有機発光表示装置およびその製造方法
【課題】有機発光表示装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置は、第1画素、第2画素、および第3画素にそれぞれ形成されている第1画素電極、第2画素電極、および第3画素電極を含む画素電極と、前記第1画素電極上に形成されている共振補助層と、前記共振補助層および第2画素電極上に共通で形成されている第1有機発光層、前記第1有機発光層上に形成されている第2有機発光層、前記第3画素電極上に形成されている第3有機発光層を含む有機発光層と、前記有機発光層上に形成されている共通電極と、前記共通電極上に形成されており、前記第1有機発光層で発光する第1光の波長領域と前記第2有機発光層で発光する第2光の波長領域の重畳波長領域の重畳光を吸収する混色防止膜とを含んでもよい。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置は、第1画素、第2画素、および第3画素にそれぞれ形成されている第1画素電極、第2画素電極、および第3画素電極を含む画素電極と、前記第1画素電極上に形成されている共振補助層と、前記共振補助層および第2画素電極上に共通で形成されている第1有機発光層、前記第1有機発光層上に形成されている第2有機発光層、前記第3画素電極上に形成されている第3有機発光層を含む有機発光層と、前記有機発光層上に形成されている共通電極と、前記共通電極上に形成されており、前記第1有機発光層で発光する第1光の波長領域と前記第2有機発光層で発光する第2光の波長領域の重畳波長領域の重畳光を吸収する混色防止膜とを含んでもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光表示装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光表示装置は、正孔注入電極と有機発光層、および電子注入電極で構成される有機発光素子を含む。それぞれの有機発光素子は、有機発光層の内部で電子と正孔が結合して生成された励起子(exciton)が励起状態から基底状態に落ちるときに発生するエネルギーによって発光するが、このような発光を利用して有機発光表示装置が所定の映像を表示する。
【0003】
有機発光表示装置は自発光(self−luminance)特性を有し、液晶表示装置とは異なって別途の光源を必要としないため、厚さと重量を減らすことができる。さらに、有機発光表示装置は、低い消費電力、高い輝度、および速い応答速度などのハイクォリティー特性を有するため、次世代表示装置として注目されている。
【0004】
このような有機発光表示装置の単位画素(pixel)には、赤色画素、緑色画素、および青色画素のサブ画素(sub pixel)が備えられているが、この3色のサブ画素の色の組み合わせによって所望するカラーが表現される。すなわち、各サブ画素ごとに2つの電極間に赤色、緑色、および青色のうちのいずれか1つの色の光を発する有機発光層が介在する構造を有し、この3色の光の適切な組み合わせによって単位画素の色が表現される。
【0005】
このような有機発光層はマスク蒸着法によって形成されることができるが、有機発光層のパターンと同じパターンを有する微細金属マスク(Fine Metal Mask:FMM)を対象材の上に整列させ、このマスクを介して元素材を蒸着することにより、所望するパターンの有機発光層を対象材に形成するようになる。
【0006】
しかし、このようなマスク蒸着法を行うためには、赤色、緑色、青色の各サブ画素を形成するたびに微細金属マスクを変えて用いなければならないため、合計3回のマスク工程を実行しなければならないという煩わしさが伴う。例えば、赤色画素を蒸着するときには1回目の微細金属マスクを用い、緑色画素を蒸着するときには2回目の微細金属マスクを、青色画素を蒸着するときには3回目の細金属マスクを用いるというように蒸着を行うことによって単位画素の発光層パターンが完成されるため、マスク工程が極めて増加するようになり、生産性が低下する。さらに、マスク蒸着の際には、隣接する色の有機発光層と所定の間隔が確保されることによって蒸着が円滑に行われるようになるため、マスク工程が増えることは高解像度の実現にも阻害要因として作用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】日本国特許第4069745号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、製造工程が単純であり、色純度および視野角を向上させることができる有機発光表示装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置は、第1画素、第2画素、および第3画素にそれぞれ形成されている第1画素電極、第2画素電極、および第3画素電極を含む画素電極と、前記第1画素電極上に形成されている共振補助層と、前記共振補助層および第2画素電極上に共通で形成されている第1有機発光層、前記第1有機発光層上に形成されている第2有機発光層、前記第3画素電極上に形成されている第3有機発光層を含む有機発光層と、前記有機発光層上に形成されている共通電極と、前記共通電極上に形成されており、前記第1有機発光層で発光する第1光の波長領域と前記第2有機発光層で発光する第2光の波長領域の重畳波長領域の重畳光を吸収する混色防止膜とを含んでもよい。
【0010】
前記共通電極と前記混色防止膜の間に形成されている偏光膜をさらに含んでもよい。
【0011】
前記混色防止膜は前記第1画素にのみ形成されてもよい。
【0012】
前記混色防止膜上に形成されている偏光膜をさらに含んでもよい。
【0013】
前記混色防止膜は、支持膜と、前記支持膜上に形成されており、前記重畳光を吸収する吸水膜を含んでもよい。
【0014】
前記混色防止膜は、前記偏光膜の接着剤に前記重畳光を吸収する吸収剤が混合されている混合層であってもよい。
【0015】
前記混色防止膜は赤色カラーフィルタを含んでもよい。
【0016】
前記赤色カラーフィルタは前記第1画素にのみ形成されてもよい。
【0017】
前記混色防止膜は、560nm〜590nmの重畳波長領域の前記重畳光を吸収してもよい。
【0018】
前記第1有機発光層と前記第2有機発光層は、同じパターンで形成されてもよい。
【0019】
前記画素電極は、反射電極と、前記反射電極上に形成されている透明電極とを含み、前記第1画素と前記第2画素において、前記反射電極と前記共通電極の間の距離は互いに相違するように形成されてもよい。
【0020】
前記反射電極と前記共通電極の間の距離は、前記第1画素、第2画素、および第3画素の順に短くなってもよい。
【0021】
前記第1画素は赤色画素、前記第2画素は緑色画素、前記第3画素は青色画素であってもよい。
【0022】
前記反射電極は非晶質ITOを含み、前記共振補助層は結晶質ITOを含んでもよい。
【0023】
また、本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置の製造方法は、第1画素、第2画素、および第3画素にそれぞれ第1画素電極、第2画素電極、および第3画素電極を形成する段階と、前記第1画素電極上に共振補助層を形成する段階と、前記共振補助層および第2画素電極上に第1有機発光層を共通で形成する段階と、前記第1有機発光層上に第2有機発光層を形成する段階と、前記第3画素電極上に第3有機発光層を形成する段階と、前記第1有機発光層、前記第2有機発光層および第3有機発光層上に共通電極を形成する段階と、前記共通電極上に混色防止膜を形成する段階とを含んでもよい。
【0024】
前記混色防止膜を形成する段階では、前記第1有機発光層で発光する第1光の波長領域と前記第2有機発光層で発光する第2光の波長領域の重畳波長領域の重畳光を吸収する前記混色防止膜を形成してもよい。
【0025】
前記混色防止膜を形成する段階の前に、前記共通電極上に偏光膜を形成する段階をさらに含んでもよい。
【0026】
前記混色防止膜は前記第1画素にのみ形成されてもよい。
【0027】
前記混色防止膜上に偏光膜を形成する段階をさらに含んでもよい。
【0028】
前記混色防止膜を形成する段階は、支持膜を形成する段階と、前記支持膜上に前記重畳光を吸収する吸水膜を形成する段階とを含んでもよい。
【0029】
前記混色防止膜は、前記偏光膜の接着剤に前記重畳光を吸収する吸収剤を混合した混合層で形成されてもよい。
【0030】
前記混色防止膜は赤色カラーフィルタで形成してもよい。
【0031】
前記赤色カラーフィルタは前記第1画素にのみ形成されてもよい。
【0032】
前記混色防止膜は、560nm〜590nmの重畳波長領域の前記重畳光を吸収してもよい。
【0033】
前記第1有機発光層と前記第2有機発光層は、同じ第1マスクによって同じパターンで形成されてもよい。
【0034】
前記第1画素は赤色画素、前記第2画素は緑色画素、前記第3画素は青色画素であってもよい。
【発明の効果】
【0035】
本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置およびその製造方法は、2回のマスク工程だけで3色の有機発光層を形成することができるため、工程の簡素化によって生産性を向上させることができ、蒸着する3色の有機発光層の間隔の減少によって300PPI水準の高解像度を実現できると同時に、混色防止膜を形成することによって同じマスクによって形成される赤色画素および緑色画素の色干渉現象を防ぎ、視野角を向上させることができる。
【0036】
また、偏光膜の接着剤に吸収剤を混合して混色防止膜を容易に形成することにより、赤色画素および緑色画素の色干渉現象を防ぎ、視野角を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置において、一サブ画素の等価回路図である。
【図2】図1に示す有機発光表示装置の単位画素の断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置の混色防止膜の波長による透過度を示すグラフである。
【図4】混色防止膜が形成されていない赤色および緑色重畳有機発光表示装置の比較例1において、波長による発光光度を示すグラフである。
【図5】混色防止膜が形成されていない赤色および緑色重畳有機発光表示装置の比較例1において、視野角による発光強度を示すグラフである。
【図6】混色防止膜が形成された本発明の第1実施形態に係る赤色および緑色重畳有機発光表示装置において、視野角による発光強度を示すグラフである。
【図7】560nm〜570nmの重畳波長領域の光を吸収する混色防止膜が形成された赤色および緑色重畳有機発光表示装置の比較例2において、視野角による発光光度を示すグラフである。
【図8】580nm〜590nmの重畳波長領域の光を吸収する混色防止膜が形成された赤色および緑色重畳有機発光表示装置の比較例3において、視野角による発光光度を示すグラフである。
【図9】本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置の製造方法により、第1マスクを利用して赤色有機発光層と緑色有機発光層を順に積層する段階を示す図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置の製造方法により、第2マスクを利用して青色有機発光層を形成する段階を示す図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る有機発光表示装置の断面図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係る有機発光表示装置の断面図である。
【図13】本発明の第4実施形態に係る有機発光表示装置の断面図である。
【図14】本発明の第5実施形態に係る有機発光表示装置の断面図である。
【図15】本発明の第5実施形態に係る有機発光表示装置の赤色カラーフィルタの波長による透過度のグラフである。
【図16】本発明の第5実施形態に係る有機発光表示装置において、視野角による発光強度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明は、多様に相違した形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されることはない。
【0039】
また、明細書全体に渡って同一または類似する構成要素については、同一する参照符号を付与する。
【0040】
さらに、図面に示す各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したものであり、本発明が必ずしも示されたものに限定されることはない。
【0041】
以下、本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置について、図1および図2を参照しながら詳細に説明する。
【0042】
図1は、本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置において、一サブ画素の等価回路図である。
【0043】
図1に示すように、本実施形態に係る有機発光表示装置は、複数の信号線121、171、172と、これに連結しているサブ画素(sub pixel)(PX)とを含む。サブ画素(PX)は、第1画素、第2画素、および第3画素のうちのいずれか1つであってもよく、第1画素、第2画素、および第3画素はそれぞれ赤色画素(R)、緑色画素(G)、および青色画素(B)であってもよい。
【0044】
信号線は、ゲート信号(または走査信号)を伝達する走査信号線(scanning signal line)121、データ信号を伝達するデータ線(data line)171、駆動電圧を伝達する駆動電圧線(driving voltage line)172などを含む。走査信号線121はほぼ行方向に伸びていながら互いがほぼ平行であり、データ線171はほぼ列方向に伸びていながら互いがほぼ平行である。駆動電圧線172はほぼ列方向に伸びているように示されているが、行方向または列方向に伸びてもよく、網状に形成されてもよい。
【0045】
一サブ画素(PX)は、スイッチングトランジスタ(switching transistor)(Qs)、駆動トランジスタ(driving transistor)(Qd)、ストレージキャパシタ(storage capacitor)(Cst)、および有機発光素子(organic light emitting element)(LD)を含む。
【0046】
スイッチングトランジスタ(Qs)は、制御端子(control terminal)(N1)、入力端子(input terminal)(N2)、および出力端子(output terminal)(N3)を有するが、制御端子(N1)は走査信号線121に連結しており、入力端子(N2)はデータ線171に連結しており、出力端子(N3)は駆動トランジスタ(Qd)に連結している。スイッチングトランジスタ(Qs)は、走査信号線121から受けた走査信号に応答し、データ線171から受けたデータ信号を駆動トランジスタ(Qd)に伝達する。
【0047】
駆動トランジスタ(Qd)も、制御端子(N3)、入力端子(N4)、および出力端子(N5)を有するが、制御端子(N3)はスイッチングトランジスタ(Qs)に連結しており、入力端子(N4)は駆動電圧線172に連結しており、出力端子(N5)は有機発光素子(LD)に連結している。駆動トランジスタ(Qd)は、制御端子(N3)と出力端子(N5)の間にかかる電圧に応じて、その大きさが異なる出力電流(ILD)を流す。
【0048】
キャパシタ(Cst)は、駆動トランジスタ(Qd)の制御端子(N3)と入力端子(N4)の間に連結している。このキャパシタ(Cst)は、駆動トランジスタ(Qd)の制御端子(N3)に印加されるデータ信号を充電し、スイッチングトランジスタ(Qs)がターンオフ(turn−off)した後にもこれを維持する。
【0049】
有機発光素子(LD)は、例えば、有機発光ダイオード(organic light emitting diode:OLED)であって、駆動トランジスタ(Qd)の出力端子(N5)に連結しているアノード(anode)と、共通電圧(Vss)に連結しているカソード(cathode)とを有する。有機発光素子(LD)は、駆動トランジスタ(Qd)の出力電流(ILD)に応じて強度を異にし、発光によって映像を表示する。有機発光素子(LD)は、赤色、緑色、青色の三原色などの基本色(primary color)のうちのいずれか1つまたは1つ以上の光を固有に出す有機物質を含んでもよく、有機発光表示装置はこれらの色の空間的な合によって所望する映像を表示する。
【0050】
スイッチングトランジスタ(Qs)および駆動トランジスタ(Qd)は、n−チャネル電界効果トランジスタ(field effect transistor:FET)であってもよく、これらのうちの少なくとも1つはp−チャネル電界効果トランジスタであってもよい。また、トランジスタ(Qs、Qd)、キャパシタ(Cst)、および有機発光素子(LD)の連結関係が変わってもよい。
【0051】
以下、本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置の断面構造について、図2を上述した図1と共に参照しながら詳細に説明する。
【0052】
図2は、図1に示す有機発光表示装置の単位画素の断面図である。
【0053】
透明なガラスまたはプラスチックなどで生成される絶縁基板110上に、複数の駆動トランジスタ(Qd)が形成されている。この他に、絶縁基板110上には、複数の信号線(図示せず)および複数のスイッチングトランジスタ(図示せず)などがさらに形成されてもよい。
【0054】
駆動トランジスタ(Qd)上には、無機物または有機物で生成される保護膜180が形成されている。保護膜180が有機物で生成された場合、その表面が平坦になってもよい。
【0055】
保護膜180には、駆動トランジスタ(Qd)の一部を露出する接触孔185が形成されている。
【0056】
各画素(R、G、B)の保護膜180上には画素電極190が形成されている。画素電極190は、赤色画素(R)、緑色画素(G)、および青色画素(B)にそれぞれ形成されている第1画素電極、第2画素電極、および第3画素電極を含む。画素電極190は、反射電極191と、その上に形成された透明電極192とを含む。反射電極191は、銀(Ag)またはアルミニウム(Al)などの反射度が高い金属またはこれらの合金などで生成されてもよく、透明電極192は、ITO(indium tin oxide)またはIZO(indium zin coxide)などの透明な導電性酸化物などで生成される結晶質ITO層を含んでもよい。
【0057】
赤色画素(R)の画素電極190上には共振補助層193が形成されているが、共振補助層193は、ITOまたはIZOなどの透明な導電性酸化物などで生成される非晶質ITO層を含んでもよい。共振補助層193は、赤色画素(R)と緑色画素(G)の2つの電極、すなわち、画素電極190と共通電極270の間隔を相違して生成するために追加されるものであって、赤色有機発光層320Rと緑色有機発光層320Gを同じ形状で赤色画素(R)と緑色画素(G)に共通的に形成しても、共振補助層193によって赤色画素(R)と緑色画素(G)はそれぞれの色の光を発光できるようになる。
【0058】
保護膜180上には、画素電極190の周縁周辺を覆うように画素定義膜189が形成されている。
【0059】
赤色、緑色、および青色画素(R、G、B)において、画素電極190および画素定義膜189上の前面には正孔付帯層310が形成されているが、正孔付帯層310は、正孔注入層(HIL:hole injecting layer)と、その上に積層された正孔輸送層(HTL:hole transport layer)とを含む。
【0060】
赤色画素(R)と緑色画素(G)の正孔付帯層310上には共通的に赤色有機発光層320Rが形成されており、赤色有機発光層320R上には緑色有機発光層320Gが形成されている。赤色有機発光層320Rと緑色有機発光層320Gは、同じ第1マスク10を利用して同じパターンで形成される。したがって、製造工程を単純化させることができる。
【0061】
また、青色画素(B)の正孔付帯層310上には、青色有機発光層320Bが独立的に形成されている。
【0062】
赤色、緑色、および青色有機発光層320R、320G、320Bは、赤色、緑色、および青色の光を固有に出す有機物質で生成されてもよい。
【0063】
赤色画素(R)と緑色画素(G)に形成された緑色有機発光層320G上と青色画素(B)に形成された青色有機発光層320B上には電子付帯層330が形成されているが、電子付帯層330は、電子輸送層(ETL:electron transport layer)と、その上に積層された電子注入層(EIL:electron injecting layer)とを含む。
【0064】
正孔付帯層310と電子付帯層330は、有機発光層320R、320G、320Bの発光効率を向上するためのものであって、正孔輸送層と電子輸送層は電子と正孔の均衡を合わせるためのものであり、正孔注入層と電子注入層は電子と正孔の注入を強化するためのものである。
【0065】
正孔付帯層310、有機発光層320R、320G、320B、電子付帯層330は共に有機発光部材370を形成する。
【0066】
電子付帯層330上には、共通電圧(Vss)を伝達する共通電極270が形成されている。共通電極270は、下部層と上部層の二重層で形成されており、光の一部は反射させて残りの一部は通過させる半透過(transflective)特性を有する半透過電極であってもよい。この下部層と上部層はすべて光を反射する性質を有する金属で形成されるが、その厚さを薄くすれば、入射光が反射したり透過する半透過特性を有することができる。また、共通電極270は、単一膜で構成されてもよい。
【0067】
このような有機発光表示装置において、画素電極190、有機発光部材370、および共通電極270は、有機発光素子(LD)をなす。画素電極190は、保護膜180の接触孔185を介して駆動トランジスタ(Qd)から電圧が伝達されてもよい。
【0068】
このような有機発光表示装置は、共通電極270側に光を排出して映像を表示する。有機発光層320R、320G、320Bから共通電極270側に放出された光は、共通電極270に至り、一部は共通電極270を透過して出ていき、他の一部は反射して画素電極190側に送られる。画素電極190は、これを再び反射して共通電極270側に送る。このように、画素電極190と共通電極270の間で往復する光は干渉現象を引き起こすようになるが、光のうち、画素電極190と共通電極270の距離が共振を引き起こす距離に該当する波長の光は補強干渉を引き起こして強度が強くなり、他の波長の光は相殺干渉を引き起こして強度が弱くなる。このような光の往復および干渉過程を微細共振(micro cavity)という。
【0069】
青色画素(B)は、青色有機発光層320Bが赤色画素(R)および緑色画素(G)と分離して形成されるため、独自に補強干渉が適切に引き起こるように画素電極190と共通電極270の間隔を設定する。画素電極190と共通電極270の間隔は、青色有機発光層320Bの厚さを調節して設定してもよい。
【0070】
また、赤色画素(R)および緑色画素(G)は、赤色有機発光層320Rおよび緑色有機発光層320Gが赤色画素(R)と緑色画素(G)に渡って同じパターンで形成されているが、赤色画素(R)に共振補助層193を形成することにより、赤色画素(R)と緑色画素(G)において画素電極190と共通電極270の間隔を互いに異なるようにする。このように、共振補助層193を利用して画素電極190と共通電極270の間隔を調節することにより、赤色画素(R)では赤色光の補強干渉が適切に起こるようにし、緑色画素(G)では緑色光の補強干渉が適切に起こるようにする。したがって、赤色画素(R)では赤色光が、緑色画素(G)では緑色光が出るようになる。以下、赤色有機発光層320Rおよび緑色有機発光層320Gが赤色画素(R)と緑色画素(G)に渡って同じパターンで形成されており、赤色画素(R)に共振補助層193が形成された構造の有機発光表示装置を、赤色および緑色重畳有機発光表示装置として定義する。
【0071】
共通電極270上には、密封層(encapsulation layer)400が形成されている。密封層400は、有機膜と無機膜が互いに1つずつ交互に積層される薄膜封止層として形成されてもよい。このような密封層400は、有機発光部材370および共通電極270を密封(encapsulation)し、外部から水分または酸素が侵入することを防ぐことができる。
【0072】
密封層400上には偏光膜510が形成されている。偏光膜510は、外部から有機発光表示装置内に入ってくる光と有機発光層の発光時に有機発光表示装置内の金属配線によって発生する多くの反射光とが本来発光する色と混合してコントラスト比(contrast ratio)を低下させることを防ぐために、有機発光表示装置の発光方向に形成されている。
【0073】
偏光膜510上には、赤色画素(R)と緑色画素(G)の混色防止のための混色防止膜520が形成されている。混色防止膜520は、透明な材質の支持膜521と、支持膜521上に形成されている吸水膜522とを含む。
【0074】
吸水膜522は、赤色有機発光層320Rで発光する赤色光の波長領域と緑色有機発光層320Gで発光する緑色光の波長領域の重畳波長領域(P)に該当する重畳光を吸収する。具体的に、吸水膜522は、560nm〜590nmの重畳波長領域(P)の重畳光を吸収して除去する。
【0075】
図3は、本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置の混色防止膜の波長による透過度を示すグラフである。図3には、560nm〜590nmの重畳波長領域の重畳光を除去する混色防止膜が形成された本発明の第1実施形態に係る赤色および緑色重畳有機発光表示装置の波長による透過度グラフ(A)、560nm〜570nmの重畳波長領域の光を吸収する混色防止膜が形成された赤色および緑色重畳有機発光表示装置の比較例2の波長による透過度グラフ(B1)、580nm〜590nmの重畳波長領域の光を吸収する混色防止膜が形成された赤色および緑色重畳有機発光表示装置の比較例3の波長による透過度グラフ(B2)が示されている。
【0076】
図3に示すように、混色防止膜520は、560nm〜590nmの重畳波長領域の重畳光の透過度をゼロ(zero)近くまで低下させる。
【0077】
以下、本発明の第1実施形態に係る赤色および緑色重畳有機発光表示装置について、比較例1〜比較例3と比べた図面を参照しながら詳しく説明する。
【0078】
図4は、混色防止膜が形成されていない赤色および緑色重畳有機発光表示装置の比較例1において、波長による発光光度を示すグラフである。図5は、混色防止膜が形成されていない赤色および緑色重畳有機発光表示装置の比較例1において、視野角による発光強度を示すグラフである。図6は、混色防止膜が形成された本発明の第1実施形態に係る赤色および緑色重畳有機発光表示装置において、視野角による発光強度を示すグラフである。
【0079】
図4に示すように、赤色および緑色重畳有機発光表示装置の比較例1では、赤色有機発光層320Rと緑色有機発光層320Gを赤色画素(R)と緑色画素(G)すべてに積層し、赤色画素(R)に共振補助層193を形成することにより、赤色画素(R)で赤色の光が出るようにし、緑色画素(G)で緑色の光が出るようにする。しかし、この場合、赤色有機発光層320Rと緑色有機発光層320Gが赤色画素(R)と緑色画素(G)すべてに積層されているため、赤色画素(R)と緑色画素(G)が重なる560nm〜590nmの重畳波長領域(P)で光の相互干渉が生じるようになり、赤色画素(R)に緑色の光が少し混ざり出て、緑色画素(G)に赤色の光が少し混ざり出るようになり、各画素の色純度が低下する。
【0080】
また、図5に示すように、赤色および緑色重畳有機発光表示装置の比較例1を側面方向から見たとき、光の光学的透過経路が変更して視野角が低下する。特に、赤色画素(R)は、視野角による発光光度の変化が酷く、赤色画素(R)でオレンジ色が出るという現象が発生することがある。
【0081】
しかし、図6に示すように、本発明の第1実施形態に係る赤色および緑色重畳有機発光表示装置の混色防止膜520は、560nm〜590nmの重畳波長領域の重畳光は吸収し、残りの波長領域の光は透過させるため、混色防止膜520を通過した光は560nm〜590nmの重畳波長領域、すなわち、オレンジ色領域の光が除去されている。したがって、赤色画素(R)と緑色画素(G)の色干渉現象を防ぎ、視野角を改善することができる。
【0082】
また、混色防止膜520は、赤色画素(R)、緑色画素(G)、および青色画素すべてに形成されるため、色別に整列する必要がなく、フィルム形態で製造することもでき、容易に有機発光表示装置に付着して用いることもできる。
【0083】
さらに、複数の混色防止膜520を積層することにより、除去したい波長領域を選択することができるため、どんな波長領域でも容易に除去することができる。
【0084】
図7は、560nm〜570nmの重畳波長領域の光を吸収する混色防止膜が形成された赤色および緑色重畳有機発光表示装置の比較例2において、視野角による発光光度を示すグラフである。図8は、580nm〜590nmの重畳波長領域の光を吸収する混色防止膜が形成された赤色および緑色重畳有機発光表示装置の比較例3において、視野角による発光光度を示すグラフである。
【0085】
図7および図8に示すように、混色防止膜520が560nm〜570nmの重畳波長領域の光のみを吸収したり、580nm〜590nmの重畳波長領域の光のみを吸収する場合には、赤色画素(R)と緑色画素(G)の間の色干渉現象がそのまま発生し、視野角が低下することが分かる。したがって、本発明の第1実施形態に係る赤色および緑色重畳有機発光表示装置の混色防止膜520は、560nm〜590nmの重畳波長領域の光は吸収し、残りの波長領域の光は透過させることができるため、視野角を向上させることができる。
【0086】
以下、本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置の製造方法について、図2、図9、および図10を参照しながら詳しく説明する。
【0087】
図9は、本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置の製造方法により、第1マスクを利用して赤色有機発光層と緑色有機発光層を順に積層する段階を示す図面である。図10は、本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置の製造方法により、第2マスクを利用して青色有機発光層を形成する段階を示す図である。
【0088】
まず、図9を参照すれば、絶縁基板110上に複数の駆動トランジスタ(Qd)を形成し、その上に複数の接触孔185を有する保護膜180を形成する。そして、各画素(R、G、B)の保護膜180上に反射層および結晶質導電性酸化物部材を順に積層してパターニングして画素電極190を形成し、赤色画素(R)の画素電極190上には画素電極190と同じパターンで共振補助層193を形成する。そして、保護膜180上に窒化物または酸化物を利用して画素電極190および共振補助層193の周縁周辺を覆う画素定義膜189を形成し、赤色、緑色、および青色画素(R、G、B)の画素電極190および画素定義膜189上に正孔付帯層310を形成する。
【0089】
そして、赤色画素(R)および緑色画素(G)に対応する開口部を有する第1マスク10を利用して、正孔付帯層310上に赤色有機発光層320Rおよび緑色有機発光層320Gを順に積層する。このように、赤色画素(R)の有機発光層と緑色画素(G)の有機発光層を1つの第1マスク10を利用して形成することができるため、2回のマスク工程で3色有機発光層を形成することができ、製造過程が簡素化する。
【0090】
また、赤色画素(R)と緑色画素(G)は同じ第1マスク10を利用して形成されるため、赤色画素(R)と緑色画素(G)の間隔を減らすことができ、高解像度を実現することができる。
【0091】
次に、図10に示すように、青色画素(B)に対応する開口部を有する第2マスク20を利用して、正孔付帯層310上に青色有機発光層320Bを形成する。
【0092】
次に、図2に示すように、緑色有機発光層320Gおよび青色有機発光層320B上に電子付帯層330、共通電極270を順に積層し、その上に有機膜と無機膜を交互に形成して密封層400を形成する。そして、密封層400上に偏光膜510を付着し、偏光膜510上に560nm〜590nmの重畳波長領域の重畳光を吸収する混色防止膜520を付着する。このような混色防止膜520は、赤色画素(R)、緑色画素(G)、および青色画素(B)すべての前面に付着されるため、色別に整列する必要がない。
【0093】
また、混色防止膜520は、フィルム形態に製造し、容易に有機発光表示装置に付着して用いることもできる。
【0094】
一方、前記第1実施形態では、偏光膜の上に混色防止膜が形成されているが、偏光膜の下に混色防止膜が形成されてもよい。
【0095】
図11は、本発明の第2実施形態に係る有機発光表示装置の断面図である。
【0096】
図11に示す実施形態は、図2に示す実施形態に比べ、偏光膜の下に混色防止膜が形成されたことを除いては実質的に同じであるため、反復する説明は省略する。
【0097】
図11に示すように、密封層400と偏光膜510の間には、赤色画素(R)と緑色画素(G)の混色防止のための混色防止膜520が形成されている。混色防止膜520は、透明な材質の支持膜521と、支持膜521上に形成されている吸水膜522とを含む。
【0098】
吸水膜522は、赤色有機発光層320Rで発光する赤色光の波長領域と緑色有機発光層320Gで発光する緑色光の波長領域の重畳波長領域(P)に該当する重畳光を吸収する。具体的に、吸水膜522は、560nm〜590nmの重畳波長領域(P)の重畳光を吸収して除去する。したがって、混色防止膜520を通過した光は、560nm〜590nmの重畳波長領域の光が除去されており、赤色画素(R)と緑色画素(G)の間の色干渉現象を防ぎ、視野角を改善することができる。
【0099】
一方、前記第1実施形態では、混色防止膜が赤色画素、緑色画素、および赤色画素すべてに形成されているが、混色防止膜が赤色画素にのみ形成されてもよい。
【0100】
図12は、本発明の第3実施形態に係る有機発光表示装置の断面図である。
【0101】
図12に示す実施形態は、図2に示す実施形態に比べ、混色防止膜が赤色画素にのみ形成されたことを除いては実質的に同じであるため、反復する説明は省略する。
【0102】
図12に示すように、赤色画素(R)に対応する密封層400上には、赤色画素(R)と緑色画素(G)の混色防止のための混色防止膜520が形成されている。混色防止膜520は、透明な材質の支持膜521と、支持膜521上に形成されている吸水膜523とを含む。
【0103】
吸水膜523は、赤色有機発光層320Rで発光する赤色光の波長領域と緑色有機発光層320Gで発光する緑色光の波長領域の重畳波長領域(P)に該当する重畳光を吸収する。具体的に、吸水膜523は、560nm〜590nmの重畳波長領域(P)の重畳光を吸収して除去する。したがって、混色防止膜520を通過した光は、560nm〜590nmの重畳波長領域の光が除去されており、赤色画素(R)と緑色画素(G)の間の色干渉現象を防ぎ、視野角を改善することができる。
【0104】
一方、前記第2実施形態では、混色防止膜が支持膜と吸水膜で構成されているが、混色防止膜が偏光膜の接着剤と重畳光を吸収する吸収剤の混合層であってもよい。
【0105】
図13は、本発明の第4実施形態に係る有機発光表示装置の断面図である。
【0106】
図13に示す実施形態は、図11に示す実施形態に比べ、混色防止膜が偏光膜の接着剤と重畳光を吸収する吸収剤の混合層であることを除いては実質的に同じであるため、反復する説明は省略する。
【0107】
図13に示すように、密封層400と偏光膜510の間には、赤色画素(R)と緑色画素(G)の混色防止のための混色防止膜530が形成されている。混色防止膜530は、偏光膜510を密封層400に付着する接着剤と重畳光を吸収する吸収剤の混合層であってもよい。吸収剤は、赤色有機発光層320Rで発光する赤色光の波長領域と緑色有機発光層320Gで発光する緑色光の波長領域の重畳波長領域(P)に該当する重畳光を吸収する。具体的に、吸収剤は、560nm〜590nmの重畳波長領域(P)の重畳光を吸収して除去する。したがって、混色防止膜530を通過した光は、560nm〜590nmの重畳波長領域の光が除去されており、赤色画素(R)と緑色画素(G)の間の色干渉現象を防ぎ、視野角を改善することができる。
【0108】
また、偏光膜の接着剤に吸収剤を混合することにより、混色防止膜を容易に形成してもよい。
【0109】
一方、前記第2実施形態では、混色防止膜が支持膜と吸水膜で構成されているが、混色防止膜が赤色カラーフィルタを含んでもよい。
【0110】
図14は、本発明の第5実施形態に係る有機発光表示装置の断面図である。図15は、本発明の第5実施形態に係る有機発光表示装置の赤色カラーフィルタの波長による透過度のグラフである。図16は、本発明の第5実施形態に係る有機発光表示装置において、視野角による発光強度を示すグラフである。
【0111】
図14に示す実施形態は、図11に示す実施形態に比べ、混色防止膜が赤色カラーフィルタを含むことを除いては実質的に同じであるため、反復する説明は省略する。
【0112】
図14に示すように、密封層400と偏光膜510の間には、赤色画素(R)と緑色画素(G)の混色防止のための混色防止膜540が形成されている。混色防止膜540は、赤色画素(R)に形成されている赤色カラーフィルタを含む。緑色画素(G)および青色画素(B)には透明フィルターが形成されてもよい。赤色カラーフィルタは赤色画素(R)にのみ形成されていてもよい。
【0113】
図15に示すように、赤色カラーフィルタは、580nm〜780nm波長領域の光を透過させ、580nm以下の波長領域の光は吸収するため、図16に示すように、赤色画素(R)で混色防止膜520を通過した光は、560nm〜590nmの重畳波長領域の光が除去されており、赤色画素(R)と緑色画素(G)の間の色干渉現象を防ぎ、視野角を改善することができる。
【0114】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明、および添付の図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属することは当然である。
【符号の説明】
【0115】
10:第1マスク
20:第2マスク
190:画素電極
193:共振補助層
270:共通電極
310:正孔付帯層
320R:赤色有機発光層
320G:緑色有機発光層
320B:青色有機発光層
370:有機発光部材
400:密封層
510:偏光膜
520、530、540:混色防止膜
521:支持膜
522、523:吸水膜
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光表示装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光表示装置は、正孔注入電極と有機発光層、および電子注入電極で構成される有機発光素子を含む。それぞれの有機発光素子は、有機発光層の内部で電子と正孔が結合して生成された励起子(exciton)が励起状態から基底状態に落ちるときに発生するエネルギーによって発光するが、このような発光を利用して有機発光表示装置が所定の映像を表示する。
【0003】
有機発光表示装置は自発光(self−luminance)特性を有し、液晶表示装置とは異なって別途の光源を必要としないため、厚さと重量を減らすことができる。さらに、有機発光表示装置は、低い消費電力、高い輝度、および速い応答速度などのハイクォリティー特性を有するため、次世代表示装置として注目されている。
【0004】
このような有機発光表示装置の単位画素(pixel)には、赤色画素、緑色画素、および青色画素のサブ画素(sub pixel)が備えられているが、この3色のサブ画素の色の組み合わせによって所望するカラーが表現される。すなわち、各サブ画素ごとに2つの電極間に赤色、緑色、および青色のうちのいずれか1つの色の光を発する有機発光層が介在する構造を有し、この3色の光の適切な組み合わせによって単位画素の色が表現される。
【0005】
このような有機発光層はマスク蒸着法によって形成されることができるが、有機発光層のパターンと同じパターンを有する微細金属マスク(Fine Metal Mask:FMM)を対象材の上に整列させ、このマスクを介して元素材を蒸着することにより、所望するパターンの有機発光層を対象材に形成するようになる。
【0006】
しかし、このようなマスク蒸着法を行うためには、赤色、緑色、青色の各サブ画素を形成するたびに微細金属マスクを変えて用いなければならないため、合計3回のマスク工程を実行しなければならないという煩わしさが伴う。例えば、赤色画素を蒸着するときには1回目の微細金属マスクを用い、緑色画素を蒸着するときには2回目の微細金属マスクを、青色画素を蒸着するときには3回目の細金属マスクを用いるというように蒸着を行うことによって単位画素の発光層パターンが完成されるため、マスク工程が極めて増加するようになり、生産性が低下する。さらに、マスク蒸着の際には、隣接する色の有機発光層と所定の間隔が確保されることによって蒸着が円滑に行われるようになるため、マスク工程が増えることは高解像度の実現にも阻害要因として作用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】日本国特許第4069745号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、製造工程が単純であり、色純度および視野角を向上させることができる有機発光表示装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置は、第1画素、第2画素、および第3画素にそれぞれ形成されている第1画素電極、第2画素電極、および第3画素電極を含む画素電極と、前記第1画素電極上に形成されている共振補助層と、前記共振補助層および第2画素電極上に共通で形成されている第1有機発光層、前記第1有機発光層上に形成されている第2有機発光層、前記第3画素電極上に形成されている第3有機発光層を含む有機発光層と、前記有機発光層上に形成されている共通電極と、前記共通電極上に形成されており、前記第1有機発光層で発光する第1光の波長領域と前記第2有機発光層で発光する第2光の波長領域の重畳波長領域の重畳光を吸収する混色防止膜とを含んでもよい。
【0010】
前記共通電極と前記混色防止膜の間に形成されている偏光膜をさらに含んでもよい。
【0011】
前記混色防止膜は前記第1画素にのみ形成されてもよい。
【0012】
前記混色防止膜上に形成されている偏光膜をさらに含んでもよい。
【0013】
前記混色防止膜は、支持膜と、前記支持膜上に形成されており、前記重畳光を吸収する吸水膜を含んでもよい。
【0014】
前記混色防止膜は、前記偏光膜の接着剤に前記重畳光を吸収する吸収剤が混合されている混合層であってもよい。
【0015】
前記混色防止膜は赤色カラーフィルタを含んでもよい。
【0016】
前記赤色カラーフィルタは前記第1画素にのみ形成されてもよい。
【0017】
前記混色防止膜は、560nm〜590nmの重畳波長領域の前記重畳光を吸収してもよい。
【0018】
前記第1有機発光層と前記第2有機発光層は、同じパターンで形成されてもよい。
【0019】
前記画素電極は、反射電極と、前記反射電極上に形成されている透明電極とを含み、前記第1画素と前記第2画素において、前記反射電極と前記共通電極の間の距離は互いに相違するように形成されてもよい。
【0020】
前記反射電極と前記共通電極の間の距離は、前記第1画素、第2画素、および第3画素の順に短くなってもよい。
【0021】
前記第1画素は赤色画素、前記第2画素は緑色画素、前記第3画素は青色画素であってもよい。
【0022】
前記反射電極は非晶質ITOを含み、前記共振補助層は結晶質ITOを含んでもよい。
【0023】
また、本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置の製造方法は、第1画素、第2画素、および第3画素にそれぞれ第1画素電極、第2画素電極、および第3画素電極を形成する段階と、前記第1画素電極上に共振補助層を形成する段階と、前記共振補助層および第2画素電極上に第1有機発光層を共通で形成する段階と、前記第1有機発光層上に第2有機発光層を形成する段階と、前記第3画素電極上に第3有機発光層を形成する段階と、前記第1有機発光層、前記第2有機発光層および第3有機発光層上に共通電極を形成する段階と、前記共通電極上に混色防止膜を形成する段階とを含んでもよい。
【0024】
前記混色防止膜を形成する段階では、前記第1有機発光層で発光する第1光の波長領域と前記第2有機発光層で発光する第2光の波長領域の重畳波長領域の重畳光を吸収する前記混色防止膜を形成してもよい。
【0025】
前記混色防止膜を形成する段階の前に、前記共通電極上に偏光膜を形成する段階をさらに含んでもよい。
【0026】
前記混色防止膜は前記第1画素にのみ形成されてもよい。
【0027】
前記混色防止膜上に偏光膜を形成する段階をさらに含んでもよい。
【0028】
前記混色防止膜を形成する段階は、支持膜を形成する段階と、前記支持膜上に前記重畳光を吸収する吸水膜を形成する段階とを含んでもよい。
【0029】
前記混色防止膜は、前記偏光膜の接着剤に前記重畳光を吸収する吸収剤を混合した混合層で形成されてもよい。
【0030】
前記混色防止膜は赤色カラーフィルタで形成してもよい。
【0031】
前記赤色カラーフィルタは前記第1画素にのみ形成されてもよい。
【0032】
前記混色防止膜は、560nm〜590nmの重畳波長領域の前記重畳光を吸収してもよい。
【0033】
前記第1有機発光層と前記第2有機発光層は、同じ第1マスクによって同じパターンで形成されてもよい。
【0034】
前記第1画素は赤色画素、前記第2画素は緑色画素、前記第3画素は青色画素であってもよい。
【発明の効果】
【0035】
本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置およびその製造方法は、2回のマスク工程だけで3色の有機発光層を形成することができるため、工程の簡素化によって生産性を向上させることができ、蒸着する3色の有機発光層の間隔の減少によって300PPI水準の高解像度を実現できると同時に、混色防止膜を形成することによって同じマスクによって形成される赤色画素および緑色画素の色干渉現象を防ぎ、視野角を向上させることができる。
【0036】
また、偏光膜の接着剤に吸収剤を混合して混色防止膜を容易に形成することにより、赤色画素および緑色画素の色干渉現象を防ぎ、視野角を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置において、一サブ画素の等価回路図である。
【図2】図1に示す有機発光表示装置の単位画素の断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置の混色防止膜の波長による透過度を示すグラフである。
【図4】混色防止膜が形成されていない赤色および緑色重畳有機発光表示装置の比較例1において、波長による発光光度を示すグラフである。
【図5】混色防止膜が形成されていない赤色および緑色重畳有機発光表示装置の比較例1において、視野角による発光強度を示すグラフである。
【図6】混色防止膜が形成された本発明の第1実施形態に係る赤色および緑色重畳有機発光表示装置において、視野角による発光強度を示すグラフである。
【図7】560nm〜570nmの重畳波長領域の光を吸収する混色防止膜が形成された赤色および緑色重畳有機発光表示装置の比較例2において、視野角による発光光度を示すグラフである。
【図8】580nm〜590nmの重畳波長領域の光を吸収する混色防止膜が形成された赤色および緑色重畳有機発光表示装置の比較例3において、視野角による発光光度を示すグラフである。
【図9】本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置の製造方法により、第1マスクを利用して赤色有機発光層と緑色有機発光層を順に積層する段階を示す図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置の製造方法により、第2マスクを利用して青色有機発光層を形成する段階を示す図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る有機発光表示装置の断面図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係る有機発光表示装置の断面図である。
【図13】本発明の第4実施形態に係る有機発光表示装置の断面図である。
【図14】本発明の第5実施形態に係る有機発光表示装置の断面図である。
【図15】本発明の第5実施形態に係る有機発光表示装置の赤色カラーフィルタの波長による透過度のグラフである。
【図16】本発明の第5実施形態に係る有機発光表示装置において、視野角による発光強度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明は、多様に相違した形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されることはない。
【0039】
また、明細書全体に渡って同一または類似する構成要素については、同一する参照符号を付与する。
【0040】
さらに、図面に示す各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したものであり、本発明が必ずしも示されたものに限定されることはない。
【0041】
以下、本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置について、図1および図2を参照しながら詳細に説明する。
【0042】
図1は、本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置において、一サブ画素の等価回路図である。
【0043】
図1に示すように、本実施形態に係る有機発光表示装置は、複数の信号線121、171、172と、これに連結しているサブ画素(sub pixel)(PX)とを含む。サブ画素(PX)は、第1画素、第2画素、および第3画素のうちのいずれか1つであってもよく、第1画素、第2画素、および第3画素はそれぞれ赤色画素(R)、緑色画素(G)、および青色画素(B)であってもよい。
【0044】
信号線は、ゲート信号(または走査信号)を伝達する走査信号線(scanning signal line)121、データ信号を伝達するデータ線(data line)171、駆動電圧を伝達する駆動電圧線(driving voltage line)172などを含む。走査信号線121はほぼ行方向に伸びていながら互いがほぼ平行であり、データ線171はほぼ列方向に伸びていながら互いがほぼ平行である。駆動電圧線172はほぼ列方向に伸びているように示されているが、行方向または列方向に伸びてもよく、網状に形成されてもよい。
【0045】
一サブ画素(PX)は、スイッチングトランジスタ(switching transistor)(Qs)、駆動トランジスタ(driving transistor)(Qd)、ストレージキャパシタ(storage capacitor)(Cst)、および有機発光素子(organic light emitting element)(LD)を含む。
【0046】
スイッチングトランジスタ(Qs)は、制御端子(control terminal)(N1)、入力端子(input terminal)(N2)、および出力端子(output terminal)(N3)を有するが、制御端子(N1)は走査信号線121に連結しており、入力端子(N2)はデータ線171に連結しており、出力端子(N3)は駆動トランジスタ(Qd)に連結している。スイッチングトランジスタ(Qs)は、走査信号線121から受けた走査信号に応答し、データ線171から受けたデータ信号を駆動トランジスタ(Qd)に伝達する。
【0047】
駆動トランジスタ(Qd)も、制御端子(N3)、入力端子(N4)、および出力端子(N5)を有するが、制御端子(N3)はスイッチングトランジスタ(Qs)に連結しており、入力端子(N4)は駆動電圧線172に連結しており、出力端子(N5)は有機発光素子(LD)に連結している。駆動トランジスタ(Qd)は、制御端子(N3)と出力端子(N5)の間にかかる電圧に応じて、その大きさが異なる出力電流(ILD)を流す。
【0048】
キャパシタ(Cst)は、駆動トランジスタ(Qd)の制御端子(N3)と入力端子(N4)の間に連結している。このキャパシタ(Cst)は、駆動トランジスタ(Qd)の制御端子(N3)に印加されるデータ信号を充電し、スイッチングトランジスタ(Qs)がターンオフ(turn−off)した後にもこれを維持する。
【0049】
有機発光素子(LD)は、例えば、有機発光ダイオード(organic light emitting diode:OLED)であって、駆動トランジスタ(Qd)の出力端子(N5)に連結しているアノード(anode)と、共通電圧(Vss)に連結しているカソード(cathode)とを有する。有機発光素子(LD)は、駆動トランジスタ(Qd)の出力電流(ILD)に応じて強度を異にし、発光によって映像を表示する。有機発光素子(LD)は、赤色、緑色、青色の三原色などの基本色(primary color)のうちのいずれか1つまたは1つ以上の光を固有に出す有機物質を含んでもよく、有機発光表示装置はこれらの色の空間的な合によって所望する映像を表示する。
【0050】
スイッチングトランジスタ(Qs)および駆動トランジスタ(Qd)は、n−チャネル電界効果トランジスタ(field effect transistor:FET)であってもよく、これらのうちの少なくとも1つはp−チャネル電界効果トランジスタであってもよい。また、トランジスタ(Qs、Qd)、キャパシタ(Cst)、および有機発光素子(LD)の連結関係が変わってもよい。
【0051】
以下、本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置の断面構造について、図2を上述した図1と共に参照しながら詳細に説明する。
【0052】
図2は、図1に示す有機発光表示装置の単位画素の断面図である。
【0053】
透明なガラスまたはプラスチックなどで生成される絶縁基板110上に、複数の駆動トランジスタ(Qd)が形成されている。この他に、絶縁基板110上には、複数の信号線(図示せず)および複数のスイッチングトランジスタ(図示せず)などがさらに形成されてもよい。
【0054】
駆動トランジスタ(Qd)上には、無機物または有機物で生成される保護膜180が形成されている。保護膜180が有機物で生成された場合、その表面が平坦になってもよい。
【0055】
保護膜180には、駆動トランジスタ(Qd)の一部を露出する接触孔185が形成されている。
【0056】
各画素(R、G、B)の保護膜180上には画素電極190が形成されている。画素電極190は、赤色画素(R)、緑色画素(G)、および青色画素(B)にそれぞれ形成されている第1画素電極、第2画素電極、および第3画素電極を含む。画素電極190は、反射電極191と、その上に形成された透明電極192とを含む。反射電極191は、銀(Ag)またはアルミニウム(Al)などの反射度が高い金属またはこれらの合金などで生成されてもよく、透明電極192は、ITO(indium tin oxide)またはIZO(indium zin coxide)などの透明な導電性酸化物などで生成される結晶質ITO層を含んでもよい。
【0057】
赤色画素(R)の画素電極190上には共振補助層193が形成されているが、共振補助層193は、ITOまたはIZOなどの透明な導電性酸化物などで生成される非晶質ITO層を含んでもよい。共振補助層193は、赤色画素(R)と緑色画素(G)の2つの電極、すなわち、画素電極190と共通電極270の間隔を相違して生成するために追加されるものであって、赤色有機発光層320Rと緑色有機発光層320Gを同じ形状で赤色画素(R)と緑色画素(G)に共通的に形成しても、共振補助層193によって赤色画素(R)と緑色画素(G)はそれぞれの色の光を発光できるようになる。
【0058】
保護膜180上には、画素電極190の周縁周辺を覆うように画素定義膜189が形成されている。
【0059】
赤色、緑色、および青色画素(R、G、B)において、画素電極190および画素定義膜189上の前面には正孔付帯層310が形成されているが、正孔付帯層310は、正孔注入層(HIL:hole injecting layer)と、その上に積層された正孔輸送層(HTL:hole transport layer)とを含む。
【0060】
赤色画素(R)と緑色画素(G)の正孔付帯層310上には共通的に赤色有機発光層320Rが形成されており、赤色有機発光層320R上には緑色有機発光層320Gが形成されている。赤色有機発光層320Rと緑色有機発光層320Gは、同じ第1マスク10を利用して同じパターンで形成される。したがって、製造工程を単純化させることができる。
【0061】
また、青色画素(B)の正孔付帯層310上には、青色有機発光層320Bが独立的に形成されている。
【0062】
赤色、緑色、および青色有機発光層320R、320G、320Bは、赤色、緑色、および青色の光を固有に出す有機物質で生成されてもよい。
【0063】
赤色画素(R)と緑色画素(G)に形成された緑色有機発光層320G上と青色画素(B)に形成された青色有機発光層320B上には電子付帯層330が形成されているが、電子付帯層330は、電子輸送層(ETL:electron transport layer)と、その上に積層された電子注入層(EIL:electron injecting layer)とを含む。
【0064】
正孔付帯層310と電子付帯層330は、有機発光層320R、320G、320Bの発光効率を向上するためのものであって、正孔輸送層と電子輸送層は電子と正孔の均衡を合わせるためのものであり、正孔注入層と電子注入層は電子と正孔の注入を強化するためのものである。
【0065】
正孔付帯層310、有機発光層320R、320G、320B、電子付帯層330は共に有機発光部材370を形成する。
【0066】
電子付帯層330上には、共通電圧(Vss)を伝達する共通電極270が形成されている。共通電極270は、下部層と上部層の二重層で形成されており、光の一部は反射させて残りの一部は通過させる半透過(transflective)特性を有する半透過電極であってもよい。この下部層と上部層はすべて光を反射する性質を有する金属で形成されるが、その厚さを薄くすれば、入射光が反射したり透過する半透過特性を有することができる。また、共通電極270は、単一膜で構成されてもよい。
【0067】
このような有機発光表示装置において、画素電極190、有機発光部材370、および共通電極270は、有機発光素子(LD)をなす。画素電極190は、保護膜180の接触孔185を介して駆動トランジスタ(Qd)から電圧が伝達されてもよい。
【0068】
このような有機発光表示装置は、共通電極270側に光を排出して映像を表示する。有機発光層320R、320G、320Bから共通電極270側に放出された光は、共通電極270に至り、一部は共通電極270を透過して出ていき、他の一部は反射して画素電極190側に送られる。画素電極190は、これを再び反射して共通電極270側に送る。このように、画素電極190と共通電極270の間で往復する光は干渉現象を引き起こすようになるが、光のうち、画素電極190と共通電極270の距離が共振を引き起こす距離に該当する波長の光は補強干渉を引き起こして強度が強くなり、他の波長の光は相殺干渉を引き起こして強度が弱くなる。このような光の往復および干渉過程を微細共振(micro cavity)という。
【0069】
青色画素(B)は、青色有機発光層320Bが赤色画素(R)および緑色画素(G)と分離して形成されるため、独自に補強干渉が適切に引き起こるように画素電極190と共通電極270の間隔を設定する。画素電極190と共通電極270の間隔は、青色有機発光層320Bの厚さを調節して設定してもよい。
【0070】
また、赤色画素(R)および緑色画素(G)は、赤色有機発光層320Rおよび緑色有機発光層320Gが赤色画素(R)と緑色画素(G)に渡って同じパターンで形成されているが、赤色画素(R)に共振補助層193を形成することにより、赤色画素(R)と緑色画素(G)において画素電極190と共通電極270の間隔を互いに異なるようにする。このように、共振補助層193を利用して画素電極190と共通電極270の間隔を調節することにより、赤色画素(R)では赤色光の補強干渉が適切に起こるようにし、緑色画素(G)では緑色光の補強干渉が適切に起こるようにする。したがって、赤色画素(R)では赤色光が、緑色画素(G)では緑色光が出るようになる。以下、赤色有機発光層320Rおよび緑色有機発光層320Gが赤色画素(R)と緑色画素(G)に渡って同じパターンで形成されており、赤色画素(R)に共振補助層193が形成された構造の有機発光表示装置を、赤色および緑色重畳有機発光表示装置として定義する。
【0071】
共通電極270上には、密封層(encapsulation layer)400が形成されている。密封層400は、有機膜と無機膜が互いに1つずつ交互に積層される薄膜封止層として形成されてもよい。このような密封層400は、有機発光部材370および共通電極270を密封(encapsulation)し、外部から水分または酸素が侵入することを防ぐことができる。
【0072】
密封層400上には偏光膜510が形成されている。偏光膜510は、外部から有機発光表示装置内に入ってくる光と有機発光層の発光時に有機発光表示装置内の金属配線によって発生する多くの反射光とが本来発光する色と混合してコントラスト比(contrast ratio)を低下させることを防ぐために、有機発光表示装置の発光方向に形成されている。
【0073】
偏光膜510上には、赤色画素(R)と緑色画素(G)の混色防止のための混色防止膜520が形成されている。混色防止膜520は、透明な材質の支持膜521と、支持膜521上に形成されている吸水膜522とを含む。
【0074】
吸水膜522は、赤色有機発光層320Rで発光する赤色光の波長領域と緑色有機発光層320Gで発光する緑色光の波長領域の重畳波長領域(P)に該当する重畳光を吸収する。具体的に、吸水膜522は、560nm〜590nmの重畳波長領域(P)の重畳光を吸収して除去する。
【0075】
図3は、本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置の混色防止膜の波長による透過度を示すグラフである。図3には、560nm〜590nmの重畳波長領域の重畳光を除去する混色防止膜が形成された本発明の第1実施形態に係る赤色および緑色重畳有機発光表示装置の波長による透過度グラフ(A)、560nm〜570nmの重畳波長領域の光を吸収する混色防止膜が形成された赤色および緑色重畳有機発光表示装置の比較例2の波長による透過度グラフ(B1)、580nm〜590nmの重畳波長領域の光を吸収する混色防止膜が形成された赤色および緑色重畳有機発光表示装置の比較例3の波長による透過度グラフ(B2)が示されている。
【0076】
図3に示すように、混色防止膜520は、560nm〜590nmの重畳波長領域の重畳光の透過度をゼロ(zero)近くまで低下させる。
【0077】
以下、本発明の第1実施形態に係る赤色および緑色重畳有機発光表示装置について、比較例1〜比較例3と比べた図面を参照しながら詳しく説明する。
【0078】
図4は、混色防止膜が形成されていない赤色および緑色重畳有機発光表示装置の比較例1において、波長による発光光度を示すグラフである。図5は、混色防止膜が形成されていない赤色および緑色重畳有機発光表示装置の比較例1において、視野角による発光強度を示すグラフである。図6は、混色防止膜が形成された本発明の第1実施形態に係る赤色および緑色重畳有機発光表示装置において、視野角による発光強度を示すグラフである。
【0079】
図4に示すように、赤色および緑色重畳有機発光表示装置の比較例1では、赤色有機発光層320Rと緑色有機発光層320Gを赤色画素(R)と緑色画素(G)すべてに積層し、赤色画素(R)に共振補助層193を形成することにより、赤色画素(R)で赤色の光が出るようにし、緑色画素(G)で緑色の光が出るようにする。しかし、この場合、赤色有機発光層320Rと緑色有機発光層320Gが赤色画素(R)と緑色画素(G)すべてに積層されているため、赤色画素(R)と緑色画素(G)が重なる560nm〜590nmの重畳波長領域(P)で光の相互干渉が生じるようになり、赤色画素(R)に緑色の光が少し混ざり出て、緑色画素(G)に赤色の光が少し混ざり出るようになり、各画素の色純度が低下する。
【0080】
また、図5に示すように、赤色および緑色重畳有機発光表示装置の比較例1を側面方向から見たとき、光の光学的透過経路が変更して視野角が低下する。特に、赤色画素(R)は、視野角による発光光度の変化が酷く、赤色画素(R)でオレンジ色が出るという現象が発生することがある。
【0081】
しかし、図6に示すように、本発明の第1実施形態に係る赤色および緑色重畳有機発光表示装置の混色防止膜520は、560nm〜590nmの重畳波長領域の重畳光は吸収し、残りの波長領域の光は透過させるため、混色防止膜520を通過した光は560nm〜590nmの重畳波長領域、すなわち、オレンジ色領域の光が除去されている。したがって、赤色画素(R)と緑色画素(G)の色干渉現象を防ぎ、視野角を改善することができる。
【0082】
また、混色防止膜520は、赤色画素(R)、緑色画素(G)、および青色画素すべてに形成されるため、色別に整列する必要がなく、フィルム形態で製造することもでき、容易に有機発光表示装置に付着して用いることもできる。
【0083】
さらに、複数の混色防止膜520を積層することにより、除去したい波長領域を選択することができるため、どんな波長領域でも容易に除去することができる。
【0084】
図7は、560nm〜570nmの重畳波長領域の光を吸収する混色防止膜が形成された赤色および緑色重畳有機発光表示装置の比較例2において、視野角による発光光度を示すグラフである。図8は、580nm〜590nmの重畳波長領域の光を吸収する混色防止膜が形成された赤色および緑色重畳有機発光表示装置の比較例3において、視野角による発光光度を示すグラフである。
【0085】
図7および図8に示すように、混色防止膜520が560nm〜570nmの重畳波長領域の光のみを吸収したり、580nm〜590nmの重畳波長領域の光のみを吸収する場合には、赤色画素(R)と緑色画素(G)の間の色干渉現象がそのまま発生し、視野角が低下することが分かる。したがって、本発明の第1実施形態に係る赤色および緑色重畳有機発光表示装置の混色防止膜520は、560nm〜590nmの重畳波長領域の光は吸収し、残りの波長領域の光は透過させることができるため、視野角を向上させることができる。
【0086】
以下、本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置の製造方法について、図2、図9、および図10を参照しながら詳しく説明する。
【0087】
図9は、本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置の製造方法により、第1マスクを利用して赤色有機発光層と緑色有機発光層を順に積層する段階を示す図面である。図10は、本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置の製造方法により、第2マスクを利用して青色有機発光層を形成する段階を示す図である。
【0088】
まず、図9を参照すれば、絶縁基板110上に複数の駆動トランジスタ(Qd)を形成し、その上に複数の接触孔185を有する保護膜180を形成する。そして、各画素(R、G、B)の保護膜180上に反射層および結晶質導電性酸化物部材を順に積層してパターニングして画素電極190を形成し、赤色画素(R)の画素電極190上には画素電極190と同じパターンで共振補助層193を形成する。そして、保護膜180上に窒化物または酸化物を利用して画素電極190および共振補助層193の周縁周辺を覆う画素定義膜189を形成し、赤色、緑色、および青色画素(R、G、B)の画素電極190および画素定義膜189上に正孔付帯層310を形成する。
【0089】
そして、赤色画素(R)および緑色画素(G)に対応する開口部を有する第1マスク10を利用して、正孔付帯層310上に赤色有機発光層320Rおよび緑色有機発光層320Gを順に積層する。このように、赤色画素(R)の有機発光層と緑色画素(G)の有機発光層を1つの第1マスク10を利用して形成することができるため、2回のマスク工程で3色有機発光層を形成することができ、製造過程が簡素化する。
【0090】
また、赤色画素(R)と緑色画素(G)は同じ第1マスク10を利用して形成されるため、赤色画素(R)と緑色画素(G)の間隔を減らすことができ、高解像度を実現することができる。
【0091】
次に、図10に示すように、青色画素(B)に対応する開口部を有する第2マスク20を利用して、正孔付帯層310上に青色有機発光層320Bを形成する。
【0092】
次に、図2に示すように、緑色有機発光層320Gおよび青色有機発光層320B上に電子付帯層330、共通電極270を順に積層し、その上に有機膜と無機膜を交互に形成して密封層400を形成する。そして、密封層400上に偏光膜510を付着し、偏光膜510上に560nm〜590nmの重畳波長領域の重畳光を吸収する混色防止膜520を付着する。このような混色防止膜520は、赤色画素(R)、緑色画素(G)、および青色画素(B)すべての前面に付着されるため、色別に整列する必要がない。
【0093】
また、混色防止膜520は、フィルム形態に製造し、容易に有機発光表示装置に付着して用いることもできる。
【0094】
一方、前記第1実施形態では、偏光膜の上に混色防止膜が形成されているが、偏光膜の下に混色防止膜が形成されてもよい。
【0095】
図11は、本発明の第2実施形態に係る有機発光表示装置の断面図である。
【0096】
図11に示す実施形態は、図2に示す実施形態に比べ、偏光膜の下に混色防止膜が形成されたことを除いては実質的に同じであるため、反復する説明は省略する。
【0097】
図11に示すように、密封層400と偏光膜510の間には、赤色画素(R)と緑色画素(G)の混色防止のための混色防止膜520が形成されている。混色防止膜520は、透明な材質の支持膜521と、支持膜521上に形成されている吸水膜522とを含む。
【0098】
吸水膜522は、赤色有機発光層320Rで発光する赤色光の波長領域と緑色有機発光層320Gで発光する緑色光の波長領域の重畳波長領域(P)に該当する重畳光を吸収する。具体的に、吸水膜522は、560nm〜590nmの重畳波長領域(P)の重畳光を吸収して除去する。したがって、混色防止膜520を通過した光は、560nm〜590nmの重畳波長領域の光が除去されており、赤色画素(R)と緑色画素(G)の間の色干渉現象を防ぎ、視野角を改善することができる。
【0099】
一方、前記第1実施形態では、混色防止膜が赤色画素、緑色画素、および赤色画素すべてに形成されているが、混色防止膜が赤色画素にのみ形成されてもよい。
【0100】
図12は、本発明の第3実施形態に係る有機発光表示装置の断面図である。
【0101】
図12に示す実施形態は、図2に示す実施形態に比べ、混色防止膜が赤色画素にのみ形成されたことを除いては実質的に同じであるため、反復する説明は省略する。
【0102】
図12に示すように、赤色画素(R)に対応する密封層400上には、赤色画素(R)と緑色画素(G)の混色防止のための混色防止膜520が形成されている。混色防止膜520は、透明な材質の支持膜521と、支持膜521上に形成されている吸水膜523とを含む。
【0103】
吸水膜523は、赤色有機発光層320Rで発光する赤色光の波長領域と緑色有機発光層320Gで発光する緑色光の波長領域の重畳波長領域(P)に該当する重畳光を吸収する。具体的に、吸水膜523は、560nm〜590nmの重畳波長領域(P)の重畳光を吸収して除去する。したがって、混色防止膜520を通過した光は、560nm〜590nmの重畳波長領域の光が除去されており、赤色画素(R)と緑色画素(G)の間の色干渉現象を防ぎ、視野角を改善することができる。
【0104】
一方、前記第2実施形態では、混色防止膜が支持膜と吸水膜で構成されているが、混色防止膜が偏光膜の接着剤と重畳光を吸収する吸収剤の混合層であってもよい。
【0105】
図13は、本発明の第4実施形態に係る有機発光表示装置の断面図である。
【0106】
図13に示す実施形態は、図11に示す実施形態に比べ、混色防止膜が偏光膜の接着剤と重畳光を吸収する吸収剤の混合層であることを除いては実質的に同じであるため、反復する説明は省略する。
【0107】
図13に示すように、密封層400と偏光膜510の間には、赤色画素(R)と緑色画素(G)の混色防止のための混色防止膜530が形成されている。混色防止膜530は、偏光膜510を密封層400に付着する接着剤と重畳光を吸収する吸収剤の混合層であってもよい。吸収剤は、赤色有機発光層320Rで発光する赤色光の波長領域と緑色有機発光層320Gで発光する緑色光の波長領域の重畳波長領域(P)に該当する重畳光を吸収する。具体的に、吸収剤は、560nm〜590nmの重畳波長領域(P)の重畳光を吸収して除去する。したがって、混色防止膜530を通過した光は、560nm〜590nmの重畳波長領域の光が除去されており、赤色画素(R)と緑色画素(G)の間の色干渉現象を防ぎ、視野角を改善することができる。
【0108】
また、偏光膜の接着剤に吸収剤を混合することにより、混色防止膜を容易に形成してもよい。
【0109】
一方、前記第2実施形態では、混色防止膜が支持膜と吸水膜で構成されているが、混色防止膜が赤色カラーフィルタを含んでもよい。
【0110】
図14は、本発明の第5実施形態に係る有機発光表示装置の断面図である。図15は、本発明の第5実施形態に係る有機発光表示装置の赤色カラーフィルタの波長による透過度のグラフである。図16は、本発明の第5実施形態に係る有機発光表示装置において、視野角による発光強度を示すグラフである。
【0111】
図14に示す実施形態は、図11に示す実施形態に比べ、混色防止膜が赤色カラーフィルタを含むことを除いては実質的に同じであるため、反復する説明は省略する。
【0112】
図14に示すように、密封層400と偏光膜510の間には、赤色画素(R)と緑色画素(G)の混色防止のための混色防止膜540が形成されている。混色防止膜540は、赤色画素(R)に形成されている赤色カラーフィルタを含む。緑色画素(G)および青色画素(B)には透明フィルターが形成されてもよい。赤色カラーフィルタは赤色画素(R)にのみ形成されていてもよい。
【0113】
図15に示すように、赤色カラーフィルタは、580nm〜780nm波長領域の光を透過させ、580nm以下の波長領域の光は吸収するため、図16に示すように、赤色画素(R)で混色防止膜520を通過した光は、560nm〜590nmの重畳波長領域の光が除去されており、赤色画素(R)と緑色画素(G)の間の色干渉現象を防ぎ、視野角を改善することができる。
【0114】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明、および添付の図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属することは当然である。
【符号の説明】
【0115】
10:第1マスク
20:第2マスク
190:画素電極
193:共振補助層
270:共通電極
310:正孔付帯層
320R:赤色有機発光層
320G:緑色有機発光層
320B:青色有機発光層
370:有機発光部材
400:密封層
510:偏光膜
520、530、540:混色防止膜
521:支持膜
522、523:吸水膜
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1画素、第2画素、および第3画素にそれぞれ形成されている第1画素電極、第2画素電極、および第3画素電極を含む画素電極、
前記第1画素電極上に形成されている共振補助層、
前記共振補助層および第2画素電極上に共通で形成されている第1有機発光層、前記第1有機発光層上に形成されている第2有機発光層、前記第3画素電極上に形成されている第3有機発光層を含む有機発光層、
前記有機発光層上に形成されている共通電極、
前記共通電極上に形成されており、前記第1有機発光層で発光する第1光の波長領域と前記第2有機発光層で発光する第2光の波長領域の重畳波長領域の重畳光を吸収する混色防止膜、
を含む、有機発光表示装置。
【請求項2】
前記共通電極と前記混色防止膜の間に形成されている偏光膜をさらに含む、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項3】
前記混色防止膜は前記第1画素にのみ形成されている、請求項2に記載の有機発光表示装置。
【請求項4】
前記混色防止膜上に形成されている偏光膜をさらに含む、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項5】
前記混色防止膜は、
支持膜、
前記支持膜上に形成されており、前記重畳光を吸収する吸水膜、
を含む、請求項2または4に記載の有機発光表示装置。
【請求項6】
前記混色防止膜は、前記偏光膜の接着剤に前記重畳光を吸収する吸収剤が混合されている混合層である、請求項4に記載の有機発光表示装置。
【請求項7】
前記混色防止膜は赤色カラーフィルタを含む、請求項4に記載の有機発光表示装置。
【請求項8】
前記赤色カラーフィルタは前記第1画素にのみ形成されている、請求項7に記載の有機発光表示装置。
【請求項9】
前記混色防止膜は、560nm〜590nmの重畳波長領域の前記重畳光を吸収する、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項10】
前記第1有機発光層と前記第2有機発光層は同じパターンで形成されている、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項11】
前記画素電極は、反射電極と、前記反射電極上に形成されている透明電極とを含み、
前記第1画素と前記第2画素において、前記反射電極と前記共通電極の間の距離は互いに異なるように形成されている、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項12】
前記反射電極と前記共通電極の間の距離は、前記第1画素、第2画素、および第3画素の順に短くなる、請求項11に記載の有機発光表示装置。
【請求項13】
前記第1画素は赤色画素、前記第2画素は緑色画素、前記第3画素は青色画素である、請求項12に記載の有機発光表示装置。
【請求項14】
前記反射電極は非晶質ITOを含み、前記共振補助層は結晶質ITOを含む、請求項11に記載の有機発光表示装置。
【請求項15】
第1画素、第2画素、および第3画素にそれぞれ第1画素電極、第2画素電極、および第3画素電極を形成する段階、
前記第1画素電極上に共振補助層を形成する段階、
前記共振補助層および第2画素電極上に第1有機発光層を共通で形成する段階、
前記第1有機発光層上に第2有機発光層を形成する段階、
前記第3画素電極上に第3有機発光層を形成する段階、
前記第1有機発光層、前記第2有機発光層および第3有機発光層上に共通電極を形成する段階、
前記共通電極上に混色防止膜を形成する段階、
を含む、有機発光表示装置の製造方法。
【請求項16】
前記混色防止膜を形成する段階では、
前記第1有機発光層で発光する第1光の波長領域と前記第2有機発光層で発光する第2光の波長領域の重畳波長領域の重畳光を吸収する前記混色防止膜を形成する、請求項15に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項17】
前記混色防止膜を形成する段階の前に、前記共通電極上に偏光膜を形成する段階をさらに含む、請求項15に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項18】
前記混色防止膜は前記第1画素にのみ形成する、請求項15に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項19】
前記混色防止膜上に偏光膜を形成する段階をさらに含む、請求項15に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項20】
前記混色防止膜を形成する段階は、
支持膜を形成する段階、
前記支持膜上に前記重畳光を吸収する吸水膜を形成する段階、
を含む、請求項17または19に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項21】
前記混色防止膜は、前記偏光膜の接着剤に前記重畳光を吸収する吸収剤を混合した混合層で形成される、請求項19に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項22】
前記混色防止膜は赤色カラーフィルタで形成される、請求項19に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項23】
前記赤色カラーフィルタは前記第1画素にのみ形成される、請求項19に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項24】
前記混色防止膜は560nm〜590nmの重畳波長領域の前記重畳光を吸収する、請求項15に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項25】
前記第1有機発光層と前記第2有機発光層は、同じ第1マスクによって同じパターンで形成される、請求項15に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項26】
前記第1画素は赤色画素、前記第2画素は緑色画素、前記第3画素は青色画素である、請求項15に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項1】
第1画素、第2画素、および第3画素にそれぞれ形成されている第1画素電極、第2画素電極、および第3画素電極を含む画素電極、
前記第1画素電極上に形成されている共振補助層、
前記共振補助層および第2画素電極上に共通で形成されている第1有機発光層、前記第1有機発光層上に形成されている第2有機発光層、前記第3画素電極上に形成されている第3有機発光層を含む有機発光層、
前記有機発光層上に形成されている共通電極、
前記共通電極上に形成されており、前記第1有機発光層で発光する第1光の波長領域と前記第2有機発光層で発光する第2光の波長領域の重畳波長領域の重畳光を吸収する混色防止膜、
を含む、有機発光表示装置。
【請求項2】
前記共通電極と前記混色防止膜の間に形成されている偏光膜をさらに含む、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項3】
前記混色防止膜は前記第1画素にのみ形成されている、請求項2に記載の有機発光表示装置。
【請求項4】
前記混色防止膜上に形成されている偏光膜をさらに含む、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項5】
前記混色防止膜は、
支持膜、
前記支持膜上に形成されており、前記重畳光を吸収する吸水膜、
を含む、請求項2または4に記載の有機発光表示装置。
【請求項6】
前記混色防止膜は、前記偏光膜の接着剤に前記重畳光を吸収する吸収剤が混合されている混合層である、請求項4に記載の有機発光表示装置。
【請求項7】
前記混色防止膜は赤色カラーフィルタを含む、請求項4に記載の有機発光表示装置。
【請求項8】
前記赤色カラーフィルタは前記第1画素にのみ形成されている、請求項7に記載の有機発光表示装置。
【請求項9】
前記混色防止膜は、560nm〜590nmの重畳波長領域の前記重畳光を吸収する、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項10】
前記第1有機発光層と前記第2有機発光層は同じパターンで形成されている、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項11】
前記画素電極は、反射電極と、前記反射電極上に形成されている透明電極とを含み、
前記第1画素と前記第2画素において、前記反射電極と前記共通電極の間の距離は互いに異なるように形成されている、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項12】
前記反射電極と前記共通電極の間の距離は、前記第1画素、第2画素、および第3画素の順に短くなる、請求項11に記載の有機発光表示装置。
【請求項13】
前記第1画素は赤色画素、前記第2画素は緑色画素、前記第3画素は青色画素である、請求項12に記載の有機発光表示装置。
【請求項14】
前記反射電極は非晶質ITOを含み、前記共振補助層は結晶質ITOを含む、請求項11に記載の有機発光表示装置。
【請求項15】
第1画素、第2画素、および第3画素にそれぞれ第1画素電極、第2画素電極、および第3画素電極を形成する段階、
前記第1画素電極上に共振補助層を形成する段階、
前記共振補助層および第2画素電極上に第1有機発光層を共通で形成する段階、
前記第1有機発光層上に第2有機発光層を形成する段階、
前記第3画素電極上に第3有機発光層を形成する段階、
前記第1有機発光層、前記第2有機発光層および第3有機発光層上に共通電極を形成する段階、
前記共通電極上に混色防止膜を形成する段階、
を含む、有機発光表示装置の製造方法。
【請求項16】
前記混色防止膜を形成する段階では、
前記第1有機発光層で発光する第1光の波長領域と前記第2有機発光層で発光する第2光の波長領域の重畳波長領域の重畳光を吸収する前記混色防止膜を形成する、請求項15に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項17】
前記混色防止膜を形成する段階の前に、前記共通電極上に偏光膜を形成する段階をさらに含む、請求項15に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項18】
前記混色防止膜は前記第1画素にのみ形成する、請求項15に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項19】
前記混色防止膜上に偏光膜を形成する段階をさらに含む、請求項15に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項20】
前記混色防止膜を形成する段階は、
支持膜を形成する段階、
前記支持膜上に前記重畳光を吸収する吸水膜を形成する段階、
を含む、請求項17または19に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項21】
前記混色防止膜は、前記偏光膜の接着剤に前記重畳光を吸収する吸収剤を混合した混合層で形成される、請求項19に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項22】
前記混色防止膜は赤色カラーフィルタで形成される、請求項19に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項23】
前記赤色カラーフィルタは前記第1画素にのみ形成される、請求項19に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項24】
前記混色防止膜は560nm〜590nmの重畳波長領域の前記重畳光を吸収する、請求項15に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項25】
前記第1有機発光層と前記第2有機発光層は、同じ第1マスクによって同じパターンで形成される、請求項15に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項26】
前記第1画素は赤色画素、前記第2画素は緑色画素、前記第3画素は青色画素である、請求項15に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−45766(P2013−45766A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−100790(P2012−100790)
【出願日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【出願人】(512187343)三星ディスプレイ株式會社 (73)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】95,Samsung 2 Ro,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do,Korea
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【出願人】(512187343)三星ディスプレイ株式會社 (73)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】95,Samsung 2 Ro,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do,Korea
【Fターム(参考)】
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