説明

有機発光ダイオードのための発光性化合物

本明細書には、置換されていてもよい(2−フェニルピリジナト−N,C’)(2,4−ペンタン−ジオナト)Pt(II)を含む化合物を開示する。いくつかの実施形態は、アノード層、カソード層、およびアノード層とカソード層の間に位置してそれらに電気的に接続されている発光層を含む発光デバイスであって、発光層が本明細書に開示する化合物を含むものを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2010年1月7日に出願された米国仮特許出願第61/293,152号の利益を主張し、この仮特許出願は参照によりそのまま本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の背景)
発明の分野
本発明は、発光性化合物、例えば発光ダイオードまたは発光デバイスに有用なものに関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
白色光を発光することができる有機エレクトロルミネセントデバイスは、それらが潜在的にLCDディスプレイ用の背面光として有用であり、頭上照明および他の軽量薄型低電力照明に応用できることから、望ましい。1つの発光層中にドープされた、またはいくつかの発光層中に隔離された、いくつかの蛍光色素を利用することにより、高い色純度と2000cd/mを越える輝度を有する白色発光性有機発光ダイオード(OLED)デバイスが実証されている。最近、リン光色素は、一重項状態からのみ発光する蛍光色素の理論的な最大効率が25%であることと比較して100%の最大理論効率を持つことから、OLEDにおける発光源として使用されることが増えている。例えば赤色、緑色および青色リン光体を単一の発光層中に共ドープすること、および各層が異なる色のリン光体を含有する多層デバイスを構築することなどといった、いくつかの技法により、リン光OLEDからの白色発光が達成されている。
【0004】
デバイス製作を容易にするには、単一発光層が望ましいであろう。しかし、複数のドーパントが同じ層内に存在する場合は、高エネルギードーパントから低エネルギードーパントへのエネルギー移動が問題になりうる。エネルギー移動は高エネルギードーパントからの放出よりも高頻度な低エネルギードーパントからの放出を引き起こしうるので、これは、カラーバランスを困難にするであろう。言い換えると、高エネルギードーパントは、可視スペクトルの青色領域にある光としてエネルギーを放出する代わりに、そのエネルギーを低エネルギードーパントに移動させるだろう。その結果、高エネルギードーパントからのエネルギー移動のおかげで、より多数の低エネルギードーパントが励起された状態になりうるので、より多数の低エネルギードーパントが、より多くのエネルギーを、可視スペクトルの赤色領域にある光として放出しうる。さまざまな発光体を別々の層に隔離することは、エネルギー移動の問題を克服するのに役立ちうる。しかし、多層デバイスは製作するのがより困難であるだろうし、層厚のわずかな変化がカラーバランスの著しい変化をもたらしうる。
【0005】
これらの難題に対処するためのアプローチの1つは、そのモノマー状態での青色発光と凝集体またはエキシマ種からの橙赤色発光との組合せによって白色光を放出することができる単一ドーパントを製造することであった。エキシマは、同じ組成の2つの隣接分子を重ね合わせる波動関数を持つ発光性励起状態である。エキシマ形成能を有するリン光体の1つは、白金(II)(2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C’)(2,4−ペンタンジオナト−O,O)(FPt)である。モノマー/エキシマ発光の比は著しく濃度依存的であり、高い濃度ほど、より多くのエキシマ発光につながる。FPtの濃度を注意深く制御することにより、モノマー発光およびエキシマ発光のバランスを保って、白色光を生成させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
FPtに伴う潜在的課題の1つは、それが、電子輸送材料、正孔輸送材料、またはLEDの発光層において使用することがしばしば有益な他のホスト材料から、相分離または凝集を起こしうることである。これは、所望のカラーバランスを達成するのに必要とされるであろうFPt濃度の注意深い制御を妨げうる。したがって、単分子白色発光リン光体は、継続して必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
いくつかの実施形態は、式I:
A−(D) (式I)
[式中、aは、1、2、3、または4であり、Aは、置換されていてもよい(2−フェニルピリジナト−N,C’)(2,4−ペンタンジオナト)Pt(II)であり、各Dは、独立して、各繰り返し単位が独立して式II〜IV:
【化1】

【化2】

によって表される約1〜約11個の末端単位とからなる部分であり、式中の各Rは独立してC1−8アルキルであり、かつ各Hetは独立して、置換されていてもよいC8−30多環式ヘテロ芳香環系である]
によって表される化合物を提供する。
【0008】
いくつかの実施形態は、アノード層、カソード層、およびアノード層とカソード層の間に位置してそれらに電気的に接続されている発光層を含む発光デバイスであって、発光層が本明細書に開示する化合物を含むものを提供する。
【0009】
これらの実施形態および他の実施形態を、以下に、より詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】式1の化合物を含む有機発光デバイスの例示的構成を示す図である。
【図2】対照化合物を含むデバイスの発光スペクトルを示す図である。
【図3】本明細書に開示する化合物の一実施形態を含むデバイスの一実施形態の発光スペクトルを示す図である。
【図4】本明細書に開示する化合物の一実施形態を含むデバイスの一実施形態の発光スペクトルを示す図である。
【図5】本明細書に開示する化合物の一実施形態を含むデバイスの一実施形態の発光スペクトルを示す図である。
【図6】本明細書に開示する化合物の一実施形態を含むデバイスの一実施形態の発光スペクトルを示す図である。
【図7】本明細書に開示する化合物の一実施形態を含むデバイスの一実施形態の発光スペクトルを示す図である。
【図8】本明細書に開示する化合物の一実施形態を含むデバイスの一実施形態の発光スペクトルを示す図である。
【図9】本明細書に開示する化合物の一実施形態を含むデバイスの一実施形態の発光スペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
別段の明確な表示がない限り、化学族または化学種を表す名称または式は、その名称または式に関連する任意の立体異性体、例えばエナンチオマーおよびジアステレオマーを、純粋な形態の任意の異性体または異性体の混合物の両者を含めて、包含するものとする。
【0012】
別段の表示がない限り、アルキルまたはアリールなどの構造的特徴を指して「置換されていてもよい」という場合、それは、その特徴が置換基を持たなくてもよいし、1つ以上の置換基を持っていてもよいことを示す。「置換されて」いる特徴は、1つ以上の置換基を持つ。用語「置換基」は当業者に知られる通常の意味を有する。いくつかの実施形態において、置換基は、ハロゲン、OH、SH、NO、C1−20炭化水素、またはC1−20ヘテロ炭化水素部分、つまり1〜10個のヘテロ原子置換を有する炭化水素部分であって、そのヘテロ原子置換が、1)CをNで置き換えるもの(例えばCHCHの代わりにCHNH)、2)CHをNで置き換えるもの(例えば−CHCHの代わりに−NHCHまたはC=CHの代わりにC=NH)、3)CHをO、S、またはSOで置き換えるもの(例えばCHCHCHの代わりにCHOCHまたはC=CHの代わりにC=O)、または4)Hをハロゲンまたは−NOで置き換えるもの(例えばCHの代わりにCHF)から選択されるものである。いくつかの実施形態において、置換基は少なくとも1つの炭素原子またはヘテロ原子を含み、置換基は0〜20個の炭素原子または0〜10個の炭素原子と、0〜10個のヘテロ原子または0〜5個のヘテロ原子を有し、ここで、各ヘテロ原子は独立して、N、O、S、F、Cl、Br、およびIから選択される。いくつかの実施形態において、例には、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリシクリル、アラルキル、ヘテロアラルキル、(ヘテロアリシクリル)アルキル、ヒドロキシ、保護ヒドロキシル、アルコキシル、アリールオキシ、アシル、エステル、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロゲン、カルボニル、チオカルボニル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、C−アミド、N−アミド、S−スルホンアミド、N−スルホンアミド、C−カルボキシ、保護C−カルボキシ、O−カルボキシ、−CNO、−NCO、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、シリル、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルキル、ハロアルコキシル、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、およびアミノ(一置換および二置換アミノ基を含む)、ならびにそれらの保護誘導体が含まれるが、これらに限るわけではない。
【0013】
本明細書において使用する用語「(2−フェニルピリジナト−N,C’)(2,4−ペンタンジオナト)Pt(II)」は、環系:
【化3】

を指す。(2−フェニルピリジナト−N,C’)(2,4−ペンタンジオナト)Pt(II)が置換されている場合、置換基は、そうでなければ水素を持っていたであろう炭素原子に結合する。
【0014】
本明細書において使用する用語「アルキル」は、二重結合または三重結合を含有しない炭化水素部分を指す。アルキルは、直鎖状、分岐鎖状、環状、またはそれらの組み合わせであることができる。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル異性体、シクロプロピル異性体、ブチル異性体、シクロブチル異性体などが含まれるが、これらに限るわけではない。「C1−30アルキル」などの呼称は、そのアルキルが有しうる炭素原子の数を指し、例えば「C1−30アルキル」は1〜30個の炭素原子を有しうる。アルキルという用語には、例えば一般式−C2n+1の末端アルキル基、ならびに一般式−C2n−の連結アルキル基が含まれる。
【0015】
本明細書において使用する用語「アリール」は、芳香環または芳香環系を指す。限定するわけではないが、例示的アリール基は、フェニル、ナフチルなどである。いくつかの実施形態において、アリールは炭素環式であり、つまりその環系の芳香環の元素が全て炭素である。「C6−10アリール」という呼称は、芳香環または芳香環系中に6〜10個の炭素原子が存在するという事実を指すが、どの置換基中の炭素原子の数も限定しない。
【0016】
本明細書において使用する用語「ヘテロアリール」は、芳香環中に窒素、酸素、または硫黄から選択される1つ以上の原子を有する芳香環または芳香環系を指す。例には、フリル、チエニル、オキサゾリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、トリアジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ベンゾイミダゾリル、インドリル、ベンゾオキサゾリルなどが含まれる。「C3−10ヘテロアリール」という呼称は、芳香環または芳香環系中に3〜10個の炭素原子が存在するという事実を指すが、どの置換基中の炭素原子の数も限定しない。
【0017】
本発明において使用する用語「多環式ヘテロ芳香環系」は、少なくとも1つの環に少なくとも1つのヘテロ原子を含む芳香環系を指す。環系の環は、
【化4】

のように縮合していてもよいし、
【化5】

のように、少なくとも1つの共有単結合によって連結されていてもよい。
【0018】
「C8−30多環式ヘテロ芳香環系」という呼称は、多環式複素芳香環系中に8〜30個の炭素原子が存在するという事実を指すが、どの置換基中の炭素原子の数も限定しない。
【0019】
本明細書において使用する用語「アルコキシ」は、−O−アルキル部分、例えば−O−メチル、−O−エチル、−O−C、−O−C、−O−C11、−O−C13などを指す。
【0020】
本明細書において使用する用語「ハロ」は、F、Cl、BrまたはIなどのハロゲンを指す。
【0021】
本明細書において使用する用語「ハロアルキル」は、アルキル部分中の通常は水素で占められている位置に少なくとも1つのハロゲンを有するアルキルを指す。例には、クロロアルキル、例えばクロロメチル、クロロエチルなど、フルオロアルキル、例えばフルオロメチル、フルオロエチルなど、パーフルオロアルキル、つまり全ての水素がフッ素で置き換えられているアルキル、例えばCF、CFCF、C、C、C11などが含まれるが、これらに限るわけではない。
【0022】
「仕事関数」という用語は、当業者に知られている通常の意味を有する。いくつかの実施形態において、金属の「仕事関数」は、金属の表面から電子を取り出すのに必要な最小エネルギーの尺度である。
【0023】
「高仕事関数金属」という用語は、当業者に知られている通常の意味を有する。いくつかの実施形態において、「高仕事関数」金属は、正孔を容易に注入し、典型的には約4.5以上の仕事関数を有する、金属または合金である。
【0024】
「低仕事関数金属」という用語は、当業者に知られている通常の意味を有する。いくつかの実施形態において、「低仕事関数金属」は、電子を容易に失い、典型的には約4.3未満の仕事関数を有する、金属または合金である。
【0025】
「白色発光材料」という用語は、当業者に知られている通常の意味を有する。いくつかの実施形態において、ある材料は、それが白色光を放出するのであれば、白色発光性である。白色光は、およそのCIE色座標(X=1/3,Y=1/3)を有する光であることができる。CIE色座標(X=1/3,Y=1/3)は、無色点と定義することができる。XおよびY色座標は、ある色に合致するようにCIE原色に適用される重みである。これらの用語のより詳細な説明は、CIE 1971,International Commission on Illumination,Colorimetry:Official Recommendations of the International Commission on Illumination,Publication CIE No.15(E−1.3.1)1971,Bureau Central de la CIE,パリ,1971およびF.W.Billmeyer,Jr.,M.Saltzman,Principles of Color Technology,第2版, John Wiley & Sons,Inc.,ニューヨーク,1981に見いだすことができ、これらの文献はどちらも参照によりそのまま本明細書に組み込まれる。演色評価数(CRI)とは、さまざまな色を描写する能力を指し、0から100までの範囲の値を有する(100が最もよい)。
【0026】
式Iに関して、aは、1、2、3、または4であり、式Ia〜Idは、aについて異なる値の例を図解している。
【化6】

【0027】
D部分は、置換されていてもよい(2−フェニルピリジナト−N,C’)(2,4−ペンタンジオナト)Pt(II)の炭素原子に直接結合する。
【0028】
式Iまたは式Ia〜Idに関して、各Dは、独立して、上に定義したとおり、約0〜約5(例えば0、1、2、3、4、または5)個の繰り返し単位と、約1〜約11(例えば0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11)個の末端単位とからなる部分である。
【0029】
式II〜Vに関して、分子の残部への結合点は、
【化7】

によって示されている。いくつかの実施形態において、R基は、Aに直接的に結合することができる。例えば式II〜IVにおける残りの結合点については、式IVによって表される末端単位が直接的に結合しうる。
【0030】
式II〜IVに関するいくつかの実施形態において、Hetは、Aに直接的に結合することができる。残りの結合点については、式IVによって表される末端単位が直接的に結合しうる。
【0031】
したがって、例えばいくつかの実施形態において、Dは、次のとおり、式IIIの繰り返し単位1つと式Vの末端単位2つの組み合わせであることができる。
【化8】

【0032】
したがって、いくつかの実施形態において、Dは、
【化9】

であることができる。
【0033】
式II〜Vに関して、各Rは、独立して、C1−8アルキルであり、シクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど、分岐アルキル、および直鎖アルキル、例えば−(CH)−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CHなどを含むが、これらに限るわけではない。いくつかの実施形態において、各Rは、独立して、C2−4アルキル、例えば−C−、−C−、−C−、シクロプロピル、シクロブチルなどである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRが−(CH−であるか、あるいは各Rが−(CH−である。
【0034】
式II〜Vに関して、各Hetは、置換されていてもよいC8−30多環式ヘテロ芳香環系である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのHetは、ハロ、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシから独立して選択される0、1、2、3、または4個の置換基を有する次に挙げる置換多環式ヘテロ芳香環系の1つである:
【化10】

【0035】
いくつかの実施形態において、Dは、
【化11】

から選択され、式中、全ての芳香環は置換されていてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態は、式VI:
【化12】

によってさらに表される化合物を提供する。
【0037】
式VIに関して、R、R、R、R、R、R、およびRは、独立して、水素、C1−30アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル異性体、ブチル異性体、ペンチル異性体、ヘキシル異性体、シクロプロピル異性体、シクロブチル異性体、シクロペンチル異性体、シクロヘキシル異性体など、C1−30アルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、プロピルオキシ異性体、ブチルオキシ異性体、ペンチルオキシ異性体、ヘキシルオキシ、シクロプロピルオキシ異性体、シクロブチルオキシ異性体、シクロペンチルオキシ異性体、シクロヘキシルオキシ異性体など、ハロ、例えばF、Cl、Br、Iなど、例えばCF、CFCFなどのパーフルオロアルキルを含むC1−6ハロアルキル、置換されていてもよいC6−10アリール、または置換されていてもよいC3−10ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Rは、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、あるいはメトキシである。いくつかの実施形態では、R、R、R、およびRの少なくとも1つが、ハロまたはC1−6ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、RおよびRがFである。いくつかの実施形態では、RおよびRがCFである。
【0038】
式VIに関して、R、R、R10およびR11の少なくとも1つは、独立して、式Iおよび式Ia〜Idに関して上で説明したDである。R、R、R10およびR11の全てがDであるわけではない場合、DでないR、R、R10およびR11は、独立して、水素、C1−30アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル異性体、ブチル異性体、ペンチル異性体、ヘキシル異性体、シクロプロピル異性体、シクロブチル異性体、シクロペンチル異性体、シクロヘキシル異性体など、C1−30アルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、プロピルオキシ異性体、ブチルオキシ異性体、ペンチルオキシ異性体、ヘキシルオキシ、シクロプロピルオキシ異性体、シクロブチルオキシ異性体、シクロペンチルオキシ異性体、シクロヘキシルオキシ異性体など、ハロ、例えばF、Cl、Br、Iなど、例えばCF、CFCFなどのパーフルオロアルキルを含むC1−6ハロアルキル、置換されていてもよいC6−10アリール、または置換されていてもよいC3−10ヘテロアリールである。
【0039】
いくつかの実施形態では、R、R、R10およびR11の少なくとも1つが、
【化13】



から、独立して選択される。
【0040】
式VIに関するいくつかの実施形態において、R、R、RおよびRは水素であり、R
【化14】

であり、Rは水素またはメトキシから選択され、RおよびRは、水素、メチル、t−ブチル CFまたはFであり、RおよびRは水素またはCFであり、R、R10およびR11の少なくとも1つは、
【化15】

から選択される。
【0041】
いくつかの実施形態において、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、およびR11の少なくとも1つは、C1−6アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル異性体、ブチル異性体、ペンチル異性体、またはヘキシル異性体である。例えばR11は、いくつかの実施形態では、メチルまたはt−ブチルであることができる。
【0042】
いくつかの実施形態は、
【化16】




から選択される化合物を含む。
【0043】
本明細書に記載する化合物および組成物は、さまざまな方法で発光デバイスに組み込むことができる。例えば、ある実施形態は、高仕事関数金属を含むアノード層、低仕事関数金属を含むカソード層、アノード層とカソード層の間に位置してそれらに電気的に接続されている発光層を含む、発光デバイスを提供する。発光層は本明細書に開示する化合物および/または組成物を含む。
【0044】
アノード層は、従来の材料、例えば金属、混合金属、合金、金属酸化物または混合金属酸化物、導電性ポリマー、および/または無機材料、例えばカーボンナノチューブ(CNT)などを含みうる。適切な金属の例には、第1族金属、第4、5、6族の金属、および第8〜10族遷移金属が含まれる。アノード層が光透過性であるべき場合は、第10および11族の金属、例えばAu、Pt、およびAg、もしくはその合金、または第12、13および14族金属の混合金属酸化物、例えば酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)などを使用することができる。いくつかの実施形態において、アノード層は、ポリアニリンなどの有機材料であってもよい。ポリアニリンの使用は「Flexible light−emitting diodes made from soluble conducting polymer」Nature,vol.357, pp.477−479(11 June 1992)に記載されている。適切な高仕事関数金属や金属酸化物の例には、Au、Pt、またはその合金、ITO、IZOなどが含まれるが、これらに限るわけではない。いくつかの実施形態において、アノード層は、約1nm〜約1000nmの範囲の厚さを有することができる。
【0045】
カソード層は、アノード層より低い仕事関数を有する材料を含みうる。カソード層用の適切な材料の例には、第1族のアルカリ金属、第2族金属、第12族金属から選択されるもの(希土類元素、ランタニドおよびアクチニドを含む)、アルミニウム、インジウム、カルシウム、バリウム、サマリウムおよびマグネシウムなどの材料、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。動作電圧を下げるためにLi含有有機金属化合物、LiF、およびLiOを、有機層とカソード層の間に成膜してもよい。適切な低仕事関数金属には、Al、Ag、Mg、Ca、Cu、Mg/Ag、LiF/Al、CsF、CsF/Alまたはそれらの合金が含まれるが、これらに限るわけではない。ある実施形態において、カソード層は約1nm〜約1000nmの範囲の厚さを持つことができる。
【0046】
発光組成物における本明細書に開示する化合物の量は、さまざまであることができる。ある実施形態では、発光層における本明細書に開示する化合物の量が、発光層の約1重量%〜約100重量%の範囲にある。もう1つの実施形態では、発光層における本明細書に開示する化合物の量が、発光層の約1重量%〜約10重量%の範囲にある。もう1つの実施形態では、発光層における本明細書に開示する化合物の量が、発光層の約3重量%である。
【0047】
発光層の厚さはさまざまでありうる。ある実施形態では、発光層が約10nm〜約200nmの範囲の厚さを有する。もう1つの実施形態では、発光層が約10nm〜約150nmの範囲の厚さを有する。
【0048】
もう1つの実施形態において、発光層は、白色光を放出するように構成させることもできる。
【0049】
本明細書に記載する化合物および組成物は、発光層において有用であることができ、追加の正孔輸送材料または電子輸送材料を何ら必要としない。したがって、いくつかの実施形態では、発光層が、本質的に、本明細書に開示する化合物からなる。別の実施形態では、発光層が、ホスト材料と、本明細書に開示する発光性化合物の少なくとも1つとを含む。ホスト材料が存在する場合、ホスト材料に対する発光性化合物の量は、十分な発光を生じるのに適した任意の量であることができる。いくつかの実施形態では、発光性化合物が、ホストの重量に対して、約0.1%(w/w)〜約10%(w/w)、約0.1%(w/w)〜約5%(w/w)、約2%(w/w)〜約6%(w/w)の範囲の量、または約4%(w/w)の量で存在する。
【0050】
発光層中のホストは、1つ以上の正孔輸送材料、1つ以上の電子輸送材料、および1つ以上の二極性材料(これは、正孔と電子の両方を輸送する能力を持つと当業者に理解されている材料である)の少なくとも1つであることができる。
【0051】
いくつかの実施形態において、正孔輸送材料は、芳香族置換アミン、カルバゾール、ポリビニルカルバゾール(PVK)、例えばポリ(9−ビニルカルバゾール)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、ポリフルオレン、ポリフルオレンコポリマー、ポリ(9,9−ジ−n−オクチルフルオレン−alt−ベンゾチアジアゾール)、ポリ(パラフェニレン)、ポリ[2−(5−シアノ−5−メチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン]、1,1−ビス(4−ビス(4−メチルフェニル)アミノフェニル)シクロヘキサン、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、3,5−ビス(4−tert−ブチル−フェニル)−4−フェニル[1,2,4]トリアゾール、3,4,5−トリフェニル−1,2,3−トリアゾール、4,4’,4’’−トリス(N−(ナフチレン−2−イル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン、4,4’,4’−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)、4,4’−ビス[N,N’−(3−トリル)アミノ]−3,3’−ジメチルビフェニル(HMTPD)、4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)、1,3−N,N−ジカルバゾール−ベンゼン(mCP)、ポリ(9−ビニルカルバゾール)(PVK)、ベンジジン、フェニレンジアミン、フタロシアニン金属錯体、ポリアセチレン、ポリチオフェン、トリフェニルアミン、オキサジアゾール、銅フタロシアニン、N,N’N’’−1,3,5−トリカルバゾロイルベンゼン(tCP)、N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジンなどの少なくとも1つを含む。
【0052】
いくつかの実施形態において、電子輸送材料は、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、1,3−ビス(N,N−t−ブチル−フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(OXD−7)、1,3−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン、3−フェニル−4−(1’−ナフチル)−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−フェナントロリン(バトクプロインまたはBCP)、アルミニウムトリス(8−ヒドロキシキノレート)(Alq3)、および1,3,5−トリス(2−N−フェニルベンゾイミダゾリル)ベンゼン、1,3−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン(BPY−OXD)、3−フェニル−4−(1’−ナフチル)−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−フェナントロリン(バトクプロインまたはBCP)、および1,3,5−トリス[2−N−フェニルベンゾイミダゾール−z−イル]ベンゼン(TPBI)の少なくとも1つを含む。ある実施形態では、電子輸送層が、アルミニウムキノレート(Alq)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、フェナントロリン、キノキサリン、1,3,5−トリス[N−フェニルベンゾイミダゾール−z−イル]ベンゼン(TPBI)、またはそれらの誘導体もしくは組み合わせである。
【0053】
いくつかの実施形態では、デバイスが、電子輸送層または正孔輸送層を含まない。いくつかの実施形態では、デバイスが、本質的に、アノード層、カソード層、および発光層からなる。別の実施形態において、発光デバイスは、アノード層と発光層の間に配置された正孔輸送層を、さらに含んでもよい。正孔輸送層は、少なくとも1つの正孔輸送材料を含みうる。適切な正孔輸送材料には、上に列挙したものの他、当業者に知られている他の任意の材料が含まれうる。
【0054】
いくつかの実施形態において、発光デバイスは、カソードと発光層の間に配置された電子輸送層を、さらに含んでもよい。電子輸送層は、少なくとも1つの電子輸送材料を含みうる。適切な電子輸送材料には、上に列挙したもの、および当業者に知られている他の任意の材料が含まれる。
【0055】
所望であれば、さらなる層を発光デバイスに含めてもよい。これらのさらなる層には、電子注入層(EIL)、正孔阻止層(HBL)、励起子阻止層(EBL)、および/または正孔注入層(HIL)が含まれうる。別々の層としてだけでなく、これらの材料のいくつかを組み合わせて単一の層にしてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態において、発光デバイスは、カソード層と発光層の間に電子注入層を含むことができる。当業者には適切な電子注入材料が数多く知られている。電子注入層に含めることができる適切な材料の例には、次に挙げるものから選択される置換されていてもよい化合物が含まれるが、これらに限るわけではない:アルミニウムキノレート(Alq)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、フェナントロリン、キノキサリン、1,3,5−トリス[N−フェニルベンゾイミダゾール−z−イル]ベンゼン(TPBI)、トリアジン、8−ヒドロキシキノリンの金属キレート、例えばトリス(8−ヒドロキシキノリエート)アルミニウム、および金属チオキシノイド化合物、例えばビス(8−キノリンチオラト)亜鉛。ある実施形態では、電子注入層がアルミニウムキノレート(Alq)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、フェナントロリン、キノキサリン、1,3,5−トリス[N−フェニルベンゾイミダゾール−z−イル]ベンゼン(TPBI)、またはそれらの誘導体もしくは組み合わせである。
【0057】
いくつかの実施形態において、デバイスは正孔阻止層を、例えばカソードと発光層の間に含むことができる。当業者には、正孔阻止層に含めることができる適切な正孔阻止材料が種々知られている。適切な正孔阻止材料には、次に挙げるものから選択される置換されていてもよい化合物が含まれるが、これらに限るわけではない:バトクプロイン(BCP)、3,4,5−トリフェニル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ビス(4−tert−ブチル−フェニル)−4−フェニル−[1,2,4]トリアゾール、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、および1,1−ビス(4−ビス(4−メチルフェニル)アミノフェニル)−シクロヘキサン。
【0058】
いくつかの実施形態において、発光デバイスは、励起子阻止層を、例えば発光層とアノードの間に含むことができる。ある実施形態では、励起子阻止層を含む材料のバンドギャップが、励起子の拡散を実質的に防止するのに足りるほど大きい。励起子阻止層に含めることができる適切な励起子阻止材料は、当業者には数多く知られている。励起子阻止層を構成することができる材料の例には、次に挙げるものから選択される置換されていてもよい化合物が含まれる:アルミニウムキノレート(Alq)、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)、4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)、およびバトクプロイン(BCP)、ならびに励起子の拡散を実質的に防止するのに足りる十分大きなバンドギャップを有する他の任意の材料。
【0059】
いくつかの実施形態において、発光デバイスは正孔注入層を、例えば発光層とアノードの間に含むことができる。当業者には正孔注入層に含めることができる適切な正孔注入材料が種々知られている。例示的な正孔注入材料には、次に挙げるものから選択される置換されていてもよい化合物が含まれる:ポリチオフェン誘導体、例えばポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ベンジジン誘導体、例えばN,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン、ポリ(N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン)、トリフェニルアミンまたはフェニレンジアミン誘導体、例えばN,N’−ビス(4−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−1,4−フェニレンジアミン、4,4’,4’’−トリス(N−(ナフチレン−2−イル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン、オキサジアゾール誘導体、例えば1,3−ビス(5−(4−ジフェニルアミノ)フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ベンゼン、ポリアセチレン誘導体、例えばポリ(1,2−ビス−ベンジルチオ−アセチレン)、およびフタロシアニン金属錯体誘導体、例えばフタロシアニン銅。正孔注入材料は、正孔を輸送することは依然として可能であるものの、従来の正孔輸送材料の正孔移動度よりも実質的に低い正孔移動度を有しうる。
【0060】
上述したさまざまな材料をデバイスの構成に応じていくつかの異なる層に組み込むことができることは、当業者にはわかる。ある実施形態では、各層に使用する材料が、発光層における正孔と電子の再結合をもたらすように選択される。本明細書に記載するさまざまな層を組み込んだデバイス構成の一例を、図1に模式的に図解する。発光デバイスには、当業者に知られている方法(例えば蒸着)を使って、電子注入層(EIL)、電子輸送層(ETL)、正孔阻止層(HBL)、励起子阻止層(EBL)、正孔輸送層(HTL)、および正孔注入層(HIL)を組み込むことができる。
【0061】
発光性組成物は、他の発光性組成物に関して当技術分野において知られている方法を適合させることによって製造することができる。例えば発光性組成物は、発光性化合物を溶媒に溶解または分散し、デバイスの適当な層上にその化合物を成膜することによって製造することができる。液体は単相であってもよいし、その液体内に分散した1つ以上のさらなる固相または液相を含んでもよい。次に溶媒を蒸発させるか、溶媒を加熱または減圧によって除去することで、発光性組成物を得ることができる。ホストが存在する場合は、それを、発光性デバイスと共に溶媒中に溶解または分散し、上で説明したように処理することができる。あるいは、溶融ホスト材料または液状ホスト材料に化合物を加え、次に、それを固化させることで、粘稠な液状のまたは固形の発光性組成物を得ることもできる。
【0062】
本明細書に開示する化合物を含む発光デバイスは、本明細書に記載する指針によってわかるように、当技術分野において知られている技法を使って製作することができる。例えば、ガラス基材を、アノードとして作用することができるITOなどの高仕事関数金属で被覆することができる。アノード層をパターニングした後、本明細書に開示する化合物を少なくとも1つは含む発光層を、アノード上に成膜することができる。次に、低仕事関数金属(例えばMg:Ag)を含むカソード層を、発光層の上に成膜(例えば蒸着)することができる。所望であれば、デバイスは、本明細書に記載する指針によってわかるように、当技術分野において知られている技法を使ってデバイスに加えることができる電子輸送/注入層、正孔阻止層、正孔注入層、励起子阻止層および/または第2の発光層も含むことができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、OLEDが、湿式プロセスにより、例えば噴霧、スピンコーティング、ドロップキャスティング、インクジェット印刷、スクリーン印刷などの少なくとも1つを含むプロセスによって、構成される。いくつかの実施形態は、基材上への成膜に適した液体である組成物を提供する。この液体は単相であってもよいし、その中に分散した1つ以上のさらなる固相または液相を含んでもよい。この液体は、典型的には、発光化合物、本明細書に開示するホスト材料、および溶媒を含む。
【0064】
実施例1:化合物合成
【化17】

【0065】
実施例1.1.1
【化18】

【0066】
4−(9H−カルバゾール−9−イル)ベンズアルデヒド(1):9H−カルバゾール(30.0g、179.4mmol)、4−ブロモベンズアルデヒド(36.5g、197.4mmol)、炭酸カリウム(109.1g、789.5mmol)、および18−クラウン−6(4.7g 17.9mmol)を、1,2−ジクロロベンゼンに溶解した。反応混合物をアルゴンで脱気してから銅(29.9g、466.5mmol)を加えた。反応をアルゴン下で約200℃に約36〜40時間加熱した。次に、銅、炭酸カリウム、および18−クラウン−6を濾去した。溶媒を除去し、その結果生じた残渣を、1:1ジクロロメタン:ヘキサン類を溶離液として使用するシリカクロマトグラフィーによって精製した。再結晶をテトラヒドロフラン(THF)/メタノール中で行うことにより、生成物1を黄褐色固形物として得た(収率84%)。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.13(s,1H),8.27(d,J=7.7Hz,2H),8.20(d,J=8.4Hz,2H),7.90(d,J=8.4Hz,2H),7.52(d,J=8.1Hz,2H),7.48−7.44(m,2H),7.33(t,J=7.0Hz,2H)
【0067】
実施例1.1.2
【化19】

【0068】
4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル)メタノール(2):4−(9H−カルバゾール−9−イル)ベンズアルデヒド(1)(8.0g、29.5mmol)を、テトラヒドロフラン/メタノールの(2:1)混合物に溶解した。水素化ホウ素ナトリウム(1.4g、38.3mmol)を反応混合物に少しずつ加えた。反応混合物を室温で約1.5時間撹拌してから、溶媒を除去した。次に脱イオン水を粗製物に加え、その溶液が中性になるまで、1M HClを滴下した。次に、物質を酢酸エチルで抽出し、水で洗浄した。次に、酢酸エチルを除去し、生成物2をジクロロメタン/ヘキサン類から析出させることにより、白色固形物2を得た(収率91%)。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.25(d,J=7.7Hz,2H),7.60(dd,J=8.4Hz,J=20.2Hz,4H),7.45−7.41(m,2H),7.35(d,J=8.4Hz,2H),7.28(t,J=7.0Hz,2H),5.42−5.40(m,lH),4.65(d,J=5.5Hz,2H)
【0069】
実施例1.1.3
【化20】

【0070】
9−(4−(ブロモメチル)フェニル)−9H−カルバゾール(3):4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル)メタノール(2)(11.5g、41.9mmol)および四臭化炭素(20.9g、62.8mmol)をテトラヒドロフランに溶解した。反応混合物を氷浴に入れた。トリフェニルホスフィン(23.0g、87.9mmol)を最少量のテトラヒドロフランに溶解してから、シリンジを使って反応混合物中にゆっくり加えた。次に、その結果得られた反応混合物をゆっくり室温にし、アルゴン圧下で約1.5時間撹拌した。次に、溶媒を除去してから、1:4酢酸エチル:ヘキサン類を溶離液として使用するシリカクロマトグラフィー(シリカ)で、粗生成物を精製した。粗生成物をジクロロメタン/ヘキサン類中で再結晶することにより、生成物3を白色固形物として得た(収率57%)。生成物3は、分解を防ぐために、アルゴン下に、ホイルで包んで、冷凍庫に保存した。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ8.25(d,J=7.68Hz,2H),7.75(d,J=6.96Hz,2H),7.63(d,J=6.6Hz,2H),7.44−7.40(m,4H),7.32−7.28(m,2H),4.87(s,2H)
【0071】
実施例1.1.4
【化21】

【0072】
1−(4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル)−6,6−ジメチルヘプタン−3,5−ジオン(4):5,5−ジメチルヘキサン−2,4−ジオン(5.37mL、35.58mmol)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解し、反応混合物を氷浴中で約0℃に冷却した。リチウムジイソプロピルアミン(ヘプタン、THF、およびエチルベンゼン中、2.0M、39.14mL、78.28mmol)を滴下した後、反応混合物を約0℃で2時間撹拌した。テトラヒドロフラン(20mL)中の9−(4−(ブロモメチル)フェニル)−9H−カルバゾール(3)(7.97g、23.72mmol)を反応混合物に加え、終夜、室温に加温した。次に、反応混合物を水に注ぎ込み、希塩酸で酸性化してから、酢酸エチルで抽出した。次に溶媒を除去し、1:1ジクロロメタン:ヘキサン類を溶離液とする短いシリカプラグで、粗生成物を精製した。次に粗生成物をメタノールから再結晶することにより、オフホワイトの固形物4を回収した(収率86%)。H NMR(400MHz,CDCl):δ8.15(d,J=7.7Hz,2H),7.47−7.49(m,2H),7.39−7.44(m,6H),7.26−7.30(m,2H),5.62(s,1H),3.09(t,J=7.3Hz,2H),2.74(t,J=7.3Hz,2H),1.18(s,9H).
【0073】
【化22】

【0074】
実施例1.2.1
【化23】

【0075】
5−ブロモ−2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン(5):2,5−ジブロモピリジン(5.27g、22.24mmol)、2,4−ジフルオロフェニルボロン酸(3.69g、23.35mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(771mg、0.67mmol)、および炭酸ナトリウム(2M、22mL)を、36mLのテトラヒドロフランに加えた。次に反応混合物をアルゴンでバブリングしてから、約70℃に終夜加熱した。次に反応混合物を水に注ぎ込んでから、酢酸エチルで抽出し、次に、クロマトグラフィーで精製することにより、白色固形物5を得た(収率83%)。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ8.83(s,1H),8.16(d,J=6.6Hz,1H),7.97(dd,J=8.4Hz,J=15.8Hz,1H),7.73(d,J=8.1Hz,1H),7.40(t,J=9.5Hz,1H),7.24(t,J=7.3Hz,1H).
【0076】
実施例1.2.2
【化24】

【0077】
化合物6:文献(「Synthesis and Characterization of Phosphorescent Cyclometalated Platinum Complexes」Brooks,J.ら, Inorg.Chem.;(2002);41(12);3055−3066)を適合させた。5−ブロモ−2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン(5)(3.9g、14.4mmol)、およびテトラクロロ白金(II)酸カリウム(2.7g、6.5mmol)を、比が3:1の2−エトキシエタノール/水に溶解した。反応混合物をアルゴン圧下で約110℃に約20時間加熱した。次に、反応混合物を水に注ぎ込んでから、濾過した。次に濾液をメタノールで洗浄し、減圧下で乾燥した。次に粗製物を1:4酢酸エチル:ジクロロメタン中の短いシリカプラグで精製した。次に溶媒を除去し、その結果生じた粗製物をメタノールに分散し、濾過することにより、化合物6を黄色固形物として得た(57%)。
【0078】
【化25】

【0079】
実施例1.3.1
【化26】

【0080】
化合物7:二量体6(1.640g、1.642mmol)、カルバゾール配位子4(1.241g、3.119mmol)、NaCO(0.87mg、8.21mmol)および2−エトキシエタノール(25mL)を終夜、約100℃に加熱した。溶媒を除去してから、溶離液として1:1ジクロロメタン:ヘキサン類を使用して、短いシリカプラグで、残渣を精製し、次にヘキサン類から析出させることにより、黄色固形物7を得た(収率47%)。
【0081】
実施例1.3.2
【化27】

【0082】
9−(4−ビニルフェニル)−9H−カルバゾール(8):4−(9H−カルバゾール−9−イル)ベンズアルデヒド(1)(13.38g、49.37mmol)をテトラヒドロフラン(200mL)に溶解してから、メチルトリフェニルホスホニウムブロミド(19.38g、54.31mmol)を加えた。反応混合物を約0℃に冷却した。次にカリウムt−ブトキシドを加えた。反応混合物を約0℃で約5分間撹拌してから、室温まで加温し、次に終夜、撹拌した。次に反応を減圧下で濃縮し、水に注ぎ込んでから、酢酸エチルで抽出した。次に酢酸エチル層を乾固し、1:4ジクロロメタン:ヘキサン類を使って粗生成物をシリカプラグに通すことにより、オフホワイトの固形物8を得た(収率44%)。H NMR(400MHz,CDCl):δ8.16(d,J=8.8Hz,2H),7.65(d,J=8.4Hz,2H),7.54(d,J=8.4Hz,2H),7.45−7.40(m,4H),7.32−7.29(m,2H),6.84(dd,J=17.6Hz,J=10.6Hz,1H),5.87(d,J=17.2Hz,1H),5.38(d,J=11.0Hz,1H).
【0083】
実施例1.3.3
【化28】

【0084】
化合物9:9−(4−ビニルフェニル)−9H−カルバゾール(8)(313mg、1.162mmol)を、3mLの無水テトラヒドロフランに溶解した。次に9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(THF中0.5M、7.0mL)を加えてから、その溶液を約3時間撹拌した。次に水酸化ナトリウム(3M、2.6mL)および化合物7(500mg、0.581mmol)を加え、反応混合物をアルゴンでバブリングした。次に[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(21mg、0.029mmol)を加え、反応混合物を約50℃に加熱し、終夜撹拌した。次に反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した後、カラムクロマトグラフィーで精製することにより、黄色固形物9を得た(収率44%)。H NMR(400MHz,CDCl):δ8.90,8.64(2つのm,1H),8.12(m,4H),7.94(m,1H),7.68(m,1H),7.48(m,2H),7.37(m,8H),7.27(m,10H),7.16(m,1H),6.61(m,1H),5.62,5.59(2つのs,1H),3.22(m,1H),3.09(m,2H),3.00(m,3H),2.72(m,1H),2.57(m,1H),1.28,1,22(2つのs,9H).MS(MALDI−TOF)m/z計算値1050,実測値1050.元素分析(C5847Ptとして)計算値:C,66.28;H,4.41;N,4.00;実測値:C,66.52;H,5.36;N,3.98。
【0085】
化合物11〜16
表1に示すように、ステップ1.1 1〜ステップ1.3.4の各二量体および最終生成物を得るために、選ばれた出発ジオンおよび置換基(例えば実施例1.1.1〜1.7.4)を使用した点以外は、実施例1.1.1から実施例1.1.3までの化合物9と同様の方法で、化合物11〜16を得た。
【0086】
【表1】

【0087】
各最終生成物は、H−NMRスペクトルから、各化合物(11〜16)と同定された。
【化29】

【0088】
H NMR(400MHz,CDCl):δ8.90,8.86(2つのd,J=5.5Hz,1H),8.13(d,J=7.7Hz,2H),7.95(m,1H),7.82 7.73(2つのm,1H),7.47(m,4H),7.36(m,4H),7.26(m,2H),7.13(m,2H),6.59(m,1H),5.54,5.52(2つのs,1H),3.17(t,J=7.7Hz,2H),2.66(t,J=7.7Hz,2H),2.04(s,3H).MS(MALDI−TOF)m/z計算値739,実測値740[M+H].元素分析(C3526Ptとして)計算値:C,56.83;H,3.54;N,3.79;実測値:C,56.48;H,3.89;N,3.79。
【0089】
【化30】

【0090】
H NMR(400MHz,CDCl):δ9.02,8.92(2つのd,J=5.5Hz,1H),8.13(d,J=7.3Hz,2H),7.98(m,1H),7.84,7.76(2つのm,1H),7.47(m,4H),7.36(m,4H),7.26(m,2H),7.15(m,2H),6.60(m,1H),5.67,5.65(2つのs,1H),3.20(t,J=6.7Hz,2H),2.74(t,J=7.3Hz,2H),1.28−1.26(2つのs,9H).MS(MALDI−TOF)m/z計算値781,実測値782[M+H].元素分析(C3832Ptとして)計算値:C,58.38;H,4.13;N,3.58;実測値:C,58.58;H,4.43;N,3.66。
【0091】
【化31】

【0092】
H NMR(400MHz,CDCl):δ8.87,8.72(2つのs,1H),8.13(d,J=7.7Hz,2H),7.90(d,J=8.8,1H),6.67(m,1H),7.47(m,2H),7.39(m,4H),7.34(m,2H),7.26(m,2H),7.13,(m,1H),6.57(m,1H),5.61,5.56(2つのs,1H),3.09(m,4H),2.06,1.94(2つのs,3H),1.27,1.22(2つのs,9H).MS(ESI)m/z計算値795,実測値796[M+H].元素分析(C3934Ptとして)計算値:C,58.86;H,4.31;N,3.52;実測値:C,58.72;H,4.70;N,3.58。
【0093】
【化32】

【0094】
H NMR(400MHz,CDCl):δ9.03,8.91(2つのd,J=5.6Hz,1H),8.13(d,J=7.7Hz,4H),8.00(m,1H),7.96(s,2H),7.85,7.72(2つのm,1H),7.45(m,12H),7.24(m,6H),7.16(m,4H),6.59(m,1H),5.68,5,66(2つのs,1H),4.61(t,J=7.3Hz,4H),3.30(t,J=7.7Hz,4H),3.20(m,2H),2.74(m,2H),1.28,1.27(2つのs,9H).元素分析(C6654Ptとして)計算値:C,67.86;H,4.66;N,4.80;実測値:C,67.60;H,5.08;N,4.86。
【0095】
【化33】

【0096】
H NMR(400MHz,CDCl−d):δ8.90−8.72(m,1H),8.18(d,J=8.4Hz,2H),8.08(d,J=8.4Hz,2H),7.86(d,J=8.8Hz,1H),7.74(d,J=8.0Hz,3H),7.62−7.53(m,6H),7.12−7.10(m,1H),6.66(t,J=9.5.Hz,1H),5.62(m,1H),3.03(s,4H),2.04(s,2H),1.98(s,1H),1.39(s,9H),1.24(s,9H)
【0097】
【化34】

【0098】
H NMR(400MHz,CDCl−d):δ8.88(s,1H),8.07−8.04(m,4H),7.85(d,J=9.2Hz,1H),7.55−7.53(m,3H),7.29(d,J=8.4Hz,2H),7.11−7.08(m,1H),6.56(t,J=9.3Hz,1H),5.61(s,1H),3.05−3.03(m,4H),2.04(s,3H),1.36(s,9H),1.24(s,9H)
【0099】
実施例1.4.1
【化35】

【0100】
化合物23:二量体23は、Brooksの方法(「Synthesis and Characterization of Phosphorescent Cyclometalated Platinum Complexes」Brooks,J.ら,Inorg. Chem.;2002;41(12);3055−3066))に従って製造した。
【0101】
【化36】

【0102】
実施例1.5.1
【化37】

【0103】
4−ブロモ−N’−(4−tert−ブチルベンゾイル)ベンゾヒドラジド(24):4−ブロモベンゾヒドラジド(11.0g、51.1mmol)をテトラヒドロフランに溶解した。次にピリジン(4.2g、53.7mmol)を反応混合物にゆっくり加えた。次に、全ての4−ブロモベンゾヒドラジドを溶解させるために、反応混合物を穏やかに加熱した。次に、加熱した混合物を室温まで冷却してから、氷浴に入れた。次に、4−tert−ブチルベンゾイルクロリド(10.6g、53.7mmol)をフラスコにゆっくり加えた。フラスコを氷浴から取り出した後、アルゴン圧下、室温で、約1時間撹拌した。次に、溶媒を除去してから、粗製物をフィルターに入れ、水で洗浄した。次に、粗製物を真空乾燥器で乾燥し、メタノールにおける再結晶で精製することにより、白色固形物24を得た(収率92%)。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ10.60(s,1H),10.47(s,1H),7.88−7.85(m,4H),7.76(d,J=8.8Hz,2H),7.54(d,J=8.4Hz,2H),1.32(s,9H).
【0104】
実施例1.5.2
【化38】

【0105】
2−(4−ブロモフェニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(25):4−ブロモ−N’−(4−tert−ブチルベンゾイル)ベンゾヒドラジド(24)(18.0g、48.0mmol)および1−4,ジオキソンを、材料が溶液になるまで、アルゴン下で115℃に加熱した。反応混合物を熱源から取り出し、少し冷却した。次に、酸化塩化リン(13.2mL、154.3mmol)を反応混合物に加えた。次に、反応フラスコの内容物をアルゴン下から取り出し、生成した塩化水素を捕捉するために、T字バルブによって炭酸水素ナトリウムにばく露した。次に、反応混合物を約30分間、約115℃に加熱した。次に溶媒を除去し、生成物をジクロロメタンで抽出した。次に、ジクロロメタンに溶解している生成物を炭酸水素ナトリウム、水、およびブラインで洗浄した。ジクロロメタンを除去した後、その結果得られた粗製物をジクロロメタン/ヘキサン類における再結晶で精製することにより、白色固形物25を得た(収率79%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.04(d,J=8.8Hz,2H),7.99(d,J=8.8Hz,2H),7.65(d,J=8.4Hz,2H),7.54(d,J=8.8Hz,2H),1.36(s,9H).
【0106】
実施例1.5.3
【化39】

【0107】
2−(4−tert−ブチルフェニル)−5−(4−ビニルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(26):2−(4−ブロモフェニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(25)(3.1g、8.7mmol)、トリブチル(ビニル)スタンナン(4.5g、14.3mmol)、およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(300.6mg、0.3mmol)をシュレンクフラスコに入れ、最少量のトルエンに溶解した。凍結−ポンプ−融解サイクルを4回行ってから、反応混合物を約85時間、約65℃に加熱した。次に、トルエンを除去するために粗製物をジクロロメタンにおけるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、次いで、生成物を溶出させるために、溶媒を1:4アセトン:ヘキサン類に変えた。溶媒を除去し、ジクロロメタン/ヘキサン類中で再結晶を行うことにより、オフホワイトの固形物(26)を得た(収率93%)。H NMR(400MHz,CDCl):δ8.10−8.05(m,4H),7.57−7.53(m,4H),6.77(dd,J=17.6Hz,J=11Hz,1H),5.89(d,J=17.6Hz,1H),5.39(d,J=11Hz,1H),1.37(s,9H).
【0108】
【化40】

【0109】
実施例1.6.1
【化41】

【0110】
2−(4−ブロモフェニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(25):化合物25は実施例1.5.1〜1.5.2で説明したように製造した。
【0111】
実施例1.6.2
【化42】

【0112】
2−(4−tert−ブチルフェニル)−5−(4’−ビニルビフェニル−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾール(27[vPBD])。25(16.01g、44.81mmol)、4−ビニルフェニルボロン酸(6.745g、45.58mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.589g、2.241mmol)、炭酸ナトリウム(17.00g、160.4mmol)、HO(143mL)およびTHF(240mL)の混合物を、アルゴンで約1時間、撹拌しながら脱気した。次に、反応混合物をアルゴン下で撹拌しながら約66時間、約80℃に維持した。完了したら反応を室温まで冷却し、酢酸エチル(200mL)に注いだ。次に有機相を飽和炭酸水素ナトリウム、水およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過し、減圧下で濃縮した。次に、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、100%ジクロロメタン→19:1ジクロロメタン−酢酸エチル)で精製することにより、27(14.8g、収率87%)をオフホワイトの結晶性固形物として得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ8.20(d,J=8.8Hz,2H),8.08(d,J=8.8Hz,2H),7.76(d,J=8.4Hz,2H),7.63(d,J=8.4Hz,2H),7.60−7.51(m,4H),6.77(dd,J=17.6Hz,J=11.0Hz,1H),5.83(d,J=18.0Hz,1H),5.31(d,J=11.4Hz,1H),1.36(s,9H)
【0113】
【化43】

【0114】
実施例1.7.1
【化44】

【0115】
3,6−ビス(2−(9H−カルバゾール−9−イル)エチル)−9H−カルバゾール(28):9−ビニル−9H−カルバゾール(27.0g、138.5mmol)をテトラヒドロフランに溶解し、氷浴に入れた。9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(840.0mL、415.4mmol)を反応混合物に導管を通して加えた。反応混合物をゆっくり室温にし、アルゴン圧下で約3時間撹拌した。次に、水酸化ナトリウム(3M溶液、30.0g、750.0mmol)を反応混合物にゆっくり加えた。水に対するテトラヒドロフランの総比率が5:1になるように、テトラヒドロフランをさらに追加した。次に、3,6−ジブロモ−9H−カルバゾール(15.1g、46.2mmol)を反応混合物に加えた。次に、反応混合物を約1時間、アルゴンで脱気し、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(1.0g、l.4mmol)を加えた。次に、反応混合物をアルゴン圧下で終夜、約50℃に加熱した。次に溶媒を除去し、その結果得られた残渣を酢酸エチルで抽出し、水およびブラインで洗浄した。次に酢酸エチルを除去し、まず最初は、2:3ジクロロメタン:ヘキサン類を溶離液とするシリカクロマトグラフィーで、粗生成物を精製した。次に、下部スポット不純物および上部スポット不純物を除去するために、それぞれ2:3ジクロロメタン:ヘキサン類中および1:9酢酸エチル:ヘキサン類中の両カラムで粗製物を精製することにより、生成物を白色固形物28として得た(収率64%)。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ11.05(s,1H),8.16(d,J=7.7Hz,4H),8.10(s,2H),7.68(d,J=8.0Hz,4H),7.47−7.43(m,4H),7.40−7.31(m,4H)7.20(t,J=7.2Hz,4H),4.70−4.66(m,4H),3.19(t,J=7.7Hz,4H)
【0116】
実施例1.7.2
【化45】




【0117】
3,6−ビス(2−(9H−カルバゾール−9−イル)エチル)−9H−カルバゾール−9−カルバルデヒド(29):3,6−ビス(2−(9H−カルバゾール−9イル)エチル)−9H−カルバゾール(28)(8.0g、14.4mmol)4−ブロモベンズアルデヒド(8.0g、43.2mmol)、炭酸カリウム(10.8g、77.8mmol)、および18−クラウン−6(76mg、0.3mmol)を、1,2−ジクロロベンゼンに溶解した。反応混合物をアルゴンで脱気してから、銅(3g、46.8mmol)を加え、反応混合物をアルゴン下で約72時間、約200℃に加熱した。次に、銅、炭酸カリウム、および18−クラウン−6を濾去した。溶媒を除去し、その結果生じた残渣を、まず最初に、短いシリカプラグにより、1:1ジクロロメタン:ヘキサン類を溶離液として精製した。1:9酢酸エチル:ヘキサン類でのシリカカラムに加えて、メタノール中での沈殿を行うことにより、生成物29を淡黄色固形物として得た(35%)。H NMR(400MHz,CDCl):δ10.1(s,1H),8.12(d,J=8.1Hz,6H),7.92(s,2H),7.73(d,J=8.4Hz,2H),7.46−7.37(m,10H),7.26−7.20(m,6H),4.62(t,J=7.5Hz,4H),3.32(t,J=7.5Hz,4H).
【0118】
実施例1.7.3
【化46】

【0119】
(3,6−ビス(2−(9H−カルバゾール−9−イル)エチル)−9H−カルバゾール−9−イル)メタノール(30):3,6−ビス(2−(9H−カルバゾール−9−イル)エチル)−9H−カルバゾール−9−カルバルデヒド(29)(2.5g、3.8mmol)を、テトラヒドロフラン/メタノールの(2:1)混合物に溶解した。水素化ホウ素ナトリウム(186.8mg、4.9mmol)を反応混合物に少しずつ加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌してから、溶媒を除去した。脱イオン水を粗製物に加え、その溶液が中性になるまで、1M HClを滴下した。所望の物質をジクロロメタンで抽出し、水で洗浄した。ジクロロメタンを除去し、1:1ジクロロメタン:ヘキサン類を溶離液として、シリカクロマトグラフィーを行った。溶媒を除去し、生成物をジクロロメタン/ヘキサン類から析出させることにより、オフホワイトの固形生成物30を得た(収率89%)。1H NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.23(s,2H),8.16(d,J=7.7Hz,4H),7.69(d,J=8.0Hz,4H),7.62(d,J=8.1Hz,2H),7.51(d,J=8.0Hz,2H),7.47(t,J=7.3Hz,4H),7.40(d,J=8.4Hz,2H),7.26(d,J=8.4Hz,2H),7.21(t,J=7.5Hz,4H),5.42−5.40(m,1H),4.69−4.64(m,6H),3.22(t,J=7.5Hz,4H).
【0120】
実施例1.7.4
【化47】

【0121】
9,9’−(2,2’−(9−(ブロモメチル)−9H−カルバゾール−3,6−ジイル)ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(9H−カルバゾール)(31):(3,6−ビス(2−(9H−カルバゾール−9−イル)エチル)−9H−カルバゾール−9−イル)メタノール(30)(2.0g、3.0mmol)および四臭化炭素(1.7g、5.1mmol)をテトラヒドロフランに溶解した。トリフェニルホスフィン(1.4g、5.5mmol)を最少量のテトラヒドロフランに溶解してから、シリンジを使って反応混合物中にゆっくり加えた。反応をアルゴン圧下、室温で、7時間撹拌してから、冷凍庫に終夜入れておいた。反応を冷凍庫から取り出し、室温でさらに1時間撹拌した。溶媒を除去し、1:1ジクロロメタン:ヘキサン類を溶離液とするシリカクロマトグラフィーによって、粗生成物を精製した。次に生成物をジクロロメタン/ヘキサンから、オフホワイトの固形物31として沈殿させた(収率80%)。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ8.22(s,2H),816(d,J=8.1Hz,4H),7.74(d,J=8.4Hz,2H),7.69(d,J=8.0Hz,4H),7.57(d,J=8.4Hz,2H),7.48−7.44(m,4H),7.39(d,J=8.4Hz,2H),7.30(d,J=8.4Hz,2H),7.21(t,J=7.5Hz,4H),4.86(s,2H),4.69(t,J=7.5Hz,4H),3.22(t,J=7.7Hz,4H).
【0122】
【化48】

【0123】
実施例1.10.1
【化49】

【0124】
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(117mg、0.10mmol)を、トルエン(20mL)、2M K2CO3(10mL)およびエタノール(5mL)中の4−tert−ブチルフェニルボロン酸(1.0g、5.6mmol)および2−ブロモピリジン(807mg、5.1mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下で加えた。その結果得られた混合物を約70℃で約15時間撹拌した。パラジウム触媒を濾過によって除去した後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、シリカゲル(ジクロロメタン)でのカラムクロマトグラフィーで精製することにより、2−(4−tert−ブチルフェニル)ピリジン32を無色の油状物として得た(210mg、99%)。TLC Rf=0.50(ジクロロメタン)。1H NMR(CDCl3)δ1.36(s,9H),7.16−7.22(m,1H),7.49(d,2H,J=6.6Hz),7.69−7.76(m,2H),7.92(d,2H,J=6.6Hz).
【0125】
実施例1.10.2
【化50】

【0126】
2−エトキシエタノール/H2O(20mL、3:1)中のテトラクロロ白金(II)酸カリウム(500mg、1.2mmol)と2−(4−tert−ブチルフェニル)ピリジン32(760mg、3.6mmol)の混合物を約80℃に加熱し、約18時間撹拌した。その結果生じた二量体33を過剰の水中で単離してから、2−エトキシエタノール(10mL)中、約100℃で、約18時間、2当量のカルバゾール配位子誘導体4(477mg、1.2mmol)および5当量のNaCO(313mg、2.95mmol)と反応させた。溶媒を減圧下で除去し、化合物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液:ヘキサン/ジクロロメタン4:1)で精製した。生成物17を黄色固形物として得た、411mg(43%)。TLC Rf=0.30(ヘキサン/ジクロロメタン4:1)。H NMR(CDCl)δ1.26,1.29(s,9H,異性体),1.37,1.40(s,9H,異性体),2.67−2.73(m,2H),3.19,3.28(t,2H,J=7.7Hz,異性体),5.63(s,1H),7.00,7.08(t,1H,J=6.6Hz,異性体),7.12−7.20(m,1H),7.22−7.30(m,2H),7.32−7.41(m,5H),7.45−7.51(m,4H),7.52−7.60(m,1H),7.70(t,1H,J=8.4Hz),7.75−7.81(m,1H),8.13(d,2H,J=7.7Hz),8.87,8.97(d,1H,J=5.5Hz,異性体).
【0127】
化合物18〜22
表2に示すように、ステップ1.10.1〜1.10.2の各二量体を得るために、選ばれた各ボロン酸誘導体を使用した点以外は、ステップ(1.10.1)からステップ(1.10.2)までの化合物17と同様の方法で、化合物18〜22を得た。化合物18については、実施例1.10.1のようにピリジン誘導体を合成する代わりに、市販の2−(トリル)ピリジンを使用した。
【0128】
【表2】

【0129】
各最終生成物は、次のとおり、各化合物(18〜22)と同定された。
【化51】

【0130】
生成物18は黄色固形物として得た、400mg(44%)。TLC Rf=0.30(ヘキサン/ジクロロメタン4:1)。H NMR(CDCl)δ1.25,1.27(s,9H,異性体),2.40(s,3H),2.69−2.72(m,2H),3.17−3.25(m,2H),5.61,5.62(s,1H,異性体),6.91−6.93(m,2H),7.00,7.08(t,1H,J=6.6Hz,異性体),7.25−7.30(m,2H),7.31−7.44(m,5H),7.50(s,4H),7.51−7.60(m,1H),7.70(t,1H,J=8.4Hz),7.79(t,1H,J=7.7Hz),8.10−8.14(m,2H),8.88,8.97(d,1H,J=5.5Hz).
【0131】
【化52】

【0132】
生成物19は黄色固形物として得た、251mg(収率:26%)。TLC Rf=0.30(ヘキサン/ジクロロメタン4:1)。H NMR(CDCl)δ1.26,1.28(s,9H,異性体),2.70−2.76(m,2H),3.19−3.23(m,2H),5.65,5.67(s,1H,異性体),7.12−7.18(m,0.5H,異性体),7.22−7.30(m,2H),7.32−7.38(m,5H),7.47−7.50(m,4H),7.51−7.60(m,1H),7.64−7.73(m,1H),7.78−7.82(m,0.5H,異性体),7.88−7.92(m,1H),7.95−7.97(m,1H),8.13(d,2H,J=6.6Hz),8.94,9.05(d,1H,J=5.5Hz,異性体).
【化53】

【0133】
生成物20は黄色固形物として得た、110mg(12%)。TLC Rf=0.30(ヘキサン/ジクロロメタン4:1)。H NMR(CDCl)δ1.24(s,9H),2.73(t,2H,J=8.4Hz),3.12(t,2H,J=8.4Hz),5.67(s,1H),7.24−7.32(m,3H),7.37−7.40(m,4H),7.44−7.50(m,4H),7.76(d,1H,J=8.1Hz),7.85(d,1H,J=7.4Hz),7.95(d,1H,J=7.4Hz),8.13(d,2H,J=7.7Hz),9.20(d,1H,J=5.5Hz).
【化54】

【0134】
生成物21は黄色固形物として得た、620mg(52%)。TLC Rf=0.30(ヘキサン/ジクロロメタン4:1)。H NMR(CDCl)δ1.25,1.27(s,9H,異性体),2.38,2.39(s,3H,異性体),2.69−2.74(m,2H),3.18−3.21(m,2H),5.62,5.64(s,1H,異性体),6.59−6.65(m,1H),7.03(t,1H,J=7.7Hz),7.11(t,1H,J=7.3Hz),7.25−7.28(m,3H),7.32−7.40(m,4H),7.46−7.48(m,4H),7.73,7.81(t,1H,J=6.6Hz,異性体),7.96−8.02(m,1H),8.12(d,2H,J=7.7Hz),8.93,9.03(d,1H,J=5.5Hz).
【化55】

【0135】
生成物22は黄色固形物として得た、387mg(47%)。TLC Rf=0.30(ヘキサン/ジクロロメタン4:1)。H NMR(CDCl)δ1.25,1.28(s,9H,異性体),1.35,1.38(s,9H,異性体),2.69−2.74(m,2H),3.19,3.26(t,2H,J=8.0Hz),5.63(s,1H),6.80−6.81,6.85−6.86(m,1H,異性体),7.03,7.12(t,1H,J=7.3Hz,異性体),7.25−7.30(m,2H),7.31−7.38(m,4H),7.46−7.49(m,4H),7.55,7.59(d,1H,J=1.4Hz,異性体),7.73,7.82(t,1H,J=7.7Hz,異性体),7.96−8.02(m,1H),8.13(d,2H,J=7.7Hz),8.92,9.02(d,1H,J=5.5Hz).
【0136】
実施例2:デバイス製作
発光デバイスの製作(例として化合物9を使用)
【0137】
湿式プロセス:ITO被覆ガラス基材を、超音波により、アセトン中で清浄化し、続いて2−プロパノール中で清浄化し、約110℃で約3時間焼成した後、酸素プラズマで5分間処理した。PEDOT:PSS(H.C.Starckから購入したBaytron P)の層を、前もって清浄化しOプラズマ処理した(ITO)基材上に、3000rpmでスピンコーティングし、約180℃で約10分間アニールすることで、40nm前後の厚さを得た。真空成膜システムを組み込んだ圧力約10−7torr(1torr=133.322Pa)のグローブボックス内で、化合物9のクロロベンゼン溶液を、前処理されたPEDOT:PSS層の上にスピンコーティングすることで、厚さ70nmの発光層を得た。次に、1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミジゾール−2−イル)ベンゼン(TPBI)を、発光層の上に、約10−7torr(1torr=133.322Pa)の圧力において、約0.06nm/秒の成膜速度で成膜した。次に、CsFおよびAlを、それぞれ約0.005および約0.2nm/秒の成膜速度で、逐次、成膜した。個々のデバイスは約0.14cmの面積を有した。すべてのスペクトルをOcean Optics HR4000スペクトロメーターで測定し、I−V−L特性はKeithley2400ソースメーターならびにNewport2832−C電力計および818UV検出器で計測した。すべてのデバイス動作は、窒素で満たされたグローブボックス内で行われた。
【0138】
乾式プロセス:ITO被覆ガラス基材を、超音波により、アセトン中で清浄化し、続いて2−プロパノール中で清浄化し、約110℃で約3時間焼成した後、酸素プラズマで5分間処理した。PEDOT:PSS(H.C.Starckから購入したBaytron P)の層を、前もって清浄化しOプラズマ処理した(ITO)基材上に、3000rpmでスピンコーティングし、約180℃で約10分間アニールすることで、約40nmの厚さを得た。圧力約10−7torrのグローブボックスに組み込まれた真空成膜システム内で、まず最初に、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(NPB)をPEDOT/PSS層の上に0.06nm/秒の成膜速度で成膜して、厚さ40nmの薄膜を得た後、20nmの1,3−N,N−ジカルバゾール−ベンゼン(mCP)層を成膜した。化合物9をmCPの上に蒸着して、25nmのニート層を得た後、30nmの1,3−ビス(N,N’−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(OXD−7)層を約0.06nm/秒の成膜速度で成膜した。次に、CsFおよびAlを、それぞれ約0.005および0.2nm/秒の成膜速度で、逐次、成膜した。個々のデバイスは約0.14cmの面積を有した。
【0139】
これらの方法によって製造したデバイスの特性を表3に要約する。
【0140】
【表3】

【0141】
本発明の要旨から逸脱することなく数多くのさまざまな変更を加えることができることは当業者には理解されるであろう。したがって、本発明の形態が単なる例示であって、本発明の範囲を限定しようとするものではないことを、明確に理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
A−(D) (式I)
[式中、aは、1、2、3、または4であり、
Aは、置換されていてもよい(2−フェニルピリジナト−N,C’)(2,4−ペンタンジオナト)Pt(II)であり、
各Dは、独立して、
各繰り返し単位が独立して式II〜IV:
【化1】

の1つによって表される約0〜約5個の繰り返し単位と、
独立して式V:
【化2】

によって表される約1〜約11個の末端単位と
からなる部分であり、
式中の各Rは独立してC1−8アルキルであり、かつ
各Hetは独立して、置換されていてもよいC8−30多環式ヘテロ芳香環系である]
によって表される化合物。
【請求項2】
各Rが独立してC2−4アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
少なくとも1つのRが−(CH−である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
少なくとも1つのHetが、
【化3】

から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
さらに式VI:
【化4】

[式中、R、R、R、R、R、R、およびRは、独立して、水素、C1−30アルキル、C1−30アルコキシ、ハロ、C1−6ハロアルキル、置換されていてもよいC6−10アリール、または置換されていてもよいC3−10ヘテロアリールであり、
、R、R10およびR11の少なくとも1つは、独立して、Dであり、かつ
Dでない任意のR、R、R10およびR11は、独立して、水素、C1−30アルキル、C1−30アルコキシ、ハロ、置換されていてもよいC6−10アリール、または置換されていてもよいC3−10ヘテロアリールである]
によって表される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
、R、R、およびRの少なくとも1つが、ハロまたはC1−6ハロアルキルである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
およびRがFである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
およびRがCFである、請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
、R、R10およびR11の少なくとも1つが、
【化5】

から独立して選択される、請求項5〜8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】

【化6】

である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】

【化7】

である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、およびR11の少なくとも1つが、メチル、エチル、プロピル異性体、ブチル異性体、ペンチル異性体、またはヘキシル異性体である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
11がメチルまたはt−ブチルである、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】

【化8】

である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】

【化9】

である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】

【化10】

である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
Dが
【化11】

[式中、全ての芳香環は置換されていてもよい]
から選択される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
【化12】



から選択される請求項5に記載の化合物。
【請求項19】
アノード層、
カソード層、および
アノード層とカソード層の間に位置してそれらに電気的に接続されている発光層
を含む発光デバイスであって、発光層が請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物を含む発光デバイス。
【請求項20】
発光層が前記化合物を含み、追加の電子輸送材料または正孔輸送材料を伴わない、請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
電子輸送層または正孔輸送層を含まない、請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
本質的にアノード層とカソード層と発光層とからなる、請求項21に記載のデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−516467(P2013−516467A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548045(P2012−548045)
【出願日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/062439
【国際公開番号】WO2011/149500
【国際公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】