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有機電界発光素子及び錯体化合物
説明

有機電界発光素子及び錯体化合物

【課題】発光特性が良好な発光素子を提供する。またそれに好適に用いることができる新規な金属錯体を提供する。
【解決手段】一対の電極間に発光層を含む少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子であって、一対の電極間の少なくとも一層に、3 座以上の配位子を有し、かつ配位子が鎖状配位子である金属錯体の少なくとも一種を含有する有機電界発光素子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気エネルギーを光に変換して発光できる有機電界発光素子(発光素子、又はEL素子)に関する。またそれに好適に用いることができる金属錯体に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、種々の表示素子に関する研究開発が活発であり、中でも有機電界発光(EL)素子は、低電圧で高輝度の発光を得ることができるため、有望な表示素子として注目されている。
【0003】
近年、有機EL素子をカラーディスプレイ、白色光源へと適用することが活発に検討されているが、高性能カラーディスプレイ、及び、白色光源を開発する為には青・緑・赤、それぞれの発光素子の特性を向上する必要が有る。
【0004】
一方、赤色発光するりん光発光素子としては、環状4座配位子を有する白金ポルフィリン錯体を発光材料として用いた素子が知られているが(例えば非特許文献1、特許文献1参照)、最高輝度が低い為、改良が求められていた。
また、鎖状のビピリジン系やフェナンスロリン系4座配位子を有する白金ポルフィリン錯体が報告されているが(非特許文献2、特許文献2、特許文献3参照)、色純度などの発光特性と耐久性が両立するものではなく、改良が望まれていた。更に、より短波な緑色、青色発光材料も更に発光特性と耐久性に優れるものの開発が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,303,231B1号明細書
【特許文献2】米国特許第6,653,654B1号明細書
【特許文献3】国際公開第03/093283号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Nature 395,151(1998)
【非特許文献2】Chem.Eur.J.,9,No.6,1264(2003)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、発光特性及び耐久性が良好な発光素子の提供にある。またそれに好適に用いることができる金属錯体の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は下記手段によって達成された。
[1]一対の電極間に発光層を含む少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子であって、一対の電極間の少なくとも一層に、3座以上の配位子を有し、かつ配位子が鎖状配位子である金属錯体の少なくとも一種を含有することを特徴とする有機電界発光素子。
[2]金属錯体中の金属イオンが白金イオン、イリジウムイオン、レニウムイオン、パラジウムイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、及び銅イオンの群から選ばれることを特徴とする[1]に記載の有機電界発光素子。
[3]金属錯体が炭素−金属結合を持たないことを特徴とする[1]又は[2]に記載の有機電界発光素子。
[4]金属錯体がりん光を発光する金属錯体であり、かつ金属錯体を発光層に含有することを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
[5]金属錯体が一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
【0009】
【化1】

【0010】
(M11は金属イオンを表し、L11、L12、L13、L14、L15はそれぞれM11に配位する配位子を表す。L11、L14間に原子群が更に存在して環状配位子を形成することは無い。L15はL11及びL14の両方と結合して環状配位子を形成することはない。Y11、Y12、Y13はそれぞれ連結基、単結合、又は二重結合を表す。L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、単結合又は二重結合を表す。n11は0〜4を表す。)
[6]金属錯体が一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
【0011】
【化2】

【0012】
(M21は金属イオンを表し、Y21は連結基、単結合、又は二重結合を表す。Y22、Y23はそれぞれ単結合又は連結基を表す。Q21、Q22はそれぞれ含窒素ヘテロ環を形成する原子群を表し、Q21で形成される環とY21の間の結合及びQ22で形成される環とY21の間の結合は単結合又は二重結合を表す。X21、X22はそれぞれ酸素原子、硫黄原子、置換又は無置換の窒素原子を表す。R21、R22、R23、R24はそれぞれ水素原子又は置換基を表し、R21及びR22並びにR23及びR24は各々結合して環を形成してもよい。L25はM21に配位する配位子を表す。n21は0〜4の整数を表す。)
[7]金属錯体が一般式(2)で表され、Q21、Q22が形成する環がピリジン環で、Y21は1つ以上の原子からなる連結基を表す化合物であることを特徴とする[6]に記載の有機電界発光素子。
[8]金属錯体が一般式(2)で表され、Q21、Q22が形成する環がピリジン環で、Y21が単結合又は二重結合で、X21、X22が硫黄原子、置換又は無置換の窒素原子を表す化合物であることを特徴とする[6]に記載の有機電界発光素子。
[9]金属錯体が一般式(2)で表され、Q21、Q22が形成する環が含窒素ヘテロ5員環であることを特徴とする[6]に記載の有機電界発光素子。
[10]金属錯体が一般式(2)で表され、Q21、Q22が形成する環が窒素原子を2つ以上含む含窒素6員環であることを特徴とする[6]に記載の有機電界発光素子。
[11]金属錯体が一般式(9)で表される化合物であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の有機電界発光素子。
【0013】
【化3】

【0014】
(MA1は金属イオンを表し、QA1、QA2はそれぞれ含窒素ヘテロ環を形成する原子群を表す。RA1、RA2、RA3、RA4はそれぞれ水素原子又は置換基を表し、RA1及びRA2並びにRA3及びRA4は各々結合して環を形成してもよい。YA2、YA3はそれぞれ連結基又は単結合を表す。YA1はかっこ内の2つの2座配位子をそれぞれ連結する連結基、単結合、又は二重結合を表す。LA5はMA1に配位する配位子を表す。nA1は0〜4の整数を表す。)
[12]金属錯体が一般式(10)で表される化合物であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の有機電界発光素子。
【0015】
【化4】

【0016】
(MB1は金属イオンを表し、YB1は連結基を表す。YB2、YB3はそれぞれ連結基又は単結合を表す。XB1、XB2はそれぞれ酸素原子、硫黄原子、置換又は無置換の窒素原子を表し、nB1、nB2は0ないし1の整数を表す。RB1、RB2、RB3、RB4、RB5、RB6はそれぞれ水素原子又は置換基を表し、RB1及びRB2並びにRB3及びRB4は各々結合して環を形成してもよい。LB5はMB1に配位する配位子を表す。nB3は0〜4の整数を表す。ただし、YB1はRB5又はRB6と連結することはない。)
[13]金属錯体が一般式(8)で表される化合物であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
【0017】
【化5】

【0018】
(M81は金属イオンを表し、L81、L82、L83、L85はそれぞれM81に配位する配位子を表す。L81、L83間に原子群が更に存在して環状又は4座以上の配位子を形成することは無い。L85は金属を介さずにL81又はL83と連結することはない。Y81、Y82はそれぞれ連結基、単結合、又は二重結合を表す。n81は0〜3の整数を表す。)
[14]金属錯体が一般式(8)で表され、L81、L82、L83が炭素原子でM81に配位する芳香族炭素環又はヘテロ環、又は窒素原子でM81に配位する含窒素ヘテロ環を表し、L81、L82、L83のうち少なくとも一つが含窒素ヘテロ環であることを特徴とする[13]に記載の有機電界発光素子。
[15]
金属錯体が一般式(X1)で表されることを特徴とする[1]又は[2]に記載の有機電界発光素子。
【0019】
【化6】

【0020】
(一般式(X1)中、MX1は金属イオンを表す。QX11〜QX16はMX1に配位する原子又はMX1に配位する原子を含んだ原子群を表す。LX11〜LX14は単結合、二重結合又は連結基を表す。すなわち、QX11−LX11−QX12−LX12−QX13からなる原子群及びQX14−LX13−QX15−LX14−QX16からなる原子群はそれぞれ三座の配位子である。MX1とQX11〜QX16との結合は、それぞれ配位結合でも共有結合でもよい。)
[16]前記一般式(X1)で表される金属錯体が、一般式(X2)で表されることを特徴とする[15]に記載の有機電界発光素子。
【0021】
【化7】

【0022】
(一般式(X2)中、MX2は金属イオンを表す。YX21〜YX26はMX2に配位する原子を表し、QX21〜QX26は、それぞれYX21〜YX26と共に芳香環若しくは芳香族ヘテロ環を形成する原子群を表す。LX21〜LX24は単結合、二重結合又は連結基を表す。MX2とYX21〜YX26との結合は、それぞれ配位結合でも共有結合でもよい。)
[17]前記一般式(X1)で表される金属錯体が、一般式(X3)で表されることを特徴とする[15]に記載の有機電界発光素子。
【0023】
【化8】

【0024】
(一般式(X3)中、MX3は金属イオンを表す。YX31〜YX36は、炭素原子、窒素原子、リン原子を表す。LX31〜LX34は単結合、二重結合又は連結基を表す。MX3とYX31〜YX36との結合は、それぞれ配位結合でも共有結合でもよい。)
[18]一対の電極間に少なくとも一層の発光層を含む有機電界発光素子であって、正孔輸送層と発光層に加え、励起子ブロック層、正孔注入層、正孔ブロック層及び電子輸送層からなる群から選ばれる少なくとも一つの層を有することを特徴とする[1]〜[17]のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
[19]一対の電極間に少なくとも一層の発光層を含む有機電界発光素子であって、発光層のホスト材料がアミン化合物、金属キレートオキシノイド化合物(金属−酸素結合を有する化合物)(金属はアルミニウム、亜鉛、又は遷移金属)、ポリアリーレン化合物、縮合芳香族炭素環化合物及び非錯体芳香族ヘテロ環化合物からなる群から選ばれることを特徴とする[1]〜[18]のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
[20]一対の電極間に少なくとも一層の電子輸送層を含む有機電界発光素子であって、電子輸送材料が、金属キレートオキシノイド化合物、ポリアリーレン化合物、縮合芳香族炭素環化合物及び非錯体芳香族ヘテロ環化合物からなる群から選ばれることを特徴とする[1]〜[19]のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
[21]一対の電極間に少なくとも一層の発光層を含む有機電界発光素子であって、発光層のホスト材料が少なくとも2種以上の化合物からなることを特徴とする[1]〜[20]のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
[22]一般式(11)で表される化合物。
【0025】
【化9】

【0026】
(RC1、RC2はそれぞれ水素原子又は置換基を表し、RC3、RC4、RC5、RC6はそれぞれ置換基を表す。nC3、nC6は0〜3、nC4、nC5は0〜4の整数を表し、RC3、RC4、RC5、RC6をそれぞれ複数個有する場合、複数個のRC3、RC4、RC5、RC6は同じであっても異なってもよく、連結して環を形成してもよい。)
[23]一般式(12)で表される化合物。
【0027】
【化10】

【0028】
(RD3、RD4はそれぞれ水素原子又は置換基を表し、RD1、RD2はそれぞれ置換基を表す。nD1、nD2は0〜4の整数を表し、RD1、RD2をそれぞれ複数個有する場合、複数個のRD1、RD2は同じであっても異なってもよく、連結して環を形成してもよい。YD1は1,2位で置換したビニル基、フェニレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環又は炭素数1〜8のメチレン基を表す。)
[24]前記一般式(X1)で表される化合物。
[25]前記一般式(X2)で表される化合物。
[26]前記一般式(X3)で表される化合物。
【0029】
本明細書中の鎖状配位子とは、環状配位子(例えばポルフィリン、フタロシアニンなど)でない配位子である。一般式(8)を例にとると、L81、L83がY81、L82、Y82、M81を介さずに連結することがない配位子のことをいう。L81、Y81、L82、Y82、L83に環構造(例えばベンゼン、ピリジン、キノリンなど)が含まれていても、L81とL83がY81、L82、Y82、M81を介さずに連結していなければ、その配位子を鎖状配位子と呼ぶ。L81とY81の間、Y81とL82の間、L82とY82の間、Y82とL83の間に更に原子群が存在して環を形成しても良い。
【発明の効果】
【0030】
本発明の発光素子は外部量子効率及び最高輝度が高く、発光特性が優れ、また、耐久性も優れる。本発明の発光素子は、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、光通信等の分野に好適に使用できる。また、本発明の化合物は、医療用途、蛍光増白剤、写真用材料、UV吸収材料、レーザー色素、記録メディア用材料、インクジェット用顔料、カラーフィルター用染料、色変換フィルター等にも適用可能である。本発明の新規錯体は、上記のような優れた発光素子を製造するのに好適である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の有機電界発光素子(以下、本発明の素子と呼ぶことがある。)は、一対の電極間に、発光層を含む少なくとも一層の有機層(有機化合物のみから成る層であっても良いし、無機化合物を含有する有機層であっても良い)を有する有機電界発光素子であって、任意の、一対の電極に挟まれる層中に、りん光を発する金属錯体を含有し、その金属錯体が3座以上の配位子を有し、かつ、その配位子が鎖状配位子であることを特徴とする。
【0032】
本発明の3座以上の鎖状配位子を有する金属錯体(以下、本発明の金属錯体と呼ぶことがある。)としては、3座以上8座以下の鎖状配位子を有する金属錯体が好ましく、4座以上8座以下の鎖状配位子を有する金属錯体がより好ましく、4座以上6座以下の鎖状配位子を有する金属錯体が更に好ましく、4座の鎖状配位子を有する金属錯体が特に好ましい。
本発明中の鎖状配位子は、中心金属{例えば、前記一般式(1)の場合はM11を表す。}に窒素で配位する含窒素へテロ環(例えばピリジン環、キノリン環、ピロール環など)を少なくとも一つ有することが好ましい。
【0033】
本発明の金属錯体は、炭素−金属結合を持たないことが好ましい。つまり金属錯体において、金属原子と炭素原子との結合がないことを意味する。炭素−金属結合を持たないとは、具体的には以下の結合であることが好ましい。金属−窒素結合、金属−酸素結合、金属−硫黄結合、金属−リン結合、金属−セレン結合が好ましく、金属−窒素結合、金属−酸素結合、金属−硫黄結合、金属−リン結合がより好ましく、金属−窒素結合、金属−酸素結合、金属−硫黄結合が更に好ましい。
【0034】
本発明に用いられる化合物はりん光を発するものであれば特に限定されず(好ましくは−30℃以上においてりん光を発し、より好ましくは−10℃以上においてりん光を発し、更に好ましくは0℃以上においてりん光を発し、特に好ましくは10℃以上においてりん光を発するものが好ましい。)、蛍光を同時に発するものでも良いが、20℃におけるりん光強度が蛍光強度に比べて2倍以上である化合物が好ましく、10倍以上である化合物がより好ましく、100倍以上である化合物が更に好ましい。
【0035】
本発明のりん光材料は、20℃でのりん光量子収率が10%以上、かつ、りん光λmax(発光極大値)が400nm以上の700nm以下の材料が好ましく、20℃でのりん光量子収率が15%以上、かつ、りん光λmaxが400nm以上575nm以下の材料がより好ましく、20℃でのりん光量子収率が20%以上、かつ、りん光λmaxが400nm以上560nm以下の材料が更に好ましい。
【0036】
本発明の金属錯体は、任意の、一対の電極に挟まれる層に含有されるが、好ましくはホール注入・輸送層及び/又は発光層に含まれ、より好ましくは発光層に含まれる。本発明の金属錯体を発光層中に含有する場合、発光層中のりん光発光化合物の濃度は、発光層の質量に対して、1質量%〜30質量%であることが好ましく、2質量%〜20質量%であることがより好ましく、3質量%〜15質量%であることが更に好ましい。
【0037】
本発明の4座以上の配位子を有する金属錯体の好ましい形態は、前記一般式(1)である。前記一般式(1)の好ましい形態は、前記一般式(2)、下記一般式(5)、前記一般式(9)、前記一般式(10)である。
【0038】
【化11】

【0039】
前記一般式(2)の好ましい形態は下記一般式(3)である。
【0040】
【化12】

【0041】
前記一般式(9)の好ましい形態は下記一般式(6)、下記一般式(7)であり、下記一般式(7)の好ましい形態は前記一般式(11)である。前記一般式(10)の好ましい形態は前記一般式(12)である。
【0042】
【化13】

【0043】
【化14】

【0044】
前記一般式(1)について説明する。M11は金属イオンを表す。金属イオンとしては特に限定されないが、2価又は3価の金属イオンが好ましい。2価又は3価の金属イオンとしては、白金イオン、イリジウムイオン、レニウムイオン、パラジウムイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、銅イオン、ユーロピウムイオン、ガドリニウムイオン、テルビウムイオンが好ましく、白金イオン、イリジウムイオン、ユーロピウムイオンがより好ましく、白金イオン、イリジウムイオンが更に好ましく、白金イオンが特に好ましい。
【0045】
11、L12、L13、L14はそれぞれM11に配位する配位子を表す。L11、L12、L13、L14に含まれ、かつ、M11に配位する原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、炭素原子が好ましく、窒素原子、酸素原子、炭素原子がより好ましい。
【0046】
11とL11、L12、L13、L14でそれぞれ形成される結合は、共有結合であってもイオン結合であっても配位結合であってもよい。L11、Y12、L12、Y11、L13、Y13、L14から成る配位子は、アニオン性配位子(少なくとも一つのアニオンが金属と結合する配位子)であることが好ましい。アニオン性配位子中のアニオンの数は、1〜3が好ましく、1、2がより好ましく、2が更に好ましい。
【0047】
11に炭素原子で配位するL11、L12、L13、L14としては特に限定されないが、イミノ配位子、芳香族炭素環配位子(例えばベンゼン配位子、ナフタレン配位子、アントラセン配位子、フェナントラセン配位子など)、ヘテロ環配位子(例えばチオフェン配位子、ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、及び、それらを含む縮環体(例えばキノリン配位子、ベンゾチアゾール配位子など)及びこれらの互変異性体)である。
【0048】
11に窒素原子で配位するL11、L12、L13、L14としては特に限定されないが、含窒素へテロ環配位子{例えば、ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、トリアジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子、オキサジアゾール配位子、チアジアゾール配位子、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン配位子、ベンズオキサゾール配位子、ベンズイミダゾール配位子など)、及び、これらの互変異性体(本発明では通常の異性体以外に次のような例も互変異性体と定義する。例えば、化合物(24)の5員ヘテロ環配位子、化合物(64)の末端5員ヘテロ環配位子、化合物(145)の5員ヘテロ環配位子もピロール互変異性体と定義する。)など}、アミノ配位子{アルキルアミノ配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばメチルアミノなどが挙げられる。)、アリールアミノ配位子(例えばフェニルアミノなどが挙げられる。)、アシルアミノ配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ配位子(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、イミノ配位子など}が挙げられる。これらの配位子は更に置換されていても良い。
【0049】
11に酸素原子で配位するL11、L12、L13、L14としては特に限定されないが、アルコキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシルオキシ配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、シリルオキシ配位子(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)、カルボニル配位子(例えばケトン配位子、エステル配位子、アミド配位子など)、エーテル配位子(例えばジアルキルエーテル配位子、ジアリールエーテル配位子、フリル配位子など)などが挙げられる。
【0050】
11に硫黄原子で配位するL11、L12、L13、L14としては特に限定されないが、アルキルチオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、チオカルボニル配位子(例えばチオケトン配位子、チオエステル配位子など)、チオエーテル配位子(例えばジアルキルチオエーテル配位子、ジアリールチオエーテル配位子、チオフリル配位子など)などが挙げられる。これらの置換配位子は更に置換されてもよい。
【0051】
11、L14は芳香族炭素環配位子、アルキルオキシ配位子、アリールオキシ配位子、エーテル配位子、アルキルチオ配位子、アリールチオ配位子、アルキルアミノ配位子、アリールアミノ配位子、アシルアミノ配位子、含窒素へテロ環配位子(例えばピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、トリアジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子、オキサジアゾール配位子、チアジアゾール配位子、及び、それらを含む縮配位子体(例えば、キノリン配位子、ベンズオキサゾール配位子、ベンズイミダゾール配位子など)、及び、これらの互変異性体など)が好ましく、芳香族炭素環配位子、アリールオキシ配位子、アリールチオ配位子、アリールアミノ配位子、並びにピリジン配位子、ピラジン配位子、イミダゾール配位子、及び、それらを含む縮配位子体(例えば、キノリン配位子、キノキサリン配位子、ベンズイミダゾール配位子など)、及び、これらの互変異性体がより好ましく、芳香族炭素環配位子、アリールオキシ配位子、アリールチオ配位子、アリールアミノ配位子が更に好ましく、芳香族炭素環配位子、アリールオキシ配位子が特に好ましい。
【0052】
12、L13はM11と配位結合を形成する配位子が好ましい。M11と配位結合を形成する配位子としては、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロール環、トリアゾール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、インドレニン環など)及び、これらの互変異性体が好ましく、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピロール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズピロールなど)、及び、これらの互変異性体がより好ましく、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環など)が更に好ましく、ピリジン環、及び、ピリジン環を含む縮環体(例えば、キノリン環など)が特に好ましい。
【0053】
15はM11に配位する配位子を表す。L15は1〜4座の配位子が好ましく、1〜4座のアニオン性配位子がより好ましい。1〜4座のアニオン性配位子としては特に限定されないが、ハロゲン配位子、1,3−ジケトン配位子(例えばアセチルアセトン配位子など)、ピリジン配位子を含有するモノアニオン性2座配位子(例えばピコリン酸配位子、2−(2−ヒドロキシフェニル)−ピリジン配位子など)、L11、Y12、L12、Y11、L13、Y13、L14で形成される4座配位子が好ましく、1,3−ジケトン配位子(例えばアセチルアセトン配位子など)、ピリジン配位子を含有するモノアニオン性2座配位子(例えばピコリン酸配位子、2−(2−ヒドロキシフェニル)−ピリジン配位子など)、L11、Y12、L12、Y11、L13、Y13、L14で形成される4座配位子がより好ましく、1,3−ジケトン配位子(例えばアセチルアセトン配位子など)、ピリジン配位子を含有するモノアニオン性2座配位子(例えばピコリン酸配位子、2−(2−ヒドロキシフェニル)−ピリジン配位子など)が更に好ましく、1,3−ジケトン配位子(例えばアセチルアセトン配位子など)が特に好ましい。配位座の数、及び配位子の数が、金属の配位数を上回ることはない。L15はL11及びL14の両方と結合して環状配位子を形成することはない。
【0054】
11、Y12、Y13はそれぞれ連結基、単結合、又は二重結合を表す。連結基としては特に限定されないが、例えば、カルボニル連結基、チオカルボニル連結基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、酸素原子連結基、窒素原子連結基、珪素原子連結基、及び、これらの組み合わせからなる連結基などが挙げられる。L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、単結合又は二重結合を表す。
【0055】
11、Y12、Y13はそれぞれ単結合、二重結合、カルボニル連結基、アルキレン連結基、アルケニレン基が好ましく、Y11は単結合、アルキレン基がより好ましく、アルキレン基が更に好ましい。Y12、Y13は単結合、アルケニレン基がより好ましく、単結合が更に好ましい。
【0056】
12、L11、L12、M11で形成される環、Y11、L12、L13、M11で形成される環、Y13、L13、L14、M11で形成される環は、それぞれ環員数4〜10が好ましく、環員数5〜7がより好ましく、環員数5又は6が更に好ましい。
【0057】
11は0〜4を表す。M11が配位数4の金属の場合、n11は0であり、M11が配位数6の金属の場合、n11は1、2が好ましく、1がより好ましい。M11が配位数6でn11が1の場合L15は2座配位子を表し、M11が配位数6でn11が2の場合L15は単座配位子を表す。M11が配位数8の金属の場合、n11は1〜4が好ましく、1、2がより好ましく、1がより好ましい。M11が配位数8でn11が1の場合L15は4座配位子を表し、n11が2の場合L15は2座配位子を表す。n11が複数のときは、複数のL15は同じであっても異なっていても良い。
【0058】
前記一般式(2)について説明する。M21は前記M11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0059】
21、Q22はそれぞれ含窒素へテロ環(M21に配位する窒素を含む環)を形成する原子群を表す。Q21、Q22で形成される含窒素ヘテロ環としては特に限定されないが、例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロール環、トリアゾール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、インドレニン環など)及び、これらの互変異性体が挙げられる。
【0060】
21、Q22で形成される含窒素ヘテロ環は好ましくは、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、ピロール環、ベンズアゾール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環など)及び、これらの互変異性体であり、より好ましくはピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、ピロール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環など)及び、これらの互変異性体であり、更に好ましくは、ピリジン環、及び、その縮環体(例えば、キノリン環など)であり、特に好ましくはピリジン環である。
【0061】
21、X22はそれぞれ酸素原子、硫黄原子、置換又は無置換の窒素原子が好ましく、酸素原子、硫黄原子、置換の窒素原子がより好ましく、酸素原子、硫黄原子が更に好ましく、酸素原子が特に好ましい。
【0062】
21は前記Y11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0063】
22、Y23はそれぞれ単結合、連結基を表し、単結合が好ましい。連結基としては特に限定されないが、例えば、カルボニル連結基、チオカルボニル連結基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、酸素原子連結基、窒素原子連結基、及び、これらの組み合わせからなる連結基などが挙げられる。
【0064】
前記連結基としては、カルボニル連結基、アルキレン連結基、アルケニレン連結基が好ましく、カルボニル連結基、アルケニレン連結基がより好ましく、カルボニル連結基が更に好ましい。
【0065】
21、R22、R23、R24はそれぞれ水素原子又は置換基を表す。置換基としては特に限定されないが、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、
【0066】
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、
【0067】
アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、
【0068】
カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、
【0069】
リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。
【0070】
21、R22、R23、R24はそれぞれアルキル基、アリール基、 R21とR22又はR23とR24が結合して環構造(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基が好ましく、R21とR22又はR23とR24が結合して環構造(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がより好ましい。
【0071】
25は前記L15と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0072】
21は前記n11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0073】
一般式(2)においてQ21、Q22が形成する環がピリジン環のとき、Y21は連結基を表す金属錯体であること、又はQ21、Q22が形成する環がピリジン環で、Y21が単結合又は二重結合で、X21、X22が硫黄原子、置換又は無置換の窒素原子を表す金属錯体であること、又はQ21、Q22が形成する環が含窒素ヘテロ5員環又は、窒素原子を2つ以上含む含窒素6員環を表す金属錯体であることが好ましい。
【0074】
前記一般式(3)について説明する。M31は前記M11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0075】
31、Z32、Z33、Z34、Z35、Z36はそれぞれ置換又は無置換の炭素原子、窒素原子を表し、置換又は無置換の炭素原子がより好ましい。炭素上の置換基としては、前記R21で説明した基が挙げられ、また、Z31とZ32、Z32とZ33、Z33とZ34、Z34とZ35、Z35とZ36が連結基を介して結合し、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成しても良く、Z31とT31、Z36とT38が連結基を介して結合し、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成しても良い。
【0076】
前記炭素上の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基、ハロゲン原子が好ましく、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がより好ましく、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基が更に好ましく、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基が特に好ましい。
【0077】
31、T32、T33、T34、T35、T36、T37、T38はそれぞれ置換又は無置換の炭素原子、窒素原子を表し、置換又は無置換の炭素原子がより好ましい。炭素上の置換基としては、前記R21で説明した基が挙げられ、また、T31とT32、T32とT33、T33とT34、T35とT36、T36とT37、T37とT38が連結基を介して結合し、縮環(例えばベンゾ縮環など)を形成しても良い。
【0078】
前記炭素上の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基、ハロゲン原子が好ましく、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基、ハロゲン原子がより好ましく、アリール基、ハロゲン原子が更に好ましく、アリール基が特に好ましい。
【0079】
31、X32はそれぞれ前記X21、X22と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0080】
前記一般式(5)について説明する。M51は前記M11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0081】
51、Q52はそれぞれ前記Q21、Q22と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0082】
53、Q54はそれぞれ含窒素へテロ環(M51に配位する窒素を含む環)を形成する基を表す。Q53、Q54で形成される含窒素ヘテロ環としては特に限定されないが、ピロール誘導体の互変異性体、イミダゾール誘導体の互変異性体(例えば化合物(29)のヘテロ5員環配位子など)、チアゾール誘導体の互変異性体(例えば化合物(30)のヘテロ5員環配位子など)、オキサゾール誘導体の互変異性体(例えば化合物(31)のヘテロ5員環配位子など)が好ましく、ピロール誘導体の互変異性体、イミダゾール誘導体の互変異性体、チアゾール誘導体の互変異性体がより好ましく、ピロール誘導体の互変異性体、イミダゾール誘導体の互変異性体が更に好ましく、ピロール誘導体の互変異性体が特に好ましい。
【0083】
51は前記Y11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0084】
55は前記L15と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0085】
51は前記n11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0086】
51、W52はそれぞれ置換又は無置換の炭素原子、窒素原子を表し、無置換の炭素原子、窒素原子が好ましく、無置換の炭素原子がより好ましい。
【0087】
前記一般式(9)について説明する。MA1、QA1、QA2、YA1、YA2、YA3、RA1、RA2、RA3、RA4、LA5、nA1は前記一般式(2)のM21、Q21、Q22、Y21、Y22、Y23、R21、R22、R23、R24、L25、n21と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0088】
前記一般式(6)について説明する。M61は前記M11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0089】
61、Q62はそれぞれ環を形成する基を表す。Q61、Q62で形成される環としては特に限定されないが、例えば、ベンゼン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、チオフェン環、イソチアゾール環、フラン環、イソオキサゾ−ル環、及び、その縮環体が挙げられる。
【0090】
61、Q62で形成される環は好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環、チオフェン環、チアゾール環、及び、その縮環体であり、ベンゼン環、ピリジン環、及び、その縮環体がより好ましく、ベンゼン環、及び、その縮環体が更に好ましい。
【0091】
61は前記Y11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0092】
62、Y63はそれぞれ連結基又は単結合を表す。連結基としてはとくに限定されないが、例えば、カルボニル連結基、チオカルボニル連結基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、酸素原子連結基、窒素原子連結基、及び、これらの組み合わせからなる連結基などが挙げられる。
【0093】
62、Y63はそれぞれ単結合、カルボニル連結基、アルキレン連結基、アルケニレン基が好ましく、単結合、アルケニレン基がより好ましく、単結合が更に好ましい。
【0094】
65は前記L15と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0095】
61は前記n11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0096】
61、Z62、Z63、Z64、Z65、Z66、Z67、Z68はそれぞれ置換又は無置換の炭素原子、窒素原子を表し、置換又は無置換の炭素原子が好ましい。炭素上の置換基としては、前記R21で説明した基が挙げられ、また、Z61とZ62、Z62とZ63、Z63とZ64、Z65とZ66、Z66とZ67、Z67とZ68が連結基を介して結合し、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成しても良い。Q61、Q62で形成される環がそれぞれZ61、Z68と連結基を介して結合し、環を形成しても良い。
【0097】
前記炭素上の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基、ハロゲン原子が好ましく、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がより好ましく、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基が更に好ましく、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基が特に好ましい。
【0098】
前記一般式(7)について説明する。M71は前記M11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0099】
71、Y72、Y73はそれぞれ前記Y62と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0100】
75は前記L15と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0101】
71は前記n11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0102】
71、Z72、Z73、Z74、Z75、Z76はそれぞれ置換又は無置換の炭素原子、窒素原子を表し、置換又は無置換の炭素原子が好ましい。炭素上の置換基としては、前記R21で説明した基が挙げられる。また、Z71とZ72、Z73とZ74が連結基を介して結合し、環(例えばベンゼン環、ピリジン環)を形成しても良い。
71〜R74は前記一般式(2)のR21〜R24の置換基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0103】
前記一般式(11)について説明する。
C1、RC2はそれぞれ水素原子又は置換基を表し、置換基としては前記一般式(2)のR21ないしR24の置換基として説明したアルキル基、アリール基を表す。RC3、RC4、RC5、RC6が表す置換基も前記一般式(2)のR21ないしR24の置換基と同義である。nC3、nC6は0〜3、nC4、nC5は0〜4の整数を表し、RC3、RC4、RC5、RC6をそれぞれ複数個有する場合、複数個のRC3、RC4、RC5、RC6は同じであっても異なってもよく、連結して環を形成してもよい。RC3、RC4、RC5、RC6は好ましくはアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン原子である。
【0104】
次に前記一般式(10)について説明する。
B1、YB2、YB3、RB1、RB2、RB3、RB4、LB5、nB3、XB1、XB2は前記一般式(2)のM21、Y22、Y23、R21、R22、R23、R24、L25、n21、X21、X22と同義であり好ましい範囲も同様である。YB1は連結基を表し、前記一般式(2)のY21と同様のであり、好ましくは1,2位で置換したビニル基、フェニレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環又は炭素数2〜8のメチレン基を表す。RB5、RB6は水素原子又は置換基を表し、置換基としては前記一般式(2)のR21ないしR24の置換基として説明したアルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。ただし、YB1はRB5又はRB6と連結することはない。nB1、nB2は0ないし1の整数を表す。
【0105】
次に前記一般式(12)について説明する。RD1、RD2、RD3、RD4はが表す置換基としては前記一般式(10)のRB5、RB6が表す置換基と同義であり、好ましい範囲も同様である。nD1、nD2は0〜4の整数を表す。YD1は1,2位で置換したビニル基、フェニレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環又は炭素数1〜8のメチレン基を表す。
【0106】
本発明の3座配位子を有する金属錯体の好ましい形態は、前記一般式(8)である。
【0107】
前記一般式(8)について説明する。M81は前記M11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0108】
81、L82、L83はそれぞれ前記L11、L12、L14と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0109】
81、Y82はそれぞれ前記Y11、Y12と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0110】
85はM81に配位する配位子を表す。L85は1〜3座の配位子が好ましく、1〜3座のアニオン性配位子がより好ましい。1〜3座のアニオン性配位子としては特に限定されないが、ハロゲン配位子、L81、Y81、L82、Y82、L83で形成される3座配位子が好ましく、L81、Y81、L82、Y82、L83で形成される3座配位子がより好ましい。L85が金属を介さずにL81、L83と連結することはない。配位座の数、及び配位子の数が、金属の配位数を上回ることはない。
【0111】
81は0〜5を表す。M81が配位数4の金属の場合、n81は1であり、L85は単座配位子を表す。M81が配位数6の金属の場合、n81は1〜3が好ましく、1、3がより好ましく、1が更に好ましい。M81が配位数6でn81が1の場合L85は3座配位子を表し、M81が配位数6でn81が2の場合L85は単座配位子1つと2座配位子1つを表し、M81が配位数6でn81が3の場合L85は単座配位子を表す。M81が配位数8の金属の場合、n81は1〜5が好ましく、1、2がより好ましく、1がより好ましい。M81が配位数8でn81が1の場合L85は5座配位子を表し、n81が2の場合L85は3座配位子1つと2座配位子1つを表し、n81が3の場合L85は3座配位子1つと単座配位子2つ、又は、2座配位子2つと単座配位子1つを表し、n81が4の場合L85は2座配位子1つと単座配位子3つを表し、n81が5の場合L85は単座配位子5つを表す。n81が複数のときは、複数のL85は同じであっても異なっていても良い。
【0112】
前記一般式(8)の好ましい形態は、前記一般式(8)のL81、L82、L83が炭素原子でM81に配位する芳香族炭素環又はヘテロ環、又は窒素原子でM81に配位する含窒素ヘテロ環を表し、L81、L82、L83のうち少なくとも一つが含窒素ヘテロ環である。これら炭素原子で配位する芳香族炭素環、ヘテロ環及び窒素原子で配位する含窒素ヘテロ環は前記一般式(1)で説明したM11に炭素原子で配位する配位子及び窒素原子で配位する例が挙げられ、好ましい範囲も同様である。Y81、Y82は好ましくは単結合ないしはメチレン基を表す。
前記一般式(8)の他の好ましい形態は下記一般式(13)、下記一般式(14)である。
【0113】
【化15】

【0114】
【化16】

【0115】
前記一般式(13)について説明する。M91は前記M81と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0116】
91、Q92は含窒素へテロ環(M91に配位する窒素を含む環)を形成する基を表す。Q91、Q92で形成される含窒素ヘテロ環としては特に限定されないが、例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、インドレニン環など)及び、これらの互変異性体が挙げられる。
【0117】
91、Q92で形成される含窒素ヘテロ環は好ましくは、ピリジン環、ピラゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピロール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズチアゾール環、ベンズイミダゾール環、インドレニン環など)、及び、これらの互変異性体であり、より好ましくはピリジン環、ピロール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環など)、及び、これらの互変異性体、更に好ましくは、ピリジン環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環など)であり、特に好ましくはピリジン環である。
【0118】
93は含窒素へテロ環(M91に配位する窒素を含む環)を形成する基を表す。Q93で形成される含窒素ヘテロ環としては特に限定されないが、ピロール環、イミダゾール環、トリアゾール環の互変異性体、及び、それらを含む縮環体(例えばベンズピロールなど)が好ましく、ピロール環の互変異性体及びピロール環を含む縮環体(例えばベンズピロールなど)の互変異性体がより好ましい。
【0119】
91、W92はそれぞれ前記W51、W52と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0120】
95は前記L85と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0121】
91は前記n81と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0122】
前記一般式(14)について説明する。M101は前記M81と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0123】
102は前記Q21と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0124】
101は前記Q91と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0125】
103は芳香環を形成する基を表す。Q103で形成される芳香環としては特に限定されないが、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、及び、それらを含む縮環体(例えばナフタレン環など)が好ましく、ベンゼン環及びベンゼン環を含む縮環体(例えばナフタレン環など)がより好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。
【0126】
101、Y102はそれぞれ前記Y22と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0127】
105は前記L85と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0128】
101は前記n81と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0129】
101は前記X21と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0130】
本発明の化合物は低分子化合物であっても良く、また、オリゴマー化合物、ポリマー化合物(重量平均分子量(ポリスチレン換算)は好ましくは1000〜5000000、より好ましくは2000〜1000000、更に好ましくは3000〜100000である。)であっても良い。ポリマー化合物の場合、前記一般式(1)で表される構造がポリマー主鎖中に含まれても良く、また、ポリマー側鎖に含まれていても良い。また、ポリマー化合物の場合、ホモポリマー化合物であっても良く、共重合体であっても良い。本発明の化合物は低分子化合物が好ましい。
【0131】
本発明の三座配位子を有する金属錯体の他の態様は、前記一般式(X1)で表される金属錯体である。前記一般式(X1)で表される金属錯体のうち、好ましくは前記一般式(X2)で表される金属錯体であり、より好ましくは前記一般式(X3)で表される金属錯体である。
【0132】
前記一般式(X1)について説明する。
X1は金属イオンを表す。金属イオンとしては特に限定されないが、1価〜3価の金属イオンが好ましく、2価又は3価の金属イオンがより好ましく、3価の金属イオンが更に好ましい。具体的には白金イオン、イリジウムイオン、レニウムイオン、パラジウムイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、銅イオン、ユーロピウムイオン、ガドリニウムイオン、テルビウムイオンが好ましく、白金イオン、イリジウムイオン、ユーロピウムイオンがより好ましく、白金イオン、イリジウムイオンが更に好ましく、イリジウムイオンが特に好ましい。
X11〜QX16はMX1に配位する原子又はMX1に配位する原子を含んだ原子群を表す。QX11〜QX16がMX1に配位する原子を表す場合、その具体的な原子としては、炭素原子、窒素原子、酸素原子、珪素原子、リン原子、硫黄原子などが挙げられ、好ましくは窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子であり、より好ましくは窒素原子、酸素原子である。
X11〜QX16がMX1に配位する原子を含んだ原子群を表す場合、炭素原子で配位するものとしては、例えばイミノ基、芳香族炭化水素環基(ベンゼン、ナフタレンなど)、ヘテロ環基(チオフェン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、チアゾール、オキサゾール、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾールなど)及びこれらを含む縮合環、及びこれらの互変異性体が挙げられる。
【0133】
窒素原子で配位するものとしては、例えば含窒素ヘテロ環基(ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、チアゾール、オキサゾール、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾールなど)、アミノ基(アルキルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばメチルアミノ)、アリールアミノ基(例えばフェニルアミノ)などが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、イミノ基などが挙げられる。これらの基は更に置換されていても良い。
【0134】
酸素原子で配位するものとしては、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)、カルボニル基(例えばケトン基、エステル基、アミド基など)、エーテル基(例えばジアルキルエーテル基、ジアリールエーテル基、フリル基など)などが挙げられる。
【0135】
硫黄原子で配位するものとしては、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、チオカルボニル基(例えばチオケトン基、チオエステル基など)、チオエーテル基(例えばジアルキルチオエーテル基、ジアリールチオエーテル基、チオフリル基など)などが挙げられる。
【0136】
リン原子で配位するものとしては、ジアルキルホスフィノ基、ジアリールホスフィノ基、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、ホスフィニン基等があげられる。これらの基は更に置換されてもよい。
【0137】
X11〜QX16で表される原子群として好ましくは、炭素で配位する芳香族炭化水素環基、炭素で配位する芳香族ヘテロ環基、窒素で配位する含窒素芳香族ヘテロ環基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ジアルキルホスフィノ基であり、より好ましくは炭素で配位する芳香族炭化水素環基、炭素で配位する芳香族ヘテロ環基、窒素で配位する含窒素芳香族ヘテロ環基である。
【0138】
X11〜LX14は、単結合、二重結合又は連結基を表す。連結基としては特に限定されないが、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子からなる連結基が好ましく、下記に具体例を示すが、これらに限定されることは無い。
【0139】
【化17】

【0140】
これらの連結基は更に置換されてもよく、置換基としては前記一般式(2)におけるR21〜R24で表される置換基として挙げたものが適用でき、好ましい範囲も同様である。LX11〜LX14として好ましくは、単結合、ジメチルメチレン基、ジメチルシリレン基である。
【0141】
前記一般式(X1)で表される金属錯体は、より好ましくは前記一般式(X2)で表される金属錯体である。次に前記一般式(X2)について説明する。
X2は前記一般式(X1)におけるMX1と同義であり、また好ましい範囲も同様である。YX21〜YX26はMX2に配位する原子を表す。YX21〜YX26とMX2との結合は配位結合でも共有結合でも良い。YX21〜YX26としては、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、りん原子、ケイ素原子が挙げられ、好ましくは炭素原子、窒素原子である。QX21〜QX26は、それぞれYX21〜YX26を含んで芳香族炭化水素環又は芳香族ヘテロ環を形成する原子群を表す。この場合に形成する芳香族炭化水素環、芳香族ヘテロ環としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、チオフェン環、フラン環が挙げられ、好ましくはベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環であり、更に好ましくはベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピラゾール環、トリアゾール環であり、特に好ましくはベンゼン環、ピリジン環である。これらは更に縮環を有していても置換基を有していても良い。
【0142】
X21〜LX24は前記一般式(X1)におけるLX11〜LX14と同義であり好ましい範囲も同様である。
【0143】
前記一般式(X1)で表される金属錯体は、更に好ましくは前記一般式(X3)で表される金属錯体である。次に前記一般式(X3)について説明する。
X3は前記一般式(X1)におけるMX1と同義であり、また好ましい範囲も同様である。YX31〜YX36はMX3に配位する原子を表す。YX31〜YX36とMX3との結合は配位結合でも共有結合でも良い。YX31〜YX36としては、炭素原子、窒素原子、りん原子が挙げられ、好ましくは炭素原子、窒素原子である。LX31〜LX34は前記一般式(X1)におけるLX11〜LX14と同義であり好ましい範囲も同様である。
【0144】
次に本発明の化合物の化合物例を示すが、本発明はこれに限定されない。
【0145】
【化18】

【0146】
【化19】

【0147】
【化20】

【0148】
【化21】

【0149】
【化22】

【0150】
【化23】

【0151】
【化24】

【0152】
【化25】


【0153】
【化26】

【0154】
【化27】

【0155】
【化28】

【0156】
【化29】

【0157】
【化30】

【0158】
【化31】

【0159】
【化32】

【0160】
【化33】

【0161】
【化34】

【0162】
【化35】

【0163】
【化36】

【0164】
【化37】

【0165】
【化38】

【0166】
【化39】

【0167】
【化40】

【0168】
【化41】

【0169】
【化42】

【0170】
【化43】

【0171】
(本発明の金属錯体の合成方法)
本発明の金属錯体(前記一般式(1)〜(14)及び前記一般式(X1)〜(X3)で表される化合物)は、種々の手法で合成できる。
例えば、配位子、又はその解離体と金属化合物を溶媒(例えば、ハロゲン系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、スルホン系溶媒、スルホキサイド系溶媒、水などが挙げられる)の存在下、若しくは、溶媒非存在下、塩基の存在下(無機、有機の種々の塩基、例えば、ナトリウムメトキサイド、t−ブトキシカリウム、トリエチルアミン、炭酸カリウムなどが挙げられる)、若しくは、塩基非存在下、室温以下、若しくは加熱し(通常の加熱以外にもマイクロウェーブで加熱する手法も有効である)得ることができる。
【0172】
本発明の金属錯体を合成する際の反応時間は反応原料の活性により異なり、特に限定されないが、1分以上5日以下が好ましく、5分以上3日以下がより好ましく、10分以上1日以下が更に好ましい。
【0173】
本発明の金属錯体合成の反応温度は反応の活性により異なり、特に限定されないが、0℃以上300℃以下が好ましく、5℃以上250℃以下がより好ましく、10℃以上200℃以下が更に好ましい。
【0174】
本発明の金属錯体は、目的とする錯体の部分構造を形成している配位子を適宜選択することで、前記一般式(1)〜(14)及び前記一般式(X1)〜(X3)で表される化合物は合成できる。例えば一般式(3)で表される化合物を合成する際は、6,6’−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−2,2’−ビピリジル配位子又はその誘導体(例えば、2,9−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−1,10−フェナントロリン配位子、2,9−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン配位子、6,6’−ビス(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2,2’−ビピリジル配位子など)などを、金属化合物に対し、好ましくは0.1当量〜10当量、より好ましくは0.3当量〜6当量、更に好ましくは0.5当量〜4当量加えて合成できる。一般式(3)で表される化合物の合成方法において、反応溶媒、反応時間、反応温度の各々は、上記本発明の金属錯体の合成方法で述べた事項と同様である。
【0175】
6,6’−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−2,2’−ビピリジル配位子の誘導体は種々の公知の方法を用いて合成することができる。例えば、2,2’−ビピリジル誘導体(例えば、1,10−フェナントロリンなど)とアニソール誘導体(例えば、4−フルオロアニソールなど)をJournal of Organic Chemistry, 741, 11,(1946)に記載の方法で反応させることにより合成することができる。また、ハロゲン化された2,2’−ビピリジル誘導体(例えば、2,9−ジブロモ−1,10−フェナントロリンなど)と2−メトキシフェニルボロン酸誘導体など(例えば、2−メトキシ−5−フルオロフェニルボロン酸など)を出発物質として鈴木カップリング反応を行った後、メチル基を脱保護する(Journal of Organic Chemistry, 741, 11,(1946)に記載の方法、ピリジン塩酸塩中で加熱するなどの方法を用いる)ことにより合成することができる。また、2,2’−ビピリジルボロン酸誘導体(例えば6,6’−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロリル)−2,2’−ビピリジルなど)とハロゲン化されたアニソール誘導体(例えば2−ブロモアニソールなど)を出発物質として鈴木カップリング反応を行った後、メチル基を脱保護する(Journal of Organic Chemistry, 741, 11,(1946)に記載の方法、又は、ピリジン塩酸塩中で加熱するなどの方法を用いる)ことによっても合成することができる。
【0176】
本発明の金属錯体を含有する発光素子に関して説明する。本発明の発光素子は、本発明の金属錯体を利用する素子であればシステム、駆動方法、利用形態など特に問わない。代表的な発光素子として有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を挙げることができる。
本発明の発光素子は一対の電極間に発光層を含む少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子であって、正孔輸送層と発光層に加え、励起子ブロック層、正孔注入層、正孔ブロック層ないし電子輸送層から選ばれる少なくとも一つの層を有することが好ましい。
【0177】
本発明の発光素子は陰極と発光層の間にイオン化ポテンシャル5.9eV以上(より好ましくは6.0eV以上)の化合物を含有する層を用いるのが好ましく、イオン化ポテンシャル5.9eV以上の電子輸送層を用いるのがより好ましい。
【0178】
本発明の金属錯体を含有する発光素子の有機層の形成方法は、特に限定されるものではないが、抵抗加熱蒸着、電子ビーム、スパッタリング、分子積層法、コーティング法(スプレーコート法、ディップコート法、含浸法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、スピンコート法、フローコート法、バーコート法、マイクログラビアコート法、エアードクターコート、ブレードコート法、スクイズコート法、トランスファーロールコート法、キスコート法、キャストコート法、エクストルージョンコート法、ワイヤーバーコート法、スクリーンコート法等)、インクジェット法、印刷法、転写法などの方法が用いられ、特性面、製造面で抵抗加熱蒸着、コーティング法、転写法が好ましい。
【0179】
陽極は正孔注入層、正孔輸送層、発光層などに正孔を供給するものであり、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、又はこれらの混合物などを用いることができ、好ましくは仕事関数が4eV以上の材料である。具体例としては酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性金属酸化物、あるいは金、銀、クロム、ニッケル等の金属、更にこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、及びこれらとITOとの積層物などが挙げられ、好ましくは、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からITOが好ましい。陽極の膜厚は材料により適宜選択可能であるが、通常10nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは50nm〜1μmであり、更に好ましくは100nm〜500nmである。
【0180】
陽極は通常、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、透明樹脂基板などの上に層形成したものが用いられる。ガラスを用いる場合、その材質については、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライムガラスを用いる場合、シリカなどのバリアコートを施したものを使用することが好ましい。基板の厚みは、機械的強度を保つのに十分であれば特に制限はないが、ガラスを用いる場合には、通常0.2mm以上、好ましくは0.7mm以上のものを用いる。
陽極の作製には材料によって種々の方法が用いられるが、例えばITOの場合、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、化学反応法(ゾル−ゲル法など)、酸化インジウムスズの分散物の塗布などの方法で膜形成される。
陽極は洗浄その他の処理により、素子の駆動電圧を下げたり、発光効率を高めることも可能である。例えばITOの場合、UV−オゾン処理、プラズマ処理などが効果的である。
【0181】
陰極は電子注入層、電子輸送層、発光層などに電子を供給するものであり、電子注入層、電子輸送層、発光層などの負極と隣接する層との密着性やイオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選ばれる。陰極の材料としては金属、合金、金属ハロゲン化物、金属酸化物、電気伝導性化合物、又はこれらの混合物を用いることができ、具体例としてはアルカリ金属(例えばLi、Na、K等)及びそのフッ化物又は酸化物、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca等)及びそのフッ化物又は酸化物、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金又はそれらの混合金属、リチウム−アルミニウム合金又はそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金又はそれらの混合金属、インジウム、イッテリビウム等の希土類金属等が挙げられ、好ましくは仕事関数が4eV以下の材料であり、より好ましくはアルミニウム、リチウム−アルミニウム合金又はそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金又はそれらの混合金属等である。陰極は、上記化合物及び混合物の単層構造だけでなく、上記化合物及び混合物を含む積層構造を取ることもできる。例えば、アルミニウム/フッ化リチウム、アルミニウム/酸化リチウムの積層構造が好ましい。陰極の膜厚は材料により適宜選択可能であるが、通常10nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは50nm〜1μmであり、更に好ましくは100nm〜1μmである。
陰極の作製には電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、コーティング法、転写法などの方法が用いられ、金属を単体で蒸着することも、二成分以上を同時に蒸着することもできる。更に、複数の金属を同時に蒸着して合金電極を形成することも可能であり、またあらかじめ調整した合金を蒸着させてもよい。
陽極及び陰極のシート抵抗は低い方が好ましく、数百Ω/□以下が好ましい。
【0182】
発光層の材料は、電界印加時に陽極又は正孔注入層、正孔輸送層から正孔を注入することができると共に陰極又は電子注入層、電子輸送層から電子を注入することができる機能や、注入された電荷を移動させる機能、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層を形成することができるものであれば何でもよく、本発明の化合物のほか、例えばベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、スチリルベンゼン、ポリフェニル、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、ナフタルイミド、クマリン、ペリレン、ペリノン、オキサジアゾール、アルダジン、ピラリジン、シクロペンタジエン、ビススチリルアントラセン、キナクリドン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、シクロペンタジエン、スチリルアミン、芳香族ジメチリディン化合物、8−キノリノールの金属錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン、イリジウムトリスフェニルピリジン錯体、及び、白金ポルフィリン錯体に代表される遷移金属錯体、及び、それらの誘導体等が挙げられる。
発光層のホスト材料としては好ましくはアミン化合物(例えばトリアリールアミン化合物など)、金属キレートオキシノイド化合物(金属−酸素結合を有する化合物)(金属はアルミニウム、亜鉛、遷移金属、配位子としては8−ヒドロキシキノリン誘導体、2−(2−ピリジノ)フェノール誘導体など)、ポリアリーレン化合物(ヘキサフェニルベンゼン誘導体など)、縮合芳香族炭素環化合物ないし非錯体芳香族含窒素ヘテロ環化合物(カルバゾール誘導体など)であり、発光層のホスト材料が少なくとも2種以上の化合物の混合物であってもよい。
発光層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。
発光層の形成方法は、特に限定されるものではないが、抵抗加熱蒸着、電子ビーム、スパッタリング、分子積層法、コーティング法、インクジェット法、印刷法、LB法、転写法などの方法が用いられ、好ましくは抵抗加熱蒸着、コーティング法である。
【0183】
発光層は単一化合物で形成されても良いし、複数の化合物で形成されても良い。また、発光層は一つであっても複数であっても良く、それぞれの層が異なる発光色で発光して、例えば、白色を発光しても良い。単一の発光層から白色を発光しても良い。発光層が複数の場合は、それぞれの発光層は単一材料で形成されていても良いし、複数の化合物で形成されていても良い。
【0184】
正孔注入層、正孔輸送層の材料は、陽極から正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれか有しているものであればよい。その具体例としては、カルバゾール、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、ポリアリールアルカン、ピラゾリン、ピラゾロン、フェニレンジアミン、アリールアミン、アミノ置換カルコン、スチリルアントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、シラザン、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機シラン、カーボン膜、本発明の化合物、及び、それらの誘導体等が挙げられる。正孔注入層、正孔輸送層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。正孔注入層、正孔輸送層は上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
正孔注入層の材料として好ましくは、銅フタロシアニンやスターバースト型アミン化合物などが挙げられる。
正孔注入層、正孔輸送層の形成方法としては、真空蒸着法やLB法、前記正孔注入輸送材料を溶媒に溶解又は分散させてコーティングする方法、インクジェット法、印刷法、転写法が用いられる。コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解又は分散することができ、樹脂成分としては例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などが挙げられる。
【0185】
電子注入層、電子輸送層の材料は、陰極から電子を注入する機能、電子を輸送する機能、陽極から注入された正孔を障壁する機能のいずれか有しているものであればよい。電子輸送層の材料として好ましくは、金属キレートオキシノイド化合物、ポリアリーレン化合物、縮合芳香族炭素環化合物ないし非錯体芳香族ヘテロ環化合物などが挙げられる。その具体例としては、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、フルオレノン、アントラキノジメタン、アントロン、ジフェニルキノン、チオピランジオキシド、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン、ジスチリルピラジン、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン、8−キノリノールの金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン、及び、それらの誘導体等が挙げられる。電子注入層、電子輸送層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。電子注入層、電子輸送層は上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
電子注入層、電子輸送層の形成方法としては、真空蒸着法やLB法、前記電子注入輸送材料を溶媒に溶解又は分散させてコーティングする方法、インクジェット法、印刷法、転写法などが用いられる。コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解又は分散することができ、樹脂成分としては例えば、正孔注入輸送層の場合に例示したものが適用できる。
【0186】
保護層の材料としては水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。その具体例としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2、Al23、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe23、Y23、TiO2等の金属酸化物、MgF2、LiF、AlF3、CaF2等の金属フッ化物、SiNx、SiOxyなどの窒化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
保護層の形成方法についても特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング法、印刷法、転写法を適用できる。
【実施例】
【0187】
以下に本発明の具体的実施例を述べるが、本発明の実施の態様はこれらに限定されない。・化合物(1)の合成
6,6’−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−2,2’−ビピリジル0.1g、PtCl20.16gにベンゾニトリル10mlを加え、窒素雰囲気下3時間加熱還流させた。反応液を室温に冷却し、メタノールを加え沈殿させ、吸引ろ過した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒クロロホルム)で精製し、化合物(1)0.06gを得た。マススペクトル測定により化合物(1)の構造を確認した。窒素雰囲気下、化合物(1)を含むクロロホルム溶液にUV光を照射したところ、赤橙色の発光(λmax=624nm)が得られた。
【0188】
【化44】

【0189】
出発原料として上記で用いた6,6’−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−2,2’−ビピリジルはJournal of Organic Chemistry, 741, 11, (1946)に記載の方法で合成することができる。また、下記スキームによっても合成できる。
【0190】
【化45】

【0191】
・6,6’−ビス(2−メトキシフェニル)−2,2’−ビピリジルの合成
6,6’−ジブロモ−2,2’−ビピリジン1.15g、2-メトキシフェニルボロン酸1.45g、PPh30.167g、炭酸カリウム2.2g、Pd(OAc)2 36mgにジメトキシエタン10ml、水10mlを加え、窒素雰囲気下4時間加熱還流させた。反応液を室温に冷却し、クロロホルム20ml、水20mlを加え分液し、有機層を濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒クロロホルム)で精製し、6,6’−ビス(2−メトキシフェニル)−2,2’−ビピリジル0.9gを得た。
・6,6’−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−2,2’−ビピリジルの合成
6,6’−ビス(2−メトキシフェニル)−2,2’−ビピリジル配位子0.3g、ピリジン塩酸塩10gを窒素雰囲気下160℃で4時間加熱させた。その後室温に冷却し、クロロホルム20ml、水20mlを加え分液し、有機層を濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒クロロホルム)で精製し、6,6’−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−2,2’−ビピリジル0.2gを得た。
【0192】
同様の方法で合成した化合物(79)と、化合物(88)の合成スキームを示す。
【0193】
【化46】

【0194】
化合物(79)のジクロロエタン中の発光のλmaxは512nm、化合物(88)のジクロロエタン中の発光のλmaxは620nmであった。
また、前記一般式(11)で表される化合物ないし前記一般式(12)で表される化合物で置換基がアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン原子の場合、上記合成法で合成できる。例示化合物58の合成
【0195】
【化47】

【0196】
中間体(2)の合成
窒素雰囲気下、トルエン125mLとN,N,N,N−テトラメチルエチレンジアミン50mLの混合溶媒中に、水素化リチウム5g(0.636モル)を懸濁させた。この中に、乾燥アセトニトリル4.33g(0.106モル)を加え、室温で40分攪拌した。得られた懸濁液中に、2,6−ジブロモピリジン25g(0.106モル)を加えて加熱し、5時間加熱還流した。得られた黄色懸濁液を室温まで冷却し、氷冷した希塩酸中にゆっくりと滴下した。有機層を分離してクロロホルムで抽出し、水で3回、飽和食塩水で1回洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して橙黄色の(2)の粗体を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製した後、エタノールから再結晶し、純粋な(2)を黄色粉末として6.1g(収率33%)で得た。
【0197】
中間体(3)の合成
濃塩酸100mLとエタノール100mLの混合液中に、(2)を4g(11.33ミリモル)を加えて加熱し、3時間加熱還流した。室温まで冷却した後、氷で冷却しながら水酸化ナトリウムの水溶液で、中和操作を行った。クロロホルムで抽出し、水で3回、飽和食塩水で1回洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して淡黄色の(3)の粗体を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製した後、ジクロロメタン−ヘキサンから再結晶し、純粋な(3)を無色針状結晶として2.5g(収率67%)で得た。
【0198】
中間体(4)の合成
窒素雰囲気下、(3)を700mg(2.13ミリモル)と2,6−ジフルオロフェニルボロン酸674mg(4.26ミリモル)を1,2−ジメトキシエタン10mLに溶解させた。この中に、トリフェニルホスフィン112mg(0.43ミリモル)を加え、更に炭酸カリウム1.6gの水溶液15mL(11.52ミリモル)を加えた。次に、酢酸パラジウム24mg(0.11ミリモル)を加えて、4時間、加熱還流した。室温まで冷却した後、酢酸エチルで抽出し、水で2回、飽和食塩水で1回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して、褐色油状の(4)の粗体を得た。クロロホルム/ヘキサンから再結晶し、純粋な(4)を淡黄色粉末として500mg(収率60%)で得た。
【0199】
例示化合物58の合成
窒素雰囲気下、ベンゾニトリル15mL中に、(4)150mg(0.38ミリモル)と塩化白金101mg(0.38ミリモル)を加え、180℃で2時間加熱した。室温まで冷却すると、橙赤色の針状晶が析出した。針状晶を濾別し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製した後、クロロホルムから再結晶し、純粋な例示化合物58を橙赤色針状晶として110mg(収率49%)得た。
【0200】
比較例1
洗浄したITO基板を蒸着装置に入れ、TPD(N,N−ジフェニル−N,N−ジ(m−トリル)−ベンジジン)を50nm蒸着し、この上に、PtOEP(オクタエチルポルフィリン白金錯体)と化合物Aを1対17の比率(質量比)で36nm共蒸着し、この上に、化合物Aを36nm蒸着した。有機薄膜上にパターニングしたマスク(発光面積が4mm×5mmとなるマスク)を設置し、蒸着装置内でフッ化リチウム3nmを蒸着し、この上に、アルミニウム400nmを蒸着した。東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400型(商品名)を用いて、直流定電圧をEL素子に印加し発光させ、その輝度をトプコン社の輝度計BM−8(商品名)を用いて測定した。その結果、200cd/m2で外部量子効率1.1%、最高輝度390cd/m2の発光が得られた。
【0201】
実施例1
洗浄したITO基板を蒸着装置に入れ、TPD(N,N−ジフェニル−N,N−ジ(m−トリル)−ベンジジン)を50nm蒸着し、この上に、本発明の化合物(1)と化合物Aを1対17の比率(質量比)で36nm共蒸着し、この上に、化合物Bを36nm蒸着した。有機薄膜上にパターニングしたマスク(発光面積が4mm×5mmとなるマスク)を設置し、蒸着装置内でフッ化リチウム3nmを蒸着し、この上に、アルミニウム400nmを蒸着した。東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400型(商品名)を用いて、直流定電圧をEL素子に印加し発光させ、その輝度をトプコン社の輝度計BM−8(商品名)を用いて測定した。その結果、200cd/m2で外部量子効率2.8%、最高輝度1090cd/m2の発光が得られた。
【0202】
実施例2
洗浄したITO基板を蒸着装置に入れ、TPD(N,N−ジフェニル−N,N−ジ(m−トリル)−ベンジジン)を50nm蒸着し、この上に、本発明の化合物(1)と化合物Aを1対2の比率(質量比)で36nm共蒸着し、この上に、化合物Bを36nm蒸着した。有機薄膜上にパターニングしたマスク(発光面積が4mm×5mmとなるマスク)を設置し、蒸着装置内でフッ化リチウム3nmを蒸着し、この上に、アルミニウム400nmを蒸着した。東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400型(商品名)を用いて、直流定電圧をEL素子に印加し発光させ、その輝度をトプコン社の輝度計BM−8(商品名)を用いて測定した。その結果、200cd/m2で外部量子効率4.4%、最高輝度3820cd/m2の発光が得られた。
【0203】
比較例2
米国特許第6,653,654B1明細書(US6.653654B1)の例8記載の方法でEL素子を作成した(素子No−101)。
【0204】
比較例3
洗浄したITO基板を蒸着装置に入れ、α−NPDを50nm蒸着しホール輸送層を形成した。この上に、ホストとしてBepp2と、発光材料として化合物(65)をそれぞれ0.4nm/秒、0.02nm/秒で膜厚が40nmになるように共蒸着し発光層を形成した。その上に有機薄膜上にパターニングしたマスク(発光面積が2mm×2mmとなるマスク)を設置し、蒸着装置内でフッ化リチウムを1.5nm蒸着した後、アルミニウムを200nm蒸着し、引き続き乾燥剤を入れ素子を封止し、EL素子を作製した(素子No−102)。上記と同様の操作で発光材料を化合物(1)に変更し、EL素子を作成した(素子No−103)。
【0205】
実施例3
ホストの膜厚を36nmとした以外は比較例3と同様にして発光層を形成した。その上に電子輸送層として化合物Bを36nm蒸着した。有機薄膜上にパターニングしたマスク(発光面積が2mm×2mmとなるマスク)を設置し、蒸着装置内でフッ化リチウムを5nm蒸着した後、アルミニウムを500nm蒸着し、引き続き乾燥剤を入れ素子を封止し、EL素子を作製した(素子No−104)。上記と同様の操作でホスト材料を化合物Aに変更してEL素子を作成した(素子No−105)。
【0206】
実施例4
洗浄したITO基板を蒸着装置に入れ、銅フタロシアニンを10nm蒸着しその上にα−NPDを20nm蒸着しホール輸送層を形成した。この上に、ホストとして化合物Aを、発光材料として化合物(1)をそれぞれ0.4nm/秒、0.02nm/秒で膜厚が30nmになるように共蒸着し発光層を形成した。その上に正孔ブロック層としてBAlqを10nm蒸着し、更に電子輸送層としてAlqを40nm蒸着した。有機薄膜上にパターニングしたマスク(発光面積が2mm×2mmとなるマスク)を設置し、蒸着装置内でフッ化リチウムを5nm蒸着した後、アルミニウムを500nm蒸着し、引き続き乾燥剤を入れ素子を封止し、EL素子を作製した(素子No−201)。上記と同様の操作で発光材料、ホスト材料を表2のように変更し、EL素子を作成した(素子No−202〜206)。
【0207】
【化48】

【0208】
【化49】

【0209】
次に以下のようにして各素子を評価した。v有機薄膜上に東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400(商品名)を用いて、直流定電流をEL素子に印加し、比較例及び本発明の素子を発光させ、その輝度をトプコン社の輝度計BM−8(商品名)、発光波長を浜松ホトニクス社製スペクトルアナライザーPMA−11(商品名)を用いて測定し発光効率を求めた。次に耐久性を評価した。まず、素子を1mA/4mm2で駆動し、初期輝度を測定した。次に素子を1mA/4mm2で200h低電流駆動した後の輝度を測定し、初期輝度と比較することにより輝度維持率を求めた。その結果を表1及び表2に示す。
【0210】
【表1】

【0211】
比較例に比較し、電子輸送層を導入した本発明の素子は輝度維持率が向上し、素子耐久性に優れることが判る。また、ホスト材料を化合物Aのように非錯体芳香族ヘテロ環化合物に変更することによっても、更に素子耐久性が向上する。
【0212】
【表2】

【0213】
また、正孔注入層として銅フタロシアニン(CuPc)を用い、正孔ブロック層としてBAlqを用いることによって素子耐久性が更に向上し、本発明の化合物は色純度のよい赤色発光や、緑色発光が可能であることが判る。また、更に短波な発光も可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の電極間に発光層を含む少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子であって、一対の電極間の少なくとも一層に、3座以上の配位子を有し、かつ配位子が鎖状配位子である金属錯体の少なくとも一種を含有することを特徴とする有機電界発光素子。
【請求項2】
金属錯体中の金属イオンが白金イオン、イリジウムイオン、レニウムイオン、パラジウムイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、及び銅イオンの群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項3】
金属錯体が炭素−金属結合を持たないことを特徴とする請求項1又は2に記載の有機電界発光素子。
【請求項4】
金属錯体がりん光を発光する金属錯体であり、かつ金属錯体を発光層に含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
【請求項5】
金属錯体が一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
【化1】


(M11は金属イオンを表し、L11、L12、L13、L14、L15はそれぞれM11に配位する配位子を表す。L11、L14間に原子群が更に存在して環状配位子を形成することは無い。L15はL11及びL14の両方と結合して環状配位子を形成することはない。Y11、Y12、Y13はそれぞれ連結基、単結合、又は二重結合を表す。L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、単結合又は二重結合を表す。n11は0〜4を表す。)
【請求項6】
金属錯体が一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
【化2】


(M21は金属イオンを表し、Y21は連結基、単結合、又は二重結合を表す。Y22、Y23はそれぞれ単結合又は連結基を表す。Q21、Q22はそれぞれ含窒素ヘテロ環を形成する原子群を表し、Q21で形成される環とY21の間の結合及びQ22で形成される環とY21の間の結合は単結合又は二重結合を表す。X21、X22はそれぞれ酸素原子、硫黄原子、置換又は無置換の窒素原子を表す。R21、R22、R23、R24はそれぞれ水素原子又は置換基を表し、R21及びR22並びにR23及びR24は各々結合して環を形成してもよい。L25はM21に配位する配位子を表す。n21は0〜4の整数を表す。)
【請求項7】
金属錯体が一般式(2)で表され、Q21、Q22が形成する環がピリジン環で、Y21は1つ以上の原子からなる連結基を表す化合物であることを特徴とする請求項6記載の有機電界発光素子。
【請求項8】
金属錯体が一般式(2)で表され、Q21、Q22が形成する環がピリジン環で、Y21が単結合又は二重結合で、X21、X22が硫黄原子、置換又は無置換の窒素原子を表す化合物であることを特徴とする請求項6記載の有機電界発光素子。
【請求項9】
金属錯体が一般式(2)で表され、Q21、Q22が形成する環が含窒素ヘテロ5員環であることを特徴とする請求項6記載の有機電界発光素子。
【請求項10】
金属錯体が一般式(2)で表され、Q21、Q22が形成する環が窒素原子を2つ以上含む含窒素6員環であることを特徴とする請求項6記載の有機電界発光素子。
【請求項11】
金属錯体が一般式(9)で表される化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機電界発光素子。
【化3】


(MA1は金属イオンを表し、QA1、QA2はそれぞれ含窒素ヘテロ環を形成する原子群を表す。RA1、RA2、RA3、RA4はそれぞれ水素原子又は置換基を表し、RA1及びRA2並びにRA3及びRA4は各々結合して環を形成してもよい。YA2、YA3はそれぞれ連結基又は単結合を表す。YA1はかっこ内の2つの2座配位子をそれぞれ連結する連結基、単結合、又は二重結合を表す。LA5はMA1に配位する配位子を表す。nA1は0〜4の整数を表す。)
【請求項12】
金属錯体が一般式(10)で表される化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の有機電界発光素子。
【化4】


(MB1は金属イオンを表し、YB1は連結基を表す。YB2、YB3はそれぞれ連結基又は単結合を表す。XB1、XB2はそれぞれ酸素原子、硫黄原子、置換又は無置換の窒素原子を表し、nB1、nB2は0ないし1の整数を表す。RB1、RB2、RB3、RB4、RB5、RB6はそれぞれ水素原子又は置換基を表し、RB1及びRB2並びにRB3及びRB4は各々結合して環を形成してもよい。LB5はMB1に配位する配位子を表す。nB3は0〜4の整数を表す。ただし、YB1はRB5又はRB6と連結することはない。)
【請求項13】
金属錯体が一般式(8)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
【化5】


(M81は金属イオンを表し、L81、L82、L83、L85はそれぞれM81に配位する配位子を表す。L81、L83間に原子群が更に存在して環状又は4座以上の配位子を形成することは無い。L85は金属を介さずにL81又はL83と連結することはない。Y81、Y82はそれぞれ連結基、単結合、又は二重結合を表す。n81は0〜3の整数を表す。)
【請求項14】
金属錯体が一般式(8)で表され、L81、L82、L83が炭素原子でM81に配位する芳香族炭素環若しくはヘテロ環、又は窒素原子でM81に配位する含窒素ヘテロ環を表し、L81、L82、L83のうち少なくとも一つが含窒素ヘテロ環であることを特徴とする請求項13記載の有機電界発光素子。
【請求項15】
金属錯体が一般式(X1)で表されることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機電界発光素子。
【化6】


(一般式(X1)中、MX1は金属イオンを表す。QX11〜QX16はMX1に配位する原子又はMX1に配位する原子を含んだ原子群を表す。LX11〜LX14は単結合、二重結合又は連結基を表す。すなわち、QX11−LX11−QX12−LX12−QX13からなる原子群及びQX14−LX13−QX15−LX14−QX16からなる原子群はそれぞれ三座の配位子である。MX1とQX11〜QX16との結合は、それぞれ配位結合でも共有結合でもよい。)
【請求項16】
前記一般式(X1)で表される金属錯体が、一般式(X2)で表されることを特徴とする請求項15に記載の有機電界発光素子。
【化7】


(一般式(X2)中、MX2は金属イオンを表す。YX21〜YX26はMX2に配位する原子を表し、QX21〜QX26は、それぞれYX21〜YX26と共に芳香環若しくは芳香族ヘテロ環を形成する原子群を表す。LX21〜LX24は単結合、二重結合又は連結基を表す。MX2とYX21〜YX26との結合は、それぞれ配位結合でも共有結合でもよい。)
【請求項17】
前記一般式(X1)で表される金属錯体が、一般式(X3)で表されることを特徴とする請求項15に記載の有機電界発光素子。
【化8】


(一般式(X3)中、MX3は金属イオンを表す。YX31〜YX36は、炭素原子、窒素原子、リン原子を表す。LX31〜LX34は単結合、二重結合又は連結基を表す。MX3とYX31〜YX36との結合は、それぞれ配位結合でも共有結合でもよい。)
【請求項18】
一対の電極間に少なくとも一層の発光層を含む有機電界発光素子であって、正孔輸送層と発光層に加え、励起子ブロック層、正孔注入層、正孔ブロック層及び電子輸送層からなる群から選ばれる少なくとも一つの層を有することを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
【請求項19】
一対の電極間に少なくとも一層の発光層を含む有機電界発光素子であって、発光層のホスト材料がアミン化合物、金属キレートオキシノイド化合物(金属はアルミニウム、亜鉛、又は遷移金属)、ポリアリーレン化合物、縮合芳香族炭素環化合物及び非錯体芳香族ヘテロ環化合物からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
【請求項20】
一対の電極間に少なくとも一層の電子輸送層を含む有機電界発光素子であって、電子輸送材料が、金属キレートオキシノイド化合物、ポリアリーレン化合物、縮合芳香族炭素環化合物及び非錯体芳香族ヘテロ環化合物からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
【請求項21】
一対の電極間に少なくとも一層の発光層を含む有機電界発光素子であって、発光層のホスト材料が少なくとも2種の化合物からなることを特徴とする請求項1〜20のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
【請求項22】
一般式(11)で表される化合物。
【化9】


(RC1、RC2はそれぞれ水素原子又は置換基を表し、RC3、RC4、RC5、RC6はそれぞれ置換基を表す。nC3、nC6は0〜3、nC4、nC5は0〜4の整数を表し、RC3、RC4、RC5、RC6をそれぞれ複数個有する場合、複数個のRC3、RC4、RC5、RC6は同じであっても異なってもよく、連結して環を形成してもよい。)
【請求項23】
一般式(12)で表される化合物。
【化10】


(RD3、RD4はそれぞれ水素原子又は置換基を表し、RD1、RD2はそれぞれ置換基を表す。nD1、nD2は0〜4の整数を表し、RD1、RD2をそれぞれ複数個有する場合、複数個のRD1、RD2は同じであっても異なってもよく、連結して環を形成してもよい。YD1は1,2位で置換したビニル基、フェニレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環又は炭素数1〜8のメチレン基を表す。)

【公開番号】特開2013−48256(P2013−48256A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−216750(P2012−216750)
【出願日】平成24年9月28日(2012.9.28)
【分割の表示】特願2009−293567(P2009−293567)の分割
【原出願日】平成16年6月1日(2004.6.1)
【出願人】(512253626)ユー・ディー・シー アイルランド リミテッド (13)
【Fターム(参考)】