐光エミッタは、一重項励起子と三重項励起子の両方を捕捉することができるので、100%の内部量子効率を達成する可能性が生じうる。また、ホスト材料を加えることによって、放出材料を消光する濃度が低下することがあり、さらに効率が上がることがある。さらに、ホスト材料を加えることにより、高価な放出材料の必要量が減少し、単層デバイスの製作は、多層デバイスよりも容易かつ費用効果が高い。結果として、燐光材料およびホスト材料を含む単層発光層デバイスは、WOLEDsを製作する総コストを下げることができる。
【0004】
有効なホスト材料を使用することが、有効なWOLEDsを作製する際に重要である。ホストが、正孔と電子の両方を効率的に同じ速度で輸送する場合、そのホストは、改善されている可能性がある。ホストの三重項エネルギーが、三重項励起子をゲスト分子に効率よく閉じ込めるのに十分高い場合も、そのホストは、改善されている可能性がある。現在使用されているほとんどのホスト材料は、正孔輸送材料と電子輸送材料との混合物であり、それは、相分離、凝集および均一性の欠如という潜在的な問題、ならびに材料の不均等な分解速度を引き起こしうる。したがって、ホスト材料用の両極性単一分子(すなわち、正孔と電子の両方を効率的に輸送することができる分子)の開発が有用だろう。
【0005】
いくつかの両極性単一分子ホストが、単色OLEDまたは白色OLEDのデバイスの用途として使用されている。しかしながら、これらの分子の正孔輸送特性と電子輸送特性とはアンバランスであるか、またはこれらの分子からできたデバイスは、中程度の効率しか有しない。
【0006】
したがって、容易に合成でき、熱安定性および電気化学的安定性が高く、かつ、燐光放出材料用のホストとして使用されたときに正孔輸送の移動度と電子輸送の移動度とが十分にバランスのとれた、新しいタイプの両極性ホストが必要とされている。そのようなホストを使用することにより、量子効率が高く、かつ、立ち上がり電圧が低い、単純なデバイス構造に到達しうる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
いくつかの実施形態は、式1:
【化1】

(式1)
によって表される化合物を提供し、
式中、R、R、R、R、RおよびRは、独立して、H、必要に応じて置換されるC1−12アルキル、必要に応じて置換されるフェニル、必要に応じて置換されるカルバゾリル、必要に応じて置換されるジフェニルアミン、必要に応じて置換されるカルバゾリルフェニルおよび必要に応じて置換されるジフェニルアミノフェニルからなる群から選択されるが;
ただし:R、RおよびRのうちの少なくとも1つは、必要に応じて置換されるカルバゾリル、必要に応じて置換されるジフェニルアミン、必要に応じて置換されるカルバゾリルフェニルおよび必要に応じて置換されるジフェニルアミノフェニルから選択され、
、RおよびRのうちの少なくとも1つは、必要に応じて置換されるカルバゾリル、必要に応じて置換されるジフェニルアミン、必要に応じて置換されるカルバゾリルフェニルおよび必要に応じて置換されるジフェニルアミノフェニルから選択され;
およびRは、独立して、H、必要に応じて置換されるC1−12アルキル、必要に応じて置換されるフェニル、必要に応じて置換されるジフェニルアミンおよび必要に応じて置換されるジフェニルアミノフェニルからなる群から選択される。
【0008】
いくつかの実施形態において、本化合物は、さらに式2:
【化2】

(式2)
によって表されることもあり、
式中、各点線は、独立して、任意の結合であり、
PhおよびPhは、独立して、必要に応じて置換される1,4−インターフェニレンまたは必要に応じて置換される1,3−インターフェニレンであり、
yおよびzは、独立して、0または1であり;
およびR10は、独立して、H、C1−3アルキルまたはC1−3ペルフルオロアルキルであり;
11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21およびR22は、独立して、H、C1−12アルキル、C1−61−13フルオロアルキルおよび必要に応じて置換されるフェニルからなる群から選択される。
【0009】
いくつかの実施形態は、必要に応じて置換される5,5’−ビス(ジフェニルアミノ)−3,3’−ビピリジン、必要に応じて置換される6,6’−(ジカルバゾール−9−イル)−3,3’−ビピリジン、必要に応じて置換される6,6’−ビス(ジフェニルアミノ)−3,3’−ビピリジン、必要に応じて置換される5,5’−(ジカルバゾール−9−イル)−3,3’−ビピリジン、必要に応じて置換される5,5’−ビス(4−ジフェニルアミノフェニル)−3,3’−ビピリジン、必要に応じて置換される5,5’−ビス(4−(3,6−ジメチルカルバゾール−9−イル)フェニル)−3,3’−ビピリジン、必要に応じて置換される5,5’−ビス(4−(カルバゾール−9−イル)フェニル)−3,3’−ビピリジン、必要に応じて置換される5,5’−ビス(4−ジ(4−メチルフェニル)アミノフェニル)−3,3’−ビピリジン、必要に応じて置換される4,4’−(3,3’−ビピリジン−6,6’−ジイル)ビス(N,N−ジフェニルアニリン)、必要に応じて置換される5,5’−ビス(3−ジフェニルアミノフェニル)−3,3’−ビピリジン、必要に応じて置換される5,5’−ビス(3−(カルバゾール−9−イル)フェニル)−3,3’−ビピリジンおよび必要に応じて置換される6,6’−ビス(4−(カルバゾール−9−イル)フェニル)−3,3’−ビピリジンから選択される化合物も提供する。
【0010】
他の実施形態は、陰極;陽極;およびその陽極と陰極との間に配置される有機成分;を備える有機発光ダイオードデバイスを提供し、ここで、その有機成分は、本明細書中に記載されるホスト化合物を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、CHCl溶液中のホスト化合物の1つの実施形態の分光学的特性を示している。
【0012】
【図2】図2は、発光デバイスの2つの実施形態の電圧に対する電流密度のプロットである。
【0013】
【図3】図3は、発光デバイスの1つの実施形態のエレクトロルミネセンススペクトルである。
【0014】
【図4】図4は、図3における発光デバイスの電圧に対する電流密度の曲線である。
【0015】
【図5】図5は、図3において特徴づけられた発光デバイスの電流密度に関するEQE(外部量子効率)および輝度効率を示している。
【0016】
【図6】図6は、式1を示している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(定義)
本明細書中で使用されるとき、用語「アルキル」とは、完全に飽和した炭化水素部分のことを指す。例としては、直鎖状アルキル、分枝状アルキル、シクロアルキルまたはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。アルキルは、その構造が有しうる任意の数の他の部分に結合されてもよく(例えば、1つの他の基に結合されてもよいし(例えば、−CH)、2つの他の基に結合されてもよいし(例えば、−CH−)、任意の数の他の基に結合されてもよく)、いくつかの実施形態では、1〜35個の炭素原子を含みうる。アルキル基の例としては、CH(例えば、メチル)、C(例えば、エチル)、C(例えば、プロピル、イソプロピルなどのようなプロピル異性体)、C(例えば、シクロプロピル)、C(例えば、ブチル異性体)C(例えば、シクロブチル、メチルシクロプロピルなどのようなシクロブチル異性体)、C11(例えば、ペンチル異性体)、C10(例えば、シクロペンチル、メチルシクロブチル、ジメチルシクロプロピルなどのようなシクロペンチル異性体)、C13(例えば、ヘキシル異性体)、C12(例えば、シクロヘキシル異性体)、C15(例えば、ヘプチル異性体)、C14(例えば、シクロヘプチル異性体)、C17(例えば、オクチル異性体)、C16(例えば、シクロオクチル異性体)、C19(例えば、ノニル異性体)、C18(例えば、シクロノニル異性体)、C1021(例えば、デシル異性体)、C1020(例えば、シクロデシル異性体)、C1123(例えば、ウンデシル異性体)、C1122(例えば、シクロウンデシル異性体)、C1225(例えば、ドデシル異性体)、C1224(例えば、シクロドデシル異性体)、C1327(例えば、トリデシル異性体)、C1326(例えば、シクロトリデシル異性体)などが挙げられるがこれらに限定されない。
【0018】
アルキルは、以下の一般式によっても定義されうる:環状構造を含まない直鎖状または分枝状の完全に飽和した炭化水素に対する一般式は、C2n+2であり、1つの環を含む完全に飽和した炭化水素に対する一般式は、C2nである。CX−YアルキルまたはC−Cアルキルは、X〜Y個の炭素原子を有するアルキルである。例えば、C1−12アルキルまたはC−C12アルキルは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12個の炭素原子を含む完全に飽和した炭化水素を含む。
【0019】
本明細書中で使用されるとき、「必要に応じて置換される」基とは、置換されてもよいし、置換されなくてもよい基のことを指す。置換された基は、置換されていない親構造から得られるものであり、ここで、その親構造上の1つ以上の水素原子は、独立して、1つ以上の置換基によって置き換えられている。置換された基は、親基構造上に1つ以上の置換基を有しうる。その置換基は、独立して、必要に応じて置換されるフェニル、必要に応じて置換されるアルキル、−O−アルキル(例えば、−OCH、−OC、−OC、−OCなど)、−S−アルキル(例えば、−SCH、−SC、−SC、−SCなど)、−NR’R”、−OH、−SH、−CN、−NOまたはハロゲンから選択され、R’およびR”は、独立して、Hまたは必要に応じて置換されるアルキルである。置換基が、「必要に応じて置換される」と記載される場合は必ず、その置換基は、上記置換基で置換されうる。
【0020】
必要に応じて置換されるアルキルとは、非置換アルキルおよび置換アルキルのことを指す。置換アルキルとは、1つ以上のH原子が1つ以上の置換基(例えば、−O−アルキル(例えば、−OCH、−OC、−OC、−OCなど)、−S−アルキル(例えば、−SCH、−SC、−SC、−SCなど)、−NR’R”(式中、R’およびR”は、独立してHまたはアルキルである)、−OH、−SH、−CN、−NOまたはハロゲン)によって置き換えられている置換アルキルのことを指す。必要に応じて置換されるアルキルのいくつかの例は、アルキル、ハロアルキル、ペルフルオロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキルチオール(すなわち、アルキル−SH)、−アルキル−CNなどでありうる。
【0021】
必要に応じて置換されるC1−12アルキルとは、非置換C1−12アルキルおよび置換C1−12アルキルのことを指す。置換C1−12アルキルとは、1つ以上の水素原子が、独立して、上に示した置換基の1つ以上によって置き換えられている、C1−12アルキルのことを指す。
【0022】
用語「ハロゲン」または「ハロ」とは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードのことを指す。
【0023】
用語「フルオロアルキル」とは、1つ以上のフッ素置換基を有するアルキルのことを指す。換言すれば、フルオロアルキルは、1つ以上の水素原子がフッ素によって置換されていて、C、HおよびF以外の他の原子が存在しない、置換アルキルである。C1−61−13フルオロアルキルとは、1〜6個の炭素原子および1〜13個のフッ素原子を有するフルオロアルキルのことを指す。
【0024】
用語「ペルフルオロアルキル」とは、直鎖状構造または分枝状構造の場合は式C2n+1(例えば、CF、C、C、C、C11、C13など)、または環状構造の場合はC2n(例えば、環状C、環状C、環状C10、環状C12など)を有する、フルオロアルキルのことを指す。換言すれば、アルキルにおけるすべての水素原子が、フッ素によって置き換えられている。例えば、限定する意図はないが、C1−3ペルフルオロアルキルとは、CF、CおよびC異性体のことを指す。
【0025】
用語「必要に応じて置換されるフェニル」とは、非置換フェニルまたは置換フェニルのことを指す。置換フェニルでは、その環系上の1つ以上の水素原子が、独立して、上に示した1つ以上の置換基によって置き換えられている。いくつかの実施形態において、必要に応じて置換されるフェニルは、必要に応じて置換される1,4−インターフェニレンまたは必要に応じて置換される1,3−インターフェニレンでありうる。
【0026】
本明細書中で言及される必要に応じて置換される環系のいくつかの構造を以下に示す。これらの環系は、置換されなくてもよいし、その環系上の1つ以上の水素原子が、独立して、上に示した1つ以上の置換基によって置き換えられてもよい。
【化3】


【0027】
「C2対称軸」は、分子をその軸に対して180°(すなわち、360°/2)回転させることによって同じ構造が得られる軸である。例えば、式1では、1)Rが、Rと同じである場合、2)Rが、Rと同じである場合、3)Rが、Rと同じである場合、および4)RがRと同じである場合、その分子は、C2対称軸を有する。
【0028】
用語「両極性材料」とは、正孔と電子の両方を効率的に運ぶことができる材料のことを指す。
【0029】
用語「燐光材料」とは、一重項励起子と三重項励起子の両方から光を発することができる材料のことを指す。
【0030】
それらの実施形態は、式1:
【化4】

(式1)
によって表される化合物を提供する。
【0031】
式1に関して、R、R、R、R、RおよびRは、独立して、H、必要に応じて置換されるC1−12アルキル(例えば、必要に応じて置換されるメチル、必要に応じて置換されるエチル、必要に応じて置換されるプロピル異性体、必要に応じて置換されるシクロプロピル、必要に応じて置換されるブチル異性体、必要に応じて置換されるシクロブチル異性体(例えば、シクロブチル、メチルシクロプロピルなど)、必要に応じて置換されるペンチル異性体、必要に応じて置換されるシクロペンチル異性体、必要に応じて置換されるヘキシル異性体、必要に応じて置換されるシクロヘキシル異性体、必要に応じて置換されるヘプチル異性体、必要に応じて置換されるシクロヘプチル異性体;必要に応じて置換されるオクチル異性体、必要に応じて置換されるシクロオクチル異性体、必要に応じて置換されるノニル異性体、必要に応じて置換されるシクロノニル異性体、必要に応じて置換されるデシル異性体、必要に応じて置換されるシクロデシル異性体など);必要に応じて置換されるフェニル;必要に応じて置換されるカルバゾリル;必要に応じて置換されるジフェニルアミン;および必要に応じて置換されるジフェニルアミノフェニルからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、R、R、R、R、RおよびRは、独立して、H、非置換C1−12アルキル、1〜13個のハロゲン置換基を有するC1−12アルキル(例えば、CF、C、C、C、C11、C13、環状C、環状C、環状C10、環状C12など)、必要に応じて置換されるフェニル、必要に応じて置換されるカルバゾリル、必要に応じて置換されるジフェニルアミン、必要に応じて置換されるカルバゾリルフェニルおよび必要に応じて置換されるジフェニルアミノフェニルからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、R、R、R、R、RおよびRは、Hであり、RおよびRは、独立して、必要に応じて置換されるカルバゾリル、必要に応じて置換されるジフェニルアミン、必要に応じて置換されるカルバゾリルフェニルおよび必要に応じて置換されるジフェニルアミノフェニルから選択される。
【0032】
式1に関して、R、RおよびRのうちの少なくとも1つは、必要に応じて置換されるカルバゾリル、必要に応じて置換されるジフェニルアミン、必要に応じて置換されるカルバゾリルフェニルおよび必要に応じて置換されるジフェニルアミノフェニルから選択され、R、RおよびRのうちの少なくとも1つは、必要に応じて置換されるカルバゾリル、必要に応じて置換されるジフェニルアミン、必要に応じて置換されるカルバゾリルフェニルおよび必要に応じて置換されるジフェニルアミノフェニルから選択される。
【0033】
式1に関して、RおよびRは、独立して、H、必要に応じて置換されるC1−12アルキル、必要に応じて置換されるフェニル、必要に応じて置換されるジフェニルアミンおよび必要に応じて置換されるジフェニルアミノフェニルからなる群から選択される。
【0034】
式Iにおいて、ビピリジン下部構造の各ピリジニル環は、環窒素と、2つの環を接続する炭素との間のオルト位(すなわち、RおよびRの位置)以外の位置に配置される、少なくとも1つの必要に応じて置換されるカルバゾリル、必要に応じて置換されるジフェニルアミン、必要に応じて置換されるカルバゾリルフェニルまたは必要に応じて置換されるジフェニルアミノフェニルを有する。いくつかの実施形態において、RおよびRは、独立して、必要に応じて置換されるカルバゾリル、必要に応じて置換されるジフェニルアミン、必要に応じて置換されるカルバゾリルフェニルまたは必要に応じて置換されるジフェニルアミノフェニルから選択される。他の実施形態において、RおよびRは、必要に応じて置換されるカルバゾリル、必要に応じて置換されるジフェニルアミン、必要に応じて置換されるカルバゾリルフェニルまたは必要に応じて置換されるジフェニルアミノフェニルである。
【0035】
いくつかの実施形態において、RおよびRは、独立して、必要に応じて置換されるカルバゾリル、必要に応じて置換されるジフェニルアミン、必要に応じて置換されるカルバゾリルフェニルまたは必要に応じて置換されるジフェニルアミノフェニルから選択され、R、R、RおよびRは、独立して、H、C1−8アルキルまたはC1−3ペルフルオロアルキルである。他の実施形態において、RおよびRは、必要に応じて置換されるカルバゾリル、必要に応じて置換されるジフェニルアミン、必要に応じて置換されるカルバゾリルフェニルまたは必要に応じて置換されるジフェニルアミノフェニルであり、R、R、RおよびRは、独立して、H、C1−8アルキルまたはC1―3ペルフルオロアルキルである。他の実施形態において、RおよびRは、必要に応じて置換されるカルバゾリル、必要に応じて置換されるジフェニルアミン、必要に応じて置換されるカルバゾリルフェニルおよび必要に応じて置換されるジフェニルアミノフェニルから選択され、R、R、RおよびRは、Hである。他の実施形態において、RおよびRは、必要に応じて置換されるカルバゾールであり、R、R、RおよびRは、Hである。いくつかの実施形態において、RおよびRは、Hである。他の実施形態において、R、R、R、R、RおよびRは、Hであり、RおよびRは、必要に応じて置換されるカルバゾリルである。
【0036】
いくつかの実施形態において、必要に応じて置換されるC1−12アルキルは、非置換C1−12アルキル、または1〜13個のハロゲン原子によって置換されたC1−12アルキルである。
【0037】
いくつかの実施形態において、式1の化合物は、C2対称軸を有する。他の実施形態において、式1の化合物は、C2対称軸を有しない。
【0038】
いくつかの実施形態は、式2:
【化5】

(式2)
によって表される化合物を提供する。
【0039】
式2に関して、各点線は、独立して、任意の結合である。例えば、いくつかの実施形態は、式2Aまたは式2Bによって表される化合物に関する。
【化6】

(式2A)
【化7】

(式2B)
【0040】
式2、式2Aおよび式2Bに関する実施形態において、PhおよびPhは、独立して、必要に応じて置換される1,4−インターフェニレンまたは必要に応じて置換される1,3−インターフェニレンである。いくつかの実施形態において、PhおよびPhは、C1−6アルキルおよびC1−6ペルフルオロアルキルから独立して選択される1、2または3個の置換基を有しうる。
【0041】
さらに、式2、式2Aおよび式2Bに関して、yは、0または1であり得、zは、0または1でありうる。RおよびR10は、独立して、H、C1−3アルキルまたはC1−3ペルフルオロアルキルであり;R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21およびR22は、独立して、H、C1−12アルキル、C1−61−13フルオロアルキルおよび必要に応じて置換されるフェニルからなる群から選択される。
【0042】
式2、式2Aおよび式2Bに関して、いくつかの実施形態において、RおよびR10は、Hであるか;RおよびR10は、CHであるか;あるいは、RおよびR10は、CFである。他の実施形態において、R11は、C1−8アルキルあるいはフェニルである。他の実施形態において、R12は、C1−8アルキルあるいはフェニルである。他の実施形態において、R11、R16、R17およびR22は、独立して、HまたはC1−8アルキルである。いくつかの実施形態において、R11、R16、R17およびR22は、独立して、C1−8アルキルまたはフェニルである。いくつかの実施形態において、R11、R16、R18およびR21は、独立して、H、C1−8アルキルまたはフェニルである。いくつかの実施形態において、R12、R15、R18およびR21は、独立して、H、C1−8アルキルまたはフェニルである。
【0043】
他の実施形態は、必要に応じて置換される5,5’−ビス(ジフェニルアミノ)−3,3’−ビピリジン、必要に応じて置換される6,6’−(ジカルバゾール−9−イル)−3,3’−ビピリジン、必要に応じて置換される6,6’−ビス(ジフェニルアミノ)−3,3’−ビピリジン、必要に応じて置換される5,5’−(ジカルバゾール−9−イル)−3,3’−ビピリジン、必要に応じて置換される5,5’−ビス(4−ジフェニルアミノフェニル)−3,3’−ビピリジン、必要に応じて置換される5,5’−ビス(4−(3,6−ジメチルカルバゾール−9−イル)フェニル)−3,3’−ビピリジン、必要に応じて置換される5,5’−ビス(4−(カルバゾール−9−イル)フェニル)−3,3’−ビピリジン、必要に応じて置換される5,5’−ビス(4−ジ(4−メチルフェニル)アミノフェニル)−3,3’−ビピリジン、必要に応じて置換される4,4’−(3,3’−ビピリジン−6,6’−ジイル)ビス(N,N−ジフェニルアニリン)、必要に応じて置換される5,5’−ビス(3−ジフェニルアミノフェニル)−3,3’−ビピリジン、必要に応じて置換される5,5’−ビス(3−(カルバゾール−9−イル)フェニル)−3,3’−ビピリジンおよび必要に応じて置換される6,6’−ビス(4−(カルバゾール−9−イル)フェニル)−3,3’−ビピリジンから選択される化合物を提供する。いくつかの実施形態において、これらの化合物は、置換されなくてもよいし、C1−12アルキル;CF;および0、1または2個の置換基を有するフェニルから独立して選択される1、2、3、4、5または6個の置換基を有してもよく、ここで、フェニル上の置換基は、独立して、C1−3アルキルまたはCFである。
【0044】
いくつかの実施形態は、式3:
【化8】

(式3)
によって表される化合物を提供し、式中、RおよびR10は、独立して、H、CHまたはCFであり;R11、R12、R15、R16、R17、R18、R21およびR22は、独立して、H、非置換フェニルまたはC1−8アルキルである。いくつかの実施形態において、R11、R16、R17およびR22は、独立して、H、C1−8アルキルまたはフェニルである。他の実施形態において、R11、R16、R18およびR21は、独立して、H、C1−8アルキルまたはフェニルである。他の実施形態において、R12、R15、R18およびR21は、独立して、H、C1−8アルキルまたはフェニルである。
【0045】
いくつかの実施形態は、下記の化合物のうちの1つを提供する。
【化9】

【0046】
本明細書中に記載される化合物は、様々な方法で発光デバイスに組み込まれうる。発光デバイスは、陰極、陽極、および本明細書中に記載される化合物を含む有機成分を有しうる。本明細書中に記載される化合物の少なくとも1つは、その有機成分中に存在し得、電子移送特性、正孔移送特性、または電子移送特性と正孔移送特性の両方を備えたホスト材料として有用でありうる。
【0047】
いくつかの実施形態において、上記有機成分は、発光層を構成し、上記デバイスは、正孔が陽極から発光層に輸送されることを可能にし、電子が陰極から発光層に輸送されるのを可能にするように構築されうる。その発光層は、必要に応じて、ホスト化合物を含んでもよい。そのうえ、その有機成分はさらに、陽極と発光層との間に配置され、正孔が陽極から発光層に輸送されるのを可能にするように構築されうる、正孔輸送層を構成しうる。その有機成分はさらに、陰極と発光層との間に配置され、電子が陰極から発光層に輸送されるのを可能にするように構築されうる、電子輸送層を構成しうる。
【0048】
いくつかの実施形態において、発光層、正孔輸送層および電子輸送層のうちの少なくとも1つが、ホスト化合物を含む。いくつかの実施形態において、発光層、正孔輸送層および電子輸送層のすべてが、ホスト化合物を含む。1つの実施形態において、ホストは、両極性であり、正孔を移送する能力は、電子を輸送する能力とほぼ等しい。
【0049】
陽極層は、従来の材料(例えば、金属、混合金属、合金、金属酸化物または混合金属酸化物)または導電性ポリマーを含みうる。適当な金属の例としては、第1族金属、第4、5、6族の金属および第8〜10族の遷移金属が挙げられる。陽極層が、光を伝達するものである場合、第12、13および14族の金属の混合金属酸化物またはそれらの合金(例えば、Au、Ptおよび酸化インジウムスズ(ITO))が、使用されうる。陽極層は、例えば、“Flexible light−emitting diodes made from soluble conducting polymer,”(Nature,vol.357,pp.477−479(11 June 1992))に記載されているようなポリアニリンなどの有機材料を含んでもよい。適当な高仕事関数金属の例としては、Au、Pt、酸化インジウムスズ(ITO)またはそれらの合金が挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態において、陽極層は、約1nm〜約1000nmの範囲の厚さを有することができる。
【0050】
陰極層は、陽極層よりも低い仕事関数を有する材料を含みうる。陰極層に適した材料の例としては、第1族のアルカリ金属、第2族の金属、第12族の金属(希土類元素、ランタニドおよびアクチニドを含む)、アルミニウム、インジウム、カルシウム、バリウム、サマリウムおよびマグネシウムなどの材料から選択される材料ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。Li含有有機金属化合物であるLiFおよびLiOもまた、作動電圧を下げるために有機層と陰極層との間に堆積されうる。適当な低仕事関数金属としては、Al、Ag、Mg、Ca、Cu、Mg/Ag、LiF/Al、CsF、CsF/Alまたはそれらの合金が挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態において、陰極層は、約1nm〜約1000nmの範囲の厚さを有することができる。
【0051】
いくつかの実施形態において、発光層は、発光成分または発光化合物をさらに含んでもよい。その発光成分は、蛍光性および/または燐光性の化合物でありうる。いくつかの実施形態において、その発光成分は、燐光材料を含む。
【0052】
発光成分または発光化合物を選択することにより、発光デバイスによって放出される光の色が変化しうる。例えば、青色発光成分は、その光が観察者に対して青色の性質を有すると見られるように可視光子の組み合わせを放出しうる。いくつかの実施形態において、青色発光成分は、約440nmまたは約460nm〜約490nmまたは約500nmの範囲の平均波長を有する可視光子を放出しうる。青色発光成分の一部または全部を形成しうる化合物のいくつかの非限定的な例としては、イリジウム配位化合物、例えば:ビス−{2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)−ピコリネート、ビス(2−[4,6−ジフルオロフェニル]ピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)ピコリネート、ビス(2−[4,6−ジフルオロフェニル]ピリジナト−N,C2’)イリジウム(アセチルアセトネート)、イリジウム(III)ビス(4,6−ジフルオロフェニルピリジナト)−3−(トリフルオロメチル)−5−(ピリジン−2−イル)−1,2,4−トリアゾレート、イリジウム(III)ビス(4,6−ジフルオロフェニルピリジナト)−5−(ピリジン−2−イル)−1H−テトラゾレート、ビス[2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラ(1−ピラゾリル)ボレートなどが挙げられる。
【化10】



【0053】
赤色発光成分は、その光が観察者に対して赤色の性質を有すると見られるように可視光子の組み合わせを放出しうる。いくつかの実施形態において、赤色発光成分は、約600nmまたは約620nm〜約780nmまたは約800nmの範囲の平均波長を有する可視光子を放出しうる。赤色発光成分の一部または全部を形成しうる化合物のいくつかの非限定的な例としては、イリジウム配位化合物、例えば:ビス[2−(2’−ベンゾチエニル)−ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III)(アセチルアセトネート);ビス[(2−フェニルキノリル)−N,C2’]イリジウム(III)(アセチルアセトネート);ビス[(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)]イリジウム(III)(アセチルアセトネート);ビス[(ジベンゾ[f,h]キノキサリノ−N,C2’)イリジウム(III)(アセチルアセトネート);トリス(2,5−ビス−2’−(9’,9’−ジヘキシルフルオレン)ピリジン)イリジウム(III);トリス[1−フェニルイソキノリナト−N,C2’]イリジウム(III);トリス−[2−(2’−ベンゾチエニル)−ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III);トリス[1−チオフェン−2−イルイソキノリナト−N,C3’]イリジウム(III);およびトリス[1−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)イソキノリナト−(N,C3’)イリジウム(III)]などが挙げられる。
【化11】

1.(Btp)Ir(III)(acac);ビス[2−(2’−ベンゾチエニル)−ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III)(アセチルアセトネート)
2.(Pq)Ir(III)(acac);ビス[(2−フェニルキノリル)−N,C2’]イリジウム(III)(アセチルアセトネート)
3.(Piq)Ir(III)(acac);ビス[(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)]イリジウム(III)(アセチルアセトネート)
4.(DBQ)Ir(acac);ビス[(ジベンゾ[f,h]キノキサリノ−N,C2’)イリジウム(III)(アセチルアセトネート)
5.[Ir(HFP)],トリス(2,5−ビス−2’−(9’,9’−ジヘキシルフルオレン)ピリジン)イリジウム(III)
6.Ir(piq);トリス[1−フェニルイソキノリナト−N,C2’]イリジウム(III)
7.Ir(btp);トリス−[2−(2’−ベンゾチエニル)−ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III)
8.Ir(tiq),トリス[1−チオフェン−2−イルイソキノリナト−N,C3’]イリジウム(III)
9.Ir(fliq);トリス[1−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)イソキノリナト−(N,C3’)イリジウム(III))
【0054】
緑色発光成分は、その光が観察者に対して緑色の性質を有すると見られるように可視光子の組み合わせを放出しうる。いくつかの実施形態において、緑色発光成分は、約490nmまたは約500nm〜約570nmまたは約600nmの範囲の平均波長を有する可視光子を放出しうる。緑色発光成分の一部または全部を形成しうる化合物のいくつかの非限定的な例としては、イリジウム配位化合物、例えば:ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(アセチルアセトネート)[Ir(ppy)(acac)]、ビス(2−(4−トリル)ピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(アセチルアセトネート)[Ir(mppy)(acac)]、ビス(2−(4−tert−ブチル)ピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(アセチルアセトネート)[Ir(t−Buppy)(acac)]、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)[Ir(ppy)]、ビス(2−フェニルオキサゾリナト−N,C2’)イリジウム(III)(アセチルアセトネート)[Ir(op)(acac)]、トリス(2−(4−トリル)ピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)[Ir(mppy)]などが挙げられる。
【化12】

【0055】
橙色発光成分は、その光が観察者に対して橙色の性質を有すると見られるように可視光子の組み合わせを放出しうる。いくつかの実施形態において、橙色発光成分は、約570nmまたは約585nm〜約620nmまたは約650nmの範囲の平均波長を有する可視光子を放出しうる。橙色発光成分の一部または全部を形成しうる化合物のいくつかの非限定的な例としては、イリジウム配位化合物、例えば:ビス[2−フェニルベンゾチアゾラト−N,C2’]イリジウム(III)(アセチルアセトネート)、ビス[2−(4−tert−ブチルフェニル)ベンゾチアゾラト−N,C2’]イリジウム(III)(アセチルアセトネート)、ビス[(2−(2’−チエニル)ピリジナト−N,C3’)]イリジウム(III)(アセチルアセトネート)、トリス[2−(9.9−ジメチルフルオレン−2−イル)ピリジナト−(N,C3’)]イリジウム(III)、トリス[2−(9.9−ジメチルフルオレン−2−イル)ピリジナト−(N,C3’)]イリジウム(III)、ビス[5−トリフルオロメチル−2−[3−(N−フェニルカルバゾリル(phenylcarbzolyl))ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)(アセチルアセトネート)、(2−PhPyCz)Ir(III)(acac)などが挙げられる。
【化13】

【0056】
白色発光成分は、その光が観察者に対して白色の性質を有すると見られるように可視光子の組み合わせを放出しうる。白色光を放出しうるいくつかのタイプの化合物が存在する。例えば、いくつかの実施形態では、単一化合物が、異なる有色光を独立して放出する複数の放出部分を有することがある。複数の放出部分を含むいくつかの単一化合物では、その放出部分は、下記の例におけるように共有結合的に結合されうる:
【化14】

【0057】
複数の放出部分を含むいくつかの単一化合物は、少なくとも2つの異なる配位子を有する、イリジウム配位化合物または白金配位化合物などの金属配位化合物でありうる。これらの配位子は、同一化合物から少なくとも2つの異なる光の色が同時に放出されうるように、類似の寿命を有しうる。下記の化合物は、そのような化合物の例である
【化15】

【0058】
白色光を放出しうる別のタイプの単一化合物は、エキシマを形成することができる化合物である。これらのタイプの化合物の場合、モノマーおよびエキシマは、種々の波長で放出することがあり、ゆえに、2つの異なる色を放出することがあり、それらは一緒になって白色光に見えることがある。そのような化合物のいくつかの例を以下に示す。
【化16】




【0059】
化合物は、他の方法によって白色光を放出してもよく、例えば、単一化合物が、隣接する層の化合物とともにエキシプレックスを形成してもよく、それは、そのデバイスに対して白色光の放出をもたらしうる。そのような化合物の非限定的な例を以下に示す。
【化17】

【0060】
白色光は、単層または多層において、異なる光を放出する少なくとも2つの発光成分を組み合わせることによっても得られることがある。例えば、単層または2以上の層における赤色発光成分と青色発光成分と緑色発光成分との組み合わせによって、白色光がもたらされることがある。あるいは、単層または2以上の層における青色発光成分と橙色発光成分との組み合わせによって、白色光がもたらされることがある。
【0061】
発光成分の量は、多様でありうる。いくつかの実施形態において、発光成分は、ホストに関して約0.1%(w/w)〜約5%(w/w)または約1%(w/w)でありうる。
【0062】
発光層の厚さは、多様でありうる。いくつかの実施形態において、発光層は、約1nm〜約200nmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、発光層は、約1nm〜約100nmの範囲の厚さを有する。
【0063】
いくつかの実施形態において、発光層は、追加のホスト材料をさらに含むことができる。例示的なホスト材料は、当業者に公知である。例えば、発光層に含められるホスト材料は:芳香族で置換されたアミン、芳香族で置換されたホスフィン、チオフェン、オキサジアゾール、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、1,3−ビス(N,N−t−ブチル−フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(OXD−7)、トリアゾール、3−フェニル−4−(1’−ナフチル)−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、3,4,5−トリフェニル−1,2,3−トリアゾール、3,5−ビス(4−tert−ブチル−フェニル)−4−フェニル[1,2,4]トリアゾール、芳香族フェナントロリン、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−フェナントロリン(バトクプロインまたはBCP)、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、キノリン、アルミニウムトリス(8−ヒドロキシキノレート)(Alq3)、ピリジン、ジシアノイミダゾール、シアノで置換された芳香族の1,3,5−トリス(2−N−フェニルベンゾイミダゾリル)ベンゼン(TPBI)、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、4,4’−ビス[N,N’−(3−トリル)アミノ]−3,3’−ジメチルビフェニル(M14)、4,4’−ビス[N,N’−(3−トリル)アミノ]−3,3’−ジメチルビフェニル(HMTPD)、1,1−ビス(4−ビス(4−メチルフェニル)アミノフェニル)シクロヘキサン、カルバゾール、4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)、ポリ(9−ビニルカルバゾール)(PVK)、N,N’N”−1,3,5−トリカルバゾロイルベンゼン(tCP)、ポリチオフェン、ベンジジン、N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン、トリフェニルアミン、4,4’,4”−トリス(N−(ナフチレン−2−イル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)、フェニレンジアミン、ポリアセチレンおよびフタロシアニン金属錯体から選択される必要に応じて置換される化合物でありうる。
【0064】
いくつかの実施形態において、発光デバイスは、陽極と発光層との間に正孔輸送層、および陰極と発光層との間に電子輸送層をさらに備えてもよい。いくつかの実施形態において、発光層、正孔輸送層および電子輸送層のすべてが、本明細書中に記載されるホスト化合物を含む。
【0065】
いくつかの実施形態において、正孔輸送層は、少なくとも1つの正孔輸送材料を含みうる。適当な正孔輸送材料は、当業者に公知である。例示的な正孔輸送材料としては:1,1−ビス(4−ビス(4−メチルフェニル)アミノフェニル)シクロヘキサン;2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン;3,5−ビス(4−tert−ブチル−フェニル)−4−フェニル[1,2,4]トリアゾール;3,4,5−トリフェニル−1,2,3−トリアゾール;4,4’,4”−トリス(N−(ナフチレン−2−イル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン;4,4’,4’−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA);4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD);4,4’−ビス[N,N’−(3−トリル)アミノ]−3,3’−ジメチルビフェニル(HMTPD);4,4’−ビス[N,N’−(3−トリル)アミノ]−3,3’−ジメチルビフェニル(M14);4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP);1,3−N,N−ジカルバゾール−ベンゼン(mCP);ポリ(9−ビニルカルバゾール)(PVK);ベンジジン;カルバゾール;フェニレンジアミン;フタロシアニン金属錯体;ポリアセチレン;ポリチオフェン;トリフェニルアミン;オキサジアゾール;銅フタロシアニン;N,N’−ビス(3−メチルフェニル)N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD);N,N’N”−1,3,5−トリカルバゾロイルベンゼン(tCP);N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン;などが挙げられる。
【0066】
いくつかの実施形態において、電子輸送層は、少なくとも1つの電子輸送材料を含みうる。適当な電子輸送材料は、当業者に公知である。電子輸送層に含められうる例示的な電子輸送材料は:アルミニウムトリス(8−ヒドロキシキノレート)(Alq3)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、1,3−ビス(N,N−t−ブチル−フェニル)−1,3,,4−オキサジアゾール(OXD−7)、1,3−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン(BPY−OXD)、3−フェニル−4−(1’−ナフチル)−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−フェナントロリン(バトクプロインまたはBCP)および1,3,5−トリス[2−N−フェニルベンゾイミダゾール−z−イル]ベンゼン(TPBI)から選択される必要に応じて置換される化合物である。1つの実施形態において、電子輸送層は、アルミニウムキノレート(Alq)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、フェナントロリン、キノキサリン、1,3,5−トリス−[N−フェニルベンゾイミダゾール−z−イル]ベンゼン(TPBI)またはそれらの誘導体もしくは組み合わせである。
【0067】
所望であれば、さらなる材料を発光デバイスに含めてよい。含めてよいさらなる材料としては、電子注入材料、正孔阻止(hole blocking)材料、励起子阻止(ligand blocking)材料および/または正孔注入材料が挙げられる。その電子注入材料、正孔阻止材料、励起子阻止材料および/または正孔注入材料は、上に記載した任意の層に組み込まれてもよいし、1つ以上の別個の層(例えば、電子注入層、正孔阻止層、励起子阻止層および/または正孔注入層)に組み込まれてもよい。
【0068】
いくつかの実施形態において、発光デバイスは、陰極層と発光層との間に電子注入層を備えることができる。いくつかの実施形態において、電子注入材料の最低空軌道(LUMO)エネルギーレベルは、その電子注入材料が発光層から電子を受け取ることを防ぐに足りるほど高い。他の実施形態において、電子注入材料のLUMOと陰極層の仕事関数とのエネルギーの差は、陰極からの効率的な電子注入を可能にするに足りるほど小さい。いくつかの適当な電子注入材料が、当業者に公知である。適当な電子注入材料の例としては、以下:アルミニウムキノレート(Alq)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、フェナントロリン、キノキサリン、1,3,5−トリス[N−フェニルベンゾイミダゾール−z−イル]ベンゼン(TPBI)、トリアジン、8−ヒドロキシキノリンの金属キレート(例えば、トリス(8−ヒドロキシキノリエート)アルミニウム)および金属チオキシノイド化合物(例えば、ビス(8−キノリンチオラト)亜鉛)から選択される必要に応じて置換される化合物が挙げられるがこれらに限定されない。1つの実施形態において、電子注入層は、アルミニウムキノレート(Alq)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、フェナントロリン、キノキサリン、1,3,5−トリス[N−フェニルベンゾイミダゾール−z−イル]ベンゼン(TPBI)またはそれらの誘導体もしくは組み合わせである。
【0069】
いくつかの実施形態において、デバイスは、例えば、陰極と発光層との間に、正孔阻止層を備えることができる。正孔阻止層に含められうる様々な適当な正孔阻止材料が、当業者に公知である。適当な正孔阻止材料としては、以下:バトクプロイン(BCP)、3,4,5−トリフェニル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ビス(4−tert−ブチル−フェニル)−4−フェニル−[1,2,4]トリアゾール、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリンおよび1,1−ビス(4−ビス(4−メチルフェニル)アミノフェニル)−シクロヘキサンから選択される必要に応じて置換される化合物が挙げられるがこれらに限定されない。
【0070】
いくつかの実施形態において、発光デバイスは、例えば、発光層と陽極との間に、励起子阻止層を備えることができる。1つの実施形態において、励起子阻止材料のバンドギャップは、励起子の拡散を実質的に防ぐに足りるほど大きい。励起子阻止層に含められうるいくつかの適当な励起子阻止材料が、当業者に公知である。励起子阻止材料の例としては、以下:アルミニウムキノレート(Alq)、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)、4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)およびバトクプロイン(BCP)から選択される必要に応じて置換される化合物、ならびに励起子の拡散を実質的に防ぐに足りるほど大きいバンドギャップを有する他の任意の材料が挙げられる。
【0071】
いくつかの実施形態において、発光デバイスは、例えば、発光層と陽極との間に正孔注入層を備えることができる。正孔注入層に含められうる様々な適当な正孔注入材料は、当業者に公知である。例示的な正孔注入材料としては、以下:ポリチオフェン誘導体(例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルホン酸(PSS)))、ベンジジン誘導体(例えば、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン、ポリ(N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン))、トリフェニルアミン誘導体またはフェニレンジアミン誘導体(例えば、N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−1,4−フェニレンジアミン、4,4’,4”−トリス(N−(ナフチレン−2−イル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン)、オキサジアゾール誘導体(例えば、1,3−ビス(5−(4−ジフェニルアミノ)フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ベンゼン)、ポリアセチレン誘導体(例えば、ポリ(1,2−ビス−ベンジルチオ−アセチレン))およびフタロシアニン金属錯体誘導体(例えば、フタロシアニン銅)から選択される必要に応じて置換される化合物が挙げられる。正孔注入材料は、なおも正孔を輸送することができるが従来の正孔輸送材料の正孔移動度よりも実質的に小さい正孔移動度を有することがある。
【0072】
当業者は、デバイス構成に応じて、上に記載した様々な材料がいくつかの異なる層に組み込まれうることを認識するだろう。1つの実施形態において、各層において使用される材料は、発光層において正孔と電子との再結合をもたらすように選択される。
【0073】
本明細書中に開示される化合物を含む発光デバイスは、本明細書中に提供される指針によって情報提供されるように、当該分野で公知の手法を用いて製作することができる。例えば、ガラス基材が、陽極として作用することができるITOなどの高仕事関数金属でコーティングされうる。陽極層をパターニングした後、少なくとも本明細書中に開示される化合物を含む発光層が、その陽極上に堆積されうる。次いで、低仕事関数金属(例えば、Mg:Ag)を含む陰極層が、発光層上に蒸着されうる。所望であれば、デバイスは、本明細書中に提供される指針によって情報提供されるように、当該分野で公知の手法を用いてデバイスに加えられうる、電子輸送層/電子注入層、正孔阻止層、正孔注入層、励起子阻止層および/または第2発光層も備えることができる。
【実施例】
【0074】
(実施例1)
ホスト化合物の例は、以下のスキームに従って合成されうる:
【化18】

【0075】
(実験)
ブロモ−Py−Cbz(1)
Hou,Z.;Liu,Y.;Nishiura,M.;Wang,Y.J.Am.Chem.Soc.2006,128(17),5592−5593から適応させた手順に従って、化合物1を作製した。カルバゾール(4.751g,28.41mmol)と、3,5−ジブロモピリジン(20.19g,85.23mmol)と、KCO(15.71g,113.6mmol)と、銅粉末(1.204g,18.94mmol)と、18−クラウン−6エーテル(2.503g,9.470mmol)と、1,2−ジクロロベンゼン(150mL)との混合物を、撹拌しながら、アルゴンを用いて1時間脱気した。次いで、その反応混合物をアルゴン下で撹拌しながら20時間にわたって200℃に維持した。RTに冷却したら、粗混合物を濾過し、真空中で濃縮した。次いで、得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィ(SiO,1:1〜11:9ジクロロメタン−ヘキサン類)で精製することにより、1(6.75g,74%)を白色固体として得た:mp=118〜120℃;H NMR(400MHz,CDCl):δ8.81(dd,J=23.2,2.0Hz,2H),8.14(d,J=7.7Hz,2H),8.10(t,J=2.2Hz,1H),7.47−7.32(m,6H);13C NMR(100.5MHz,CDCl):δ149.4,146.5,140.2,136.8,135.4,126.4,123.8,121.0,120.9,120.6,109.2.
【0076】
Dicbz−Bipy(2)
1(1.500g,4.641mmol)と、ビス(ピナコラト)ジボロン(0.648g,2.55mmol)と、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(114mg,0.139mmol)と、酢酸カリウム(1.367,13.92mmol)と、DMSO(38mL)との混合物を、撹拌しながら、アルゴンを用いて30分間脱気した。次いで、その反応混合物をアルゴン下で撹拌しながら46時間にわたって90℃に維持した。RTに冷却したら、その反応物をジクロロメタン(250mL)に注ぎ込み、有機物を飽和NaHCO、水(4×)およびブラインで洗浄した。次いで、有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(SiO,49:1ジクロロメタン−アセトン)、それに続くヘキサン類およびジクロロメタン(およそ2:1)からの再結晶による粗生成物の精製によって、2(1.09g,96%)をオフホワイトの固体として得た:mp=239〜241℃;H NMR(400MHz,CDCl):δ9.01(dd,J=11.0,2.2Hz,4H),8.21(t,J=2.2Hz,2H),8.17(d,J=7.7Hz,4H),7.45(d,J=3.3Hz,8H),7.36−7.32(m,4H);13C NMR(100.5MHz,CDCl):δ148.4,146.6,140.4,135.1,133.7,132.6,126.4,123.8,120.9,120.6,109.2;Anal.Calcd.for C3422:C,83.93;H,4.56;N,11.51.Found:C,83.43;H,4.57;N,11.32.
【0077】
クロロホルム中の2の分光学的特性を得て、その結果を図1に示す。
【0078】
(実施例2)
デバイスCの製作:ITOでコーティングされたガラス基材を、アセトンおよび2−プロパノール中で連続して超音波によって清浄にし、次いで、110℃で3時間ベーキングした後、酸素プラズマで5分間処理した。PEDOT:PSS(H.C.Starck製のBaytron P)の層を、予め清浄にされてOプラズマ処理された(ITO)基材上に3000rpmでスピンコートし、180℃で10分間アニールすることにより、およそ40nmの厚さを得た。10−7トル(1トル=133.322Pa)の圧力のグローブボックス付き真空蒸着システムにおいて、まず、4,4’4”−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)を0.06nm/sの堆積速度でPEDOT/PSS層の上に堆積することにより、30nmの厚さの薄膜を得た。次いで、Dicbz−Bipyおよび白金(II)2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’)(2,4−ペンタンジオナト)(FPt)を同時に加熱し、12wt%のFPtを生成する異なる堆積速度でTCTAの上に堆積した後、およそ0.06nm/sの堆積速度で2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)を堆積した。次いで、CsFおよびAlをそれぞれ0.005および0.2nm/sの堆積速度で続けて堆積した。各個別のデバイスは、0.14cmの面積を有する。Ocean Optics HR 4000分光計を用いてすべてのスペクトルを測定し、Keithley 2400 SourceMeterおよびNewport 2832−C電力計ならびに818UV検出器を用いて、I−V−L特性を測定した。すべてのデバイスの操作は、窒素で満たされたグローブボックス内で行った。
【0079】
(実施例3)
Dicbz−Bipyの両極性特性を、デバイスAおよびBを用いて評価した。デバイスAは、以下のとおり製作した:ITOでコーティングされたガラス基材を、アセトンおよび2−プロパノール中で連続して超音波によって清浄にし、次いで、110℃で3時間ベーキングした後、酸素プラズマで5分間処理した。PEDOT:PSS(H.C.Starck製のBaytron P)の層を、予め清浄にされてOプラズマ処理された(ITO)基材上に3000rpmでスピンコートし、180℃で10分間アニールすることにより、およそ40nmの厚さを得た。10−7トル(1トル=133.322Pa)の圧力のグローブボックス付き真空蒸着システムにおいて、まず、Dicbz−Bipyを0.06nm/sの堆積速度でPEDOT/PSS層の上に堆積した後、0.2nm/sの堆積速度でAlを堆積した。
【0080】
デバイスBは、以下のとおり製作した:ITOでコーティングされたガラス基材を、アセトンおよび2−プロパノール中で連続して超音波によって清浄にし、次いで、110℃で3時間ベーキングした後、酸素プラズマで5分間処理した。10−7トル(1トル=133.322Pa)の圧力のグローブボックス付き真空蒸着システムにおいて、まず、Alの層を0.2nm/sの堆積速度で堆積した後、0.06nm/sの堆積速度でDicbz−Bipyを堆積した。次いで、CsFおよびAlを、それぞれ0.005および0.2nm/sの堆積速度で続けて堆積した。デバイスAおよびデバイスBのI−Vスペクトルを図2に示すが、図2は、バランスのとれた正孔流と電子流を示しており、Dicbz−Bipyが両極性特性を有することを示唆している。各デバイスにおける測定中にいかなる検出可能なエレクトロルミネセンス(EL)も存在しないことから、単極注入であることが保証されることに注意されたい。
【0081】
(実施例4)
デバイスCのエレクトロルミネセンス(EL)スペクトルを、異なる2つの駆動電圧、5.5Vおよび8Aにおいて測定した(図3)。また、CIE値およびCRI値を種々の駆動電圧において測定した。CIE色座標(X,Y)は、無色点(achromatic point)として定義される。このXおよびYの色座標は、色を一致させるためにCIE原色に適用される重みである。これらの用語の詳細な説明は、CIE 1971,International Commission on Illumination,Colorimetry:Official Recommendations of the International Commission on Illumination,Publication CIE No.15(E−1.3.1)1971,Bureau Central de la CIE,Paris,1971およびF.W.Billmeyer,Jr.,M.Saltzman,Principles of Color Technology,2nd edition,John Wiley & Sons,Inc.,New York,1981(これらの両方の全体が本明細書によって参考として援用される)に見られることがある。演色指数(CRI)とは、様々な色を与える能力のことを指し、0〜100の範囲の値(100が最良)を有する。5.5Vでは、デバイスCのCIEは、(0.45,0.46)であり、CRI値は、73だった。8Vでは、CIEは、(0.43,0.46)であり、CRI値は、70だった。
【0082】
さらに、図4に示されるように、駆動電圧に応じて電流密度および輝度を測定することによって、デバイスCのデバイス性能を評価した。デバイスCに対する立ち上がり電圧は、約4.7ボルトであり、最大輝度は、約8000cd/mだった。図5は、電流密度に応じたEQE(外部量子効率)および発光効率を示している。デバイスCのEQEは、約11.8%であり、発光効率は、約26.4cd/Aだった。電力効率(PE)は、1000cd/mにおいて14.5lm/wだった。
【0083】
(実施例5)
(空間電荷制限電流(SCLC)法によって電荷移動度を測定する実施例)
本明細書中に開示される化合物の有用性は、それらの電荷移動度によって証明される。有機薄膜のキャリア移動度は、Mottの定常状態SCLCモデル
J=9εεμV/8L
に基づく電流−電圧(IV)測定における空間電荷制限電流から得ることができる。
【0084】
式中、εは、真空の誘電率であり、εは、有機層の比誘電率であり、μは、有機層のキャリア移動度であり、Vは、電圧バイアスであり、Lは、有機層の厚さである。
【0085】
有機層の電子移動度および正孔移動度を評価するために、単一キャリアデバイス(電子のみおよび正孔のみのデバイス)が作製されうる。電子のみのデバイスは、Al/有機層/LiF/Al構造を有しうる(Alが陽極としてであり、LiF/Alが陰極としてである)。そのLiF/Al電極は、有機層の低位(lower lying)LUMOへの電子の注入を促進することができる低仕事関数(約2.6eV)を有する。対照的に、Alは、調査される有機層のHOMO(5〜6eV)よりも相対的に低い仕事関数(4.28eV)を有し、それにより、陽極からの正孔の注入が妨げられる。したがって、電子だけが有機層に注入され、有機層内の唯一の電荷キャリアとして電子移動度が測定されうる。
【0086】
正孔のみのデバイスは、ITO/PEDOT/有機層/Alを有しうる(ITOが陽極としてであり、Alが陰極としてである)。PEDOTの高仕事関数(5.2〜5.4eV)によって、陽極から有機層への正孔の注入が促進される。対照的に、Alの仕事関数(4.28eV)は、有機層のLUMO(2〜4eV)よりも高く、これにより、陰極からの電子の注入が妨げられる。したがって、正孔だけが有機層に注入され、有機層内の唯一の電荷キャリアとして正孔移動度が測定されうる。
【0087】
両方の場合において、有機層の厚さは、100nmに維持される。
【0088】
空間電荷制限電流を測定するために、そのデバイスに対する高電圧走査(0〜10V)を利用して、大電流の限界でそのデバイスがSCLC状態にあることを確かめる。次いで、IV曲線を上で述べたSCLCモデルにあてはめる。次いで、フィッティングパラメータからキャリア移動度を導き出すことができる。電子移動度および正孔移動度を、それぞれ同じ有機層に対する電子のみおよび正孔のみのデバイスから導き出すことができる。
【0089】
(実施例6)
単一キャリアデバイスの製作:基材(正孔のみのデバイスの場合は、ITOでコーティングされたガラス、電子のみのデバイスの場合は、ガラス)を洗浄剤によって清浄にし、アセトンの超音波浴、続いて2−プロパノールの超音波浴において清浄にし、110℃で3時間ベーキングした。正孔のみのデバイスについては、まず、予め清浄にされたITO基材に30分間のUV−オゾン処理を施した。その基材上にPEDOT:PSS(H.C.Starckから購入したBaytron P)の層を6000rpmでスピンコートし、グローブボックス内において180℃で30分間アニールすることにより、およそ20nmの厚さを得た。10−7トル(1トル=133.322Pa)の圧力のグローブボックス付き真空蒸着システムにおいて、まず、評価される100nm厚の層の有機化合物を0.1nm/sの堆積速度でPEDOT/PSS層の上に熱蒸発によって堆積した。次いで、50nmの厚さのAl層を、デバイスの範囲を限定するためにシャドーマスクを通して0.3nm/sの堆積速度で熱蒸発によって続けて堆積した。
【0090】
電子のみのデバイスについては、10−7トル(1トル=133.322Pa)の圧力のグローブボックス付き真空蒸着システムにおいて、シャドーマスクを通して0.3nm/sの堆積速度で20nmの厚さのAl底面電極を堆積した。続いて、評価される100nm厚の層の有機化合物を0.1nm/sの堆積速度でその基材上に堆積した。次いで、上部電極LiFおよびAlを、それぞれ1.4nmおよび50nmの厚さを得るために0.02および0.3nm/sの堆積速度でシャドーマスクを通して続けて堆積した。
【0091】
正孔のみおよび電子のみのデバイスに対するデバイスの面積は、それぞれ0.08および0.04cmである。0〜10Vの電圧走査を利用して同時に電流を測定するKeithley 2400 Source Meterを用いて、I−V測定を行った。すべてのデバイスの操作は、窒素で満たされたグローブボックス内で行った。IV曲線の大電流端(6〜10V)をSCLCモデルJ=9εεμV/8Lにあてはめた。次いで、電子移動度および正孔移動度を、それぞれ電子のみおよび正孔のみのデバイスに対するフィッティングパラメータから導き出すことができる。この方法は、JC−HT3を、試験されるホスト化合物に置き換えることによって任意のホスト化合物に適合させられうる。
【0092】
本発明は、ある特定の好ましい実施形態および実施例に照らして開示されてきたが、本発明が、具体的に開示された実施形態を超えて、他の代替の実施形態、ならびに/または本発明の使用ならびにその明らかな改変および等価物にまで拡大することを当業者は理解する。したがって、本明細書中に開示される本発明の範囲は、上に記載して開示された特定の実施形態に限定されるのではなく、以下に続く請求項の適正な解釈によってのみ決定されるべきであると意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1:
【化1】

(式1)
によって表される化合物であって、
式中、R、R、R、R、RおよびRは、独立して、H、必要に応じて置換されるC1−12アルキル、必要に応じて置換されるフェニル、必要に応じて置換されるカルバゾリル、必要に応じて置換されるジフェニルアミン、必要に応じて置換されるカルバゾリルフェニルおよび必要に応じて置換されるジフェニルアミノフェニルからなる群から選択されるが;
ただし:R、RおよびRのうちの少なくとも1つは、必要に応じて置換されるカルバゾリル、必要に応じて置換されるジフェニルアミン、必要に応じて置換されるカルバゾリルフェニルおよび必要に応じて置換されるジフェニルアミノフェニルから選択され、
、RおよびRのうちの少なくとも1つは、必要に応じて置換されるカルバゾリル、必要に応じて置換されるジフェニルアミン、必要に応じて置換されるカルバゾリルフェニルおよび必要に応じて置換されるジフェニルアミノフェニルから選択され;そして
およびRは、独立して、H、必要に応じて置換されるC1−12アルキル、必要に応じて置換されるフェニル、必要に応じて置換されるジフェニルアミンおよび必要に応じて置換されるジフェニルアミノフェニルからなる群から選択される、
化合物。
【請求項2】
、R、R、R、RおよびRが、Hであり、RおよびRが、独立して、必要に応じて置換されるカルバゾリル、必要に応じて置換されるジフェニルアミン、必要に応じて置換されるカルバゾリルフェニルおよび必要に応じて置換されるジフェニルアミノフェニルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
、R、R、R、RおよびRが、独立して、H、非置換C1−12アルキル、1から13個のハロゲン置換基を有するC1−12アルキル、必要に応じて置換されるフェニル、必要に応じて置換されるカルバゾリル、必要に応じて置換されるジフェニルアミン、必要に応じて置換されるカルバゾリルフェニルおよび必要に応じて置換されるジフェニルアミノフェニルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
C2対称軸を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
C2対称軸を有しない、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
式2:
【化2】

(式2)
によってさらに表される請求項1に記載の化合物であって、
式中、各点線は、独立して、任意の結合であり、
PhおよびPhは、独立して、必要に応じて置換される1,4−インターフェニレンまたは必要に応じて置換される1,3−インターフェニレンであり、
yおよびzは、独立して、0または1であり;
およびR10は、独立して、H、C1−3アルキルまたはC1−3ペルフルオロアルキルであり;そして
11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21およびR22は、独立して、H、C1−12アルキル、C1−61−13フルオロアルキルおよび必要に応じて置換されるフェニルからなる群から選択される、
請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
11、R16、R17およびR22が、独立して、HまたはC1−8アルキルである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
11、R16、R17およびR22が、独立して、C1−8アルキルまたはフェニルである、請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
11、R16、R18およびR21が、独立して、H、C1−8アルキルまたはフェニルである、請求項6に記載の化合物。
【請求項10】
12、R15、R18およびR21が、独立して、H、C1−8アルキルまたはフェニルである、請求項6に記載の化合物。
【請求項11】
以下:
【化3】

からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
必要に応じて置換される5,5’−ビス(ジフェニルアミノ)−3,3’−ビピリジン、必要に応じて置換される6,6’−(ジカルバゾール−9−イル)−3,3’−ビピリジン、必要に応じて置換される6,6’−ビス(ジフェニルアミノ)−3,3’−ビピリジン、必要に応じて置換される5,5’−(ジカルバゾール−9−イル)−3,3’−ビピリジン、必要に応じて置換される5,5’−ビス(4−ジフェニルアミノフェニル)−3,3’−ビピリジン、必要に応じて置換される5,5’−ビス(4−(3,6−ジメチルカルバゾール−9−イル)フェニル)−3,3’−ビピリジン、必要に応じて置換される5,5’−ビス(4−(カルバゾール−9−イル)フェニル)−3,3’−ビピリジン、必要に応じて置換される5,5’−ビス(4−ジ(4−メチルフェニル)アミノフェニル)−3,3’−ビピリジン、必要に応じて置換される4,4’−(3,3’−ビピリジン−6,6’−ジイル)ビス(N,N−ジフェニルアニリン)、必要に応じて置換される5,5’−ビス(3−ジフェニルアミノフェニル)−3,3’−ビピリジン、必要に応じて置換される5,5’−ビス(3−(カルバゾール−9−イル)フェニル)−3,3’−ビピリジンおよび必要に応じて置換される6,6’−ビス(4−(カルバゾール−9−イル)フェニル)−3,3’−ビピリジンから選択される、化合物。
【請求項13】
必要に応じて置換される5,5’−(ジカルバゾール−9−イル)−3,3’−ビピリジン、必要に応じて置換される5,5’−ビス(3−ジフェニルアミノフェニル)−3,3’−ビピリジンまたは必要に応じて置換される5,5’−ビス(4−ジフェニルアミノフェニル)−3,3’−ビピリジンである請求項12に記載の化合物であって、ここで、該化合物は:C1−12アルキル;CF;および1または2個の置換基で必要に応じて置換されるフェニルから独立して選択される1、2、3、4、5または6個の置換基で必要に応じて置換され、フェニル上の該置換基は、独立して、C1−3アルキルまたはCFである、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
陰極;
陽極;および
該陽極と該陰極との間に配置された有機成分
を備える有機発光ダイオードデバイスであって、
ここで、該有機成分は、発光成分および請求項1〜13のいずれか1項に記載のホスト化合物を含む、有機発光ダイオードデバイス。
【請求項15】
該発光成分が、燐光材料を含む、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
該有機成分が、該ホスト化合物を含む発光層をさらに備える、請求項14に記載のデバイス。
【請求項17】
該有機成分が:
該陽極と発光層との間に配置された正孔輸送層;および
該陰極および該発光層に配置された電子輸送層
を備える請求項14に記載のデバイスであって、
ここで、該発光層、該正孔輸送層および該電子輸送層のうちの少なくとも1つは、該ホスト化合物を含む、請求項14に記載のデバイス。
【請求項18】
該発光層が、該ホスト化合物を含む、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
該正孔輸送層が、該ホスト化合物を含む、請求項17に記載のデバイス。
【請求項20】
該電子輸送層が、該ホスト化合物を含む、請求項17に記載のデバイス。
【請求項21】
該発光層、該正孔輸送層および該電子輸送層のすべてが、該ホスト化合物を含む、請求項17に記載のデバイス。
【請求項22】
該ホスト化合物が、両極性である、請求項14に記載のデバイス。
【請求項23】
該ホスト化合物が:
【化4】

である、請求項14に記載のデバイス。
【請求項24】
該発光成分が、青色発光成分である、請求項14〜23のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項25】
該青色発光成分が、約440nmから約500nmの範囲の平均波長を有する可視光子を放出する、請求項24に記載のデバイス。
【請求項26】
該青色発光成分が、イリジウム配位化合物を含む、請求項24に記載のデバイス。
【請求項27】
該青色発光成分が:ビス−{2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)−ピコリネート、ビス(2−[4,6−ジフルオロフェニル]ピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)ピコリネート、ビス(2−[4,6−ジフルオロフェニル]ピリジナト−N,C2’)イリジウム(アセチルアセトネート)、イリジウム(III)ビス(4,6−ジフルオロフェニルピリジナト)−3−(トリフルオロメチル)−5−(ピリジン−2−イル)−1,2,4−トリアゾレート、イリジウム(III)ビス(4,6−ジフルオロフェニルピリジナト)−5−(ピリジン−2−イル)−1H−テトラゾレートおよびビス[2−(4,6−ジフルオロフェニル(difuluorophenyl))ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラ(1−ピラゾリル)ボレートからなる群から選択される化合物を含む、請求項24に記載のデバイス。
【請求項28】
該発光成分が、赤色発光成分である、請求項14〜23のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項29】
該赤色発光成分が、約600nmから約800nmの範囲の平均波長を有する可視光子を放出する、請求項28に記載のデバイス。
【請求項30】
該赤色発光成分が、イリジウム配位化合物を含む、請求項28に記載のデバイス。
【請求項31】
該赤色発光成分が:ビス[2−(2’−ベンゾチエニル)−ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III)(アセチルアセトネート);ビス[(2−フェニルキノリル)−N,C2’]イリジウム(III)(アセチルアセトネート);ビス[(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)]イリジウム(III)(アセチルアセトネート);ビス[(ジベンゾ[f,h]キノキサリノ−N,C2’)イリジウム(lll)(アセチルアセトネート);トリス(2,5−ビス−2’−(9’,9’−ジヘキシルフルオレン)ピリジン)イリジウム(III);トリス[1−フェニルイソキノリナト−N,C2’]イリジウム(III);トリス−[2−(2’−ベンゾチエニル)−ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III);トリス[1−チオフェン−2−イルイソキノリナト−N,C3’]イリジウム(III);およびトリス[1−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)イソキノリナト−(N,C3’)イリジウム(III))からなる群から選択される化合物を含む、請求項28に記載のデバイス。
【請求項32】
該発光成分が、緑色発光成分である、請求項14〜23のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項33】
該緑色発光成分が、約490nmから約600nmの範囲の平均波長を有する可視光子を放出する、請求項32に記載のデバイス。
【請求項34】
該緑色発光成分が、イリジウム配位化合物を含む、請求項32に記載のデバイス。
【請求項35】
該緑色発光成分が:ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(アセチルアセトネート)、ビス(2−(4−トリル)ピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(アセチルアセトネート)、ビス(2−(4−tert−ブチル)ピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(アセチルアセトネート)、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)、ビス(2−フェニルオキサゾリナト−N,C2’)イリジウム(III)(アセチルアセトネート)およびトリス(2−(4−トリル)ピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)からなる群から選択される化合物を含む、請求項32に記載のデバイス。
【請求項36】
該発光成分が、白色発光成分である、請求項14〜23のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項37】
該白色発光成分が、青色発光成分、緑色発光成分および赤色発光成分を含む、請求項36に記載のデバイス。
【請求項38】
該青色発光成分が、約440nmから約490nmの範囲の平均波長を有する可視光子を放出する、請求項37に記載のデバイス。
【請求項39】
該緑色発光成分が、約490nmから約600nmの範囲の平均波長を有する可視光子を放出する、請求項37に記載のデバイス。
【請求項40】
該赤色発光成分が、約600nmから約800nmの範囲の平均波長を有する可視光子を放出する、請求項37に記載のデバイス。
【請求項41】
該青色発光成分が:ビス−{2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)−ピコリネート、ビス(2−[4,6−ジフルオロフェニル]ピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)ピコリネート、ビス(2−[4,6−ジフルオロフェニル]ピリジナト−N,C2’)イリジウム(アセチルアセトネート)、イリジウム(III)ビス(4,6−ジフルオロフェニルピリジナト)−3−(トリフルオロメチル)−5−(ピリジン−2−イル)−1,2,4−トリアゾレート、イリジウム(III)ビス(4,6−ジフルオロフェニルピリジナト)−5−(ピリジン−2−イル)−1H−テトラゾレートおよびビス[2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラ(1−ピラゾリル)ボレートからなる群から選択される化合物を含む、請求項37に記載のデバイス。
【請求項42】
該緑色発光成分が:ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(アセチルアセトネート)、ビス(2−(4−トリル)ピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(アセチルアセトネート)、ビス(2−(4−tert−ブチル)ピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(アセチルアセトネート)、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)、ビス(2−フェニルオキサゾリナト−N,C2’)イリジウム(III)(アセチルアセトネート)およびトリス(2−(4−トリル)ピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)からなる群から選択される化合物を含む、請求項37に記載のデバイス。
【請求項43】
該赤色発光成分が:ビス[2−(2’−ベンゾチエニル)−ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III)(アセチルアセトネート);ビス[(2−フェニルキノリル)−N,C2’]イリジウム(III)(アセチルアセトネート);ビス[(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)]イリジウム(III)(アセチルアセトネート);ビス[(ジベンゾ[f,h]キノキサリノ−N,C2’)イリジウム(III)(アセチルアセトネート);トリス(2,5−ビス−2’−(9’,9’−ジヘキシルフルオレン)ピリジン)イリジウム(III);トリス[1−フェニルイソキノリナト−N,C2’]イリジウム(III);トリス−[2−(2’−ベンゾチエニル)−ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III);トリス[1−チオフェン−2−イルイソキノリナト−N,C3’]イリジウム(III);およびトリス[1−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)イソキノリナト−(N,C3’)イリジウム(III))からなる群から選択される化合物を含む、請求項37に記載のデバイス。
【請求項44】
該白色発光成分が、白色光を放出するエレクトロルミネセンス化合物を含む、請求項36に記載のデバイス。
【請求項45】
該白色発光成分が:
【化5】





からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、請求項44に記載のデバイス。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2012−516848(P2012−516848A)
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548257(P2011−548257)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/022260
【国際公開番号】WO2010/090925
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】