説明

有機ELデバイス製造装置及び同製造方法並びに成膜装置及び成膜方法

【課題】材料の損出の少ない経済性のよい、または、生産性の高い、あるいは稼働率の高い有機ELデバイス製造装置または及び同製造方法あるいは成膜装置または及び成膜方法を提供することである。
【解決手段】
本発明は、真空チャンバ内にN(Nは2以上)枚の基板を内在させ、第1枚目の第1の基板前記蒸発源で蒸着中に、第N枚目の第Nの基板前記真空チャンバ内に搬入し、第2枚目の第2の基板前記蒸発源で蒸着中に前記第1の基板前記真空チャンバ内から搬出する、あるいは第1の前記基板を蒸着中に第2の前記基板の前記位置合せを終了させ、前記蒸着時同一の蒸発源で前記第2の基板の蒸着中に前記第1の基板を前記真空チャンバ内から搬出させることを特徴とする。また、前記真空チャンバを複数に分割することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機ELデバイス製造装置及び同製造方法並びに成膜装置及び成膜方法に係わり、特に蒸着法による製造に好適な有機ELデバイス製造装置及び同製造方法並びに成膜装置及び成膜方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機ELデバイスを製造する有力な方法として真空蒸着法がある。一般的な真空蒸着法では、安定した蒸着を持続させるために、蒸発源から材料蒸発速度を一定に保つように制御する必要がある。抵抗加熱や誘導加熱などの方法を用いて蒸着材料を加熱し物理蒸着(PVC)を行なう場合、蒸発速度の安定には一定の時間が必要となる。そのため蒸発源からの材料の蒸発をあたかもスイッチをON/OFFするように制御することは容易に実現できない。
このような真空蒸着法による有機ELデバイスの製造に関する従来技術としては下記のものがある。
【0003】
従来は、下記特許文献のように真空蒸着チャンバに処理対象である基板を1枚づつ入れて処理をしていた。また、特許文献1には処理時間を短縮するために、真空蒸着チャンバに基板を搬入する前にアライメント(位置合せ)を行なう方法が、特許文献2には、基板を垂直にして蒸着することも開示されている。
【0004】
また、年々処理基板の大型化の波が押し寄せ、G5〜G6世代の基板サイズは1500mm×1800mmにも及び、それに伴い真空蒸着チャンバも大型化する。さらにG7、G8世代に進むと、真空蒸着チャンバもさらに大型化する。真空蒸着チャンバの大型化に際して、真空蒸着チャンバや部品の製造時に、または装置組立工場から液晶パネル製造工場までの搬送時に、その重量や大きさが支障とならないよう対策する必要がある。
【0005】
これに対して、液晶の基板の露光装置では特許文献3に示すように、露光装置またはこれを構成するステージ装置をいくつかに分割した部品から組み立てるように構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004-259638号公報
【特許文献2】特開2007-171319号公報
【特許文献3】特開2005-189775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述したように材料蒸発速度を一定に保つために常時蒸発させる必要がある。即ち、前記工程のうち蒸着に必要でない基板の搬出入、位置決め工程の時も蒸発させておく必要があり、その間は、蒸発源から蒸発する材料は蒸着工程になんら寄与せず、そのまま材料損失となっていた。上記特許文献1では、アライメント時間を短縮し、生産性の向上を図っており、その分の材料損失が低減されるが、基板の搬出入等に時間がかかり、根本的な解決策になっていない。
【0008】
特に有機EL材料は高価なために製品価格が高くなり有機ELデバイスの普及に大きな影響を与えていた。また、損出材料が多くなるために材料の交換頻度も高くなり、装置の稼働時間が低減するという課題があった。
また、蒸着工程とその他の工程との処理時間はほぼ同等であり、生産性がよくないという課題があった。
【0009】
さらに、装置の分割化に関しては、有機ELデバイス製造装置と露光装置では、どのように分割し、どのように接続するかはそれぞれの装置構成によって異なる。
【0010】
従って、本発明の第一の目的は、材料の損失の少ない経済性のよい有機ELデバイス製造装置または同製造方法あるいは成膜装置または成膜方法を提供することである。
また、本発明の第二の目的は、生産性の高い有機ELデバイス製造装置または同製造方法あるいは成膜装置または成膜方法を提供することである。
さらに、本発明の第三の目的は、稼働率の高い有機ELデバイス製造装置または同製造方法あるいは成膜装置または成膜方法を提供することである。
【0011】
また、本発明の第四の目的は、真空蒸着チャンバに適した装置分割を行ない、製作または輸送あるいは組み立て・保守の容易な有機ELデバイス製造装置または成膜装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、真空チャンバ内にN(Nは2以上)枚の基板を内在させ、第1枚目の第1の基板を前記蒸発源で蒸着中に、第N枚目の第Nの基板を前記真空チャンバ内に搬入し、第2枚目以降の第2の基板を前記蒸発源で蒸着中に前記第1の基板を前記真空チャンバ内から搬出することを第1の特徴とする。
【0013】
また、上記目的を達成するために、第1の前記基板を蒸着中に、第2の前記基板とシャドウマスクとの蒸着位置の位置合せを終了させ、前記第1の前記基板に用いた同一の蒸発源で前記第2の基板を蒸着中に前記第1の基板を前記真空チャンバ内から搬出させることを第2の特徴とする。
【0014】
さらに、上記目的を達成するために、第1及び第2の特徴に加え、それぞれの基板に別々に設けられた蒸着位置に前記蒸発源を移動させることを第3の特徴とする。
また、上記目的を達成するために、第1及び第2の特徴に加え、前記位置合せに必要なシャドウマスクと前記基板とを一体にして前記蒸発源の位置に移動させることを第4の特徴とする。
【0015】
また、上記目的を達成するために、第1及び第2の特徴に加え、前記蒸着を前記基板が垂直またはほぼ垂直に立てられた状態で実施し、水平状態で搬送された前記基板を前記垂直状態にすることを第5の特徴とする。
さらに、上記目的を達成するために、第1及び第2の特徴に加え、前記基板を前記蒸発源位置に移動させ、その後前記位置合せを実施することを第6の特徴とする。
【0016】
また、上記目的を達成するために、第1及び第2の特徴に加え、前記真空チャンバはM(Mは2以上)ユニットに分割され、前記Mユニットのうち2つのユニット間を移動する移動体部が通過できる開口部を前記2つのユニットに設け、前記2つの開口部を真空シールを有する接続フランジで接続することを第7の特徴とする。
さらに、上記目的を達成するために、第7の特徴に加え、前記Mは2であり、前記移動体部は前記蒸発源を有することを第8の特徴とする。
【0017】
また、上記目的を達成するために、第1及び第2の特徴に加え、前記真空チャンバはL(Lは2以上)ユニットの機能単位に分割され、前記分割した隣接する2つのユニット間を真空シールを有する接続フランジで接続することを第9の特徴とする。
さらに、上記目的を達成するために、第9の特徴に加え、前記Lは2であり、一方のユニットは蒸着部を有し、他方のユニットは前記アライメントをするアライメント部を有することを、または、一方のユニットは蒸着部と前記アライメント部とを有し、他方のユニットは前記真空チャンバ外と前記基板の受け渡しをする処理受渡部を有することを第10の特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、材料の損出の少ない経済性のよい有機ELデバイス製造装置または同製造方法あるいは成膜装置または成膜方法を提供することができる。
また、本発明によれば、生産性の高い有機ELデバイス製造装置または同製造方法あるいは成膜装置または成膜方法を提供することができる。
さらに、本発明によれば、稼働率の高い有機ELデバイス製造装置または同製造方法並びに成膜装置または成膜方法を提供することができる。
【0019】
また、本発明によれば、真空蒸着チャンバに適した装置分割を行ない、製作または輸送あるいは組み立て・保守の容易な有機ELデバイス製造装置または成膜装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態である有機ELデバイス製造装置を示す図である。
【図2】本発明の実施形態である搬送チャンバ2と処理チャンバ1の構成の概要を示す図である。
【図3】本発明の実施形態である搬送チャンバと処理チャンバの構成の模式図と動作説明図である。
【図4】シャドウマスクを示す図である
【図5】蒸発源駆動手段の概念図を示す図である。
【図6】図3に示した真空蒸着チャンバのうちRラインを構成するチャンバ部分の詳細なる実施例を示した図である。
【図7】本発明の実施形態である処理チャンバ1の処理フローを示した図である。
【図8】(a):本発明の処理チャンバである第2の実施形態を示す図である。(b) 本発明の処理チャンバである第3の実施形態を示す図である。
【図9】本発明の処理チャンバである第4の実施形態を示す図である。
【図10】本発明の処理チャンバである第5の実施形態における第1の実施例を示す図である。
【図11】本発明の処理チャンバである第5の実施形態における第2の実施例を示す図である。
【図12】本発明の処理チャンバである第5の実施形態における第3の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
発明の第1の実施形態を図1から図7を用いて説明する。有機ELデバイス製造装置は、単に発光材料層(EL層)を形成し電極で挟むだけの構造ではなく、陽極の上に正孔注入層や輸送層、陰極の上に電子注入層や輸送層など様々な材料が薄膜としてなる多層構造を形成したり、基板を洗浄したりする。図1はその製造装置の一例を示したものである。
【0022】
本実施形態における有機ELデバイス製造装置100は、大別して処理対象の基板6を搬入するロードクラスタ3、基板6を処理する4つのクラスタ(A〜D)、各クラスタ間又はクラスタとロードクラスタ3あるいは次工程(封止工程)との間の設置された5つの受渡室4から構成されている。
【0023】
ロードクラスタ3は、前後に真空を維持するためにゲート弁10を有するロードロック室31と、ロードロック室31から基板6(以下、単に基板という)を受取り、旋回して受渡室4aに基板6を搬入する搬送ロボット5aからなる。各ロードロック室31及び各受渡室4は前後にゲート弁10を有し、当該ゲート弁10の開閉を制御し真空を維持しながらロードクラスタ3あるいは次のクラスタ等へ基板を受渡する。
【0024】
各クラスタ(A〜D)は、一台の搬送ロボット5を有する搬送チャンバ2と、搬送ロボット5から基板を受取り、所定の処理をする図面上で上下に配置された2つの処理チャンバ1(第1の添え字a〜dはクラスタを示し、第2の添え字u、dは上側下側を示す)を有する。搬送チャンバ2と処理チャンバ1の間にはゲート弁10が設けてある。
【0025】
図2は、搬送チャンバ2と処理チャンバ1の構成の概要を示す。処理チャンバ1の構成は処理内容によって異なるが、真空で発光材料を蒸着しEL層を形成する真空蒸着チャンバ1buを例にとって説明する。図3は、搬送チャンバ2bと真空蒸着チャンバ1buの構成の模式図と動作説明図である。図2における搬送ロボット5は、全体を上下に移動可能(図3の矢印53参照)で、左右に旋回可能なリンク構造のアーム51を有し、その先端には基板搬送用の櫛歯状ハンド52を上下二段に2本有する。上下二段にすることによって、上は搬入用、下は搬出用とし、一つの動作で搬入出処理を同時に行なうことができる。2本ハンドにするか1本ハンドにするかは処理内容によって決める。以後の説明では、説明を簡単にするために1本ハンドで説明する。
【0026】
なお、図1において搬送チャンバ2は4角形の平面形状で表され各々2つの処理チャンバと接続されているが、装置構成としてはこれに限定されるものではない。搬送チャンバ2は図2に示すように8角形等の平面形状でもよい。また、一つの搬送チャンバに1または3以上の処理チャンバが接続されていてもよく、搬送チャンバ2が直線的に配置されずに、ジグザグに配置される等の装置構成としてもよい。
【0027】
一方、真空蒸着チャンバ1buは、大別して発光材料を蒸発させ基板6に蒸着させる蒸着部7と、基板6の必要な部分に蒸着させるアライメント部8と、搬送ロボット5と基板の受渡しを行い、蒸着部7へ基板6を移動させる処理受渡部9からなる。ここでは、蒸着部7、アライメント部8及び処理受渡部9の概略構成を説明する。
アライメント部8と処理受渡部9は右側Rラインと左側Lラインの2系統設ける。処理受渡部9は、搬送ロボット5の櫛歯状ハンド52と干渉することなく基板6を受渡し可能で、基板6を固定する手段94を有する櫛歯状ハンド(基板チャック)91と、前記櫛歯状ハンド91を旋回させて基板6を直立させアライメント部8に移動するハンド旋回駆動手段92を有する。基板6を固定する手段94としては、真空中であることを考慮して電磁吸着やクリップ等の手段を用いる。アライメント部8は、図4に示すマスク81m、フレーム81fからなるシャドウマスク81と基板6上のアライメントマーク84によって基板6とシャドウマスク81とを位置合せするアライメント駆動部83とを有する。
【0028】
蒸着部7は、蒸発源71と蒸発源を移動させる蒸発源駆動手段を有する。蒸発源71は、内部に蒸着材料である発光材料を有し、前記蒸着材料を加熱制御(図示せず)することによって安定した蒸発速度が得られ、図3の引出し図に示すように、ライン状に並んだ複数の噴射ノズル73から噴射される構造となっている。必要によっては、安定した蒸着が得られるように添加剤も同時に加熱して蒸着する。
蒸発源駆動手段70の概念図を図5に示す。蒸発源駆動手段は、基板6の全面を蒸着できるようにライン状に並んだノズル73を有する蒸発源71と添加剤を有する添加源71J(以下の説明では特に断わらない限り添加源71jも含めて蒸発源71とする)を上下に移動させる上下駆動手段72と、RラインとLラインでシャドウマスク81とアライメントされた基板に交互6に蒸着できるように蒸発源71を左右移動させる左右駆動手段74とを有する。上下駆動手段72は、蒸発源71を載置する蒸発源台71dと、蒸発源台の中央部に固定されたナット78(後述の図6参照)と、ナットを駆動するボール螺子72bと、蒸発源台の両端が走行する上下レール76を有する。一方、左右移動手段74は、上下駆動手段72の蒸発源台71dや上下レール76等を搭載する左右駆動ベース74kと、左右駆動ベースが移動する左右駆動ベースを駆動する(後述の図6参照)を上下駆動手段72と同様な駆動手段を有する。
【0029】
図6は、図3に示した真空蒸着チャンバ1buのうちRラインを構成するチャンバ部分の詳細なる実施例を示した図である。
まず、基板6はゲート弁10を介して処理受渡部9に水平に搬入される。処理受渡部9では水平に搬送されてきた基板を直立させる。この直立させるのに、チャンバ内第1ベースプレート88上にハンド旋回駆動手段92の回転アーム92aを設け、その先端に直立ベース95を取り付ける。直立ベースは基板チャック91が取り付けられている。この例では、直立ベース95に気密容器97に収納されたアライメントカメラ86もチャンバ内第1ベースプレート88に取り付けている。
アームの回転は紙面手前に設けた回転アクチュエータ(図示せず)で行なう。このアクチュエータの動力を軸92cに伝達させる。なお。92bは軸受である。
【0030】
基板6を直立させた後、アライメントカメラ86によりマスク81及び基板6に設けられたアライメントマーク(図3参照)を撮像し、アライメント機構8でマスク81を動かして、アライメントを行った後に、図3に示すような直線状にノズルが複数配列された蒸発源71(リニアソース)を揺動させて蒸着を施す。
【0031】
アライメント機構8のアライメント駆動部83は、真空チャンバ1buの外側上部に設けられている。アライメント駆動部83は紙面奥行き(Y)方向と上下(Z)方向の2自由度を有する。紙面奥行き(Y)方向はアライメントベース83bから吊り下げたアクチュエータ83yで、上下(Z)方向はZ軸アクチュエータ83zで、ロッド83rをそれぞれ駆動する。アライメント機構8は、回転対偶である支持機構89sでマスク81を支持し、チャンバ内第2ベースプレート87に設けられたリニアガイド89gと共にマスクホルダ89hをスムーズ回転摺動させるものである。アライメント機構8は、紙面奥側にもう1セット設けることで、マスクホルダ89hのY方向及びZ方向の移動及び紙面に垂直な面における回転を制御し、アライメントを行なう。
次に蒸着を施す蒸発源駆動手段70を詳細に説明する。蒸発源駆動手段70は蒸発源71を紙面上下方向に移動させる上下駆動手段72と、紙面奥行き方向に移動させる左右駆動手段74からなる。
まず、上下駆動手段72を説明する。上下移動手段72はチャンバ内第3ベースプレート79上に設置されている。また、真空装置では駆動源のモータ72mを冷却の都合から真空チャンバ1buの外部である上部に設置する(図2も参照)。モータ動力を真空チャンバ1bu内に伝達するのに磁性流体シール72sを介してボール螺子72bを回転させてナット78を移動させる。そして、蒸発源台71dの摺動子72pが上下レール76上を摺動し、蒸発源台の蒸発源71を上下に移動させる。なお、ナット78は蒸発源71を載置する蒸発源台71dの中央部から突き出た連結棒78rの先端に設けられている。基板蒸着時において蒸発源71はマスク開口領域81aの範囲を上下している。磁性流体シール72sが真空チャンバ壁1hの変形で傾く場合モータ72mと磁性流体シール72sの間、及び磁性流体シール72sとボール螺子72nの間に、軸間の変位や角度誤差を吸収するカップリング72cを設けることで、スムーズな動力の伝達が可能になる。
【0032】
次に、左右駆動手段74を説明する。左右駆動手段74は左右駆動ベース74kや上下レール76等を一体にして左右レール75上を左右(図6では図面奥行き方向)に移動させ、蒸発源71をRライン、Lラインに亘って移動させる。左右駆動手段74は基本的には上下駆動手段72と同様な機構を有しており、左右レール75やボール螺子74bは、下壁1h上に設けられた複数のチャンバ内ベース74d上にRライン,Lラインに亘って設置されている。また、真空装置では駆動源のモータ(図示せず)は、上下駆動手段72と同様に、冷却の都合から真空チャンバ1buの外部(紙面手前側、図示せず)に設置する。このモータ動力を真空チャンバ1bu内に伝達するのに、上下駆動手段72と同様に、磁性流体シールや軸間の変位や角度誤差を吸収するカップリングを介してボール螺子74bを回転させる。ボール螺子74bを回転により左右駆動ベース74kに固定されたナット74nが移動し、左右駆動ベース74kに固定された摺動子74sが左右レール75上を移動する。
【0033】
左右移動時、即ちRラインとLライン間の移動時において、上下駆動手段72の構成から解かるように、上下駆動手段72は移動しないし、ボール螺子72bも移動しない。即ち、上下駆動手段72はRライン及びLラインにそれぞれ独立して設けられている。従って、両ラインの上下駆動手段72のボール螺子72bと蒸発源台71dの中央部から突き出た連結棒78rの先端に設けたナット78が係合しかつ離脱する係合離脱機構が必要である。
【0034】
図6の引出し図Aは、係合離脱機構を有するナット78の一実施例を示した図である。ナット78は左右に突出た半円形部78R、78Lを有している。その半円形部には上下駆動手段72のボール螺子72bと係合する螺子が切られている。そこで、左右駆動手段74によりナット78がRラインにくると、半円形部78RがRラインの上下駆動手段のボール螺子72bと係合し、また、Lラインにくると、半円形部78LがLラインの上下駆動手段のボール螺子72bと係合する。
【0035】
これらの結果、上下駆動手段72、特にモータ72mを移動させることなく、簡単な機構でR、Lラインで基板の全面に蒸着することができる。
【0036】
図7は、このような構成によって処理チャンバ1の処理フローを示した図である。発明が解決しようとする課題のところで説明したように、蒸着する工程と処理チャンバ1への基板搬出入工程等のその他工程とは所要時間はほぼ同じであり、本実施形態ではそれぞれ略1分である。そこで、本実施形態での処理の基本的な考え方は、一方のラインで蒸着して間に、他方のラインでは基板を搬出入し、位置合せをし、蒸着する準備を完了させることである。この処理を交互に行なうことによって、無駄に蒸着している時間を減少させることができる。
【0037】
その処理フローを図3を参照しながら図7を用いて詳細に説明する。図3において基板6が存在するところは実線で示す。
まず、Rラインにおいて、基板6Rを搬入し、基板6Rを垂直に立ててアライメント部8Rに移動し、位置合せを行なう(StepR1からStepR3)。このとき、垂直に立てて直ぐに位置合せを行なうために、蒸着面を上にして基板6を搬送する。位置合せは、図3の引出し図に示すように、CCDカメラ86で撮像し、基板6に設けられたアライメントマーク84がマスク81m設けられた窓85の中心にくるように、シャドウマスク81Rを前記アライメント駆動部83で制御することによって行なう。本蒸着が赤(R)を発光させる材料であるならば、図4に示すようにマスク81mのRに対応する部分に窓があいており、その部分が蒸着されることになる。その窓の大きさは色によって異なるが平均して幅50μm、高さ150μm程度である。マスク81mの厚さは40μmであり、今後さらに薄くなる傾向がある。
【0038】
位置合せが終了したら、蒸発源71をRライン側に移動させ(StepR4)、その後ライン状の蒸発源71を上又は下に移動させて蒸着する(StepR5)。Rライン蒸着中に、LラインではRラインと同様にStepL1からStepL3の処理を行なう。すなわち、他の基板6Lを搬入し、当該基板6Lを垂直に立ててアライメント部8Lに移動し、シャドウマスク81Lとの位置合せを行なう。Rラインの基板6Rの蒸着が完了すると、蒸発源71はLラインに移動し(StepL4)、Lラインにある基板6Lを蒸着する(StepL5)。このとき蒸発源71がRラインの蒸着領域から完全に出る前に、基板6Rがアライメント部8Rから離れると、不必要に蒸着される可能性があるので、完全に出た後に、基板6Rの処理チャンバ1からの搬出動作を開始し、その後新たな基板6Rの準備に入る。その後、上記フローを連続して行なう。
なお、前記不必要な蒸着を避けるためにラインの間に図1に示す仕切り板11を設ける。また、図3は、StepR5及びStepL1の状態を示している。即ち、Rラインでは蒸着を開始し、Lラインでは真空蒸着チャンバ1buに基板を搬入した状態である。
【0039】
本実施形態によれば、蒸発部7の移動時間を除いて無駄に蒸着材料を使用することなく蒸着することができる。前述したように必要な蒸着時間とその他処理時間は略1分であり、蒸発源71の移動時間を5秒とすれば、従来は1分の無駄な蒸着時間が本実施形態では5秒に短縮できる。
【0040】
また、上記本実施形態によれば、図7に示すように真空蒸着チャンバ1buの処理基板1枚の処理サイクルは実質的に蒸着時間+蒸発源71の移動時間となり、生産性を向上させることができる。前述の条件で処理時間を評価すれば、従来の2分に対し、本発明では1分5秒となり、略2倍に生産性を向上することができる。
【0041】
さらに、同一量の蒸着材料に対して蒸着部7が消費する時間は、従来の例と変わりがないが、生産量が2倍になった分だけ、壁等に付着する材料の付着量が低減するので、壁等の付着に対するメインテナンスサイクル及び所要時間も短くなる。その結果、本実施形態によれば装置の稼働率を向上させることができる。
【0042】
上記実施形態では、一つの処理装置の中に一つの蒸着部7に対してアライメント部8、処理受渡部9からなる2系統の処理ラインを設けた。例えば、蒸着時間30秒で、その他の処理時間が1分ならば、一つの処理装置の中に一つの蒸着部7に対して処理ラインを3系統設けても同様に大きな効果を得ることができる。
【0043】
次に、第2、第3の実施形態を図8を用いて説明する。第1の実施形態では、蒸発源71が移動して処理したが、本実施形態では、図8(a)はアライメント部8が移動する例であり、図8(b)は処理受渡部9が移動する例を示す。基本的な動きは実施形態1と同じである。
【0044】
まず、図8(a)において処理受渡部9から基板6を受取り保持したアライメント部8が移動し処理する例を説明する。なお、図8において、基板6、アライメント部8及び処理受渡部9が存在するところは実線で示す。
【0045】
まず、Rラインにおいて、基板6Rを搬入し、基板6Rを垂直に立ててアライメント部8Rに基板6Rを移動し、位置合せを行なう。その後、アライメント部8R、8Lはアライメントベース8Bにより一体となって蒸着部7の前まで左に移動する。なお、アライメント部8R,8Lは、個別に左右に移動する構造であってもよい。その移動機構(図示せず)としては、実施形態1と同様にレールを設け、その上を移動させる方法を用いてもよい。次に基板6Rの蒸着を行なう。基板6Rが蒸着している時は、アライメント部8Lは、処理受渡部9Lの前に来ているので、他の基板6Lを受取り、位置合せ等の処理を行なうことができる。基板6Rの蒸着処理が終了したならば、アライメント部8R、8Lは一体となって蒸着部7の前まで右に移動し、基板6Lの蒸着処理を行なう。今度は、アライメント部8Rは、処理受渡部9Rの前に来ているので、他の基板6Rを受取り、次の蒸着の準備ができる。なお、図8(a)は、基板6Lを蒸着中で、基板6Rがアライメント部8Rに受取ったところを示す。
【0046】
本実施形態によれば、蒸着材料の使用量の低減、生産性の向上等の効果については実施形態1と同様に大きな効果を得ることができる。
【0047】
次に、図8(b)の、処理受渡部9が移動して処理する例を説明する。この場合は、アライメント部8と蒸着部7は固定である。処理受渡部9R、9Lが一体となって左右に移動する。なお、処理受渡部9R、9Lは個別に左右に移動する構造であってもよい。本例では、処理受渡部9が移動し、基板を垂直にたて、位置合せをし、蒸着する。蒸着している間に、他方の基板の搬入が可能となる。なお、図8(b)は、基板6Lを蒸着中で、基板6Rが処理受渡部9Rに搬入されたところを示す。
従って、本実施形態は前の2つの実施形態に比べ効果は小さいが、従来例を比べれば多少の効果を同様に得ることができる。
【0048】
また、以上の実施形態の説明においては、蒸着部7、アライメント部8及び処理受渡部9は同一真空チャンバに設けたが、チャンバ間の移動はゲートを介して行なうことで、蒸着部7を処理チャンバに、アライメント部8及び処理受渡部9は搬送チャンバ等に設けることも可能である。
【0049】
以上の実施形態は全て基板6の蒸着面を上にして搬送する場合について説明した。この点におけるその他の基板の搬送方法としては、蒸着面を下にして搬送する方法、基板をケース等に入れて立てて搬送する方法がある。
【0050】
蒸着面を下にする場合は、蒸着処理を下方から行なう必要があるので、上記実施形態における蒸着時における、基板6、アライメント部8及び蒸着部7の位置関係を維持した配置構造とすればよく、処理フローとしては基板を垂直に立てる処理を省いた処理とすればよい。例えば、図9は蒸着面を下にする場合の図3のケースに対応する実施形態を示した図で、構造的には、処理受渡部9R、9Lの下にアライメント部8R、8Lを配置し、そのアライメント部8R、8Lの下に蒸着部7を設け、蒸発源71が両アライメント部間を移動できる構造とする。
【0051】
次に、立てて搬送する場合においては、基板を垂直に立てる処理を省いた処理とするだけで上記実施形態を適用できる。
【0052】
従って、本発明によれば、搬送方法の如何に関わらず本発明を適用できる。
【0053】
最後に本発明の処理チャンバ1、特に真空蒸着チャンバを分割する第5の実施形態について説明する。特に、第1から第4の実施形態のように、一つの真空蒸着チャンバ1buに蒸着またはアライメント等を実施する複数の箇所を有する場合は、真空蒸着チャンバは大型化し、本第5の実施形態の効果はさらに大きいものとなる。
【0054】
図10は、本実施形態を図3に示した真空蒸着チャンバ1buに適用した第1の実施例を示す。今まで、説明してきた真空蒸着チャンバ1buは、図1に示すように、Rライン、Lラインを一体の構造を持つ処理チャンバ1であった。課題のところで述べたように、処理チャンバや製作部品大型化に伴い、製作上、輸送上または組み立て・保守性の観点から真空蒸着チャンバ1buを一体化して製作することは困難になりつつある。
【0055】
従って、本実施形態では真空蒸着チャンバを然るべき単位に分割して製作し、輸送し、組み立てる。
【0056】
図10は、図6に示した真空蒸着チャンバ1buのRラインと、Lラインとの2つのユニット1R、1Lに分割した実施例を模式的に示した図であり、図10(a)は図1において搬送チャンバ2bから見た正面図であり、図10(b)は上から見た上面図である。図10において、71は蒸発源を、81はシャドウマスクを、9は処理受渡部を示す。
両ユニット1R、1Lは、蒸発源71が両ユニットを行き来する部分に開口部20を有し、その開口部を真空シール対策した接続フランジ25で接続する。開口部20の開口面積が小さいほど真空破壊に対する危険度が小さい。本実施例での開口部20を図6に破線で示す。図6に示す開口部20は、左右レール75やボール螺子74b等を敷設ができ、左右駆動手段74の左右移動駆動に伴っている移動する部分(移動体部21)が通過できる開口面積が必要である。この場合移動体部21は図6図に示す上下レール76、蒸発源71、左右駆動ベース74k等である。従って、図10に示すように縦に長く奥行きの短い開口部20となり、その開口部を接続フランジ25で覆う。図6に示す本実施形態では、開口部面積を小さくするために、上下移動手段のモータ72mをRライン、Lラインを構成する2つのユニット1R、1Lの上部に設けて、移動体部21を簡略化している。
【0057】
図11は第5の実施形態における第2の実施例を示した図である。第1の実施例に加えて、図6のA−A断面で各ユニット1R、1Lを前後に分割し、その前後を真空シール対策した接続フランジ26で接続した例である。前後に分割することによって、前の分割ユニット1RF(1LF)は処理受渡部9とアライメント部8を、後の分割ユニット1RB(1LB)は蒸着部7を有する。分割する位置はA−A断面の他、B−B断面図がある。B−B断面図の場合は、前の分割ユニット1RF(1LF)は処理受渡部9を、後の分割ユニット1RB(1LB)は蒸着部7とアライメント部8と有する。
【0058】
本実施例によれば、次のような効果を奏することができる。
第1に、工場で4つのユニットに分割して製作し、分割して輸送でき、現地で組み立てることができる。
第2に、現地組み立てや保守が容易になる。例えば、図11に示すように後部ユニット1RB(1LB)を後方移動できるようなレール27を設けることによって、前後ユニット1RF(1LF)と)とを組み立てまたは分離することが容易にでき、それらの中間部を保守スペースとし容易に保守をすることができる。
【0059】
以上、第5の実施形態によれば、真空蒸着チャンバなどの処理チャンバ1が大型化しても、製作あるいは輸送あるいは保守がし易い処理チャンバや有機ELデバイス製造装置を提供できる。
【0060】
第5の実施形態の基本的な考え方は図8、図9に示す他の実施形態の処理チャンバにも適用できる。例えば、図8(b)の第3の実施形態に適用した第5の実施形態である第3の実施例を図12に示す。第3の実施例では、図12に示すように1CF、1CB、1CR、1CLの4つのユニットに分割する。4分割のうちユニット1CF、1CBの分割は第2の実施例と同様な考え方に基づく分割である。また4分割のうちユニット1CF、1CRあるいは1CLの分割は、第1の実施例の考え方に基づく分割で、蒸発源71の移動に基づく開口部及び接続フランジを設けるかわりに、移動体部21として基板6R、6Lの移動に基づく開口部及び接続フランジを設ける。
【0061】
従って、第2から第4の実施形態に第5の実施形態での第3の実施例のように第5の実施形態の考え方を適用することによって、第5の実施形態の第1または第2の実施例で得られる同様な効果を第2から第4の実施形態においても奏することができる。
【0062】
また、上記説明では有機ELデバイスを例に説明したが、有機ELデバイスと同じ背景にある蒸着処理をする成膜装置および成膜方法にも適用できる。
【符号の説明】
【0063】
1:処理チャンバ 1bu:真空蒸着チャンバ
1R(1L)、1RB(1LB)等:処理チャンバの分割ユニット
2:搬送チャンバ 3:ロードクラスタ
4:受渡室 5:搬送ロボット
6:基板 7:蒸着部
8:アライメント部 9:処理受渡部
10:ゲート弁 11:仕切り板
20:開口部 21:移動体部
25、26:接続フランジ 31:ロードロック室
70:蒸発源駆動手段 71:蒸発源
72:上下駆動手段 74:左右駆動手段
81:シャドウマスク 100:有機ELデバイスの製造装置
A〜D:クラスタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空チャンバ内で蒸着材料を基板に蒸着させる蒸発源と、前記基板と蒸着位置の位置合せをするシャドウマスクを有する有機ELデバイス製造装置において、
前記真空チャンバ内にN(Nは2以上)枚の基板を内在させ、第1枚目の第1の基板を前記蒸発源で蒸着中に、第N枚目の第Nの基板を前記真空チャンバ内に搬入し、第2枚目以降の第2の基板を前記蒸発源で蒸着中に前記第1の基板を前記真空チャンバ内から搬出する蒸着手段を有することを特徴とする有機ELデバイス製造装置。
【請求項2】
前記Nは2であることを特徴とする請求項1に記載の有機ELデバイス製造装置。
【請求項3】
真空チャンバ内で蒸着材料を基板に蒸着させる蒸発源と、前記基板と蒸着位置の位置合せをするシャドウマスクを有する有機ELデバイス製造装置において
第1の前記基板を蒸着中に第2の前記基板の前記位置合せを終了させ、前記第1の前記基板に用いた同一の蒸発源で前記第2の前記基板を蒸着させる蒸着手段を有することを特徴とする有機ELデバイス製造装置。
【請求項4】
前記位置合せと前記蒸着は同一真空チャンバ内で実施されることを特徴とする請求項3に記載の有機ELデバイス製造装置。
【請求項5】
前記蒸着手段は、前記第1の基板から前記第Nの基板に別々に設けられた蒸着位置に前記蒸発源を移動させることを特徴とする請求項1または3に記載の有機ELデバイス製造装置。
【請求項6】
前記蒸着手段は、前記シャドウマスクと前記基板とを一体にして前記蒸発源の位置に移動させることを特徴とする請求項1または3に記載の有機ELデバイス製造装置。
【請求項7】
前記蒸着手段は、前記蒸着を前記基板が垂直またはほぼ垂直に立てられた状態で実施し、水平状態で搬送された前記基板を前記垂直状態にすることを特徴とする請求項1または3に記載の有機ELデバイス製造装置。
【請求項8】
前記蒸着手段は、前記基板を前記蒸発源の位置に移動させ、その後前記位置合せを実施することを特徴とする請求項1または3に記載の有機ELデバイス製造装置。
【請求項9】
前記真空チャンバはM(Mは2以上)ユニットに分割され、前記Mユニットのうち2つのユニット間を移動する移動体部が通過できる開口部を前記2つのユニットに設け、前記2つの開口部を真空シールを有する接続フランジで接続することを特徴とする請求項1に記載の有機ELデバイス製造装置。
【請求項10】
前記Mは2であり、前記移動体部は前記蒸発源を有することを特徴とする請求項9に記載の有機ELデバイス製造装置。
【請求項11】
前記Mは2または3であり、前記移動体部は前記基板を有することを特徴とする請求項9に記載の有機ELデバイス製造装置。
【請求項12】
前記真空チャンバはL(Lは2以上)ユニットの機能単位に分割され、前記分割した隣接する2つのユニット間を真空シールを有する接続フランジで接続することを特徴とする請求項1または9に記載の有機ELデバイス製造装置。
【請求項13】
前記Lは2であり、一方のユニットは前記蒸着部を有し、他方のユニットは前記アライメントをするアライメント部を有することを特徴とする請求項12に記載の有機ELデバイス製造装置。
【請求項14】
前記Lは2であり、一方のユニットは蒸着部と前記アライメントをするアライメント部とを有し、他方のユニットは前記真空チャンバ外と前記基板の受け渡しをする処理受渡部を有することを特徴とする請求項12に記載の有機ELデバイス製造装置。
【請求項15】
基板とャドウマスクとを位置合せし、真空チャンバ内で蒸発源により基板に蒸着材料を蒸着させる有機ELデバイス製造方法において、
前記真空チャンバ内にN(Nは2以上)枚の基板を内在させ、第1枚目の第1の基板を前記蒸発源で蒸着中に、第N枚目の第Nの基板を前記真空チャンバ内に搬入し、第2枚目以降の第2の基板を前記蒸発源で蒸着中に前記第1の基板を前記真空チャンバ内から搬出することを特徴とする有機ELデバイス製造方法。
【請求項16】
前記Nは2であることを特徴とする請求項15に記載の有機ELデバイス製造方法。
【請求項17】
基板とシャドウマスクとを位置合せし、真空チャンバ内で蒸発源により基板に蒸着材料を蒸着させる有機ELデバイス製造方法において、
第1の前記基板を蒸着中に第2の前記基板の前記位置合せを終了させ、前記第1の前記基板に用いた同一の蒸発源で前記第2の基板を蒸着中に前記第1の基板を前記真空チャンバ内から搬出させる蒸着工程を有することを特徴とする有機ELデバイス製造方法。
【請求項18】
前記第1の基板の蒸着と前記第2の基板の蒸着は同一真空チャンバ内で実施されることを特徴とする請求項17に記載の有機ELデバイス製造方法。
【請求項19】
前記蒸着工程は、前記第1の基板と前記第2の基板とに別々に設けられた蒸着位置に前記蒸発源を移動させることを特徴とする請求項15または17に記載の有機ELデバイス製造方法。
【請求項20】
前記蒸着工程は、前記シャドウマスクと前記基板とを一体にして前記蒸発源の位置に移動させることを特徴とする請求項15または17に記載の有機ELデバイス製造方法。
【請求項21】
前記蒸着工程は、前記蒸着を前記基板が垂直またはほぼ垂直に立てられた状態で実施し、水平状態で搬送された前記基板を前記垂直状態にすることを特徴とする請求項15または17に記載の有機ELデバイス製造方法。
【請求項22】
前記蒸着工程は、前記基板を前記蒸発源の位置に移動させ、その後前記位置合せを実施することを特徴とする請求項15または17に記載の有機ELデバイス製造方法。
【請求項23】
真空チャンバ内で蒸着材料を基板に蒸着させる蒸発源と、前記基板と蒸着位置の位置合せをするシャドウマスクを有する成膜装置において、
前記真空チャンバ内にN(Nは2以上)枚の基板を内在させ、第1枚目の第1の基板を前記蒸発源で蒸着中に、第N枚目の第Nの基板を前記真空チャンバ内に搬入し、第2枚目以降の第2の基板を前記蒸発源で蒸着中に前記第1の基板を前記真空チャンバ内から搬出する蒸着手段を有することを特徴とする成膜装置。
【請求項24】
真空チャンバ内で蒸着材料を基板に蒸着させる蒸発源と、前記基板と蒸着位置の位置合せをするシャドウマスクを有する成膜装置において
第1の前記基板を蒸着中に第2の前記基板の前記位置合せを終了させ、前記第1の前記基板に用いた同一の蒸発源で前記第2の基板を蒸着中に前記第1の基板を前記真空チャンバ内から搬出させる蒸着手段を有することを特徴とする成膜装置。
【請求項25】
前記真空チャンバはM(Mは2以上)ユニットに分割され、前記Mユニットのうち2つのユニット間を移動する移動体部が通過できる開口部を前記2つのユニットに設け、前記2つの開口部を真空シールを有する接続フランジで接続することを特徴とする請求項23または24に記載の成膜装置。
【請求項26】
前記真空チャンバはL(Lは2以上)ユニットの機能単位に分割され、前記分割した隣接する2つのユニット間を真空シールを有する接続フランジで接続することを特徴とする請求項1または9に記載の成膜装置。
【請求項27】
基板とシャドウマスクとを位置合せし、真空チャンバ内で蒸発源により基板に蒸着材料を蒸着させる成膜方法において、
前記真空チャンバ内にN(Nは2以上)枚の基板を内在させ、第1枚目の第1の基板を前記蒸発源で蒸着中に、第N枚目の第Nの基板を前記真空チャンバ内に搬入し、第2枚目以降の第2の基板を前記蒸発源で蒸着中に前記第1の基板を前記真空チャンバ内から搬出することを特徴とする成膜方法。
【請求項28】
基板とシャドウマスクとを位置合せし、真空チャンバ内で蒸発源により基板に蒸着材料を蒸着させる成膜方法において、
第1の前記基板を蒸着中に第2の前記基板の前記位置合せを終了させ、前記第1の前記基板に用いた同一の蒸発源で前記第2の基板を蒸着中に前記第1の基板を前記真空チャンバ内から搬出させる蒸着工程を有することを特徴とする成膜方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−86956(P2010−86956A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−202827(P2009−202827)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】