説明

有機発光素子

【課題】駆動電圧特性、発光効率特性及び電力効率特性が向上した有機発光素子を提供する。
【解決手段】第1元素含有の亜鉛酸化物膜を含んだ第1電極及びシアノ基含有化合物を含んだ第1層を具備する有機発光素子である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Alなどの元素を含有した亜鉛酸化物膜及びシアノ基を含有した化合物を適用した有機発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光素子(organic light emitting diode)は、自発光型素子であって、視野角が広くてコントラストに優れるだけではなく、応答時間が速く、かつ輝度、駆動電圧及び応答速度特性に優れ、多色化が可能であるという長所を有している。
【0003】
一般的な有機発光素子は、基板上にアノードが形成されており、このアノード上に、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及びカソードが順次に形成されている構造を有することができる。ここで、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層は、有機化合物からなる有機薄膜である(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
前述のような構造を有する有機発光素子の駆動原理は、次の通りである。
【0005】
前記アノード及びカソード間に電圧を印加すれば、アノードから注入された正孔は、正孔輸送層を経由して発光層に移動し、カソードから注入された電子は、電子輸送層を経由して発光層に移動する。前記正孔及び電子のようなキャリアは、発光層領域で再結合して励起子(exiton)を生成する。この励起子が励起状態から基底状態に変わりつつ光が生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0141395号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、現在までに開発されている有機発光素子に関しては、駆動電圧特性、発光効率特性及び電力効率特性がなお十分でないという問題(技術課題)があった。
【0008】
そこで、本発明は、駆動電圧特性、発光効率特性及び電力効率特性が向上した有機発光素子を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために本発明は、基板と、前記基板上の第1電極と、第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極との間に介在されて発光層を含んだ有機膜とを含み、前記第1電極は、第1元素含有の亜鉛酸化物膜を含み、前記第1元素は、Al(アルミニウム)、In(インジウム)、Zn(亜鉛)、Ga(ガリウム)、Ge(ゲルマニウム)、Gd(ガドリニウム)、Zr(ジルコニウム)、Mo(モリブデン)及びNi(ニッケル)からなる群から選択された一つ以上の元素であり、前記第1電極と前記発光層との間に、シアノ基含有化合物を含んだ第1層を1層以上具備した有機発光素子を提供する。
【0010】
前記有機発光素子のうち、前記第1電極は、透明導電性膜をさらに含むことができる。
【0011】
前記有機発光素子のうち、前記第1元素は、Alでありうる。
【0012】
前記有機発光素子のうち、シアノ基含有化合物についての説明は、後述するところを参照する。
【0013】
前記有機発光素子のうち、前記シアノ基含有化合物を含んだ第1層は、正孔輸送性化合物をさらに含むことができる。ここで、前記正孔輸送性化合物についての詳細な説明は、後述するところを参照する。
【0014】
前記有機発光素子のうち、前記第1層の厚みは、10Åないし2100Åでありうる。
【0015】
前記有機発光素子のうち、前記第1層と前記発光層との距離は、50Å以上でありうる。
【0016】
前記有機発光素子のうち、前記第1層と前記発光層との間には、正孔注入層及び正孔輸送層からなる群から選択された1層以上の層がさらに含まれうる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の有機発光素子において、駆動電圧特性、発光効率特性及び電力効率特性が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の具体的な実施形態(具現例)による有機発光素子の構造を図示した断面図である。
【図2】本発明の他の具体的な実施形態(具現例)による有機発光素子の構造を図示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の望ましい実施形態について詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の具体的な一実施形態(一具現例)による有機発光素子10の断面を概略的に図示した図面である。有機発光素子10は、基板1、第1電極5、シアノ基含有化合物を含んだ第1層6、有機膜7及び第2電極9が順に積層された構造を有する。前記第1電極5は、第1元素を含有する亜鉛酸化物膜5aを含む。
【0021】
前記基板1としては、一般的な有機発光素子で使われる基板を使用できるが、機械的強度、熱的安定性、透明性、表面平滑性、取扱容易性及び防水性に優れるガラス基板または透明プラスチック基板を使用できる。
【0022】
前記基板1上には、第1元素含有の亜鉛酸化物膜5aが形成されている。前記第1元素含有の亜鉛酸化物膜5aにおいて第1元素は、Al(アルミニウム)、In(インジウム)、Zn(亜鉛)、Ga(ガリウム)、Ge(ゲルマニウム)、Gd(ガドリニウム)、Zr(ジルコニウム)、Mo(モリブデン)及びNi(ニッケル)からなる群から選択された一つ以上の元素でありうる。好ましくは、前記第1元素はAlを含む。
【0023】
より好ましくは、具体的に、前記第1元素はAlであるが、これに限定されるものではない。
【0024】
前記第1元素含有の亜鉛酸化物膜5aは、第1電極5の仕事関数をさらに高めて正孔注入障壁を下げるので、正孔が第1電極5から有機膜7に容易に注入できるようにする。
【0025】
前記第1元素の含有量は、前記第1元素含有の亜鉛酸化物膜5a 100重量部当たり0.1ないし10重量部でありうる。好ましくは、前記第1元素の含有量は、前記第1元素含有の亜鉛酸化物膜100重量部当たり、0.5ないし10重量部であり、より好ましくは0.5ないし5重量部であるが、これに限定されるものではない。前記第1元素含有の亜鉛酸化物膜において、前記第1元素の含有量が、前述のような範囲を満足する場合、亜鉛酸化物の正孔輸送能が向上され、電気抵抗の増大及び可視光線領域での透光度低下が実質的に発生しなくなる。
【0026】
前記第1元素含有の亜鉛酸化物膜5aの厚みは、1Åないし800Å、好ましくは、10Åないし500Åでありうる。前記第1元素含有の亜鉛酸化物膜5aの厚みが、前述の範囲を満足する場合、駆動電圧の上昇なしに、優秀な効率特性を得ることができる。
【0027】
前記第1元素含有の亜鉛酸化物膜5a上には、シアノ基含有化合物を含んだ第1層6が備わっている。前記第1層6は、1層以上でありうる。前記第1層6に含まれたシアノ基含有化合物は、二種の1電子還元形態を有するので、安定したラジカル生成が可能な拡張されたπ電子系を有する(例えば、サイクリックボルタンメトリ(cyclic voltammetry)と確認可能である)。従って、かような第1層6によって、前記第1電極5から前記有機膜7への正孔注入障壁が低下し、第1電極5から前記有機膜7への正孔注入が容易になりうる。これにより、駆動電圧特性及び電力効率特性が向上した有機発光素子を具現できる。
【0028】
前記第1層6に含まれたシアノ基含有化合物は、下記化学式1ないし20のうち、いずれか1つの化学式で表示されうる:
【0029】
【化1】

【0030】
【化2】

【0031】
【化3】

【0032】
【化4】

【0033】
【化5】

【0034】
【化6】

【0035】
【化7】

【0036】
【化8】

【0037】
【化9】

【0038】
【化10】

【0039】
【化11】

【0040】
【化12】

【0041】
【化13】

【0042】
【化14】

【0043】
【化15】

【0044】
【化16】

【0045】
【化17】

【0046】
【化18】

【0047】
【化19】

【0048】
【化20】

【0049】
前記化学式1ないし20で、XないしXは互いに独立して、下記化学式30Aないし30Dからなる群から選択され、YないしYは互いに独立して、N及びC(R103)からなる群から選択され、ZないしZは互いに独立して、CHまたはNであり、A及びAは互いに独立して、−O−、−S−、−N(R104)−及び−C(R105)(R106)−からなる群から選択され、Q101及びQ102は互いに独立して、C−C10アルキレン基;C−C10アルケニレン基;及びハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C10アルキル基及びC−C10アルコキシ基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C10アルキレン基並びにC−C10アルケニレン基;からなる群から選択され、T及びTは互いに独立して、C−C30芳香族環系(システム)(aromatic ring system);C−C30ヘテロ芳香族環系(システム)(heterocyclic aromatic ring system);及びハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C10アルキル基及びC−C10アルコキシ基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C30芳香族環系(システム)並びにC−C30ヘテロ芳香族環系(システム);からなる群から選択され、pは、1ないし10の整数であり、qは、0ないし10の整数であり、R101ないしR106は互いに独立して、水素原子;ハロゲン原子;シアノ基;ヒドロキシル基;C−C10アルキル基;C−C10アルコキシ基;及び水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C14アリール基、C−C14ヘテロアリール基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C10アルキル基並びにC−C10アルコキシ基;
【0050】
【化21】

【0051】
【化22】

【0052】
;及び−N(R107)(R108)からなる群から選択され、前記R107及びR108は互いに独立して、水素原子、C−C10アルキル基、フェニル基及びビフェニル基からなる群から選択され、L101は、C−C10アルケニレン基、C−C14アリーレン基;C−C14ヘテロアリーレン基;及びハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C10アルキル基及びC−C10アルコキシ基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C10アルケニレン基並びにC−C14アリーレン基並びにC−C14ヘテロアリーレン基からなる群から選択されうる。
【0053】
【化23】

【0054】
【化24】

【0055】
【化25】

【0056】
【化26】

【0057】
好ましくは、前記化学式1ないし20で、前記XないしXは、前記化学式30Aまたは30Dでありうる。
【0058】
好ましくは、前記化学式1ないし20で、前記YないしYでありうるC(R103)で、R103は、水素原子;ハロゲン原子;シアノ基;C−C10アルキル基;C−C10アルコキシ基;ハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピリジニル基、チオフェニル基及びベンゾチオフェニル基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C10アルキル基並びにC−C10アルコキシ基;及び−N(R107)(R108)からなる群から選択されるが、前記R107及びR108は互いに独立して、水素原子、C−C10アルキル基、フェニル基及びビフェニル基からなる群から選択されうる。
【0059】
より好ましくは、具体的に、前記R103は、水素原子、−F(フッ素原子)、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、エテニル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、フェニル置換されたメチル基、フェニル置換されたプロピル基及び−N(ビフェニル基)(ビフェニル基)からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0060】
前記化学式1及び2で、前記R101及びR102は互いに独立して、シアノ基、
【0061】
【化27】

【0062】
及び
【0063】
【化28】

【0064】
からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0065】
前記化学式1ないし20で、前記A及びAは−S−であるが、これに限定されるものではない。
【0066】
前記化学式20で、前記Q101及びQ102は互いに独立して、エチレン基;プロピレン基;エテニレン基;プロペニレン基;及びハロゲン原子、シアノ基及びヒドロキシル基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたエチレン基、プロピレン基、エテニレン基及びプロペニレン基;からなる群から選択されうる。より好ましくは、具体的に、前記Q101及びQ102は互いに独立して、エチレン基;エテニレン基;及び−F(フッ素原子)及びシアノ基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたエチレン基及びエテニレン基;からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0067】
前記化学式1ないし20で、T及びTは、Z及びZまたはZ及びZまたはZ〜Zを構成元素として有するC−C30芳香族環系(システム)(aromatic ring system);C−C30ヘテロ芳香族環系(システム)(heterocyclic aromatic ring system);ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C10アルキル基及びC−C10アルコキシ基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C30芳香族環系(システム);またはハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C10アルキル基及びC−C10アルコキシ基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C30ヘテロ芳香族環系(システム);であって、前記化学式から確認することができるように、前記化学式の中心骨格(バックボーン;backbone)と一部以上の位置とで融合(結合ないし縮合)されている(fused)。
【0068】
前記C−C30芳香族環系(システム)は、一つ以上の芳香族環を含むC−C30炭環芳香族系(システム)を指すものであり、ここで、前記「系(システム)」という用語は、前記C−C30芳香族環系(システム)が多環構造も含むことを示すために使用したものである。前記C−C30芳香族環系(システム)が2以上の芳香族環を含む場合、前記2以上の芳香族環は、互いに融合(結合ないし縮合)しうる。一方、前記C−C30ヘテロ芳香族環系(システム)は、N、O、P及びSのうち選択された1個以上のヘテロ原子を含み、残りの環原子がCである一つ以上のヘテロ芳香族環を含むC−C30炭環芳香族系(システム)を指すものであり、前記C−C30ヘテロ芳香族環系(システム)がヘテロ芳香族環以外に、一つ以上の芳香族環及び/またはヘテロ芳香族環をさらに含む場合、それらは、互いに融合(結合ないし縮合)しうる。
【0069】
前記C−C30芳香族環系(システム)の具体例としては、ベンゼン、ペンタレン(pentalene)、インデン(indene)、ナフタレン(naphthalene)、アズレン(azulene)、ヘプタレン(heptalene)、インダセン(indacene)、アセナフチレン(acenaphthylene)、フルオレン(fluorene)、フェナレン(phenalene)、フェナントレン(phenanthrene)、アントラセン(anthracene)、フルオランテン(fluoranthene)、トリフェニレン(triphenylene)、ピレン(pyrene)、クリセン(chrysene)、ナフタセン(naphthacene)、ピセン(picene)、ペリレン(perylene)、ペンタフェン(pentaphene)及びヘキサセン(hexacene)などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0070】
前記C−C30ヘテロ芳香族環系(システム)の具体例としては、ピロール(pyrrole)、ピラゾール(pyrazole)、イミダゾール(imidazole)、イミダゾリン(imidazoline)、ピリジン(pyridine)、ピラジン(pyrazine)、ピリミジン(pyrimidine)、インドール(indole)、プリン(purine)、キノリン(quinoline)、フタラジン(phthalazine)、インドリジン(indolizine)、ナフチリジン(naphthyridine)、キナゾリン(quinazoline)、シノリン(cinnoline)、インダゾール(indazole)、カルバゾール(carbazole)、フェナジン(phenazine)、フェナントリジン(phenanthridine)、ピラン(pyran)、クロメン(chromene)、ベンゾフラン(benzofuran)、チオフェン(thiophene)、ベンゾチオフェン(benzothiophene)、イソチアゾール(isothiazole)、イソキサゾール(isoxazole)、チアジアゾール(thiadiazole)及びオキサジアゾール(oxadiazole)などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0071】
好ましくは、前記化学式1ないし20で、前記T及びTは互いに独立して、ベンゼン;ナフタレン;アントラセン;チオフェン;チアジアゾール;オキサジアゾール;及びハロゲン原子、シアノ基、C−C10アルキル基及びC−C10アルコキシ基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたベンゼン、ナフタレン、アントラセン、チオフェン、チアジアゾール及びオキサジアゾール;からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0072】
好ましくは、前記化学式1ないし20で、pは1であるが、これに限定されるものではない。また、好ましくは、前記化学式1ないし20で、qは、0、1または2であるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、前記化学式3で、qが0である場合、前記化学式3で表示される化合物は、後述する化学式3Aで表示されうる。
【0073】
好ましくは、前記化学式2で、L101は、C−C14アリーレン基;C−C14ヘテロアリーレン基;ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C10アルキル基及びC−C10アルコキシ基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C14アリーレン基;またはハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C10アルキル基及びC−C10アルコキシ基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C14ヘテロアリーレン基;でありうる。好ましくは、前記L101は、チオフェニレン基;ベンゾチオフェニレン基;及びハロゲン原子、シアノ基及びC−C10アルキル基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたチオフェニレン基並びにベンゾチオフェニレン基;からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0074】
本発明の具体的な一実施形態(一具現例)による有機発光素子の第1層のうち、前記シアノ基含有化合物は、下記化学式1Aないし20Bのうちいずれか一つで表示されうるが、これらに限定されるものではない:
【0075】
【化29】

【0076】
【化30】

【0077】
【化31】

【0078】
【化32】

【0079】
【化33】

【0080】
【化34】

【0081】
【化35】

【0082】
【化36】

【0083】
【化37】

【0084】
【化38】

【0085】
【化39】

【0086】
【化40】

【0087】
【化41】

【0088】
【化42】

【0089】
【化43】

【0090】
【化44】

【0091】
【化45】

【0092】
【化46】

【0093】
【化47】

【0094】
【化48】

【0095】
【化49】

【0096】
【化50】

【0097】
【化51】

【0098】
【化52】

【0099】
【化53】

【0100】
【化54】

【0101】
【化55】

【0102】
【化56】

【0103】
【化57】

【0104】
【化58】

【0105】
【化59】

【0106】
【化60】

【0107】
前記化学式1Aないし20Bで、R103及びR109は互いに独立して、水素原子、−F(フッ素原子)、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、エテニル基、メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基からなる群から選択されうる。
【0108】
本発明の他の具体的な一実施形態(一具現例)による有機発光素子で、第1層6のシアノ基含有化合物は、前記化学式20Aまたは20Bで表示されうる。ここで、前記化学式20Aまたは20Bで、R103及びR109は、いずれも−F(フッ素原子)でありうる。
【0109】
ここで、シアノ基含有化合物を含んだ第1層6で、シアノ基含有化合物は、前記第1元素含有の亜鉛酸化物膜5aの正孔注入特性をさらに向上させる役割を行う。従って、駆動電圧が低減し、発光効率及び電力効率が向上した有機発光素子を具現(提供)できる。
【0110】
前記第1層6は、前述のようなシアノ基含有化合物以外に、正孔輸送性化合物をさらに含むことができる。前記シアノ基含有化合物は、前記正孔輸送性化合物と電荷移動錯体(charge transfer complex)を形成することによって、自由キャリア(free carrier)濃度が高まりうるので、第1電極5と有機膜7との界面抵抗低減に寄与しうる。
【0111】
前記正孔輸送性化合物としては、公知の材料を使用できる。
【0112】
または、前記正孔輸送性化合物としては、下記化学式41及び42で表示される化合物を使用できる:
【0113】
【化61】

【0114】
【化62】

【0115】
前記化学式41及び42で、R10は、−(Ar−Arで表示され、R16は、(Ar11−Ar12で表示され、Ar、Ar11、L及びL11は互いに独立して、置換または非置換のC−C30アルキレン基、置換または非置換のC−C30アルケニレン基、置換または非置換のC−C30アリーレン基、置換または非置換のC−C30ヘテロアリーレン基及び−N(Q)−で表示される基からなる群から選択され、n、m、a及びbは互いに独立して、0ないし10の整数であり、前記RないしR、R11ないしR15、R17、R18、R21ないしR29、Ar、Ar12及びQは互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アルキルチオール基、置換または非置換のC−C30アリール基、C−C30ヘテロアリール基及び−N(Q)(Q)で表示される基からなる群から選択され、前記Q及びQは互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アルキルチオール基、置換または非置換のC−C30アリール基及びC−C30ヘテロアリール基からなる群から選択され、前記−(Ar−で、n個のArは互いに同一であるか、あるいは異なり、前記−(Ar11−で、m個のAr11は互いに同一であるか、あるいは異なり、前記−(L−で、a個のLは互いに同一であるか、あるいは異なり、−(L11−で、b個のL11は互いに同一であるか、または異なりうる。
【0116】
前記R10である−(Ar−Ar及びR16である−(Ar11−Ar12で、Ar及びAr11の具体例としては、置換または非置換のC−C10アルキレン基、置換または非置換のC−C10アルケニレン基、置換または非置換のフェニレン基、置換または非置換のペンタレニレン基(pentalenylene)、置換または非置換のインデニレン基(indenylene)、置換または非置換のナフチレン基(naphthylene)、置換または非置換のアズレニレン基(azulenylene)、置換または非置換のヘプタレニレン基(heptalenylene)、置換または非置換のインダセニレン基(indacenylene)、置換または非置換のアセナフチレン基(acenaphthylene)、置換または非置換のフルオレニレン基(fluorenylene)、置換または非置換のフェナレニレン基(phenalenylene)、置換または非置換のフェナントレニレン基(phenanthrenylene)、置換または非置換のアントラセニレン基(anthracenylene)、置換または非置換のフルオランテニレン基(fluoranthenylene)、置換または非置換のトリフェニレニレン基(triphenylenylene)、置換または非置換のピレニレン基(pyrenylenylene)、置換または非置換のクリセニレン基(chrysenylene)、置換または非置換のナフタセニレン基(naphthacenylene)、置換または非置換のピセニレン基(picenylene)、置換または非置換のペリレニレン基(perylenylene)、置換または非置換のペンタフェニレン基(pentaphenylene)、置換または非置換のヘキサセニレン基(hexacenylene)、置換または非置換のピロリレン基(pyrrolylene)、置換または非置換のピラゾリレン基(pyrazolylene)、置換または非置換のイミダゾリレン基(imidazolylene)、置換または非置換のイミダゾリニレン基(imidazolinylene)、置換または非置換のイミダゾピリジニレン基(imidazopyridinylene)、置換または非置換のイミダゾピリミジニレン基(imidazopyrimidinylene)、置換または非置換のピリジニレン基(pyridinylene)、置換または非置換のピラジニレン基(pyrazinylene)、置換または非置換のピリミジニレン基(pyrimidinylene)、置換または非置換のインドリレン基(indolylene)、置換または非置換のプリニレン基(purinylene)、置換または非置換のキノリニレン基(quinolinylene)、置換または非置換のフタラジニレン基(phthalazinylene)、置換または非置換のインドリジニレン基(indolizinylene)、置換または非置換のナフチリジニレン基(naphthyridinylene)、置換または非置換のキナゾリニレン基(quinazolinylene)、置換または非置換のシノリニレン基(cinnolinylene)、置換または非置換のインダゾリレン基(indazolylene)、置換または非置換のカルバゾリレン基(carbazolylene)、置換または非置換のフェナジニレン基(phenazinylene)、置換または非置換のフェナントリジニレン基(phenanthridinylene)、置換または非置換のピラニレン基(pyranylene)、置換または非置換のクロメニレン基(chromenylene)、置換または非置換のベンゾフラニレン基(benzofuranylene)、置換または非置換のチオフェニレン基(thiophenylene)、置換または非置換のベンゾチオフェニレン基(benzothiophenylene)、置換または非置換のイソチアゾリレン基(isothiazolylene)、置換または非置換のベンゾイミダゾリレン基(benzoimidazolylene)、置換または非置換のイソキサゾリレン基(isoxazolylene)、置換または非置換のトリアジニレン基(triazinylene)及び−N(Q)−で表示される基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。ここで、前記Qは、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルケニル基、置換または非置換のC−C10アルキニル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のC−C10アルキルチオール基、置換または非置換のC−C14アリール基、C−C14ヘテロアリール基及びN(Q)(Q)からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0117】
好ましくは、前記Arは及びAr11は互いに独立して、C−C10アルキレン基;フェニレン基;ナフチレン基;アントリレン基;フルオレニレン基;カルバゾリレン基;ピラゾリレン基;ピリジニレン基;トリアジニレン基;−N(Q)−;ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C10アルキル基、C−C10アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C10アルキレン基、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フルオレニレン基、カルバゾリレン基、ピラゾリレン基、ピリジニレン基及びトリアジニレン基;からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。ここで、前記Qは、水素原子;C−C10アルキル基;フェニル基;ナフチル基;カルバゾリル基;フルオレニル基;ピレニル基;ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C10アルキル基、C−C10アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C10アルキル基、C−C10アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、カルバゾリル基、フルオレニル基及びピレニル基;及び−N(Q)(Q)からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。ここで、前記Q及びQは、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基、メチルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基及びアントリル基からなる群から選択されうる。
【0118】
前記−(Ar−Ar及び−(Ar11−Ar12で、Ar及びAr12についての詳細な説明は、前述のQについての説明と同一であるので、Qについての説明を参照するものとする。
【0119】
前記−(Ar−Ar及び−(Ar11−Ar12で、n及びmは互いに独立して、0ないし10の整数である。好ましくは、前記n及びmは互いに独立して、0、1、2、3、4、5または6であるが、これらに限定されるものではない。
【0120】
前記−(Ar−Arの−(Ar−で、n個のArは、互いに同一であるか異なりうる。好ましくは、nが2である場合、−(Ar−で、2個のArは、いずれもフェニレン基であるか、または1つのArは−N(Q)−であり、他のArはフェニレン基であるなど、多様な変形例が可能である。前記−(Ar11−Ar12も、これと同一に解説されうる。
【0121】
前記化学式41及び42で、RないしR、R11ないしR15、R17、R18及びR21ないしR29についての詳細な説明は、前記Qについての詳細な説明と同一であるので、これを参照するものとする。
【0122】
好ましくは、前記R13は、フェニル基、ナフチル基またはアントリル基であるが、これらに限定されるものではない。
【0123】
好ましくは、前記R28及びR29は互いに独立して、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0124】
前記化学式41及び42で、L及びL11についての詳細な説明は、前記Ar及びAr11についての詳細な説明と同一であるので、これを参照するものとする。
【0125】
好ましくは、前記L及びL11は互いに独立して、フェニレン基、カルバゾリレン基またはフェニルカルバゾリレン基であるが、これらに限定されるものではない。
【0126】
前記化学式41及び42で、a及びbは互いに独立して、1ないし10の整数でありうる。好ましくは、前記a及びbは互いに独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10であるが、これらに限定されるものではない。
【0127】
前記化学式42の具体的な一実施形態(一具現例)で、R10である−(Ar−ArでのAr、及びR16である−(Ar11−Ar12でのAr11は互いに独立して、フェニレン基、カルバゾリレン基、フルオレニレン基、メチルフルオレニレン基、ピラゾリレン基、フェニルピラゾリレン基、−N(Q)−(ここで、Qは、水素原子、フェニル基、フルオレニル基、ジメチルフルオレニル基、ジフェニルフルオレニル基、カルバゾリル基、フェニルカルバゾリル基である)、ジフェニルフルオレニレン基、トリアジニレン基、メチルトリアジニレン基、フェニルトリアジニレン基、テトラフルオロフェニレン基、エチレン基及びメチルフェニレン基からなる群から選択され、n及びmは互いに独立して、0、1、2、3、4、5または6であり、前記Ar及びAr12は、水素原子、シアノ基、フルオロ基、フェニル基、シアノフェニル基、ナフチル基、アントリル基、メチル基、ピリジニル基、カルバゾリル基、フェニルカルバゾリル基、フルオレニル基、ジメチルフルオレニル基及びジフェニルフルオレニル基からなる群から選択され、R11、R12、R14、R15、R17、R18及びR21ないしR27は、水素原子であり、R13は、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基からなる群から選択され、R28及びR29は互いに独立して、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基からなる群から選択され、L11は、フェニレン基であり、bは、0または1でありうる。
【0128】
本発明の他の具体的な一実施形態(一具現例)によれば、前記正孔輸送性化合物は、前記化学式41及び42で表示される化合物のうち、下記化合物1ないし37のうちいずれか一つであるが、これらに限定されるものではない:
【0129】
【化63】

【0130】
【化64】

【0131】
【化65】

【0132】
【化66】

【0133】
【化67】

【0134】
【化68】

【0135】
【化69】

【0136】
【化70】

【0137】
【化71】

【0138】
【化72】

【0139】
【化73】

【0140】
【化74】

【0141】
【化75】

【0142】
【化76】

【0143】
【化77】

【0144】
前記第1層6が、前記シアノ基含有化合物以外に、前述のような正孔輸送性化合物をさらに含む場合、前記第1層6において前記シアノ基含有化合物の含有量は、前記第1層100重量部当たり0.1ないし20重量部、好ましくは、0.5ないし15重量部、より好ましくは、具体的に、0.5ないし10重量部でありうる。前記シアノ基含有化合物の含有量の範囲が、前述のような範囲を満足する場合、満足すべき程度の駆動電圧低下、発光効率上昇及び電力効率向上の効果を得ることができる。
【0145】
前記第1層6が、前記シアノ基含有化合物以外に、前述のような化合物1ないし37に該当する正孔輸送性化合物をさらに含む場合、第1層100重量部当たり、シアノ基含有化合物は0.1ないし20重量部であり、化合物1ないし37に該当する正孔輸送性化合物は80ないし99.9重量部である。
【0146】
前記第1層6が、前記シアノ基含有化合物以外に、前述のような化合物1ないし37に該当する正孔輸送性化合物を含まない場合、第1層100重量部当たり、シアノ基含有化合物は0.1ないし20重量部であり、通常の正孔輸送性化合物が80ないし99.9重量部である。すなわち、前記第1層6は、前記シアノ基含有化合物、化合物1ないし37に該当する正孔輸送性化合物以外の構成成分は、通常の正孔輸送性化合物である。
【0147】
前記第1層6の厚みは、10Åないし2100Å、好ましくは、10Åないし500Å、より好ましくは、具体的に、20Åないし200Åでありうる。前記第1層6の厚み範囲が、前述のような範囲を満足する場合、満足すべき程度の駆動電圧低下、発光効率上昇及び電力効率向上の効果を得ることができる。
【0148】
前記第1層6の上部には、有機膜7が備わっている。本明細書において、「有機膜」とは、第1電極5と第2電極9との間に介在されたあらゆる層を包括して指すものであり(ここで、前述のような第1層6は除外する)、前記有機膜7は、金属錯体なども含むことができるものであり、必ずしも有機物だけからなる膜を意味するものではない。
【0149】
前記有機膜7は、発光層を含む。
【0150】
前記第1層6と前記発光層との距離は、50Å以上、好ましくは、100Å以上、より好ましくは、具体的に、100Åないし2500Åでありうる。前記第1層6と前記発光層との距離が前述のような範囲を満足する場合、発光層で、励起子が前記第1層6に含まれたシアノ基含有化合物によってケンチングされる現象が実質的に防止され、優秀な品質の有機発光素子を具現できる。
【0151】
前記発光層以外にも、前記有機膜7は、正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層、電子輸送層及び電子注入層のうち、1層以上の層をさらに含むことができる。
【0152】
例えば、前記第1層6と前記発光層との間には、正孔注入層及び正孔輸送層からなる群から選択された1層以上の層がさらに介在しうる。具体的には、前記第1層6と前記発光層との間には、正孔輸送層がさらに含まれうるが、これに限定されるものではない。
【0153】
正孔注入層(HIL)は、前記第1層6の上部に、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB(Langmuir−Blodgett)法のような多様な方法を利用して形成されうる。
【0154】
真空蒸着法によって正孔注入層を形成する場合、その蒸着条件は、正孔注入層の材料として使用する化合物、目的とする正孔注入層の構造及び熱的特性などによって異なるが、一般的には、蒸着温度100ないし500℃、真空度10−8ないし10−3torr、蒸着速度0.01ないし100Å/secの範囲で適切に選択できる。
【0155】
スピンコーティング法によって正孔注入層を形成する場合、そのコーティング条件は、正孔注入層の材料として使用する化合物、目的とする正孔注入層の構造及び熱的特性によって異なるが、約2000rpmないし5000rpmのコーティング速度、コーティング後の溶媒除去のための熱処理温度は、約80℃ないし200℃の温度範囲で適切に選択できる。
【0156】
正孔注入層物質としては、公知の正孔注入材料を使用できるが、例えば、銅フタロシアニンなどのフタロシアニン化合物、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA;以下に構造式を示す)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPB)、4,4’,4”−トリス{N,Nジフェニルアミノ}トリフェニルアミン(TDATA;以下に構造式を示す)、4,4’,4”−トリス(N−(2−ナフチル)−n−フェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(2T−NATA;以下に構造式を示す)、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(Pani/DBSA)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/カンファースルホン酸(Pani/CSA)またはポリアニリン/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PANI/PSS)などを使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0157】
【化78】

【0158】
前記正孔注入層の厚みは、約50Åないし1000Å、好ましくは100Åないし2500Åでありうる。前記正孔注入層の厚みが前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、満足すべき程度の正孔注入特性を得ることができる。
【0159】
次に、前記正孔注入層または前記第1層6の上部に、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような多様な方法を利用し、正孔輸送層(HTL)を形成できる。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって正孔輸送層を形成する場合、その蒸着条件及びコーティング条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的には、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択される。
【0160】
前記正孔輸送層の材料としては、前述のような化学式41または42で表示される化合物(上記化合物1ないし37を含む)を使用できる。
【0161】
前記正孔輸送層の厚みは、約50Åないし1000Å、好ましくは100Åないし2500Åでありうる。前記正孔輸送層の厚みが前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、満足すべき程度の正孔輸送特性を得ることができる。
【0162】
前記正孔輸送層の上部に、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような方法を利用し、発光層(EML)を形成できる。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって発光層を形成する場合、その蒸着条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的には、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択される。
【0163】
前記発光層は、1つの化合物を含むか、ホストとドーパントとの組み合わせを含むことができる。前記ホストの例としては、トリス(8−キノラト)アルミニウム(Alq3)、4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)、ポリ(n−ビニルカルバゾール)(PVK)、(4,4−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン)(TCTA)、1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン(TPBI;以下に構造式を示す)、E3(ターフルオレン(terfluorene);以下に構造式を示す)、ジスチリルアリーレン(DSA)、化学式51で表示される化合物、化学式52で表示される化合物、化学式53で表示される化合物、化学式54で表示される化合物などを使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0164】
【化79】

【0165】
【化80】

【0166】
【化81】

【0167】
【化82】

【0168】
【化83】

【0169】
前記化学式51ないし54で、Ar51、A52、Ar53及びAr54それぞれについての詳細な説明は、前述のArについての説明と同一であるので、本明細書においてArについての説明を参照するものとする。
【0170】
前記化学式51ないし54の具体的な実施形態(具現例)によれば、前記Ar51、A52、Ar53及びAr54は互いに独立して、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基及びフェニル置換されたアントリレン基からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0171】
前記化学式51ないし54で、R201ないしR209及びR51ないしR56それぞれについての詳細な説明は、前述のようなArについての説明と同一であるので、本明細書においてArについての説明を参照するものとする。好ましくは、R201ないしR209は、水素原子でありうる。
【0172】
前記化学式51ないし54で、d、e、f及びgは互いに独立して、0ないし10の整数である。好ましくは、前記d、e及びfは互いに独立して、0、1または2であるが、これらに限定されるものではない。
【0173】
前記化学式51ないし54の具体的な実施形態(具現例)によれば、前記R51ないしR56は互いに独立して、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基、カルバゾリル基及び−N(Q)(Q)からなる群から選択されるが、前記Q及びQは互いに独立して、メチル基、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基からなる群から選択されうる。
【0174】
本発明の他の具体的な一実施形態(一具現例)によれば、前記有機膜7において発光層は、下記化合物51ないし58のうち、いずれか一つをホストとして含むことができるが、これらに限定されるものではない:
【0175】
【化84】

【0176】
一方、赤色ドーパントとして、PtOEP(以下に構造式を示す)、Ir(piq)3(;以下に構造式を示す)、BtpIr(acac)(以下に構造式を示す)などを利用できるが、これらに限定されるものではない。
【0177】
【化85】

【0178】
また、緑色ドーパントとして、Ir(ppy)(ppy=フェニルピリジン;以下に構造式を示す)、Ir(ppy)(acac)(以下に構造式を示す)、Ir(mpyp)(以下に構造式を示す)、前記化学式51で表示される化合物、下記化学式71で表示される化合物、下記化学式72で表示される化合物などを利用できるが、これらに限定されるものではない。
【0179】
【化86】

【0180】
【化87】

【0181】
【化88】

【0182】
前記化学式71及び72で、Ar71及びAr72それぞれについての詳細な説明は、前述のArについての説明と同一であるので、本明細書においてArについての説明を参照するものとする。
【0183】
前記化学式71及び72の具体的な実施形態(具現例)によれば、前記Ar71及びAr72は互いに独立して、エテニレン基、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基及びフェニル置換されたアントリレン基からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0184】
前記化学式71及び72で、R211ないしR216及びR71ないしR76それぞれについての詳細な説明は、前述のようなArについての説明と同一であるので、本明細書においてArについての説明を参照するものとする。好ましくは、前記R211ないしR216は、水素原子でありうる。
【0185】
前記化学式71及び72で、h及びiは互いに独立して、0ないし10の整数である。好ましくは、前記h及びiは互いに独立して、0、1または2であるが、これらに限定されるものではない。
【0186】
前記化学式71及び72の具体的な実施形態(具現例)によれば、前記R71ないしR76は互いに独立して、メチル基、エチル基、エテニル基、フェニル基、メチルフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントリル基、メチルアントリル基、ピレニル基及び−N(Q)(Q)からなる群から選択されるが、前記Q及びQは互いに独立して、メチル基、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基からなる群から選択されうる。
【0187】
本発明の他の具体的な一実施形態(一具現例)によれば、前記発光層のうち、緑色ドーパントとして、前記化合物51ないし58及び下記化合物71ないし76のうちいずれか一つを使用できるが、これらに限定されるものではない:
【0188】
【化89】

【0189】
一方、青色ドーパントとして、FIrpic(以下に構造式を示す)、(Fppy)Ir(tmd)(以下に構造式を示す)、Ir(dfppz)(以下に構造式を示す)、ter−フルオレン、4,4’−ビス(4−ジフェニルアミノスチリル)ビフェニル(DPAVBi)、2,5,8,11−テトラ−t−ブチルペリレン(TBPe;以下に構造式を示す)、前記化学式51で表示される化合物、前記化学式54で表示される化合物、下記化学式81で表示される化合物、下記化学式82で表示される化合物などを利用できるが、これらに限定されるものではない。
【0190】
【化90】

【0191】
【化91】

【0192】
【化92】

【0193】
【化93】

【0194】
前記化学式81でL21は、置換または非置換のC−C30アルキレン基、置換または非置換のC−C30アルケニレン基、置換または非置換のC−C30アリーレン基及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリーレン基からなる群から選択され、cは、1ないし20の整数であり、−(L21−でc個のL21は、互いに同一であるかまたは異なり、R31ないしR34は互いに独立して、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アリール基及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基からなる群から選択されうる。
【0195】
前記化学式81において、L21についての詳細な説明は、前記Arについての詳細な説明(ただし、−N(Q)−についての説明は除外)を参照し、前記R31ないしR34についての詳細な説明は、前記Qについての詳細な説明(ただし、−N(Q)(Q)についての説明は除外)を参照するものとする。
【0196】
前記化学式81の具体的な一実施形態(一具現例)において前記L21は、エテニレン基、プロペニレン基、またはフェニレン基でありうる。
【0197】
前記化学式81の他の具体的な実施形態(具現例)において前記cは、1、2、3、4、5または6でありうる。
【0198】
前記化学式81の他の具体的な実施形態(具現例)において、前記R31ないしR34は互いに独立して、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基からなる群から選択されうる。
【0199】
前記化学式81の−(L21−においてc個のL21は、互いに同一であるか、または異なりうるが、好ましくは、cが2である場合、2個のL21は、いずれもフェニレン基であるか、または2個のL21のうちいずれか一つは、フェニレン基であり、他の一つは、エテニレン基であるなど、多様な変形例が可能である。
【0200】
前記化学式82で、Ar81ないしAr84それぞれについての詳細な説明は、前述のArについての説明と同一であるので、本明細書においてArについての説明を参照するものとする。
【0201】
前記化学式82の具体的な実施形態(具現例)によれば、前記Ar81、Ar82、Ar83及びAr84は互いに独立して、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基及びフェニル置換されたアントリレン基からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0202】
前記化学式82で、R221ないしR228及びR81ないしR85それぞれについての詳細な説明は、前述のようなArについての説明と同一であるので、本明細書においてArについての説明を参照するものとする。好ましくは、前記R221ないしR228は、水素原子でありうる。
【0203】
前記化学式82で、j、k、l及びmは互いに独立して、0ないし10の整数である。好ましくは、前記化学式82で、j、k、l及びmは互いに独立して、0、1または2であるが、これらに限定されるものではない。
【0204】
前記化学式82の具体的な実施形態(具現例)によれば、前記R81ないしR85は互いに独立して、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基、カルバゾリル基及び−N(Q)(Q)からなる群から選択されるが、前記Q及びQは互いに独立して、メチル基、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基からなる群から選択されうる。
【0205】
前記化学式81で表示される化合物は、下記化合物40であるが、これに限定されるものではない:
【0206】
【化94】

【0207】
前記化学式82で表示される化合物は、下記化合物41または42であるが、これらに限定されるものではない:
【0208】
【化95】

【0209】
本発明の具体的な一実施形態(一具現例)によれば、発光層の青色ドーパントとして、前記化合物40ないし42、51ないし55、57及び58のうちいずれか一つを使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0210】
前記発光層の材料として、ドーパントとホストとを共に使用する場合、ドーパントのドーピング濃度は、特別に制限されるものではないが、一般的には、ホスト100重量部を基準として、前記ドーパントの含有量は、0.01ないし15重量部である。
【0211】
前記発光層の厚みは、約100Åないし1000Å、好ましくは、200Åないし600Åでありうる。前記発光層の厚みが、前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧上昇なしに、優秀な発光特性を示すことができる。
【0212】
発光層にリン光ドーパントと共に使用する場合には、三重項励起子または正孔が、電子輸送層に拡散する現象を防止するために、前記正孔輸送層と発光層との間に、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような方法を利用し、正孔阻止層(HBL)を形成できる。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって正孔阻止層を形成する場合、その条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的には、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択される。公知の正孔阻止材料も使用できるが、その例としては、オキサジアゾール誘導体やトリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体などを挙げることができる。
【0213】
前記正孔阻止層の厚みは、約50Åないし1000Å、好ましくは100Åないし400Åでありうる。前記正孔阻止層の厚みが、前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧上昇なしに、優秀な正孔阻止特性を得ることができる。
【0214】
次に、電子輸送層(ETL)を、真空蒸着法、またはスピンコーティング法、キャスト法などの多様な方法を利用して形成する。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって電子輸送層を形成する場合、その条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的には、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択される。前記電子輸送層の材料は、電子注入電極(カソード)から注入された電子を安定して輸送する機能を行うものであり、公知の電子輸送物質を利用できる。その例としては、キノリン誘導体、特にAlq3、1,2,4−トリアゾール誘導体(TAZ;以下に構造式を示す)、ビス(2−メチル−8−キノリラート)−(p−フェニルフェノラート)−アルミニウム(BAlq)(以下に構造式を示す)のような公知の材料を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0215】
【化96】

【0216】
前記電子輸送層の厚みは、約100Åないし1000Å、好ましくは150Åないし500Åでありうる。前記電子輸送層の厚みが、前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧上昇なしに、満足すべき程度の電子輸送特性を得ることができる。
【0217】
また電子輸送層の上部に、カソードから電子の注入を容易にする機能を有する物質である電子注入層(EIL)が積層され、これは、特別に材料を制限しない。
【0218】
前記電子注入層の形成材料としては、LiF、NaCl、CsF、LiO、BaO、8−キノリノラトリチウム(Liq)のような電子注入層の形成材料として公知の任意の物質を利用できる。前記電子注入層の形成の方法(例えば、真空蒸着法の蒸着条件など)は、使用する化合物によって異なるが、一般的には、正孔注入層の形成の方法とほぼ同じ条件範囲で選択される。
【0219】
前記電子注入層の厚みは、約1Åないし100Å、好ましくは、5Åないし90Åでありうる。前記電子注入層の厚みが、前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧低下なしに、満足すべき程度の電子注入特性を得ることができる。
【0220】
かような有機膜7の上部には、第2電極9が備わっている。前記第2電極9は、電子注入電極であるカソードであるが、このとき、前記第2電極形成用の金属としては、低い仕事関数を有する金属、合金、電気伝導性化合物及びそれらの混合物を使用できる。具体的な例としては、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム−リチウム(Al−Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム−インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)などを薄膜に形成して透過型電極を得ることができる。一方、前面発光素子を得るために、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)を利用した透過型電極を形成できるなど、多様な変形が可能である。前記第2電極9の形成の方法(例えば、真空蒸着法の蒸着条件など)は、使用する化合物によって異なるが、一般的には、正孔注入層の形成の方法とほぼ同じ条件範囲で選択される。前記第2電極9の厚みは、通常の電極厚みであればよく、特に制限されるものではない。
【0221】
かような第2電極9の上部には、保護膜が備わっていてもよい。保護膜用材料としてはとしては、従来公知の保護膜用材料を使用することができ、特に制限されるものではない。具体的な例としては、Alq3などを薄膜に形成して保護膜を得ることができる。前記保護膜の形成の方法(例えば、真空蒸着法の蒸着条件など)は、使用する化合物によって異なるが、一般的には、正孔注入層の形成の方法とほぼ同じ条件範囲で選択される。前記保護膜の厚みも、通常の保護膜の厚みであればよく、特に制限されるものではない。
【0222】
例えば、前記有機発光素子は、基板上に、前記Al含有亜鉛酸化物膜と、前記化学式1Aないし20Bのうち、いずれか1つの化学式で表示されるシアノ基含有化合物を含んだ第1層(ここで、前記第1層には選択的に、前記化学式42で表示される正孔輸送性化合物がさらに含まれる)と、前記化学式42で表示される化合物を含んだ正孔輸送層と、ホスト(前記化学式51ないし54のうち、いずれか一つで表示される化合物)及びドーパント(前記化学式51、71及び72のうち、いずれか一つで表示される化合物)を含んだ発光層と、電子輸送層と、電子注入層と、第2電極とが順に積層された構造を有し、優秀な緑色光を放出できる。前記緑色光は、蛍光発光メカニズムによって放出されるものでありうる。前記緑色光の最大発光ピークは、490nmないし560nmの範囲を挙げることができる。
【0223】
または、例えば、前記有機発光素子は、基板上に、前記Al含有亜鉛酸化物膜と、前記化学式20A及び20Bのうち、いずれか1つの化学式で表示されるシアノ基含有化合物を含んだ第1層(ここで、前記第1層には選択的に、前記化合物1ないし37のうち、いずれか一つである正孔輸送性化合物がさらに含まれる)と、前記化合物1ないし37のうち、いずれか一つを含んだ正孔輸送層と、ホスト(前記化合物51ないし58のうちいずれか一つ)及びドーパント(前記化合物40ないし42及び51ないし55、57及び58のうちいずれか一つ)を含んだ発光層と、電子輸送層と、電子注入層と、第2電極とが順に積層された構造を有し、優秀な青色光を放出できる。
【0224】
図2は、本発明の他の具体的な一実施形態(一具現例)による有機発光素子20の断面図を概略的に図示したものである。有機発光素子20は、基板21、第1電極25、シアノ基含有化合物を含んだ第1層26、有機膜27及び第2電極29を含むが、前記第1電極25は、基板21から順に、透明導電性膜25b及び第1元素含有の亜鉛酸化物膜25aを含む。ここで、基板21、第1元素含有の亜鉛酸化物膜25a、シアノ基含有化合物を含んだ第1層26、有機膜27、第2電極29についての詳細な説明は、前記図1についての説明を参照するものとする。
【0225】
図2によれば、有機発光素子の他の具体的な実施形態(具現例)の第1電極25は、透明導電性膜25bをさらに含む。
【0226】
前記透明導電性膜25bの具体例としては、透明であって導電性がある金属酸化物を挙げることができる。その例としては、ITOまたは酸化スズ(SnO)を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。例えば、透明導電性膜25bは、ITOからなりうる。
【0227】
前記透明導電性膜25bの厚みは、5nmないし150nm、好ましくは5nmないし100nm、より好ましくは、7nmないし80nmでありうる。前記透明導電性膜25bの厚みが、前述のような範囲を満足する場合、有機発光素子の効率が向上しうる。
【0228】
例えば、前記有機発光素子は、基板上に、ITOからなる透明導電性膜と、Al含有亜鉛酸化物膜と、前記化学式1Aないし20Bのうち、いずれか1つの化学式で表示されるシアノ基含有化合物を含んだ第1層(ここで、前記第1層には選択的に、前記化学式42で表示される正孔輸送性化合物がさらに含まれる)と、前記化学式42で表示される化合物を含んだ正孔輸送層と、ホスト(前記化学式51ないし54のうち、いずれか一つで表示される化合物)及びドーパント(前記化学式51及び72のうち、いずれか一つで表示される化合物)を含んだ発光層と、電子輸送層と、電子注入層と、第2電極とが順に積層された構造を有し、優秀な緑色光を放出できる。前記緑色光は、蛍光発光メカニズムによって放出されるものでありうる。前記緑色光の最大発光ピークは、490nmないし560nmの範囲を挙げることができる。
【0229】
または、例えば、前記有機発光素子は、ITOからなる透明導電性膜と、Al含有亜鉛酸化物膜と、前記化学式20A及び20Bのうち、いずれか1つの化学式で表示されるシアノ基含有化合物を含んだ第1層(ここで、前記第1層には選択的に、前記化合物1ないし37のうち、いずれか一つである正孔輸送性化合物がさらに含まれる)と、前記化合物1ないし37のうち、いずれか一つを含んだ正孔輸送層と、ホスト(前記化合物51ないし58のうちいずれか一つ)及びドーパント(前記化合物40ないし42及び51ないし55、57及び58のうちいずれか一つ)を含んだ発光層と、電子輸送層と、電子注入層と、第2電極とが順に積層された構造を有し、優秀な青色光を放出できる。
【0230】
以上、前記有機発光素子について、図1及び図2を参照しつつ説明したが、前記有機発光素子は、これらに限定されるものではない。
【0231】
例えば、前述のような有機発光素子は、前記第1元素含有の亜鉛酸化物膜と基板との間に、金属層をさらに具備できる。前記金属層は、前記第1元素含有の亜鉛酸化物膜において、第1元素(金属元素)成分の基板への拡散に対するバリヤ層としての役割を行うことができる。前記金属層は、Mo、W、Ti、Pd、Pt及びAuからなる群から選択された一つ以上の金属を含むことができるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、前記金属層は、Ti層でありうる。前記金属層の厚みは、20nmないし200nm、好ましくは、50nmないし100nmでありうる。前記金属層の厚みが、前述のような範囲を満足する場合、第1元素成分の拡散を十分に防止できるが、これらに限定されるものではない。
【0232】
また、前述のような有機発光素子は、前記第1電極と前記第1層との間に、前述のような正孔注入層及び正孔輸送層からなる群から選択された1層以上の層をさらに含むことができる。すなわち、例えば、前記有機発光素子は、基板、第1電極(第1元素含有の亜鉛酸化物膜、及び選択的に透明導電性膜をさらに含む)、第1正孔輸送層、第1層、第2正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層及び第2電極が順に積層された構造を有することができる。
【0233】
一方、前記有機発光素子は、前記第1層を複数層含むことが可能である。例えば、前記有機発光素子は、基板、第1電極(第1元素含有の亜鉛酸化物膜、及び選択的に透明導電性膜をさらに含む)、第1次第1層、第1正孔輸送層、第2次第1層、第2正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層及び第2電極が順に積層された構造を有することができる。
【実施例】
【0234】
(比較例1)
コーニング社(Corning)の15Ω/cm(透明導電性膜のITO膜の厚み1200Å)ITOガラス基板を、50mm×50mm×0.7mmサイズに切り、イソプロピルアルコールと純水とでそれぞれ5分間超音波洗浄した後、30分間UV(ultraviolet)オゾン洗浄して使用した。前記ITOガラス基板の上部に、400Å厚のAl含有亜鉛酸化物膜(Alのドーピング濃度は、前記Al含有亜鉛酸化物膜100重量部当たり2重量部である)を形成し、ITO膜及びAl含有亜鉛酸化物膜を含むアノード(第1電極)を準備した。前記Al含有亜鉛酸化物膜の上部に、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)を真空蒸着し、750Å厚の正孔注入層を形成した後、前記正孔注入層の上部に、前記化合物5(以下に構造式を示す)を真空蒸着し、750Å厚の正孔輸送層を形成した。前記正孔輸送層の上部に、ホストとして前記化合物56(以下に構造式を示す)を97重量%、ドーパントとして前記化合物58(以下に構造式を示す)を3重量%(ホスト100重量部を基準として、ドーパントの含有量3.1重量部)使用し、200Å厚の発光層を形成した。前記発光層の上部に、Alq3を真空蒸着し、300Å厚の電子輸送層を形成した。前記電子輸送層の上部に、Liq(8−キノリノラトリチウム)を真空蒸着し、5Å厚の電子注入層を形成した後、Mg:Agを真空蒸着し、160Å厚のマグネシウム−銀(Mg−Ag)薄膜からなるカソード(第2電極)を形成した後、保護膜として、Alq3を600Å厚に蒸着することによって有機発光素子を完成した。
【0235】
【化97】

【0236】
(実施例1)
コーニング社(Corning)の15Ω/cm(透明導電性膜のITO膜の厚み1200Å)ITOガラス基板を、50mm×50mm×0.7mmサイズに切り、イソプロピルアルコールと純水とでそれぞれ5分間超音波洗浄した後、30分間UVオゾン洗浄して使用した。前記ITOガラス基板上部に、400Å厚のAl含有亜鉛酸化物膜(Alのドーピング濃度は、前記Al含有亜鉛酸化物膜100重量部当たり2重量部である)を形成し、ITO膜及びAl含有亜鉛酸化物膜を含むアノード(第1電極)を準備した。前記Al含有亜鉛酸化物膜の上部に、前記正孔注入層の代わりに、前記化学式20A(以下に構造式を示す)で表示される化合物(ここで、R103およびR109は−F(フッ素原子)である)及び前記化合物5を含んだ第1層(前記化学式20Aで表示される化合物の含有量は、前記第1層100重量部当たり1重量部である)を100Å厚に形成した後、前記化合物5で正孔輸送層を形成した点を除いては、前記比較例1と同じ方法でもって有機発光素子を製作した。
【0237】
【化98】

【0238】
(実施例2)
前記化学式20Aで表示される化合物の含有量を、前記第1層100重量部当たり3重量部に変更した点を除いては、前記実施例1と同じ方法でもって有機発光素子を製作した。
【0239】
(評価例)
前記比較例1、実施例1及び2の有機発光素子に対する駆動電圧は、238 HIGH CURRENT SOURCE(KEITHLEY)を利用して測定し、発光効率及び電力効率は、PR650 Spectroscan Source Measurement Unit.(PhotoResearch)を利用して評価し、下記表1に示した。
【0240】
【表1】

【0241】
前記表1から、実施例1及び2の有機発光素子は、比較例1の有機発光素子に比べて、駆動電圧が低く、発光効率及び電力効率が高いということを確認することができる。
【0242】
本明細書では、限定された実施例を中心にして本発明について説明したが、本発明の範囲内で多様な実施例が可能である。また、説明されていないにしても、均等な手段も、本発明にそのまま結合されるものである。よって、本発明の真の保護範囲は、特許請求の範囲によって決まるものである。
【符号の説明】
【0243】
1、21 基板、
5、25 第1電極、
5a、25a 第1元素含有の亜鉛酸化物膜、
6、26 第1層、
7、27 有機膜、
9、29 第2電極、
10、20 有機発光素子、
25b 透明導電性膜。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板上の第1電極と、第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極との間に介在されて発光層を含んだ有機膜と、を含み、
前記第1電極は、第1元素含有の亜鉛酸化物膜を含み、
前記第1元素は、Al(アルミニウム)、In(インジウム)、Zn(亜鉛)、Ga(ガリウム)、Ge(ゲルマニウム)、Gd(ガドリニウム)、Zr(ジルコニウム)、Mo(モリブデン)及びNi(ニッケル)からなる群から選択された一つ以上の元素であり、
前記第1電極と前記発光層との間に、シアノ基含有化合物を含んだ第1層を1層以上具備した有機発光素子。
【請求項2】
前記第1電極が、透明導電性膜をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項3】
前記第1元素の含有量は、前記第1元素含有の亜鉛酸化物膜100重量部当たり、0.5ないし10重量部であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機発光素子。
【請求項4】
前記第1元素は、Alであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項5】
前記シアノ基含有化合物が、下記化学式1ないし20のうちいずれか1つの化学式で表示されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機発光素子:
【化1】

【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

前記化学式1ないし20で、
ないしXは互いに独立して、下記化学式30Aないし30Dからなる群から選択され、
ないしYは互いに独立して、N及びC(R103)からなる群から選択され、
ないしZは互いに独立して、CHまたはNであり、
及びAは互いに独立して、−O−、−S−、−N(R104)−及び−C(R105)(R106)−からなる群から選択され、
101及びQ102は互いに独立して、C−C10アルキレン基;C−C10アルケニレン基;及びハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C10アルキル基及びC−C10アルコキシ基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C10アルキレン基並びにC−C10アルケニレン基;からなる群から選択され、
及びTは互いに独立して、C−C30芳香族環系(システム);C−C30ヘテロ芳香族環系(システム);及びハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C10アルキル基及びC−C10アルコキシ基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C30芳香族環系(システム)並びにC−C30ヘテロ芳香族環系(システム);からなる群から選択され、
pは、1ないし10の整数であり、
qは、0ないし10の整数であり、
101ないしR106は互いに独立して、水素原子;ハロゲン原子;シアノ基;ヒドロキシル基;C−C10アルキル基;C−C10アルコキシ基;及び水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C14アリール基、C−C14ヘテロアリール基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C10アルキル基並びにC−C10アルコキシ基;
【化21】

【化22】

及び−N(R107)(R108)からなる群から選択され、前記R107及びR108は互いに独立して、水素原子、C−C10アルキル基、フェニル基及びビフェニル基からなる群から選択され、
101は、C−C14アリーレン基;C−C14ヘテロアリーレン基;及びハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C10アルキル基及びC−C10アルコキシ基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C10アルケニレン基、C−C14アリーレン基並びにC−C14ヘテロアリーレン基;からなる群から選択される:
【化23】

【化24】

【化25】

【化26】

【請求項6】
前記XないしXが、前記化学式30Aまたは30Dであることを特徴とする請求項5に記載の有機発光素子。
【請求項7】
前記R103は、水素原子;ハロゲン原子;シアノ基;C−C10アルキル基;C−C10アルコキシ基;ハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピリジニル基、チオフェニル基及びベンゾチオフェニル基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C10アルキル基並びにC−C10アルコキシ基;及び−N(R107)(R108)からなる群から選択されるが、前記R107及びR108は互いに独立して、水素原子、C−C10アルキル基、フェニル基及びビフェニル基からなる群から選択されることを特徴とする請求項5または6に記載の有機発光素子。
【請求項8】
前記T及びTが互いに独立して、ベンゼン;ナフタレン;アントラセン;チオフェン;チアジアゾール;オキサジアゾール;及びハロゲン原子、シアノ基、C−C10アルキル基及びC−C10アルコキシ基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたベンゼン、ナフタレン、アントラセン、チオフェン、チアジアゾール及びオキサジアゾール;からなる群から選択されたことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項9】
101は、チオフェニレン基;ベンゾチオフェニレン基;及びハロゲン原子、シアノ基及びC−C10アルキル基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたチオフェニレン基並びにベンゾチオフェニレン基;からなる群から選択されたことを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項10】
前記シアノ基含有化合物が、下記化学式1Aないし20Bのうち、いずれか一つで表示されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機発光素子:
【化27】

【化28】

【化29】

【化30】

【化31】

【化32】

【化33】

【化34】

【化35】

【化36】

【化37】

【化38】

【化39】

【化40】

【化41】

【化42】

【化43】

【化44】

【化45】

【化46】

【化47】

【化48】

【化49】

【化50】

【化51】

【化52】

【化53】

【化54】

【化55】

【化56】

【化57】

【化58】

前記化学式で、
103及びR109は互いに独立して、水素原子、−F(フッ素原子)、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、エテニル基、メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基からなる群から選択される。
【請求項11】
前記第1層が、正孔輸送性化合物をさらに含んだことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項12】
前記正孔輸送性化合物が、下記化学式41または42で表示されることを特徴とする請求項11に記載の有機発光素子:
【化59】

【化60】

前記化学式41及び42で、
10は、−(Ar−Arで表示され、
16は、(Ar11−Ar12で表示され、
Ar、Ar11、L及びL11は互いに独立して、置換または非置換のC−C30アルキレン基、置換または非置換のC−C30アルケニレン基、置換または非置換のC−C30アリーレン基、置換または非置換のC−C30ヘテロアリーレン基及び−N(Q)−で表示される基からなる群から選択され、
n、m、a及びbは互いに独立して、0ないし10の整数であり、
前記RないしR、R11ないしR15、R17、R18、R21ないしR29、Ar、Ar12及びQは互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アルキルチオール基、置換または非置換のC−C30アリール基、C−C30ヘテロアリール基及び−N(Q)(Q)で表示される基からなる群から選択され、
前記Q及びQは互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アルキルチオール基、置換または非置換のC−C30アリール基及びC−C30ヘテロアリール基からなる群から選択され、
前記−(Ar−においてn個のArは、互いに同一であるか異なり、前記−(Ar11−においてm個のAr11は、互いに同一であるか異なり、前記−(L−においてa個のLは、互いに同一であるか異なり、−(L11−においてb個のL11は、互いに同一であるか異なりうる。
【請求項13】
前記Ar及びAr11は互いに独立して、C−C10アルキレン基;フェニレン基;ナフチレン基;アントリレン基;フルオレニレン基;カルバゾリレン基;ピラゾリレン基;ピリジニレン基;トリアジニレン基;−N(Q)−;ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C10アルキル基、C−C10アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C10アルキレン基、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フルオレニレン基、カルバゾリレン基、ピラゾリレン基、ピリジニレン基及びトリアジニレン基からなる群から選択され、
前記Qは、水素原子;C−C10アルキル基;フェニル基;ナフチル基;カルバゾリル基;フルオレニル基;及びハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C10アルキル基、C−C10アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C10アルキル基、C−C10アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、カルバゾリル基及びフルオレニル基からなる群から選択されることを特徴とする請求項12に記載の有機発光素子。
【請求項14】
前記Ar及びAr12は互いに独立して、水素原子;C−C10アルキル基;フェニル基;ナフチル基;カルバゾリル基;フルオレニル基;ピレニル基;ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、C−C10アルキル基、C−C10アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基からなる群から選択された一つ以上の置換基で置換されたC−C10アルキル基、C−C10アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、カルバゾリル基、フルオレニル基及びピレニル基;及びN(Q)(Q);からなる群から選択されるが、前記Q及びQは互いに独立して、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基、メチルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基及びメチルナフチル基からなる群から選択されたことを特徴とする請求項12または13に記載の有機発光素子。
【請求項15】
前記n及びmが、0、1、2、3、4、5または6であることを特徴とする請求項12〜14のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項16】
前記第1層において、シアノ基含有化合物の含有量が、前記第1層100重量部当たり0.1ないし20重量部であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項17】
前記第1層の厚みが、10Åないし2100Åであることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項18】
前記第1層と前記発光層との距離は、50Å以上であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の有機発光素子。
【請求項19】
前記第1層と前記発光層との間に、正孔注入層及び正孔輸送層からなる群から選択された1層以上の層がさらに含まれたことを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の有機発光素子。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−82154(P2011−82154A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201159(P2010−201159)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【Fターム(参考)】