説明

有糸分裂キネシン阻害剤としてのオキサジアゾール誘導体およびチアジアゾール誘導体、ならびにそれらの使用方法

本発明は、有糸分裂キネシンの阻害剤、特にKSP、およびこれらの阻害剤を生成する方法に関する。また、本発明は、本発明の阻害剤を含む薬剤組成物ならびに様々な障害の治療において阻害剤および薬剤組成物を利用する方法も提供する。一つの実施形態では、本発明は、細胞の増殖を阻害する方法を提供し、この方法は、細胞を有効量の本発明の化合物と接触させることを含む。別の実施形態では、本発明は、動物において細胞の増殖を阻害する方法を提供し、この方法は、有効量の本発明の化合物をこの動物に投与することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の優先権)
本願は、2006年10月3日に出願された米国仮特許出願第60/848,915号への優先権を主張し、この米国仮特許出願は、ぞの全体が本明細書中に参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
(先行技術の説明)
癌を治療するために使用されている治療剤には、とりわけ、微小管に作用するタキサンおよびビンカアルカロイドが存在する。微小管とは、細胞分裂から生じる2つの娘細胞のそれぞれにゲノムの複製コピーを分配することを担っている、有糸分裂紡錘体の主要な構造要素である。これらの薬物による有糸分裂紡錘体の破壊により、癌細胞の分裂の阻害および癌細胞の死の誘導がもたらされると推測されている。しかし、微小管は、神経プロセスにおける細胞内輸送のトラックを含めた、他の種類の細胞構造を形成する。タキサンおよびビンカアルカロイドなどの薬物は、有糸分裂紡錘体を特異的標的としないので、それらの有用性を制限する副作用が存在する。
【0003】
癌を治療するために使用されている薬剤の特異性の改善は、部分的には、これらの薬剤の投与に関連する副作用が軽減できれば治療上の利点の向上が実現されるので、非常に関心が持たれている。伝統的に、癌の治療における劇的な改善は、新規機構によって作用する治療剤の同定と関連している。例には、タキサンだけでなく、トポイソメラーゼI阻害剤のカンプトテシンクラスも含まれる。これらの観点の両方から、有糸分裂キネシンが新しい抗癌剤の魅力的な標的である。
【0004】
有糸分裂キネシンとは、有糸分裂紡錘体のアセンブリおよび機能に必須であるが、一般に神経プロセスなどの他の微小管構造の一部ではない酵素である。有糸分裂キネシンは、有糸分裂のすべての期の間中、重要な役割を果たす。これらの酵素は、ATPの加水分解によって放出されたエネルギーを、微小管に沿った細胞の積荷の指向性運動を駆動する機械的な力へと変換する、「分子モーター」である。有糸分裂中、キネシンは、微小管を有糸分裂紡錘体である二極構造に編成する。キネシンは、紡錘体微小管に沿った染色体の動き、および有糸分裂の特定の期に関連する有糸分裂紡錘体の構造変化を媒介する。有糸分裂キネシンの機能の実験的な撹乱により、有糸分裂紡錘体の形成異常または機能不全が引き起こされ、しばしば細胞周期停止および細胞死がもたらされる。
【0005】
同定されている有糸分裂キネシンには、とりわけ、キネシン紡錘体タンパク質(「KSP」)が存在する。KSPは、逆平行のホモ二量体からなる二極のホモ四量体へとアセンブルするプラス方向への微小管モーターの、進化的に保存されたキネシンサブファミリーに属する。有糸分裂中、KSPは有糸分裂紡錘体の微小管と会合する。ヒト細胞内にKSPに対する抗体を微量注入することにより、分裂前中期中に紡錘体の分極が防止され、これにより、単極の紡錘体が生じ、有糸分裂停止およびプログラム細胞死の誘導が引き起こされる。KSPおよび他の非ヒト生物中の関連するキネシンは、逆平行微小管を束ね、それらを互いに対してスライドさせることで、紡錘体の極を離れさせる。また、KSPは、分裂後期Bの紡錘体の伸長および紡錘体の極での微小管の集中も媒介し得る。
【0006】
したがって、有糸分裂キネシンは、新規有糸分裂化学療法剤を発見および開発するための魅力的な標的である。
【0007】
有糸分裂キネシンを阻害する化合物は知られており、たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、および特許文献5がある。
【0008】
チアジアゾールは知られており、たとえば、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、および特許文献12がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2004/111024号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2005/035512号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2006/031348号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2006/044825号パンフレット
【特許文献5】国際公開第2006/119146号パンフレット
【特許文献6】国際公開第2004/111023号パンフレット
【特許文献7】国際公開第2005/061707号パンフレット
【特許文献8】国際公開第2006/101102号パンフレット
【特許文献9】国際公開第2006/101103号パンフレット
【特許文献10】国際公開第2006/101104号パンフレット
【特許文献11】国際公開第2006/101105号パンフレット
【特許文献12】米国特許第6,235,762号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、有糸分裂キネシン、具体的には有糸分裂キネシンKSPを阻害する化合物を提供する。化合物は、治療剤として、たとえば、有糸分裂紡錘体を含めた微小管構造のアセンブリまたは機能の阻害に有用である。
【0011】
一実施形態では、本発明は、式Iの化合物:
【0012】
【化1】

またはその塩である本発明の化合物を提供し、R〜RおよびXは、本明細書中に定義した値のうちの任意のものを有する。
【0013】
別の実施形態では、本発明は、本発明の化合物および製薬上許容される担体を含む組成物を提供する。
【0014】
別の実施形態では、本発明は、前記細胞を有効量の本発明の化合物と接触させることを含む、細胞の増殖を阻害する方法を提供する。
【0015】
別の実施形態では、本発明は、有効量の本発明の化合物を動物に投与することを含む、動物において細胞の増殖を阻害する方法を提供する。
【0016】
別の実施形態では、本発明は、異常細胞を有効量の本発明の化合物と接触させることを含む、異常細胞増殖を阻害する方法を提供する。
【0017】
別の実施形態では、本発明は、有効量の本発明の化合物を動物に投与することを含む、動物において異常細胞増殖を阻害する方法を提供する。
【0018】
別の実施形態では、本発明は、1つまたは複数のキネシンを有効量の本発明の化合物と接触させることを含む、1つまたは複数のキネシンを阻害する方法を提供する。
【0019】
別の実施形態では、本発明は、有効量の本発明の化合物を動物に投与することを含む、動物において1つまたは複数のキネシンを阻害する方法を提供する。
【0020】
別の実施形態では、本発明は、有効量の本発明の化合物を動物に投与することを含む、動物において微小管媒介性状態を治療する方法を提供する。
【0021】
別の実施形態では、本発明は、有効量の本発明の化合物を動物に投与することを含む、動物において有糸分裂紡錘体の形成を阻害する方法を提供する。
【0022】
別の実施形態では、本発明は、有効量の本発明の化合物を動物に投与することを含む、動物において真菌または他の真核生物の感染症を治療する方法を提供する。
【0023】
別の実施形態では、本発明は、
a)本発明の化合物;および
b)使用説明書
を含む、異常細胞増殖状態を治療するためのキットを提供する。
【0024】
別の実施形態では、本発明は、治療で使用するための本発明の化合物を提供する。
【0025】
別の実施形態では、本発明は、動物において細胞の増殖を阻害するための医薬品の製造における、本発明の化合物の使用を提供する。
【0026】
別の実施形態では、本発明は、動物において異常細胞増殖を阻害するための医薬品の製造における、本発明の化合物の使用を提供する。
【0027】
別の実施形態では、本発明は、動物において1つまたは複数のキネシンを阻害するための医薬品の製造における、本発明の化合物の使用を提供する。
【0028】
別の実施形態では、本発明は、動物において微小管媒介性状態を治療するための医薬品の製造における、本発明の化合物の使用を提供する。
【0029】
別の実施形態では、本発明は、動物において有糸分裂紡錘体の形成を阻害するための医薬品の製造における、本発明の化合物の使用を提供する。
【0030】
別の実施形態では、本発明は、動物において真菌または他の真核生物の感染症を治療するための医薬品の製造における、本発明の化合物の使用を提供する。
【0031】
本発明のさらなる利点、他の実施形態、および新規特徴を、以下の説明中に部分的に記載する。
【発明を実施するための形態】
【0032】
定義
本明細書中で使用する用語「アルキル」とは、1〜10個の炭素原子を有する飽和の直鎖状または分枝鎖状の一価炭化水素基をいい、アルキル基は、1つまたは複数の置換基で任意選択で置換されていてもよい。アルキル基の例には、それだけには限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、3−メチルペンチル、ヘプチル、オクチルなどが含まれる。
【0033】
本明細書中で使用する用語「アルキレン」とは、1〜10個の炭素原子の直鎖状または分枝鎖状の飽和の二価炭化水素基をいい、アルキレン基は、1つまたは複数の置換基で任意選択で置換されていてもよい。アルキレン基の例には、それだけには限定されないが、メチレン、エチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、ペンチレンなどが含まれる。
【0034】
用語「アルケニル」とは、2〜10個の炭素原子および少なくとも1つの二重結合を有する直鎖状または分枝鎖状の一価炭化水素基をいい、それだけには限定されないが、エテニル、プロペニル、1−ブト−3−エニル、1−ペント−3−エニル、1−ヘキサ−5−エニルなどが含まれ、アルケニル基は、1つまたは複数の置換基で任意選択で置換されていてもよい。この用語には、「シス」および「トランス」配向、または「E」および「Z」配向を有する基も含まれる。
【0035】
用語「アルケニレン」とは、少なくとも1つの二重結合を含む2〜10個の炭素の直鎖状または分枝鎖状の二価炭化水素基をいい、アルケニレン基は、1つまたは複数の置換基で任意選択で置換されていてもよい。例には、それだけには限定されないが、エテニレン、プロペニレンなどが含まれる。
【0036】
用語「アルキニル」とは、少なくとも1つの三重結合を含む2〜10個の炭素原子の直鎖状または分枝鎖状の一価炭化水素基をいう。例には、それだけには限定されないが、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチン−2−イルなどが含まれ、アルキニル基は、1つまたは複数の置換基で任意選択で置換されていてもよい。
【0037】
用語「アルキニレン」とは、少なくとも1つの三重結合を含む2〜10個の炭素の直鎖状または分枝鎖状の二価炭化水素基をいい、アルキニレン基は、1つまたは複数の置換基で任意選択で置換されていてもよい。
【0038】
用語「動物」には、鳥および哺乳動物が含まれる(たとえば家畜哺乳動物および人間)。
【0039】
用語「シクロアルキル」とは、3〜10個の炭素原子を有する飽和または部分的に不飽和の単環の一価炭化水素基、および多環(たとえば、二環状または三環状)の一価炭化水素基、たとえば、1つまたは複数の他の飽和または部分的に不飽和の単環基と縮合した、飽和または部分的に不飽和の単環の炭化水素基をいう。シクロアルキル基の例には、それだけには限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが含まれる。シクロアルキルは、1つまたは複数の置換可能な位置において1つまたは複数の置換基で任意選択で置換されていてもよい。二環状シクロアルキルには、7〜12個の環原子が、たとえば、ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]もしくは[6,6]系として、またはビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、およびビシクロ[3.2.2]ノナンなどの架橋系として並べられているものが含まれる。
【0040】
用語「複素環」とは、N(R)、O、またはSから選択された1つまたは複数のヘテロ原子を含む3〜8員の飽和または部分的に不飽和の単環;あるいはそれから誘導された約8〜12個の環原子のオルト縮合した二環、特にベンズ−誘導体、またはそれにプロピレン、トリメチレン、もしくはテトラメチレン二価基を縮合させることによって誘導したものをいい;それぞれのRは、独立して、存在しないか、またはH、O、(C〜C)アルキル、−C(=O)(C〜C)アルキル、フェニルもしくはベンジルである。複素環の例には、それだけには限定されないが、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオキサニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、インドリニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニルイミダゾリニル、およびイミダゾリジニルが含まれる。
【0041】
用語「ヘテロアリール」とは、炭素ならびにそれぞれ非ペルオキシド酸素、硫黄、およびN(R)からなる群から選択された1〜4個のヘテロ原子からなる5または6個の環原子を含む単環の芳香環、あるいはそれから誘導された約8〜10個の環原子のオルト縮合した二環式複素環、特にベンズ−誘導体、またはそれにプロピレン、トリメチレン、もしくはテトラメチレン二価基を縮合させることによって誘導したものをいい;それぞれのRは、独立して、存在しないか、またはH、O、(C〜C)アルキル、−C(=O)(C〜C)アルキル、フェニルもしくはベンジルである。ヘテロアリール基の例には、それだけには限定されないが、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、およびフロピリジニルが含まれる。
【0042】
用語「アリール」とは、フェニル環または約9〜10個の環原子を有するオルト縮合した二環式炭素環をいい、少なくとも1つの環は、芳香族、特にベンズ−誘導体、またはそれにプロピレン、トリメチレン、もしくはテトラメチレン二価基を縮合させることによって誘導したものである。アリールの例には、フェニル、ナフチル、ジヒドロナフチル、およびテトラヒドロナフチルが含まれる。
【0043】
用語「ハロ」とは、フルオロ、ブロモ、クロロ、またはヨードをいう。
【0044】
用語「微小管媒介性状態」には、それだけには限定されないが、細胞増殖性疾患、たとえば、癌、過形成、再狭窄、心肥大、免疫障害、感染症、真菌または他の真核生物の感染症、および炎症性疾患が含まれる。
【0045】
用語「異常細胞増殖」とは、通常の制御機構と無関係の細胞増殖をいう(たとえば接触阻害の損失)。これには、それだけには限定されないが、(1)突然変異したチロシンキナーゼを発現するまたは受容体チロシンキナーゼの過剰発現によって増殖する腫瘍細胞(腫瘍);(2)異常なチロシンキナーゼ活性化が起こる、他の増殖性疾患の良性および悪性細胞;(3)受容体チロシンキナーゼによって増殖する任意の腫瘍;(4)異常なセリン/スレオニンキナーゼ活性化によって増殖する任意の腫瘍;ならびに(5)異常なセリン/スレオニンキナーゼ活性化が起こる、他の増殖性疾患の良性および悪性細胞の、異常成長が含まれる。
【0046】
用語「治療すること」には、そのような用語が適用される障害もしくは状態、またはそのような障害もしくは状態の1つもしくは複数の症状を、後退する、緩和する、その進行を阻害する、または予防することが含まれる。本明細書中で使用する用語「治療」とは、別段に指定しない限りは、直前に定義した「治療すること」の行為をいう。
本発明の化合物
一般に、本発明は、式Iの化合物
【0047】
【化2】

およびその塩に関し、
式中、
Xは、OまたはSであり;
およびRは、それぞれ独立して、アリールまたはヘテロアリールであり、前記アリールおよびヘテロアリールは、それぞれ、ハロ、シアノ、ニトロ、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アジド、−OR、−NR、−C(=O)R、−C(=O)OR、−NRC(=O)OR、−C(=O)NR、(C〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C〜C10)アルケニル、および(C〜C10)アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の基で任意選択で置換されており;
は、(C〜C10)アルキル、(C〜C10)アルケニル、(C〜C10)アルキニル、(C〜C10)シクロアルキル、NR、アリール、複素環、またはヘテロアリールであり、Rのそれぞれの(C〜C10)アルキル、(C〜C10)アルケニル、(C〜C10)アルキニル、(C〜C10)シクロアルキル、C(=NR)R、アリール、およびヘテロアリールは、1つまたは複数のRで任意選択で置換されており;
は、Z−NR−C(=NR)R、Z−NR−C(=NR)NR、Z−C(=NR)NR、Z−O−NRC(=NR)NR、Z−O−NR−C(=NR)R、Z−NR−NR−C(=NR)R、Z−O−NR、Z−O−Z−C(=NR)NR、Z−O−N=C(R、Z−NR−C(=CHR)NR、またはZ−NR−NR−C(=NR)NRであり、ただし、RがZ−O−NRC(=NR)NR、Z−O−NR−C(=NR)RまたはZ−O−NRである場合、RおよびRはORではなく;
Zは、それぞれが1つまたは複数のハロで任意選択で置換された(C〜C10)アルキレン、(C〜C10)アルケニレン、または(C〜C10)アルキニレンであり;
、R、およびRは、それぞれ独立して、H、(C〜C10)アルキル、(C〜C10)アルケニル、(C〜C10)アルキニル、(C〜C10)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環およびアリール(C〜C)アルキルから選択され、それぞれのRおよびRは、オキソ(ただし、このオキソは芳香環上にはない)、ハロ、シアノ、ニトロ、−OR、−NR、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アジド、(C〜C10)アルキル、および(C〜C10)シクロアルキルから独立して選択された1つもしくは複数の基で任意選択で置換されているか;または、任意のNRは、一緒になって複素環を形成し、前記複素環は、オキソ(ただし、このオキソは芳香環上にはない)、ハロ、シアノ、ニトロ、OR、−NR、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アジド、(C〜C10)アルキル、および(C〜C10)シクロアルキルから独立して選択された1つもしくは複数の基で任意選択で置換されているか;または、任意のNRは、一緒になって複素環を形成し、前記複素環は、1つもしくは複数のオキソ(ただし、このオキソは芳香環上にはない)、ハロ、シアノ、ニトロ、OR、−NR、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アジド、(C〜C10)アルキル、および(C〜C10)シクロアルキルで任意選択で置換されているか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成するか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成し;
は、(C〜C10)アルキル、(C〜C10)アルケニル、(C〜C10)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環またはアリール(C〜C)アルキルであり、それぞれのRは、オキソ(ただし、このオキソは芳香環上にはない)、ハロ、シアノ、ニトロ、OR、−NR、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アジド、(C〜C10)アルキル、および(C〜C10)シクロアルキルから独立して選択された1つもしくは複数の基で任意選択で置換されているか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成し;
およびRは、独立して、H、(C〜C10)アルキル、(C〜C10)アルケニル、(C〜C10)アルキニル、および(C〜C10)シクロアルキルから選択されるか;または、NRは、一緒になって複素環を形成し;
、RおよびRは、独立して、H、OR、もしくは(C〜C10)アルキルであるか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成するか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成するか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成するか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成するか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成するか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成するか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成し;
は、H、−OR、シアノ、−C(=O)N(R、−C(=O)R、あるいはハロ、シアノ、−OR、−N(R、およびアリールから独立して選択された1つもしくは複数の基で任意選択で置換された、アルキルであるか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成するか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成し;
は、Hであるか、ハロ、ニトロ、シアノ、−OR、−N(R、およびアリールから独立して選択された1つもしくは複数の基で任意選択で置換された(C〜C10)アルキルであるか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成するか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成するか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成し;
およびRは、独立して、H、−OR、C(=O)R、複素環、アリール、ヘテロアリール、(C〜C)シクロアルキル、またはハロ、シアノ、−OR、−N(R、およびアリールから独立して選択された1つもしくは複数の基で任意選択で置換された、(C〜C10)アルキルであるか;または、−NRは、一緒になって複素環を形成するか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成するか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成するか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成するか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成するか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成し;
それぞれのRは、独立して、オキソ(ただし、このオキソは窒素、酸素もしくは不飽和炭素上にはない)、ハロ、シアノ、ニトロ、アジド、−NR、−C(=O)R、−C(O)OR、−OC(=O)R、−NRC(=O)OR、−C(=O)NR、−NRC(=O)NR(OR)、−NRC(=O)NR、−NRC(NCN)NR、−OR、(C〜C10)アルキル、(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C10)アルケニル、(C〜C10)アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリール(C〜C)アルキル、ヘテロアリール(C〜C)アルキル、複素環、複素環(C〜C)アルキル、または−OP(=O)(ORであり、前記(C〜C10)アルキル、(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C10)アルケニル、(C〜C10)アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリール(C〜C)アルキル、ヘテロアリール(C〜C)アルキル、複素環および複素環(C〜C)アルキルは、オキソ(ただし、このオキソは芳香環上にはない)、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、−OR、NR、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アジド、−C(=O)R、−C(=O)OR、−OC(=O)R、−NRC(=O)OR、−C(=O)NR、−NRC(=O)NR、および−NRC(NCN)NRから独立して選択された1つまたは複数の基で任意選択で置換されており;
それぞれのRは、独立して、H、(C〜C10)アルキル、−P(=O)(OH)、アセチル、2−アミノプロパノイル、アミノアセチル、またはメトキシカルボニルであり;
それぞれのRは、独立して、(C〜C10)アルキル、(C〜C10)アルケニル、(C〜C10)アルキニル、(C〜C10)シクロアルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、−NR、−C(=O)R、またはORであり;
それぞれのRは、独立して、(C〜C10)アルキル、(C〜C10)アルケニル、(C〜C10)アルキニル、(C〜C10)シクロアルキル、アリール、もしくはアリール(C〜C)アルキルであるか;または、−C(Rは、一緒になって(C〜C10)シクロアルキルを形成する。
【0048】
式Iの化合物について、RおよびRが、それぞれ独立して、アリールまたはヘテロアリールであり、前記アリールおよびヘテロアリールが、それぞれ、ハロ、シアノ、ニトロ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アジド、−OR、−NR、−C(=O)R、−C(=O)OR、−NRC(=O)OR、−C(=O)NR、(C〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C〜C10)アルケニル、および(C〜C10)アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の基で任意選択で置換された化合物が含まれる。
【0049】
本発明の特定の化合物は、2つ以上の互変異性体として存在することができる。「互変異性体」とは、水素が同一分子内で1つの部位から別の部位に動くことによって形成される構造などの、平衡で存在し、1つの異性体から別の異性体へと容易に変換される、2つ以上の構造異性体のうちの1つである。化合物の他の互変異性体が、たとえばエノール化/脱エノール化などを介して相互交換され得る。したがって、本発明には、式Iの化合物のすべての互変異性体が含まれる。
【0050】
また、本発明の化合物は、1つまたは複数の不斉中心を保有していてもよく、したがって、そのような化合物は、個々の(R)−もしくは(S)−立体異性体またはそれらの混合物として生成することができる。別段に指摘しない限りは、明細書および特許請求の範囲中の特定の化合物の説明または名称には、それらの個々の鏡像異性体、ラセミまたはそれ以外のジアステレオマー混合物がどちらも含まれることを意図する。したがって、本発明には、化合物のジアステレオマー混合物および純粋な鏡像異性体を含めた、すべてのそのような異性体も含まれる。ジアステレオマー混合物は、当業者に知られている方法によって、たとえば、クロマトグラフィーまたは分別結晶化によって、その物理的化学的差異に基づいて、その個々のジアステレオマーへと分離することができる。鏡像異性体の混合物は、任意の適切な方法によって、たとえば、適切な光学活性化合物(たとえばアルコール)との反応によって鏡像異性体をジアステレオマー混合物に変換し、ジアステレオマーを分離し、個々のジアステレオマーを対応する純粋な鏡像異性体に変換(たとえば加水分解)することによって、分離する。立体化学を決定する方法および立体異性体を分離する方法は、当技術分野で周知である(「Advanced Organic Chemistry」、第4版の第4章、J. March、John Wiley and Sons、New York、1992年の考察を参照)。
【0051】
本発明の一実施形態では、XはSである。
【0052】
本発明の一実施形態では、Rは、ハロ、シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、−OR、−NR、−C(=O)R、−C(=O)OR、−NRC(=O)OR、−C(=O)NR、(C〜C10)アルキル、(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C10)アルケニル、および(C〜C10)アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の基で任意選択で置換されたアリールである。
【0053】
本発明の一実施形態では、Rは、ハロ、シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、−OR、−NR、−C(=O)R、−C(=O)OR、−NRC(=O)OR、−C(=O)NR、(C〜C10)アルキル、(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C10)アルケニル、および(C〜C10)アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の基で任意選択で置換されたフェニルである。
【0054】
本発明の一実施形態では、Rは、ハロ、シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、−OR、−NR、−C(=O)R、−C(=O)OR、および(C〜C10)アルキルから独立して選択された1つまたは複数の基で任意選択で置換されたフェニルである。
【0055】
本発明の一実施形態では、Rは、1つまたは複数のハロで任意選択で置換されたフェニルである。
【0056】
本発明の一実施形態では、Rは2,5−ジフルオロフェニルである。
【0057】
本発明の一実施形態では、Rは、1つまたは複数のRで任意選択で置換された(C〜C10)アルキルである。
【0058】
本発明の一実施形態では、それぞれのRは、独立して、オキソ、−NR、−OR、(C〜C10)シクロアルキル、アリール、または−OP(=O)(ORである。
【0059】
本発明の一実施形態では、Rは、1−メトキシエチル、1−ヒドロキシエチル、イソプロピル、tert−ブチル、エチル、プロピル、1−メチルプロピル、1−エチルプロピル、1−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル、α−ヒドロキシシクロプロピルメチル、α−アミノシクロプロピルメチル、α−(N−メチルアミノ)シクロプロピルメチル、1−エトキシエチル、1−トリフルオロメトキシエチル、1−(シクロプロピルオキシ)エチル、1−メトキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−メトキシ−1−メチルエチル、1−メトキシプロピル、1−メトキシ−2,2−ジメチルプロピル、1−(2−メチルプロポキシ)エチル、1−(イソプロポキシ)エチル、1−(tert−ブトキシ)エチル、1−(2−メトキシエトキシ)エチル、1−(フェノキシ)エチル、1−(2−ピリジルオキシ)エチル、1−(3−ピリジルオキシ)エチル、1−(ベンジルオキシ)エチル、α−メトキシベンジル、2−メトキシエチル、1−(N−アセチルアミノ)−2−メチルプロピル、1−アミノ−2−メチルプロピル、アセチル、3−アミノプロピル、2−アミノ−1,1−ジメチルエチル、1−アミノ−2−メチルプロピル、1−アミノ−2,2−ジメチルプロピル、1−メトキシシクロプロピルメチル、1−メトキシエチル、または
【0060】
【化3】

である。
【0061】
本発明の一実施形態では、RはNRである。
【0062】
本発明の一実施形態では、Rは、N−メトキシ−N−メチルアミノ、N−メトキシ−N−エチルアミノ、N−エトキシ−N−メチルアミノ、N−エトキシ−N−エチルアミノ、N−t−ブトキシ−N−メチルアミノ、N−イソプロポキシ−N−エチルアミノ、N−エトキシ−N−イソプロピルアミノ、N−エトキシ−N−t−ブチルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N−ヒドロキシ−N−メチルアミノ、メチルアミノ、N−(4−ピペリジル)−N−メチルアミノ、N−(1−アセチルピペリド−4−イル)−N−メチルアミノ、N−(3−アミノプロピル)−N−メチルアミノ、N−ヒドロキシメチル−N−メチルアミノ、N−ホスホリルメチル−N−メチルアミノ、N−ヒドロキシメチル−N−エチルアミノ、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−エチルアミノ、N−(3−ヒドロキシプロピル)−N−エチルアミノ、N−(4−ヒドロキシブチル)−N−エチルアミノ、N−(2−アミノエチル)−N−エチルアミノ、N−(3−アミノプロピル)−N−エチルアミノ、N−(4−アミノブチル)−N−エチルアミノ、1−アゼチジニル、1−ピロリジニル、1−ピペリジノ、または4−モルホリノである。
【0063】
本発明の一実施形態では、Rは、1つまたは複数のRで任意選択で置換された(C〜C10)シクロアルキルである。
【0064】
本発明の一実施形態では、Rは、シクロブチル、シクロペンチル、1−メチルシクロプロピル、1−トリフルオロメチルシクロプロピル、1−ヒドロキシシクロプロピル、1−メトキシシクロプロピルまたは2−フルオロシクロヘキシルである。
【0065】
本発明の一実施形態では、Rは、C(=NR)Rである。
【0066】
本発明の一実施形態では、Rは、1−ヒドロキシイミノエチルまたは1−メトキシイミノエチルである。
【0067】
本発明の一実施形態では、Rは、複素環、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれのRは、1つまたは複数のRで任意選択で置換されている。
【0068】
本発明の一実施形態では、Rは、3−ピリジル、2−ピリジル、3−メチル−2−フリル、2−メチル−5−チアゾリル、3−アミノフェニル、5−メチル−2−チエニル、またはテトラヒドロフラニルである。
【0069】
本発明の一実施形態では、Rは、1−メトキシエチル、1−ヒドロキシエチル、またはN−メトキシ−N−メチルアミノである。
【0070】
本発明の一実施形態では、−C(=O)Rは、(S)−2−メトキシプロパノイルまたは(S)−2−ヒドロキシプロパノイルである。
【0071】
本発明の一実施形態では、Rは、ハロ、シアノ、ニトロ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アジド、−OR、−NR、−C(=O)R、−C(=O)OR、−NRC(=O)OR、−C(=O)NR、(C〜C10)アルキル、(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C10)アルケニル、および(C〜C10)アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の基で任意選択で置換されたアリールである。
【0072】
本発明の一実施形態では、Rは、ハロ、シアノ、ニトロ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アジド、−OR、−NR、−C(=O)R、−C(=O)OR、−NRC(=O)OR、−C(=O)NR、(C〜C10)アルキル、(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C10)アルケニル、および(C〜C10)アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の基で任意選択で置換されたフェニルである。
【0073】
本発明の一実施形態では、Rはフェニルである。
【0074】
本発明の一実施形態では、Rは、Z−NR−C(=NR)R、Z−NRg−C(=NR)NR、Z−NR−NR−C(=NR)R、Z−NR−C(=CHR)NR、またはZ−NRm−NR−C(=NR)NRである。
【0075】
本発明の一実施形態では、RはZ−C(=NR)NRである。
【0076】
本発明の一実施形態では、Rは、Z−O−NRC(=NR)NR、Z−O−NR−C(=NR)R、Z−O−NR、Z−O−Z−C(=NR)NR、またはZ−O−N=C(Rである。
【0077】
一実施形態では、Rは、CN、C(O)NH、C(O)Me、OMe、CHまたはHである。
【0078】
一実施形態では、RはHである。
【0079】
一実施形態では、RおよびRは、独立して、H、CHまたはC(O)Meである。
【0080】
本発明の一実施形態では、Rは、以下の構造から選択される。
【0081】
【化4】

【0082】
【化5】

【0083】
【化6】

本発明の一実施形態では、Rは以下の構造を有する。
【0084】
【化7】

本発明の一実施形態では、Zは、1つまたは複数のハロゲンで任意選択で置換された(C〜C10)アルキレンである。
【0085】
本発明の一実施形態では、Zは、エチレン、プロピレン、メチレン、または−CHCHCF−である。
【0086】
本発明の別の実施形態では、式IIの化合物を提供し、
【0087】
【化8】

式中、RおよびRは、上に定義したとおりである。

本発明の化合物には、式Iの化合物の塩が含まれる。そのような塩は、式Iの化合物を調製および/もしくは精製するための中間体として、および/または式Iの化合物の鏡像異性体を分離するために有用であり得る。特定の一実施形態では、本発明は、式Iの化合物の製薬上許容される塩を提供する。
【0088】
用語「製薬上許容される塩」には、生物学的にまたは生理的に望ましくないものではない塩が含まれる。式Iの化合物は、塩を形成できるように、十分に酸性の官能基、十分に塩基性の官能基、または両方を保有し得る。そのような塩の例には、化合物と有機または無機の酸または塩基との反応によって調製されるものが含まれる。式Iの単一の化合物には複数の酸性または塩基性部分が含まれ得るので、本発明の化合物には、単一の化合物中に一価、二価または三価塩が含まれ得る。
【0089】
塩は、任意の適切な方法によって、たとえば、遊離酸を無機もしくは有機塩基で処理することによって、またはイオン交換クロマトグラフィーによって、調製し得る。
化合物の調製
化合物は、容易に入手可能、または当技術分野で知られている方法を用いて合成することができる出発物質を用いて、当技術分野で利用可能な技術を用いて調製し得る。たとえば、化合物は、以下のスキームI〜VIIに例示する反応経路によって調製することができる。
【0090】
スキームI〜VIIに記載のものなどの一部の類似体を調製するにあたって、様々な置換基内に含まれる官能基の適切な保護基を使用することが望ましい場合がある。これらの場合では、前記官能基の保護および脱保護は、当業者に知られておりかつ利用可能な標準の方法を用いて達成することができる。保護基およびその使用に関する一般的な説明には、T. W. Greene、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley & Sons、New York、1991年を参照されたい。
【0091】
例示目的のために、スキームI〜VIIは、本発明の化合物および主要な中間体を調製するための一般的な方法を示す。個々の反応ステップのより詳細な説明には、以下の実施例のセクションを参照されたい。当業者は、他の合成経路を用いて本発明の化合物を合成し得ることを理解されよう。
【0092】
具体的な出発物質および試薬をスキーム中に示し、以下に考察するが、他の出発物質および試薬を代用して様々な誘導体および/または反応条件を提供することができる。さらに、以下に記載する方法によって調製する化合物の多くは、当業者に周知の慣用の化学を用いて、本開示に鑑みてさらに修飾して、式Iの他の化合物を提供することができる。
【0093】
【化9】

スキームIは、式I−3、I−4、I−5、I−6およびI−7の化合物を調製する方法を例示する。I−1は、以前に記載されているものと同様の様式で合成することができる(米国特許出願第60/620,048号、国際公開公報第WO2006/044825号として公開)。ニトリルI−1は、メタノール、エタノールまたは他の適切なアルコール中のHClの無水溶液を用いて、低温または周囲温度で処理することによって、イミデートI−2[式中、Qは酸素である]に変換することができる。I−1は、HClおよびニートなチオールまたはメタノール、エタノール、エーテルもしくはベンゼンなどの適切な溶媒中の適切なチオールで処理することによって、チオイミデートI−2[式中、Qは硫黄である]に変換することができる。一実施形態では、I−1を0℃で無水エタノール性HClに供し、室温まで加温させて、I−2の塩酸塩が得られる[式中、Qは酸素であり、Rはエチルである]。その後、I−2を、エタノール、メタノールまたは他の適切な溶媒中のアンモニアまたは適切なアミンで処理することによって、アミジンI−3に変換することができる。好ましくは、I−2を、メタノール中のアミンを用いて、室温で処理して、I−3またはその互変異性体が得られる。I−4は、塩酸塩I−2をアルコール溶媒中のシアナミドに供し、続いてトリエチルアミンまたは他の適切な塩基および適切なアミンで処理することによって、得ることができる。あるいは、I−4は、I−3から、エタノール、アセトニトリル、クロロホルムまたはDMFなどの適切な溶媒中の臭化シアンまたは塩化シアンおよびトリエチルアミンまたは他の適切な塩基で処理することによって、作製することができる。I−5は、I−2から、エタノール、メタノール、または他の適切な溶媒中のトリエチルアミンまたは他の適切な塩基の存在下で、アルコキシアミン、ヒドロキシルアミン、またはその塩で処理することによって、合成する。好ましくは、I−2[式中、Qは酸素であり、Rはエチルである]を、エタノール中の適切な塩酸アルコキシアミンを用いて、室温で処理して、I−5が得られる[式中、Rはアルキルである]。I−6は、I−2から、I−2を適切な一置換のアミンに、室温または高温で、エタノール、メタノール、または他の適切な溶媒中で供することによって、生成することができる。
【0094】
【化10】

スキームIIは、式II−2、II−3およびII−4の化合物を調製する方法を例示する。式II−1のアミンは、以前に記載されているように調製することができる(米国特許出願第60/620,048号、国際公開公報第WO2006/044825号として公開)。アミンII−1は、それだけには限定されないが、置換されたもしくは置換されていないS−メチルイソチオ尿素、カルボジイミド、3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−カルボキサミジンまたはアミノイミノメタンスルホン酸試薬などのグアニジン化試薬を用いて、適切な溶媒中で、必要な場合は高温で処理することによって、II−2に変換することができる。
【0095】
あるいは、II−2は、II−1を、適切な溶媒中の、それだけには限定されないが、ジ−Boc−S−メチルイソチオ尿素、ジ−CBz−トリフリルグアニジン、またはN,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−1H−ピラゾール−1−カルボキサミジンなどのN−保護されたグアニジン化試薬に供し、続いて適切な条件下で保護基を除去して、II−2またはその互変異性体をもたらすことによって、調製することができる。一実施形態では、アミンII−1を、テトラヒドロフラン中のN,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−1H−ピラゾール−1−カルボキサミジンで処理し、続いてジオキサン中の塩酸で処理してtert−ブトキシカルボニル保護基を除去して、II−2またはその互変異性体が得られる[式中、R、RおよびRは水素である]。化合物II−3は、アミンII−1から、適切な塩基と組み合わせた適切なイミデートまたはイミデート塩を用いて、アルコール溶媒中で、高温で処理することによって、得ることができる。好ましくは、アミンII−1を、還流無水エタノール中のエチルイミデートの塩酸塩およびトリエチルアミンで処理して、II−3またはその互変異性体が得られる。化合物II−4は、アミンII−1を、適切な塩基と組み合わせた適切なシアノイミデートまたはシアノイミデート塩を用いて、アルコール溶媒中で処理することによって、調製する。好ましくは、アミンII−1を、無水エタノール中の塩酸N−シアノエチルイミデートおよびトリエチルアミンで処理して、II−4またはその互変異性体が得られる。
【0096】
【化11】

スキームIIIは、式III−2の化合物を調製する方法を例示する。アミンII−Iは、臭化シアンまたは塩化シアンを用いて、適切な塩基および適切な溶媒の存在下で処理することによって、化合物III−1に変換することができる。一実施形態では、アミンII−1を、塩化メチレン中の臭化シアンおよびトリエチルアミンで処理する。化合物III−2は、化合物III−1を、過剰量のアルコキシアミンまたはアルコキシアミン塩を用いて、適切な溶媒中の適切な塩基の存在下で、任意選択で高温で処理することによって、調製することができる。好ましくは、III−1を、エタノール中の過剰量の塩酸アルコキシアミン塩およびトリエチルアミンを用いて、還流温度で処理して、III−2またはその互変異性体がもたらされる。
【0097】
【化12】

スキームIVは、式IV−1およびIV−2の化合物を調製する方法を例示する。化合物IV−1は、1ステップで、アミンII−1から、それだけには限定されないが、N−シアノカルバムイミデート、S−アルキル−N−シアノカルバムイミドチオエート、またはジシアナミド塩などのシアノ−グアニジン化試薬で処理することによって、調製することができる。あるいは、化合物IV−1は、2ステップ手順で、II−1から、それだけには限定されないが、N−シアノカルボンイミデートまたはN−シアノカルボンイミドジチオエートを含めた試薬を用いて、任意選択で適切な塩基の存在下で最初に処理し、続いてアンモニアまたは適切なアミンで処理することによって、合成することができる。一実施形態では、アミンII−1の塩酸塩を、イソプロパノール中のジフェニルシアノカルボンイミデートおよびトリエチルアミンに室温で供し、続いて、メタノール中のアンモニアまたは適切なアミンを用いて還流温度で処理する。化合物IV−2は、化合物IV−1を、適切な溶媒中の酸および水で処理することによって、調製することができる。好ましくは、化合物IV−1を、メタノールおよび水中の塩酸で処理して、化合物IV−2またはその互変異性体がもたらされる。
【0098】
【化13】

スキームVは、式V−2およびV−3の化合物を調製する方法を例示する。式V−Iのアルコキシアミンは、式II−1のアミンの調製と同様の経路で、適切なN−保護されたケトン前駆体を用いて、調製することができる。化合物V−2は、アルコキシアミンV−1を、適切な塩基と組み合わせた適切なイミデートまたはイミデート塩を用いて、アルコール溶媒中で、高温で処理することによって、調製することができる。好ましくは、アルコキシアミンV−1を、還流無水エタノール中のエチルイミデートの塩酸塩およびトリエチルアミンで処理して、V−2またはその互変異性体が得られる。化合物V−3は、アルコキシアミンV−1を、それだけには限定されないが、置換されたもしくは置換されていないS−メチルイソチオ尿素、カルボジイミド、3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−カルボキサミジンまたはアミノイミノメタンスルホン酸試薬などのグアニジン化試薬を用いて、適切な溶媒中で、必要な場合は高温で処理することによって、調製することができる。あるいは、V−3は、V−1を、適切な溶媒中の、それだけには限定されないが、ジ−Boc−S−メチルイソチオ尿素、ジ−CBz−トリフィルグアニジン、またはN,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−1H−ピラゾール−1−カルボキサミジンなどのN−保護されたグアニジン化試薬に供し、続いて適切な条件下で保護基を除去して、V−3またはその互変異性体をもたらすことによって、調製することができる。一実施形態では、アルコキシアミンV−1を、テトラヒドロフラン中のN,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−1H−ピラゾール−1−カルボキサミジンで処理し、続いてジオキサン中の塩酸で処理してtert−ブトキシカルボニル保護基を除去して、V−3またはその互変異性体が得られる[式中、R、RおよびRは水素である]。
【0099】
【化14】

スキームVIは、式VI−2およびVI−3の化合物を調製する方法を例示する。式VI−Iのアルコキシアミンは、式II−1のアミンの調製と同様の経路で、適切なN−保護されたケトン前駆体を用いて、調製することができる。化合物VI−2は、アルコキシアミンVI−1を、適切な塩基と組み合わせた適切なイミデートまたはイミデート塩を用いて、アルコール溶媒中で、高温で処理することによって、調製することができる。一実施形態では、アルコキシアミンVI−1を、還流無水エタノール中のエチルイミデートの塩酸塩およびトリエチルアミンで処理して、VI−2またはその互変異性体が得られる。化合物VI−3は、アルコキシアミンVI−1を、それだけには限定されないが、置換されたもしくは置換されていないS−メチルイソチオ尿素、カルボジイミド、3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−カルボキサミジンまたはアミノイミノメタンスルホン酸試薬などのグアニジン化試薬を用いて、適切な溶媒中で、必要な場合は高温で処理することによって、調製することができる。あるいは、VI−3は、VI−1を、適切な溶媒中の、それだけには限定されないが、ジ−Boc−S−メチルイソチオ尿素、ジ−CBz−トリフィルグアニジン、またはN,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−1H−ピラゾール−1−カルボキサミジンなどのN−保護されたグアニジン化試薬に供し、続いて適切な条件下で保護基を除去して、VI−3またはその互変異性体をもたらすことによって、調製することができる。一実施形態では、アルコキシアミンVI−1を、テトラヒドロフラン中のN,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−1H−ピラゾール−1−カルボキサミジンで処理し、続いてジオキサン中の塩酸で処理してtert−ブトキシカルボニル保護基を除去して、VI−3が得られる[式中、R、RおよびRは水素である]。
【0100】
【化15】

スキームVIIは、式VII−2およびVII−3の化合物を調製する方法を例示する。式VII−1のヒドラジンは、式II−1のアミンの調製と同様の経路で、適切なN−保護されたケトン前駆体を用いて、調製することができる。化合物VII−2は、ヒドラジンVII−1を、適切な塩基と組み合わせた適切なイミデートまたはイミデート塩を用いて、アルコール溶媒中で、高温で処理することによって、調製することができる。好ましくは、ヒドラジンVII−1を、還流無水エタノール中のエチルイミデートの塩酸塩およびトリエチルアミンで処理して、VII−2またはその互変異性体が得られる。化合物VII−3は、ヒドラジンVII−1を、それだけには限定されないが、置換されたもしくは置換されていないS−メチルイソチオ尿素、カルボジイミド、3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−カルボキサミジンまたはアミノイミノメタンスルホン酸試薬などのグアニジン化試薬を用いて、適切な溶媒中で、必要な場合は高温で処理することによって、調製することができる。あるいは、VII−3は、VII−1を、適切な溶媒中の、それだけには限定されないが、ジ−Boc−S−メチルイソチオ尿素、ジ−CBz−トリフィルグアニジン、またはN,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−1H−ピラゾール−1−カルボキサミジンなどのN−保護されたグアニジン化試薬に供し、続いて適切な条件下で保護基を除去して、VII−3またはその互変異性体をもたらすことによって、調製することができる。一実施形態では、ヒドラジンVII−1を、テトラヒドロフラン中のN,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−1H−ピラゾール−1−カルボキサミジンで処理し、続いてジオキサン中の塩酸で処理してtert−ブトキシカルボニル保護基を除去して、VII−3が得られる[式中、R、RおよびRは水素である]。
【0101】
一実施形態では、本発明は、以下を含む、式Iの化合物またはその塩を調製する方法を提供する。
【0102】
a)1つもしくは複数の保護基を含む対応する化合物を脱保護すること;
b)式Iの化合物の塩について、式Iの対応する化合物から塩を形成すること;
c)RがZ−C(=NH)NRである式Iの化合物について、RがZ−C(=NH)ORであり、Rが(C〜C10)アルキルである対応する化合物を、対応するアミンHNRと反応させること;
d)RがZ−C(=NCN)NRである式Iの化合物について、RがZ−C(=NH)ORであり、Rが(C〜C10)アルキルである対応する化合物を、シアナミドと反応させ、続いて対応するアミンHNRで処理すること;
e)RがZ−C(=NOR)NHである式Iの化合物について、RがZ−C(=NH)ORであり、Rが(C〜C10)アルキルである対応する化合物を、対応するアミンNH(OR)と反応させること;
f)RがZ−NR−C(=NR)NRである式Iの化合物について、RがZ−NHRである対応する化合物を、グアニジン化試薬と反応させること;
g)RがZ−NR−C(=NR)NRである式Iの化合物について、RがZ−NHRである対応する化合物を、N−保護されたグアニジン化試薬と反応させ、続いて脱保護すること;
h)RがZ−NR−C(=NR)Rである式Iの化合物について、RがZ−NHRである対応する化合物を、対応するイミデートまたはイミデート塩と反応させること;
i)RがZ−NR−C(=NCN)Rである式Iの化合物について、RがZ−NHRである対応する化合物を、対応するシアノイミデートまたはシアノイミデート塩と反応させること;
j)RがZ−NR−C(=NH)NR(OR)である式Iの化合物について、RがZ−NR−CNである対応する化合物を、対応するアルコキシアミンまたはアルコキシアミン塩で処理すること;
k)RがZ−NR−C(=NR)NRであり、Rがアミノカルボニルである式Iの化合物について、Rがシアノである対応する化合物を、水性溶媒中の酸で処理すること;
l)RがZ−O−NR−C(=NR)Rである式Iの化合物について、RがZ−O−NHRである対応する化合物を、対応するイミデートまたはイミデート塩で処理すること;
m)RがZ−O−NRC(=NR)NRである式Iの化合物について、RがZ−O−NHRである対応する化合物を、対応するグアニジン化試薬で処理すること;
n)RがZ−O−NRC(=NR)NRである式Iの化合物について、RがZ−O−NHRである対応する化合物を、N−保護されたグアニジン化試薬で処理し、続いて脱保護すること;
o)RがZ−N(OR)C(=NR)Rである式Iの化合物について、RがZ−NH(OR)である対応する化合物を、対応するイミデートまたはイミデート塩で処理すること;
p)RがZ−N(OR)C(=NR)NRである式Iの化合物について、RがZ−NH(OR)である対応する化合物を、対応するグアニジン化試薬で処理すること;
q)RがZ−N(OR)C(=NR)NRである式Iの化合物について、RがZ−NH(OR)である対応する化合物を、対応するN−保護されたグアニジン化試薬で処理し、続いて脱保護すること;
r)RがZ−NR−NR−C(=NR)Rである式Iの化合物について、RがZ−NR−NR−Hである対応する化合物を、対応するイミデートまたはイミデート塩で処理すること;
s)RがZ−NR−NR−C(=NR)NRである式Iの化合物について、RがZ−NR−NRn−Hである対応する化合物を、対応するグアニジン化試薬で処理すること;または
t)RがZ−NR−NR−C(=NR)NRである式Iの化合物について、RがZ−NR−NR−Hである対応する化合物を、対応するN−保護されたグアニジン化試薬で処理し、続いて脱保護すること。
【0103】
使用
本発明の化合物は、様々な用途において使用が見つかる。当業者には理解されるように、有糸分裂は様々な様式で変更し得る。すなわち、有糸分裂経路中の構成要素の活性を増大または減少させることによって、有糸分裂に影響を与えることができる。言い換えると、特定の構成要素を阻害または活性化させることによって平衡を妨害することによって、有糸分裂に影響(たとえば破壊)を与え得る。同様の手法を用いて減数分裂を変更し得る。
【0104】
一実施形態では、本発明の化合物は、有糸分裂紡錘体の形成を調節し、それにより有糸分裂において延長した細胞周期停止を引き起こすために使用する。用語「有糸分裂紡錘体の形成を調節する」とは、紡錘体の形成を増大および減少させることを含めた、有糸分裂紡錘体の形成を変更することを意味する。用語「有糸分裂紡錘体の形成」とは、有糸分裂キネシンによって微小管が二極構造へと編成されることをいう。「有糸分裂紡錘体の機能不全」とは、有糸分裂停止および単極の紡錘体の形成をいう。
【0105】
本発明の化合物は、有糸分裂キネシンと結合し、かつ/またはその活性を調節するために有用である。一実施形態では、有糸分裂キネシンは、米国特許第6,284,480号に記載のように、有糸分裂キネシンのbimCサブファミリーのメンバーである。さらなる実施形態では、有糸分裂キネシンはヒトKSPであるが、他の生物由来の有糸分裂キネシンの活性も本発明の化合物によって調節し得る。本コンテキストでは、調節とは、紡錘体の分極を増大または減少させて、形成異常、すなわち有糸分裂紡錘体の極が外に広がることを引き起こすか、または、他の様式で有糸分裂紡錘体の形態学的な撹乱を引き起こすことを意味する。これらの目的のためのKSPの定義には、KSPの変異体および/または断片も含まれる。さらに、他の有糸分裂キネシンは、本発明の化合物によって阻害され得る。
【0106】
本発明の化合物は、異常な細胞増殖(cell growth)または細胞増殖(cell proliferation)によって引き起こされた疾患および状態の治療に有用である。本明細書中で提供する方法および組成物によって治療することができる症状には、それだけには限定されないが、癌、自己免疫疾患、関節炎、移植片拒絶、炎症性腸疾患、およびそれだけには限定されないが手術、血管形成術を含めた医療処置後に誘導される増殖などが含まれる。一部の例では、細胞は過剰増殖または低増殖の状態(異常状態)ではないが、それでも治療を必要とする場合があることを理解されたい。たとえば、創傷治癒中、細胞は「正常に」増殖しているが、増殖の増強が所望される場合がある。同様に、農業分野では、細胞は「正常な」状態であるが、作物の成長を直接増強することによって、または作物に有害な影響を与える植物もしくは生物の成長を阻害することによって作物を増強するために、増殖の調節が所望される場合がある。したがって、一実施形態では、本明細書の本発明には、これらの障害または状態のうちの任意のものをもつ、または最終的にもつ可能性のある、細胞または個体への応用が含まれる。
【0107】
また、本発明の化合物は、米国特許第6,284,480号に記載のように、bimCキネシン部分群の真菌メンバーの活性を調節することによって、抗真菌剤としても有用であり得る。
【0108】
本発明の化合物は、異常細胞を死滅させるおよび/またはその成長を阻害する目的のために、異常細胞を、放射線を用いた治療に対してより感受性にさせることができると考えられている。したがって、本発明は、動物に、異常細胞を放射線治療に対して感作させるために有効な量の本発明の化合物を投与することを含む、動物内の異常細胞を、放射線を用いた治療に対して感作させる方法に、さらに関する。
【0109】
本発明の化合物は、温血動物(ヒトを含む)で使用するための治療剤として特に有用であるが、KSPキネシンの効果を阻害することが必要な場合はいつでもまた有用である。したがって、これらは、新しい生物学的試験の開発および新しい薬理学的薬剤の探索における薬理学的標準物質としても有用である。
【0110】
組合せ
本発明の化合物は、単独でまたは他の治療剤と組み合わせて使用し得る。したがって、一実施形態では、本発明は、哺乳動物に、治療上有効な量の本発明の化合物を、別の治療剤、たとえば、抗腫瘍剤、放射線療法、1つもしくは複数の有糸分裂キネシンの阻害剤、PPAR−γ作用剤、PPAR−δ作用剤、遺伝子治療剤、生来の多剤耐性の阻害剤(たとえばp−糖タンパク質阻害剤)、制吐剤、免疫増強剤、貧血の治療に有用な薬剤、または好中球減少症の治療に有用な薬剤と組み合わせて投与することを含む、前記哺乳動物において障害を治療する方法を提供する。
【0111】
一実施形態では、本発明は、1)本発明の化合物;2)別の治療剤;および3)製薬上許容される担体を含む組成物も提供する。
【0112】
本発明の化合物と共に投与または配合することができる抗腫瘍剤には、それだけには限定されないが、以下のものが含まれる。
【0113】
(i)医療腫瘍学で使用される抗増殖薬/抗新生物薬およびそれらの組合せ、たとえば、アルキル化剤(たとえば、シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、窒素マスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファンおよびニトロソ尿素);代謝拮抗剤(たとえば、葉酸代謝拮抗剤、たとえば5−フルオロウラシルおよびテガフールなどのフルオロピリミジン、ラルチトレキセド、メトトレキサート、シトシンアラビンシド、ヒドロキシ尿素、またはN−(5−[N−(3,4−ジヒドロ−2−メチル−4−オキソキナゾリン−6−イルメチル)−N−メチルアミノ]−2−テノイル)−L−グルタミン酸などの欧州特許出願第239362号に開示されている好ましい代謝拮抗剤うちの1つ);抗腫瘍抗生物質(たとえば、アドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシンおよびミトラマイシンなどのアントラサイクリン);抗有糸分裂剤(たとえば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンおよびビノレルビンなどのビンカアルカロイドならびにタキソールおよびタキソテールなどのタキソイド);およびトポイソメラーゼ阻害剤(たとえば、エプトポシド(eptoposide)およびテニポシドなどのエピポドフィロトキシン、アムサクリン、トポテカンならびにカンポテシン);
(ii)細胞分裂抑制剤、たとえば、抗エストロゲン(たとえば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェンおよびヨードキシフェン)、エストロゲン受容体ダウンレギュレーター(たとえばフルベストラトラント)、抗アンドロゲン(たとえば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、酢酸シプロキセロン(cyproxerone)およびCasodex(登録商標)(4’−シアノ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−3’−(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド))、LHRH拮抗剤またはLHRH作用剤(たとえば、ゴセレリン、ロイポレリン(leuporelin)およびブセレリン)、プロゲストーゲン(たとえば酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(たとえば、アナストロゾール、レトロゾール、ボラゾールおよびエキセメスタン)ならびにフィナステリドなどの5α−レダクターゼの阻害剤;
(iii)癌細胞侵襲を阻害する薬剤(たとえば、マリマスタットおよびウロキナーゼプラスミノーゲン活性化受容体機能の阻害剤などのメタロプロテイナーゼ阻害剤);
(iv)成長因子抗体、成長因子受容体抗体のような成長因子機能の阻害剤(たとえば、抗erbB2抗体トラスツムザブ[Herceptin(登録商標)]および抗erbB1抗体セツキシマブ[C225])、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤およびセリン−スレオニンキナーゼ阻害剤(たとえば、N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィチニブ、AZD1839)、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ、OSI−774)および6−アクリルアミド−N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(CI1033)などの表皮成長因子ファミリーチロシンキナーゼの阻害剤)、血小板由来成長因子ファミリーの阻害剤ならびに肝細胞増殖因子ファミリーの阻害剤;
(v)抗血管形成剤、たとえば、血管内皮成長因子の効果を阻害するもの(たとえば、抗血管内皮細胞増殖因子抗体ベバシズマブ[Avastin(登録商標)]、PCT公開の国際公開公報第WO97/22596号、国際公開公報第WO97/30035号、国際公開公報第WO97/32856号、および国際公開公報第WO98/13354号に開示されているものなどの化合物)ならびに他の機構によって作用する化合物(たとえば、リノミド、インテグリンαvβ3機能の阻害剤、MMP阻害剤、COX−2阻害剤およびアンジオスタチン);
(vi)血管損傷剤、たとえば、コンブレタスタチンA4ならびにPCT公開の国際公開公報第WO99/02166号、国際公開公報第WO0/40529号、国際公開公報第WO00/41669号、国際公開公報第WO01/92224号、国際公開公報第WO02/04434号、および国際公開公報第WO02/08213号に開示されている化合物;
(vii)アンチセンスDNAまたはRNA治療(たとえば、ISIS2503などの上記の標的に向けられているもの、および抗rasアンチセンス);
(viii)たとえば、GVAX(商標)、異常なp53または異常なBRCA1もしくはBRCA2などの異常遺伝子を置き換える手法、シトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼまたは細菌ニトロレダクターゼ酵素を用いたものなどのGDEPT(遺伝子指向性酵素プロドラッグ療法)手法および多剤耐性遺伝子治療などの化学療法または放射線療法に対する患者許容を増加させる手法を含めた、遺伝子治療手法;
(ix)インターフェロン;
(x)たとえば、インターロイキン2、インターロイキン4または顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子などのサイトカインを用いた形質移入などの、患者の腫瘍細胞の免疫原性を増加させるためのex−vivoおよびin−vivo手法、T細胞アネルギーを低下させる手法、サイトカインで形質移入した樹状細胞などの形質移入した免疫細胞を用いた手法、サイトカインで形質移入した腫瘍細胞系を用いた手法ならびに抗イディオタイプ抗体を用いた手法を含めた、免疫療法手法;および
(xi)種々の薬剤、たとえば、挿入抗生物質、シグナル伝達阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素阻害剤、レチノイド受容体モジュレーター、プロテアソーム阻害剤、生物学的応答モディファイヤー、抗ホルモン、標的化抗体、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、およびプレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤。
【0114】
本発明の化合物と共に投与または配合することができる有糸分裂キネシンの阻害剤は、PCT公開の国際公開公報第WO00/130,768号、国際公開公報第WO01/30768号、国際公開公報第WO01/98278号、国際公開公報第WO03/050,064号、国際公開公報第WO03/050,122号、国際公開公報第WO03/049,527号、国際公開公報第WO03/049,679号、国際公開公報第WO03/049,678号、国際公開公報第WO03/39460号、国際公開公報第WO03/079,973号、国際公開公報第WO03/088,903号、国際公開公報第WO03/094,839号、国際公開公報第WO03/097,053号、国際公開公報第WO03/099,211号、国際公開公報第WO03/099,286号、国際公開公報第WO03/103,575号、国際公開公報第WO03/105,855号、国際公開公報第WO03/106,426号、国際公開公報第WO04/032,840号、国際公開公報第WO04/034,879号、国際公開公報第WO04/037,171号、国際公開公報第WO04/039,774号、国際公開公報第WO04/055,008号、国際公開公報第WO04/058,148号、国際公開公報第WO04/058,700号および国際公開公報第WO04/064,741号に記載されている。
【0115】
本発明の化合物と共に投与または配合することができるPPAR−γおよびPPAR−δ作用剤には、プログリタゾン、ロシグラタゾン、遺伝子治療剤、および生来の多剤耐性の阻害剤(たとえばp−糖タンパク質阻害剤)が含まれる。
【0116】
本発明の化合物と共に投与または配合することができる好中球減少症治療剤には、たとえば、ヒト顆粒球コロニー刺激因子などの好中球の産生および機能を制御する造血成長因子(G−CSF)が含まれる。G−CSFの例はフィルグラスチムである。
【0117】
本発明の化合物と共に投与または配合することができる免疫増強剤には、レバミゾール、イソプリノシンおよびZadaxinが含まれる。
【0118】
薬剤組成物
本発明の化合物は、任意の好都合な経路によって、たとえば、胃腸管(たとえば直腸もしくは経口)、鼻、肺、筋系もしくは血管構造、または経皮内に投与し得る。化合物は、任意の好都合な投与形態、たとえば、錠剤、散剤、カプセル、液剤、分散系、懸濁液、シロップ、スプレー、坐薬、ゲル、乳剤、パッチなどで投与し得る。そのような組成物は、製薬調製物で慣用の構成要素、たとえば、希釈剤、担体、pH調節剤、甘味料、充填剤、およびさらなる活性薬剤を含み得る。非経口投与が所望される場合、組成物は無菌的であり、かつ注射またはインフュージョンに適した液剤または懸濁液の形態である。そのような組成物は、本発明のさらなる態様を形成する。
【0119】
別の態様によれば、本発明は、本明細書で上記定義した式Iの化合物または製薬上許容されるその塩を含む薬剤組成物を提供する。一実施形態では、薬剤組成物には、式Iの化合物および製薬上許容される希釈剤または担体が一緒に含まれる。
【0120】
用量
任意の特定の対象の具体的な用量レベルおよび投薬の頻度は変動する場合があり、具体的な式Iの化合物の活性、対象の種、年齢、体重、全体的な健康、性別および食習慣、投与の様式および時間、排泄速度、薬物の組合せ、ならびに特定の状態の重篤度を含めた様々な要因に依存するが、いずれにせよ、当業者によって日常的に決定できることは、理解されよう。
【0121】
1つまたは複数の賦形剤と組み合わせて単一の剤形を生成する本発明の化合物の量は、必然的に、治療する対象、障害または状態の重篤度、投与速度、化合物の処分および処方する医師の判断に応じて変動し、有効な用量は、典型的には、約0.001〜約100mg/体重1kg/日、好ましくは約0.5〜約35mg/kg/日の範囲の、単一または分割した用量となる。70kgのヒトでは、これは約0.0035〜2.5g/日、好ましくは約0.05〜約2.5g/日の量となる。一部の例では、前述の範囲の下限未満の用量レベルで十二分となり得る一方で、他の例では、有害な副作用をまったく引き起こさずにさらに大きな用量を用い得る。投与経路および用量レジームのさらなる情報については、Comprehensive Medicinal Chemistry (Corwin Hansch; Chairman of Editorial Board)の第5巻の第25.3章、Pergamon Press 1990年を参照されたい。
【0122】
キット
本発明の別の実施形態では、上述の障害の治療に有用な材料を含む製品、または「キット」を提供する。一実施形態では、キットは、本発明の化合物を含む容器を含む。キットは、容器上またはそれに付随させたラベルまたは添付文書をさらに含み得る。適切な容器には、たとえば、ボトル、バイアル、シリンジ、およびブリスターパックが含まれる。
【0123】
容器は、ガラスまたはプラスチックなどの様々な材料から形成し得る。容器は滅菌の点検口を有し得る(たとえば、容器は、皮下注射針によって貫通可能なストッパーを有する静脈内注射溶液のバッグまたはバイアルであり得る)。
【0124】
ラベルまたは添付文書は、組成物を癌などの所定の状態を治療するために使用することを示し得る。一実施形態では、ラベルまたは添付文書は、本発明の化合物を異常細胞増殖から生じる障害を治療するために使用できることを示す。また、ラベルまたは添付文書は、組成物は他の障害を治療するために使用できることも示し得る。あるいは、またはそれに加えて、キットは、静菌性注射用水(BWFI)、リン酸緩衝生理食塩水、リンゲル液およびデキストロース溶液などの製薬上許容される緩衝液を含む、第2の容器をさらに含み得る。キットは、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針、およびシリンジを含めた、商業および使用者の観点から望ましい他の材料もさらに含み得る。
【0125】
キットは、本発明の化合物および存在する場合は別の治療剤を投与するための指示を、さらに含み得る。たとえば、キットが本発明の化合物および第2の治療剤を含む場合、キットは、本発明の化合物および第2の治療剤を、それを必要としている患者に同時、逐次的または別々に投与するための指示を、さらに含み得る。
【0126】
したがって、本発明は、a)本発明の化合物;およびb)使用説明書を含む、異常細胞増殖状態を治療するためのキットも提供する。特定の実施形態では、キットは、c)第2の治療剤(たとえば過剰増殖抑制活性を有する薬剤)をさらに含む。一実施形態では、本発明の化合物および第2の治療剤は、別々の容器内に含まれる。別の実施形態では、本発明の化合物および第2の治療剤は同じ容器内に含まれる。
【0127】
アッセイ
本発明の化合物の生物活性は、以下のアッセイを用いて評価することができる。
【0128】
酵素アッセイ
本発明の化合物の活性は、以下の手順によって決定し得る。アッセイは、30℃で、Costar3695(96ウェル、ポリスチレン、半面積、透明)プレート中、50μLの最終体積で実施した。ATPの加水分解を、ピルビン酸キナーゼおよび乳酸デヒドロゲナーゼを用いて生成物ADPをNADHの酸化と連結させる系で監視した。アッセイ混合物は、20mMのKPipes、pH7.0、0.01%のTriton X−100、2%のDMSO、25mMのKCl、2mMのMgCl、1mMのDTT、25μMのATP、1mMのホスホ(エノール)ピルビン酸、200μMのNADH、7.9U/mLのピルビン酸キナーゼ、9U/mLの乳酸デヒドロゲナーゼ、0.25μMのウシ微小管、20μMのパクリタキセルおよび20nMのEg5を含んでいた。阻害剤の濃度は、典型的には、10〜200,000nMの範囲にわたって変動した。反応は、吸光度に基づいたプレートリーダーで10分間の期間、動力学的に監視した。速度は進度曲線に対する直線の当てはめから推定し、POC(阻害されていない対照ウェルの%)として表した。IC50は、POCデータから、標準の4パラメータのロジスティカルモデルを用いて推定し、それぞれのプレートで実行した対照阻害剤と比較した。このアッセイでは、実施例1〜29の化合物は、50μM未満のIC50を示した。
【0129】
このアッセイでは、実施例1〜29の化合物は、1μM未満のIC50を示した。
【0130】
細胞生存度アッセイ
細胞の生存度を阻害する本発明の化合物の能力は、以下の手順によって決定し得る。様々な確立された腫瘍細胞系、たとえばHeLaの細胞を、Costar3904の96ウェルプレートに、成長培地中、アッセイの期間にわたって対数成長を可能にする密度でプレートし、37℃、5%のCO中、終夜インキュベートした。翌日、0.5%の最終DMSO濃度で、化合物を細胞に加えた。阻害剤の濃度は、典型的には、0.1〜50,000nMの範囲にわたって変動した。その後、プレートを上述のようにインキュベートした。72〜96時間のインキュベーション後、20μLのリザズリン溶液(Cell Titer Blue、Promega G8081)をすべてのウェルに加え、プレートをさらなる一定期間の間インキュベートした。生細胞はリザズリンを蛍光性の最終産物であるレゾルフィンに変換する。蛍光シグナルは、蛍光プレートリーダーで、560nmの励起/590nmの発光で決定した。POC(阻害されていない対照シグナルの%)をそれぞれのウェルについて決定し、生存度の阻害のEC50を、得られた値に当てはめた、標準の4パラメータのロジスティカル曲線の変曲点から決定した。このアッセイでは、実施例1〜29の化合物は、50μM未満のEC50を示した。
【0131】
実施例1〜29の化合物は、8.5μM未満のEC50を示した。
【0132】
有糸分裂停止アッセイ
分裂中期にピークとなるSer10上のヒストンH3のリン酸化は、有糸分裂のよく確立された指標である。過剰の対照細胞におけるリン酸化は、有糸分裂停止の指標である。有糸分裂停止を誘導する本発明の化合物の能力は、以下の手順によって決定した。様々な確立された腫瘍細胞系、たとえばHeLaの細胞を、Greiner655946の96ウェルのポリ−D−リシンでコーティングしたプレートに、成長培地中でプレートし、37℃、5%のCO中、終夜インキュベートした。翌日、0.5%の最終DMSO濃度で、化合物を細胞に加えた。阻害剤の濃度は、典型的には、0.1〜50,000nMの範囲にわたって変動した。化合物を細胞に加えた後、プレートを上述のようにインキュベートした。約16時間後、細胞を冷メタノールで固定した。プレートを遮断し、ホスホヒストンH3(Santa Cruz Biotechnologies SC−8656−R、1μg/mL)およびGapDH(RDI TRK−5G4−6C5)に対する一次抗体を用いて標識した。その後、細胞を、近赤外範囲を発光する蛍光色素とコンジュゲートした二次抗体で標識し(Molecular Probes Alexa 680、Rockland IR800)、Licor OdysseyまたはAeriusで走査した。それぞれのウェルについて、ホスホヒストンH3のシグナルの積分強度をGapDHのシグナルに対して正規化した。POC(完全に阻害された対照細胞の%)をそれぞれのウェルについて決定し、有糸分裂停止の誘導のEC50を、得られた値に当てはめた、標準の4パラメータのロジスティカル曲線の変曲点から決定した。このアッセイでは、実施例1〜29の化合物は、50μM未満のEC50を示した。
【0133】
腫瘍成長阻害
腫瘍成長をin vivoで阻害する本発明の化合物の能力は、以下の手順によって、American Type Culture collection(ATCC)から得たHT−29ヒト結腸腫瘍細胞系を用いて決定し得る。HT−29腫瘍細胞(100μLの体積のPBS中に3〜5×10個)を、雌のヌードマウスの側腹部に皮下移植する。腫瘍を150〜250mmの大きさまで成長させる。腫瘍の長さおよび幅をカリパーで測定し、式:体積=(長さ×幅)/2を用いて腫瘍の体積を計算する。その後、腫瘍体積に基づいて、マウスを典型的には5〜8匹/群の治療群にランダム化する。その後、1、5、9日目に、腹腔内注射によってマウスにビヒクルまたは化合物を与える。用量は、投薬の日に測定する重量に基づく。腫瘍の体積および重量は、研究の期間中、週に2回測定する。腫瘍が約1500mmの大きさまで成長するまでマウスの研究を続け、その後、CO吸入によってマウスを安楽死させた。腫瘍体積のデータは、典型的にはV/V(0)として報告し、V=測定日の腫瘍体積であり、V(0)=1日目の腫瘍体積である。
【0134】
以下に示す実施例は、本発明の特定の実施形態を例示することを意図し、如何なる様式でも本明細書または特許請求の範囲の範囲を限定することを意図しない。
【実施例】
【0135】
以下に記載の実施例では、別段に指定しない限りは、すべての温度は摂氏で記載する。試薬は、Aldrich Chemical Company、Lancaster、TCIまたはMaybridgeなどの商業供給者から購入し、別段に指定しない限りはさらに精製せずに使用した。テトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン(DCM)、トルエン、ジオキサンおよび1,2−ジクロロエタン(DCE)は、AldrichからSure密閉ボトルで購入し、受け取ったままの状態で使用した。
【0136】
以下に記載した反応は、典型的には、陽圧の窒素もしくはアルゴン下または乾燥チューブを用いて(別段に記述しない限りは)、無水溶媒中で実施し、反応フラスコには、典型的には、基質および試薬を、シリンジを介して導入するためにゴム製セプタムを取り付けた。ガラス器具はオーブン乾燥および/または熱乾燥させた。
【0137】
カラムクロマトグラフィーは、シリカゲルカラムを有するBiotageシステム(製造者:Dyax Corporation)またはシリカSepPakカートリッジ(Waters)で実施した。
【0138】
H−NMRスペクトルは、400MHzで操作するVarianの装置で記録した。H−NMRスペクトルは、CDCl溶液として得て(ppmで報告)、クロロホルムを参照標準として使用した(7.25ppm)。他のNMR溶媒は必要に応じて使用した。ピークの多重度が報告されている場合、以下の略記を使用する:s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、m(多重線)、br(幅広)、dd(二重線の二重線)、dt(三重線の二重線)。カップリング定数は、示した場合はヘルツ(Hz)で報告する。
【0139】
(実施例1)
【0140】
【化16】

N’−シアノ−N−(2−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル)アセトアミジン
ステップA:tert−ブチル3−オキソ−3−フェニルプロピルカルバメートの調製:THF(53mL)中の3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパン酸(1.0g、5.3mmol)の冷却した(−78℃)溶液に、フェニルリチウム(9.9mL、16mmol、シクロヘキサン/エーテル中の1.6Mの溶液)を加えた。ゆっくりと0℃まで加温し、その後、1時間攪拌した後、反応混合物を飽和NHCl(10mL)でクエンチし、水(70mL)で希釈し、エーテルで抽出した。合わせた有機物をブライン(80mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣のクロマトグラフィーを行って(ヘキサン中の20%の酢酸エチル)、生成物(0.69g、59%)が黄色油状物として得られた。
【0141】
ステップB:2,5−ジフルオロベンゾチオヒドラジドヒドロクロリドの調製:−78℃の無水THF(2.0L)中の1,4−ジフルオロベンゼン(100g、876mmol)の溶液に、sec−ブチルリチウム(シクロヘキサン中に1.4M、626mL、876mmol)の溶液を滴下し、反応温度を−60℃未満に保った。反応混合物を−78℃で30分間攪拌し、その後、二硫化炭素(50.2mL、833mmol)を滴下した。反応混合物を30分間かけて室温まで加温させ、その後、室温で2時間攪拌した。その後、水(15mL)を滴下し、その後、混合物を減圧下で濃縮した。その後、得られた粗茶色の半固体残渣を水(600mL)に懸濁させ、水(200mL)中の2−クロロ酢酸(99.4g、1052mmol)および炭酸水素ナトリウム(73.6g、876mmol)の溶液で処理した。混合物を室温で14時間攪拌し、その後、50%のHSOでpH4まで酸性化した。混合物をCHClで抽出し、合わせた有機物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗2−(2,5−ジフルオロフェニルカルボノチオイルチオ)酢酸(214g)が赤茶色シロップとして得られた。その後、この物質を、0.5MのNaOH(1750mL、875mmol)の冷却した(0℃)溶液に懸濁させ、その後、ヒドラジン(54.0mL、1722mmol)を滴下した。反応混合物を室温まで加温させ、14時間攪拌した。その後、反応混合物を水で希釈し、1NのHClを用いてpH4〜5まで酸性化した。その後、混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗2,5−ジフルオロベンゾチオヒドラジドが赤茶色油状物(162.5g)として得られた。この油状物をエーテル(3.5L)に懸濁させ、濾過した。その後、濾過した溶液を、激しく攪拌しながらエーテル中の2MのHClで処理した。混合物を室温で15分間攪拌した。形成された沈殿物を濾過によって単離し、真空下で乾燥させて、2,5−ジフルオロベンゾチオヒドラジドヒドロクロリド(50g、26%)が黄色固体として得られた。
【0142】
ステップC:tert−ブチル2−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチルカルバメートの調製:EtOH(27mL)中のtert−ブチル3−オキソ−3−フェニルプロピルカルバメート(0.68g、2.73mmol)および2,5−ジフルオロベンゾチオヒドラジドヒドロクロリド(0.613g、2.73mmol)の冷却した(0℃)溶液に、トリエチルアミン(0.57mL、4.09mmol)を加えた。室温で8時間攪拌した後、混合物を65℃まで16時間加熱した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチル(100mL)に溶かした。溶液を水およびブライン(40mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣のクロマトグラフィーを行って(ヘキサン中の30%の酢酸エチル)、粗生成物が茶色シロップとして得られ、これを次のステップで直接使用した。
【0143】
ステップD:(2S)−1−(2−(2−アミノエチル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メトキシプロパン−1−オンヒドロクロリドの調製:DMF(10mL)中の(S)−2−メトキシプロパン酸(0.186g、1.79mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.415mL、2.38mmol)の溶液に、PyBOP(0.930g、1.79mmol)を加えた。5分間攪拌した後、DMF(2mL)中のtert−ブチル2−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチルカルバメート(0.500g、1.19mmol)の溶液を加えた。室温で17時間攪拌した後、混合物を飽和NaHCOで処理し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を水およびブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣のクロマトグラフィーを行って(4:1から2:1のヘキサン/酢酸エチル)、Boc−保護された生成物(263mg、44%)がジアステレオマーの混合物として得られた。ジオキサン(6mL)中のこの物質の冷却した(0℃)溶液に、HCl(6.0mL、30.0mmol、ジオキサン中に5Mの溶液)を加えた。室温で3時間攪拌した後、混合物を減圧下で濃縮した。残渣をエーテルで粉砕し、濾過し、真空下で乾燥させて、生成物(263mg、94%)が黄色粉末としてもたらされた。
【0144】
ステップE:エチルN−シアノアセトイミデートの調製:無水酢酸(4.49mL、47.6mmol)中のシアナミド(1.00g、23.8mmol)および1,1,1−トリエトキシエタン(4.34mL、23.8mmol)の混合物を、蒸留装置内で100℃まで加熱した。留出物の体積が減少した後、混合物を140℃まで加熱して、酢酸のほとんどを蒸留した。残渣を真空下で蒸留して、生成物(0.80g、30%)が無色の液体(20mmで沸点90℃)として得られた。
【0145】
ステップF:N’−シアノ−N−(2−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル)アセトアミジンの調製:EtOH(0.3mL)中のエチルN−シアノアセトイミデート(0.025g、0.22mmol)および(2S)−1−(2−(2−アミノエチル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メトキシプロパン−1−オンヒドロクロリド(0.018g、0.038mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.033mL、0.19mmol)を加えた。室温で14時間攪拌した後、混合物を10%のNaCO(30mL)で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機物をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣のクロマトグラフィーを行って(ジクロロメタン中の3%のMeOH)、生成物がジアステレオマーの混合物(13.0mg、73%の収率)として得られた。MS ESI(+)m/z 472(M+1) 検出;H NMR(400 MHz,CDCl)δ7.51(m,2H),7.37(m,6H),7.33(m,4H),7.16(m,4H),6.93(br.t,1H,J=4.7Hz),6.73(br.t,1H,J=4.7Hz),4.73(m,2H),4.00(m,2H),3.45−3.29(m,9H),3.21(m,1H),2.82(m,1H),2.75(m,1H),2.16(s,3H),2.15(s,3H),1.46(d,3H,J=6.3Hz),1.43(d,3H,J=7.0Hz)。
【0146】
(実施例2)
【0147】
【化17】

2−シアノ−1−(2−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル)グアニジン
イソプロパノール(1mL)中の(2S)−1−(2−(2−アミノエチル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メトキシプロパン−1−オン(23.4mg、0.0489mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.027mL、0.196mmol)およびジフェニル−N−シアノカルボンイミデート(35.0mg、0.147mmol)を加えた。室温で1時間攪拌した後、アンモニア(3mL、メタノール中に7Mの溶液)を加えた。反応器を密封し、60℃で2時間加熱した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣のクロマトグラフィーを行って(ジクロロメタン中の3%のメタノール)、生成物が白色固体かつジアステレオマーの混合物として得られた(20.6mg、83%の収率)。MS APCI (+) m/z 473 (M+1) 検出; H NMR(400MHz,CDOD)δ7.67−7.61(m,2H),7.51−7.44(m,4H),7.42−7.36(m,4H),7.34−7.28(m,6H),4.83−4.77(m,2H),3.73−3.65(m,2H),3.42(s,3H),3.44−3.37(m,2H),3.35−3.29(m,2H),3.28(s,3H),2.84−2.73(m,2H),1.49(d,3H,J=7.1Hz),1.43(d,3H,J=7.1Hz)。
【0148】
(実施例3)
【0149】
【化18】

2−シアノ−1−(2−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル)−3−メチルグアニジン
実施例2の方法に従って、アンモニアの代わりにメタンアミンを使用して調製して、生成物がジアステレオマーの混合物として得られた。MS ESI (+) m/z 487 (M+1) 検出; H NMR (400MHz,CDOD)δ7.68−7.62(m,2H),7.52−7.44(m,4H),7.42−7.36(m,4H),7.34−7.27(m,6H),4.83−4.77(m,2H),3.80−3.77(m,2H),3.51−3.44(m,2H),3.43(s,3H),3.40−3.30(m,2H),3.28(s,3H),2.88−2.80(m,2H),2.79(s,3H),2.78(s,3H),1.50(d,3H,J=7.1Hz),1.44(d,3H,J=7.1Hz)。
【0150】
(実施例4)
【0151】
【化19】

1−(2−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル)−2−メトキシグアニジンヒドロクロリド
ステップA:(2−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル)シアナミドの調製:ジクロロメタン(1mL)中の(2S)−1−(2−(2−アミノエチル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メトキシプロパン−1−オン(34.5mg、0.0721mmol)および臭化シアン(9.9mg、0.0938mmol)の溶液に、トリエチルアミン(25.5mg、0.252mmol)をゆっくりと加えた。室温で1時間攪拌した後、混合物を減圧下で濃縮して、粗生成物がもたらされ、これをさらに精製せずに使用した。
【0152】
ステップB:1−(2−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル)−2−メトキシグアニジンヒドロクロリドの調製:エタノール(3mL)中の粗(2−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル)シアナミド(31mg、0.072mmol)および塩酸メトキシアミン(151mg、1.80mol)の溶液に、トリエチルアミン(182mg、1.80mmol)を加えた。密封容器内で70℃まで16時間加熱した後、追加の塩酸メトキシアミン(151mg、1.80mol)およびトリエチルアミン(182mg、1.80mmol)を加え、反応混合物を密封容器内で70℃までさらに24時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈した。塩を濾過によって除去した。濾液を減圧下で濃縮し、残渣のクロマトグラフィーを行い(ジクロロメタン中の4%のメタノール、0.5%のNHOHを含む)、単離された物質をMeOH中の過剰量のHClで処理し、その後、濃縮して、生成物がジアステレオマーの混合物(23mg、62%の収率)として得られた。MS APCI (+) m/z 478 (M+1) 検出; H NMR (400MHz,CDOD)δ7.69−7.64(m,2H),7.50−7.38(m,8H),7.37−7.29(m,6H),4.83−4.78(m,2H),3.80−3.67(m,2H),3.73(s,6H),3.54−3.45(m,2H),3.45−3.33(m,2H),3.39(s,3H),3.31(s,3H),3.04−2.92(m,2H),1.49(d,3H,J=7.1Hz),1.45(d,3H,J=7.1Hz)。
【0153】
(実施例5)
【0154】
【化20】

1−(3−((S)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロピル)−2−メトキシグアニジンヒドロクロリド
ステップA:4−アジド−1−フェニルブタン−1−オンの調製:DMSO(200mL)中の4−クロロ−1−フェニルブタン−1−オン(26.4mL、164mmol)の溶液に、アジ化ナトリウム(12.8g、197mmol)を加えた。溶液を55℃まで加温し、16時間攪拌した。その後、冷却した混合物を水で処理し、エーテルで抽出した。合わせた有機物を水およびブラインで洗浄し、その後、MgSOで乾燥させ、濃縮して、生成物がオレンジ色油状物(30.7g、99%)としてもたらされた。
【0155】
ステップB:2−(3−アジドプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾールの調製:EtOH/ジクロロメタン(3:1、16mL)中の2,5−ジフルオロベンゾチオヒドラジド(実施例1、ステップAおよびB;1.5g、7.97mmol)の溶液に、4−アジド−1−フェニルブタン−1−オン(1.36g、7.17mmol)を加えた。室温で16時間攪拌した後、酢酸(2滴)を加え、混合物をさらに16時間攪拌した。その後、反応混合物を減圧下で濃縮し、クロマトグラフィーを行って(9:1のヘキサン/酢酸エチル)、生成物(1.41g、41%)が明るい黄色シロップとして得られた。
【0156】
ステップC:(S)−1−((S)−2−(3−アジドプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−(t−ブチルジフェニルシリルオキシ)プロパン−1−オンおよび(S)−1−((R)−2−(3−アジドプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−(t−ブチルジフェニルシリルオキシ)プロパン−1−オンの調製:アセトニトリル(6mL)中の(S)−2−(t−ブチルジフェニルシリルオキシ)プロパン酸(339mg、1.09mmol)の溶液に、HATU(550mg、1.45mmol)を加え、続いてDIEA(0.378mL、2.17mmol)を加えた。室温で15分間攪拌した後、アセトニトリル(4mL)中の2−(3−アジドプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール(260mg、0.72mmol)の溶液を加えた。室温で16時間攪拌した後、混合物を減圧下で濃縮し、飽和NaHCO(50mL)と酢酸エチル(50mL)との間で分配した。水層を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。茶色油状物のクロマトグラフィーを行って(9:1のヘキサン/酢酸エチル)、より極性の低いジアステレオマーである(S)−1−((S)−2−(3−アジドプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−(t−ブチルジフェニルシリルオキシ)プロパン−1−オン(121mg)およびより極性の高いジアステレオマーである(S)−1−((R)−2−(3−アジドプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−(t−ブチルジフェニルシリルオキシ)プロパン−1−オン(175mg)が淡黄色油状物として得られた。Eg5および(S)−1−((S)−2−(3−アミノプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メトキシプロパン−1−オンのタンパク質:阻害剤の共結晶構造を検査することによって絶対立体化学を割り当てた。
【0157】
ステップD:(S)−1−((S)−2−(3−アジドプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−ヒドロキシプロパン−1−オンの調製:0℃のTHF(5mL)中の(S)−1−((S)−2−(3−アジドプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−(t−ブチルジフェニルシリルオキシ)プロパン−1−オン(121mg、0.18mmol)の溶液に、TBAF(0.31mL、1M、0.31mmol)を加えた。0℃で1時間攪拌し、室温で1時間攪拌した後、混合物を飽和NaHCOで処理し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。茶色油状物のクロマトグラフィーを行って(4:1のヘキサン/酢酸エチル)、生成物(41mg、53%)が淡黄色油状物として得られた。
【0158】
ステップE:(S)−1−((S)−2−(3−アジドプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メトキシプロパン−1−オンの調製:0℃のDMF(2mL)中の(S)−1−((S)−2−(3−アジドプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−ヒドロキシプロパン−1−オン(41mg、0.095mmol)の溶液に、ヨウ化メチル(50μL、0.48mmol)を加え、続いて水素化ナトリウム(10mg、60%)を加えた。0℃で30分間攪拌し、室温で3時間攪拌した後、混合物を飽和NHCl(20mL)で処理し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、生成物(40mg、94%)が黄色油状物としてもたらされた。
【0159】
ステップF:(S)−1−((S)−2−(3−アミノプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メトキシプロパン−1−オンの調製:MeOH(2.2mL)中の(S)−1−((S)−2−(3−アジドプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−ヒドロキシプロパン−1−オン(102mg、0.23mmol)の懸濁液に、濃HCl(57μL、0.69mmol)を加え、続いて10%のPd/C(10mg、湿、Degussa型)を加えた。H雰囲気下で1時間攪拌した後、混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。無色のガラスをジエチルエーテルで粉砕し、濾過して、二HCl塩の生成物が白色固体(89mg、79%)としてもたらされた。MS ESI (+) m/z 420 (M+1) 検出; H NMR(400MHz,CDCl)δ7.52(m,1H),7.45(m,2H),7.35(m,2H),7.28(m,1H),7.13(m,2H),4.70(m,1H),3.40(s,3H),3.27(m,1H),2.88(m,2H),2.43(m,1H),1.96(m,1H),1.57(m,1H),1.45(d,3H,J=7Hz).Eg5および(S)−1−((S)−2−(3−アミノプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メトキシプロパン−1−オンのタンパク質:阻害剤の共結晶構造を検査することによって絶対立体化学を割り当てた。
【0160】
ステップG:1−(3−((S)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロピル)−2−メトキシグアニジンヒドロクロリドの調製:ジクロロメタン(1mL)中の(S)−1−((S)−2−(3−アミノプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メトキシプロパン−1−オン(実施例5、ステップA〜C;52.1mg、0.106mmol)および臭化シアン(13.4mg、0.127mmol)の溶液に、トリエチルアミン(35.3mg、0.349mmol)をゆっくりと加えた。20分間、室温で攪拌した後、混合物を減圧下で濃縮し、エタノール(2mL)に溶かした。この溶液に、塩酸メトキシアミン(600mg、7.18mmol)およびトリエチルアミン(642mg、6.35mmol)を加えた。反応器を密封し、70℃で24時間加熱した。混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチルに溶かした。沈殿物を濾過によって除去し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣のクロマトグラフィーを行って(ジクロロメタン中に3%のメタノール、0.5%のNHOHを含む)、単離された物質をMeOH中の過剰量のHClで処理し、その後、濃縮して、生成物が白色固体(7.3mg、13%の収率)として得られた。MS APCI (+) m/z 492 (M+1) 検出; H NMR (400MHz,CDOD)δ7.65−7.60(m,1H),7.47−7.45(m,2H),7.42−7.37(m,2H),7.35−7.29(m,3H),4.79(q,1H,J=7.0Hz),3.73(s,3H),3.45−3.37(m,2H),3.36(s,3H),3.28−3.19(m,1H),2.60−2.51(m,1H),2.19−2.08(m,1H),1.71−1.60(m,1H),1.43(d,3H,J=7.0Hz)。
【0161】
(実施例6)
【0162】
【化21】

1−(3−((S)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロピル)グアニジンヒドロクロリド
THF中の(S)−1−((S)−2−(3−アミノプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メトキシプロパン−1−オン(実施例5、ステップF;58mg、0.118mmol)およびトリエチルアミン(29.8mg、0.294mmol)の溶液に、N,N’−ジ−Boc−1H−ピラゾール−1−カルボキサミジン(45mg、0.145mmol)を加えた。室温で2時間攪拌した後、混合物を減圧下で濃縮した。残渣のクロマトグラフィーを行って(ヘキサン中の15%の酢酸エチル)、Boc−保護された生成物(60mg、77%)が白色泡沫として得られた。20mgのこの物質にジオキサン中のHCl(1mLの4Mの溶液)を加えた。室温で2日間攪拌した後、混合物を濃縮し、エーテルで粉砕して、生成物が白色泡沫(10mg、63%の収率)としてもたらされた。MS ESI (+) m/z 462 (M+1) 検出;H NMR(400 MHz,CDOD)δ7.66−7.60,(m,1H),7.51−7.44(m,2H),7.43−7.36(m,2H),7.35−7.28(m,3H),4.83−4.76(m,1H),3.40−3.34(m,1H),3.36(s,3H),3.29−3.18(m,2H),2.62−2.52(m,1H),2.17−2.05(m,1H),1.70−1.59(m,1H),1.43(d,3H,J=6.0Hz)。
【0163】
(実施例7)
【0164】
【化22】

1−(3−((R)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロピル)グアニジンヒドロクロリド
ステップA:(S)−1−((R)−2−(3−アミノプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メトキシプロパン−1−オンの調製:ステップCからの(S)−1−((R)−2−(3−アジドプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)プロパン−1−オンを使用して、実施例5、ステップA〜Gに記載のように調製した。MS ESI (+) m/z 420 (M+1) 検出; H NMR (400MHz,CDCl)δ7.51(m,1H),7.44(m,2H),7.36(m,2H),7.29(m,1H),7.12(m,2H),4.71(q,1H,J=6Hz),3.32(s,3H),3.23(m,1H),2.84(m,2H),2.43(m,1H),1.93(m,1H),1.50(d,3H,J=6Hz),1.44(m,2H),1.34(m,1H).(S)−1−((S)−2−(3−アミノプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メトキシプロパン−1−オンからの推定によって立体化学を割り当てた。
【0165】
ステップB:1−(3−((R)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロピル)グアニジンヒドロクロリドの調製:実施例6の方法に従って、(S)−1−((S)−2−(3−アミノプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メトキシプロパン−1−オンの代わりに(S)−1−((R)−2−(3−アミノプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メトキシプロパン−1−オン(実施例5、ステップA〜F)を使用して、調製した。MS ESI (+) m/z 462 (M+1)検出;HNMR(400MHz,CDOD)δ7.65−7.60(m,1H),7.53−7.47(m,2H),7.43−7.37(m,2H),7.35−7.27(m,3H),4.85−4.79(m,1H),3.39−3.30(m,2H),3.29(s,3H),3.25−3.18(m,1H),2.63−2.53(m,1H),2.13−2.02(m,1H),1.62−1.51(m,1H),1.46(d,3H,J=6.6Hz)。
【0166】
(実施例8)
【0167】
【化23】

N−(3−((S)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロピル)アセトアミジンヒドロクロリド
メタノール中の(S)−1−((S)−2−(3−アミノプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メトキシプロパン−1−オン(実施例5、ステップA〜F;57.5mg、0.117mmol)およびメチルアセトイミデートヒドロクロリド(192mg、1.75mmol)の溶液に、トリエチルアミン(355mg、3.51mmol)を加えた。50℃で16時間加熱した後、混合物を減圧下で濃縮した。残渣のクロマトグラフィーを行い(15:85:1のMeOH/ジクロロメタン/NHOH)、単離された物質をMeOH中の過剰量のHClで処理し、その後、濃縮して、生成物が得られた。MS ESI (+) m/z 461 (M+1) 検出; HNMR(400MHz,CDOD)δ7.65−7.60(m,1H),7.49−7.45(m,2H),7.42−7.38(m,2H),7.35−7.29(m,3H),4.80(q,1H,J=7.1Hz),3.50−3.40(m,2H),3.36(s,3H),3.28−3.19(m,1H),2.65−2.57(m,1H),2.22(s,3H),2.21−2.12(m,1H),1.75−1.64(m,1H),1.44(d,3H,J=7.1Hz)。
【0168】
(実施例9)
【0169】
【化24】

N−(3−((R)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロピル)アセトアミジンヒドロクロリド
実施例8の方法に従って、(S)−1−((S)−2−(3−アミノプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メトキシプロパン−1−オンの代わりに(S)−1−((R)−2−(3−アミノプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メトキシプロパン−1−オン(実施例7、ステップA)を使用して、調製した。MS ESI (+) m/z 461 (M+1) 検出; H NMR (400MHz,CDOD)δ7.66−7.60(m,1H),7.53−7.48(m,2H),7.44−7.38(m,2H),7.35−7.28(m,3H),4.83(q,1H,J=6.9Hz),3.51−3.37(m,2H),3.29(s,3H),3.26−3.16(m,1H),2.69−2.60(m,1H),2.24(s,3H),2.21−2.09(m,1H),1.68−1.57(m,1H),1.47(d,3H,J=6.9Hz)。
【0170】
(実施例10)
【0171】
【化25】

2−シアノ−1−(3−((S)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロピル)−3−メチルグアニジン
実施例2の方法に従って、アンモニアの代わりにメタンアミンを使用し、(2S)−1−(2−(2−アミノエチル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メトキシプロパン−1−オンの代わりに(S)−1−((S)−2−(3−アミノプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メトキシプロパン−1−オン(実施例5、ステップA〜F)を使用して、調製した。MS ESI (+) m/z 501 (M+1) 検出; H NMR (400MHz,CDOD)δ7.64−7.60(m,1H),7.49−7.45(m,2H),7.42−7.36(m,2H),7.34−7.27(m,3H),4.82−4.75(m,1H),3.50−3.38(m,1H),3.37(s,3H),3.27−3.12(m,1H),2.81(d,3H,J=24.7Hz),2.60−2.42(m,1H),2.20−2.08(m,1H),2.17−2.07(m,1H),1.71−1.59(m,1H),1.43(d,3H,J=6.8Hz)。
【0172】
(実施例11)
【0173】
【化26】

2−シアノ−1−(3−((R)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロピル)−3−メチルグアニジン
実施例2の方法に従って、アンモニアの代わりにメタンアミンを使用し、(2S)−1−(2−(2−アミノエチル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メトキシプロパン−1−オンの代わりに(S)−1−((R)−2−(3−アミノプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メトキシプロパン−1−オン(実施例7、ステップA)を使用して、調製した。MS ESI (+) m/z 501 (M+1) 検出;HNMR(400MHz,CDOD)δ7.64−7.59(m,1H),7.52−7.48(m,2H),7.42−7.36(m,2H),7.33−7.27(m,3H),4.80(q,1H,J=7.0Hz),3.43−3.28(m,2H),3.27(s,3H),3.21−3.12(m,1H),2.78(s,3H),2.55−2.46(m,1H),2.06−1.95(m,1H),1.64−1.53(m,1H),1.46(d,3H,J=7.0Hz)。
【0174】
(実施例12)
【0175】
【化27】

1−((5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−イソブチリル−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メチル)−2−メトキシグアニジンヒドロクロリド
ステップA:1−メトキシ−2,3−ジ−tert−ブトキシカルボニルグアニジンの調製:THF(3mL)およびメタノール(3mL)中のN,N’−ジ−Boc−1H−ピラゾール−1−カルボキサミジン(450mg、1.45mmol)および塩酸メトキシアミン(151mg、1.81mmol)の溶液に、トリエチルアミン(183mg、1.81mmol)をゆっくりと加えた。室温で64時間攪拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチルで希釈した。塩を濾過によって除去した。濾液を減圧下で濃縮し、エーテルで粉砕して、粗生成物がもたらされ、これをさらに精製せずに使用した。
【0176】
ステップB:tert−ブチルN−(tert−ブトキシカルボニル)−N’−メトキシカルバムイミドイル(2−オキソ−2−フェニルエチル)カルバメートの調製:ジクロロメタンおよび水(15mL、1:1)中の粗1−メトキシ−2,3−ジ−tert−ブトキシカルボニルグアニジン(420mg、1.45mmol)およびブロモアセトフェノン(361mg、1.81mmol)および水酸化カリウム(163mg、2.60mmol)の溶液に、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(54mg、0.145mmol)を加えた。室温で16時間攪拌した後、有機層を分離し、乾燥させ(NaSO)、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残渣のクロマトグラフィーを行って(ヘキサン中の10%〜25%の酢酸エチル)、生成物が60%の純度で、出発物質1−メトキシ−2,3−ジ−tert−ブトキシカルボニルグアニジンと共に得られた。
【0177】
ステップC:tert−ブチルN−(tert−ブトキシカルボニル)−N’−メトキシカルバムイミドイル((5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メチル)カルバメートの調製:エタノール(1mL)中のtert−ブチルN−(tert−ブトキシカルボニル)−N’−メトキシカルバムイミドイル(2−オキソ−2−フェニルエチル)カルバメート(220mg、60%の純粋、0.319mmol)の溶液に、2,5−ジフルオロベンゾチオヒドラジド(40mg、0.213mmol)を加えた。室温で16時間攪拌した後、混合物を減圧下で濃縮した。残渣のクロマトグラフィーを行い(ヘキサン中の3%〜5%の酢酸エチル)、高真空で固化して、生成物(68.5mg、56%の収率)が白色固体として得られた。
【0178】
ステップD:1−((5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−イソブチリル−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メチル)−2−メトキシグアニジンヒドロクロリドの調製:ジクロロメタン(1mL)中のtert−ブチルN−(tert−ブトキシカルボニル)−N’−メトキシカルバムイミドイル((5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メチル)カルバメート(25.3mg、0.044mmol)の溶液に、トリエチルアミン(17.7mg、0.175mmol)を加え、続いて塩化イソブチリル(14mg、0.131mmol)を加えた。室温で3時間攪拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣のクロマトグラフィーを行って(ヘキサン中の10%の酢酸エチル)、Boc−保護された生成物(23mg、81%)が白色泡沫として得られた。この生成物に、HCl(1mLのジオキサン中に2Mの溶液)を加えた。室温で16時間攪拌した後、混合物を減圧下で濃縮した。残渣をエーテルで粉砕して、生成物が白色粉末かつジアステレオマーの混合物としてもたらされた(16.3mg、94%の収率)。MS ESI (+) m/z 448 (M+1)検出;HNMR(400MHz,CDCl)δ7.56−7.50(m,1H),7.41−7.28(m,5H),7.14−7.05(m,2H),4.52−4.45(m,1H),3.65−3.52(m,1H),3.57(br.s,3H),3.48(q,1H,J=6.2Hz),1.28(d,3H,J=6.2Hz),1.22(d,3H,J=6.2Hz)。
【0179】
(実施例13)
【0180】
【化28】

1−((3−((S)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロピルアミノ)(メチルアミノ)メチレン)尿素ヒドロクロリド
メタノール(3mL)中の2−シアノ−1−(3−((S)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロピル)−3−メチルグアニジン(実施例10;130mg、0.26mmol)の溶液に、HCl(0.65mLのジオキサン中に4Mの溶液)および水(0.05mL、2.6mmol)を加えた。室温で16時間攪拌した後、混合物を減圧下で濃縮した。残渣をエーテルで粉砕して、生成物が淡いピンク色固体(135mg、94%の収率)としてもたらされた。MS ESI (+) m/z 541 (M+Na) 検出; H NMR (400MHz,CDOD)δ7.66−7.61(m,1H),7.49−7.46(m,2H),7.42−7.37(m,2H),7.34−7.28(m,3H),4.79(q,1H,J=6.4Hz),3.53−3.43(m,2H),3.36(s,3H),3.30−3.20(m,1H),2.95(s,3H),2.67−2.55(m,1H),2.23−2.11(m,1H),1.75−1.63(m,1H),1.43(d,3H,J=6.4Hz)。
【0181】
(実施例14)
【0182】
【化29】

3−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロパンイミドアミドヒドロクロリド
ステップA:4−オキソ−4−フェニルブタンニトリルの調製:熱エタノール(7mL)中の3−クロロ−1−フェニルプロパン−1−オン(5.0g、29.7mmol)の溶液に、酢酸カリウム(2.91g、29.77mmol)を加えた。室温まで冷却した後、沈殿した塩を濾過によって除去した。窒素気泡装置下のセプタムで密封したフラスコ内の濾液に、シアン化ナトリウム(2.91g、59.3mmol)を水(10mL)中の溶液としてゆっくりと加えた。室温で24時間攪拌した後、エタノール(30mL)を加え、混合物を氷浴中で冷却した。沈殿物を濾過し、エタノールですすいで、生成物(3.42g、73%)がふわふわの白色固体としてもたらされた。
【0183】
ステップB:3−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロパンニトリルの調製:エタノール(5mL)中の4−オキソ−4−フェニルブタンニトリル(0.076g、0.48mmol)の溶液に、2,5−ジフルオロベンゾチオヒドラジド(0.09g、0.48mmol)を加えた。90℃で16時間攪拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶かし、水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣のクロマトグラフィーを行って(ヘキサン中の20%の酢酸エチル)、生成物(0.087g、55%の収率)が得られた。
【0184】
ステップC:3−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロパンニトリルの調製:DMF(40mL)中の3−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロパンニトリル(0.398g、1.208mmol)および(S)−2−メトキシプロパン酸(0.1157mL、1.571mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.316mL、1.81mmol)およびPyBOP(1.26g、2.42mmol)を加えた。室温で28時間攪拌した後、混合物を飽和NaHCO(100mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣のクロマトグラフィーを行って(ヘキサン中の30%の酢酸エチル)、生成物(0.431g、86%の収率)が茶色シロップとして得られた。
【0185】
ステップD:3−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロパンイミドアミドヒドロクロリドの調製:エタノール(0.5mL)中の3−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロパンニトリル(0.053g、0.13mmol)の冷却した(0℃)溶液に、9.8Mのエタノール性HClの溶液(0.5mL)を加えた。0℃で10分間攪拌し、その後、室温で4時間攪拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣に、NH(1.0mL、7.0mmol、メタノール中に7Mの溶液)を加えた。室温で30分間攪拌した後、混合物を減圧下で濃縮した。残渣のクロマトグラフィーを行って(ジクロロメタン、続いて20%のMeOHおよびジクロロメタン中に1%の水性NHOH)、生成物がジアステレオマーの混合物(8.4mg、15%の収率)として得られた。MS ESI (+) m/z 433 (M+1) 検出; H NMR(400MHz,CDCl)δ9.0(br,4H),8.7(br,4H),7.51(m,2H),7.38(m,8H),7.32(m,2H),7.14(m,4H),4.73(m,2H),3.57(m,2H),3.42(s,3H),3.35(s,3H),2.75(m,4H),2.33(m,1H),2.23(m,1H),1.52(d,3H,J=6.3Hz),1.48(d,3H,J=7.0Hz)。
【0186】
(実施例15)
【0187】
【化30】

3−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−N’−メトキシプロパンイミドアミド
エタノール(0.5mL)中の3−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロパンニトリル(0.052g、0.13mmol、実施例14、ステップC)の冷却した(0℃)溶液に、9.8Mのエタノール性HCl(0.5mL、4.9mmol)を加えた。室温で6時間攪拌した後、混合物を減圧下で濃縮した。残渣に、塩酸メトキシルアミン(0.021g、0.25mmol)、無水エタノール(0.5mL)およびトリエチルアミン(0.087mL、0.63mmol)を加えた。室温で16時間攪拌した後、混合物を減圧下で濃縮した。残渣を10%のNaCO(30mL)で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機物を乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣のクロマトグラフィーを行って(ヘキサン中の40%の酢酸エチル)、生成物がジアステレオマーの混合物(14mg、25%の収率)として得られた。MS ESI (+) m/z 463 (M+1) 検出; H NMR (400 MHz,CDCl)δ7.50(m,2H),7.38(m,8H),7.30(m,2H),7.13(m,4H),4.78(q,1H,J=6.3Hz),4.72(q,1H,J=6.3Hz),4.64(br.s,4H),3.77(s,6H),3.54(m,2H),3.41(s,3H),3.36(s,3H),2.68(m,4H),2.18(m,2H),1.51(d,3H,J=6.3Hz),1.49(d,3H,J=7.0Hz)。
【0188】
(実施例16)
【0189】
【化31】

3−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−N−(2−フルオロエチル)プロパンイミドアミド
ステップA:エチル3−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロパンイミデートヒドロクロリドの調製:エタノール(0.5mL)中の3−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロパンニトリル(0.041g、0.099mmol、実施例14、ステップC)の冷却した(0℃)溶液に、9.8Mのエタノール性HCl(0.5mL、4.9mmol)を加えた。0℃で1時間攪拌し、その後、周囲温度で8時間攪拌した後、混合物を減圧下で濃縮して、生成物がもたらされた。
【0190】
ステップB:3−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−N−(2−フルオロエチル)プロパンアミジンの調製:エタノール(0.5mL)中のエチル3−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロパンイミデートヒドロクロリド(0.022g、0.0442mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.120ml、0.861mmol)および塩酸2−フルオロエタンアミン(0.00440g、0.0442mmol)を加えた。室温で16時間攪拌した後、反応混合物を濃縮し、10%のNaCO(30mL)で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機物をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣のクロマトグラフィーを行って(10%のメタノール、ジクロロメタン中に1%の水性NHOH)、生成物がジアステレオマーの混合物(0.010g、47%の収率)として得られた。MS ESI (+) m/z 479 (M+1) 検出; H NMR (400MHz,CDCl)δ7.50(m,2H),7.38(m,8H),7.31(m,2H),7.14(m,4H),4.79−4.70(m,2H),4.65(t,2H,J=4.7Hz),4.53(t,2H,J=4.7Hz),3.58−3.45(m,6H),3.42(s,3H),3.36(s,3H),2.84−2.71(m,4H),2.36−2.18(m,2H),1.52(d,3H,J=6.3Hz),1.48(d,3H,J=7.0Hz)。
【0191】
(実施例17)
【0192】
【化32】

3−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−N−(2−メトキシエチル)プロパンイミドアミド
実施例16の方法に従って、2−フルオロエタンアミンの代わりに2−メトキシエタンアミンを使用して調製して、生成物がジアステレオマーの混合物として得られた。MS ESI (+) m/z 491 (M+1) 検出; H NMR (400MHz,CDCl)δ7.51(m,2H),7.42−7.29(m,8H),7.31(m,2H),7.14(m,4H),4.78−4.69(m,2H),3.58−3.50(m,6H),3.42(s,3H),3.36(m,13H),2.82−2.68(m,4H),2.31−2.13(m,2H),1.52(d,3H,J=7.0Hz),1.48(d,3H,J=7.0Hz)。
【0193】
(実施例18)
【0194】
【化33】

(S)−1−((S)−2−(2−(アミノオキシ)エチル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メトキシプロパン−1−オンヒドロクロリド
ステップA:tert−ブチル3−オキソ−3−フェニルプロポキシカルバメートの調製:THF(30mL)中のtert−ブチルヒドロキシカルバメート(1.90g、14.2mmol)の冷却した(0℃)溶液に、NaH(0.285g、11.9mmol)を加えた。0℃で5分間攪拌し、室温で10分間攪拌した後、混合物を、THF(10mL)中の3−クロロ−1−フェニルプロパン−1−オン(2.00g、11.9mmol)の溶液に加えた。室温で30分間攪拌した後、混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣のクロマトグラフィーを行って(ヘキサン中の20%の酢酸エチル)、生成物(2.20g、69%)が白色固体として得られた。
【0195】
ステップB:tert−ブチル2−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エトキシカルバメートの調製:エタノール(3mL)中のtert−ブチル3−オキソ−3−フェニルプロポキシカルバメート(1.09g、4.10mmol)および2,5−ジフルオロベンゾチオヒドラジド(0.515g、2.74mmol)の混合物を、室温で16時間、一緒に攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣のクロマトグラフィーを行って(ヘキサン中の20%の酢酸エチル)、生成物が白色固体(0.94g、79%の収率)として得られた。
【0196】
ステップC:(S)−1−((S)−2−(2−(アミノオキシ)エチル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メトキシプロパン−1−オンヒドロクロリドの調製:DMF/ジクロロメタン(1:1、2mL)中のtert−ブチル2−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エトキシカルバメート(0.340、0.781mmol)の溶液に、(S)−2−メトキシプロパン酸(0.122、1.17mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリド(0.299g、1.56mmol)、HoBt(0.211g、1.56mmol)、およびトリエチルアミン(0.33mL、2.34mmol)を加えた。室温で16時間攪拌した後、混合物を1NのHClと酢酸エチルとの間で分配した。有機層を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣のクロマトグラフィーを行って(ヘキサン中の30%の酢酸エチル)、ジアステレオマー的に濃縮された(9:1のS,S:S,Rジアステレオマー比)Boc−保護された生成物(35mg、9%の収率)が得られた。この生成物に、ジオキサン中のHCl(4M、1mL)の溶液を加えた。室温で4時間攪拌した後、混合物を減圧下で濃縮し、ジエチルエーテルで粉砕して、生成物が白色固体(0.025g、81%の収率)としてもたらされた。MS ESI (+) m/z 444 (M+Na) 検出; H NMR (400MHz,CDOD)δ7.68−7.63(m,1H),7.48−7.46(m,2H),7.44−7.38(m,2H),7.36−7.30(m,3H),4.76(q,1H,J=7.2Hz),4.54−4.48(m,1H),4.43−4.36(m,1H),3.67−3.59(m,1H),3.33(s,3H),3.05−2.97(m,1H),1.43(d,3H,J=7.2Hz)。
【0197】
(実施例19)
【0198】
【化34】

1−(2−((S)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エトキシ)グアニジンヒドロクロリド
THFに溶かした(S)−1−((S)−2−(2−(アミノオキシ)エチル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メトキシプロパン−1−オンヒドロクロリド(実施例18;11.1mg、0.024mmol)の溶液に、トリエチルアミン(25μL、0.18mmol)およびN,N’−ジ−Boc−1H−ピラゾール−1−カルボキサミジン(0.025g、0.081mmol)を加えた。室温で16時間攪拌した後、混合物を減圧下で濃縮した。残渣のクロマトグラフィーを行って(ヘキサン中の20%の酢酸エチル)、Boc−保護された生成物(9mg、56%)が得られた。この物質に、ジオキサン中のHCl(4M、1mL)の溶液を加えた。室温で16時間攪拌した後、混合物を減圧下で濃縮し、ジエチルエーテルで粉砕して、生成物が白色固体(6mg、89%の収率)としてもたらされた。MS ESI (+) m/z 464 (M+1) 検出; H NMR (400MHz,CDOD)δ7.67−7.62(m,1H),7.49−7.45(m,2H),7.44−7.38(m,2H),7.36−7.30(m,3H),4.76(q,1H,J=7.2Hz),4.41−4.34(m,1H),4.23−4.17(m,1H),3.68−3.62(m,1H),3.35(s,3H),3.02−2.94(m,1H),1.43(d,3H,J=7.2Hz)。
【0199】
(実施例20)
【0200】
【化35】

1−(2−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル)−1−メトキシグアニジンヒドロクロリド
ステップA:tert−ブチルメトキシカルバメートの調製:ジクロロメタン(100mL)中のBoc−酸無水物(12.0g、55.0mmol)の溶液に、炭酸ナトリウムの溶液(17.5g、100mLの水中)を加えた。この混合物に、水(100mL)中の塩酸メトキシアミン(13.8g、165mmol)の溶液を滴下した。室温で18時間攪拌した後、有機層を水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、生成物(7.94g、98%の収率)が透明な油状物としてもたらされた。
【0201】
ステップB:tert−ブチルメトキシ(3−オキソ−3−フェニルプロピル)カルバメートの調製:THF(50mL)中のtert−ブチルメトキシカルバメート(2.35g、16.0mmol)の冷却した(0℃)溶液に、NaH(0.640g、16.0mmol)をゆっくりと加えた。0℃で5分間攪拌し、その後、室温で30分間攪拌した後、混合物を、THF(25mL)中の3−クロロ−1−フェニルプロパン−1−オン(2.84g、16.8mmol)の溶液に滴下した。室温で30分間攪拌した後、混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣のクロマトグラフィーを行って(ヘキサン中の10%の酢酸エチル)、生成物(1.80g、40%の収率)が透明な油状物として得られた。
【0202】
ステップC:tert−ブチル2−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル(メトキシ)カルバメートの調製:2,5−ジフルオロベンゾチオヒドラジド(0.500g、2.66mmol)およびtert−ブチルメトキシ(3−オキソ−3−フェニルプロピル)カルバメート(1.11g、3.99mmol)の混合物を、エタノール(5mL)中で30時間、一緒に攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣のクロマトグラフィーを行って(ヘキサン中の20%の酢酸エチル)、生成物(0.650g、1.45mmol)が得られ、これをさらに精製せずに次のステップで使用した。
【0203】
ステップD:(2S)−1−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−(2−(メトキシアミノ)エチル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メトキシプロパン−1−オンヒドロクロリドの調製:DMF(3mL)中の(S)−2−メトキシプロパン酸(0.226、2.17mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.50mL、2.89mmol)およびPyBOP(1.13g、2.17mmol)を加えた。室温で5分間攪拌した後、混合物をtert−ブチル2−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル(メトキシ)カルバメート(0.650g、1.45mmol)に加えた。室温で4時間攪拌した後、混合物を飽和NaHCOと酢酸エチルとの間で分配した。有機層を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣のクロマトグラフィーを行って(ヘキサン中の15%の酢酸エチル)、Boc−保護された生成物(0.490g、63%の収率)が白色泡沫として得られた。この物質に、ジオキサン中のHCl(4mLの4Mの溶液)を加えた。室温で2時間攪拌した後、混合物を減圧下で濃縮し、ヘキサンを用いて粉砕して、生成物が白色固体かつジアステレオマーの混合物としてもたらされた(0.211g、92%の収率)。
【0204】
ステップE:1−(2−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル)−1−メトキシグアニジンヒドロクロリドの調製:THF(1mL)中の(2S)−1−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−(2−(メトキシアミノ)エチル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メトキシプロパン−1−オンヒドロクロリド(50mg、0.11mmol)の溶液に、NEt(240μL、1.7mmol)およびN,N’−ジ−Boc−1H−ピラゾール−1−カルボキサミジン(260mg、0.85mmol)を加えた。反応混合物を室温で1週間攪拌し、その後、濃縮した。残渣をヘキサン中に25%のEtOAcの溶液(5mL)に懸濁させ、濾過し、濾液を濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによる残渣の精製(ヘキサン中に25%のEtOAc)により、ジ−Boc保護された生成物が白色固体(45mg、63%の収率)として得られた。この物質に、ジオキサン中のHCl(1mLの4Mの溶液)の溶液を加え、混合物を室温で48時間攪拌した。その後、混合物を濃縮し、EtOを用いて残渣を粉砕して、生成物が白色固体かつジアステレオマーの混合物として得られた(30mg、88%の収率)。MS ESI (+) m/z 478 (M+H) 検出; H NMR (400MHz,CDOD)δ7.64−7.69(m,2H),7.50−7.44(m,4H),7.44−7.38(m,4H),7.36−7.29(m,6H),4.86−4.77(m,2H),4.25−4.14(m,2H),3.84−3.75(m,1H),3.77(s,3H),3.76(s,3H),3.74−3.64(m,1H),3.59−3.50(m,2H),3.40(s,3H),3.29(s,3H),3.06−2.96(m,2H),1.50(d,3H,J=6.5Hz),1.43(d,3H,J=6.5Hz)。
【0205】
(実施例21)
【0206】
【化36】

2−(2−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル)ヒドラジンカルボキシイミドアミドヒドロクロリド
ステップA:N,N’−ジ−Boc−3−ヒドラジニル−1−フェニルプロパン−1−オンの調製:THF(30mL)中のジ−Boc−ヒドラジン(2.0g、8.6mmol)の冷却した(0℃)溶液に、水素化ナトリウム(210mg、8.6mmol)をゆっくりと加えた。0℃で5分間攪拌し、その後、室温で30分間攪拌した後、混合物を、THF(10mL)中の3−クロロ−1−フェニルプロパン−1−オン(1.50g、8.6mmol)の溶液に加えた。室温で30分間攪拌した後、水を加え、混合物をブラインと酢酸エチルとの間で分配した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣のクロマトグラフィーを行って(ヘキサン中の15%の酢酸エチル)、粗生成物が得られた。
【0207】
ステップB:ジ−Boc−1−(2−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル)ヒドラジンの調製:エタノール(3mL)中のN,N’−ジ−Boc−3−ヒドラジニル−1−フェニルプロパン−1−オン(0.868g、2.38mmol)および2,5−ジフルオロベンゾチオヒドラジド(0.265g、1.41mmol)の混合物を、室温で3日間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣のクロマトグラフィーを行って(ヘキサン中の35%の酢酸エチル)、粗生成物が黄色泡沫として得られた。
【0208】
ステップC:(2S)−1−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−(2−ヒドラジニルエチル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メトキシプロパン−1−オンヒドロクロリドの調製:DMF(4mL)中の(S)−2−メトキシプロパン酸(0.146、1.40mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.33mL、1.87mmol)およびPyBOP(0.730g、1.40mmol)を加えた。室温で5分間攪拌した後、混合物をジ−Boc−1−(2−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル)ヒドラジン(0.500g、0.934mmol)に加えた。室温で4時間攪拌した後、混合物を飽和NaHCOと酢酸エチルとの間で分配した。有機層を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣のクロマトグラフィーを行って(ヘキサン中の20%の酢酸エチル)、Boc−保護された生成物(0.311g、54%の収率)が得られた。この生成物に、HCl(4mLのジオキサン中に4Nの溶液)を加えた。室温で28時間攪拌した後、混合物を減圧下で濃縮し、ジエチルエーテルで粉砕して、生成物が黄色粉末かつジアステレオマーの混合物としてもたらされた(0.125g、94%の収率)。
【0209】
ステップD:2−(2−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル)ヒドラジンカルボキシイミドアミドヒドロクロリドの調製:THF(1mL)中の(2S)−1−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−(2−ヒドラジニルエチル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メトキシプロパン−1−オンヒドロクロリド(40mg、0.088mmol)の溶液に、トリエチルアミン(27μL、0.19mmol)およびN,N’−ジ−Boc−1H−ピラゾール−1−カルボキサミジン(30mg、0.096mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌し、その後、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによって残渣を精製して(ヘキサン中に20%のEtOAc)、ジ−Boc保護された生成物が白色固体(30mg、52%の収率)として得られた。ジオキサン中のHCl(4mLの4Mの溶液)の溶液をこの物質に加え、反応混合物を室温で16時間攪拌し、その後、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによって残渣を精製し(CHCl中に10〜20%のMeOH、1%のNHOHを含む)、単離された物質をMeOH中の過剰量のHClで処理し、その後、濃縮して、生成物がジアステレオマーの混合物(6.0mg、27%の収率)として得られた。MS ESI (+) m/z 463 (M+1) 検出; H NMR (400MHz,CDOD)δ7.66−7.61(m,2H),7.51−7.44(m,4H),7.43−7.37(m,4H),7.36−7.29(m,6H),4.86−4.77(m,2H),3.66−3.47(m,4H),3.37(s,3H),3.28(s,3H),2.96−2.70(m,4H),1.46(d,3H,J=6.8Hz),1.42(d,3H,J=6.8Hz)。
【0210】
(実施例22)
【0211】
【化37】

N−(3−((S)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((R)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロピル)−2−フルオロアセトイミドアミド
エタノール(0.5mL)中の(S)−1−((S)−2−(3−アミノプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メトキシプロパン−1−オン(実施例5、ステップA〜F;24.3mg、0.049mmol)およびエチルフルオロアセトイミドヒドロクロリド(69.9mg、0.493mmol、J. Med. Chem. 1990年、33(11)、3060〜3067)の溶液に、トリエチルアミン(0.138mL、0.987mmol)を加えた。室温で23時間攪拌した後、反応混合物を濃縮し、10%のNaCO(30mL)で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機物をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣のクロマトグラフィーを行って(5%のメタノール、ジクロロメタン中に0.7%の水性NHOH)、生成物が黄色フィルム(9.8mg、42%の収率)として得られた。MS ESI (+) m/z 479 (M+1) 検出; H NMR (400MHz,CDCl)δ7.51(m,1H),7.41(m,2H),7.36(m,2H),7.29(m,1H),7.13(m,2H),4.96(brs,1H),4.84(brs,1H),4.69(m,1H),3.39(s,3H),3.32(m,3H),2.49(m,1H),2.17(m,1H),1.70(m,1H),1.47(d,3H,J=7.0Hz)。
【0212】
(実施例23)
【0213】
【化38】

2−((5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メトキシ)アセトイミドアミド
ステップA:2−(2−オキソ−2−フェニルエトキシ)酢酸の調製:17mLのベンゼン中の1,4−ジオキサン−2,6−ジオン(1.0g、8.6mmol)(Aldrich、90%)に、塩化アルミニウム(III)(3.4g、26mmol)を加えた。反応混合物を60℃で2時間加熱し、その後、1時間加熱還流した。反応混合物を20mLの濃HCl中の20gの氷に注いだ。この混合物を1時間攪拌し、その後、EtOAcで抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーによる残渣の精製(ヘキサン中に10%のEtOAcからEtOAc中に2%のHOAc)により、所望の生成物を主な構成要素として含む0.95gの茶色シロップがもたらされた。この混合物は、さらに精製せずに次のステップで使用した。
【0214】
ステップB:2−(2−オキソ−2−フェニルエトキシ)アセトアミドの調製:0℃の5mLのDCM中のステップAのから混合物(0.95g)に、DMF(0.0129ml、0.166mmol)を加え、その後、5mLのジクロロメタン中の塩化オキサリル(0.640ml、7.34mmol)の溶液を加えた。氷浴を取り外し、反応混合物を室温で2.5時間攪拌した。その後、反応混合物を濃縮して、1.11gの粗酸塩化物が暗赤色シロップとして得られた。この残渣をTHF(20mL)に溶かし、−78℃まで冷却した。アンモニアガスの気泡を反応溶液に5分間通した。冷浴を取り外し、反応混合物を周囲温度で2時間攪拌した。その後、反応混合物を濃縮し、10%のNaCOで希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機物を乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーによる粗生成物の精製(10%のMeOH、ジクロロメタン中に0.7%の水性NHOH)により、主な構成要素が所望の生成物である、2つの化合物からなる0.281gのオレンジ色−茶色固体がもたらされた。この混合物は、さらに精製せずに次のステップで使用した。
【0215】
ステップC:2−(2−オキソ−2−フェニルエトキシ)アセトニトリルの調製:0℃のピリジン(0.60ml)中のステップBからの混合物(0.100g)に、TFAA(0.1097ml、0.7764mmol)を加えた。反応混合物を3時間攪拌し、その後、濃縮した。残渣を1MのKHSO(30mL)で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーによる残渣の精製(ヘキサン中に10%のEtOAc)により、所望の生成物を主な構成要素として含む69.5mgの薄い赤色がかった油状物が得られた。この混合物は、さらに精製せずに次のステップで使用した。
【0216】
ステップD:2−((5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メトキシ)アセトニトリルの調製:2,5−ジフルオロベンゾチオヒドラジドヒドロクロリド(0.0885g、0.394mmol)およびステップCからの粗混合物(0.069g)に、EtOH(0.7mL)中の酢酸カリウム(0.0387g、0.394mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応混合物をジクロロメタン(3mL)で希釈し、濾過した。濾液を濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって粗物質を精製して(ヘキサン中に10%のEtOAc)、所望の生成物を主な構成要素として含む97mgの無色の油状物が得られた。この混合物は、さらに精製せずに次のステップで使用した。
【0217】
ステップE:2−((5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メトキシ)アセトニトリルの調製:0.5mLのDMF中のHATU(0.0776g、0.2041mmol)の溶液に、(S)−2−メトキシプロパン酸(0.0150ml、0.2041mmol)およびDIEA(0.0711ml、0.4083mmol)を加えた。この混合物を室温で10分間攪拌し、その後、ステップDからの粗混合物(0.047g)を加え、続いて0.2mLのDMFを加えた。反応混合物を室温で40時間攪拌した。反応混合物を飽和NaHCOで希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーによる残渣の精製(ヘキサン中に20%のEtOAc)により、所望の生成物を主な構成要素として含む3.5mgの濁ったフィルムがもたらされた。この混合物は、さらに精製せずに次のステップで使用した。
【0218】
ステップF:2−((5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メトキシ)アセトイミドアミドの調製:0℃の0.5mLのEtOH中のステップEからの混合物(.0035g)の溶液に、9.8Mのエタノール性HCl(0.50ml、4.9mmol)を加えた。反応混合物を0℃で90分間攪拌し、その後、室温で1時間攪拌した。反応混合物を濃縮して、4.2mgの粗エチルイミデートが得られた。この残渣に、メタノール(1mL)中の7Mのアンモニアを加えた。反応混合物を室温で3時間攪拌し、その後、濃縮した。シリカゲルクロマトログラフィーによって残渣を精製して(CHClからCHCl中に10%のMeOHから10%のMeOH、CHCl中の2%の濃水性NHOH)、1.3mgの2−((5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−2−メトキシプロパノイル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メトキシ)アセトアミジンがジアステレオマーの混合物として得られた。MS ESI (+) m/z 449 (M+1)検出;H NMR(400MHz,20:1CDCl3:CDOD)δ7.52(m,2H),7.41−7.30(m,10H),7.18−7.11(m,4H),4.93(m2H),4.77−4.70(m,2H),4.66−4.52(m,4H),4.38(m,2H),3.40(s,3H),3.36(s,3H),1.47−1.44(m,6H)。
【0219】
(実施例24)
【0220】
【化39】

(Z)−2−シアノ−1−(3−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−イソブチリル−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロピル)−3−メチルグアニジン
ステップA:1−(2−(3−アジドプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メチルプロパン−1−オンの調製:2−(3−アジドプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール(100mg、0.278mmol、実施例5、ステップB)をフラスコ内に秤量し、5.0mLのCHClに溶かした。その後、トリエチルアミン(0.058ml、0.417mmol)を加え、続いて塩化イソブチリル(35.5766mg、0.333893mmol)を加えた。その後、反応を周囲温度まで終夜、ゆっくりと加温させた。その後、反応を真空で濃縮し、その後、バイオタージに直接載せ(ピンク色がより薄い沈殿物)、その後、フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して(10%の酢酸エチル/ヘキサン)、所望の生成物1−(2−(3−アジドプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メチルプロパン−1−オン(94mg、78%)が得られた。
【0221】
ステップB:1−(2−(3−(アミノ)プロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メチルプロパン−1−オンの調製:1−(2−(3−アジドプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メチルプロパン−1−オン(94mg、0.21mmol)を25mLの1叉丸底内に秤量し、7mLのMeOH−HCl(0.547ml、1.094mmol)に溶かし、その後、Pd/C(23mg、0.021mmol)を加えた。反応を周囲温度かつH雰囲気下で45分間攪拌した。その後、反応を濃縮して、所望の生成物(92.7mg、96%)が得られた。
【0222】
ステップC:(Z)−2−シアノ−1−(3−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−イソブチリル−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロピル)−3−メチルグアニジンの調製:1−(2−(3−アミノプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メチルプロパン−1−オン(66mg、0.163mmol)を25mLの1叉丸底フラスコ内に秤量し、その後、2.0mLのIPAに溶かした。その後、トリエチルアミン(0.057ml、0.41mmol)を加え、続いてジフェニルシアノカルボンイミデート(78mg、0.327mmol)を加えた。反応を23℃で1.5時間攪拌した。その後、反応を圧力管(20mL)に移し、続いて3mLのMeOH中のメチルアミン(2.4ml、4.9mmol)を加えた。その後、反応を60℃の浴内に12時間入れた。その後、反応を取り出し、濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して(3〜7%のMeOH/DCM)、所望の生成物(41mg、52%)がタン色フィルムとしてもたらされた。MS ESI (+) m/z 485 (M+E) 検出;HNMR(400MHz,MeOH)δ7.61(m,1H),7.45(d,J=7.8Hz,2H),7.38(m,2H),7.28(m,3H),3.57(m,1H),3.35(m,2H),3.13(m,1H),2.77(s,3H),2.45(m,1H),2.08(m,1H),1.61(m,1H),1.19(d,3H,J=6.2Hz),1.16(d,3H,J=7.2Hz)。
【0223】
(実施例25)
【0224】
【化40】

(Z)−2−シアノ−1−(3−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−3−ピバロイル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロピル)−3−メチルグアニジン
ステップA:1−(2−(3−アジドプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オンの調製:2−(3−アジドプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール(100mg、0.278mmol、実施例5、ステップB)をフラスコ内に秤量し、5.0mLのCHClに溶かした。その後、トリエチルアミン(0.0581ml、0.417mmol)を加え、続いて塩化ピバロイル(40.2mg、0.333mmol)を加えた。その後、反応を周囲温度まで12時間かけてゆっくりと加温させた。反応を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して(10%の酢酸エチル/ヘキサン)、所望の生成物(100mg、81%)が得られた。
【0225】
ステップB:1−(2−(3−アミノプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オンヒドロクロリドの調製:1−(2−(3−アジドプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン(100mg、0.2255mmol)をフラスコ内に秤量し、7mLのMeOH.HCl(0.563ml、1.12mmol)に溶かし、その後、Pd/C(23mg、0.22mmol)を加えた。反応を周囲温度、H雰囲気下で45分間攪拌した。その後、反応を濃縮して、所望の生成物(97.4mg、95%)が得られた。
【0226】
ステップC:(Z)−2−シアノ−1−(3−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−3−ピバロイル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロピル)−3−メチルグアニジンの調製:1−(2−(3−アミノプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン(66mg、0.158mmol)をフラスコ内に秤量し、その後、2.0mLのIPAに溶かした。その後、トリエチルアミン(0.055ml、0.38mmol)を加え、続いてジフェニルシアノカルボンイミデート(75mg、0.316mmol)を加えた。その後、反応を室温で1.5時間攪拌した。その後、反応を密封チューブに移し、続いて3mLのMeOH中のメチルアミン(2.4ml、4.9mmol)を加えた。その後、反応を60℃の浴内に12時間入れた。その後、反応を取り出し、濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製して(3〜7%のMeOH/CHCl)、所望の生成物(32mg、41%)が薄いオレンジ色泡沫フィルムとしてもたらされた。MS ESI (+) m/z 499 (M+E)検出;H NMR(400MHz,MeOH)δ7.48(m,1H),7.44(d,J=8.0Hz,2H),7.38(m,2H),7.28(m,3H),3.45(m,1H),3.39(m,1H),3.27(m,1H),2.78(s,3H),2.45(m,1H),1.99(m,1H),1.59(m,1H),1.39(s,9H)。
【0227】
(実施例26)
【0228】
【化41】

(Z)−2−(3−(2−シアノ−3−メチルグアニジノ)プロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−N−メトキシ−N−メチル−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−カルボキサミド
ステップA:(Z)−2−(3−(2−シアノ−3−メチルグアニジノ)プロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−N−メトキシ−N−メチル−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−カルボキサミドの調製:2−(3−アミノプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−N−メトキシ−N−メチル−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−カルボキサミド(61mg、0.145mmol、国際公開公報第WO2006/044825号の実施例121に記載のように調製)をフラスコ内に秤量し、その後、2.0mLのIPAに溶かした。その後、トリエチルアミン(0.051ml、0.362mmol)を加え、続いてジフェニルシアノカルボンイミデート(69mg、0.290mmol)を加えた。反応を23℃で1.5時間攪拌し、その後、圧力管に移し、続いて3mLのMeOH中のメチルアミン(2.4ml、4.9mmol)を加えた。その後、反応を60℃浴中に12時間入れ、その後、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製して(3〜7%のMeOH/DCM)、所望の生成物(27mg、37%)がオレンジ色泡沫フィルムとして得られた。MS ESI(+) m/z 502 (M+E)検出;H NMR(400 MHz,CDCl)δ7.52(m,1H),7.46(d,J=8.0Hz,2H),7.37(m,2H),7.30(m,1H),7.10(m,2H),5.70(m1h),3.79(s,3H),3.40(m,3H),3.16(m,1H),3.14(s,3H),2.85(s,3H),2.45(m,1H),2.10(m,1H)。
【0229】
(実施例27)
【0230】
【化42】

(Z)−2−(3−(2−シアノ−3−メチルグアニジノ)プロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−N,N−ジメチル−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−カルボキサミド
実施例26の方法に従って、2−(3−アミノプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−N−メトキシ−N−メチル−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−カルボキサミドの代わりに2−(3−アミノプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−N,N−ジメチル−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)カルボキサミド(国際公開公報第WO2006−044825号の実施例30に記載のように調製)を使用して調製し、生成物が鏡像異性体の混合物として得られた。MS ESI (+) m/z 486(M+E)検出;H NMR(400 MHz,CDCl)δ7.50(m,2H),7.46(m,1H),7.38(m,2H),7.29(m,1H),7.10(m,2H),5.55(m,1H),3.37(m,1H),3.28(m,1H),3.18(m,1H),3.05(s,6H),2.81(d,J=5.3Hz,3H),2.41(m,1H),2.08(m,1H),1.67(m,1H)。
【0231】
(実施例28)
【0232】
【化43】

(Z)−1−(3−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−イソブチリル−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロピル)−2−メトキシグアニジン
ステップA:(3−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−イソブチリル−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロピル)シアナミドの調製:1−(2−(3−アミノプロピル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−イル)−2−メチルプロパン−1−オン(33mg、0.0817867mmol)を10mLのフラスコ内に秤量し、1.0mLのCHClに溶かし、続いて臭化シアン(11.2618mg、0.106323mmol)を加え、トリエチルアミン(0.0398980mL、0.286253mmol)を滴下した。その後、反応を周囲温度で1時間攪拌した。その後、反応を真空下で濃縮し、生じるタン色泡沫を精製せずに次のステップで使用した。
【0233】
ステップB:(Z)−1−(3−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−イソブチリル−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロピル)−2−メトキシグアニジンの調製:粗(3−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−イソブチリル−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)プロピル)シアナミド(35mg、0.08168mmol)を3mLのEtOH中で密封チューブに移した。その後、塩酸メトキシアミン(170.5mg、2.042mmol)およびトリエチルアミン(0.2846ml、2.042mmol)を加え、反応を70℃で18時間加熱した。さらに50当量の塩酸メトキシアミンを50当量のTEAと共に加えた。その後、反応を24時間加熱した。反応を真空下で濃縮した、塩を酢酸エチルで洗浄した。その後、濾液を真空下で濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製して(5〜10%のMeOH/CHCl)、所望の生成物(14.2mg、36%の収率)が透明な油状物として得られた。MS ESI (+) m/z 476 (M+E) 検出;H NMR (400 MHz, CDCl) d 7.52 (m, 1H), 7.38 (m, 4H), 7.13 (m, 3H), 3.73 (s, 3H), 3.54 (m, 1H), 3.38 (m, 4H), 2.50 (m, 1H), 2.13 (m, 1H), 1.64 (m, 1H), 1.19 (d,J=7.2Hz,6H)。
【0234】
(実施例29)
【0235】
【化44】

(Z)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−(3−(2−メトキシグアニジノ)プロピル)−N,N−ジメチル−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−カルボキサミドの合成
実施例28の方法に従って、イソプロピル−置換の1,3,4−チアジアゾール−3(2H)−カルボキサミドの代わりにN,N−ジメチル−のものを使用して調製して、生成物が鏡像異性体の混合物として得られた。MS ESI (+) m/z 477 (M+E) 検出; H NMR (400 MHz, CDCl) d 7.52 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.44 (m, 1H), 7.36 (m, 2H), 7.22 (m, 1H), 7.09 (m, 2H), 4.49 (m, 1H), 3.67 (s, 3H), 3.21 (m, 2H), 3.16 (m, 1H), 3.04 (s, 6H), 2.42 (m, 1H), 2.03 (m, 1H), 1.68 (m, 1H)。
【0236】
以下の化合物は、上述の手順を用いて、適切に置き換えた試薬を利用して、調製することができる。
【0237】
【化45】

【0238】
【化46】

【0239】
【化47】

【0240】
【化48】

【0241】
【化49】

【0242】
【化50】

【0243】
【化51】

【0244】
【化52】

【0245】
【化53】

【0246】
【化54】

【0247】
【化55】

【0248】
【化56】

【0249】
【化57】

【0250】
【化58】

【0251】
【化59】

【0252】
【化60】

【0253】
【化61】

【0254】
【化62】

【0255】
【化63】

【0256】
【化64】

【0257】
【化65】

【0258】
【化66】

(実施例30)
以下に、ヒトにおいて治療的または予防的に使用する式Iの化合物(「化合物X」)を含む代表的な製薬剤形を例示する。
(i)錠剤1 mg/錠剤
化合物X= 100.0
ラクトース 77.5
ポビドン 15.0
クロスカルメロースナトリウム 12.0
結晶セルロース 92.5
ステアリン酸マグネシウム 3.0
300.0
(ii)錠剤2 mg/錠剤
化合物X= 20.0
結晶セルロース 410.0
デンプン 50.0
グリコール酸ナトリウムデンプン 15.0
ステアリン酸マグネシウム 5.0
500.0
(iii)カプセル mg/カプセル
化合物X= 10.0
コロイド状二酸化ケイ素 1.5
ラクトース 465.5
アルファ化デンプン 120.0
ステアリン酸マグネシウム 3.0
600.0
(iv)注射用1(1mg/ml) mg/ml
化合物X=(遊離酸形態) 1.0
二塩基性リン酸ナトリウム 12.0
一塩基性リン酸ナトリウム 0.7
塩化ナトリウム 4.5
1.0Nの水酸化ナトリウム溶液
(pH7.0〜7.5に調節) 適量
注射用水 1mLまで適量
(v)注射用2(10mg/ml) mg/ml
化合物X=(遊離酸形態) 10.0
一塩基性リン酸ナトリウム 0.3
二塩基性リン酸ナトリウム 1.1
ポリエチレングリコール400 200.0
01Nの水酸化ナトリウム溶液
(pH7.0〜7.5に調節) 適量
注射用水 1mLまで適量
(vi)エアロゾル mg/缶
化合物X= 20.0
オレイン酸 10.0
トリクロロモノフルオロメタン 5,000.0
ジクロロジフルオロメタン 10,000.0
ジクロロテトラフルオロエタン 5,000.0
上記配合は、製薬分野で周知の慣用手順によって得られ得る。
【0259】
すべての出版物、特許、および特許文献は、個別に参考として組み込まれている場合と同等に、本明細書中に参考として組み込まれている。前述の記載は、本発明の原理の例示のみとして、みなされる。さらに、当業者には数々の修正および変更が明らかとなるので、本発明を上述して示した正確な構成およびプロセスに限定することは、望ましくない。したがって、すべての適切な修正および均等物が、以下の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に入るとみなされ得る。
【0260】
単語「comprise」、「comprising」、「include」、「including」、および「includes」は、本明細書および以下の特許請求の範囲中で使用した場合、記載した特徴、整数、構成要素、またはステップの存在を特定することを意図するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、構成要素、ステップ、またはその群の存在または追加を排除しない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物またはその塩
【化67】

[式中、
Xは、OまたはSであり;
およびRは、それぞれ独立して、アリールまたはヘテロアリールであり、該アリールおよびヘテロアリールは、それぞれ、ハロ、シアノ、ニトロ、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アジド、−OR、−NR、−C(=O)R、−C(=O)OR、−NRC(=O)OR、−C(=O)NR、(C〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C〜C10)アルケニル、および(C〜C10)アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の基で任意選択で置換されており;
は、(C〜C10)アルキル、(C〜C10)アルケニル、(C〜C10)アルキニル、(C〜C10)シクロアルキル、NR、アリール、複素環、またはヘテロアリールであり、Rの(C〜C10)アルキル、(C〜C10)アルケニル、(C〜C10)アルキニル、(C〜C10)シクロアルキル、C(=NR)R、アリール、およびヘテロアリールはそれぞれ、1つまたは複数のRで任意選択で置換されており;
は、Z−NR−C(=NR)R、Z−NR−C(=NR)NR、Z−C(=NR)NR、Z−O−NRC(=NR)NR、Z−O−NR−C(=NR)R、Z−NR−NR−C(=NR)R、Z−O−NR、Z−O−Z−C(=NR)NR、Z−O−N=C(R、Z−NR−C(=CHR)NR、またはZ−NR−NR−C(=NR)NRであり、ただし、RがZ−O−NRC(=NR)NR、Z−O−NR−C(=NR)RまたはZ−O−NRである場合、RおよびRはORではなく;
Zは、それぞれが1つまたは複数のハロで任意選択で置換された(C〜C10)アルキレン、(C〜C10)アルケニレン、または(C〜C10)アルキニレンであり;
、R、およびRは、それぞれ独立して、H、(C〜C10)アルキル、(C〜C10)アルケニル、(C〜C10)アルキニル、(C〜C10)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環およびアリール(C〜C)アルキルから選択され、RおよびRはそれぞれ、オキソ(ただし、該オキソは芳香環上にはない)、ハロ、シアノ、ニトロ、−OR、−NR、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アジド、(C〜C10)アルキル、および(C〜C10)シクロアルキルから独立して選択された1つもしくは複数の基で任意選択で置換されているか;または、任意のNRは、一緒になって複素環を形成し、該複素環は、オキソ(ただし、該オキソは芳香環上にはない)、ハロ、シアノ、ニトロ、OR、−NR、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アジド、(C〜C10)アルキル、および(C〜C10)シクロアルキルから独立して選択された1つもしくは複数の基で任意選択で置換されているか;または、任意のNRは、一緒になって複素環を形成し、該複素環は、1つもしくは複数のオキソ(ただし、該オキソは芳香環上にはない)、ハロ、シアノ、ニトロ、OR、−NR、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アジド、(C〜C10)アルキル、および(C〜C10)シクロアルキルで任意選択で置換されているか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成するか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成し;
は、(C〜C10)アルキル、(C〜C10)アルケニル、(C〜C10)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環またはアリール(C〜C)アルキルであり、それぞれのRは、オキソ(ただし、該オキソは芳香環上にはない)、ハロ、シアノ、ニトロ、OR、−NR、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アジド、(C〜C10)アルキル、および(C〜C10)シクロアルキルから独立して選択された1つもしくは複数の基で任意選択で置換されているか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成し;
およびRは、独立して、H、(C〜C10)アルキル、(C〜C10)アルケニル、(C〜C10)アルキニル、および(C〜C10)シクロアルキルから選択されるか;または、NRは、一緒になって複素環を形成し;
、RおよびRは、独立して、H、OR、もしくは(C〜C10)アルキル、であるか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成するか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成するか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成するか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成するか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成するか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成するか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成し;
は、H、−OR、シアノ、−C(=O)N(R、−C(=O)R、またはハロ、シアノ、−OR、−N(R、およびアリールから独立して選択された1つもしくは複数の基で任意選択で置換されたアルキルであるか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成するか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成し;
は、H、またはハロ、ニトロ、シアノ、−OR、−N(R、およびアリールから独立して選択された1つもしくは複数の基で任意選択で置換された(C〜C10)アルキルであるか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成するか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成するか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成し;
およびRは、独立して、H、−OR、C(=O)R、複素環、アリール、ヘテロアリール、(C〜C)シクロアルキル、またはハロ、シアノ、−OR、−N(R、およびアリールから独立して選択された1つもしくは複数の基で任意選択で置換された(C〜C10)アルキルであるか;または、−NRは、一緒になって複素環を形成するか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成するか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成するか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成するか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成するか;または、RおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成し;
それぞれのRは、独立して、オキソ(ただし、該オキソは窒素、酸素もしくは不飽和炭素上にはない)、ハロ、シアノ、ニトロ、アジド、−NR、−C(=O)R、−C(O)OR、−OC(=O)R、−NRC(=O)OR、−C(=O)NR、−NRC(=O)NR(OR)、−NRC(=O)NR、−NRC(NCN)NR、−OR、(C〜C10)アルキル、(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C10)アルケニル、(C〜C10)アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリール(C〜C)アルキル、ヘテロアリール(C〜C)アルキル、複素環、複素環(C〜C)アルキル、または−OP(=O)(ORであり、該(C〜C10)アルキル、(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C10)アルケニル、(C〜C10)アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリール(C〜C)アルキル、ヘテロアリール(C〜C)アルキル、複素環および複素環(C〜C)アルキルは、オキソ(ただし、該オキソは芳香環上にはない)、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、−OR、NR、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アジド、−C(=O)R、−C(=O)OR、−OC(=O)R、−NRC(=O)OR、−C(=O)NR、−NRC(=O)NR、および−NRC(NCN)NRから独立して選択された1つまたは複数の基で任意選択で置換されており;
それぞれのRは、独立して、H、(C〜C10)アルキル、−P(=O)(OH)、アセチル、2−アミノプロパノイル、アミノアセチル、またはメトキシカルボニルであり;
それぞれのRは、独立して、(C〜C10)アルキル、(C〜C10)アルケニル、(C〜C10)アルキニル、(C〜C10)シクロアルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、−NR、−C(=O)R、またはORであり;
それぞれのRは、独立して、(C〜C10)アルキル、(C〜C10)アルケニル、(C〜C10)アルキニル、(C〜C10)シクロアルキル、アリール、もしくはアリール(C〜C)アルキルであるか;または、−C(Rは、一緒になって(C〜C10)シクロアルキルを形成し;
それぞれの複素環は、独立して、N(R)、O、S、S(O)もしくはS(O)から選択された1〜4個のヘテロ原子を含む、3〜8員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環、またはそれから誘導された8〜12個の環原子のオルト縮合した二環であり、それぞれのRは、独立して、存在しないか、またはH、O、(C〜C)アルキル、−C(=O)(C〜C)アルキル、フェニルもしくはベンジルであり;
それぞれのヘテロアリールは、独立して、O、S、S(O)もしくはS(O)、およびN(R)からそれぞれ選択された1〜4個のヘテロ原子を含む5〜6員の単環の芳香環であって、該環は2個の隣接するOもしくはS原子を含まない、芳香環、あるいはそれから誘導された8〜10個の環原子のオルト縮合した二環式複素環であり;それぞれのRは、独立して、存在しないか、またはH、O、(C〜C)アルキル、−C(=O)(C〜C)アルキル、フェニルもしくはベンジルであり;
それぞれのアリールは、独立して、フェニル環または9〜10個の環原子を有するオルト縮合した二環式炭素環であり、該環の少なくとも1つは芳香族である]。
【請求項2】
式IIを有する、請求項1に記載の化合物。
【化68】

【請求項3】
XがSである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
が、ハロ、シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、−OR、−NR、−C(=O)R、−C(=O)OR、−NRC(=O)OR、−C(=O)NR、(C〜C10)アルキル、(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C10)アルケニル、および(C〜C10)アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の基で任意選択で置換されたアリールである、請求項1または3に記載の化合物。
【請求項5】
が、ハロ、シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、−OR、−NR、−C(=O)R、−C(=O)OR、−NRC(=O)OR、−C(=O)NR、(C〜C10)アルキル、(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C10)アルケニル、および(C〜C10)アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の基で任意選択で置換されたフェニルである、請求項1または3に記載の化合物。
【請求項6】
が、ハロ、シアノ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、−OR、−NR、−C(=O)R、−C(=O)OR、および(C〜C10)アルキルから独立して選択された1つまたは複数の基で任意選択で置換されたフェニルである、請求項1または3に記載の化合物。
【請求項7】
が、1つまたは複数のハロで任意選択で置換されたフェニルである、請求項1または3に記載の化合物。
【請求項8】
が2,5−ジフルオロフェニルである、請求項1または3に記載の化合物。
【請求項9】
が、ハロ、シアノ、ニトロ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アジド、−OR、−NR、−C(=O)R、−C(=O)OR、−NRC(=O)OR、−C(=O)NR、(C〜C10)アルキル、(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C10)アルケニル、および(C〜C10)アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の基で任意選択で置換されたフェニルである、請求項1または3から8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
がフェニルである、請求項1または3から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
が、1つまたは複数のRで任意選択で置換された(C〜C10)アルキルである、請求項1または3から10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
それぞれのRが、独立して、オキソ、−NR、−OR、(C〜C10)シクロアルキル、アリール、または−OP(=O)(ORである、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
が、1−メトキシエチル、1−ヒドロキシエチル、イソプロピル、tert−ブチル、エチル、プロピル、1−メチルプロピル、1−エチルプロピル、1−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル、α−ヒドロキシシクロプロピルメチル、α−アミノシクロプロピルメチル、α−(N−メチルアミノ)シクロプロピルメチル、1−エトキシエチル、1−トリフルオロメトキシエチル、1−(シクロプロピルオキシ)エチル、1−メトキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−メトキシ−1−メチルエチル、1−メトキシプロピル、1−メトキシ−2,2−ジメチルプロピル、1−(2−メチルプロポキシ)エチル、1−(イソプロポキシ)エチル、1−(tert−ブトキシ)エチル、1−(2−メトキシエトキシ)エチル、1−(フェノキシ)エチル、1−(2−ピリジルオキシ)エチル、1−(3−ピリジルオキシ)エチル、1−(ベンジルオキシ)エチル、α−メトキシベンジル、2−メトキシエチル、1−(N−アセチルアミノ)−2−メチルプロピル、1−アミノ−2−メチルプロピル、アセチル、3−アミノプロピル、2−アミノ−1,1−ジメチルエチル、1−アミノ−2−メチルプロピル、1−アミノ−2,2−ジメチルプロピル、1−メトキシシクロプロピルメチル、1−メトキシエチル、または
【化69】

である、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
がNRである、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
が、N−メトキシ−N−メチルアミノ、N−メトキシ−N−エチルアミノ、N−エトキシ−N−メチルアミノ、N−エトキシ−N−エチルアミノ、N−t−ブトキシ−N−メチルアミノ、N−イソプロポキシ−N−エチルアミノ、N−エトキシ−N−イソプロピルアミノ、N−エトキシ−N−t−ブチルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N−ヒドロキシ−N−メチルアミノ、メチルアミノ、N−(4−ピペリジル)−N−メチルアミノ、N−(1−アセチルピペリド−4−イル)−N−メチルアミノ、N−(3−アミノプロピル)−N−メチルアミノ、N−ヒドロキシメチル−N−メチルアミノ、N−ホスホリルメチル−N−メチルアミノ、N−ヒドロキシメチル−N−エチルアミノ、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−エチルアミノ、N−(3−ヒドロキシプロピル)−N−エチルアミノ、N−(4−ヒドロキシブチル)−N−エチルアミノ、N−(2−アミノエチル)−N−エチルアミノ、N−(3−アミノプロピル)−N−エチルアミノ、N−(4−アミノブチル)−N−エチルアミノ、1−アゼチジニル、1−ピロリジニル、1−ピペリジノ、または4−モルホリノである、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
が、1つまたは複数のRで任意選択で置換された(C〜C10)シクロアルキルである、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
が、シクロブチル、シクロペンチル、1−メチルシクロプロピル、1−トリフルオロメチルシクロプロピル、1−ヒドロキシシクロプロピル、1−メトキシシクロプロピルまたは2−フルオロシクロヘキシルである、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
が、複素環、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれのRが、1つまたは複数のRで任意選択で置換されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
が、3−ピリジル、2−ピリジル、3−メチル−2−フリル、2−メチル−5−チアゾリル、3−アミノフェニル、5−メチル−2−チエニル、またはテトラヒドロフラニルである、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
が、1−メトキシエチル、1−ヒドロキシエチル、またはN−メトキシ−N−メチルアミノである、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
−C(=O)Rが、(S)−2−メトキシプロパノイルまたは(S)−2−ヒドロキシプロパノイルである、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項22】
が、Z−NR−C(=NR)R、Z−NRg−C(=NR)NR、Z−NR−NR−C(=NR)R、Z−NR−C(=CHR)NR、またはZ−NRm−NR−C(=NR)NRである、請求項1から21のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
がZ−C(=NR)NRである、請求項1から21のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項24】
が、Z−O−NRC(=NR)NR、Z−O−NR−C(=NR)R、Z−O−NR、Z−O−Z−C(=NR)NR、またはZ−O−N=C(Rである、請求項1から21のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項25】
が、以下の構造:
【化70】

【化71】

【化72】

から選択される、請求項1から21のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項26】
が、以下の構造:
【化87】

を有する、請求項1から21のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項27】
Zが、1つまたは複数のハロゲンで任意選択で置換された(C〜C10)アルキレンである、請求項1から21のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項28】
Zが、エチレン、プロピレン、メチレン、または−CHCHCF−である、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
請求項1から28のいずれか一項に記載の化合物および製薬上許容される担体を含む組成物。
【請求項30】
細胞の増殖を阻害する方法であって、該細胞を有効量の請求項1から28のいずれか一項に記載の化合物と接触させることを含む、方法。
【請求項31】
動物において細胞の増殖を阻害する方法であって、有効量の請求項1から28のいずれか一項に記載の化合物を該動物に投与することを含む、方法。
【請求項32】
異常細胞増殖を阻害する方法であって、細胞を有効量の請求項1から28のいずれか一項に記載の化合物と接触させることを含む、方法。
【請求項33】
動物において異常細胞増殖を阻害する方法であって、有効量の請求項1から28のいずれか一項に記載の化合物を該動物に投与することを含む、方法。
【請求項34】
1つまたは複数のキネシンを阻害する方法であって、前記動物において1つまたは複数のキネシンを有効量の請求項1から28のいずれか一項に記載の化合物と接触させることを含む、方法。
【請求項35】
動物において1つまたは複数のキネシンを阻害する方法であって、有効量の請求項1から28のいずれか一項に記載の化合物を該動物に投与することを含む、方法。
【請求項36】
動物において微小管媒介性状態を治療する方法であって、有効量の請求項1から28のいずれか一項に記載の化合物を該動物に投与することを含む、方法。
【請求項37】
動物において有糸分裂紡錘体の形成を阻害する方法であって、有効量の請求項1から28のいずれか一項に記載の化合物を該動物に投与することを含む、方法。
【請求項38】
動物において真菌または他の真核生物の感染症を治療する方法であって、有効量の請求項1から28のいずれか一項に記載の化合物を該動物に投与することを含む、方法。
【請求項39】
a)請求項1から28のいずれか一項に記載の化合物;および
b)使用説明書
を含む、異常細胞増殖状態を治療するためのキット。
【請求項40】
治療で使用するための、請求項1から28のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項41】
動物において細胞の増殖を阻害するための医薬品の製造における、請求項1から28のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項42】
動物において異常細胞増殖を阻害するための医薬品の製造における、請求項1から28のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項43】
動物において1つまたは複数のキネシンを阻害するための医薬品の製造における、請求項1から28のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項44】
動物において微小管媒介性状態を治療するための医薬品の製造における、請求項1から28のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項45】
動物において有糸分裂紡錘体の形成を阻害するための医薬品の製造における、請求項1から28のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項46】
動物において真菌または他の真核生物の感染症を治療するための医薬品の製造における、請求項1から28のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項47】
式Iの化合物またはその塩を調製するための方法であって、該方法は、
a)1つもしくは複数の保護基を含む対応する化合物を脱保護すること;
b)式Iの化合物の塩について、式Iの対応する化合物から塩を形成すること;
c)RがZ−C(=NH)NRである式Iの化合物について、RがZ−C(=NH)ORであり、Rが(C〜C10)アルキルである対応する化合物を、対応するアミンHNRと反応させること;
d)RがZ−C(=NCN)NRである式Iの化合物について、RがZ−C(=NH)ORであり、Rが(C〜C10)アルキルである対応する化合物を、シアナミドと反応させ、続いて対応するアミンHNRで処理すること;
e)RがZ−C(=NOR)NHである式Iの化合物について、RがZ−C(=NH)ORであり、Rが(C〜C10)アルキルである対応する化合物を、対応するアミンNH(OR)と反応させること;
f)RがZ−NR−C(=NR)NRである式Iの化合物について、RがZ−NHRである対応する化合物を、グアニジン化試薬と反応させること;
g)RがZ−NR−C(=NR)NRである式Iの化合物について、RがZ−NHRである対応する化合物を、N−保護されたグアニジン化試薬と反応させ、続いて脱保護すること;
h)RがZ−NR−C(=NR)Rである式Iの化合物について、RがZ−NHRである対応する化合物を、対応するイミデートまたはイミデート塩と反応させること;
i)RがZ−NR−C(=NCN)Rである式Iの化合物について、RがZ−NHRである対応する化合物を、対応するシアノイミデートまたはシアノイミデート塩と反応させること;
j)RがZ−NR−C(=NH)NR(OR)である式Iの化合物について、RがZ−NR−CNである対応する化合物を、対応するアルコキシアミンまたはアルコキシアミン塩で処理すること;
k)RがZ−NR−C(=NR)NRであり、Rがアミノカルボニルである式Iの化合物について、Rがシアノである対応する化合物を、水性溶媒中の酸で処理すること;
l)RがZ−O−NR−C(=NR)Rである式Iの化合物について、RがZ−O−NHRである対応する化合物を、対応するイミデートまたはイミデート塩で処理すること;
m)RがZ−O−NRC(=NR)NRである式Iの化合物について、RがZ−O−NHRである対応する化合物を、対応するグアニジン化試薬で処理すること;
n)RがZ−O−NRC(=NR)NRである式Iの化合物について、RがZ−O−NHRである対応する化合物を、N−保護されたグアニジン化試薬で処理し、続いて脱保護すること;
o)RがZ−N(OR)C(=NR)Rである式Iの化合物について、RがZ−NH(OR)である対応する化合物を、対応するイミデートまたはイミデート塩で処理すること;
p)RがZ−N(OR)C(=NR)NRである式Iの化合物について、RがZ−NH(OR)である対応する化合物を、対応するグアニジン化試薬で処理すること;
q)RがZ−N(OR)C(=NR)NRである式Iの化合物について、RがZ−NH(OR)である対応する化合物を、対応するN−保護されたグアニジン化試薬で処理し、続いて脱保護すること;
r)RがZ−NR−NR−C(=NR)Rである式Iの化合物について、RがZ−NR−NR−Hである対応する化合物を、対応するイミデートまたはイミデート塩で処理すること;
s)RがZ−NR−NR−C(=NR)NRである式Iの化合物について、RがZ−NR−NR−Hである対応する化合物を、対応するグアニジン化試薬で処理すること;または
t)RがZ−NR−NR−C(=NR)NRである式Iの化合物について、RがZ−NR−NR−Hである対応する化合物を、対応するN−保護されたグアニジン化試薬で処理し、続いて脱保護すること
を含む、方法。

【公表番号】特表2010−505870(P2010−505870A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−531569(P2009−531569)
【出願日】平成19年10月3日(2007.10.3)
【国際出願番号】PCT/US2007/080246
【国際公開番号】WO2008/042928
【国際公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(504344509)アレイ バイオファーマ、インコーポレイテッド (87)
【Fターム(参考)】