説明

有機EL装置及び電子機器

【課題】従来の有機EL装置では、表示品位を向上させることが困難である。
【解決手段】Rの光を発光し、X方向に沿って配列された第1発光素子及び第2発光素子と、Gの色の光を発光し、Y方向に沿って配列された第3発光素子、第4発光素子及び第5発光素子と、Bの色の光を発光し、Y方向に沿って配列された第6発光素子及び第7発光素子とを有し、第4発光素子は第1発光素子と第2発光素子との間に配置されており、第6発光素子は第3発光素子と第4発光素子との間に配置されており、第7発光素子は第4発光素子と第5発光素子との間に配置されており、第1発光素子、第2発光素子、第3発光素子、第4発光素子及び第5発光素子が各々有する発光層は、塗布法によって形成されており、第6発光素子及び第7発光素子が各々有する発光層は、蒸着法またはスピンコート法によって形成されていることを特徴とする有機EL装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL装置及び電子機器等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の色の色ごとに発光色が分類される複数種の画素を有する有機EL(Electro Luminescence)装置において、複数種の画素のうちの一部の種類の画素の発光層が、この一部の種類の画素と他の種類の画素とを含む複数種の画素間にわたって設けられた構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−153967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1には、発光色が赤、緑及び青の3つに分類される3種類の画素を有する有機EL装置が記載されている。この有機EL装置は、赤色の光を発する発光層が設けられた画素(以下、赤色画素と呼ぶ)と、緑色の光を発する発光層が設けられた画素(以下、緑色画素と呼ぶ)と、青色の光を発する発光層が設けられた画素(以下、青色画素と呼ぶ)と、の3種類の画素を有している。
特許文献1によれば、赤色の光を発する発光層(以下、赤色発光層と呼ぶ)と、緑色の光を発する発光層(以下、緑色発光層と呼ぶ)とは、それぞれ、インクジェット法によって画素ごとにパターニングされる。そして、青色の光を発する発光層(以下、青色発光層と呼ぶ)は、この青色発光層が設けられるべき画素を含む3種類の画素間にわたって、赤色発光層及び緑色発光層上にも形成される。これにより、有機EL装置におけるフルカラー表示が実現され得る。
【0005】
ここで、上記特許文献1に記載された有機EL装置では、次に記す製造方法が採用され得る。
この製造方法では、上記の各色の発光層は、図15(a)に示す基板801に形成される。基板801には、隔壁803が設けられている。隔壁803は、赤色画素の領域805、緑色画素の領域807及び青色画素の領域809のそれぞれを、画素ごとに区画している。
この製造方法では、領域805及び領域807のそれぞれに、図15(b)に示すように、液状体811a及び液状体813aのそれぞれを配置する。液状体811aには、赤色発光層を構成する有機材料が含まれている。液状体813aには、緑色発光層を構成する有機材料が含まれている。液状体811a及び液状体813aの配置には、液滴吐出ヘッド815を利用したインクジェット法が活用され得る。
【0006】
液滴吐出ヘッド815から液状体811aや液状体813aなどを液滴811bや液滴813bとして吐出する技術は、インクジェット技術と呼ばれる。そして、インクジェット技術を活用して液状体811aや液状体813aなどを所定の位置に配置する方法は、インクジェット法と呼ばれる。このインクジェット法は、塗布法の1つである。
次いで、液状体811a及び液状体813aのそれぞれを乾燥させることによって、図15(c)に示す赤色発光層821及び緑色発光層823が形成され得る。
次いで、図15(d)に示すように、基板801に蒸着法で青色発光層825を形成する。これにより、領域809に青色発光層825が形成され得る。
上記の製造方法により、フルカラー表示を行うことができる有機EL装置が製造され得る。
【0007】
ところで、上記の基板801では、液状体811aや液状体813aの乾燥において、赤色発光層821や緑色発光層823の膜厚が、図16に示すように、偏りやすい。
有機EL装置では、発光層の厚みが画素の領域内でばらつくと、画素の領域内での輝度がばらつきやすい。つまり、発光層の厚みが画素の領域内でばらつくと、発光層の厚みに応じて、画素の領域内で輝度の高低差が発生しやすい。
上記の基板801では、赤色発光層821や緑色発光層823の膜厚が偏りやすいので、領域805及び領域807のそれぞれにおいて、輝度の高い部位が偏りやすい。このことは、表示品位の低下につながりやすい。
つまり、従来の有機EL装置では、表示品位を向上させることが困難であるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現され得る。
【0009】
[適用例1]第1の色の光を発光し、第1方向に沿って配列された第1発光素子及び第2発光素子と、前記第1の色とは異なる第2の色の光を発光し、前記第1方向と交差する第2方向に沿って配列された第3発光素子、第4発光素子及び第5発光素子と、前記第1の色及び前記第2の色とは異なる第3の色の光を発光し、前記第2方向に沿って配列された第6発光素子及び第7発光素子と、を有し、前記第4発光素子は前記第1発光素子と前記第2発光素子との間に配置されており、前記第6発光素子は前記第3発光素子と前記第4発光素子との間に配置されており、前記第7発光素子は前記第4発光素子と前記第5発光素子との間に配置されており、前記第1発光素子、前記第2発光素子、前記第3発光素子、前記第4発光素子及び前記第5発光素子が各々有する発光層は、塗布法によって形成されており、前記第6発光素子及び前記第7発光素子が各々有する発光層は、蒸着法またはスピンコート法によって形成されていることを特徴とする有機EL装置。
【0010】
この適用例の有機EL装置は、第1発光素子及び第2発光素子と、第3発光素子、第4発光素子及び第5発光素子と、第6発光素子及び第7発光素子と、を有している。
第1発光素子及び第2発光素子は、第1の色の光を発光する。第1発光素子及び第2発光素子は、第1方向に沿って配列されている。
第3発光素子、第4発光素子及び第5発光素子は、第1の色とは異なる第2の色の光を発光する。第3発光素子、第4発光素子及び第5発光素子は、第1方向と交差する第2方向に沿って配列されている。
第6発光素子及び第7発光素子は、第1の色及び第2の色とは異なる第3の色の光を発光する。第6発光素子及び第7発光素子は、第2方向に沿って配列されている。
この有機EL装置では、第4発光素子は、第1発光素子と第2発光素子との間に配置されている。第6発光素子は、第3発光素子と第4発光素子との間に配置されている。第7発光素子は、第4発光素子と第5発光素子との間に配置されている。
そして、第1発光素子、第2発光素子、第3発光素子、第4発光素子及び第5発光素子が各々有する発光層は、塗布法によって形成されている。また、第6発光素子及び第7発光素子が各々有する発光層は、蒸着法またはスピンコート法によって形成されている。
【0011】
この有機EL装置では、第1方向において、第4発光素子は、第1発光素子及び第2発光素子によって挟まれている。このため、第4発光素子の発光層を塗布法で形成するときに、塗布された発光層の材料は、第1発光素子及び第2発光素子のそれぞれの発光層の材料によって第1方向に挟まれる。これにより、第4発光素子の発光層の材料の両端部において、材料の乾燥状態をそろえやすくすることができる。この結果、第1方向において、第4発光素子の発光層の膜厚を両端部でそろえやすくすることができる。このため、第1方向において、第4発光素子の発光層の膜厚を対称にしやすくすることができる。
他方で、第4発光素子は、第6発光素子及び第7発光素子によって第2方向に挟まれている。このため、第4発光素子の発光層を塗布法で形成するときに、塗布された発光層の材料は、第6発光素子及び第7発光素子のそれぞれの領域によって第2方向に挟まれる。これにより、第4発光素子の発光層の材料の両端部において、材料の乾燥状態をそろえやすくすることができる。この結果、第2方向において、第4発光素子の発光層の膜厚を両端部でそろえやすくすることができる。このため、第2方向において、第4発光素子の発光層の膜厚を対称にしやすくすることができる。
つまり、この有機EL装置では、第1方向及び第2方向のそれぞれにおいて、第4発光素子の発光層の膜厚が対称になりやすい。この結果、この有機EL装置では、第1方向及び第2方向のそれぞれにおいて、発光素子の発光領域内での輝度の分布が対称になりやすい。従って、この有機EL装置では、表示品位を向上させやすくすることができる。
【0012】
[適用例2]第1の色の光を発光し、第1方向に沿って配列された第1発光素子及び第2発光素子と、前記第1の色とは異なる第2の色の光を発光し、前記第1方向と交差する第2方向に沿って配列された第3発光素子、第4発光素子及び第5発光素子と、前記第1の色及び前記第2の色とは異なる第3の色の光を発光し、前記第1方向に沿って配列された第6発光素子及び第7発光素子と、を有し、前記第4発光素子は前記第1発光素子と前記第2発光素子との間に配置されており、前記第6発光素子は前記第1発光素子と前記第4発光素子との間に配置されており、前記第7発光素子は前記第4発光素子と前記第2発光素子との間に配置されており、前記第1発光素子、前記第2発光素子、前記第3発光素子、前記第4発光素子及び前記第5発光素子が各々有する発光層は、塗布法によって形成されており、前記第6発光素子及び前記第7発光素子が各々有する発光層は、蒸着法またはスピンコート法によって形成されていることを特徴とする有機EL装置。
【0013】
この適用例の有機EL装置は、第1発光素子及び第2発光素子と、第3発光素子、第4発光素子及び第5発光素子と、第6発光素子及び第7発光素子と、を有している。
第1発光素子及び第2発光素子は、第1の色の光を発光する。第1発光素子及び第2発光素子は、第1方向に沿って配列されている。
第3発光素子、第4発光素子及び第5発光素子は、第1の色とは異なる第2の色の光を発光する。第3発光素子、第4発光素子及び第5発光素子は、第1方向と交差する第2方向に沿って配列されている。
第6発光素子及び第7発光素子は、第1の色及び第2の色とは異なる第3の色の光を発光する。第6発光素子及び第7発光素子は、第1方向に沿って配列されている。
この有機EL装置では、第4発光素子は、第1発光素子と第2発光素子との間に配置されている。第6発光素子は、第1発光素子と第4発光素子との間に配置されている。第7発光素子は、第4発光素子と第2発光素子との間に配置されている。
そして、第1発光素子、第2発光素子、第3発光素子、第4発光素子及び第5発光素子が各々有する発光層は、塗布法によって形成されている。また、第6発光素子及び第7発光素子が各々有する発光層は、蒸着法またはスピンコート法によって形成されている。
【0014】
この有機EL装置では、第2方向において、第4発光素子は、第3発光素子及び第5発光素子によって挟まれている。このため、第4発光素子の発光層を塗布法で形成するときに、塗布された発光層の材料は、第3発光素子及び第5発光素子のそれぞれの発光層の材料によって第2方向に挟まれる。これにより、第4発光素子の発光層の材料の両端部において、材料の乾燥状態をそろえやすくすることができる。この結果、第2方向において、第4発光素子の発光層の膜厚を両端部でそろえやすくすることができる。このため、第2方向において、第4発光素子の発光層の膜厚を対称にしやすくすることができる。
他方で、第4発光素子は、第6発光素子及び第7発光素子によって第1方向に挟まれている。このため、第4発光素子の発光層を塗布法で形成するときに、塗布された発光層の材料は、第6発光素子及び第7発光素子のそれぞれの領域によって第1方向に挟まれる。これにより、第4発光素子の発光層の材料の両端部において、材料の乾燥状態をそろえやすくすることができる。この結果、第1方向において、第4発光素子の発光層の膜厚を両端部でそろえやすくすることができる。このため、第1方向において、第4発光素子の発光層の膜厚を対称にしやすくすることができる。
つまり、この有機EL装置では、第1方向及び第2方向のそれぞれにおいて、第4発光素子の発光層の膜厚が対称になりやすい。この結果、この有機EL装置では、第1方向及び第2方向のそれぞれにおいて、発光素子の発光領域内での輝度の分布が対称になりやすい。従って、この有機EL装置では、表示品位を向上させやすくすることができる。
【0015】
[適用例3]上記の有機EL装置であって、前記第1発光素子と前記第4発光素子との間の間隔は、前記第4発光素子と前記第2発光素子との間の間隔と略等しく、前記第3発光素子と前記第4発光素子との間の間隔は、前記第4発光素子と前記第5発光素子との間の間隔と略等しいことを特徴とする有機EL装置。
【0016】
この適用例の有機EL装置では、第1発光素子と第4発光素子との間の間隔が、第4発光素子と第2発光素子との間の間隔と略等しく、第3発光素子と第4発光素子との間の間隔が、第4発光素子と第5発光素子との間の間隔と略等しいので、第1方向及び第2方向のそれぞれにおいて、第4発光素子の発光層の膜厚が対称になりやすい。この結果、この有機EL装置では、第1方向及び第2方向のそれぞれにおいて、発光素子の発光領域内での輝度の分布が対称になりやすい。従って、この有機EL装置では、表示品位を向上させやすくすることができる。
【0017】
[適用例4]上記の有機EL装置であって、前記第1の色の光を発光し、前記第1発光素子を間に挟むと共に、前記第2方向に沿って配列された第8発光素子及び第9発光素子を有し、前記第1発光素子と前記第4発光素子との間の間隔は、前記第4発光素子と前記第2発光素子との間の間隔と略等しく、前記第3発光素子と前記第4発光素子との間の間隔は、前記第4発光素子と前記第5発光素子との間の間隔と略等しく、前記第8発光素子と前記第1発光素子との間の間隔は、前記第1発光素子と前記第9発光素子との間の間隔と略等しく、前記第6発光素子は、前記第8発光素子と前記第1発光素子との間にも配置されており、前記第7発光素子は、前記第1発光素子と前記第9発光素子との間にも配置されていることを特徴とする有機EL装置。
【0018】
この適用例の有機EL装置は、第8発光素子及び第9発光素子を有している。第8発光素子及び第9発光素子は、第1の色の光を発光する。第8発光素子及び第9発光素子は、第1発光素子を間に挟んで、第2方向に沿って配列されている。
この有機EL装置では、第1発光素子と第4発光素子との間の間隔が、第4発光素子と第2発光素子との間の間隔と略等しく、第3発光素子と第4発光素子との間の間隔が、第4発光素子と第5発光素子との間の間隔と略等しく、第8発光素子と第1発光素子との間の間隔が、第1発光素子と第9発光素子との間の間隔と略等しい。
また、この有機EL装置では、第6発光素子が第8発光素子と第1発光素子との間にも配置されており、第7発光素子が第1発光素子と第9発光素子との間にも配置されている。このため、この有機EL装置では、第2方向において、第1発光素子の発光層の膜厚を対称にしやすくすることができる。
【0019】
[適用例5]上記の有機EL装置であって、前記第6発光素子が有する発光層と前記第7発光素子が有する発光層とは、連続していることを特徴とする有機EL装置。
【0020】
[適用例6]上記の有機EL装置であって、前記第6発光素子が有する発光層及び前記第7発光素子が有する発光層は蒸着法によって形成されており、前記第6発光素子が有する発光層は、前記第7発光素子が有する発光層と分離していることを特徴とする有機EL装置。
【0021】
[適用例7]上記の有機EL装置であって、前記第3の色は青系の色であることを特徴とする有機EL装置。
【0022】
[適用例8]上記の有機EL装置を有する、ことを特徴とする電子機器。
【0023】
この適用例の電子機器は、有機EL装置を有している。この有機EL装置では、第1方向及び第2方向のそれぞれにおいて、発光層の膜厚が対称になりやすい。このため、この有機EL装置では、第1方向及び第2方向のそれぞれにおいて、発光素子の発光領域内での輝度の分布が対称になりやすい。従って、この有機EL装置では、表示品位を向上させやすくすることができる。
そして、この電子機器は、表示品位を向上させやすくすることができる有機EL装置を有している。このため、この電子機器では、有機EL装置における表示品位を向上させやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態における表示装置を示す斜視図。
【図2】図1中のA−A線における断面図。
【図3】本実施形態における複数の画素の一部を示す平面図。
【図4】第1実施形態における表示装置の回路構成を示す図。
【図5】図3(b)中のD−D線における断面図。
【図6】第1実施形態での素子基板の製造工程を説明する図。
【図7】第1実施形態での素子基板の製造工程を説明する図。
【図8】第1実施形態での素子基板の製造工程を説明する図。
【図9】図8(a)中のE部の拡大図。
【図10】図9中のF−F線における断面図。
【図11】第2実施形態での素子基板の製造工程を説明する図。
【図12】第2実施形態での素子基板の製造工程を説明する図。
【図13】第3実施形態における複数の画素の一部を示す平面図。
【図14】本実施形態における表示装置を適用した電子機器の斜視図。
【図15】従来技術を説明する図。
【図16】従来技術を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
実施形態について、電子機器の1つである有機EL装置を利用した表示装置を例に、図面を参照しながら説明する。
本実施形態における表示装置1は、図1に示すように、素子基板3と、封止基板5と、を有している。素子基板3と封止基板5とは、互いに対向している。
表示装置1では、素子基板3の封止基板5側とは反対側の面である表示面7に、画像などを表示することができる。
【0026】
ここで、表示装置1には、複数の複合画素9が設定されている。複数の複合画素9は、表示領域11内で、図中のX方向及びY方向に配列しており、X方向を行方向とし、Y方向を列方向とするマトリクスMを構成している。X方向及びY方向は、平面視で互いに交差(直交)する方向である。本実施形態では、X方向は、後述する走査線が延在する方向でもある。また、Y方向は、後述する信号線が延在する方向でもある。
表示装置1は、複数の複合画素9から選択的に表示面7を介して表示装置1の外に光を射出することで、表示面7に画像などを表示する。なお、表示領域11とは、画像が表示され得る領域である。図1では、構成をわかりやすく示すため、複合画素9が誇張され、且つ複合画素9の個数が減じられている。
【0027】
表示装置1において、封止基板5は、図1中のA−A線における断面図である図2に示すように、素子基板3側とは反対側の面である底面13を有している。
素子基板3には、底面13側すなわち封止基板5側に、後述する有機EL素子などが設けられている。なお、表示装置1において、表示面7と底面13とは、互いに表裏の関係にある。
【0028】
封止基板5は、素子基板3よりも底面13側で素子基板3に対向した状態で設けられている。素子基板3と封止基板5とは、接着剤16を介して接合されている。表示装置1では、有機EL素子は、接着剤16によって底面13側から覆われている。
また、素子基板3と封止基板5との間は、表示装置1の周縁よりも内側で表示領域11を囲むシール材17によって封止されている。つまり、表示装置1では、有機EL素子と接着剤16とが、素子基板3及び封止基板5並びにシール材17によって封止されている。
【0029】
ここで、表示装置1における複数の複合画素9は、図3(a)に示すように、複数の複合画素列21と、複数の複合画素行23とを構成している。
本実施形態では、Y方向に沿って並ぶ複数の複合画素9が、1つの複合画素列21を構成している。また、X方向に沿って並ぶ複数の複合画素9が、1つの複合画素行23を構成している。複合画素列21では、複数の複合画素9がY方向に略等間隔に並んでいる。また、複合画素列21では、複数の複合画素9がX方向に略等間隔に並んでいる。
複合画素9は、図3(a)中のC部の拡大図である図3(b)に示すように、複数の画素25(本実施形態では、3つの画素25)を包含している。1つの複合画素9における複数の画素25は、射出する光の色が相互に異なる。
【0030】
本実施形態では、複合画素9において、複数の画素25は、それぞれ、表示面7から射出する光の色が、赤系(R)、緑系(G)及び青系(B)のうちの1つに設定されている。複合画素9は、射出する光の色が相互に異なる3種類の画素25を包含している。つまり、複合画素9を構成する複数の画素25は、Rの光を射出する画素25Rと、Gの光を射出する画素25Gと、Bの光を射出する画素25Bとを含んでいる。
なお、以下においては、画素25という表記と、画素25R、画素25G及び画素25Bという表記とが、適宜、使いわけられる。
【0031】
ここで、Rの色は、純粋な赤の色相に限定されず、橙等を含む。Gの色は、純粋な緑の色相に限定されず、青緑や黄緑等を含む。Bの色は、純粋な青の色相に限定されず、青紫や青緑等を含む。他の観点から、Rの色を呈する光は、光の波長のピークが、可視光領域で570nm以上の範囲にある光であると定義され得る。また、Gの色を呈する光は、光の波長のピークが500nm〜565nmの範囲にある光であると定義され得る。Bの色を呈する光は、光の波長のピークが415nm〜495nmの範囲にある光であると定義され得る。
【0032】
本実施形態では、X方向に沿って並ぶ複数の画素25が、図3(b)に示すように、1つの画素行27を構成している。1つの複合画素行23は、画素行27Sと画素行27Pとの2つの画素行27を包含している。画素行27Sを構成する複数の画素25は、射出する光の色がR、G及びBのうちの1つに統一されている。つまり、画素行27Sを構成する複数の画素25は、画素25R、画素25G及び画素25Bのうちの1つの種類に統一されている。本実施形態では、画素行27Sを構成する複数の画素25は、画素25Bに統一されている。画素行27Sでは、複数の画素25BがX方向に沿って並んでいる。
【0033】
他方で、画素行27Pを構成する複数の画素25は、画素25R、画素25G及び画素25Bのうちの残りの2つの種類を含んでいる。本実施形態では、画素行27Pを構成する複数の画素25は、画素25Rと、画素25Gとを含んでいる。画素行27Pでは、画素25Rと画素25Gとが、X方向に沿って交互に並んでいる。
そして、本実施形態では、画素行27Sと画素行27Pとが、Y方向に交互に並んでいる。
【0034】
本実施形態では、画素25Bは、X方向の長さがY方向の長さよりも長い。つまり、画素25Bは、X方向に延在している。これに対し、画素25R及び画素25Gは、それぞれ、Y方向の長さがX方向の長さよりも長い。つまり、画素25R及び画素25Gは、それぞれ、Y方向に延在している。本実施形態では、画素25B、画素25R及び画素25Gのそれぞれの領域は、相互に略同じ面積に設定されている。これにより、画素25から射出される光の量を、画素25B、画素25R及び画素25Gの間で略同等にすることができる。しかしながら、画素25B、画素25R及び画素25Gのそれぞれの領域は、相互に略同じ面積であることに限定されず、相互に異なる面積であったり、いずれか1つだけが他の2つと異なる面積であったりしてもよい。
【0035】
ところで、複合画素9の領域は、平面視で四辺形を呈している。本実施形態では、複合画素9の領域は、略正方形に設定されている。
本実施形態では、複合画素9の領域内において、3つの画素25は、画素25Bを起点として時計回りの方向に画素25B、画素25G及び画素25Rの順に配置されている。しかしながら、3つの画素25の配置順は、これに限定されず、例えば、画素25Bを起点として時計回りの方向に画素25B、画素25R及び画素25Gの配置順も採用され得る。この配置順では、図3(b)に示す画素25Rと画素25Gとが互いに入れ替わった配置となる。
【0036】
X方向に隣り合う2つの画素25Bの間隔は、画素行27Sにわたって略等間隔に設定されている。また、Y方向に隣り合う2つの複合画素9間で、Y方向に並ぶ2つの画素25Bの間隔は、複合画素列21にわたって略等間隔に設定されている。
他方で、X方向に隣り合う画素25Rと画素25Gとの間隔は、画素行27Pにわたって略等間隔に設定されている。また、Y方向に隣り合う2つの複合画素9間で、Y方向に並ぶ2つの画素25Rの間隔は、複合画素列21にわたって略等間隔に設定されている。同様に、Y方向に隣り合う2つの複合画素9間で、Y方向に並ぶ2つの画素25Gの間隔も、複合画素列21にわたって略等間隔に設定されている。
【0037】
表示装置1は、回路構成を示す図である図4に示すように、画素25ごとに、選択トランジスター31と、駆動トランジスター33と、容量素子35と、有機EL素子37とを有している。有機EL素子37は、画素電極39と、有機層41と、共通電極43とを有している。選択トランジスター31及び駆動トランジスター33は、それぞれ、TFT(Thin Film Transistor)素子で構成されており、スイッチング素子としての機能を有する。なお、以下において、画素25R、画素25G及び画素25Bごとに有機EL素子37が識別される場合には、有機EL素子37R、有機EL素子37G及び有機EL素子37Bという表記が使われる。このとき、画素25Rにおける有機EL素子37が有機EL素子37Rに対応し、画素25Gにおける有機EL素子37が有機EL素子37Gに対応し、画素25Bにおける有機EL素子37が有機EL素子37Bに対応する。
また、表示装置1は、走査線駆動回路45と、信号線駆動回路47と、複数の走査線GTと、複数の信号線SIと、複数の電源線PWとを有している。
【0038】
複数の走査線GTは、それぞれ走査線駆動回路45につながっており、Y方向に互いに間隔をあけた状態でX方向に延びている。
複数の信号線SIは、それぞれ信号線駆動回路47につながっており、X方向に互いに間隔をあけた状態でY方向に延びている。
複数の電源線PWは、Y方向に互いに間隔をあけた状態で、且つ各電源線PWと各走査線GTとがY方向に間隔をあけた状態でX方向に延びている。
【0039】
各画素25は、各走査線GTと各信号線SIとの交差に対応して設定されている。各走査線GT及び各電源線PWは、それぞれ、図3(b)に示す各画素行27に対応している。また、各信号線SIは、Y方向に並ぶ画素25Rの列、及びY方向に並ぶ画素25Gの列のそれぞれに対応して設けられている。
図4に示す各選択トランジスター31のゲート電極は、対応する各走査線GTに電気的につながっている。各選択トランジスター31のソース電極は、対応する各信号線SIに電気的につながっている。各選択トランジスター31のドレイン電極は、各駆動トランジスター33のゲート電極及び各容量素子35の一方の電極に電気的につながっている。
本実施形態では、画素25Bにおける選択トランジスター31のソース電極が、画素25Rに対応する信号線SIにつながっている。しかしながら、画素25Bにおける選択トランジスター31のソース電極は、画素25Gに対応する信号線SIにつながっていてもよい。
【0040】
容量素子35の他方の電極と、駆動トランジスター33のソース電極は、それぞれ、対応する各電源線PWに電気的につながっている。
各駆動トランジスター33のドレイン電極は、各画素電極39に電気的につながっている。各画素電極39と共通電極43とは、画素電極39を陽極とし、共通電極43を陰極とする一対の電極を構成している。
ここで、共通電極43は、マトリクスMを構成する複数の画素25間にわたって一連した状態で設けられており、複数の画素25間にわたって共通して機能する。
各画素電極39と共通電極43との間に介在する有機層41は、有機材料で構成されており、後述する発光層を含んだ構成を有している。
【0041】
選択トランジスター31は、この選択トランジスター31につながる走査線GTに選択信号が供給されるとON状態となる。このとき、この選択トランジスター31につながる信号線SIからデータ信号が供給され、駆動トランジスター33がON状態になる。駆動トランジスター33のゲート電位は、データ信号の電位が容量素子35に一定の期間だけ保持されることによって、一定の期間だけ保持される。これにより、駆動トランジスター33のON状態が一定の期間だけ保持される。なお、各データ信号は、階調表示に応じた電位に生成される。
【0042】
駆動トランジスター33のON状態が保持されているときに、駆動トランジスター33のゲート電位に応じた電流が、電源線PWから画素電極39と有機層41を経て共通電極43に流れる。そして、有機層41に含まれる発光層が、有機層41を流れる電流量に応じた輝度で発光する。これにより、表示装置1では、階調表示が行われ得る。
表示装置1は、有機層41に含まれる発光層が発光し、発光層からの光が素子基板3を介して表示面7から射出されるボトムエミッション型の有機EL装置の1つである。なお、表示装置1では、表示面7側という表現が上側とも表現され、底面13側という表現が下側とも表現される。
【0043】
ここで、素子基板3及び封止基板5のそれぞれの構成について、詳細を説明する。
素子基板3は、図3(b)中のD−D線における断面図である図5に示すように、第1基板51と、素子層53と、を有している。素子層53は、駆動素子層55を含んでいる。
なお、図5では、構成をわかりやすく示すため、図4に示す選択トランジスター31、駆動トランジスター33、容量素子35、走査線GT、信号線SI及び電源線PWが省略されている。選択トランジスター31、駆動トランジスター33、容量素子35、走査線GT、信号線SI及び電源線PWは、駆動素子層55に含まれている。
【0044】
第1基板51は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料で構成されており、底面13側に向けられた第1面52aと、表示面7側に向けられた第2面52bと、を有している。
駆動素子層55は、第1基板51の第1面52aに設けられている。
駆動素子層55の底面13側には、画素電極39が設けられている。画素電極39の材料としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やインジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide)などが採用され得る。本実施形態では、画素電極39の材料としてITOが採用されている。
【0045】
隣り合う画素電極39同士の間には、各画素25を区画する絶縁膜(第1隔壁)57が設けられている。絶縁膜57は、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、アクリル系の樹脂などの光透過性を有する材料で構成されている。絶縁膜57は、平面視で、表示領域11にわたって、各画素25の領域が開口した網目状に設けられている。このため、表示領域11は、絶縁膜57によって複数の画素25の領域に区画されている。1つの画素25に着目すると、絶縁膜57は、平面視で環状に設けられている。なお、各画素電極39は、絶縁膜57によって囲まれた各画素25の領域に平面視で重なっている。本実施形態では、絶縁膜57の材料として酸化シリコンが採用されている。
【0046】
絶縁膜57の底面13側には、各画素25の領域を囲む絶縁膜(第2隔壁)59が設けられている。絶縁膜59は、例えば、カーボンブラックやクロムなどの光吸収性が高い材料を含有するアクリル系の樹脂やポリイミド樹脂などの有機材料で構成されており、平面視で絶縁膜57に沿って網目状に設けられている。1つの画素25に着目すると、絶縁膜59は、平面視で各画素25の領域を囲んでいる。このため、絶縁膜59は、画素25ごとに環状に設けられているとみなされ得る。本実施形態では、絶縁膜59の材料としてアクリル系の樹脂が採用されている。
【0047】
画素電極39の底面13側には、有機層41が設けられている。
有機層41は、各画素25に対応して設けられており、正孔注入層61と、発光層65と、を有している。
正孔注入層61は、有機材料で構成されており、画素25ごとに、画素電極39の底面13側に設けられている。
正孔注入層61の有機材料としては、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体と、ポリスチレンスルホン酸(PSS)等との混合物が採用され得る。正孔注入層61の有機材料としては、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレンやこれらの誘導体なども採用され得る。本実施形態では、正孔注入層61の有機材料として、PEDOTとPSSとの混合物が採用されている。
【0048】
発光層65は、有機材料で構成されており、画素25R、画素25G及び画素25Bごとに異なる構成を有している。
ここで、以下において、発光層65がR,G及びBごとに識別される場合には、発光層65R、発光層65G及び発光層65Bという表記が使われる。発光層65Rは、Rの光を発する発光層65である。同様に、発光層65GがGの光を発する発光層65であり、発光層65BがBの光を発する発光層65である。
画素25Rに対応する有機層41Rは、発光層65Rと発光層65Bとを有している。
画素25Gに対応する有機層41Gは、発光層65Gと発光層65Bとを有している。
画素25Bに対応する有機層41Bは、発光層65Bを有している。
【0049】
画素25Rにおいて、発光層65Rは、正孔注入層61の底面13側に設けられている。発光層65Rは、平面視で各画素電極39に重なる領域に設けられている。本実施形態では、各画素25Rにおいて、発光層65Rは、正孔注入層61を底面13側から覆っている。
発光層65Rの有機材料としては、例えば、下記化合物1が採用され得る。
【0050】
【化1】

【0051】
有機層41Rにおいて、発光層65Bは、発光層65Rの底面13側に設けられている。本実施形態では、各画素25Rにおいて、発光層65Bは、発光層65Rを底面13側から覆っている。
画素25Gにおいて、発光層65Gは、正孔注入層61の底面13側に設けられている。発光層65Gは、平面視で各画素電極39に重なる領域に設けられている。本実施形態では、各画素25Gにおいて、発光層65Gは、正孔注入層61を底面13側から覆っている。
発光層65Gの有機材料としては、例えば、下記化合物2が採用され得る。
【0052】
【化2】

【0053】
有機層41Gにおいて、発光層65Bは、発光層65Gの底面13側に設けられている。本実施形態では、各画素25Gにおいて、発光層65Bは、発光層65Gを底面13側から覆っている。
画素25Bにおいて、発光層65Bは、正孔注入層61の底面13側に設けられている。発光層65Bは、平面視で各画素電極39に重なる領域に設けられている。本実施形態では、各画素25Bにおいて、発光層65Bは、正孔注入層61を底面13側から覆っている。
発光層65Bの有機材料としては、例えば、下記化合物3が採用され得る。
【0054】
【化3】

【0055】
本実施形態では、発光層65Bは、複数の画素25間にわたって、すなわち絶縁膜59をまたいで一連した状態で設けられている。しかしながら、発光層65Bの態様は、これに限定されず、画素25ごとに個別に独立して、すなわち画素25間で途切れた状態で設けられた態様も採用され得る。
【0056】
有機層41の底面13側には、共通電極43が設けられている。本実施形態では、共通電極43は、平面視で絶縁膜57をまたいで複数の画素25間にわたって一連した状態で設けられている。
本実施形態では、共通電極43として、図示しない複数の層を積層させた構成が採用されている。本実施形態では、共通電極43を構成する複数の層には、有機層41から底面13側に向かって順にフッ化リチウム層、カルシウム層及びアルミニウム層が含まれている。
フッ化リチウム層は、フッ化リチウムを主成分とする材料で構成されている。カルシウム層は、カルシウムを主成分とする材料で構成されている。アルミニウム層は、アルミニウムを主成分とする材料で構成されている。
【0057】
なお、表示装置1では、各画素25において発光する領域は、平面視で、絶縁膜57によって囲まれた領域内で、画素電極39と有機層41と共通電極43とが重なる領域であると定義され得る。また、画素25ごとに発光する領域を構成する要素の一群が1つの有機EL素子37であると定義され得る。表示装置1では、1つの有機EL素子37は、1つの画素電極39と、1つの有機層41と、1つの画素25に対応する共通電極43とを含んだ構成を有している。
【0058】
封止基板5は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料で構成されており、表示面7側に向けられた対向面5aと、底面13側に向けられた外向面5bと、を有している。
上記の構成を有する素子基板3及び封止基板5は、素子基板3の共通電極43と封止基板5の対向面5aとの間が、接着剤16を介して接合されている。
【0059】
表示装置1では、図2に示すシール材17は、図5に示す第1基板51の第1面52aと、封止基板5の対向面5aとによって挟持されている。つまり、表示装置1では、有機EL素子37及び接着剤16が、第1基板51及び封止基板5並びにシール材17によって封止されている。なお、シール材17は、対向面5a及び共通電極43の間に設けられていてもよい。この場合、有機EL素子37及び接着剤16は、素子基板3及び封止基板5並びにシール材17によって封止されているとみなされ得る。
【0060】
ここで、表示装置1の製造方法について説明する。
表示装置1の製造方法は、素子基板3を製造する工程と、表示装置1を組み立てる工程とに大別される。
素子基板3を製造する工程では、図6(a)に示すように、まず、第1基板51の第1面52aに駆動素子層55を形成する。
次いで、駆動素子層55の底面13側に、各画素25に対応した画素電極39を形成する。
次いで、隣り合う画素電極39間に、絶縁膜57を、各画素電極39の周縁に重ねて形成する。
次いで、絶縁膜57の底面13側に絶縁膜59を形成する。
【0061】
ここで、画素電極39の形成では、例えばスパッタリング技術や真空蒸着技術などの成膜技術や、フォトリソグラフィー技術及びエッチング技術などのパターニング技術が活用され得る。画素電極39の形成では、まず、例えばスパッタリング技術や真空蒸着技術などを活用して、駆動素子層55の底面13側にITOの膜を形成する。次いで、フォトリソグラフィー技術及びエッチング技術などのパターニング技術を活用して、ITOの膜をパターニングすることによって画素電極39が形成され得る。
【0062】
絶縁膜57の形成では、CVD(Chemical Vapor Deposition)技術や、PVD(Physical Vapor Deposition)技術などの成膜技術や、フォトリソグラフィー技術及びエッチング技術などのパターニング技術が活用され得る。絶縁膜57の形成では、まず、例えばCVD技術やPVD技術などを活用して酸化シリコンの膜を形成する。次いで、フォトリソグラフィー技術及びエッチング技術などのパターニング技術を活用して、酸化シリコンの膜をパターニングすることによって絶縁膜57が形成され得る。
絶縁膜59の形成では、まず、ネガ型の感光物質を含むアクリル系の樹脂で、平面視で画素電極39及び絶縁膜57を覆う樹脂膜を形成する。この樹脂膜の形成では、スピンコート技術や印刷技術などが活用され得る。次いで、例えばフォトリソグラフィー技術を活用することによって、樹脂膜をパターニングする。これにより、絶縁膜59が形成され得る。
なお、駆動素子層55から絶縁膜59までの構成が形成された第1基板51は、以下において基板51aと呼ばれる。
【0063】
次いで、図6(b)に示すように、基板51aにプラズマ処理を施す。このプラズマ処理では、基板51aに酸素プラズマ処理を施してから、基板51aにCF4プラズマ処理を施す。基板51aに酸素プラズマ処理を施すことにより、画素電極39に後述する液状体61aに対する親液性が付与される。また、基板51aにCF4プラズマ処理を施すことにより、絶縁膜59に、後述する液状体61aに対する撥液性が付与される。
本実施形態では、処理室内を所定の真空度に保った状態で処理室内に処理ガスを導入しながら、処理室内にプラズマを発生させる方法が採用されている。本実施形態では、酸素プラズマ処理において、処理ガスとして酸素を含むガスが採用されている。また、CF4プラズマ処理において、処理ガスとして、フッ素化合物を含むガスであるCF4ガスが採用されている。なお、CF4プラズマ処理では、処理ガスは、CF4ガスに限定されず、SF6やCHF3などのハロゲンガスや、フッ素ガスなども採用され得る。
【0064】
基板51aにプラズマ処理を施す工程に次いで、図7(a)に示すように、絶縁膜59によって囲まれた各画素25の領域内に液状体61aを配置する。液状体61aには、正孔注入層61を構成する有機材料が含まれている。液状体61aの配置には、液滴吐出ヘッド71を利用したインクジェット法が活用され得る。
液滴吐出ヘッド71から液状体61aなどを液滴61bとして吐出する技術は、インクジェット技術と呼ばれる。そして、インクジェット技術を活用して液状体61aなどを所定の位置に配置する方法は、インクジェット法と呼ばれる。このインクジェット法は、塗布法の1つである。
【0065】
各画素25の領域内に配置された液状体61aを減圧乾燥法で乾燥させてから焼成を行うことによって、図7(b)に示す正孔注入層61が形成され得る。なお、液状体61aには、PEDOTとPSSとの混合物を、溶媒に溶解させた構成が採用され得る。溶媒としては、例えば、ジエチレングリコール、イソプロピルアルコール、ノルマルブタノールなどが採用され得る。
なお、減圧乾燥法は、減圧環境下で行う乾燥方法であり、真空乾燥法とも呼ばれる。また、液状体61aの焼成条件は、環境温度が約200℃で、保持時間が約15分間である。
【0066】
次いで、図7(b)に示すように、絶縁膜59によって囲まれた画素25の領域のうちの画素25R及び画素25Gの各領域に、液状体65Ra及び液状体65Gaのそれぞれを配置する。画素25Rに対しては、液滴吐出ヘッド71から液状体65Raを液滴65Rbとして吐出することで、絶縁膜59によって囲まれた領域内に液状体65Raを配置する。また、画素25Gに対しては、液滴吐出ヘッド71から液状体65Gaを液滴65Gbとして吐出することで、絶縁膜59によって囲まれた領域内に液状体65Gaを配置する。
このとき、画素25Bの領域に対しては、液状体の配置を行わない。
なお、液状体65Raの配置と、液状体65Gaの配置とは、いずれが先でも後でもかまわない。
【0067】
液状体65Raには、発光層65Rを構成する有機材料が含まれている。また、液状体65Gaには、発光層65Gを構成する有機材料が含まれている。
本実施形態では、液状体65Raとして、前述した化合物1を溶媒に溶解させた構成が採用され得る。また、液状体65Gaとして、前述した化合物2を溶媒に溶解させた構成が採用され得る。溶媒としては、それぞれ、例えば、シクロヘキシルベンゼンなどが採用され得る。
次いで、液状体65Ra及び液状体65Gaを減圧乾燥法で乾燥させる。これにより、図8(a)に示す発光層65R及び発光層65Gが形成され得る。
なお、以下において、駆動素子層55から発光層65R及び発光層65Gまでの構成が形成された第1基板51は、基板51bと呼ばれる。
【0068】
次いで、図8(b)に示すように、基板51bの底面13側に、液状体65Baで液状体膜65Bbを形成する。液状体65Baには、発光層65Bを構成する有機材料が含まれている。液状体膜65Bbは、例えばスピンコート技術を活用することにより形成され得る。なお、スピンコート技術を活用した成膜方法は、塗布法の1つである。
本実施形態では、液状体65Baとして、前述した化合物3を溶媒に溶解させた構成が採用され得る。溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール、ノルマルブタノールなどが採用され得る。本実施形態では、液状体65Baの溶媒として、イソプロピルアルコールが採用されている。
次いで、不活性ガス中で、液状体膜65Bbに加熱処理を施す。これにより、図5に示す発光層65Bが形成され得る。なお、加熱処理の条件としては、環境温度が約130℃で、保持時間が約15分間である。また、本実施形態では、不活性ガスとして窒素ガスが採用されている。
【0069】
次いで、蒸着技術などを活用して、フッ化リチウム層、カルシウム層及びアルミニウム層の順に膜を形成することにより、図5に示す共通電極43が形成され得る。
これにより、素子基板3が製造され得る。
表示装置1を組み立てる工程では、図2に示すように、素子基板3及び封止基板5を、接着剤16及びシール材17を介して接合する。
このとき、素子基板3及び封止基板5は、図5に示すように、第1基板51の第1面52aと、封止基板5の対向面5aとが向き合った状態で接合される。これにより、表示装置1が製造され得る。
【0070】
本実施形態において、表示装置1が有機EL装置に対応し、有機EL素子37が発光素子に対応し、X方向が第1方向に対応し、Y方向が第2方向に対応している。
本実施形態では、X方向に隣り合う画素25Rと画素25Gとの間隔が、画素行27Pにわたって略等間隔に設定されている。このため、画素行27P(図3(b))内で連続して並ぶ3つの画素25のうちの中央に位置する画素25では、発光層65の厚みが、図8(a)中のE部の拡大図である図9に示すように、X方向の幅の中央線81に対して対称になりやすい。
【0071】
従来、一般的な有機EL装置では、画素25R、画素25G及び画素25Bが、X方向に略等間隔で並んだ構成が多い。この構成では、複合画素9内でX方向に隣り合う画素25Rと画素25Gとの間隔と、X方向に隣り合う複合画素9間でX方向に隣り合う画素25Rと画素25Gとの間隔とが、異なる。このことは、画素25の領域内に配置された液状体65Raや液状体65Gaの乾燥状態がX方向に偏ってしまう要因の1つとなる。
このため、この構成では、発光層65の膜厚が、中央線81に対して非対称になりやすい。つまり、この構成では、発光層65の膜厚が、偏りやすい。
【0072】
これに対し、本実施形態では、X方向に隣り合う画素25Rと画素25Gとの間隔が、画素行27Pにわたって略等間隔に設定されている。このため、画素25の領域内に配置された液状体65Raや液状体65Gaの乾燥状態を、中央線81に対して対称にしやすくすることができる。この結果、本実施形態では、発光層65の厚みを中央線81に対して対称にしやすくすることができる。
【0073】
同様に、本実施形態では、Y方向に隣り合う複合画素9間で、Y方向に並ぶ2つの画素25Rの間隔と、Y方向に並ぶ2つの画素25Gの間隔とは、それぞれ、複合画素列21にわたって略等間隔に設定されている。このため、画素25Rや画素25Gでは、発光層65の厚みが、図9中のF−F線における断面図である図10に示すように、Y方向の幅の中央線83に対して対称になりやすい。これは、上述した理由と同じ理由による。
以上の結果、本実施形態では、X及びY方向のそれぞれにおいて、発光層65の膜厚が対称になりやすい。よって、本実施形態では、X方向及びY方向のそれぞれにおいて、画素25の領域内での輝度の分布が対称になりやすい。従って、本実施形態では、表示装置1における表示品位を向上させやすくすることができる。
【0074】
第2実施形態について説明する。
第2実施形態における表示装置1では、発光層65Bと共通電極43と(図5)の間に、後述する正孔阻止層及び電子輸送層が介在している。また、第2実施形態では、発光層65Bの材料及び発光層65Bの形成方法が、第1実施形態とは異なる。第2実施形態における表示装置1は、これらの点を除いては、第1実施形態における表示装置1と同様の構成を有している。従って、以下においては、重複した説明を避けるため、第2実施形態における表示装置1の構成のうち、第1実施形態における表示装置1と同一の構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第2実施形態では、発光層65Bとして、下記化合物4として示されるCBPなどのホスト材料に、下記化合物5として示されるFIrpicなどのドーパント材料を混合した材料が採用されている。
【0075】
【化4】

【0076】
【化5】

【0077】
また、発光層65Bの形成では、蒸着技術(蒸着法)が活用される。発光層65Bの形成では、図8(a)に示す基板51bの底面13側に、化合物4のホスト材料と化合物5のドーパント材料とを、共蒸着によって蒸着する。これにより、図11(a)に示す発光層65Bが形成され得る。
次いで、図11(b)に示すように、発光層65Bの底面13側に正孔阻止層87を形成する。正孔阻止層87を構成する材料としては、例えば、下記化合物6として示されるBCPなどが採用され得る。本実施形態では、蒸着法によってBCPで正孔阻止層87が形成される。
【0078】
【化6】

【0079】
次いで、図12(a)に示すように、正孔阻止層87の底面13側に電子輸送層89を形成する。電子輸送層89を構成する材料としては、例えば、下記化合物7として示されるAlq3(アルミニウムキノリノール)などが採用され得る。本実施形態では、蒸着法によってAlq3で電子輸送層89が形成される。
【0080】
【化7】

【0081】
次いで、図12(b)に示すように、電子輸送層89の底面13側に共通電極43を形成する。第2実施形態では、共通電極43として、電子輸送層89から底面13側に向かって順にフッ化リチウム層及びアルミニウム層を含む積層構成が採用されている。蒸着法によって共通電極43を形成することにより、図12(b)に示す素子基板3が製造され得る。
上記の構成を有する第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、第2実施形態において、発光層65Bを画素25Bごとに独立して設けるには、例えばマスクを用いたマスク蒸着技術が活用され得る。
【0082】
第3実施形態について説明する。
第3実施形態における表示装置1は、複合画素9における画素25の構成が異なることを除いては、第1実施形態における表示装置1と同様の構成を有している。従って、以下においては、重複した説明を避けるため、第3実施形態における表示装置1の構成のうち、第1実施形態における表示装置1と同一の構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0083】
第3実施形態では、複合画素9は、図13に示すように、4つの画素25を包含している。第3実施形態は、複合画素9が画素25R、画素25G及び画素25Bの3種類の画素25を包含している点で、第1実施形態と共通している。
第3実施形態では、複合画素9は、1つの画素25Rと、1つの画素25Gと、2つの画素25Bと、を包含している。複合画素9内において、4つの画素25は、X方向に沿って並んでいる。また、各画素25は、Y方向の長さがX方向の長さよりも長い。つまり、各画素25は、Y方向に延在している。
【0084】
画素25BのX方向における幅寸法は、画素25Rや画素25GのX方向における幅寸法よりも狭い。複合画素9内において、2つの画素25Bの面積の合計は、画素25Rの面積や、画素25Gの面積と同等に設定されている。これにより、複合画素9内において、画素25から射出される光の量を、画素25B、画素25R及び画素25Gの間で略同等にすることができる。しかしながら、複合画素9内において、2つの画素25Bの面積の合計は、画素25Rの面積や、画素25Gの面積と同等であることに限定されず、相互に異なっていてもよい。
第3実施形態では、画素25Rと画素25Gとが、X方向に、略等間隔で交互に並んでいる。そして、X方向において、画素25Rと画素25Gとの間に画素25Bが介在している。
第3実施形態では、Y方向に沿って一列に並ぶ複数の画素25が、1つの画素列91を構成している。また、X方向に沿って一列に並ぶ複数の画素25が、1つの画素行93を構成している。
【0085】
1つの画素列91内の各画素25は、光の色がR、G及びBのうちの1つに設定されている。つまり、第3実施形態では、複数の画素25RがY方向に配列した画素列91Rと、複数の画素25GがY方向に配列した画素列91Gと、複数の画素25BがY方向に配列した画素列91Bと、がある。
なお、以下においては、画素列91という表記と、画素列91R、画素列91G及び画素列91Bという表記とが、適宜、使いわけられる。
第3実施形態では、1つの複合画素行23は、1つの画素行93を包含している。また、1つの複合画素列21は、4つの画素列91を包含している。これらの4つの画素列91には、1つの画素列91Rと、1つの画素列91Gと、2つの画素列91Bと、が含まれる。
【0086】
第3実施形態は、走査線GT(図4)が画素行93(図13)に対応して設けられている点で第1実施形態と共通している。しかしながら、第3実施形態は、信号線SI(図4)が画素列91(図13)に対応して設けられている点で第1実施形態とは異なっている。
また、第3実施形態では、発光層65Bの有機材料や、表示装置1の製造方法も、第1実施形態に準じている。
上記の構成を有する第3実施形態においても、第1実施形態及び第2実施形態のそれぞれと同様の効果が得られる。なお、第3実施形態において、画素行93が発光素子配列に対応している。
【0087】
第4実施形態について説明する。
第4実施形態における表示装置1では、発光層65Bと共通電極43と(図5)の間に、正孔阻止層87及び電子輸送層89が介在している。また、第4実施形態では、発光層65Bの材料及び発光層65Bの形成方法が、第3実施形態とは異なる。第4実施形態における表示装置1は、これらの点を除いては、第3実施形態における表示装置1と同様の構成を有している。従って、以下においては、重複した説明を避けるため、第4実施形態における表示装置1の構成のうち、第3実施形態における表示装置1と同一の構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第4実施形態では、発光層65Bとして、前述した化合物4として示されるCBPなどのホスト材料に、前述した化合物5として示されるFIrpicなどのドーパント材料を混合した材料が採用されている。
【0088】
また、発光層65Bの形成では、蒸着技術(蒸着法)が活用される。発光層65Bの形成では、図8(a)に示す基板51bの底面13側に、化合物4のホスト材料と化合物5のドーパント材料とを、共蒸着によって蒸着する。これにより、発光層65Bが形成され得る。
次いで、発光層65Bの底面13側に正孔阻止層87を形成してから、正孔阻止層87の底面13側に電子輸送層89を形成する。
第4実施形態では、正孔阻止層87の材料として、化合物6として示されるBCPが採用されている。電子輸送層89の材料として、化合物7として示されるAlq3が採用されている。また、正孔阻止層87及び電子輸送層89は、それぞれ、蒸着法によって形成される。
そして、電子輸送層89の底面13側に共通電極43を形成する。共通電極43の構成及び形成方法は、第2実施形態に準じる。
上記の構成を有する第4実施形態においても、第1実施形態〜第3実施形態のそれぞれと同様の効果が得られる。
なお、第4実施形態において、発光層65Bを画素25Bごとに独立して設けるには、例えばマスクを用いたマスク蒸着技術が活用され得る。
【0089】
なお、第1実施形態〜第4実施形態では、それぞれ、表示装置1に3種類の画素25(画素25R、画素25G及び画素25B)が設定されている例が示されているが、画素25の種類は、3種類に限定されない。画素25の種類としては、画素25R、画素25G及び画素25Bの3種類に、例えば、白系の光を射出する画素25や、マゼンタ系の光を射出する画素25などを加えた4種類以上も採用され得る。
【0090】
また、第1実施形態〜第4実施形態では、それぞれ、複数の画素25が設定され、画素25ごとに有機EL素子37を有する表示装置1を例に説明したが、実施の形態はこれに限定されない。実施の形態としては、有機EL素子37を表示領域11にわたって一連した状態で設けた照明装置などの形態もある。このような照明装置は、例えば液晶表示装置などの光源に好適である。
【0091】
また、第1実施形態〜第4実施形態では、それぞれ、絶縁膜57が光透過性を有する材料で構成されているが、絶縁膜57の材料はこれに限定されない。絶縁膜57の材料としては、光吸収性が高い材料も採用され得る。絶縁膜57の材料に光吸収性が高い材料を採用すれば、隣り合う画素25同士間における遮光性が高められる。これにより、表示におけるコントラストを向上させやすくすることができ、表示品位を向上させやすくすることができる。
【0092】
また、第1実施形態〜第4実施形態では、それぞれ、有機層41からの光を素子基板3を介して表示面7から射出するボトムエミッション型の有機EL装置を例に説明したが、有機EL装置はこれに限定されない。有機EL装置は、有機層41からの光を封止基板5を介して底面13から射出するトップエミッション型も採用され得る。
トップエミッション型の場合、有機層41からの光が底面13から射出されるので、底面13側に表示面7が設定される。つまり、トップエミッション型では、表示装置1の底面13と表示面7とが入れ替わる。そして、トップエミッション型では、底面13側が上側に対応し、表示面7側が下側に対応する。
【0093】
上述した表示装置1は、例えば、図14に示す電子機器500の表示部510に適用され得る。この電子機器500は、携帯電話機である。この電子機器500は、操作ボタン511を有している。表示部510は、操作ボタン511で入力した内容や着信情報を始めとする様々な情報について表示を行うことができる。この電子機器500では、表示部510に表示装置1が適用されているので、表示部510における表示品位を向上させやすくすることができる。
【0094】
なお、電子機器500としては、携帯電話機に限られず、モバイルコンピューター、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、カーナビゲーションシステム用の表示機器などの車載機器、オーディオ機器等の種々の電子機器が挙げられる。
【符号の説明】
【0095】
1…表示装置、3…素子基板、5…封止基板、7…表示面、9…複合画素、13…底面、21…複合画素列、23…複合画素行、25…画素、27…画素行、27S…画素行、37…有機EL素子、37R,37G,37B…有機EL素子、41…有機層、41R,41G,41B…有機層、65…発光層、65R,65G,65B…発光層、65Ra,65Ga…液状体、65Rb,65Gb…液滴、65Ba…液状体、65Bb…液状体膜、71…液滴吐出ヘッド、87…正孔阻止層、89…電子輸送層、91…画素列、91R,91G,91B…画素列、93…画素行、500…電子機器、510…表示部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の色の光を発光し、第1方向に沿って配列された第1発光素子及び第2発光素子と、
前記第1の色とは異なる第2の色の光を発光し、前記第1方向と交差する第2方向に沿って配列された第3発光素子、第4発光素子及び第5発光素子と、
前記第1の色及び前記第2の色とは異なる第3の色の光を発光し、前記第2方向に沿って配列された第6発光素子及び第7発光素子と、
を有し、
前記第4発光素子は前記第1発光素子と前記第2発光素子との間に配置されており、
前記第6発光素子は前記第3発光素子と前記第4発光素子との間に配置されており、
前記第7発光素子は前記第4発光素子と前記第5発光素子との間に配置されており、
前記第1発光素子、前記第2発光素子、前記第3発光素子、前記第4発光素子及び前記第5発光素子が各々有する発光層は、塗布法によって形成されており、
前記第6発光素子及び前記第7発光素子が各々有する発光層は、蒸着法またはスピンコート法によって形成されていることを特徴とする有機EL装置。
【請求項2】
第1の色の光を発光し、第1方向に沿って配列された第1発光素子及び第2発光素子と、
前記第1の色とは異なる第2の色の光を発光し、前記第1方向と交差する第2方向に沿って配列された第3発光素子、第4発光素子及び第5発光素子と、
前記第1の色及び前記第2の色とは異なる第3の色の光を発光し、前記第1方向に沿って配列された第6発光素子及び第7発光素子と、
を有し、
前記第4発光素子は前記第1発光素子と前記第2発光素子との間に配置されており、
前記第6発光素子は前記第1発光素子と前記第4発光素子との間に配置されており、
前記第7発光素子は前記第4発光素子と前記第2発光素子との間に配置されており、
前記第1発光素子、前記第2発光素子、前記第3発光素子、前記第4発光素子及び前記第5発光素子が各々有する発光層は、塗布法によって形成されており、
前記第6発光素子及び前記第7発光素子が各々有する発光層は、蒸着法またはスピンコート法によって形成されていることを特徴とする有機EL装置。
【請求項3】
前記第1発光素子と前記第4発光素子との間の間隔は、前記第4発光素子と前記第2発光素子との間の間隔と略等しく、
前記第3発光素子と前記第4発光素子との間の間隔は、前記第4発光素子と前記第5発光素子との間の間隔と略等しいことを特徴とする請求項1または2に記載の有機EL装置。
【請求項4】
前記第1の色の光を発光し、前記第1発光素子を間に挟むと共に、前記第2方向に沿って配列された第8発光素子及び第9発光素子を有し、
前記第1発光素子と前記第4発光素子との間の間隔は、前記第4発光素子と前記第2発光素子との間の間隔と略等しく、
前記第3発光素子と前記第4発光素子との間の間隔は、前記第4発光素子と前記第5発光素子との間の間隔と略等しく、
前記第8発光素子と前記第1発光素子との間の間隔は、前記第1発光素子と前記第9発光素子との間の間隔と略等しく、
前記第6発光素子は、前記第8発光素子と前記第1発光素子との間にも配置されており、
前記第7発光素子は、前記第1発光素子と前記第9発光素子との間にも配置されていることを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置。
【請求項5】
前記第6発光素子が有する発光層と前記第7発光素子が有する発光層とは、連続していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の有機EL装置。
【請求項6】
前記第6発光素子が有する発光層及び前記第7発光素子が有する発光層は蒸着法によって形成されており、前記第6発光素子が有する発光層は、前記第7発光素子が有する発光層と分離していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の有機EL装置。
【請求項7】
前記第3の色は青系の色であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の有機EL装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の有機EL装置を有する、ことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−9093(P2011−9093A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−151906(P2009−151906)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】