有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置及びその製造方法
【課題】 有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 対向電極461と、対向電極461上に備えられた少なくとも発光層を含む中間層487と、中間層487上に備えられた画素電極462と、画素電極462の上部に備えられ、画素電極462と絶縁される第1電極412と、画素電極462の上部に備えられ、画素電極462と連結される第2電極413と、第1電極412及び第2電極413と接触するp型有機半導体層480と、p型有機半導体層480の上部に備えられ、第1電極412と第2電極413及びp型有機半導体層480と絶縁された第1ゲート電極411と、を含むことを特徴とする有機電界発光ディスプレイ装置である。
【解決手段】 対向電極461と、対向電極461上に備えられた少なくとも発光層を含む中間層487と、中間層487上に備えられた画素電極462と、画素電極462の上部に備えられ、画素電極462と絶縁される第1電極412と、画素電極462の上部に備えられ、画素電極462と連結される第2電極413と、第1電極412及び第2電極413と接触するp型有機半導体層480と、p型有機半導体層480の上部に備えられ、第1電極412と第2電極413及びp型有機半導体層480と絶縁された第1ゲート電極411と、を含むことを特徴とする有機電界発光ディスプレイ装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機薄膜トランジスタ(TFT)を備えた能動駆動型の有機電界発光(EL:Electro Lumicnescence)ディスプレイ装置に関わり、さらに詳細には、p型有機薄膜トランジスタを備え、約100%の高開口率を有し、アレイに具現し易い能動駆動型の有機ELディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来の能動駆動型ELディスプレイ装置の副画素部を概略的に示す平面図であり、図2は、図1の能動駆動型ELディスプレイ装置の副画素部を図1のP1ないしP7に沿って概略的に示す断面図である。
【0003】
前記図面を参照すれば、シリコンで形成される半導体層180を備える既存のシリコンTFT110,150の場合、高濃度の不純物でドーピングされたソース領域及びドレイン領域と、前記二つの領域の間に形成されたチャンネル領域とを有する半導体層180を有し、前記半導体層180と絶縁されて前記チャンネル領域に対応する領域に位置するゲート電極111,151と、前記ソース領域及びドレイン領域にそれぞれ接触するソース電極112,152及びドレイン電極113,153とを有する。
【0004】
しかし、前記のような構造の既存のシリコンTFT110,150は、製造コストが高くなり、外部の衝撃によって容易に砕け、300℃以上の高温工程によって生産されるため、プラスチック基板を使用できないという問題点がある。
【0005】
特に、液晶表示装置(LCD)や電界発光表示装置(ELD)のような平板表示装置には、各画素の動作を制御するスイッチング素子及び各画素の駆動素子としてTFTが使われるところ、このような平板表示装置において、最近要求になっている大型化及び薄型化と共に、フレキシブル特性を満足させるために、既存のガラス材ではないプラスチック材で備えられる基板を使用しようとする試みが続いている。しかし、プラスチック基板を使用する場合には、前述したように、高温工程ではない低温工程を使用せねばならない。したがって、従来のシリコンTFTを使用し難いという問題点があった。
【0006】
このような問題点を解決するために、最近、低温工程が可能な有機膜を半導体層として使用する有機TFTについての研究が活発になされている。
【0007】
図3は、従来の有機TFTを備えた有機ELディスプレイ装置を概略的に示す断面図である。
【0008】
図3を参照すれば、基板200上に形成された有機EL素子210と有機TFT220とが備えられている。有機EL素子210は、前記基板200上に順次に形成された透明電極211、有機物発光層212及び金属電極213を備え、有機TFT220は、前記基板200上に備えられたゲート電極221、前記ゲート電極221上に備えられた誘電層222、前記誘電層222上に備えられた有機半導体層223及び前記誘電層222上で前記有機半導体層223の両側に配置されたソース電極224及びドレイン電極225を備える。前記ドレイン電極225は、有機EL素子210の透明電極211及び有機物発光層212と連結される。
【0009】
しかし、前記のような有機EL素子210は、前記有機TFT220と水平方向に並んで配列された構造を有する。したがって、有機TFT220のサイズによって、低い開口率になってしまうという問題点がある。開口率が低い場合、ディスプレイ素子における単位画素での発光強度を高めねばならないので、これによる寿命低下という問題点が発生する。
【0010】
このような問題点を解決するために、特許文献1には、有機TFTと有機EL素子とが垂直に積層された能動駆動型の有機ELディスプレイ装置が開示されている。
【0011】
図4は、前記特許文献1に開示された有機TFTを備えた有機ELディスプレイ装置を概略的に示す断面図である。
【0012】
前記図4を参照すれば、基板300上に備えられた有機EL素子310と有機TFT330とが第1絶縁層320に分離されて垂直に備えられている。有機EL素子310は、前記基板300上に順次に形成された透明電極311、有機物発光層312及び金属電極313を備え、有機TFT330は、前記第1絶縁層320上に備えられたゲート電極331、前記ゲート電極331上に備えられた第2絶縁層332、前記第2絶縁層332上に備えられたソース電極334及びドレイン電極335、前記ソース電極334及び前記ドレイン電極335に連結された有機半導体層333を備え、前記ソース電極334は、前記金属電極313に連結されている。
【0013】
しかし、前記特許文献1に開示されたものは、複数個の有機TFT及びそれを備えた複数個の有機EL素子が備えられた概念、すなわち、アレイ概念ではない一つの有機TFTを備えた一つの有機EL素子の概念であり、これを利用して、複数個の有機TFTを有する複数個の有機EL素子を備えてなる、実際に使用されうる能動駆動型の有機ELディスプレイ装置を具現し難いという問題点がある。
【0014】
また、前記特許文献1に開示された構造においては、前記有機TFT330は、いわば、インバーテッドコプラナー構造(inverted coplanar structure)になっているところ、前記のような構造の有機TFT330を利用して、能動駆動型の有機ELディスプレイ装置を具現するためには、複雑な工程を経て複雑な構造を有し、実際に使用されうる能動駆動型の有機ELディスプレイ装置を具現するのは難しいという問題点がある。
【特許文献1】韓国公開特許第2003−0017748号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、前記問題点を含んで色々な問題点を解決するためのものであって、有機TFTを備え、約100%の高開口率を有し、アレイに具現し易い能動駆動型の有機ELディスプレイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記目的及びその外の色々な目的を達成するために、本発明は、対向電極と、前記対向電極上に備えられた少なくとも発光層を含む中間層と、前記中間層上に備えられた画素電極と、前記画素電極の上部に備えられ、前記画素電極と絶縁される第1電極と、前記画素電極の上部に備えられ、前記画素電極と連結される第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極と接触するp型有機半導体層と、前記p型有機半導体層の上部に備えられ、前記第1電極、前記第2電極及び前記p型有機半導体層と絶縁された第1ゲート電極と、を含むことを特徴とする有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置を提供する。
【0017】
このような本発明の他の特徴によれば、前記画素電極上に保護膜が備えられ、前記保護膜上に前記第1電極及び前記第2電極が備えられ、前記第2電極は、前記保護膜に備えられたコンタクトホールを通じて前記画素電極と連結されうる。
【0018】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記p型有機半導体層上にゲート絶縁膜が備えられ、前記ゲート絶縁膜上に前記第1ゲート電極が備えられうる。
【0019】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記ゲート絶縁膜が有機物でありうる。
【0020】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記第1電極と連結される第1キャパシタ電極及び前記第1キャパシタ電極に対向配置され、前記第1ゲート電極と連結された第2キャパシタ電極を備えるキャパシタと、前記第2キャパシタ電極に連結される第4電極と、前記第4電極に接触する有機半導体層と、前記有機半導体層に接触する第3電極と、前記第4電極、前記第3電極及び前記有機半導体層と絶縁された第2ゲート電極と、をさらに備えることができる。
【0021】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記第2電極、前記第1電極、前記第1キャパシタ電極、前記第4電極及び前記第3電極は、同一平面に備えられ、前記第1ゲート電極、前記第2キャパシタ電極及び前記第2ゲート電極は、同一平面に備えられうる。
【0022】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記対向電極は透明電極であり、前記画素電極は反射型電極でありうる。
【0023】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記対向電極上に画素定義膜が備えられうる。
【0024】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記中間層に含まれた発光層は、赤色、緑色または青色光を放出する発光層でありうる。
【0025】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記発光層は、白色光を放出する発光層であり、前記対向電極と前記発光層とを含む中間層の間に、前記発光層から放出された白色光を赤色、緑色または青色光にフィルタリングするカラーフィルタがさらに備えられうる。
【0026】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記発光層は、青色光を放出する発光層であり、前記対向電極と前記発光層とを含む中間層の間に、前記発光層から放出された青色光を赤色、緑色または青色光に変換させる色変換層がさらに備えられうる。
【0027】
本発明はまた、前記目的を達成するために、基板の全面にまたは所定のパターンで対向電極を形成する段階と、前記対向電極上に少なくとも発光層を含む中間層を形成する段階と、前記中間層上に所定パターンの画素電極を形成する段階と、前記画素電極を覆いつつ、前記基板の全面に保護膜を形成する段階と、前記保護膜に前記画素電極が露出されるように第1コンタクトホールを形成する段階と、前記保護膜上に、前記第1コンタクトホールを通じて前記画素電極に連結される第2電極と、一体に形成される第1電極及び第1キャパシタ電極と、第4電極と、第3電極と、を形成する段階と、前記電極を覆いつつ、前記基板の全面に備えられるp型有機半導体層を形成する段階と、前記p型有機半導体層上に前記基板の全面に備えられるゲート絶縁膜を形成する段階と、前記第4電極が露出されるように、前記p型有機半導体層及び前記ゲート絶縁膜内に第2コンタクトホールを形成する段階と、前記ゲート絶縁膜上に、第1ゲート電極と、前記第2コンタクトホールを通じて前記第4電極に連結され、前記第1キャパシタ電極の上部に備えられる第2キャパシタ電極と、第2ゲート電極と、を形成する段階と、を含むことを特徴とする有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の製造方法を提供する。
【0028】
このような本発明のさらに他の特徴によれば、前記対向電極を形成する段階と前記中間層を形成する段階との間に、画素定義膜を形成する段階をさらに有することができる。
【0029】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記発光層は、白色光を放出する発光層であり、前記対向電極を形成する段階以前に、前記基板上に前記発光層から放出された白色光を赤色、緑色または青色光にフィルタリングするカラーフィルタを形成する段階をさらに有することができる。
【0030】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記発光層は、青色光を放出する発光層であり、前記対向電極を形成する段階以前に、前記基板上に前記発光層から放出された青色光を赤色、緑色または青色光に変換させる色変換層を形成する段階をさらに有することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置及びその製造方法によれば、次のような効果が得られる。
【0032】
第一に、p型有機TFTを有機EL素子の上部に備えることによって、100%の開口率を有させることができる。
【0033】
第二に、約100%の高開口率を有させることによって、同じ輝度を得るために、有機EL素子に印加される電流の量を減らすことができ、これを通じて消費電力を低下させて有機EL素子の寿命を延長させることができる。
【0034】
第三に、有機TFTのオンカレントレベルを高めるために、有機TFTのサイズを大きくすることが良いところ、前記有機TFTが有機EL素子の上部に位置するので、開口率の低下なしにも十分に大きい有機TFTを備えることができる。
【0035】
第四に、スタガード型有機TFTを備えることによって、構造を単純化させて収率を向上させることができる。
【0036】
第五に、アレイに具現し易い能動駆動型の有機EL素子の構造を取ることによって、量産を通じてコストを節減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、添付された図面を参照して、本発明の望ましい実施形態を詳細に説明すれば、次の通りである。
【0038】
図5は、本発明の望ましい第1実施形態によるp型有機TFTを備えた能動駆動型のELディスプレイ装置の回路を概略的に示す回路図であり、図6は、図5のA部分を示す回路図である。図7は、前記実施形態によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部を概略的に示す平面図であり、図8は、前記実施形態によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部を図7のQ5及びQ6に沿って概略的に示す断面図であり、図9は、前記実施形態によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部を図7のQ1ないしQ3に沿って概略的に示す断面図であり、図10は、前記実施形態によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部を図7のQ1ないしQ5に沿って概略的に示す断面図である。
【0039】
ELディスプレイ装置は、発光層での発光色相によって多様な画素パターンを備えるが、例えば、赤色、緑色及び青色の副画素を含む画素を備える。前記EL素子は、電流駆動方式の発光素子であって、前記素子を構成する両電極間の電流のフローによって、赤色、緑色または青色の光を発光して所定の画像を具現する。
【0040】
前記EL素子の構成を簡略に説明すれば、対向電極と、前記対向電極の上部に備えられる少なくとも発光層を含む中間層と、前記中間層の上部に備えられる画素電極と、で構成される。本発明は、必ずしも前記のような構造に限定されるものではなく、多様なEL素子の構造がそのまま適用されうる。
【0041】
EL素子を利用した平板ディスプレイ装置は、輝度、コントラスト及び視野角の側面で、他の従来のディスプレイ装置より優れるという長所があって、研究開発が活発であるところ、特に、図5ないし図10に示されたように、各画素ごとにトランジスタを備えて各画素の発光如何または各画素に印加される信号を制御するアクティブマトリックス型のELディスプレイ装置が注目されており、特に、本発明は、前記トランジスタがp型有機TFTである有機ELディスプレイ装置についてのものである。
【0042】
図5及び図6を参照すれば、各副画素部は、駆動回路によって駆動される第2有機TFT450、前記第2有機TFT450によって駆動される第1有機TFT410、及び前記第1有機TFT410によって駆動される有機EL素子460を備える。
【0043】
前記第2有機TFT450の第3電極452は、第1導線420によって駆動回路に連結され、前記第2有機TFT450の第2ゲート電極451は、第2導線430によって駆動回路に連結され、前記第2有機TFT450の第4電極453は、ストレージキャパシタ440の第2キャパシタ電極(上部電極)442及び前記第1有機TFT410の第1ゲート電極411と連結される。
【0044】
前記のような構成において、前記第1導線420を、データを伝送するデータライン、前記第2導線430をスキャンラインにし、この場合、前記第2有機TFT450がスイッチングトランジスタの役割を行い、前記第1有機TFT410がドライビングトランジスタの役割を行う。もちろん、前記選択駆動回路において、二つ以上のトランジスタを使用することもある。以下では、スイッチングトランジスタとドライビングトランジスタ、二つのトランジスタが使われた場合について説明する。
【0045】
図6及び図7を参照すれば、前記ストレージキャパシタ440の第1キャパシタ電極(下部電極)441と前記第1有機TFT410の第1電極412とは、第3導線470と連結され、前記第1有機TFT410の第2電極413は、有機EL素子460の画素電極462と連結される。図6に示されたように、有機EL素子460の対向電極461は、前記画素電極462と所定の間隙をおいて対向配置され、前記対向電極461と前記画素電極462との間には、少なくとも発光層を含む中間層が備えら れる。
【0046】
図7には、副画素部において、右側下端と左側上端に有機TFT410,450が備えられており、その間にストレージキャパシタ440が備えられていると示されているが、本発明では、有機TFT410,450が上部または下部に並んで備えられることもあり、さらに多くの数の有機TFTを備えることもある等、図7に示されたような平面構造に限定されるものではない。
【0047】
図7ないし図9には、図5及び図6のA部分の物理的な構造が概略的に示されている。参考までに、図7には、図8及び図9に示されていない第1導線420及び第2導線430が示されており、図8及び図9には、図7に示されていない構成要素、すなわち、基板481、ゲート絶縁膜483、保護膜485及び画素電極462が示されている。
【0048】
前記図面を参照すれば、駆動回路によって第2ゲート電極451にスキャン信号が印加されれば、第3電極452と第4電極453とを連結するp型有機半導体層に導電チャンネルが形成されるが、このとき、第1導線420によって前記第3電極452にスキャン信号が供給されれば、データ信号がストレージキャパシタ440と第1薄膜トランジスタ410とに伝達される。そして、第1電極412と第2電極とを連結するp型有機半導体層に導電チャンネルが形成され、第3導線470から信号が画素電極462に伝達される。
【0049】
図8ないし図10を参照して、前記副画素部の具体的な構成について説明する。
【0050】
図8を参照すれば、基板481上には、対向電極461が全面的に備えられ、前記対向電極461上には、少なくとも発光層を含む中間層487が形成され、前記中間層487上には、画素電極が備えられる。本発明では、有機EL素子460にp型第1有機TFT410が連結され、特に、前記有機EL素子460の画素電極462にp型第1有機TFT410の第2電極413が連結されるところ、したがって、前記画素電極462は、アノード電極となり、これに対応する画素電極461は、カソード電極となる。以下、後述する実施形態における有機TFTは、何れもp型有機TFTを意味する。
【0051】
有機EL素子が背面発光型である場合には、前記基板481及び前記対向電極461が透明な素材で形成され、前記画素電極462は、光反射率が良好な金属素材で形成される。有機EL素子が前面発光型である場合には、前記対向電極461が光反射率が良好な金属素材で形成され、前記画素電極462及び後述する保護膜485、有機半導体層480及びゲート絶縁膜483が透明な素材で形成されうる。本発明によるEL素子は、背面発光型でもあり、前面発光型または両面発光型でもある等、EL素子から生成された光は、対向電極461及び画素電極462のうち、少なくとも何れか一つ以上の方向を通じて出射されうる。
【0052】
前記対向電極461が透明素材で形成される時には、前記対向電極461がカソード電極として使用されうるので、ITO、IZO、ZnOまたはIn2O3のような透明電極形成用物質で補助電極やバス電極ラインを形成した後、その上部に仕事関数が小さな金属、すなわち、Li、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Al、Ag、Mgまたはこれらの化合物を蒸着し、半透過型の金属膜を蒸着して二重構造を有させることができる。そして反射型電極として使われる時には、前記Li、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Al、Ag、Mgまたはこれらの化合物を厚く全面蒸着して形成する。
【0053】
前記対向電極461は、全体副画素を覆うようにまたは各副画素に対応するように備えられうる。
【0054】
アノード電極である前記画素電極462が透明な素材で形成される時には、ITO、IZO、ZnOまたはIn2O3が用いられうる。反射型電極として使われる時には、ITO、IZO、ZnOまたはIn2O3で電極を形成した後、その上部にAg、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Crまたはこれらの化合物を厚く蒸着して抵抗が低い反射膜を形成できる。また、反射型電極として使われる時には、前記のような構造以外にも、Au、Ni、PtまたはPdのような貴金属を使用することもある。前記画素電極のパターンは、副画素に対応する形態に形成されうる。しかし、必ずしもこれに限定されず、対向電極及び画素電極として導電性ポリマーなどの有機物を使用することもある。
【0055】
一方、有機EL素子460は、前述したように、前記第1有機TFT410の第2電極413から電荷供給を受ける画素電極462、対向電極461、そして前記画素電極462と対向電極461との間に介在された少なくとも発光層を含む中間層487を有し、前記中間層487は、有機物で形成される。
【0056】
有機EL素子460は、前記有機物の種類によって低分子有機膜または高分子有機膜で備えられうる。
【0057】
低分子有機膜を使用する場合、前記中間層は、ホール注入層(HIL:Hole Injection Layer)、ホール輸送層(HTL:Hole Transport Layer)、発光層(EML:EMission Layer)、電子輸送層(ETL:Electron Transport Layer)及び電子注入層(EIL:Electron Injection Layer)が単一あるいは複合の構造で積層されて形成され、使用可能な有機材料も銅フタロシアニン(CuPc)、N,N−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(NPB)、トリス−8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3)をはじめとして多様に適用可能であるが、前記画素電極及び対向電極に電荷を供給すれば、ホールと電子とが結合することによって、励起子が生成され、この励起子が励起状態から基底状態に変化されるにつれて、前記発光層が発光する。
【0058】
前述したように、前記画素電極462がアノード電極となり、前記対向電極461がカソード電極となるので、前記中間層487は、前記画素電極462から順次にHIL、HTL、EML、ETL及びEILで備えられうる。もちろん、この外の他の層がさらに備えられることもある。
【0059】
このような低分子有機膜は、真空中で有機物を加熱して蒸着する方式で形成されうる。もちろん、前記中間層の構造は、必ずしもこれに限定されず、必要に応じて多様な層として構成できる。
【0060】
高分子有機膜を使用する場合には、前記中間層487は、大体、HTL及びEMLで備えられ、前述したように、前記画素電極462がアノード電極となり、前記対向電極461がカソード電極となるので、前記中間層487は、前記画素電極462から順次にHTL及びEMLで備えられうる。
【0061】
前記高分子HTLは、ポリエチレンジヒドロキシチオフェン(PEDOT)や、ポリアニリン(PANI)を使用して、インクジェットプリンティングやスピンコーティング法によって形成されうる。前記高分子有機発光層は、PPV(ポリフェニルビニレン)、溶解性PPV、Cyano−PPV、ポリフルオレンで備えられ、インクジェットプリンティングやスピンコーティングまたはレーザを利用した熱転写方式のような通常の方法でカラーパターンを形成できる。もちろん、このような高分子有機層の場合にも、前記中間層の構造は、必ずしもこれに限定されず、必要に応じて多様な層として構成できる。
【0062】
前記のように備えられる有機EL素子460の上部には、保護膜485が備えられ、前記保護膜485には、その下部の画素電極462が露出されるように第1コンタクトホール485aが形成され、前記第1コンタクトホール485aが形成された領域を含む所定の領域に第2電極413が形成される。前記第2電極413は、前記保護膜485に形成された前記第1コンタクトホール485aを通じて前記有機EL素子460の画素電極462と連結される。
【0063】
前記保護膜485の上部には、第1有機TFT410が備えられるところ、本発明による有機ELディスプレイ素子では、前記第1有機TFT410は、p型有機TFTで備えられる。
【0064】
図8を参照して、第1有機TFT410の構造を概略的に説明すれば、まず前記保護膜485の上部には、第1電極412及び第2電極413が備えられる。
【0065】
前記第1電極412及び第2電極413は、スパッタリング及びフォトリソグラフィ工程または蒸着を利用して備えられ、後述するp型有機半導体層480の場合、ホモ(HOMO:Highest Occupied Molecular Obit)レベルが約5eVであるので、p型有機半導体層480と金属で備えられる第1電極412及び第2電極413がオーミックコンタクトされるためには、前記第1電極412及び前記第2電極413の仕事関数が前記p型有機半導体層480のHOMOレベルより高いことが良い。したがって、前記第1有機TFT410の前記第1電極412及び前記第2電極413の場合、仕事関数が大きい金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)またはオスミウム(Os)を使用することが良い。
【0066】
前記第1電極412及び第2電極413の上部には、p型有機半導体層480が備えられる。前記p型有機半導体層480は、α−6T(hexathienylene)、DH(DiHexyl)−α−α−6T、ペンタセン、PTV(Poly−ThienyleneVinylene)、P3HT(Poly−3−Hexylthiophene Regioregular)、CuPcで形成され、真空蒸着法または熱蒸発法を利用して形成されうる。
【0067】
前記p型有機半導体層480の上部には、ゲート絶縁膜483が備えられる。前記ゲート絶縁膜483は、有機物で備えられ、そのような有機物としては、PI、パリレン、acryl−basedpolymer(PMMA)、エポキシ、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ベンゾシクロブテン(BCB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ピリアクリロニトリル(PAN)、ポリビニルアルコール(PVA)、フェノール樹脂のようなものが挙げられる。
【0068】
前記ゲート絶縁膜483の上部には、第1ゲート電極411が備えられる。前記第1ゲート電極411としては、MoW、Al、Cr、Al/Cuのような導電性金属または導電性ポリマーのような多様な導電性物質をスパッタリング及びフォトリソグラフィ工程またはインクジェット蒸着を利用して形成できる。前記第1ゲート電極411は、図8に示されたように、一定部分を前記第1電極412及び前記第2電極413と重畳させることができるが、必ずしもこれに限定されない。
【0069】
前述したように、基板481上に有機EL素子460を備え、その上部に第1有機TFT410を備えることによって、前記基板481を通じて前記有機EL素子460から発生した光を放出する背面発光型の場合、100%に近い開口率を確保できる。特に、有機TFTの場合、その電荷のモビリティー(移動度)が低いため、オンカレントレベルを高めるために有機TFTのサイズが大きいものが良く、したがって、有機EL素子と同一平面に前記有機TFTを備える場合、開口率が低下するという問題点があったところ、本発明のように有機EL素子の上部に有機TFTを備えれば、前記有機TFTのサイズを大きくしても、開口率が低下するという問題点が発生しない。
【0070】
また、前述したように、第1電極412及び第2電極413を備え、その上部にp型有機半導体層480、ゲート絶縁膜483及び第1ゲート電極411が備えられる、いわば、スタガード型の有機TFT410を備えることによって、前記第1有機TFT410の前記第2電極413と前記有機EL素子460の画素電極462とを容易に連結できる。すなわち、前記有機EL素子460と前記第1有機TFT410との間に備えられた保護膜485に第1コンタクトホール485aを備えて、前記第2電極413と前記有機EL素子460の前記画素電極462とを容易に連結できる。
【0071】
図9を参照して、前記第1有機TFT410と前記有機EL素子460に連結される第2有機TFT450及びストレージキャパシタ440の構造について簡略に説明する。
【0072】
図9に示されたように、第2有機TFT450の構造は、前述した第1有機TFT410の構造と同じである。
【0073】
ストレージキャパシタ440は、前記第1有機TFT410の第1電極412と連結される第1キャパシタ電極441、そして前記第1キャパシタ電極441に対向配置され、前記第2有機TFT450の第4電極453、及び前記第1有機TFT410の第1ゲート電極411と連結された第2キャパシタ電極442で備えられる。前記第1キャパシタ電極441は、前記第1電極412と一体に形成され、前記第2キャパシタ電極442は、前記第1ゲート電極411と一体に形成されうる。
【0074】
前記第1キャパシタ電極441と前記第2キャパシタ電極442との間には、p型有機半導体層480とゲート絶縁膜483が位置し、前記p型有機半導体層480とゲート絶縁膜483とが誘電体の役割を行う。そして、前記第2キャパシタ電極442は、前記p型有機半導体層480とゲート絶縁膜483に形成された第2コンタクトホール483aとを通じて、前記第2有機TFT450の第4電極453に連結される。
【0075】
前述したような構造を有するストレージキャパシタ440は、画素電極462への電流を維持するか、または駆動速度を向上させる機能を行う。
【0076】
図10は、前記実施形態による有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部を図7のQ1ないしQ5に沿って、第1有機TFT410、ストレージキャパシタ440及び第2有機TFT450を概略的に示す断面図である。
【0077】
図10を参照すれば、第1有機TFT410の第1電極412及び第2電極413と、ストレージキャパシタ440の第1キャパシタ電極441と、第2有機TFT450の第3電極452及び第4電極453とは、同一平面に備えられている。そして、前記第1有機TFT410の第1ゲート電極411と、前記ストレージキャパシタ440の第2キャパシタ電極442と、前記第2有機TFT450の第2ゲート電極451とは、同一平面に備えられている。
【0078】
第1有機TFT410とストレージキャパシタ440、及び第2有機TFT450に、前述したような構造を備えさせることによって、有機TFTで備えられるスイッチングトランジスタとドライビングトランジスタ、及びストレージキャパシタを備える能動駆動型の有機ELディスプレイ装置のアレイを容易に具現できる。また、図10に示されたように、前記有機TFT及びストレージキャパシタの下部に有機EL素子460を備えさせることによって、基板481を通じて前記有機EL素子460から発生した光を放出する背面発光型の場合、100%の開口率を確保できる。
【0079】
後者において、前記有機TFTを備える工程は、低温工程であるので、その下部の有機EL素子460及び基板481に影響を与えない有機ELディスプレイ装置を具現できる。この場合、前述したように、前記有機EL素子460を構成する対向電極461は、透過型電極となり、画素電極462は、反射型電極で備えられうる。
【0080】
図11は、本発明の望ましい第2実施形態による有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部を概略的に示す断面図である。
【0081】
図11を参照すれば、基板481上に対向電極461、少なくとも発光層を含む中間層487及び画素電極462で備えられる有機EL素子が備えられ、その上部に、二つのスタガード型のp型有機TFT410,450及びストレージキャパシタ440が備えられ、前記p型有機TFT410,450のうち、第1有機TFT410の第2電極413が前記有機EL素子の画素電極462と連結されたことは、前述した第1実施形態と同じである。
【0082】
本実施形態と前述した第1実施形態との差異点は、前記対向電極461上に画素定義膜486が備えられているという点である。すなわち、本実施形態において、有機EL素子で備えられるそれぞれの副画素は、画素定義膜486によって区分される。
【0083】
画素定義膜486は、図11に示されたように、前記対向電極461上に各副画素の間に備えられて発光領域を定義する役割以外に、各副画素別に備えられる前記画素電極462のエッジと前記対向電極461との間隔を広めて、前記画素電極462のエッジ部分で前記発光層を含む中間層487が切れるか、または電界が集中する現象を防止することによって、前記対向電極461と前記画素電極462の短絡を防止する役割を行う。
【0084】
図12は、本発明の望ましい第3実施形態による有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部の一部を概略的に示す平面図である。
【0085】
前述したように、有機ELディスプレイ装置は、発光層での発光色相によって多様な画素パターンを備えるが、例えば、赤色、緑色及び青色の副画素を含む画素を備える。すなわち、前記有機EL素子は、電流駆動方式の発光素子であって、前記素子を構成する両電極間の電流のフローによって、赤色、緑色または青色の光を発光して所定の画像を具現できるが、前記色の光は、前記有機EL素子の中間層に備えられた発光層を、図12に示されたように、前記赤色491、緑色492または青色493の光を放出する発光層にすることによって発生させることができる。もちろん、本発明に適用される前記放出光の色相別副画素の配列順序及びその配列位置は、図12に示されたところに限定されず、ストライプ配列、モザイク配列またはデルタ配列となることもある。また、各副画素部内の有機TFT410,450及びストレージキャパシタ440の配列も、図12に示されたところに限定されない。
【0086】
前記発光層が赤色の光を放出させる場合には、ポリ(1,4−フェニレンビニレン)誘導体、ナイルレッド、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(ジュロリジン−4−イル−ビニル)−4H−ピラン(DCM2)、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H、23H−ポルフィンプラチヌム(II)(PEOEP)、4−(ジシアノメチレン)−2−tertブチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)−4H−ピランを利用して、前記赤色の発光層を備える副画素491を形成でき、前記発光層に緑色の光を放出させる場合には、10−(2−ベンゾチアゾリル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1,1,7,7−テトラメチル−1H,5H,11H−[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン(C545T)、トリ(8−ヒドロキシキノラト)アルミニウム(Alq3)、トリス(2−(2−ピリジルフェニル−C,N))イリジウム(II)(Ir)ppyを利用して、前記緑色の発光層を備える副画素492を形成でき、前記発光層に青色の光を放出させる場合には、フルオレン系高分子、スピロフルオレン系高分子、ジカルバゾールスチルベン(DCS)(別名、“ビス[カルバゾール−(9)]−スチルベン”という)のようなカルバゾール系低分子、4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルエテン−1−イル)ビフェニル(DPBVi)、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N−ビス(フェニル)ベンジジン(α−NPD)を利用して、前記青色の発光層を備える副画素493を形成できる。
【0087】
図13は、本発明の望ましい第4実施形態による有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部を概略的に示す断面図である。
【0088】
図13を参照すれば、基板481上に対向電極461、少なくとも発光層を含む中間層487及び画素電極462で備えられる有機EL素子が備えられ、その上部に、二つのスタガード型のp型有機TFT410,450及びストレージキャパシタ440が備えられ、前記p型有機TFT410,450のうち、第1有機TFT410の第2電極413が前記有機EL素子の画素電極462と連結されているのは、前述した実施形態と同じである。
【0089】
本実施形態による有機ELディスプレイ装置と前述した第3実施形態による有機ELディスプレイ装置との差異点は、前記基板481と前記対向電極461との間にカラーフィルタ495が備えられているという点である。
【0090】
すなわち、前述した第3実施形態による有機ELディスプレイ装置は、前記有機EL素子の中間層487に備えられた発光層を赤色、緑色または青色を放出する物質で形成することによって、前記放出光を利用してフルカラー画像を具現するが、本実施形態による有機ELディスプレイ装置は、前記発光層が白色発光層で形成されており、前記発光層から放出される白色光を前記カラーフィルタ495を通じてそれぞれ赤色、緑色または青色の光のみを放出させて、所定のフルカラー画像を具現する。このとき、前記白色光は、全ての可視光線領域の波長を含む白色光でもありうるが、赤色、緑色または青色に該当する波長でピークのあるスペクトルを有する白色光でもありうる。
【0091】
図14は、本発明の望ましい第5実施形態による有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部を概略的に示す断面図である。
【0092】
図14を参照すれば、基板481上に対向電極461、少なくとも発光層を含む中間層487及び画素電極462で備えられる有機EL素子が備えられ、その上部に、二つのスタガード型のp型有機TFT410,450及びストレージキャパシタ440が備えられ、前記p型有機TFT410,450のうち、第1有機TFT410の第2電極413が前記有機EL素子の画素電極462と連結されているのは、前述した実施形態等と同じである。
【0093】
本実施形態と前述した第3実施形態による有機ELディスプレイ装置及び第4実施形態による有機ELディスプレイ装置との差異点は、前記基板481と前記対向電極461との間に色変換層496が備えられているという点である。
【0094】
すなわち、前述した第3実施形態による有機ELディスプレイ装置は、前記有機EL素子の中間層487に備えられた発光層を赤色、緑色または青色を放出する物質で形成することによって、前記放出光を利用してフルカラー画像を具現し、前述した第4実施形態による有機ELディスプレイ装置は、前記発光層が白色発光層で形成されており、前記発光層から放出される白色光をカラーフィルタを通じて赤色、緑色または青色の光のみを放出させて、所定のフルカラー画像を具現するが、本実施形態による有機ELディスプレイ装置は、前記発光層が青色発光層で形成されており、前記発光層から放出される青色光を色変換層496を通じて赤色、緑色または青色の光として放出させて、所定のフルカラー画像を具現する。
【0095】
図15ないし図18は、本発明による有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の製造工程を概略的に示す断面図である。
【0096】
図15を参照すれば、まず基板481上に前記基板481の全面にわたってまたは各副画素別に対向電極461を形成し、前記対向電極461の上部に少なくとも発光層を含む中間層487をインクジェットプリンティングやスピンコーティング、または熱転写法を利用して形成した後、前記中間層487の上部に各副画素別に画素電極462を形成する。そして、前記画素電極462上に保護膜485を形成した後、前記保護膜485に各副画素別に前記画素電極462の一部が露出される第1コンタクトホール485aを形成する。前記第1コンタクトホール485aは、レーザ切除法(LAT:Laser Ablation Technique)、すなわち、レーザを利用して形成できる。
【0097】
前記のような工程を経た後、図16に示されたように、前記第1コンタクトホール485aを通じて前記画素電極462に連結される第2電極413と、互いに一体に形成される第1電極412及び第1キャパシタ電極441と、第4電極453と、第3電極452と、を形成する。前記第2電極413、前記第1電極412、前記第1キャパシタ電極441、前記第4電極453、及び前記第3電極452は、シャドウマスクを利用して蒸着を通じてパターニングがなされると同時に形成させることができ、それ以外にも、インクジェットプリンティング法を利用してパターニングがなされると同時に形成させることもある。
【0098】
前記のように、第2電極413、第1電極412、第1キャパシタ電極441、第4電極453及び第3電極452を形成した後、図17に示されたように、前記電極を覆いつつ、前記基板481の全面に備えられるp型有機半導体層480を真空蒸着法または熱蒸発法を利用して形成し、前記p型有機半導体層480上に前記基板481の全面に備えられるゲート絶縁膜483をスピンコーティング法を利用して形成し、その後、前記第4電極453が露出されるように、前記p型有機半導体層480及び前記ゲート絶縁膜483内に第2コンタクトホール483aを形成する。前記第2コンタクトホール483aも、前述したレーザ切除法(LAT)を利用して形成できる。
【0099】
前記のような段階を経た後、前記ゲート絶縁膜483の上部に備えられる第1ゲート電極411及び第2ゲート電極451と、前記第2コンタクトホール483aを通じて前記第4電極453に連結され、前記第1キャパシタ電極441の上部に備えられる第2キャパシタ電極442を、シャドウマスクを利用した蒸着やインクジェットプリンティング法を利用してパターニングがなされると同時に形成させることによって、図18に示されたように、p型有機TFT及びストレージキャパシタを備えた有機ELディスプレイ装置を製作できる。もちろん、前記のように製造された有機EL素子及び有機TFTの上部に密封部材及び前面基板が備えられることもある。
【0100】
前述したような段階を経て、p型有機TFT及びストレージキャパシタを備えた有機EL素子のアレイを容易に製作することによって、前記のようなp型有機TFT及びストレージキャパシタを備えた有機ELディスプレイ装置の量産が可能である。特に、前記有機EL素子460を形成した以後の後続工程は、何れも蒸着やスピンコーティングでなされるので、前記のような工程を通じたp型有機TFT及びストレージキャパシタを備えた有機ELディスプレイ装置の量産が可能である。すなわち、前記有機EL素子の上部に備えられる有機TFTの場合、金属電極は、シャドウマスクを利用した蒸着でパターニングして形成される。p型有機半導体層480は、スピンコーティングや蒸着で形成し、ゲート絶縁膜483は、有機物を利用してスピンコーティング法で形成することができるので、その下部の有機EL素子に損傷を与えずにも、前記のような構造の有機ELディスプレイ装置を製造できる。
【0101】
一方、前記のような製造工程において、前記対向電極461を形成する段階と前記中間層487を形成する段階との間に、画素定義膜を形成する段階をさらに含むこともある。この場合には、前記対向電極461を形成した後前記対向電極461上に画素定義膜の材料を前記基板481の全面に塗布し、これをフォトリソグラフィ法でパターニングした後に焼成することによって形成することができる。この場合、有機膜で形成される構成要素は、まだ形成される前であるので、前記のような方法で画素定義膜を形成できる。
【0102】
そして、前記中間層487に含まれた発光層が赤色、緑色または青色を発光しない白色光を放出する発光層で形成し、前記対向電極461を形成する段階前に、前記基板481上に前記発光層から放出された白色光を赤色、緑色または青色光にフィルタリングするカラーフィルタを形成する段階をさらに有することができる。また、これと違って、前記発光層は、青色光を放出する発光層であり、前記対向電極461を形成する段階前に、前記基板481上に前記発光層から放出された青色光を赤色、緑色または青色光に変換させる色変換層を形成する段階をさらに有することもある。
【0103】
本発明は、図面に示された実施形態を参考として説明されたが、これは、例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であることが分かる。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決定されねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明は、p型有機TFTを有機EL素子の上部に備えて、約100%の開口率を有させ、アレイに具現し易い能動駆動型の有機ELディスプレイ装置を提供することによって、消費電力が減少し、寿命が延長した有機EL素子及びそれを利用したディスプレイ装置分野に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】従来の能動駆動型のELディスプレイ装置の副画素部を概略的に示す平面図である。
【図2】図1の能動駆動型のELディスプレイ装置の副画素部を図1のP1ないしP7に沿って概略的に示す断面図である。
【図3】従来の有機TFTを備えた有機ELディスプレイ装置を概略的に示す断面図である。
【図4】従来の有機TFTを備えた有機ELディスプレイ装置を概略的に示す断面図である。
【図5】本発明の望ましい一実施形態によるp型有機TFTを備えた能動駆動型のELディスプレイ装置の回路を概略的に示す回路図である。
【図6】図5のA部分を示す回路図である。
【図7】前記実施形態によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部を概略的に示す平面図である。
【図8】前記実施形態によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部を図7のQ5及びQ6に沿って概略的に示す断面図である。
【図9】前記実施形態によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部を図7のQ1ないしQ3に沿って概略的に示す断面図である。
【図10】前記実施形態によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部を図7のQ1ないしQ5に沿って概略的に示す断面図である。
【図11】本発明の望ましいさらに他の一実施形態によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部を概略的に示す断面図である。
【図12】本発明の望ましいさらに他の一実施形態によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部の一部を概略的に示す平面図である。
【図13】本発明の望ましいさらに他の一実施形態によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部を概略的に示す断面図である。
【図14】本発明の望ましいさらに他の一実施形態によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部を概略的に示す断面図である。
【図15】本発明によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の製造工程を概略的に示す断面図である。
【図16】本発明によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の製造工程を概略的に示す断面図である。
【図17】本発明によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の製造工程を概略的に示す断面図である。
【図18】本発明によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の製造工程を概略的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0106】
410…第1有機TFT、
411…第1ゲート電極、
412…第1電極、
413…第2電極、
440…ストレージキャパシタ、
441…第1キャパシタ電極、
442…第2キャパシタ電極、
450…第2有機TFT、
451…第2ゲート電極、
452…第3電極、
453…第4電極、
461…対向電極、
462…画素電極、
480…p型有機半導体層、
481…基板、
483…ゲート絶縁膜、
483a…第2コンタクトホール、
485…保護膜、
485a…第1コンタクトホール、
486…画素定義膜、
487…中間層、
491…赤色発光副画素、
492…緑色発光副画素、
493…青色発光副画素、
495…カラーフィルタ、
496…色変換層。
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機薄膜トランジスタ(TFT)を備えた能動駆動型の有機電界発光(EL:Electro Lumicnescence)ディスプレイ装置に関わり、さらに詳細には、p型有機薄膜トランジスタを備え、約100%の高開口率を有し、アレイに具現し易い能動駆動型の有機ELディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来の能動駆動型ELディスプレイ装置の副画素部を概略的に示す平面図であり、図2は、図1の能動駆動型ELディスプレイ装置の副画素部を図1のP1ないしP7に沿って概略的に示す断面図である。
【0003】
前記図面を参照すれば、シリコンで形成される半導体層180を備える既存のシリコンTFT110,150の場合、高濃度の不純物でドーピングされたソース領域及びドレイン領域と、前記二つの領域の間に形成されたチャンネル領域とを有する半導体層180を有し、前記半導体層180と絶縁されて前記チャンネル領域に対応する領域に位置するゲート電極111,151と、前記ソース領域及びドレイン領域にそれぞれ接触するソース電極112,152及びドレイン電極113,153とを有する。
【0004】
しかし、前記のような構造の既存のシリコンTFT110,150は、製造コストが高くなり、外部の衝撃によって容易に砕け、300℃以上の高温工程によって生産されるため、プラスチック基板を使用できないという問題点がある。
【0005】
特に、液晶表示装置(LCD)や電界発光表示装置(ELD)のような平板表示装置には、各画素の動作を制御するスイッチング素子及び各画素の駆動素子としてTFTが使われるところ、このような平板表示装置において、最近要求になっている大型化及び薄型化と共に、フレキシブル特性を満足させるために、既存のガラス材ではないプラスチック材で備えられる基板を使用しようとする試みが続いている。しかし、プラスチック基板を使用する場合には、前述したように、高温工程ではない低温工程を使用せねばならない。したがって、従来のシリコンTFTを使用し難いという問題点があった。
【0006】
このような問題点を解決するために、最近、低温工程が可能な有機膜を半導体層として使用する有機TFTについての研究が活発になされている。
【0007】
図3は、従来の有機TFTを備えた有機ELディスプレイ装置を概略的に示す断面図である。
【0008】
図3を参照すれば、基板200上に形成された有機EL素子210と有機TFT220とが備えられている。有機EL素子210は、前記基板200上に順次に形成された透明電極211、有機物発光層212及び金属電極213を備え、有機TFT220は、前記基板200上に備えられたゲート電極221、前記ゲート電極221上に備えられた誘電層222、前記誘電層222上に備えられた有機半導体層223及び前記誘電層222上で前記有機半導体層223の両側に配置されたソース電極224及びドレイン電極225を備える。前記ドレイン電極225は、有機EL素子210の透明電極211及び有機物発光層212と連結される。
【0009】
しかし、前記のような有機EL素子210は、前記有機TFT220と水平方向に並んで配列された構造を有する。したがって、有機TFT220のサイズによって、低い開口率になってしまうという問題点がある。開口率が低い場合、ディスプレイ素子における単位画素での発光強度を高めねばならないので、これによる寿命低下という問題点が発生する。
【0010】
このような問題点を解決するために、特許文献1には、有機TFTと有機EL素子とが垂直に積層された能動駆動型の有機ELディスプレイ装置が開示されている。
【0011】
図4は、前記特許文献1に開示された有機TFTを備えた有機ELディスプレイ装置を概略的に示す断面図である。
【0012】
前記図4を参照すれば、基板300上に備えられた有機EL素子310と有機TFT330とが第1絶縁層320に分離されて垂直に備えられている。有機EL素子310は、前記基板300上に順次に形成された透明電極311、有機物発光層312及び金属電極313を備え、有機TFT330は、前記第1絶縁層320上に備えられたゲート電極331、前記ゲート電極331上に備えられた第2絶縁層332、前記第2絶縁層332上に備えられたソース電極334及びドレイン電極335、前記ソース電極334及び前記ドレイン電極335に連結された有機半導体層333を備え、前記ソース電極334は、前記金属電極313に連結されている。
【0013】
しかし、前記特許文献1に開示されたものは、複数個の有機TFT及びそれを備えた複数個の有機EL素子が備えられた概念、すなわち、アレイ概念ではない一つの有機TFTを備えた一つの有機EL素子の概念であり、これを利用して、複数個の有機TFTを有する複数個の有機EL素子を備えてなる、実際に使用されうる能動駆動型の有機ELディスプレイ装置を具現し難いという問題点がある。
【0014】
また、前記特許文献1に開示された構造においては、前記有機TFT330は、いわば、インバーテッドコプラナー構造(inverted coplanar structure)になっているところ、前記のような構造の有機TFT330を利用して、能動駆動型の有機ELディスプレイ装置を具現するためには、複雑な工程を経て複雑な構造を有し、実際に使用されうる能動駆動型の有機ELディスプレイ装置を具現するのは難しいという問題点がある。
【特許文献1】韓国公開特許第2003−0017748号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、前記問題点を含んで色々な問題点を解決するためのものであって、有機TFTを備え、約100%の高開口率を有し、アレイに具現し易い能動駆動型の有機ELディスプレイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記目的及びその外の色々な目的を達成するために、本発明は、対向電極と、前記対向電極上に備えられた少なくとも発光層を含む中間層と、前記中間層上に備えられた画素電極と、前記画素電極の上部に備えられ、前記画素電極と絶縁される第1電極と、前記画素電極の上部に備えられ、前記画素電極と連結される第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極と接触するp型有機半導体層と、前記p型有機半導体層の上部に備えられ、前記第1電極、前記第2電極及び前記p型有機半導体層と絶縁された第1ゲート電極と、を含むことを特徴とする有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置を提供する。
【0017】
このような本発明の他の特徴によれば、前記画素電極上に保護膜が備えられ、前記保護膜上に前記第1電極及び前記第2電極が備えられ、前記第2電極は、前記保護膜に備えられたコンタクトホールを通じて前記画素電極と連結されうる。
【0018】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記p型有機半導体層上にゲート絶縁膜が備えられ、前記ゲート絶縁膜上に前記第1ゲート電極が備えられうる。
【0019】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記ゲート絶縁膜が有機物でありうる。
【0020】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記第1電極と連結される第1キャパシタ電極及び前記第1キャパシタ電極に対向配置され、前記第1ゲート電極と連結された第2キャパシタ電極を備えるキャパシタと、前記第2キャパシタ電極に連結される第4電極と、前記第4電極に接触する有機半導体層と、前記有機半導体層に接触する第3電極と、前記第4電極、前記第3電極及び前記有機半導体層と絶縁された第2ゲート電極と、をさらに備えることができる。
【0021】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記第2電極、前記第1電極、前記第1キャパシタ電極、前記第4電極及び前記第3電極は、同一平面に備えられ、前記第1ゲート電極、前記第2キャパシタ電極及び前記第2ゲート電極は、同一平面に備えられうる。
【0022】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記対向電極は透明電極であり、前記画素電極は反射型電極でありうる。
【0023】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記対向電極上に画素定義膜が備えられうる。
【0024】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記中間層に含まれた発光層は、赤色、緑色または青色光を放出する発光層でありうる。
【0025】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記発光層は、白色光を放出する発光層であり、前記対向電極と前記発光層とを含む中間層の間に、前記発光層から放出された白色光を赤色、緑色または青色光にフィルタリングするカラーフィルタがさらに備えられうる。
【0026】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記発光層は、青色光を放出する発光層であり、前記対向電極と前記発光層とを含む中間層の間に、前記発光層から放出された青色光を赤色、緑色または青色光に変換させる色変換層がさらに備えられうる。
【0027】
本発明はまた、前記目的を達成するために、基板の全面にまたは所定のパターンで対向電極を形成する段階と、前記対向電極上に少なくとも発光層を含む中間層を形成する段階と、前記中間層上に所定パターンの画素電極を形成する段階と、前記画素電極を覆いつつ、前記基板の全面に保護膜を形成する段階と、前記保護膜に前記画素電極が露出されるように第1コンタクトホールを形成する段階と、前記保護膜上に、前記第1コンタクトホールを通じて前記画素電極に連結される第2電極と、一体に形成される第1電極及び第1キャパシタ電極と、第4電極と、第3電極と、を形成する段階と、前記電極を覆いつつ、前記基板の全面に備えられるp型有機半導体層を形成する段階と、前記p型有機半導体層上に前記基板の全面に備えられるゲート絶縁膜を形成する段階と、前記第4電極が露出されるように、前記p型有機半導体層及び前記ゲート絶縁膜内に第2コンタクトホールを形成する段階と、前記ゲート絶縁膜上に、第1ゲート電極と、前記第2コンタクトホールを通じて前記第4電極に連結され、前記第1キャパシタ電極の上部に備えられる第2キャパシタ電極と、第2ゲート電極と、を形成する段階と、を含むことを特徴とする有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の製造方法を提供する。
【0028】
このような本発明のさらに他の特徴によれば、前記対向電極を形成する段階と前記中間層を形成する段階との間に、画素定義膜を形成する段階をさらに有することができる。
【0029】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記発光層は、白色光を放出する発光層であり、前記対向電極を形成する段階以前に、前記基板上に前記発光層から放出された白色光を赤色、緑色または青色光にフィルタリングするカラーフィルタを形成する段階をさらに有することができる。
【0030】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記発光層は、青色光を放出する発光層であり、前記対向電極を形成する段階以前に、前記基板上に前記発光層から放出された青色光を赤色、緑色または青色光に変換させる色変換層を形成する段階をさらに有することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置及びその製造方法によれば、次のような効果が得られる。
【0032】
第一に、p型有機TFTを有機EL素子の上部に備えることによって、100%の開口率を有させることができる。
【0033】
第二に、約100%の高開口率を有させることによって、同じ輝度を得るために、有機EL素子に印加される電流の量を減らすことができ、これを通じて消費電力を低下させて有機EL素子の寿命を延長させることができる。
【0034】
第三に、有機TFTのオンカレントレベルを高めるために、有機TFTのサイズを大きくすることが良いところ、前記有機TFTが有機EL素子の上部に位置するので、開口率の低下なしにも十分に大きい有機TFTを備えることができる。
【0035】
第四に、スタガード型有機TFTを備えることによって、構造を単純化させて収率を向上させることができる。
【0036】
第五に、アレイに具現し易い能動駆動型の有機EL素子の構造を取ることによって、量産を通じてコストを節減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、添付された図面を参照して、本発明の望ましい実施形態を詳細に説明すれば、次の通りである。
【0038】
図5は、本発明の望ましい第1実施形態によるp型有機TFTを備えた能動駆動型のELディスプレイ装置の回路を概略的に示す回路図であり、図6は、図5のA部分を示す回路図である。図7は、前記実施形態によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部を概略的に示す平面図であり、図8は、前記実施形態によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部を図7のQ5及びQ6に沿って概略的に示す断面図であり、図9は、前記実施形態によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部を図7のQ1ないしQ3に沿って概略的に示す断面図であり、図10は、前記実施形態によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部を図7のQ1ないしQ5に沿って概略的に示す断面図である。
【0039】
ELディスプレイ装置は、発光層での発光色相によって多様な画素パターンを備えるが、例えば、赤色、緑色及び青色の副画素を含む画素を備える。前記EL素子は、電流駆動方式の発光素子であって、前記素子を構成する両電極間の電流のフローによって、赤色、緑色または青色の光を発光して所定の画像を具現する。
【0040】
前記EL素子の構成を簡略に説明すれば、対向電極と、前記対向電極の上部に備えられる少なくとも発光層を含む中間層と、前記中間層の上部に備えられる画素電極と、で構成される。本発明は、必ずしも前記のような構造に限定されるものではなく、多様なEL素子の構造がそのまま適用されうる。
【0041】
EL素子を利用した平板ディスプレイ装置は、輝度、コントラスト及び視野角の側面で、他の従来のディスプレイ装置より優れるという長所があって、研究開発が活発であるところ、特に、図5ないし図10に示されたように、各画素ごとにトランジスタを備えて各画素の発光如何または各画素に印加される信号を制御するアクティブマトリックス型のELディスプレイ装置が注目されており、特に、本発明は、前記トランジスタがp型有機TFTである有機ELディスプレイ装置についてのものである。
【0042】
図5及び図6を参照すれば、各副画素部は、駆動回路によって駆動される第2有機TFT450、前記第2有機TFT450によって駆動される第1有機TFT410、及び前記第1有機TFT410によって駆動される有機EL素子460を備える。
【0043】
前記第2有機TFT450の第3電極452は、第1導線420によって駆動回路に連結され、前記第2有機TFT450の第2ゲート電極451は、第2導線430によって駆動回路に連結され、前記第2有機TFT450の第4電極453は、ストレージキャパシタ440の第2キャパシタ電極(上部電極)442及び前記第1有機TFT410の第1ゲート電極411と連結される。
【0044】
前記のような構成において、前記第1導線420を、データを伝送するデータライン、前記第2導線430をスキャンラインにし、この場合、前記第2有機TFT450がスイッチングトランジスタの役割を行い、前記第1有機TFT410がドライビングトランジスタの役割を行う。もちろん、前記選択駆動回路において、二つ以上のトランジスタを使用することもある。以下では、スイッチングトランジスタとドライビングトランジスタ、二つのトランジスタが使われた場合について説明する。
【0045】
図6及び図7を参照すれば、前記ストレージキャパシタ440の第1キャパシタ電極(下部電極)441と前記第1有機TFT410の第1電極412とは、第3導線470と連結され、前記第1有機TFT410の第2電極413は、有機EL素子460の画素電極462と連結される。図6に示されたように、有機EL素子460の対向電極461は、前記画素電極462と所定の間隙をおいて対向配置され、前記対向電極461と前記画素電極462との間には、少なくとも発光層を含む中間層が備えら れる。
【0046】
図7には、副画素部において、右側下端と左側上端に有機TFT410,450が備えられており、その間にストレージキャパシタ440が備えられていると示されているが、本発明では、有機TFT410,450が上部または下部に並んで備えられることもあり、さらに多くの数の有機TFTを備えることもある等、図7に示されたような平面構造に限定されるものではない。
【0047】
図7ないし図9には、図5及び図6のA部分の物理的な構造が概略的に示されている。参考までに、図7には、図8及び図9に示されていない第1導線420及び第2導線430が示されており、図8及び図9には、図7に示されていない構成要素、すなわち、基板481、ゲート絶縁膜483、保護膜485及び画素電極462が示されている。
【0048】
前記図面を参照すれば、駆動回路によって第2ゲート電極451にスキャン信号が印加されれば、第3電極452と第4電極453とを連結するp型有機半導体層に導電チャンネルが形成されるが、このとき、第1導線420によって前記第3電極452にスキャン信号が供給されれば、データ信号がストレージキャパシタ440と第1薄膜トランジスタ410とに伝達される。そして、第1電極412と第2電極とを連結するp型有機半導体層に導電チャンネルが形成され、第3導線470から信号が画素電極462に伝達される。
【0049】
図8ないし図10を参照して、前記副画素部の具体的な構成について説明する。
【0050】
図8を参照すれば、基板481上には、対向電極461が全面的に備えられ、前記対向電極461上には、少なくとも発光層を含む中間層487が形成され、前記中間層487上には、画素電極が備えられる。本発明では、有機EL素子460にp型第1有機TFT410が連結され、特に、前記有機EL素子460の画素電極462にp型第1有機TFT410の第2電極413が連結されるところ、したがって、前記画素電極462は、アノード電極となり、これに対応する画素電極461は、カソード電極となる。以下、後述する実施形態における有機TFTは、何れもp型有機TFTを意味する。
【0051】
有機EL素子が背面発光型である場合には、前記基板481及び前記対向電極461が透明な素材で形成され、前記画素電極462は、光反射率が良好な金属素材で形成される。有機EL素子が前面発光型である場合には、前記対向電極461が光反射率が良好な金属素材で形成され、前記画素電極462及び後述する保護膜485、有機半導体層480及びゲート絶縁膜483が透明な素材で形成されうる。本発明によるEL素子は、背面発光型でもあり、前面発光型または両面発光型でもある等、EL素子から生成された光は、対向電極461及び画素電極462のうち、少なくとも何れか一つ以上の方向を通じて出射されうる。
【0052】
前記対向電極461が透明素材で形成される時には、前記対向電極461がカソード電極として使用されうるので、ITO、IZO、ZnOまたはIn2O3のような透明電極形成用物質で補助電極やバス電極ラインを形成した後、その上部に仕事関数が小さな金属、すなわち、Li、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Al、Ag、Mgまたはこれらの化合物を蒸着し、半透過型の金属膜を蒸着して二重構造を有させることができる。そして反射型電極として使われる時には、前記Li、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Al、Ag、Mgまたはこれらの化合物を厚く全面蒸着して形成する。
【0053】
前記対向電極461は、全体副画素を覆うようにまたは各副画素に対応するように備えられうる。
【0054】
アノード電極である前記画素電極462が透明な素材で形成される時には、ITO、IZO、ZnOまたはIn2O3が用いられうる。反射型電極として使われる時には、ITO、IZO、ZnOまたはIn2O3で電極を形成した後、その上部にAg、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Crまたはこれらの化合物を厚く蒸着して抵抗が低い反射膜を形成できる。また、反射型電極として使われる時には、前記のような構造以外にも、Au、Ni、PtまたはPdのような貴金属を使用することもある。前記画素電極のパターンは、副画素に対応する形態に形成されうる。しかし、必ずしもこれに限定されず、対向電極及び画素電極として導電性ポリマーなどの有機物を使用することもある。
【0055】
一方、有機EL素子460は、前述したように、前記第1有機TFT410の第2電極413から電荷供給を受ける画素電極462、対向電極461、そして前記画素電極462と対向電極461との間に介在された少なくとも発光層を含む中間層487を有し、前記中間層487は、有機物で形成される。
【0056】
有機EL素子460は、前記有機物の種類によって低分子有機膜または高分子有機膜で備えられうる。
【0057】
低分子有機膜を使用する場合、前記中間層は、ホール注入層(HIL:Hole Injection Layer)、ホール輸送層(HTL:Hole Transport Layer)、発光層(EML:EMission Layer)、電子輸送層(ETL:Electron Transport Layer)及び電子注入層(EIL:Electron Injection Layer)が単一あるいは複合の構造で積層されて形成され、使用可能な有機材料も銅フタロシアニン(CuPc)、N,N−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(NPB)、トリス−8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3)をはじめとして多様に適用可能であるが、前記画素電極及び対向電極に電荷を供給すれば、ホールと電子とが結合することによって、励起子が生成され、この励起子が励起状態から基底状態に変化されるにつれて、前記発光層が発光する。
【0058】
前述したように、前記画素電極462がアノード電極となり、前記対向電極461がカソード電極となるので、前記中間層487は、前記画素電極462から順次にHIL、HTL、EML、ETL及びEILで備えられうる。もちろん、この外の他の層がさらに備えられることもある。
【0059】
このような低分子有機膜は、真空中で有機物を加熱して蒸着する方式で形成されうる。もちろん、前記中間層の構造は、必ずしもこれに限定されず、必要に応じて多様な層として構成できる。
【0060】
高分子有機膜を使用する場合には、前記中間層487は、大体、HTL及びEMLで備えられ、前述したように、前記画素電極462がアノード電極となり、前記対向電極461がカソード電極となるので、前記中間層487は、前記画素電極462から順次にHTL及びEMLで備えられうる。
【0061】
前記高分子HTLは、ポリエチレンジヒドロキシチオフェン(PEDOT)や、ポリアニリン(PANI)を使用して、インクジェットプリンティングやスピンコーティング法によって形成されうる。前記高分子有機発光層は、PPV(ポリフェニルビニレン)、溶解性PPV、Cyano−PPV、ポリフルオレンで備えられ、インクジェットプリンティングやスピンコーティングまたはレーザを利用した熱転写方式のような通常の方法でカラーパターンを形成できる。もちろん、このような高分子有機層の場合にも、前記中間層の構造は、必ずしもこれに限定されず、必要に応じて多様な層として構成できる。
【0062】
前記のように備えられる有機EL素子460の上部には、保護膜485が備えられ、前記保護膜485には、その下部の画素電極462が露出されるように第1コンタクトホール485aが形成され、前記第1コンタクトホール485aが形成された領域を含む所定の領域に第2電極413が形成される。前記第2電極413は、前記保護膜485に形成された前記第1コンタクトホール485aを通じて前記有機EL素子460の画素電極462と連結される。
【0063】
前記保護膜485の上部には、第1有機TFT410が備えられるところ、本発明による有機ELディスプレイ素子では、前記第1有機TFT410は、p型有機TFTで備えられる。
【0064】
図8を参照して、第1有機TFT410の構造を概略的に説明すれば、まず前記保護膜485の上部には、第1電極412及び第2電極413が備えられる。
【0065】
前記第1電極412及び第2電極413は、スパッタリング及びフォトリソグラフィ工程または蒸着を利用して備えられ、後述するp型有機半導体層480の場合、ホモ(HOMO:Highest Occupied Molecular Obit)レベルが約5eVであるので、p型有機半導体層480と金属で備えられる第1電極412及び第2電極413がオーミックコンタクトされるためには、前記第1電極412及び前記第2電極413の仕事関数が前記p型有機半導体層480のHOMOレベルより高いことが良い。したがって、前記第1有機TFT410の前記第1電極412及び前記第2電極413の場合、仕事関数が大きい金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)またはオスミウム(Os)を使用することが良い。
【0066】
前記第1電極412及び第2電極413の上部には、p型有機半導体層480が備えられる。前記p型有機半導体層480は、α−6T(hexathienylene)、DH(DiHexyl)−α−α−6T、ペンタセン、PTV(Poly−ThienyleneVinylene)、P3HT(Poly−3−Hexylthiophene Regioregular)、CuPcで形成され、真空蒸着法または熱蒸発法を利用して形成されうる。
【0067】
前記p型有機半導体層480の上部には、ゲート絶縁膜483が備えられる。前記ゲート絶縁膜483は、有機物で備えられ、そのような有機物としては、PI、パリレン、acryl−basedpolymer(PMMA)、エポキシ、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ベンゾシクロブテン(BCB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ピリアクリロニトリル(PAN)、ポリビニルアルコール(PVA)、フェノール樹脂のようなものが挙げられる。
【0068】
前記ゲート絶縁膜483の上部には、第1ゲート電極411が備えられる。前記第1ゲート電極411としては、MoW、Al、Cr、Al/Cuのような導電性金属または導電性ポリマーのような多様な導電性物質をスパッタリング及びフォトリソグラフィ工程またはインクジェット蒸着を利用して形成できる。前記第1ゲート電極411は、図8に示されたように、一定部分を前記第1電極412及び前記第2電極413と重畳させることができるが、必ずしもこれに限定されない。
【0069】
前述したように、基板481上に有機EL素子460を備え、その上部に第1有機TFT410を備えることによって、前記基板481を通じて前記有機EL素子460から発生した光を放出する背面発光型の場合、100%に近い開口率を確保できる。特に、有機TFTの場合、その電荷のモビリティー(移動度)が低いため、オンカレントレベルを高めるために有機TFTのサイズが大きいものが良く、したがって、有機EL素子と同一平面に前記有機TFTを備える場合、開口率が低下するという問題点があったところ、本発明のように有機EL素子の上部に有機TFTを備えれば、前記有機TFTのサイズを大きくしても、開口率が低下するという問題点が発生しない。
【0070】
また、前述したように、第1電極412及び第2電極413を備え、その上部にp型有機半導体層480、ゲート絶縁膜483及び第1ゲート電極411が備えられる、いわば、スタガード型の有機TFT410を備えることによって、前記第1有機TFT410の前記第2電極413と前記有機EL素子460の画素電極462とを容易に連結できる。すなわち、前記有機EL素子460と前記第1有機TFT410との間に備えられた保護膜485に第1コンタクトホール485aを備えて、前記第2電極413と前記有機EL素子460の前記画素電極462とを容易に連結できる。
【0071】
図9を参照して、前記第1有機TFT410と前記有機EL素子460に連結される第2有機TFT450及びストレージキャパシタ440の構造について簡略に説明する。
【0072】
図9に示されたように、第2有機TFT450の構造は、前述した第1有機TFT410の構造と同じである。
【0073】
ストレージキャパシタ440は、前記第1有機TFT410の第1電極412と連結される第1キャパシタ電極441、そして前記第1キャパシタ電極441に対向配置され、前記第2有機TFT450の第4電極453、及び前記第1有機TFT410の第1ゲート電極411と連結された第2キャパシタ電極442で備えられる。前記第1キャパシタ電極441は、前記第1電極412と一体に形成され、前記第2キャパシタ電極442は、前記第1ゲート電極411と一体に形成されうる。
【0074】
前記第1キャパシタ電極441と前記第2キャパシタ電極442との間には、p型有機半導体層480とゲート絶縁膜483が位置し、前記p型有機半導体層480とゲート絶縁膜483とが誘電体の役割を行う。そして、前記第2キャパシタ電極442は、前記p型有機半導体層480とゲート絶縁膜483に形成された第2コンタクトホール483aとを通じて、前記第2有機TFT450の第4電極453に連結される。
【0075】
前述したような構造を有するストレージキャパシタ440は、画素電極462への電流を維持するか、または駆動速度を向上させる機能を行う。
【0076】
図10は、前記実施形態による有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部を図7のQ1ないしQ5に沿って、第1有機TFT410、ストレージキャパシタ440及び第2有機TFT450を概略的に示す断面図である。
【0077】
図10を参照すれば、第1有機TFT410の第1電極412及び第2電極413と、ストレージキャパシタ440の第1キャパシタ電極441と、第2有機TFT450の第3電極452及び第4電極453とは、同一平面に備えられている。そして、前記第1有機TFT410の第1ゲート電極411と、前記ストレージキャパシタ440の第2キャパシタ電極442と、前記第2有機TFT450の第2ゲート電極451とは、同一平面に備えられている。
【0078】
第1有機TFT410とストレージキャパシタ440、及び第2有機TFT450に、前述したような構造を備えさせることによって、有機TFTで備えられるスイッチングトランジスタとドライビングトランジスタ、及びストレージキャパシタを備える能動駆動型の有機ELディスプレイ装置のアレイを容易に具現できる。また、図10に示されたように、前記有機TFT及びストレージキャパシタの下部に有機EL素子460を備えさせることによって、基板481を通じて前記有機EL素子460から発生した光を放出する背面発光型の場合、100%の開口率を確保できる。
【0079】
後者において、前記有機TFTを備える工程は、低温工程であるので、その下部の有機EL素子460及び基板481に影響を与えない有機ELディスプレイ装置を具現できる。この場合、前述したように、前記有機EL素子460を構成する対向電極461は、透過型電極となり、画素電極462は、反射型電極で備えられうる。
【0080】
図11は、本発明の望ましい第2実施形態による有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部を概略的に示す断面図である。
【0081】
図11を参照すれば、基板481上に対向電極461、少なくとも発光層を含む中間層487及び画素電極462で備えられる有機EL素子が備えられ、その上部に、二つのスタガード型のp型有機TFT410,450及びストレージキャパシタ440が備えられ、前記p型有機TFT410,450のうち、第1有機TFT410の第2電極413が前記有機EL素子の画素電極462と連結されたことは、前述した第1実施形態と同じである。
【0082】
本実施形態と前述した第1実施形態との差異点は、前記対向電極461上に画素定義膜486が備えられているという点である。すなわち、本実施形態において、有機EL素子で備えられるそれぞれの副画素は、画素定義膜486によって区分される。
【0083】
画素定義膜486は、図11に示されたように、前記対向電極461上に各副画素の間に備えられて発光領域を定義する役割以外に、各副画素別に備えられる前記画素電極462のエッジと前記対向電極461との間隔を広めて、前記画素電極462のエッジ部分で前記発光層を含む中間層487が切れるか、または電界が集中する現象を防止することによって、前記対向電極461と前記画素電極462の短絡を防止する役割を行う。
【0084】
図12は、本発明の望ましい第3実施形態による有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部の一部を概略的に示す平面図である。
【0085】
前述したように、有機ELディスプレイ装置は、発光層での発光色相によって多様な画素パターンを備えるが、例えば、赤色、緑色及び青色の副画素を含む画素を備える。すなわち、前記有機EL素子は、電流駆動方式の発光素子であって、前記素子を構成する両電極間の電流のフローによって、赤色、緑色または青色の光を発光して所定の画像を具現できるが、前記色の光は、前記有機EL素子の中間層に備えられた発光層を、図12に示されたように、前記赤色491、緑色492または青色493の光を放出する発光層にすることによって発生させることができる。もちろん、本発明に適用される前記放出光の色相別副画素の配列順序及びその配列位置は、図12に示されたところに限定されず、ストライプ配列、モザイク配列またはデルタ配列となることもある。また、各副画素部内の有機TFT410,450及びストレージキャパシタ440の配列も、図12に示されたところに限定されない。
【0086】
前記発光層が赤色の光を放出させる場合には、ポリ(1,4−フェニレンビニレン)誘導体、ナイルレッド、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(ジュロリジン−4−イル−ビニル)−4H−ピラン(DCM2)、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H、23H−ポルフィンプラチヌム(II)(PEOEP)、4−(ジシアノメチレン)−2−tertブチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)−4H−ピランを利用して、前記赤色の発光層を備える副画素491を形成でき、前記発光層に緑色の光を放出させる場合には、10−(2−ベンゾチアゾリル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1,1,7,7−テトラメチル−1H,5H,11H−[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン(C545T)、トリ(8−ヒドロキシキノラト)アルミニウム(Alq3)、トリス(2−(2−ピリジルフェニル−C,N))イリジウム(II)(Ir)ppyを利用して、前記緑色の発光層を備える副画素492を形成でき、前記発光層に青色の光を放出させる場合には、フルオレン系高分子、スピロフルオレン系高分子、ジカルバゾールスチルベン(DCS)(別名、“ビス[カルバゾール−(9)]−スチルベン”という)のようなカルバゾール系低分子、4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルエテン−1−イル)ビフェニル(DPBVi)、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N−ビス(フェニル)ベンジジン(α−NPD)を利用して、前記青色の発光層を備える副画素493を形成できる。
【0087】
図13は、本発明の望ましい第4実施形態による有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部を概略的に示す断面図である。
【0088】
図13を参照すれば、基板481上に対向電極461、少なくとも発光層を含む中間層487及び画素電極462で備えられる有機EL素子が備えられ、その上部に、二つのスタガード型のp型有機TFT410,450及びストレージキャパシタ440が備えられ、前記p型有機TFT410,450のうち、第1有機TFT410の第2電極413が前記有機EL素子の画素電極462と連結されているのは、前述した実施形態と同じである。
【0089】
本実施形態による有機ELディスプレイ装置と前述した第3実施形態による有機ELディスプレイ装置との差異点は、前記基板481と前記対向電極461との間にカラーフィルタ495が備えられているという点である。
【0090】
すなわち、前述した第3実施形態による有機ELディスプレイ装置は、前記有機EL素子の中間層487に備えられた発光層を赤色、緑色または青色を放出する物質で形成することによって、前記放出光を利用してフルカラー画像を具現するが、本実施形態による有機ELディスプレイ装置は、前記発光層が白色発光層で形成されており、前記発光層から放出される白色光を前記カラーフィルタ495を通じてそれぞれ赤色、緑色または青色の光のみを放出させて、所定のフルカラー画像を具現する。このとき、前記白色光は、全ての可視光線領域の波長を含む白色光でもありうるが、赤色、緑色または青色に該当する波長でピークのあるスペクトルを有する白色光でもありうる。
【0091】
図14は、本発明の望ましい第5実施形態による有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部を概略的に示す断面図である。
【0092】
図14を参照すれば、基板481上に対向電極461、少なくとも発光層を含む中間層487及び画素電極462で備えられる有機EL素子が備えられ、その上部に、二つのスタガード型のp型有機TFT410,450及びストレージキャパシタ440が備えられ、前記p型有機TFT410,450のうち、第1有機TFT410の第2電極413が前記有機EL素子の画素電極462と連結されているのは、前述した実施形態等と同じである。
【0093】
本実施形態と前述した第3実施形態による有機ELディスプレイ装置及び第4実施形態による有機ELディスプレイ装置との差異点は、前記基板481と前記対向電極461との間に色変換層496が備えられているという点である。
【0094】
すなわち、前述した第3実施形態による有機ELディスプレイ装置は、前記有機EL素子の中間層487に備えられた発光層を赤色、緑色または青色を放出する物質で形成することによって、前記放出光を利用してフルカラー画像を具現し、前述した第4実施形態による有機ELディスプレイ装置は、前記発光層が白色発光層で形成されており、前記発光層から放出される白色光をカラーフィルタを通じて赤色、緑色または青色の光のみを放出させて、所定のフルカラー画像を具現するが、本実施形態による有機ELディスプレイ装置は、前記発光層が青色発光層で形成されており、前記発光層から放出される青色光を色変換層496を通じて赤色、緑色または青色の光として放出させて、所定のフルカラー画像を具現する。
【0095】
図15ないし図18は、本発明による有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の製造工程を概略的に示す断面図である。
【0096】
図15を参照すれば、まず基板481上に前記基板481の全面にわたってまたは各副画素別に対向電極461を形成し、前記対向電極461の上部に少なくとも発光層を含む中間層487をインクジェットプリンティングやスピンコーティング、または熱転写法を利用して形成した後、前記中間層487の上部に各副画素別に画素電極462を形成する。そして、前記画素電極462上に保護膜485を形成した後、前記保護膜485に各副画素別に前記画素電極462の一部が露出される第1コンタクトホール485aを形成する。前記第1コンタクトホール485aは、レーザ切除法(LAT:Laser Ablation Technique)、すなわち、レーザを利用して形成できる。
【0097】
前記のような工程を経た後、図16に示されたように、前記第1コンタクトホール485aを通じて前記画素電極462に連結される第2電極413と、互いに一体に形成される第1電極412及び第1キャパシタ電極441と、第4電極453と、第3電極452と、を形成する。前記第2電極413、前記第1電極412、前記第1キャパシタ電極441、前記第4電極453、及び前記第3電極452は、シャドウマスクを利用して蒸着を通じてパターニングがなされると同時に形成させることができ、それ以外にも、インクジェットプリンティング法を利用してパターニングがなされると同時に形成させることもある。
【0098】
前記のように、第2電極413、第1電極412、第1キャパシタ電極441、第4電極453及び第3電極452を形成した後、図17に示されたように、前記電極を覆いつつ、前記基板481の全面に備えられるp型有機半導体層480を真空蒸着法または熱蒸発法を利用して形成し、前記p型有機半導体層480上に前記基板481の全面に備えられるゲート絶縁膜483をスピンコーティング法を利用して形成し、その後、前記第4電極453が露出されるように、前記p型有機半導体層480及び前記ゲート絶縁膜483内に第2コンタクトホール483aを形成する。前記第2コンタクトホール483aも、前述したレーザ切除法(LAT)を利用して形成できる。
【0099】
前記のような段階を経た後、前記ゲート絶縁膜483の上部に備えられる第1ゲート電極411及び第2ゲート電極451と、前記第2コンタクトホール483aを通じて前記第4電極453に連結され、前記第1キャパシタ電極441の上部に備えられる第2キャパシタ電極442を、シャドウマスクを利用した蒸着やインクジェットプリンティング法を利用してパターニングがなされると同時に形成させることによって、図18に示されたように、p型有機TFT及びストレージキャパシタを備えた有機ELディスプレイ装置を製作できる。もちろん、前記のように製造された有機EL素子及び有機TFTの上部に密封部材及び前面基板が備えられることもある。
【0100】
前述したような段階を経て、p型有機TFT及びストレージキャパシタを備えた有機EL素子のアレイを容易に製作することによって、前記のようなp型有機TFT及びストレージキャパシタを備えた有機ELディスプレイ装置の量産が可能である。特に、前記有機EL素子460を形成した以後の後続工程は、何れも蒸着やスピンコーティングでなされるので、前記のような工程を通じたp型有機TFT及びストレージキャパシタを備えた有機ELディスプレイ装置の量産が可能である。すなわち、前記有機EL素子の上部に備えられる有機TFTの場合、金属電極は、シャドウマスクを利用した蒸着でパターニングして形成される。p型有機半導体層480は、スピンコーティングや蒸着で形成し、ゲート絶縁膜483は、有機物を利用してスピンコーティング法で形成することができるので、その下部の有機EL素子に損傷を与えずにも、前記のような構造の有機ELディスプレイ装置を製造できる。
【0101】
一方、前記のような製造工程において、前記対向電極461を形成する段階と前記中間層487を形成する段階との間に、画素定義膜を形成する段階をさらに含むこともある。この場合には、前記対向電極461を形成した後前記対向電極461上に画素定義膜の材料を前記基板481の全面に塗布し、これをフォトリソグラフィ法でパターニングした後に焼成することによって形成することができる。この場合、有機膜で形成される構成要素は、まだ形成される前であるので、前記のような方法で画素定義膜を形成できる。
【0102】
そして、前記中間層487に含まれた発光層が赤色、緑色または青色を発光しない白色光を放出する発光層で形成し、前記対向電極461を形成する段階前に、前記基板481上に前記発光層から放出された白色光を赤色、緑色または青色光にフィルタリングするカラーフィルタを形成する段階をさらに有することができる。また、これと違って、前記発光層は、青色光を放出する発光層であり、前記対向電極461を形成する段階前に、前記基板481上に前記発光層から放出された青色光を赤色、緑色または青色光に変換させる色変換層を形成する段階をさらに有することもある。
【0103】
本発明は、図面に示された実施形態を参考として説明されたが、これは、例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であることが分かる。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決定されねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明は、p型有機TFTを有機EL素子の上部に備えて、約100%の開口率を有させ、アレイに具現し易い能動駆動型の有機ELディスプレイ装置を提供することによって、消費電力が減少し、寿命が延長した有機EL素子及びそれを利用したディスプレイ装置分野に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】従来の能動駆動型のELディスプレイ装置の副画素部を概略的に示す平面図である。
【図2】図1の能動駆動型のELディスプレイ装置の副画素部を図1のP1ないしP7に沿って概略的に示す断面図である。
【図3】従来の有機TFTを備えた有機ELディスプレイ装置を概略的に示す断面図である。
【図4】従来の有機TFTを備えた有機ELディスプレイ装置を概略的に示す断面図である。
【図5】本発明の望ましい一実施形態によるp型有機TFTを備えた能動駆動型のELディスプレイ装置の回路を概略的に示す回路図である。
【図6】図5のA部分を示す回路図である。
【図7】前記実施形態によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部を概略的に示す平面図である。
【図8】前記実施形態によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部を図7のQ5及びQ6に沿って概略的に示す断面図である。
【図9】前記実施形態によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部を図7のQ1ないしQ3に沿って概略的に示す断面図である。
【図10】前記実施形態によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部を図7のQ1ないしQ5に沿って概略的に示す断面図である。
【図11】本発明の望ましいさらに他の一実施形態によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部を概略的に示す断面図である。
【図12】本発明の望ましいさらに他の一実施形態によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部の一部を概略的に示す平面図である。
【図13】本発明の望ましいさらに他の一実施形態によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部を概略的に示す断面図である。
【図14】本発明の望ましいさらに他の一実施形態によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の副画素部を概略的に示す断面図である。
【図15】本発明によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の製造工程を概略的に示す断面図である。
【図16】本発明によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の製造工程を概略的に示す断面図である。
【図17】本発明によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の製造工程を概略的に示す断面図である。
【図18】本発明によるp型有機TFTを備えた能動駆動型の有機ELディスプレイ装置の製造工程を概略的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0106】
410…第1有機TFT、
411…第1ゲート電極、
412…第1電極、
413…第2電極、
440…ストレージキャパシタ、
441…第1キャパシタ電極、
442…第2キャパシタ電極、
450…第2有機TFT、
451…第2ゲート電極、
452…第3電極、
453…第4電極、
461…対向電極、
462…画素電極、
480…p型有機半導体層、
481…基板、
483…ゲート絶縁膜、
483a…第2コンタクトホール、
485…保護膜、
485a…第1コンタクトホール、
486…画素定義膜、
487…中間層、
491…赤色発光副画素、
492…緑色発光副画素、
493…青色発光副画素、
495…カラーフィルタ、
496…色変換層。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向電極と、
前記対向電極上に備えられた、少なくとも発光層を含む中間層と、
前記中間層上に備えられた画素電極と、
前記画素電極の上部に備えられ、前記画素電極と絶縁される第1電極と、
前記画素電極の上部に備えられ、前記画素電極と連結される第2電極と、
前記第1電極及び前記第2電極と接触するp型有機半導体層と、
前記p型有機半導体層の上部に備えられ、前記第1電極、前記第2電極及び前記p型有機半導体層と絶縁された第1ゲート電極と、を含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置。
【請求項2】
前記画素電極上に保護膜が備えられ、前記保護膜上に前記第1電極及び前記第2電極が備えられ、前記第2電極は、前記保護膜に備えられたコンタクトホールを通じて前記画素電極と連結されることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置。
【請求項3】
前記p型有機半導体層上にゲート絶縁膜が備えられ、前記ゲート絶縁膜上に前記第1ゲート電極が備えられることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置。
【請求項4】
前記ゲート絶縁膜は、有機物であることを特徴とする請求項3に記載の有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置。
【請求項5】
前記第1電極と連結される第1キャパシタ電極、前記第1キャパシタ電極に対向配置され、前記第1ゲート電極と連結された第2キャパシタ電極を備えるキャパシタと、
前記第2キャパシタ電極に連結される第4電極と、
前記第4電極に接触する有機半導体層と、
前記有機半導体層に接触する第3電極と、
前記第4電極、前記第3電極及び前記有機半導体層と絶縁された第2ゲート電極と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置。
【請求項6】
前記第2電極、前記第1電極、前記第1キャパシタ電極、前記第4電極及び前記第3電極は、同一平面に備えられ、
前記第1ゲート電極、前記第2キャパシタ電極及び前記第2ゲート電極は、同一平面に備えられることを特徴とする請求項5に記載の有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置。
【請求項7】
前記対向電極は、透明電極であり、前記画素電極は反射型電極であることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置。
【請求項8】
前記対向電極上に画素定義膜が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置。
【請求項9】
前記中間層に含まれた発光層は、赤色、緑色または青色光を放出する発光層であることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置。
【請求項10】
前記発光層は、白色光を放出する発光層であり、前記対向電極と前記発光層とを含む中間層の間に、前記発光層から放出された白色光を赤色、緑色または青色光にフィルタリングするカラーフィルタがさらに備えられたことを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置。
【請求項11】
前記発光層は、青色光を放出する発光層であり、前記対向電極と前記発光層とを含む中間層の間に、前記発光層から放出された青色光を赤色、緑色または青色光に変換させる色変換層がさらに備えられたことを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置。
【請求項12】
基板の全面にまたは所定のパターンで対向電極を形成する段階と、
前記対向電極上に少なくとも発光層を含む中間層を形成する段階と、
前記中間層上に所定パターンの画素電極を形成する段階と、
前記画素電極を覆いつつ前記基板の全面に保護膜を形成する段階と、
前記保護膜に前記画素電極が露出されるように第1コンタクトホールを形成する段階と、
前記保護膜上に、前記第1コンタクトホールを通じて前記画素電極に連結される第2電極と、一体に形成される第1電極及び第1キャパシタ電極と、第4電極と、第3電極と、を形成する段階と、
前記電極を覆いつつ、前記基板の全面に備えられるp型有機半導体層を形成する段階と、
前記p型有機半導体層上に前記基板の全面に備えられるゲート絶縁膜を形成する段階と、
前記第4電極が露出されるように、前記p型有機半導体層及び前記ゲート絶縁膜内に第2コンタクトホールを形成する段階と、
前記ゲート絶縁膜上に、第1ゲート電極と、前記第2コンタクトホールを通じて前記第4電極に連結され、前記第1キャパシタ電極の上部に備えられる第2キャパシタ電極と、第2ゲート電極と、を形成する段階と、を含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項13】
前記対向電極を形成する段階と前記中間層を形成する段階との間に、画素定義膜を備える段階をさらに形成することを特徴とする請求項12に記載の有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項14】
前記発光層は、白色光を放出する発光層であり、
前記対向電極を形成する段階以前に、前記基板上に前記発光層から放出された白色光を赤色、緑色または青色光にフィルタリングするカラーフィルタを形成する段階をさらに有することを特徴とする請求項12に記載の有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項15】
前記発光層は、青色光を放出する発光層であり、
前記対向電極を形成する段階以前に、前記基板上に前記発光層から放出された青色光を赤色、緑色または青色光に変換させる色変換層を形成する段階をさらに有することを特徴とする請求項12に記載の有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項1】
対向電極と、
前記対向電極上に備えられた、少なくとも発光層を含む中間層と、
前記中間層上に備えられた画素電極と、
前記画素電極の上部に備えられ、前記画素電極と絶縁される第1電極と、
前記画素電極の上部に備えられ、前記画素電極と連結される第2電極と、
前記第1電極及び前記第2電極と接触するp型有機半導体層と、
前記p型有機半導体層の上部に備えられ、前記第1電極、前記第2電極及び前記p型有機半導体層と絶縁された第1ゲート電極と、を含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置。
【請求項2】
前記画素電極上に保護膜が備えられ、前記保護膜上に前記第1電極及び前記第2電極が備えられ、前記第2電極は、前記保護膜に備えられたコンタクトホールを通じて前記画素電極と連結されることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置。
【請求項3】
前記p型有機半導体層上にゲート絶縁膜が備えられ、前記ゲート絶縁膜上に前記第1ゲート電極が備えられることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置。
【請求項4】
前記ゲート絶縁膜は、有機物であることを特徴とする請求項3に記載の有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置。
【請求項5】
前記第1電極と連結される第1キャパシタ電極、前記第1キャパシタ電極に対向配置され、前記第1ゲート電極と連結された第2キャパシタ電極を備えるキャパシタと、
前記第2キャパシタ電極に連結される第4電極と、
前記第4電極に接触する有機半導体層と、
前記有機半導体層に接触する第3電極と、
前記第4電極、前記第3電極及び前記有機半導体層と絶縁された第2ゲート電極と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置。
【請求項6】
前記第2電極、前記第1電極、前記第1キャパシタ電極、前記第4電極及び前記第3電極は、同一平面に備えられ、
前記第1ゲート電極、前記第2キャパシタ電極及び前記第2ゲート電極は、同一平面に備えられることを特徴とする請求項5に記載の有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置。
【請求項7】
前記対向電極は、透明電極であり、前記画素電極は反射型電極であることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置。
【請求項8】
前記対向電極上に画素定義膜が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置。
【請求項9】
前記中間層に含まれた発光層は、赤色、緑色または青色光を放出する発光層であることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置。
【請求項10】
前記発光層は、白色光を放出する発光層であり、前記対向電極と前記発光層とを含む中間層の間に、前記発光層から放出された白色光を赤色、緑色または青色光にフィルタリングするカラーフィルタがさらに備えられたことを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置。
【請求項11】
前記発光層は、青色光を放出する発光層であり、前記対向電極と前記発光層とを含む中間層の間に、前記発光層から放出された青色光を赤色、緑色または青色光に変換させる色変換層がさらに備えられたことを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置。
【請求項12】
基板の全面にまたは所定のパターンで対向電極を形成する段階と、
前記対向電極上に少なくとも発光層を含む中間層を形成する段階と、
前記中間層上に所定パターンの画素電極を形成する段階と、
前記画素電極を覆いつつ前記基板の全面に保護膜を形成する段階と、
前記保護膜に前記画素電極が露出されるように第1コンタクトホールを形成する段階と、
前記保護膜上に、前記第1コンタクトホールを通じて前記画素電極に連結される第2電極と、一体に形成される第1電極及び第1キャパシタ電極と、第4電極と、第3電極と、を形成する段階と、
前記電極を覆いつつ、前記基板の全面に備えられるp型有機半導体層を形成する段階と、
前記p型有機半導体層上に前記基板の全面に備えられるゲート絶縁膜を形成する段階と、
前記第4電極が露出されるように、前記p型有機半導体層及び前記ゲート絶縁膜内に第2コンタクトホールを形成する段階と、
前記ゲート絶縁膜上に、第1ゲート電極と、前記第2コンタクトホールを通じて前記第4電極に連結され、前記第1キャパシタ電極の上部に備えられる第2キャパシタ電極と、第2ゲート電極と、を形成する段階と、を含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項13】
前記対向電極を形成する段階と前記中間層を形成する段階との間に、画素定義膜を備える段階をさらに形成することを特徴とする請求項12に記載の有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項14】
前記発光層は、白色光を放出する発光層であり、
前記対向電極を形成する段階以前に、前記基板上に前記発光層から放出された白色光を赤色、緑色または青色光にフィルタリングするカラーフィルタを形成する段階をさらに有することを特徴とする請求項12に記載の有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置の製造方法。
【請求項15】
前記発光層は、青色光を放出する発光層であり、
前記対向電極を形成する段階以前に、前記基板上に前記発光層から放出された青色光を赤色、緑色または青色光に変換させる色変換層を形成する段階をさらに有することを特徴とする請求項12に記載の有機薄膜トランジスタを備えた能動駆動型の有機電界発光ディスプレイ装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−13488(P2006−13488A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−176747(P2005−176747)
【出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】
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