有機ELプリントヘッド
【課題】複数の有機EL発光部間の隙間に起因して記録媒体に露光不足領域が筋状に発生することを適切に防止または抑制し、記録画像の質を高めることが可能な有機ELプリントヘッドを提供する。
【解決手段】主走査方向xに列状に並ぶようにして複数の有機EL発光部31が基板本体30上に設けられている有機ELプリントヘッド基板3と、主走査方向xに列状に並び、かつ各有機EL発光部31において発生した光を目的領域に集束させるための複数のレンズとを備えている、有機ELプリントヘッドであって、複数の有機EL発光部31と上記複数のレンズとの間には、各有機EL発光部31から進行してきた光を、少なくとも主走査方向に拡散させる光拡散手段6が設けられている。
【解決手段】主走査方向xに列状に並ぶようにして複数の有機EL発光部31が基板本体30上に設けられている有機ELプリントヘッド基板3と、主走査方向xに列状に並び、かつ各有機EL発光部31において発生した光を目的領域に集束させるための複数のレンズとを備えている、有機ELプリントヘッドであって、複数の有機EL発光部31と上記複数のレンズとの間には、各有機EL発光部31から進行してきた光を、少なくとも主走査方向に拡散させる光拡散手段6が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光式の記録媒体に画像を形成するのに使用される有機ELプリントヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、有機ELプリントヘッドの具体例としては、図16に示すものがある(たとえば、特許文献1を参照)。同図に示す有機ELプリントヘッド9は、ケース90に、有機ELプリントヘッド基板91、レンズアレイ92、および透明カバー93が組み付けられた構造を有している。有機ELプリントヘッド基板91は、赤色、緑色、および青色の光をそれぞれ個々に発する複数の有機EL発光部98(98R,98G,98B)を有している。これら複数の有機EL発光部98R,98G,98Bのそれぞれは、たとえば図17に模式的に示すように、主走査方向xに一定間隔で列状に並んだ構成に設けられている。
【0003】
図16に示した有機ELプリントヘッド9においては、複数の有機EL発光部98から発せられた光がレンズアレイ92を透過し、透明カバー93上の感光紙Kの表面の3つのライン状領域94R,94G,94Bに集束して照射される。感光紙Kは、プラテンローラPにより副走査方向に搬送される。このような動作により、感光紙Kは露光され、この感光紙Kには所望の画像を形成することが可能である。
【0004】
しかしながら、前記従来技術においては、次に述べるように、改善すべき点があった。
【0005】
すなわち、複数の有機EL発光部98(98R,98G,98B)は、図17に示したとおり、主走査方向xに並んでいるが、この主走査方向xにおいて、それらの間には隙間Sが形成されている。この隙間Sは、互いに隣り合う有機EL発光部98どうし、およびこれらに付属する電極(図示略)どうしが互いに導通しないようにするために必要であり、この隙間Sを無くすことは困難である。また、この隙間Sの大きさは、製造技術のレベルに左右され、この隙間Sをさほど小さくできない場合がある。このため、それら複数の有機EL発光部98を感光紙Kに対して副走査方向yに相対移動させながら露光を行なうと、図18に示すように、感光紙Kには、副走査方向に延びる複数条の筋S'が発生する(クロスハッチング部分は感光部分である)。この筋S’は、前記の隙間Sに対応して形成された露光不足の部分である。このような筋S’が発生したのでは、記録画像の質が悪化することとなる。したがって、このような筋S’の発生が適切に防止されることが望まれる。
【0006】
【特許文献1】特開2003−94729号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、複数の有機EL発光部間の隙間に起因して記録媒体に露光不足領域が筋状に発生することを適切に防止または抑制し、記録画像の質を高めることが可能な有機ELプリントヘッドを提供することを、その課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、主走査方向に列状に並ぶようにして複数の有機EL発光部が基板本体上に設けられている有機ELプリントヘッド基板と、上記主走査方向に列状に並び、かつ上記各有機EL発光部において発生した光を目的領域に集束させるための複数のレンズと、を備えている、有機ELプリントヘッドであって、上記複数の有機EL発光部と上記複数のレンズとの間には、上記各有機EL発光部から進行してきた光を、少なくとも主走査方向に拡散させる光拡散手段が設けられていることを特徴としている。
【0009】
このような構成によれば、各有機EL発光部において発生した光は、レンズアレイに入射するまでの間において少なくとも主走査方向に拡散することとなる。このように光が主走査方向に拡散すると、この光がレンズアレイを透過して記録媒体上に到達した場合に、主走査方向において隣接するドット状の露光部分どうしが互いに重なり合い、あるいは接近することとなる。このため、従来技術とは異なり、記録媒体に露光不足領域が筋状に発生することを適切に防止または抑制することが可能となり、記録画像の質を高めることができる。また、上記した光拡散は、レンズアレイよりも前段において行なわれているために、この光についてはレンズアレイを利用して記録媒体上に適切に集束させることが可能であり、いわゆるピンぼけ画像にならないようにすることが可能である。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記有機ELプリントヘッド基板は、上記各有機EL発光部において発生した光が上記基板本体を透過してこの基板本体の光出射面から出射するように構成されており、上記光出射面は、光の拡散が可能な凹凸面として形成されており、この光出射面が上記光拡散手段である。
【0011】
このような構成によれば、有機ELプリントヘッド基板の基板本体を利用して光の拡散を行なわせることが可能であるため、光拡散を行なわせるための専用部材を用いる必要を無くし、部品点数を少なくするのに好適である。また、上記構成は、基板本体の片面に加工または処理を施すことにより実現されるものであるため、その製造も比較的容易である。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記有機ELプリントヘッド基板は、上記各有機EL発光部において発生した光が上記基板本体を透過してこの基板本体の光出射面から出射するように構成されており、上記光出射面には、光の拡散が可能な凹凸面を備えた光拡散フィルムが積層されており、この光拡散フィルムが上記光拡散手段である。
【0013】
このような構成によれば、基板本体に特殊な加工を施すような必要はなく、光拡散フィルムを基板本体に積層させるだけで本発明の意図する作用が得られることとなり、製造コストを廉価にするのに好適である。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記凹凸面は、副走査方向に延びて主走査方向に間隔を隔てて並ぶ複数の凹溝または凸状のリブを有しており、かつ上記各凹溝の内面、または上記リブの外面は、少なくともその一部が主走査方向において傾斜した構成とされている。
【0015】
このような構成によれば、有機EL発光部から凹凸面に進行してきた光を、主走査方向のみに拡散させ、それ以外のたとえば副走査方向には拡散しないようにすることが可能である。したがって、記録媒体上の露光部分が副走査方向に拡大されないようにし、記録画像の質を高めるのにより好適となる。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記凹凸面は、粗面処理を施された面である。また、これに代えて、上記光拡散手段は、上記有機EL発光部から進行してくる光が透過する部材内に、複数の光拡散ビーズが分散して設けられた構成とすることもできる。
【0017】
これらの構成によれば、有機EL発光部から進行してきた光は主走査方向のみならず、それ以外のたとえば副走査方向にも拡散されることとなるが、主走査方向に光が拡散される作用により、本発明が意図する効果を好適に得ることが可能である。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記有機ELプリントヘッド基板は、上記複数の有機EL発光部において発生した光を上記基板本体とは反対方向に出射するように構成されており、上記基板本体とは反対方向の領域には、上記複数の有機EL発光部を覆う封止手段が設けられ、かつこの封止手段は、上記複数のレンズを含むレンズアレイを用いて構成されており、上記光拡散手段は、上記封止部材に設けられている。
【0019】
このような構成によれば、有機EL発光部からの光の出射方向が先に述べたものとは反対となっているが、封止部材をうまく利用して光拡散手段が設けられており、その構成は合理的である。また、封止手段は、レンズアレイを利用して構成されているために、部品点数の削減なども好適に図ることができる。
【0020】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0022】
図1〜図6は、本発明が適用された有機ELプリントヘッドの一例を示している。本実施形態の有機ELプリントヘッドA1は、感光紙Kにカラー画像を形成するために使用されるものであり、赤色光、緑色光、および青色光を主走査方向(x方向)に延びるライン状に出射できるように構成されている。有機ELプリントヘッドA1は、図2に示すように、ケース2、有機ELプリントヘッド基板3、およびレンズアレイ4を備えている。有機ELプリントヘッド3には、光拡散フィルム6が積層して接着されている。
【0023】
図3および図4に示すように、ケース2は、有機ELプリントヘッド基板3とレンズアレイ4との位置関係を規定してこれらを組み付けるためのものである。このケース2は、たとえば黒色の樹脂製である。
【0024】
有機ELプリントヘッド基板3は、ケース2の上部開口部20を塞ぐようにしてケース2に固定されている。この有機ELプリントヘッド基板3は、透明な基板本体30の片面上に、複数の有機EL発光部31を含む有機物質およびこれに関連する電極が積層された積層部B1が設けられた構成を有している。この積層部B1は、基板本体30上に取り付けられた封止ケース5により封止されて保護されている。基板本体30は、たとえば長矩形の略平板状の透明樹脂板あるいは透明ガラス板を用いて構成されており、この基板本体30の下向きの光出射面30aに、光拡散フィルム6が積層している。
【0025】
積層部B1の構成としては、従来既知のものと同様な構成とすることが可能であり、その一例について、図6を参照して説明する。すなわち、積層部B1は、基板本体30の片面30b上に、複数の陽極35、複数の有機層36、および複数の陰極37が順次積層して形成された構成を有している。複数の陽極35は、たとえばITOからなり、透光性を有しており、図6の紙面と直交する方向に帯状に延びている。複数の陰極37は、たとえばアルミニウムからなり、複数の陽極35と直交する方向に延びている。複数の有機層36は、複数の陰極37と同方向に帯状に延びており、この帯状の部分のうち、複数の陰極37と複数の陽極35とが交差してこれらの間に挟まれた部分が有機EL発光部31となっている。この有機EL発光部31は、陽極35および陰極37を利用して電場が与えられた際に、エレクトロルミネッセントにより自発光する部分である。この発光部31には、発光物質が含まれており、この発光物質の種類を選択することにより、赤色光、緑色光、青色光を発生させることが可能である。図面には示していないが、有機層36は、そのような有機EL発光部31の自発光効果を生じさせ、また促進させるための部分として、ホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層、および電子注入層を有している。ただし、これらの層の一部については省略可能であり、これらの層をどのように組み合わせるかは任意に選択できる事項である。有機EL発光部31から発せられた光は、複数の陰極37によって下向きに反射されて透明な陽極35を透過し、基板本体30の光出射面30aから下向きに出射する。
【0026】
複数の陰極37および有機層36は、図5に示すように、基板本体30の長手方向に延びる3列に設けられている。3列の有機層36は、それぞれ赤色光、緑色光、および青色光を発する複数の有機EL発光部31(31R,31G,31B)を含んでおり、これらは一定間隔で基板本体30の長手方向に列状に並んでいる。3列の陰極37の長手方向端部のそれぞれには、端子部37aが連設されている。これに対し、複数の陽極35は、その一端部が基板本体30上に搭載された複数の駆動IC34に向けて延設され、この駆動IC34に導通接続されている。これら複数の駆動IC34のスイッチング動作により、通電のオン・オフがなされ、複数の有機EL発光部31(31R,31G,31B)の発光駆動が制御される。なお、図5においては、有機ELプリントヘッド基板3の右側の端部のみが描かれているが、これとは反対の左側の端部は、右側の端部と対称となっている。
【0027】
図6に示すように、光拡散フィルム6は、基板本体30の光出射面30aから出射した光を、主走査方向xに拡散させるためのものである。この光拡散フィルム6は、透明な樹脂製フィルムであり、その片面は、副走査方向yに一様に延びる複数の凹溝60が主走査方向xに間隔を隔てて形成された凹凸面とされている。各凹溝60は、断面三角形状であり、V字状をなす一対の傾斜面60aを有している。この傾斜面60aは、光出射面30aから出射した光を屈折させて、主走査方向xに拡散させる作用を発揮する。光拡散フィルム6は、これら複数の凹溝60を形成した面が光出射面30aに対向するようにして基板本体30に接合されている。
【0028】
なお、本実施形態では、光拡散フィルム6が基板本体30の光出射面30aの略全面に積層されているが、これに限定されない。複数の有機EL発光部31の直下領域のみに部分的に設けてもよい。また、図6においては、1つの有機EL発光部31の下方に1つの凹溝60が位置する構成となっているが、やはりこれに限定されない。たとえば、凹溝60の幅を小さくし、1つの有機EL発光部31の下方に、複数の凹溝60が位置する構成としてもよい。要は、各凹溝60は、有機EL発光部31から発せられた光が、この有機EL発光部31の主走査方向xの幅よりも拡大するように広がらせる作用を発揮すればよい。この点は、後述の他の実施形態の光拡散手段についても同様である。なお、複数の凹溝60は、たとえば光拡散フィルム6を成形用の型を用いて樹脂成形する場合にはこの型に複数の凸部を設けておくことにより形成することができ、また延伸成形の場合には延伸ローラの表面に複数の凸部を形成しておくことにより形成することができる。傾斜面60aの具体的な傾斜角度は、光拡散フィルム6の屈折率や、複数の有機EL発光部31の主走査方向xの隙間間隔などに応じて適宜選択できる事項である。
【0029】
図2および図4に示すように、レンズアレイ4は、複数のロッドレンズ40を樹脂製のレンズホルダ41に保持させたものである。ロッドレンズ40は、たとえば正立等倍の像を結像可能な集光特性を有しており、主走査方向xに1列または複数列に並んで設けられている。このレンズアレイ4は、光拡散フィルム6を透過してきた光を受けるようにケース2の内部空間部22に嵌合収容されている。
【0030】
次に、有機ELプリントヘッドA1の作用について説明する。
【0031】
まず、図1に示すように、感光紙Kにカラー画像を形成するには、有機ELプリントヘッドA1を感光紙Kに対向させ、かつ副走査方向yに相対移動させながら感光紙Kに赤色光、緑色光および青色光を照射させる。この光の照射に際しては、有機ELプリントヘッドA1の外部から複数の駆動IC34に1ライン分の画像データを繰り返し入力し、目的とする有機EL発光部31(31R,31G,31B)を発光させる。有機EL発光部31から発せられた光は、基板本体30、光拡散フィルム6、およびロッドレンズ40を順次透過して感光紙K上に集束し、感光紙Kを露光させる。感光紙Kは、この露光後に現像液など用いて現像処理されることにより、前記露光に対応したカラー画像を顕在化させる。
【0032】
光拡散フィルム6は、図6を参照して説明したとおり、有機EL発光部31から進行してきた光を主走査方向xに拡散させる役割を果たし、この光拡散フィルム6によって拡散された光がレンズアレイ4を利用して集束されることとなる。したがって、複数の有機EL発光部31については、主走査方向xに適当な隙間を隔てて並んでいるものの、複数の有機EL発光部31から発せられて感光紙K上に集束された光は、図7(a)に示すように、主走査方向xにやや広がったドットD(DR,DG,DB)となる。
【0033】
このため、主走査方向xにおいて隣り合うドットD間には、隙間が生じないようにすることが可能である。その結果、有機ELプリントヘッドA1と感光紙Kとを副走査方向に相対移動させて画像形成を行なう場合には、同図(b)に示すように前記した隙間の無いドットDが副走査方向yに連続した領域D’が形成されることとなり、従来技術とは異なり、露光不足の領域が筋状に現れないようにすることができる。したがって、感光紙Kに形成される画像の質を高めることが可能となる。とくに、本実施形態では、光の拡散は、主走査方向xにおいてのみなされており、副走査方向には光の拡散がなされていないために、各ドットDがぼやけたものにならないようにして鮮明な画像を形成するのに好適である。主走査方向xに光を拡散させる場合、その拡散幅を大きくし過ぎると、主走査方向xにおいて隣り合うドットDどうしのオーバラップ量が多くなって画質が低下するが、そのような過大なオーバラップが生じないように光の拡散度合いを規定すれば、非常に鮮明な画像を得ることが可能である。
【0034】
図8〜図15は、本発明の他の例を示している。こられの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0035】
図8(a)に示す構成においては、光拡散フィルム6Aの各凹溝60Aが断面台形状であり、一対の傾斜面60aに加えて、底面60bをも有している。底面60aは、光を主走査方向xに拡散させる機能は発揮しないものの、傾斜面60aが光を主走査方向xに拡散させる。本発明では、このような構成にしてもよい。
【0036】
図8(b)に示す構成においては、光拡散フィルム6Bの各凹溝60Bが断面略半円状であり、その内壁面60cは、曲面状である。このような曲面状の内壁面60cであっても、この内壁面60cの一部分は、主走査方向xに傾斜した傾斜面となっており、光を主走査方向xに拡散させる作用を発揮する。本発明では、光拡散フィルムの凹溝をこのような曲面状の傾斜面を備えたものにしてもよい。
【0037】
図9(a)〜(c)に示す構成においては、光拡散フィルム6Cの凹溝60,60A,60Bが、光拡散フィルム6の両面のうち、基板本体30とは反対側の面に形成されている。このような構成によっても、上記実施形態と同様に、受けた光を主走査方向xに拡散させることが可能である。
【0038】
図10(a)に示す構成においては、光拡散フィルム6Dに、複数の凸状のリブ61が形成されている。これら複数のリブ61は、断面三角状であり、副走査方向yに一様に延びており、また主走査方向xに間隔を隔てて並んでいる。各リブ61は、主走査方向xにおいて傾斜する一対の傾斜面61aを有しており、この傾斜面61aが有機EL発光部31から進行してきた光を主走査方向xに拡散させる作用を発揮する。このように、本発明においては、光を屈折させる手段として、凹溝に代えて、凸状のリブを利用した構成とすることもできる。この場合、リブの形状は、同図(a)に示すものに限定されず、たとえば同図(b),(c)に示すように、先端に非傾斜面61bを備えたリブ61A、あるいは側面61cが曲面状にされたリブ61Bとすることが可能である。このことは、図9に示した実施形態からも容易に理解できるであろう。
【0039】
図11(a)に示す構成においては、光拡散フィルム6Eの表面62が微小な凹凸を有する粗面とされている。粗面処理手段としては、ブラスト処理あるいはエッチング処理手段を用いることが可能である。このような構成によれば、有機EL発光部31から進行してきた光が光拡散フィルム6Eの表面62を通過する際に、この光は種々の方向に屈折して拡散することとなる。ただし、主走査方向xへの光の拡散作用により、感光紙K上に副走査方向yに延びる露光不足領域の筋が現れないようにすることが可能であり、本発明の意図する効果が得られる。
【0040】
図11(b)に示す構成においては、光拡散フィルム6Fの内部に、光の反射率が高い光拡散ビーズ64が分散されている。この光拡散ビーズ64は、受けた光を種々の方向に拡散させる。したがって、このような構成によっても、感光紙K上に露光不足領域の筋が現れないようにすることが可能である。
【0041】
図12(a)〜(d)に示す構成においては、光拡散フィルムが用いられておらず、有機ELプリントヘッド基板3の基板本体30の全体または一部が、光拡散手段として構成されている。すなわち、同図(a)では、基板本体30の光出射面30aに傾斜面62aを備えた複数の凹溝62が形成されている。同図(b)では、光出射面30aに傾斜面63aを備えた複数の凸状のリブ63が形成されている。同図(c)では、光出射面30aが粗面とされており、同図(d)では、基板本体30の内部に光拡散ビーズ64が分散して設けられている。
【0042】
図12(a)〜(d)のいずれの構成においても、先に説明した光拡散フィルムを用いた構成の実施形態と同様に、光を主走査方向xに拡散させることが可能であり、本発明の意図する効果が得られる。そして、これらの構成によれば、光拡散フィルムを用いない分だけ、部品点数を少なくする利点が得られる。
【0043】
図13に示す構成においては、光拡散フィルムまたは光拡散フィルムを含むシート体または板状体などの光拡散手段6Fが、レンズアレイ4の複数のロッドレンズ40を覆うようにしてこのレンズアレイ4上に設けられている。図14に示す構成においては、光拡散手段6Fがケース2に支持されて、レンズアレイ4と基板本体30との中間領域に設けられている。これらの構成においても、先に述べた実施形態と同様な効果を得ることが可能である。
【0044】
図15(a)に示す有機ELプリントヘッドA2は、有機ELプリントヘッド基板3Aが、積層部B2から基板本体30Aとは反対方向(図面の上方)に向けて光を出射するように構成されている。レンズアレイ4Aは、基板本体30A上に載設されて、積層部B2を封止する封止ケースとしての役割を果たすように構成されている。そして、このレンズアレイ4Aの光入射部分(下面部分)に光拡散フィルム6が積層して設けられている。
【0045】
より具体的には、図15(b)において、積層部B2は、先に述べた積層部B1とその基本的な構成は共通するが、複数の陽極35Aが反射電極として構成されている一方、複数の陰極37Aが透明電極として構成されている点において異なっている。各陽極35Aは、反射率が高く、有機層36への正孔注入効率の高い材料、たとえばモリブデンあるいはクロムにより形成されている。各陽極35Aは、表面の光反射率が高ければよく、たとえばITOなどの導体の表面に、上記したモリブデンやクロムの金属層を重ねて設けた構成であってもよい。このようにすると、陽極35Aの厚みが大きくなり、陽極35Aの抵抗値を小さくして駆動電圧を低くすることが可能となる。各陰極37Aは、金属薄膜層370上に導体層371を積層した構成を有している。金属薄膜層370は、有機層36への電子注入効率の高い材料、たとえば仕事関数または電子親和力の小さい材料であるアルミニウム、マグネシウム−銀合金、アルミニウム−リチウム合金により、厚みが50nm以下に形成され、透光性を有している。一方、導体層371は、陰極37Aの抵抗値を小さくするためのものであり、たとえばITOからなる。このような積層部B2の構成によれば、複数の有機層36の複数の有機EL発光部31(31R,31G,31B)において発生した光は、その一部が陰極37Aを直接透過し、また他の一部は陽極35Aによって反射されてから陰極37Aを透過することにより、基板本体30Aとは反対方向に出射する。基板本体30Aは、透明である必要はない。
【0046】
図15(a)に示すように、レンズアレイ4Aのレンズホルダ41Aは、複数のロッドレンズ40を支持するメイン領域410と、これに繋がったサブ領域411とを有している。メイン領域410は、複数のロッドレンズ40を積層部B2の正面(図面では上方)に配置させて支持させる領域であり、積層部B2の正面領域を覆っている。サブ領域411は、メイン領域410の一面(下向き面)から下方に突出した枠状であり、その下端先端は基板本体30Aに当接して接合されている。このサブ領域411は、積層部B2の周囲を覆っている。
【0047】
この有機ELプリントヘッドA2においては、光の出射方向が先の実施形態とは異なるものの、各有機EL発光部31から発せられた光は、レンズアレイ4Aに入射する前に、光拡散フィルム6によって主走査方向xに拡散されるために、やはり先の実施形態と同様な効果を得ることができる。加えて、この有機ELプリントヘッドA2においては、レンズアレイ4Aを利用して積層部B2の封止を行なっているために、全体の部品点数を少なくするなどの利点が得られる。
【0048】
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る有機ELプリントヘッドの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0049】
本発明は、カラー画像形成用のものに限らず、たとえばモノクロ画像形成用のものにも適用することができる。また、本発明に係る有機ELプリントヘッドの具体的な使用用途も限定されず、感光紙とは異なる記録媒体への露光に用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る有機ELプリントヘッドの一例を示す全体斜視図である。
【図2】図1に示す有機ELプリントヘッドの分解斜視図である。
【図3】図1のIII−III断面図である。
【図4】図1のIV−IV断面図である。
【図5】図1に示す有機ELプリントヘッドの要部分解斜視図である。
【図6】図1に示す有機ELプリントヘッドの要部拡大断面図である。
【図7】(a),(b)は、図1に示す有機ELプリントヘッドを用いて感光紙に露光を行なった場合の例を模式的に示す説明図である。
【図8】(a),(b)は、光拡散フィルムの他の例を示す要部断面図である。
【図9】(a)〜(c)は、光拡散フィルムの他の例を示す要部断面図である。
【図10】(a)〜(c)は、光拡散フィルムの他の例を示す要部断面図である。
【図11】(a),(b)は、光拡散フィルムの他の例を示す要部断面図である。
【図12】(a)〜(d)は、光拡散手段を有機ELプリントヘッドの基板本体に適用した例を示す要部断面図である。
【図13】本発明に係る有機ELプリントヘッドの他の例を示す概略断面図である。
【図14】本発明に係る有機ELプリントヘッドの他の例を示す概略断面図である。
【図15】(a)は、本発明に係る有機ELプリントヘッドの他の例を示す概略断面図であり、(b)は、その要部拡大断面図である。
【図16】従来技術の一例を示す断面図である。
【図17】複数の有機EL発光部の配列の一例を示す説明図である。
【図18】従来技術における記録画像の例を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0051】
A1,A2 有機ELプリントヘッド
3,3A 有機ELプリントヘッド基板
4,4A レンズアレイ
6 光拡散フィルム
30,30A 基板本体
30a 光出射面
31 有機EL発光部
60 凹溝
60a 傾斜面
61 凸状のリブ
61a 傾斜面
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光式の記録媒体に画像を形成するのに使用される有機ELプリントヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、有機ELプリントヘッドの具体例としては、図16に示すものがある(たとえば、特許文献1を参照)。同図に示す有機ELプリントヘッド9は、ケース90に、有機ELプリントヘッド基板91、レンズアレイ92、および透明カバー93が組み付けられた構造を有している。有機ELプリントヘッド基板91は、赤色、緑色、および青色の光をそれぞれ個々に発する複数の有機EL発光部98(98R,98G,98B)を有している。これら複数の有機EL発光部98R,98G,98Bのそれぞれは、たとえば図17に模式的に示すように、主走査方向xに一定間隔で列状に並んだ構成に設けられている。
【0003】
図16に示した有機ELプリントヘッド9においては、複数の有機EL発光部98から発せられた光がレンズアレイ92を透過し、透明カバー93上の感光紙Kの表面の3つのライン状領域94R,94G,94Bに集束して照射される。感光紙Kは、プラテンローラPにより副走査方向に搬送される。このような動作により、感光紙Kは露光され、この感光紙Kには所望の画像を形成することが可能である。
【0004】
しかしながら、前記従来技術においては、次に述べるように、改善すべき点があった。
【0005】
すなわち、複数の有機EL発光部98(98R,98G,98B)は、図17に示したとおり、主走査方向xに並んでいるが、この主走査方向xにおいて、それらの間には隙間Sが形成されている。この隙間Sは、互いに隣り合う有機EL発光部98どうし、およびこれらに付属する電極(図示略)どうしが互いに導通しないようにするために必要であり、この隙間Sを無くすことは困難である。また、この隙間Sの大きさは、製造技術のレベルに左右され、この隙間Sをさほど小さくできない場合がある。このため、それら複数の有機EL発光部98を感光紙Kに対して副走査方向yに相対移動させながら露光を行なうと、図18に示すように、感光紙Kには、副走査方向に延びる複数条の筋S'が発生する(クロスハッチング部分は感光部分である)。この筋S’は、前記の隙間Sに対応して形成された露光不足の部分である。このような筋S’が発生したのでは、記録画像の質が悪化することとなる。したがって、このような筋S’の発生が適切に防止されることが望まれる。
【0006】
【特許文献1】特開2003−94729号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、複数の有機EL発光部間の隙間に起因して記録媒体に露光不足領域が筋状に発生することを適切に防止または抑制し、記録画像の質を高めることが可能な有機ELプリントヘッドを提供することを、その課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、主走査方向に列状に並ぶようにして複数の有機EL発光部が基板本体上に設けられている有機ELプリントヘッド基板と、上記主走査方向に列状に並び、かつ上記各有機EL発光部において発生した光を目的領域に集束させるための複数のレンズと、を備えている、有機ELプリントヘッドであって、上記複数の有機EL発光部と上記複数のレンズとの間には、上記各有機EL発光部から進行してきた光を、少なくとも主走査方向に拡散させる光拡散手段が設けられていることを特徴としている。
【0009】
このような構成によれば、各有機EL発光部において発生した光は、レンズアレイに入射するまでの間において少なくとも主走査方向に拡散することとなる。このように光が主走査方向に拡散すると、この光がレンズアレイを透過して記録媒体上に到達した場合に、主走査方向において隣接するドット状の露光部分どうしが互いに重なり合い、あるいは接近することとなる。このため、従来技術とは異なり、記録媒体に露光不足領域が筋状に発生することを適切に防止または抑制することが可能となり、記録画像の質を高めることができる。また、上記した光拡散は、レンズアレイよりも前段において行なわれているために、この光についてはレンズアレイを利用して記録媒体上に適切に集束させることが可能であり、いわゆるピンぼけ画像にならないようにすることが可能である。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記有機ELプリントヘッド基板は、上記各有機EL発光部において発生した光が上記基板本体を透過してこの基板本体の光出射面から出射するように構成されており、上記光出射面は、光の拡散が可能な凹凸面として形成されており、この光出射面が上記光拡散手段である。
【0011】
このような構成によれば、有機ELプリントヘッド基板の基板本体を利用して光の拡散を行なわせることが可能であるため、光拡散を行なわせるための専用部材を用いる必要を無くし、部品点数を少なくするのに好適である。また、上記構成は、基板本体の片面に加工または処理を施すことにより実現されるものであるため、その製造も比較的容易である。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記有機ELプリントヘッド基板は、上記各有機EL発光部において発生した光が上記基板本体を透過してこの基板本体の光出射面から出射するように構成されており、上記光出射面には、光の拡散が可能な凹凸面を備えた光拡散フィルムが積層されており、この光拡散フィルムが上記光拡散手段である。
【0013】
このような構成によれば、基板本体に特殊な加工を施すような必要はなく、光拡散フィルムを基板本体に積層させるだけで本発明の意図する作用が得られることとなり、製造コストを廉価にするのに好適である。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記凹凸面は、副走査方向に延びて主走査方向に間隔を隔てて並ぶ複数の凹溝または凸状のリブを有しており、かつ上記各凹溝の内面、または上記リブの外面は、少なくともその一部が主走査方向において傾斜した構成とされている。
【0015】
このような構成によれば、有機EL発光部から凹凸面に進行してきた光を、主走査方向のみに拡散させ、それ以外のたとえば副走査方向には拡散しないようにすることが可能である。したがって、記録媒体上の露光部分が副走査方向に拡大されないようにし、記録画像の質を高めるのにより好適となる。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記凹凸面は、粗面処理を施された面である。また、これに代えて、上記光拡散手段は、上記有機EL発光部から進行してくる光が透過する部材内に、複数の光拡散ビーズが分散して設けられた構成とすることもできる。
【0017】
これらの構成によれば、有機EL発光部から進行してきた光は主走査方向のみならず、それ以外のたとえば副走査方向にも拡散されることとなるが、主走査方向に光が拡散される作用により、本発明が意図する効果を好適に得ることが可能である。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記有機ELプリントヘッド基板は、上記複数の有機EL発光部において発生した光を上記基板本体とは反対方向に出射するように構成されており、上記基板本体とは反対方向の領域には、上記複数の有機EL発光部を覆う封止手段が設けられ、かつこの封止手段は、上記複数のレンズを含むレンズアレイを用いて構成されており、上記光拡散手段は、上記封止部材に設けられている。
【0019】
このような構成によれば、有機EL発光部からの光の出射方向が先に述べたものとは反対となっているが、封止部材をうまく利用して光拡散手段が設けられており、その構成は合理的である。また、封止手段は、レンズアレイを利用して構成されているために、部品点数の削減なども好適に図ることができる。
【0020】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0022】
図1〜図6は、本発明が適用された有機ELプリントヘッドの一例を示している。本実施形態の有機ELプリントヘッドA1は、感光紙Kにカラー画像を形成するために使用されるものであり、赤色光、緑色光、および青色光を主走査方向(x方向)に延びるライン状に出射できるように構成されている。有機ELプリントヘッドA1は、図2に示すように、ケース2、有機ELプリントヘッド基板3、およびレンズアレイ4を備えている。有機ELプリントヘッド3には、光拡散フィルム6が積層して接着されている。
【0023】
図3および図4に示すように、ケース2は、有機ELプリントヘッド基板3とレンズアレイ4との位置関係を規定してこれらを組み付けるためのものである。このケース2は、たとえば黒色の樹脂製である。
【0024】
有機ELプリントヘッド基板3は、ケース2の上部開口部20を塞ぐようにしてケース2に固定されている。この有機ELプリントヘッド基板3は、透明な基板本体30の片面上に、複数の有機EL発光部31を含む有機物質およびこれに関連する電極が積層された積層部B1が設けられた構成を有している。この積層部B1は、基板本体30上に取り付けられた封止ケース5により封止されて保護されている。基板本体30は、たとえば長矩形の略平板状の透明樹脂板あるいは透明ガラス板を用いて構成されており、この基板本体30の下向きの光出射面30aに、光拡散フィルム6が積層している。
【0025】
積層部B1の構成としては、従来既知のものと同様な構成とすることが可能であり、その一例について、図6を参照して説明する。すなわち、積層部B1は、基板本体30の片面30b上に、複数の陽極35、複数の有機層36、および複数の陰極37が順次積層して形成された構成を有している。複数の陽極35は、たとえばITOからなり、透光性を有しており、図6の紙面と直交する方向に帯状に延びている。複数の陰極37は、たとえばアルミニウムからなり、複数の陽極35と直交する方向に延びている。複数の有機層36は、複数の陰極37と同方向に帯状に延びており、この帯状の部分のうち、複数の陰極37と複数の陽極35とが交差してこれらの間に挟まれた部分が有機EL発光部31となっている。この有機EL発光部31は、陽極35および陰極37を利用して電場が与えられた際に、エレクトロルミネッセントにより自発光する部分である。この発光部31には、発光物質が含まれており、この発光物質の種類を選択することにより、赤色光、緑色光、青色光を発生させることが可能である。図面には示していないが、有機層36は、そのような有機EL発光部31の自発光効果を生じさせ、また促進させるための部分として、ホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層、および電子注入層を有している。ただし、これらの層の一部については省略可能であり、これらの層をどのように組み合わせるかは任意に選択できる事項である。有機EL発光部31から発せられた光は、複数の陰極37によって下向きに反射されて透明な陽極35を透過し、基板本体30の光出射面30aから下向きに出射する。
【0026】
複数の陰極37および有機層36は、図5に示すように、基板本体30の長手方向に延びる3列に設けられている。3列の有機層36は、それぞれ赤色光、緑色光、および青色光を発する複数の有機EL発光部31(31R,31G,31B)を含んでおり、これらは一定間隔で基板本体30の長手方向に列状に並んでいる。3列の陰極37の長手方向端部のそれぞれには、端子部37aが連設されている。これに対し、複数の陽極35は、その一端部が基板本体30上に搭載された複数の駆動IC34に向けて延設され、この駆動IC34に導通接続されている。これら複数の駆動IC34のスイッチング動作により、通電のオン・オフがなされ、複数の有機EL発光部31(31R,31G,31B)の発光駆動が制御される。なお、図5においては、有機ELプリントヘッド基板3の右側の端部のみが描かれているが、これとは反対の左側の端部は、右側の端部と対称となっている。
【0027】
図6に示すように、光拡散フィルム6は、基板本体30の光出射面30aから出射した光を、主走査方向xに拡散させるためのものである。この光拡散フィルム6は、透明な樹脂製フィルムであり、その片面は、副走査方向yに一様に延びる複数の凹溝60が主走査方向xに間隔を隔てて形成された凹凸面とされている。各凹溝60は、断面三角形状であり、V字状をなす一対の傾斜面60aを有している。この傾斜面60aは、光出射面30aから出射した光を屈折させて、主走査方向xに拡散させる作用を発揮する。光拡散フィルム6は、これら複数の凹溝60を形成した面が光出射面30aに対向するようにして基板本体30に接合されている。
【0028】
なお、本実施形態では、光拡散フィルム6が基板本体30の光出射面30aの略全面に積層されているが、これに限定されない。複数の有機EL発光部31の直下領域のみに部分的に設けてもよい。また、図6においては、1つの有機EL発光部31の下方に1つの凹溝60が位置する構成となっているが、やはりこれに限定されない。たとえば、凹溝60の幅を小さくし、1つの有機EL発光部31の下方に、複数の凹溝60が位置する構成としてもよい。要は、各凹溝60は、有機EL発光部31から発せられた光が、この有機EL発光部31の主走査方向xの幅よりも拡大するように広がらせる作用を発揮すればよい。この点は、後述の他の実施形態の光拡散手段についても同様である。なお、複数の凹溝60は、たとえば光拡散フィルム6を成形用の型を用いて樹脂成形する場合にはこの型に複数の凸部を設けておくことにより形成することができ、また延伸成形の場合には延伸ローラの表面に複数の凸部を形成しておくことにより形成することができる。傾斜面60aの具体的な傾斜角度は、光拡散フィルム6の屈折率や、複数の有機EL発光部31の主走査方向xの隙間間隔などに応じて適宜選択できる事項である。
【0029】
図2および図4に示すように、レンズアレイ4は、複数のロッドレンズ40を樹脂製のレンズホルダ41に保持させたものである。ロッドレンズ40は、たとえば正立等倍の像を結像可能な集光特性を有しており、主走査方向xに1列または複数列に並んで設けられている。このレンズアレイ4は、光拡散フィルム6を透過してきた光を受けるようにケース2の内部空間部22に嵌合収容されている。
【0030】
次に、有機ELプリントヘッドA1の作用について説明する。
【0031】
まず、図1に示すように、感光紙Kにカラー画像を形成するには、有機ELプリントヘッドA1を感光紙Kに対向させ、かつ副走査方向yに相対移動させながら感光紙Kに赤色光、緑色光および青色光を照射させる。この光の照射に際しては、有機ELプリントヘッドA1の外部から複数の駆動IC34に1ライン分の画像データを繰り返し入力し、目的とする有機EL発光部31(31R,31G,31B)を発光させる。有機EL発光部31から発せられた光は、基板本体30、光拡散フィルム6、およびロッドレンズ40を順次透過して感光紙K上に集束し、感光紙Kを露光させる。感光紙Kは、この露光後に現像液など用いて現像処理されることにより、前記露光に対応したカラー画像を顕在化させる。
【0032】
光拡散フィルム6は、図6を参照して説明したとおり、有機EL発光部31から進行してきた光を主走査方向xに拡散させる役割を果たし、この光拡散フィルム6によって拡散された光がレンズアレイ4を利用して集束されることとなる。したがって、複数の有機EL発光部31については、主走査方向xに適当な隙間を隔てて並んでいるものの、複数の有機EL発光部31から発せられて感光紙K上に集束された光は、図7(a)に示すように、主走査方向xにやや広がったドットD(DR,DG,DB)となる。
【0033】
このため、主走査方向xにおいて隣り合うドットD間には、隙間が生じないようにすることが可能である。その結果、有機ELプリントヘッドA1と感光紙Kとを副走査方向に相対移動させて画像形成を行なう場合には、同図(b)に示すように前記した隙間の無いドットDが副走査方向yに連続した領域D’が形成されることとなり、従来技術とは異なり、露光不足の領域が筋状に現れないようにすることができる。したがって、感光紙Kに形成される画像の質を高めることが可能となる。とくに、本実施形態では、光の拡散は、主走査方向xにおいてのみなされており、副走査方向には光の拡散がなされていないために、各ドットDがぼやけたものにならないようにして鮮明な画像を形成するのに好適である。主走査方向xに光を拡散させる場合、その拡散幅を大きくし過ぎると、主走査方向xにおいて隣り合うドットDどうしのオーバラップ量が多くなって画質が低下するが、そのような過大なオーバラップが生じないように光の拡散度合いを規定すれば、非常に鮮明な画像を得ることが可能である。
【0034】
図8〜図15は、本発明の他の例を示している。こられの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0035】
図8(a)に示す構成においては、光拡散フィルム6Aの各凹溝60Aが断面台形状であり、一対の傾斜面60aに加えて、底面60bをも有している。底面60aは、光を主走査方向xに拡散させる機能は発揮しないものの、傾斜面60aが光を主走査方向xに拡散させる。本発明では、このような構成にしてもよい。
【0036】
図8(b)に示す構成においては、光拡散フィルム6Bの各凹溝60Bが断面略半円状であり、その内壁面60cは、曲面状である。このような曲面状の内壁面60cであっても、この内壁面60cの一部分は、主走査方向xに傾斜した傾斜面となっており、光を主走査方向xに拡散させる作用を発揮する。本発明では、光拡散フィルムの凹溝をこのような曲面状の傾斜面を備えたものにしてもよい。
【0037】
図9(a)〜(c)に示す構成においては、光拡散フィルム6Cの凹溝60,60A,60Bが、光拡散フィルム6の両面のうち、基板本体30とは反対側の面に形成されている。このような構成によっても、上記実施形態と同様に、受けた光を主走査方向xに拡散させることが可能である。
【0038】
図10(a)に示す構成においては、光拡散フィルム6Dに、複数の凸状のリブ61が形成されている。これら複数のリブ61は、断面三角状であり、副走査方向yに一様に延びており、また主走査方向xに間隔を隔てて並んでいる。各リブ61は、主走査方向xにおいて傾斜する一対の傾斜面61aを有しており、この傾斜面61aが有機EL発光部31から進行してきた光を主走査方向xに拡散させる作用を発揮する。このように、本発明においては、光を屈折させる手段として、凹溝に代えて、凸状のリブを利用した構成とすることもできる。この場合、リブの形状は、同図(a)に示すものに限定されず、たとえば同図(b),(c)に示すように、先端に非傾斜面61bを備えたリブ61A、あるいは側面61cが曲面状にされたリブ61Bとすることが可能である。このことは、図9に示した実施形態からも容易に理解できるであろう。
【0039】
図11(a)に示す構成においては、光拡散フィルム6Eの表面62が微小な凹凸を有する粗面とされている。粗面処理手段としては、ブラスト処理あるいはエッチング処理手段を用いることが可能である。このような構成によれば、有機EL発光部31から進行してきた光が光拡散フィルム6Eの表面62を通過する際に、この光は種々の方向に屈折して拡散することとなる。ただし、主走査方向xへの光の拡散作用により、感光紙K上に副走査方向yに延びる露光不足領域の筋が現れないようにすることが可能であり、本発明の意図する効果が得られる。
【0040】
図11(b)に示す構成においては、光拡散フィルム6Fの内部に、光の反射率が高い光拡散ビーズ64が分散されている。この光拡散ビーズ64は、受けた光を種々の方向に拡散させる。したがって、このような構成によっても、感光紙K上に露光不足領域の筋が現れないようにすることが可能である。
【0041】
図12(a)〜(d)に示す構成においては、光拡散フィルムが用いられておらず、有機ELプリントヘッド基板3の基板本体30の全体または一部が、光拡散手段として構成されている。すなわち、同図(a)では、基板本体30の光出射面30aに傾斜面62aを備えた複数の凹溝62が形成されている。同図(b)では、光出射面30aに傾斜面63aを備えた複数の凸状のリブ63が形成されている。同図(c)では、光出射面30aが粗面とされており、同図(d)では、基板本体30の内部に光拡散ビーズ64が分散して設けられている。
【0042】
図12(a)〜(d)のいずれの構成においても、先に説明した光拡散フィルムを用いた構成の実施形態と同様に、光を主走査方向xに拡散させることが可能であり、本発明の意図する効果が得られる。そして、これらの構成によれば、光拡散フィルムを用いない分だけ、部品点数を少なくする利点が得られる。
【0043】
図13に示す構成においては、光拡散フィルムまたは光拡散フィルムを含むシート体または板状体などの光拡散手段6Fが、レンズアレイ4の複数のロッドレンズ40を覆うようにしてこのレンズアレイ4上に設けられている。図14に示す構成においては、光拡散手段6Fがケース2に支持されて、レンズアレイ4と基板本体30との中間領域に設けられている。これらの構成においても、先に述べた実施形態と同様な効果を得ることが可能である。
【0044】
図15(a)に示す有機ELプリントヘッドA2は、有機ELプリントヘッド基板3Aが、積層部B2から基板本体30Aとは反対方向(図面の上方)に向けて光を出射するように構成されている。レンズアレイ4Aは、基板本体30A上に載設されて、積層部B2を封止する封止ケースとしての役割を果たすように構成されている。そして、このレンズアレイ4Aの光入射部分(下面部分)に光拡散フィルム6が積層して設けられている。
【0045】
より具体的には、図15(b)において、積層部B2は、先に述べた積層部B1とその基本的な構成は共通するが、複数の陽極35Aが反射電極として構成されている一方、複数の陰極37Aが透明電極として構成されている点において異なっている。各陽極35Aは、反射率が高く、有機層36への正孔注入効率の高い材料、たとえばモリブデンあるいはクロムにより形成されている。各陽極35Aは、表面の光反射率が高ければよく、たとえばITOなどの導体の表面に、上記したモリブデンやクロムの金属層を重ねて設けた構成であってもよい。このようにすると、陽極35Aの厚みが大きくなり、陽極35Aの抵抗値を小さくして駆動電圧を低くすることが可能となる。各陰極37Aは、金属薄膜層370上に導体層371を積層した構成を有している。金属薄膜層370は、有機層36への電子注入効率の高い材料、たとえば仕事関数または電子親和力の小さい材料であるアルミニウム、マグネシウム−銀合金、アルミニウム−リチウム合金により、厚みが50nm以下に形成され、透光性を有している。一方、導体層371は、陰極37Aの抵抗値を小さくするためのものであり、たとえばITOからなる。このような積層部B2の構成によれば、複数の有機層36の複数の有機EL発光部31(31R,31G,31B)において発生した光は、その一部が陰極37Aを直接透過し、また他の一部は陽極35Aによって反射されてから陰極37Aを透過することにより、基板本体30Aとは反対方向に出射する。基板本体30Aは、透明である必要はない。
【0046】
図15(a)に示すように、レンズアレイ4Aのレンズホルダ41Aは、複数のロッドレンズ40を支持するメイン領域410と、これに繋がったサブ領域411とを有している。メイン領域410は、複数のロッドレンズ40を積層部B2の正面(図面では上方)に配置させて支持させる領域であり、積層部B2の正面領域を覆っている。サブ領域411は、メイン領域410の一面(下向き面)から下方に突出した枠状であり、その下端先端は基板本体30Aに当接して接合されている。このサブ領域411は、積層部B2の周囲を覆っている。
【0047】
この有機ELプリントヘッドA2においては、光の出射方向が先の実施形態とは異なるものの、各有機EL発光部31から発せられた光は、レンズアレイ4Aに入射する前に、光拡散フィルム6によって主走査方向xに拡散されるために、やはり先の実施形態と同様な効果を得ることができる。加えて、この有機ELプリントヘッドA2においては、レンズアレイ4Aを利用して積層部B2の封止を行なっているために、全体の部品点数を少なくするなどの利点が得られる。
【0048】
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る有機ELプリントヘッドの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0049】
本発明は、カラー画像形成用のものに限らず、たとえばモノクロ画像形成用のものにも適用することができる。また、本発明に係る有機ELプリントヘッドの具体的な使用用途も限定されず、感光紙とは異なる記録媒体への露光に用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る有機ELプリントヘッドの一例を示す全体斜視図である。
【図2】図1に示す有機ELプリントヘッドの分解斜視図である。
【図3】図1のIII−III断面図である。
【図4】図1のIV−IV断面図である。
【図5】図1に示す有機ELプリントヘッドの要部分解斜視図である。
【図6】図1に示す有機ELプリントヘッドの要部拡大断面図である。
【図7】(a),(b)は、図1に示す有機ELプリントヘッドを用いて感光紙に露光を行なった場合の例を模式的に示す説明図である。
【図8】(a),(b)は、光拡散フィルムの他の例を示す要部断面図である。
【図9】(a)〜(c)は、光拡散フィルムの他の例を示す要部断面図である。
【図10】(a)〜(c)は、光拡散フィルムの他の例を示す要部断面図である。
【図11】(a),(b)は、光拡散フィルムの他の例を示す要部断面図である。
【図12】(a)〜(d)は、光拡散手段を有機ELプリントヘッドの基板本体に適用した例を示す要部断面図である。
【図13】本発明に係る有機ELプリントヘッドの他の例を示す概略断面図である。
【図14】本発明に係る有機ELプリントヘッドの他の例を示す概略断面図である。
【図15】(a)は、本発明に係る有機ELプリントヘッドの他の例を示す概略断面図であり、(b)は、その要部拡大断面図である。
【図16】従来技術の一例を示す断面図である。
【図17】複数の有機EL発光部の配列の一例を示す説明図である。
【図18】従来技術における記録画像の例を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0051】
A1,A2 有機ELプリントヘッド
3,3A 有機ELプリントヘッド基板
4,4A レンズアレイ
6 光拡散フィルム
30,30A 基板本体
30a 光出射面
31 有機EL発光部
60 凹溝
60a 傾斜面
61 凸状のリブ
61a 傾斜面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主走査方向に列状に並ぶようにして複数の有機EL発光部が基板本体上に設けられている有機ELプリントヘッド基板と、
上記主走査方向に列状に並び、かつ上記各有機EL発光部において発生した光を目的領域に集束させるための複数のレンズと、
を備えている、有機ELプリントヘッドであって、
上記複数の有機EL発光部と上記複数のレンズとの間には、上記各有機EL発光部から進行してきた光を、少なくとも主走査方向に拡散させる光拡散手段が設けられていることを特徴とする、有機ELプリントヘッド。
【請求項2】
上記有機ELプリントヘッド基板は、上記各有機EL発光部において発生した光が上記基板本体を透過してこの基板本体の光出射面から出射するように構成されており、
上記光出射面は、光の拡散が可能な凹凸面として形成されており、この光出射面が上記光拡散手段である、請求項1に記載の有機ELプリントヘッド。
【請求項3】
上記有機ELプリントヘッド基板は、上記各有機EL発光部において発生した光が上記基板本体を透過してこの基板本体の光出射面から出射するように構成されており、
上記光出射面には、光の拡散が可能な凹凸面を備えた光拡散フィルムが積層されており、この光拡散フィルムが上記光拡散手段である、請求項1に記載の有機ELプリントヘッド。
【請求項4】
上記凹凸面は、副走査方向に延びて主走査方向に間隔を隔てて並ぶ複数の凹溝または凸状のリブを有しており、かつ上記各凹溝の内面、または上記リブの外面は、少なくともその一部が主走査方向において傾斜した構成とされている、請求項2または3に記載の有機ELプリントヘッド。
【請求項5】
上記凹凸面は、粗面処理を施された面である、請求項2または3に記載の有機ELプリントヘッド。
【請求項6】
上記光拡散手段は、上記有機EL発光部から進行してくる光が透過する部材内に、複数の光拡散ビーズが分散して設けられた構成を有している、請求項1に記載の有機ELプリントヘッド。
【請求項7】
上記有機ELプリントヘッド基板は、上記複数の有機EL発光部において発生した光を上記基板本体とは反対方向に出射するように構成されており、
上記基板本体とは反対方向の領域には、上記複数の有機EL発光部を覆う封止手段が設けられ、かつこの封止手段は、上記複数のレンズを含むレンズアレイを用いて構成されており、
上記光拡散手段は、上記封止部材に設けられている、請求項1に記載の有機ELプリントヘッド。
【請求項1】
主走査方向に列状に並ぶようにして複数の有機EL発光部が基板本体上に設けられている有機ELプリントヘッド基板と、
上記主走査方向に列状に並び、かつ上記各有機EL発光部において発生した光を目的領域に集束させるための複数のレンズと、
を備えている、有機ELプリントヘッドであって、
上記複数の有機EL発光部と上記複数のレンズとの間には、上記各有機EL発光部から進行してきた光を、少なくとも主走査方向に拡散させる光拡散手段が設けられていることを特徴とする、有機ELプリントヘッド。
【請求項2】
上記有機ELプリントヘッド基板は、上記各有機EL発光部において発生した光が上記基板本体を透過してこの基板本体の光出射面から出射するように構成されており、
上記光出射面は、光の拡散が可能な凹凸面として形成されており、この光出射面が上記光拡散手段である、請求項1に記載の有機ELプリントヘッド。
【請求項3】
上記有機ELプリントヘッド基板は、上記各有機EL発光部において発生した光が上記基板本体を透過してこの基板本体の光出射面から出射するように構成されており、
上記光出射面には、光の拡散が可能な凹凸面を備えた光拡散フィルムが積層されており、この光拡散フィルムが上記光拡散手段である、請求項1に記載の有機ELプリントヘッド。
【請求項4】
上記凹凸面は、副走査方向に延びて主走査方向に間隔を隔てて並ぶ複数の凹溝または凸状のリブを有しており、かつ上記各凹溝の内面、または上記リブの外面は、少なくともその一部が主走査方向において傾斜した構成とされている、請求項2または3に記載の有機ELプリントヘッド。
【請求項5】
上記凹凸面は、粗面処理を施された面である、請求項2または3に記載の有機ELプリントヘッド。
【請求項6】
上記光拡散手段は、上記有機EL発光部から進行してくる光が透過する部材内に、複数の光拡散ビーズが分散して設けられた構成を有している、請求項1に記載の有機ELプリントヘッド。
【請求項7】
上記有機ELプリントヘッド基板は、上記複数の有機EL発光部において発生した光を上記基板本体とは反対方向に出射するように構成されており、
上記基板本体とは反対方向の領域には、上記複数の有機EL発光部を覆う封止手段が設けられ、かつこの封止手段は、上記複数のレンズを含むレンズアレイを用いて構成されており、
上記光拡散手段は、上記封止部材に設けられている、請求項1に記載の有機ELプリントヘッド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−341466(P2006−341466A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−168678(P2005−168678)
【出願日】平成17年6月8日(2005.6.8)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月8日(2005.6.8)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】
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