説明

有機ELディスプレイ及びその製造方法

【課題】有機EL素子内部の導波光を利用し、発光効率を向上させることができる有機ELディスプレイを提供する。
【解決手段】本発明の一態様にかかる有機ELディスプレイは、陽極配線102と陰極配線104との間に設けられた有機EL層107を有する有機EL素子と、有機EL素子の側面に配置された開口絶縁膜105とを備える有機ELディスプレイであって、開口絶縁膜105は、有機EL層107から出射される光を励起光として吸収し発光する発光体を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機ELディスプレイ及びその製造方法に関し、特に、素子内部の導光波を利用し、発光効率を向上させることができる有機ELディスプレイ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、FPD(Flat Panel Display)として有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイが注目されている。有機ELディスプレイは、自発光表示素子であり、液晶表示素子と比較して視野角が広く、バックライトが不要なため薄型化が可能である。また、応答速度も速く、有機物が有する発光性の多様性から、次世代のディスプレイとして期待されている。
【0003】
有機ELディスプレイは、画素となる有機EL素子を複数配置した有機EL表示パネルを備えている。この有機EL表示パネルは、例えば、平行なストライプ状に配列された陽極と、当該陽極に交差するように、かつ、平行なストライプ状に配列された陰極との交差部の間に有機層が挟持された構造となっている。この有機層に電流を流すことによって発光する。この一つの交差部に、発光素子としての画素が形成せしめられている。有機EL表示パネルは、このような画素が無数にマトリクス状に配列されることにより構成されている。
【0004】
図9に従来の有機ELディスプレイに用いられる有機EL表示パネルの構成を示す。図9に示すように、有機EL表示パネル10は、素子基板1上にITOなどの透明導電膜からなる陽極2、ホール輸送層3、有機発光層4、電子輸送層5、陰極6を順次積層した構成の有機EL素子7を有している。ホール輸送層3、有機発光層4、電子輸送層5が有機EL層となる。陽極2と陰極6との間に電圧を供給すると、陽極2からは正孔が、陰極6からは電子がそれぞれ有機EL層に注入されて再結合し、その際に生ずるエネルギーにより有機EL層に含まれる有機発光層4の分子が励起される。このようにして励起された分子が基底状態に失活する過程で発光する。このように発光した光は、陽極2及び素子基板1を通過して外部に取り出される。
【0005】
このように発光した光を外部に取り出すときに、素子基板1と出射媒体の屈折率の差により、素子基板1と出射媒体との界面で反射が発生し、発光した光の一部を取り出すことができないという問題がある。この反射した光は、素子基板1内を導波し、素子基板1の側面から漏れたり、素子基板1内部で消滅したりしてしまう。例えば、図9に示す有機EL素子において、素子基板1からの光の取り出し効率は20%程度であった。
【0006】
そこで、このような素子基板1の内部で反射を起こして正面方向に取り出せない導波光を、素子基板1の正面から取り出すことができるようにして、光の取り出し効率を向上させる技術が提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】特開2004−146121号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、発光した光を外部に取り出すときには、素子基板1のみならず、陽極2などの有機EL素子7と出射媒体との屈折率の差により、有機EL素子7と出射媒体との界面でも反射が発生する。この反射した光は、有機EL素子7内を導波し、素子の側面から漏れたり、素子内部で消滅する。特許文献1に記載の発明では、素子基板1内を導波する光に対しては、正面から取り出すことができるが、陽極2を含む有機EL素子7内部を導波する光に対してはなんらの対策もなされていない。
【0009】
図9に示す有機EL表示パネル10において、発光した光の30%程度はガラス板1と空気の界面の反射によってガラス板1内を導波するのに対し、光の50%程度が陽極2を含む有機EL素子内部を導波することが知られている。
【0010】
本発明は、上記のような事情を背景としてなされたものであり、本発明の目的は、有機EL素子内部の導波光を利用し、発光効率を向上させることができる有機ELディスプレイ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様にかかる有機ELディスプレイは、複数の画素を備え、前記複数の画素がそれぞれ第1の電極と第2の電極と前記第1及び第2の電極間の有機EL層とを備える有機ELディスプレイであって、前記画素の側面に配置された絶縁層を備え、前記絶縁層は、前記有機発光層から出射される光を励起光として吸収し発光する発光体を含むのである。これによって有機EL素子内を導波する光を利用し、発光効率を向上させることができる。
【0012】
本発明の第2の態様にかかる有機ELディスプレイは、上記の有機ELディスプレイにおいて、前記発光体は、前記有機発光層から出射される光の波長域に吸収ピークを有するものである。これにより、有機EL素子内を導波する光を効率よく利用し、発光効率を向上させることができる。
【0013】
本発明の第3の態様にかかる有機ELディスプレイは、上記の有機ELディスプレイであって、前記発光体は、前記有機発光層から出射される光の波長域とは異なる波長域の光を出射するものである。これによって、演色性を向上させることができる。
【0014】
本発明の第4の態様にかかる有機ELディスプレイは、上記の有機ELディスプレイであって、前記有機発光層及び前記発光体は、第1の波長域、第2の波長域、第3の波長域のいずれかの光を出射し、前記第1の波長域、前記第2の波長域、前記第3の波長域は、青色域、緑色域、赤色域の三波長域のいずれかであるものである。これによって、演色性をさらに向上させることができる。
【0015】
本発明の第5の態様にかかる有機ELディスプレイは、上記の有機ELディスプレイであって、前記絶縁層は、前記画素を囲むように配置されているものである。これによって、有機発光層が出射する光を効率よく利用し、発光効率を向上させることができる。
【0016】
本発明の第6の態様にかかる有機ELディスプレイは、上記の有機ELディスプレイであって、前記絶縁層の屈折率は、前記有機発光層の屈折率と略等しいものである。これによって、有機発光層が出射する光を効率よく利用し、発光効率を向上させることができる。
【0017】
本発明の第7の態様にかかる有機ELディスプレイは、上記の有機ELディスプレイであって、前記発光体の反視認側には、反射膜が配置されているものである。これによって、有機発光層が出射する光を効率よく利用し、発光効率を向上させることができる。
【0018】
本発明の第8の態様にかかる有機ELディスプレイは、上記の有機ELディスプレイであって、前記第2の電極を分離形成する隔壁を備え、前記絶縁層は、隣接画素間において、前記隔壁により分離されているものである。これによって、高品位の表示を行うことが可能である。
【0019】
本発明の第9の態様にかかる有機ELディスプレイは、上記の有機ELディスプレイであって、前記絶縁層は、前記画素を囲むように、前記画素ごとに分離形成されているものである。これによって、さらに高品位の表示を行うことができる。
【0020】
本発明の第10の態様にかかる有機ELディスプレイの製造方法は、複数の画素を備え、前記複数の画素がそれぞれ第1の電極と第2の電極と前記第1及び第2の電極間の有機EL層とを備える有機ELディスプレイの製造方法であって、基板上に複数の第1の電極を形成し、前記第1の電極上に有機発光層と発光体を含む絶縁層とを、前記有機発光層と前記絶縁層の側面が接するように形成し、前記複数の画素が形成される領域内に、前記第2の電極を分離形成する隔壁を形成し、前記分離隔壁の上から前記有機発光層上に第2の電極を形成する。これによって、製造工程の増加を抑制することができ、発光効率を向上させた有機ELディスプレイを製造することができる。
【0021】
本発明の第11の態様にかかる有機ELディスプレイの製造方法は、上記の製造方法であって、前記絶縁層に開口部を設け、前記開口部が形成された絶縁層の上から、前記開口部中に前記有機発光層を形成する。これによって、簡便に発光効率を向上させた有機ELディスプレイを製造することができる。
【0022】
本発明の第12の態様にかかる有機ELディスプレイの製造方法は、上記の製造方法であって、前記絶縁層を、隣接画素間において前記隔壁により分離する。これにより、高品位の表示を行うことが可能な有機ELディスプレイを製造することができる。
【0023】
本発明の第13の態様にかかる有機ELディスプレイの製造方法は、上記の製造方法であって、前記絶縁層を、前記画素を囲むように、前記画素ごとに分離形成する。これにより、さらに高品位の表示を行うことが可能な有機ELディスプレイを製造することが可能である。
【0024】
本発明の第14の態様にかかる有機ELディスプレイの製造方法は、上記の製造方法であって、前記第2の電極を反射膜で形成する。これによって、簡便に有機発光層が出射する光を効率よく利用し、発光効率を向上させることができる有機ELディスプレイを製造することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、有機EL素子内部の導波光を利用し、発光効率を向上させることができる有機ELディスプレイ及びその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に、本発明を適用可能な実施の形態の説明をする。以下の説明は、本発明の実施形態についてのものであり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0027】
実施の形態1.
本発明の実施の形態1にかかる有機ELディスプレイに用いられる有機EL表示パネルの構成について図1及び図2を参照して説明する。図1は、本実施の形態にかかる有機EL表示パネル100の構成を示す断面図である。図1に示すように、有機EL表示パネル100は、素子基板101、陽極配線102、陽極補助配線103、陰極配線104、開口絶縁膜105、陰極隔壁106、有機EL層107、対向基板108、捕水材109、捕水材収納部110、シール材111を備えている。また、図2は、図1に示す有機EL表示パネル100における素子基板101の有機EL層107が形成される前の構成を模式的に示す斜視図である。図1及び図2において、図面下側が視認側である。本発明にかかる有機EL表示パネル100は、有機EL素子内を導波する光を画素(有機EL素子)の側面に設けられた開口絶縁膜105中に含まれる発光体により吸収し発光させ、発光率を向上させるものである。この構成については後に詳述する。
【0028】
素子基板101としては、ガラスやプラスチックなどからなる矩形状の透明基板を用いることができる。素子基板101の厚みは、特に限定されないが、例えば0.1〜1.1mmのものを用いることが好ましい。素子基板101上には、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電膜からなる複数の陽極配線102が形成されている。図2に示すように、陽極配線102は、一定の間隔を隔ててそれぞれ平行に配置されている。陽極配線1の厚さは、例えば100〜150nmで形成される。
【0029】
それぞれの陽極配線102の端部の上には、陽極補助配線103が形成される。陽極補助配線103は、金属膜によって形成され、陽極配線102と電気的に接続される。陽極補助配線103は、素子基板101の端部側においてACF(Anisotropic Conductive Film)を介してFPC(Flexible Printed Circuit)などの外部配線と接続するための金属パッドとして機能する。このように構成することにより、外部に設けられた駆動回路から陽極補助配線103を介して陽極配線102に駆動電圧が供給されることとなる。
【0030】
素子基板101上には、図1に示すように複数の陰極配線104が設けられている。複数の陰極配線104は、それぞれが平行となるよう、かつ、陽極配線102と直交するように配設されている。陰極配線104は、光反射性を有するAlなどの導電性材料からなる。陰極配線104の厚さは、例えば、100〜150nm程度とする。また、陰極配線104の端部には、陽極配線102に対する陽極補助配線103と同様に、陰極補助配線(図示せず)が設けられている。
【0031】
素子基板101上には、陽極配線102を覆うように開口絶縁膜105が形成されている。開口絶縁膜105としては、光透過性のよいアクリル系樹脂を用いることができる。これにより、有機EL素子内を導波する光を、開口絶縁膜105で吸収せず、発光体の励起に用いることができる。
【0032】
図2に示すように、開口絶縁膜105には、陽極配線102の一部を露出するよう矩形状の開口部が設けられている。そして、複数の開口部は、陽極配線102の上にマトリクス状に配置されている。すなわち、開口絶縁膜105は格子状にパターニングされる。この開口部において、後述するように陽極配線102と陰極配線104の間に有機EL層107が設けられる。素子基板101上に順次積層された陽極配線102、有機EL層107、陰極配線104が有機EL素子となる。この1つの有機EL素子が1つの画素となる。すなわち、それぞれの開口部が1つの画素となる。したがって、マトリクス状に設けられた開口部に対応して表示領域が形成される。例えば、開口絶縁膜105の膜厚を200〜300nmとし、開口部の大きさを300μm×300μmとすることができる。
【0033】
図3に、図1に示す有機EL表示パネル100における素子基板101の反視認側からみた構成を模式的に示す。図3に示すように、開口絶縁膜105は、後述する陰極隔壁106により分断されている。すなわち、陰極隔壁106を挟んで隣接する画素間において、開口絶縁膜105は分離形成されている。したがって、陰極隔壁106は、開口絶縁膜105を空間的に分離する役割を担っている。
【0034】
さらに、陰極隔壁106に平行な方向において隣接する画素間においては、開口絶縁膜105は、陽極配線102が露出しない程度に所定の距離離間して形成されている。したがって、開口絶縁膜105は画素を囲むように形成されており、また、隣接する画素間においては、分離形成されている。これにより、高品位の表示を行うことが可能である。これについては後に詳述する。
【0035】
また、開口絶縁膜105には、後述する有機EL層107から出射される光を励起光として吸収し、所定の光を出射する発光体が含有されている。発光体としては、蛍光発光あるいは燐光発光をする少なくとも1種類の発光性材料を用いることができる。画素は、この発光体を含有した開口絶縁膜105により周囲を囲繞されている。このような構成とすることにより、有機EL層107から出射された光を効率よく開口絶縁膜105に入射させることができる。
【0036】
発光体は、有機発光層114から出射される光の波長域に吸収ピークを有するものとする。ここで、青系の色の光の波長域を青色域、緑系の色の光の波長域を緑色域、赤系の色の光の波長域を赤色域という。例えば、画素が青系波長域(青色域)の光を出射する場合、発光体としては、図4中破線で示すように青系波長域(青色域)に吸収ピークを有し、緑系波長域(緑色域)の光を出射するような緑系の蛍光色素を用いることができる。これにより、有機EL層107から出射された光を効率よく利用し、発光効率を向上させることができる。従来知られているように、蛍光色素、燐光色素は、発光する光の波長よりも短波長の光を励起光として吸収し、吸収した光の波長よりも長波長の光を出射する。このため、画素が出射する光よりも長波長の光を出射する発光体を用いることが好ましい。
【0037】
また、発光体が出射する光の波長域は、画素が出射する光の発光帯域とは異なるものとする。これにより、演色性を向上させることができる。さらに、画素が出射する光の波長域と、発光体が出射する波長域が、青色域、緑色域、赤色域の三波長域となることが好ましい。すなわち、画素と発光体によって、青色域、緑色域、赤色域のそれぞれの光を出射する。例えば、図4に示すように、画素が青色域と赤色域の2波長域の光を出射する場合、発光体としては緑色域の光を出射するように緑系の蛍光色素を用いることができる。これにより、さらに演色性を向上させることができ、高品位の表示を行うことが可能である。また、これに限らず、画素が青色域の光を出射し、発光体を2種類用いて緑色域と赤色域の光を出射し、有機EL表示パネル100としては三波長域の光を出射するようにすることも可能である。
【0038】
図1に示すように、開口絶縁膜105の上及び陰極隔壁106の上には、有機EL層107が形成されている。また、有機EL層107は、開口絶縁膜105の開口部において陽極配線102と陰極配線104とに挟持されている。すなわち、有機EL層107の下面が陽極配線102と接触し、上面が陰極配線104と接触する。図5に、有機EL層107の構成の一例を模式的に示す。有機EL層107は、例えば、図5に示すようにホール注入層112、ホール輸送層113、有機発光層114、電子輸送層115、電子注入層116を順次積層した構成を有している。もちろん、図5とは異なる層構成を有する場合もある。有機EL層107の厚さは、例えば、150〜200nm程度とすることができる。
【0039】
また、開口絶縁膜105の屈折率は、有機発光層114の屈折率と略等しいことが好ましい。これによって、有機発光層114から出射した光が、開口絶縁膜105に入射する際に、有機発光層114と開口絶縁膜105との界面で反射されず、効率よく開口絶縁膜105に入射する。このため、有機発光層114から出射した光を効率よく利用し、開口絶縁膜105に含まれる発光体を励起させ、発光効率をさらに向上させることができる。ここで、屈折率が略等しいとは、開口絶縁膜105と有機発光層114の屈折率の差が0.5以内であることをいう。特に好ましくは、0.2以内とする。有機発光層114の屈折率は、1.5〜2.1程度のものを用いることができる。したがって、例えば、有機発光層114の屈折率が1.5のものを採用した場合、絶縁膜の屈折率は1.7とする。
【0040】
図2に示すように、開口絶縁膜105の上には、複数の陰極隔壁106が陽極配線102と垂直な方向に沿って形成されている。陰極隔壁106は、図1に示すよう陰極配線104の配線同士が導通しないように、複数の陰極配線104を空間的に分離するための役割を担っている。したがって、隣接する陰極隔壁106の間にそれぞれ陰極配線104が配置される。陰極隔壁106の大きさとしては、例えば、高さが2〜3μm、幅が10μmのものを用いる。
【0041】
陰極隔壁106の断面形状は、逆テーパ形状であることが好ましい。逆テーパ形状とは、図1に示すように素子基板101から離間するにつれて陰極隔壁106の断面幅が大きくなる形状のことをいう。このように構成することにより、陰極隔壁106の側壁及び立ち上がり部分が陰となり、後述する陰極配線104の製造工程において、複数の陰極配線104を空間的に分離しやすくすることができる。
【0042】
素子基板101は、対向基板108とシール材111を介して貼り合わせられている。これにより、有機EL層107などが設けられた空間を封止することができ、有機EL層107が空気中の水分により劣化するのを防ぐことができる。対向基板108の素子基板101側の面には、捕水材収納部110が設けられている。すなわち、対向基板108を掘り込み、凹部を形成することによって、捕水材収納部110を設けることができる。対向基板108としては、例えば、厚さが0.7〜1.1mmのガラス基板を使用する。
【0043】
この捕水材収納部110には、捕水材109が配設されている。捕水材109は、吸着剤と不活性油を主成分とするものである。捕水材109には、捕水性能及び塗布性能に影響を与えない範囲で添加剤を含んでいてもよい。吸着剤としては、例えば、モレキュラシーブスを用いることができる。不活性油としては、例えば、フッ素系油、又はシリコン系油などの合成油を用いることができる。もちろん、上記以外の材料であってもよい。
【0044】
捕水材収納部110の外側の凸部には、シール材111が塗布されている。シール材111は表示領域全体を囲うように、額縁状に形成される。このシール材111によって素子基板101と対向基板108とが貼り合わせられる。封止された空間内には上述した有機EL層107や陰極配線104などと離間して捕水材109が配設されている。
【0045】
また、図1に示すように、封止基板108は、陽極補助配線103及び陰極補助配線(不図示)からなる引き出し部を素子基板101、封止基板108、シール材111で形成される気密空間から露出するために、素子基板101よりも大きさが小さくなっている。すなわち、陽極補助配線103及び陰極補助配線は、シール材111の外側に配置される。
【0046】
また、ここでは図示しないが、陽極補助配線103、陰極補助配線には、それぞれ駆動回路が電気的に接続される。駆動回路が設けられたFPCと陽極補助配線103又は陰極補助配線とは、ACFを介して接続される。ACFが、陰極接続端子110とFPC118とを物理的に固定し、さらに、ACFに含まれる導電粒子により各補助配線とFPCの接続配線を電気的に接続する。
【0047】
ここで、上記の有機EL表示パネル100の発光原理について説明する。陽極配線102と陰極配線104との間に駆動電圧を供給することによって、陽極配線102からは正孔が、陰極配線104からは電子がそれぞれ有機EL層107に注入されて再結合する。その際に生ずるエネルギーにより有機EL層107内の有機発光性化合物の分子が励起される。励起された分子は基底状態に失活し、その過程において有機EL層107に含まれる有機発光層114が発光する。このように発光した光は、陽極配線102及び素子基板101を通過して視認側から出射される。
【0048】
また、陽極配線102と出射媒体(ここでは、素子基板101)との屈折率の差により、陽極配線102と素子基板101との界面で反射が発生する。この反射した光は、陽極配線102内を導波する。このとき、上述したように、画素の側面を取り囲むように、発光体が含有された開口絶縁膜105が設けられている。したがって、陽極配線102内を導波する光は、開口絶縁膜105の発光体に吸収され、発光体の分子が励起する。この励起した発光体が基底状態に失活するときに、光を出射する。これにより、従来の画素からの発光に加え、発光体からの発光により、有機EL表示パネル100の発光効率を向上させることができる。
【0049】
また、有機EL層107から出射された光には、陽極配線102内に限らず、陽極配線102とホール注入層112との間で反射され、ホール注入層112を導波する光もある。すなわち、有機EL層107から出射された光の一部は、画素を形成する各層間で反射され、各層内つまり画素内をそれぞれ導波する。このように、画素内を導波する光が、上述したように発光体に吸収され、発光体は光を出射する。これにより、電圧値を上げることなく高輝度が得られ、発光効率を向上させることができる。したがって、所望の輝度を達成するために必要な駆動電圧を低減させることができる。
【0050】
このように、従来は、画素の側面から漏れたり、画素内部で消滅したりして、取り出せなかった光を有効に利用し、発光効率を向上させることができる。特に、従来では発光した光のうち50%程度の画素内部を導波し、取り出せなかった光を有効に活用することができる。
【0051】
また、上述したように、開口絶縁膜105は隣接する画素間においては、分離形成されている。したがって、隣接する画素の一方が黒表示を行い、他方が白表示を行うような場合であっても、黒表示を行っている画素において隣接画素の影響により開口絶縁膜105に含有される発光体から発光するおそれはない。したがって、コントラストの悪化を抑制することができ、高品位の表示を実現することができる。
【0052】
また、有機EL層107上に設けられている陰極配線104は、反射特性を有している。したがって、有機発光層114から反視認側(陰極配線104側)に出射した光は、陰極配線104で反射され、有機EL層106、陽極配線102、素子基板101を通過して、視認側から出射する。
【0053】
また、陰極配線104は、陰極隔壁106の上及び陰極隔壁106間の開口絶縁膜105上にも設けられている。すなわち、発光体の反視認側には、反射膜となる反射特性を有する陰極配線104が設けられている。したがって、陰極配線104において反射され、開口絶縁膜105中に入射した光は、開口絶縁膜105中に含まれる発光体に吸収され、視認側から光が出射される。これにより、さらに発光効率を向上させることができる。図6に示すように、反射膜となる陰極配線104を発光体を含有する開口絶縁膜105を覆うように、陰極配線104の幅を広くすることが好ましい。これにより、より効率よく光を開口絶縁膜105中に入射させることができ、さらに発光効率を向上させることが可能である。
【0054】
次に、図7及び図8を用いて本発明にかかる有機EL表示パネル100の製造工程について説明する。図7は、本発明にかかる有機EL表示パネル100の製造工程における構成を示す断面図である。図8は、有機ELディスプレイの製造工程を示すフローチャートである。
【0055】
まず、素子基板101上にスパッタ法などを用いてITOなどの陽極配線材料を成膜する(ステップS1)。そして、フォトリソグラフィー工程及びエッチング工程により、陽極配線材料をパターニングする(ステップS2)。これにより、図7(a)に示すように、素子基板101上に陽極配線102が形成される。
【0056】
次に、陽極配線102の上に補助配線材料としてAl又はAl合金などの低抵抗な金属材料を成膜する(ステップS3)また、下地との密着性向上や、腐食防止などの観点からAl膜の下層又は上層にTiNやCrなどのバリア層を形成して、補助配線を多層構造体としてもよい。そして、フォトリソグラフィー工程及びエッチング工程により、補助配線材料をパターニングする(ステップS4)。これにより、図7(b)に示すよう陽極補助配線103が形成される。なお、この工程で陰極配線104に対する陰極補助配線を同時に形成する。
【0057】
続いて、スピンコート法などにより、陰極隔壁材料を成膜する(ステップS5)。陰極隔壁材料としては、感光性ノボラック樹脂、感光性アクリル樹脂などを用いることができる。その後、陰極隔壁材料を露光、現像することによりパターニングを行う(ステップS6)。これにより、図7(c)に示すよう陰極隔壁106が形成される。陰極隔壁106は、図1に示すように陰極配線104と平行になるように形成される。上述のように、逆テーパ構造を得るためには、ネガタイプの感光性樹脂を用いることが好ましい。ネガタイプの感光性樹脂を用いると、露光工程において、陰極隔壁106の素子基板101側ほど光反応が不十分となり逆テーパ構造を容易に形成できる。
【0058】
その後、開口絶縁膜材料及び発光体材料を同時に成膜し、(ステップ7)、フォトリソグラフィー法などによりパターニングを行う(ステップS8)。これにより、図7(d)に示すように開口部を有する発光体が含有された開口絶縁膜105が形成される。また、逆テーパ構造の陰極隔壁106が設けられているため、開口絶縁膜105を、陰極隔壁106を挟んで隣接する画素ごとに空間的に分離することができる。また、開口絶縁膜105は、開口部の形成と同時にパターニングにより陰極隔壁106に平行な方向に隣接する画素ごとに分離形成される。これにより、発光体を形成するための工程を別に設ける必要がないため、製造工程の増加を抑制することができる。
【0059】
また、逆テーパ構造の陰極隔壁106を設けることにより、後述する陰極配線104の形成時に陰極配線104同士を空間的に分離することができる。なお、後述するステップS9の前に、開口部により露出するITOの表面改質を行うために、酸素プラズマ又は紫外線を照射する工程を加えてもよい。
【0060】
続いて、有機EL層107をマスク蒸着する(ステップS9)。これにより、図7(e)に示す構成となる。この有機EL層107は絶縁膜の開口部において、陽極配線102と接する。この有機EL層107は陰極隔壁106の上にも形成される。なお、有機EL層107は上記の方法以外の方法で形成してもよい。
【0061】
さらに、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどの物理的気相成長法(PVD)により陰極配線104を形成する(ステップS10)。なお、有機EL層107に対するダメージを低減するため、蒸着によって陰極配線104を形成することが好ましい。これにより、陽極配線102と陰極配線104との間に挟持された有機EL層107を備える画素が形成される。このとき、図7(f)に示すように陰極隔壁106の上にも蒸着膜が形成される。
【0062】
次に、画素を封止するための対向基板108を製造する工程について説明する。まず、対向基板108上に凹部形状の捕水材収容部110を設ける(ステップS21)。捕水材収容部110は、図1に示すように素子基板101上に設けられた画素と対向する位置に設ける。捕水材収容部110の凹部形状は、例えば、エッチングやサンドブラストにより形成する。
【0063】
そして、対向基板108の捕水材収容部110が設けられている面側に、図1に示すようにシール材111を塗布する(ステップ22)。シール材111は、捕水材収容部110が設けられている凹部を囲むように塗布する。すなわち、シール材111は捕水材収納部110の外側の凸部に設けられる。シール材111は陽極補助配線103及び陰極補助配線を横切るように形成する。また、陽極補助配線103及び陰極補助配線の端部がシール材111の外側に配置されるようにシール材111を形成する。後述する実装工程で、各配線のシール材111の外側まで延設された部分に、外部の駆動回路が接続される。そして、ペースト状の捕水材109を塗布ノズルによって塗布する(ステップS23)。以上のようにして、対向基板108を製造する。
【0064】
その後、素子基板101と対向基板108とを貼り合わせる(ステップS12)。素子基板101と対向基板108とを位置合わせした後に、両基板を加圧し、シール材111にUV光を照射する。これにより、シール材111が硬化して、素子基板101と対向基板108とを接着することができる。これにより、図7(g)に示すように、有機EL層107が形成された有機EL表示領域が封止される。
【0065】
また、ステップ12の貼り合わせ工程を真空中で行なうようにしてもよい。これにより、有機EL層107を形成後、画素を大気に曝すことなく封止することができる。よって、水分などによる劣化を防ぐことができる。具体的には、捕水材層11が設けられた素子基板101を大気に曝すことなく、貼り合わせ用の真空チャンバーに搬送する。また、対向基板108も、貼り合わせ用の真空チャンバーに搬送して貼り合わせを行なう。これにより、有機EL層107の形成工程から貼り合わせ工程の間の全期間を、素子基板101が真空中で処理される。よって、水分などによる劣化を防ぐことができる。
【0066】
そして、各有機EL表示パネルに切断分離する(ステップS13)。その後、駆動回路などを実装する(ステップS14)。シール材111の外側まで延設された陰極補助配線及び陽極補助配線103の端部に、ACFを貼り付け、駆動回路が設けられたTCPと接続する。そして、有機EL表示パネル30を筐体に取り付け、有機ELディスプレイが完成する。
【0067】
このように、画素の側面を取り囲む絶縁膜中に、画素が発光する光を吸収し、発光する発光体を設けることにより、製造工程を増加させることなく、発光効率を向上させた有機ELディスプレイを製造することが可能である。
【0068】
なお、有機EL表示パネルの構成としては、上述の構成に限定されない。例えば、陰極配線104を反射性金属で形成する代わりに、反射膜を別に設ける構成としてもよい。発光体を含有する開口絶縁膜105の配置位置としても、上述の例に限定されるものではない。画素から出射される光を効率よく吸収し、発光体から出射される光を取り出し側から出射するように、適当な厚み、位置に設けることができる。
【0069】
また、素子基板101内を導波する光を、視認側から出射させるために、素子基板101の表面に凹凸形状を設けてもよく、素子基板101の側面に反射膜を設ける構成としてもよい。
【0070】
実施例
ガラス基板上にITOを成膜した素子基板101上に、開口絶縁膜105の材料として、青緑の光を吸収し緑の蛍光を出射するクマリン系緑色蛍光色素を含有したアクリル系樹脂を成膜した。そして、フォトリソグラフィー法により開口部を形成し、開口絶縁膜105を形成した。開口絶縁膜105の屈折率は、1.7であった。この基板を、真空蒸着機の基板ホルダーに固定して、真空度1.33×10−4Paまで減圧した。
【0071】
次に、化学式(1)で表されるα−NPDを蒸着速度0.2nm/秒で、40nmの厚みに蒸着し、正孔注入層112とした。
【化1】

【0072】
さらにその上に、化学式(2)で表される有機材料を橙色ホスト材料として蒸着速度0.2nm/秒で、また、化学式(3)で表される有機材料を発光ドーパントとして蒸着速度0.002nm/秒で同時に蒸着し、20nmの橙色発光層とした。
【化2】

【化3】

【0073】
さらにその上に、青緑色発光層として、化学式(4)で表される有機材料を蒸着速度0.2nm/秒で、また、化学式(5)で表される有機材料を発光ドーパントとして蒸着速度0.002nm/秒で同時に蒸着し、40nmの青緑色発光層とした。このとき、有機発光層114の屈折率は、1.5であった。
【化4】

【化5】

【0074】
さらに、電子輸送層として、化学式(6)で表されるAlq3を蒸着速度0.5nm/秒で100nmの厚みに蒸着した。
【化6】

【0075】
このAlq3上に、電子注入層として、フッ化リチウムを蒸着速度0.05nm/秒で5nmの厚みに蒸着した。その上に陰極として、アルミニウムを蒸着速度0.5nm/秒で100nmの厚みに蒸着し、有機ELパネルを作製した。
【0076】
比較例として、開口絶縁膜105として無機化合物を用い、発光体を含有させない従来の有機ELパネルを作製した。この従来の有機ELパネルにおいて、開口絶縁膜105以外の構成要素は、実施例と同じ構成とした。
【0077】
上述のように作製した有機EL表示パネルの電流効率、及び駆動電圧を調べた。300cd/mの輝度を得るときの電流効率は、従来の有機ELパネルでは10.2cd/Aであるのに対し、実施例の有機ELパネルでは18.6cd/Aであり、発光効率を向上させることができた。また、300cd/mの輝度を得るときの駆動電圧は、従来の有機ELパネルでは8.1Vであるのに対し、実施例の有機ELパネルでは7.1Vであり、駆動電圧を低減させることができた。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明にかかる有機EL表示パネルの構成を示す断面図である。
【図2】本発明にかかる有機EL表示パネルにおける素子基板の有機EL層が形成される前の構成を模式的に示す斜視図である。
【図3】本発明にかかる有機EL表示パネルにおける素子基板の反視認側から見た構成を模式的に示す図である。
【図4】本発明にかかる発光体の吸収ピーク及び発光波長域を示す図である。
【図5】本発明にかかる有機EL表示パネルの有機EL層の構成を示す断面図である。
【図6】本発明にかかる有機EL表示パネルにおける素子基板の反視認側から見た他の構成を模式的に示す図である。
【図7】本発明にかかる有機EL表示パネルの製造工程における構成を示す断面図である。
【図8】本発明にかかる有機ELディスプレイの製造工程を示すフローチャートである。
【図9】従来の有機ELパネルの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0079】
100 有機EL表示パネル
101 素子基板
102 陽極配線
103 陽極補助配線
104 陰極配線
105 開口絶縁膜
106 陰極隔壁
107 有機EL層
108 対向基板
109 捕水材
110 捕水材収容部
111 シール材
112 ホール注入層
113 ホール輸送層
114 有機発光層
115 電子輸送層
116 電子注入層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を備え、前記複数の画素がそれぞれ第1の電極と第2の電極と前記第1及び第2の電極間の有機EL層とを備える有機ELディスプレイであって、
前記画素の側面に配置された絶縁層を備え、
前記絶縁層は、前記有機発光層から出射される光を励起光として吸収し発光する発光体を含む有機ELディスプレイ。
【請求項2】
前記発光体は、前記有機発光層から出射される光の波長域に吸収ピークを有する請求項1に記載の有機ELディスプレイ。
【請求項3】
前記発光体は、前記有機発光層から出射される光の波長域とは異なる波長域の光を出射する請求項1に記載の有機ELディスプレイ。
【請求項4】
前記有機発光層及び前記発光体は、第1の波長域、第2の波長域、第3の波長域のいずれかの光を出射し、
前記第1の波長域、前記第2の波長域、前記第3の波長域は、青色域、緑色域、赤色域の三波長域のいずれかである請求項1に記載の有機ELディスプレイ。
【請求項5】
前記絶縁層は、前記画素を囲むように配置されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機ELディスプレイ。
【請求項6】
前記絶縁層の屈折率は、前記有機発光層の屈折率と略等しい請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機ELディスプレイ。
【請求項7】
前記発光体の反視認側には、反射膜が配置されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機ELディスプレイ。
【請求項8】
前記第2の電極を分離形成する隔壁を備え、
前記絶縁層は、隣接画素間において、前記隔壁により分離されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機ELディスプレイ。
【請求項9】
前記絶縁層は、前記画素を囲むように、前記画素ごとに分離形成されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機ELディスプレイ。
【請求項10】
複数の画素を備え、前記複数の画素がそれぞれ第1の電極と第2の電極と前記第1及び第2の電極間の有機EL層とを備える有機ELディスプレイの製造方法であって、
基板上に複数の第1の電極を形成し、
前記第1の電極上に有機発光層と発光体を含む絶縁層とを、前記有機発光層と前記絶縁層の側面が接するように形成し、
前記複数の画素が形成される領域内に、前記第2の電極を分離形成する隔壁を形成し、
前記分離隔壁の上から前記有機発光層上に第2の電極を形成する有機ELディスプレイの製造方法。
【請求項11】
前記絶縁層に開口部を設け、
前記開口部が形成された絶縁層の上から、前記開口部中に前記有機発光層を形成する請求項10に記載の有機ELディスプレイの製造方法。
【請求項12】
前記絶縁層を、隣接画素間において前記隔壁により分離する請求項10又は11に記載の有機ELディスプレイの製造方法。
【請求項13】
前記絶縁層を、前記画素を囲むように、前記画素ごとに分離形成する請求項10〜12のいずれか1項に記載の有機ELディスプレイの製造方法。
【請求項14】
前記第2の電極を反射膜で形成する請求項10〜13のいずれか1項に記載の有機ELディスプレイの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−115628(P2007−115628A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−308668(P2005−308668)
【出願日】平成17年10月24日(2005.10.24)
【出願人】(000103747)オプトレックス株式会社 (843)
【Fターム(参考)】