説明

有機発光ダイオード発光層のための化合物

式1によって表される化合物を開示する。それに関係する組成物および発光素子も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2009年9月16日に出願された米国仮特許出願第61/242897号の利益を主張し、この仮特許出願は参照によりそのすべてが本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
発明の分野
本明細書に開示する実施形態は、有機発光素子の発光性材料用の両極性ホストなどといった有機発光ダイオード材料において役立ちうる化合物に関する。
【0003】
関連技術の説明
白色有機発光素子(WOLED)は、バックライト光源、フルカラーディスプレイとしての、また一般照明目的への、それらの潜在的応用ゆえに、多くの注目を集め、活発に研究されてきた。白色光を生み出すためのさまざまな素子構成のなかでも、単一の発光層を持つ素子は、それらの素子製作および加工の平易さゆえに、多くの注目を集めてきた。数多くの既存の単一発光層タイプのうち、リン光材料を適当なホスト材料と組み合わせて使用する素子(全リン光型)と、青色蛍光ホストを黄色リン光発光体と共に使用する素子は、特に注目を集めてきた。これらは、いくつかの理由から、他のタイプの素子よりも効果的でありうる。例えば、リン光発光体は一重項励起と三重項励起の両方を得ることができ、したがって100%の内部量子効率を達成する可能性を有しうる。もう1つの重要な事項は、ホスト材料の添加が発光性材料の濃度消光を減少させうるだけでなく、発光性材料はホスト材料より高価であるだろうから、素子の総原価も低下させうることである。また、単層素子の製作は多層素子よりもはるかに容易であり、費用対効果も大きいだろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって効果的なホスト材料の開発はWOLEDの改良にとって重要である。ホストは正孔と電子の両方を同じ速度で効率よく輸送し、三重項励起子をゲスト分子上に効果的に閉じ込めるのに十分な高さの三重項エネルギーを有することが、一般に望ましいだろう。多くのホスト材料は正孔輸送材料と電子輸送材料の混合物でありうるが、これは、相分離、凝集および均一性の欠如、ならびに不均等な材料分解などの潜在的問題を生じうる。単分子両極性ホスト(例えば正孔と電子をどちらも効果的に輸送しうるホスト分子)の開発は、これらの領域における改良をもたらしうる。
【0005】
単色または白色有機発光ダイオード(OLED)素子応用に使用されるいくつかの両極性ホストの合成および研究が報告されている。しかし、それらの多くは、バランスのとれていない正孔輸送特性と電子輸送特性を有したり、それで作られた素子が月並みな効率しか示さなかったりする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一部の実施形態は、式:
【化1】

(式中、Cbは置換されていてもよいカルバゾールであることができ;Aは存在しないか、PhまたはPh−Hetであることができ;PhおよびPhは、独立して、置換されていてもよいフェニルであることができ;Arは置換されていてもよいC6−10アリールであることができ;HetおよびHetは、独立して、置換されていてもよいベンゾイミダゾール−2−イル、置換されていてもよいベンゾチアゾール−2−イル、または置換されていてもよいベンゾオキサゾール−2−イルである)
によって表される化合物を提供する。
【0007】
一部の実施形態は、本明細書に記載する化合物を含む発光層を含む発光素子を提供する。
【0008】
これらの実施形態および他の実施形態を以下に詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一部の実施形態による素子の概略図である。
【図2】図1による素子の一実施形態のエレクトロルミネセンススペクトルおよびCIE座標を図示したグラフである。
【図3】図1による素子の一実施形態の駆動電圧の関数として電流密度および輝度を図示したグラフである。
【図4】図1による素子の一実施形態の電流密度の関数として外部量子効率および発光効率を図示したグラフである。
【図5】一部の実施形態による素子の概略図である。
【図6】図5による素子の一実施形態のエレクトロルミネセンススペクトルおよびCIE座標およびCRIを図示したグラフである。
【図7】図5による素子の一実施形態の駆動電圧の関数として電流密度および輝度を図示したグラフである。
【図8】図5による素子の一実施形態の電流密度の関数として外部量子効率を図示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
好ましい実施形態の詳細な説明
別段の表示がない限り、アルキルまたはアリールなどの化学構造的特徴を指して「置換されていてもよい」という場合、それは、その特徴が、置換基を持たなくても(すなわち無置換でも)よいし、1つ以上の置換基を持っていてもよいことを意味する。「置換され」ている特徴は、1つ以上の置換基を有する。用語「置換基」は当業者に知られている通常の意味を有する。一部の実施形態において、置換基は、約500g/m未満、約300g/m未満、約200g/m未満、約100g/m未満、または約50g/m未満の分子量(例えば置換基の原子の原子質量の和)を有しうる、当技術分野において知られている通常の有機部分であることができる。一部の実施形態において、置換基は、0〜30個、0〜20個、0〜10個、または0〜5個の炭素原子と、N、O、S、Si、F、Cl、Br、またはIから独立して選択される0〜30個、0〜20個、0〜10個、または0〜5個のヘテロ原子とを含む(ただし置換基は、C、N、O、S、Si、F、Cl、Br、またはIから選択される少なくとも1つの原子を含むものとする)。置換基の例には、アルキル、アルケニル、アルキニル、置換されていてもよいカルバゾリル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいジアリールアミノ、置換されていてもよいヘテロアリール、ヘテロアリシクリル、アラルキル、ヘテロアラルキル、(ヘテロアリシクリル)アルキル、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アシル、エステル、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロゲン、カルボニル、チオカルボニル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、C−アミド、N−アミド、S−スルホンアミド、N−スルホンアミド、C−カルボキシ、保護C−カルボキシ、O−カルボキシ、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、シリル、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロヒドロカルビル、ハロアルキル、ハロアルコキシル、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、およびアミノ(1置換および2置換アミノ基を含む)、およびその保護誘導体などがあるが、これらに限るわけではない。
【0011】
一部の実施形態では、置換基に、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、カルバゾリル、C6−10アリール、C12−20ジアリールアミノ、C2−10ヘテロアリール、C3−6ヘテロアリシクリル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C1−6アリールオキシ、C1−6アシル、C1−6エステル、メルカプト、C1−6アルキルチオ、C1−6アリールチオ、シアノ、ハロゲン、カルボニル、チオカルボニル、C1−6O−カルバミル、C1−6N−カルバミル、C1−6O−チオカルバミル、C1−6N−チオカルバミル、C1−6C−アミド、C1−6N−アミド、C1−6S−スルホンアミド、C1−6N−スルホンアミド、C−カルボキシ、保護C−カルボキシ、O−カルボキシ、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、C1−6ハロアルキル、C1−6ハロアルコキシル、およびC1−6アミノ(1置換および2置換アミノ基を含む)、およびその保護誘導体が含まれるが、これらに限るわけではない。
【0012】
アリール、フェニル、もしくはヘテロアリールなどの置換基、またはアリール部分、フェニル部分、またはヘテロアリール部分を含む置換基は、それ自体が、上に示した任意の置換基を含むようにさらに置換されていてもよく、その場合、任意のさらなる置換基は、親置換基のアリール環部分、フェニル環部分、またはヘテロアリール環部分に結合することができる。一部の実施形態において、置換基または置換基の一部として存在するアリール、フェニル、またはヘテロアリールは、1つ以上のさらなる置換基、例えばアルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、エステル、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロゲン、カルボニル、チオカルボニル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、C−アミド、N−アミド、S−スルホンアミド、N−スルホンアミド、C−カルボキシ、O−カルボキシ、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、スルホニル、ハロヒドロカルビル、ハロアルキル、ハロアルコキシル、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、およびアミノ(1置換および2置換アミノ基を含む)などで置換されていてもよい。
【0013】
本明細書において使用する用語「カルバゾール」は、環系:
【化2】

を指す。
【0014】
置換基が結合できる環系上のさまざまな位置は、上記環系上の数字によって示される。置換されていてもよい場合、置換基の付加は考えうる任意の位置で起こりうる。数字を使って特定の特徴の位置を指すことができる。例えばAが3位に結合し、Phが6位に結合し、Arが9位に結合するならば、式2の構造が得られ、式中、R、R、R、R、R、およびRは、独立して、Hまたは置換基(例えば本明細書に記載する任意の置換基)であることができる。分子の残りの部分への結合は、考えうる任意の位置で起こり得る。
【化3】

【0015】
本明細書において使用する用語「アリール」は、例えばフェニル、ナフチルなどの芳香環または芳香環系を指す。以下に図示する構造は、置換されていてもよいフェニルの諸タイプのいくつかの非限定的な例を表す。構造の名称を構造の下に示す。
【化4】

【0016】
置換されていてもよい場合、置換基の付加は考えうる任意の位置で起こりうる。
【0017】
本明細書において使用する他のいくつかの部分の名称を、対応する構造と共に以下に示す。
【化5】

置換されていてもよい場合、置換基の付加は考えうる任意の位置で起こりうる。
【0018】
本明細書において使用する用語「1−((4−ハロフェニル)メチル)ベンゾイミダゾール−2−イル」は、環系:
【化6】

(式中、Rは、F、Cl、Br、およびIなどのハロゲンであることができる)
を指す。置換されていてもよい場合、置換基の付加は考えうる任意の位置で起こりうる。
【0019】
「C1−10」(例えば「C1−10アルキル」)または「C6−10」(例えば「C6−10アリール」)などの表現は、ある部分における炭素原子の数を指し、類似する表現は類似する意味を有する。「置換されていてもよいC6−10アリール」など、ある部分が置換されていてもよい場合、「C6−10」などの炭素原子数の指定は親部分(例えばアリールの環炭素)だけを指し、その部分上の置換基を特徴づけたり限定したりするものではない。
【0020】
本明細書において使用する用語「ヒドロカルビル」は、炭素および水素から構成される部分を指す。ヒドロカルビルには、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールなどと、それらの組合せが包含され、直鎖状、分枝状、環状、またはそれらの組合せであることができる。ヒドロカルビルは、任意の数の他の部分に結合(例えば、1個の他の基(−CH、−CH=CHなど);2個の他の基(−フェニル−、−C≡C−など);または任意の数の他の基に結合)することができ、その構造は、1〜35個の炭素原子を保持し、一部の実施形態では、1〜35個の炭素原子を含有することができる。ヒドロカルビル基の例には、Cアルキル、Cアルキル、Cアルケニル、Cアルキニル、Cアルキル、Cアルケニル、Cアルキニル、Cアルキル、Cアルケニル、Cアルキニル、Cアルキル、Cアルケニル、Cアルキニル、Cアルキル、Cアルケニル、Cアルキニル、フェニルなどがあるが、これらに限るわけではない。
【0021】
本明細書において使用する用語「アルキル」は、炭素および水素から構成され二重結合または三重結合を含有しない部分を指す。アルキルは、直鎖アルキル、分枝アルキル、シクロアルキル、またはそれらの組合せであることができ、一部の実施形態では、1〜35個の炭素原子を含有することができる。一部の実施形態においてアルキルは、C1−10直鎖アルキル、例えばメチル(−CH)、エチル(−CHCH)、n−プロピル(−CHCHCH)、n−ブチル(−CHCHCHCH)、n−ペンチル(−CHCHCHCHCH)、n−ヘキシル(−CHCHCHCHCHCH)など;C3−10分枝アルキル、例えばC(例えばイソプロピル)、C(例えば分枝ブチル異性体)、C11(例えば分枝ペンチル異性体)、C13(例えば分枝ヘキシル異性体)、C15(例えばヘプチル異性体)など;C3−10シクロアルキル、例えばC(例えばシクロプロピル)、C(例えばシクロブチル、メチルシクロプロピルなどのシクロブチル異性体)、C10(例えばシクロペンチル、メチルシクロブチル、ジメチルシクロプロピルなどのシクロペンチル異性体)、C12(例えばシクロヘキシル異性体)、C15(例えばシクロヘプチル異性体)などを含むことができる。
【0022】
本明細書において使用する用語「アルコキシ」は、−O−アルキル、例えば−OCH、−OC、−OC(例えばイソプロポキシ、n−プロポキシなどのプロポキシ異性体)、−OC(例えばブトキシ異性体)、−OC11(例えばペントキシ異性体)、−OC13(例えばヘキソキシ異性体)、−OC15(例えばヘプトキシ異性体)などを指す。
【0023】
本明細書において使用する用語「ハロ」は、F、Cl、Br、またはIなどのハロゲンを指す。
【0024】
本明細書において使用する用語「ハロアルキル」は、1つ以上のハロ置換基を有するアルキルを指す。用語「フルオロアルキル」は、1つ以上のフルオロ置換基を有するアルキルを指す。用語「パーフルオロアルキル」は、すべての水素原子がフルオロで置き換えられているフルオロアルキル、例えば−CF、−C、−C、−Cなどを指す。
【0025】
本明細書において使用する用語「アシル」は、−COR(式中、Rは置換されていてもよいヒドロカルビルであることができる)を指す。一部の実施形態において、アシルは、ホルミル、アセチル、プロピオノイル、ブチリル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ベンゾイルなどを包含する。
【0026】
用語「仕事関数」は当業者に知られている通常の意味を有する。一部の実施形態において、金属の「仕事関数」とは、金属の表面から電子を取り出すのに必要な最小エネルギーの尺度を指す。
【0027】
用語「高仕事関数金属」は、当業者に知られている通常の意味を有する。一部の実施形態において、「高仕事関数金属」は、正孔を容易に注入し、典型的には4.5以上の仕事関数を有する、金属または合金である。
【0028】
用語「低仕事関数金属」は、当業者に知られている通常の意味を有する。一部の実施形態において、「低仕事関数金属」は、電子を容易に失い、典型的には4.3未満の仕事関数を有する、金属または合金である。
【0029】
「白色発光」という表現は、当業者に知られている通常の意味を有する。一部の実施形態において、ある材料は、それが白色光を放出するのであれば、白色発光性である。一部の実施形態において、白色光は、およそのCIE色座標(X=1/3,Y=1/3)を有する光である。CIE色座標(X=1/3,Y=1/3)は、無色点と定義することもできる。XおよびY色座標は、ある色に合致するようにCIE原色に適用される重みであるといえる。これらの用語のより詳細な説明は、CIE 1971,International Commission on Illumination,Colorimetry:Official Recommendations of the International Commission on Illumination,Publication CIE No.15(E−1.3.1)1971, Bureau Central de la CIE,パリ,1971と、F.W.Billmeyer,Jr.,M.Saltzman,Principles of Color Technology,第2版,John Wiley & Sons,Inc.,ニューヨーク,1981に見いだすことができ、これらはどちらも参照によりそのまま本明細書に組み込まれる。演色評価数(CRI)とは、さまざまな色を再現する能力を指し、0から100までの範囲の値を持つ(100が最もよい)。
【0030】
用語「深青色発光」は、当業者に知られている通常の意味を有する。一部の実施形態において、ある材料は、それが深青色光を放出するのであれば、「深青色発光」性である。一部の実施形態において、深青色光は、およそのCIE色座標(X=[0.14],Y=[0.08],CIE 1931)を有する光である。
【0031】
一部の実施形態は、式1
【化7】

(式中、Cbは置換されていてもよいカルバゾールであることができる)
によって表される化合物を提供する。一部の実施形態において、Aは、Cbの3位に結合することができ、存在しないか、PhまたはPh−Hetであることができる。AがPhまたはPh−Hetであることができる実施形態において、PhはCbの3位に直接結合することができる。PhはCbの6位に結合することができ、ArはCbの9位に結合することができる。一部の実施形態において、置換されていてもよいカルバゾールは、C1−10アルキル(例えばC1−10直鎖アルキル、C3−10分枝アルキル、またはC3−10シクロアルキル)、C1−10アルコキシ、およびハロからなる群より独立して選択される0、1、2、3、または4個の置換基を有することができる。
【0032】
式1に関して、Aは存在しないか、PhまたはPh−Hetであることができる。したがって一部の実施形態は、式3、式4、または式5によって表される化合物に関する。
【化8】

【0033】
上記の任意の関連する式に関して、Cbは置換されていてもよいカルバゾールであることができる。置換されていてもよいカルバゾールは、0、1、2、3、または4個の置換基を有することができる。一部の実施形態において、Cbの置換基は、チオールでも、エステルでも、アミドでもない。一部の実施形態では、Cbの置換基が、C1−10アルキル;ヒドロキシル;C1−10アルコキシ;−NR(式中、RおよびRは、独立して、HまたはC1−10アルキルである);ハロ;C1−10ハロアルキル;C1−10パーフルオロアルキル;C1−10アシル;COH;シアノ;シアネート;イソシアネート;ニトロなどからなる群より独立して選択される。一部の実施形態では、Cbが、C1−10アルキル、C1−10アルコキシ、F、Cl、Br、およびIからなる群より独立して選択される0、1、2、3、または4個の置換基を有する。一部の実施形態では、Cbが、C1−3アルキル、FおよびClからなる群より独立して選択される0、1、2、3、または4個の置換基を有する。一部の実施形態において、Cbは無置換カルバゾールであることができる。
【0034】
上記の任意の関連する式に関して、Arは、置換されていてもよいC6−10アリールであることができる。一部の実施形態において、Arは、それぞれ、C1−10アルキル;ヒドロキシル;C1−10アルコキシ;−(OROR(式中、Rは−CHCH−、−CHCH(CH)−、または−CH(CH)CH−であることができ、RはHまたはC1−3アルキルであることができ、pは1、2、3、または4であることができる);ハロ;C1−10ハロアルキル;C1−10パーフルオロアルキル;C1−10アシル;−CO、−OC(O)R、−NR、−C(O)NR、−NRC(O)R、−OC(O)NR、または−NRCO(式中、RおよびRは、独立して、HまたはC1−10アルキルである);シアノ;シアネート;イソシアネート;ニトロなどから独立して選択される0、1、2、3、4、または5個の置換基で置換された、フェニルまたはメチルフェニルであることができる。一部の実施形態において、Arは、それぞれC1−3アルキル、FおよびClから独立して選択される1、2、3、または4個の置換基で置換されていてもよい、2−、3−、または4−メチルフェニルなどのメチルフェニルであることができる。一部の実施形態において、Arは、無置換フェニル、フェニル、または4−メチルフェニルであることができる。
【0035】
上記の任意の関連する式に関して、Phは、置換されていてもよいフェニルであることができる。一部の実施形態において、Phは、C1−10アルキル;ヒドロキシル;C1−10アルコキシ;−(OROR(式中、Rは、−CHCH−、−CHCH(CH)−、または−CH(CH)CH−であることができ、RはHまたはC1−3アルキルであることができ、pは1、2、3、または4であることができる);ハロ;C1−10ハロアルキル;C1−10パーフルオロアルキル;C1−10アシル;−CO;−OC(O)R;−NR、−C(O)NR;−NRC(O)R;−OC(O)NR;または−NRCO(式中、RおよびRは、独立して、HまたはC1−10アルキルである);シアノ;シアネート;イソシアネート;ニトロなどから独立して選択される0、1、2、3、または4個の置換基で置換された、o−フェニレン、m−フェニレン、またはp−フェニレンなどのフェニルであることができる。一部の実施形態において、Phは、C1−10アルキル;ヒドロキシル;ハロ;パーフルオロアルキル;C1−10アシル;カルボニルで結合しているC1−10アミド;カルボニルで結合しているC1−10エステル;COH;シアノ;シアネート;イソシアネート;ニトロなどから独立して選択される0、1、2、3、または4個の置換基を有する、o−フェニレン、m−フェニレン、またはp−フェニレンなどのフェニルであることができる。一部の実施形態において、Phは、それぞれC1−3アルキル、FおよびClからなる群より独立して選択される1、2、3、または4個の置換基で置換されていてもよい、o−フェニレン、m−フェニレン、またはp−フェニレンなどのフェニルであることができる。一部の実施形態において、Phは、無置換o−フェニレン、無置換m−フェニレン、または無置換p−フェニレンであることができる。
【0036】
上記の任意の関連する式に関して、Hetは、置換されていてもよいベンゾイミダゾール−2−イル、置換されていてもよいベンゾチアゾール−2−イル、または置換されていてもよいベンゾオキサゾール−2−イルであることができる。一部の実施形態において、Hetは、置換されていてもよい1−フェニルベンゾイミダゾール−2−イル、置換されていてもよい1−(フェニルメチル)ベンゾイミダゾール−2−イル、および置換されていてもよい1−((4−ハロフェニル)メチル)ベンゾイミダゾール−2−イルからなる群より選択することができる。一部の実施形態において、Hetは、置換されていてもよいC6−30アリール;C1−10アルキル;ヒドロキシル;C1−10アルコキシ;−(OROR(式中、Rは、−CHCH−、−CHCH(CH)−、または−CH(CH)CH−であることができ、RはHまたはC1−3アルキルであることができ、pは1、2、3、または4であることができる);ハロ;C1−10ハロアルキル;C1−10パーフルオロアルキル;C1−10アシル;−CO、−OC(O)R、−NR、−C(O)NR、−NRC(O)R、−OC(O)NR、または−NRCO(式中、RおよびRは、独立して、HまたはC1−10アルキルである);シアノ;シアネート;イソシアネート;ニトロなどから独立して選択される0、1、2、3、4、または5個の置換基を有する。
【0037】
一部の実施形態において、Hetは、無置換1−フェニルベンゾイミダゾール−2−イル、無置換1−(フェニルメチル)ベンゾイミダゾール−2−イル、および無置換1−((4−ハロフェニル)メチル)ベンゾイミダゾール−2−イルであることができる。
【0038】
一部の実施形態において、Hetの置換基には、ハロ;C1−10パーフルオロアルキル;C1−10アシル;置換されていてもよいC6−30アリール;C1−10アルキル;C1−10アルコキシ;−C(O)NR;−CO;シアノ;シアネート;イソシアネート;ニトロなどが含まれうる。一部の実施形態において、Hetは、1−フェニルベンゾイミダゾール−2−イル、1−(フェニルメチル)ベンゾイミダゾール−2−イル、および1−(4−ハロフェニル)メチルベンゾイミダゾール−2−イルからなる群より選択することができ、Hetは、置換されていてもよいC6−30アリール、C1−10アルキル、およびC1−10アルコキシからなる群より独立して選択される1、2、3、または4個の置換基で置換されていてもよい。一部の実施形態において、Hetは、置換されていてもよいC6−30アリール、C1−10アルキル、およびC1−10アルコキシからなる群より独立して選択される1、2、3、または4個の置換基で置換されていてもよいベンゾオキサゾール−2−イルであることができる。一部の実施形態において、Hetは、置換されていてもよいC6−30アリール、C1−10アルキル、およびC1−10アルコキシからなる群より独立して選択される1、2、3、または4個の置換基で置換されていてもよいベンゾチアゾール−2−イルであることができる。
【0039】
上記の任意の関連する式に関して、Phは、置換されていてもよいフェニルであることができる。一部の実施形態において、Phは、C1−10アルキル;ヒドロキシル;C1−10アルコキシ;−(OROR(式中、Rは−CHCH−、−CHCH(CH)−、または−CH(CH)CH−であることができ、RはHまたはC1−3アルキルであることができ、pは1、2、3、または4であることができる);ハロ;C1−10ハロアルキル;C1−10パーフルオロアルキル;C1−10アシル;−CO、−OC(O)R、−NR、−CONR、−NRCOR、−OCONR、または−NRCO(式中、RおよびRは、独立して、HまたはC1−10アルキルである);シアノ;シアネート;イソシアネート;ニトロなどから独立して選択される1、2、3、または4個の置換基で置換されていてもよい、o−フェニレン、m−フェニレン、またはp−フェニレンなどのフェニルであることができる。一部の実施形態において、Phは、C1−10アルキル;ヒドロキシル;ハロ;パーフルオロアルキル;C1−10アシル;カルボニルで結合しているC1−10アミド;カルボニルで結合しているC1−10エステル;COH;シアノ;シアネート;イソシアネート;ニトロなどから独立して選択される1、2、3、または4個の置換基で置換されていてもよい、o−フェニレン、m−フェニレン、またはp−フェニレンなどのフェニルであることができる。一部の実施形態において、Phは無置換であることができる。一部の実施形態において、Phは、それぞれC1−3アルキル、FおよびClからなる群より独立して選択される1、2、3、または4個の置換基で置換されていてもよい、o−フェニレン、m−フェニレン、またはp−フェニレンなどのフェニルであることができる。一部の実施形態において、Phは、無置換フェニル、無置換o−フェニレン、無置換m−フェニレン、または無置換p−フェニレンであることができる。
【0040】
上記の任意の関連する式に関して、Hetは、置換されていてもよいベンゾイミダゾール−2−イル、置換されていてもよいベンゾチアゾール−2−イル、または置換されていてもよいベンゾオキサゾール−2−イルであることができる。一部の実施形態において、Hetは、置換されていてもよい1−フェニルベンゾイミダゾール−2−イル、置換されていてもよい1−(フェニルメチル)ベンゾイミダゾール−2−イル、および置換されていてもよい1−((4−ハロフェニル)メチル)ベンゾイミダゾール−2−イルからなる群より選択することができる。一部の実施形態において、Hetは、置換されていてもよいC6−30アリール;C1−10アルキル;ヒドロキシル;C1−10アルコキシ;−(OROR(式中、Rは、−CHCH−、−CHCH(CH)−、または−CH(CH)CH−であることができ、Rは、HまたはC1−3アルキルであることができ、pは、1、2、3、または4であることができる);ハロ;C1−10ハロアルキル;C1−10パーフルオロアルキル;C1−10アシル;−CO、−OC(O)R、−NR、−CONR、−NRCOR、−OCONR、または−NRCO(式中、RおよびRは、独立して、HまたはC1−10アルキルである);シアノ;シアネート;イソシアネート;ニトロなどから独立して選択される0、1、2、3、4、または5個の置換基を有することができる。一部の実施形態において、Hetの置換基は、ハロ;置換されていてもよいC6−30アリール;C1−10アルキル;C1−10アルコキシ;パーフルオロアルキル;C1−10アシル;C0−10アミン、例えばNR(式中、RおよびRは、独立して、Hまたはアルキルである)、例えばNH、NHCH、N(CHなど;カルボニルで結合しているC1−10アミド;カルボニルで結合しているC1−10エステル;−COCHなど;COH;シアノ;シアネート;イソシアネート;ニトロなどを含むことができる。一部の実施形態において、Hetは、1−フェニルベンゾイミダゾール−2−イル、1−(フェニルメチル)ベンゾイミダゾール−2−イル、および1−((4−ハロフェニル)メチル)ベンゾイミダゾール−2−イルからなる群より選択することができ、Hetは、置換されていてもよいC6−30アリール、C1−10アルキル、またはC1−10アルコキシからなる群より独立して選択される0、1、2、3、または4個の置換基を有する。一部の実施形態において、Hetは、無置換1−フェニルベンゾイミダゾール−2−イル、無置換1−(フェニルメチル)ベンゾイミダゾール−2−イル、および無置換1−((4−ハロフェニル)メチル)ベンゾイミダゾール−2−イルであることができる。一部の実施形態において、Hetは、置換されていてもよいC6−30アリール、C1−10アルキル、およびC1−10アルコキシからなる群より独立して選択される1、2、3、または4個の置換基で置換されていてもよいベンゾチアゾール−2−イルであることができる。一部の実施形態において、Hetは、置換されていてもよいC6−30アリール、C1−10アルキル、およびC1−10アルコキシからなる群より独立して選択される1、2、3、または4個の置換基で置換されていてもよい、ベンゾオキサゾール−2−イルであることができる。
【0041】
式2に関して、一部の実施形態では、R、R、R、R、R、およびRを、H、C1−10アルキル;ヒドロキシル;C1−10アルコキシ;−NR(式中、RおよびRは、独立して、HまたはC1−10アルキルである);ハロ;C1−10ハロアルキル;C1−10パーフルオロアルキル;C1−10アシル;COH;シアノ;シアネート;イソシアネート;ニトロなどからなる群より独立して選択することができる。一部の実施形態において、R、R、R、R、R、およびRは、H、C1−10アルキル、C1−10アルコキシ、F、Cl、Br、およびIからなる群より独立して選択することができる。R、R、R、R、R、およびRは、H、C1−3アルキル、FおよびClからなる群より独立して選択することができる。
【0042】
式3に関して、一部の実施形態では、Arは置換されていてもよいフェニルであることができ、Phは置換されていてもよいo−フェニレンであることができ、Hetは置換されていてもよい1−フェニルベンゾイミダゾール−2−イルであることができる。一部の実施形態において、Ar、Cb、Ph、およびHetの置換基は、C1−6アルキル;ヒドロキシル;C1−6アルコキシ;ハロ;C1−6パーフルオロアルキル;C1−6アシル;−CO、−OC(O)R、−NR、−C(O)NR、−NRC(O)R、−OC(O)NR、または−NRCO(式中、RおよびRは、独立して、HまたはC1−5アルキルである);シアノ;シアネート;イソシアネート;およびニトロから独立して選択することができる。一部の実施形態において、Ar、Cb、Ph、およびHetの置換基は、C1−3アルキル、ヒドロキシル、C1−3アルコキシ、F、Cl、Br、I、およびC1−3パーフルオロアルキルから独立して選択することができる。
【0043】
式4に関して、一部の実施形態では、Arは置換されていてもよいフェニルであることができ、Phは置換されていてもよいm−フェニレンであることができ、Hetは置換されていてもよい1−フェニルベンゾイミダゾール−2−イルであることができる。一部の実施形態において、Arは置換されていてもよいフェニルであることができ、Phは置換されていてもよいp−フェニレンであることができ、Hetは置換されていてもよい1−フェニルベンゾイミダゾール−2−イルであることができる。一部の実施形態において、Arは置換されていてもよいフェニルであることができ、Phは置換されていてもよいm−フェニレンであることができ、Hetは置換されていてもよいベンゾオキサゾール−2−イルであることができる。一部の実施形態において、Arは置換されていてもよいフェニルであることができ、Phは置換されていてもよいo−フェニレンであることができ、Hetは置換されていてもよいベンゾオキサゾール−2−イルであることができる。一部の実施形態において、Arは置換されていてもよいフェニルであることができ、Phは置換されていてもよいp−フェニレンであることができ、Hetは置換されていてもよいベンゾオキサゾール−2−イルであることができる。一部の実施形態において、Ar、Cb、Ph、Ph、およびHetの置換基は、C1−6アルキル;ヒドロキシル;C1−6アルコキシ;ハロ;C1−6パーフルオロアルキル;C1−6アシル;−CO、−OC(O)R、−NR、−C(O)NR、−NRC(O)R、−OC(O)NR、または−NRCO(式中、RおよびRは、独立して、HまたはC1−5アルキルである);シアノ;シアネート;イソシアネート;およびニトロから独立して選択することができる。一部の実施形態において、Ar、Cb、Ph、Ph、およびHetの置換基は、C1−3アルキル、ヒドロキシル、C1−3アルコキシ、F、Cl、Br、I、およびC1−3パーフルオロアルキルから独立して選択することができる。
【0044】
式5に関して、一部の実施形態では、Arは置換されていてもよいフェニルであることができ、PhおよびPhは、独立して、置換されていてもよいp−フェニレンであり、HetおよびHetは、独立して、置換されていてもよい1−フェニルベンゾイミダゾール−2−イルである。一部の実施形態において、Arは置換されていてもよいフェニルであることができ、PhおよびPhは、独立して、置換されていてもよいm−フェニレンであり、HetおよびHetは、独立して、置換されていてもよい1−フェニルベンゾイミダゾール−2−イルである。一部の実施形態において、Arは置換されていてもよいフェニルであることができ、PhおよびPhは、独立して、置換されていてもよいo−フェニレンであることができ、HetおよびHetは、独立して、置換されていてもよい1−フェニルベンゾイミダゾール−2−イルであることができる。一部の実施形態では、Arは置換されていてもよいフェニルであることができ、PhおよびPhは、独立して、置換されていてもよいp−フェニレンであり、HetおよびHetは、独立して、置換されていてもよいベンゾオキサゾール−2−イルである。一部の実施形態において、Arは置換されていてもよいフェニルであることができ、PhおよびPhは、独立して、置換されていてもよいm−フェニレンであり、HetおよびHetは、独立して、置換されていてもよいベンゾオキサゾール−2−イルである。一部の実施形態において、Arは置換されていてもよいフェニルであることができ、PhおよびPhは、独立して、置換されていてもよいo−フェニレンであり、HetおよびHetは、独立して、置換されていてもよいベンゾオキサゾール−2−イルである。一部の実施形態において、Ar、Cb、Ph、Ph、Het、およびHetの置換基は、C1−6アルキル;ヒドロキシル;C1−6アルコキシ;ハロ;C1−6パーフルオロアルキル;C1−6アシル;−CO、−OC(O)R、−NR、−C(O)NR、−NRC(O)R、−OC(O)NR、または−NRCO(式中、RおよびRは、独立して、HまたはC1−5アルキルである);シアノ;シアネート;イソシアネート;およびニトロから独立して選択することができる。一部の実施形態において、Ar、Cb、Ph、Ph、Het、およびHetの置換基は、C1−3アルキル、ヒドロキシル、C1−3アルコキシ、F、Cl、Br、I、およびC1−3パーフルオロアルキルから独立して選択することができる。
【0045】
式1または式2に関係する一部の実施形態において、AはPh−Hetと同じである。同様に、式5に関して、一部の実施形態では、Ph−HetがPh−Hetと同じである。
【0046】
一部の実施形態は、
【化9】



から選択される化合物に関する。
【0047】
一部の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、発光性化合物として、もしくは有機発光ダイオード発光層における両極性ホストとして、またはその両方として使用することができる。一部の実施形態において、本明細書に開示する化合物はバランスのとれた正孔輸送移動度および電子輸送移動度を提供することができ、それが、高い量子効率と低い立ち上がり電圧とを有する、より単純な素子構造をもたらしうる。例えば一部の実施形態において、ここに記載する化合物を組み入れた有機発光ダイオードまたは素子は、正孔輸送層または発光層を持たなくてもよい。一部の実施形態において、これらの化合物は、高い電気化学的安定性、高い熱安定性、高いガラス転移温度(Tg)、および高い光安定性を有しうる。したがってこれらの化合物は、既存のOLED素子よりも寿命が長いOLED素子を提供しうる。
【0048】
本明細書に記載する化合物および組成物は、さまざまな方法で発光素子に組み入れることができる。例えば、ある実施形態は、高仕事関数金属を含むアノード層、低仕事関数金属を含むカソード層、およびアノード層とカソード層の間に配置された発光層を含む発光素子を提供する。発光素子は、アノードが正孔を発光層に輸送することができ、カソードが電子を発光層に輸送することができるように構成されうる。発光層は本明細書に開示する化合物および/または組成物を含む。
【0049】
アノード層は、金属、混合金属、合金、金属酸化物または混合金属酸化物などの従来の材料、または導電性ポリマーを含みうる。適切な金属の例には、第10族、第11族、および第12族遷移金属の金属が含まれる。アノード層が光透過性であるべき場合は、第12族、第13族、および第14族金属またはその合金の混合金属酸化物、例えば酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム亜鉛(IZO)または酸化インジウムスズ(ITO)などを使用することができる。アノード層は、例えば「Flexible light−emitting diodes made from soluble conducting polymer」Nature,vol.357,pp.477−479(11 June 1992)に記載されているように、ポリアニリンなどの有機材料を含むことができる。適切な高仕事関数金属の例には、Au、Pt、酸化インジウムスズ(ITO)、またはその合金などがあるが、これらに限るわけではない。一部の実施形態において、アノード層は、約1nm〜約1000nmの範囲の厚さを有することができる。
【0050】
カソード層は、アノード層より低い仕事関数を有する材料を含むことができる。適切なカソード層用材料の例には、第1族のアルカリ金属、第2族金属、第11族、第12族、および第13族金属から選択されるもの、例えば希土類元素、ランタニドおよびアクチニド、アルミニウム、インジウム、カルシウム、バリウム、サマリウムおよびマグネシウムなどの材料、ならびにそれらの組合せが含まれる。動作電圧を下げるためにLi含有有機金属化合物、LiF、およびLiOを、有機層とカソード層の間に成膜することもできる。適切な低仕事関数金属には、Al、Ag、Mg、Ca、Cu、Mg/Ag、LiF/Al、CsF、CsF/Alまたはその合金などがあるが、これらに限るわけではない。一部の実施形態において、カソード層は約1nm〜約1000nmの範囲の厚さを持つことができる。
【0051】
発光組成物における本明細書に開示する化合物の量は、さまざまであることができる。一部の実施形態において、発光層における本明細書に開示する化合物の量は、発光層の約1重量%〜約100重量%の範囲にあることができる。別の一実施形態において、発光層における本明細書に開示する化合物の量は、発光層の約90重量%〜約99重量%の範囲にあることができる。別の一実施形態において、発光層における本明細書に開示する化合物の量は、発光層の約97重量%であることができる。一部の実施形態において、エレクトロルミネセント化合物の質量は、発光層の質量の約0.1%〜約10%、約1%〜約5%、または約3%であることができる。
【0052】
発光層の厚さはさまざまであることができる。ある実施形態では、発光層が約5nm〜約200nmの範囲の厚さを有する。別の一実施形態では、発光層が約10nm〜約150nmの範囲の厚さを有する。
【0053】
別の一実施形態において、発光層は、白色光を放出するように構成することもできる。
【0054】
本明細書に記載する化合物および組成物は、発光層において有用であることができ、追加の正孔輸送材料または電子輸送材料を必要としない。したがって一部の実施形態では、発光層が、基本的に、エレクトロルミネセント化合物と本明細書に開示する化合物とからなる。一部の実施形態では、発光層が、基本的に、本明細書に開示する化合物からなる。一部の実施形態では、発光層が、本明細書に開示する化合物に加えて、少なくとも1つの正孔輸送材料または電子輸送材料を含みうる。
【0055】
一部の実施形態において、正孔輸送材料は、芳香族置換アミン、カルバゾール、ポリビニルカルバゾール(PVK)、例えばポリ(9−ビニルカルバゾール);Ν,Ν’−ビス(3−メチルフェニル)N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD);ポリフルオレン;ポリフルオレンコポリマー;ポリ(9,9−ジ−n−オクチルフルオレン−alt−ベンゾチアジアゾール);ポリ(パラフェニレン);ポリ[2−(5−シアノ−5−メチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン];1,1−ビス(4−ビス(4−メチルフェニル)アミノフェニル)シクロヘキサン;2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン;3,5−ビス(4−tert−ブチル−フェニル)−4−フェニル[1,2,4]トリアゾール;3,4,5−トリフェニル−1,2,3−トリアゾール;4,4’,4”−トリス(N−(ナフチレン−2−イル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン;4,4’,4’−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA);4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(NPB);4,4’−ビス[N,N’−(3−トリル)アミノ]−3,3’−ジメチルビフェニル(HMTPD);4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP);1,3−N,N−ジカルバゾール−ベンゼン(mCP);ポリ(9−ビニルカルバゾール)(PVK);ベンジジン;フェニレンジアミン;フタロシアニン金属錯体;ポリアセチレン;ポリチオフェン;トリフェニルアミン;オキサジアゾール;銅フタロシアニン;Ν,Ν’Ν”−1,3,5−トリカルバゾロイルベンゼン(tCP);N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジンなどの少なくとも1つを含みうる。
【0056】
一部の実施形態において、電子輸送材料は、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD);1,3−ビス(N,N−t−ブチル−フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(OXD−7)、1,3−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン;3−フェニル−4−(1’−ナフチル)−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ);2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−フェナントロリン(バトクプロインまたはBCP);アルミニウムトリス(8−ヒドロキシキノレート)(Alq);および1,3,5−トリス(2−N−フェニルベンゾイミダゾリル)ベンゼン;1,3−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン(BPY−OXD);3−フェニル−4−(1’−ナフチル)−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−フェナントロリン(バトクプロインまたはBCP);および1,3,5−トリス[2−N−フェニルベンゾイミダゾール−z−イル]ベンゼン(TPBI)の少なくとも1つを含みうる。ある実施形態において、電子輸送層は、アルミニウムキノレート(Alq)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、フェナントロリン、キノキサリン、1,3,5−トリス[N−フェニルベンゾイミダゾール−z−イル]ベンゼン(TPBI)、またはその誘導体もしくは組合せの少なくとも1つを含みうる。
【0057】
一部の実施形態では、素子が電子輸送層または正孔輸送層を含まない。一部の実施形態では、素子が、基本的に、アノード層と、カソード層と、発光層とからなる。別の実施形態において、発光素子は、アノードと発光層の間に配された正孔輸送層を、さらに含みうる。正孔輸送層は、少なくとも1つの正孔輸送材料を含みうる。適切な正孔輸送材料には、上に列挙したものの他、当業者に知られている他の任意の材料が含まれうる。
【0058】
一部の実施形態において、発光素子はカソードと発光層の間に配された電子輸送層を、さらに含みうる。電子輸送層は少なくとも1つの電子輸送材料を含みうる。適切な電子輸送材料には、上に列挙したものの他、当業者に知られている他の任意の材料が含まれる。
【0059】
所望であれば、追加の層を発光素子に含めることができる。これら追加の層には、電子注入層(EIL)、正孔阻止層(HBL)、励起子阻止層(EBL)、および/または正孔注入層(HIL)が含まれうる。別々の層としてだけでなく、これらの材料のいくつかを組み合わせて単一の層にすることもできる。
【0060】
一部の実施形態において、発光素子は、カソード層と発光層の間に電子注入層を含むことができる。当業者には適切な電子注入材料がいくつか知られている。電子注入層に含めることができる適切な材料の例には、次に挙げるものから選択される置換されていてもよい化合物などがあるが、これらに限るわけではない:アルミニウムキノレート(Alq)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、フェナントロリン、キノキサリン、1,3,5−トリス[N−フェニルベンゾイミダゾール−z−イル]ベンゼン(TPBI)、トリアジン、8−ヒドロキシキノリンの金属キレート、例えばトリス(8−ヒドロキシキノリエート)アルミニウム、および金属チオキシノイド化合物、例えばビス(8−キノリンチオラト)亜鉛。ある実施形態において、電子注入層は、アルミニウムキノレート(Alq)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、フェナントロリン、キノキサリン、1,3,5−トリス[N−フェニルベンゾイミダゾール−z−イル]ベンゼン(TPBI)、またはその誘導体もしくは組合せであることができる。
【0061】
一部の実施形態において、素子は正孔阻止層を、例えばカソードと発光層の間に含むことができる。正孔阻止層に含めることができる種々の適切な正孔阻止材料が当業者に知られている。適切な正孔阻止材料には、次に挙げるものから選択される置換されていてもよい化合物が含まれるが、これらに限るわけではない:バトクプロイン(BCP)、3,4,5−トリフェニル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ビス(4−tert−ブチル−フェニル)−4−フェニル−[1,2,4]トリアゾール、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、および1,1−ビス(4−ビス(4−メチルフェニル)アミノフェニル)−シクロヘキサン。
【0062】
一部の実施形態において、発光素子は励起子阻止層を、例えば発光層とアノードの間に含むことができる。ある実施形態では、励起子阻止層を含む材料のバンドギャップが、励起子の拡散を実質的に防止するのに足りるほど大きい。励起子阻止層に含めることができる適切な励起子阻止材料は、当業者にはいくつか知られている。励起子阻止層を構成することができる材料の例には、次に挙げるものから選択される置換されていてもよい化合物が含まれる:アルミニウムキノレート(Alq)、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(NPB)、4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)、およびバトクプロイン(BCP)、ならびに励起子の拡散を実質的に防止するのに足りる十分大きなバンドギャップを有する他の任意の材料。
【0063】
一部の実施形態において、発光素子は正孔注入層を、例えば発光層とアノードの間に含むことができる。正孔注入層に含めることができる種々の適切な正孔注入材料が、当業者に知られている。例示的な正孔注入材料には、次に挙げるものから選択される置換されていてもよい化合物が含まれうる:ポリチオフェン誘導体、例えばポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ベンジジン誘導体、例えばN,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン、ポリ(N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン)、トリフェニルアミンまたはフェニレンジアミン誘導体、例えばNN’−ビス(4−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−1,4−フェニレンジアミン、4,4’,4”−トリス(N−(ナフチレン−2−イル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン、オキサジアゾール誘導体、例えば1,3−ビス(5−(4−ジフェニルアミノ)フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ベンゼン、ポリアセチレン誘導体、例えばポリ(1,2−ビス−ベンジルチオ−アセチレン)、およびフタロシアニン金属錯体誘導体、例えばフタロシアニン銅。正孔注入材料は、依然として正孔を輸送することはできるものの、通常の正孔輸送材料の正孔移動度よりも実質的に低い正孔移動度を有しうる。
【0064】
発光性組成物は、他の発光性組成物に関して当技術分野において知られている方法を適合させることによって製造することができる。例えば発光性組成物は、エレクトロルミネセント化合物(本明細書に記載する任意の化合物を含む)と、ホストが存在する場合には任意のホスト(本明細書に記載する任意の化合物を含む)とを、溶媒に溶解または分散し、素子の適切な層上にその化合物を成膜することよって製造することができる。液体は単相であってもよいし、その中に分散した1つ以上のさらなる固相または液相を含んでもよい。次に溶媒を蒸発させるか、溶媒を加熱または減圧によって除去することで、発光性組成物を得ることができる。あるいは、エレクトロルミネセント化合物を溶融するか、(ホスト材料が存在する場合は)エレクトロルミネセント化合物を溶融ホスト材料または液状ホスト材料に加えることもできる。次に、溶融組成物を素子中に層として適用し、固化させることで、粘性の高い液状のまたは固形の発光性組成物層を設けることができる。
【0065】
本明細書に開示する化合物を含む発光素子は、本明細書に記載する指針によってわかるように、当技術分野において知られる技法を使って製作することができる。例えば、ガラス基材を、アノードとして作用することができるITOなどの高仕事関数金属で被覆することができる。アノード層をパターニングした後、本明細書に開示する化合物を少なくとも1つは含む発光層と、随意のエレクトロルミネセント化合物とを、アノード上に成膜することができる。次に、低仕事関数金属(例えばMg:Ag)を含むカソード層を、発光層の上に成膜(例えば蒸着)することができる。所望であれば、素子は、本明細書に記載する指針によってわかるように、当技術分野において知られている技法を使って素子に付加することができる電子輸送/注入層、正孔阻止層、正孔注入層、励起子阻止層および/または第2発光層も含むことができる。
【0066】
一部の実施形態では、OLEDが、湿式プロセスによって、例えば噴霧、スピンコーティング、ドロップキャスティング、インクジェット印刷、スクリーン印刷などの少なくとも1つを含むプロセスによって、構成される。一部の実施形態は、基材上への成膜に適した液体であることができる組成物を提供する。この液体は単相であってもよいし、その中に分散した1つ以上のさらなる固相または液相を含んでもよい。この液体は、典型的には、発光化合物、本明細書に開示するホスト材料、および溶媒を含む。
【実施例】
【0067】
合成例
実施例1.ホスト−1の合成:
【化10】

【0068】
4−ブロモ−N−(2−(フェニルアミノ)フェニル)ベンズアミド(1):4−ブロモ−ベンゾイルクロリド(11g、50mmol)の無水ジクロロメタン(100ml)溶液に、ゆっくりと、N−フェニルベンゼン−1,2−ジアミン(10.2g、55mmol)を加え、次にトリエチルアミン(17ml、122mmol)を加えた。全体を室温で終夜撹拌した。濾過により白色固形物(6.5g)を得た。濾液を水(約300ml)で後処理し、ジクロロメタン(DCM)(約300ml)で3回抽出した。有機相を集め、MgSOで乾燥し、濃縮し、DCM/ヘキサン類中で再結晶することにより、別途、白色固形物(10.6g)を得た。生成物の総量は17.1gで収率93%だった。
【0069】
2−(4−ブロモフェニル)−1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(2):アミド(1)(9.6g、26mmol)の無水1,4−ジオキサン(100mL)懸濁液に、POCl(9.2mL、100mmol)をゆっくり加えた。次に全体を約100℃で終夜加熱した。室温まで冷却した後、その混合物を氷(200g)に撹拌しながら注ぎ込んだ。濾過した後、DCM/ヘキサン類中で再結晶することにより、淡灰色固形物(8.2g、収率90%)を得た。
【0070】
1−フェニル−2−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(3):1,4−ジオキサン(20mL)中の化合物(2)(0.70g、2mmol)、ビス(ピナコレート)ジボラン(0.533g、2.1mmol)、Pd(dppf)Cl(0.060g、0.08mmol)および無水酢酸カリウム(0.393g、4mmol)の混合物を、アルゴン下、約80℃で、終夜加熱した。室温まで冷却した後、全体を酢酸エチル(約80mL)で希釈し、次に濾過した。その溶液をシリカゲルに吸収させた後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン類/酢酸エチル5:1→3:1)で精製することにより、白色固形物(0.64g、収率81%)を得た。
【0071】
ホスト−1(4):無水DMF(約50mL)中の化合物(3)(2.40g、6.06mmol)、3,6−ジブロモ−9−p−トリル−9H−カルバゾール(1.245g、3.0mmol)、Pd(dppf)Cl(0.23g、0.31mmol)およびKF(1.05g、18.2mmol)の混合物を、アルゴン下、約120℃で、終夜加熱した。その混合物を室温まで冷却した後、それを水(約200mL)に注ぎ込み、濾過した。固形物を集め、DCM(約200mL)に溶解した。分液漏斗で水を除去し、MgSOで乾燥した後、そのDCM溶液をシリカゲルに吸収させ、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン類/酢酸エチル4:1→2:1)で精製し、酢酸エチル/ヘキサン類から析出させることにより、オフホワイトの固形物(850mg、収率36%)を得た。
【0072】
実施例2.ホスト−2、ホスト−3の合成:
【化11】

【0073】
2−ブロモ−N−(2−(フェニルアミノ)フェニル)ベンズアミド(5):N−フェニルベンゼン−1,2−ジアミン(6.08g、30mmol)の無水ジクロロメタン(約100mL)溶液に、水浴冷却しながらゆっくりと、2−ブロモベンゾイルクロリド(6.585g、33mmol)を加え、次に、トリエチルアミン(7.0mL、50mmol)を加えた。添加後、全体を室温で終夜撹拌した。その結果生じた混合物を水(約150mL)に注ぎ込み、ジクロロメタン(約100mL)で2回抽出した。有機相を集め、NaSOで乾燥し、濃縮し、ジクロロメタン/ヘキサン類中で再結晶することにより、白色固形物(10.7g、収率92%)を得た。
【0074】
2−(2−ブロモフェニル)−1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(6):2−ブロモ−N−(2−(フェニルアミノ)フェニル)ベンズアミド(10.7g、29mmol)の無水1,4−ジオキサン(約100mL)溶液に、POCl(6.92g、45mmol)をゆっくり加えた。全体をアルゴン下、約100℃に、終夜加熱した。混合物を室温まで冷却した後、その混合物を氷(約150g)に注ぎ込み、次にNaHCOで中和した。濾過後に固形物を集め、次にジクロロメタン(約250mL)に溶解し、それを水(約250mL)で洗浄した。その水溶液をジクロロメタン(約100mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、NaSOで乾燥し、濃縮し、ジクロロメタン/ヘキサン類中で再結晶することにより、明灰色固形物(6.68g、収率66%)を得た。
【0075】
9−p−トリル−9H−カルバゾール−3,6−ジイルジボロン酸および9−p−トリル−9H−カルバゾール−3−イルボロン酸(7):3,6−ジブロモ−9−p−トリル−9H−カルバゾール(4.15g、10mmol)の無水THF(100mL)溶液に、t−BuLiの溶液(ペンタン中、1.7M、25mL、42mmol)を、アルゴン下、約−78℃でゆっくり加えた。全体を約−78℃で約40分間撹拌した後、その結果生じた溶液に、新たに蒸留したホウ酸トリメチル(2.5mL、22mmol)を約−78℃で加えた。添加後、冷却浴を取り除き、全体を室温で終夜撹拌した。
【0076】
その結果生じた混合物に、5%HCl水溶液(約150mL)を加え、終夜撹拌した。水相を分離し、酢酸エチル(約150mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、NaSOで乾燥した。溶媒の除去後に白色固形物(3.0g)が得られ、それを、これ以上精製することなく次のステップに使用した。この固形物は、9−p−トリル−9H−カルバゾール−3,6−ジイルジボロン酸と9−p−トリル−9H−カルバゾール−3−イルボロン酸の混合物(ピーク強度から約9:1の比)であることが、LCMSによって示される。
【0077】
ホスト−2(8)およびホスト−3(9):DMF(40mL)中の7(1.66g)、ベンゾイミダゾール6(1.5g、4.3mmol)、Pd(dppf)Cl(200mg、0.27mmol)およびKF(1.4g、24mmol)の混合物を、アルゴン下、約125℃で、終夜加熱した。室温まで冷却した後、その混合物を水(約150mL)に注ぎ込んだ。沈殿物を濾過し、集めてから、ジクロロメタン(約100mL)に再溶解した。水の除去後に、ジクロロメタン溶液をNaSOで乾燥し、シリカゲルに吸収させ、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン類/酢酸エチル、勾配5:1→2:1)で精製した。最初の青色蛍光画分を濃縮し、ジクロロメタン/ヘキサン類中で再結晶することにより、600mgのホスト−2(8)を26%の収率で得た。第2の青色蛍光画分を濃縮し、ジクロロメタン/ヘキサン類中で再結晶することにより、800mgのホスト−3(9)を46%の収率で得た。
【0078】
実施例3.ホスト−4の合成:
【化12】

【0079】
2−(4−ブロモフェニル)ベンゾ[d]オキサゾール(10):無水1,4−ジオキサン(80mL)中の4−ブロモベンゾイルクロリド(4.84g、22mmol)、2−ブロモアニリン(3.8g、22mmol)、CuI(0.21g、1.1mmol)、CsCO(14.3g、44mmol)および1,10−フェナトロリン(0.398g、2.2mmol)の混合物を脱気し、アルゴン下、約125℃で終夜加熱した。その混合物を冷却し、酢酸エチル(約200mL)に注ぎ込み、濾過した。濾液をシリカゲルに吸収させ、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン類/酢酸エチル4:1)で精製し、ヘキサン類で析出させることにより、白色固形物(5.2g、収率87%)を得た。
【0080】
2−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)ベンゾ[d]オキサゾール(11):無水1,4−ジオキサン(80mL)中の10(4.45g、16mmol)、ビス(ピナコレート)ジボラン(4.09g、16.1mmol)、無水酢酸カリウム(3.14g、32mmol)およびPd(dppf)Cl(0.48g、0.66mmol)の混合物を脱気し、アルゴン下、約85℃で、約48時間加熱した。室温まで冷却した後、その混合物を酢酸エチル(約200mL)に注ぎ込み、濾過した。濾液をシリカゲルに吸収させ、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン類/酢酸エチル、4:1)で精製することにより、白色固形物(4.15g、収率81%)を得た。
【0081】
ホスト−4(12):DMF(100mL)中の3,6−ジブロモ−9−p−トリル−9H−カルバゾール(2.62g、6.35mmol)、10(4.08g、12.7mmol)、Pd(dppf)ClおよびKF(2.21g、38mmol)の混合物を、アルゴン下、約120℃で終夜加熱した。その混合物を室温まで冷却してから水(約200mL)に注ぎ込み、濾過した。固形物を集め、クロロホルム(約200mL)に再溶解した。水を除去した後、クロロホルム溶液をNaSOで乾燥した。そのクロロホルム溶液をシリカゲルに吸収させ、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタンからジクロロメタン/酢酸エチル20:1への勾配を使用)で精製し、ジクロロメタン中で再結晶することにより、淡黄色結晶性固体(1.5g、収率37%)を得た。
【0082】
実施例4.ホスト−5の合成:
【化13】

【0083】
2−(3−ブロモフェニル)−1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(13)。N−フェニル−o−フェニレン−1,2−ジアミン(0.967g、5.25mmol)の無水CHCl(25mL)溶液を撹拌したものに、3−ブロモベンゾイルクロリド(0.66mL、5mmol)をシリンジから滴下し、次にEtN(1.4mL)を滴下した。TLC(SiO,4:1ヘキサン類−酢酸エチル)が出発材料の消費を示すまで(19時間)、室温で撹拌を続けた。次に、反応を水(約300mL)に注ぎ込み、CHCl(約40mL×3)で抽出した。合わせた有機分をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。次に、その粗中間体を無水1,4−ジオキサン(約22mL)に溶解し、約115℃に加熱した。完全に溶解したら、オキシ塩化リン(1.37mL、15mmol)を溶液にシリンジからゆっくり加え、反応を約115℃に維持した。反応が完了したら(約2時間)、室温まで冷却し、CHCl(約150mL)に注いだ。次に、合わせた有機分を飽和NaHCO、HOおよびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、4:1ヘキサン類−アセトン)で精製することにより、13(1.68g、96%)を明黄色固形物として得た。
【0084】
1−フェニル−2−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(14)。文献の手法(Ge,Z.;Hayakawa,T.;Ando,S.;Ueda,M.;Akiike,T.;Miyamoto,H.;Kajita,T.;Kakimoto,M.Chem.Mater.2008,20(7),2532−2537)を、次のように変更した:13(4.068g、11.65mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(6.212g、24.46mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.571g、0.699mmol)、酢酸カリウム(3.430、34.94mmol)および1,4−ジオキサン(80mL)の混合物を撹拌しながらアルゴンで約1時間脱気した。次に、反応混合物を、アルゴン下で撹拌しながら約17時間、約80℃に維持した。反応が完了したら、室温まで冷却し、短いシリカゲルプラグ(約1/2インチ)で濾過し、濾材をEtOAc(約300mL)で十分に洗浄した。次に、合わせた有機分を飽和NaHCO、水およびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、100%CHCl→49:1CHCl:CHOH)で精製し、次にヘキサン類から再結晶することにより、ボロン酸エステル14(3.72g、81%)をオフホワイトの結晶性固体として得た。
【0085】
ホスト−5(15)。 14(2.5g、6.309mmol)、3,6−ジブロモ−9−p−トリル−9H−カルバゾール(1.278g、3.077mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.178g、0.154mmol)、NaCO(1.167g、11.01mmol)、HO(10mL)およびTHF(50mL)の混合物を、撹拌しながらアルゴンで約25分間脱気した。次に、その反応混合物を、アルゴン下で撹拌しながら、約43時間、約85℃に維持した。反応が完了したら、室温まで冷却し、EtOAc(約150mL)に注いだ。次に有機分を飽和NaHCO、HOおよびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、3:1ヘキサン類−アセトン)で精製することにより、生成物ホスト−5(15)(2.26g、92%)をオフホワイトの粉末として得た。
【0086】
実施例5.ホスト−6の合成
【化14】

【0087】
2−(4−ブロモフェニル)ベンゾ[d]チアゾール(16):DMF(45mL)中の4−ブロモベンゾイルクロリド(3.0g、24mmol)、2−アミノベンゼンチオール(4.44g、24mmol)およびTMSCl(6.52g、60mmol)を、アルゴン下、約90℃で、終夜加熱した。その混合物を氷(300g)に注ぎ込み、全体を約20分間超音波処理したところ、黄色沈殿物が形成された。濾過後、固形物を集め、ジクロロメタンに溶解してから、NaHCO水溶液(150mL)、水(150mL)およびブライン(100mL)で洗浄した。有機相をNaSOで乾燥し、シリカゲルを投入し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン類/酢酸エチル20:1)で精製した。第1フラクションを集め、濃縮し、白色固形物(16)を得た(2.89g、収率42%)。
【0088】
2−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾール(17):1,4−ジオキサン(50mL)中の2−(4−ブロモフェニル)ベンゾ[d]チアゾール(16)(2.7g、9.31mmol)、ビス(ピナコレート)ジボラン(2.60g、10.24mmol)、Pd(dppf)Cl2(0.341g、0.466mmol)およびKOAc(4.56g、46.6mmol)の混合物を脱気し、アルゴン下、約80℃で終夜加熱した。室温まで冷却した後、その混合物を酢酸エチル(150mL)に注ぎ込み、塩類を濾去した。減圧下で溶媒を除去し、その結果生じた固形物をジクロロメタンに再溶解し、水(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン類/酢酸エチル10:1)で精製し、ジクロロメタン/ヘキサン類中で再結晶することにより、白色固形物(17)(2.04g、収率65%)を得た。
【0089】
ホスト−6化合物(18):THF/HO(20mL/10mL)中の3,6−ジブロモ−9−p−トリル−9H−カルバゾール(1.12g、2.69mmol)、2−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾール(17)(2.0g、5.93mmol)、Pd(PPh)4(0.187g、0.161mmol)およびNaCO(1.02g、9.6mmol)の混合物を脱気し、アルゴン下、還流温度(80℃)で終夜加熱した。室温まで冷却した後、その混合物をジクロロメタン(100mL)に注ぎ込んだ。固形物を濾過によって集めた後、DCM/クロロホルム(400mL/400mL)に再溶解し、水(400mL×2)およびブライン(200mL)で洗浄した。有機溶液をNaSOで乾燥し、濃縮した。黄色固形物(18)が析出し、それを濾過によって集めた(0.99g、収率55%)。
【0090】
実施例6.OLED素子の製作および性能
【0091】
青色発光素子の製作:ITO被覆ガラス基材を、超音波により、水、アセトン、2−プロパノール中で逐次、清浄化し、約110℃で約3時間焼成した後、酸素プラズマで約5分間処理した。PEDOT:PSS(H.C.Starckから購入したBaytron P)の層を、前もって清浄化しOプラズマ処理した(ITO)基材上に、約3000rpmでスピンコーティングし、約180℃で約30分間アニールすることで、40nm前後の厚さを得た。約10−7torr(1torr=133.322Pa)の圧力のグローブボックス付き真空蒸着システムにおいて、まず最初に4,4’4”−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)をPEDOT/PSS層の上に約0.06nm/秒の成膜速度で成膜して、厚さ30nmの薄膜を得た。次に、ホスト−1を加熱し、TCTAの上に成膜して厚さ20nmの薄膜を得た後、1,3,5−トリス(N−フェニルベンゾイミジゾール−2−イル)ベンゼン(TPBI)を0.06nm/秒前後の成膜速度で成膜して、厚さ40nmの薄膜を得た。次に、CsF(約0.5nm)およびAl(約150nm)を、それぞれ約0.005および約0.2nm/秒の成膜速度で、逐次、成膜した。個々の素子はそれぞれ約0.14cmの面積を有する。すべてのスペクトルはOcean Optics HR4000スペクトロメーターで測定し、I−V−L特性はKeithley2400ソースメーターならびにNewport2832−C電力計および818UV検出器で計測した。すべての素子動作は、窒素で満たされたグローブボックスの内部で行った。この素子(素子A)の例示的構成を図1に示す。図2〜4は、この素子がOLEDとして適切であることを示している。図2に素子AのエレクトロルミネセンススペクトルとCIE座標を示す。図3に、素子Aの駆動電圧の関数としての電流密度および輝度を示す。図4に、素子Aの電流密度の関数としての発光効率を示す。
【0092】
白色発光素子の製作:ITO被覆ガラス基材を、超音波により、水、アセトン、2−プロパノール中で逐次、清浄化し、110℃で約3時間焼成した後、酸素プラズマで約5分間処理した。PEDOT:PSS(H.C.Starckから購入したBaytron P)の層を、前もって清浄化しO2プラズマ処理した(ITO)基材上に、約3000rpmでスピンコーティングし、約180℃で約30分間アニールすることで、40nm前後の厚さを得た。約10−7torr(1torr=133.322Pa)の圧力のグローブボックス付き真空蒸着システムにおいて、まず最初に4,4’4”−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)をPEDOT/PSS層の上に0.06nm/秒の成膜速度で成膜して、厚さ30nmの薄膜を得た。次に、ホスト−1と緑色発光体および赤色発光体Ir(pq)acacを同時に加熱し、Ir(ppy)が約0.2wt%およびIr(pq)acacが約0.07wt%になるように異なる成膜速度でTCTAの上に成膜して、厚さ15nmの発光層を得た後、1,3,5−トリス(N−フェニルベンゾイミジゾール−2−イル)ベンゼン(TPBI)を0.06nm/秒前後の成膜速度で成膜して、厚さ40nmの薄膜を得た。次に、CsF(0.5nm)およびAl(150nm)を、それぞれ約0.005および約0.2nm/秒の成膜速度で、逐次、成膜した。個々の素子はそれぞれ約0.14cmの面積を有する。すべてのスペクトルはOcean Optics HR4000スペクトロメーターで測定し、I−V−L特性はKeithley2400ソースメーターならびにNewport2832−C電力計および818UV検出器で計測した。すべての素子動作は、窒素で満たされたグローブボックスの内部で行った。この素子(素子B)の例示的構成を図5に示す。図6〜8は、この素子がOLEDとして適切であることを示している。図6に素子BのエレクトロルミネセンススペクトルとCIE座標を示す。図7に、素子Bの駆動電圧の関数としての電流密度および輝度を示す。図8に、素子Bの電流密度の関数としての外部量子効率を示す。
【0093】
特許請求の範囲をいくつかの具体的実施形態および実施例に関して説明したが、特許請求の範囲が、具体的に開示された実施形態に留まらず、本発明の他の代替的実施形態および/または使用ならびにその自明な変更実施形態および等価物に及ぶことは、当業者には理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1:
【化1】

(式中、Cbは置換されていてもよいカルバゾールであり;
Aは存在しないか、PhまたはPh−Hetであり;
PhおよびPhは、独立して、置換されていてもよいフェニルであり;
Arは置換されていてもよいC6−10アリールであり;
HetおよびHetは、独立して、置換されていてもよいベンゾイミダゾール−2−イル、置換されていてもよいベンゾチアゾール−2−イル、または置換されていてもよいベンゾオキサゾール−2−イルである)
によって表される化合物。
【請求項2】
置換されていてもよいカルバゾールが、C1−10アルキル、C1−10アルコキシ、およびハロからなる群より独立して選択される0、1、2、3、または4個の置換基を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
置換されていてもよいカルバゾールが、C1−3アルキル、FおよびClからなる群より独立して選択される0、1、2、3、または4個の置換基を有する、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
Aが存在しない、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
AがPhである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
AがPh−Hetである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
Hetが、置換されていてもよいC6−30アリール、C1−10アルキル、およびC1−10アルコキシからなる群より独立して選択される0、1、2、3、または4個の置換基をそれぞれ有する、1−フェニルベンゾイミダゾール−2−イル、1−(フェニルメチル)ベンゾイミダゾール−2−イル、および1−((4−ハロフェニル)メチル)ベンゾイミダゾール−2−イルからなる群より選択される、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
Arが、C1−3アルキル、FおよびClからなる群より独立して選択される0、1、2、3、または4個の置換基を有する4−メチルフェニルである、前記請求項のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
Phが無置換である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
Phが、C1−3アルキル、FおよびClからなる群より独立して選択される0、1、2、3、または4個の置換基を有するo−フェニレンである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
Phが、C1−3アルキル、FおよびClからなる群より独立して選択される0、1、2、3、または4個の置換基を有するm−フェニレンである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
Phが、C1−3アルキル、FおよびClからなる群より独立して選択される0、1、2、3、または4個の置換基を有するp−フェニレンである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
Phが無置換である、請求項1〜3および5〜12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
Phが、C1−3アルキル、FおよびClからなる群より独立して選択される0、1、2、3、または4個の置換基を有するo−フェニレンである、請求項1〜3および5〜12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
Phが、C1−3アルキル、FおよびClからなる群より独立して選択される0、1、2、3、または4個の置換基を有するm−フェニレンである、請求項1〜3および5〜12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
Phが、C1−3アルキル、FおよびClからなる群より独立して選択される0、1、2、3、または4個の置換基を有するp−フェニレンである、請求項1〜3および5〜12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項17】
Hetが、1−フェニルベンゾイミダゾール−2−イル、1−(フェニルメチル)ベンゾイミダゾール−2−イル、および1−((4−ハロフェニル)メチル)ベンゾイミダゾール−2−イルからなる群より選択され、Hetが、置換されていてもよいC6−30アリール、C1−10アルキル、およびC1−10アルコキシからなる群より独立して選択される0、1、2、3、または4個の置換基を有する、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項18】
Hetが、置換されていてもよいC6−30アリール、C1−10アルキル、およびC1−10アルコキシからなる群より独立して選択される0、1、2、3、または4個の置換基を有するベンゾオキサゾール−2−イルである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項19】
Hetが、置換されていてもよいC6−30アリール、C1−10アルキル、およびC1−10アルコキシからなる群より独立して選択される0、1、2、3、または4個の置換基を有するベンゾチアゾール−2−イルである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項20】
AがPh−Hetと同じである、請求項1〜3および6〜19のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項21】
【化2】


から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項22】
エレクトロルミネセント化合物とホストとを含む発光層を含み、ホストが請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物を含む、有機発光ダイオード(OLED)素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−505250(P2013−505250A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529887(P2012−529887)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/048990
【国際公開番号】WO2011/034967
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】