説明

有機電界発光素子

【課題】n型ドーパントを用いた素子において、長期保存、高温保存で、輝度低下のない安定な延命化が図れる有機EL素子を提供する。
【解決手段】有機EL素子は、対向する1対の陽極及び陰極の間に積層配置されかつ有機発光層を含む複数の有機半導体層を有する。陰極及び有機発光層間の有機半導体層に、電子供与性の金属原子又はそのイオンを含むn型ドーパントが含有される。有機発光層はn型ドーパントの拡散を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機電界発光素子に関し、特に電荷輸送性(ホール又は電子の移動性)を有する有機化合物を利用し、かかる化合物からなる有機発光層を備えた有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、有機EL素子における、有機EL膜は、複数の有機材料層を積層した構造を有している。有機材料層には、有機発光層の他に、ホール注入層、ホール輸送層等のホール輸送能を持つ材料からなる層や、電子輸送層、電子注入層等の電子輸送能を持つ材料からなる層等が含まれる。電子注入層には、アルカリ金属、アルカリ土類金属やそれらの化合物の電子供与性材料が有機材料層に混合されたものや、その電子供与性材料のみからなる無機化合物も含まれる。
【0003】
有機発光層並びに電子或いはホールの輸送層の積層体の有機EL膜に電界が印加されると、ソース電極からはホールが、ドレイン電極からは電子が注入され、これらが有機発光層において再結合し励起子が形成され、基底状態に戻るとき発光する。発光効率を向上させるためには、電子等キャリアを効率よく界面に輸送することが重要で、有機アクティブ発光素子でも電荷輸送性を有する有機化合物を利用した多層構造を有している。
【0004】
有機発光層から構成される有機EL素子は、低電圧駆動であることが知られているが、発光ダイオード等に比べると一般的に駆動電圧が高い。特に発光の量子効率が高いといわれる「燐光発光有機EL素子」においては、蛍光発光有機EL素子に比して駆動電圧が高く、問題となっている。
【0005】
一般に駆動電圧を下げるには、有機EL素子の膜厚を薄くすることで対応が可能となるが、その場合には電極間での通電に伴う不良が増え、歩留まりが低下してしまう。これを解決する技術として、電極に隣接した層、例えば、電荷輸送層中にドーパントを入れることで、電荷輸送層の伝導率を上げるという試みがされている。電荷輸送層のドーパントではアルカリ金属、アルカリ土類金属と有機化合物が用いられており、これらの共蒸着膜により、有機EL素子の駆動電圧を下げることができる。しかしながら、ここで用いられているアルカリ金属、アルカリ土類金属には、潮解性や吸水性があり取り扱いが難しいという難点がある。特に金属セシウムのようなアルカリ金属、アルカリ土類金属は、仕事関数も小さくドーピングの効果が大きいが、金属セシウムは空気中で不安定であり、取り扱うのが非常に危険である。これらに鑑みて、アルカリ金属或いはアルカリ土類金属の塩と有機化合物によっても同様の効果が得られることが確認されている。
【0006】
近年、少なくとも1種の燐光発光ドーパントと少なくとも1種のホスト化合物を含有する発光層と陰極間に、ホール阻止層、電子輸送層の少なくとも2層を有する有機EL素子において、ホール阻止層が、三重項遷移エネルギーが2.8eV以上の有機化合物と仕事関数が2.9eV以下の金属原子または金属イオンを含有する構成した、電力効率に優れた燐光発光有機EL素子を用いた表示装置や照明装置が、提案されている(特許文献1、参照)。
【0007】
有機EL素子の発光効率を増大させるには電荷注入層を設けることが有効であるが、さらに、素子の延命化が必要であり、連続駆動でき高効率の素子が望まれている。
【0008】
有機EL素子において駆動電圧を低下させ長期保存においても輝度低下のない安定化を目的として、陽極および陰極間の少なくとも1層以上の有機層に金属塩を含有させ、金属塩を構成するイオンの拡散を抑制する拡散防止層を設ける素子も、提案されている(特許文献2、参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−180277
【特許文献2】特開2007−088015
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献では、その開示する金属塩を構成するイオンの拡散防止層に関して、具体的な、金属塩を構成するイオンの拡散を開示することなく、さらに抑制効果も開示していない。
【0011】
しかしながら、これらの金属塩に関しては、有機EL素子の長期保存時において、金属イオンが拡散することによるものと思われる輝度低下が発明者により認められている。
そこで、発明が解決しようとする課題は、n型ドーパント含有電子輸送層を用いた素子において、長期保存、高温保存で、輝度低下のない安定な延命化が図れる有機EL素子を提供することが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による有機電界発光素子は、対向する1対の陽極及び陰極の間に積層配置されかつ有機発光層を含む複数の有機半導体層を有し、
前記陰極及び前記有機発光層間の前記有機半導体層に、電子供与性の金属原子又はそのイオンを含むn型ドーパントが含有され、
前記有機発光層は前記n型ドーパントの拡散を防止することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による実施形態の有機EL素子を示す概略部分断面図である。
【図2】本発明による他の実施形態の有機EL素子を示す概略部分断面図である。
【図3】本発明による他の実施形態の有機EL素子を示す概略部分断面図である。
【図4】本発明による他の実施形態の有機EL素子を示す概略部分断面図である。
【図5】本発明による他の実施形態の有機EL素子を示す概略部分断面図である。
【図6】本発明による他の実施形態の有機EL素子を示す概略部分断面図である。
【図7】本発明による実施例1の重原子化合物の体積比−輝度変化量の特性を示すグラフである。
【図8】本発明による実施例2の重原子化合物の体積比−輝度変化量の特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明による実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0015】
本実施形態の有機EL素子の一例は、図1に示すように、ガラス等の透明基板1上にて、順に、透明な陽極2、ホール輸送層4、有機発光層5、n型ドーパントブロック層6、n型ドーパント含有電子輸送層7及び金属からなる陰極8が積層されて得られる。ホール輸送層4、有機発光層5、n型ドーパントブロック層6及びn型ドーパント含有電子輸送層7は有機半導体層である。すなわち、有機EL素子において、対向する1対の陽極及び陰極の間に積層配置された複数の有機半導体層がホール注入層、ホール輸送層、有機発光層を包含する。これら有機半導体層等の構成要素について後に詳述する。
【0016】
図1に示すように、陽極から陰極へ順に積層され、陽極2/ホール注入層3/ホール輸送層4/発光層5/n型ドーパントブロック層6/n型ドーパント含有電子輸送層7/陰極8の積層構成(各層の区切りを「/」で表す)の他に、図2に示すように、陽極2/ホール注入層3/発光層5/n型ドーパントブロック層6/n型ドーパント含有電子輸送層7/陰極8/の構成や、図3に示すように、陽極2/ホール輸送層4/発光層5/n型ドーパントブロック層6/n型ドーパント含有電子輸送層7/陰極8/の構成や、図4に示すように、陽極2/発光層5/n型ドーパントブロック層6/n型ドーパント含有電子輸送層7/陰極8/の構成も本発明に含まれる。
【0017】
また、変形例として、n型ドーパントブロック層を発光層と兼用し、一体化しn型ドーパントブロック発光層を用いた、図5に示す、陽極2/ホール注入層3/ホール輸送層4/n型ドーパントブロック発光層56/n型ドーパント含有電子輸送層7/陰極8の積層構成も本発明に含まれる。
【0018】
また、変形例として、図6に示すように、陽極2/ホール注入層3/ホール輸送層4/発光層5/n型ドーパントブロック層6/n型ドーパント含有電子輸送層7/電子注入層7A/陰極8の積層構成も本発明に含まれる。この積層構成の場合、金属原子又は金属イオンを含有する化合物をドープしたn型ドーパント含有電子輸送層を使用せずに、金属原子又は金属イオンを含有する化合物を電子注入層(n型ドーパント含有電子注入層)に使用し、陽極/ホール注入層/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/n型ドーパント含有電子注入層/陰極で構成した場合も、金属原子又はそのイオンを含有するn型ドーパント含有電子注入層から電子輸送層内に拡散した際の層内の金属原子又はそのイオンの体積含有量(濃度)は0.1vol%〜100vol%で維持できる。20度以上の素子温度であっても、金属原子又はそのイオンを含有する電子注入層(電子輸送層)中で拡散してしまうが、n型ドーパントブロック層により、いずれも発光層まで金属原子又はそのイオンは拡散しない。
【0019】
−−基板並びに陽極及び陰極−−
基板1のガラスの透明材料の他としては、ポリスチレン等のプラスチック材料といった半透明材料の他に、シリコンやAl等の不透明な材料、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂等を用いることができる。
【0020】
陽極2及び陰極8の電極材料としては、Ti、Al、Al、Cu、Ni、Ag、Mg:Ag、Au、Pt、Pd、Ir、Cr、Mo、W、Ta等の金属あるいはこれらの合金が挙げられる。あるいは、ポリアニリンやPEDT:PSS等の導電性高分子を用いることができる。あるいは、酸化物透明導電薄膜、例えばインジウムすず酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化亜鉛、酸化錫等のいずれかを主組成としたものを用いることができる。また、各電極の厚さは10〜500nm程度が好ましい。これらの電極材料は真空蒸着法、スパッタ法で作製されたものが好ましい。
【0021】
陽極2には陰極8より仕事関数の大きな導電性材料が選択される。さらに、陽極及び陰極は、発光の取り出し側となる場合は、透明又は半透明となるように材料、膜厚を選択する。特に陽極及び陰極のうちどちらか、もしくはその両方が、有機発光材料から得られる発光波長において少なくとも10%以上の透過率を持つ材料を選択することが好ましい。
【0022】
−−有機半導体層−−
ホール注入層3、ホール輸送層4、発光層5、n型ドーパントブロック層6並びにn型ドーパント含有電子輸送層7の主成分を構成する有機半導体層は、電荷輸送性(ホール及び/又は電子の移動性)を有する有機化合物を利用する。
【0023】
発光層や電子輸送層や電子注入層の主成分の電子輸送性を有する有機化合物すなわち電子輸送能を持つ材料としては、p−テルフェニルやクアテルフェニル等の多環化合物およびそれらの誘導体、ナフタレン、テトラセン、ピレン、コロネン、クリセン、アントラセン、ジフェニルアントラセン、ナフタセン、フェナントレン等の縮合多環炭化水素化合物及びそれらの誘導体、フェナントロリン、バソフェナントロリン、フェナントリジン、アクリジン、キノリン、キノキサリン、フェナジン等の縮合複素環化合物およびそれらの誘導体や、フルオロセイン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ペリノン、フタロペリノン、ナフタロペリノン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、オキサジアゾール、アルダジン、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、ピラジン、シクロペンタジエン、オキシン、アミノキノリン、イミン、ジフェニルエチレン、ビニルアントラセン、ジアミノカルバゾール、ピラン、チオピラン、ポリメチン、メロシアニン、キナクリドン、ルブレン等およびそれらの誘導体等を挙げることができる。
【0024】
また、電子輸送性を有する有機化合物として、金属キレート錯体化合物、特に金属キレート化オキサノイド化合物では、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム、ビス(8−キノリノラト)マグネシウム、ビス[ベンゾ(f)−8−キノリノラト]亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム、トリス(8−キノリノラト)インジウム、トリス(5−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム、8−キノリノラトリチウム、トリス(5−クロロ−8−キノリノラト)ガリウム、ビス(5−クロロ−8−キノリノラト)カルシウム等の8−キノリノラト或いはその誘導体を配位子として少なくとも一つ有する金属錯体も挙げることができる。
【0025】
また、電子輸送性を有する有機化合物として、オキサジアゾール類、トリアジン類、スチルベン誘導体およびジスチリルアリーレン誘導体、スチリル誘導体、ジオレフィン誘導体も好適に使用され得る。
【0026】
さらに、電子輸送性を有する有機化合物として使用できる有機化合物として、2,5−ビス(5,7−ジ−t−ベンチル−2−ベンゾオキサゾリル)−1,3,4−チアゾール、4,4’−ビス(5,7−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリル)スチルベン、4,4’−ビス[5,7−ジ−(2−メチル−2−ブチル)−2−ベンゾオキサゾリル]スチルベン、2,5−ビス(5.7−ジ−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリル)チオフェン、2,5−ビス[5−(α,α−ジメチルベンジル)−2−ベンゾオキサゾリル]チオフェン、2,5−ビス[5,7−ジ−(2−メチル−2−ブチル)−2−ベンゾオキサゾリル]−3,4−ジフェニルチオフェン、2,5−ビス(5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル)チオフェン、4,4’−ビス(2−ベンゾオキサゾリル)ビフェニル、5−メチル−2−{2−[4−(5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル)フェニル]ビニル}ベンゾオキサゾール、2−[2−(4−クロロフェニル)ビニル]ナフト(1,2−d)オキサゾール等のベンゾオキサゾール系、2,2’−(p−フェニレンジピニレン)−ビスベンゾチアゾール等のベンゾチアゾール系、2−{2−[4−(2−ベンゾイミダゾリル)フェニル〕ビニル}ベンゾイミダゾール、2−[2−(4−カルボキシフェニル)ビニル]ベンゾイミダゾール等も挙げられる。
【0027】
さらに、電子輸送性を有する有機化合物として、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(3−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(4−メチルスチリル)ベンゼン、ジスチリルベンゼン、1,4−ビス(2−エチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(3−エチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(2−メチルスチリル)−2−メチルベンゼン、1,4−ビス(2−メチルスチリル)−2−エチルベンゼン等も挙げられる。
【0028】
また、さらに、電子輸送性を有する有機化合物として、2,5−ビス(4−メチルスチリル)ピラジン、2,5−ビス(4−エチルスチリル)ピラジン、2,5−ビス[2−(1−ナフチル)ビニル]ピラジン、2,5−ビス(4−メトキシスチリル)ピラジン、2,5−ビス[2−(4−ビフェニル)ビニル]ピラジン、2,5−ビス[2−(1−ピレニル)ビニル]ピラジン等が挙げられる。
【0029】
その他、さらに、電子輸送性を有する有機化合物として、1,4−フェニレンジメチリディン、4,4’−フェニレンジメチリディン、2,5−キシリレンジメチリディン、2,6−ナフチレンジメチリディン、1,4−ビフェニレンジメチリディン、1,4−p−テレフェニレンジメチリディン、9,10−アントラセンジイルジメチリディン、4,4’−(2,2−ジ−t−ブチルフェニルビニル)ビフェニル、4,4’−(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル等、従来有機EL素子の作製に使用されている公知のものを適宜用いることができる。
【0030】
一方、ホール輸送性を有する有機化合物として、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノフェニル、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン、N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−4,4’−ジアミノビフェニル、ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4’−ジアミノビフェニル、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル、4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン、3−メトキシ−4’−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン、N−フェニルカルバゾール、1,1−ビス(4−ジ−p−トリアミノフェニル)−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−フェニルメタン、N,N,N−トリ(p−トリル)アミン、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4’−[4(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]スチルベン、N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−4,4’−ジアミノ−ビフェニル、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノ−ビフェニルN−フェニルカルバゾール、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル、4,4’’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]p−ターフェニル、4,4’−ビス[N−(2−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル、4,4’−ビス[N−(3−アセナフテニル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル、1,5−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ナフタレン、4,4’−ビス[N−(9−アントリル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル、4,4’’−ビス[N−(1−アントリル)−N−フェニル−アミノ]p−ターフェニル、4,4’−ビス[N−(2−フェナントリル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル、4,4’−ビス[N−(8−フルオランテニル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル、4,4’−ビス[N−(2−ピレニル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル、4,4’−ビス[N−(2−ペリレニル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル、4,4’−ビス[N−(1−コロネニル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル、2,6−ビス(ジ−p−トリルアミノ)ナフタレン、2,6−ビス[ジ−(1−ナフチル)アミノ]ナフタレン、2,6−ビス[N−(1−ナフチル)−N−(2−ナフチル)アミノ]ナフタレン、4.4’’−ビス[N,N−ジ(2−ナフチル)アミノ]ターフェニル、4.4’−ビス{N−フェニル−N−[4−(1−ナフチル)フェニル]アミノ}ビフェニル、4,4’−ビス[N−フェニル−N−(2−ピレニル)−アミノ]ビフェニル、2,6−ビス[N,N−ジ(2−ナフチル)アミノ]フルオレン、4,4’’−ビス(N,N−ジ−p−トリルアミノ)ターフェニル、ビス(N−1−ナフチル)(N−2−ナフチル)アミン等が挙げられる。
【0031】
さらに、ホール注入層、ホール輸送層、ホール輸送性発光層として、上述の有機化合物をポリマ中に分散したものや、ポリマ化したものも使用できる。ポリパラフェニレンビニレンやその誘導体等のいわゆるπ共役ポリマー、ポリ(N−ビニルカルバゾール)に代表されるホール輸送性非共役ポリマ、ポリシラン類のシグマ共役ポリマーも用いることができる。
【0032】
ホール注入層としては、特に限定はないが、銅フタロシアニンCuPc=Phthalocyanine,Copper complex等の金属フタロシアニン類および無金属フタロシアニン類、カーボン膜、ポリアニリン等の導電性ポリマーが好適に使用できる。
【0033】
−−n型ドーパント含有電子輸送層−−
n型ドーパント含有電子輸送層の主成分の電子輸送性を有する有機化合物(上記の電子輸送性有機化合物から選択される)へ混合される電子供与性材料であるn型ドーパントは、Li,Na,K,Rb,Csなどのアルカリ金属や、Be,Mg,Ca,Baなどのアルカリ土類金属や、Sc,Y,Yb,Eu,Sm,Ceなどの希土類金属や、これらのハロゲン塩(LiF,CsFなど)や、これらの酸化物塩(CsMoO,CsWO)や、これらの有機化合物(BLiq4,CsTPBなど)、それらの化合物であれば特に限定はない。特に、仕事関数が4.0eV以下の金属が好適に使用でき、具体例としてCs、Li、Na、K、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、La、Mg、Sm、Gd、Yb、又はそれらの化合物等が挙げられる。
【0034】
−−n型ドーパントブロック層−−
発明者は、n型ドーパント含有電子輸送層から隣接層へのアルカリ金属化合物などのn型ドーパント(金属又はそのイオン)の拡散防止のためにn型ドーパントブロック層を提案する。n型ドーパントブロック層に重原子化合物を含ませることにより内部重原子効果を発揮させるのである。
【0035】
重原子の内部重原子効果に着目、例えば燐光材料として知られているIr錯体等の重原子錯体は大きな磁気モーメントを有していることに着目した。n型ドーパント含有電子輸送層の強ドナーであるアルカリ金属化合物はイオン化エネルギーが低くイオン化しやすいためカチオン(特にCsはCs+)になり易く、燐光材料の重原子の原子核と反発し、拡散を防止することを、実験により、知見した。そして、重原子を含む化合物とアルカリ金属等の仕事関数の低い金属との組み合わせること、さらに、重原子を含む化合物濃度をアルカリ金属等の仕事関数の低い金属又はそのイオンの濃度以上とする条件を提案する。内部重原子効果による金属イオン(アルカリ金属、アルカリ土類金属など)の拡散抑止がn型ドーパントブロック層により、達成できる。「重原子」とは原子番号の大きな原子で、金属錯体等であれば中心金属が重原子である。原子の質量はほぼ原子核で決まり、重原子の原子核の周りで電荷電子が軌道運動(公転運動)し、円電流を生じる際、中心の原子核が重ければ重いほど円電流の大きさも大きくなるので、重原子で大きな磁気モーメントを生じ、電子の自転運動(電子スピン)によっても磁気モーメントを生じて、二種類の磁気モーメントの相互作用、スピン−軌道相互作用(SOC:Spin−OrbitCoupling)が、重原子では大きくなる。
【0036】
本発明では重原子は、臭素Brの原子量以上すなわち、原子量79以上でより好ましくは例えば、公知燐光錯体の中心原子の100以上200以下である、Ir、Pt,Os,Re,Au,W,Ru,Hf,Eu,Tb,等の重原子、希土類金属から選択され、それらを含む重原子化合物がn型ドーパントブロック層に用いられる。重原子をBr原子量以上としたのは、臭素Brから重原子効果が発現するからである(”Photochemical Dimerization of Acephenanthrylene and the Heavy Atom Effect” J. Org. Chem., 65 (2), 450-452, (2000))。
【0037】
本発明で用いられる重原子化合物として燐光性化合物が挙げられ、好ましくは元素の周期表でVIII属の金属を含有する錯体系化合物であり、さらに好ましくはイリジウム化合物、オスミウム化合物、または白金化合物(白金錯体系化合物)である。
【実施例】
【0038】
−−実施例1&2−−
第1成分の電子輸送性を有する有機化合物のNBphen=2,9-Bis(naphthalen-2-yl)-4,7-diphenyl-1,10-phenanthrolineに、電子供与性のアルカリ金属Csを含むn型ドーパントCsMoOが第2成分として混合されたn型ドーパント含有電子輸送層と、第3成分の電子輸送性を有する有機化合物TRZ=1,3,5-Triazine derivativesに、79以上の原子量を持つ少なくとも1種の重原子を含有する重原子化合物Ir(ppy)3=Tris(2-phenylpyridine)iridium(III) 「重原子(Ir:192)」が第4成分として混合されたn型ドーパントブロック層と、を含む複数の有機EL素子(実施例1)を作製し、その特性を測定し、アルカリ金属イオン(Cs)に対するn型ドーパントブロック層のブロック効果を評価した。
【0039】
具体的に、陽極として透明電極ITOを形成したガラス基板上に、真空蒸着により順に、ホール注入層として銅フタロシアニンCuPcを25nmの厚さで形成し、その上に、ホール輸送層としてNPB=N,N’-Bis(naphthalen-1-yl)-N,N’-bis(phenyl)-benzidineを45nmの厚さで形成し、その上に、有機発光層としてAlq3=Tris(8-hydroxyquinolinato)aluminum(III) 「軽原子(Al:27)を30nmの厚さで形成した。さらに、有機発光層Alq3まで同様に形成した前駆体を複数作成し、それぞれの有機発光層上に、共蒸着により、濃度7vol%、30vol%、100vol%で重原子化合物Ir(ppy)3を含むTRZのn型ドーパントブロック層をそれぞれ10nm厚となるように個別に形成し、それぞれの上に、共蒸着により、濃度1.7vol%でn型ドーパントCsMoOを含むNBphenの電子輸送層をそれぞれ20nm厚となるように個別に形成し、それぞれの上に、陰極Alを所定厚で形成した。このようにして、実施例1の複数の有機EL素子を作製した。素子構造は、以下のとおりである。
【0040】
ITO/ホール注入層/ホール輸送層/発光層/n型ドーパントブロック層/電子輸送層/Alの順で、実施例1は、ITO/CuPc(25)/NPB(45)/Alq3(30)/(Xvol%=7vol%、30vol%、100vol%)−Ir(ppy)3:TRZ(10)/1.7vol%−CsMoO:NBphen(20)/Alである。なお、()内は膜厚(nm)である。
【0041】
実施例1とは、TRZn型ドーパントブロック層を代えて、共蒸着により、濃度8.3vol%、30vol%、100vol%で重原子化合物PtOEP=2,3,7,8,12,13,17,18-Octaethyl-21H,23H- porphine,platinum(II) 「重原子(Pt:195)」を含むAlq3のn型ドーパントブロック層(膜厚10nm)と変更した以外、同一にして、実施例2の複数の有機EL素子を作製した。実施例2の素子構造はITO/ホール注入層/ホール輸送層/発光層/n型ドーパントブロック層/電子輸送層/Alの順で、ITO/CuPc(25)/NPB(45)/Alq3(30)/(Xvol%=8.3vol%、30vol%、100vol%−PtOEP:Alq3(10)/1.7vol%−CsMoO:NBphen(20)/Alである。なお、()内は膜厚(nm)である。
【0042】
比較例として、n型ドーパントブロック層を省略し発光層厚を30nm、40nmと変化させた以外、同一にして、比較例1、2の複数の有機EL素子を作製した。比較例1、2の素子構造はITO/ホール注入層/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/Alの順で、それぞれ、ITO/CuPc(25)/NPB(45)/Alq3(30)/1.7vol%−CsMoO:NBphen(30)/Al(ref1)と、ITO/CuPc(25)/NPB(45)/Alq3(40)/1.7vol%−CsMoO:NBphen(20)/Al(ref2)とである。なお、()内は膜厚(nm)である。
【0043】
実施例1、2と、比較例1、2とについて、高温保存環境(85℃、100時間)の下で、電流密度7.5mA/cmの条件でそれぞれ駆動し、初期輝度と100時間経過輝度との輝度(cd/m)の変化を測定した。
【0044】
n型ドーパントブロック層の重原子化合物濃度と輝度変化量と相関実験結果を下記表1に示す。
【0045】
【表1】

結果から明らかなように、評価は輝度変化量が−10cd/m以上の値を維持できるとき経験則から概ね実用可能なので、n型ドーパントブロック層の重原子化合物濃度100vol%のとき輝度変化が維持できることが分かる。
【0046】
さらに、実施例1、2の素子の輝度変化にn型ドーパントブロック層の重原子化合物の濃度依存性があるかについて、調べた。実施例1、2のn型ドーパントブロック層の重原子化合物Ir(ppy)3及びPtOEPの体積比(vol%)に対する輝度変化量をそれぞれプロットした。実施例1、2の重原子化合物の体積比−輝度変化量の特性をそれぞれ図7、図8に示す。
【0047】
図7、図8から、重原子化合物Ir(ppy)3及びPtOEPの体積比がそれぞれ80vol%、70vol%以上で−10cd/mを越え輝度変化が維持でき、素子の延命化が期待できることが分かる。
【0048】
−−実施例3−−
実施例3として、他のn型ドーパントを含むn型ドーパント含有電子輸送層を用いた素子を作成した。
【0049】
実施例1とは、Ir(ppy)3の100vol%のn型ドーパントブロック層としてn型ドーパント含有電子輸送層のn型ドーパントCsMoOモリブデン酸塩をCsWOタングステン酸塩に代えた以外、同一にして、実施例3の複数の有機EL素子を作製した。実施例3の素子構造はITO/ホール注入層/ホール輸送層/発光層/n型ドーパントブロック層/電子輸送層/Alの順で、ITO/CuPc(25)/NPB(40)/9vol%−Ir(ppy)3:TRZ(40)/1.7vol%−CsWO:NBphen(20)/Alである。なお、()内は膜厚(nm)である。
【0050】
比較例3として、電子輸送層のn型ドーパントのモリブデン酸塩に代え、タングステン酸塩を用いた以外、比較例2と同一にして、有機EL素子を作製した。比較例3の素子構造は、ITO/CuPc(25)/NPB(45)/Alq3(40)/1.7vol%−CsWO:NBphen(20)/Al(ref3)である。なお、()内は膜厚(nm)である。
【0051】
実施例3と、比較例1、2、3とについて、高温保存環境(85℃、100時間)の下で、電流密度7.5mA/cm、7.5mA/cmの条件でそれぞれ駆動し、初期輝度と100時間経過輝度との輝度(cd/m)の変化を測定した。
【0052】
実験結果を下記表2に示す。表中、Yは、実施例1と実施例3の積層構成をITO/CuPc/NPB/9vol%−Ir(ppy)3:TRZ/Y/Alと表した場合のn型ドーパント含有電子輸送層の成分を示す。
【0053】
【表2】

結果から明らかなように、他のn型ドーパント含有電子輸送層(1.7vol%−CsWO:NBphen)の素子でもn型ドーパントブロック層の輝度維持効果があることが分かる。
【0054】
−−実施例4&5−−
他の実施例として、n型ドーパントブロック層を発光層と兼用、すなわち、一体化しn型ドーパントブロック発光層として膜厚を増加させた素子を作成した。
【0055】
第1成分の電子輸送性を有する有機化合物のNBphenに、電子供与性のアルカリ金属Csを含むn型ドーパントCsMoOが第2成分として混合されたn型ドーパント含有電子輸送層と、第3成分の電子輸送性を有する有機化合物TRZ(ホスト材料)に、79以上の原子量を持つ少なくとも1種の重原子を含有する重原子化合物Ir(ppy)3が第4成分(燐光ゲスト材料)として混合されたn型ドーパントブロック発光層と、を含む複数の有機EL素子(実施例4)を作製し、その特性を測定し、金属イオン(Cs)に対するn型ドーパントブロック層のブロック効果を評価した。
【0056】
具体的に、陽極として透明電極ITOを形成したガラス基板上に、真空蒸着により順に、ホール注入層として銅フタロシアニンCuPcを25nmの厚さで形成し、その上に、ホール輸送層としてNPBを40nmの厚さで形成し、その上に、共蒸着により、濃度9vol%で重原子化合物Ir(ppy)3を含むTRZのn型ドーパントブロック発光層を40nm厚で形成した。さらに、n型ドーパントブロック発光層まで同様に形成した前駆体を複数作成し、それぞれの発光層上に、共蒸着により、濃度1.7vol%、5vol%、10vol%、20vol%でn型ドーパントCsMoOを含むNBphenの電子輸送層をそれぞれ20nm厚となるように個別に形成し、それぞれの上に、陰極Alを所定厚で形成した。このようにして、実施例4の複数の有機EL素子を作製した。素子構造は、以下のとおりである。
【0057】
ITO/ホール注入層/ホール輸送層/n型ドーパントブロック発光層/電子輸送層/Alの順で、実施例4は、ITO/CuPc(25)/NPB(40)/9vol%−Ir(ppy)3:TRZ(40)/(Xvol%=1.7vol%、5vol%、10vol%、20vol%)−CsMoO:NBphen(20)/Alである。なお、()内は膜厚(nm)である。
【0058】
実施例4とは、CsMoOを含む電子輸送層を代えて、CsWOを1.7vol%含む電子輸送層とした以外、同一にして、実施例5の有機EL素子を作製した。実施例5の素子構造はITO/ホール注入層/ホール輸送層/n型ドーパントブロック発光層/電子輸送層/Alの順で、ITO/CuPc(25)/NPB(40)/9vol%−Ir(ppy)3:TRZ(40)/1.7vol%−CsWO:NBphen(20)/Alである。なお、()内は膜厚(nm)である。
【0059】
実施例4、5について、高温保存環境(85℃、100時間)の下で、電流密度2.5mA/cmの条件でそれぞれ駆動し、初期輝度と100時間経過輝度との輝度(cd/m)の変化を測定した。
【0060】
実験結果を下記表3に示す。
【0061】
【表3】

結果から明らかなように、n型ドーパントブロック発光層の膜厚を増加したため、電子輸送層に含まれる金属原子又はそのイオンを含有するn型ドーパントが増加しても輝度劣化を防止できることが分かる。なお、Alq3発光層を用いる場合、発光強度が弱いため電流値を高く設定されている。また、n型ドーパント含有電子輸送層のCsMoO濃度10vol%未満で劣化を抑制できることが分かる。
【0062】
以上の実施例のいずれにおいても、n型ドーパントブロック層における重原子化合物の体積含有量濃度は、n型ドーパント含有電子輸送層におけるn型ドーパントの体積含有量濃度以上であることが、分かり、かかる条件を維持すれば、n型ドーパントの拡散防止の効果が期待できる。そして、それぞれの層において、重原子化合物の濃度は、0.1vol%〜100vol%で選択され、n型ドーパントの濃度は、0.1vol%〜100vol%で選択される。
【0063】
さらに、上記実施例で有機EL素子を説明したが、有機半導体素子として、例えば、複数の有機半導体層が光捕集層と電子輸送層及びホール輸送層の少なくとも1つとを含む有機太陽電池において本発明を適応可能である。電子注入層を有する場合にこれに接した電子供与性材料の通過を妨害する有機化合物からなるn型ドーパントブロック層を有する構成としても、上記実施例同様の延命効果や耐湿効果を奏する。
【符号の説明】
【0064】
1 基板
2 陽極
3 ホール注入層
4 ホール輸送層
5 発光層
6 n型ドーパントブロック層
7 n型ドーパント含有電子輸送層
7A 電子注入層
8 陰極
56 n型ドーパントブロック発光層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する1対の陽極及び陰極の間に積層配置されかつ有機発光層を含む複数の有機半導体層を有し、
前記陰極及び前記有機発光層間の前記有機半導体層に、電子供与性の金属原子又はそのイオンを含むn型ドーパントが含有され、
前記有機発光層は前記n型ドーパントの拡散を防止することを特徴とする有機電界発光素子。
【請求項2】
前記陰極及び前記有機発光層間の前記有機半導体層は、第1成分の電子輸送性を有する有機化合物に、前記n型ドーパントが第2成分として混合されたn型ドーパント含有電子輸送層を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項3】
前記有機発光層は79以上の原子量を持つ少なくとも1種の重原子を含有する重原子化合物を含み、
前記重原子化合物の体積含有量濃度は、前記n型ドーパント含有電子輸送層における前記n型ドーパントの体積含有量濃度以上であることを特徴とする請求項2に記載の有機電界発光素子。
【請求項4】
前記n型ドーパント含有電子輸送層の前記n型ドーパントはアルカリ金属、アルカリ土類金属又はそれらの化合物であることを特徴とする請求項2又は3に記載の有機電界発光素子。
【請求項5】
前記n型ドーパント含有電子輸送層の前記陰極側に電子注入層が配置されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1に記載の有機電界発光素子。
【請求項6】
前記重原子化合物の濃度は、0.1vol%〜100vol%であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1に記載の有機電界発光素子。
【請求項7】
前記n型ドーパントの濃度は、0.1vol%〜100vol%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載の有機電界発光素子。
【請求項8】
前記電子供与性の金属原子又はそのイオンは、Li,Na,K,Rb,Cs,Be,Mg,Ca,Ba,Sc,Y,Yb,Eu,Sm,Ceから選択されたものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1に記載の有機電界発光素子。
【請求項9】
前記陽極及び陰極のどちらか片方の電極が半透明若しくは透明、又は前記陽極及び陰極が透明であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1に記載の有機電界発光素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−238913(P2012−238913A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−200558(P2012−200558)
【出願日】平成24年9月12日(2012.9.12)
【分割の表示】特願2010−523660(P2010−523660)の分割
【原出願日】平成20年8月4日(2008.8.4)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】