説明

有機発光表示装置及びその製造方法

【課題】発光効率の低いサブ画素の面積を広くして寿命を改善しつつ,パターニングの際に生じるサブ画素の配置のずれを防止する。
【解決手段】1画素が複数の色相のサブ画素により構成される画素を少なくとも一つ含む有機発光表示装置において,複数のサブ画素のうち1つのサブ画素の発光層Bが画素領域40の全面に渡って形成され,複数のサブ画素のうち上記1つのサブ画素とは別の少なくとも2つのサブ画素の発光層R,Gが,発光層Bの上層にそれぞれ閉曲線によって確定される領域をなして形成されるように構成した。このとき,発光層Bは青色の発光層であり,発光層Bの面積から少なくとも2つのサブ画素の発光層R,Gの面積を除いた面積は,少なくとも2つのサブ画素の発光層のいずれの面積よりも大きくなるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,有機発光表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近では,重量及び大きさが問題となっていた従来の陰極線管(CRT:Cathode Ray Tube)に変わって,小型及び軽量といった長所を有する平板表示装置(FPD:Flat Panel Display)が脚光を浴びている。このような平板表示装置としては,例えば,液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display),発光(LED:Light Emitting Diode)表示装置,電界放出ディスプレイ(FED:Field Emitter Display)及びプラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)などがある。
【0003】
上記のような平板表示装置のうち,特に発光表示装置は,他の平板表示装置と比較して使用温度の範囲が広く,衝撃や振動に強く,視野角が広く,応答速度が速く,綺麗な動画像を提供することができるといった長所を有するため,次世代の平板表示装置として注目を浴びている。
【0004】
このような発光表示装置は,有機発光ダイオードを用いた有機発光表示装置と,無機発光ダイオードを用いた無機発光表示装置とに大別することができる。有機発光ダイオードは,一般的には,アノード電極と,カソード電極と,アノード電極とカソード電極との間に配されて電子と正孔の結合によって発光する有機発光層とを含んで構成される。無機発光ダイオードは,有機発光ダイオードとは異なり,例えばPN接合された半導体などの無機物からなる発光層を有する。
【0005】
このうち有機発光表示装置においては,一般的には,基板上の少なくとも一つの画素領域に,例えば,赤(R),緑(G),青(B)のサブ画素が形成される。かかるサブ画素には赤(R),緑(G)または青(B)の色を発する物質がそれぞれ沈着されて発光層が形成され,各サブ画素は基板上に形成された薄膜トランジスタを駆動させることによって発光される。このとき,赤(R),緑(G),青(B)のそれぞれのサブ画素を異なる位置に配することにより,3原色からの光が人間の目によって統合されて,3原色の光のみで様々な色調の色が認識できるようになり,フルカラーディスプレイを実現することができる。
【0006】
以下に,従来の技術による有機発光表示装置について,図面を参照しながら具体的に説明する。図1は,従来の技術による有機発光表示装置における一つの画素領域の概略構成を示す図であり,サブ画素の配置が示されている。
【0007】
図1を参照すると,従来の技術による有機発光表示装置の画素領域10は,赤(R),緑(G),青(B)のサブ画素により構成され,各サブ画素領域は同一面積を有するストライプ形状をなすことができる。そして,上記各サブ画素領域の間には,画素定義膜12が形成されて各サブ画素領域を区分している。また,別の従来の技術による有機発光表示装置としては,画素領域に赤(R),緑(G),青(B)の各サブ画素領域がデルタ状に配列された構成を有するものもある。
【0008】
図2は,図1のA−A’線に沿った断面図であり,図1の画素領域の断面構成を概略的に示す図である。
【0009】
図2を参照すると,従来の技術による有機発光表示装置は,基板20上に形成された薄膜トランジスタ(TA:Transistor Array)と,薄膜トランジスタTA上に形成された第1電極層21と,薄膜トランジスタTA上に形成された画素定義膜22と,第1電極層21及び画素定義膜22の上に画素領域の全面に渡って形成された正孔輸送層23と,正孔輸送層23上に画素定義膜22によって区分されて相互に重なり合わないように形成された赤(R),緑(G),青(B)のサブ画素と,上記サブ画素上に基板の全面に渡って形成された電子輸送層24と,電子輸送層24上に形成された第2電極層25とを含んで構成される。
【0010】
上記各サブ画素は,色相ごとに例えば発光効率などの特性が相互に異なる。従って,例えば発光効率の低い色相のサブ画素には,所望の輝度を得るために他の色相よりも大きな電流を流さなければならなくなり,その結果,当該色相のサブ画素の劣化が他の色相のサブ画素よりも早く進行し,寿命が短くなるといった問題があった。
【0011】
上記のような問題を解決するために,各色相のサブ画素の寿命に応じてサブ画素領域の行方向の長さを異ならせて,寿命が短いサブ画素に大きな電流が流れるのを防止して,各サブ画素間の寿命の相違を調節する方法が知られている(例えば,特許文献4参照。)。また,各色相の発光効率だけでなく,表示装置が目標とする白色を表示する際の赤色:緑色:青色の比率も考慮に入れて,各色相のサブ画素の面積比率を異ならせるようにした有機発光表示装置もある(例えば,特許文献1又は3参照。)。
【0012】
また,各サブ画素の発光層を形成する方法には,一般的には蒸着法を用いるが,トランジスタなどの基板の表面に所定の圧力のガスを供給しながら酸化物を蒸着させる方法などが知られている(例えば,特許文献2参照。)。また,上記蒸着法以外の発光層の微細なパターニングを行う方法としては,レーザ熱転写法によって発光層を転写させる方法も知られている。しかし,レーザ熱転写法は,レーザ装備が高価であり,パターニングされる転写層の品質に対する改善が必要であるといった欠点がある。
【0013】
ここで,上述したようなストライプ状またはデルタ状の画素配列を有する有機発光表示装置において,各サブ画素の面積を相互に異ならせて形成するには,一般的には,赤(R),緑(G),青(B)のそれぞれのサブ画素領域ごとにパターニングを行って各色相の発光材料を蒸着させる。このとき,赤(R),緑(G),青(B)の各サブ画素領域のパターニングは,一般的には,シャドーマスク(Shadow Mask)または高精細メタルマスク(FMM:Fine Metal Mask;ファインメタルマスク)を使用して行われる。
【0014】
【特許文献1】大韓民国特許公開第2004−0177876号明細書
【特許文献2】米国特許第6,638,819B2号明細書
【特許文献3】米国特許第6,366,025B1号明細書
【特許文献4】特開2004−111082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかし,上述した従来の方法によって,特定の色相のサブ画素の領域を一定の面積だけ大きく製作するような微細なパターニングには限界があるため,有機発光表示装置の寿命を改善させることは困難であり,問題となっていた。
【0016】
特に,従来の有機発光表示装置においては,発光層を形成する際に,赤(R),緑(G),青(B)のそれぞれの色相のサブ画素ごとに別途のマスクを用いてパターニングを行わなければならない。このように,それぞれの色相のサブ画素ごとにマスクを使用してパターニングを行う場合,マスク数が多いほどパターニングの際にズレが生じてミスアラインが発生する確率が高くなる。このようなミスアラインの発生は,有機発光表示装置の解像度を低下させるので大きな問題となる。更に,発光層の色相ごとに別途のマスクを使用することは,製造コストの上昇につながり,また,より精密なパターニング技術が要求される。
【0017】
そこで,本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので,その目的とするところは,発光効率の低いいずれか一つの画素の面積を広くするように各画素を構成して寿命を改善しつつ,パターニングの際に生じるサブ画素の配置のずれを防止することのできる有機発光表示装置及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,1画素が複数の色相のサブ画素により構成される画素を少なくとも一つ含む有機発光表示装置において,上記複数のサブ画素のうち1つのサブ画素の発光層が上記画素領域の全面に渡って形成され,上記複数のサブ画素のうち上記1つのサブ画素とは別の少なくとも2つのサブ画素の発光層が,上記1つのサブ画素の発光層の上層に,それぞれ閉曲線によって確定される領域をなして形成されること,を特徴とする有機発光表示装置が提供される。
【0019】
このような本発明にかかる有機発光表示装置によれば,一つのサブ画素の発光層を画素領域の全面に渡って形成するようにしたことにより,各サブ画素をパターニングして形成する際に必要となるマスクの数が低減されて,制作時にサブ画素の配列にミスアラインまたはズレが生じるのを防止することができる。ミスアラインが抑制されることにより,有機発光表示装置の解像度が高まり,製造コストを抑制することができ,また製造も容易になり不良発生率を減少させることができる。
【0020】
ここで,本明細書において「ある領域や層の上または上層に,別の層,領域,部材などが形成される」と表現するとき,上記別の層,領域,部材は,上記領域や層の上に直接形成されることもできるし,あるいは間に別の層を介して形成されることもできるものとする。
【0021】
このとき,上記1つのサブ画素の発光層は青色の発光層であることができる。また,上記1つのサブ画素の発光層の面積から上記少なくとも2つのサブ画素の発光層の面積を除いた面積は,上記少なくとも2つのサブ画素の発光層のいずれの面積よりも大きくなるように構成されるのがよい。かかる構成とすることにより,一般的には発光効率が低いとされる青色のサブ画素の発光層の面積が他の色相のサブ画素の面積よりも大きくなるので,所望の輝度を得るために青色のサブ画素に過大な電流を流さなくても済むようになる。その結果,青色のサブ画素の劣化が他の色相のサブ画素よりも先に進行することがなくなり,有機発光表示装置全体の寿命を向上させることができる。
【0022】
また,上記有機発光表示装置は,上記1つのサブ画素の発光層と上記少なくとも2つのサブ画素の発光層との間の層に位置し,上記画素領域の全面に渡って形成される電子阻止層(電子遮断層)をさらに含むことができる。
【0023】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,1画素が複数の色相のサブ画素により構成される画素を少なくとも一つ含む有機発光表示装置において,上記複数のサブ画素のうち少なくとも2つのサブ画素の発光層が上記画素領域内の所定の層に相互に重ならないように形成され,上記複数のサブ画素のうち上記少なくとも2つのサブ画素とは別の1つのサブ画素の発光層が,上記少なくとも2つのサブ画素の発光層の上層に,上記少なくとも2つのサブ画素の発光層を含むように上記画素領域の全面に渡って形成されること,を特徴とする有機発光表示装置が提供される。
【0024】
このような本発明にかかる有機発光表示装置によれば,一つのサブ画素の発光層を画素領域の全面に渡って形成するようにしたことにより,各サブ画素をパターニングして形成する際に必要となるマスクの数が低減されて,制作時にサブ画素の配列にミスアラインまたはズレが生じるのを防止することができる。ミスアラインが抑制されることにより,有機発光表示装置の解像度が高まり,製造コストを抑制することができ,また製造も容易になり不良発生率を減少させることができる。
【0025】
このとき,上記1つのサブ画素の発光層は青色の発光層であることができる。また,上記1つのサブ画素の発光層の面積から上記少なくとも2つのサブ画素の発光層の面積を除いた面積は,上記少なくとも2つのサブ画素の発光層のいずれの面積よりも大きくなるように構成されるのがよい。かかる構成とすることにより,一般的には発光効率が低いとされる青色のサブ画素の発光層の面積が他の色相のサブ画素の面積よりも大きくなるので,所望の輝度を得るために青色のサブ画素に過大な電流を流さなくても済むようになる。その結果,青色のサブ画素の劣化が他の色相のサブ画素よりも先に進行することがなくなり,有機発光表示装置全体の寿命を向上させることができる。
【0026】
また,上記有機発光表示装置は,上記少なくとも2つのサブ画素の発光層と上記1つのサブ画素の発光層との間の層に位置し,上記画素領域の全面に渡って形成される正孔阻止層(正孔遮断層)をさらに含むことができる。
【0027】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,1画素が複数の色相のサブ画素により構成される画素を少なくとも一つ含む有機発光表示装置において;上記各画素は,上記複数のサブ画素に対応して基板上の所定の領域にそれぞれ形成される第1電極層と;上記第1電極層の上層に上記画素領域の全面に渡って形成される第1サブ画素の発光層と;上記第1サブ画素の発光層の上層の上記画素領域内の所定の領域に,閉曲線によって確定される領域をなして形成される第2サブ画素の発光層と;上記第1サブ画素の発光層の上層の上記第2サブ画素の発光層と重ならない上記画素領域内の別の領域に,閉曲線によって確定される領域をなして形成される第3サブ画素の発光層と;上記第1サブ画素の発光層,上記第2サブ画素の発光層及び上記第3サブ画素の発光層の上層に形成される第2電極層とを含んで構成されること,を特徴とする有機発光表示装置が提供される。
【0028】
このような本発明にかかる有機発光表示装置によれば,第1サブ画素の発光層を画素領域の全面に渡って形成するようにしたことにより,各サブ画素をパターニングして形成する際に必要となるマスクの数が低減されて,制作時にサブ画素の配列にミスアラインまたはズレが生じるのを防止することができる。ミスアラインが抑制されることにより,有機発光表示装置の解像度が高まり,製造コストを抑制することができ,また製造も容易になり不良発生率を減少させることができる。
【0029】
このとき,上記第1サブ画素の発光層は,青色の発光層であるのがよい。また,上記第1サブ画素の発光層の面積から上記第2サブ画素の発光層及び上記第3サブ画素の発光層の面積を除いた面積は,上記第2サブ画素の発光層または上記第3サブ画素の発光層のいずれの面積よりも大きくなるように構成されるのがよい。かかる構成とすることにより,一般的には発光効率が低いとされる青色のサブ画素の発光層の面積が第2サブ画素及び第3サブ画素の面積よりも大きくなるので,所望の輝度を得るために青色のサブ画素に過大な電流を流さなくても済むようになる。その結果,青色のサブ画素の劣化が他の色相のサブ画素よりも先に進行することがなくなり,有機発光表示装置全体の寿命を向上させることができる。
【0030】
また,上記有機発光表示装置は,上記第1サブ画素の発光層と上記第2サブ画素の発光層との間の層に,上記画素領域の全面に渡って形成される電子阻止層(電子遮断層)をさらに含むことができる。このとき,上記電子阻止層は,Ir(ppz)から成るのがよい。あるいは,上記有機発光表示装置は,上記第1サブ画素の発光層と上記第3サブ画素の発光層との間の層に,上記画素領域の全面に渡って形成される電子阻止層をさらに含むことができる。このとき,上記電子阻止層は,Ir(ppz)から成るのがよい。
【0031】
また,上記第1サブ画素の発光層は,上記第2サブ画素の発光層の発光効率または上記第3サブ画素の発光層の発光効率のいずれよりも低い発光効率を有するのがよい。かかる構成とすれば,低い発光効率を有する第1サブ画素の上層に第2サブ画素及び第3サブ画素が形成されるようになる。
【0032】
また,上記第2サブ画素の面積の上記第1サブ画素の面積に対する比率は,0.2〜0.5の範囲となるようにするのがよい。そして,上記第3サブ画素の面積の上記第1サブ画素の面積に対する比率は,0.2〜0.5の範囲となるようにするのがよい。
【0033】
また,上記第2サブ画素の発光層及び上記第3サブ画素の発光層は,一方が赤色の発光層であり,他方が緑色の発光層であることができる。そして,上記第1サブ画素,上記第2サブ画素及び上記第3サブ画素の画素配列は,ストライプ配列であってもよいし,あるいは,デルタ配列であってもよい。
【0034】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,1画素が複数の色相のサブ画素により構成される画素を少なくとも一つ含む有機発光表示装置において;上記各画素は,上記複数のサブ画素に対応して基板上の所定の領域にそれぞれ形成される第1電極層と;上記第1電極層の上層の上記画素領域内の所定の領域に形成される第1サブ画素の発光層と;上記第1電極層の上層の上記第1サブ画素の発光層と重ならない上記画像領域内の別の領域に形成される第2サブ画素の発光層と;上記第1サブ画素の発光層及び上記第2サブ画素の発光層の上層に,上記第1サブ画素の発光層及び上記第2サブ画素発の光層を含むように上記画素領域の全面に渡って形成される第3サブ画素の発光層と;上記第1サブ画素の発光層,上記第2サブ画素の発光層及び上記第3サブ画素の発光層の上層に形成される第2電極層とを含んで構成されること,を特徴とする有機発光表示装置が提供される。
【0035】
このような本発明にかかる有機発光表示装置によれば,第3サブ画素の発光層を画素領域の全面に渡って形成するようにしたことにより,各サブ画素をパターニングして形成する際に必要となるマスクの数が低減されて,制作時にサブ画素の配列にミスアラインまたはズレが生じるのを防止することができる。ミスアラインが抑制されることにより,有機発光表示装置の解像度が高まり,製造コストを抑制することができ,また製造も容易になり不良発生率を減少させることができる。
【0036】
このとき,上記第3サブ画素の発光層は,青色の発光層であるのがよい。また,上記第3サブ画素の発光層の面積から上記第1サブ画素の発光層及び上記第2サブ画素の発光層の面積を除いた面積は,上記第1サブ画素の発光層または上記第2サブ画素の発光層のいずれの面積よりも大きくなるように構成されるのがよい。かかる構成とすることにより,一般的には発光効率が低いとされる青色のサブ画素の発光層の面積が第1サブ画素及び第2サブ画素の面積よりも大きくなるので,所望の輝度を得るために青色のサブ画素に過大な電流を流さなくても済むようになる。その結果,青色のサブ画素の劣化が他の色相のサブ画素よりも先に進行することがなくなり,有機発光表示装置全体の寿命を向上させることができる。
【0037】
また,上記有機発光表示装置は,上記第1サブ画素の発光層と上記第3サブ画素の発光層との間の層に,上記画素領域の全面に渡って形成される正孔阻止層(正孔遮断層)をさらに含むことができる。このとき,上記正孔阻止層は,BCP,BAlq,SAlq,TAZ,OXD7,AlqまたはPBDからなる群より選択される一つの物質から成るのがよい。あるいは,上記第2サブ画素の発光層と上記第3サブ画素の発光層との間の層に,上記画素領域の全面に渡って形成される正孔阻止層をさらに含むことができる。このとき,上記正孔阻止層は,BCP,BAlq,SAlq,TAZ,OXD7,AlqまたはPBDからなる群より選択される一つの物質から成るのがよい。
【0038】
また,上記第3サブ画素の発光層は,上記第1サブ画素の発光層の発光効率または上記第2サブ画素の発光層の発光効率のいずれよりも低い発光効率を有するのがよい。かかる構成とすれば,第2サブ画素及び第3サブ画素の上層に低い発光効率を有する第1サブ画素が形成されるようになる。
【0039】
また,上記第1サブ画素の面積の上記第3サブ画素の面積に対する比率は,0.2〜0.5の範囲となるようにするのがよい。そして,上記第2サブ画素の面積の上記第3サブ画素の面積に対する比率は,0.2〜0.5の範囲となるようにするのがよい。
【0040】
また,上記第1サブ画素の発光層及び上記第2サブ画素の発光層は,一方が赤色の発光層であり,他方が緑色の発光層であることができる。そして,上記第1サブ画素,上記第2サブ画素及び上記第3サブ画素の画素配列は,ストライプ配列であってもよいし,あるいは,デルタ配列であってもよい。また,上記第1サブ画素の発光層及び上記第2サブ画素の発光層には,その外周に沿ってそれぞれ画素定義膜が形成されるのがよい。
【0041】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,1画素が複数の色相のサブ画素により構成される画素を少なくとも一つ含む有機発光表示装置の製造方法において;上記各画素を形成する段階は,上記複数のサブ画素に対応して基板上の所定の領域にそれぞれ第1電極層を形成する段階と;上記第1電極層の上層に上記画素領域の全面に渡って第1サブ画素の発光層を形成する段階と;上記第1サブ画素の発光層の上層の上記画素領域内の所定の領域に,閉曲線によって確定される領域をなすように第2サブ画素の発光層を形成する段階と;上記第1サブ画素の発光層の上層の上記第2サブ画素の発光層と重ならない上記画素領域内の別の領域に,閉曲線によって確定される領域をなすように第3サブ画素の発光層を形成する段階と;上記第1サブ画素の発光層,上記第2サブ画素の発光層及び上記第3サブ画素の発光層の上層に第2電極層を形成する段階と;を含むことを特徴とする有機発光表示装置の製造方法が提供される。
【0042】
このような本発明にかかる有機発光表示装置の製造方法によれば,第1サブ画素の発光層を画素領域の全面に渡って形成するようにしたことにより,第1サブ画素をパターニングするためのマスクが不要となり,各サブ画素をパターニングして形成する際に必要となるマスクの数が低減される。その結果,サブ画素の配列にミスアラインまたはズレが生じるのを防止することができ,有機発光表示装置の解像度が高まり,製造コストも抑制され,また製造が容易になって不良発生率を減少させることができる。
【0043】
このとき,上記第1サブ画素の発光層は,真空蒸着法,ウェットコーティング法,インクジェット法またはレーザ熱転写法のいずれか一つの方法によって形成されることができる。そして,上記第2サブ画素の発光層及び上記第3サブ画素の発光層は,真空蒸着法,ウェットコーティング法,インクジェット法またはレーザ熱転写法のいずれか一つの方法によって形成されることができる。
【0044】
また,上記各画素を形成する段階は,上記第1サブ画素の発光層と上記第2サブ画素の発光層との間に,上記画素領域の全面に渡って電子阻止層を形成する段階を更に含むことができる。このとき,上記電子阻止層は,真空蒸着法,ウェットコーティング法,インクジェット法またはレーザ熱転写法のいずれか一つの方法によって形成されることができる。
【0045】
また,上記各画素を形成する段階は,上記第1サブ画素の発光層と上記第3サブ画素の発光層との間に,上記画素領域の全面に渡って電子阻止層を形成する段階を更に含むことができる。このとき,上記電子阻止層は,真空蒸着法,ウェットコーティング法,インクジェット法またはレーザ熱転写法のいずれか一つの方法によって形成されることができる。
【0046】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,1画素が複数の色相のサブ画素により構成される画素を少なくとも一つ含む有機発光表示装置の製造方法において;上記各画素を形成する段階は,上記複数のサブ画素に対応して基板上の所定の領域にそれぞれ第1電極層を形成する段階と;上記第1電極層の上層の上記画素領域内の所定の領域に第1サブ画素の発光層を形成する段階と;上記第1電極層の上層の上記第1サブ画素の発光層と重ならない上記画素領域内の別の領域に第2サブ画素の発光層を形成する段階と;上記第1サブ画素の発光層及び上記第2サブ画素の発光層の上層に,上記第1サブ画素の発光層及び上記第2サブ画素の発光層を含むように上記画素領域の全面に渡って第3サブ画素の発光層を形成する段階と;上記第1サブ画素の発光層,上記第2サブ画素の発光層及び上記第3サブ画素の発光層の上層に第2電極層を形成する段階とを含むこと;を特徴とする有機発光表示装置の製造方法が提供される。
【0047】
このような本発明にかかる有機発光表示装置の製造方法によれば,第3サブ画素の発光層を画素領域の全面に渡って形成するようにしたことにより,第3サブ画素をパターニングするためのマスクが不要となり,各サブ画素をパターニングして形成する際に必要となるマスクの数が低減される。その結果,サブ画素の配列にミスアラインまたはズレが生じるのを防止することができ,有機発光表示装置の解像度が高まり,製造コストも抑制され,また製造が容易になって不良発生率を減少させることができる。
【0048】
このとき,上記第3サブ画素の発光層は,真空蒸着法,ウェットコーティング法,インクジェット法またはレーザ熱転写法のいずれか一つの方法によって形成されることができる。そして,上記第1サブ画素の発光層及び上記第2サブ画素の発光層は,真空蒸着法,ウェットコーティング法,インクジェット法またはレーザ熱転写法のいずれか一つの方法によって形成されることができる。
【0049】
また,上記各画素を形成する段階は,上記第3サブ画素の発光層と上記第1サブ画素の発光層との間に,上記画素の領域の全面に渡って正孔阻止層を形成する段階を更に含むことができる。このとき,上記正孔阻止層は,真空蒸着法,ウェットコーティング法,インクジェット法またはレーザ熱転写法のいずれか一つの方法によって形成されることができる。
【0050】
また,上記各画素を形成する段階は,上記第3サブ画素の発光層と上記第2サブ画素の発光層との間に,上記画素の領域の全面に渡って正孔阻止層を形成する段階を更に含むことができる。このとき,上記正孔阻止層は,真空蒸着法,ウェットコーティング法,インクジェット法またはレーザ熱転写法のいずれか一つの方法によって形成されることができる。
【発明の効果】
【0051】
本発明によれば,発光効率の低いいずれか一つのサブ画素の発光層を画素領域の全面に渡って形成するようにしたことにより,各サブ画素をパターニングして形成する際に必要となるマスクの数が低減されて,制作時にサブ画素の配列にミスアラインが生じるのを防止することのできる有機発光表示装置及びその製造方法を提供できるものである。このとき,上記発光効率の低いいずれか一つのサブ画素の面積が他のサブ画素の面積よりも広くなるように各画素を構成すれば,有機発光表示装置の寿命特性を向上させることができる。また,上記のようにマスク数が低減されてサブ画素の配列にミスアラインが発生しなくなれば,結果的に有機発光表示装置の解像度が高まる。更に,マスク数が低減されたことにより,製造コストを抑制することができ,製造も容易になり,また,ミスアラインが抑制されるので不良発生率を減少させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また,本発明の実施の形態において,「ある領域の上または上層に,別の層,領域,部材などが形成される」と表現するとき,上記別の層,領域,部材は,上記領域の上に直接形成されることもできるし,または間に別の層を介して形成されることもできるものとする。
【0053】
先ず,本発明の第1の実施の形態にかかる有機発光表示装置の全体の構成について簡単に説明する。図3は,本発明の第1の実施の形態にかかる有機発光表示装置の全体的な概念を示す図である。
【0054】
図3を参照すると,第1の実施の形態にかかる有機発光表示装置は,電源供給部30と,走査駆動部31と,データ駆動部32と,画像表示部33とを含んで構成される。
【0055】
電源供給部30は,制御部(図示せず)から供給される駆動信号に応じて,有機発光表示装置基板35を駆動させるのに必要な電圧と,データ駆動部32及び走査駆動部31を駆動させるのに必要な電源を発生して有機発光表示装置基板35に供給する。ここで,有機発光表示装置基板35を駆動させるのに必要な電圧とは,例えば,ラインL1を通じて供給される駆動電源ELVddや,ラインL2を通じて供給される基底電源ELVssなどである。
【0056】
走査駆動部31は,各画素領域34内の有機発光ダイオード(図示せず)を駆動するための選択信号を制御し,制御された選択信号を走査線S1〜Snに供給する。選択信号は,走査線S1〜Snを介して各画素領域34内のスイッチング素子(図示せず)に伝達され,上記スイッチング素子がターンオンまたはターンオフされるようにする。
【0057】
データ駆動部32は,各画素領域34の画像信号を示すデータ電圧または電流を制御し,制御されたデータ電圧または電流を各データ線D1〜Dmに供給する。
【0058】
画像表示部33は,走査駆動部31から一方向,例えば横方向に延びる複数の走査線S1〜Snと,データ駆動部32から他方向,例えば縦方向に延びる複数のデータ線D1〜Dmと,複数の画素領域34とを含んで構成される。一つの画素領域34には,例えば,赤(R),緑(G),青(B)などの複数の色相のサブ画素領域(図示せず)が含まれることができる。各画素領域34は,複数の走査線S1〜Snと複数のデータ線D1〜Dmとにより確定される領域として形成されることができる。画素領域34は,走査信号及びデータ信号などによって画素領域34内の有機発光ダイオードを発光させて画像を表示することができる。
【0059】
次に,本発明の第1の実施の形態にかかる有機発光表示装置の画素領域のサブ画素の配置について説明する。図4は本発明の第1の実施の形態にかかる有機発光表示装置における一つの画素領域の概略構成を示す図であり,サブ画素の配置が示されている。
【0060】
図4を参照すると,一つの画素領域40は,赤(R),緑(G),青(B)のサブ画素領域から構成され,それぞれのサブ画素領域は,相互に異なる面積で形成される。ここで,相対的に低い発光効率を有する青(B)のサブ画素領域は,全体画素領域40の全面に共通的に形成される。そして,赤(R)のサブ画素領域及び緑(G)のサブ画素領域は,相互に重なり合わないように青(B)のサブ画素領域内にそれぞれ閉曲線によって形成される領域をなすように形成される。すなわち,赤(R)のサブ画素領域及び緑(G)のサブ画素領域は,それぞれその周囲を青(B)のサブ画素領域に囲まれるように形成されることができる。より具体的には,第1の実施の形態においては,赤(R)及び緑(G)のそれぞれのサブ画素領域は,青(B)のサブ画素領域を介してストライプ形状に形成される。画素領域40の最外郭には常に青(B)のサブ画素領域が位置する。また,青(B)のサブ画素領域と赤(R)のサブ画素領域の間,及び青(B)のサブ画素領域と緑(G)のサブ画素領域の間には,それぞれ画素定義膜41が形成されて各サブ画素領域を区画している。
【0061】
赤(R)サブ画素及び緑(G)サブ画素が形成された面積を除いた青(B)サブ画素の面積は,赤(R)サブ画素の面積よりも大きく形成され,且つ,緑(G)サブ画素の面積よりも大きく形成されるようにするのがよい。具体的には,赤(R)サブ画素の青(B)サブ画素に対する面積の比率が0.2〜0.5の範囲となるようにし,緑(G)サブ画素の青(B)サブ画素に対する面積の比率が0.2〜0.5の範囲となるようにするのがよい。
【0062】
上記のようにして,青(B)のサブ画素領域が画素領域の全面に共通的に形成されるようにすれば,発光効率の低い青(B)のサブ画素の発光効率を赤(R)及び緑(G)のサブ画素の発光効率と類似の水準に向上させることができる。その結果,本発明の実施の形態にかかる有機発光表示装置の寿命を改善させることができる。
【0063】
図5は図4のC−C’線に沿った略断面図であり,図4の画素領域の第1の実施の形態による断面構成を概略的に示す図である。
【0064】
図5を参照すると,基板50上には,薄膜トランジスタTA及び発光ダイオードが形成される。図5には詳しく図示されていないが,薄膜トランジスタTAの構造を簡単に説明する。先ず,基板50上にバッファ層が形成される。そして,上記バッファ層上の領域の一部分にはアクティブチャネル層とオームコンタクト層との間にLDD(Lightly Doped Drain)層を含む半導体層が形成される。そして,上記半導体層上にはゲート絶縁膜とゲート電極がパターニングされて順次形成される。次いで,上記ゲート電極上には,層間絶縁層が,上記半導体層のオームコンタクト層が露出されるようにしながら形成される。そして,上記層間絶縁層上の領域の一部分には,上記露出されたオームコンタクト層と接触するようにソース及びドレイン電極が形成される。
【0065】
次に,上記層間絶縁層上には平坦化膜が形成される。そして,上記平坦化膜には,上記平坦化膜の一領域をエッチングして上記ドレイン電極が露出されるようにビアホールが形成される。上記露出されたドレイン電極は,上記ビアホールを介して第1電極層51と電気的に連結される。第1電極層51は上記平坦化膜上の領域の一部分に形成される。また,上記平坦化膜上及び第1電極層51上には画素定義膜52が形成されるが,かかる画素定義膜52は開口部を有して第1電極層51を少なくとも部分的に露出させるように形成される。
【0066】
画素定義膜52及び画素定義膜52の上記開口部上には,これらの全面を覆うように正孔輸送層53が形成される。正孔輸送層53は,第1電極層51からの正孔注入を容易にするために,イオン化ポテンシャルが小さく,第1電極層51との界面接着力に優れ,可視光線領域における吸収が極力少ない特性を有するのがよい。正孔輸送層53としては,一般的に使用される低分子系の物質または高分子系の物質を使用することができる。具体的には,正孔輸送層53の正孔輸送材料としては,アリールアミン系低分子,ヒドラゾン系低分子,スチルベン系低分子またはスターバースト系低分子などの低分子系の物質,または,カルバゾール系高分子,アリールアミン系高分子,ペリレン系高分子またはピロール系高分子などの高分子系の物質からなる群より選択されるいずれかの物質を使用することができる。上記低分子系の物質の例としては,NPB,TPD,spiro−TADなどがあり,上記高分子系の物質の例としては,PVKなどがある。上記のような正孔輸送材料は,正孔を容易に輸送することができ,また,電子を発光領域に束縛させることにより励起子が形成される確率を高めることができる。
【0067】
正孔輸送層53上には,相対的に発光効率の低い青(B)のサブ画素(第1サブ画素)の発光層が画素領域40の全面に渡って共通的に形成される。そして,青(B)の発光層上の領域の一部分には,赤(R)のサブ画素(第2サブ画素)の発光層が閉曲線によって形成される領域をなすように形成される。更に,青(B)の発光層上の領域の上記赤(R)の発光層と重ならない他の領域には,緑(G)のサブ画素(第3サブ画素)の発光層が閉曲線によって形成される領域をなすように形成される。
【0068】
このとき,青(B)の発光層上には,赤(R)の発光層及び緑(G)の発光層との間に電子阻止層(電子遮断層)54を形成することができる。電子阻止層54は,Ir(ppz)から成ることができる。
【0069】
上記赤(R)の発光層及び緑(G)の発光層上には,画素領域40の全面に渡って電子輸送層55が形成される。電子輸送層55は,第2電極層56から発光層へ電子を円滑に輸送し,発光層で結合していない正孔の移動を抑制して発光層内における再結合機会を増加させる役割を果たす。かかる電子輸送層55の材料としては,電子親和性及び第2電極層56との界面接着性に優れた材料を主に用いることができる。
【0070】
電子輸送層55の材料としては,一般的に,電子親和性に優れるAlqの他に,電子輸送及び正孔遮断の役割を同時に果たすことが可能なPBD,spiro−PBD,オリゴチオフェン,ペルフルオロ化オリゴ−p−フェニレン(perfluorinated oligo−p−phenylene),または2,5−ジアリールシロレ(2,5−diarylsilole)誘導体からなる群より選択されるいずれか一つの材料を使用することができる。
【0071】
電子輸送層55上には第2電極層56が形成される。第2電極層56は,表示装置がトップエミッション型(前面発光型)の場合には透明なITOまたはIZOで形成され,表示装置がボトムエミッション型(背面発光型)の場合には反射膜としての金属膜で形成されることができる。
【0072】
ここで,図5には図示されていないが,第1電極層51と正孔輸送層53との間の層に,画素領域の全面に渡って正孔注入層(図示せず)をさらに形成することができる。また,第2電極層56と電子輸送層55との間の層に,画素領域の全面に渡って電子注入層(図示せず)をさらに形成することができる。
【0073】
次に,図4及び図5に示した本発明の第1の実施の形態にかかる有機発光表示装置の製造方法について説明する。
【0074】
先ず,基板50上に薄膜トランジスタTAを形成する。その後,薄膜トランジスタTA上に第1電極層51を形成する。第1電極層51は,表示装置がボトムエミッション型(背面発光型)の場合には透明なITOまたはIZOで形成され,表示装置がトップエミッション型(前面発光型)の場合には反射膜の金属膜で形成されることができる。
【0075】
次に,第1電極層51上に画像表示部33の全面に渡って発光効率の最も低い青(B)の発光層を形成する。上記青(B)の発光層は,真空蒸着法,ウェットコーティング法,インクジェット方,またはレーザ熱転写法からなる群より選択されるいずれか1つの方法によって形成されることができる。
【0076】
真空蒸着法は,薄膜製造方法の中でも最も広く普及している方法であって,真空中で金属,化合物または合金を加熱して溶融状態から蒸発させ,蒸発した粒子を基板の表面に蒸着させる,といった単純な原理によってその工程を実行することができる方法である。上記のように,蒸発が熱交換により行われるという点でスパッタリング法とは異なり,こうして作られた薄膜を真空蒸着薄膜という。真空蒸着法の利点は,装備が比較的簡単であり,非常に多くの物質に容易に適用することができることである。
【0077】
ウェットコーティング法は,液状の内部物質(基材),コーティング剤及びコーティング溶媒を用いてコーティングを行う方法であって,コーティングの後には溶媒を除去する工程を必然的に伴う。代表的なウェットコーティング法には,スプレーコーティング,スピンコーティング,浸漬コーティングなどの方法がある。一方,溶媒除去段階においては,蒸着物質が変質したりまたは溶媒が蒸着物質に残留する恐れがあるため,注意しなければならない。
【0078】
インクジェット法は,ヘッドが基板と一定の間隔をおいて配列された状態で,溶液をヘッドから基板に高速噴射して薄膜を形成する方法である。インクジェット法によって発光層の薄膜を形成する場合,上記溶液には,例えば高分子有機EL物質などの,EL(electro−luminescence)物質が含有される。このようなインクジェット法によれば,相異なる領域に選択的に発光層を積層することが可能であり,発光層を形成する物質の浪費を最小化することができるという利点がある。
【0079】
レーザ熱転写法による発光層の形成は,レーザビームを照射してドナーフィルムの光熱変換層からの発熱によって発光層を転写させる方法である。レーザ熱転写法は,大面積素子の製作時に有利であり,マスクを必要としないので高精細なパターニングが可能であり,また,薄膜の均一度を向上させることができるという利点がある。
【0080】
上記のようにして青(B)の発光層を形成した後に,青(B)の発光層上に画像表示部33の全面に渡って電子阻止層54を形成する。電子阻止層54は,青(B)の発光層と同様に,真空蒸着法,ウェットコーティング法,インクジェット法またはレーザ熱転写法からなる群より選択されるいずれか1つの方法によって形成することができる。
【0081】
本発明では,各発光層に使用される物質に制限を設けていないものの,発光層に使用される発光物質によっては,電子阻止層(電子遮断層)54を設けることが必須となる場合がある。例えば,蛍光発光物質を発光層として使用する蛍光発光ダイオードの場合には,発光層を形成した後,その上に電子阻止層54を設けずに,電子輸送層55を直接形成することができる。一方,リン光発光物質を発光層として用いるリン光発光ダイオードの場合には,発光層のHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)値より大きいHOMO値を有する電子阻止層54が必ず必要とされる。上記のように電子阻止層54を設ける場合,電子阻止層54は,青(B)の発光層を共通層として形成した後,赤(R)の発光層及び緑(G)の発光層がそれぞれ形成される前に,青(B)の発光層の上に形成される。すなわち,電子阻止層54は,と赤(R)の発光層との間,及び青(B)の発光層緑(G)の発光層との間に位置するように設けられるのがよい。
【0082】
その後,電子阻止層54上には,青(B)の発光層が形成された領域内の所定の領域に,閉曲線によって形成される領域をなすように赤(R)の発光層を形成する。また,青(B)の発光層が形成された領域内の上記赤(R)の発光層と重ならない別の領域に,閉曲線によって形成される領域をなすように緑(G)の発光層を形成する。上記赤(R)の発光層及び緑(G)の発光層は,真空蒸着法,ウェットコーティング法,インクジェット法またはレーザ熱転写法からなる群より選択されるいずれか1つの方法により形成することができる。
【0083】
そして,上記赤(R)の発光層及び緑(G)の発光層の上に,画素領域40の全面に渡って電子輸送層65を形成する。最後に,電子輸送層65の上に,第2電極層66を形成する。
【0084】
次に,本発明の第1の実施の形態の変更例について説明する。図6は図4のC−C’線に沿った略断面図であり,図4の画素領域の第1の実施の形態の変更例による断面構成を概略的に示す図である。
【0085】
図6を参照すると,基板60上に薄膜トランジスタTA及び発光ダイオードが形成される。その後,第1電極層61が,基板60上の薄膜トランジスタTAのドレイン電極と電気的に連結されるように形成される。第1電極層61上には,第1電極層61を少なくとも部分的に露出させるように開口部を有する画素定義膜62が形成される。
【0086】
画素定義膜62及び画素定義膜62の上記開口部上には,これらの全面を覆うように正孔輸送層63が形成される。正孔輸送層63は,第1電極層61からの正孔注入を容易にするために,イオン化ポテンシャルが小さく,第1電極層61との界面接着力に優れ,可視光線領域における吸収が極力少ない特性を有するのがよい。正孔輸送層63としては,一般的に使用される低分子系の物質または高分子系の物質を使用することができる。具体的には,正孔輸送層63の正孔輸送材料としては,アリールアミン系低分子,ヒドラゾン系低分子,スチルベン系低分子またはスターバースト系低分子などの低分子系の物質,または,カルバゾール系高分子,アリールアミン系高分子,ペリレン系高分子またはピロール系高分子などの高分子系の物質からなる群より選択されるいずれかの物質を使用することができる。上記低分子系の物質の例としては,NPB,TPD,spiro−TADなどがあり,上記高分子系の物質の例としては,PVKなどがある。上記のような正孔輸送材料は,正孔を容易に輸送することができ,また,電子を発光領域に束縛させることにより,励起子が形成される確率を高めることができる。
【0087】
正孔輸送層63上には,赤(R)のサブ画素(第1サブ画素)の発光層及び緑(G)のサブ画素(第2サブ画素)の発光層が重なり合わないように形成される。赤(R)の発光層及び緑(G)の発光層上には,上記赤(R)の発光層及び緑(G)の発光層を含むように,相対的に発光効率の低い青(B)のサブ画素(第3サブ画素)の発光層が画像表示部33の全面に渡って形成されることができる。このとき,上記赤(R)の発光層と青(B)の発光層の間及び緑(G)の発光層と青(B)の発光層の間には,画素領域40の全面に渡って正孔阻止層(正孔遮断層)64を形成することができる。正孔阻止層64は,BCP,BAlq,SAlq,TAZ,OXD7,AlqまたはPBDからなる群より選択されるいずれかの物質により形成されることができる。正孔阻止層64の上には,上述したように画素領域40の全面に渡って青(B)の発光層が形成される。
【0088】
そして,青(B)の発光層の上には電子輸送層65が形成される。電子輸送層65は,第2電極層66から発光層へ電子を円滑に輸送し,発光層で結合していない正孔の移動を抑制して発光層内における電子と正孔の再結合機会を増加させる役割を果たす。電子輸送層65の材料としては,電子親和性及び第2電極層66との界面接着性に優れた材料を主に用いることができる。
【0089】
電子輸送層65の材料としては,一般的に,電子親和度に優れたAlqの他に,電子輸送及び正孔遮断の役割を同時に果たすことが可能なPBD,spiro−PBD,オリゴチオフェン,ペルフルオロ化オリゴ−p−フェニレン(perfluorinated oligo−p−phenylene),または2,5−ジアリールシロレ(2,5−diarylsilole)誘導体からなる群より選択されるいずれか一つの材料を使用することができる。
【0090】
電子輸送層65上には第2電極層66が形成される。第2電極層66は,表示装置がトップエミッション型(前面発光型)の場合には透明なITOまたはIZOで形成され,表示装置がボトムエミッション型(背面発光型)の場合には反射膜としての金属膜で形成されることができる。
【0091】
ここで,図6には図示されていないが,第1電極層61と正孔輸送層63との間の層に,画素領域の全面に渡って正孔注入層(図示せず)をさらに形成することができる。また,第2電極層66と電子輸送層65との間の層に,画素領域の全面に渡って電子注入層(図示せず)をさらに形成することができる。
【0092】
次に,図6に示した本発明の第1の実施の形態の変更例にかかる有機発光表示装置の製造方法について説明する。
【0093】
先ず,基板60上に薄膜トランジスタTAを形成する。その後,薄膜トランジスタTA上に第1電極層61を形成する。第1電極層61は,表示装置がボトムエミッション型(背面発光型)の場合には透明なITOまたはIZOで形成され,表示装置がトップエミッション型(前面発光型)の場合には反射膜の金属膜で形成されることができる。
【0094】
次に,第1電極層61上に赤(R)の発光層及び緑(G)の発光層を,相互に重なり合わないように形成する。赤(R)の発光層及び緑(G)の発光層は,真空蒸着法,ウェットコーティング法,インクジェット法またはレーザ熱転写法からなる群より選択されるいずれか一つの方法を用いて形成されることができる。各方法の詳細については前述したので,ここではそれぞれの方法についての説明は省略する。
【0095】
次いで,赤(R)の発光層及び緑(G)の発光層上に画素領域40の全面に渡って,正孔阻止層64を形成する。その後,正孔阻止層64上に青(B)の発光層を画素領域40の全面に渡って形成する。正孔阻止層64及び青(B)の発光層は,真空蒸着法,ウェットコーティング法,インクジェット法,またはレーザ熱転写法のいずれか一つの方法により形成することができる。次に,青(B)の発光層の上に電子輸送層65を形成する。そして最後に,電子輸送層65上に第2電極層66を形成する。
【0096】
本発明では,各発光層に使用される物質に制限を設けていないものの,発光層に使用される発光物質によっては,正孔阻止層(正孔遮断層)64を設けることが必須となる場合がある。例えば,蛍光発光物質を発光層として使用する蛍光発光ダイオードの場合には,発光層を形成した後,その上に正孔阻止層64を設けずに,電子輸送層65を直接形成することができる。一方,リン光発光物質を発光層として用いるリン光発光ダイオードの場合には,発光層のHOMO値より大きいHOMO値を有する正孔阻止層64が必ず必要とされる。上記のように正孔阻止層64を設ける場合,正孔阻止層64は,赤(R)の発光層及び緑(G)の発光層をそれぞれ形成した後,青(B)の発光層が共通層として形成される前に,赤(R)の発光層及び緑(G)の発光層の上に形成される。すなわち,正孔阻止層64は,赤(R)及び緑(G)の発光層と青(B)の発光層との間に位置するように設けられるのがよい。
【0097】
本発明の第1の実施の形態の変更例において,赤(R)の発光層及び緑(G)の発光層は,それぞれのサブ画素領域の外周に沿って形成された画素定義膜62によって区分される。
【0098】
次に,本発明の第1の実施の形態における,図4のD−D’線に沿った断面構成について説明する。図7は図4のD−D’線に沿った略断面図である。説明の便宜上,前述したC−C’線に沿った第1の実施の形態と同一の構成要素についての具体的な説明は省略する。特に,基板に対する構造及びそれぞれの層の役割と材料についての具体的な説明は省略する。
【0099】
図7に示すように,基板50上には薄膜トランジスタTAが形成される。薄膜トランジスタTA上には第1電極層51が形成される。第1電極層51上には画素領域40の全面に渡って正孔輸送層53が形成される。そして,正孔輸送層53上には発光効率の最も低い青(B)の発光層が画素領域40の全面に渡って形成される。
【0100】
ここで,図7の断面図において,赤(R)の発光層または緑(G)の発光層は現れないが,画素領域40内において,赤(R)の発光層または緑(G)の発光層の形成された面積を除いた青(B)の発光層の面積は,赤(R)の発光層の面積よりも大きく,且つ,緑(G)の発光層の面積よりも大きくするのがよい。このとき特に,赤(R)の発光層の青(B)の発光層に対する面積の比率が0.2〜0.5の範囲となるようにし,緑(G)の発光層の青(B)の発光層に対する面積の比率が0.2〜0.5の範囲となるようにするのがよい。
【0101】
そして,青(B)の発光層の上には,電子阻止層(電子遮断層)54を形成することができる。電子阻止層54の上には電子輸送層55が形成され,電子輸送層55上には第2電極層56が形成される。
【0102】
次に,本発明の第1の実施の形態の変更例における,図4のD−D’線に沿った断面構成について説明する。図8は図4のD−D’線に沿った略断面図である。説明の便宜上,前述したC−C’線に沿った第1の実施の形態の変更例と同一の構成要素についての具体的な説明は省略する。特に,基板に対する構造及びそれぞれの層の役割と材料についての具体的な説明は省略する。
【0103】
図8に示すように,基板60上には薄膜トランジスタTAが形成される。薄膜トランジスタTA上には第1電極層61が形成される。第1電極層61上には正孔輸送層63が形成される。そして,正孔輸送層63上には正孔阻止層(正孔遮断層)64を形成することができる。そして,正孔阻止層64上には発光効率の最も低い青(B)の発光層が全面に形成される。
【0104】
ここで,図8の断面図において,赤(R)の発光層または緑(G)の発光層は現れないが,画素領域40内において,赤(R)の発光層または緑(G)の発光層の形成された面積を除いた青(B)の発光層の面積は,赤(R)の発光層の面積よりも大きく,且つ,緑(G)の発光層の面積よりも大きくするのがよい。このとき特に,赤(R)の発光層の青(B)の発光層に対する面積の比率が0.2〜0.5の範囲となるようにし,緑(G)の発光層の青(B)の発光層に対する面積の比率が0.2〜0.5の範囲となるようにするのがよい。
【0105】
そして,青(B)の発光層上には電子輸送層65が形成され,電子輸送65上には第2電極層66が形成される。
【0106】
次に,本発明の第1の実施の形態における,図4のE−E’線に沿った断面構成について説明する。図9は図4のE−E’線に沿った略断面図である。説明の便宜上,前述したC−C’線に沿った第1の実施の形態と同一の構成要素についての具体的な説明は省略する。特に,基板に対する構造及びそれぞれの層の役割と材料についての具体的な説明は省略する。
【0107】
図9に示すように,基板50上には薄膜トランジスタTAが形成される。薄膜トランジスタTA上には第1電極層51が形成される。薄膜トランジスタTA及び第1電極層51上には画素定義膜52が形成されるが,かかる画素定義膜52は開口部を有して第1電極層51を少なくとも部分的に露出させるように形成される。画素定義膜52及び画素定義膜52の上記開口部上には,画素領域40の全面に渡って正孔輸送層53が形成される。そして,正孔輸送層53上には発光効率の最も低い青(B)の発光層が画素領域40の全面に渡って形成される。
【0108】
そして,青(B)の発光層の上には,電子阻止層(電子遮断層)54を形成することができる。電子阻止層54上の領域の一部分には赤(R)の発光層が形成される。そして,赤(R)の発光層及び電子阻止層54上の画素領域40の全面に渡って電子輸送層55が形成される。最後に,電子輸送層55上に第2電極層56が形成される。
【0109】
次に,本発明の第1の実施の形態の変更例における,図4のE−E’線に沿った断面構成について説明する。図10は図4のE−E’線に沿った略断面図である。説明の便宜上,前述したC−C’線に沿った第1の実施の形態の変更例と同一の構成要素についての具体的な説明は省略する。特に,基板に対する構造及びそれぞれの層の役割と材料についての具体的な説明は省略する。
【0110】
図10に示すように,基板60上には薄膜トランジスタTAが形成される。薄膜トランジスタTA上には第1電極層61が形成される。薄膜トランジスタTA及び第1電極層61上には画素定義膜62が形成されるが,かかる画素定義膜62は開口部を有して第1電極層61を少なくとも部分的に露出させるように形成される。画素定義膜62及び画素定義膜62の上記開口部上には,画素領域40の全面に渡って正孔輸送層63が形成される。そして,正孔輸送層63上の領域の一部分には赤(R)の発光層が形成される。赤(R)の発光層及び正孔輸送層63上には,画素領域40の全面に渡って正孔阻止層(正孔遮断層)64を形成することができる。正孔阻止層64上には発光効率の最も低い青(B)の発光層が画素領域40の全面に渡って形成される。
【0111】
そして,青(B)の発光層の上には画素領域40の全面に渡って電子輸送層65が形成される。電子輸送層65上には第2電極層66が形成される。
【0112】
次に,本発明の第2の実施の形態について説明する。図11は,本発明の第2の実施の形態にかかる有機発光表示装置における一つの画素領域の概略構成を示す図であり,画素領域におけるサブ画素の配置が示されている。第2の実施の形態において,有機発光表示装置の全体的な構成は,図3に示した第1の実施の形態にかかる有機発光表示装置の全体的な構成と同様である。
【0113】
図11を参照すると,一つの画素領域110は,赤(R),緑(G),青(B)のサブ画素領域から構成され,それぞれのサブ画素領域は,相互に異なる面積で形成される。特に,相対的に低い発光効率を有する青(B)のサブ画素領域は,画素領域110の全面に共通的に形成される。そして,赤(R)のサブ画素領域及び緑(G)のサブ画素領域は,相互に重なり合わないように,青(B)のサブ画素領域内にそれぞれ閉曲線によって形成される領域をなして形成される。すなわち,赤(R)及び緑(G)のサブ画素領域は,それぞれその周囲を青(B)のサブ画素領域により囲まれるように形成されることができる。より具体的には,第2の実施の形態においては,赤(R)サブ画素領域は,画素領域110の左側上部に形成され,緑(G)サブ画素領域は,画素領域110の右側下部に形成される。すなわち,赤(R),緑(G)及び青(B)のそれぞれのサブ画素は,三角形のデルタ状に配列される。それぞれのサブ画素領域の形状は四角形である。また,画素領域110の最外郭には常に青(B)サブ画素領域が位置する。
【0114】
画素領域110上に形成される青(B)サブ画素は,赤(R)サブ画素及び緑(G)サブ画素の上部または下部のいずれに形成してもよい。青(B)サブ画素が上部に形成される場合,赤(R)サブ画素の領域及び緑(G)サブ画素の領域は,画素定義膜111によって区分されることができる。
【0115】
次に,本発明の第3の実施の形態について説明する。図12は,本発明の第3の実施の形態にかかる有機発光表示装置における一つの画素領域の概略構成を示す図であり,画素領域におけるサブ画素の配置が示されている。第3の実施の形態において,有機発光表示装置の全体的な構成は,図3に示した第1の実施の形態にかかる有機発光表示装置の全体的な構成と同様である。
【0116】
図12を参照すると,一つの画素領域120は,赤(R),緑(G),青(B)のサブ画素領域から構成され,それぞれのサブ画素領域は,相互に異なる面積で形成される。特に,相対的に低い発光効率を有する青(B)のサブ画素領域は,画素領域120の全面に共通的に形成される。そして,赤(R)のサブ画素領域及び緑(G)のサブ画素領域は,相互に重なり合わないように,青(B)のサブ画素領域内にそれぞれ閉曲線によって形成される領域をなして形成される。すなわち,赤(R)及び緑(G)のサブ画素領域は,それぞれその周囲を青(B)のサブ画素領域により囲まれるように形成されることができる。より具体的には,第3の実施の形態においては,赤(R)サブ画素領域は,画素領域120の左側上部に形成され,緑(G)サブ画素領域は,画素領域120の右側上部に形成される。赤(R),緑(G)及び青(B)のそれぞれのサブ画素は,三角形のデルタ状に配列される。これは,図11に示した第2の実施の形態と類似の構造であるが,それぞれのサブ画素の位置が異なるように形成される。それぞれのサブ画素領域の形状は四角形である。また,画素領域120の最外郭には常に青(B)サブ画素領域が位置する。
【0117】
画素領域120上に形成される青(B)サブ画素は,赤(R)サブ画素及び緑(G)サブ画素の上部または下部のいずれに形成してもよい。青(B)サブ画素が上部に形成される場合,赤(R)サブ画素の領域及び緑(G)サブ画素の領域は,画素定義膜121によって区分されることができる。
【0118】
次に,本発明の第4の実施の形態について説明する。図13は,本発明の第4の実施の形態にかかる有機発光表示装置における一つの画素領域の概略構成を示す図であり,画素領域におけるサブ画素の配置が示されている。第4の実施の形態において,有機発光表示装置の全体的な構成は,図3に示した第1の実施の形態にかかる有機発光表示装置の全体的な構成と同様である。
【0119】
図13を参照すると,一つの画素領域130は,赤(R),緑(G),青(B)のサブ画素領域から構成され,それぞれのサブ画素領域は,相互に異なる面積で形成される。特に,相対的に低い発光効率を有する青(B)のサブ画素領域は,画素領域130の全面に共通的に形成される。そして,赤(R)のサブ画素領域及び緑(G)のサブ画素領域は,相互に重なり合わないように,青(B)のサブ画素領域内にそれぞれ閉曲線によって形成される領域をなして形成される。すなわち,赤(R)及び緑(G)のサブ画素領域は,それぞれその周囲を青(B)のサブ画素領域により囲まれるように形成されることができる。より具体的には,第4の実施の形態においては,赤(R)サブ画素領域は,画素領域130の左側に形成され,緑(G)サブ画素領域は,画素領域130の右側にそれぞれ形成される。赤(R),緑(G)及び青(B)それぞれのサブ画素領域の形状は四角形である。また,画素領域の最外郭には常に青色(B)サブ画素領域が位置する。
【0120】
画素領域130上に形成される青(B)サブ画素は,赤(R)サブ画素及び緑(G)サブ画素の上部または下部のいずれに形成してもよい。青(B)サブ画素が上部に形成される場合,赤(R)サブ画素の領域及び緑(G)サブ画素の領域は,画素定義膜131によって区分されることができる。
【0121】
図11〜図13において,赤(R)の発光層及び緑(G)の発光層の形成された面積を除いた青(B)の発光層の面積は,赤(R)の発光層の面積よりも大きく,且つ,緑(G)の発光層の面積よりも大きくするのがよい。このとき特に,赤(R)の発光層の青(B)の発光層に対する面積の比率が0.2〜0.5の範囲となるようにし,緑(G)の発光層の青(B)の発光層に対する面積の比率が0.2〜0.5の範囲となるようにするのがよい。
【0122】
上記のように,青(B)のサブ画素領域を画素領域の全面に共通的に形成することにより,発光効率の低い青(B)の発光層の発光効率を,赤(R)及び緑(G)の発光層の発光効率と類似の水準に向上させることができる。これにより,本発明の実施の形態にかかる有機発光表示装置は,その寿命特性が向上される。
【0123】
また,本発明の実施の形態においては,青(B)の発光層を画素領域の全面に渡って形成される共通層として形成したので,青(B)の発光層が形成される領域をパターニングする必要がなくなる。したがって,マスクの数を低減させることができ,また,青(B)の発光物質が基板の全面に塗布されることにより発光物質の劣化が少なくなるので,本発明の実施の形態にかかる有機発光表示装置は,従来の有機発光表示装置よりも安定性に優れる。
【0124】
上記のように,本発明によれば,発光効率の低いいずれか一つのサブ画素の面積を広くするように各画素領域のレイアウトを変更して,発光効率の低いサブ画素の寿命を改善させることにより,有機発光表示装置の寿命を改善し且つ開口率を向上させることができる。また,発光層を形成するときにマスク数を低減させることにより,ミスアラインが発生する可能性を減らし,解像度を極大化し且つ収率を改善することができ,更に製造コストも低減させることができる。
【0125】
なお,本発明の実施の形態においては,青(B)の発光層を共通層として形成するものについて述べたが,必ずしもこれに限定されるものではなく,発光効率の低い別の発光層を共通層として形成する構成としてもよい。
【0126】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本発明は,有機発光表示装置及びその製造方法に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】従来の技術による有機発光表示装置の一つの画素領域の概略構成を示す図である。
【図2】図1のA−A’線に沿った断面の概略構成を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態にかかる有機発光表示装置の全体的な概念を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態にかかる有機発光表示装置の一つの画素領域の概略構成を示す図である。
【図5】第1の実施の形態による図4のC−C’線に沿った断面の概略構成を示す図である。
【図6】第1の実施の形態の変更例による図4のC−C’線に沿った断面の概略構成を示す図である。
【図7】第1の実施の形態による図4のD−D’線に沿った断面の概略構成を示す図である。
【図8】第1の実施の形態の変更例による図4のD−D’線に沿った断面の概略構成を示す図である。
【図9】第1の実施の形態による図4のE−E’線に沿った断面の概略構成を示す図である。
【図10】第1の実施の形態の変更例による図4のE−E’線に沿った断面の概略構成を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態にかかる有機発光表示装置の一つの画素領域の概略構成を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態にかかる有機発光表示装置の一つの画素領域の概略構成を示す図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態にかかる有機発光表示装置の一つの画素領域の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
【0129】
30 電源供給部
31 走査駆動部
32 データ駆動部
33 画像表示部
34 画素領域
35 有機発光表示装置基板
S1〜Sn 走査線
D1〜Dm データ線
40,110,120,130 画素領域
41,111,121,131 画素定義膜
50,60 基板
51,61 第1電極層
52,62 画素定義膜
53,63 正孔輸送層
54 電子阻止層
64 正孔阻止層
55,65 電子輸送層
56,66 第2電極層
B 青サブ画素
R 赤サブ画素
G 緑サブ画素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1画素が複数の色相のサブ画素により構成される画素を少なくとも一つ含む有機発光表示装置において,
前記複数のサブ画素のうち1つのサブ画素の発光層が前記画素領域の全面に渡って形成され,
前記複数のサブ画素のうち前記1つのサブ画素とは別の少なくとも2つのサブ画素の発光層が,前記1つのサブ画素の発光層の上層に,それぞれ閉曲線によって確定される領域をなして形成されること,
を特徴とする有機発光表示装置。
【請求項2】
前記1つのサブ画素の発光層は青色の発光層であることを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項3】
前記1つのサブ画素の発光層の面積から前記少なくとも2つのサブ画素の発光層の面積を除いた面積は,前記少なくとも2つのサブ画素の発光層のいずれの面積よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項4】
前記1つのサブ画素の発光層と前記少なくとも2つのサブ画素の発光層との間の層に位置し,前記画素領域の全面に渡って形成される電子阻止層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項5】
1画素が複数の色相のサブ画素により構成される画素を少なくとも一つ含む有機発光表示装置において,
前記複数のサブ画素のうち少なくとも2つのサブ画素の発光層が前記画素領域内の所定の層に相互に重ならないように形成され,
前記複数のサブ画素のうち前記少なくとも2つのサブ画素とは別の1つのサブ画素の発光層が,前記少なくとも2つのサブ画素の発光層の上層に,前記少なくとも2つのサブ画素の発光層を含むように前記画素領域の全面に渡って形成されること,
を特徴とする有機発光表示装置。
【請求項6】
前記1つのサブ画素の発光層は青色の発光層であることを特徴とする請求項5に記載の有機発光表示装置。
【請求項7】
前記1つのサブ画素の発光層の面積から前記少なくとも2つのサブ画素の発光層の面積を除いた面積は,前記少なくとも2つのサブ画素の発光層のいずれの面積よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載の有機発光表示装置。
【請求項8】
前記少なくとも2つのサブ画素の発光層と前記1つのサブ画素の発光層との間の層に位置し,前記画素領域の全面に渡って形成される正孔阻止層をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の有機発光表示装置。
【請求項9】
1画素が複数の色相のサブ画素により構成される画素を少なくとも一つ含む有機発光表示装置において,
前記各画素は,
前記複数のサブ画素に対応して基板上の所定の領域にそれぞれ形成される第1電極層と,
前記第1電極層の上層に前記画素領域の全面に渡って形成される第1サブ画素の発光層と,
前記第1サブ画素の発光層の上層の前記画素領域内の所定の領域に,閉曲線によって確定される領域をなして形成される第2サブ画素の発光層と,
前記第1サブ画素の発光層の上層の前記第2サブ画素の発光層と重ならない前記画素領域内の別の領域に,閉曲線によって確定される領域をなして形成される第3サブ画素の発光層と,
前記第1サブ画素の発光層,前記第2サブ画素の発光層及び前記第3サブ画素の発光層の上層に形成される第2電極層とを含んで構成されること,
を特徴とする有機発光表示装置。
【請求項10】
前記第1サブ画素の発光層は,青色の発光層であることを特徴とする請求項9に記載の有機発光表示装置。
【請求項11】
前記第1サブ画素の発光層の面積から前記第2サブ画素の発光層及び前記第3サブ画素の発光層の面積を除いた面積は,前記第2サブ画素の発光層または前記第3サブ画素の発光層のいずれの面積よりも大きいことを特徴とする請求項9に記載の有機発光表示装置。
【請求項12】
前記第1サブ画素の発光層と前記第2サブ画素の発光層との間の層に,前記画素領域の全面に渡って形成される電子阻止層をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の有機発光表示装置。
【請求項13】
前記電子阻止層は,Ir(ppz)から成ることを特徴とする請求項12に記載の有機発光表示装置。
【請求項14】
前記第1サブ画素の発光層と前記第3サブ画素の発光層との間の層に,前記画素領域の全面に渡って形成される電子阻止層をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の有機発光表示装置。
【請求項15】
前記電子阻止層は,Ir(ppz)から成ることを特徴とする請求項14に記載の有機発光表示装置。
【請求項16】
前記第1サブ画素の発光層の発光効率は,前記第2サブ画素の発光層の発光効率または前記第3サブ画素の発光層の発光効率のいずれよりも低いことを特徴とする請求項9に記載の有機発光表示装置。
【請求項17】
前記第2サブ画素の面積の前記第1サブ画素の面積に対する比率は,0.2〜0.5の範囲であることを特徴とする請求項11に記載の有機発光表示装置。
【請求項18】
前記第3サブ画素の面積の前記第1サブ画素の面積に対する比率は,0.2〜0.5の範囲であることを特徴とする請求項11に記載の有機発光表示装置。
【請求項19】
前記第2サブ画素の発光層及び前記第3サブ画素の発光層は,一方が赤色の発光層であり,他方が緑色の発光層であることを特徴とする請求項9に記載の有機発光表示装置。
【請求項20】
前記第1サブ画素,前記第2サブ画素及び前記第3サブ画素の画素配列は,ストライプ配列であることを特徴とする請求項9に記載の有機発光表示装置。
【請求項21】
前記第1サブ画素,前記第2サブ画素及び前記第3サブ画素の画素配列は,デルタ配列であることを特徴とする請求項9に記載の有機発光表示装置。
【請求項22】
1画素が複数の色相のサブ画素により構成される画素を少なくとも一つ含む有機発光表示装置において,
前記各画素は,
前記複数のサブ画素に対応して基板上の所定の領域にそれぞれ形成される第1電極層と,
前記第1電極層の上層の前記画素領域内の所定の領域に形成される第1サブ画素の発光層と,
前記第1電極層の上層の前記第1サブ画素の発光層と重ならない前記画像領域内の別の領域に形成される第2サブ画素の発光層と,
前記第1サブ画素の発光層及び前記第2サブ画素の発光層の上層に,前記第1サブ画素の発光層及び前記第2サブ画素発の光層を含むように前記画素領域の全面に渡って形成される第3サブ画素の発光層と,
前記第1サブ画素の発光層,前記第2サブ画素の発光層及び前記第3サブ画素の発光層の上層に形成される第2電極層とを含んで構成されること,
を特徴とする有機発光表示装置。
【請求項23】
前記第3サブ画素の発光層は,青色の発光層であることを特徴とする請求項22に記載の有機発光表示装置。
【請求項24】
前記第3サブ画素の発光層の面積から前記第1サブ画素の発光層及び前記第2サブ画素の発光層の面積を除いた面積は,前記第1サブ画素の発光層または前記第2サブ画素の発光層のいずれの面積よりも大きいことを特徴とする請求項22に記載の有機発光表示装置。
【請求項25】
前記第1サブ画素の発光層と前記第3サブ画素の発光層との間の層に,前記画素領域の全面に渡って形成される正孔阻止層をさらに含むことを特徴とする請求項22に記載の有機発光表示装置。
【請求項26】
前記正孔阻止層は,BCP,BAlq,SAlq,TAZ,OXD7,AlqまたはPBDからなる群より選択される一つの物質から成ることを特徴とする請求項25に記載の有機発光表示装置。
【請求項27】
前記第2サブ画素の発光層と前記第3サブ画素の発光層との間の層に,前記画素領域の全面に渡って形成される正孔阻止層をさらに含むことを特徴とする請求項22に記載の有機発光表示装置。
【請求項28】
前記正孔阻止層は,BCP,BAlq,SAlq,TAZ,OXD7,AlqまたはPBDからなる群より選択される一つの物質から成ることを特徴とする請求項27に記載の有機発光表示装置。
【請求項29】
前記第3サブ画素の発光層の発光効率は,前記第1サブ画素の発光層の発光効率または前記第2サブ画素の発光層の発光効率のいずれよりも低いことを特徴とする請求項22に記載の有機発光表示装置。
【請求項30】
前記第1サブ画素の面積の前記第3サブ画素の面積に対する比率は,0.2〜0.5の範囲であることを特徴とする請求項24に記載の有機発光表示装置。
【請求項31】
前記第2サブ画素の面積の前記第3サブ画素の面積に対する比率は,0.2〜0.5の範囲であることを特徴とする請求項24に記載の有機発光表示装置。
【請求項32】
前記第1サブ画素の発光層及び前記第2サブ画素の発光層は,一方が赤色の発光層であり,他方が緑色の発光層であることを特徴とする請求項22に記載の有機発光表示装置。
【請求項33】
前記第1サブ画素,前記第2サブ画素及び前記第3サブ画素の画素配列は,ストライプ配列であることを特徴とする請求項22に記載の有機発光表示装置。
【請求項34】
前記第1サブ画素,前記第2サブ画素及び前記第3サブ画素の画素配列は,デルタ配列であることを特徴とする請求項22に記載の有機発光表示装置。
【請求項35】
前記第1サブ画素の発光層及び前記第2サブ画素の発光層には,その外周に沿ってそれぞれ画素定義膜が形成されることを特徴とする請求項22に記載の有機発光表示装置。
【請求項36】
1画素が複数の色相のサブ画素により構成される画素を少なくとも一つ含む有機発光表示装置の製造方法において,
前記各画素を形成する段階は,
前記複数のサブ画素に対応して基板上の所定の領域にそれぞれ第1電極層を形成する段階と,
前記第1電極層の上層に前記画素領域の全面に渡って第1サブ画素の発光層を形成する段階と,
前記第1サブ画素の発光層の上層の前記画素領域内の所定の領域に,閉曲線によって確定される領域をなすように第2サブ画素の発光層を形成する段階と,
前記第1サブ画素の発光層の上層の前記第2サブ画素の発光層と重ならない前記画素領域内の別の領域に,閉曲線によって確定される領域をなすように第3サブ画素の発光層を形成する段階と,
前記第1サブ画素の発光層,前記第2サブ画素の発光層及び前記第3サブ画素の発光層の上層に第2電極層を形成する段階と,
を含むことを特徴とする有機発光表示装置の製造方法。
【請求項37】
前記第1サブ画素の発光層は,真空蒸着法,ウェットコーティング法,インクジェット法またはレーザ熱転写法のいずれか一つの方法によって形成されることを特徴とする請求項36に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項38】
前記第2サブ画素の発光層及び前記第3サブ画素の発光層は,真空蒸着法,ウェットコーティング法,インクジェット法またはレーザ熱転写法のいずれか一つの方法によって形成されることを特徴とする請求項36に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項39】
前記第1サブ画素の発光層と前記第2サブ画素の発光層との間に,前記画素領域の全面に渡って電子阻止層を形成する段階を更に含むことを特徴とする請求項36に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項40】
前記電子阻止層は,真空蒸着法,ウェットコーティング法,インクジェット法またはレーザ熱転写法のいずれか一つの方法によって形成されることを特徴とする請求項39に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項41】
前記第1サブ画素の発光層と前記第3サブ画素の発光層との間に,前記画素領域の全面に渡って電子阻止層を形成する段階を更に含むことを特徴とする請求項36に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項42】
前記電子阻止層は,真空蒸着法,ウェットコーティング法,インクジェット法またはレーザ熱転写法のいずれか一つの方法によって形成されることを特徴とする請求項41に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項43】
1画素が複数の色相のサブ画素により構成される画素を少なくとも一つ含む有機発光表示装置の製造方法において,
前記各画素を形成する段階は,
前記複数のサブ画素に対応して基板上の所定の領域にそれぞれ第1電極層を形成する段階と,
前記第1電極層の上層の前記画素領域内の所定の領域に第1サブ画素の発光層を形成する段階と,
前記第1電極層の上層の前記第1サブ画素の発光層と重ならない前記画素領域内の別の領域に第2サブ画素の発光層を形成する段階と,
前記第1サブ画素の発光層及び前記第2サブ画素の発光層の上層に,前記第1サブ画素の発光層及び前記第2サブ画素の発光層を含むように前記画素領域の全面に渡って第3サブ画素の発光層を形成する段階と,
前記第1サブ画素の発光層,前記第2サブ画素の発光層及び前記第3サブ画素の発光層の上層に第2電極層を形成する段階とを含むこと,
を特徴とする有機発光表示装置の製造方法。
【請求項44】
前記第3サブ画素の発光層は,真空蒸着法,ウェットコーティング法,インクジェット法またはレーザ熱転写法のいずれか一つの方法によって形成されることを特徴とする請求項43に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項45】
前記第1サブ画素の発光層及び前記第2サブ画素の発光層は,真空蒸着法,ウェットコーティング法,インクジェット法またはレーザ熱転写法のいずれか一つの方法によって形成されることを特徴とする請求項43に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項46】
前記第3サブ画素の発光層と前記第1サブ画素の発光層との間に,前記画素の領域の全面に渡って正孔阻止層を形成する段階を更に含むことを特徴とする請求項43に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項47】
前記正孔阻止層は,真空蒸着法,ウェットコーティング法,インクジェット法またはレーザ熱転写法のいずれか一つの方法によって形成されることを特徴とする請求項46に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項48】
前記第3サブ画素の発光層と前記第2サブ画素の発光層との間に,前記画素の領域の全面に渡って正孔阻止層を形成する段階を更に含むことを特徴とする請求項43に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項49】
前記正孔阻止層は,真空蒸着法,ウェットコーティング法,インクジェット法またはレーザ熱転写法のいずれか一つの方法によって形成されることを特徴とする請求項48に記載の有機発光表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−66862(P2007−66862A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−326468(P2005−326468)
【出願日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】