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有機銀塩分散物の製造方法、該製造方法で得られる有機銀塩分散物および該有機銀塩分散物を含有する熱現像感光材料
説明

有機銀塩分散物の製造方法、該製造方法で得られる有機銀塩分散物および該有機銀塩分散物を含有する熱現像感光材料

【課題】 本発明の目的は、写真性能に優れた有機銀塩分散物の製造方法、該製造方法で得られる有機銀塩分散物および該有機銀塩分散物を含有する写真性能(カブリ、感度、最大濃度)に優れた熱現像感光材料を提供することにある。
【解決手段】 脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩溶液と銀イオン溶液を反応容器中に同時添加し、非感光性脂肪酸銀塩の有機銀塩分散物を製造する方法において、反応容器中の反応溶液のレイノルズ数が5000以上20000以下であることを特徴とする有機銀塩分散物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩溶液と銀イオン溶液を反応容器中に同時添加する有機銀塩分散物の製造方法、該製造方法で得られる有機銀塩分散物及び該有機銀塩分散物を含有する熱現像感光材料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から印刷製版や医療の分野では、画像形成材料の湿式処理に伴う廃液が、作業性の上で問題となっており、近年では環境保全、省スペースの観点からも処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、レーザ・イメージセッターやレーザ・イメージャにより効率的な露光が可能で、高解像度で鮮明な黒色画像を形成することができる写真技術用途の光熱写真材料に関する技術が必要とされてきた。
【0003】
このための技術として熱現像処理法を用いて写真画像を形成する熱現像感光材料(以下、感光材料ともいう)としては、例えば、D.モーガン(Morgan)による「ドライシルバー写真材料(Dry Silver Photographic Materials)」(Handbook of Imaging Materials,Marcel Dekker,Inc.第48頁、1991)等に記載の方法が良く知られている。
【0004】
ところで、上記熱現像感光材料に非感光性銀源として用いられる有機銀塩分散物は基本的に脂肪族カルボン酸を水中苛性アルカリもしくはアルカリ金属塩を加えアルカリセッケンとし、その後、該アルカリセッケンを銀セッケン(有機銀塩)に換えるため硝酸銀を加えることにより調製される(例えば、特許文献1参照)。また、濃縮効果及び均一性を高めるためアルコールを加えることもある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
アルカリセッケンは、アルカリ性のため銀セッケンは高pHで作られることになる。ところが、硝酸銀をアルカリ液中に添加することは、副生成物として酸化銀を生じさせ、さらに、意図しない銀核も生じさせることになる。このような副生成物は熱現感光材料の性能、特にかぶりを生じる点で不利である。
【0006】
このように、有機銀塩分散物の調製には注意が必要であり、有機銀塩分散物の調製時における還元物質(銀核、等)の生成を可能な限り抑制防止することが必要であるが、従来の方法ではそこまで至っていなかった。
【特許文献1】特開平12−143578号公報
【特許文献2】特開平12−7683号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、写真性能に優れた有機銀塩分散物の製造方法、該製造方法で得られる有機銀塩分散物および該有機銀塩分散物を含有する写真性能(カブリ、感度、最大濃度)に優れた熱現像感光材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
【0009】
(請求項1)
脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩溶液と銀イオン溶液を反応容器中に同時添加し、非感光性脂肪酸銀塩の有機銀塩分散物を製造する方法において、反応容器中の反応溶液のレイノルズ数が5000以上20000以下であることを特徴とする有機銀塩分散物の製造方法。
【0010】
(請求項2)
脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩溶液と銀イオン溶液を反応容器中に同時添加し、非感光性脂肪酸銀塩の有機銀塩分散物を製造する方法において、反応容器中の反応溶液の単位時間当たりの循環回数が2.5回/分以上11.5回/分以下であることを特徴とする有機銀塩分散物の製造方法。
【0011】
(請求項3)
前記反応容器中の反応溶液の温度を20℃以上60℃以下に制御することを特徴とする請求項1または2に記載の有機銀塩分散物の製造方法。
【0012】
(請求項4)
前記脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩溶液のアルカリ金属がカリウムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機銀塩分散物の製造方法。
【0013】
(請求項5)
請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機銀塩分散物の製造方法によって製造されることを特徴とする熱現像感光材料用の有機銀塩分散物。
【0014】
(請求項6)
前記有機銀塩分散物の非感光性脂肪酸銀塩の平均粒径が0.5μm以上3μm以下であることを特徴とする請求項5に記載の熱現像感光材料用の有機銀塩分散物。
【0015】
(請求項7)
支持体上に、請求項5又は6に記載の有機銀塩分散物、感光性ハロゲン化銀粒子、還元剤およびバインダーを含有する感光層を有することを特徴とする熱現像感光材料。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、写真性能に優れた有機銀塩分散物の製造方法、該製造方法で得られる有機銀塩分散物および該有機銀塩分散物を含有する写真性能(カブリ、感度、最大濃度)に優れた熱現像感光材料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0018】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】
本発明の有機銀塩分散物の製造方法は、脂肪族カルボン酸(以下、有機酸ともいう)のアルカリ金属塩溶液と銀イオン溶液を反応容器中に同時添加し、非感光性脂肪酸銀塩の有機銀塩分散物を製造する方法において、反応容器中の反応溶液のレイノルズ数が5000以上20000以下であることを一つの特徴とする。レイノルズ数は5000以上20000以下であり、55000以上12000以下であることが好ましく、6000以上10000以下であることがより好ましい。5000未満では銀塩化の反応が素早く行われず、意図しない銀核が生成して熱現像感光材料のカブリが高くなる懸念がある。また、12000を越えると攪拌部材であるモーターへの負荷が過大となる懸念、設備上のリスク等から生産には適さなくなる懸念がある。
【0020】
ここで言うレイノルズ数は以下の式によって算出できる。
Re=D2・n・ρ/μ
ここに、Re:撹拌レイノルズ数[−]
D:撹拌翼の直径[m]
n:撹拌回転数[s-1](毎秒回転数[rps])
ρ:液体の密度[kg/m3
μ:液体の粘度[kg/m・s]
である。
【0021】
また、本発明の有機銀塩分散物の製造方法は、脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩溶液と銀イオン溶液を反応容器中に同時添加し、非感光性脂肪酸銀塩の有機銀塩分散物を製造する方法において、反応容器中の反応溶液の単位時間当たりの循環回数が2.5回/分以上11.5回/分以下であることを一つの特徴とする。循環回数は2.5回/分以上11.5回/分以下であり、3.0回/分/以上7回/分以下であることが好ましく、3.5回/分以上6回/分以下であることがより好ましい。2.5回/分未満では反応液が不均一になりやすく、意図しない銀核が生成して熱現像感光材料のカブリが高くなる懸念がある。また、11.5回/分を越えると攪拌部材であるモーターへの負荷が過大となる懸念、設備上のリスク等から生産には適さなくなる懸念がある。循環回数とは、攪拌機の吐出による循環が1分間に何回かを意味している。本発明では前記レイノルズ数又は循環回数を満たす攪拌条件にすることにより、中性領域での反応を素早く行わせることができ、写真性能に優れた有機銀塩分散物を製造することができる。
【0022】
本発明に好ましく用いる脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩としては、脂肪族カルボン酸の添加前にアルカリ金属塩を先に添加することが好ましい。これは、グランド液としてアルカリ金属塩の水溶液を用いることにより、脂肪族カルボン酸の溶解度を上げるためである。なお、添加の方法としては一括添加、分割添加のどちらでも良い。
【0023】
本発明に好ましく用いるアルカリ金属塩としては水酸化カリウムが最も適している。水酸化カリウムにすることにより更に溶解度を上げることができる。なお、アルコールを使用して溶解度を上げることもできるが、生産コスト上適していない。
【0024】
更に、本発明においては、1次添加量(分割添加の最初の添加量、または一括添加の全量)を脂肪族カルボン酸のモル数に対して60モル%以上にすることが好ましい。より好ましくは80モル%以上、さらにより好ましくは90モル%以上である。これら調製方法により脂肪族カルボン酸をより素早く溶解し、均一なアルカリセッケンを短時間で調製することができる。
【0025】
本発明の好適な有機銀塩の例はResearch Disclosure第17029及び29963に記載されており、次のものがある。即ち、脂肪族カルボン酸の銀塩(例えば、没食子酸、シュウ酸、ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の銀塩);銀のカルボキシアルキルチオ尿酸塩(例えば、1−(3−カルボキシプロピル)チオ尿酸、1−(3−カルボキシプロピル)−3,3−ジメチルチオ尿酸等の銀塩);アルデヒドとヒドロキシ置換芳香族カルボン酸とのポリマー反応生成物の銀錯体(例えば、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド等)、ヒドロキシ置換芳香族カルボン酸類(例えば、サリチル酸、安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、5,5−チオジサリチル酸)とのポリマー反応生成物の銀錯体);チオン類の銀塩または錯体(例えば、3−(2−カルボキシエチル)−4−ヒドロキシメチル−4−チアゾリン−2−チオンの銀塩または錯体);イミダゾール、ピラゾール、ウラゾール、1,2,4−チアゾール及び1H−テトラゾール、3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−トリアゾール及びベンゾトリアゾールから選ばれる窒素酸と銀との錯体または塩;サッカリン、5−クロロサリチルアルドキシム等の銀塩;アラキジン酸銀、ステアリン酸銀等である。本発明においては特にベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀が好ましい。
【0026】
本発明では、脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩溶液と銀イオン溶液を反応容器中に同時添加する際、反応容器中にグランド液(純水)を入れておくことが好ましく、グランド液のpH調整として銀イオン溶液を先行添加しても良い。また、有機銀塩分散物の要求される性能、たとえば粒子サイズの制御のため反応容器を制御することが好ましい。制御する温度は好ましくは20℃以上60℃以下であり、より好ましくは20℃以上40℃以下である。20℃未満では粒子径が小さく現像反応が早くなり、熱現像感光材料として用い難くなる懸念がある。一方、60℃を越えると熟成がおきて一次粒径の分布が大きくなってしまう懸念がある。20℃以上60℃以下の温度範囲が比較的温度コントロールしやすく分布のそろった粒子を調製できて好ましい。
【0027】
有機銀塩分散物の形成に用いる装置に限定はない。特に攪拌装置は、例えばアンカー翼、パドル翼のようなバルク攪拌型、ディゾルバー、ホモジナイザー等の乳化分散型、もしくはそれらの併用のあらゆる方式が使用できる。また、脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩溶液と銀イオン溶液の添加時間も任意に選択することができる。例えば、添加速度一定で添加する方法、任意の時間関数による加速添加法あるいは減速添加法にて添加することもできる。
【0028】
本発明の非感光性脂肪酸銀の平均粒径は0.5μm以上3μm以下が好ましく、より好ましくは0.5μm以上1μm以下である。0.5μm未満では粒子径が小さく現像反応が早くなり、熱現像感光材料として用い難くなる懸念がある。一方、3μmを越えると現像反応が遅くなり、熱現像感光材料の迅速処理には不利になる懸念がある。ここで言う平均粒径とは非感光性脂肪酸銀の投影面積に相当する面積の円の直径、即ち「円相当径」を意味するものとする。
【0029】
本発明において、有機銀塩分散物の結晶は形成後に脱塩してもしなくてもよいが、脱塩を施す場合、浮上分離法、遠心分離法等、当業界で知られている方法の水洗により脱塩することができる。
【0030】
本発明の有機銀塩分散物の結晶は、分散工程の前に水分を除去するための乾燥工程を施すことができる。本発明で適用される乾燥装置に特に限定はなく、あらゆる装置を使用することができる。本発明において用いられる乾燥装置としては、真空乾燥機、凍結乾燥機、熱風加熱式箱型乾燥機、気流式乾燥機、噴霧乾燥機、流動層乾燥機等があるが、特に流動層乾燥機や気流式乾燥機が、本発明では好ましく用いられる。本発明において、乾燥は生産性、過乾燥の防止等の面から2回以上行ってもよい。
【0031】
本発明の有機銀塩分散物の分散は非感光性脂肪酸銀、分散用バインダーを必要に応じ界面活性剤などと共に予備分散した後、メディア分散機または高圧ホモジナイザーなどで分散粉砕(本分散)することが好ましい。上記予備分散にはアンカー型、プロペラ型等の一般的攪拌機や高速回転遠心放射型攪拌機(ディゾルバ)、高速回転剪断型撹拌機(ホモミキサ)を使用することができる。
【0032】
本発明において、感光性ハロゲン化銀は有機銀塩の調製中または有機銀塩の分散中、塗布の直前など、どの工程で混合しても良い。ただし、適当な攪拌部材を用いて十分な混合をする必要がある。
【0033】
(水と有機溶剤の両方に溶解するポリマー)
本発明において、水と有機溶媒の両方に溶解するポリマーとしては、天然樹脂やポリマー及びコポリマー、合成樹脂やポリマー及びコポリマーのいずれであっても良い。例えば、ゼラチン類、ゴム類等を改質して本発明の範疇に属するよう改質したものを用いる事ができる。あるいは、以下の分類に属するポリマーを、本発明に適するよう官能基を導入して用いる事が可能である。ポリ(ビニルアルコール)類、ヒドロキシエチルセルロース類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリ(ビニルピロリドン)類、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸およびアクリル酸エステル)類、ポリ(メチルメタクリル酸およびメタクリル酸エステル)類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(メタクリル酸)類、スチレン−無水マレイン酸共重合体類、スチレン−アクリロニトリル共重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体類、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(オレフィン)類、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。これらのポリマーは数種類がコポリマーとなっていても良いが、特にアクリル酸、メタクリル酸およびそれらのエステル類のモノマーを共重合したポリマーが好ましい。
【0034】
本発明における、水と有機溶剤の両方に溶解するポリマーは、同一の状態で水と有機溶媒の両方に溶解するポリマーでもよいが、pHの制御や温度の制御で水や有機溶媒に溶解させたり、不溶化したりできるものも含まれる。例えば、ノニオン活性剤では曇点の現象が良く知られているが、温度の上昇で親油性になり有機溶媒に可溶となり、温度の低下で親水性すわなち水に溶解できるような性質を有するポリマーも本発明に含まれる。完全に溶解しなくともミセルを形成し均一に乳化できれば良い。あるいは、カルボン酸のような酸性基を有するポリマーは、種類によっては解離状態では親水性となるが、pHを下げ非解離状態にする事で親油性となり溶剤に可溶にできる。逆にアミノ基を有するポリマーはpHを上げる事で親油性となり、pHを下げるとイオン化し水溶性が上昇する。本発明においては、各種のモノマーを組み合わせるため、一概にどのモノマーをどの程度用いるのが良いかは述べられないが、親水性のモノマーと疎水性のモノマーを適当な割合で組み合わせる事で所望のポリマーが得られる事は容易に理解できる。
【0035】
前記水と有機溶剤の両方に溶解するポリマーとしては、前記のごときpH等の溶解条件の調整により、或いは未調整でもよいが、水に対して少なくとも1質量%以上(25℃)の溶解度を有し、かつ、有機溶剤としてメチルエチルケトンに5質量%以上(25℃)の溶解度を有するものが好ましい。
【0036】
本発明に係る水と有機溶剤の両方に溶解するポリマーとしては、溶解性の観点から、直鎖のポリマーよりも、いわゆるブロックポリマーやクシ型(グラフト)ポリマーが適している。特にクシ型ポリマーは好ましい。クシ型ポリマーを製造する場合は、各種の手法を用いることができるが、クシ部(側鎖)に200以上の分子量の側鎖を導入できるモノマーを用いる事が望ましい。特にエチレンオキシド、プロピレンオキシドなど、ポリオキシアルキレン基含有エチレン性不飽和モノマーを用いる事が好ましい。
【0037】
ポリオキシアルキレン基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、特に、下記一般式であらわされるポリオキシアルキレン基を有しているものが好ましい。
【0038】
−(EO)l−(PO)m−(TO)n−R
(ここにおいて、Eはエチレン基を、Pはプロピレン基を表し、Tはブチレン基を表し、Rは置換基を表す。ブチレン基としてはテトラメチレン基、イソブチレン基等を含む。lは1〜300の、mは0〜60の、またnは0〜40の整数を表す。好ましくはlは1〜200の、mは0〜30の、またnは0〜20である。但し、l+m+n≧2である。)
Rで表される置換基としては、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基等を表し、アルキル基としてはメチル、エチル、プロピル、ブチル、へキシル、オクチル。ドデシル等を、またアリール基としてはフェニル、ナフチル等の基が、またヘテロ環基としては、チエニル、ピリジル等の基が挙げられる。また、これらの基はさらにハロゲン原子、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等)、アルキルチオ基(メチルチオ基、ブチルチオ基等)、アシル基(アセチル基、ベンゾイル基等)、アルカンアミド基(アセトアミド基、プロピオンアミド基等)、アリールアミド基(ベンゾイルアミド基等)等によって更に置換されていてもよい。またこれらの置換基が更にこれらの基により置換されていてもよい。
【0039】
前記一般式で表されるポリオキシアルキレン基は、これらポリオキシアルキレン基を有するエチレン性不飽和モノマーを用いることにより、ポリマー中に導入できる。これらの基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、(ポリオキシアルキレン)アクリレートおよびメタアクリレート等があり、(ポリオキシアルキレン)アクリレート及びメタクリレートは、市販のヒドロキシポリ(オキシアルキレン)材料、例えば商品名“プルロニック”[Pluronic(旭電化工業(株)製)]、アデカポリエーテル(旭電化工業(株)製)、カルボワックス[Carbowax(グリコ・プロダクス)]、トリトン[Toriton(ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas製))]およびP.E.G(第一工業製薬(株)製)として販売されているものを公知の方法でアクリル酸、メタクリル酸、アクリルクロリド、メタクリルクロリドまたは無水アクリル酸等と反応させることによって製造できる。別に、公知の方法で製造したポリ(オキシアルキレン)ジアクリレート等を用いることもできる。
【0040】
また、市販品のモノマーとしては、日本油脂株式会社製の水酸基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしてブレンマーPE−90、ブレンマーPE−200、ブレンマーPE−350、ブレンマーAE−90、ブレンマーAE−200、ブレンマーAE−400、ブレンマーPP−1000、ブレンマーPP−500、ブレンマーPP−800、ブレンマーAP−150、ブレンマーAP−400、ブレンマーAP−550、ブレンマーAP−800、ブレンマー50PEP−300、ブレンマー70PEP−350B、ブレンマーAEPシリーズ、ブレンマー55PET−400、ブレンマー30PET−800、ブレンマー55PET−800、ブレンマーAETシリーズ、ブレンマー30PPT−800、ブレンマー50PPT−800、ブレンマー70PPT−800、ブレンマーAPTシリーズ、ブレンマー10PPB−500B、ブレンマー10APB−500Bなどが挙げられる。同様に日本油脂株式会社製のアルキル末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしてブレンマーPME−100、ブレンマーPME−200、ブレンマーPME−400、ブレンマーPME−1000、ブレンマーPME−4000、ブレンマーAME−400、ブレンマー50POEP−800B、ブレンマー50AOEP−800B、ブレンマーPLE−200、ブレンマーALE−200、ブレンマーALE−800、ブレンマーPSE−400、ブレンマーPSE−1300、ブレンマーASEPシリーズ、ブレンマーPKEPシリーズ、ブレンマーAKEPシリーズ、ブレンマーANE−300、ブレンマーANE−1300、ブレンマーPNEPシリーズ、ブレンマーPNPEシリーズ、ブレンマー43ANEP−500、ブレンマー70ANEP−550など、また共栄社化学株式会社製ライトエステルMC、ライトエステル130MA、ライトエステル041MA、ライトアクリレートBO−A、ライトアクリレートEC−A、ライトアクリレートMTG−A、ライトアクリレート130A、ライトアクリレートDPM−A、ライトアクリレートP−200A、ライトアクリレートNP−4EA、ライトアクリレートNP−8EAなどが挙げられる。
【0041】
本発明においては、いわゆるマクロマーを使用したグラフトポリマーを用いる事もできる。たとえば“新高分子実験学2、高分子の合成・反応”高分子学会編、共立出版(株)1995に記載されている。また山下雄也著“マクロモノマーの化学と工業”アイピーシー、1989にも詳しく記載されている。マクロマーのうち有用な分子量は1万〜10万の範囲、好ましい範囲は1万〜5万、特に好ましい範囲は1万〜2万の範囲である。分子量が1万以下では効果を発揮できず、また10万以上では主鎖を形成する共重合モノマーとの重合性が悪くなる。具体的には、東亞合成株式会社製AA−6、AS−6S、AN−6S等をもちいることができる。
【0042】
尚、本発明が上記具体例によって、何等限定されるものでないことは勿論である。ポリオキシアルキレン基含有エチレン性不飽和モノマーは、1種類だけを用いても構わないし、2種類以上を同時に用いても構わない。
【0043】
上記のモノマーと具体的に反応させる他のモノマーとしては、以下の単量体を挙げることができる。
【0044】
アクリル酸エステル類:アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、クロルエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等、
メタクリル酸エステル類:メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、クロルエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メトキシベンジルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等、
アクリルアミド類:アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜3のもの、例えばメチル基、エチル基、プロピル基)、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミドなど。また、アルキルオキシアクリルアミドとして、メトキシメチルアクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド等、
メタクリルアミド類:メタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルメタクリルアミド、メトキシメチルメタアクリルアミド、ブトキシメチルメタアクリルアミド等、
アリル化合物:アリルエステル類(例えば酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリルなど)、アリルオキシエタノールなど、
ビニルエーテル類:アルキルビニルエーテル(例えばヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテルなど)、
ビニルエステル類:ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレートなど、
イタコン酸ジアルキル類:イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなど。フマール酸のジアルキルエステル類又はモノアルキルエステル類:ジブチルフマレートなどその他、クロトン酸、イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリル、スチレンなどが挙げられる。
【0045】
アミド基やC4−C22の直鎖ないし分岐アルキル基、芳香族基、ないし5員環以上の複素環基を導入する場合は、上記のモノマーあるいは、その他のモノマーの中でこれらの官能基を含有するモノマーを選択すればよい。例えば、5員環以上の複素環基の導入には、1−ビニルイミダゾールやその誘導体を用いる事ができる。さらに、あらかじめポリマー中にイソシアネートやエポキシ基を導入しておき、それらを直鎖ないし分岐アルキル基、芳香族基、ないし5員環以上の複素環基を含有するアルコール類や、アミン類と反応させる事で、ポリマー中に各種の官能基を導入しても良い。イソシアネートやエポキシを導入するには、カレンズMOI(昭和電工製)やブレンマーG(日本油脂製)を用いる事ができる。ウレタン結合を導入する事も本発明においては好ましい。
【0046】
本発明ではポリマーの等電点がpH6以下である事が好ましい。等電点が高いポリマーを用いると、後述するように、凝集沈殿法により、ハロゲン化銀粒子の脱塩を行う時、ハロゲン化銀粒子の分解を促進し、写真性能に悪影響を与えるからである。また、溶剤中にハロゲン化銀微粒子を分散する時にもpHを上げないと分散させにくく、カブリの観点から好ましくない。ポリマーの等電点の測定は、例えば等電点電気泳動法や、1%水溶液をカチオン及びアニオン交換樹脂の混床カラムに通したあとのpHを測定することで測定することができる。
【0047】
ポリマーの等電点を下げるため、各種の酸性基を導入することができる。例としては、カルボン酸やスルホン酸基が挙げられる。カルボン酸の導入には、アクリル酸、メタクリル酸のモノマーを用いるほか、メタクリル酸メチルなどを含有するポリマーを、一部加水分解して得る事も可能である。スルホン酸基の導入には、スチレンスルホン酸や2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸をモノマーとして用いるほか、各種硫酸化の手法でポリマー作製後に導入する事もできる。特にカルボン酸を用いると、未中和の状態で溶剤に対する溶解性が比較的高く、中和ないし半中和にする事で水溶性に性質を変えることができ特に好ましい。中和はナトリウムやカリウム塩で行う事もでき、アンモニアやモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなど有機塩としても良い。イミダゾール類やトリアゾール類、アミドアミン類を用いる事もできる。
【0048】
重合は、溶剤の存在下又は非存在下のいずれでも実施できるが、作業性の点から溶剤存在下の場合の方が好ましい。溶剤としては、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、iso−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル類、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−オキシプロピオン酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル等のモノカルボン酸エステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の極性溶剤、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、エチルセロソルブアセテート等のエーテル類、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコール類及びそのエステル類、1,1,1−トリクロルエタン、クロロホルム等のハロゲン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類、更にパーフロロオクタン、パーフロロトリ−n−ブチルアミン等のフッ素化イナートリキッド類等が挙げられ、これらのいずれも使用できる。
【0049】
各モノマーの重合性に応じ、反応容器にモノマーと開始剤を滴下しながら重合する滴下重合法なども、均一な組成のポリマーを得るために有効である。カラム濾過、再沈精製、溶剤抽出、などによって除去することで、未反応モノマーを除去することができる。あるいは、低沸点の未反応モノマーはストリッピングにより除去することが可能である。
【0050】
溶剤の存在下以外で、乳化重合や懸濁重合で得られたポリマー分散液を用いることもできる。これらのポリマー作製法については、例えば「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」に記載されている。
【0051】
ポリマーの分子量は、重量平均分子量、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定値のポリスチレン換算値で10,000〜100,000が好ましく、10,000〜50,000がより好ましい。分子量が10,000以下であると、ハロゲン化銀粒子に対する保護コロイド作用が不充分であり分散能が十分に得られず、ハロゲン化銀の微粒化ができない。また分子量が大きすぎる場合は、分散液の粘度が高くなりすぎたり、ハロゲン化銀粒子の凝集を起こす場合があるからである。
【0052】
本発明の合成ポリマーがアクリル系ポリマーである場合には、通常のラジカル重合のほか、イオン重合、リビング重合法など各種の手法を用いる事ができる。例えば「季刊化学総説 18 精密重合(日本化学会編 企画・編集担当者;清水剛夫・井上祥平・城田靖彦・柘植 新・東村敏延)」などを参考にする事ができる。重合開始剤や触媒には、公知のすべての材料を適用することが可能である。
【0053】
(ハロゲン化銀乳剤)
次に、本発明に係わる前記のポリマーを保護コロイドして用いた感光性ハロゲン化銀粒子を含有するハロゲン化銀乳剤について説明する。
【0054】
本発明の熱現像感光材料においては、ハロゲン化銀乳剤は、平均粒径が0.005μm以上、0.1μm以下である。好ましくは、0.005μm以上、0.08μm以下である。ここでいう平均粒径とは、ハロゲン化銀粒子が立方体や八面体のいわゆる正常晶である場合、その他正常晶でない場合、例えば球状粒子、棒状粒子等の場合には、ハロゲン化銀粒子の体積と同等な球を考えたときの直径、いわゆる球相当径をいう。なお、ハロゲン化銀粒子が平板状粒子である場合には主表面の投影面積と同面積の円像に換算したときの直径をいう。電子顕微鏡を用い1000個の粒子の平均から求める。
【0055】
また、粒径の分布を表す変動係数の最適の値としては、0%以上〜30%以下であり、好ましくは、0%以上〜20%以下である。ここで粒径の変動係数とは、粒径のバラツキの程度を表し、電子顕微鏡を用い1000個の粒子について測定した各粒子の投影面積の円換算直径の標準偏差を平均粒径で割った値のパーセント表示値である。
【0056】
本発明においては、ゼラチンを用いてハロゲン化銀乳剤を調製する際には、ゲル化し溶液の流動性がなくなるために調製が不可能な低温においても(例えば10℃以下)、ハロゲン化銀乳剤の調製が可能な点にあり、これにより、オストワルド熟成等を抑えることが出来、従来以上に微少な粒径を有する粒径分布が小さいハロゲン化銀粒子の作製が可能である。
【0057】
感光性ハロゲン化銀の添加量は、熱現像材料1m2当たりの塗布銀量で、0.01〜1.0g/m2であることが好ましく、0.01〜0.4g/m2であることが更に好ましく、0.01〜0.2g/m2であることが最も好ましい。
【0058】
感光性ハロゲン化銀の粒子サイズ及び添加量を上述の好ましい条件とするには、写真性能を良好なものとし、同一銀量での濃度を向上させると共に、ヘイズ(濁度)を少なくし、画質を向上するためであり、粒子サイズが0.005μm未満では、感度の低下が著しくなると共に、単純にハロゲン化銀粒子を小粒径化しただけでは、ハロゲン化銀粒子自身がハロゲン化銀粒子の調製工程や有機銀塩との調製工程で凝集を起こし、粒径分布が著しく広がってしまい、ヘイズ(濁度)も十分に低減することができない。また、0.1μmを超えると、ヘイズ(濁度)が特に顕著となる。また、塗布銀量が0.01g/m2未満では、熱現像材料としての目的機能が不足し、十分な写真性能が得られず、1.0g/m2を超えるとヘイズ(濁度)が問題となる。
【0059】
本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀は、塩臭化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀を用いることができるが、全体のハロゲン組成としてBrが50質量%以上である事が好ましい。塩化銀が多すぎるとオストワルド熟成が進み易く、粒径の増大が起き易くなる。一方、ヨウ化銀が多すぎるとハロゲン化銀粒子の感度が低下し、ともに好ましくないからである。
【0060】
粒子内におけるハロゲン組成の分布は、均一であってもよく、ハロゲン組成がステップ状に変化したものでもよく、或いは連続的に変化したものでもよい。また、コア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子を好ましく用いることができる。構造として好ましくいものは、2〜5重のハロゲン組成からなる構造であり、より好ましくは2〜4重構造のコア/シェル粒子を用いることができる。また、塩臭化銀粒子の表面に、臭化銀やヨウ臭化銀、ヨウ化銀を局在させる技術も好ましく用いることができる。
【0061】
本発明における、熱現像感光材料においては、水と有機溶媒の両方に溶解するポリマーにより調製されたハロゲン化銀乳剤が、有機銀塩作製時から添加されていても良いが、ハロゲン化銀粒子を含有する感光性乳剤が水系の溶媒中で、水と有機溶媒の両方に溶解するポリマーを保護コロイドとして作製され、その後有機溶剤中に分散、有機銀塩と混合され
、即ち、少なくとも1つの有機銀塩、溶媒およびバインダーを含有する分散液に添加することで、銀イオン用還元剤等、必要な添加剤とともに支持体上に塗布され製造される事が好ましい。この際には、これらのハロゲン化銀乳剤は、脱塩され、水を減量することで濃縮または乾燥されていることが好ましく、それにより、有機溶剤を主体とする系においても有機銀塩と共に混合分散が可能である。
【0062】
感光性ハロゲン化銀の形成方法は、当業界公知の方法、例えば、リサーチディスクロージャー1978年6月の第17029号、及び米国特許第3,700,458号に記載されている方法を用いることができるが、公知例で用いられるゼラチンやポリマーを用いることは可能であるが、一部ないし全部を本発明のポリマーに置き換える事でこれまで知られているすべての粒子作方法および装置を利用する事ができる。
【0063】
具体的には、本発明のポリマー溶液中に銀供給化合物及びハロゲン供給化合物を添加することにより感光性ハロゲン化銀を調製する。特に銀イオン水溶液とハライド水溶液をダブルジェットで添加し粒子形成を行う方法が好ましい。
【0064】
(ハロゲン化銀、ドープ、増感、色増感)
本発明におけるハロゲン化銀粒子の形状としては、立方体、八面体、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイモ状粒子等を挙げることができるが、本発明においては、特に立方体状粒子、平板状粒子が好ましい。平板状ハロゲン化銀粒子を用いる場合の平均アスペクト比として好ましい値は、100:1〜2:1、より好ましくは50:1〜3:1である。更に、ハロゲン化銀粒子のコーナーが丸まった粒子も好ましく用いることができる。感光性ハロゲン化銀粒子の外表面の面指数(ミラー指数)については、特に制限はないが、分光増感色素が吸着した場合の分光増感効率が高い〔100〕面の占める割合が高いことが好ましい。その割合としては50%以上が好ましく、65%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましい。ミラー指数〔100〕面の比率は、増感色素の吸着における〔111〕面と〔100〕面との吸着依存性を利用したT.Tani;J.Imaging Sci.,29、165(1985年)に記載の方法により求めることができる。
【0065】
本発明においては、本発明に係るハロゲン化銀粒子にイリジウム化合物を含有せしめることができる。本発明で用いられる水溶性イリジウム化合物としては、種々のものを使用できるが、例えば、ハロゲン化イリジウム(III)化合物、ハロゲン化イリジウム(IV)化合物、イリジウム錯塩で配位子として、ハロゲン、アミン類、オキザラト等を持つもの、例えば、ヘキサクロロイリジウム(III)或いは(IV)錯塩、ヘキサアンミンイリジウム(III)或いは(IV)錯塩、トリオキザラトイリジウム(III)或いは(IV)錯塩、ヘキサシアノイリジウム、ペンタクロロニトロシルイリジウム等が挙げられる。本発明においてはこれらの化合物の中からIII価のものとIV価のものを任意に組み合わせて用いることができる。これらのイリジウム化合物は、水あるいは適当な溶媒に溶解して用いられるが、イリジウム化合物の溶液を安定化させるために一般によく行われる方法、すなわち、ハロゲン化水素水溶液(例えば、塩酸、臭酸、フッ酸等)、あるいはハロゲン化アルカリ(例えば、KCl、NaCl、KBr、NaBr等)を添加する方法を用いることができる。水溶性イリジウムを用いる代わりにハロゲン化銀調製時に、あらかじめイリジウムをドープしてある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させることも可能である。
【0066】
本発明において、水溶性イリジウム化合物の添加は、ハロゲン化銀乳剤粒子の製造時及びハロゲン化銀乳剤を含む塗布液を塗布する前の任意の時期において適宜行うことができるが、特に、ハロゲン化銀乳剤形成時に添加し、ハロゲン化銀粒子中に組み込まれることが好ましい。
【0067】
これら水溶性イリジウム化合物の添加量は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-8〜1×10-3モルの範囲が好ましく、1×10-8〜5×10-5モルの範囲がより好ましく、5×10-8〜5×10-6モルの範囲が特に好ましい。
【0068】
本発明に係る感光性ハロゲン化銀粒子は、イリジウム以外に、その他の周期律表の第VII族あるいは第VIII族(7〜10族)の金属又は金属錯体を含有することができる。そのような中心金属として、好ましくはロジウム、レニウム、ルテニウム、オスミウムが挙げられる。これら金属錯体は1種類でもよいし、同種金属及び異種金属の錯体を2種以上併用してもよい。好ましい含有量は、銀1モルに対し1×10-9〜1×10-3モルの範囲が好ましく、1×10-8〜1×10-4モルの範囲がより好ましい。具体的な金属錯体の構造としては特開平7−225449号等に記載された構造の金属錯体を用いることができる。
【0069】
本発明に用いられるロジウム化合物としては、水溶性ロジウム化合物を用いることができる。例えば、ハロゲン化ロジウム(III)化合物、又はロジウム錯塩で配位子としてハロゲン、アミン類、オキザラト等を持つもの、例えば、ヘキサクロロロジウム(III)錯塩、ペンタクロロアコロジウム(III)錯塩、テトラクロロジアコロジウム(III)錯塩、ヘキサブロモロジウム(III)錯塩、ヘキサアンミンロジウム(III)錯塩、トリザラトロジウム(III)錯塩等が挙げられる。これらのロジウム化合物は、水あるいは適当な溶媒に溶解して用いられるが、ロジウム化合物溶液を安定化させるため、一般によく行われる方法、すなわち、ハロゲン化水素水溶液(例えば、塩酸、臭酸、フッ酸等)、あるいはハロゲン化アルカリ(例えば、KCl、NaCl、KBr、NaBr等)を添加する方法を用いることができる。水溶性ロジウムを用いる代わりに、ハロゲン化銀調製時にあらかじめロジウムをドープしてある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させることも可能である。
【0070】
これらのロジウム化合物の添加量は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-8〜5×10-6モルの範囲が好ましく、特に好ましくは5×10-8〜1×10-6モルである。
【0071】
これらの化合物の添加は、ハロゲン化銀乳剤粒子の製造時及びハロゲン化銀乳剤を含む塗布液を塗布する前の任意の段階において適宜行うことができるが、特に、ハロゲン化銀乳剤形成時に添加し、ハロゲン化銀粒子中に組み込まれることが好ましい。
【0072】
本発明に用いられるレニウム、ルテニウム、オスミウムは、特開昭63−2042号、特開平1−285941号、同2−20852号、同2−20855号等に記載された水溶性錯塩の形で添加される。特に好ましいものとして、以下の式で示される六配位錯体が挙げられる。
【0073】
[ML6n-
ここで、MはRu、Re又はOsを表し、Lは配位子を表し、nは0、1、2、3又は4を表す。
【0074】
この場合、対イオンは重要性を持たず、アンモニウムもしくはアルカリ金属イオンが用いられる。また、好ましい配位子としては、ハロゲン化物配位子、シアン化物配位子、シアン酸化物配位子、ニトロシル配位子、チオニトロシル配位子等が挙げられる。
【0075】
以下に、本発明に用いられる具体的錯体の例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0076】
[ReCl63-、[ReBr63-、[ReCl5(NO)]2-、[Re(NS)Br52-、[Re(NO)(CN)52-、[Re(O)2(CN)43-、[RuCl63-、[RuCl4(H2O)2-、[RuCl5(H2O)]2-、[RuCl5(NO)]2-、[RuBr5(NS)]2-、[Ru(CO)3Cl32-、[Ru(CO)Cl52-、[Ru(CO)Br52-、[OsCl63-、[OsCl5(NO)]2-、[Os(NO)(CN)52-、[Os(NS)Br52-、[Os(O)2(CN)44-
これらの化合物の添加量は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-9〜1×10-5モルの範囲が好ましく、特に好ましくは1×10-8〜1×10-6モルである。
【0077】
これらの化合物の添加は、ハロゲン化銀乳剤粒子の調製時及びハロゲン化銀乳剤を含む塗布液を塗布する前の任意の時期において適宜行うことができるが、特に、ハロゲン化銀乳剤形成時に添加し、ハロゲン化銀粒子中に組み込まれることが好ましい。
【0078】
これらの化合物をハロゲン化銀の粒子形成中に添加してハロゲン化銀粒子中に組み込むには、金属錯体の粉末もしくはNaCl、KClと一緒に溶解した水溶液を、ハロゲン化銀粒子形成中の水溶性塩又は水溶性ハライド溶液中に添加する方法、あるいは銀塩とハライド溶液が同時に混合されるとき第3の溶液として添加し、3液同時混合の方法でハロゲン化銀粒子を調製する方法、あるいはハロゲン化銀粒子形成中に、必要量の金属錯体の水溶液を反応容器に投入する方法などがある。特に、粉末もしくはNaCl、KClと一緒に溶解した水溶液を、水溶性ハライド溶液に添加する方法が好ましい。
【0079】
粒子表面に添加するには、ハロゲン化銀粒子形成直後、物理熟成時途中もしくは終了時、あるいは化学熟成時に必要量の金属錯体の水溶液を反応容器に投入することもできる。
【0080】
更に、本発明に用いられるハロゲン化銀粒子に、コバルト、鉄、ニッケル、クロム、パラジウム、白金、金、タリウム、銅、鉛等の金属原子を含有してもよい。コバルト、鉄、クロム、更に、ルテニウム化合物については、六シアノ金属錯体を好ましく用いることができる。具体例としては、フェリシアン酸イオン、フェロシアン酸イオン、ヘキサシアノコバルト酸イオン、ヘキサシアノクロム酸イオン、ヘキサシアノルテニウム酸イオンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ハロゲン化銀中の金属錯体は、均一に含有させても、コア部に高濃度に含有させてもよく、あるいはシェル部に高濃度に含有させてもよく、特に制限はない。
【0081】
上記金属錯体の含有量は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-9〜1×10-4モルが好ましい。また、上記金属錯体を含有させるには、単塩、複塩、又は錯塩の形の金属塩にして粒子調製時に添加することができる。
【0082】
感光性ハロゲン化銀粒子は、ヌードル法、凝集沈殿法、電気透析等、当業界で知られている水洗方法により脱塩することができるが、限外ろ過により脱塩されていても良い。本発明におけるポリマーでカルボン酸を有するものは、凝集沈殿法に適しており好ましい。その他のポリマーを用いてハロゲン化銀粒子の成長を行った場合、凝集沈殿法を用いる事ができない場合があるが、そのような場合でも限外ろ過などにより脱塩を行う事ができる。
【0083】
限外濾過法は、例えば、これまで知られているハロゲン化銀乳剤の脱塩/濃縮に用いられる方法を適用することができる。リサーチ・ディスクロージャー(Research Disclosure)No.10208(1972)、No.13122(1975)及びNo.16351(1977)などを参照することができる。操作条件として重要な圧力差や流量は、大矢春彦著「膜利用技術ハンドブック」幸書房出版(1978)、p275に記載の特性曲線を参考に選定することができるが、粒子の凝集やカブリを抑えるため、最適条件を見いだす必要がある。また、膜透過より損失する溶媒を補充する方法においては、連続して溶媒を添加する定容式と断続的に分けて添加する回分式とがあるが、脱塩処理時間が相対的に短い定容式が好ましい。
【0084】
こうして補充する溶媒には、イオン交換又は蒸留して得られた純水を用いるが、pHを目的の値に保つために、純水の中にpH調整剤等を混合してもよいし、有機銀塩分散物に直接添加してもよい。
【0085】
限外濾過膜は、すでにモジュールとして組み込まれた平板型、スパイラル型、円筒型、中空糸型、ホローファイバー型などが旭化成(株)、ダイセル化学(株)、(株)東レ、(株)日東電工などから市販されているが、総膜面積や洗浄性の観点より、スパイラル型もしくは中空糸型が好ましい。また、膜を透過することができる成分の閾値の指標となる分画分子量は、使用する高分子分散剤の分子量の1/5以下であることが好ましい。
【0086】
限外ろ過の場合、一段でも良いが、多段の限外ろ過装置を設置し、該混合器および/または反応容器中の分散液中に溶解している塩などを連続的に除去することが好ましい。多段の限外ろ過装置とは、例えばザルトリウスAG社製のVivaFlow50(商品名)のような細いチューブ状の限外ろ過膜を複数直列および/または並列に組合わせたものであり、これに分散媒を添加しながら分散液を通すことにより効率的に脱塩および濃縮できる。限外ろ過膜を通す分散液の流速は、分散液の濃度、分散液に含まれるポリマーの種類などにより適宜設定できるが、限外ろ過膜1経路当たり、10ml〜1000mlが好ましく、100ml〜500mlがより好ましい。脱塩・脱水は1回でもよいし、複数回繰返してもよい。水の添加及び除去を連続的に行ってもよいし、個別に行ってもよい。脱塩・脱水は最終的に脱水された水の伝導度が好ましくは300μS/cm以下、より好ましくは100μS/cm以下になる程度に行う。この場合、伝導度の下限に特に制限はないが、通常、5μS/cm程度である。
【0087】
本発明に係るハロゲン化銀乳剤には、化学増感を施すことが好ましい。化学増感としては、硫黄増感法、金増感、セレン増感法、テルル増感法、貴金属増感法などの知られている方法を用いることができる。本発明のハロゲン化銀粒子は、水系で作製後溶剤中に再分散されるが、化学増感は水系で行っても良いし溶剤中に再分散された後でも良い。
【0088】
本発明に好ましく用いられる硫黄増感は、通常、硫黄増感剤を添加して、ハロゲン化銀乳剤を一定時間攪拌することにより行われる。硫黄増感剤としては、公知の化合物を使用することができ、例えば、チオ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾール類、ローダニン類等を用いることができる。好ましい硫黄化合物は、チオ硫酸塩、チオ尿素化合物である。硫黄増感剤の添加量は、化学熟成時のpH、温度、ハロゲン化銀粒子の大きさなど種々の条件により一様ではないが、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-7〜1×10-2モルであり、より好ましくは1×10-5〜1×10-3モルである。
【0089】
本発明に用いられるセレン増感剤としては、公知のセレン化合物を用いることができる。すなわち、通常、不安定型又は非不安定型セレン化合物を添加して、ハロゲン化銀乳剤を一定時間攪拌することにより行われる。不安定型セレン化合物としては、例えば、特公昭44−15748号、同43−13489号、特開平4−25832号、同4−109240号、同4−324855号等に記載の化合物を用いることができる。特に、特開平4−324855号に記載の一般式(VIII)及び(IX)で示される化合物を用いることが好ましい。
【0090】
本発明に用いられるテルル増感剤は、ハロゲン化銀粒子表面又は内部に、増感核になると推定されるテルル化銀を生成させる化合物である。ハロゲン化銀乳剤中のテルル化銀生成速度については、例えば、特開平5−313284号に記載の方法で試験することができる。テルル増感剤としては、例えば、ジアシルテルリド類、ビス(オキシカルボニル)テルリド類、ビス(カルバモイル)テルリド類、ジアシルテルリド類、ビス(オキシカルボニル)ジテルリド類、ビス(カルバモイル)ジテルリド類、P=Te結合を有する化合物、テルロカルボン酸塩類、Te−オルガニルテルロカルボン酸エステル類、ジ(ポリ)テルリド類、テルリド類、テルロール類、テルロアセタール類、テルロスルホナート類、P−Te結合を有する化合物、含Teヘテロ環類、テルロカルボニル化合物、無機テルル化合物、コロイド状テルルなどを用いることができる。具体的には、米国特許第1,623,499号、同第3,320,069号、同第3,772,031号、英国特許第235,211号、同第1,121,496号、同第1,295,462号、同第1,396,696号、カナダ特許第800,958号、特開平4−204640号、特許2654722号、同2699029号、同2811257号、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティー・ケミカル・コミュニケーション(J.Chem.Soc.Chem.Commun.),635(1980)、ibid,1102(1979)、ibid,645(1979)、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティー・パーキン・トランザクション1(J.Chem.Soc.Perkin.Trans.1),2191(1980)、S.パタイ(S.Patai)編、ザ・ケミストリー・オブ・オーガニック・セレニウム・アンド・テルリウム・カンパウンズ(The Chemistry of Organic Serenium and Tellunium Compounds),Vol.1(1986)、同Vol.2(1987)に記載の化合物を用いることができる。特に、特開平5−313284号中の一般式(II)、(III)、(IV)で示される化合物が好ましい。
【0091】
本発明で用いられるセレン、テルル増感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等によって一様ではないが、一般に、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-8〜1×10-2モル、好ましくは1×10-7〜1×10-3モル程度を用いる。本発明における化学増感の条件としては、特に制限はないが、pHとしては5〜8、pAgとしては6〜11、好ましくは7〜10であり、温度としては40〜95℃、好ましくは45〜85℃である。
【0092】
本発明に係るハロゲン化銀乳剤に金増感を施す場合に用いられる金増感剤としては、金の酸化数が+1価でも+3価でもよく、金増感剤として通常用いられる金化合物を用いることができる。代表的な例としては、塩化金酸、カリウムクロロオーレート、オーリックトリクロライド、カリウムオーリックチオシアネート、カリウムヨードオーレート、テトラシアノオーリックアシド、アンモニウムオーロチオシアネート、ピリジルトリクロロゴールドなどが挙げられる。
【0093】
金増感剤の添加量は、種々の条件により異なるが、概ねハロゲン化銀1モル当たり1×10-7モル以上、1×10-3モル以下、より好ましくは1×10-6モル以上、5×10-4モル以下である。
【0094】
本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、金増感と他の化学増感とを併用することができ、金増感法と組み合わせて使用する場合には、例えば、硫黄増感法と金増感法、セレン増感法と金増感法、硫黄増感法とセレン増感法と金増感法、硫黄増感法とテルル増感法と金増感法、硫黄増感法とセレン増感法とテルル増感法と金増感法などが好ましい。
【0095】
本発明に用いるハロゲン化銀乳剤には、ハロゲン化銀粒子の形成又は物理熟成の過程においてカドミウム塩、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩などを共存させてもよい。
【0096】
本発明においては、還元増感を用いることができる。還元増感法の具体的な化合物としては、アスコルビン酸、二酸化チオ尿素の他に、例えば、塩化第一スズ、アミノイミノメタンスルフィン酸、ヒドラジン誘導体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合物等を用いることができる。また、ハロゲン化銀乳剤のpHを7以上、又はpAgを8.3以下に保持して熟成することにより還元増感することができる。また、粒子形成中に銀イオンのシングルアディション部分を導入することにより還元増感することができる。
【0097】
本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、欧州特許公開第293,917号に示される方法により、チオスルホン酸化合物を添加してもよい。
【0098】
本発明に係る感光性ハロゲン化銀粒子には、分光増感色素を吸着させ分光増感を施すこともできる。分光増感色素として、シアニン色素、メロシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素等を用いることができる。例えば特開昭63−159841号、同60−140335号、同63−231437号、同63−259651号、同63−304242号、同63−15245号、米国特許第4,639,414号、同4,740,455号、同4,741,966号、同4,751,175号、同4,835,096号に記載された増感色素が使用できる。本発明に使用される有用な増感色素は例えばRD17643IV−A項(1978年12月p.23)、同18431X項(1978年8月p.437)に記載もしくは引用された文献に記載されている。特に各種レーザイメージャーやスキャナー光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を用いるのが好ましい。例えば、特開平9−34078号、同9−54409号、同9−80679号記載の化合物が好ましく用いられる。
【0099】
本発明に係る熱現像材料中に含有されるハロゲン化銀乳剤は、一種だけでもよいし、二種以上(例えば、平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるもの、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるもの)併用してもよい。
【0100】
本発明においては、階調特性(ガンマ)を制御するために、ハロゲン化銀乳剤を複数種用いることが好ましく、それぞれが感度が異なるように粒子サイズ、形状、ハロゲン組成、増感色素吸着量、化学増感剤の量を制御することで複数種のハロゲン化銀乳剤を得ることが可能となる。使用するハロゲン化銀乳剤種としては2〜4種、好ましくは2〜3種を混合ないし別層として用いることが好ましい。ハロゲン化銀乳剤の感度差は、それぞれのハロゲン化銀乳剤で少なくとも0.2LogEの差を持たせることが好ましく、少なくとも0.3LogEの差を持たせることが好ましい。ここでいうLogEとは、感度を表す指標で、光学楔を介して露光を施した後、縦軸に濃度、横軸に露光量をプロットした特性曲線において、横軸を構成する露光量(E)を対数で表示した値である。
【0101】
これらに関する技術としては、特開昭57−119341号、同53−106125号、同47−3929号、同48−55730号、同46−5187号、同50−73627号、同57−150841号が挙げられる。なお、上記の感度差の上限に特に制限はないが、最大1.0LogE程度の差である。
【0102】
このように本発明において、ハロゲン化銀乳剤は、脱塩され、濃縮、或いは乾燥されていることが好ましく、濃縮は例えば減圧下においてエバポレータを用いる等で行うことができ、脱塩については前記の伝導度以下に、また、完全に乾燥される必要はないが、有機溶剤系において、有機銀塩と混合され、特にポリマーの分離、凝集等を起こさない範囲であればよいが、乾燥することが好ましく、感光性乳剤の含水率は5%以下好ましくは1%以下にすることが好ましい。
【0103】
また、前記ハロゲン化銀を用いて、感光材料の露光方向から計測される粒径が0.005μm以上、0.1μm以下である感光性ハロゲン化銀粒子に対しては分散度(電子顕微鏡画像を膨張法により処理して得られる各粒子を中心とするセルの面積の標準偏差/平均値)が80%以下であることであることが好ましい。
【0104】
本発明において、分散度は具体的には以下の手順により知ることが出来る。まず、支持体上に塗布された光感光性層を接着剤により適当なホルダーに貼り付け、支持体面とほぼ平行な方向にダイヤモンドナイフを用いて厚さ0.1乃至0.2μmの超薄切片を作製する。この際、光感光性層の上端と下端を光学顕微鏡により観察し切削が支持体面にほぼ平行、すなわち切削角度として1度以下で行われていることを確認する。
【0105】
作製された超薄切片は、銅メッシュに支持され、グロー放電により親水化されたカーボン膜上に移し、液体窒素により−130℃以下に冷却しながら、透過型電子顕微鏡(以下、TEMと称す)により倍率として5,000乃至40,000倍にて明視野像を観察し、画像はフィルム、イメージングプレート、CCDカメラなどに素早く記録する。この際、観察される視野としては切片に破れや弛みがない部分を適宜選択することが好ましい。
【0106】
カーボン膜としては極薄いコロジオン、ホルムバールなど有機膜に支持されたものを使用することは好ましく、更に好ましくは、岩塩基板上に形成し基板を溶解除去して得るか、または、上記有機膜を有機溶媒、イオンエッチングにより除去して得られたカーボン単独の膜である。
【0107】
TEMの加速電圧としては、80ないし400kVが好ましく、特に好ましくは80ないし200kVである。
【0108】
その他、電子顕微鏡観察技法、および試料作製技法の詳細については「日本電子顕微鏡学会関東支部編/医学・生物学電子顕微鏡観察法」(丸善)、「日本電子顕微鏡学会関東支部編/電子顕微鏡生物試料作製法」(丸善)をそれぞれ参考にすることができる。
【0109】
適当な媒体に記録されたTEM画像は、画像1枚を少なくとも1024画素×1024画素、好ましくは2048画素×2048画素以上に分解し、コンピュータによる画像処理を行なうことが好ましい。
【0110】
画像処理を行なうためには、フィルムに記録されたアナログ画像はスキャナなどでデジタル画像に変換し、シェーディング補正、コントラスト・エッジ強調などを必要に応じ施すことが好ましい。その後、ヒストグラムを作成し、2値化処理によって、0.005μm以上、0.1μm以下である感光性ハロゲン化銀に相当する箇所を抽出する。やむを得ず凝集した粒子は適当なアルゴリズムにより切断し、円相当径(HEYWOOD)が0.005μm未満の粒子を削除(ELIMINATE)する。次に各粒子の中心点を求め(SHRINK)、その中心点を中心として各々が接するまで1画素ずつ膨張(EXTEND)させて、中心点の周りにセルを形成する。その際に計測フレームにかかったセルは削除(EDGEPROCESS REJECT)し、各セルの円相当径(HEYWOOD)を求める。同様にして少なくとも500個、好ましくは1000個以上のセルについて求めた値から平均値と標準偏差を算出し下記式により分散度を求める。
【0111】
分散度=(セルの円相当径の標準偏差)/(セルの円相当径の平均値)×100
上記手順で計測を行なう際にはあらかじめ、標準試料を用いて、1画素あたりの長さ補正(スケール補正)および計測系の2次元ひずみの補正を十分に行なうことが好ましい。標準試料としては米国ダウケミカル社より市販されるユニフォーム・ラテックス・パーティクルス(DULP)が適当であり、0.1ないし0.3μmの粒径に対して10%未満の変動係数を有するポリスチレン粒子が好ましく、具体的には粒径0.212μm、標準偏差0.0029μmというロットが入手可能である。
【0112】
画像処理技術の詳細は「田中弘編 画像処理応用技術(工業調査会)」を参考にすることができ、画像処理プログラムまたは装置としては上記操作が可能なものであれば特に限定はされないが、一例としてニレコ社製Luzex−IIIが挙げられる。
【0113】
感光性ハロゲン化銀の分散度を向上させる方法としては、特に限定されないが、有機銀ソープへの混合時および/または乾燥ソープ分散時の諸条件を最適化することが有効である。
【0114】
前記の水と有機溶剤の両方に溶解するポリマーを分散剤として用いたハロゲン化銀乳剤中に含まれるハロゲン化銀粒子の平均粒子径が0.005μm以上0.1μm以下であり、かつ粒子サイズの変動係数が0%以上30%以下であるハロゲン化銀乳剤を用いることによって、このような熱現像感光材料がえられ、低カブリ、高カバリングパワー(CP)の熱現像感光材料を得ることができる。
【0115】
本発明の熱現像感光材料には還元剤が内蔵されている。好適な還元剤の例は、米国特許第3,589,903号、同4,021,249号若しくは英国特許第1,486,148号の各明細書及び特開昭51−51933号、同50−36110号、同50−116023号、同52−84727号若しくは特公昭51−35727号の各公報に記載されたポリフェノール化合物、例えば、2,2′−ジヒドロキシ−1,1′−ビナフチル、6,6′−ジブロモ−2,2′−ジヒドロキシ−1,1′−ビナフチル等の米国特許第3,672,904号明細書に記載されたビスナフトール類、更に、例えば、4−ベンゼンスルホンアミドフェノール、2−ベンゼンスルホンアミドフェノール、2,6−ジクロロ−4−ベンゼンスルホンアミドフェノール、4−ベンゼンスルホンアミドナフトール等の米国特許第3,801,321号明細書に記載されているようなスルホンアミドフェノール又はスルホンアミドナフトール類を用いることができる。特に好ましい還元剤はビスフェノール化合物(特に分枝アルキレン鎖で連結されたヒンダードフェノール類)である。
【0116】
以下に好ましい代表的具体例を挙げるが、本発明は、これらに限定されない。
【0117】
【化1】

【0118】
前記具体例で表される化合物を始めとする還元剤の使用量は好ましくは銀1モル当たり1×10-2〜10モル、特に好ましくは1×10-2〜1.5モルである。
【0119】
本発明においては、前記還元剤(銀イオン還元剤)と下記一般式(A′)で表されるビスフェノール誘導体である化合物を併せて用いることができる。一般式(A′)で表されるビスフェノール化合物を他の異なる化学構造を有する還元剤と併せて用いることにより、本発明の熱現像感光材料の保存中のカブリ発生等による性能劣化及び熱現像後の銀画像の保存における色調劣化等を予想外に抑制することができる。
【0120】
【化2】

【0121】
一般式(A′)で表されるビスフェノール化合物において、Zは−S−基または−C(R33)(R33′)−基を表し、R33、R33′は、各々水素原子又は置換基を表す。R33、R33′で表される置換基としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、シクロヘキシル、1−メチル−シクロヘキシル等の各基)、アルケニル基(例えば、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、イソヘキセニル、シクロヘキセニル、ブテニリデン、イソペンチリデン等の各基)、アルキニル基(エチニル、プロピニリデン等の各基)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル等の各基)、ヘテロ環基(例えば、フリル、チエニル、ピリジル、テトラヒドロフラニル等の各基)等の他、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、アシルオキシ、スルホニルオキシ、ニトロ、アミノ、アシルアミノ、スルホニルアミノ、スルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、スルフアモイル、シアノ、スルホ等の各基が挙げられる。R33、R33′として好ましくは水素原子またはアルキル基である。
【0122】
31、R32、R31′、R32′は、各々置換基を表すが、該置換基としては、上記R33、R33′で表される置換基と同様な基が挙げられる。R31、R32、R31′、R32′として好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基等であるが、アルキル基がより好ましい。アルキル基上の置換基としては、上記R33、R33′で表される置換基と同様な基が挙げられる。R31、R32、R31′、R32′として、更に好ましくはt−ブチル、t−アミル、t−オクチル、1−メチルシクロヘキシル等の3級アルキル基である。
【0123】
31、X31′は、各々水素原子又は置換基を表すが、該置換基としては、上記R33、R33′で表される置換基と同様な基が挙げられる。
【0124】
以下に、一般式(A′)で表されるビスフェノール化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0125】
【化3】

【0126】
【化4】

【0127】
一般式(A′)で表される化合物の添加方法としては、水に分散したり、有機溶媒に溶解して感光層用塗布液や、その隣接層用塗布液に含有させて、これらの層に含有させることができる。有機溶媒としては、メタノールやエタノール等のアルコール類やアセトンやメチルエチルケトン等のケトン類、トルエンやキシレン等の芳香族系を任意に選択することができる。
【0128】
一般式(A′)で表される化合物の使用量は、銀1モル当たり1×10-2〜10モルの範囲が適当であり、好ましくは8×10-2〜1.5モルである。
【0129】
本発明の熱現像感光材料中にはカブリ防止剤が含有されていることが好ましい。最も有効なカブリ防止剤として知られているものは水銀イオンである。熱現像感光材料中にカブリ防止剤として水銀化合物を使用することについては、例えば、米国特許第3,589,903号明細書に開示されている。しかし、水銀化合物の使用は環境的に好ましくない。
【0130】
非水銀カブリ防止剤としては、例えば、米国特許第4,546,075号明細書、同4,452,885号明細書及び特開昭59−57234号公報に開示されているような、カブリ防止剤が好ましい。
【0131】
特に好ましい非水銀カブリ防止剤は、米国特許第3,874,946号明細書及び同4,756,999号明細書に開示されているような化合物、−C(X1)(X2)(X3)(ここでX1及びX2はハロゲン原子を表し、でX3は水素原子またはハロゲン原子を表す)で表される1以上の置換基を備えたヘテロ環状化合物である。好適なカブリ防止剤の例としては、特開平9−288328号公報段落番号〔0030〕〜〔0036〕に記載されている化合物等が好ましく用いられる。またもう一つの好ましいカブリ防止剤の例としては、特開平9−90550号公報段落番号〔0062〕〜〔0063〕に記載されている化合物である。更にその他の好適なカブリ防止剤としては、米国特許第5,028,523号及び欧州特許第600,587号、同605,981号、同631,176号の各明細書等に開示されている化合物等を用いることができる。
【0132】
本発明の熱現像感光材料には、現像後の銀色調を改良する目的で色調剤を添加することが好ましい。色調剤は、有機銀塩と還元剤の酸化還元反応に関与して、生ずる銀画像を濃色、特に黒色にする機能を有する。本発明に用いられる好適な色調剤の例は、Research Disclosure第17029号に開示されており、次のものがある。
【0133】
イミド類(例えば、フタルイミド);環状イミド類、ピラゾリン−5−オン類、及びキナゾリノン(例えば、スクシンイミド、3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−フェニルウラゾール、キナゾリン及び2,4−チアゾリジンジオン);ナフタールイミド類(例えば、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタールイミド);コバルト錯体(例えば、コバルトのヘキサミントリフルオロアセテート)、メルカプタン類(例えば、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール);N−(アミノメチル)アリールジカルボキシイミド類(例えば、N−(ジメチルアミノメチル)フタルイミド);ブロックされたピラゾール類、イソチウロニウム(isothiuronium)誘導体及びある種の光漂白剤の組み合わせ(例えば、N,N′−ヘキサメチレン(1−カルバモイル−3,5−ジメチルピラゾール)、1,8−(3,6−ジオキサオクタン)ビス(イソチウロニウムトリフルオロアセテート)、及び2−(トリブロモメチルスルホニル)ベンゾチアゾールの組み合わせ);メロシアニン染料(例えば、3−エチル−5−((3−エチル−2−ベンゾチアゾリニリデン(ベンゾチアゾリニリデン))−1−メチルエチリデン)−2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン);フタラジノン、フタラジノン誘導体又はこれらの誘導体の金属塩(例えば、4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメチルオキシフタラジノン、及び2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン);フタラジノンとスルフィン酸誘導体の組み合わせ(例えば、6−クロロフタラジノン+ベンゼンスルフィン酸ナトリウム又は8−メチルフタラジノン+p−トリスルホン酸ナトリウム);フタラジン+フタル酸の組み合わせ;フタラジン(フタラジンの付加物を含む)とマレイン酸無水物、及びフタル酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸又はo−フェニレン酸誘導体及びその無水物(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸及びテトラクロロフタル酸無水物)から選択される少なくとも1つの化合物との組み合わせ;キナゾリンジオン類、ベンズオキサジン、ナフトキサジン誘導体;ベンズオキサジン−2,4−ジオン類(例えば、1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオン);ピリミジン類及び不斉−トリアジン類(例えば、2,4−ジヒドロキシピリミジン)、及びテトラアザペンタレン誘導体(例えば、3,6−ジメルカプト−1,4−ジフェニル−1H,4H−2,3a,5,6a−テトラアザペンタレン)。好ましい色調剤としてはフタラゾン又はフタラジンである。
【0134】
本発明の熱現像感光材料には、例えば、特開昭63−159841号、同60−140335号、同63−231437号、同63−259651号、同63−304242号、同63−15245号の各公報、米国特許第4,639,414号、同4,740,455号、同4,741,966号、同4,751,175号、同4,835,096号の各明細書に記載された増感色素が使用できる。
【0135】
本発明に使用される有用な増感色素は、例えば、Research Disclosure第17643IV−A項(1978年12月p.23)、同18431(1979年8月p.437)等に記載もしくは引用された文献に記載されている。特に各種スキャナー光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができる。例えば、特開平9−34078号、同9−54409号、同9−80679号の各公報に記載に化合物が好ましく用いられる。
【0136】
増感色素は単独で用いてもよいが、2種以上の増感色素を組み合わせて用いることもできる。増感色素は単独で用いた場合及び組み合わせた場合には合計でハロゲン化銀1モル当たり、1×10-6〜5×10-3モル、好ましくは1×10-5〜2.5×10-3モル、更に好ましくは4×10-5〜1×10-3モルの割合でハロゲン化銀乳剤中に含有される。増感色素を2種以上組み合わせて用いるとき、任意の割合でハロゲン化銀乳剤中に含有できる。
【0137】
増感色素の組み合わせは、特に強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色素とともに、それ自身分光増感作用を持たない色素或いは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでいてもよい。
【0138】
本発明には現像を制御(抑制あるいは促進)するため、分光増感効率を向上させるため、現像前後の保存性を向上させるためなどにメルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させることができる。本発明にメルカプト化合物を使用する場合、いかなる構造のものでもよいが、Ar−SM、Ar−S−S−Arで表されるものが好ましい。式中、Mは水素原子またはアルカリ金属原子である、Arは1個以上の窒素、イオウ、酸素、セレニウムまたはテルリウム原子を有する芳香環または縮合芳香環である。好ましくは、複素芳香環はベンゾイミダゾール、ナフトイミダゾール、ベンゾチアゾール、ナフトチアゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、ベンゾセレナゾール、ベンゾテルラゾール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、トリアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、トリアジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ピリジン、プリン、キノリンまたはキナゾリノンである。この複素芳香環は、例えば、ハロゲン原子(例えば、Br、Cl)、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシ基、アルキル基(例えば、1個以上の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するもの)およびアルコキシ基(例えば、1個以上の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するもの)からなる置換基群から選択されるものを有してもよい。メルカプト置換複素芳香族化合物としては、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−メチルベンゾチアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプトキノリン、8−メルカプトプリン、2,3,5,6−テトラクロロ−4−ピリジンチオール、4−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジン、2−メルカプト−4−フェニルオキサゾール等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0139】
本発明においては、感光層側にマット剤を含有することが好ましく、熱現像後の画像の傷つき防止のために、熱現像感光材料の表面にマット剤を配することが好ましく、そのマット剤を感光層側の全バインダーに対し、質量比で0.5〜30%含有することが好ましい。
【0140】
また、支持体をはさみ感光層の反対側に非感光層を設ける場合は、非感光層側の少なくとも1層中にマット剤を含有することが好ましく、熱現像感光材料のすべり性や指紋付着防止のためにも熱現像感光材料の表面にマット剤を配することが好ましく、そのマット剤を感光層側の反対側の層の全バインダーに対し、質量比で0.5〜40%含有することが好ましい。
【0141】
本発明において用いられるマット剤の材質は、有機物及び無機物のいずれでもよい。例えば、無機物としては、スイス特許第330,158号明細書等に記載のシリカ、仏国特許第1,296,995号明細書等に記載のガラス粉、英国特許第1,173,181号明細書等に記載のアルカリ土類金属又はカドミウム、亜鉛等の炭酸塩、等をマット剤として用いることができる。有機物としては、米国特許第2,322,037号明細書等に記載の澱粉、ベルギー特許第625,451号明細書や英国特許第981,198号明細書等に記載された澱粉誘導体、特公昭44−3643号公報等に記載のポリビニルアルコール、スイス特許第330,158号明細書等に記載のポリスチレン或いはポリメタアクリレート、米国特許第3,079,257号明細書等に記載のポリアクリロニトリル、米国特許第3,022,169号明細書等に記載されたポリカーボネートの様な有機マット剤を用いることができる。
【0142】
マット剤の形状は定形、不定形どちらでもよいが、好ましくは定形で、球形が好ましく用いられる。マット剤の大きさはマット剤の体積を球形に換算したときの直径で表される。マット剤の粒径とはこの球形換算した直径のことを示すものとする。本発明に用いられるマット剤は、平均粒径が0.5〜10μmであることが好ましく、更に好ましくは1.0〜8.0μmである。又、粒子サイズ分布の変動係数としては、50%以下であることが好ましく、更に好ましくは40%以下であり、特に好ましくは30%以下となるマット剤である。ここで、粒子サイズ分布の変動係数は、下記の式で表される値である。
【0143】
(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100
マット剤は任意の構成層中に含むことができるが、好ましくは感光層以外の構成層であり、更に好ましくは支持体から見て最も外側の層である。
【0144】
マット剤の添加方法は、予め塗布液中に分散させて塗布する方法であってもよいし、塗布液を塗布した後、乾燥が終了する以前にマット剤を噴霧する方法を用いてもよい。また複数の種類のマット剤を添加する場合は、両方の方法を併用してもよい。
【0145】
本発明において、帯電性を改良するために金属酸化物および/または導電性ポリマー等の導電性化合物を構成層中に含ませることができる。これらはいずれの層に含有させてもよいが、好ましくは下引層、バッキング層、感光層と下引の間の層などに含まれる。本発明においては米国特許第5,244,773号明細書カラム14〜20に記載された導電性化合物が好ましく用いられる。
【0146】
各種の添加剤を感光層、非感光層、またはその他の構成層のいずれに添加してもよい。本発明の熱現像感光材料には上述した以外に、例えば、界面活性剤、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤、被覆助剤等を用いてもよい。これらの添加剤及びその他の添加剤としては、Research Disclosure第17029(1978年6月p.9〜15)に記載されている化合物を好ましく用いることができる。
【0147】
本発明の熱現像感光材料に好適なバインダーは、透明または半透明で一般に無色であり、天然ポリマーや合成ポリマー及びコポリマー、その他、フィルムを形成する媒体、例えば、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルピロリドン、カゼイン、澱粉、ポリアクリル酸、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸、ポリ塩化ビニル、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリビニルアセタール類、例えば、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリエステル類、ポリウレタン類、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリエポキシド類、ポリカーボネート類、ポリビニルアセテート類、セルロースエステル類、ポリアミド等があり、親水性でも非親水性でもよい。しかしながら、これらのバインダーの中でも特に好ましいのは、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルブチラールのような非水溶性のポリマーであり、この中で特に好ましいのはポリビニルブチラールである。
【0148】
また熱現像感光材料の表面を保護したり擦り傷を防止するために、感光層の外側に非感光層を有することができる。これらの非感光層に用いられるバインダーは感光層に用いられるバインダーと同じ種類でも異なった種類でもよい。
【0149】
本発明においては、熱現像の速度を速めるために感光層のバインダー量が1.5〜10g/m2であることが好ましい。更に好ましくは1.7〜8g/m2である。1.5g/m2未満では未露光部の濃度が大幅に上昇し、使用に耐えない場合がある。
【0150】
本発明の熱現像感光材料に用いられる支持体は、透明で現像処理後の画像の変形を防ぐためにプラスチックフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ナイロン、セルローストリアセテート、ポリエチレンナフタレート)であることが好ましい。
【0151】
中でも好ましい支持体としては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す)及びシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体を含むプラスチック(以下、SPSと略す)の支持体が挙げられる。支持体の厚みとしては50〜300μm程度、好ましくは70〜180μmである。また、熱処理したプラスチック支持体を用いることもできる。採用するプラスチックとしては、前記のプラスチックが挙げられる。支持体の熱処理とはこれらの支持体を製膜後、感光層が塗布されるまでの間に、支持体のガラス転移点より30℃以上高い温度で、好ましくは35℃以上高い温度で、更に好ましくは40℃以上高い温度で加熱することである。
【0152】
PETはポリエステルの成分が全てポリエチレンテレフタレートからなるものであるが、ポリエチレンテレフタレート以外に、酸成分としてテレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、イソフタル酸、ブチレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸等と、グリコール成分としてエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール等との変性ポリエステル成分が全ポリエステルの10モル%以下含まれたポリエステルであってもよい。
【0153】
SPSは通常のポリスチレン(アタクチックポリスチレン)と異なり、立体的に規則性を有したポリスチレンである。SPSの規則的な立体規則性構造部分をラセモ連鎖といい、2連鎖、3連鎖、5連鎖、あるいはそれ以上と規則的な部分がより多くあることが好ましく、ラセモ連鎖は2連鎖で85%以上、3連鎖で75%以上、5連鎖で50%以上、それ以上の連鎖で30%以上あることが好ましい。SPSの重合は特開平3−131843号公報記載の方法に準じて行うことができる。
【0154】
本発明の熱現像感光材料に用いられる支持体の製膜方法及び下引製造方法は公知の方法を用いることができるが、好ましくは特開平9−50094号公報段落番号〔0030〕〜〔0070〕に記載された方法を用いることである。
【0155】
本発明の熱現像感光材料は、熱現像処理により写真画像を形成するもので、還元可能な銀源(有機銀塩)、感光性ハロゲン化銀、還元剤及び必要に応じて銀の色調を抑制する色調剤を通常(有機)バインダーマトリックス中に分散した状態で含有している熱現像感光材料であることが好ましい。
【0156】
本発明の熱現像感光材料は常温で安定であるが、露光後高温(例えば、80〜140℃)に加熱することで現像される。加熱することで有機銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応を通じて銀を生成する。この酸化還元反応は露光でハロゲン化銀に発生した潜像の触媒作用によって促進される。露光領域中の有機銀塩の反応によって生成した銀は黒色画像を提供し、これは非露光領域と対照をなし、画像の形成がなされる。この反応過程は、外部から水等の処理液を供給することなしで進行する。
【0157】
本発明の熱現像感光材料は支持体上に少なくとも一層の感光層を有している。支持体の上に感光層のみを形成してもよいが、感光層の上に少なくとも一層の非感光層を形成するのが好ましい。感光層を通過する光の量または波長分布を制御するために感光層と同じ側または反対の側にフィルター層を形成してもよいし、感光層に染料又は顔料を含有させてもよい。染料としては特開平8−201959号公報の化合物が好ましい。感光層は複数層にしてもよく、又階調の調節のために高感度層、低感度層を設け、これを組み合わせてもよい。各種の添加剤は感光層、非感光層又はその他の形成層のいずれに添加してもよい。本発明の熱現像感光材料には前述のごとく例えば、界面活性剤、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤、被覆助剤等を用いてもよい。また、非感光層には前記のバインダーやマット剤を含有することが好ましく、更にポリシロキサン化合物やワックスや流動パラフィンのようなスベリ剤を含有してもよい。
【0158】
熱現像感光材料の好ましい総銀量は0.5〜1.5g/m2である。
【0159】
熱現像感光材料の詳細は前述のとおり、例えば、米国特許第3,152,904号明細書、同3,457,075号明細書、及びD.モーガン(Morgan)による「ドライシルバー写真材料(Dry Silver Photographic Materials)」(Handbook of Imaging Materials,Marcel Dekker,Inc.第48頁、1991)等に開示されている。その中でも本発明においては、熱現像感光材料を80〜140℃で熱現像することで画像を形成させ、定着を行わないことが特徴である。そのため、未露光部に残ったハロゲン化銀や有機銀塩は除去されずにそのまま熱現像感光材料中に残る。
【0160】
本発明においては、熱現像処理した後の、400nmにおける支持体を含んだ熱現像感光材料の光学透過濃度が0.2以下であることが好ましい。光学透過濃度の更に好ましい値は0.02以上、0.2以下である。0.02未満では感度が低く使用ができないことがある。
【0161】
本発明に用いられる溶媒としては、例えば、ケトン類としてアセトン、イソフォロン、エチルアミルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。アルコール類としてメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。グリコール類としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等が挙げられる。エーテルアルコール類としてエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。エーテル類としてエチルエーテル、ジオキサン、イソプロピルエーテル等が挙げられる。エステル類として酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸イソプロピル等が挙げられる。炭化水素類としてn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。塩化物類として塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロベンゼン等が挙げられる。アミン類としてモノメチルアミン、ジメチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。その他として水、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ニトロメタン、ピリジン、トルイジン、テトラヒドロフラン、酢酸等が挙げられる。
【0162】
ただし、これらに限定されるものではない。また、これらの溶媒は単独または数種類組み合わせて使用できる。
【0163】
なお、熱現像感光材料中の上記溶媒の含有量は塗布工程後の乾燥工程等における温度条件等の条件変化によって調製できる。また、当該溶媒の含有量は、ガスクロマトグラフィーを用いた方法によって測定できる。
【0164】
本発明の熱現像感光材料中に含有される溶媒の量は合計量で5〜1000mg/m2、好ましくは10〜300mg/m2であるように調製することが好ましい。当該含有量が上記範囲においては、高感度でありながら、カブリ濃度の低い熱現像感光材料にすることができる。
【0165】
本発明において、露光はレーザ走査露光により行うことが好ましい。特に好ましくは、熱現像感光材料の露光面と走査レーザ光のなす角が実質的に垂直になることがないレーザ走査露光機を用いることである。
【0166】
ここで、「実質的に垂直になることがない」とは、レーザ走査中に最も垂直に近い角度として好ましくは55度以上、88度以下、より好ましくは60度以上、86度以下、更に好ましくは70度以上、82度以下であることをいう。
【0167】
レーザ光が、熱現像感光材料に走査されるときの熱現像感光材料露光面でのビームスポット直径は、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下である。これは、スポット径が小さい方がレーザ入射角度の垂直からのずらし角度を減らせる点で好ましい。なお、ビームスポット直径の下限は10μmである。このようなレーザ走査露光を行うことにより干渉縞様のムラの発生のような反射光に係る画質劣化を減じることができる。
【0168】
また、本発明に用いられる露光は縦マルチである走査レーザ光を発するレーザ走査露光機を用いて行うことが好ましい。縦単一モードの走査レーザ光に比べて干渉縞様のムラの発生等の画質劣化が減少する。縦マルチ化するには、合波により、戻り光を利用する、高周波重畳をかける等の方法がよい。なお、縦マルチとは、露光波長が単一でないことを意味し、通常露光波長の分布が5nm以上、好ましくは10nm以上になるとよい。露光波長の分布の上限には特に制限はないが、通常60nm程度である。
【実施例】
【0169】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0170】
実施例1
《下引済み支持体の作製》
市販の2軸延伸熱固定済みの厚さ175μmの、光学濃度で0.170(コニカ株式会社製デンシトメータPDA−65にて測定)に青色染料で青色着色したPETフィルムの両面に8W/m2・分のコロナ放電処理を施し、一方の面に下記下引塗布液a−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて下引層A−1とし、また反対側の面に下記下引塗布液b−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて下引層B−1とした。
【0171】
【化5】

【0172】
〈下引塗布液a−1〉
ブチルアクリレート(30質量%)/t−ブチルアクリレート(20質量%)/スチレン(25質量%)/2−ヒドロキシエチルアクリレート(25質量%)の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g
(C−1) 0.6g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g
水で1Lに仕上げる
〈下引塗布液b−1〉
ブチルアクリレート(40質量%)/スチレン(20質量%)/グリシジルアクリレート(40質量%)の共重合体ラテックス液(固形分30%)
270g
(C−1) 0.6g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g
水で1Lに仕上げる。
【0173】
引き続き、下引層A−1及び下引層B−1の上表面に、8W/m2・分のコロナ放電を施し、下引層A−1の上には、下記下引上層塗布液a−2を乾燥膜厚0.1μmになる様に下引上層A−2として、下引層B−1の上には下記下引上層塗布液b−2を乾燥膜厚0.4μmになる様に帯電防止機能をもつ下引上層B−2として塗設した。
【0174】
〈下引上層塗布液a−2〉
ゼラチン 0.4g/m2になる質量
(C−1) 0.2g
(C−2) 0.2g
(C−3) 0.1g
シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g
水で1Lに仕上げる
〈下引上層塗布液b−2〉
SbドープされたSnO2(SNS10M;石原産業(株)製) 60g
(C−4)を成分とするラテックス液(固形分20%) 80g
硫酸アンモニウム 0.5g
(C−5) 12g
ポリエチレングリコール(重量平均分子量600) 6g
水で1Lに仕上げる。
【0175】
【化6】

【0176】
【化7】

【0177】
《バックコート層塗布液の調製》
メチルエチルケトン(MEK)830gを攪拌しながら、セルロースアセテートブチレート(EastmanChemical社、CAB381−20)84.2gおよびポリエステル樹脂(Bostic社、VitelPE2200B)4.5gを添加し溶解した。次に、溶解した液に0.30gの赤外染料1を添加し、更にメタノール43.2gに溶解したF系界面活性剤(旭硝子社、サーフロンKH40)4.5gとF系界面活性剤(大日本インク社、メガファッグF120K)2.3gを添加して、溶解するまで十分に攪拌を行った。次にオレイルオレート2、5gで添加した。最後に、メチルエチルケトンに1質量%の濃度でディゾルバ型ホモジナイザにて分散したシリカ(W.R.Grace社、シロイド64X6000)を75g添加、攪拌しバックコート層塗布液を調製した。
【0178】
【化8】

【0179】
《バックコート層保護層塗布液の調製》
セルロースアセテートブチレート(10%メチルエチルケトン溶液) 15g
単分散度15%単分散シリカ(平均粒径:8μm、シリカ全質量の1質量%のアルミニウムで表面処理) 0.030g
817(CH2CH2O)12817 0.05g
917−C64−SO3Na 0.01g
ステアリン酸 0.1g
オレイルオレート 0.1g
α−アルミナ(モース硬度9) 0.1g
このように調製したバックコート層塗布液、バックコート層保護層塗布液を、乾燥膜厚がそれぞれ3.5μmになるように押し出しコーターにて塗布速度50m/minにて、下引き済み支持体の下引上層B−2に塗布を行った。なお乾燥は、乾燥温度100℃、露点温度10℃の乾燥風を用いて5分間かけて行った。
【0180】
《ポリマー合成》
(ポリマー1の合成)
0.3リットルの四つ口セパラブルフラスコに滴下装置、温度計、窒素ガス導入管、撹拌装置及び還流冷却管を付し、メチルエチルケトン20gを仕込み70℃に加熱した。次にモノマーを秤量し、更に日本油脂社製パーロイルL2gを前記モノマーに加えた混合液を、フラスコ中に2時間かけて滴下し、同温度にて5時間反応させた。その後メチルエチルケトン80gを添加し冷却、ポリマー50質量%のポリマー溶液を得た。モノマーの共重合体の%(分子量50000)は以下である。
【0181】
ブレンマーPME−400 20%
ブレンマーPSE−400 20%
MAA 10%
DAAM 50%
ブレンマーPME−400:−(EO)m−CH3(m≒9)を有するメタアクリレート
ブレンマーPSE−400:−(EO)m−CH3(m≒9)を有するメタアクリレート
(EO;エチレンオキシ基)
上記はすべて日本油脂製。
【0182】
MAA:メタアクリル酸、DAAM:ダイサセトンアクリルアミド(協和発酵)。
【0183】
《感光性ハロゲン化銀乳剤1の調製》
(溶液A1)
ポリマー1 176.6g
pH=6.0に水酸化カリウムで調整
化合物A(*1)(10%メタノール水溶液) 10ml
臭化カリウム 0.32g
水で5429mlに仕上げた
(溶液B1)
0.67mol/L硝酸銀水溶液 2635ml
(溶液C1)
臭化カリウム 51.55g
沃化カリウム 1.47g
水で660mlに仕上げた
(溶液D1)
臭化カリウム 154.9g
沃化カリウム 4.41g
3IrCl6(4×10-5mol/Ag相当) 50.0ml
水で1982mlに仕上げた
(溶液E1)
0.4mol/L臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量
(溶液F1)
水酸化カリウム 0.71g
水で20mlに仕上げた
(溶液G1)
56%酢酸水溶液 18.0ml
(溶液H1)
無水炭酸ナトリウム 1.72g
水で151mlに仕上げた
(*1)化合物A:HO(CH2CH2O)n(CH(CH3)CH2O)17(CH2CH2O)mH(m+n=5〜7)
特公昭58−58288号に記載の混合撹拌機を用いて、溶液A1に、溶液B1の1/4量及び溶液C1の全量を温度25℃、pAg8.09に制御しながら、同時混合法により4分45秒を要して添加し、核形成を行った。1分後、溶液F1の全量を添加した。この間pAgの調整を、溶液E1を用いて適宜行った。6分間経過後、溶液B1の3/4量及び溶液D1の全量を、pAg8.09に制御しながら、同時混合法により14分15秒かけて添加した。5分間撹拌した後、溶液G1を全量添加し、ハロゲン化銀乳剤を沈降させた。沈降部分2000mlを残して上澄み液を取り除き、水を10L加え、撹拌後、再度ハロゲン化銀乳剤を沈降させた。沈降部分1500mlを残し、上澄み液を取り除き、更に水を10L加え、撹拌後、ハロゲン化銀乳剤を沈降させた。沈降部分1500mlを残し、上澄み液を取り除いた後、溶液H1を加え、60℃に昇温し、更に120分撹拌した。最後にpHが5.8になるように調整し、銀量1モル当たり1161gになるように水を添加し、ハロゲン化銀乳剤1を得た。
【0184】
以上の様にして調製したハロゲン化銀乳剤1中のハロゲン化銀粒子は、平均球相当径0.035μm、球相当径の変動係数15%、〔100〕面比率92%の単分散立方体沃臭化銀粒子であった。平均球相当径、球相当径の変動係数については電子顕微鏡を用い1000個の粒子の平均から求めた。またこの粒子の[100]面比率は、クベルカムンク法を用いて求めた。
【0185】
《粉末有機銀塩分散物1〜5の調製》
(粉末有機銀塩分散物1の調製)
純水18648mlに6.48モル/L−KOH水溶液605mlを添加し、85℃に昇温を行い温度の安定したところでベヘン酸1103.8gを溶解し、ベヘン酸カリウム溶液を得た。別に、硝酸銀509gの水溶液4032mlを用意し、5℃にて保温し、19000mlの純水を入れた反応容器を15℃に保温し、特殊機化製オートホモミクサーMARKII 20型を1000rpmに攪拌しながら先のベヘン酸カリウム溶液の全量と硝酸銀水溶液の全量を一定流量でそれぞれ20分かけて添加した。この時、硝酸銀水溶液添加開始後30秒間は硝酸銀水溶液のみが添加されるようにした。そのあとべへん酸カリウム溶液を添加開始し、硝酸銀水溶液の添加終了後30秒間はベヘン酸カリウム溶液のみが添加されるようにした。この時、反応容器内の温度は15℃とし、温度が上がらないように制御した。添加終了後はそのまま3分間攪拌放置した。その後、遠心分離機に送液を行い、脱イオン水を加えて排水の電導度が30μS/cmになるまで脱イオン水による水洗を継続した。水洗終了後、遠心脱水を実施し余分な水分を除去した後、40℃にて質量減がなくなるまで温風循環乾燥機にて乾燥を行い、粉末有機銀塩分散物1を得た。
【0186】
(粉末有機銀塩分散物2の調製)
純水18648mlに6.48モル/L−KOH水溶液605mlを添加し、85℃に昇温を行い温度の安定したところでベヘン酸1103.8gを溶解し、ベヘン酸カリウム溶液を得た。別に、硝酸銀509gの水溶液4032mlを用意し、10℃にて保温し、19000mlの純水を入れた反応容器を30℃に保温し、特殊機化製オートホモミクサーMARKII 20型を1000rpmに攪拌しながら先のベヘン酸カリウム溶液の全量と硝酸銀水溶液の全量を一定流量でそれぞれ20分かけて添加した。この時、硝酸銀水溶液添加開始後30秒間は硝酸銀水溶液のみが添加されるようにした。そのあとべへん酸カリウム溶液を添加開始し、硝酸銀水溶液の添加終了後30秒間はベヘン酸カリウム溶液のみが添加されるようにした。この時、反応容器内の温度は30℃とし、温度が上がらないように制御した。添加終了後はそのまま3分間攪拌放置した。その後、遠心分離機に送液を行い、脱イオン水を加えて排水の電導度が30μS/cmになるまで脱イオン水による水洗を継続した。水洗終了後、遠心脱水を実施し余分な水分を除去した後、40℃にて質量減がなくなるまで温風循環乾燥機にて乾燥を行い、粉末有機銀塩分散物2を得た。
【0187】
(粉末有機銀塩分散物3の調製)
特殊機化製オートホモミクサーMARKII 20型を2500rpmにした以外は粉末有機銀塩分散物2の調製と同様にして粉末有機銀塩分散物3を得た。
(粉末有機銀塩分散物4の調製)
特殊機化製オートホモミクサーMARKII 20型を3500rpmにした以外は粉末有機銀塩分散物2の調製と同様にして粉末有機銀塩分散物4を得た。
(粉末有機銀塩分散物5の調製)
反応容器内の温度を40℃に制御し、特殊機化製オートホモミクサーMARKII 20型を4000rpmにした以外は粉末有機銀塩分散物2の調製と同様にして粉末有機銀塩分散物5を得た。
【0188】
《予備分散液A〜Eの調製》
粉末有機銀塩分散物1〜5を用いて予備分散液を調製した。
【0189】
ポリビニルブチラール粉末(積水化学社製、エスレック BL−5)26.26gをメチルエチルケトン2000gに溶解し、VMA−GETZMANN社製ディゾルバDISPERMAT CA−40M型にて撹拌しながら、得られた粉末有機銀塩分散物1の500gを徐々に添加して十分に混合することにより予備分散液Aを調製した。
【0190】
粉末有機銀塩分散物2〜6を用いる他は予備分散液Aを調製する場合と全く同様にして予備分散液B〜Eを調製した。
【0191】
《感光性分散乳剤A〜Eの調製》
予備分散液Aをポンプを用いてミル内滞留時間が1.5分間となるように、0.5mm径のジルコニアビーズ(東レ製トレセラム)を内容積の80%充填したメディア型分散機DISPERMAT SL−C12EX型(VMA−GETZMANN社製)に供給し、ミル周速8m/sにて分散を行うことにより感光性分散乳剤Aを調製した。
【0192】
予備分散液B〜Eを用いるほかは感光性分散乳剤Aを調製する場合と全く同様にして感光性分散乳剤B〜Eを調製した。
【0193】
《各添加液の調製》
(安定剤液の調製)
1.0gの安定剤1、0.31gの酢酸カリウムをメタノール4.97gに溶解し、安定剤液を調製した。
【0194】
(赤外増感色素液の調製)
19.2mgの赤外増感色素1、1.488gの2−クロロ−安息香酸、2.779gの安定剤2および365mgの5−メチル−2−メルカプトベンズイミダゾールを31.3mlのMEKに暗所にて溶解し、赤外増感色素液を調製した。
【0195】
(強色増感剤液の調製)
50.1mgの強色増感剤1を8.8gのメタノールに溶解し強色増感剤液を調製した。
【0196】
(添加液aの調製)
27.98gの還元剤(A−8)、1.54gの4−メチルフタル酸、0.48gの赤外染料2をMEK110gに溶解し、添加液aとした。
【0197】
(添加液bの調製)
3.56gのカブリ防止剤2、3.43gのフタラジンをMEK40.9gに溶解し、添加液bとした。
【0198】
《感光層塗布液A〜Eの調製》
不活性気体雰囲気下(窒素97%)で、50gの前記感光性乳剤分散液A及び10gの前記感光性ハロゲン化銀乳剤1及び、5.11gのメチルエチルケトンを攪拌しながら21℃に保温し、カブリ防止剤−1(10%メタノール溶液)を390μl加え、1時間攪拌した。更に、臭化カルシウム(10%メタノール溶液)を494μl添加して20分攪拌した。続いて、安定剤液167μlを添加して10分間攪拌した後、1.32gの前記赤外増感色素液Aを添加して1時間攪拌した。その後、温度を13℃まで降温して更に30分攪拌した。13℃に保温したまま、バインダー樹脂としてポリビニルブチラール(Butvar B−79)を13.31g添加して30分攪拌した後、テトラクロロフタル酸(9.4質量%メチルエチルケトン溶液)1.084gを添加して15分間攪拌した。更に攪拌を続けながら、12.43gの添加液a、1.6mlのDesmodurN3300(モーベイ社製の脂肪族イソシアネート 10%メチルエチルケトン溶液)、4.27gの添加液b、を順次添加して攪拌することにより感光性層塗布液Aを得た。
【0199】
感光性分散乳剤B〜Eを用いるほかは感光層塗布液Aの調製の場合と全く同様にして感光層塗布液B〜Eを得た。
【0200】
【化9】

【0201】
(マット剤分散液の調製)
セルロースアセテートブチレート(Eastman Chemical社、7.5gのCAB171−15)をMEK42.5gに溶解し、その中に、炭酸カルシウム(Speciality Minerals社、Super−Pflex200)5gを添加し、ディゾルバ型ホモジナイザにて8000rpmで30分間分散しマット剤分散液を調製した。
【0202】
〈表面保護層塗布液の調製〉
MEK865gを撹拌しながら、セルロースアセテートブチレート(Eastman Chemica社、CAB171−15)96g、ポリメチルメタクリル酸(ローム&ハース社、パラロイドA−21)4.5g、ビニルスルホン化合物(HD−1)1.5g、ベンゾトリアゾール1.0g、F系界面活性剤(旭硝子社、サーフロンKH40)1.0g、を添加し溶解した。次に上記マット剤分散液30gを添加して撹拌し、表面保護層塗布液を調製した。
【0203】
《熱現感光材料の作製》
(感光層面側塗布)
前記感光層塗布液Aと表面保護層塗布液を、公知のエクストルージョンコーターを用いて、同時に重層塗布した。塗布は、感光層は塗布銀量1.7g/m2、表面保護層は乾燥膜厚で2.5μmになる様に行った。その後、乾燥温度75℃、露点温度10℃の乾燥風を用いて、10分間乾燥を行い、感光材料101を作製した。
【0204】
感光層塗布液B〜Eを用いるほかは感光材料101を作製する場合と全く同様にして感光材料102〜105を作製した。
【0205】
《写真性能》
(露光、現像、評価)
上記のように作製した熱現像感光材料の感光層側から、高周波重畳にて波長800nm〜820nmの縦マルチモード化された半導体レーザを発光源とした露光機によりレーザ走査による露光を与えた。この際に、熱現像感光材料の露光面と露光レーザ光の角度を75度として画像を形成した。(なお、当該角度を90度とした場合に比べムラが少なく、且つ予想外に鮮鋭性等が良好な画像が得られた。)
その後、ヒートドラムを有する自動現像機を用いて熱現像感光材料の表面保護層とドラム表面が接触するようにして、110℃で15秒熱現像処理した。その際、露光及び現像は23℃、50%RHに調湿した部屋で行った。得られた画像を濃度計により測定し、感度(未露光部分よりも1.0高い濃度を与える露光量の比の逆数を感度とし、熱現像感光材料101を100とする相対値)、最大濃度(Dmax)、カブリ濃度(未露光部濃度、Dmin)を求めた。
【0206】
《有機銀塩分散物の平均粒径》
有機銀塩分散物1〜5について、以下の測定方法により平均粒径を測定した。
【0207】
[測定方法]
本発明において、有機銀塩分散物の平均粒径とは有機銀塩分散物の投影面積に相当する面積の円の直径、即ち「円相当径」を意味するものとする。
【0208】
上記の平均粒径(円相当径)を求めるには、有機銀塩分散物の調製時の脱塩、脱水後のウエットケーキをサンプリングし、純水に希釈分散させたものをカーボン支持膜付きグリッド上に分散し、透過型電子顕微鏡(日本電子製:2000FX型)を用いて、直接倍率5000倍にて撮影を行う。撮影したネガをスキャナでデジタル画像として取り込み、適当な画像処理ソフトを用いて粒径(円相当径)を300個以上測定し、平均粒径を算出する。
【0209】
尚、カーボン膜としては、極薄いコロジオン、ホルムバールなど有機膜に支持されたものを使用することが好ましく、更に好ましくは、岩塩基板上に形成し基板を溶解除去して得るか、又は上記有機膜を有機溶媒、イオンエッチングにより除去して得られたカーボン単独の膜である。TEMの加速電圧としては80〜400kVが好ましく、特に好ましくは80〜200kVである。
【0210】
写真性能(カブリ濃度、感度、最大濃度)及び有機銀塩分散物の粒径評価結果を併せて表1に示す
【0211】
【表1】

【0212】
表1から明らかなように、写真性能の観点から本発明の有機銀塩分散物を用いた本発明の感光材料が非常に優れていることがわかる。
【0213】
実施例2
《粉末有機銀塩分散物6〜8の調製》
(粉末有機銀塩分散物6の調製)
純水18648mlに6.48モル/L−KOH水溶液605mlを添加し、80℃に昇温を行い温度の安定したところでステアリン酸927.4gを溶解し、ベヘン酸カリウム溶液を得た。別に、硝酸銀509gの水溶液4032mlを用意し、10℃にて保温し、19000mlの純水を入れた反応容器を30℃に保温し、特殊機化製オートホモミクサーMARKII 20型を1000rpmに攪拌しながら先のベヘン酸カリウム溶液の全量と硝酸銀水溶液の全量を一定流量でそれぞれ20分かけて添加した。この時、硝酸銀水溶液添加開始後30秒間は硝酸銀水溶液のみが添加されるようにした。そのあとべへん酸カリウム溶液を添加開始し、硝酸銀水溶液の添加終了後30秒間はベヘン酸カリウム溶液のみが添加されるようにした。この時、反応容器内の温度は15℃とし、温度が上がらないように制御した。添加終了後はそのまま3分間攪拌放置した。その後、遠心分離機に送液を行い、脱イオン水を加えて排水の電導度が30μS/cmになるまで脱イオン水による水洗を継続した。水洗終了後、遠心脱水を実施し余分な水分を除去した後、40℃にて質量減がなくなるまで温風循環乾燥機にて乾燥を行い、粉末有機銀塩分散物6を得た。
【0214】
(粉末有機銀塩分散物7の調製)
特殊機化製オートホモミクサーMARKII 20型を2500rpmにした以外は粉末有機銀塩分散物6の調製と同様にして粉末有機銀塩分散物7を得た。
【0215】
(粉末有機銀塩分散物8の調製)
特殊機化製オートホモミクサーMARKII 20型を3500rpmにした以外は粉末有機銀塩分散物6の調製と同様にして粉末有機銀塩分散物8を得た。
【0216】
《予備分散液F〜Hの調製》
実施例1の予備分散液の調製と同様にして予備分散液F〜Hを得た。
【0217】
《感光性分散乳剤F〜Hの調製》
実施例1の感光性分散乳剤の調製と同様にして感光性分散乳剤F〜Hを得た。
【0218】
《感光層塗布液F〜Hの調製》
実施例1の感光層塗布液の調製と同様にして感光層塗布液F〜Hを得た。
【0219】
《熱現感光材料の作製》
実施例1の熱現感光材料の作製と同様にして感光材料201〜203を作製した。
【0220】
実施例1と同様に写真性能評価(露光、現像、評価)を行った。なお、感度、最大濃度については感光材料201を100とする相対値とした。結果を併せて表2に示す。
【0221】
【表2】

【0222】
表2から明らかなように、写真性能の観点から本発明の有機銀塩分散物を用いた本発明の感光材料が非常に優れていることがわかる。
【0223】
本発明により、写真性能(低カブリ、高感度、高最大濃度)にすぐれた熱現感光材料を提供することができた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩溶液と銀イオン溶液を反応容器中に同時添加し、非感光性脂肪酸銀塩の有機銀塩分散物を製造する方法において、反応容器中の反応溶液のレイノルズ数が5000以上20000以下であることを特徴とする有機銀塩分散物の製造方法。
【請求項2】
脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩溶液と銀イオン溶液を反応容器中に同時添加し、非感光性脂肪酸銀塩の有機銀塩分散物を製造する方法において、反応容器中の反応溶液の単位時間当たりの循環回数が2.5回/分以上11.5回/分以下であることを特徴とする有機銀塩分散物の製造方法。
【請求項3】
前記反応容器中の反応溶液の温度を20℃以上60℃以下に制御することを特徴とする請求項1または2に記載の有機銀塩分散物の製造方法。
【請求項4】
前記脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩溶液のアルカリ金属がカリウムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機銀塩分散物の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機銀塩分散物の製造方法によって製造されることを特徴とする熱現像感光材料用の有機銀塩分散物。
【請求項6】
前記有機銀塩分散物の非感光性脂肪酸銀塩の平均粒径が0.5μm以上3μm以下であることを特徴とする請求項5に記載の熱現像感光材料用の有機銀塩分散物。
【請求項7】
支持体上に、請求項5又は6に記載の有機銀塩分散物、感光性ハロゲン化銀粒子、還元剤およびバインダーを含有する感光層を有することを特徴とする熱現像感光材料。