説明

有機EL表示装置及びその製造方法

【課題】有機EL素子を高輝度化及び長寿命化する。
【解決手段】本発明の有機EL表示装置は、基板SUBとその上に配置されると共に発光色が互いに異なる第1乃至第3有機EL素子OLEDとを具備し、各有機EL素子OLEDは、陽極ANDと、陰極CTDと、それらの間に介在した有機物からなる発光層EMTと、発光層EMTと陽極ANDとの間に介在した有機物からなる正孔輸送層HTLとを具備し、正孔輸送層HTLは、有機物層HTL1と、これを挟んで基板SUBと向き合うと共に有機物層HTL1とは正孔移動度が異なる有機物層HTL2とを含み、第1乃至第3有機EL素子OLEDは、正孔輸送層HTLの厚さが互いに異なっており且つ有機物層HTL1の厚さが互いに等しい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL素子は、有機EL表示装置の主要部である。この有機EL素子には、高輝度化及び長寿命化が要求されている。そのため、このような要望に応える技術が数多く提案されている。例えば特許文献1には、発光層の材料として発光材料と電荷輸送材料との混合物を使用すると共に、この発光層中に発光材料の濃度勾配を形成することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−241188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、有機EL素子を高輝度化及び長寿命化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1側面によると、基板とその上に配置されると共に発光色が互いに異なる第1乃至第3有機EL素子とを具備し、前記第1乃至第3有機EL素子の各々は、陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に介在した有機物からなる発光層と、前記発光層と前記陽極との間に介在した有機物からなる正孔輸送層とを具備し、前記正孔輸送層は、第1有機物層と、前記第1有機物層を挟んで前記基板と向き合うと共に前記第1有機物層とは正孔移動度が異なる第2有機物層とを含み、前記第1乃至第3有機EL素子は、前記正孔輸送層の厚さが互いに異なっており且つ前記第1有機物層の厚さが互いに等しいことを特徴とする有機EL表示装置が提供される。
【0006】
本発明の第2側面によると、第1側面に係る有機EL表示装置を製造する方法であって、前記第1乃至第3有機EL素子の前記第1有機物層を成膜し、それらの結晶性を成膜直後の状態から変化させ、その後、前記第1乃至第3有機EL素子の前記第2有機物層を形成することを特徴とする方法が提供される。
【0007】
本発明の第3側面によると、第1側面に係る有機EL表示装置を製造する方法であって、前記第1乃至第3有機EL素子の前記第1有機物層を成膜し、前記基板を面内方向に伸縮させることにより前記第1有機物層に亀裂を生じさせ、その後、前記第1乃至第3有機EL素子の前記第2有機物層を形成することを特徴とする方法が提供される。
【0008】
本発明の第4側面によると、第1側面に係る有機EL表示装置を製造する方法であって、前記第1乃至第3有機EL素子の前記第1有機物層を成膜し、前記基板を熱処理に供し、その後、前記第1乃至第3有機EL素子の前記第2有機物層を形成することを特徴とする方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、有機EL素子の高輝度化及び長寿命化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一態様に係る表示装置を概略的に示す平面図。
【図2】図1の表示装置に採用可能な構造の一例を概略的に示す部分断面図。
【図3】図2の構造を拡大して示す部分断面図。
【図4】図2の構造を拡大して示す部分断面図。
【図5】図2の構造を拡大して示す部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同様又は類似する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0012】
図1は、本発明の一態様に係る表示装置を概略的に示す平面図である。図2は、図1の表示装置に採用可能な構造の一例を概略的に示す部分断面図である。なお、図2では、表示装置を、その表示面,すなわち前面又は光出射面,が下方を向き、背面が上方を向くように描いている。
【0013】
図1の表示装置は、アクティブマトリクス型駆動方式を採用した下面発光型の有機EL表示装置である。この有機EL表示装置は、後述するように、表示色が互いに異なる画素PX1乃至PX3を含んでいる。
【0014】
この有機EL表示装置は、アレイ基板ASと、封止基板CSと、映像信号線ドライバXDRと、走査信号線ドライバYDRとを含んでいる。
【0015】
アレイ基板ASは、例えば、ガラス基板などの基板SUBを含んでいる。
基板SUB上には、図2に示すように、アンダーコート層UCとして、例えば、SiNx層とSiOx層とが順次積層されている。
【0016】
アンダーコート層UC上には、例えばソース及びドレインが形成されたポリシリコン層である半導体層SC、例えばTEOS(tetraethyl orthosilicate)などを用いて形成され得るゲート絶縁膜GI、及び例えばMoWなどからなるゲートGEが順次積層されており、それらは電界効果トランジスタであるトップゲート型の薄膜トランジスタを構成している。この例では、これら薄膜トランジスタは、pチャネル薄膜トランジスタであり、図1の駆動制御素子DR及びスイッチSWa乃至SWcとして利用している。
【0017】
ゲート絶縁膜GI上には、図1に示す走査信号線SL1及びSL2と、図示しない下部電極とがさらに配置されている。走査信号線SL1及びSL2並びに下部電極は、ゲートGEと同一の工程で形成可能である。
【0018】
走査信号線SL1及びSL2は、図1に示すように、各々が画素PX1乃至PX3の行方向(X方向)に延びており、画素PX1乃至PX3の列方向(Y方向)に交互に配列している。これら走査信号線SL1及びSL2は、走査信号線ドライバYDRに接続されている。
【0019】
下部電極は、駆動制御素子DRのゲートに接続されている。下部電極は、後述するキャパシタCの一方の電極として利用する。
【0020】
ゲート絶縁膜GI、ゲートGE、走査信号線SL1及びSL2、並びに下部電極は、図2に示す層間絶縁膜IIで被覆されている。層間絶縁膜IIは、例えばプラズマCVD法などにより成膜されたSiOxなどからなる。この層間絶縁膜IIのうち下部電極上の部分は、キャパシタCの誘電体層として利用する。
【0021】
層間絶縁膜II上には、図2に示すソース電極SE及びドレイン電極DE、図1に示す映像信号線DL、電源線PSL、並びに図示しない上部電極が配置されている。これらは、同一工程で形成可能であり、例えば、Mo/Al/Moの三層構造を有している。
【0022】
ソース電極SE及びドレイン電極DEは、層間絶縁膜IIに設けられたコンタクトホールを介して薄膜トランジスタのソース及びドレインに電気的に接続されている。
【0023】
映像信号線DLは、図1に示すように、各々がY方向に延びており、X方向に配列している。これら映像信号線DLの各々の一端は、映像信号線ドライバXDRに接続されている。
【0024】
電源線PSLは、この例では、各々がY方向に延びており、X方向に配列している。また、この例では、電源線PSLは、映像信号線ドライバXDRに接続されている。
【0025】
上部電極は、電源線PSLに接続されている。上部電極は、キャパシタCの他方の電極として利用する。
【0026】
ソース電極SE、ドレイン電極DE、映像信号線DL、電源線PSL、及び上部電極は、図2に示すパッシベーション膜PSで被覆されている。パッシベーション膜PSは、例えばSiNxなどからなる。
【0027】
パッシベーション膜PS上には、平坦化層LLが形成されている。平坦化層LLは、例えば硬質樹脂からなる。
【0028】
平坦化層LL上では、スイッチSWaに対応して画素電極PEが配列している。画素電極PEは、この例では光透過性の陽極である。画素電極PEは、平坦化層LL及びパッシベーション膜PSに設けた貫通孔を介して、スイッチSWaのドレイン電極DEに接続されている。
【0029】
平坦化層LL上には、さらに、図2に示す隔壁絶縁層PIが形成されている。隔壁絶縁層PIには、画素電極PEに対応した位置に貫通孔が設けられているか、或いは、画素電極PEが形成する列又は行に対応した位置にスリットが設けられている。ここでは、一例として、隔壁絶縁層PIには、画素電極PEに対応した位置に貫通孔が設けられていることとする。
【0030】
隔壁絶縁層PIは、例えば、有機絶縁層である。隔壁絶縁層PIは、例えば、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。
【0031】
画素電極PE上には、発光層を含んだ活性層ALが配置されている。活性層ALは、発光層と正孔輸送層とを含んでいる。
【0032】
隔壁絶縁層PI及び活性層ALは、前面電極である対向電極CEで被覆されている。対向電極CEは、画素PX1乃至PX3間で互いに接続された共通電極であり、この例では光反射性の陰極である。対向電極CEは、例えば、パッシベーション膜PSと平坦化層LLと隔壁絶縁層PIとに設けられたコンタクトホールを介して、映像信号線DLと同一の層上に形成された電極配線(図示せず)に電気的に接続されている。各々の有機EL素子OLEDは、画素電極PE、活性層AL及び対向電極CEで構成されている。
【0033】
これら有機EL素子OLEDは、光共振器(マイクロキャビティ構造)を構成している。この例では、活性層ALが放出した光が平坦化層LLと対向電極CEとの間で繰り返し反射干渉する構成を採用している。
【0034】
画素PX1が含む有機EL素子OLEDは、画素PX2が含む有機EL素子OLEDと比較して、平坦化層LLと対向電極CEとの間の光路長がより短い。画素PX3が含む有機EL素子OLEDは、画素PX2が含む有機EL素子OLEDと比較して、平坦化層LLと対向電極CEとの間の光路長がより長い。ここでは、一例として、画素PX1乃至PX3間で後述する正孔輸送層の厚さを異ならしめることにより、先の光路長の相違を生じさせている。
【0035】
この例では、画素PX1は、画素PX3と比較して、有機EL素子OLEDが法線方向に放出する最大強度の光の波長λresがより長い。また、この例では、画素PX2は、画素PX2と比較して、有機EL素子OLEDが法線方向に放出する最大強度の光の波長λresがより短い。例えば、画素PX1が含む有機EL素子OLEDの波長λresは赤色光の波長範囲内にあり、画素PX2が含む有機EL素子OLEDの波長λresは青色光の波長範囲内にあり、画素PX3が含む有機EL素子OLEDの波長λresは緑色光の波長範囲内にある。
【0036】
画素PX1乃至PX3の各々が含む画素回路は、この例では、駆動制御素子(駆動トランジスタ)DRと、出力制御スイッチSWaと、映像信号供給制御スイッチSWbと、ダイオード接続スイッチSWcと、キャパシタCとを含んでいる。上記の通り、この例では、駆動制御素子DR及びスイッチSWa乃至SWcはpチャネル薄膜トランジスタである。また、この例では、映像信号供給制御スイッチSWbとダイオード接続スイッチSWcとは、駆動制御素子DRのドレインと映像信号線DLと駆動制御素子DRのゲートとの接続状態を、それらが互いに接続された第1状態と、それらが互いから遮断された第2状態との間で切り替えるスイッチ群を構成している。
【0037】
駆動制御素子DRと出力制御スイッチSWaと有機EL素子OLEDとは、第1電源端子ND1と第2電源端子ND2との間で、この順に直列に接続されている。この例では、第1電源端子ND1は高電位電源端子であり、第2電源端子ND2は低電位電源端子である。
【0038】
出力制御スイッチSWaのゲートは、走査信号線SL1に接続されている。映像信号供給制御スイッチSWbは映像信号線DLと駆動制御素子DRのドレインとの間に接続されており、そのゲートは走査信号線SL2に接続されている。ダイオード接続スイッチSWcは駆動制御素子DRのゲートとドレインとの間に接続されており、そのゲートは走査信号線SL2に接続されている。
【0039】
キャパシタCは、駆動制御素子DRのゲートと定電位端子ND1’との間に接続されている。定電位端子ND1’は、例えば第1電源端子ND1に接続する。
【0040】
封止基板CSは、対向電極CEと向き合っている。封止基板CSは、例えば、ガラス基板である。
【0041】
アレイ基板ASと封止基板CSとの間には、枠形状のシール層SSが介在している。シール層SSはアレイ基板ASと封止基板CSとの間に密閉空間を形成しており、この密閉空間は不活性ガスで満たされている。なお、先の密閉空間には、不活性ガスを充填する代わりに、エポキシ樹脂などの樹脂を充填してもよい。この場合、対向電極CE上には、SiNxなどからなるバリア層を形成してもよい。
【0042】
映像信号線ドライバXDR及び走査信号線ドライバYDRは、この例では、アレイ基板AS上に配置されている。すなわち、この例では、映像信号線ドライバXDR及び走査信号線ドライバYDRをCOG(chip on glass)実装している。映像信号線ドライバXDR及び走査信号線ドライバYDRは、COG実装する代わりに、TCP(tape carrier package)実装してもよい。
【0043】
この有機EL表示装置で画像を表示する場合、例えば、走査信号線SL1及びSL2の各々を線順次駆動する。そして、或る行の画素PX1乃至PX3に映像信号を書き込む書込期間では、まず、走査信号線ドライバYDRから、先の画素PX1乃至PX3が接続された走査信号線SL1にスイッチSWaを開く(OFF)走査信号を電圧信号として出力し、続いて、先の画素PX1乃至PX3が接続された走査信号線SL2にスイッチSWb及びSWcを閉じる(ON)走査信号を電圧信号として出力する。この状態で、映像信号線ドライバXDRから、先の画素PX1乃至PX3が接続された映像信号線DLに映像信号を電流信号としてそれぞれ出力し、駆動制御素子DRのゲート−ソース間電圧を、先の映像信号に対応した大きさに設定する。その後、走査信号線ドライバYDRから、先の画素PX1乃至PX3が接続された走査信号線SL2にスイッチSWb及びSWcを開く(OFF)走査信号を電圧信号として出力し、続いて、先の画素PX1乃至PX3が接続された走査信号線SL1にスイッチSWaを閉じる(ON)走査信号を電圧信号として出力する。
【0044】
スイッチSWaを閉じ(ON)ている有効表示期間では、有機EL素子OLEDには、駆動制御素子DRのゲート−ソース間電圧に対応した大きさの駆動電流が流れる。有機EL素子OLEDは、駆動電流の大きさに対応した輝度で発光する。
【0045】
この有機EL表示装置は、有機EL素子OLEDに以下の構造を採用している。
図3乃至図5は、図2の構造を拡大して示す部分断面図である。具体的には、図3は画素PX1の有機EL素子OLEDを示し、図4は画素PX2の有機EL素子OLEDを示し、図5は画素PX3の有機EL素子OLEDを示している。なお、図3乃至図5では、基板SUB及び有機EL素子OLEDのみを描き、他の部材は省略している。
【0046】
図3乃至図5に示すように、画素PX1乃至PX3の有機EL素子OLEDは、陽極ANDと、陰極CTDと、発光層EMTと、正孔輸送層HTLと、正孔注入層HILと、電子輸送層ETLと、電子注入層EILとを含んでいる。この例では、図2の画素電極PE及び対向電極CEは、それぞれ、図3乃至図5の陽極AND及び陰極CTDに対応している。また、この例では、図2の活性層ALは、図3乃至図5の正孔注入層HILと正孔輸送層HTLと発光層EMTと電子輸送層ETLと電子注入層EILとの積層体に対応している。なお、有機EL素子OLEDは、正孔ブロッキング層などをさらに含むことができる。
【0047】
陽極ANDと陰極CTDとは向き合っている。陽極AND及び陰極CTDは、例えば、無機物からなる。典型的には、陽極ANDは、陰極CTDと比較して仕事関数がより大きい。陽極ANDの材料としては、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)を使用することができる。陰極CTDの材料としては、例えば、アルミニウムを使用することができる。
【0048】
発光層EMTは、陽極ANDと陰極CTDとの間に介在している。発光層EMTは、有機物からなる層であって、例えば、ホスト材料とドーパントとを含んだ混合物からなる。ホスト材料としては、例えば、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム(Alq3)を使用することができる。ドーパントとしては、例えば、クマリンを使用することができる。画素PX1乃至PX3の発光層EMTは、組成が互いに異なっているか又は組成及び厚さが互いに異なっている。
【0049】
正孔輸送層HTLは、陽極ANDと発光層EMTとの間に介在している。正孔輸送層HTLは有機物からなり、そのイオン化エネルギーは、典型的には、陽極ANDの仕事関数と発光層EMTのイオン化エネルギーとの間にある。
【0050】
正孔輸送層HTLは、正孔移動度が互いに異なる複数の有機物層を含んでいる。図3では、正孔輸送層HTLは、第1有機物層HTL1及び第2有機物層HTL2を含んでいる。
【0051】
典型的には、画素PX1乃至PX3の第1有機物層HTL1は結晶性及び組成が互いに等しく、画素PX1乃至PX3の第2有機物層HTL2は結晶性及び組成が互いに等しい。また、典型的には、画素PX1乃至PX3の各々において、第1有機物層HTL1と第2有機物HTL2とは組成が互いに等しく且つ正孔移動度が互いに異なっている。有機物層HTL1及びHTL2の材料としては、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)及びN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(1−ナフチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(α−NPD)を使用することができる。
【0052】
正孔注入層HILは、陽極ANDと正孔輸送層HTLとの間に介在している。正孔注入層HILは有機物、無機物、又は有機金属化合物からなり、そのイオン化エネルギーは、典型的には、陽極ANDの仕事関数と正孔輸送層HTLのイオン化エネルギーとの間にある。典型的には、画素PX1乃至PX3の正孔注入層HILは、組成及び厚さが互いに等しい。正孔注入層HILの材料としては、例えば、銅フタロシアニン(CuPc)を使用することができる。
【0053】
電子輸送層ETLは、発光層EMTと陰極CTDとの間に介在している。電子輸送層ETLは例えば有機物からなり、その電子親和力は、典型的には、発光層EMTの電子親和力と陰極CTDの仕事関数との間にある。典型的には、画素PX1乃至PX3の電子輸送層ETLは、組成及び厚さが互いに等しい。電子輸送層ETLの材料としては、例えば、Alq3を使用することができる。
【0054】
電子注入層EILは、電子輸送層ETLと陰極CTDとの間に介在している。電子注入層EILは有機物、無機物、又は有機金属化合物からなり、その電子親和力は、典型的には、電子輸送層ETLの電子親和力と陰極CTDの仕事関数との間にある。典型的には、画素PX1乃至PX3の電子注入層EILは、組成及び厚さが互いに等しい。電子注入層EILの材料としては、例えば、弗化リチウムを使用することができる。
【0055】
この有機EL表示装置は、例えば、以下の方法により製造することができる。
まず、絶縁基板SUB上に、アンダーコート層UCと、隔壁絶縁層PIと、それらの間に介在した構成要素とを形成する。
【0056】
次に、陽極AND上に、正孔注入層HIL及び有機物層HTL1をこの順に形成する。正孔注入層HIL及び有機物層HTL1の成膜には、例えば真空蒸着法を利用する。
【0057】
続いて、有機物層HTL1の正孔移動度を低下させる。例えば、基板SUBを熱処理に供する。
【0058】
通常、成膜直後の有機物層HTL1はアモルファスである。これに適当な熱処理を施すと、有機物層HTL1は多結晶又は微結晶となる。すなわち、この熱処理によって、有機物層HTL1中に多数の結晶粒界が生じる。
【0059】
また、例えば、基板SUB及び陽極ANDなどの熱膨張係数が有機物層HTL1の熱膨張係数と比較して十分に大きい場合、基板SUBを加熱すると、有機物層HTL1には面内方向に張力が加わる。その結果、有機物層HTL1は微細な亀裂を生じる。
【0060】
結晶粒界及び亀裂は、有機物層HTL1における正孔の移動を妨げる。したがって、基板SUBを適当な熱処理に供すると、有機物層HTL1の正孔移動度は、熱処理前と比較してより小さくなる。
【0061】
有機物層HTL1の正孔移動度は、熱処理以外の処理で低下させてもよい。例えば、基板SUBの周縁部を面内方向に引っ張ることにより、有機物層HTL1に微細な亀裂を生じさせてもよい。なお、有機物層HTL1に生じさせた亀裂は、有機物層HTL2によって埋め込まれてもよく又は埋め込まれなくてもよい。
【0062】
有機物層HTL1の正孔移動度を低下させた後、有機物層HTL1上に、有機物層HTL2、発光層EMT、電子輸送層ETL、電子注入層EIL、陰極CTDを、この順に形成する。これらの成膜には、例えば真空蒸着法を利用する。
【0063】
以上のようにして、アレイ基板ASを完成する。なお、電子注入層HILの成膜を開始してから陰極CTDの成膜を完了するまでの処理は真空中で行う。
【0064】
次に、封止基板SS上に、シール層SSとして利用する枠形状の接着剤層を形成する。続いて、不活性ガス雰囲気中で、アレイ基板ASと封止基板CSとを、陰極CTDと封止基板CSとが向き合い且つ接着剤層がアレイ基板ASと封止基板CSとの間に介在するように貼り合わせる。さらに、接着剤層を硬化させることにより、有機EL表示装置を完成する。
【0065】
ところで、発光効率の向上には、発光層における電子と正孔とのキャリアバランスを最適化することが重要である。しかしながら、正孔輸送層に一般に使用される材料の正孔移動度は、電子輸送層に一般に使用される材料の電子移動度よりも1桁大きい。また、目標とする移動度を達成する材料の開発は、極めて難しい。そのため、従来の有機EL表示装置は、発光層において最適なキャリアバランスを達成できず、十分な発光効率を実現できなかった。
【0066】
本態様では、正孔輸送層HTLが含む有機物層HTL1に多数の界面を生じさせ、その正孔移動度を低下させる。したがって、本態様によると、発光層EMTにおける電子と正孔とのキャリアバランスを容易に最適化することができ、それゆえ、十分な発光効率を実現することができる。
【0067】
高い発光効率を実現できれば、陽極ANDと陰極CTDとの間に印加する電圧が小さい場合であっても、有機EL素子OLEDを高い輝度で発光させることができる。それゆえ、本態様によると、有機EL素子OLEDの高輝度化及び長寿命化が可能である。
【0068】
また、本態様で使用する正孔輸送層HTLは、有機物層HTL1とは正孔移動度が異なる有機物層HTL2をさらに含んでいる。それゆえ、例えば、有機物層HTL2の厚さd2と有機物層HTL1の厚さd1との比d2/d1を、正孔輸送層HTLの正孔移動度を所望値に設定するためのパラメータとして利用することができる。
【0069】
加えて、本態様では、熱処理を施した有機物層HTL2を発光層EMTと熱処理を施していない有機物層HTL1との間に配置している。それゆえ、例えば、有機物層HTL1の熱処理の際に有機物層HTL1に不純物が付着したとしても、この不純物が発光層EMT中へと拡散することなどを抑制できる。それゆえ、本態様によると、不純物の発光層EMT中への拡散などに起因した有機EL素子OLEDの劣化を抑制できる。
【0070】
典型的には、有機物層HTL1及びHTL2の組成は同一とする。こうすると、正孔輸送層HTLが有機物層HTL1及びHTL2を含んでいる場合と、正孔輸送層HTLを有機物層HTL2のみで構成した場合とで、正孔移動度以外の特性をほぼ同一とすることができる。すなわち、有機物層HTL1の組成が有機物層HTL2の組成と同一であれば、有機物層HTL1の追加に伴う設計変更は、不要であるか又は少なくてすむ。
【0071】
しかも、有機物層HTL1及びHTL2の組成が同一であれば、1つの成膜装置で有機物層HTL1及びHTL2を成膜することができる。したがって、有機物層HTL1及びHTL2の組成を同一とすると、設備コストを低減できると共に、製造が容易になる。
【0072】
また、上記の通り、この有機EL表示装置では、活性層ALが放出した光が平坦化層LLと対向電極CEとの間で繰り返し反射干渉する構成を採用している。加えて、この有機EL表示装置では、有機EL素子OLEDが法線方向に放出する最大強度の光の波長,例えば共振波長,λresを画素PX1乃至PX3間で互いに異ならしめるべく、正孔輸送層HTLの厚さを画素PX1乃至PX3間で互いに異ならしめている。
【0073】
有機物層HTL1への熱処理の最適条件は、有機物層HTL1の厚さに依存する。そのため、正孔輸送層HTLを有機物層HTL1のみで構成すると共に、有機物層HTL1の厚さを画素PX1乃至PX3間で互いに異ならしめた場合、例えば、或る熱処理条件が画素PX2の有機物層HTL1に最適であったとしても、必ずしも、この条件が画素PX1及びPX3の有機物層HTL1に最適であるとは限らない。熱処理を最適な条件で行えない場合、正孔移動度を十分に低下させることができない、有機物層HTL1が溶融してその膜厚が不均一になるなどの問題を生じる可能性がある。
【0074】
これに対し、本態様では、有機物層HTL1の厚さを画素PX1乃至PX3間で互いに等しくし、有機物層HTL2の厚さを画素PX1乃至PX3間で互いに異ならしめる。有機物層HTL1の厚さが画素PX1乃至PX3間で互いに等しければ、画素PX1及びPX3の全ての有機物層HTL1にとって最適な条件のもとで熱処理を行うことができる。また、画素PX1乃至PX3の有機物層HTL2の厚さは熱処理とは関係なく自由に設定可能であるので、有機EL素子OLEDの光学的設計も容易である。すなわち、本態様によると、画素PX1乃至PX3の全てにおいて、有機EL素子OLEDを容易に高輝度化及び長寿命化することができる。
【0075】
有機物層HTL2の正孔移動度μ2と有機物層HTL1の正孔移動度μ1との比μ2/μ1は、例えば4乃至20の範囲内とし、典型的には10乃至20の範囲内とする。比μ2/μ1が小さい場合、発光効率を向上させる効果が小さい。また、大きな比μ2/μ1は、これを実現すること自体が難しい。
【0076】
有機物層HTL2の厚さd2と有機物層HTL1の厚さd1との比d2/d1は、例えば7以下とし、典型的には3以下とする。比d2/d1が大きい場合、発光効率を向上させる効果が小さい。また、比d2/d1は、例えば1より大きくし、典型的には1.1以上とする。比d2/d1が小さい場合、有機物層HTL1から発光層EMTへの不純物の拡散を抑制する効果が小さい。
【実施例】
【0077】
以下、本発明の例について説明する。
(例1)
本例では、以下の方法により、図1に示す有機EL表示装置を製造した。
【0078】
まず、基板SUB上に、アンダーコート層UCと、隔壁絶縁層PIと、それらの間に介在した構成要素とを形成した。基板SUBとしてはガラス基板を使用し、陽極ANDである画素電極PEにはITOを使用した。
【0079】
次に、陽極AND上に、真空蒸着法により、正孔注入層HIL及び有機物層HTL1をこの順に形成した。正孔注入層HILにはCuPcを使用した。有機物層HTL1にはTPDを使用し、その厚さd1は40nmとした。
【0080】
続いて、有機物層HTL1を熱処理に供した。具体的には、基板SUBを150℃に加熱した。
【0081】
その後、有機物層HTL1上に、真空蒸着法により有機物層HTL2を形成した。画素PX1乃至PX3の有機物層HTL2にはTPDを使用した。また、画素PX1が含む有機物層HTL2の厚さd2は50nmとし、画素PX2が含む有機物層HTL2の厚さd2は100nmとし、画素PX3が含む有機物層HTL2の厚さd2は120nmとした。
【0082】
次に、有機物層HTL2上に、真空蒸着法により発光層EMTを形成した。画素PX1が含む発光層EMTにはBD102をドープしたBH-120(共に出光興産製)を使用し、画素PX2が含む発光層EMTにはクマリンをドープしたAlq3を使用し、画素PX3が含む発光層EMTには、DCMをドープしたAlq3を使用した。これら発光層EMTの厚さは30nmとした。
【0083】
続いて、発光層EMT上に、真空蒸着法により、電子輸送層ETL、電子注入層EIL、陰極CTDを、この順に形成した。電子輸送層ETLにはAlq3を使用し、その厚さは30nmとした。電子注入層EILにはLiFを使用し、その厚さは1nmとした。陰極CTDにはアルミニウムを使用し、その厚さは200nmとした。以上のようにして、アレイ基板ASを作製した。
【0084】
次に、封止基板SS上に、シール層SSとして利用する枠形状の接着剤層を形成した。次いで、封止基板SS上であって接着剤層が形成する枠の内側に、乾燥剤を貼り付けた。
【0085】
続いて、不活性ガス雰囲気中で、アレイ基板ASと封止基板CSとを、陰極CTDと封止基板CSとが向き合い且つ接着剤層がアレイ基板ASと封止基板CSとの間に介在するように貼り合わせた。さらに、接着剤層を硬化させることにより、有機EL表示装置を完成した。
【0086】
この有機EL表示装置に白色画像を表示させて発光効率を測定した。その結果、各有機EL素子OLEDの電流密度を10mA/cm2としたときの発光効率は4.2cd/Aであった。
【0087】
(比較例1)
本例では、画素PX1乃至PX3の全てにおいて第2有機物層HTL2を省略すると共に、画素PX1において厚さd1を90nmとし、画素PX2において厚さd1を140nmとし、画素PX3において厚さd1を160nmとした。これ以外は、例1で説明したのと同様の方法により有機EL表示装置を製造した。
【0088】
この有機EL表示装置に例1と同様の条件のもとで白色画像を表示させて発光効率を測定した。その結果、各有機EL素子OLEDの電流密度を10mA/cm2としたときの発光効率は3.0cd/Aであった。
【0089】
(比較例2)
本例では、画素PX1において厚さd1及び厚さd2をそれぞれ20nm及び70nmとし、画素PX2において厚さd1及び厚さd2をそれぞれ40nm及び100nmとし、画素PX3において厚さd1及び厚さd2をそれぞれ60nm及び100nmとした。これ以外は、例1で説明したのと同様の方法により有機EL表示装置を製造した。
【0090】
この有機EL表示装置に例1と同様の条件のもとで白色画像を表示させて発光効率を測定した。その結果、各有機EL素子OLEDの電流密度を10mA/cm2としたときの発光効率は3.5cd/Aであった。
【0091】
(例2)
本例では、例1で形成した有機物層HTL1及びHTL2の正孔移動度μ1及びμ2を以下の方法により調べた。
【0092】
例1で使用した基板SUBと材質及び厚さが等しいガラス基板を準備した。このガラス基板上に、スパッタリング法によりITO層を形成した。このITO層の厚さは、例1で形成した陽極ANDの厚さと同様とした。次に、ITO層上に、真空蒸着法により、厚さ40nmのTPD層を形成した。続いて、基板SUBに、例1で実施したのと同様の熱処理を施した。その後、TPD層上に、真空蒸着法によりアルミニウム層を形成した。このアルミニウム層の厚さは、例1で形成した陰極CTDの厚さと同様とした。以下、このようにして得られた試験用素子をサンプル(1)と呼ぶ。
【0093】
次に、TPD層の厚さを120nmとし且つこれに熱処理を施さなかったこと以外は、サンプル(1)について説明したのと同様の方法により試験用素子を作製した。以下、この試験用素子をサンプル(2)と呼ぶ。
【0094】
次いで、サンプル(1)及び(2)について、TPD層の正孔移動度をタイムオブフライト法により測定した。その結果、サンプル(1)のTPD層の正孔移動度は2.0×10-4cm2/V・sであり、サンプル(2)のTPD層の正孔移動度は2.5×10-3cm2/V・sであった。この結果から、例1で製造した有機EL表示装置において、第1有機物層HTL1の正孔移動度μ1は2.0×10-4cm2/V・sであり、第2有機物層HTL2の正孔移動度μ2は2.5×10-3cm2/V・sであると推定することができる。
【0095】
(例3)
本例では、例1で形成した有機物層HTL1及びHTL2の構造を以下の方法により調べた。
【0096】
まず、アルミニウム層を形成しなかったこと以外はサンプル(1)について説明したのと同様の方法により試験用素子を作製した。以下、この試験用素子をサンプル(3)と呼ぶ。次に、アルミニウム層を形成しなかったこと以外はサンプル(2)について説明したのと同様の方法により試験用素子を作製した。以下、この試験用素子をサンプル(4)と呼ぶ。
【0097】
次いで、サンプル(3)及び(4)のTPD層を、走査電子顕微鏡(SEM)で観察した。その結果、サンプル(3)のTPD層には微細な亀裂が形成されており、サンプル(4)のTPD層には亀裂は形成されていなかった。
【0098】
また、X線回折計を用いて、サンプル(3)及び(4)のTPD層の結晶性を調べた。その結果、サンプル(3)のTPD層は、サンプル(4)のTPD層と比較して結晶性がより高かった。
【符号の説明】
【0099】
AL…活性層、AND…陽極、AS…アレイ基板、C…キャパシタ、CE…対向電極、CS…封止基板、CTD…陰極、DE…ドレイン電極、DL…映像信号線、DR…駆動制御素子、EIL…電子注入層、EMT…発光層、ETL…電子輸送層、GE…ゲート、GI…ゲート絶縁膜、HIL…正孔注入層、HTL…正孔輸送層、HTL1…有機物層、HTL2…有機物層、II…層間絶縁膜、LL…平坦化層、ND1…電源端子、ND1’…定電位端子、ND2…電源端子、OLED…有機EL素子、PE…画素電極、PI…隔壁絶縁層、PS…パッシベーション膜、PSL…電源線、PX1…画素、PX2…画素、PX3…画素、SC…半導体層、SE…ソース電極、SL1…走査信号線、SL2…走査信号線、SS…シール層、SUB…基板、SWa…スイッチ、SWb…スイッチ、SWc…スイッチ、UC…アンダーコート層、XDR…映像信号線ドライバ、YDR…走査信号線ドライバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板とその上に配置されると共に発光色が互いに異なる第1乃至第3有機EL素子とを具備し、
前記第1乃至第3有機EL素子の各々は、陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に介在した有機物からなる発光層と、前記発光層と前記陽極との間に介在した有機物からなる正孔輸送層とを具備し、
前記正孔輸送層は、第1有機物層と、前記第1有機物層を挟んで前記基板と向き合うと共に前記第1有機物層とは正孔移動度が異なる第2有機物層とを含み、
前記第1乃至第3有機EL素子は、前記正孔輸送層の厚さが互いに異なっており且つ前記第1有機物層の厚さが互いに等しいことを特徴とする有機EL表示装置。
【請求項2】
前記第1乃至第3有機EL素子は、前記第1有機物層の組成及び結晶性が互いに等しく且つ前記第2有機物層の組成及び結晶性が互いに等しく、
前記第1乃至第3有機EL素子の各々において、前記第1及び第2有機物層は組成が互いに等しく且つ結晶性が互いに異なっていることを特徴とする請求項1に記載の有機EL表示装置。
【請求項3】
前記第1乃至第3有機EL素子の各々において、前記第1有機物層の正孔移動度μ1は、前記第2有機物層の正孔移動度μ2と比較してより小さいことを特徴とする請求項1に記載の有機EL表示装置。
【請求項4】
前記陽極は前記基板と前記陰極との間に介在していることを特徴とする請求項1に記載の有機EL表示装置。
【請求項5】
請求項1に記載の有機EL表示装置を製造する方法であって、前記第1乃至第3有機EL素子の前記第1有機物層を成膜し、それらの結晶性を成膜直後の状態から変化させ、その後、前記第1乃至第3有機EL素子の前記第2有機物層を形成することを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の有機EL表示装置を製造する方法であって、前記第1乃至第3有機EL素子の前記第1有機物層を成膜し、前記基板を面内方向に伸縮させることにより前記第1有機物層に亀裂を生じさせ、その後、前記第1乃至第3有機EL素子の前記第2有機物層を形成することを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の有機EL表示装置を製造する方法であって、前記第1乃至第3有機EL素子の前記第1有機物層を成膜し、前記基板を熱処理に供し、その後、前記第1乃至第3有機EL素子の前記第2有機物層を形成することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−142365(P2011−142365A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96297(P2011−96297)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【分割の表示】特願2005−340220(P2005−340220)の分割
【原出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(302020207)東芝モバイルディスプレイ株式会社 (2,170)
【Fターム(参考)】