説明

有機EL装置及びその製造方法

【課題】ノズル間の液滴吐出量のばらつきを高精度に補正しつつ、不定形な発光を抑制することのできる有機EL装置を提案する。
【解決手段】有機EL装置は、複数の画素10−1,10−2を備える。各画素10−1,10−2は、三原色に対応する三つの副画素を有している。各副画素は、三原色に対応する光を発光する有機EL素子を有している。隣接する二つの画素10−1,10−2の同一色に対応する二つの副画素10G−1,10G−2は、二つの副画素10G−1,10G−2のそれぞれが有する有機EL素子の液状の構成材料に対して撥液性の隔壁41に囲われており、有機EL素子を駆動するための回路素子は、有機EL素子からの光の進行方向から見て隔壁41と平面的に重なる位置に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフルカラー表示用の有機EL装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL素子は、電流駆動型の自発光素子であるため、バックライトが不要となる上に、低消費電力、高視野角、高コントラスト比が得られるメリットがあり、フラットパネルディスプレイの開発において期待されている。有機EL素子は、陽極と陰極との間に介在する発光層を備えており、順バイアス電流の供給を受けて陽極から注入された正孔と陰極から注入された電子とが再結合する際の再結合エネルギーにより自発光する。有機発光層の形成材料としては、注入した正孔と電子が内部を移動し再結合し、最高占有軌道と最低非占有軌道とのエネルギーレベル差に応じた発光を行うことが可能な材料であればよく、低分子材料及び高分子材料の何れも用いることができる。ここで、低分子とは、構造中に重合による繰り返し部分を有さない分子であることを意味し、高分子とは、繰り返し分子構造を有する重合体のことを意味する。低分子材料は剛直な骨格を有する分子が多く、有機溶媒に対する溶解性が低いものが多いため、低分子の有機発光層の形成には、蒸着法のような気相法が好適に用いられる。一方、高分子材料は、有機溶媒に対する溶解性が比較的高いものが多いため、高分子の有機発光層の形成には、液滴吐出法等の液相法が好適に用いられる。液滴吐出法では、発光層の構成材料を溶媒に分散又は溶解させた液滴を各画素に塗布し、これを乾燥させることで発光層を形成できる。例えば、特許文献1には、赤副画素、緑副画素、及び青副画素のそれぞれを液滴吐出法で塗り分けて形成する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−208254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、液滴吐出法で有機EL装置を製造する場合、ノズル間の液滴吐出量のばらつきに起因する画素間での液滴充填量にばらつきが生じ、筋状の濃淡ムラ(スジムラ)の原因になっていた。ノズル間の液滴吐出量のばらつきを補正するための方法として、例えば、複数の画素を一つの充填単位として設定し、複数のノズルから一つの充填単位へ吐出される液滴の充填量の合計が均一になるように補正する方法が知られている。このような補正方法では、一つの充填単位に液滴を吐出するノズルの数が多い程、補正の分解能を高めることができる。同一規格であれば、パネルサイズが大きくなる程、解像度が粗くなり、画素のサイズも大きくなる。画素のサイズが大きくなれば、一画素あたりに使用できるノズル数が多くなるため、より高分解能な補正が可能になる。ところが、将来的には、30インチ以下のクラスにおけるFHD規格や3D化に伴い、画素の高解像度化が見込まれており、大画面パネルの生産において十分な品質が得られた従来の補正方法では、今後、その品質を維持することが困難になることが懸念される。
【0005】
また、有機EL素子の発光を基板側から取り出すボトムエミッション方式では、ノズル間の液滴吐出量のばらつきを補正するために、複数の画素を一つの隔壁で囲む構造を採用すると、有機EL素子を駆動するためのトランジスタ等の回路素子の配置場所によっては、有機EL素子からの光が遮蔽されてしまい、不定形な発光が生じるという問題が生じる。
【0006】
そこで、本発明は、ノズル間の液滴吐出量のばらつきを高精度に補正しつつ、不定形な発光を抑制することのできる有機EL装置及びその製造方法を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明に係わる有機EL装置は、複数の画素を備え、各画素は、三原色に対応する三つの副画素を有しており、各副画素は、三原色に対応する光を発光する有機EL素子を有しており、隣接する二つの画素の同一色に対応する二つの副画素は、二つの副画素のそれぞれが有する有機EL素子の液状の構成材料に対して撥液性の隔壁に囲われており、有機EL素子を駆動するための回路素子は、有機EL素子からの光の進行方向から見て隔壁と平面的に重なる位置に形成されている。
【0008】
斯かる画素構造によれば、隣接する二つの画素の同一色に対応する二つの副画素は、有機EL素子の液状の構成材料の一つの充填単位として、隔壁に囲われているため、一つの充填単位あたりに使用できる液滴吐出装置のノズル数を増やすことができ、ノズル間の液滴吐出量のばらつきを高分解能で補正することができる。また、有機EL素子を駆動するための回路素子は、有機EL素子の光の進行方向から見て隔壁と平面的に重なる位置に形成されているため、有機EL素子からの光が回路素子によって遮蔽されることを回避し、不定形な発光を抑制できる。
【0009】
有機EL装置は、隣接する二つの画素の同一色に対応する二つの副画素の隣り合う画素電極の間の段差を埋めるための薄膜を更に備えるのが好ましい。これにより、液滴吐出法により形成される有機EL素子の発光層が段差部分で段切れして電気的な短絡を招いたり、或いは薄くなって発光輝度の低下を招いたりすることを抑制できる。
【0010】
本発明に係わる有機EL装置の製造方法では、液状の構成材料は、液滴吐出法により吐出され膜形成される。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係わる有機EL装置によれば、ノズル間の液滴吐出量のばらつきを高精度に補正しつつ、不定形な発光を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1に係わる有機EL装置の回路構成図である。
【図2】実施例1に係わる画素構造の平面図である。
【図3】図2の3−3線矢視断面図である。
【図4】実施例1に係わる画素構造の断面図である。
【図5】実施例2に係わる画素構造の平面図である。
【図6】図5の6−6線矢視断面図である。
【図7】実施例2に係わる画素構造の断面図である。
【図8】実施例3に係わる電子機器の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、各図を参照しながら本発明に関わる実施例について説明する。同一符号の部材は同一の部材を示すものとして重複する説明を省略する。
【実施例1】
【0014】
図1は実施例1に係るフルカラー表示用の有機EL装置11の回路構成図である。有機EL装置11には、走査線駆動回路16に接続する複数の走査線12と、信号線駆動回路15に接続するとともに、各走査線12に交差する方向に延在する複数の信号線13と、各信号線13に並行に延在する複数の電源線14とがそれぞれ配線されている。走査線12と信号線13とが交差する箇所には、走査線12からの走査信号がそのゲート端子に供給されるスイッチングトランジスタ21と、スイッチングトランジスタ21がオン状態のときにスイッチングトランジスタ21を介して信号線13から供給される画素信号を保持する保持容量22と、保持容量22の電位がそのゲート端子に供給される駆動トランジスタ23と、駆動トランジスタ23がオン状態のときに駆動トランジスタ23を介して電源線14に接続する有機EL素子27が配置されている。有機EL素子27は、画素電極(陽極)24と共通電極(陰極)25との間に機能層26を備えている。機能層26は、電子輸送層/発光層/正孔輸送層/正孔注入層の積層構造を有している。
【0015】
上述の回路構成により、走査線12から走査信号がスイッチングトランジスタ21のゲート端子に供給されてスイッチングトランジスタ21がオン状態になると、信号線13から保持容量22に画素信号が供給される。駆動トランジスタ23のオン/オフ状態は、保持容量22の電位に応じて定まり、駆動トランジスタ23がオン状態になると、電源線14から駆動トランジスタ23のチャネルを介して有機EL素子27に駆動電流が流れる。有機EL素子27は、駆動電流に応じた輝度で発光する。
【0016】
次に、図2乃至図4を参照しながら実施例1に係わる有機EL装置11の画素構造について説明する。図2は画素構造の平面図を示し、図3は図2の3−3線矢視断面図を示し、図4は画素構造の断面図を示す。但し、説明の便宜上、図2及び図3では、機能層26及び共通電極25の図示を省略している。なお、実施例1では、有機EL装置11は、有機EL素子27の発光を基板側から取り出すボトムエミッション方式を採用する。また、有機EL素子27の機能層26は、液滴吐出装置60を用いて、公知の液滴吐出法により成膜されるものとする。
【0017】
図2に示すように、隣接する二つ一組の画素10−1,10−2が二方向(図2に示す例では、X方向及びY方向)に沿って、一定のピッチで配列している。画素10−1は、三原色に対応する副画素として、緑副画素10G−1、赤副画素10R−1、及び青副画素10B−1を備えている。同様に、画素10−2は、三原色に対応する副画素として、緑副画素10G−2、赤副画素10R−2、及び青副画素10B−2を備えている。各副画素は、三原色に対応する光を発光する有機EL素子27を備えている。また、符号24G−1、24R−1、24B−1は、それぞれ、緑副画素10R−1の画素電極、赤副画素10G−1の画素電極、青副画素10B−1の画素電極を示す。同様に、符号24G−2、24R−2、24B−2は、それぞれ、緑副画素10R−2の画素電極、赤副画素10G−2の画素電極、青副画素10B−2の画素電極を示す。画素電極24R−1、24G−1、24B−1、24R−2、24G−2、24B−2を特に区別する必要がないときは、単に、画素電極24と称する。
【0018】
液滴吐出装置60は、機能層26の構成材料を溶媒に分散又は溶解させた液滴を各ノズル61から吐出し、これを乾燥させることで機能層26を成膜する。液滴吐出法によれば、微細なパターニングを簡便にかつ短時間で行うことができる。また、吐出量の増減による膜厚の調整や濃度調整による発色バランス、輝度等の発光能を容易かつ自由に制御することができる。液滴吐出装置60は、例えば、電気機械変換方式、帯電制御方式、加圧振動方式、電気熱変換方式、又は静電吸引方式等により微小な液滴を高解像度に吐出できるものが好ましい。
【0019】
隣接する二つの画素10−1,10−2の同一色に対応する二つの副画素は、機能層26の液状の構成材料を充填する一つの単位としてグループ化されており、隔壁41によってその周囲が囲われている。具体的には、二つ一組の緑副画素10G−1,10G−2と、二つ一組の赤副画素10R−1,10R−2と、二つ一組の青副画素10B−1,10B−2は、それぞれ緑色、赤色、及び青色用の機能層26の液状の構成材料を充填する一つの単位として設定されている。また、液滴吐出装置60により各画素を塗り分けるために、隣接する画素の同一色の副画素は、一方向(図2に示す例では、X方向)に配列している。このように、二つ一組の副画素を一つにまとめて、機能層26の液状の構成材料を充填する一つの単位とすることで、一つの副画素を充填単位とする場合に比較して、一つの充填単位あたりに使用できるノズル数を増やせるため、補正の分解能を高めることができる。
【0020】
例えば、図3に示すように、二つ一組の緑副画素10G−1,10G−2は、一つの充填単位として、その周囲が隔壁41によって囲われている。隔壁41によって囲われた開口部41Aには、二つ一組の画素電極24G−1,24G−2が表面に露出している。各画素電極24G−1,24G−2は、光透過性基板51に成膜された層間絶縁膜52の表面に形成されており、層間絶縁膜52に開口するコンタクトホール52Aを通じて、層間絶縁膜52に埋め込み形成された駆動トランジスタ23等の回路素子に接続している。有機EL素子27からの光の進行方向を−Z方向とすると、コンタクトホール52Aは、±Z方向から見て隔壁41と平面的に重なる位置に形成されている。図3には図示されていないが、駆動トランジスタ23以外の回路素子(例えば、スイッチングトランジスタ21、保持容量22、走査線12、信号線13、及び電源線14)も層間絶縁膜52に埋め込み形成されており、これらの回路素子も同様に±Z方向から見て隔壁41と平面的に重なる位置に形成されている。このような構造により、有機EL素子27からの光が回路素子によって遮蔽されることを回避できる。
【0021】
なお、図2を参照すると、隣接する二つの画素10−1,10−2の同一色に対応する二つの副画素に形成される二つのコンタクトホール52Aは、隣接する二つの副画素の間を中心として対称的な位置に配置される。
【0022】
隔壁41の材質は、適度な耐熱性及び耐溶剤性を有する絶縁膜が好ましく、例えば、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、オレフィン樹脂、メラミン樹脂等の高分子材料、ポリシラザン、ポリシロキサン等を含有した有機・無機ハイブリッド材料等が好適である。隔壁41の形成方法としては、リソグラフィ法や印刷法等、任意の方法を用いることができる。例えば、リソグラフィ法を使用する場合は、スピンコート、スプレーコート、ロールコート、ダイコート、ディップコート等所定の方法で、隔壁41の構成材料からなる層を形成した後、エッチングやアッシング等によりパターニングすればよい。
【0023】
図4は、図3に示す画素構造に機能層26及び陰極25を形成した断面構造を示している。機能層26は、正孔注入層31、正孔輸送層32、発光層33、及び電子輸送層34を積層した構造を有している。発光層33は、有機化合物からなる高分子有機化合物や低分子有機化合物であることが好ましい。有機化合物を使用することにより、低電圧で高輝度の面発光を可能にすることができる。また、発光材料の幅広い選択により発光層33の合理的設計が可能となる。有機発光層材料としては、高分子有機化合物そのもの、又は加熱等により共役化する共役高分子有機化合物の前駆体や低分子化合物等が用いられる。共役化する前の前駆体や低分子化合物を発光材料として用いる場合には、液滴吐出装置60の吐出液として表面張力や粘度等の調整が容易であり、精密なパターニングが可能で、発光層33の発光特性や膜性状を容易に制御することができる。
【0024】
発光層33を形成し得る有機化合物としては、例えばPPV(ポリ(パラ−フェニレンビニレン))又はその誘導体、PTV(ポリ(2,5-チエニレンビニレン))等のポリアルキルチオフェン、PFV(ポリ(2,5-フリレンビニレン))、ポリパラフェニレン、ポリアルキルフルオレン等のポリアリレンビニレン、ピラゾリンダイマー、キノリジンカルボン酸、ベンゾピリリウムパークロレート、ベンゾピラノキノリジン、ルブレン、フェナントロリンユウロピウム錯体等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0025】
また、正孔注入層31、正孔輸送層32、及び電子輸送層34として、それぞれ、PEDOT−TSS、TFB、及びPBDを使用すればよい。また、隔壁41の表面は、例えばフッ素プラズマ処理等により、機能層26の液状材料に対して撥液性が付与されているものや、フォトリソグラフィにより形成された時点で撥液性が付与されている隔壁であることが好ましい。一方、画素電極24の表面は、例えば酸素プラズマ処理やUVオゾン処理により、機能層26の液状材料に対して親液性を有しているのが好ましい。これにより、二つ一組にグループ化された副画素への液滴の着弾性能を高め、混色や充填不良等を抑制できる。なお、撥液性とは、液滴との接触角が相対的に大きい性質を意味し、親液性とは、液滴との接触角が相対的に小さい性質を意味する。接触角は、プラズマ処理時の印加電圧、印加周波数、処理時間、処理ガス分圧等、またUVオゾン処理時の酸素分圧や処理時間、UV種や照度によって調整可能である。
【0026】
実施例1によれば、隣接する二つの画素10−1,10−2の同一色に対応する二つの副画素は、機能層26の液状の構成材料の一つの充填単位として、隔壁41に囲われているため、一つの充填単位あたりに使用できる液滴吐出装置60のノズル数を増やすことができ、ノズル61間の液滴吐出量のばらつきを高分解能で補正することができる。例えば、液滴吐出装置60のノズル61の解像度が360ppiの場合、画素ピッチが60ppiよりも高精細になると、一つの副画素を一つの充填単位とする従来技術では一つの充填単位に使用できるノズル数が、ノズル間液滴吐出量ばらつきの高分解能な補正が困難な程度に減ってしまう問題が生じるが、実施例1によれば、一つの充填単位あたりに使用できるノズル数を、ノズル間液滴吐出量ばらつきの高分解能な補正に十分な数にできるため、ノズル間の液滴吐出量のばらつきを高分解能に補正することができる。
【0027】
また、実施例1によれば、有機EL素子27を駆動するための回路素子は、有機EL素子27からの光の進行方向から見て隔壁41と平面的に重なる位置に形成されているため、有機EL素子27からの光が回路素子によって遮蔽されることを回避し、不定形な発光を抑制できる。
【実施例2】
【0028】
次に、図5乃至図7を参照しながら実施例2に係わる有機EL装置11の画素構造について説明する。図5は画素構造の平面図を示し、図6は図5の6−6線矢視断面図を示し、図7は画素構造の断面図を示す。但し、説明の便宜上、図5及び図6では、機能層26及び共通電極25の図示を省略している。また、図7は、図6に示す画素構造に機能層26及び陰極25を形成した断面構造を示している。実施例2に係わる有機EL装置11は、隣接する二つの画素10−1,10−2の同一色に対応する二つの副画素の隣り合う画素電極24の間の段差を埋めるための薄膜42を備える点で実施例1に係わる有機EL装置11と相違し、その余の点で共通している。薄膜42は、例えば、シリコン酸化膜等の無機絶縁膜をリソグラフィ法によりパターニングして得られ、その表面には、例えば酸素プラズマ処理等によって機能層26の液状材料に対して親液性が付与されている。隣り合う二つの画素電極24の間の段差を埋めるための薄膜24を形成することにより、液滴吐出法により形成される発光層33が段差部分で段切れして電気的な短絡を招いたり、或いは薄くなって発光輝度の低下を招いたりすることを抑制できる。
【実施例3】
【0029】
実施例3に係わる電子機器は、実施例1,2に係わる有機EL装置11を表示部500として備える。電子機器の例として、例えば図9に示すように、携帯電話530、ビデオカメラ540、テレビジョン550、ロールアップ式テレビジョン560等を挙げることができる。
図9(A)に示すように、携帯電話530は、アンテナ部531、音声出力部532、音声入力部533、操作部534、及び表示部500を備える。
図9(B)に示すように、ビデオカメラ540は、受像部541、操作部542、音声入力部543、及び表示部500を備える。
図9(C)に示すように、テレビジョン550は、表示部500を備える。
図9(D)に示すように、ロールアップ式テレビジョン560は、表示部500を備える。
【0030】
なお、実施例3に係わる電子機器の例としては、上述の他、例えば、表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、電子手帳、電光掲示板、宣伝広告用ディスプレイ等がある。
【符号の説明】
【0031】
10−1…画素領域 10−2…画素領域 10R−1…赤副画素 10R−2…赤副画素 10G−1…緑副画素 10G−2…緑副画素 10B−1…青副画素 10B−2…青副画素 11…有機EL装置 12…走査線 13…信号線 14…電源線 15…信号線駆動回路 16…走査線駆動回路 21…スイッチングトランジスタ 22…保持容量 23…駆動トランジスタ 24R−1…画素電極 24R−2…画素電極 24G−1…画素電極 24G−2…画素電極 24B−1…画素電極 24B−2…画素電極 25…共通電極 26…機能層 27…有機EL素子 31…正孔注入層 32…正孔輸送層 33…発光層 34…電子輸送層 41…隔壁 41A…開口部 42…薄膜 51…基板 52…層間絶縁膜 52A…コンタクトホール 60…液滴吐出装置 61…ノズル 500…表示部 530…携帯電話 531…アンテナ部 532…音声出力部 533…音声入力部 534…操作部 540…ビデオカメラ 541…受像部 542…操作部 543…音声入力部 550…テレビジョン 560…ロールアップ式テレビジョン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を備える有機EL装置であって、
各画素は、三原色に対応する三つの副画素を有しており、
各副画素は、三原色に対応する光を発光する有機EL素子を有しており、
隣接する二つの画素の同一色に対応する二つの副画素は、前記二つの副画素のそれぞれが有する有機EL素子の液状の構成材料に対して撥液性の隔壁に囲われており、
前記有機EL素子を駆動するための回路素子は、前記有機EL素子からの光の進行方向から見て前記隔壁と平面的に重なる位置に形成されている、有機EL装置。
【請求項2】
請求項1に記載の有機EL装置であって、
前記同一色に対応する二つの副画素の隣り合う画素電極の間の段差を埋めるための薄膜を更に備える、有機EL装置。
【請求項3】
請求項1乃至請求項2のうち何れか1項に記載の有機EL装置の製造方法であって、前記液状の構成材料は液滴吐出法により吐出され膜形成されることを特徴とする有機EL装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−8563(P2013−8563A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140621(P2011−140621)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】