説明

有機EL表示装置

【課題】光の取り出し効率に優れ且つ安価に製造可能な有機EL表示装置を提供すること。
【解決手段】本発明の有機EL表示装置1は、光透過性の背面電極41と、前記背面電極41と向き合った光透過性の前面電極43と、前記背面電極41と前記前面電極43との間に介在すると共に発光層を含んだ有機物層42とを備えた有機EL素子40と、前記背面電極41と向き合った反射層70と、前記反射層70と前記有機EL素子40との間に介在した光透過性の平坦化層60とを具備し、前記反射層70の前記有機EL素子40との対向面は、略一定のピッチで配列すると共に各々が順テーパ状の断面形状を有する複数の凸部又は凹部を含み、前記凸部の高さ又は前記凹部の深さは0.5μm以上であり、前記ピッチは3μm以上であり、前記反射層70の一断面を見た場合に、前記反射層70の前記有機EL素子40との対向面は略正弦波形状を有していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL表示装置は自己発光表示装置であるため、視野角が広く、応答速度が速い。また、バックライトが不要であるため、薄型軽量化が可能である。これらの理由から、近年、有機EL表示装置は、液晶表示装置に代わる表示装置として注目されている。
【0003】
有機EL表示装置の主要部である有機EL素子は、光透過性の前面電極と、これと対向した光反射性又は光透過性の背面電極と、それらの間に介在するとともに発光層を含んだ有機物層とで構成されており、有機物層に電気を流すことにより発光する電荷注入型の自発光素子である。有機EL表示装置で表示を行うためには、発光層が放出する光を前面電極から出射させる必要があるが、素子内で前面側へと進行する光のうち広角側へと進行する光は、前面電極界面で全反射される。そのため、有機物層が放出する光の多くを有機EL素子の前面側に取り出すことができない,すなわち光取り出し効率が低い,という問題があった。
【0004】
このような問題に対し、以下の特許文献1には、回折格子又はゾーンプレートを利用することが記載されている。この技術によれば、光取り出し効率を高めることができる。
【0005】
しかしながら、例えば、回折格子を利用して光取り出し効率を高めるためには、格子定数を極めて小さくしなければならない。そのため、回折格子を形成するのに、例えば、電子ビーム描画などのように長時間を要する又は高コストな微細加工技術を利用しなければならない。
【特許文献1】特許第2991183号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、光の取り出し効率に優れ且つ安価に製造可能な有機EL表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1側面によると、光透過性の背面電極と、前記背面電極と向き合った光透過性の前面電極と、前記背面電極と前記前面電極との間に介在すると共に発光層を含んだ有機物層とを備えた有機EL素子と、前記背面電極と向き合った反射層と、前記反射層と前記有機EL素子との間に介在した光透過性の平坦化層とを具備し、前記反射層の前記有機EL素子との対向面は、略一定のピッチで配列すると共に各々が順テーパ状の断面形状を有する複数の凸部又は凹部を含み、前記凸部の高さ又は前記凹部の深さは0.5μm以上であり、前記ピッチは3μm以上であり、前記反射層の一断面を見た場合に、前記反射層の前記有機EL素子との対向面は略正弦波形状を有していることを特徴とする有機EL表示装置が提供される。
【0008】
本発明の第2側面によると、光透過性の背面電極と、前記背面電極と向き合った光透過性の前面電極と、前記背面電極と前記前面電極との間に介在すると共に発光層を含んだ有機物層とを備えた有機EL素子と、前記背面電極と向き合った反射層と、前記反射層と前記有機EL素子との間に介在した光透過性の平坦化層とを具備し、前記反射層の前記有機EL素子との対向面は、各々が順テーパ状の断面形状を有する複数の凸部又は凹部を含んだことを特徴とする有機EL表示装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、光の取り出し効率に優れ且つ安価に製造可能な有機EL表示装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0011】
図1は、本発明の一態様に係る有機EL表示装置を概略的に示す断面図である。図1では、有機EL表示装置1を、その表示面,すなわち前面または光出射面,が上方を向き、背面が下方を向くように描いている。
【0012】
図1に示す有機EL表示装置1は、アクティブマトリクス型駆動方式を採用した上面発光型の有機EL表示装置である。
【0013】
この有機EL表示装置1は、例えば、ガラス基板などの絶縁基板10を含んでいる。
絶縁基板10上では、複数の画素がマトリクス状に配列している。各画素は、画素回路と有機EL素子40とを含んでいる。
【0014】
画素回路は、例えば、一対の電源端子間で有機EL素子40と直列に接続された駆動制御素子(図示せず)及び出力制御スイッチ20と、画素スイッチ(図示せず)とを含んでいる。駆動制御素子は、その制御端子が画素スイッチを介して映像信号線(図示せず)に接続されており、映像信号線から供給される映像信号に対応した大きさの電流を出力制御スイッチ20を介して有機EL素子40へ出力する。また、画素スイッチの制御端子は走査信号線(図示せず)に接続されており、走査信号線から供給される走査信号によりスイッチング動作が制御される。なお、これら画素には、他の構造を採用することも可能である。
【0015】
基板10上には、アンダーコート層12として、例えば、SiNx層とSiOx層とが順次積層されている。アンダーコート層12上には、例えばチャネル及びソース・ドレインが形成されたポリシリコン層である半導体層13、例えばTEOS(TetraEthyl OrthoSilicate)などを用いて形成され得るゲート絶縁膜14、及び例えばMoWなどからなるゲート電極15が順次積層されており、それらはトップゲート型の薄膜トランジスタ(以下、TFTという)を構成している。この例では、これらTFTは、画素スイッチ、出力制御スイッチ20、駆動制御素子のTFTとして利用している。また、ゲート絶縁膜14上には、ゲート電極15と同一の工程で形成可能な走査信号線(図示せず)がさらに配置されている。
【0016】
ゲート絶縁膜14及びゲート電極15は、例えばプラズマCVD法などにより成膜されたSiOxなどからなる層間絶縁膜17で被覆されている。層間絶縁膜17上にはソース・ドレイン電極21が配置されており、それらは、例えばSiNxなどからなるパッシベーション膜18で埋め込まれている。ソース・ドレイン電極21は、例えば、Mo/Al/Moの三層構造を有しており、層間絶縁膜17に設けられたコンタクトホールを介してTFTのソース・ドレインに電気的に接続されている。また、層間絶縁膜17上には、ソース・ドレイン電極21と同一の工程で形成可能な映像信号線(図示せず)がさらに配置されている。
【0017】
パッシベーション膜18上には、絶縁性の下地層19が形成されている。下地層19の材料としては、例えば樹脂などを使用することができる。
【0018】
下地層19の有機EL素子40との対向面は、各々が順テーパ状の断面形状を有する複数の凸部を含んでいる。なお、「順テーパ状の断面形状を有する凸部」とは、膜面に垂直な一断面を見た場合に、下方から上方に向けて幅が減少している凸部を意味する。図1では、これら凸部の断面は、それぞれ曲線を有しており、下地層19の上面に略正弦波形状を生じさせている。
【0019】
下地層19の凸部は、典型的には、下地層19をその膜面に垂直な方向から観察した場合に周期構造を形成するように設ける。例えば、これら凸部は、下地層19をその膜面に垂直な方向から観察した場合に、三角格子又は正方格子などのような二次元配列構造を形成するように設ける。
【0020】
下地層19上には、反射層70が配置されている。反射層70の上面は、下地層19の上面に沿った形状を有している。すなわち、反射層70の上面は、各々が順テーパ状の断面形状を有する複数の凸部を含んでいる。図1では、これら凸部は、それぞれ曲面を有しており、反射層70の上面に略正弦波形状を生じさせている。反射層70の材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム−ネオジムなどのアルミニウム合金、銀及び銀合金などを使用することができる。
【0021】
下地層19及び反射層70上には、平坦化層60が形成されている。平坦化層60は、有機EL素子40に平坦な下地を提供する。平坦化層60の材料としては、例えば、シリコーン樹脂やアクリル樹脂などの透明な樹脂を使用することができる。
【0022】
平坦化層60上には、光透過性の第1電極41が互いから離間して並置されている。各第1電極41は、反射層70と向き合うように配置されている。また、各第1電極41は、パッシベーション膜18、下地層19、平坦化層60に設けた貫通孔を介して、ドレイン電極21に接続されている。
【0023】
第1電極41は、この例では陽極である。第1電極41の材料としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)のような透明導電性酸化物を使用することができる。
【0024】
平坦化層60上には、さらに、隔壁絶縁層50が配置されている。この隔壁絶縁層50には、第1電極41に対応した位置に貫通孔が設けられている。隔壁絶縁層50は、例えば、有機絶縁層であり、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。
【0025】
隔壁絶縁層50の貫通孔内で露出した第1電極41上には、発光層を含んだ有機物層42が配置されている。発光層は、例えば、発光色が赤色、緑色、または青色のルミネセンス性有機化合物を含んだ薄膜である。この有機物層42は、発光層以外の層をさらに含むことができる。例えば、有機物層42は、第1電極41から発光層への正孔の注入を媒介する役割を果たすバッファ層をさらに含むことができる。また、有機物層42は、正孔輸送層、ブロッキング層、電子輸送層、電子注入層などもさらに含むことができる。
【0026】
隔壁絶縁層50及び有機物層42は、光透過性の第2電極43で被覆されている。第2電極43は、この例では、各画素共通に連続して設けられた陰極である。第2電極43は、パッシベーション膜18、下地層19、平坦化層60、隔壁絶縁層50に設けられたコンタクトホール(図示せず)を介して、映像信号線と同一の層上に形成された電極配線に電気的に接続されている。それぞれの有機EL素子40は、これら第1電極41、有機物層42及び第2電極43で構成されている。
【0027】
この有機EL表示装置1では、通常、水分や酸素などとの接触により有機EL素子40が劣化するのを防止するために、缶封止又は保護膜封止を行う。また、この有機EL表示装置1では、通常、有機EL素子40の前面側に偏光板を配置する。
【0028】
ところで、発光層が放出する光の一部は、有機EL表示装置1の前面側の何れかの界面で全反射される。この光の一部は、各構成要素の屈折率を適宜設定すれば、第1電極41と平坦化層60との界面を透過する。以下、この光を全反射光という。
【0029】
反射層70の上面が平坦面であり且つ第1電極41の下面と平行である場合、発光層が放出する光が第1電極41から平坦化層60に入射するときの屈折角と、この光が反射層70によって反射されて平坦化層60から第1電極41に入射するときの入射角とは互いに等しい。そのため、先の全反射光は、有機EL表示装置1の内部に閉じ込められる。
【0030】
これに対し、図1の有機EL表示装置1では、反射層70の上面は、各々が順テーパ状の断面形状を有する複数の凸部を含んでいる。そのため、発光層が放出する光が第1電極41から平坦化層60に入射するときの屈折角と、この光が反射層70によって反射されて平坦化層60から第1電極41に入射するときの入射角とを異ならしめることができる。したがって、先の全反射光の少なくとも一部を、有機EL表示装置1の外部へと取り出すことが可能となる。すなわち、高い光の取り出し効率を実現することができる。
【0031】
また、このように反射層70の反射面を第1電極41の下面に対して傾けることにより光の進行方向を変える場合、回折を利用する場合とは異なり、有機EL表示装置1を出射する光の指向性が過剰に高くなることがない。特に、図1の有機EL表示装置1では、反射層70の反射面は曲面を含んでいるので、反射層70は光散乱層としての機能を発揮する。すなわち、この有機EL表示装置1は、視角特性に優れている。
【0032】
さらに、上記の効果は、反射層70の上面に生じさせる凸部の寸法や間隔を小さくしなくても得ることができる。これについて、図2を参照しながら説明する。
【0033】
図2は、図1の有機EL表示装置1の一部を拡大して示す断面図である。
図2の構造では、反射層70の上面は正弦波形状を有している。この構造では、先の正弦波の振幅(H2−H1)/2の2倍,すなわち凸部の高さH2−H1,と平坦化層60の屈折率nとの積が光の波長λの1/4である場合に、回折効果が最大となる。例えば、屈折率nが1.5であり、波長λが0.53μmである場合、高さH2−H1を約0.09μmとすると、回折効果が最大となる。
【0034】
この回折効果は、高さH2−H1が、最大の回折効果を与える値の5倍以上であれば、殆ど得られない。すなわち、上記の例では、高さH2−H1が約0.5μm以上の場合、回折効果は殆ど得られない。したがって、回折効果を利用して光の取り出し効率を高めるには、高さH2−H1を約0.5μmよりも十分に小さくする必要がある。
【0035】
また、回折によって光の進行方向を変える効果は、凸部のピッチ,すなわち正弦波の波長,Lと波長λとを用いると、sin-1(λ/L)として与えられる。例えば、波長λが0.53μmであり、ピッチLが約3μmである場合を考えると、回折角は10°程度に過ぎない。
【0036】
これに対し、反射層70の反射面の傾きを利用して光の取り出し効率を高める場合、反射面の傾き角,すなわち高さH2−H1とピッチLとの比,を適宜設定すれば、高さH2−H1やピッチLのそれぞれに特に制限はない。すなわち、反射層70を安価に形成できる程度に、高さH2−H1やピッチLを大きくすることができる。例えば、振幅高さH2−H1を0.5μm以上とすることやピッチLを3μm以上とすることができる。
【0037】
例えば、反射層70として厚さ50nmのAl又はAl合金層を形成し、第1電極41としてITO層を形成し、第2電極42としてMgAg層とITO層との積層体を形成する場合を考える。このとき、ピッチLを6μm、第1電極41と反射層70との厚さ方向の距離の最小値H1及び最大値H2をそれぞれ1.5μm及び3.0μm(高さH2−H1=1.5μm)とすると、反射層70が平坦である場合に閉じ込められていた光の約50%を有機EL素子40の前面側に取り出すことができる。
【0038】
振幅(H2−H1)/2とピッチLとの比(H2−H1)/2Lは、例えば、0.1乃至0.5程度とする。この場合、光の取り出し効率を高める効果が大きい。
【0039】
また、第1電極41と反射層70との厚さ方向の距離の最小値H1と最大値H2との比H1/H2は、例えば、0.5未満とする。比H1/H2が大きい場合、平坦化層60は、有機EL素子40に平坦な下地を提供する役割を果たすことが難しくなる可能性がある。
【0040】
上記の通り、図1の有機EL表示装置1では、振幅(H2−H1)/2やピッチLを大きくすることができる。したがって、この有機EL表示装置1の製造には、以下の方法を利用することができる。
【0041】
図3乃至図6は、図1の有機EL表示装置の製造に利用可能な方法の一例を概略的に示す断面図である。図2には、下地層19及び反射層70の形成方法を示している。
【0042】
この方法では、まず、図3に示すように、パッシベーション膜18上に、感光性樹脂層19を形成する。次いで、この感光性樹脂層19に対し、光透過性基板101上に遮光体パターン102を形成してなるフォトマスク100を介して、例えば紫外線などのエネルギー線を照射する。
【0043】
その後、感光性樹脂層19を現像する。これにより、図4に示すように、複数の樹脂部からなる樹脂パターン19を得る。
【0044】
次に、樹脂パターン19を加熱して、樹脂部のリフローを生じさせる。樹脂パターン19の加熱温度及び加熱時間を適宜設定すると、図5に示すように、表面に各々が順テーパ状の断面形状を有する複数の凸部が設けられた下地層19が得られる。
【0045】
その後、例えば、スパッタリング法などにより、図6に示すように、下地層19上に反射層70を形成する。
【0046】
この方法では、回折格子を形成する通常の方法とは異なり、図4の樹脂パターン19は、エッチングマスクとして使用しない。代わりに、図4の樹脂パターン19をリフローさせることにより、図5に示すように、表面に凸部が設けられた下地層19を形成し、この上に反射層70を成膜する。また、上記の通り、振幅(H2−H1)/2やピッチLを大きくすることができるので、リフローによる図4の構造から図5の構造の変化を、容易且つ高精度に制御することができる。したがって、この方法によると、表面に凸部が設けられた反射層70を容易に形成することができる。
【0047】
上記態様では、反射層70の表面に各々が順テーパ状の断面形状を有する複数の凸部を生じさせたが、その代わりに、反射層70の表面に各々が順テーパ状の断面形状を有する複数の凹部を生じさせてもよい。なお、「順テーパ状の断面形状を有する凹部」とは、膜面に垂直な一断面を見た場合に、上方から下方に向けて幅が減少している凹部を意味する。このような反射層70は、例えば、図4に示した複数の樹脂部からなる樹脂パターン19の代わりに、格子状の樹脂パターン19が得られるように図3を参照しながら説明した工程を実施することにより得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一態様に係る有機EL表示装置を概略的に示す断面図。
【図2】図1の有機EL表示装置1の一部を拡大して示す断面図。
【図3】図1の有機EL表示装置の製造に利用可能な方法の一例を概略的に示す断面図。
【図4】図1の有機EL表示装置の製造に利用可能な方法の一例を概略的に示す断面図。
【図5】図1の有機EL表示装置の製造に利用可能な方法の一例を概略的に示す断面図。
【図6】図1の有機EL表示装置の製造に利用可能な方法の一例を概略的に示す断面図。
【符号の説明】
【0049】
1…有機EL表示装置、10…絶縁基板、12…アンダーコート層、13…半導体層、14…ゲート絶縁膜、15…ゲート電極、17…層間絶縁膜、18…パッシベーション膜、19…下地層、20…出力制御スイッチ、21…ソース・ドレイン電極、40…有機EL素子、41…第1電極、42…有機物層、43…第2電極、50…隔壁絶縁層、60…平坦化層、70…反射層、100…フォトマスク、101…光透過性基板、102…遮光体パターン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性の背面電極と、前記背面電極と向き合った光透過性の前面電極と、前記背面電極と前記前面電極との間に介在すると共に発光層を含んだ有機物層とを備えた有機EL素子と、
前記背面電極と向き合った反射層と、
前記反射層と前記有機EL素子との間に介在した光透過性の平坦化層とを具備し、
前記反射層の前記有機EL素子との対向面は、略一定のピッチで配列すると共に各々が順テーパ状の断面形状を有する複数の凸部又は凹部を含み、
前記凸部の高さ又は前記凹部の深さは0.5μm以上であり、前記ピッチは3μm以上であり、
前記反射層の一断面を見た場合に、前記反射層の前記有機EL素子との対向面は略正弦波形状を有していることを特徴とする有機EL表示装置。
【請求項2】
前記背面電極と前記反射層との厚さ方向の距離の最小値H1と最大値H2との比H1/H2は0.5未満であることを特徴とする請求項1に記載の有機EL表示装置。
【請求項3】
前記反射層の材料は、アルミニウム、アルミニウム合金、銀及び銀合金からなる群より選択されることを特徴とする請求項1に記載の有機EL表示装置。
【請求項4】
光透過性の背面電極と、前記背面電極と向き合った光透過性の前面電極と、前記背面電極と前記前面電極との間に介在すると共に発光層を含んだ有機物層とを備えた有機EL素子と、
前記背面電極と向き合った反射層と、
前記反射層と前記有機EL素子との間に介在した光透過性の平坦化層とを具備し、
前記反射層の前記有機EL素子との対向面は、各々が順テーパ状の断面形状を有する複数の凸部又は凹部を含んだことを特徴とする有機EL表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−107745(P2006−107745A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−288414(P2004−288414)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(302020207)東芝松下ディスプレイテクノロジー株式会社 (2,170)
【Fターム(参考)】