説明

有機発光素子

【課題】有機発光素子を提供する。
【解決手段】基板と、第1電極と、第2電極と、第1電極と第2電極との間に備えられ、発光層を備える有機層と、を備え、第1電極と発光層との間に第1ホストと第1ドーパントとを備える第1中間層、第1ドーパントを備える第2中間層、及び第2ホストと第1ドーパントとを備える第3中間層が介在された有機発光素子である。該有機発光素子は、長寿命を有することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光素子に係り、特に第1ホストと第1ドーパントとを備える第1中間層、前記第1ドーパントを備える第2中間層、及び第2ホストと前記第1ドーパントとを備える第3中間層が第1電極と発光層との間に介在された有機発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光素子は、自発光型素子であって、視野角が広く、コントラストが優秀であるだけでなく、応答時間が速いという長所を有しているために大きい注目を受けている。また、前記有機発光素子は、駆動電圧及び応答速度特性が優秀であり、多色化が可能であるという点で多くの研究が行われている。
【0003】
有機発光素子は、一般的にアノード/発光層/カソードの積層構造を有し、前記アノードと発光層との間または発光層とカソードとの間に正孔注入層、正孔輸送層及び電子注入層をさらに積層して、アノード/正孔輸送層/発光層/カソード及びアノード/正孔輸送層/発光層/電子注入層/カソードなどの構造を有する。前記有機発光素子の例は、特許文献1を参照する。
【0004】
しかし、従来の有機発光素子は、満足すべき寿命特性などを有さないところ、その改善が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第2005−0040960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、第1電極と発光層との間の中間層を介在させて長寿命を有する有機発光素子を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は、基板と、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に備えられ、発光層を備える有機層と、を備え、前記第1電極と前記発光層との間に第1ホストと第1ドーパントとを備える第1中間層、前記第1ドーパントを備える第2中間層、及び第2ホストと前記第1ドーパントとを備える第3中間層が介在された有機発光素子を提供する。
【発明の効果】
【0008】
前述したような有機発光素子は、第1電極と発光層との間に第1ホストと第1ドーパントとを備える第1中間層、前記第1ドーパントを備える第2中間層、及び第2ホストと前記第1ドーパントとを備える第3中間層を備えるところ、長寿命を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明による有機発光素子の一具現例の構造を概略的に示す断面図である。
【図2】本発明による有機発光素子の一具現例の構造を概略的に示す断面図である。
【図3】本発明による有機発光素子の一具現例及び従来の有機発光素子の時間−輝度グラフを示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明による有機発光素子は、基板と、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に備えられ、発光層を備える有機層と、を備えるが、第1ホストと第1ドーパントとを備える第1中間層、前記第1ドーパントを備える第2中間層、及び第2ホストと前記第1ドーパントとを備える第3中間層が前記第1電極と前記発光層との間に介在されている。
【0011】
本発明による有機発光素子は、図1に示したような前記基板、第1電極、第1中間層、第2中間層、第3中間層、発光層及び第2電極が順次に積層された構造を有する。
【0012】
本発明による有機発光素子の有機層は、前述したような第1中間層、第2中間層、第3中間層及び発光層以外に、正孔抑制層、電子輸送層及び電子注入層のうち一つ以上をさらに備える。
【0013】
図2は、本発明による有機発光素子の一具現例を簡略に示す図面であって、基板、第1電極、第1中間層、第2中間層、第3中間層、発光層、電子輸送層、電子注入層及び第2電極が順次に積層された構造を有する。以下、図2に示した有機発光素子を例として本発明による有機発光素子及びその製造方法について説明する。
【0014】
前記基板としては、通常の一般的な有機発光素子で使われる基板を使用できる。前記基板の例として、機械的強度、熱的安定性、透明性、表面平滑性、取扱容易性及び防水性に優れたガラス基板または透明プラスチック基板を利用できる。図2には示していないが、前記基板と第1電極との間には、平坦化膜、絶縁層などが必要に応じてさらに備えられる。
【0015】
基板の上部には、第1電極が備えられている。前記第1電極は、赤、緑、青色の副画素別にパターニングされ、アノードまたはカソードでありうる。前記第1電極は、透明電極、半透明電極または反射電極であり、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、Al、Ag、Mgなどを利用して形成されるが、これらに限定されるものではない。また、異なる二つ以上の物質を利用して二層以上の構造を有するなど多様な変形が可能である。
【0016】
一方、図2には示していないが、前記第1電極のエッジには、絶縁層が備えられる。前記絶縁層は、本発明による有機発光素子を、フルカラーを発光する素子で構成しようとする場合、画素定義膜(pixel insulating layer)の役割を行える(画素定義膜については、例えば、特開2007−200843号公報、特開2006−114498号公報、特開2005−322619号公報などを参照のこと。)。前記絶縁層をなす物質は、SiO、SiNなどの無機物またはポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂などの有機物など通常の絶縁物質でありうる。
【0017】
前記第1電極の上部には、第1中間層、第2中間層及び第3中間層が順次に備えられている。前記第1中間層は、第1ホスト及び第1ドーパントを備え、前記第2中間層は、前記第1ドーパントを備え、前記第3中間層は、第2ホスト及び前記第1ドーパントを備える。
【0018】
前記第1ホスト及び前記第2ホストのHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)レベルは、互いに独立的に−5.5±1.0eV、望ましくは、−5.5±0.5eVである。一方、前記第1ドーパントのLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)レベルは、−5.5±1.0eV、望ましくは、−5.5±0.5eVである。
【0019】
特に、前記第1ホストのHOMOレベルと前記第1ドーパントのLUMOレベルとの差の絶対値、及び前記第2ホストのHOMOレベルと前記第1ドーパントのLUMOレベルとの差の絶対値は、互いに独立的に0eVないし0.5eV、望ましくは、0eVないし0.2eVでありうる。
【0020】
通常、一般的に、有機発光素子のアノードから有機層に注入される正孔の移動度は、カソードから有機層に注入される電子の移動度に比べて速い傾向があるところ、かかる正孔注入及び電子注入の不均衡は、有機発光素子の駆動時の劣化を促進する。しかし、前述したような範囲のHOMOレベルを有するホスト及びLUMOレベルを有するドーパントを利用して第1中間層、第2中間層及び第3中間層を形成する場合、正孔及び電子注入の均衡をなし、正孔及び電子の再結合効率が高くなって有機発光素子の寿命向上をなすことができる。
【0021】
前記第1ホスト及び前記第2ホストは、互いに同一であるか、または異なりうる。
【0022】
前記第1ホスト及び前記第2ホストは、互いに独立的に前述したようなHOMOレベル範囲などを満たす正孔輸送物質または正孔注入物質でありうる。
【0023】
さらに具体的に、前記第1ホスト及び前記第2ホストの非制限的な例としては、フタロシアニン系化合物、N−フェニルカルバゾール、ポリビニルカルバゾールなどのカルバゾール誘導体、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(α−NPD)などの芳香族縮合環を有する通常の一般的なアミン誘導体、4,4’,4”−トリス(N−カルバゾリル)−トリフェニルアミン(TCTA)、4,4’,4”−トリス(N−フェニル−N−m−トリルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、1,3,5−トリス(p−N−フェニル−N−m−トリル)アミノフェニル)ベンゼン(m−MTDAPB)(ここで、TCTA(下式に示す)、m−MTDATA(下式に示す)、m−MTDAPBは、J.Chem.Inf.Comput.Sci.2003年 vol.43,pp970〜977にその化学構造式が示されている)、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(Pani/DBSA)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/カンフルスルホン酸(Pani/CSA)、または(ポリアニリン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PANI/PSS)、下記化学式1で表示される化合物などが挙げられる。
【0024】
【化1】

【0025】
前記化学式1中で、Xは、置換または非置換されたCないしC30アルキレン基、置換または非置換されたCないしC30アルケニレン基、置換または非置換されたCないしC30アリーレン基、または置換または非置換されたCないしC30ヘテロアリーレン基を表す。望ましくは、前記Xは、置換または非置換されたCないしC10アルキレン基、置換または非置換されたCないしC10アルケニレン基、置換または非置換されたCないしC12アリーレン基、または置換または非置換されたCないしC12ヘテロアリーレン基でありうる。さらに具体的に、前記Xは、フェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基などであるが、これらに限定されるものではない。
【0026】
前記化学式1中で、nは、1ないし5の整数、望ましくは、1ないし3の整数である。
【0027】
前記化学式1中で、R、R、Rは、それぞれ独立的に水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、アミノ基、置換または非置換されたCないしC30アルキル基、置換または非置換されたCないしC30アルコキシ基、置換または非置換されたCないしC30アリール基、または置換または非置換されたCないしC30ヘテロアリール基を表し、R、R、Rのうち二つ以上は互いに結合して飽和または不飽和環を形成できる。望ましくは、前記R、R、Rは、それぞれ独立的に水素原子、ヒドロキシ基、シアノ基、アミノ基、置換または非置換されたCないしC10アルキル基、置換または非置換されたCないしC10アルコキシ基、置換または非置換されたCないしC12アリール基、または置換または非置換されたCないしC12ヘテロアリール基を表し、R、R、Rのうち二つ以上は互いに結合して飽和または不飽和環を形成できる。
【0028】
前記化学式1中で、Arは、置換または非置換されたCないしC30アリール基または置換または非置換されたCないしC30ヘテロアリール基である。望ましくは、前記Arは、置換または非置換されたCないしC12アリール基または置換または非置換されたCないしC12ヘテロアリール基である。さらに具体的に、前記Arは、フェニル基、ナフチル基などであるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
さらに具体的に、前記化学式1は、下記化学式2で表示される。
【0030】
【化2】

【0031】
前記化学式2中で、RないしRは、互いに独立的に水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、アミノ基、置換または非置換されたCないしC30アルキル基、置換または非置換されたCないしC30アルコキシ基、置換または非置換されたCないしC30アリール基、または置換または非置換されたCないしC30ヘテロアリール基を表し、R、R、Rのうち二つ以上は互いに結合して飽和または不飽和環を形成できる。
【0032】
前記化学式2中で、Rは、水素原子、シアノ基、フッ素原子、または置換または非置換されたCないしC30アルキル基、または置換または非置換されたCないしC30アリール基、置換または非置換されたCないしC30ヘテロ環基、または置換または非置換されたアミノ基でありうる。
【0033】
前記化学式1で表示される化合物は、下記化合物1または2で表示されるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
【化3】

【0035】
その中で、前記化合物1のHOMOレベルは−5.16eV、LUMOレベルは−2.16eVである。
【0036】
前記第1ドーパントは、前述したようなLUMOレベル範囲などを満たすドーパントでありうる。さらに具体的に、前記第1ドーパントは、p−ドーパントであるが、例えば、シアノ基及びフッ素原子(フッ素基)のうち一つ以上が置換されたCないしC30芳香族化合物、またはシアノ基及びフッ素原子(フッ素基)のうち一つ以上が置換されたCないしC30ヘテロ芳香族化合物であるが、これらに限定されるものではない。
【0037】
さらに具体的に、前記第1ドーパントは、下記化合物3または4であるが、これらに限定されるものではない。
【0038】
【化4】

【0039】
その中で、化合物3のHOMOレベルは−7.57eVであり、LUMOレベルは−5.34eVである。また、化合物4のHOMOレベルは−7.1eVであり、LUMOレベルは−5.38eVである。
【0040】
前記第1中間層中の第1ドーパントの含量は、前記第1ホストの含量及び前記第1ドーパントの含量の和100重量部当たり0.1重量部ないし10重量部、望ましくは、0.2重量部ないし2重量部でありうる。また、前記第3中間層中の第1ドーパントの含量は、前記第2ホストの含量及び前記第1ドーパントの含量の和100重量部当たり0.1重量部ないし10重量部、望ましくは、0.2重量部ないし2重量部でありうる。前記第1ドーパントの含量が前述したような範囲を満たす場合、濃度消光などの現象が起こらない。
【0041】
前記第1中間層及び前記第3中間層の厚さは、互いに独立的に10Åないし1000Å、望ましくは、20Åないし800Åでありうる。一方、前記第2中間層の厚さは、10Åないし100Å、望ましくは、20Åないし50Åでありうる。前記第1中間層及び前記第3中間層の厚さが前述したところを満たす場合、駆動電圧上昇などが実質的に防止される。また、前記第2中間層の厚さが前述したところを満たす場合、駆動電圧上昇が実質的に防止可能である。また、本発明の構成においては、前記第1ドーパント+前記第1ないし第2ホストを備える第1中間層と第3中間層の間に前記第1ドーパントのみを備える第2中間層を形成することで、本発明のように第1中間層、第2中間層及び第3中間層が順番に積層されたOLEDは長寿命を有することができ(これは本願発明に含まれた効果データ(実施例)からも確認可能である)、その結果、正孔及び電子注入の均衡をなすことができ、正孔及び電子の再結合効率が高くなって有機発光素子の寿命向上をなすことができる。
【0042】
前記第1中間層、第2中間層及び第3中間層は、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB(Langmuir−Blodgett、ラングミュア−ブロジェット)法のような多様な方法を利用して形成される。
【0043】
蒸着法により前記第1中間層、第2中間層及び第3中間層を形成する場合、その蒸着条件は、各層の材料として使用する化合物の熱的特性などによって異なるが、一般的に蒸着温度100ないし500℃、真空度10−8ないし10−3torr、蒸着速度0.01ないし100Å/secの範囲で適切に選択される。
【0044】
前記第3中間層の上部には、発光層が真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような多様な方法を利用して形成される。発光層の形成条件は、発光層の材料として使用する化合物の種類によって異なるが、前記第1中間層、第2中間層及び第3中間層の形成条件内で適切に選択される。
【0045】
前記発光層は、公知の発光材料を利用して形成でき、公知のホスト及びドーパントを使用できる。
【0046】
公知のホスト材料として、例えば、Alq3(トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(III))またはCBP(4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル)、ポリ(n−ビニルカルバゾール)(PVK;下式に示す)、9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン(ADN;下式に示す)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾレート]亜鉛(Zn(BTZ))などを使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0047】
【化5】

【0048】
一方、公知の赤色ドーパントとして白金(II)オクタエチルポリフィリン(PtOEP;下式に示す)、Ir(piq)(下式に示す)、BtpIr(acac)(下式に示す)、4−(ジシアノメチレン)−2−tert−ブチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)−4H−ピラン(DCJTB)などを利用できるが、これらに限定されるものではない。
【0049】
【化6】

【0050】
また、公知の緑色ドーパントとしてIr(ppy)(ppy=フェニルピリジン)(下式に示す)、Ir(ppy)(acac)(下式に示す)、Ir(mpyp)(下式に示す)、10−(2−ベンゾチアゾリル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1,1,7,7−テトラメチル1−1H,5H,11H−〔1〕ベンゾピラノ〔6,7,8,ij〕キノリジン−11−オン(C545T;イーストマン−コダック社の商品名)などを利用できるが、これらに限定されるものではない。
【0051】
【化7】

【0052】
一方、公知の青色ドーパントとしてFIrpic(下式に示す)、(Fppy)Ir(tmd)(下式に示す)、Ir(dfppz)(下式に示す)、ter−フルオレン、4,4’−ビス(4−ジフェニルアミノスチリル)ビフェニル(DPAVBi;下式に示す)、2,5,8,11−テトラ−tert−ブチルペリレン(TBP;下式に示す)、下記化合物5、Firpric(下式に示す)、Ir(piq)(トリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム(III))などを利用できるが、これらに限定されるものではない。
【0053】
【化8】

【0054】
【化9】

【0055】
【化10】

【0056】
ドーパントとホストとを共に使用する場合、ドーパントのドーピング濃度は、特別に制限されないが、通常、ホスト100重量部を基準として、前記ドーパントの含量は0.01ないし20重量部でありうる。
【0057】
前記発光層の厚さは、約100Åないし1000Å、望ましくは、200Åないし600Åでありうる。前記発光層の厚さが前述したような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧の低下なしに優秀な発光特性を表すことができる。
【0058】
発光層に燐光ドーパントと共に使用する場合には、三重項励起子または正孔が電子輸送層に拡散する現象を防止するために、前記正孔抑制層(Hole Blocking Layer:HBL)をさらに形成できる(図2には図示せず)。前記正孔抑制層は、例えば、図2の発光層と電子輸送層との間に形成することができる。真空蒸着法及びスピンコーティング法によりHBLを形成する場合、その条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に第1中間層などの形成とほぼ同じ条件範囲中で選択される。前記正孔抑制材料としては、公知の材料を使用できるが、例えば、オキサジアゾール誘導体やトリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体などが挙げられる。
【0059】
前記HBLの厚さは、約50Åないし1000Å、望ましくは、100Åないし300Åでありうる。前記HBLの厚さが前述したような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧の低下なしに優秀な正孔阻止特性が得られる。
【0060】
次いで、電子輸送層(Electron Transport Layer:ETL)を真空蒸着法、スピンコーティング法またはキャスト法などの多様な方法を利用して形成する。真空蒸着法及びスピンコーティング法によりETLを形成する場合、その条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に第1中間層などの形成とほぼ同じ条件範囲中で選択される。前記ETLの材料は、電子注入電極(カソード)から注入された電子を安定して輸送する機能を行うものであって、公知の電子輸送物質であるキノリン誘導体、特にトリス(8−キノリノレート)アルミニウム(Alq3)、TAZ(下式に示す)、ビス(2−メチル−8−キノリノレート)(p−フェニルフェノレート)アルミニウム(BAlq)、下記化合物6などを使用することもできるが、これらに限定されるものではない。
【0061】
【化11】

【0062】
【化12】

【0063】
前記ETLの厚さは、約100Åないし1000Å、望ましくは、150Åないし500Åでありうる。前記ETLの厚さが前述したような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧の低下なしに満足すべき電子輸送特性が得られる。
【0064】
また、ETLの上部に第2電極からの電子の注入を容易にする機能を有する物質である電子注入層(Electron Injection Layer:EIL)が積層され、これは、特別に材料を制限しない。
【0065】
前記EILの形成材料としては、公知の電子注入材料を利用できるが、その非制限的な例としては、Liq(リチウムキュー)(下式に示す)、LiF、NaCl、CsF、LiO、BaOなどが挙げられる。前記EILの蒸着条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に第1中間層などの形成とほぼ同じ条件範囲中で選択される。
【0066】
【化13】

【0067】
前記EILの厚さは、約1Åないし100Å、望ましくは、5Åないし50Åでありうる。前記EILの厚さが前述したような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧の低下なしに満足すべき電子注入特性が得られる。
【0068】
最後に、EILの上部に真空蒸着法やスパッタリング法などの方法を利用して第2電極を形成できる。前記第2電極は、カソードとして使われる。前記第2電極形成用の金属としては、低い仕事関数を有する金属、合金、電気伝導性化合物及びそれらの混合物を使用できる。具体的な例としては、Li、Mg、Al、Al−Li、Ca、Mg−In、Mg−Agなどが挙げられる。また、前面発光素子を得るために、ITO、IZOを使用した透過型カソードを使用することもできる。
【0069】
本明細書中で、非置換されたCないしC30アルキル基の具体的な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、iso−アミル基、へキシル基などが挙げられる。前記アルキル基のうち一つ以上の水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボキシル基やその塩、スルホン酸基やその塩、燐酸基やその塩、またはCないしC30アルキル基、CないしC30アルケニル基、CないしC30アルキニル基、CないしC30アリール基、CないしC20アリールアルキル基、CないしC20ヘテロアリール基、CないしC30ヘテロアリールアルキル基、CないしC30アリールオキシ基または−N(Z)(Z)で表示される化学式に置換されうる。このとき、前記Z及びZは、互いに独立的に水素原子、置換または非置換されたCないしC30アルキル基、置換または非置換されたCないしC30アリール基、及び置換または非置換されたCないしC30ヘテロアリール基からなる群から選択される。
【0070】
本明細書中で、非置換されたCないしC30アルキレン基の具体的な例としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基などがあり、それらのアルキレン基のうち少なくとも一つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様な置換基に置換可能である。
【0071】
本明細書中で、非置換されたCないしC30アルコキシ基は、−OAで表示される基であって、このとき、Aは、前述したようなアルキル基でありうる。前記アルコキシ基の具体的な例として、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、フェニルオキシ基、シクロへキシルオキシ基、ナフチルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ジフェニルオキシ基などがあり、それらのアルコキシ基のうち少なくとも一つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様な置換基に置換可能である。
【0072】
本明細書中で、非置換されたCないしC30アルケニル基は、前記定義されたようなアルキル基の中間や終端に炭素二重結合を含有していることを意味する。即ち、アルケンの任意の炭素原子から一個の水素原子を除去した一価基をいう。一般式はC2n−1−であり、遊離原子価は、ビニル基(CH=CH−)のように不飽和炭素原子上にあっても、アリル基(CH=CHCH−)(2−プロペニル基)のように飽和炭素原子上にあってもよい。例としては、エテニル基(ビニル基)、プロペニル基(アリル基)、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、デセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などがある。それらのアルケニル基のうち少なくとも一つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様な置換基に置換可能である。
【0073】
本明細書中で、非置換されたCないしC30アルケニレン基の具体的な例としては、エテニレン基、プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、ブタジエニレン基などがあり、それらのアルケニレン基のうち少なくとも一つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様な置換基に置換可能である。
【0074】
本明細書中で、CないしC30アルキニル基の具体的な例としては、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、プロパルギル基、1−ブテン−3−イル基などが挙げられる。それらのアルキニル基のうち少なくとも一つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様な置換基に置換可能である。
【0075】
本明細書中で、非置換されたCないしC30アリール基は、一つ以上の芳香族環を含む炭素原子数6ないし30個の炭素環芳香族システム(carbocyclic aromatic system)を含む1価基(即ち、アレーンから一個の環炭素原子(ring carbon atom)の一個の水素原子を除去することにより生成される基)を意味し、前記二つ以上の環は互いに融合されるか、または単一結合などを通じて連結される。前記アリール基のうち一つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様な置換基に置換可能である。
【0076】
本明細書中で、置換または非置換されたCないしC30アリール基の例としては、フェニル基、CないしC10アルキルフェニル基(例えば、エチルフェニル基)、ハロフェニル基(例えば、o−、m−及びp−フルオロフェニル基、ジクロロフェニル基)、シアノフェニル基、ジシアノフェニル基、トリフルオロメトキシフェニル基、ビフェニル基、ハロビフェニル基、シアノビフェニル基、CないしC10ビフェニル基、CないしC10アルコキシビフェニル基、o−、m−及びp−トリル基、o−、m−及びp−クメニル基、メシチル基、フェノキシフェニル基、(α,α−ジメチルベンゼン)フェニル基、(N,N’−ジメチル)アミノフェニル基、(N,N’−ジフェニル)アミノフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、ハロナフチル基(例えば、フルオロナフチル基)、CないしC10アルキルナフチル基(例えば、メトキシナフチル基)、CないしC10アルコキシナフチル基(例えば、メトキシナフチル基)、シアノナフチル基、アントラセニル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、アセナフチレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントラキノリル基、メチルアントリル基、フェナントリル基、トリフェニレン基、ピレニル基、クリセニル基、エチル−クリセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、クロロペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネリル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基などが挙げられる。
【0077】
本明細書中で、CないしC30アリールオキシ基の具体的な例としては、例えばフェノキシ基、トリロキシ基、キシリロキシ基、ナフトキシ基などが挙げられる。それらのアリールオキシ基のうち少なくとも一つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様な置換基に置換可能である。
【0078】
本明細書中で、非置換されたCないしC30アリーレン基は、前述したような非置換されたCないしC30アリール基のような構造を有する2価基(即ち、アレーンから、二個の環炭素原子のそれぞれ一個の水素原子を除去することにより生成される二価基)であって、そのうち一つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様な置換基に置換可能である。その具体的な例としては、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、3−カルボキシフェニレン基、4−カルボキシフェニレン基、3,5−ジカルボキシフェニレン基、4−メトキシフェニレン基、2−スルホフェニレン基、4−スルホフェニレン基、5,7−ジスルホ−2−ナフチレン基などが挙げられる。
【0079】
本明細書中で、非置換されたCないしC30ヘテロアリール基は、N、O、PまたはSのうち選択された一つ以上のヘテロ原子を含み、残りの環原子がCである一つ以上の芳香族環からなるシステム(系)を含む1価基(即ち、ヘテロアレーンの任意の環原子(ring atom)から一個の水素原子を除去することにより生成される基)を意味して、前記一つ以上の芳香族環は互いに融合されるか、または単一結合などを通じて連結される。前記ヘテロアリール基のうち一つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様な置換基に置換可能である。
【0080】
前記化学式1中で、非置換されたCないしC30ヘテロアリール基の例には、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、ピリジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、カルバゾリル基、インドリル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピロリル基、フリル基、チエニル基、イソオキサゾリル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ベンゾフリル基、キノリル基、キナゾリル基、プリン基、プリル基、チミル基、シトシル基、アデニル基、グアニル基などが挙げられる。それらは、前記アルキル基の置換基と同様に置換できることはいうまでもない。
【0081】
本明細書中で、CないしC30ヘテロアリールアルキル基の具体的な例としては、N−ピロリルメチル基、2−フリルメチル基、2−チエニルメチル基、2−オキサゾリルメチル基、3−イソオキサゾリルメチル基、2−チアゾリルメチル基、2−イミダゾリルメチル基、4−ピリジルメチル基、4−ピリダジルメチル基、2−ピリミジルメチル基、2−ベンゾフリルメチル基、3−インドリルメチル基、2−キノリルメチル基、2−キナゾリルメチル基、7−プリルメチル基などが挙げられる。それらは、前記アルキル基の置換基と同様に置換できることはいうまでもない。
【0082】
本明細書中で、非置換されたCないしC30ヘテロアリーレン基は、前述したような非置換されたCないしC30ヘテロアリール基のような構造を有する2価基(即ち、ヘテロアレーンから、二個の環原子のそれぞれ一個の水素原子を除去することにより生成される二価基)であって、そのうち一つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様な置換基に置換可能である。例としては、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピリミジン環、ピラジン環、チオフェン環、フラン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環及びトリアゾール環からなる基、及びこれらが縮環して形成される縮環ヘテロアリーレン基等を挙げることができる。
【0083】
本明細書中で、非置換されたCないしC30ヘテロ環基の具体的な例としては、ピロリル基、ピロリジニル基、チエニル基、フリル基、ピリジル基、イミダゾリル基、インドリル基、キノリル基、ピラニル基、モルホリニル基、ピペラジニル基、モルホリノ基などがあり、それらのヘテロ環基のうち少なくとも一つ以上の環原子の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様な置換基に置換可能である。
【0084】
本明細書中で、置換または非置換されたアミノ基としては、アミノ基のうち一つ以上の水素原子が、前述したアルキル基の場合と同様な置換基に置換可能である。
【0085】
本明細書中で、CないしC30芳香族化合物とは、一つ以上の芳香族環を含む炭素原子数6ないし30個の炭素環芳香族システム(carbocyclic aromatic system)を意味し(即ち、ベンゼンを代表とする環状不飽和有機化合物をいい、炭化水素のみで構成された芳香族炭化水素、環構造に炭素以外の元素を含む複素芳香族化合物などを含む広義のものを意味し)、前記二つ以上の環は互いに融合されるか、または単一結合などを通じて連結される。一方、CないしC30ヘテロ芳香族化合物とは、N、O、PまたはSのうち選択された一つ以上のヘテロ原子を含み、残りの環原子がCである一つ以上の芳香族環からなるシステム(系)を意味し、前記一つ以上の芳香族環は互いに融合されるか、または単一結合などを通じて連結される。
【0086】
前記CないしC30芳香族化合物の例としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、アズレン、ヘプタレン、アセナフチレン、フルオレン、フェナレン、フェナントレン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、フェニレンなどが挙げられ、前記CないしC30ヘテロ芳香族化合物の例としては、ピラゾール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、トリアジン、カルバゾール、インドル、キノリン、イソキノリンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0087】
本発明による有機発光素子として、図2に示したような構造を有する有機発光素子を例として説明したが、本発明による有機発光素子は、これに限定されるものではなく、多様な変形が可能であることはいうまでもない。
【0088】
以下、本発明の実施例を具体的に例示するが、本発明が下記実施例に限定されることを意味するものではない。
【実施例】
【0089】
実施例1
次のような構造を有する有機発光素子を製作した:ガラス基板/第1電極(ITO)/第1中間層(化合物1及び化合物3、ドーピング濃度は1wt%)(750Å)/第2中間層(化合物3)(30Å)/第3中間層(化合物1及び化合物3、ドーピング濃度は1wt%)(750Å)/発光層(Zn(BTZ)/Ir(ppy)、ドーピング濃度は15wt%)(400Å)/電子輸送層(化合物6)(300Å)/電子注入層(Liq)(10Å)/第2電極(MgAg)(160Å)。
【0090】
アノード(基板/第1電極の構成)は、コーニング社製15Ω/cm(厚さ1200Å)ITOガラス基板を50mm×50mm×0.7mmのサイズにカットして、イソプロピルアルコールと純水とを利用して各5分間超音波洗浄した後、使用した。前記ITOガラス基板に30分間紫外線を照射し、オゾンに露出させて洗浄した後、真空蒸着装置に前記ガラス基板を設置した。
【0091】
前記基板の上部に第1ホストとしての化合物1及び第1ドーパントとしての化合物3を真空蒸着(化合物3のドーピング濃度は1wt%である)して、750Å厚さの第1中間層を形成した。前記第1中間層の上部に第1ドーパントとして化合物3を真空蒸着して30Å厚さの第2中間層を形成した後、前記第2中間層の上部に第2ホストとしての化合物1及び第1ドーパントとしての化合物3を真空蒸着(化合物3のドーピング濃度は1wt%である)して、750Å厚さの第3中間層を形成した。
【0092】
次いで、前記第3中間層の上部にホスト材料Zn(BTZ)/ドーパントIr(ppy)(Ir(ppy)のドーピング濃度は15wt%である)を真空蒸着して400Å厚さの発光層を形成した後、電子輸送物質として化合物6を真空蒸着して300Å厚さの電子輸送層を形成した。次いで、電子注入材料としてLiqを真空蒸着して10Å厚さの電子注入層を形成した後、MgAg合金(10%、即ち、Mg:Ag=10:1(モル比))で160Å厚さのカソード(第2電極)を形成して有機発光素子を完成した。それをサンプル1という。
【0093】
比較例A
実施例1中で第1中間層及び第3中間層の形成時に化合物1のみを利用したという点を除いては、前記実施例1と同じ方法を利用して有機発光素子を完成した。それをサンプルAという。
【0094】
比較例B
実施例1中で第1中間層、第2中間層及び第3中間層の代わりに、化合物1及び化合物3を真空蒸着(化合物3のドーピング濃度は1wt%である)して1500Å厚さの層を形成したという点を除いては、前記実施例1と同じ方法を利用して有機発光素子を完成した。それをサンプルBという。
【0095】
評価例:寿命特性評価
前記サンプル1、A及びBの輝度をPR650(スペクトロスキャン分光器、PHOTO RESEARCH INC.社製)を利用して経時的に評価して、その結果を図3に示した。図3によれば、本発明によるサンプル1がサンプルA及びBに比べて優秀な寿命特性を有するということが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、有機発光素子関連の技術分野に適用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に備えられ、発光層を備える有機層と、を備え、
前記第1電極と前記発光層との間に第1ホストと第1ドーパントとを備える第1中間層、前記第1ドーパントを備える第2中間層、及び第2ホストと前記第1ドーパントとを備える第3中間層が介在された有機発光素子。
【請求項2】
基板、第1電極、第1中間層、第2中間層、第3中間層、発光層及び第2電極の順で積層されたことを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項3】
前記第1ホスト及び前記第2ホストのHOMOレベルは、−5.5±1.0eVであることを特徴とする請求項1または2に記載の有機発光素子。
【請求項4】
前記第1ドーパントのLUMOレベルは、−5.5±1.0eVであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項5】
前記第1ホストのHOMOレベルと前記第1ドーパントのLUMOレベルとの差の絶対値は、0ないし0.5eVであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項6】
前記第2ホストのHOMOレベルと前記第1ドーパントのLUMOレベルとの差の絶対値は、0ないし0.5eVであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項7】
前記第1ホスト及び前記第2ホストは、互いに独立的に正孔輸送物質または正孔注入物質であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項8】
前記第1ホスト及び前記第2ホストは、互いに独立的にフタロシアニン系化合物、TCTA、m−MTDATA、m−MTDAPB、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(Pani/DBSA)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/カンフルスルホン酸(Pani/CSA)、または(ポリアニリン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PANI/PSS)、下記化学式1で表示される化合物からなる群から選択されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機発光素子:
【化1】

前記化学式1中で、
Xは、置換または非置換されたCないしC30アルキレン基、置換または非置換されたCないしC30アルケニレン基、置換または非置換されたCないしC30アリーレン基、または置換または非置換されたCないしC30ヘテロアリーレン基を表し、
nは、1ないし5の整数であり、
、R、Rは、それぞれ独立的に水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、アミノ基、置換または非置換されたCないしC30アルキル基、置換または非置換されたCないしC30アルコキシ基、置換または非置換されたCないしC30アリール基、または置換または非置換されたCないしC30ヘテロアリール基を表し、R、R、Rのうち二つ以上は互いに結合して飽和または不飽和環を形成でき、
Arは、置換または非置換されたCないしC30アリール基または置換または非置換されたCないしC30ヘテロアリール基である。
【請求項9】
前記第1ホスト及び前記第2ホストは、互いに同じであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項10】
前記第1ホスト及び前記第2ホストは、下記化合物1または2であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機発光素子:
【化2】

【請求項11】
前記第1ドーパントは、シアノ基及びフッ素原子のうち一つ以上が置換されたCないしC30芳香族化合物、またはシアノ基及びフッ素原子のうち一つ以上が置換されたCないしC30ヘテロ芳香族化合物であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項12】
前記第1ドーパントは、下記化合物3または4であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の有機発光素子:
【化3】

【請求項13】
前記第1中間層中の第1ドーパントの含量は、前記第1ホストの含量及び前記第1ドーパントの含量の和100重量部当たり0.1重量部ないし10重量部であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項14】
前記第3中間層中の第1ドーパントの含量は、前記第2ホストの含量及び前記第1ドーパントの含量の和100重量部当たり0.1重量部ないし10重量部であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項15】
前記第1中間層及び第3中間層の厚さは、互いに独立的に10Åないし1000Åであることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項16】
前記第2中間層の厚さは、10Åないし100Åであることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項17】
前記有機層は、正孔抑制層、電子輸送層及び電子注入層のうち一つ以上をさらに備えることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の有機発光素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−200498(P2009−200498A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−38444(P2009−38444)
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【Fターム(参考)】