説明

有機発光素子及びそれを備えた平板表示装置

【課題】有機発光素子及びそれを備えた平板表示装置を提供する。
【解決手段】下記化学式1で表示される化合物及びこれを含む有機膜を備えた有機発光素子である:


(化学式1)
上の式で、Ar、Ar、X及びYは、発明の詳細な説明を参照する。化学式1で表示される化合物は、優秀な電気的特性及び電荷輸送能を有するところ、赤色、緑色、青色、白色などあらゆるカラーの蛍光及び燐光有機発光素子の正孔注入層、正孔輸送層及び/または発光層形成材料として有用である。また、化学式1で表示される化合物を含む有機膜を備えた有機発光素子は、高効率、低電圧、高輝度を有することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化合物及びそれを含む有機膜を備えた有機発光素子に係り、さらに詳細には、電気的安定性と高い電荷輸送能とを有し、ガラス転移温度が高く、結晶化を防止しうる材料及びそれを含む有機膜を備えた有機発光素子、及び前記有機発光素子を備えた平板表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光素子は、自発光型素子であって視野角が広く、コントラストに優れ、かつ応答速度が速いという長所を有しているために、大きな注目を浴びている。また、前記有機発光素子は、駆動電圧及び応答速度特性に優れて多色化が可能であるという点で多くの研究がなされている。
【0003】
有機発光素子は、一般的にアノード/発光層/カソードの積層構造を有し、前記アノードと発光層との間、または発光層とカソードとの間に正孔注入層、正孔輸送層及び電子注入層をさらに積層してアノード/正孔輸送層/発光層/カソード及び、アノード/正孔輸送層/発光層/電子注入層/カソードなどの構造を有する。
【0004】
前記正孔輸送層形成材料としてポリフェニル化合物またはアントラセン誘導体がよく知られている(特許文献1、特許文献2)。ところで、これまで知られた正孔注入層及び/または正孔輸送層形成材料からなる有機発光素子は、寿命、効率及び消費電力特性において満足できるほどのレベルには達しておらず、まだ改善の余地が多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,596,415号明細書
【特許文献2】米国特許第6,465,115号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記問題点を解決するために本発明は、電気的な安定性と高い電荷輸送能を有し、ガラス転移温度が高く、かつ結晶化を防止する材料として、赤色、緑色、青色、白色などのあらゆるカラーの蛍光及び燐光有機発光素子に適した有機膜形成材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
また、これを含む有機膜を備えて高効率、低電圧、高輝度を有する有機発光素子及びこれを備えた平板表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記技術的課題を達成するために、本発明は、下記化学式1で表示される化合物を提供する:
【0009】
【化1】

(化学式1)
【0010】
前記式で、
Xは、置換または非置換のC−C20アリール基または置換または非置換のC−C20縮合多環基であり、
Yは、化学式7で表示される化合物または化学式8で表示される化合物であり、
【0011】
【化2】

(化学式7)
【0012】
【化3】

(化学式8)
この際、R、R、R、R及びRは、各々独立して、水素、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、フッ素、シアノ基またはアミン基であり、前記R、R、R、R及びRのうち、隣接した基が互いに結合して飽和または不飽和炭素環を形成してよく、Ar及びArは、各々独立して、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C20アリールオキシ基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリール基、または置換または非置換のC−C20縮合多環基である。
【0013】
本発明の他の技術的課題を達成するために本発明は、第1電極;第2電極;及び前記第1電極と前記第2電極との間に前記化合物を含む有機膜を備えた有機発光素子を提供する。
【0014】
望ましくは、前記有機膜は、正孔注入層、正孔輸送層または発光層である。
【0015】
前記化学式1で表示される化合物を含む有機膜を備えた有機発光素子は、低駆動電圧、高輝度、高効率、高電流密度などを有することができる。
【0016】
前記本発明のさらに他の課題を達成するために本発明は、前述したような有機発光素子を備え、前記有機発光素子の第1電極が薄膜トランジスタのソース電極またはドレイン電極と電気的に連結されていることを特徴とする平板表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、前記化学式1で表示される化合物は、優秀な電気的特性及び電荷輸送能を有しており、赤色、緑色、青色、白色などのあらゆるカラーの蛍光と燐光素子に適した正孔注入材料、正孔輸送材料及び/または発光材料として有用である。これを利用すれば、高効率、低駆動電圧、高輝度の有機発光素子を製作しうる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明による有機発光素子の構造を示す図面である。
【図2】本発明の一具現例による有機発光素子及び通常の有機発光素子の寿命特性を比較して示すグラフである。
【図3】本発明の他の具現例による有機発光素子及び通常の有機発光素子の駆動電圧による輝度の特性を比較して示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0020】
本発明による化合物は、下記化学式1で表示される:
【0021】
【化4】

(化学式1)
前記式で、
Xは、置換または非置換のC−C20アリール基または置換または非置換のC−C20縮合多環基であり、
Yは、化学式7で表示される化合物または化学式8で表示される化合物であり、
【0022】
【化5】

(化学式7)
【0023】
【化6】

(化学式8)
【0024】
この際、R、R、R、R及びRは、各々独立して、水素、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、フッ素、シアノ基またはアミン基であり、前記R、R、R、R及びRのうち、隣接した基が互いに結合して飽和または不飽和炭素環を形成してよく、Ar及びArは、各々独立して、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C20アリールオキシ基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリール基、または置換または非置換のC−C20縮合多環基である。
【0025】
前記定義されたR、R、R、R、R、Ar、Ar、X及びYが、炭素数21以上のアリール基であるか、縮合多環基の場合、分子量が過度に大きくて蒸着し難くなりうる。
【0026】
本発明による前記化学式1の化合物は、正孔注入材料、正孔輸送材料及び/または発光材料としての機能を有する。特に、化学式1の化合物で、Yがフェニルカルバゾール構造を有する場合、2以上の堅いフェニルカルバゾール構造を含むようになるために、ガラス転移温度(Tg)や融点が高まる。また、Yがフルオレン化合物である場合は、特にナフタレン基やアントラセン基が導入された場合、ガラス転移温度(Tg)や融点が高まって望ましい。
【0027】
本発明による前記化学式1の化合物のガラス転移温度(Tg)や融点が高いために、電界発光時における有機層のうち、有機層間ないしは、有機層と金属電極との間で発生するジュール熱に対する耐熱性及び高温環境下での耐性が増加する。このような本発明による化合物を利用して製造された有機発光素子は、保存時及び駆動時の耐久性が高い。
【0028】
望ましくは、前記Xは、下記化学式のうち、いずれか1つである。
【0029】
【化7】

【0030】
望ましくは、前記化学式1の化合物は、下記化学式2または化学式3のフェニルカルバゾール化合物でありうる。
【0031】
【化8】

(化学式2)
【0032】
【化9】

(化学式3)
【0033】
前記式で、
、R、R、R、R10、R11及びR12は、各々独立して、水素、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、フッ素、シアノ基またはアミン基で、前記R、R、R、R、R10、R11及びR12のうち、隣接した基が互いに結合して飽和または不飽和炭素環を形成してよく、
Ar及びArは、各々独立して、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C20アリールオキシ基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリール基、または置換または非置換のC−C20縮合多環基である。
【0034】
また、望ましくは、前記化学式1の化合物は下記化学式4ないし化学式6のうちいずれか1つのフルオレン化合物でありうる。
【0035】
【化10】

(化学式4)
【0036】
【化11】

(化学式5)
【0037】
【化12】

(化学式6)
【0038】
前記式で、
13、R14、R15、R16、R17及びR18は、各々独立して、水素、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、フッ素、シアノ基またはアミン基で、前記R13、R14、R15、R16、R17及びR18のうち、隣接した基が互いに結合して飽和または不飽和炭素環を形成してよく、
Ar及びArは、各々独立して、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C20アリールオキシ基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリール基、または置換または非置換のC−C20縮合多環基である。
【0039】
本発明による化学式1の化合物で、望ましくは、Ar及びArは、各々独立して、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリール基である。
【0040】
さらに望ましくは、前記Ar及びArは、各々独立して、フェニル基、C−Cアルキルフェニル基、C−Cアルコキシフェニル基、シアノフェニル基、フェノキシフェニル基、フルオロフェニル基、ナフチル基、C−Cアルキルナフチル基、C−Cアルコキシナフチル基、シアノナフチル基、ハロナフチル基、フルオレニル基、カルバゾリル基、C−Cアルキルカルバゾリル基、ビフェニル基、C−Cアルキルビフェニル基、C−Cアルコキシビフェニル基またはピリジル基である。
【0041】
望ましいArまたはArの具体例を挙げれば、フェニル基、エチルフェニル基、エチルビフェニル基、o−,m−またはp−フルオロフェニル基、ジクロロフェニル基、ジシアノフェニル基、トリフルオロフェニル基、メトキシフェニル基、o−,m−またはp−トリル基、メシチル基、フェノキシフェニル基、(α,α−ジメチルベンゼン)フェニル基、(N,N’−ジメチル)アミノフェニル基、(N,N’−ジフェニル)アミノフェニル基、ペンタレニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントラセニル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、アセナフチレニル基、フルオレニル基、アントラキノリル基、ペナントリル基、トリフェニレン基、ペンタフェニル基、ヘキサフェニル基、カルバゾリル基などである。
【0042】
さらに望ましくは、前記Ar及びArは、各々独立して、フルオレニル基、カルバゾリル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基から選択される1ないし3環のアリール基またはそれらの芳香族環にC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、シアノ、アミン、フェノキシ、フェニル及びハロゲン元素からなる群から選択された1つないし3つが置換されたものである。
【0043】
本発明の化学式で使われた非置換のアルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、iso−アミル、ヘキシルなどを挙げられ、前記アルキル基のうち、1つ以上の水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン、ヒドラゾン、カルボキシル基やその塩、スルホン酸基やその塩、燐酸やその塩、C−C10のアルキル基、C−C10のアルケニル基、C−C10のアルキニル基、C−C10のアリール基、C−C10のアリールアルキル基、C−C10のヘテロアリール基、またはC−C10のヘテロアリールアルキル基で置換されうる。
【0044】
本発明の化学式で使われた非置換のアルコキシ基の具体例として、メトキシ、エトキシ、フェニルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ナフチルオキシ、イソプロピルオキシ、ジフェニルオキシなどがあり、それらアルコキシ基のうち、少なくとも1つ以上の水素原子は、前記アルキル基の場合と同じ置換基で置換可能である。
【0045】
本発明の化学式で使われた非置換のアリール基は単独または組合わせて使われ、1つ以上の環を含む芳香族炭素環を意味し、前記環はペンダント方法で共に付着されるか、または融合されうる。前記アリール基のうち、1つ以上の水素原子は、前記アルキル基の場合と同じ置換基で置換可能である。
【0046】
本発明の化学式で使われた非置換のアリールオキシ基の例としては、フェニルオキシ、ナフチレンオキシ、ジフェニルオキシなどがある。前記アリールオキシ基のうち、1つ以上の水素原子は、前記アルキル基の場合と同じ置換基で置換可能である。
【0047】
本発明で使用する非置換のヘテロアリール基は、N、O、PまたはSのうちから選択された1、2または3のヘテロ原子を含み、残りの環原子がCである環原子数4ないし30の1価単環または2価二環芳香族有機化合物を意味する。前記ヘテロアリール基のうち、1つ以上の水素原子は、前記アルキル基の場合と同じ置換基で置換可能である。
【0048】
前記ヘテロアリール基の例には、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、ピリジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、カルバゾリル基、インドリル基などを挙げられる。
【0049】
以下、本発明の前記化学式1で表現される化合物の具体例として、下記化学式7で表示される化合物1ないし242を挙げることができる。しかし、本発明の化学式1で表現される化合物がこれら化合物に限定されるものではない。
【0050】
【化13】

【0051】
【化14】

【0052】
【化15】

【0053】
【化16】

【0054】
【化17】

【0055】
【化18】

【0056】
【化19】

【0057】
【化20】

【0058】
【化21】

【0059】
【化22】

【0060】
【化23】

【0061】
【化24】

【0062】
【化25】

【0063】
【化26】

(化学式7)
【0064】
本発明による有機発光素子は、第1電極、第2電極及び前記第1電極と前記第2電極との間に前述したような化学式1で表示される化合物を含む有機膜を備える。前記化学式1で表示される化合物を含む有機膜は、正孔注入層または正孔輸送層であって、正孔注入機能及び正孔輸送機能をいずれも有する単一膜である。または、前記化学式1で表示される化合物を含む有機膜は発光層でもありえる。この際、前記化学式1で表示される化合物は、青色、緑色または赤色の蛍光または燐光材料のホスト材料として使われうる。
【0065】
望ましくは、前記化学式1で表示される化合物を含む有機膜は、正孔注入層である。
【0066】
望ましくは、前記化学式1で表示される化合物を含む有機膜は、正孔輸送層である。
【0067】
一方、前記第1電極はアノードであり、前記第2電極はカソードであるが、これと逆の場合ももちろん可能である。
【0068】
前述したような有機発光素子は、必要に応じて、正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層及び電子注入層のうち、1つ以上の層をさらに備え、必要によっては、前記有機層を2層の有機層で形成することも可能である。
【0069】
例えば、本発明による有機発光素子は、第1電極/正孔注入層/発光層/第2電極、第1電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/第2電極または第1電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/第2電極構造を有することができる。または、前記有機発光素子は、第1電極/正孔注入機能及び正孔輸送機能を同時に有する単一膜/発光層/電子輸送層/第2電極または第1電極/正孔注入機能及び正孔輸送機能を同時に有する単一膜/発光層/電子輸送層/電子注入層/第2電極構造を有することができる。
【0070】
本発明による有機発光素子は、前面発光型、背面発光型など多様な構造で適用可能である。
【0071】
以下、本発明による有機発光素子の製造方法を図1に示された有機発光素子を参照して、説明する。図1の有機発光素子は、基板、第1電極(アノード)、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層及び第2電極(カソード)を備えている。
【0072】
まず、基板上部に高い仕事関数を有する第1電極用物質を蒸着法またはスパッタリング法により形成して第1電極を形成する。前記第1電極は、アノードまたはカソードでありうる。ここで、基板としては、通常の有機発光素子で使われる基板を使用するが、機械的強度、熱的安定性、透明性、表面平滑性、取扱容易性及び防水性に優れたガラス基板または透明プラスチック基板が望ましい。第1電極用物質としては、伝導性に優れた酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化錫(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、Al、Ag、Mgなどを利用することができ、透明電極または反射電極で形成されうる。
【0073】
次いで、前記第1電極上部に真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような多様な方法で正孔注入層(HIL)を形成しうる。
【0074】
真空蒸着法によって正孔注入層を形成する場合、その蒸着条件は、正孔注入層の材料として使用する化合物、目的とする正孔注入層の構造及び熱的特性によって異なるが、一般的に蒸着温度100ないし500℃、真空度10−8ないし10−3torr、蒸着速度0.01ないし100Å/sec、膜厚は、通常10Åないし5μmの範囲で適切に選択することが望ましい。
【0075】
スピンコーティング法によって正孔注入層を形成する場合、そのコーティング条件は正孔注入層の材料として使用する化合物、目的とする正孔注入層の構造及び熱的特性によって異なるが、約2000rpmないし5000rpmのコーティング速度、コーティング後の溶媒除去のための熱処理温度は、約80℃ないし200℃の温度範囲で適切に選択することが望ましい。
【0076】
前記正孔注入層物質としては、前述したような化学式1で表示される化合物を利用しうる。または、公知の正孔注入層物質を使用することもできるが、例えば、米国特許第4,356,429号に開示された銅フタロシアニンなどのフタロシアニン化合物またはAdvanced Material,6,p.677(1994)に記載されているスターバスト型アミン誘導体類であるTCTA、m−MTDATA、m−MTDAPB、溶解性のある伝導性高分子であるPani/DBSA(Polyaniline/Dodecyl benzene sulfonic acid:ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸)またはPEDOT/PSS(Poly(3,4−ethylenedioxythiophene)/Poly(4−styrenesulfonate):ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート))、Pani/CSA(Polyaniline/Camphor sulfonic acid:ポリアニリン/カンファースルホン酸)またはPANI/PSS(Polyaniline)/Poly(4−styrene−sulfonate):ポリアニリン)/ポリ(4−スチレンスルホネート))などを使用しうる。
【0077】
【化27】

【0078】
前記正孔注入層の厚さは、約100Åないし10000Å、望ましくは、100Åないし1000Åでありうる。前記正孔注入層の厚さが100Å未満である場合、正孔注入特性が低下し、前記正孔注入層の厚さが10000Åを超える場合、駆動電圧が上昇するからである。
【0079】
次いで、前記正孔注入層の上部に真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような多様な方法を用いて正孔輸送層(HTL)を形成しうる。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって正孔輸送層を形成する場合、その蒸着条件及びコーティング条件は使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択される。
【0080】
前記正孔輸送層物質は、前述したような化学式1で表示される化合物でありうる。または、公知された正孔輸送層物質を利用することもできるが、例えば、N−フェニルカルバゾール、ポリビニルカルバゾールなどのカルバゾール誘導体、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(α−NPD)などの芳香族縮合環を有する通常のアミン誘導体などが使われる。
【0081】
【化28】

【0082】
前記正孔輸送層の厚さは、約50Åないし1000Å、望ましくは、100Åないし600Åでありうる。前記正孔輸送層の厚さが50Å未満である場合、正孔輸送特性が低下し、前記正孔輸送層の厚さが1000Åを超える場合、駆動電圧が上昇してしまうからである。
【0083】
次いで、前記正孔輸送層の上部に真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような方法を用いて発光層(EML)を形成しうる。真空蒸着法及びスピンコーティング法により発光層を形成する場合、その蒸着条件は使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択される。
【0084】
前記発光層は、前述したような化学式1で表示される化合物を含むことができる。特に、化学式1で表示される化合物は、ホストとして使われることがある。前記発光層は、公知された多様な発光物質を用いて形成されるが、公知のホスト及びドープ剤を利用して形成することもできる。前記ドープ剤の場合、公知の蛍光ドープ剤及び公知の燐光ドープ剤をいずれも使用しうる。
【0085】
例えば、ホストとしては、Alq、CBP(4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル)、PVK(ポリ(n−ビニルカルバゾール))またはDSA(ジスチリルアリーレン)、IDE215(出光社)などを使用できるが、これに限定されるものではない。
【0086】
ドープ剤の場合、蛍光ドープ剤としては、出光社から購入可能なIDE102、IDE105、IDE118を使用し、燐光ドープ剤としては、Ir(ppy)(ppyは、フェニルピリジンの略語である)(緑色)、(4、6−F2ppy)Irpic(参照文献:Chihaya Adachi etc.Appl.Phys.Lett.,79,2082−2084、2001)、コビオン社のTEB002、PtOEP(platinum(II)octaethylporphyrin)、下記化学式を有する化合物(韓国特許公開番号2005−0078472号参照)、Firpric、UDC社の赤色燐光ドープ剤であるRD61などを使用できるが、これに限定されるものではない。
【0087】
【化29】

【0088】
前記ドープ剤の含量は、発光層形成材料100重量部(すなわち、ホストとドープ剤との総量は100重量部にする)を基準として、0.1ないし20重量部、特に0.5〜12重量部であることが望ましい。ドープ剤の含量が0.1重量部未満ならば、ドープ剤付加による効果が微小であり、20重量部を超えれば、燐光や蛍光いずれも濃度ケンチング(quenching)のような濃度消光が起きて望ましくない。
【0089】
前記発光層の厚さは、約100Åないし1000Å、望ましくは、200Åないし600Åでありうる。これは、前記発光層の厚さが100Å未満である場合、発光特性が低下し、前記発光層の厚さが1000Åを超える場合、駆動電圧が上昇するからである。
【0090】
発光層が燐光ドープ剤を含む場合、三重項励起子または正孔の電子輸送層への拡散を防止するために、正孔阻止層(HBL)を発光層の上部に形成しうる(図1には図示せず)。この際、使用可能な正孔阻止層物質は、特に制限されず、公知の正孔阻止層物質から任意に選択して利用しうる。例えば、オキサジアゾール誘導体やトリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、または特開平11−329734(A1)に記載されている正孔阻止材料、Balq、BCPなどを利用しうる。
【0091】
前記正孔阻止層の厚さは、約50Åないし1000Å、望ましくは、100Åないし300Åでありうる。これは、前記正孔阻止層の厚さが50Å未満である場合、正孔阻止特性が低下し、前記正孔阻止層の厚さが1000Åを超える場合、駆動電圧が上昇してしまうからである。
【0092】
次いで、電子輸送層(ETL)を真空蒸着法、またはスピンコーティング法、キャスト法などの多様な方法を利用して形成する。真空蒸着法及びスピンコーティング法により電子輸送層を形成する場合、その条件は使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲から選択される。
【0093】
前記電子輸送層物質は、特に限定されず、公知された電子輸送層形成材料から任意に選択されうる。例えば、キノリン誘導体、特にトリス(8−キノリノレート)アルミニウム(Alq)、TAZのような公知の材料を利用しうる。
【0094】
前記電子輸送層の厚さは、約100Åないし1000Å、望ましくは、100Åないし500Åでありうる。これは、前記電子輸送層の厚さが100Å未満である場合、電子輸送特性が低下し、前記電子輸送層の厚さが1000Åを超える場合、駆動電圧が上昇してしまうからである。
【0095】
また電子輸送層の上部に負極から電子の注入を容易にする機能を有する物質である電子注入層(EIL)が積層されうる。
【0096】
電子注入層としては、LiF、NaCl、CsF、LiO、BaOのような電子注入層形成材料として公知された任意の物質を利用しうる。前記電子注入層の蒸着条件及びコーティング条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲から選択される。
【0097】
前記電子注入層の厚さは、約1Åないし100Å、望ましくは、5Åないし90Åでありうる。これは、前記電子注入層の厚さが1Å未満である場合、電子注入特性が低下し、前記電子注入層の厚さが100Åを超える場合、駆動電圧が上昇してしまうからである。
【0098】
最後に、電子注入層の上部に真空蒸着法やスパッタリング法などの方法を利用して第2電極を形成しうる。前記第2電極は、カソードまたはアノードとして使われうる。前記第2電極形成用物質としては、低い仕事関数を有する金属、合金、電気伝導性化合物及びそれらの混合物を使用しうる。具体例としては、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム−リチウム(Al−Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム−インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)などを挙げることができる。また、前面発光素子を得るために、ITO、IZOを使用した透明カソードを使用しても良い。
【0099】
本発明による有機発光素子は、多様な形態の平板表示装置、例えば、受動マトリックス有機発光表示装置及び能動マトリックス有機発光表示装置に備えられうる。特に、能動マトリックス有機発光表示装置に備えられる場合、基板側に備えられた第1電極は、画素電極として薄膜トランジスタのソース電極またはドレイン電極と電気的に連結されうる。また、前記有機発光素子は、両面に画面を表示しうる平板表示装置に備えられうる。
【0100】
以下、本発明を化合物1、2、3、32、105、153、173、184及び242の望ましい合成例及び実施例を具体的に例示するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
実施例
合成例1:化合物1の製造
【0101】
下記化学反応式1の反応経路を経て化合物1を合成した。
【0102】
【化30】

(反応式1)
中間体Aの合成
【0103】
1−ブロモナフタレン20.7g(100mmol)を300mLのジクロロメタンに溶かした後、−30℃に保持した。この溶液に臭素2.56g(50mmol)を30mLのジクロロメタンに溶かした溶液を−30℃に合わせた後、ゆっくりと添加した。添加後、光を遮断して−30℃の冷凍庫に48時間放置した。反応終了後、溶液に10%チオ硫酸ナトリウム水溶液を添加してから抽出した。集められた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を蒸発させて得られた残留物をジエチルエーテルとノルマルヘキサンとで再結晶して中間体Aを白色固体として24.3g(収率85%)を得た。
【0104】
H NMR(CDCl、400MHz)δ(ppm)−8.26−8.24(m、2H)、7.66−7.63(m、4H)
13C NMR(CDCl、100MHz)δ(ppm)−132.9、130.0、128.2、127.8、122.6
中間体Bの合成
【0105】
中間体A 14.3g(50mmol)をジエチルエーテル150mLに溶かした後、−78℃でノルマルブチルリチウム(20mL、2.5M in Hexane)を添加した。30分後、温度をゆっくりと常温に昇温させた。30分後、ホウ酸トリイソプロピル23mL(100mmol)をジエチルエーテル50mLに溶かした溶液を、−78℃に保持し、前記溶液をゆっくりと添加した。室温で5時間撹はんした後、水を添加してジエチルエーテル(200mL)で3回洗浄した。洗浄されたジエチルエーテル層をMgSOで乾燥させた後、減圧乾燥して生成物を得て、ノルマルヘキサンで再結晶して中間体Bを白色固体として9.6g(収率77%)を得た。
【0106】
H NMR(CDCl、400MHz)δ(ppm)−8.05(d、1H)、7.85(d、1H)、7.73(m、4H)、7.35(s、2H)
13C NMR(CDCl、100MHz)δ(ppm)−141.4、131.0、130.8、130.4、130.1、127.0、126.2、102.2、101.0
中間体Cの合成
【0107】
中間体B 7.53g(30mmol)、4−ブロモヨードベンゼン17g(60mmol)、Pd(PPh1.7g(1.5mmol)、そしてKCO 20g(150mmol)を100mLのTHF/HO(2:1)混合溶液に溶かして80℃で5時間撹はんした。反応液をジエチルエーテル600mlで3回抽出した。集められた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発させて得られた残留物をジクロロメタンとノルマルヘキサンとで再結晶して中間体C 7.38g(収率68%)を得た。
【0108】
H NMR(CDCl、400MHz)δ(ppm)−8.32(d、1H)、7.83−7.80(m、2H)、7.63−7.59(m、3H)、7.51−7.46(m、1H)、7.32(d、2H)、7.22(d、1H)
中間体Dの合成
【0109】
3−ヨード−9−フェニルカルバゾール36.9g(100mmol)、アニリン13.7mL(150mmol)、t−BuONa 14g(150mmol)、Pd(dba) 1.83g(2mmol)、P(t−Bu) 400mg(2mmol)をトルエン250mLに溶かした後、90℃で3時間撹はんした。前記反応終了後、常温に冷却させ、これを蒸溜水とジエチルエーテル200mLとで3回抽出した。集められた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発させて得られた残留物をシリカゲルカラムクマトグラフィーで分離精製して中間体D 3.07g(収率92%)を得た。
【0110】
H NMR(CDCl、400MHz)δ(ppm)−8.03−7.99(m、1H)、7.67(d、1H)、7.49(d、5H)、7.43(d、1H)、7.36−7.32(m、3H)、7.20−7.16(m、2H)、7.02(dd、2H)、6.96(dd、1H)、6.75−6.71(m、1H)、5.68(NH)
13C NMR(CDCl、100MHz)δ(ppm)−144.7、139.9、137.4、135.7、129.8、129.4、128.1、127.4、127.1、126.3、119.1、119.0、118.7、118.5、116.8、113.1、111.2、109.4、102.5
化合物1の合成
【0111】
中間体C 3.62g(10mmol)、中間体D 7.36g(22mmol)、t−BuONa 2.9g(30mmol)、Pd(dba) 366mg(0.4mmol)、そしてP(t−Bu)80mg(0.4mmol)をトルエン60mLに溶かした後、90℃で3時間撹はんした。前記反応終了後、常温に冷却させ、これを蒸溜水とジエチルエーテル50mLとで3回抽出した。集められた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発させて得られた残留物をシリカゲルカラムクマトグラフィーで分離精製して化合物1 7.13g(収率82%)を得た。
【0112】
H NMR(CDCl、400MHz)δ(ppm)−8.21(d、2H)、7.93(d、2H)、7.65−7.28(m、32H)、6.64−6.59(m、2H)、6.43−6.40(m、2H)、5.70−5.64(m、4H)
13C NMR(CDCl、100MHz)δ(ppm)−153.3、151.4、150.6、148.3、146.1、142.5、137.9、137.7、136.4、134.8、133.9、131.6、131.4、129.8、129.4、129.2、128.1、127.4、127.1、126.3、126.1、125.9、124.1、123.6、123.4、122.9、122.3、121.3、120.4、118.1、117.3、117.2、117.0、116.7、116.4、116.2、114.4、111.7、111.5、108.4
合成例2.化合物2の製造
【0113】
下記反応式2の反応経路を経て化合物2を合成した。
【0114】
【化31】

(反応式2)
中間体Eの合成
【0115】
3−ヨード−9−フェニルカルバゾール36.9g(100mmol)、トルイジン16g(150mmol)、t−BuONa14g(150mmol)、 Pd(dba)1.83g(2mmol)、そしてP(t−Bu)400mg(2mmol)をトルエン250mLに溶かした後、90℃で3時間撹はんした。前記反応終了後、常温に冷却させ、これを蒸溜水とジエチルエーテル200mLとで3回抽出した。集められた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発させて得られた残留物をシリカゲルカラムクマトグラフィーで分離精製して中間体E 33.5g(収率96%)を得た。
【0116】
H NMR(CDCl、400MHz)δ(ppm)−8.02−7.99(m、1H)、7.66(s、1H)、7.49(d、4H)、7.43(d、1H)、7.36−7.31(m、4H)、7.01(d、2H)、6.96(dd、1H)、6.87(d、2H)、5.68(NH)、2.25(s、3H)
13C NMR(CDCl、100MHz)δ(ppm)−140.2、139.9、137.4、135.7、129.8、129.7、128.1、127.4、127.1、126.3、119.1、118.7、118.5、113.1、111.2、109.4、102.5、20.4
化合物2の合成
【0117】
中間体C 3.62g(10mmol)、中間体E 7.7g(22mmol)、t−BuONa 2.9g(30mmol)、 Pd(dba)366mg(0.4mmol)、そしてP(t−Bu)80mg(0.4mmol)をトルエン60mLに溶かした後、90℃で3時間撹はんした。前記反応終了後、常温に冷却させ、これを蒸溜水とジエチルエーテル50mLとで3回抽出した。集められた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発させて得られた残留物をシリカゲルカラムクマトグラフィーで分離精製して化合物27.62g(収率85%)を得た。
【0118】
H NMR(CDCl、400MHz)δ(ppm)−8.21(d、1H)、7.93(d、2H)、7.63−7.31(m、29H)、7.05(dd、4H)、6.42(d、2H)、6.25(t、4H)、2.27(s、6H)
13C NMR(CDCl、100MHz)δ(ppm)−153.3、151.4、151.3、147.8、146.1、142.5、137.9、137.7、136.4、134.8、134.6、133.9、132.7、131.4、129.8、129.2、128.1、127.4、127.1、126.3、126.1、125.9、124.1、123.6.122.3、121.2、121.0、120.4、118.1、117.3、117.0、116.7、116.4、116.2、111.7、114.4、111.7、111.5、108.4、20.4
合成例3.化合物3の製造
【0119】
下記反応式3の反応経路を経て化合物3を合成した。
【0120】
【化32】

(反応式3)
中間体Fの合成
【0121】
3−ヨード−9−フェニルカルバゾール18.45g(50mmol)、トルイジン8g(75mmol)、t−BuONa 7g(75mmol)、 Pd(dba)920mg(1mmol)そして、P(t−Bu)200mg(1mmol)をトルエン150mLに溶かした後、90℃で3時間撹はんした。前記反応終了後、常温に冷却させ、これを蒸溜水とジエチルエーテル100mLとで3回抽出した。集められた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発させて得られた残留物をシリカゲルカラムクマトグラフィーで分離精製して中間体F 16.39g(収率93%)を得た。
【0122】
H NMR(CDCl、400MHz)δ(ppm)−8.03−8.01(m、1H)、7.96−7.92(m、2H)、7.67(d、1H)、7.49(d、4H)、7.43(d、1H)、7.37−7.32(m、4H)、7.23−7.18(m、2H)、6.95(dd、1H)、5.68(s、1H)
13C NMR(CDCl、100MHz)δ(ppm)−161.0、154.5、140.8、139.9、137.4、135.7、129.8、127.4、127.1、126.5、119.1、118.7、118.5、116.5、115.8、113.1、111.7、111.5、111.2、109.4、102.5
化合物3の合成
【0123】
中間体C 3.62g(10mmol)、中間体F 7.75g(22mmol)、t−BuONa 2.9g(30mmol)、 Pd(dba)366mg(0.4mmol)、そしてP(t−Bu)80mg(0.4mmol)をトルエン60mLに溶かした後、90℃で3時間撹はんした。前記反応終了後、常温に冷却させ、これを蒸溜水とジエチルエーテル50mLとで3回抽出した。集められた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発させて得られた残留物をシリカゲルカラムクマトグラフィーで分離精製して化合物3 7.96g(収率88%)を得た。
【0124】
H NMR(CDCl、400MHz)δ(ppm)−8.21(d、1H)、7.93(d、2H)、7.65−7.31(m、29H)、7.11−7.05(m、4H)、6.79−6.73(m、4H)、6.44−6.40(m、2H)
13C NMR(CDCl、100MHz)δ(ppm)−162.0、155.5、152.3、150.4、149.3、149.2、145.1、144.2、144.1、141.5、137.9、137.7、136.4、134.8、133.9、131.4、129.8、129.2、128.1、127.4、127.1、126.3、126.1、126.0、125.9、125.8、125.6、124.1、123.6、122.3、121.3、120.4、118.1、118.0、117.3、117.2、117.0、116.7、116.4、116.2、115.5、114.4、111.7、111.5、108.4

合成例4.化合物32の製造
【0125】
下記反応式4の反応経路を経て化合物32を合成した。
【0126】
【化33】

(反応式4)
中間体Gの合成
【0127】
1,5−ジブロモナフタレン14.3g(50mmol)をジエチルエーテル150mLに溶かした後、−78℃でノルマルブチルリチウム(20mL、2.5M in Hexane)を添加した。30分後温度をゆっくりと常温に昇温させた。30分後、ホウ酸トリイソプロピル23mL(100mmol)をジエチルエーテル50mLに溶かした溶液を、−78℃に保持して前記の溶液をゆっくりと添加した。室温で5時間撹はんした後、水を添加してジエチルエーテル(200mL)で3回洗浄した。洗浄されたジエチルエーテル層をMgSOで乾燥させた後、減圧乾燥して生成物を得てノルマルヘキサンで再結晶して中間体Gを白色固体として9.15g(収率73%)得た。
【0128】
H NMR(CDCl、400MHz)δ(ppm)−8.06−8.01(m、2H)、7.85(dd、1H)、7.65(dd、1H)、7.52−7.48(t、1H)、7.35(s、1H)、7.20(t、1H)
13C NMR(CDCl、100MHz)δ(ppm)−141.4、138.6、138.1、137.7、137.2、130.8、130.6、130.4、129.8、129.7、126.2、101.0
中間体Hの合成
【0129】
中間体G 7.53g(30mmol)、4−ブロモヨードベンゼン17g(60mmol)、Pd(PPh1.7g(1.5mmol)、そして KCO 20g (150mmol)を100mLのTHF/HO(2:1)混合溶液に溶かして80℃で5時間撹はんした。反応液をジエチルエーテル600mLで3回抽出した。集められた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発させて得られた残留物をジクロロメタンとノルマルヘキサンとで再結晶して中間体Hを7.06g(収率65%)を得た。
【0130】
H NMR(CDCl、400MHz)δ(ppm)−8.14(d、1H)、7.94(dd、1H)、7.79(dd、1H)、7.66(d、1H)、7.45(t、1H)、7.28−7.20(m、5H)
13C NMR(CDCl、100MHz)δ(ppm)−139.1、136.8、133.2、132.8、132.1、131.4、130.4、128.4、127.8、127.2、126.3、125.0、123.5
化合物32の合成
【0131】
中間体E 7.66g(22mmol)、中間体H 3.62g(10mmol)、t−BuONa 2.9mg(30mmol)、 Pd(dba)183mg(0.2mmol)、P(t−Bu)40mg(0.2mmol)をトルエン40mLに溶かした後、90℃で3時間撹はんした。前記反応終了後、常温に冷却させ、これを蒸溜水とジエチルエーテル40mLとで3回抽出した。集められた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発させて得られた残留物をシリカゲルカラムクマトグラフィーで分離精製して化合物32を7.62g(収率85%)を得た。
【0132】
H NMR(CDCl、400MHz)δ(ppm)−8.52(d、1H)、8.19(d、1H)、7.93(d、2H)、7.66−7.42(m、23H)、7.36−7.32(m、4H)、7.05(d、4H)、6.42(d、2H)、6.25(t、4H)、6.17(s、1H)、2.27(s、6H)
13C NMR(CDCl、100MHz)δ(ppm)−153.3、151.4、151.3、149.8、146.1、142.5、137.8、137.7、136.4、134.8、134.6、133.9、132.7、131.4、129.8、129.7、129.2、128.7、127.4、127.1、126.3、123.6、122.6、122.3、121.2、121.0、120.4、118.1、117.9、117.3、116.9、116.7、116.3、116.2、114.4、111.9、111.7、111.5、20.4
合成例5.化合物105の製造
【0133】
下記化学反応式5の反応経路を経て化合物105を合成した。
【0134】
【化34】

(反応式5)
中間体Iの合成
【0135】
9−ブロモアントラセン−10−ホウ酸3g(10mmol)と4−ブロモヨードベンゼン4.24g(15mmol)、Pd(PPh580mg(0.5mmol)、そしてKCO6.9g(50mmol)を50mLのTHF/HO(2:1)混合溶液に溶かして80℃で5時間撹はんした。反応液をジエチルエーテル50mLで3回抽出した。集められた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発させて得られた残留物をジクロロメタンとノルマルヘキサンとで再結晶して中間体Iを2.47g(収率60%)を得た。
【0136】
H NMR(CDCl、400MHz)δ(ppm)−8.61(d、2H)、7.72(d、2H)、7.62−7.57(m、4H)、7.41−7.37(m、2H)、7.29−7.25(m、2H)
13C NMR(CDCl、100MHz)δ(ppm)−137.3、136.2、132.8、131.7、130.8、130.2、128.0、127.0、125.8、123.2、122.1
化合物105の合成
【0137】
中間体I 2.06g(5mmol)、中間体C 3.68g(11mmol)、t−BuONa 1.44g(15mmol)、 Pd(dba)183mg(0.2mmol)、P(t−Bu)40mg(0.2mmol)をトルエン40mLに溶かした後、90℃で3時間撹はんした。前記反応終了後、常温に冷却させ、これを蒸溜水とジエチルエーテル40mLとで3回抽出した。集められた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発させて得られた残留物をシリカゲルカラムクマトグラフィーで分離精製して化合物105を3.9g(収率85%)を得た。
【0138】
H NMR(CDCl、400MHz)δ(ppm)−8.55(d、2H)、8.04(d、2H)、7.93(d、2H)、7.63−7.23(m、32H)、6.64−6.59(m、2H)、6.41−6.38(m、2H)、5.69(dd、2H)、5.64(dd、2H)
13C NMR(CDCl、100MHz)δ(ppm)−154.1、153.2、149.8、148.3、142.5、137.9、137.7、137.6、136.7、136.4、133.4、133.2、131.7、130.7、129.8、129.4、127.4、127.1、126.3、126.2、124.6、124.3、124.1、123.6、123.4、123.2、122.9、121.7、120.4、118.1、117.5、117.4、117.0、116.8、114.4、111.9、111.5、108.4
合成例6:化合物153の製造
【0139】
下記化学反応式6の反応経路を経て化合物153を合成した。
【0140】
【化35】

(反応式6)
中間体Jの合成
【0141】
1−ブロモフルオレン27.3g(100mmol)を300mLのテトラヒドロフランに溶かした後、−0℃に保持した。この溶液にNaOtBu 31.4g(110mmol)をゆっくりと添加して同じ温度でヨードメタン14mL(220mmol)を添加した。添加が終われば、常温で5時間放置した。反応終了後、溶液に水溶液を添加してから抽出した。集められた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発させて得られた残留物をシリカゲルカラムクマトグラフィーで分離精製して中間体J 24.6g(収率90%)を得た。
【0142】
H NMR(CDCl、400MHz)δ(ppm)−7.88(d、1H)、7.73(d、1H)、7.58(d、1H)、7.49−7.46(m、1H)、7.40(d、1H)、7.24−7.20(m、1H)、6.97−6.93(m、1H)、1.85(s、6H)
13C NMR(CDCl、100MHz)δ(ppm)−151.6、150.2、142.6、141.1、132.2、129.2、127.8、127.3、126.8、121.2、119.9、48.4、24.5
中間体Kの合成
【0143】
中間体J 8.2g(30mmol)、アニリン4.1mL(45mmol)、t−BuONa 4.3g(45mmol)、 Pd(dba)0.55g(0.6mmol)、P(t−Bu)0.12g(0.6mmol)をトルエン100mLに溶かした後、90℃で3時間撹はんした。前記反応終了後、常温に冷却させ、これを蒸溜水とジエチルエーテル100mLとで3回抽出した。集められた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発させて得られた残留物をシリカゲルカラムクマトグラフィーで分離精製して中間体Kを7.87g(収率92%)を得た。
【0144】
H NMR(CDCl、400MHz)δ(ppm)―7.82(d、1H)、7.54−7.49(m、2H)、7.27−7.21(m、3H)、7.12−7.08(m、3H)、6.97−6.93(m、1H)、6.90−6.86(m、1H)、6.59−6.56(m、1H)、5.44(NH)、1.85(s、6H)
13C NMR(CDCl、100MHz)δ(ppm)−149.1、146.8、142.2、140.0、134.6、133.5、129.4、127.8、127.1、126.8、120.4、119.7、119.1、117.4、109.0、107.5、44.9、24.5
化合物153の合成
【0145】
中間体C 3.62g(10mmol)、中間体K 6.28g(22mmol)、t−BuONa 2.9g(30mmol)、 Pd(dba)366mg(0.4mmol)、そしてP(t−Bu)80mg(0.4mmol)をトルエン60mLに溶かした後、90℃で3時間撹はんした。前記反応終了後、常温に冷却させ、これを蒸溜水とジエチルエーテル50mLとで3回抽出した。集められた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発させて得られた残留物をシリカゲルカラムクマトグラフィーで分離精製して化合物153 6.55g(収率85%)を得た。
【0146】
H NMR(CDCl、400MHz)δ(ppm)−8.19(d、2H)、7.98(d、1H)、7.69−7.57(m、5H)、7.49−7.08(m、14H)、6.97−6.93(m、2H)、6.64−6.60(m、2H)、6.43−6.39(m、2H)、6.34−6.32(m、2H)、5.68−5.61(m、4H)、1.85(s、6H)、1.77(s、6H)
13C NMR(CDCl、100MHz)δ(ppm)−158.4、154.5、150.4、148.9、148.1、147.9、147.1、145.8、141.3、140.9、139.0、138.0、136.5、134.8、133.9、131.6、130.9、130.8、129.4、129.2、128.1、127.8、126.8、126.5、126.1、125.9、125.6、124.7、124.1、124.0、123.6、123.2、122.9、121.7、119.9、118.7、117.9、117.8、117.4、117.3、116.7、45.3、44.9、25.3、24.5
合成例7.化合物173の製造
【0147】
下記反応式7の反応経路を経て化合物173を合成した。
【0148】
【化36】

(反応式7)
中間体Lの合成
【0149】
2−ブロモフルオレン13g(53mmol)を酢酸60mLに溶かして重クロム酸ナトリウム60g(200mmol)を0℃でゆっくりと添加した。12時間後に混合物に蒸溜水200mLを添加してよく撹はんした。生成された黄色固体をろ過して乾燥して中間体L 10g(収率78%)得た。
中間体Mの合成
【0150】
中間体L 8g(31.6mmol)をTHF 60mLに溶かして−78℃で1M臭化フェニルマグネシウム38mL(38mmol)をゆっくりと添加した。2時間後に温度を常温に保持して5時間撹はんした。塩化アンモニウム水溶液50mLで希釈した後、エチルアセテート(40mL)で3回抽出した。集められた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発させて得られた残留物をシリカゲルカラムクマトグラフィーで分離精製して中間体M 10g(収率95%)を得た。構造はH NMRで確認した。:
【0151】
H NMR(CDCl、400MHz)δ(ppm)7.64(d、1H)、7.54−7.47(m、2H)、7.44(d、1H)、7.39−7.33(m、3H)、7.30−7.23(m、5H)、2.46(s、1H)
中間体Nの合成
【0152】
中間体M 10g(30mmol)をベンゼン60mLに溶かして、濃い硫酸2.4mL(45mmol)を少量のベンゼンに希釈して添加した。80℃で5時間撹はんした後、ベンゼンを蒸発させて残った余液に1N水酸化ナトリウム水溶液を添加して、およそPH7にした後、エチルアセテート(40mL)で3回抽出した。集められた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発させて得られた残留物をシリカゲルカラムクマトグラフィーで分離精製して中間体N 6g(収率50%)得た。
中間体Oの合成
【0153】
中間体N 3.97g(10mmol)、アニリン1.37mL(15mmol)、t−BuONa 1.4g(15mmol)、 Pd(dba)0.183g(0.2mmol)、P(t−Bu)40mg(0.2mmol)をトルエン30mLに溶かした後、90℃で3時間撹はんした。前記反応終了後、常温に冷却させ、これを蒸溜水とジエチルエーテル30mLとで3回抽出した。集められた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発させて得られた残留物をシリカゲルカラムクマトグラフィーで分離精製して中間体Oを3.68g(収率90%)を得た。
【0154】
H NMR(CDCl、400MHz)δ(ppm)−8.05(d、1H)、7.90(d、1H)、7.69(d、1H)、7.58(d、1H)、7.48−7.46(m、4H)、7.35−7.31(m、1H)、7.27−6.98(m、10H)、6.90−6.86(m、1H)、6.69−6.67(m、2H)、5.44(NH)
13C NMR(CDCl、100MHz)δ(ppm)―150.0、147.7、141.8、141.2、137.7、135.8、134.6、130.2、129.4、128.7、128.1、128.0、126.0、125.1、120.8、119.1、117.4、108.7、108.4、68.3
化合物173の合成
【0155】
中間体C 3.62g(10mmol)、中間体O 9.0g(22mmol)、t−BuONa 2.9g(30mmol)、 Pd(dba)366mg(0.4mmol)、そしてP(t−Bu)80mg(0.4mmol)をトルエン60mLに溶かした後、90℃で3時間撹はんした。前記反応終了後、常温に冷却させ、これを蒸溜水とジエチルエーテル50mLとで3回抽出した。集められた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発させて得られた残留物をシリカゲルカラムクマトグラフィーで分離精製して化合物173 7.95g(収率78%)を得た。
【0156】
H NMR(CDCl、400MHz)δ(ppm)−8.21(m、2H)、8.06(d、2H)、7.74−7.60(m、10H)、7.53−6.98(m、28H)、6.64−6.60(m、4H)、6.45−6.38(m、4H)、5.68−5.64(m、4H)
13C NMR(CDCl、100MHz)δ(ppm)−152.7、150.9、150.4、149.1、149.0、148.5、148.0、147.6、145.3、139.3、137.8、135.7、134.5、133.9、131.6、131.4、129.4、129.2、128.7、128.1、127.0、126.1、126.0、125.9、125.1、124.8、124.7、124.2、124.0、123.6、122.9、122.8、121.3、119.8、117.9、117.7、117.5、117.1、113.8、113.6
合成例8.化合物184の製造
【0157】
下記反応式8の反応経路を経て化合物184を合成した。
【0158】
【化37】

(反応式8)
中間体Pの合成
【0159】
1,5−ジブロモナフタレン14.3g(50mmol)をジエチルエーテル150mLに溶かした後、−78℃でノルマルブチルリチウム(20mL、2.5M in Hexane)を添加した。30分後、温度をゆっくりと常温に昇温させた。30分後、ホウ酸トリイソプロピル23mL(100mmol)をジエチルエーテル50mLに溶かした溶液を−78℃に保持し、前記溶液をゆっくりと添加した。室温で5時間撹はんした後、水を添加してジエチルエーテル(200mL)で3回洗浄した。洗浄されたジエチルエーテル層をMgSOで乾燥させた後、減圧乾燥して生成物を得てノルマルヘキサンで再結晶して中間体Pを白色固体として9.15g(収率73%)を得た。
【0160】
H NMR(CDCl、400MHz)δ(ppm)−8.06−8.00(m、2H)、7.85(dd、1H)、7.65(dd、1H)、7.52−7.48(t、1H)、7.35(s、OH)、7.20(t、1H)
13C NMR(CDCl、100MHz)δ(ppm)−141.4、140.1、139.6、139.4、138.6、138.4、137.9、137.3、137.1、136.4、136.2、135.6、130.8、130.6、130.4、129.8、129.7、126.2、101.0
中間体Qの合成
【0161】
中間体P 7.53g(30mmol)、4−ブロモヨードベンゼン17g(60mmol)、Pd(PPh1.7g(1.5mmol)、そしてKCO 20g(150mmol)を100mLのTHF/HO(2:1)混合溶液に溶かして80℃で5時間撹はんした。反応液をジエチルエーテル600mLで3回抽出した。集められた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発させて得られた残留物をジクロロメタンとノルマルヘキサンとで再結晶して中間体Q 7.06g(収率65%)を得た。
【0162】
H NMR(CDCl、400MHz)δ(ppm)−8.14(d、1H)、7.94(dd、1H)、7.79(dd、1H)、7.66(d、1H)、7.45(t、1H)、7.28−7.20(m、5H)
13C NMR(CDCl、100MHz)δ(ppm)−139.1、136.8、133.2、132.8、132.1、131.4、130.4、128.4、127.8、127.2、126.3、125.0、123.5
中間体Rの合成
【0163】
中間体C 2.73g(10mmol)、パラトルイジン1.65mL(15mmol)、t−BuONa 14g(15mmol)、Pd(dba)0.183g(0.2mmol)、P(t−Bu)40mg(0.2mmol)をトルエン30mLに溶かした後90℃で3時間撹はんした。前記反応終了後、常温に冷却させ、これを蒸溜水とジエチルエーテル30mLとで3回抽出した。集められた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発させて得られた残留物をシリカゲルカラムクマトグラフィーで分離精製して中間体R 2.84g(収率95%)を得た。
【0164】
H NMR(CDCl、400MHz)δ(ppm)−7.83−7.81(m、1H)、7.54−7.49(m、2H)、7.24−7.21(m、1H)、7.12(d、1H)、7.02−6.93(m、3H)、6.87(d、2H)、6.58(dd、2H)、5.44(NH)、2.25(s、3H)、1.85(s、6H)
13C NMR(CDCl、100MHz)δ(ppm)−149.1、146.8、140.0、137.7、134.6、133.5、129.7、127.8、127.1、126.8、120.4、119.7、119.3、109.0、107.5、44.9、24.5、20.4
化合物184の合成
【0165】
中間体Q 3.62g(10mmol)、中間体R 6.59g(22mmol)、t−BuONa 2.9g(30mmol)、Pd(dba)366mg(0.4mmol)、そしてP(t−Bu)80mg(0.4mmol)をトルエン60mLに溶かした後90℃で3時間撹はんした。前記反応終了後、常温に冷却させ、これを蒸溜水とジエチルエーテル50mLとで3回抽出した。集められた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発させて得られた残留物をシリカゲルカラムクマトグラフィーで分離精製して化合物184 7.03g(収率88%)を得た。
【0166】
H NMR(CDCl、400MHz)δ(ppm)−8.51(d、1H)、8.19(d、1H)、7.98(d、2H)、7.69−7.44(m、9H)、7.24−6.93(m、10H)、6.43−6.15(m、9H)、2.27(s、6H)、1.85(s、12H)
13C NMR(CDCl、100MHz)δ(ppm)−151.6、150.8、150.0、149.0、148.9、148.1、147.9、147.1、145.4、138.0、136.5、134.8、134.6、133.9、132.7、131.4、129.7、129.2、128.7、127.8、126.8、126.1、123.6、123.5、122.6、121.9、121.7、121.3、120.4、118.7、118.0、117.9、117.8、116.9、112.9、112.7、44.9、24.5、20.4
合成例9.化合物213の製造
【0167】
下記反応式9の反応経路を経て化合物213を合成した。
【0168】
【化38】

(反応式9)
中間体Sの合成
【0169】
9−ブロモアントラセン−10−ホウ酸3g(10mmol)と4−ブロモヨードベンゼン4.24g(15mmol)、Pd(PPh580mg(0.5mmol)、そしてKCO6.9g(50mmol)を50mLのTHF/HO(2:1)混合溶液に溶かして80℃で5時間撹はんした。反応液をジエチルエーテル50mLで3回抽出した。集められた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発させて得られた残留物をジクロロメタンとノルマルヘキサンとで再結晶して中間体S 2.47g(収率60%)を得た。
【0170】
H NMR(CDCl、400MHz)δ(ppm)−8.61(d、2H)、7.72(d、2H)、7.62−7.57(m、4H)、7.41−7.37(m、2H)、7.29−7.25(m、2H)
13C NMR(CDCl、100MHz)δ(ppm)−137.3、136.2、132.8、131.7、130.8、130.2、128.0、127.0、125.8、123.2、122.1
化合物213の合成
【0171】
中間体S 4.12g(10mmol)、中間体K 6.28g(22mmol)、t−BuONa 2.9g(30mmol)、Pd(dba)366mg(0.4mmol)、そしてP(t−Bu)80mg(0.4mmol)をトルエン60mLに溶かした後90℃で3時間撹はんした。前記反応終了後、常温に冷却させ、これを蒸溜水とジエチルエーテル50mLとで3回抽出した。集められた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発させて得られた残留物をシリカゲルカラムクマトグラフィーで分離精製して化合物213 5.99g(収率73%)を得た。
【0172】
H NMR(CDCl、400MHz)δ(ppm)−8.55(d、2H)、8.01(dd、4H)、7.68(d、2H)、7.63−7.53(m、7H)、7.33−7.21(m、7H)、7.15−7.10(m、2H)、6.97−6.93(m、2H)、6.62(t、2H)、6.40−6.27(m、4H)、5.68−5.62(m、4H)、1.85(s、12H)
13C NMR(CDCl、100MHz)δ(ppm)−155.2、151.8、151.7、150.8、148.1、147.9、147.1、145.8、138.0、137.6、136.5、134.3、133.4、133.2、131.7、130.7、129.4、127.8、126.8、126.3、126.2、126.1、125.4、125.0、124.6、124.0、123.6、123.2、122.9、121.7、118.7、118.2、118.1、117.8、113.1、112.7、44.9、24.5
実施例1
【0173】
アノードは、コーニング(corning)15Ωcm(1200Å)ITOガラス基板を50mm×50mm×0.7mmサイズに切ってイソプロピルアルコールと純水を利用して各5分間超音波洗浄した後、30分間紫外線を照射してオゾンに露出させて洗浄し、真空蒸着装置に、このガラス基板を設けた。
【0174】
前記基板の上部に、まず正孔注入層として本発明の化合物である化合物1を真空蒸着して600Åの厚さに形成した後、次いで、正孔輸送性化合物として4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(以下、NPB)を300Åの厚さに真空蒸着して正孔輸送層を形成した。
【0175】
前記正孔輸送層の上部に公知の青色蛍光ホストであるIDE215(出光社)と公知の青色蛍光ドープ剤であるIDE118(出光社)を重量比98:2で同時蒸着して200Åの厚さに発光層を形成した。
【0176】
次いで、前記発光層の上部に電子輸送層としてAlqを300Å厚さに蒸着した後、この電子輸送層の上部にハロゲン化アルカリ金属であるLiFを電子注入層として10Å厚さに蒸着し、Alを3000Å(カソード)厚さに真空蒸着してLiF/Al電極を形成することによって有機発光素子を製造した。
【0177】
この素子は、電流密度100mA/cmで駆動電圧6.68V、発光輝度7,898cd/mの高輝度を表し、色座標は(0.144、0.232)であり、発光効率は7.9cd/Aであった。
実施例2
【0178】
正孔注入層の形成時、化合物1の代わりに化合物2を用いたことを除いては、実施例1と同一にして有機発光素子を製作した。
【0179】
この素子は、電流密度100mA/cmで駆動電圧6.72V、発光輝度7,733cd/mの高輝度を表し、色座標は(0.144、0.236)であり、発光効率は7.73cd/Aであった。
実施例3
【0180】
正孔注入層の形成時に化合物1の代わりに化合物3を利用したことを除いては、実施例1と同一にして有機発光素子を製作した。
【0181】
この素子は、電流密度100mA/cmで駆動電圧6.79V、発光輝度7,490cd/mの高輝度を表し、色座標は(0.143、0.237)であり、発光効率は7.49cd/Aであった。
実施例4
【0182】
正孔注入層の形成時に化合物1の代わりに化合物32を利用したことを除いては、実施例1と同一にして有機発光素子を製作した。
【0183】
この素子は、電流密度100mA/cmで駆動電圧6.64V、発光輝度7,289cd/mの高輝度を表し、色座標は(0.145、0.241)であり、発光効率は7.29cd/Aであった。
実施例5
【0184】
正孔注入層の形成時に化合物1の代わりに化合物105を利用したことを除いては、実施例1と同一にして有機発光素子を製作した。
【0185】
この素子は、電流密度100mA/cmで駆動電圧6.75V、発光輝度7,406cd/mの高輝度を表し、色座標は(0.145、0.236)であり、発光効率は7.41cd/Aであった。
実施例6
【0186】
アノードは、コーニング15Ωcm(1200Å)ITOガラス基板を50mm×50mm×0.7mmサイズに切ってイソプロピルアルコールと純水とを利用して各5分間超音波洗浄した後、30分間紫外線を照射し、オゾンに露出させて洗浄し、真空蒸着装置にこのガラス基板を設けた。
【0187】
前記基板上部に、まず正孔注入層として公知の化合物である2−TNATAを真空蒸着して600Å厚さに形成した後、次いで、正孔輸送性化合物として本発明の化合物153を300Å厚さに真空蒸着して正孔輸送層を形成した。
【0188】
【化39】

【0189】
前記正孔輸送層の上部に公知の青色蛍光ホストであるIDE215(出光社)と公知の青色蛍光ドープ剤であるIDE118(出光社)とを重量比98:2で同時蒸着して200Å厚さに発光層を形成した。
【0190】
次いで、前記発光層の上部に電子輸送層でAlqを300Å厚さに蒸着した後、この電子輸送層の上部にハロゲン化アルカリ金属であるLiFを電子注入層として10Å厚さに蒸着し、Alを3000Å(カソード)厚さに真空蒸着してLiF/Al電極を形成することによって有機発光素子を製造した。
【0191】
この素子は、電流密度100mA/cmで駆動電圧6.57V、発光輝度8,340cd/mの高輝度を表し、色座標は(0.144、0.233)であり、発光効率は8.34cd/Aであった。
実施例7
【0192】
前記実施例6で正孔輸送層の形成時に化合物153の代わりに化合物173を利用したことを除いては、実施例6と同一にして有機発光素子を製作した。
【0193】
この素子は、電流密度100mA/cmで駆動電圧6.72V、発光輝度7,950cd/mの高輝度を表し、色座標は(0.143、0.231)であり、発光効率は7.95cd/Aであった。
実施例8
【0194】
前記実施例6で正孔輸送層の形成時に化合物153の代わりに化合物184を利用したことを除いては、実施例6と同一にして有機発光素子を製作した。
【0195】
この素子は、電流密度100mA/cmで駆動電圧6.83V、発光輝度7,890cd/mの高輝度を表し、色座標は(0.144、0.229)であり、発光効率は7.89cd/Aであった。
実施例9
【0196】
前記実施例6で正孔注入層の形成時に化合物153の代わりに化合物213を利用したことを除いては、実施例6と同一にして有機発光素子を製作した。
【0197】
この素子は、電流密度100mA/cmで駆動電圧7.05V、発光輝度7,896cd/mの高輝度を表し、色座標は(0.145、0.234)であり、発光効率は7.90cd/Aであった。
比較例1
【0198】
正孔注入層の形成時に前記化合物1の代わりに下の物質の化合物を利用したことを除いては、実施例1と同一にして有機発光素子を製作した。
【0199】
この素子は、電流密度100mA/cmで駆動電圧6.81V、発光輝度7,134cd/mを表し、色座標は(0.144、0.237)と同一であり、発光効率は7.13cd/Aであった。
【0200】
【化40】

比較例2
【0201】
正孔注入層の形成時に前記化合物1の代わりに公知の物質である2−TNATAを利用したことを除いては、実施例1と同一にして有機発光素子を製作した。
【0202】
この素子は、電流密度100mA/cmで駆動電圧7.45V、発光輝度6,102cd/mを表し、色座標は(0.144、0.232)とほぼ同一であり、発光効率は6.1cd/Aであった。
【0203】
【化41】

【0204】
本発明の化学式1の構造を有する化合物はいずれも比較例化合物より優秀な素子特性を表し、特に化合物1と類似した構造を有する比較例1の場合と比較してみれば、駆動電圧が低くなり、効率が向上し、かつ寿命は1.5倍以上増加する優秀な結果を表した(図2)。これは本発明の化合物1の中心構造に位置したナフチル基の効果であって、フェニル基に比べて正孔注入または輸送時に生成されるラジカルをさらに安定化させる効果に起因するともの言える。
【0205】
また、前記結果から分かるように、本発明による化学式1の構造を有する化合物を正孔注入材料または正孔輸送材料として有機発光素子に使用した結果、いずれも公知の物質である2−TNATAに比べて駆動電圧が低くなり、特に効率が30%以上向上する優秀なI−V−L特性を表し(図3参照)、優秀な正孔注入及び正孔輸送能に基づいた低電圧、高効率、高輝度、長寿命の有機発光素子を製作することができた。
【0206】
本発明について前記合成例及び実施例を参考にして説明したが、これは例示的なものに過ぎず、本発明に属する技術分野の当業者ならば、これより多様な変形及び均等な他実施例が可能であるという点を理解できるであろう。よって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想により決まるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0207】
本発明は、有機発光素子及びそれを備えた平板表示装置関連の技術分野に好適に適用されうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表示される化合物:
【化1】

(化学式1)
前記式で、
Xは、置換または非置換のC−C20アリール基または置換または非置換のC−C20縮合多環基であり、
Yは、化学式7で表示される化合物または化学式8で表示される化合物であり、
【化2】

(化学式7)
【化3】

(化学式8)
この際、R、R、R、R及びRは、各々独立して、水素、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、フッ素、シアノ基またはアミン基であり、前記R、R、R、R及びRのうち、隣接した基が互いに結合して飽和または不飽和炭素環を形成してよく、
Ar及びArは、各々独立して、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C20アリールオキシ基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリール基、または置換または非置換のC−C20縮合多環基である。
【請求項2】
前記Xは、下記化学式のうち、いずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【化4】

【請求項3】
下記化学式2で表示される請求項1に記載の化合物:
【化5】

(化学式2)
前記式で、
、R、R、R、R10、R11及びR12は、各々独立して、水素、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、フッ素、シアノ基またはアミン基で、前記R、R、R、R、R10、R11及びR12のうち、隣接した基が互いに結合して飽和または不飽和炭素環を形成してよく、
Ar及びArは、各々独立して、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C20アリールオキシ基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリール基、または置換または非置換のC−C20縮合多環基である。
【請求項4】
下記化学式3で表示される請求項1に記載の化合物:
【化6】

(化学式3)
前記式で、
、R、R、R、R10、R11及びR12は、各々独立して、水素、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、フッ素、シアノ基またはアミン基で、前記R、R、R、R、R10、R11及びR12のうち、隣接した基が互いに結合して飽和または不飽和炭素環を形成してよく、
Ar及びArは、各々独立して、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C20アリールオキシ基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリール基、または置換または非置換のC−C20縮合多環基である。
【請求項5】
下記化学式4で表示される請求項1に記載の化合物:
【化7】

(化学式4)
前記式で、
13、R14、R15、R16、R17及びR18は、各々独立して、水素、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、フッ素、シアノ基またはアミン基で、前記R13、R14、R15、R16、R17及びR18のうち、隣接した基が互いに結合して飽和または不飽和炭素環を形成してよく、
Ar及びArは、各々独立して、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C20アリールオキシ基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリール基、または置換または非置換のC−C20縮合多環基である。
【請求項6】
下記化学式5で表示される請求項1に記載の化合物:
【化8】

(化学式5)
前記式で、
13、R14、R15、R16、R17及びR18は、各々独立して、水素、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、フッ素、シアノ基またはアミン基で、前記R13、R14、R15、R16、R17及びR18のうち、隣接した基が互いに結合して飽和または不飽和炭素環を形成してよく、
Ar及びArは、各々独立して、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C20アリールオキシ基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリール基、または置換または非置換のC−C20縮合多環基である。
【請求項7】
下記化学式6で表示される請求項1に記載の化合物:
【化9】

(化学式6)
前記式で、
13、R14、R15、R16、R17及びR18は、各々独立して、水素、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、フッ素、シアノ基またはアミン基で、前記R13、R14、R15、R16、R17及びR18のうち、隣接した基が互いに結合して飽和または不飽和炭素環を形成してよく、
Ar及びArは、各々独立して、置換または非置換のC−C20アリール基、置換または非置換のC−C20アリールオキシ基、置換または非置換のC−C20ヘテロアリール基、または置換または非置換のC−C20縮合多環基である。
【請求項8】
前記Ar及びArは、各々独立して、フェニル基、C−Cアルキルフェニル基、C−Cアルコキシフェニル基、シアノフェニル基、フェノキシフェニル基、フルオロフェニル基、ナフチル基、C−Cアルキルナフチル基、C−Cアルコキシナフチル基、シアノナフチル基、ハロナフチル基、フルオレニル基、カルバゾリル基、C−Cアルキルカルバゾリル基、ビフェニル基、C−Cアルキルビフェニル基、C−Cアルコキシビフェニル基またはピリジル基であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
前記Ar及びArは、各々独立して、フェニル基、エチルフェニル基、エチルビフェニル基、o−,m−またはp−フルオロフェニル基、ジクロロフェニル基、ジシアノフェニル基、トリフルオロフェニル基、メトキシフェニル基、o−,m−またはp−トリル基、メシチル基、フェノキシフェニル基、(α,α−ジメチルベンゼン)フェニル基、(N,N’−ジメチル)アミノフェニル基、(N,N’−ジフェニル)アミノフェニル基、ペンタレニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントラセニル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、アセナフチレニル基、フルオレニル基、アントラキノリル基、ペナントリル基、トリフェニレン基、ペンタフェニル基、ヘキサフェニル基、カルバゾリル基であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
前記Ar及びArは、各々独立して、フルオレニル基、カルバゾリル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基から選択される1ないし3環のアリール基またはそれらの芳香族環にC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、シアノ、アミン、フェノキシ、フェニル及びハロゲン元素からなる群から選択された1つないし3つが置換されたことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
下記化学式で表示される化合物のうち、1つであることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【化10】

【化11】

【請求項12】
第1電極;第2電極;及び前記第1電極及び第2電極間に介在された有機膜を備えた有機発光素子であって、前記有機膜が請求項1ないし11のうち、いずれか1項に記載の化合物を含むことを特徴とする有機発光素子。
【請求項13】
前記有機膜が正孔注入層または正孔輸送層であることを特徴とする請求項12に記載の有機発光素子。
【請求項14】
前記有機膜が正孔注入機能及び正孔輸送機能を同時に有する単一膜であることを特徴とする請求項12に記載の有機発光素子。
【請求項15】
前記有機膜が発光層であることを特徴とする請求項12に記載の有機発光素子。
【請求項16】
前記発光層が、請求項1ないし11のうち、いずれか1項に記載の化合物をホストとして含み、燐光または蛍光ドープ剤をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の有機発光素子。
【請求項17】
前記素子が、第1電極/正孔注入層/発光層/第2電極、第1電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/第2電極または第1電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/第2電極構造を有することを特徴とする請求項12に記載の有機発光素子。
【請求項18】
正孔阻止層及び電子阻止層のうち、1つ以上の層をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の有機発光素子。
【請求項19】
請求項12ないし18のうち、いずれか1項に記載の有機発光素子を備え、前記有機発光素子の第1電極が薄膜トランジスタのソース電極またはドレイン電極と電気的に連結されていることを特徴とする平板表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−185030(P2009−185030A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−27510(P2009−27510)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【Fターム(参考)】