説明

有機系汚染に対して使用するための抗微生物酸クリーナー

【課題】有機系飲料品及び食品の汚染を洗浄するための組成物及び方法の提供。
【解決手段】鉱酸、炭化水素エーテル溶媒又は炭化水素アルコール溶媒、封鎖剤、エーテルアミン剤及び様々な界面活性物質を含んでなる低発泡性酸クリーナー組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機系汚染の除去、又はより詳しくは食品汚染の除去のため処方された酸洗浄用組成物に関する。更に、本発明は現場方法を利用して飲料品製造現場から炭水化物及びタンパク質性汚染を除去することを目的とする洗浄方法に関する。本発明の洗浄用組成物は水性酸媒体で処方され、そして硬質表面から炭水化物及びタンパク質性汚染を除去することを目的とする。
【背景技術】
【0002】
食品及び飲料品の製造において、硬質表面は一般に炭水化物・タンパク質性の硬質汚染及びその他の汚染物質により汚染されてしまう。炭水化物性の汚染にはセルロース、単糖類、二糖類、オリゴ糖、デンプン、ガム及びその他の複合材料が挙げられ、乾燥すると、特にその他のタイプの汚染物質と組合されたときに強靱で除去しにくい汚染を形成しうる。同様に、タンパク質、酵素、脂肪及び油等の食品由来のその他の物質も汚染性の除去しにくい汚染残渣を形成しうる。麦芽飲料、果実飲料、例えば柑橘系製品、乳製品等の飲料品の製造における一の特殊な問題は、タンパク質、酵素、脂肪、油等のその他の汚染成分も含みうる大量の炭水化物汚染の除去でありうる。かかる炭水化物汚染の除去は著しい問題となりうる。
【0003】
汚染除去のために処方された従来技術の組成物は調剤された洗浄組成物を含む酸クリーナーに関連する様々な開示が挙げられる。Caseyの米国特許第4,587,030号は界面活性剤含有水性ベースを利用して石けん泡及び硬質成分を除去するために処方された組成物、並びに酸化アミン及び助溶媒を含んで成る製剤を開示する。Reihmらの米国特許第4,699,728号はベータイン界面活性剤と併用された有機ホスホン酸/アクリル酸封鎖剤を含むファイバーガラスクリーナー組成物を開示する。Heinhuis−Waltherらの米国特許第5,000,867号は有機及び/又は無機酸と併用された第四級アンモニウム抗微生物剤を含んで成る消毒組成物を開示する。Oaksらの米国特許第5,437,868号は機能性物質と共に調剤されうる酸性ペルオキシ酸抗微生物組成物を開示する。Gorinらの米国特許第5,712,241号は特定の界面活性剤を含む軽質液体洗剤を開示する。Ihnsらの米国特許第5,861,366号はタンパク質分解汚染除去を高めるために特別にデザインされた製剤中に酵素を含む汚染除去剤を開示する。
【0004】
有効な洗浄用物質を調合するには、調合者は有用な低コスト材料、有用な特性及び適合性を供する材料の使用、並びに使用成分の安定性により拘束される。酸性物質とその他の物質、例えば酵素との併用は活性物質についての安定性の問題を強いることがある。更に、洗浄及び殺菌作用、例えば消毒作用を得るのは一般の製剤では困難である。従来技術の多くの製剤は安定性の限界を有するか、又は現場での食品又は飲料品用途において効果的となるのに十分な洗浄及び消毒作用を供していない。
【0005】
現場洗浄技術は一般と液状製品の流れ、例えば飲料品、牛乳、ジュース等を加工するために使用されるタンク、ライン、ポンプ及びその他の加工設備の内部成分に由来する汚染を除去するために適合された特別な洗浄方式である。現場洗浄はシステム部品を全く分解することなくシステムを通じて洗浄溶液を流すことを包含する。最低限の現場洗浄技術は洗浄溶液を装置に流し、次いで通常の加工を再開することを包含する。クリーナー残渣により汚染された製品は全て廃棄される。往々にして、現場洗浄方法は1回目のすすぎ、洗浄溶液の適用、飲用水による2回目のすすぎ、しかる後の運転の再開を包含する。この方法は更に任意の接触工程を含んでよく、それにおいては酸性又は塩基性の機能性すすぎ流体、溶媒又はその他の洗浄用成分、例えば熱湯、冷水等をこの方法の任意の段階においてその設備と接触させる。往々にして、最終飲料水すすぎは、洗浄消毒段階後の細菌による設備の汚染を防ぐために省かれる。現場洗浄技術に利用されうる本発明の製剤は典型的には、任意的に有機酸と併用された鉱酸、炭化水素エーテル溶媒又は炭化水素アルコール溶媒、封鎖剤、エーテルアミン剤及び様々な界面活性物質を含んで成る。
【0006】
改良された汚染除去剤及び酸製剤を利用する方法についての著しいニーズがある。更に、現場洗浄技術を利用して硬質表面、例えば飲料品製造に利用されている導管及びポンプから汚染を除去するための組成物及び方法についてのニーズがある。
【発明の概要】
【0007】
発明の簡単な説明
我々はCIP(cleaning−in−place:現場洗浄)方式で硬質表面を洗浄するための方法において一般の食品汚染を除去するのに高まった能力を有する改良酸製剤を見い出した。更に、我々は現場洗浄技術を利用して飲料品製造設備から炭水化物及びその他の食品汚染残渣を除去するための方法を見い出した。この組成物は食品級又は食品適合性の酸、溶媒物質、及びエーテルアミン又は第四級アンモニウム化合物のいずれかを含まなくてはならない。本発明の固有の組成物は酸起源、例えば食品級鉱酸、例えばリン酸、スルファミン酸、ヒドロキシカルボン酸、等を含んで成る。この製剤は更に低級アルカノール又はアルキルエーテル低級アルコール溶媒、封鎖剤、アルキルエーテルアミン剤及びその他の任意の成分、例えば添加酸、その他の界面活性成分、ホスホネート界面活性剤、添加溶媒及びその他の組成物を含んで成る溶媒系を含む。界面活性剤抜きの製剤は驚くべきほどによく洗浄を行うことができる。これらの物質は酸水性溶液の中で使用してよく、そして汚染除去のために硬質表面と接触させてよい。これらの組成物は現場洗浄技術を利用して飲料品の存在する箇所から炭水化物汚染を除去するのに極めて有効である。食品の調製において使用する場合、飲料品製造用ユニットの導管、タンク、ポンプ及びその他の部品は炭水化物の汚染物質で直ちに汚染されてしまいうる。このような汚染は本発明の組成物を利用して直ちに除去できる。典型的には、本発明の組成物を飲料品製造用ユニットと接触させ、製造用ユニットのライン、タンク、導管、ポンプ等を通過させ、そのユニットが実質的に残渣を有しないようになるまで炭水化物汚染を除去する。当該組成物が有害な汚染残渣を除去したら、当該組成物を製造用ユニットから除去し、そして飲料品の製造を再開する。必要なら、洗浄工程と飲料品の製造との間にすすぎ工程を利用してよい。他方、飲料品の製造は、飲料品を用いてシステムから洗浄残渣を除去し、汚染された飲料品を廃棄して再開してよい。
【0008】
発明の詳細な説明
簡単に述べると、本発明の酸洗浄用組成物は主として水、無機酸もしくは有機酸又はそれらの組合せを含んで成る食品級又は食品適合性の酸成分から形成される。本発明の酸組成物を調製するのに利用される酸成分は本発明の水性有機助溶媒系に溶解して約1〜5の範囲の酸性pHを供することができる。実質的に約1未満のpHは洗浄環境内の一般の金属及びその他の表面の著しい腐蝕をもたらし得、約5超のpHは本組成物の洗浄効果を許容できないところにまで下げてしまいうる。
【0009】
最も一般的な商業的に入手できる無機及び有機酸が本発明において利用できうる。有用な無機酸の例にはリン酸及びスルファミン酸が挙げられる。有用な弱有機酸には酢酸、ヒドロキシ酢酸、グリコール酸、クエン酸、安息香酸、酒石酸等が挙げられる。我々は多くの用途において、組成物内の弱有機酸と弱無機酸との混合物が洗浄効果を著しく高めることをもたらしうることを見い出した。好適な洗浄剤は有機酸、例えばクエン酸、酢酸又はヒドロキシ酢酸(グリコール酸)及びリン酸の組合せを含んで成る。最も好適な洗浄剤は乳酸又はリン酸のいずれかを含んで成る。
【0010】
リン酸−乳酸系の場合、リン酸、対、ヒドロキシ酢酸の重量比は好ましくは約15:1〜1:1、最も好ましくは約8〜1.5:1である。我々は表面から除去するのが困難な一のタイプの汚染は炭水化物汚染であり、それはタンパク質性汚染及び無機系汚染、例えばCaHPO4 等と一緒に夾雑しうる。この成分は多数の汚染の一部であり、そして硬質部品と、酸性成分としてリン酸を用いる酸含有クリーナーとの間での相互作用の結果でありうる。我々は酸クリーナー中での乳酸とリン酸との混合物が洗浄特性の最適化を図ることができるものと信じている。しかしながら、ある場面では、洗浄組成物内で許容されているリン酸含有量は制限されているか、又は無視できる量に制限しなくてはならない。
【0011】
水コンディショニング剤は水硬度を不活化し、そしてカルシウム及びマグネシウムイオンが汚染物質、界面活性剤、炭酸塩及び水酸化物と相互作用することを阻止する。水コンディショニング剤は従って洗浄能力を高め、また不溶性汚染再沈着、鉱物スケール及びそれらの混合の如き長期作用を阻止する。水コンディショニングは様々なメカニズム、例えば封鎖、沈殿、イオン交換及び分散(域値効果)により達成されうる。金属イオン、例えばカルシウム及びマグネシウムは水性溶液の中で単純な正に帯電したイオンとして存在するものではない。それらは正の電荷を有するため、それらは水分子で覆われ、溶媒和しはじめる性質をもつ。その他の分子又は陰イオン基も金属陽イオンにより吸引されることができる。これらの成分が水分子と置き代わると、得られる金属錯体は配位化合物と呼ばれるようになる。中枢金属イオンと組合さる原子、イオン又は分子を配位子又は錯形成剤と呼ぶ。同一の分子の2以上の非金属原子に中枢金属イオンが配位結合により結合するタイプの配位化合物をキレートと呼ぶ。配位を形成できる分子はその構造のために錯形成し、そしてイオン電荷はキレート化剤と称される。キレート化剤は同一の金属イオンに2以上の錯形成部位にて結合するため、金属イオンを含む複素環が形成される。金属イオンと液体との結合は反応体で変わりうる。しかしながら、結合がイオン、共有又は水素結合であろうと、配位子の機能は電子を金属へと供与することにある。
【0012】
配位子は水溶性及び水不溶性キレートの両者を形成する。配位子が安定な水溶性キレートを形成するとき、配位子は封鎖剤と称され、そして金属は封鎖される。従って、封鎖は可溶性錯体中の金属イオンを分類する現象であり、これにより所望の沈殿物の形成を阻止する。ビルダーはカルシウム及びマグネシウムと組合さって、沈殿性の陰イオンの存在下で溶液に残るといった可溶性ではあるが、解離していない錯体を形成するであろう。このメカニズムを採用する水コンディショニング剤の例は縮合リン酸塩、ガラス質ポリリン酸塩、ホスホン酸塩、アミノポリアセテート、並びにヒドロキシカルボン酸塩及び誘導体である。沈殿により金属イオンを不活化する配位子と同様に、低溶解度を有するカルシウム及びマグネシウム塩の単純な超飽和により似たような効果が達成される。典型的な炭酸塩及び水酸化物は対応の塩としてカルシウム及びマグネシウムの沈殿によりコンディショニングされる。オルトリン酸塩はその他の水コンディショニング剤の例であり、それは水の硬質イオンを沈殿させる。沈殿すると、金属イオンは不活化する。
【0013】
水コンディショニングは洗浄水溶液由来の硬質イオンの洗剤中の成分として組込まれた固体(イオン交換体)とのin situ交換によっても影響を受けうる。洗剤業界では、このイオン交換体は非晶質又は結晶質構造の、且つ天然又は合成起源のアルミノシリケート、例えばゼオライトの名で市販されているものである。適正に機能するため、ゼオライトは最大の面積曝露及び動力学的イオン交換のために約0.1〜約10ミクロンの直径の小粒子サイズでなくてはならない。沈殿、封鎖及びイオン交換の水コンディショニングメカニズムは、水コンディショナー、対、カルシウム及びマグネシウムイオン濃度の比質量作用比を要求する化学理論量的相互作用である。一定の封鎖剤は化学理論量下濃度で硬質イオンを更にコントロールできる。この特性を「域値効果」と称し、そして超飽和硬質水溶液内でまず生成されるやや微小な結晶核、即ち、カルシウム及びマグネシウム塩の活性成長部位に対する物質の吸着と解釈される。これは結晶の成長を完全に阻害するか、又は少なくともこのような結晶核の成長を長期間遅らせる。更に、域値剤は既に形成された結晶の凝集を抑制する。水硬質鉱物とで封鎖及び域値現象の双方を示す化合物が本発明において採用するための非常に好適なコンディショニング剤である。その例にはトリポリリン酸塩及びガラス質ポリリン酸塩、ホスホン酸塩、並びに所定のカルボン酸のホモポリマー及びコポリマー塩が挙げられる。往々にして、これらの化合物は性能の向上のためにその他のタイプの水コンディショニング剤と併用して用いられる。硬質との様々な相互作用メカニズムをもつ水コンディショナーの組合せは二重、三重又はそれより更に複雑なコンディショニング系をもたらし、向上した洗浄活性を供する。
【0014】
本発明の洗浄組成物において採用されうる水コンディショニング剤は無機又は有機物質であってよく、また、使用する希釈濃度において水溶性でも水不溶性でもよい。有用な例には、炭酸、炭酸水素及びセスキ炭酸のアルカリ金属、アンモニウム及び置換化アンモニウム塩の全ての物理形態;ポリリン酸塩、及び縮合ポリリン酸塩、例えばトリポリリン酸塩、トリメタリン酸塩及び開環誘導体;並びに非晶質又は水和形態で約6〜約21の重合度nを有する一般構造Mn+2n3n+1のガラス質重合メタリン酸塩が挙げられる。
【0015】
アルミノシリケートビルダーが本発明において有用である。有用なアルミノシリケートイオン交換材料は商業的に入手できる。これらのアルミノシリケートは非晶質又は結晶構造であってよく、そして天然アルミノシリケート又は合成誘導されたものであってよい。
【0016】
本発明の組成物において有用な有機系水溶性水コンディショニング剤にはアミノポリアセテート、ポリホスホン酸塩、アミノポリホスホン酸塩、短鎖カルボン酸塩及び多種多様なポリカルボン酸化合物が挙げられる。有機系水コンディショニング剤は一般に酸形態で組成物に添加され、そしてその場で中和される。しかしながら、予め中和された塩の形態で加えてもよい。塩形態で利用する場合、アルカリ金属、例えばナトリウム、カリウム及びリチウム;又は置換化アンモニウム塩、例えばモノ−、ジ−又はトリエタノールアンモニウム陽イオンが一般に好ましい。
【0017】
ここで有用なポリホスネートには、特にエチレンジホスホン酸のナトリウム、リチウム及びカリウム塩;エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸塩のナトリウム、リチウム及びカリウム塩、並びにエタン−2−カルボキシ−1,1−ジホスホン酸のナトリウム、リチウム、カリウム、アンモニウム及び置換化アンモニウム塩、アミノ−(トリメチレンホスホン酸)及びその塩、ヒドロキシメタンジホスホン酸、カルボニルジホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−2−ヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、プロパン−1,1,3,3−テトラホスホン酸、プロパン−1,1,2,3−テトラホスホン酸及びプロパン−1,2,2,3−テトラホスホン酸;並びにそれらの混合物が挙げられる。このようなホスホン酸の例は英国特許第1,026,366号に開示されている。更なる例については、1965年10月19日発行のDiehlの米国特許第3,213,030号及び1952年6月10日発行のBersworthの米国特許第2,599,807号を参照のこと。
【0018】
水溶性アミノポリホスホン酸又はその塩の化合物は優れた水コンディショニング剤であり、そして本発明において好適に利用されうる。適当な例には可溶性塩、例えばアミノ−(トリメチレンホスホン酸)、ジエチレンジアミンペンタメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ヘキサメチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸及びニトリロトリメチレンホスホン酸のナトリウム、リチウム又はカリウム塩、並びにそれらの混合物が挙げられる。水溶性短鎖カルボン酸塩はここで利用するための別のクラスの水コンディショナーを構成する。その例にはクエン酸、グルコン酸及びフィチン酸が挙げられる。好適な塩はアルカリ金属イオン、例えばナトリウム、カリウム及びリチウムと、アンモニウム及び置換化アンモニウムから調製される。
【0019】
本発明にとっての適当な水溶性ポリカルボキシレート水コンディショナーには様々なエーテルポリカルボキシレート、ポリアセタール、ポリカルボキシレート、エポキシポリカルボキシレート、並びに脂肪、シクロアルカン及び芳香族ポリカルボキシレートが挙げられる。本明細書に引用することで組入れる1972年1月18日発行のLambertiらの米国特許第3,635,830号に更に詳しく開示されている。水コンディショナーとしてここで有用な水溶性ポリアセタールカルボン酸又はその塩は1979年3月13日発行のCrutchfieldらの米国特許第4,144,226号及び1982年2月9日発行のCrutchfieldらの米国特許第4,315,092号に一般に記載されている。
【0020】
本発明の組成物の用途のために好適な水溶性重合脂肪族カルボン酸及び塩は以下から成る群から選ばれる:
(a)脂肪族ポリカルボン酸のホモポリマーの水溶性塩;
(b)(a)に記載の実験式を有する少なくとも2種のモノマー物質のコポリマーの水溶性塩;並びに
(c)脂肪族ポリカルボン酸を有するアルキレン及びモノカルボン酸から選ばれる構成員のコポリマーの水溶性塩。
【0021】
本発明の最も好適な態様において利用するために最も好適な水コンディショナーはアクリル酸、アクリル酸コポリマーの水溶性ポリマー;並びにその誘導体及び塩である。
【0022】
かかるポリマーにはポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−メタクリル酸コポリマー、加水分解ポリアクリルアミド、加水分解ポリメタクリルアミド、加水分解アクリルアミドメタクリルアミドコポリマー、加水分解ポリアクリロニトリル、加水分解ポリメタクリロニトリル、加水分解アクリロニトリルメタクリロニトリルコポリマー、又はそれらの混合物が挙げられる。これらのポリマーの水溶性塩又は部分塩、例えば対応のアルカリ金属(例えばナトリウム、リチウム、カリウム)又はアンモニウム及びアンモニウム誘導体塩も使用してよい。ポリマーの重量平均分子量は約500〜約15,000であり、そして好ましくは750〜10,000の範囲内にある。好適なポリマーには1,000〜5,000又は6,000の範囲内の重量平均分子量を有するポリアクリル酸、ポリアクリル酸の部分ナトリウム塩、又はポリアクリル酸ナトリウムが挙げられる。これらのポリマーは市販され、そしてその調製方法は当業界において周知である。
【0023】
例えば、本洗浄組成物において有用な市販のポリアクリレート溶液には、ポリアクリル酸ナトリウム溶液、Colloid(登録商標)207(Colloids, Inc., Newark, N.J.);ポリアクリル酸溶液、Aquatreat(登録商標)AR−602−A(Alco Chemical Corp., Chattanooga, Tenn);ポリアクリル酸溶液(50〜65%の固形分)及びポリアクリル酸ナトリウム粉末(M.W.2,100及び6,000)、並びにB.F. Goodrich Co. よりGoodrite(登録商標)K−700シリーズとして入手できる溶液(45%の固形分);並びにRohm and Haas よりAcusol(登録商標)シリーズとして入手できるポリアクリル酸溶液のナトリウム又は部分ナトリウム塩(M.W.1000〜4500)が挙げられる。むろん、上記の水コンディショニング剤の任意の組合せ及び混合物を本発明の態様において好適に利用してよい。
【0024】
一般に、本発明の希釈溶液において有用な水又はコンディショナー混合物の濃度は0.0005活性重量%(5ppm)〜約0.04活性重量%(400ppm)、好ましくは約0.001活性重量%(10ppm)〜約0.03活性重量%(300ppm)、そして最も好ましくは約0.002活性重量%(20ppm)〜約0.02活性重量%(200ppm)の範囲である。
【0025】
本発明の最も好適な濃縮態様において有用な水又はコンディショナー混合物の濃度はビルダー含有組成物の全製剤重量%の約1.0活性重量%〜約35活性重量%の範囲である。
【0026】
更に通常利用されるのは炭素、水素及び酸素原子のみを含むポリオールである。それらは好ましくは約2〜約6個の炭素原子及び約2〜約6個のヒドロキシ基を含む。その例には1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、ヘキシレングリコール、グリセロール、ソルビトール、マンニトール及びグルコースが挙げられる。非水性液体担体又は溶媒が本発明の様々な組成物のために利用できる。これらには高級グリコール、ポリグリコール、ポリオキシド及びグリコールエーテルが挙げられる。適当な物質はアルキルエーテルアルコール、例えばメトキシエタノール、メトキシエタノールアセテート、ブトキシエタノール(ブチルセロソルブ)、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル(PM)、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPM)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PMA)、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(CPMA)、エチレングリコールn−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、2−エトキシエタノール、2−エトキシ−エチルアセテート、フェノキシエタノール及びエチレングリコールn−プロピルエーテルである。その他の有用な溶媒はエチレンオキシド/プロピレンオキシド、液体ランダムコポリマー、例えばDow Chemical由来のSynalox(登録商標)溶媒シリーズ(例えばSynalox(登録商標)50−50B)である。その他の適当な溶媒はプロピレングリコールエーテル、例えばPnB,DpnB及びTpnB(Dow Chemicalより商標名Dowanol(登録商標)で販売されているプロピレングリコールモノ−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール及びトリプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル)。また、Dow Chemical由来のトリプロピレングリコールモノメチルエーテル「TPM Dowanol(登録商標)」が適当である。
【0027】
本発明の水性クリーナーはアミン化合物を含んで成る。このアミン化合物は混成的な洗浄能、更には抗微生物特性を高め、また水の希釈及び/又は適用表面上の汚染物に由来する様々な沈殿の形成を抑制もしくは排除する。
【0028】
本発明のアミン化合物は任意のいくつかの物質を含んで成ってよい。
好ましくは、このアミン化合物は次式のアルキルエーテルアミン化合物及びその混合物である:
1 −O−R2 −NH2 (1)
1 −O−R2 −NH−R3 −NH2 (2)
(式中、R1 は線形の飽和又は不飽和C6-18アルキルであり、R2 は線形又は枝分れC1-8 アルキルであり、そしてR3 は線形又は枝分れC1-8 アルキルである)。
より好ましくは、R1 は線形C12-16 アルキルであり;R2 はC2-6 線形又は枝分れアルキルであり;そしてR3 はC2-6 線形又は枝分れアルキルである。
【0029】
本発明の好適な組成物にはR1 がC12-16 アルキル、R2 がC2-4 アルキル、そしてR3 がC2-4 アルキルである式(2)の線形アルキルエーテルジアミン化合物が挙げられる。
【0030】
使用するアミン化合物が式(1)及び(2)のアミンの場合、R1 は線形C12-16アルキルであるか、又は線形C10-12 及びC14-16 アルキルの混合物である。総合的に、本発明の組成物において使用する線形アルキルエーテルアミン化合物は、高い汚染除去能をもちながら低めの使用濃度(希釈により)を供する。濃縮物中のアミン化合物の量は一般に約0.1重量%〜90重量%、好ましくは約0.25重量%〜75重量%、そしてより好ましくは約0.5重量%〜50重量%に範囲する。これらの材料はTomah Products Incorporated よりPA−10,PA−19,PA−1618,PA−1816,DA−18,DA−19,DA−1618,DA−1816等として市販されている。
【0031】
濃縮物の使用希釈率は好ましくは目的とする用途又は使用において消毒又は殺菌効能が奏されるように計算する。従って、本発明の組成物中の活性アミン化合物の濃度は約10ppm 〜10,000ppm 、好ましくは約20ppm 〜7,500ppm 、そして最も好ましくは約40ppm 〜5,000ppm に範囲する。
【0032】
上記のエーテルアミン化合物の全体又は一部の代替物として、第四級アンモニウム化合物が使用できる。
【0033】
適当な第四級化合物には一般に第四級アンモニウム塩化合物が挙げられる。それは、通常のハライド(クロリド、ブロミド、ヨージド、等)に加えて、スルフェート、ホスフェート又はその他の陰イオン、脂肪族及び/又は脂環式基、好ましくはアルジル及び/又はアラールキルを、その中の炭素原子を介して窒素原子の残り4つの有位な位置に結合された状態で含むものとして記述することができ、これらの基のうちの2ないし3個は結合することで窒素原子を有する複素環を形成してよく、かかる基の少なくとも1つは8個以上、22個以下、又はそれより多くの炭素原子を有する脂肪族基である。
【0034】
含ませることのできうる適当な化合物は次式の第四級アンモニウム塩である:
〔R1234 N〕+-
(式中、R1 ,R2 ,R3 及びR4 のうちの少なくとも1個、しかしながら多くて2個は、C16−C22脂肪族基、又はアルキル鎖内に10〜16個の原子を有するアルキルもしくはアルキルベンジル基から選ばれ、残りの基は1〜約4個の炭素原子を含むハイドロカルビル基、又はC2 −C4 ヒドロキシルアルキル基、及び窒素原子が環の一部を構成している環構造体から選ばれ、そしてYはアニオン、例えばハライド、メチルスルフェート又はエチルスルフェートである)。
【0035】
上記の定義との関係で、有機基R1 中の疎水性成分(即ち、C16−C22脂肪族基、C10-16 アルキルフェニル基又はアルキルベンジル基)は第四級窒素原子に直接結合しているか、又はアミド、エステル、アルコキシ、エーテル等の基を介して間接的に結合していてよい。
【0036】
この第四級アンモニウム化合物は当業界周知の様々な方法で調製してよい。数多くのかかる材料が市販されている。
【0037】
かかる陽イオンディタージェントの例として、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ココナッツアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジココナッツアルキルジメチルアンモニウムブロミド、セチルピリジニウムヨージド及びセチルピリミジニウムヨージド及びセチルトリメチルアンモニウムブロミド、等が挙げられうる。
【0038】
有用な第四級化合物の例示的な説明はMcCutcheon's“Detergents and Emulsifiers”, 1969, Annual及び“Surface Active Agents”, Schwartz, Perry and Berch, Vol. 11, 1958 (InterScience Publishers) が記載され、それらの記載内容は引用することで本明細書に組入れる。
【0039】
本発明の方法及び製品において使用するために選定される特定の界面活性剤又は界面活性剤混合物は最終用途、例えば製造方法、物理的製品形態、使用pH、使用温度、発泡制御、及び汚染のタイプに依存する。本発明の好適な界面活性剤は非イオン性界面活性剤のタイプから選ばれる。陰イオン性のものはこれらのシステム内では適合せず、沈殿してしまう。非イオン性界面活性剤は多様且つ包括的な商業的選択、低価格、そして最も重要には、優れた洗浄効果、即ち、表面の湿潤、汚染物への浸透、洗浄すべき表面からの汚染の除去、及び洗浄溶液中の汚染物の懸濁といった効果を供する。この好適性は陽イオン性物質、又は半極性非イオン性物質と称される非イオン性物質のサブクラス、又は一貫した陽イオン性及び陰イオン性二重イオン挙動を特徴とし、それ故古典的な両性物質とは異なり、双イオン性界面活性剤として分類される界面活性剤を排除するつもりはない。
【0040】
陽イオン性、半極性非イオン性又は双イオン性界面活性剤、又はそれらの混合物の混入は本発明の様々な態様と有利及び/又は異なる有用性を授けるであろうことを当業者は理解するであろう。例えば、設備又は環境の床、壁及び天井表面上で発泡するように設計された洗浄組成物についての発泡安定化;又は汚染した表面上に密着した薄いゲルとして製品が分散されるためのゲル展開性;又は抗微生物的保存;又は腐蝕防止、等である。
【0041】
本発明の最も好ましい界面活性剤は、適用の際の洗浄組成物の使用希釈率での使用溶液に対して低発泡性を供する非イオン性界面活性剤のクラス又はその混合物から選ばれる。好ましくは、この界面活性剤又は界面活性剤混合物内に関与する個別の界面活性剤はそれ自体、通常の使用濃度内で、且つ洗浄組成物及び洗浄プログラムの期待の運転用途パラメーター内で低発泡性である。しかしながら、実際には低発泡界面活性剤をより高度に発泡性の界面活性剤と混合することが有利であり、なぜなら後者は往々にして洗浄組成物に優れた洗浄特性を供するからである。低発泡性及び高発泡性非イオン界面活性剤の混合物並びに低発泡性非イオン性界面活性剤同志の混合物は、この組合せの発泡プロフィールが通常の使用条件において低発泡性であるなら、本発明において有用でありうる。かくして、高発泡性非イオン界面活性剤は本発明の範囲を逸脱することなく、低又は中発泡製剤において好適に採用されうる。
【0042】
本発明の特に好適な濃縮態様は食品加工、そして最も特別には飲料品、麦芽飲料品、ジュース、乳製品及び液状乳及び乳副産物製造者の設備内での現場洗浄(CIP)用洗浄剤のために設計される。発泡は洗浄プログラムの際の高度に撹拌されるポンプ再循環システム内での大きな問題である。過剰な発泡は流速を遅くし、再循環ポンプに空洞化現象を及ぼし、汚染した表面との洗浄溶液の接触を阻害し、そして排液時間を長くする。CIP作業の際のかかる現象の発生は洗浄性能及び消毒効率を悪くする。
【0043】
従って、低発泡性は、洗剤をCIPシステムの洗浄プログラムに組込む場合の上記の任意の問題を発生させない発泡量として広義に定義される記述の洗浄特性をいう。発泡がないことが理想であるため、課題は目に見える機械的又は洗浄的混乱を起こすことなく、CIPシステム内で寛容されうる泡の最大のレベル又は量を決定することとなっている。その後、この最大値よりも少なくとも低い、より実用的には、最適な洗浄性能及びCIPシステム運転の確保のためにこの最大値より有意に低い発泡プロフィールを有する製剤のみが商業化されている。
【0044】
CIPシステムにおける許容の発泡レベルは試行錯誤により実際に経験的に決定される。明らかに、CIP運転の低発泡プロフィールニーズを満たす商品が今日存在する。従って、対比のための標準品としてかかる商品を採用し、そしてCIP条件、即ち、撹拌、温度及び濃度パラメーターを複製しないまでもシュミレートする実験室発泡評価装置及び試験方法を確立することは比較的簡単な作業である。
【0045】
実際、本発明は慣用の塩素化高アルカリ性CIP及びCOPクリーナーと比べ、高濃度の界面活性剤の添加を許容する。本発明の所定の好適な界面活性剤又は界面活性剤混合物は慣用のアルカリ及び塩素と一般に物理的に適合せず、又はそれらと化学的に安定でもない。従来技術とのこの大きな違いは本発明の組成物の中に含ませるべき界面活性剤の慎重な発泡プロフィール分析を要求するだけでなく、汚染の除去及び懸濁といった洗浄特性の精密な調査をも要求する。本発明は装置表面からの大きな汚染除去及び洗浄溶液内での汚染物質の懸濁のための界面活性剤を頼りとする。汚染物の懸濁は、洗浄溶液を節約し、同一の洗浄溶液を再度何回もの洗浄サイクルにおいて再利用するCIPシステムでの再循環及びその後の再使用の際の浄化した表面上への汚染の再付着を防止するため、汚染除去と同様にCIP洗浄剤における重要な界面活性特性である。一般に、本発明の使用時の希釈溶液において有用な界面活性剤又は界面活性剤混合物の濃度は約0.002重量%(20ppm)〜約2重量%(20,000ppm)、好ましくは約0.005重量%(50ppm)〜約0.1重量%(1000ppm)、そして最も好ましくは約0.05重量%(500ppm)〜約0.005重量%(50ppm)である。
本発明の最も好適な濃縮態様において有用な界面活性剤又は界面活性剤混合物の濃度は酵素含有組成物の総製剤重量%の約5重量%〜約75重量%に範囲する。
【0046】
ここで有用な界面活性剤のクラス及び種類の典型的なリストは引用することで本明細書に組入れる1972年5月23日発行のNorrisの米国特許第3,664,961号にある。Schick, M.J により編集されたNonionic Surfactants, Surfactant Science Series, Marcel Dekker, Inc., New York, 1983のVol.1は本発明の実施において一般に採用される多種多様な非イオン性化合物の優れた文献である。本発明において有用な非イオン性界面活性剤は一般に有機疎水基及び有機親水基の存在を特徴とし、そして一般に脂肪族、アルキル芳香族又はポリオキシアルキレン疎水性化合物と、親水性アルカリ酸化物成分、一般にはエチレンオキシド又はその多水和生成物、ポリエチレングリコールとの縮合により生成される。反応性水素原子をもったヒドロキシル、カルボキシル、アミノ又はアミド基を有する実用的な任意の疎水性化合物をエチレンオキシド、又はその多水和付加物、又はそれとアルコキシレン、例えばプロピレンオキシドとの混合物と縮合させ、非イオン性界面活性剤を生成することができる。任意の特定の疎水性化合物と縮合される親水性ポリオキシアルキレン成分の長さは、親水性及び疎水性特性の所望のバランス度を有する水分散性又は水溶性化合物を生成するために容易に調整できる。本発明において有用な非イオン性界面活性剤には、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、及び開始反応性水素化合物としてのエチレンジアミンを基礎とするブロックポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン重合化合物が挙げられる。1モルのアルキルフェノール(ここで直鎖もしくは枝分れ鎖形態又は単独もしくは二重アルキル構成成分のアルキル鎖は約8〜約18個の炭素原子を含む)と約3〜約50モルのエチレンオキシドとの縮合生成物。アルキル基は例えばジイソブチレン、ジアミル、重合プロピレン、イソオクチル、ノニル及びジノニルであってよい。この化学式の商業的化合物の例はRhone-Poulenc により製造された商標名Igepal(登録商標)及びUnion Carbideにより製造されたTriton(登録商標)で市販されている。
【0047】
約6〜約24個の炭素原子を有する飽和又は不飽和の直鎖又は枝分れ鎖アルコールと、約3〜約50モルのエチレンオキシドとの縮合生成物。このアルコール成分は上記の炭素数の範囲内のアルコールの混合から成ってよく、又はこの範囲内の特定の炭素原子数を有するアルコールから成ってよい。同様の市販の界面活性剤の例は、Shell Chemical Co.より製造された商標名Neodol(登録商標)及びVista Chemical Co. より製造されたAlfonic(登録商標)として入手できる。低発泡性アルコキシル化非イオン性界面活性剤が好ましいが、その他の高度に発泡性のアルコキシル化非イオン性界面活性剤も、洗浄組成物全体における混合物の発泡プロフィールをコントロールするために低発泡界面活性剤と併用するなら、本発明の範囲を逸脱することなく使用できる。かかる非イオン性低発泡性界面活性剤には以下のものが挙げられる:
【0048】
非イオン性界面活性剤であって(多価成分の)末端ヒドロキシ基が発泡を抑制するために、小疎水性分子、例えばプロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ベンジルクロリド;及び1〜約5個の炭素原子を含む短鎖脂肪酸、アルコール又はアルキルハライド;及びそれらの混合物(更には、末端ヒドロキシ基をクロリド基へと変換する塩化チオニルの如き反応体も含まれる)との反応により「キャッピング」又は「エンドブロッキング」されていることによって修飾されているもの。末端ヒドロキシ基に対するかかる修飾は全ブロック、ブロック−ヘテリック、ヘテリック−ブロック、又は全ヘテリック非イオン性界面活性剤を供しうる。
【0049】
引用することで本明細書に組入れる1962年8月7日発行のMartinらの米国特許第3,048,548号のポリアルキレングリコール縮合物。これは交互の親水性オキシエチレン鎖と疎水性のオキシプロピレン鎖とを有し、末端疎水鎖の重量、中央疎水単位の重量及び連結親水単位の重量はそれぞれ縮合物の約1/3を占める。
【0050】
引用することで本明細書に組入れる1968年5月7日発行のLissantらの米国特許第3,382,178号に開示の脱発泡非イオン性界面活性剤。これは一般式Z〔(OR)n OH〕z を有し、ここでZは可アルコキシ化性物質であり、Rはエチレン及びプロピレンであってよいアルカリ性オキシドに由来する基であり、そしてnは例えば10〜2,000又はそれより大きい整数であり、そしてzは反応性可オキシアルキル化基の数により決定される。
【0051】
引用することで本明細書を組入れる1954年5月4日発行のJacksonらの米国特許第2,677,700号に記載の接合ポリオキシアルキレン化合物。これは式Y(C36 O)n (C24 O)m Hに相当し、ここでYは1〜6個の炭素原子及び1個の反応性水素原子を有する有機基の残基であり、nはヒドロキシル数により決定される少なくとも約6.4の平均値であり、そしてmはオキシエチレン部がこの分子の約10〜90重量%を占めるような値である。
【0052】
引用することで本明細書に組入れる1954年4月6日発行のLundstedらの米国特許第2,674,619号に記載の接合ポリオキシアルキレン化合物。これは式Y〔(C36 O)n (C24 O)m H〕x を有し、ここでYは約2〜6個の炭素原子を有し、且つx個の反応性水素原子を含む(ここでxは少なくとも約2の値をもつ)有機化合物の残基であり、nはポリオキシプロピレン疎水性ベースの分子量が少なくとも約900となる値を有し、そしてmはこの分子のオキシエチレン含有量が約10〜90重量%となる値を有する。Yについての定義の範囲に属する化合物には、例えばプロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、エチレンジアミン等が挙げられる。オキシプロピレン鎖は任意的に、しかし有利には少量のエチレンオキシドを含み、そしてオキシエチレン鎖も任意的に、しかし有利には少量のプロピレンオキシドを含む。
【0053】
本発明の組成物において好適に利用される更なる接合ポリオキシアルキレン界面活性剤は式P〔(C36 O)n (C24 O)m H〕x に相当する。ここでPは約8〜18個の炭素原子を有し、且つx個の反応性水素原子を含む(ここでxは1又は2の値である)有機化合物の残基であり、nはポリオキシエチレン部の分子量が少なくとも約44となる値を有し、そしてmはこの分子のオキシプロピレン含有量が約10〜90重量%となる値を有する。いずれの場合も、オキシプロピレン鎖は任意的に、しかし有利には少量のエチレンオキシドを含み、そしてオキシエチレン鎖も任意的に、しかし有利には少量のプロピレンオキシドを含む。その他の非イオン性界面活性剤は、修飾ジアルキルを含んで成る本発明のシリコン界面活性剤、好ましくはジメチルポリシロキサンを含む。ポリシロキサン疎水基は1又は複数個の懸垂親水性ポリアルキレンオキシド基で修飾されている。かかる界面活性剤は弱い表面張力、高度な湿潤性、泡抑制及び優れたしみ除去能を供する。
【0054】
我々は洗浄組成物中の別の非イオン性界面活性剤と一緒での本発明のシリコーン非イオン性界面活性剤は、この洗剤を水性スプレーで分散させることにより水性溶液の表面張力を約35〜15dyne/cm、好ましくは30〜15dyne/cmへと下げることができることを見い出した。本発明のシリコーン界面活性剤はポリジアルキルシロキサン、好ましくはポリジメチルシロキサンであり、それに対してポリエーテル、典型的にはポリエチレンオキシド基がハイドロシレーション反応を介してグラフトされている。このプロセスはアルキル懸垂(AP型)コポリマーを供し、それにおいてはポリアルキレンオキシド基が一連の対加水分解安定Si−C結合を介してシロキサン骨格伝いに結合している。
【0055】
このような非イオン置換化ポリジアルキルシロキサン生成物は下記の一般式を有する:
【化1】

(式中、PEは非イオン性基、好ましくは−CH2 −(CH2p −O−(EO)m (PO)n −Zを表わし、EOはエチレンオキシドを表わし、POはプロピレンオキシドを表わし、xは約0〜約100の範囲の数であり、yは約1〜100の数であり、m,n及びpは0から約50の範囲の数であり、m+n≧1であり、そしてZは水素又はRを表わし、各Rは独立して低級(C1-6 )直鎖又は枝分れアルキルを表わす)。
【0056】
非イオン性シリコーン界面活性剤の第二のクラスはアルコキシ末端ブロック型(AEB型)であり、それはSi−O−結合が中性又は若干アルカリ性の条件下で加水分解に対する制約された耐性を供するが、酸性環境ではすばやく分解するためあまり好ましくない。その他の有用な界面活性剤は商標名SILWET(登録商標)又はABIL(登録商標)Bで販売されている。一の好適な界面活性剤SILWET(登録商標)L77は次式を有する:
【化2】

(式中、R1 =−CH2 CH2 CH2 −O−〔CH2 CH2 O〕z CH3 ;ここでzは4〜16、好ましくは4〜12、最も好ましくは7〜9である)。本発明の界面活性剤又は界面活性剤混合物は水溶性又は水分散性の非イオン性、半極性非イオン性、陰イオン性、陽イオン性、両性又は双イオン性界面活性剤;又は任意のそれらの組合せから選ばれる。
【0057】
界面活性物質は分子のハイドロトロープ部上の電荷が正なら陽イオンに分類される。pHを中性付近又はそれより低く下げない限りハイドロトロープが電荷を担持しない界面活性剤もこのグループに含まれる(例えばアルキルアミン)。理論的には、陽イオン界面活性剤は「オニウム」構造Rn+- を含む要素の任意の組合せから合成でき、そして窒素以外の化合物(アンモニウム)、例えばリン(ホスホニウム)及び硫黄(スルホニウム)を含みうる。実際、陽イオン性界面活性剤の分野は窒素含有化合物が優勢であり、その理由はおそらく窒素性陽イオンの合成ルートが単純で簡単であり、そして高収率で生成物を供し、例えば安価であることにある。
【0058】
陽イオン性界面活性剤とは少なくとも一本の長い炭素鎖疎水基と少なくとも1個の正に帯電した窒素を含む化合物をいう。その長い炭素鎖基は単純な置換により窒素原子に直接結合していてよい。又はより好ましくは、架橋官能基、いわゆる中断アルキルアミン及びアミドアミンを介して間接的に結合していてよく、それは分子を一層親水性にし、それ故一層水分散性にし、助界面活性剤混合物により水に溶解され易くし、又は水溶性にする。水溶性の向上のためには、追加の第一、第二又は第三アミノ基を導入してよく、又はアミノ窒素を低分子量アルキル基で四級化してよい。また、窒素は様々な不飽和度の、又は飽和もしくは不飽和複素環の枝分れ又は直鎖成分の構成員であってよい。更に、陽イオン性界面活性剤は1個超の陽イオン窒素原子を有する複雑な結合を含みうる。
【0059】
アミンオキシド、両性及び双イオン性に分類される界面活性化合物はそれ自体中性付近から酸性pHの溶液であり、そして重複した界面活性剤の分類である。ポリオキシエチル化陽イオン性界面活性剤はアルカリ溶液中で非イオン性界面活性剤のように挙動し、そして酸性溶液中では陽イオン性界面活性剤のように挙動する。最も単純なのは陽イオンアミン、アミン塩及び第四級アンモニウム化合物である。
【0060】
様々な商業的陽イオン性界面活性剤のほとんどは4つの主要クラスと、更なるサブグループ、例えばアルキルアミン(及び塩)、アルキルイミダゾリン、エトキシル化アミン及び第四級物、例えばアルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンゼン塩、複素環アンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩、へと分類されうる。
【0061】
本発明において利用される際、陽イオン界面活性剤は特定の効果、例えば中性又はそれより低いpHの組成物での洗浄能、抗微生物効能、その他の化合物と協力しての増粘又はゲル化、等のために組込まれる特別な界面活性剤である。
【0062】
両性界面活性剤は脂肪族第二及び第三アミンの誘導体として広く記述され、それにおいては脂肪族基は直鎖又は枝分れであってよく、そして脂肪族置換基の一つは約8〜18個の炭素原子を含み、そして一つは陰イオン性水可溶性基、例えばカルボキシ、スルホ、スルファト、ホスファト又はホスホノ基を含む。両性界面活性剤は2つの主要クラスに分類される(“Surfactant Encyclopedia”Cosmetics & Toiletries, Vol. 104 (2) 69-71 (1989)から抜粋)。それに含まれるのは、アシル/ジアルキルエチレンジアミン誘導体(2−アルキルヒドロキシエチルイミダゾリン誘導体)(及び塩)、N−アルキルアミノ酸(及び塩)、2−アルキルヒドロキシエチルイミダゾリン、等である。商業的な両性界面活性剤はイミダゾリン環のその後の加水分解及びアルキル化、例えばクロロ酢酸又は酢酸エチルによる開環により誘導化されている。アルキル化の間、1又は2個のカルボキシ−アルキル基は反応して第三アミン及びエーテル結合を形成し、ここで異なるアルキル化剤は異なる第三アミンを生み出す。
【0063】
商業的に主だったイミダゾリン誘導両性界面活性剤には、例えば:
ココ両性プロピオネート、ココ両性カルボキシ−プロピオネート、ココ両性グリシネート、ココ両性カルボキシ−グリシネート、ココ両性プロピル−スルホネート及びココ両性カルボキシ−プロピオン酸が挙げられる。上記のカルボキシメチル化化合物(グリシネート)は往々にしてベータインと称されている。ベータインは双性界面活性剤の章で上記した両性界面活性剤の特殊なクラスである。長鎖N−アルキルアミノ酸はRNH2 (R=C8 −C18)脂肪アミンとハロゲン化カルボン酸との反応により容易に調製される。アミノ酸の第一アミノ基のアルキル化は第二及び第三アミンにつながる。アルキル置換は1個超の反応性窒素中枢を供する追加のアミノ基を有しうる。ほとんどの商業的N−アルキルアミン酸はベーターアラニン又はベーターN(2−カルボキシエチル)アミンのアルキル誘導体である。
【0064】
本発明における用途を有する商業的N−アルキルアミノ酸両性電解質の例にはアルキルベーターアミノジプロピオネート、RN(C24 COOM)2 及びRNHC24 COOMが挙げられる。Rは約8〜18個の炭素原子を含む脂環式疎水基であり、そしてMは陰イオンの電荷を中和する陽イオンである。
【0065】
以下の表は現状開発された処方を掲載する。
【0066】
【表1】

【0067】
使用溶液は一般に約100ppm 〜約20,000ppm の活性濃度となるように水で希釈することにより調製する。
【0068】
【表2】

【0069】
【表3】

【0070】
【表4】

【0071】
【表5】

【0072】
目的:
分析の目的はStaphylococcus aureus ATCC 6538, Escherichia coli ATCC 11229及び酵母の1:1の混合接種物に対する例19及び20の消毒効果の決定にある。
【0073】
試験方法:
消毒剤の殺菌及び洗浄消毒作用−方法AOAC 960.09 - Chap. 6, p.9, sec. 6.303
【0074】
【表6】

【0075】
試験系:Staphylococcus aureus ATCC 6538
Escherichia coli ATCC 11229
Candida albicans ATCC 18804 と
Saccharomyces cervisciae ATCC 834
との1:1の酵母混合物
試験温度: 25℃
曝露時間: 30分及び60分
中和剤: チャンバー溶液
播種希釈率: 10-1,10-3,10-5
サブカルチャー培地: Tryptone Glucose Extract Agar(細菌培養用)
Sabouraud Dextrose Agar(酵母培養用)
インキュベーション: 37℃、48時間(細菌培養用)
26℃、72時間(酵母培養用)
【0076】
【表7】

【0077】
【表8】

【0078】
結論:
中和コントロール試験を双方の試験物質(例19及び20)について実施した。中和剤のチャンバー溶液はこれらの生成物のために効果的な中和剤であることが見い出され、そして採用した試験系に対して有害であることは認められなかった。
例19は25℃にて30分の曝露時間でEscherichia coli ATCC 11229 に対して<98.113%の削減、そしてStaphylococcus aureus ATCC 6538 に対して<92.850%の削減を達成せしめた。例19は25℃にて60分の曝露時間でEscherichia coli ATCC 11229 に対して99.996%の削減、Staphylococcus aureus ATCC 6538 に対して76.429%の削減を達成せしめたが、混合酵母接種に対しては30分でも60分の曝露時間でも削減を全く図ることができなかった。例20は25℃にて30分の曝露時間でEscherichia coli ATCC 11229 に対して>99.999%の削減、Staphylococcus aureus ATCC 6538 に対して>99.999%の削減を達成せしめた。例20は25℃にて30分の曝露時間では混合酵母接種に対して%削減を示さなかった。例20は25℃にて60分の曝露でEscherichia coli ATCC 11229, Staphylococcus aureus ATCC 6538及び混合酵母接種に対して>99.999%の削減を達成せしめた。
【0079】
目的:
この分析の目的はStaphylococcus aureus ATCC 6538及びEscherichia coli ATCC 11229に対する例16及び17の食品接触面消毒効果の決定にある。
【0080】
試験方法:
消毒剤の殺菌及び洗浄消毒作用−方法AOAC 960.09 - Chap. 6, p.9, sec. 6.303
【0081】
【表9】

【0082】
試験系:Staphylococcus aureus ATCC 6538
Escherichia coli ATCC 11229
試験温度: 室温
曝露時間: 15及び30分
中和剤: チャンバー
サブカルチャー培地: Tryptone Glucose Extract Agar
インキュベーション: 37℃、48時間
【0083】
【表10】

【0084】
【表11】

【0085】
中和試験を実施した。試験物質は効果的に中和し、そしてチャンバーは細胞に対して有害でないことが認められた。
【0086】
結論:
例16は、15分目での0.50%を除き、全時点でStaphylococcus aureus ATCC 6538 に対して>99.999%の削減を達成せしめた。しかしながら、このサンプル由来の1枚のプレートは101 の範囲、そしてもう1枚は103 の範囲のカウント値を示した。この結果は確認された。例16は全濃度及び全時点でEscherichia coli ATCC 11229 に対して有効であった。
【0087】
例17は1%の濃度での30分の曝露時間のみにおいてStaphylococcus aureus ATCC 6538 に対して>99.999%の削減を達成せしめた。これは全濃度及び全時点でEscherichia coli ATCC 11229 に対して有効であった。
【0088】
洗浄特性決定方法
2.0%の溶液、30分、濃度、開始5℃、終了10−12℃、500rpm w/11/2スターバー
【0089】
処方例#1〜#14:発酵リングの制限された除去をもって一部の汚染を除去した。
処方例#15,#16及び#18:発酵リング汚染の95〜99%を除去した。若干の酵母斑が残った。性能は商品Trimeta HC(ホスホネート、リン酸及び非イオン性界面活性剤ブレンド)と同等以上であった。この商品で十分な洗浄ができたが、抗微生物活性はほとんどなかった。処方例#17:発酵リングの80%を除去した。酵母斑が残った。処方例#19:#1〜#14より優れたが、発酵リングの70%+を除去した。
【0090】
クリーナーの発泡プロフィール
比較組成物及び本発明の組成物の発泡特性を試験した。シリンダー発泡試験を利用した。100mlの試験溶液(下記の表の濃度)を試験した。この手順では、周囲温度(室温)にて脱イオン水中で10回の反転を行った。試験装置は250mlのメスシリンダーとした。製剤、特に例16〜20は優れた低発泡特性を示した。
【0091】
【表12】

【0092】
【表13】

【0093】
【表14】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
低発泡性酸クリーナー組成物であって、
(a)約1〜80重量%のリン酸;
(b)約0.1〜40重量%の有機系カルボン酸;
(c)炭化水素エーテル又は炭化水素アルコールを含んで成る溶媒約0.1〜40重量%;
(d)約0.1〜40重量%の封鎖剤;及び
(e)次式を含んで成るエーテルアミン約0.1〜40重量%
〔R1 −O−R2n −N〔R〕3-n
(式中、Rは独立して−H,−R1 又は−R2 −NH2 であり、R1 はC1-24アルキル基であり、R2 はC1-6 アルキレン基であり、そしてnは1又は2の数である);
を含んで成り、ここで当該組成物は5未満のpHを有し、そして硬質表面から炭水化物又はタンパク質性汚染を除去できる、組成物。
【請求項2】
前記有機酸が乳酸、グルコン酸、クエン酸、ヒドロキシ酢酸又はそれらの混合物を含んで成る、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記溶媒がC1-6 低級アルキルセロソルブ又はC1-6 低級アルキルカルビトールを含んで成る、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
前記溶媒がアルキレングリコールモノ−C1-6 アルキルエーテルを含んで成る、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
前記エーテルアミンが次式の化合物
1 −O−R2 −NH2
(式中、R1 はC1-24アルキル基であり、R2 はC1-6 アルキレン基である)
を含んで成る、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
前記溶媒がC2-5 低級アルカノール及びC1-6 アルキルセルソルブの混合物を含んで成る、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
前記ホスホネートがアミノ−(トリメチレンホスホン酸)又はその塩を含んで成る、請求項1記載の組成物。
【請求項8】
前記エーテルアミンが次式の化合物
3 −O−R4 −NH2
(式中、R3 は8〜24個の炭素原子を有する脂肪アルキル基を含んで成り、R4 はC2-6 アルキレン基を含んで成る)を含んで成る、請求項1記載の組成物。
【請求項9】
前記エーテルアミンがC4-12アルキルオキシプロピルアミンである、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
前記エーテルアミンがイソデシルオキシプロピルアミンである、請求項8記載の組成物。
【請求項11】
飲料品製造用ユニットを洗浄するための現場洗浄方法であって、当該方法は炭水化物及びタンパク質性汚染を除去することができ、下記の工程:
(a)飲料品製造用ユニットにおける容器及び導管を
(i)約1〜40重量%のリン酸;
(ii)約0.01〜10重量%の有機系カルボン酸;
(iii)炭化水素エーテル又は炭化水素アルコールを含んで成る溶媒約0.01〜10重量%;
(iv)約0.01〜10重量%のホスホネート封鎖剤;及び
(v)次式を含んで成るエーテルアミン剤約0.01〜10重量%
〔R1 −O−R2n −N〔R〕3-n
(式中、Rは独立して−H,−R1 又は−R2 −NH2 であり、R1 はC1-24アルキル基であり、R2 はC1-6 アルキレン基であり、そしてnは1又は2の数である)
を含んで成る組成物と接触させ、ここで当該組成物は5未満のpHを有しており、そして製造用ユニットと炭水化物又はタンパク質性汚染を除去するのに十分な時間接触させておき;そして
(b)飲料品の製造の再開のために当該製造用ユニットから当該組成物を除去する;
を含んで成る方法。
【請求項12】
前記洗浄用組成物が界面活性剤を含まず、また前記有機酸が乳酸、グルコン酸、クエン酸、ヒドロキシ酢酸又はそれらの混合物を含んで成る、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記溶媒がC1-6 低級アルカノールを含んで成る、請求項11記載の組成物。
【請求項14】
前記溶媒がエチレングリコールモノ−C1-6 アルキルエーテルを含んで成る、請求項11記載の組成物。
【請求項15】
前記溶媒が次式の化合物
1 −〔O−R2n −OH
(式中、R1 はC1-24アルキル基であり、R2 はC1-6 アルキレン基であり、そしてnは1〜3の数である)
を含んで成る、請求項11記載の方法。
【請求項16】
前記溶媒がC2-5 低級アルカノール及びC1-6 アルキルセルソルブの混合物を含んで成る、請求項11記載の方法。
【請求項17】
前記ホスホネートがアミノ−(トリメチレンホスホン酸)又はその塩を含んで成る、請求項11記載の方法。
【請求項18】
前記エーテルアミンが次式の化合物
3 −O−R4 −NH2
(式中、R3 は8〜24個の炭素原子を有する脂肪アルキル基を含んで成り、R4 はC2-6 アルキレン基を含んで成る)を含んで成る、請求項11記載の方法。
【請求項19】
前記エーテルアミンがC4-12線形又は枝分れアルキルオキシプロピルアミンである、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記エーテルアミンがイソデシルオキシプロピルアミンである、請求項18記載の方法。
【請求項21】
低発泡性酸クリーナー組成物であって、
(a)約1〜80重量%のリン酸;
(b)約0.1〜40重量%の有機系カルボン酸;
(c)炭化水素エーテル又は炭化水素アルコールを含んで成る溶媒約0.1〜40重量%;
(d)約0.1〜40重量%の封鎖剤;及び
(e)次式を含んで成る第四級アミン剤約0.1〜40重量%
〔NR1234+-
(式中、Xはハロゲン又はスルフェートであり、そしてR1 ,R2 ,R3 及びR4 のうちの1又は2個は独立して有機系C6-22アルキル、アルキルフェニル又はアルキルベンジルであり、そして残りは全てC1 〜C4 アルキルである)
を含んで成り、ここで当該組成物は5未満のpHを有し、そして硬質表面から炭水化物又はタンパク質性汚染を除去できる、組成物。
【請求項22】
前記有機酸が乳酸、グルコン酸、クエン酸、ヒドロキシ酢酸又はそれらの混合物を含んで成る、請求項21記載の組成物。
【請求項23】
前記溶媒がC1-6 低級アルカノール又はC1-6 低級アルキルセルソルブを含んで成る、請求項21記載の組成物。
【請求項24】
前記溶媒がC1-6 低級アルカノールを含んで成る、請求項21記載の組成物。
【請求項25】
前記溶媒がエチレングリコールモノ−C1-6 アルキルエーテルを含んで成る、請求項21記載の組成物。
【請求項26】
前記溶媒が次式の化合物
1 −〔O−R2n −NH2
(式中、R1 はC1-24アルキル基であり、R2 はC1-6 アルキレン基であり、そしてnは1〜3の数である)
を含んで成る、請求項21記載の組成物。
【請求項27】
前記ホスホネートがアミノ−(トリメチレンホスホン酸)又はその塩を含んで成る、請求項21記載の組成物。
【請求項28】
飲料品製造用ユニットを洗浄するための現場洗浄方法であって、当該方法は炭水化物及びタンパク質性汚染を除去することができ、下記の工程:
(a)飲料品製造用ユニットにおける容器及び導管を
(i)約1〜40重量%のリン酸;
(ii)約0.01〜10重量%の有機系カルボン酸;
(iii)炭化水素エーテル又は炭化水素アルコールを含んで成る溶媒約0.01〜10重量%;
(iv)約0.01〜10重量%のホスホネート封鎖剤;及び
(v)次式を含んで成る第四級アミン剤約0.01〜10重量%
〔NR1234+-
(式中、X- はハロゲン又はスルフェートであり、そしてR1 ,R2 ,R3 又はR4 のうちの1又は2個は独立してC6-22アルキル、アルキルフェニル、アルキルベンジルであり、そして残りは全てC1-4 アルキルである)
を含んで成る組成物と接触させ、ここで当該組成物は5未満のpHを有しており、そして製造用ユニットと炭水化物又はタンパク質性汚染を除去するのに十分な時間接触させておき;そして
(b)飲料品の製造の再開のために当該製造用ユニットから当該組成物を除去する;
を含んで成る方法。
【請求項29】
前記洗浄用組成物が界面活性組成物を含まず、また前記有機酸が乳酸、グルコン酸、クエン酸、ヒドロキシ酢酸又はそれらの混合物を含んで成る、請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記溶媒がC1-6 低級アルカノール及びC1-6 アルキルセロソルブの混合物を含んで成る、請求項28記載の組成物。
【請求項31】
前記溶媒がC1-6 低級アルカノールを含んで成る、請求項28記載の組成物。
【請求項32】
前記溶媒がエチレングリコールモノ−C1-6 アルキルエーテルを含んで成る、請求項28記載の組成物。
【請求項33】
前記ホスホネートがアミノ−(トリメチレンホスホン酸)又はその塩を含んで成る、請求項28記載の方法。
【請求項34】
低発泡性酸クリーナ−組成物であって:
(a)約1〜80重量%の食品級酸;
(b)炭化水素エーテル又は炭化水素アルコールを含んで成る溶媒約0.1〜40重量%;
(c)次式を含んで成るエーテルアミン剤約0.1〜40重量%
〔R1 −O−R2n −N〔R〕3-n
(式中、Rは独立して−H,−R1 又は−R2 −NH2 であり、R1 はC1-24アルキル基であり、R2 はC1-6 アルキレン基であり、そしてnは1又は2の数である)
を含んで成り、ここで当該組成物は6未満のpHを有し、そして硬質表面から炭水化物又はタンパク質性汚染を除去できる、組成物。
【請求項35】
5未満のpHを有する、請求項34記載の組成物。
【請求項36】
有機酸を更に含んで成る、請求項34記載の組成物。
【請求項37】
前記有機酸が乳酸、グルコン酸、クエン酸、ヒドロキシ酢酸又はそれらの混合物を含んで成る、請求項34記載の組成物。
【請求項38】
前記食品級酸がホスホン酸である、請求項34記載の組成物。
【請求項39】
前記溶媒がC1-6 低級アルカノールを含んで成る、請求項34記載の組成物。
【請求項40】
前記溶媒がエチレングリコールモノ−C1-6 アルキルエーテルを含んで成る、請求項34記載の組成物。
【請求項41】
前記エーテルアミンが次式の化合物
1 −O−R2 −NH2
(式中、R1 はC1-24アルキル基であり、R2 はC1-6 アルキレン基である)を含んで成る、請求項34記載の組成物。
【請求項42】
前記溶媒がC2-5 低級アルカノール及びC1-6 アルキルセルソルブを含んで成る、請求項34記載の組成物。
【請求項43】
前記ホスホネートがアミノ−(トリメチレンホスホン酸)又はその塩を含んで成る、請求項34記載の組成物。
【請求項44】
前記エーテルアミンが次式の化合物
3 −O−R4 −NH2
(式中、R3 は8〜24個の炭素原子を有する脂肪アルキル基を含んで成り、R4 はC2-6 アルキレン基を含んで成る)を含んで成る、請求項34記載の組成物。
【請求項45】
前記エーテルアミンがC4-12アルキルオキシプロピルアミンである、請求項44記載の組成物。
【請求項46】
前記エーテルアミンがイソデシルオキシプロピルアミンである、請求項44記載の組成物。
【請求項47】
0.1〜40重量%の封鎖剤を更に含んで成る、請求項43記載の組成物。
【請求項48】
前記封鎖剤がアミノ−(トリメチレンホスホン酸)又はその塩を含んで成る、請求項43記載の組成物。

【公開番号】特開2010−280917(P2010−280917A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−211264(P2010−211264)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【分割の表示】特願2000−606712(P2000−606712)の分割
【原出願日】平成12年3月9日(2000.3.9)
【出願人】(500320453)イーコラブ インコーポレイティド (120)
【Fターム(参考)】