説明

有機紫外線吸収剤複合板状粉体および有機紫外線吸収剤複合板状粉体を配合した化粧料

【課題】 高い透明性を有しながら、優れた安定性で紫外線吸収剤を配合した板状粉体およびこれを含む化粧料を得ること。
【解決手段】 (メタ)アクリル系重合体中に、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンおよびジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルから選ばれる有機紫外線吸収剤の一種又は二種以上を包含してなる有機紫外線吸収剤複合板状粉体およびその製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機紫外線吸収剤複合板状粉体に関し、更に詳細には、特定の有機紫外線吸収剤をアクリル系高分子中に包含した有機紫外線吸収剤複合板状粉体および有機紫外線吸収剤複合板状粉体を配合した化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、化粧料中に紫外線吸収剤を配合することは周知であり、紫外線吸収剤を粉体に複合化する技術についても、例えば、紫外線吸収剤を含有する平均粒径1μ以下の樹脂粉体を含有した日焼け防止化粧料(特許文献1)や、紫外線吸収剤を含有する有機粉体を配合した化粧料(特許文献2)が知られている。
【0003】
しかしながらこれらの技術は、主に球状の有機粉体が用いられ、平均粒子径1μm以下の樹脂粉体では凝集性が高まったり、また平均粒子径10μm以上の樹脂粉体では紫外線遮断能が低下するという問題は避けがたかった。
【0004】
一方で、平滑度の高い化粧料粉体も求められており、例えば、雲母、セリサイト等の無機の板状粉体が広く使用されているが、近年では、有機の板状粉体も報告されている。この有機の板状粉体の例としては、水面展開法による高分子薄膜を粉砕して得た板状粉体が報告されており(特許文献3、4)、このうち特許文献3では、当該板状粉体中にいくつかの成分を配合しうる旨記載されており、この中には紫外線吸収剤も例示されている。しかしながら、この文献の記載は、あくまでも抽象的な示唆にとどまり、具体的な紫外線吸収剤の記載はないものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平05−238924号公報
【特許文献2】特開平11−012148号公報
【特許文献3】特開2002−308996号公報
【特許文献4】特開2004−002274号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って本発明は、高い透明性を有しながら、優れた安定性で紫外線吸収剤を配合した、紫外線遮断能の高い板状粉体を得ることをその課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行っていたところ、化粧料で使用するような油剤には溶解しづらい、いわゆる難溶性のUV−A吸収剤は、(メタ)アクリル系高分子ときわめて相溶性が良く、これを配合して調製した板状粉体は優れたUV遮断能を有することを見いだし、本発明を完成した。
【0008】
すなわち本発明は、(メタ)アクリル系重合体中に、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンおよびジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルから選ばれる有機紫外線吸収剤の一種又は二種以上を包含してなる有機紫外線吸収剤複合板状粉体である。
【0009】
また本発明は、(メタ)アクリル系重合体と、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンおよびジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルから選ばれる有機紫外線吸収剤の一種又は二種以上とを溶剤に溶解して重合体溶液を調製し、次いで前記溶剤と混和しない常温で液体である液層の液面上にこの重合体溶液を展開させ、更に、脱溶剤して前記液層の上に薄膜を形成させた後、この薄膜を乾燥して粉砕することを特徴とする有機紫外線吸収剤複合板状粉体の製造方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明で得られる有機紫外線吸収剤複合板状粉体(以下、「複合板状粉体」という)は、(メタ)アクリル系重合体中に、紫外線吸収剤を安定に組み込んだものであるため、他の配合成分の作用により紫外線吸収剤が溶出するようなことはなく、安定に存在するものである。またその形状も板状であるので、化粧料としての使用感が良いばかりでなく、効率的に紫外線を吸収、遮断することができるものである。
【0011】
従って、本発明の複合板状粉体は、油性あるいは乳化型等の日焼け防止化粧料や、
ファンデーション、下地化粧料、コンシーラー、粉末型の白粉、ファンデーション等の配合成分としてきわめて有利に利用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1の混合溶液から作成された厚膜の表面の走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】実施例2の混合溶液から作成された厚膜の表面の走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】実施例3の混合溶液から作成された厚膜の表面の走査型電子顕微鏡写真である。
【図4】比較例1の混合溶液から作成された厚膜の表面の走査型電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の複合板状粉体は、(メタ)アクリル系重合体中に、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンおよびジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルから選ばれる有機紫外線吸収剤の一種又は二種以上を包含してなるものである。
【0014】
本発明の複合板状粉体において利用される(メタ)アクリル系重合体としては、一般的な(メタ)アクリル系モノマーを重合させて得たものを利用することができる。
【0015】
この(メタ)アクリル系モノマーの好ましい例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸オクチル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のメタクリル酸エステル類、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸等を挙げることができる。また、この(メタ)アクリル系モノマーは、PEG側鎖やシリコーン側鎖を有していても良い。
【0016】
また、本発明の複合板状粉体に配合される有機紫外線吸収剤は、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンまたはジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(以下、「本発明UV吸収剤」と総称することがある)である。
【0017】
有機紫外線吸収剤は、これ以外にも数多く存在するが、本発明UV吸収剤以外ではあまりよい結果は得られない。すなわち、本発明UV吸収剤は、(メタ)アクリル系重合体と相溶性が良く、構造的に緊密に組み込まれ、これに包含されるため、高分子中からにじみ出し(ブリード)などは生じないが、例えばもっとも汎用されているヒドロキシメトキシベンゾフェノンを(メタ)アクリル系高分子と組み合わせても、緊密に組み込まれないために高分子中からのブリードが生じ、高い安定性や、良い使用感を得ることはできない。
【0018】
具体的な複合粉体中での有機紫外線吸収剤の含有量は、使用する吸収剤によって異なるが、例えば、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタンの場合、1〜15質量%(以下、単に「%」)で示す)であり、好ましくは、1〜10%である。また、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンの場合、1〜25%、好ましくは、1〜22%であり、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルの場合、1〜10%、好ましくは、1〜5%である。
【0019】
本発明の複合板状粉体は、(メタ)アクリル系重合体中に、本発明UV吸収剤を溶解させて混合溶液を調製し、これを常温で液体である液層の液面上に膜状に展開させて重合体溶液の薄膜を形成し、この薄膜を脱溶剤して高分子薄膜とした後、粉砕することにより得られる。
【0020】
この複合板状粉体の調製は、特許文献3や特許文献4の記載を元に、下記実施例に従って実施することができる。すなわち、上記混合溶液を適当な溶剤に溶解させて重合体溶液とし、これを液体表面上に展開後、脱溶剤し、高分子の薄膜を形成させた後、この薄膜を採取、濾過、乾燥し、最後にこれを粉砕すればよい。
【0021】
この(メタ)アクリル系重合体と本発明UV吸収剤の混合溶液を溶解する溶剤としては、(イ)常温(20℃ )で液体であり、(ロ)高分子の良溶媒であり、(ハ)重合体溶液を展開させる液体の液面に浮上させるために重合体溶液の比重を小さくできること、即ち高分子の比重を考慮しても液体より小さい比重を有し、(二)重合体溶液を液体の液面上に浮上展開させるため、液体との相溶性がほとんどないか極めて小さく、且つ(ホ)易揮発性という性質を有することが好ましい。
【0022】
また、溶剤として上記条件の他、水(20℃)に対する溶解度が50以下、好ましくは2〜30で、常圧で180℃ 以下、好ましくは50℃以上、120℃以下の沸点を有するという条件を満たすものを用いると、薄膜の製造が容易となるので好ましい。なお、本明細書で「水に対する溶解度」とは、水100g中に溶解する溶剤のグラム数をいう。
【0023】
このような条件を満足する溶剤としては、各種の有機溶剤が挙げられるが、その例としては、2〜8の炭素数を有する有機溶剤、好ましくは2〜8の炭素数を有するケトン類又はエステル類の溶剤が挙げられる。このうち、ケトン類の例としては、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等が挙げられる。また、エステル類の例としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。また、有機溶剤として、前記のケトン類及び/又はエステル類の2種類以上を混合して、水との相溶性を調整した混合溶剤を用いることもできる。
【0024】
一方、アセトン、ジアセトン、アルコールは、メタクリル樹脂等の良溶媒であるが、重合体溶液を展開させるための溶媒として水を使用した場合、水への溶解度が無限大であり、重合体溶液中の溶媒が水に急速に溶け込むため、本発明の化粧料の成分である複合板状粉体を製造するための重合体溶液の薄膜形成は困難となるので、その使用は好ましくない。
【0025】
この重合体溶液は、約5〜50パスカルセコンド(Pa・S)(約50〜500センチポイズ)の溶液粘度(20℃)を有することが好ましい。また、重合体溶液の調製方法は、常法を用いて溶剤に混合溶液を溶解させればよい。
【0026】
上記のように調製された重合体溶液は、次に、液面上に展開させ、溶剤を揮散させることにより、高分子の薄膜を形成する。重合体溶液を液面上に展開する液体は、常温(20℃)で液体であるもの、即ち、常温で流動性を有するものから構成され、常温で自由表面を有する液体を用いることが好ましい。さらに、該液体は、重合体溶液よりも比重が大きく、好ましくは1以上の比重(20℃)を有し、かつ、高分子を溶解する有機溶剤よりも高分子に対してより貧溶媒であって、高分子を溶解しない性質を有することが好ましい。
【0027】
このような液体としては、例えば、水、メタノール、エタノール等の炭素数1〜4のアルコール類や、アルコール類と水とを混合した水溶液が挙げられる。そして、取り扱い易さ、コスト及び薄膜の製造し易さ等の点から、水を70%以上、好ましくは90%以上含む液体を用いて構成することが好ましい。また、水溶性の無機塩類を水に溶解した無機塩類水溶液は、比重を1以上に調整し易いので、好ましい。この水溶性無機塩類の例としては、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等のナトリウム塩、塩化カリウム等のカリウム塩等が挙げられる。この水溶性無機塩類は、水100重量部に対して、約5〜50重量部の割合で用いることができる。
【0028】
また、重合体溶液を液面上に展開させるにあたっての上記液体の温度は、0℃から30℃の範囲であることが好ましく、特に10℃から25℃の範囲のものを用いれば、薄膜の形成性も良く、また作業性も良いので好ましい。一方、液体の温度が高い場合は、溶媒の揮発が促進されて、液体表面上の重合体溶液の粘度が上昇してしまうため重合体溶液の展開が不十分となり、薄膜の膜厚も厚くなり易いとともに、薄膜に皺を発生し易くなるので好ましくない。特に、液体の温度が40℃を超えると、溶媒の揮発が激しくなり、更に50℃を越えると、高分子が発泡状態となり易く薄膜状とするのが困難となり、高分子はポーラスな固まりとなり易いという問題がある。
【0029】
上記の液体は、作業性等の面から、一定容積を有する容器に入れ、液層を形成させて用いることが好ましい。該容器は、重合体溶液を注入可能なものであれば、その形状や大きさについては特に制限なく使用することができるが、液層中の液体表面に重合体溶液の薄膜を形成することとの関係から、上部に開口部を有するものが好ましい。
【0030】
重合体溶液は、上記した容器中の液層に注入され、液層の表面に薄膜を形成する。重合体が注入される液層は循環されることで流動状態となっていてもよいが、一般には、静止状態であることが好ましい。該液層に重合体溶液を注入する方法としては、(イ)重合体溶液を液層の表面に滴下する滴下方法、(ロ)重合体溶液を液層の表面に噴霧する噴霧方法、(ハ)重合体溶液を液層の液面上に或いは液面下に連続的に注入する連続注入方法が挙げられる。
【0031】
これらのうち、(イ)の滴下方法を用いれば、嵩高で厚さが均一であり、かつ薄い薄膜を容易に製造することができるので好ましい。すなわち、(イ)の方法によれば、滴下された重合体溶液は液滴として液層の液面に滴下され、滴下された重合体溶液は、液層の液面上に浮上した状態で自由に四方八方に広がり、薄い膜を形成する。数分後、前記膜中の溶媒は揮発等により揮散し、液層の上に、高分子に富む薄膜を形成する。この薄膜の片面は、液面の自由表面が転写され、他方の表面は有機溶剤の揮発等により形成される平面であるので、薄膜は表面光沢を有し、且つ透明なものとなり易い。この薄膜は液層から容易に分離でき、またべたつきを有さないので容易に採取が可能である。
【0032】
なお、本発明方法においては、複合板状粉体を得るための被製膜面として、金属板やプラスチック板ではなく液体の自由表面を利用しているので、複合板状粉体を製造するための薄膜の製造が容易となり、かつ、薄膜の厚さを調整し易いものとなる。また、上記の滴下方法を用いれば、液体の液面上に、重合体溶液を滴下し、浮上展開させることにより、複合板状粉体を得るための薄膜の上面及び下面を平滑面とすることが極めて容易となる。さらに、薄膜は液層から容易に分離できるので、薄膜の採取も容易となる。
【0033】
上記の手段で液体の表面に形成された薄膜は、採取されたあと、減圧濾過等の手段により、薄膜表面に存在する水等の液体を除去することが好ましい。また、必要であれば、薄膜をさらに乾燥することが好ましい。
【0034】
表面の水分を除去した薄膜を粉砕して複合板状粉体とするには、各種粉砕方法を用いることができるが、約−30℃以下、好ましくは約−70℃以下の沸点を有する液化気体等の冷却剤により薄膜を冷却しながら破砕する冷凍粉砕法を用いることが好ましい。
【0035】
前記冷却剤の例としては、液化炭酸ガス、液体窒素が挙げられる。液化炭酸ガス、好ましくは液体窒素等の冷却剤を薄膜に直接接触させて薄膜を冷却して破砕する冷凍粉砕法によれば、粉砕時の剪断熱、摩擦熱等によっても薄膜は融着等を起こさない。従って、薄膜の厚さを損なうことなく薄膜を板状粉体化できるので好ましい。
【0036】
また、薄膜は、粉砕機により粉砕して複合板状粉体としてもよい。前記粉砕機の例は、ボールミル、衝撃微粉砕機、ジェット粉砕機等が挙げられる。薄膜を粉砕して得られた複合板状粉体は、必要があればさらに乾燥を行うことが好ましい。
【0037】
以上のようにして得られる複合板状粉体は、その粒子の拡大した外観が、狭義の「板状」の他、粉砕の仕方によって生じることのある、いわゆる「薄片状」、「鱗状」等の形状の粒子も含むものである。
【0038】
そして、本発明の複合板状粉体において、一般に、tで示される厚さ( 一個の複合板状粉体のうちの最大厚さ)は、液層の液面に滴下する重合体溶液の量や粘度などによって容易に調整することができる。また、dで示される粒径(一個の複合板状粉体のうちの最大粒径)も、得られたポリマーの粉砕の程度により容易に調整することができ、更にこれらの調整により、種々のアスペクト比(d/t)の複合板状粉体を得ることができる。
【0039】
しかし、本発明複合板状粉体を化粧料に配合する場合には、その厚さ(t)は0.1μm〜20μmが好ましく、より好ましくは約0.5μm〜5μm、特に好ましくは0.5μm〜2μmである。このような、0.1μm〜20μmの厚みの複合板状粉体は、例えば、液面1m当たり0.1g〜20gとなる量のポリマーを含む重合体溶液を液層の上に展開させて得た薄膜を粉砕して得ることができる。
【0040】
また、化粧料に配合する場合の複合板状粉体の好ましい平均粒径は、1μm〜60μmであり、より好ましくは4.5μm〜45μmである。更に、板状ポリマー粒子総量の70%以上のアスペクト比は約4.5〜45であることが好ましい。
【0041】
以上説明した本発明の複合板状粉体は、この中に安定かつ均一に本発明UV吸収剤を含有するため、単位重量当たりの紫外線吸収効果が極めて高いものである。しかも化粧料中に配合する複合板状粉体として上記した範囲のものを用いれば、粉体自体が薄く、透明性が良いものであり、化粧料中での分散性が優れ、柔らかな感触でスライド性も良く、肌に密着し、かつ、経時での色ぐすみがなく塗布膜の透明感が持続し、化粧効果の高さにおいて良好な効果を得ることができる。
【0042】
本発明の複合板状粉体を化粧料において使用する場合の含有量は、特に制限はないが、化粧料全体に対して0.5〜60%が好ましく、更に好ましくは3〜40%である。複合板状粉体の含有量がこの範囲であれば、分散性が優れ、かつ肌に塗布する際の柔らかな感触、スライド性、肌への密着感、経時における化粧膜の色ぐすみのなさ、透明感の持続性等化粧効果の高さ等において特に良好な化粧料が得られる。
【0043】
また、本発明に使用される複合板状粉体は、フッ素化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、ロウ、油脂、炭化水素等を用いて表面処理を施し、処理粉体としたものを用いてもよい。複合板状粉体に表面処理を施す表面処理方法は、常法により行うことができる。
【0044】
更に、複合板状粉体やこれを表面処理した粉体を化粧料に配合するにあたっては、それらの成分が異なるものや、形状が異なるもの及びその表面処理方法が異なるもの等、異なる種類の粉体を2種以上併用してもよい。
【0045】
前記複合板状粉体を配合した本発明化粧料の調製は、特に限定されず、前記複合板状粉体に、適当な化粧料成分を混合し、これを容器等に移して成型する方法等により行うことができる。具体的な工程についても特に制限はなく、常法により行うことができる。
【0046】
配合可能な化粧料成分の例としては、通常、化粧料や医薬部外品の製剤に用いられる成分を本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じ適宜配合することができる。これら成分の具体例としては、例えば、粉体成分、油性成分、界面活性剤、水、アルコール類、水溶性高分子、被膜形成剤、樹脂、紫外線吸収剤、塩類、pH調整剤、清涼剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、保湿剤、動物・微生物由来原料、植物抽出液、美白剤、血行促進剤、収斂剤、抗脂漏剤、抗炎症剤、活性酵素消去剤、角質溶解剤、酵素等の美容成分、防腐剤、香料等の各成分を挙げることができる。
【0047】
このうち、粉体成分は、球状、針状、板状、紡錘状等の形状や、多孔質、無孔質等の粒子構造、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径等により特に限定されず、化粧料の基剤成分や感触調整、着色成分等として配合される、無機粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等いずれのものでも使用できる。また、これらの粉体成分は、その表面をフッ素化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、ロウ、油脂、炭化水素等を用いて表面処理を施し、処理粉体としたものを用いてもよい。
【0048】
次に、複合板状粉体を使用した本発明化粧料の好ましいいくつかの態様について、詳しく説明する。
【0049】
< 粉体化粧料 >
粉体化粧料を調製するに当たっての、複合板状粉体の使用量は、特に制限はないが、1〜80%程度が好ましく、更に好ましくは3〜30%である。この範囲であれば、十分な紫外線防止機能を有すると共に、化粧料として充分な強度を持ちつつ、なめらかな感触と高いスライド性を有し、肌への密着感や化粧膜の透明性に優れる粉体化粧料が得られる。また、メーキャップ化粧料とする場合は、外観と付け色のギャップが少なく、均一な化粧膜を形成し、色ぐすみもない良好なものが得られるので好ましい。
【0050】
この粉体化粧料に使用される複合板状粉体は、前記の表面処理を施した、処理粉体としたものを用いてもよい。また、複合板状粉体や、その処理粉体としては、複合板状粉体のポリマー成分が異なるものや、形状が異なるもの及びその表面処理方法が異なるもの等、異なる種類の粉体を2種類以上併用してもよい。
【0051】
この粉体化粧料の製造は、前記複合板状粉体の他に、粉体化粧料のベースを形成する成分としての粉体成分と、必要に応じて油剤を配合することにより行われる。
【0052】
粉体化粧料の製造において用いられる粉体成分は、粉体化粧料の基剤や感触調整、着色成分等として配合され、球状、針状、板状、紡錘状等の形状や、多孔質、無孔質等の粒子構造、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径等により特に限定されず、無機粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等いずれのものでも使用できる。この粉体成分としては、例えばタルク、カオリン、セリサイト、マイカ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、無水ケイ酸等の体質粉体、酸化チタン、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム等の無機白色顔料、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、グンジョウ、コンジョウ、カーボンブラック等の無機着色粉体、タール系色素、天然色素等の有機着色顔料、雲母チタン、酸化鉄雲母チタン、オキシ塩化ビスマス等の光沢付与剤、ナイロンパウダー、シリコーン樹脂パウダー、シルクパウダー、ポリスチレン、ポリエチレンパウダー、結晶セルロース、N−アシルリジン等の、感触調整剤としての有機粉体等が挙げられる。また、これら粉体はその表面をフッ素化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、ロウ、油脂、炭化水素等を用いて表面処理を施し、処理粉体としたものを用いてもよい。これらを1種又は2種以上用いることができる。粉体成分の配合量は、粉体化粧料中50〜99%が好ましく、60〜90%がより好ましい。
【0053】
また、粉体化粧料の製造において、油剤は、固型粉末化粧料とした場合の形状を維持したり、粉体化粧料としての感触を調整する目的で配合される。この油剤としては、動物油、植物油、合成油等の起源や、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状等に特に制限はなく、通常化粧料に用いられる、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類等の油剤が用いられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の炭化水素類、モクロウ、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、ホホバ油、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリスリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン油類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。油剤の配合量は、粉体化粧料中1〜50%が好ましく、10〜40%がより好ましい。
【0054】
更に、本発明の粉体化粧料には、必要に応じて本発明の複合板状粉体に加え、紫外線吸収剤を追加的に配合することができる。また、上記各成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、例えば、界面活性剤、水、多価アルコール類、水溶性高分子、保湿剤、皮膜形成剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、緩衝剤、香料等を各種の効果を付与するために適宜配合することができる。
【0055】
本発明の粉体化粧料としては、粉末状、固形粉末状とすることができ、日焼け防止効果をも有する、ファンデーション、白粉などとすることができ、従来の高SPF化粧料にはない、しなやかな感触の化粧料が得られ、複合板状粉体を含有する効果が充分に発揮される。
【0056】
前記記載の粉体成分の中で、ポリエチレンテレフタレート微粉末、ポリエチレンナフタレート微粉末等の不定形有機粉体や、セルロース、ポリメタクリル酸メチル等の板状有機粉体と、本発明の複合板状粉体を組み合わせた場合、より成型性に優れ、色ぐすみがなく、良好な感触を得ることができる。
【0057】
< 油性化粧料 >
油性化粧料を調製するに当たっての、複合板状粉体の使用量は、特に制限はないが、0.5〜30%程度が好ましく、更に好ましくは1〜20%である。この範囲であれば、十分な紫外線防止機能を有すると共に、分散性が良好で、化粧料として充分な強度を持ちつつも、柔らかでしなやかな感触と高いスライド性を有し、しかも肌への密着感、化粧膜の透明感が高く、同時ににじみ防止効果があり、また、外観と付け色のギャップが少なく、均一な化粧膜を形成する良好な油性化粧料が得られる。
【0058】
この油性化粧料に使用される複合板状粉体は、前記の表面処理を施した、処理粉体としたものを用いてもよい。また、複合板状粉体や、その処理粉体としては、複合板状粉体のポリマー成分が異なるものや、形状が異なるもの及びその表面処理方法が異なるもの等、異なる種類の粉体を二種類以上併用してもよい。
【0059】
この油性化粧料の調製は、前記複合板状粉体等の他に、固形油脂、油ゲル化剤等の油性化粧料としてのベースを形成する成分と、必要に応じて液体油を配合することにより行われる。更にメーキャップ化粧料等の化粧料とする場合は、更に粉体成分を配合する場合もある。
【0060】
油性化粧料の調製において使用される固形油脂は、油性化粧料の形状を維持したり、化粧料としての安定性を維持する目的で配合される。この固形油脂は、動物油、植物油、合成油等それらの起源等を問わず、炭化水素類、シリコーン類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、ラノリン誘導体類等が用いられる。具体的には、シリコーンワックス等のシリコーン類、ワセリン、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の炭化水素類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、ロジン酸ペンタエリスリットエステル等のエステル類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。本発明の油性化粧料における固形油脂の配合量は、0.1〜30%が好ましく、1〜20% がより好ましい。
【0061】
また、油性化粧料の調製において、安定化剤及び感触調整剤として油ゲル化剤が配合される。油ゲル化剤の例としては、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、部分架橋型オルガノポリシロキサン、有機変性ベントナイト、煙霧状無水ケイ酸等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。本発明の油性化粧料に前記油ゲル化剤を含有する場合の含有量は、概ね0.1〜10%が好ましい。
【0062】
更に油性化粧料には、感触調整、エモリエント感の付与、粉体の粉っぽさの低減等の目的で液体油を配合することもできる。この液体油としては、動物油、植物油、合成油等の起源を問わず、炭化水素類、油脂類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン系油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類等の油剤が用いられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ホホバ油、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン油類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。本発明の油性化粧料における液体油の配合量は、1〜50%が好ましく、5〜40%がより好ましい。
【0063】
更に、上記油性化粧料をメーキャップ化粧料等とする場合に、基剤成分や感触調整、着色成分等として粉体成分を配合することができる。また、日焼け止め化粧料として、よりその効果を高める場合にも、前記複合板状粉体に加え、粉体成分を加えることができる。配合されることのある粉体成分としては、球状、針状、板状、紡錘状等の形状や、多孔質、無孔質等の粒子構造、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径等により特に限定されず、無機粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等いずれをも挙げることができる。この粉体成分としては、例えばタルク、カオリン、セリサイト、マイカ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、無水ケイ酸等の体質粉体、酸化チタン、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム等の無機白色顔料、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、グンジョウ、コンジョウ、カーボンブラック等の無機着色粉体、タール系色素、天然色素等の有機着色顔料、雲母チタン、酸化鉄雲母チタン、オキシ塩化ビスマス等の光沢付与剤、ナイロンパウダー、シリコーン樹脂パウダー、シルクパウダー、ポリスチレン、ポリエチレンパウダー、結晶セルロース、N−アシルリジン等の、感触調整剤としての有機粉体等が挙げられる。また、これら粉体はその表面をフッ素化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、ロウ、油脂、炭化水素等を用いて表面処理を施し、処理粉体としたものを用いてもよい。
【0064】
更にまた、本発明の油性化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、上記各成分の他に、例えば、界面活性剤、追加的な紫外線吸収剤、水、多価アルコール類、水溶性高分子、保湿剤、皮膜形成剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、緩衝剤、香料等を各種の効果を付与するために適宜配合することができる。
【0065】
本発明の油性化粧料としては、特にその形態に限定はなく、棒状、鉛筆状、皿流し込みタイプ等とすることができ、日焼け防止効果をも有する、ファンデーション、口紅、リップペンシル、頬紅、アイシャドウ、アイブロウ、アイライナー、コンシーラーなどとすることができるが、特に棒状タイプや鉛筆状タイプ化粧料にした場合は、化粧料としての充分な強度を持ちつつも、柔らかでしなやかな感触の化粧料が得られ、複合板状粉体を含有する効果が充分に発揮される。例えば、従来の油性化粧料にありがちな、強度のあるものは肌に対してハードな感触を与え、強度の低いものは、肌に対してソフトな感触を与えることができるが、ずるつきと呼ばれる現象が生じるという欠点を解消できる。
【0066】
< 乳化化粧料 >
乳化化粧料において使用される複合板状粉体の含有量は、特に制限はないが、化粧料全体に対して0.5〜30%が好ましく、更に好ましくは3〜20%である。複合板状粉体の含有量がこの範囲であれば、十分な紫外線防止機能を有すると共に、化粧料中への配合がし易いという複合板状粉体の物性により、分散性、経時安定性に非常に優れ、柔らかな感触でとまり際のずるつきやきしみ感がなく、良好なスライド性と密着感を有する乳化化粧料となる。また、乳化型メーキャップ化粧料とする場合は、沈降や凝集のない美麗な外観を有し、外観と化粧膜の付け色のギャップや、経時における化粧膜の色ぐすみもなく、塗布膜の透明感が持続し、化粧効果の高い良好なものが得られるので好ましい。
【0067】
上記乳化化粧料に使用される複合板状粉体は、油性化粧料の場合と同じく、表面処理を施した、処理粉体としたものを用いてもよく、また、複合板状粉体のポリマー成分が異なるものや、形状が異なるものあるいはその表面処理方法が異なるもの等、異なる種類の粉体を二種類以上併用してもよい。
【0068】
この乳化化粧料の製造は、前記複合板状粉体の他に、水、油剤および界面活性剤等の乳化化粧料としてのベースを形成する成分を配合し、更に必要に応じて、多価アルコール類や水溶性高分子、塩類等の水性成分や油ゲル化剤を配合することにより行われる。また、乳化化粧料を、メーキャップ化粧料等とする場合には、粉体成分を配合することもできる。
【0069】
乳化化粧料の製造において用いられる水及び水性成分は、みずみずしさや清涼感の付与、感触調整、保湿、防腐等の目的で配合されるものであり、水としては、精製水、温泉水、深層水、ローズ水等の植物由来の水蒸気蒸留水等が挙げられる。また、水性成分としては、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール,ジプロピレングリコール等の多価アルコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、ソルビトール、マルチトール、ショ糖、デンプン糖等の糖類、グアーガム、スクレロチウムガム、ジェランガム、ペクチン、寒天、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、乳酸ナトリウム等の塩類、アロエベラ、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を適宜選択して用いることができる。水及び水性成分の配合量は、求める乳化化粧料のタイプにもよるが、0.1〜99%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜90%である。
【0070】
また、乳化化粧料の製造において油剤は、エモリエント感の付与、感触調整、粉体の粉っぽさの低減等の目的で用いられるものであり、動物油、植物油、合成油等の起源や、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状等に特に制限はなく、通常化粧料に用いられる、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン系油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類等の油剤が用いられる。
【0071】
具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の炭化水素類、モクロウ、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、ホホバ油、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリスリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン油類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類等が挙げられる。これら油剤は、その一種又は二種以上用いることができる。
【0072】
上記油性成分の配合量は、乳化安定性、使用感の観点より、1〜90%が好ましく、5〜80%がより好ましい。
【0073】
更に、乳化化粧料において界面活性剤は、乳化助剤や分散剤等として用いられるものである。界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
【0074】
具体的には、陰イオン性界面活性剤として、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、等の脂肪酸とナトリウム、カリウム、トリエタノールアミン等のアルカリ物質により形成される脂肪酸石鹸類、アシルグルタミン酸塩類、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレン付加アルキルリン酸塩等が挙げられる。また陽イオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩等が挙げられる。また、両性界面活性剤としては、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルホアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、レシチン、リン脂質等が挙げられる。更に、非イオン性界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレン変性シリコーン等が挙げられる。これら界面活性剤は、その一種又は二種以上用いることができる。
【0075】
本発明の乳化化粧料における界面活性剤の配合量は、界面活性剤の種類、油剤の量及び質により変動するが、概ね0.01〜20% が好ましい。
【0076】
一方、油ゲル化剤は安定化剤及び感触調整剤として用いられるものであり、具体的には、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、部分架橋型オルガノポリシロキサン、有機変性ベントナイト、煙霧状無水ケイ酸等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。本発明の乳化化粧料に前記油ゲル化剤を含有する場合の配合量は、概ね0.1〜10%が好ましい。
【0077】
更に、上記乳化化粧料をメーキャップ化粧料等とする場合に、粉体成分を配合することができる。また、日焼け止め化粧料として、よりその効果を高める場合にも、前記複合板状粉体に加え、粉体成分を加えることができる。
【0078】
この粉体成分としては、球状、針状、板状、紡錘状等の形状や、多孔質、無孔質等の粒子構造あるいは煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径等により特に限定されず、無機粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等いずれのものでも使用でき、感触調整、着色成分等として配合される。
【0079】
この粉体成分としては、例えばタルク、カオリン、セリサイト、マイカ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、無水ケイ酸等の体質粉体、酸化チタン、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム等の無機白色顔料、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、グンジョウ、コンジョウ、カーボンブラック等の無機着色粉体、タール系色素、天然色素等の有機着色顔料、雲母チタン、酸化鉄雲母チタン、オキシ塩化ビスマス等の光沢付与剤、ナイロンパウダー、シリコーン樹脂パウダー、シルクパウダー、ポリスチレン、ポリエチレンパウダー、結晶セルロース、N−アシルリジン等の感触調整剤としての有機粉体等が挙げられる。また、これら粉体はその表面をフッ素化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、ロウ、油脂、炭化水素等を用いて表面処理を施し、処理粉体としたものを用いてもよい。これら粉体成分は、一種又は二種以上適宜用いることができ、その配合量は0.1〜40%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜30%が好ましい。
【0080】
更に、本発明の乳化化粧料には、必要に応じて本発明の複合板状粉体に加え、紫外線吸収剤を追加的に配合することができる。
【0081】
また、上記成分の他に、本発明の乳化化粧料の効果を損なわない範囲で必要に応じて、保湿剤、皮膜形成剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、緩衝剤、香料などを適宜配合することができる。
【0082】
本発明の乳化化粧料は、水中油型乳化化粧料、油中水型乳化化粧料およびO/W/O型化粧料等の多相乳化化粧料等、特に限定はなく、種々の形態とすることができ、日焼け止め化粧料、ファンデーション、下地化粧料、アイシャドウ、アイブロウ、アイライナー、口紅、乳液、クリームなどとすることができる。
【実施例】
【0083】
次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
【0084】
実 施 例 1
t−ブチルメトキシジベンゾイルメタンの複合板状粉体:
単量体としてメタクリル酸メチル93部およびアクリル酸エチル7部を含有する重合性液を200部のトルエンに分散させ、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.5部加えた後、70℃で重合を開始した。3時間重合を行った後、重合溶液をメタノールに添加し、ポリマーを沈殿させ、これを回収し、乾燥させて白色固形物のメタクリル酸メチル−アクリル酸エチル共重合体を得た。
【0085】
この共重合体15部を酢酸エチル85部に溶解し、さらにt−ブチルメトキシジベンゾイルメタン(PARSOL1789 L.C.UNITED社製)0.75部を混合溶解させ、混合溶液を調製した。
【0086】
静止状態とした水の液層の表面に、上記混合溶液を液面1m当たり20gの割合で滴下し、薄膜を形成させた。この薄膜を5分間放置した後、分離採取し、水洗浄後、脱水乾燥することにより脱溶剤した。この脱溶剤した薄膜を液体窒素中に投入して、薄膜を粉砕することにより複合板状粉体(本発明粉体1)を得た。得られた粉体の平均粒径および平均厚みを走査型電子顕微鏡(SEM)とコールターカウンターで測定したところ、平均粒径は30μm、平均厚みは3μmであった。
【0087】
実 施 例 2
ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンの複合
板状粉体:
単量体としてメタクリル酸メチル93部およびアクリル酸エチル7部を含有する重合性液を200部のトルエンに分散させ、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.5部加えた後、70℃で重合を開始した。3時間重合を行った後、重合溶液をメタノールに添加し、ポリマーを沈殿させ、これを回収し、乾燥させて白色固形物のメタクリル酸メチル−アクリル酸エチル共重合体を得た。
【0088】
この共重合体15部を酢酸エチル85部に溶解し、さらにビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(TINOSORB S CIBA SPECIALITY CHEMICALS INC社製)0.75部を混合溶解させ、混合溶液を調製した。
【0089】
静止状態とした水の表面に、上記混合溶液を液面1m当たり20gの割合で滴下し、薄膜を形成させた。この薄膜を5分間放置した後、分離採取し、水洗浄後、脱水乾燥することにより脱溶剤した。この脱溶剤した薄膜を液体窒素中に投入して、薄膜を粉砕することにより複合板状粉体(本発明粉体2)を得た。得られた粉体の平均粒径および平均厚みを走査型電子顕微鏡(SEM)とコールターカウンターで測定したところ、平均粒径は35μm、平均厚みは2.5μmであった。
【0090】
実 施 例 3
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルの複合板状粉体:
単量体としてメタクリル酸メチル93部およびアクリル酸エチル7部を含有する重合性液を200部のトルエンに分散させ、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.5部加えた後、70℃で重合を開始した。3時間重合を行った後、重合溶液をメタノールに添加し、ポリマーを沈殿させ、これを回収し、乾燥させて白色固形物のメタクリル酸メチル−アクリル酸エチル共重合体を得た。
【0091】
この共重合体15部を酢酸エチル85部に溶解し、さらにジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(UVINUL A PLUS BASF社製)0.75部を混合溶解させ、混合溶液を調製した。
【0092】
静止状態とした水の表面に混合溶液を液面1m当たり20gの割合で滴下し、薄膜を形成させた。この薄膜を5分間放置した後、分離採取し、水洗浄後、脱水乾燥することにより脱溶剤した。この脱溶剤した薄膜を液体窒素中に投入して、薄膜を粉砕することにより複合板状粉体(本発明粉体3)を得た。得られた粉体の平均粒径および平均厚みを走査型電子顕微鏡(SEM)とコールターカウンターで測定したところ、平均粒径は25μm、平均厚みは2μmであった。
【0093】
比 較 例 1
ヒドロキシメトキシベンゾフェノンの複合板状粉体:
単量体としてメタクリル酸メチル93部およびアクリル酸エチル7部を含有する重合性液を200部のトルエンに分散させ、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.5部加えた後、70℃で重合を開始した。3時間重合を行った後、重合溶液をメタノールに添加し、ポリマーを沈殿させ、これを回収し、乾燥させて白色固形物のメタクリル酸メチル−アクリル酸エチル共重合体を得た。
【0094】
この共重合体15部を酢酸エチル85部に溶解し、さらにヒドロキシメトキシベンゾフェノン(ESCALOL567 ISP社製)0.75部を混合溶解させ、混合溶液を調製した。
【0095】
静止状態とした水の表面に、上記混合溶液を液面1m当たり20gの割合で滴下し、薄膜を形成させた。この薄膜を5分間放置した後、分離採取し、水洗浄後、脱水乾燥することにより脱溶剤した。この脱溶剤した薄膜を液体窒素中に投入して、薄膜を粉砕することにより複合板状粉体を得た(比較粉体1)。得られた粉体の平均粒径および平均厚みを走査型電子顕微鏡(SEM)とコールターカウンターで測定したところ、平均粒径は40μm、平均厚みは3.5μmであった。
【0096】
比 較 例 2
(メタ)アクリル系重合体と有機紫外線吸収剤の粉体混合物:
アクリル酸アルキル共重合体板状粉体(スノーリーフS 昭立プラスチックス工業(株)製)100部に対して、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンまたはジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルをそれぞれ5部添加し、攪拌機にて均一混合することにより、板状粉体と紫外線吸収剤との混合物(比較粉体2ないし4)を得た。
【0097】
比 較 例 3
有機紫外線吸収剤内包球状粉体:
ミリスチン酸イソプロピル(IPM−EX 日本サーファクタント工業社製)17部に、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンまたは、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルを3部溶解し、これを多孔質球状シリカ(ゴッドボールE2−824C 鈴木油脂工業社製)80部に添加し、撹拌機にて均一混合後、篩で処理することにより有機紫外線吸収剤内包球状粉体(比較粉体5ないし7)を得た。
【0098】
試 験 例 1
紫外線吸収剤のブリードの評価:
(1)膜の観察
各実施例において得られた混合溶液を、シャーレ中に注ぎ、次いで酢酸エチルを蒸発させ、厚さ200μm程度の厚膜を作製した。この厚膜の表面を走査型電子顕微鏡(リアルサーフェイスビューVE−7800 キーエンス社製)にて観察した。この結果を図1ないし4に示す。
【0099】
この結果、実施例1〜3に使用の有機紫外線吸収剤を含有した厚膜は、表面が平滑で、ブリードが観察されなかった(図1ないし3)。一方、比較例1に使用のヒドロキシメトキシベンゾフェノンを含有した厚膜は、表面に凹凸性があり、ブリードしていることが分かった(図4)。
【0100】
(2)t−ブチルメトキシジベンゾイルメタンのブリード性の評価
t−ブチルメトキシジベンゾイルメタンは、鉄イオンにより錯体を形成し、赤褐色となる現象を利用し、本発明の複合板状粉体中からt−ブチルメトキシジベンゾイルメタンがブリードしているかどうかを評価した。
【0101】
試験試料としては、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタンをPMMAに対して3%、5%、9%、16%で含有させる以外は、実施例1と同様にして調製した複合板状粉体(試料2〜5)を利用した。また、対照として、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタンを全く含まない板状のPMMA粉末(試料1)を用いた。試験試薬としては、塩化第二鉄3%、エタノール5%および水92%で調整された鉄イオン含有溶液を利用した。
【0102】
試験は、試験管に、試薬溶液100部と、各試験試料をそれぞれ5部添加し、ボルテックスミキサー(LABO−MIXER NS−8 Pasolina社製)にて攪拌し、その後、目視観察にて褐変状態を観察し、下記基準で評価した。この結果を表1に示す。
【0103】
ブリード評価基準:
評 価 内 容
◎ : 褐変が全く観察されない。
○ : 褐変が僅かに観察されるが、問題ない。
△ : 褐変が観察される。
× : 褐変が強く観察される。
【0104】
【表1】

【0105】
この結果より、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタンの含量が9%までは、ほとんどブリードの問題が生じないことが示された。
【0106】
試 験 例 2
複合板状物の紫外線遮断能の評価:
薄膜の紫外線遮断能を、各実施例および比較例1において得られた微粉砕する前の薄膜(中間薄膜)について行った。試験は、吸光度測定(UV−2500 SHIMADZU社製)にて300nm〜700nm透過率を測定し、360nmの透過率から紫外線遮断能を、以下の判定基準で判定した。この結果を表2に示す。
【0107】
判定基準:
評 価 内 容
◎ : 透過率が20%未満である。
○ : 透過率が20%以上、40%未満である。
△ : 透過率が40%以上、60%未満である。
× : 透過率が60%以上である。
【0108】
【表2】

【0109】
試 験 例 3
複合板状粉末と、粉体混合物の紫外線遮断能の比較:
本発明の実施例1ないし3で調製した複合板状粉体(本発明粉体1〜3)と、比較例2により得られた混合物(比較粉体2〜4)の各25mgを、粘着性シート(Transpore Tape 3M社製)に塗布し、SPFアナライザー(UV−100S labsphere社製)にて、320〜400nmの範囲で、粉体塗膜のSPF値と透過率(%)を測定した。この透過率から、以下の判定基準によって紫外線遮断効果を判定した。この結果を表3に示す。
【0110】
判定基準:
評 価 内 容
◎ : 透過率が15%未満である。
○ : 透過率が15%以上、20%未満である。
△ : 透過率が20%以上、30%未満である。
× : 透過率が30%以上である。
【0111】
【表3】

【0112】
試 験 例 4
複合板状粉末組成物と、球状内包粉体の紫外線遮断能の比較:
ミリスチン酸イソプロピルを多孔質球状シリカに添加し、撹拌機にて均一混合後、篩で処理することにより得た粉体58.6部に、実施例1〜3で得た複合板状粉体(本発明粉体1〜3)を、それぞれ41.4部となるよう加え、撹拌機にて均一混合し、本発明組成物1ないし3を得た。この際、本発明組成物1ないし3の成分構成量は、それぞれ比較例3で調製した比較粉体5ないし7と、メタクリル酸メチルアクリル酸エチル共重合体、有機紫外線吸収剤、ミリスチン酸イソプロピルおよび多孔質球状シリカを同一とした。
【0113】
上記のようにして得た本発明組成物1ないし3と、比較例3で調製した比較粉体5ないし7について、下記方法により紫外線遮断効果を調べた。すなわち、本発明組成物1ないし3および比較粉体5ないし7を各30mg、粘着性シート(Transpore Tape 3M社製)に塗布し、SPFアナライザー(UV−100S labsphere社製)にて、その塗膜のSPF値及びUV−Aの透過率(%)を、320〜400nmの範囲で測定した。これらの粉体塗膜のSPF値から、以下の判定基準に従い、紫外線遮断効果を判定した。この結果を表4に示す。
【0114】
判定基準:
評 価 内 容
◎ : SPF値が30以上である。
○ : SPF値が20以上、30未満である。
△ : SPF値が15以上、20未満である。
× : SPF値が15未満である。
【0115】
【表4】

【0116】
実 施 例 4
白 粉 :
下記表5の組成および下記製法により白粉を調製した。
【0117】
組 成:
【表5】

【0118】
製 法:
(実施例1〜6及び比較例1〜5)
(1)成分1〜12、19を均一に混合する。
(2)成分13〜18を均一混合する。
(3)(1)に(2)を添加後、ヘンシェルミキサーにて均一混合する。
(4)(3)をパルベライザーにて粉砕後、容器に充填し、白粉を得た。
【0119】
(比較例6〜8)
(1)成分1〜12を均一に混合する。
(2)成分16、18を均一に混合する。
(3)成分13〜15と成分17を溶解後、成分19に添加混合し、篩で処理する。
(4)ヘンシェルミキサーにて(1)と(3)を混合後、さらに(2)を添加し、
均一混合する。
(5)(4)をパルベライザーにて粉砕後、容器に充填し、白粉を得た。
【0120】
試 験 例 5
実施例4で調製した本発明品1〜6および比較品1〜8の各白粉の30mgを、粘着性シート(Transpore Tape 3M社製)に塗布し、SPFアナライザー(UV−100S labsphere社製)にて、320−400nmの範囲で、粉体塗膜の透過率(%)を測定し、以下の判定基準によって紫外線遮断効果を判定した。また、上記各白粉について、化粧品評価専門パネル20名に、「化粧膜の透明感」、「滑らかな使用感」の其々の項目について、各自が以下の官能評価基準に従って7段階評価し、更に全パネルの評点の平均点を用いて、以下の判定基準に従って判定した。これらの結果を表6に示す。
【0121】
紫外線遮断効果判定基準:
評 価 内 容
◎ : 透過率が30%未満である。
○ : 透過率が30%以上、40%未満である。
△ : 透過率が40%以上、60%未満である。
× : 透過率が60%以上である。
【0122】
官能評価基準:
(評価結果) :(評点)
非常に良好 : 6点
良好 : 5点
やや良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
非常に不良 : 0点
【0123】
[判定基準]
(評点の平均点) (判定)
5.0以上 : ◎ 非常に良好
3.5以上〜5.0未満: ○ 良好
5以上〜3.5未満 : △ 不良
1.5未満 : × 非常に不良
【0124】
【表6】

【0125】
前記の検討結果より、本発明品1〜6の白粉は、「滑らかな使用感」、「化粧膜の透明感」、「紫外線遮断効果」に優れた白粉であった。一方、ブリードする製造比較例1の複合板状粉体を配合した比較品1は、全ての項目において劣るものであった。
【0126】
また、有機紫外線吸収剤を含まない板状PMMAを配合した比較品2は、紫外線遮断効果がなく、この処方に、各種有機紫外線吸収剤を油剤に溶解して添加した比較品3〜5は、化粧膜の透明感には優れるものの、紫外線遮断効果や滑らかな使用感に劣るものであった。
【0127】
更に、各種有機紫外線吸収剤を油剤に溶解して、予め多孔質シリカに含浸させた粉体を添加した比較品6〜8は、化粧膜の透明感には優れるものの、紫外線遮断効果や滑らかな使用感に劣るものであった。
【0128】
実 施 例 7
O/W型ファンデーション:
下記処方および製法により、O/W型ファンデーションを調製した。
【0129】
処 方:
( 成 分 ) (%)
1.モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20モル) 0.5
ソルビタン
2.セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
3.1,3−ブチレングリコール 10.0
4.シリコーン処理酸化チタン(注8) 10.0
5.シリコーン処理ベンガラ(注9) 0.4
6.シリコーン処理黄酸化鉄(注10) 0.5
7.シリコーン処理黒酸化鉄(注11) 0.1
8.シリコーン処理タルク(注12) 5.0
9.本発明粉体1 5.0
10.カルボキシビニルポリマー(注13) 0.3
11.トリエタノールアミン 1.0
12.精製水 残 量
13.エタノール 2.0
14.ステアリン酸 1.0
15.ベヘニルアルコール 0.5
16.流動パラフィン 2.0
17.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 2.0
18.パラメトキシケイ皮酸2−エチルへキシル 2.0
19.ワセリン 0.5
20.防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.2
21.香料 0.1
(注8)ジメチルポリシロキサン2%処理
(注9)ジメチルポリシロキサン2%処理
(注10)ジメチルポリシロキサン2%処理
(注11)ジメチルポリシロキサン2%処理
(注12)ジメチルポリシロキサン2%処理
(注13)カーボポール940(LUBRIZOL ADVANCED MATERIALS A社製)
【0130】
製 法:
(1)成分1〜9をローラーにて均一に分散する。
(2)成分10〜13を均一に混合する。
(3)上記(2)に(1)を添加し、均一に混合する。
(4)成分14〜20を80℃にて混合溶解する。
(5)上記(3)に(4)を80℃にて添加し、乳化する。
(6)上記(5)を冷却し、成分21を添加し、O/W型ファンデーションを得た。
【0131】
得られたO/W型ファンデーションは、滑らかな使用感を有し、化粧膜の透明感、紫外線遮断効果に優れたO/W型ファンデーションであった。
【0132】
実 施 例 8
W/O型ファンデーション:
下記処方および製法により、W/O型ファンデーションを調製した。
【0133】
処 方:
( 成 分 ) (%)
1.ポリオキシエチレンメチルシロキサン・ポリオキシ
プロピレンオレイルメチルシロキサン・ジメチルシ 2.0
ロキサン共重合体(注14)
2.PEG−3ジメチコン(注15) 1.0
3.デカメチルシクロペンタシロキサン 20.0
4.本発明粉体2 5.0
5.シリコーン処理赤酸化鉄(注16) 0.5
6.シリコーン処理黄酸化鉄(注10) 0.5
7.シリコーン処理黒酸化鉄(注11) 0.5
8.シリコーン処理酸化チタン(注8) 10.0
9.シリコーン処理タルク(注12) 5.0
10.トリ2−エチルへキサン酸グリセリル 10.0
11.セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
12.精製水 残 量
13.塩化ナトリウム 0.5
14.1,3−ブチレングリコール 10.0
15.アルコール 5.0
16.防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.1
17.香料 0.2
(注14)KF−6026(信越化学工業社製)
(注15)KF−6015(信越化学工業社製)
(注16)ジメチルポリシロキサン2%処理
【0134】
製 法:
(1)成分1〜3を均一に混合する。
(2)成分4〜11をローラーにて均一に分散する。
(3)上記(1)に(2)を添加し、均一混合する。
(4)上記(3)に成分12〜17を添加、乳化し、W/O型ファンデーションを得た。
【0135】
得られたW/O型ファンデーションは、滑らかな使用感を有し、化粧膜の透明感、紫外線遮断効果に優れたW/O型ファンデーションであった。
【0136】
実 施 例 9
油性固形状ファンデーション:
下記処方および製法により、油性固形状ファンデーションを調製した。
【0137】
処 方:
( 成 分 ) (%)
1.タルク 15.0
2.マイカ 10.0
3.本発明粉体3 5.0
4.シリコーン処理酸化チタン(注8) 15.0
5.シリコーン処理ベンガラ(注9) 0.2
6.シリコーン処理黄酸化鉄(注10) 0.5
7.シリコーン処理黒酸化鉄(注11) 0.2
8.ポリエチレンワックス 7.0
9.マイクロクリスタリンワックス 6.0
10.トリ2−エチルへキサン酸グリセリル 残 量
11.ジメチルポリシロキサン(注17) 10.0
12.流動パラフィン 20.0
13.ポリオキシエチレンメチルシロキサン・ポリオキシ
プロピレンオレイルメチルシロキサン・ジメチルシロ 2.0
キサン共重合体(注14)
14.香料 0.2
(注17)KF−96(20CS)(信越化学工業社製)
【0138】
製 法:
(1)成分8〜13を90℃にて加熱溶解する。
(2)(1)に成分1〜7を添加し、ローラーにて均一に分散する。
(3)(2)に成分14を添加し、80℃にて溶解後、金皿に充填し、油性固型ファンデーションを得た。
【0139】
得られた油性固形状ファンデーションは、滑らかな使用感を有し、化粧膜の透明感、紫外線遮断効果に優れた油性固形状ファンデーションであった。
【0140】
実 施 例 10
固形粉末状ファンデーション:
下記処方および製法により、固形粉末ファンデーションを調製した。
【0141】
処 方:
( 成 分 ) (%)
1.シリコーン処理酸化チタン(注8) 15.0
2.タルク 残 量
3.本発明粉体2 10.0
4.シリコーン処理ベンガラ(注9) 0.3
5.シリコーン処理黄酸化鉄(注10) 0.5
6.シリコーン処理黒酸化鉄(注11) 0.1
7.マイカ 20.0
8.ナイロン末(注1) 2.0
9.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 3.0
10.流動パラフィン 3.0
11.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 3.0
12.防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.2
13.香料 0.1
【0142】
製 法:
(1)成分1〜8を均一に混合する。
(2)上記(1)に成分9〜13を添加し、ヘンシェルモキサーにて均一に混合する。
(3)上記(2)をパルベライザーで粉砕する。
(4)上記(3)を金皿に充填し、固形粉末型ファンデーションを得た。
【0143】
得られた固形粉末状ファンデーションは、滑らかな使用感で、化粧膜の透明感、紫外線遮断効果に優れた固形粉末状ファンデーションであった。
【0144】
実 施 例 11
粉末状ファンデーション:
下記処方および製法により、粉末状ファンデーションを調製した。
【0145】
処 方:
( 成 分 ) (%)
1.シリコーンゲル(注18) 7.0
2.ジメチルポリシロキサン(注17) 1.0
3.防腐剤 適 量
4.ラウロイル−L−リジン 30.0
5.ナイロン末 (注1) 10.0
6.タルク 残 量
7.本発明粉体3 20.0
8.酸化チタン 7.0
9.赤酸化鉄 0.1
10.黄酸化鉄 0.5
11.黒酸化鉄 0.1
12.窒化ホウ素 5.0
13.香料 0.1
(注18)KSG−16(信越化学工業社製)
【0146】
製 法:
(1)成分1〜2をデスパーミキサーにて混合しゲルを調製する。
(2)成分3〜13をスーパーミキサーにて混合分散する。
(3)上記(2)に(1)を加えて、攪拌する。
(4)上記(3)を容器に充填して粉末状ファンデーションを得た。
【0147】
得られた粉末状ファンデーションは、滑らかな使用感で、化粧膜の透明感、紫外線遮断効果に優れた粉末状ファンデーションであった。
【0148】
実 施 例 12
固形粉末状アイシャドウ:
下記処方および製法により、固形粉末状アイシャドウを調製した。
【0149】
処 方:
( 成 分 ) (%)
1.雲母チタン 30.0
2.タルク 残 量
3.本発明粉体1 5.0
4.黄色401号 1.0
5.赤色202号 0.5
6.ナイロン末(注1) 2.0
7.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 4.0
8.流動パラフィン 4.0
9.ワセリン 1.0
10.防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.2
11.香料 0.2
【0150】
製 法:
(1)成分1〜6を均一に混合する。
(2)上記(1)に成分7〜11を添加し、均一に混合する。
(3)上記(2)をパルベライザーで粉砕する。
(4)上記(3)を金皿に充填し、固形粉末状アイシャドウを得た。
【0151】
得られた固形粉末状アイシャドウは、滑らかな使用感で、化粧膜の透明感、紫外線遮断効果に優れた固形粉末状アイシャドウであった。
【0152】
実 施 例 13
固形粉末状フェイスカラー:
下記処方および製法により、固形粉末状フェイスカラーを調製した。
【0153】
処 方:
( 成 分 ) (%)
1.雲母 30.0
2.タルク 残 量
3.合成マイカ(注19) 10.0
4.本発明粉体2 10.0
5.赤226号 0.2
6.流動パラフィン 4.0
7.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 4.0
8.防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.2
9.香料 0.2
(注19)PDM−10L(トピー工業社製)
【0154】
製 法:
(1)成分1〜5を均一に混合する。
(2)上記(1)に成分6〜9を添加し、均一に混合する。
(3)上記(2)をパルベライザーで粉砕する。
(4)上記(3)を金皿に充填し、固形粉末状フェイスカラーを得た。
【0155】
得られた固形粉末状フェイスカラーは、滑らかな使用感で、化粧膜の透明感、紫外線遮断効果に優れた固形粉末状フェイスカラーであった。
【0156】
実 施 例 14
W/O型日焼け止め料:
下記処方および製法により、W/O型日焼け止め料を調製した。
【0157】
処 方:
( 成 分 ) (%)
1.酸化亜鉛 10.0
2.シリコーン処理微粒子酸化チタン(注20) 5.0
3.本発明粉体3 10.0
4.セスキイソステアリン酸ソルビタン 1.0
5.トリ−2エチルヘキサン酸グリセリル 10.0
6.パルミチン酸2−エチルヘキシル 5.0
7.デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0
8.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 5.0
9.メチルポリシロキサン・セチルメチルポリシロキサン・
ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシ 2.0
ロキサン共重合体(注21)
10.精製水 残 量
11.塩化ナトリウム 0.2
12.エタノール 5.0
13.防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.2
14.香料 0.1
(注20)メチルハイドロジェンポリシロキサン2%処理
(注21)ABIL EM90(EVONIC GOLDSCHMIDT
GMBH社製)
【0158】
製 法:
(1)成分1〜5を3本ローラーにて均一に分散する。
(2)(1)に成分6〜9を添加し、均一に混合する。
(3)(2)に成分10〜14を添加しながら乳化し、W/O型日焼け止め料を得た。
【0159】
得られたW/O型日焼け止め料は、滑らかな使用感で、化粧膜の透明感、紫外線遮断効果に優れたW/O型日焼け止め料であった。
【産業上の利用可能性】
【0160】
本発明の複合板状粉体は、板状であり、かつ安定かつ均一に本発明UV吸収剤を包含するものであるため、単位重量当たりの紫外線吸収効果が極めて高いものである。しかも化粧料中に配合する複合板状粉体として上記した範囲のものを用いれば、粉体自体が薄く、透明性が良いものであり、化粧料中での分散性が優れ、柔らかな感触でスライド性も良く、肌に密着し、かつ、経時での色ぐすみがなく塗布膜の透明感が持続し、化粧効果の高さにおいて良好な効果を得ることができる。
【0161】
従って、本発明の複合板状粉体は、油性あるいは乳化型等の日焼け防止化粧料や、ファンデーション、下地化粧料、コンシーラー、粉末型の白粉、ファンデーション等の配合成分としてきわめて有利に利用できるものである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(メタ)アクリル系重合体中に、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンおよびジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルから選ばれる有機紫外線吸収剤の一種又は二種以上を包含してなる有機紫外線吸収剤複合板状粉体。
【請求項2】
有機紫外線吸収剤複合板状粉体が、(メタ)アクリル系重合体と有機紫外線吸収剤とを溶剤に溶解した重合体溶液を、前記溶剤と混和しない常温で液体である液層の液面上に展開させ、脱溶剤して前記液層の上に薄膜を形成させ、この薄膜を乾燥して粉砕することにより得られるものである請求項1記載の有機紫外線吸収剤複合板状粉体。
【請求項3】
(メタ)アクリル系重合体が、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸またはそれらの誘導体、メタクリル酸エステル類、アクリル酸エステル類からなる群より選ばれた単量体を重合した単独重合体又は前記単量体の少なくとも二種以上を共重合した共重合体である請求項第1項または第2項記載の有機紫外線吸収剤複合板状粉体。
【請求項4】
平均粒子径が1〜60μm、アスペクト比(長径/厚み)が4.5〜45である請求項1〜3の何れかの項記載の有機紫外線吸収剤複合板状粉体。
【請求項5】
(メタ)アクリル系重合体と、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンおよびジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルから選ばれる有機紫外線吸収剤の一種又は二種以上とを溶剤に溶解して重合体溶液を調製し、次いで前記溶剤と混和しない常温で液体である液層の液面上にこの重合体溶液を展開させ、更に、脱溶剤して前記液層の上に薄膜を形成させた後、この薄膜を乾燥して粉砕することを特徴とする有機紫外線吸収剤複合板状粉体の製造方法。
【請求項6】
溶剤が酢酸エチル及び/又はメチルエチルケトンである請求項5に記載の有機紫外線吸収剤複合板状粉体の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜4の何れかの項記載の有機紫外線吸収剤複合板状粉体を配合することを特徴とする化粧料。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−213635(P2011−213635A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82147(P2010−82147)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(597010503)昭立プラスチックス工業株式会社 (2)
【出願人】(596144724)株式会社オーケン (4)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】