説明

有角および無角ウシの遺伝子マーカーおよび関連する方法

本発明の実施形態は、ウシ動物の有角/無角表現型を含めた望ましい動物形質を改善する方法を提供する。無角、適応度および/または生産性形質に関連する複数のマーカーに関して乳生産動物の遺伝子型を決定する方法も提供する。本発明は、後代検定または中核群育種などの所定の使用、繁殖用の潜在的親動物の精選および改善された後代動物の生産用に動物を選択するか、または割り当てる方法も提供する。本明細書に開示のSNPと対立遺伝子関連にある、無角、適応度および/または生産性形質に関連する遺伝子マーカーを同定する方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、2007年10月3日出願の米国特許仮出願第60/977,238号に基づく権利を主張する。
【0002】
配列表の組み込み
配列表は、「Polled_v2_ST251_final.txt」と名づけられたファイルに含有されている。このファイルは、55,296バイト(54キロバイト)(MS−Windows XPで測定)であり、148の配列を含み、2008年9月19日に作成された。配列表は、これによって伝達され、かつ参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本発明は、ウシにおける望ましい特徴の強化に関する。より詳細には、本発明は、有角/無角表現型に関してウシを改善する方法における、遺伝子マーカーの使用に関する。
【背景技術】
【0004】
牛産業、とりわけ乳牛産業の将来の存立の可能性および競合性は、動物の表現型の絶え間ない進歩に依存している。商業用ウシ集団では、多くの形質が、その根底の遺伝的変異をある程度有するが、それらの多くに関して、遺伝率が低いため、または候補動物における形質を費用効率よく測定することが不可能であるため、優れた遺伝的メリットを有する繁殖用動物を選択する精度が低い。加えて、有角/無角表現型などの一部の形質は、十分に若くて有用な動物で特徴付けることがしばしば困難である。例えば、ほとんどすべての若いウシは、それらが角を出しているか否かに関わらず、単純に予防的な処置として、幼いときに除角される。除角される動物の多くは、実際には無角(遺伝的に角がない)でありうる。そのような手順は、伝統的な育種法に必要な正確な表現型を得るのに、かなりの困難をもたらす。さらに、無角表現型が伴う頻度が低いことは、実質的に無角であるウシの群または品種を伝統的な育種法によって生み出す効率が悪いであろうことを示唆する。それゆえ、これらの形質についての従来の選択の精度は中程度から低度であり、選択を介して遺伝的変化を生じさせる能力は限定的である。
【0005】
ゲノミクスは、遺伝変異を説明し、より直接的かつ正確な選択に使用できる遺伝子または遺伝子に連鎖している遺伝子マーカーの発見を介して、より大いなる改良の可能性を提供する。いくつかのグループによって、有角/無角表現型、とりわけ肉牛の有角/無角表現型が研究されてきている。しかし、すべての集団に有効に機能する正確な検定は、どの研究者も実現できていない。例えば、Brennemanら(1996年)、Drogemullerら(2005年)、Georgesら(1993年)、Harliziusら(1997年)、LongおよびGregory(1978年)、Schmutzら(1995年)、WhiteおよびIbsen(1936年)、Wunderlichら(2006年)を参照のこと。
【0006】
世界中で乳生産に用いられているウシ群は主として、高レベルの生産で知られているホルスタイン品種またはホルスタイン−フリージアン品種に発するものである。ホルスタインの遺伝資源は数10年間にわたって世界的に販売および輸送されているので、ホルスタイン品種は事実上、比較的中程度の同系交配率に保持されている1つの大きな世界的集団になっている。したがって、有角/無角表現型を同定および予測するための正確な遺伝子検査を開発すること、ならびに繁殖計画にそれを組み入れることに関して、この集団はとりわけ興味深い。さらに、複数の遺伝子マーカーを用いることによって、有角/無角表現型のマーカーの使用を、適応度および生産性形質などの他の形質の選択と併用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
【課題を解決するための手段】
【0008】
このセクションは、本発明の非網羅的な概要を示す。
【0009】
本発明の様々な実施形態は、動物ゲノム内の1つまたは複数の位置で動物の遺伝子型を評価する方法を提供する。これらの実施形態の様々な態様において、本出願の表および配列表に記載のSNPから選択される少なくとも1つのSNPを含有するDNAセグメント(対立遺伝子)内の複数の位置で、動物の遺伝子型を評価する。
【0010】
本発明の他の実施形態は、動物を、有角/無角表現型に関するそれらの予測育種価に従って使用に割り当てる方法を提供する。本発明のこの実施形態の様々な態様は、a)1つまたは複数の多型で動物のゲノム配列を分析して(分析される対立遺伝子はそれぞれ少なくとも1つのSNPを含む)、それらの多型のそれぞれで、上記動物の遺伝子型を決定するステップと、b)多型のそれぞれについて決定された遺伝子型を分析して、そのSNPのどの対立遺伝子が存在しているかを決定するステップと、c)動物を、分析された多型のうちの1つまたは複数におけるその遺伝子型に基づいて使用に割り当てるステップとを含む方法を提供する。本発明のこの実施形態の様々な態様は、表1で本出願に開示する1つまたは複数の多型における、動物の遺伝子型と、有角/無角表現型との間の好ましい関連性に基づいて、動物を使用に割り当てる方法を提供する。代替として、上記方法は、望ましくない表現型に関連しているか、または望ましい表現型に関連していない1つまたは複数のSNP対立遺伝子を動物が有するため、上記動物を、ある特定の使用に割り当てない場合も包含する。
【0011】
本発明の他の実施形態は、後代を生産するための繁殖に使用するための動物を選択する方法を提供する。これらの方法の様々な態様は、a)1または複数箇所の遺伝子座で、少なくとも1頭の潜在的親動物の遺伝子型を決定するステップであって、分析される遺伝子座のうちの少なくとも1箇所が、表に記載のSNPの群から選択されるSNPの対立遺伝子を含有するステップと、b)少なくとも1頭の動物について1または複数箇所の位置で決定された遺伝子型を分析して、どのSNP対立遺伝子座が存在しているかを決定するステップと、c)分析された1つまたは複数の対立遺伝子を有角/無角表現型と相関させるステップと、d)少なくとも1頭の動物を、後代を生産するための使用に割り当てるステップとを含む。
【0012】
本発明の他の実施形態は、子孫動物(後代動物)を生産する方法を提供する。本発明のこの実施形態の諸態様は、繁殖用に選択された動物を、本明細書に記載の、子孫を生産する方法によって繁殖させるステップを含む方法を提供する。上記子孫は、純粋に自然な方法によって生産しても、限定されるものではないが、人工授精;胚移植(ET)、多排卵受精卵移植(MOET)、in vitro受精(IVF)またはこれらの任意の組合せを含めた任意の適切な技術的手段の使用を介して生産してもよい。
【0013】
本発明の他の実施形態は、表に記載のSNPのうちの複数を列挙する核酸配列リストを各データベースが含む複数のデータベースまたはデータベースの群を提供する。本発明のこの実施形態の好ましい態様は、5つ以上のSNPの配列を含むデータベースを提供する。これらの実施形態の他の態様は、各データベースが表に記載のSNPのうちの複数を含む1つまたは複数のデータベースを使用する1つまたは複数のコンピュータアルゴリズムを、上記SNPの1つまたは複数の対立遺伝子の遺伝に関連する表現型形質を同定するために用いる方法、および/または動物の割り当てを補助するのにそのようなデータベースを用いる方法を含む。
【0014】
本発明の追加の実施形態は、表に記載のSNPのうちの1つまたは複数と対立遺伝子関連にある他の遺伝子マーカーを同定する方法を提供する。
【0015】
本発明の実施形態には、動物を、上記動物について予測されている有角/無角表現型に従って使用に割り当てる方法であって、a)1または複数箇所の遺伝子座で動物の遺伝子型を決定するステップであり、少なくとも1箇所の遺伝子座が、少なくとも2つの対立遺伝子変種を有する一塩基多型(SNP)を含有し、かつ少なくとも1つのSNPが、表1に記載のSNPから選択されるステップと、b)表1に記載のSNPから選択された1つまたは複数のSNPで評価された少なくとも1頭の動物の決定された遺伝子型を分析して、どの対立遺伝子変種が存在しているかを決定するステップと、c)同定された対立遺伝子を、有角または無角表現型と相関させるステップと、d)決定されたその遺伝子型に従って動物を使用に割り当てるステップとを含む方法が含まれる。
【0016】
本発明の実施形態には、潜在的子孫をつくるための潜在的親動物を選択する方法であって、a)少なくとも1頭の潜在的親動物の遺伝子型を1または複数箇所のゲノム遺伝子座で決定するステップであり、少なくとも1箇所の遺伝子座が、少なくとも2つの対立遺伝子変種を有する一塩基多型(SNP)を含有し、かつ少なくとも1つのSNPが、表1に記載のSNPから選択されるステップと、b)表1に記載のSNPから選択された1つまたは複数のSNPに関して評価された少なくとも1頭の動物の、決定された遺伝子型を分析して、どの対立遺伝子が存在しているかを決定するステップと、c)同定された対立遺伝子を、有角または無角表現型と相関させるステップと、d)少なくとも1頭の動物を、その遺伝子型に基づいて、繁殖使用に割り当てるステップとを含む方法も含まれる。
【0017】
本発明の実施形態には、後代動物を生産する方法であって、a)本明細書に記載の通りに繁殖用に割り当てられた少なくとも1頭の潜在的親動物を同定するステップと、b)(i)自然繁殖、(ii)人工授精、(iii)in vitro受精、および/または(iv)上記動物から精液/精子もしくは少なくとも1つの卵子を収集し、それをそれぞれ第2の動物からの1または複数の卵子または精液/精子と接触させて、任意の手段によって受胎産物を生産することを含む過程を介して、割り当てられた動物から後代を生産するステップとを含む方法も含まれる。
【0018】
本発明の実施形態には、試料中にどの対立遺伝子が存在しているかを決定するための核酸アレイであって、表1に記載のSNPからなる群から選択される少なくとも1つまたは複数のSNPとストリンジェントな条件下でハイブリッド形成できる2つ以上の核酸配列を含む核酸アレイも含まれる。
【0019】
本発明の実施形態には、どの対立遺伝子が動物に存在しているかを決定する方法であって、a)表1および2に記載のSNPからなる群から選択されるSNPにストリンジェントな条件下でハイブリッド形成できる少なくとも1つの核酸配列を含むアレイを用意するステップと、b)前記アレイを使用して、動物の遺伝子型を決定するステップと、c)同定された少なくとも1つの対立遺伝子を、有角または無角表現型と相関させるステップと、d)少なくとも1頭の動物を、その遺伝子型に基づいて、繁殖使用に割り当てるステップとを含む方法も含まれる。
【0020】
本発明の実施形態には、表1に記載のSNPの群から選択される少なくとも1つのSNPと対立遺伝子関連にある遺伝子マーカーを同定することによって、有角/無角表現型に関連する遺伝子マーカーを同定する方法であって、a)表1に記載のSNPの群から選択されるマーカーA1と対立遺伝子関連にある疑いのある遺伝子マーカーB1を同定するステップと、b)A1とB1とが対立遺伝子関連にあるかどうかを決定するステップとを含み、少なくとも100頭の動物の集団標本の式1に関してr2>0.2である場合に対立遺伝子関連が存在し、式中、A1が表1に記載のSNPの一対立遺伝子を表し、B1が別の遺伝子座の遺伝子マーカーを表し、f(A1B1)が、A1およびB1の両方を有する頻度を示し、f(A1)が集団内のA1の頻度であり、f(B1)が集団内のB1の頻度である方法も含まれる。
【0021】
本発明の実施形態には、動物を、上記動物について予測されている有角/無角表現型に従って使用に割り当てる方法であって、a)1または複数箇所の遺伝子座で動物の遺伝子型を決定するステップであり、少なくとも1箇所の遺伝子座が、少なくとも2つの対立遺伝子変種を有する遺伝子マーカーを含有し、かつ少なくとも1つの遺伝子マーカーが、表3に記載の一遺伝子内に位置するステップと、b)表3に記載の一遺伝子内の1または複数箇所のSNP遺伝子座で評価された少なくとも1頭の動物の、決定された遺伝子型を分析して、どの対立遺伝子変種が存在しているかを決定するステップと、c)同定された対立遺伝子を、有角または無角表現型と相関させるステップと、c.決定されたその遺伝子型に従って動物を使用に割り当てるステップとを含む方法も含まれる。
【0022】
本発明の様々な実施形態には、全ゲノム分析を含む、分析の方法も含まれる。
【0023】
本発明の実施形態は、潜在的子孫をつくるための潜在的親動物を選択する方法であって、a)少なくとも1頭の潜在的親動物の遺伝子型を1または複数箇所のゲノム遺伝子座で決定するステップであり、少なくとも1箇所の遺伝子座が、表3に記載の一遺伝子内に位置する遺伝子マーカーを含有するステップと、b)1つまたは複数の遺伝子マーカーに関して評価された少なくとも1頭の動物の、決定された遺伝子型を分析して、どの対立遺伝子が存在しているかを決定するステップと、c)同定された対立遺伝子を、有角または無角表現型と相関させるステップと、d)少なくとも1頭の動物を、その遺伝子型に基づいて、繁殖使用に割り当てるステップとを含む方法も含む。
【0024】
本発明の実施形態は、後代動物を生産する方法であって、a)本明細書に記載の方法のうちの任意の方法に従って繁殖用に割り当てられた少なくとも1頭の潜在的親動物を同定するステップと、b)(i)自然繁殖、(ii)人工授精、(iii)in vitro受精、および/または(iv)上記動物から精液/精子もしくは少なくとも1つの卵子を収集し、それをそれぞれ第2の動物からの1または複数の卵子または精液/精子と接触させて、任意の手段によって受胎産物を生産することを含む過程を介して、割り当てられた動物から後代を生産するステップとを含む方法を含む。
【0025】
本発明の実施形態は、表3に記載の一遺伝子内に位置する少なくとも1つのマーカーと対立遺伝子関連にある遺伝子マーカーを同定することによって、有角/無角表現型に関連する遺伝子マーカーを同定する方法であって、a)表1に記載のSNPの群から選択されるマーカーA1と対立遺伝子関連にある疑いのある遺伝子マーカーB1を同定するステップと、b)A1とB1とが対立遺伝子関連にあるかどうかを決定するステップとを含み、少なくとも100頭の動物の集団標本の式1に関してr2>0.2である場合に対立遺伝子関連が存在し、式中、A1が表3に記載のSNPの一対立遺伝子を表し、B1が別の遺伝子座の遺伝子マーカーを表し、f(A1B1)が、A1およびB1の両方を有する頻度を示し、f(A1)が集団内のA1の頻度であり、f(B1)が集団内のB1の頻度である方法も含む。
【0026】
本発明の実施形態は、遺伝子発現を用いる、ウシ動物を選択する方法であって、a)前記動物から試料を取得するステップと、b)前記試料を遺伝子発現に関して分析するステップと、c)前記動物を、遺伝子発現の分析に従って使用に割り当てるステップとを含み、前記遺伝子が、表3に記載の遺伝子から選択される方法も含む。
【0027】
本発明の実施形態は、少なくとも10の多型の、どの対立遺伝子が試料中に存在しているかを決定するための核酸アレイであって、表1および2に記載の多型から選択される1つまたは複数の多型とストリンジェントな条件下でハイブリッド形成できる1つまたは複数の核酸配列を含む核酸アレイも含む。
【0028】
本発明の実施形態は、動物の遺伝子型を1または複数箇所の遺伝子座で評価する方法であって、少なくとも1箇所の遺伝子座が、表1および2に記載の多型から選択される多型を含む方法も含む。
【0029】
本発明の実施形態は、表1および/もしくは2、ならびに/または配列表に記載の配列を含む単離されている核酸配列も含む。本発明のこれらの実施形態の好ましい態様は、表1および/もしくは2、ならびに/または配列表に記載の配列の群から選択される配列からの、連続した17ヌクレオチド以上を含む単離されている核酸分子を提供する。本発明のこれらの実施形態のさらに好ましい態様は、表1および/もしくは2、ならびに/または配列表に記載の配列の群から選択される配列からの、連続した18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36ヌクレオチドまたはそれより多くのヌクレオチドを含む単離されている核酸分子を提供する。これらの単離されている核酸分子の中で最も好ましいものは、表1および/もしくは2、ならびに/または配列表内の配列として記載されている多型ヌクレオチドを含むものである。
【0030】
本発明の様々な実施形態には、表1および2ならびに配列表に記載の核酸の群から選択される一核酸の、連続した少なくとも17ヌクレオチドを含む、単離されている核酸配列であって、上記核酸が表1および2ならびに配列表に記載の少なくとも1つの多型ヌクレオチドを含む核酸配列が含まれる。本発明の他の実施形態は、上述の核酸配列のうちの任意の配列にストリンジェントな条件下でハイブリッド形成できる単離されている核酸を提供する。
【0031】
本発明の追加の実施形態は、表2に列挙する遺伝子のうちの任意の遺伝子の遺伝子発現を転写レベル(すなわち、メッセンジャーRNA、mRNA)で測定する方法を提供する。本発明のこの実施形態の諸態様は、本明細書に記載の方法によって、本出願の表に列挙されている遺伝子のmRNA発現を分析するステップを含む方法を提供する。発現のmRNAレベルは、限定されるものではないが、ノーザンブロット分析、逆転写PCR(RT−PCR)、定量的PCR(QT−PCR)またはこれらの任意の組合せを含めた、いかなる適切な技術的手段の使用を介して分析してもよい。
【0032】
本発明の追加の実施形態は、表に列挙した遺伝子のうちの任意のものの翻訳レベル(すなわち、タンパク質産物)で遺伝子発現を測定する方法を提供する。本発明のこの実施形態の態様は、本明細書に記載の方法によって、表に記載の遺伝子のタンパク質発現および/または機能を分析するステップを含む方法を提供する。タンパク質発現および/または機能は、限定されるものではないが、ウエスタンブロット分析、ポリクローナル抗体ベースの試験、モノクローナル抗体ベースの試験、タンパク質電気泳動、タンパク質アッセイ、マイクロアレイ、免疫組織化学、競合アッセイ、酵素アッセイ、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、側方流動装置、またはいかなるこれらの組合せも含めた、いかなる適切な技術的手段の使用を介して分析してもよい。タンパク質分析および抗体ベースの試験は当技術分野でよく知られている。ウシ検定用のタンパク質ベースの分析の特定の例には、WO03043524A2、US20060199235A1、WO06073447A2およびWO04059282A2が含まれる。
【0033】
本発明の代替の実施形態には、時を得た様式で特定の目的のために動物を選択することが可能となるように、遺伝子マーカー検定またはELISAなどの抗体ベースの試験を用いたオンサイト検定を介するなど、有角/無角表現型検定が迅速な様式で行われる、検定の方法が含まれうる。
【0034】
本発明の代替の実施形態には、当技術分野で記載されている(Goldingら、2006年)RNA干渉(RNAi)技法の使用を介した、本出願の表に記載の遺伝子のうちの任意のものに関する、遺伝子の発現の改変も含まれうる。本発明のこの実施形態の諸態様は、マイクロRNA、低分子ヘアピン型RNA(shRNA)またはサイレンシングRNA(siRNA)の開発または同定と、ベクター内のマイクロRNA、shRNAまたはsiRNAの発現と、発現ベクターの、ウシへの送達とを含む方法を提供する。RNAiを用いた、遺伝子の発現の改変は、限定されるものではないが、マイクロRNA、shRNAもしくはsiRNAの化学合成、マイクロRNA、shRNAもしくはsiRNAを含有する発現ベクターもしくはウイルスベクター、PCR生成のマイクロRNA、shRNAもしくはsiRNA発現カセットおよび/またはin vitro転写マイクロRNA、shRNAもしくはsiRNA、RNアーゼIIIによって生成されたマイクロRNA、shRNAもしくはsiRNA、またはDicerで消化されたdsRNAの集団、またはこれらの組合せを含めた、いかなる適切な技術的手段の使用を介しても実現しうる。
【0035】
本発明の実施形態には、有角/無角表現型に関して、この種の雄性および雌性両方を検定する、選択する方法が含まれる。しかし、一部の場合では、一方の性のみからの遺伝子型情報に基づく選択も許容可能でありうる。
【0036】
本発明の様々な実施形態では、雄性動物を、無角表現型であるかどうか検定し、上記動物からの精液を収集し、人工授精を介して複数の繁殖に使用する。さらに別の好ましい実施形態では、無角表現型である雄性動物を選択し、精液を収集し、その後、上記精液を選別するか、別の方法で改変し、結果として得られる後代の性比を偏らせ、この性比に偏りのある精液を、人工授精を介した繁殖用に使用する。
【発明を実施するための形態】
【0037】
定義
当業者が本発明の完全な範囲をより容易に理解および認識する補助となるように、以下の定義を与える。しかしながら、以下に与える定義で指示する通り、与えられている定義は、そのように指示されていない限り、排他的でないことが意図されている。むしろ、それらは、当業者を本発明の様々な例示的実施形態に集中させるために与えられる好ましい定義である。
【0038】
本明細書で使用される場合、「対立遺伝子関連」という用語は、好ましくは、f(A)およびf(B)の積からの、f(A)の非ランダム偏位を意味し、これは、具体的にはr>0.2によって定義され、その際、rは、適度に多数(例えば、≧100)の動物標本から決定され、かつ
【0039】
【数1】

と定義され、式中、Aが一遺伝子座における一対立遺伝子を表し、Bが別の遺伝子座における一対立遺伝子を表し、f(A)が、AおよびBの両方を有する頻度を示し、f(A)が集団内のAの頻度であり、f(B)がBの頻度である。
【0040】
本明細書で使用される場合、「動物を使用に割り当てる」および「使用への割り当て」という用語は、ある動物を群れの中でどのように使用することにするかを決定すること、または望ましい群管理目標を実現するために、それを群れから排除することにすると決定することを意味することが好ましい。例えば、動物は、繁殖用動物としての使用に割り当てられる可能性も、非繁殖用動物として販売に割り当てられる(例えば肉用の販売が意図されている動物に割り当てられる)可能性もあろう。本発明の特定の態様では、極めて具体的な目標(例えば生産性または適応度)を有する繁殖計画の中の部分集団での使用に動物を割り当てることができる。したがって、繁殖の目的に割り当てられた動物の群の中でさえ、より具体的かつ/または専門的な繁殖目標を実現するための使用への、より具体的な割り当てがありうる。
【0041】
本明細書で使用される場合、「無角」という用語は、角を含有しうる種で評価される場合に、その遺伝子型によって角をもたない動物の表現型を指すことが好ましい。角を有する遺伝的素因を予め有するが、角を除くように、または角の成長を阻止するように処置された動物は、例えそれらが角をもっていない場合でさえ、無角であるとは考えられない。
【0042】
本明細書で使用される場合、「遺伝子マーカー」という用語は、適した方法で測定または検出できる、DNA中の任意の安定的かつ遺伝性の変異を指すことが好ましい。遺伝子マーカーは、それによらなければ測定できないか、または検出するのが非常に困難であるそれ自体以外の特定の遺伝子型または表現型の存在を検出するのに使用できる。遺伝子マーカーの例には、一塩基多型(SNP)、制限酵素断片長多型(RFLP)、増幅断片長多型(AFLP)、コピー数多型(CNV)、単純反復配列(SSR、マイクロサテライトとも呼ばれる)および挿入/欠失が含まれるが、これらに限定されない。
【0043】
本明細書で使用される場合、「連鎖不平衡」という用語は、対立遺伝子関連を意味することが好ましく、その際、AおよびB(対立遺伝子関連の上記定義で用いられている通り)が同一染色体上に存在している。
【0044】
本明細書で使用される場合、「マーカー利用選抜(MAS)」という用語は、血統および表現型データと潜在的に組み合わせた遺伝子マーカー情報に基づく、動物の選択を指すことが好ましい。
【0045】
本明細書で使用される場合、「自然繁殖」という用語は、受精過程における人間介入がない、すなわち、人工授精または胚移植などの機械的または技術的方法の使用がない動物の交配を指すことが好ましい。この用語は、親動物の選択に言及するものではない。
【0046】
本明細書で使用される場合、「予測される価値」という用語は、動物の遺伝子型および血統に基づく、その動物の育種価または伝達能力の見積りを指すことが好ましい。
【0047】
本明細書で使用される場合、「質的形質」という用語は、その形質への完全な影響に寄与する単一の遺伝子または遺伝子座によって制御される形質を示すのに使用される。質的形質の観察は二元的(すなわち、妥当するか否か)である。
【0048】
本明細書で使用される場合、「生殖物質」という用語には、精液、精子、卵子および(1つまたは複数の)接合体が含まれるが、これらに限定されない。
【0049】
本明細書で使用される場合、「一塩基多型」または「SNP」という用語は、集団内で多型である、動物のゲノム内の位置を指す。すなわち、その集団内では、一部の個々の動物がその位置に、ある型の塩基を有し、一方、他のものは異なった塩基を有する。例えば、SNPは、一部の動物はそれらのDNA配列中に「G」を有し、一方、他のものは「T」を有するか、個体はそれぞれ2コピーのDNA配列を含有するので、単独の動物がそれらのDNA配列中に1つの「G」と、1つの「T」とを有しうるゲノム内の位置を指しうるであろう。
【0050】
本明細書で使用される場合、「ストリンジェントな条件下のハイブリダイゼーション」および「ストリンジェントハイブリダイゼーション条件」という用語は、その条件下で「プローブ」がその標的配列に、他の配列にハイブリッド形成するより、検出可能に大きな程度(例えば、バックグランドより少なくとも5倍大きな程度)にまでハイブリッド形成するであろう条件を意味することが好ましい。ストリンジェントな条件は、標的配列に依存しており、そのポリヌクレオチドの構造に応じて異なるであろう。ハイブリダイゼーションおよび/または洗浄条件のストリンジェンシーを制御することによって、プローブに100%相補的である標的配列を同定できる(相同プロービング(homologous probing))。代替として、ストリンジェンシー条件は、より低い程度の類似性が検出されるように、配列中のミスマッチが、ある程度許容されるように調整できる(異種プロービング(heterologous probing))。
【0051】
通常ストリンジェントな条件は、塩濃度が約1.5M未満のNaイオン、典型的には約0.01〜1.0MのNaイオン濃度(または他の塩)、pH7.0〜8.3、かつ短い(例えば、10〜50ヌクレオチド)プローブ用には温度が少なくとも約30℃、長い(例えば、50ヌクレオチド以上)プローブ用には少なくとも約60℃である条件であろう。ストリンジェンシーは、ホルムアミドなどの不安定化剤の添加によっても調整できる。低ストリンジェンシー条件の例には、30〜35%ホルムアミド、1M NaCl、1%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、37℃の緩衝溶液を用いたハイブリダイゼーション、および1×〜2×SSC(20×SSC=3.0M NaCl/0.3Mクエン酸3ナトリウム)中、50〜55℃での洗浄が含まれる。中程度ストリンジェンシー条件の例には、40から45%ホルムアミド、1M NaCl、1%SDS中、37℃でのハイブリダイゼーション、および0.5×〜1×SSC中、55〜60℃での洗浄が含まれる。高ストリンジェンシー条件の例には、50%ホルムアミド、1M NaCl、1%SDS中、37℃でのハイブリダイゼーション、および0.1×SSC中、60〜65℃での洗浄が含まれる。通常、ハイブリダイゼーションの時間は、概して24時間未満、通常は約4から約12時間である。
【0052】
特異性は、通常、ハイブリダイゼーション後の洗浄の関数であり、最終洗浄溶液のイオン強度および温度が重要因子である。DNA−DNAハイブリッドについては、MeinkothおよびWahl(1984年)、Anal.Biochem.138巻、267〜284ページの式、すなわち、T=81.5℃+16.6(log M)+0.41(%GC)−0.61(%form)−500/Lから融解温度(T)の近似ができ、式中、Mは一価陽イオンのモル濃度であり、%GCはDNA中のグアニンおよびシトシンヌクレオチドの割合であり、%formはハイブリダイゼーション溶液中のホルムアミドの割合であり、そして、Lはハイブリッドの長さを塩基対で表したものである。Tは、(特定のイオン強度およびpHの下で)相補的な標的配列の50%が、完全に一致したプローブにハイブリッド形成する温度である。Tは、ミスマッチ1%ごとに約1℃低減し、それゆえ、所望の同一性を有する配列にハイブリッド形成するように、T、ハイブリダイゼーション条件および/または洗浄条件を調整できる。例えば、90%の同一性を有する配列を求める場合には、Tを10℃低減できる。通常ストリンジェントな条件は、特定のイオン強度およびpHにおける、特定の配列とその相補配列とのTより約5℃低くなるように選択される。しかし、高ストリンジェント条件は、融解温度(T)より1℃、2℃、3℃または4℃低い温度のハイブリダイゼーションおよび/または洗浄を使用でき、中程度ストリンジェント条件は、融解温度(T)より6℃、7℃、8℃、9℃または10℃低い温度のハイブリダイゼーションおよび/または洗浄を使用でき、低ストリンジェンシー条件は、融解温度(T)より11℃、12℃、13℃、14℃、15℃または20℃低い温度のハイブリダイゼーションおよび/または洗浄を使用できる。上記の式、ハイブリダイゼーションおよび洗浄組成ならびに望ましいTを用いて、ハイブリダイゼーションおよび/または洗浄溶液のストリンジェンシー差が本質的に記述されると当業者は理解するであろう。所望のミスマッチの程度が、45℃(水溶液)または32℃(ホルムアミド溶液)未満のTをもたらす場合には、より高い温度が使用できるように、SSC濃度を増大させることが好ましい。核酸のハイブリダイゼーションについての広範な教導は、Tijssen(1993年)「Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology−Hybridization with Nucleic Acid Probes」、第I部、第2章(Elsevier,N.Y.);およびAusubelら編集(1995年)、「Current Protocols in Molecular Biology」、第2章(Greene Publishing and Wiley−Interscience、New York)に見出される。Sambrookら(1989年)、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」、(第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Plainview、N.Y.)も参照のこと。
【0053】
本発明の例示的実施形態
本発明の様々な実施形態は、動物ゲノム内の1つまたは複数の位置で動物(とりわけ乳生産動物)の遺伝子型を評価する方法を提供する。本発明のこれらの実施形態の諸態様は、一塩基多型(SNP)を含有する1または複数箇所の位置(遺伝子座)で動物のゲノム配列を決定するステップを含む方法を提供する。詳細には、本発明は、本出願の表に記載のSNPからなる群から選択される1つまたは複数のSNPのそれぞれについて、そのSNPの2つ以上の対立遺伝子のうちのどれが存在しているかを決定することによって、動物の遺伝子型を評価する方法を提供する。
【0054】
これらの実施形態の特定の態様では、表1に記載のSNPから選択される1つまたは複数のSNPについて、どの対立遺伝子が存在しているかを決定するために、動物の遺伝子型を評価する。
【0055】
本発明の様々な実施形態には、動物を、上記動物について予測されている有角/無角表現型に従って使用に割り当てる方法であって、a)1または複数箇所の遺伝子座で動物の遺伝子型を決定するステップであり、少なくとも1箇所の遺伝子座が、少なくとも2つの対立遺伝子変種を有する一塩基多型(SNP)を含有し、かつ少なくとも1つのSNPが、表1に記載のSNPから選択されるステップと、b)表1に記載のSNPから選択された1つまたは複数のSNPで評価された少なくとも1頭の動物の決定された遺伝子型を分析して、どの対立遺伝子変種が存在しているかを決定するステップと、c)同定された対立遺伝子を、有角または無角表現型と相関させるステップと、決定されたその遺伝子型に従って動物を使用に割り当てるステップとを含む方法が含まれる。
【0056】
本発明の他の実施形態には、動物の遺伝子型が、表1に記載のSNPから選択されるSNPを含有する2箇所以上の遺伝子座で評価される方法が含まれる。他の実施形態には、動物の遺伝子型が、表1に記載のSNPから選択されるSNPを含有する少なくとも1箇所の遺伝子座を含めた2箇所以上の遺伝子座で評価される方法が含まれる。他の実施形態には、動物の遺伝子型が、表1に示すSNPから選択される1つまたは複数のSNPで評価され、かつ上記動物の遺伝子型が、表2に示すSNPから選択される1つまたは複数のSNPで評価される方法が含まれる。他の実施形態には、動物の遺伝子型が、表1に記載のSNPから選択される少なくとも1つのSNPを含めた10以上のSNPで評価される方法が含まれる。他の実施形態には、評価される少なくとも1つのSNPが適応度に関連する方法が含まれる。他の実施形態には、評価される少なくとも1つのSNPが生産性に関連する方法が含まれる。他の実施形態には、全ゲノム分析を含む方法が含まれる。
【0057】
本発明の様々な実施形態には、潜在的子孫をつくるための潜在的親動物を選択する方法であって、a)少なくとも1頭の潜在的親動物の遺伝子型を1または複数箇所のゲノム遺伝子座で決定するステップであり、少なくとも1箇所の遺伝子座が、少なくとも2つの対立遺伝子変種を有する一塩基多型(SNP)を含有し、かつ少なくとも1つのSNPが、表1に記載のSNPから選択されるステップと、b)表1に記載のSNPから選択された1つまたは複数のSNPに関して評価された少なくとも1頭の動物の、決定された遺伝子型を分析して、どの対立遺伝子が存在しているかを決定するステップと、c)同定された対立遺伝子を、有角または無角表現型と相関させるステップと、d)少なくとも1頭の動物を、その遺伝子型に基づいて、繁殖使用に割り当てるステップとを含む方法が含まれる。
【0058】
本発明の他の実施形態には、潜在的親動物の遺伝子型が、表1に記載のSNPから選択されるSNPを含有する1または複数箇所の遺伝子座で評価され、かつ上記潜在的親動物の遺伝子型が、表2に記載のSNPから選択されるSNPを含有する1または複数箇所の遺伝子座で評価される方法が含まれる。他の実施形態には、潜在的親動物の遺伝子型が、表1に記載のSNPから選択されるSNPを含有する2箇所以上の遺伝子座で評価される方法が含まれる。他の実施形態には、潜在的親動物の遺伝子型が、表1に記載のSNPから選択されるSNPを含有する少なくとも1箇所の遺伝子座を含めた10箇所以上の遺伝子座で評価される方法が含まれる。他の実施形態には、潜在的親動物の遺伝子型が、表1に記載のSNPから選択されるSNPを含有する少なくとも1箇所の遺伝子座を含めた、20箇所以上の遺伝子座で評価される方法が含まれる。他の実施形態には、潜在的親動物を、その潜在的子孫に無角表現型が遺伝するように選択する方法が含まれる。他の実施形態には、潜在的親動物を、その潜在的子孫に有角表現型が遺伝するように選択する方法が含まれる。他の実施形態には、全ゲノム分析を含む方法が含まれる。
【0059】
本発明の様々な実施形態には、後代動物を生産する方法であって、a)(i)1または複数箇所の遺伝子座で動物の遺伝子型を決定し、その際、少なくとも1箇所の遺伝子座が、少なくとも2つの対立遺伝子変種を有する一塩基多型(SNP)を含有し、かつ少なくとも1つのSNPが、表1に記載のSNPから選択され、(ii)表1に記載のSNPから選択された1つまたは複数のSNPで評価された少なくとも1頭の動物の決定された遺伝子型を分析して、どの対立遺伝子変種が存在しているかを決定し、(iii)同定された対立遺伝子を、有角または無角表現型と相関させ、(iv)決定されたその遺伝子型に従って動物を使用に割り当てることによって、繁殖用に割り当てられた少なくとも1頭の潜在的親動物を同定するステップと、b)(i)自然繁殖、(ii)人工授精、(iii)in vitro受精、および/または(iv)上記動物から精液/精子もしくは少なくとも1つの卵子を収集し、それをそれぞれ第2の動物からの1または複数の卵子または精液/精子と接触させて、任意の手段によって受胎産物を生産することを含む過程を介して、割り当てられた動物から後代を生産するステップとを含む方法が含まれる。
【0060】
本発明の他の実施形態には、自然繁殖を介して後代を生産するステップを含む方法が含まれる。他の実施形態には、人工授精、胚移植および/またはin vitro受精を介して子孫を生産するステップを含む方法が含まれる。他の実施形態には、潜在的親動物の遺伝子型が、表1に記載のSNPから選択されるSNPを含有する1または複数箇所の遺伝子座で評価され、かつ上記潜在的親動物の遺伝子型が、表2に記載のSNPから選択されるSNPを含有する1または複数箇所の遺伝子座で評価される方法が含まれる。
【0061】
本発明の他の実施形態には、潜在的親動物の遺伝子型が、表1に記載のSNPから選択されるSNPを含有する2箇所以上の遺伝子座で評価される方法が含まれる。他の実施形態には、潜在的親動物の遺伝子型が、表1に記載のSNPから選択されるSNPを含有する少なくとも1箇所の遺伝子座を含めた10箇所以上の遺伝子座で評価される方法が含まれる。他の実施形態には、潜在的親動物の遺伝子型が、表1に記載のSNPから選択されるSNPを含有する少なくとも1箇所の遺伝子座を含めた、20箇所以上の遺伝子座で評価される方法が含まれる。他の実施形態には、潜在的親動物を、その後代に無角表現型が遺伝するように選択する方法が含まれる。他の実施形態には、潜在的親動物を、その後代に有角表現型が遺伝するように選択する方法が含まれる。他の実施形態には、全ゲノム分析を含む方法が含まれる。
【0062】
本発明の様々な実施形態には、試料中にどの対立遺伝子が存在しているかを決定するための核酸アレイであって、表1に記載のSNPからなる群から選択される少なくとも1つまたは複数のSNPとストリンジェントな条件下でハイブリッド形成できる2つ以上の核酸配列を含む核酸アレイが含まれる。本発明の他の実施形態には、上記アレイが、表1に記載のSNPからなる群から選択される2つ以上のSNPのそれぞれに関して、どの対立遺伝子が存在しているかを決定できる方法が含まれる。他の実施形態には、上記アレイが、表1に記載のSNPからなる群から選択される少なくとも1箇所の遺伝子座を含めた10以上のSNPのそれぞれに関して、どの対立遺伝子が存在しているかを決定できる方法が含まれる。他の実施形態には、上記アレイが、表1に記載のSNPからなる群から選択される少なくとも1箇所の遺伝子座を含めた100以上のSNPのそれぞれに関して、どの対立遺伝子が存在しているかを決定できる方法が含まれる。
【0063】
本発明の様々な実施形態には、どの対立遺伝子が動物に存在しているかを決定する方法であって、前のパラグラフに記載のアレイを用意するステップと、前記アレイを使用して、動物の遺伝子型を決定するステップと、同定された少なくとも1つの対立遺伝子を、有角または無角表現型と相関させるステップと、少なくとも1頭の動物を、その遺伝子型に基づいて、繁殖使用に割り当てるステップとを含む方法が含まれる。好ましい実施形態には、無角表現型を求めて前記動物が選択される方法が含まれる。
【0064】
本発明の様々な実施形態には、表1に記載のSNPの群から選択される少なくとも1つのSNPと対立遺伝子関連にある遺伝子マーカーを同定することによって、有角/無角表現型に関連する遺伝子マーカーを同定する方法であって、a)表1に記載のSNPの群から選択されるマーカーAと対立遺伝子関連にある疑いのある遺伝子マーカーBを同定するステップと、b)AとBとが対立遺伝子関連にあるかどうかを決定するステップとを含み、少なくとも100頭の動物の集団標本の式1に関してr>0.2である場合に対立遺伝子関連が存在し、式1が
【0065】
【数2】

であり、式中、Aが表1に記載のSNPの一対立遺伝子を表し、Bが別の遺伝子座の遺伝子マーカーを表し、f(A)が、AおよびBの両方を有する頻度を示し、f(A)が集団内のAの頻度であり、f(B)が集団内のBの頻度である方法が含まれる。
【0066】
本発明の他の実施形態には、遺伝子マーカーBがSNPである方法が含まれる。他の実施形態には、同定された遺伝子マーカーが、表1に記載のSNPの群から選択される少なくとも1つのSNPと連鎖不平衡にある方法が含まれる。他の実施形態には、Bが、有角/無角表現型に関係する定量的または定性的形質遺伝子座の基礎となる原因変異である方法が含まれる。好ましい実施形態には、r>0.5である方法が含まれる。より好ましい実施形態には、r>0.9である方法が含まれる。
【0067】
本発明の他の実施形態には、無角表現型に関連するSNPと対立遺伝子関連にある遺伝子マーカーを同定する方法が含まれる。他の実施形態には、上記遺伝子マーカーが、無角表現型に関連するSNPと連鎖不平衡にある方法が含まれる。他の実施形態には、同定される遺伝子マーカーが原因変異である方法が含まれる。
【0068】
本発明の様々な実施形態には、動物を、上記動物について予測されている有角/無角表現型に従って使用に割り当てる方法であって、a)1または複数箇所の遺伝子座で動物の遺伝子型を決定するステップであり、少なくとも1箇所の遺伝子座が、少なくとも2つの対立遺伝子変種を有する遺伝子マーカーを含有し、少なくとも1つの遺伝子マーカーが、表3に記載の一遺伝子内に位置するステップと、b)表3に記載の一遺伝子内の1または複数箇所のSNP遺伝子座で評価された少なくとも1頭の動物の、決定された遺伝子型を分析して、どの対立遺伝子変種が存在しているかを決定するステップと、c)同定された対立遺伝子を、有角または無角表現型と相関させるステップと、決定されたその遺伝子型に従って動物を使用に割り当てるステップとを含む方法が含まれる。
【0069】
本発明の他の実施形態には、動物の遺伝子型が、表3に記載の一遺伝子内に位置する遺伝子マーカーを含有する2箇所以上の遺伝子座で評価される方法が含まれる。本発明の他の実施形態には、動物の遺伝子型が、表3に記載の一遺伝子内に位置する遺伝子マーカーを含有する少なくとも1箇所の遺伝子座を含めた2箇所以上の遺伝子座で評価される方法が含まれる。好ましい実施形態には、上記遺伝子マーカーが多型である方法が含まれる。より好ましい実施形態には、前記遺伝子マーカーが一塩基多型(SNP)である方法が含まれる。
【0070】
本発明の他の実施形態には、動物の遺伝子型が2箇所以上の遺伝子座で評価され、それらのうちの少なくとも1箇所が、表3に記載の一遺伝子内に位置する遺伝子マーカーを含有する方法が含まれる。他の実施形態には、評価される少なくとも1つのマーカーが適応度に関連する方法が含まれる。他の実施形態には、評価される少なくとも1つのマーカーが生産性に関連する方法が含まれる。さらに他の実施形態には、全ゲノム分析を含む方法が含まれる。
【0071】
本発明の様々な実施形態には、潜在的子孫をつくるための潜在的親動物を選択する方法であって、a)少なくとも1頭の潜在的親動物の遺伝子型を1または複数箇所のゲノム遺伝子座で決定するステップであり、少なくとも1箇所の遺伝子座が、表3に記載の一遺伝子内に位置する遺伝子マーカーを含有するステップと、b)1つまたは複数の遺伝子マーカーに関して評価された少なくとも1頭の動物の、決定された遺伝子型を分析して、どの対立遺伝子が存在しているかを決定するステップと、c)同定された対立遺伝子を、有角または無角表現型と相関させるステップと、d)少なくとも1頭の動物を、その遺伝子型に基づいて、繁殖使用に割り当てるステップとを含む方法が含まれる。
【0072】
本発明の他の実施形態には、前記遺伝子マーカーが多型である方法が含まれる。好ましい実施形態には、前記多型が一塩基多型(SNP)である方法が含まれる。他の実施形態には、潜在的親動物の遺伝子型が2箇所以上の遺伝子座で評価され、これらのうち少なくとも1箇所が、表3に記載の一遺伝子内に位置する遺伝子マーカーを含有する方法が含まれる。他の実施形態には、潜在的親動物の遺伝子型が10箇所以上の遺伝子座で評価され、これらのうち少なくとも1箇所が、表3に記載の一遺伝子内に位置する遺伝子マーカーを含有する方法が含まれる。好ましい実施形態には、潜在的親動物を、その潜在的子孫に無角表現型が遺伝するように選択する方法が含まれる。他の実施形態には、潜在的親動物を、その潜在的子孫に有角表現型が遺伝するように選択する方法が含まれる。追加の実施形態には、全ゲノム分析を含む方法が含まれる。
【0073】
本発明の様々な実施形態には、後代動物を生産する方法であって、a)(i)少なくとも1頭の潜在的親動物の遺伝子型を1または複数箇所のゲノム遺伝子座で決定し、その際、少なくとも1箇所の遺伝子座が、表3に記載の一遺伝子内に位置する遺伝子マーカーを含有し、(ii)1つまたは複数の遺伝子マーカーに関して評価された少なくとも1頭の動物の、決定された遺伝子型を分析して、どの対立遺伝子が存在しているかを決定し、(iii)同定された対立遺伝子を、有角または無角表現型と相関させ、(iv)少なくとも1頭の動物を、その遺伝子型に基づいて、繁殖使用に割り当てることによって、繁殖用に割り当てられた少なくとも1頭の潜在的親動物を同定するステップと、b)(i)自然繁殖、(ii)人工授精、(iii)in vitro受精、および/または(iv)上記動物から精液/精子もしくは少なくとも1つの卵子を収集し、それをそれぞれ第2の動物からの1または複数の卵子または精液/精子と接触させて、任意の手段によって受胎産物を生産することを含む過程を介して、割り当てられた動物から後代を生産するステップとを含む方法が含まれる。
【0074】
本発明の他の実施形態には、自然繁殖を介して後代を生産するステップを含む方法が含まれる。他の実施形態には、人工授精、胚移植および/またはin vitro受精を介して子孫を生産するステップを含む方法が含まれる。好ましい実施形態には、前記遺伝子マーカーが多型である方法が含まれる。より好ましい実施形態には、前記遺伝子マーカーが一塩基多型(SNP)である方法が含まれる。
【0075】
本発明の様々な実施形態には、表3に記載の一遺伝子内に位置する少なくとも1つのマーカーと対立遺伝子関連にある遺伝子マーカーを同定することによって、有角/無角表現型に関連する遺伝子マーカーを同定する方法であって、a)表3に記載のSNPの群から選択されるマーカーAと対立遺伝子関連にある疑いのある遺伝子マーカーBを同定するステップと、b)AとBとが対立遺伝子関連にあるかどうかを決定するステップとを含み、少なくとも100頭の動物の集団標本の式1に関してr>0.2である場合に対立遺伝子関連が存在し、式1が
【0076】
【数3】

であり、式中、Aが表3に記載のSNPの一対立遺伝子を表し、Bが別の遺伝子座の遺伝子マーカーを表し、f(A)が、AおよびBの両方を有する頻度を示し、f(A)が集団内のAの頻度であり、f(B)が集団内のBの頻度である方法が含まれる。
【0077】
本発明の他の実施形態には、遺伝子マーカーBがSNPである方法が含まれる。他の実施形態には、同定された遺伝子マーカーが、表3に記載の一遺伝子内に位置する少なくとも1つのSNPと連鎖不平衡にある方法が含まれる。他の実施形態には、Bが、有角/無角表現型に関係する定量的または定性的形質遺伝子座の基礎となる原因変異である方法が含まれる。好ましい実施形態には、r>0.5である方法が含まれる。より好ましい実施形態には、r>0.9である方法が含まれる。好ましい実施形態には、無角表現型に関連するSNPと対立遺伝子関連にある遺伝子マーカーを同定する方法も含まれる。他の実施形態には、上記遺伝子マーカーが、無角表現型に関連するSNPと連鎖不平衡にある方法が含まれる。他の実施形態には、同定される遺伝子マーカーが原因変異である方法が含まれる。
【0078】
本発明の様々な実施形態には、遺伝子発現を用いる、ウシ動物を選択する方法であって、a)前記動物から試料を取得するステップと、b)前記試料を遺伝子発現に関して分析するステップと、c)前記動物を、遺伝子発現の分析に従って使用に割り当てるステップとを含み、前記遺伝子が、表3に記載の遺伝子から選択される方法が含まれる。
【0079】
本発明の他の実施形態には、前記遺伝子発現が、mRNAの分析を介して、転写レベルで測定される方法が含まれる。他の実施形態には、前記遺伝子発現が、前記試料のタンパク質含有量の分析を介して翻訳レベルで測定される方法が含まれる。他の実施形態には、上記タンパク質含有量が、ウエスタンブロット分析、ポリクローナル抗体ベースの試験、モノクローナル抗体ベースの試験、タンパク質電気泳動、タンパク質アッセイ、マイクロアレイ、免疫組織化学、競合アッセイ、酵素アッセイおよび酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)からなる群から選択される試験を用いて分析される方法が含まれる。他の実施形態には、上記タンパク質含有量が、抗体を含む側方流動試験を用いて分析される方法が含まれる。他の実施形態には、上記タンパク質含有量が、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を用いて分析される方法が含まれる。
【0080】
本発明の様々な実施形態には、少なくとも10の多型の、どの対立遺伝子が試料中に存在しているかを決定するための核酸アレイであって、表1および2に記載の多型から選択される1つまたは複数の多型とストリンジェントな条件下でハイブリッド形成できる1つまたは複数の核酸配列を含む核酸アレイが含まれる。
【0081】
本発明の他の実施形態には、表1および2に記載の多型から選択される2つ以上の多型を含むアレイが含まれる。他の実施形態には、表1および2に記載の多型から選択される5つ以上の多型を含むアレイが含まれる。他の実施形態には、表1および2に記載の多型から選択される10以上の多型を含むアレイが含まれる。
【0082】
本発明の様々な実施形態には、動物の遺伝子型を1または複数箇所の遺伝子座で評価する方法であって、少なくとも1箇所の遺伝子座が、表1および2に記載の多型から選択される多型を含む方法が含まれる。
【0083】
本発明の他の実施形態には、動物の遺伝子型を10箇所以上のゲノム遺伝子座で評価するステップを含む方法が含まれる。他の実施形態には、動物の遺伝子型が10箇所以上の遺伝子座で評価され、少なくとも2箇所の遺伝子座が、表3および配列表に記載の多型から選択される多型を含む方法が含まれる。他の実施形態には、動物の遺伝子型が20箇所以上の遺伝子座で評価され、少なくとも2箇所の遺伝子座が、表3および配列表に記載の多型から選択される多型を含む方法が含まれる。他の実施形態には、全ゲノム分析を含む方法が含まれる。
【0084】
本発明の様々な実施形態には、表1および2ならびに配列表に記載の核酸の群から選択される、連続した少なくとも17ヌクレオチドの核酸を含む、単離されている核酸配列であって、上記核酸が表1および2ならびに配列表に記載の少なくとも1つの多型ヌクレオチドを含む核酸配列が含まれる。本発明の様々な実施形態には、表1および2ならびに配列表に記載の核酸配列とストリンジェントな条件下でハイブリッド形成できる配列を含む単離されている核酸配列も含まれる。
【0085】
本発明の実施形態は、表1および/もしくは2、ならびに/または配列表に記載の配列を含む単離されている核酸配列も含む。本発明のこれらの実施形態の好ましい態様は、表1および/もしくは2、ならびに/または配列表に記載の配列の群から選択される配列からの、連続した17ヌクレオチド以上を含む単離されている核酸分子を提供する。本発明のこれらの実施形態のさらに好ましい態様は、表1および/もしくは2、ならびに/または配列表に記載の配列の群から選択される配列からの、連続した18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36ヌクレオチドまたはそれより多くのヌクレオチドを含む単離されている核酸分子を提供する。これらの単離されている核酸分子の中で最も好ましいものは、表1および/もしくは2、ならびに/または配列表内の配列として記載されている多型ヌクレオチドを含むものである。
【0086】
本発明の他の実施形態は、上述の核酸配列のうちの任意の配列にストリンジェントな条件下でハイブリッド形成できる単離されている核酸配列を提供する。
【0087】
本発明のいずれの実施形態でも、SNP遺伝子座のゲノム配列は、本発明に適合したいかなる手段によって決定してもよい。適した手段は、当業者によく知られており、それらには、直接配列決定、合成による配列決定、プライマー伸長、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化−飛行時間型(MALDI−TOF)質量分析、ポリメラーゼ連鎖反応−制限断片長多型、マイクロアレイ/マルチプレックスアレイシステム(例えば、Affymetrix、Santa Clara、Californiaから入手可能なもの)および対立遺伝子特異的ハイブリダイゼーションが含まれるが、これらに限定されない。
【0088】
本発明の他の実施形態は、無角、生産性または適応度形質に関するそれらの予測される価値に従って、動物をその後の使用(例えば雄親もしくは雌親として使用するか、または肉用もしくは乳用に販売するか)に割り当てる方法を提供する。本発明のこの実施形態の様々な態様は、表に記載のSNPの群から選択される少なくとも1つのSNPの、少なくとも1頭の動物における遺伝子型の決定を含む(1つまたは複数のSNPに関して、動物の遺伝子型を決定する方法は上記に記載されている)。したがって、使用への動物の割り当ては、表に記載のSNPのうちの少なくとも1つを含めた1つもしくは複数、5つ以上、25以上、50以上または100以上のマーカーにおける遺伝子型に基づいて決定できる。
【0089】
本発明は、表1に記載のSNPの遺伝子型の分析が、行われる唯一の分析である実施形態を提供する。他の実施形態は、本明細書に開示のSNPの分析を、任意の他の望ましいタイプのゲノム分析または表現型分析(例えば本発明で開示するもの以外の任意の遺伝子マーカーの分析)と併用する方法を提供する。さらに、分析されるSNPは、有角/無角表現型のみに関連するSNPから選択してもよく、または有角/無角形質、適応度形質および/または生産性形質の任意の望ましい組合せから選択されるSNPに関して分析してもよい。
【0090】
本発明のこれらの実施形態の様々な態様によれば、選択された(1つまたは複数の)SNPについて動物の遺伝子配列がひとたび決定されたならば、この情報を評価して、選択されたSNPのうちの少なくとも1つについて、そのSNPのどの対立遺伝子が存在しているかを決定する。決定されたSNPのすべてについて、その動物の対立遺伝子相補物(allelic complement)を評価することが好ましい。最後に、評価した1または複数箇所のSNP位置に関する遺伝子型に基づいて、動物を使用に割り当てる。割り当ては、評価されるSNPのそれぞれおける、その動物の遺伝子型を考慮に入れて行うことが好ましいが、その動物の割り当ては、評価される複数のSNPのいかなる1つまたは複数の部分集合に基づくものでもよい。
【0091】
割り当ては、任意の適した判定規準に基づいて行うことができる。任意のSNPについて、(1つまたは複数の)対立遺伝子のうちの1つが、望ましい特徴に関連もしくは相関しているかどうか、または望ましくない特徴に関連しているかどうかに関して決定を行うことができる。この決定はしばしば、繁殖目標または群管理目標に依存するであろう。どの対立遺伝子が望ましい表現型特性に関連しているかについての決定は、任意の適した手段で行うことができる。これらの関連性を決定する方法は、当技術分野でよく知られており、さらに、これらの方法の使用の諸態様は、概ね、下記の実施例に記載されている。
【0092】
本発明の様々な実施形態において、本発明のSNPと関連しうる表現型形質には、有角/無角、適応度および生産性形質が含まれるが、これらに限定されない。
【0093】
本発明のこの実施形態の様々な態様によれば、使用への動物の割り当てには、望ましい(1つまたは複数の)遺伝子型を有する動物のポジティブ選択(例えば、望ましい遺伝子型を有する動物を繁殖用に選択する)、望ましくない遺伝子型を有する動物のネガティブ選択(例えば、望ましくない遺伝子型を有する動物を群れから間引く)、またはこれらの方法の任意の組合せのいずれかが伴いうる。本発明のこの実施形態の好ましい態様によれば、望ましい表現型に関連するSNP対立遺伝子を有するものとして同定された動物を、その表現型と一致する使用に割り当てる(例えば、無角とポジティブに関連する表現型に基づいて繁殖用に割り当てる)。代替として、望ましい表現型とポジティブに相関するSNP遺伝子型を有しない(またはその表現型とネガティブに相関するSNP対立遺伝子を有する)動物を、その形質とのポジティブな相関を有するものと同じ使用に割り当てない。
【0094】
本発明の他の実施形態は、無角表現型を有する子孫を産するための潜在的親動物を選択する(すなわち、繁殖への割り当て)方法を提供する。本発明のこの実施形態の様々な態様は、表1に記載のSNPの群から選択される少なくとも1つのSNPに関して、少なくとも1頭の動物の遺伝子型を決定するステップを含む。さらに、動物を潜在的親動物として使用することにするかどうか、またはどのように使用することにするかの決定は、表1に記載のSNPのうちの少なくとも1つを含めた1つもしくは複数、10以上、25以上、50以上または100以上のSNPの遺伝子型に基づいたものでありうる。さらに、使用への他のタイプの割り当てと同様に、本発明のこれらの実施形態の様々な態様は、行われる唯一の分析が、表1に記載のSNPのうちの1つまたは複数に関して、動物を遺伝子型決定することである方法を提供する。これらの実施形態の他の態様は、本明細書に開示する1つまたは複数のSNPの分析が、任意の他の望ましいゲノム分析または表現型分析(例えば本発明で開示するもの以外の任意の遺伝子マーカーの分析)と併用される方法を提供する。さらに、分析される(1つまたは複数の)SNPはすべて、無角/有角にのみ、または適応度にのみ、または生産性にのみ関連するものから選択されうる。逆に、上記分析を、これらまたは他の形質の任意の望ましい組合せから選択されるSNPに関して行ってもよい。
【0095】
本発明のこれらの実施形態の様々な態様によれば、選択された(1つまたは複数の)SNPの部位で動物の遺伝子配列がひとたび決定されたならば、この情報を評価して、選択されたSNPのうちの少なくとも1つについて、そのSNPのどの対立遺伝子が存在しているかを決定する。配列決定されたSNPのすべてについて、その動物の対立遺伝子相補物を評価することが好ましい。加えて、その動物の対立遺伝子相補物を分析し、その動物の後代が1つまたは複数の表現型形質を発現するであろう可能性と相関させる。最後に、評価した1または複数箇所のSNP位置に関する、その動物の遺伝子型、および望ましい(1つまたは複数の)遺伝子型/対立遺伝子を、その動物がその後代に伝えるであろう確率に基づいて、その動物を繁殖使用に割り当てる。繁殖への割り当ては、評価されるSNPのそれぞれにおける、動物の遺伝子型を考慮に入れて行うことが好ましい。しかし、繁殖へのその割り当ては、評価されるSNPの任意の1つまたは複数の部分集合に基づいたものでありうる。
【0096】
繁殖への割り当ては、任意の適した判定規準に基づいて行うことができる。例えば、繁殖への割り当ては、1つのある特定の望ましい特徴(例えば、無角表現型)を、ある集団で、他の特徴より優先的に増強する可能性を増大させるために行うことができる。代替として、選択は、複数の形質の組合せに基づいて、全体的生産性を全般的に最大にするために行うこともできる。選択される割り当ては、繁殖目標に依存する。適応度に包含されるサブカテゴリーには、とりわけ、娘妊娠率(DPR)、生産寿命(PL)および体細胞スコアが含まれる。生産性に包含されるサブカテゴリーには、とりわけ、乳脂率、乳脂量、総乳量、乳タンパク質率および総乳タンパク質量が含まれる。
【0097】
本発明の他の実施形態は、後代動物を生産する方法を提供する。本発明のこの実施形態の様々な態様によれば、後代を生産するのに使用される動物は、本発明の実施形態のうちの任意のものに従って、繁殖用に割り当てられたものである。必要な分析は、後代を生産するのに動物を使用する者が行ってもよく、または代替として、別の者によって分析された動物を、後代を生産する者が入手してもよい。後代は、限定されるものではないが、(i)自然繁殖、(ii)人工授精、(iii)in vitro受精(IVF)、または(iv)上記動物から精液/精子および/もしくは少なくとも1つの卵子を収集し、それをそれぞれ第2の動物からの1または複数の卵子または精液/精子と接触させて、任意の手段によって受胎産物を生産することを含めた、いかなる適切な手段によって生産してもよい。
【0098】
本発明のこの実施形態の好ましい態様によれば、後代は、自然繁殖を含む過程によって生産される。この実施形態の他の態様では、後代は、標準的な人工授精(AI)、in vitro受精、多排卵受精卵移植(MOET)または任意のこれらの組合せの使用を含む過程で生産される。
【0099】
本発明の他の実施形態は、動物を繁殖目的に割り当てるステップと、その動物からの遺伝物質を収集/単離するステップとを含む方法であって、限定されるものではないが、上記遺伝物質に、精液、精子、卵子、接合体、血液、組織、血清、DNAおよびRNAが含まれる方法を提供する。
【0100】
本発明によって提供される方法および情報の最も効率的かつ有効な使用は、本出願で開示する配列のすべてまたは一部分を含むコンピュータプログラムおよび/または電子的にアクセス可能なデータベースを利用するものであると理解されている。したがって、本発明の様々な実施形態は、表に記載の少なくとも1つのSNPに対応する配列のすべてまたは一部分を含むデータベースを提供する。
【0101】
本発明によって提供される方法および情報の効率的な分析および使用は、とりわけ、多数のマーカーが評価される場合、自動化遺伝子型決定の使用を利用するものであろうと理解されている。限定されるものではないが、マイクロアレイの使用を含めた、当技術分野で知られているいかなる適した方法も、そのような遺伝子型決定を行うのに使用できる。
【0102】
本発明の他の実施形態は、本明細書に記載の1つまたは複数のSNP配列データベースが1つまたは複数のコンピュータ実行可能プログラムによってアクセスされる方法を提供する。そのような方法には、SNPと表現型形質または他のユーザー定義の形質(例えば、遺伝子発現レベル、タンパク質発現レベルまたは化学的プロファイルなどの1つまたは複数の測定基準を用いて測定された形質)との間の関連性を分析するプログラムによるデータベースの使用、および繁殖または市場用に動物を割り当てるのに使用されるプログラムが含まれるが、これらに限定されない。
【0103】
本発明の他の実施形態は、繁殖に割り当てられた動物から遺伝物質を収集するステップを含む方法であって、本発明の一部として開示されている方法のうちの任意のものによって上記動物が繁殖に割り当てられる方法を提供する。
【0104】
本発明の他の実施形態は、SNPのどの対立遺伝子が試料中に存在しているかを決定するための診断キットまたは他の診断装置であって、表に記載のSNPの群から上記(1つまたは複数の)SNPが選択される診断キットまたは他の診断装置を提供する。本発明のこの実施形態の様々な態様において、上記キットまたは装置は、SNPに対応する核酸が存在しているかどうかに関する決定を容易にする試薬/装置を提供する。そのようなキットまたは装置はさらに、そのSNPのどの対立遺伝子が存在しているかどうかに関する決定を容易にしうる。本発明のこの実施形態の特定の態様では、上記キットまたは装置がDNA増幅(例えばポリメラーゼ連鎖反応を介したもの)に適した少なくとも1種の核酸オリゴヌクレオチドを含む。本発明の他の態様では、上記キットまたは装置がストリンジェントな条件下で、本出願の表に記載されている少なくとも1つのSNPの少なくとも1つの対立遺伝子と特異的にハイブリッド形成できる精製された核酸断片を含む。好ましい実施形態では、上記診断キットが、表1に記載されている少なくとも1つのSNPの少なくとも1つの対立遺伝子と特異的にハイブリッド形成できる精製された核酸断片を含有している。
【0105】
本発明のこの実施形態の特定の態様では、上記キットまたは装置は、表1に記載のSNPのうちの1つまたは複数のどの対立遺伝子が試料中に存在しているかを決定できる少なくとも1つの核酸アレイ(例えば、DNAマイクロアレイ)を含む。本発明のこの実施形態の好ましい態様は、1つまたは複数のSNPに関して、どの対立遺伝子が試料中に存在しているかを同時に決定できるDNAマイクロアレイを提供する。上記DNAマイクロアレイは、5つ以上、25以上、50以上、100以上、200以上、500以上または1000以上のSNPに関して、どのSNP対立遺伝子が試料中に存在しているかを決定できることが好ましい。そのようなアレイを作製する方法は、当業者に知られており、そのようなアレイは購入できる(例えばAffymetrix、Santa Clara、Californiaから)。
【0106】
本発明の他の実施形態は、表1に記載のSNPのうちの1つまたは複数と対立遺伝子関連にある、無角/有角表現型に関連する遺伝子マーカーを同定する方法を提供する。本発明のこの実施形態の様々な態様によれば、上記方法は、(a)少なくとも1つのマーカー、すなわちAと対立遺伝子関連にある疑いのあるマーカー、すなわちBを同定するステップであり、Aが、表1に記載のSNPの群から選択されるステップと、(b)AとBとが対立遺伝子関連にあるかどうかを決定するステップとを含み、その際、少なくとも100頭の動物の集団標本の式1に関してr>0.2である場合に対立遺伝子関連が存在していると決定され、式1が
【0107】
【数4】

であり、式1において、Aが一遺伝子座(表1に記載のSNP)の一対立遺伝子を表し、Bが別の遺伝子座の遺伝子マーカーを表し、f(A)が、AおよびBの両方を有する頻度を示し、f(A)が集団内のAの頻度であり、f(B)が集団内のBの頻度である。本発明のこの実施形態の好ましい態様では、BがSNPである。本発明のこの実施形態のさらに好ましい態様は、表1に記載のSNPの群から選択される1つまたは複数のSNPと連鎖不平衡にある遺伝子マーカーを同定する方法を提供する。本発明のこれらの実施形態の他の態様では、rの値が0.5超、0.7超または0.9超である。
【0108】
本発明の追加の実施形態は、表1に記載のSNPのうちの1つまたは複数と対立遺伝子関連にある、無角/有角表現型の遺伝子マーカーを提供する。本発明のこの実施形態の一部として提供されるマーカーは、当業者に知られているいかなる適した手段によって同定してもよい。マーカーは、上記の式1においてrが0.2超、0.5超、0.7超または0.9超であることによって定義される通り、それが表1に記載のSNPのうちの1つまたは複数と対立遺伝子関連にあると決定される場合に、本発明のこの実施形態に包含される。本発明のこれらの実施形態の好ましい態様では、上記マーカーが、表1に記載のSNPのうちの1つまたは複数と連鎖不平衡にある。
【0109】
表1に記載のSNPのうちの任意のものと対立遺伝子関連にある、無角/有角表現型の遺伝子マーカーは、当業者に知られているいかなる適した手段によって同定してもよい。例えば、表に記載のSNPの配列のうちの任意のものに特異的なプローブを用いて、ゲノムライブラリーをスクリーニングすることができる。このようにして、その配列の少なくとも一部を含むクローンを同定でき、次に、最大300キロベースまでの3’および/または5’隣接染色体配列を決定できる。別の例としては、表に記載のSNPの配列は、ウシDNA配列データを含有するデータベースを照会するのに使用可能であり、何百、何千または何百万塩基もの3’および/または5’隣接染色体配列を決定できる。これらの手段のうちの任意のものによって、表1に記載のSNPと対立遺伝子関連にある遺伝子マーカーが同定されるであろう。
【0110】
本発明の他の実施形態は、表現型変異に関連している可能性のある遺伝子を同定する方法を提供する。これらの実施形態の様々な態様によれば、特定の表現型変異に関連するSNPの染色体位置は、当業者によく知られている手段によって決定できる。ひとたび染色体位置が決定されれば、その表現型の決定に関与している疑いのある遺伝子を分析できる。そのような遺伝子は、その染色体の隣接部分を配列決定することによって、またはヒト遺伝子地図(または他の種の既知な遺伝地図)の類似区域を比較することによって同定されうる。保存遺伝子のクラスターの存在に関する早期の一例がWomack(1987年)で概説されており、そこでは、1つの種における同一染色体への、遺伝子のマッピングを観察して、他の近縁種における同一染色体へのマッピングを行っている。マッピングの分離能が改善されたので、保存染色体領域内における、遺伝子の構造および順序の保存に関する報告が発表された(例えば、Groszら、1992年)。さらに最近には、大規模な放射線照射ハイブリッドマッピングおよびBAC配列によって、ヒトゲノムとウシゲノムとの間(Everts−van der Windら、2005年)、ヒトゲノムとブタゲノムとの間(Yasueら、2006年)および脊椎動物ゲノム間(Demarsら、2006年)における、染色体スケールの比較マッピング予測がもたらされた。
【実施例】
【0111】
以下の実施例は、本発明の一般的な実施形態を明らかにするために包含されている。以下に続く実施例で開示する技法は、発明者らによって、本発明を実施するのに良好に機能し、それゆえ、それを実施する好ましいモードを構成すると考えることができると発見された技法を代表するものであると、当業者ならば理解するはずである。しかし、この開示に照らして、開示されている特定の実施形態に多くの改変を加えることができ、それでもなお、本発明から逸脱せずに、同様または類似の結果が得られることを当業者は理解するはずである。
【0112】
本明細書で開示および特許請求されている組成物および方法はすべて、本明細書の開示に照らして、過度の実験を行うことなく調製および実行することができる。本発明の組成物および方法を好ましい実施形態に関して記述したが、本発明の概念および範囲から逸脱せずに、変更を加えることが可能であることは当業者には明らかであろう。
【0113】
(実施例1)
乳牛の有角/無角表現型に関連するマーカーの同定
ウシの無角変異は、未知であるが、Georgesら(1993年)がマイクロサテライトマーカーを用いることによって、ウシ第1染色体(BTA01)の近位末端に位置決定された。無角遺伝子座を精密マッピングしようとする、より最近の試みには、さらなるマイクロサテライトマーカーマッピング(Schmutzら、1995年;Brennemanら、1996年;Harliziusら、1997年;Drogemullerら、2005年)、および無角領域の、BACベースの物理地図の作成(Wunderlichら、2006年)が含まれている。引用したこれらの情報源から得られる、無角領域における最も近位の遺伝子であるATP5Oおよび最も遠位の遺伝子であるKRTAP8の位置は、公共ウシゲノムアセンブリーバージョン3.1(www.hgsc.bcm.tmc.edu/projects/bovine/)における、それぞれ約0.6Mbおよび3.9Mbに対応している。
【0114】
この研究の目的は、発見パネルの無角および有角ホルスタインにおけるBTA01近位末端にある標的領域を配列決定することによって、無角形質に関連する一塩基多型(SNP)を同定することであった。
【0115】
発見およびマッピング集団
すべてのDNA試料は、製造業者のプロトコールに従ってQiagen Biosprint(Qiagen Inc.、Valencia、CA)を用いて精子から抽出した。24頭のホルスタイン雄ウシを多型発見パネルとして用いた。これら24頭のセットの中で、複数の対の動物が有角雄親および無角雄仔として直接的血縁関係にあり、雌親は、報告されているその動物の表現型に基づいて、無角であると予測されている。12頭の無角雄仔からの精液試料は、無角雌ウシを用いることによって、特異的に、無角形質を求めて繁殖を行っている2人の酪農業者から入手した、この業界における優良な遺伝的特徴を組み込むために、これらの無角雌ウシに最上位の雄親を交配した。それゆえ、無角/有角形質に一致すると同定されるいかなる多型も、上記12頭の有角雄ウシでは、1つの対立遺伝子に関してホモ接合型であり、上記12頭の無角雄ウシでは、ヘテロ接合型(まれに第2の対立遺伝子に関してホモ接合型)であろう(無角対立遺伝子の対立遺伝子頻度が0.1であると仮定すると、この集団でホモ接合型の無角雄仔を見出す確率は10%であると計算できる)。
【0116】
PCR
領域内にある標的遺伝子からの、平均70bpの隣接配列を含有する遺伝子コード領域および調節エレメント(UTR、推定上のプロモーター)を標的とするようにPCRプライマーを設計した。最適なプライマーアニーリング温度は、95℃で15分間、ならびに94℃で45秒、12の試料ウェルの端から端まで55℃から始まって66℃までの勾配温度で45秒および72℃で45秒を35サイクル、ならびに72℃で10分間という勾配PCR熱サイクル条件を用いて得た。ひとたび、最適なアニーリング温度が見出されたならば、95℃で15分間、それに続いて、94℃で45秒、最適アニーリング温度で45秒、および72℃で45秒を35サイクル、さらに、72℃で10分間の最終伸長ステップという標準的な熱サイクル条件を用いて、配列決定するために各プライマーセットを増幅させた。PCR容積10μlの濃度(勾配および標準)は、5ng/μlゲノムDNA、各プライマー(順方向および逆方向)0.5μM、1×SIGMA JumpStart PCR混合物(Sigma−Aldrich Co.、St.Louis,MO)であった。
【0117】
推定上の調節エレメントの予測
オンラインリソースであるWWW Promoter Scan(www−bimas.cit.nih.gov/molbio/proscan/)を用いて、プロモーターおよび転写因子結合部位などの予測調節エレメントを求めて、標的遺伝子のイントロンおよび遺伝子間配列をスキャンした。同定された推定上の調節エレメントは、プライマー設計用および標的多型発見用の遺伝子コード領域および調節領域(UTR)の中に含めた。
【0118】
配列決定
配列決定は、以下に記載の方法を用いて行った。すべての配列決定を順方向および逆方向の両方で行った。10μlの標準的PCRを行った。10μlのうち、5μlは、増幅を確認するためのアガロースゲル電気泳動によって可視化し、残りの5μlは、製造業者のプロトコールに従って、EXO−SAP−IT PCR産物クリーンアップ(USB corporation、Cleveland,OH)を用いて精製した。精製されたPCR産物7μlと、10μMの順方向および逆方向両プライマー2μlとからなる9μlの反応容積中で、精製されたPCR産物の直接配列決定を行い、ABI 3730×l自動配列決定装置で分離した(Applied Biosystems、Foster City,CA)。各DNA試料について、順方向および逆方向の配列を生成させた。配列トレースアラインメントおよび多型の検出は、最新バージョンのPhred/Phrap(Ewingら、1998年、EwingおよびGreen、1998年)およびConsed(Gordonら、1998年)を用いて行った。
【0119】
SNPが有角/無角表現型に関連する場合/その原因である場合に予測される遺伝子型一致があるかどうか、上述の配列決定作業を介して発見されたSNPを分析した。予測される遺伝子型プロファイルは以下の通り、すなわち、a)すべての雄親が一方の対立遺伝子に関してホモ接合型であり、かつすべての雄仔がもう一方の対立遺伝子に関してホモ接合型(または、ことによるとヘテロ接合型)である。表1に列挙するSNPは、予測された遺伝子型プロファイルとの100%一致を示し、それゆえ、有角/無角表現型との関連性を示した。
【0120】
(実施例2)
子孫形質を改善するための一塩基多型の使用
選択された形質に関する、集団の平均遺伝的メリットを改善するために、その形質と有意に関連する1つまたは複数のマーカーを、繁殖用動物の選択に用いることができる。発見されたそれぞれの遺伝子座の場合において、好ましい表現型と集団全体のLDになっているマーカー対立遺伝子(または複数のマーカー対立遺伝子のハプロタイプ)を有する動物の使用は、繁殖に使用される動物の育種価を増大させ、集団におけるその対立遺伝子(および表現型)の頻度を経時的に増大させ、それによりその形質に関する、集団の平均遺伝的メリットを増大させるであろう。価値の完全な実現のために、この増大した遺伝的メリットを商用集団に広めることができる。
【0121】
例えば、DNA検定プログラムスキームは、本明細書に記載の、雄ウシをスクリーニングするためのDNAマーカーの使用を介して、所与の集団または精液産物における無角対立遺伝子の頻度を大いに変えることができるであろう。後代検定プログラム内の雄ウシからの精液を試験することによって、有角/無角遺伝子座における、その雄ウシの遺伝子型が同定されるであろう。この知識によって精液産物の市場における望ましさ(market desirability)が影響されるので、この情報は価値を創出する。通常、後代検定プログラムは、そのプログラムに入る候補として若年雄ウシを選択するのに、血統情報および血縁の成績を用いる。しかし、有角/無角マーカー情報を追加することによって、若雄牛をスクリーニングして、無角マーカー/対立遺伝子を保持する(またはそれに関してホモ接合型である)動物を同定することができよう。次世代の動物を生み出すためのこれらの動物の使用は、(無角は優性であるので)より多くの生まれつき無角である動物を生み出すのみでなく、次世代の親が最終的にそれから選択されるであろう集団における無角対立遺伝子の頻度の増大ももたらすであろう。
【0122】
加えて、表1に記載のマーカーを用いて、潜在的雄ウシ雌親およびそれらの雄性子孫からのDNA試料をスクリーニングすることができるであろう。そして、好ましい遺伝子型を有する雄ウシ雌親候補を、検定済みの雄ウシの配偶者用に契約することができる。過剰排卵および胚移植(ET)を用いる場合、1フラッシュ手順あたり、雄ウシ雌親1頭あたり5〜10頭の子孫からなるセットを生産できるであろう。その場合にも再び、上記マーカーを用いて、後代検定プログラムの候補として無角の雄性子孫を選択するか、将来の雄ウシ雌親として雌性子孫を選択することができよう。
【0123】
遺伝中核(GN)における育種価の推定および選択にSNPを使用する際の最初のステップは、GNにおける繁殖用動物として、または他の商用集団の繁殖用動物として、選択の候補となるであろうすべての子孫からDNAを収集することである。1つの方法は、出産直後に、各仔ウシからの耳組織の小片、毛試料または血液を、標識された(バーコード付き)の管内に捕捉することである。別の方法は、繁殖に利用可能な雄ウシからの精液を直接検定することである。この組織から抽出されたDNAは、表1に記載の有角/無角マーカーを含めた、本質的には無制限な数のSNPマーカーをアッセイするのに使用でき、動物が繁殖適齢に達する前に、その結果を選択決定に含めることができる。
【0124】
本明細書に記載のマーカーは、育種スキームで、経済的に重要な表現型形質に関連するマーカーと組み合わせて用いることができる。価値のあるQTL対立遺伝子と集団全体のLDになっていると決定されたマーカー(またはマーカーハプロタイプ)(実施例1を参照)を選択決定に組み入れる1つの方法は古典的量的遺伝学および選抜指数理論に基づいている(FalconerおよびMackay、1996年;DekkersおよびChakraborty、2001年)。選択の標的とされる集団におけるマーカーの影響を推定するには、対象とする形質の表現型測定値を有する動物の無作為試料を、そのマーカーを固定効果または共変量として適合させた(対立遺伝子のコピー数への、表現型の回帰)混合動物モデルで分析できる。マーカー効果を適合させる方法のいずれかからの結果を用いて、対立遺伝子置換効果を得て、次にマーカーの育種価を得ることができる。すなわち
α=q[a+d(q−p)] [式3]
α=−p[a+d(q−p)] [式4]
α=a+d(q−p) [式5]
A1A1=2(α) [式6]
A1A2=(α)+(α) [式7]
A2A2=2(α) [式8]
式中、αおよびαはそれぞれ対立遺伝子1および2の平均効果であり、αは対立遺伝子置換の平均効果であり、pおよびqはそれぞれ集団における対立遺伝子1および2の頻度であり、aおよびdはそれぞれ相加効果および有意効果であり、gA1A1、gA1A2およびgA2A2はそれぞれA1A1、A1A2およびA2A2のマーカー遺伝子型を有する動物の(マーカー)育種価である。動物の全形質育種価は、考慮される各マーカー(またはハプロタイプ)の育種価および残りの多遺伝子育種価の合計である。すなわち、
【0125】
【数5】

式中、EBVijはi番目の動物の推定形質育種価であり、
【0126】
【数6】

は、j=1〜nまで合計したマーカー育種価であり、ここで、nは考慮されているマーカー(ハプロタイプ)の総数であり、
【0127】
【数7】

は、(1つまたは複数の)マーカー遺伝子型を適合させた後におけるi番目の動物の多遺伝子育種価である。
【0128】
これらの方法は、複数の形質についての、選択候補の育種価、および複数のマーカー(ハプロタイプ)からの情報を含めた各形質の育種価を推定するように容易に拡張でき、これらはすべて、選抜指数理論および各形質の相対的重要度を設定する特定の育種目標の文脈内にある。マーカーとQTLとの間の組み換えを説明するランダムモデル(例えば、FernandoおよびGrossman、1989年)および全ゲノム選抜における、発見されたすべてのマーカー情報の潜在的包含(Meuwissenら、Genetics 2001年)を含めた、複数の形質についての育種価を推定する際のマーカー情報を最適化する他の方法も存在している。これらの方法のいずれを介しても、本明細書に報告されているマーカーが、価値のあるQTL対立遺伝子と集団全体のLDにあると決定できるであろうし、それらを用いて、より大きな選択精度、より大きな遺伝的改良速度、乳業における、より大きな価値の蓄積をもたらすことができる。
【0129】
(実施例3)
SNPの同定
核酸配列が本発明のSNPを含有しているというのは、それが、表1および配列表に記載の多型を含有し、かつ/またはそれに隣接している連続した少なくとも20ヌクレオチドを含む場合である。代替として、表1、表2および配列表に記載の多型を含有するか、またはそれに隣接している、より短いひと続きの連続したヌクレオチドによっても、上記連続したヌクレオチドのより短い配列がウシゲノム内でユニークである場合には、本発明のSNPが同定されうる。通常、SNP部位は、多型部位がその中に含有されているコンセンサス配列、多型部位の位置および多型部位の様々な対立遺伝子によって特徴付けられる。「コンセンサス配列」は、アラインメントされた配列のクラスターにおけるそれぞれのヌクレオチド位置でコンセンサスとして構成されているDNA配列を意味する。そのようなクラスターは、ある遺伝子座の対立遺伝子内にあるSNPおよびインデル(挿入/欠失)多型を同定するのにしばしば使用される。コンセンサス配列は、その遺伝子座におけるDNAのいずれの鎖に基づくものでもありえ、その遺伝子座における各SNP対立遺伝子のいずれか1つのヌクレオチド塩基、およびその遺伝子座におけるすべてのインデルのヌクレオチド塩基、または両方のSNP対立遺伝子を、縮重コード(IUPACコード:MはAまたはC、RはAまたはG、WはAまたはT、SはCまたはG、YはCまたはT、KはGまたはT、VはAまたはCまたはG、HはAまたはCまたはT、DはAまたはGまたはT、BはCまたはGまたはT、NはAまたはCまたはGまたはTを表し、本発明者らが使用する追加のコードには、「−」またはAを表すI、「−」またはCを表すO、「−」またはGを表すE、「−」またはTを表すLが含まれ、ここで、「−」は欠失を意味する)を用いて記述する。したがって、コンセンサス配列は、実際のDNA配列のコピーではない可能性があるが、コンセンサス配列は、その遺伝子座における実際の多型のためのプライマーおよびプローブを正確に設計するのに有用である。
【0130】
そのようなSNPは、上記多型を含有しているか、またはそれに隣接している動物DNAセグメントのいずれかの鎖にある同数のヌクレオチドの配列に少なくとも90%の配列同一性、より好ましくは少なくとも95%、またはさらに好ましくは、一部の対立遺伝子については少なくとも98%、そして多くの場合で少なくとも99%の配列同一性を有する核酸配列を有する。そのような動物DNAセグメントの一方の鎖のヌクレオチド配列は、配列番号1から配列番号148までのすべてからなる群の中の一配列中に見出されうる。それは、少なくとも一部の対立遺伝子では、多型部位それ自体には同一性がないであろうという多型の本質によって理解される。したがって、配列同一性は、多型配列を除外した配列について決定することができる。
【0131】
下記に示すのは、相互に一致する、公開されているウシSNPの例である。
それぞれの配列の41塩基(中央に多型部位を有する)が相互に完全に一致している(マッチ長=41、同一性=100%)ので、SNP ss38333809はss38333810と同一であると決定された。
【0132】
【化1】

【0133】
それぞれの配列の41塩基(中央に多型部位を有する)が、1つの塩基を除いてすべての塩基で相互に一致する(マッチ長=41、同一性=97%)ので、SNP ss38333809はss38334335と同一であると決定された。
【0134】
【化2】

【0135】
(参考文献)
この出願で、上記および下記に引用された参考文献を参照により明確に本明細書に組み込む。
(非特許文献)
Abdel−Azim,GおよびFreeman,AE(2002年)、J.Dairy Sci.85巻、1869〜1880ページ
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【0136】
【表1−1】

【0137】
【表1−2】

【0138】
表の説明
以下の表のそれぞれについて、遺伝子名およびNCBI GeneID番号に関する追加情報をwww.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?db=Geneで見出すことができる。
【0139】
表1:本明細書に記載の、無角/有角表現型に関連するSNPの配列番号と、無角または有角に対応する、各SNPの対立遺伝子と、上記SNPがその中に位置する遺伝子のNCBI GeneIDとを示す。
【0140】
表2:表1に列挙した各SNPの5’または3’隣接DNA配列の間および/または中に位置する新規SNPの配列番号と、上記SNPがその中に位置する遺伝子とを示す。
【0141】
表3:本明細書に記載の、無角/有角表現型に関連するSNPを含有する遺伝子と、分析された集団内で決定された、その遺伝子内に位置するすべてのSNPの配列番号とのリストを示す。
【0142】
【表2】

【0143】
【表3−1】

【0144】
【表3−2】

【0145】
【表3−3】

【0146】
【表4−1】

【0147】
【表4−2】

【0148】
【表4−3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物を、前記動物について予測されている有角/無角表現型に従って使用に割り当てる方法であって、
a.1または複数箇所の遺伝子座で動物の遺伝子型を決定するステップであり、少なくとも1箇所の遺伝子座が、少なくとも2つの対立遺伝子変種を有する一塩基多型(SNP)を含有し、かつ少なくとも1つのSNPが、表1に記載のSNPから選択されるステップと、
b.表1に記載のSNPから選択された1つまたは複数のSNPで評価された少なくとも1頭の動物の決定された遺伝子型を分析して、どの対立遺伝子変種が存在しているかを決定するステップと、
c.同定された対立遺伝子を、有角または無角表現型と相関させるステップと、
d.決定されたその遺伝子型に従って動物を使用に割り当てるステップと
を含む方法。
【請求項2】
動物の遺伝子型が、表1に記載のSNPから選択されるSNPを含有する2箇所以上の遺伝子座で評価される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
動物の遺伝子型が、表1に記載のSNPから選択されるSNPを含有する少なくとも1箇所の遺伝子座を含めた2箇所以上の遺伝子座で評価される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
動物の遺伝子型が、表1に示すSNPから選択される1つまたは複数のSNPで評価され、かつ前記動物の遺伝子型が、表2に示すSNPから選択される1つまたは複数のSNPで評価される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
動物の遺伝子型が、表1に記載のSNPから選択される少なくとも1つのSNPを含めた10以上のSNPで評価される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
評価される少なくとも1つのSNPが適応度に関連する、請求項3から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
評価される少なくとも1つのSNPが生産性に関連する、請求項3から5のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
全ゲノム分析を含む、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
潜在的子孫をつくるための潜在的親動物を選択する方法であって、
a.少なくとも1頭の潜在的親動物の遺伝子型を1または複数箇所のゲノム遺伝子座で決定するステップであり、少なくとも1箇所の遺伝子座が、少なくとも2つの対立遺伝子変種を有する一塩基多型(SNP)を含有し、かつ少なくとも1つのSNPが、表1に記載のSNPから選択されるステップと、
b.表1に記載のSNPから選択された1つまたは複数のSNPに関して評価された少なくとも1頭の動物の、決定された遺伝子型を分析して、どの対立遺伝子が存在しているかを決定するステップと、
c.同定された対立遺伝子を、有角または無角表現型と相関させるステップと、
d.少なくとも1頭の動物を、その遺伝子型に基づいて、繁殖使用に割り当てるステップと
を含む方法。
【請求項10】
潜在的親動物の遺伝子型が、表1に記載のSNPから選択されるSNPを含有する1または複数箇所の遺伝子座で評価され、かつ前記潜在的親動物の遺伝子型が、表2に記載のSNPから選択されるSNPを含有する1または複数箇所の遺伝子座で評価される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
潜在的親動物の遺伝子型が、表1に記載のSNPから選択されるSNPを含有する2箇所以上の遺伝子座で評価される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
潜在的親動物の遺伝子型が、表1に記載のSNPから選択されるSNPを含有する少なくとも1箇所の遺伝子座を含めた10箇所以上の遺伝子座で評価される、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
潜在的親動物の遺伝子型が、表1に記載のSNPから選択されるSNPを含有する少なくとも1箇所の遺伝子座を含めた、20箇所以上の遺伝子座で評価される、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
潜在的親動物を、その潜在的子孫に無角表現型が遺伝するように選択する、請求項9から13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
潜在的親動物を、その潜在的子孫に有角表現型が遺伝するように選択する、請求項9から13のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
全ゲノム分析を含む、請求項9から13のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
後代動物を生産する方法であって、
a)請求項1に記載の方法に従って繁殖用に割り当てられた少なくとも1頭の潜在的親動物を同定するステップと、
b)i)自然繁殖、
ii)人工授精、
iii)in vitro受精、および/または
iv)前記動物から精液/精子もしくは少なくとも1つの卵子を収集し、それをそれぞれ第2の動物からの1または複数の卵子または精液/精子と接触させて、任意の手段によって受胎産物を生産すること
を含む過程を介して、割り当てられた動物から後代を生産するステップと
を含む方法。
【請求項18】
自然繁殖を介して後代を生産するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
人工授精、胚移植および/またはin vitro受精を介して子孫を生産するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
潜在的親動物の遺伝子型が、表1に記載のSNPから選択されるSNPを含有する1または複数箇所の遺伝子座で評価され、かつ前記潜在的親動物の遺伝子型が、表2に記載のSNPから選択されるSNPを含有する1または複数箇所の遺伝子座で評価される、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
潜在的親動物の遺伝子型が、表1に記載のSNPから選択されるSNPを含有する2箇所以上の遺伝子座で評価される、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
潜在的親動物の遺伝子型が、表1に記載のSNPから選択されるSNPを含有する少なくとも1箇所の遺伝子座を含めた10箇所以上の遺伝子座で評価される、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
潜在的親動物の遺伝子型が、表1に記載のSNPから選択されるSNPを含有する少なくとも1箇所の遺伝子座を含めた、20箇所以上の遺伝子座で評価される、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
潜在的親動物を、その後代に無角表現型が遺伝するように選択する、請求項17から23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
潜在的親動物を、その後代に有角表現型が遺伝するように選択する、請求項17から23のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
全ゲノム分析を含む、請求項17から23のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
試料中にどの対立遺伝子が存在しているかを決定するための核酸アレイであって、表1に記載のSNPからなる群から選択される少なくとも1つまたは複数のSNPとストリンジェントな条件下でハイブリッド形成できる2つ以上の核酸配列を含む核酸アレイ。
【請求項28】
表1に記載のSNPからなる群から選択される2つ以上のSNPのそれぞれに関して、どの対立遺伝子が存在しているかを決定できる、請求項27に記載のアレイ。
【請求項29】
表1に記載のSNPからなる群から選択される少なくとも1箇所の遺伝子座を含めた10以上のSNPのそれぞれに関して、どの対立遺伝子が存在しているかを決定できる、請求項27に記載のアレイ。
【請求項30】
表1に記載のSNPからなる群から選択される少なくとも1箇所の遺伝子座を含めた100以上のSNPのそれぞれに関して、どの対立遺伝子が存在しているかを決定できる、請求項27に記載のアレイ。
【請求項31】
どの対立遺伝子が動物に存在しているかを決定する方法であって、
a.請求項27から30のいずれかに記載のアレイを用意するステップと、
b.前記アレイを使用して、動物の遺伝子型を決定するステップと、
c.同定された少なくとも1つの対立遺伝子を、有角または無角表現型と相関させるステップと、
d.少なくとも1頭の動物を、その遺伝子型に基づいて、繁殖使用に割り当てるステップと
を含む方法。
【請求項32】
無角表現型を求めて前記動物が選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
表1に記載のSNPの群から選択される少なくとも1つのSNPと対立遺伝子関連にある遺伝子マーカーを同定することによって、有角/無角表現型に関連する遺伝子マーカーを同定する方法であって、
a)表1に記載のSNPの群から選択されるマーカーAと対立遺伝子関連にある疑いのある遺伝子マーカーBを同定するステップと、
b)AとBとが対立遺伝子関連にあるかどうかを決定するステップと
を含み、少なくとも100頭の動物の集団標本の式1に関してr>0.2である場合に対立遺伝子関連が存在し、式1が
【数1】

であり、式中、Aが表1に記載のSNPの一対立遺伝子を表し、Bが別の遺伝子座の遺伝子マーカーを表し、f(A)が、AおよびBの両方を有する頻度を示し、f(A)が集団内のAの頻度であり、f(B)が集団内のBの頻度である方法。
【請求項34】
遺伝子マーカーBがSNPである、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
同定される遺伝子マーカーが、表1に記載のSNPの群から選択される少なくとも1つのSNPと連鎖不平衡にある、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
が、有角/無角表現型に関係する定量的または定性的形質遺伝子座の基礎となる原因変異である、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
>0.5である、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
>0.9である、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
無角表現型に関連するSNPと対立遺伝子関連にある遺伝子マーカーを同定するための、請求項33から38のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
前記遺伝子マーカーが、無角表現型に関連するSNPと連鎖不平衡にある、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
同定される遺伝子マーカーが原因変異である、請求項39に記載の方法。
【請求項44】
動物を、前記動物について予測されている有角/無角表現型に従って使用に割り当てる方法であって、
a.1または複数箇所の遺伝子座で動物の遺伝子型を決定するステップであり、少なくとも1箇所の遺伝子座が、少なくとも2つの対立遺伝子変種を有する遺伝子マーカーを含有し、かつ少なくとも1つの遺伝子マーカーが、表3に記載の一遺伝子内に位置するステップと、
b.表3に記載の一遺伝子内の1または複数箇所のSNP遺伝子座で評価された少なくとも1頭の動物の、決定された遺伝子型を分析して、どの対立遺伝子変種が存在しているかを決定するステップと、
c.同定された対立遺伝子を、有角または無角表現型と相関させるステップと、
d.前記動物を、その決定された遺伝子型に従って使用に割り当てるステップと
を含む方法。
【請求項45】
動物の遺伝子型が、表3に記載の一遺伝子内に位置する遺伝子マーカーを含有する2箇所以上の遺伝子座で評価される、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
動物の遺伝子型が、表3に記載の一遺伝子内に位置する遺伝子マーカーを含有する少なくとも1箇所の遺伝子座を含めた2箇所以上の遺伝子座で評価される、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記遺伝子マーカーが多型である、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記遺伝子マーカーが一塩基多型(SNP)である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記動物の遺伝子型が2箇所以上の遺伝子座で評価され、それらのうちの少なくとも1箇所が、表3に記載の一遺伝子内に位置する遺伝子マーカーを含有する、請求項44に記載の方法。
【請求項50】
評価される少なくとも1つのマーカーが適応度に関連する、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
評価される少なくとも1つのマーカーが生産性に関連する、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
全ゲノム分析を含む、請求項44から51のいずれ一項に記載の方法。
【請求項53】
潜在的子孫をつくるための潜在的親動物を選択する方法であって、
a.少なくとも1頭の潜在的親動物の遺伝子型を1または複数箇所のゲノム遺伝子座で決定するステップであり、少なくとも1箇所の遺伝子座が、表3に記載の一遺伝子内に位置する遺伝子マーカーを含有するステップと、
b.1つまたは複数の遺伝子マーカーに関して評価された少なくとも1頭の動物の、決定された遺伝子型を分析して、どの対立遺伝子が存在しているかを決定するステップと、
c.同定された対立遺伝子を、有角または無角表現型と相関させるステップと、
d.少なくとも1頭の動物を、その遺伝子型に基づいて、繁殖使用に割り当てるステップと
を含む方法。
【請求項54】
前記遺伝子マーカーが多型である、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記多型が一塩基多型(SNP)である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
潜在的親動物の遺伝子型が2箇所以上の遺伝子座で評価され、これらのうち少なくとも1箇所が、表3に記載の一遺伝子内に位置する遺伝子マーカーを含有する、請求項53に記載の方法。
【請求項57】
潜在的親動物の遺伝子型が10箇所以上の遺伝子座で評価され、これらのうち少なくとも1箇所が、表3に記載の一遺伝子内に位置する遺伝子マーカーを含有する、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
潜在的親動物を、その潜在的子孫に無角表現型が遺伝するように選択する、請求項53から56のいずれかに記載の方法。
【請求項59】
潜在的親動物を、その潜在的子孫に有角表現型が遺伝するように選択する、請求項53から56のいずれかに記載の方法。
【請求項60】
全ゲノム分析を含む、請求項53から56のいずれかに記載の方法。
【請求項61】
後代動物を生産する方法であって、
a.請求項53に記載の方法に従って繁殖用に割り当てられた少なくとも1頭の潜在的親動物を同定するステップと、
b.i)自然繁殖、
ii)人工授精、
iii)in vitro受精、および/または
iv)前記動物から精液/精子もしくは少なくとも1つの卵子を収集し、それをそれぞれ第2の動物からの1または複数の卵子または精液/精子と接触させて、任意の手段によって受胎産物を生産すること
を含む過程を介して、割り当てられた動物から後代を生産するステップとを含む方法。
【請求項62】
自然繁殖を介して後代を生産するステップを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
人工授精、胚移植および/またはin vitro受精を介して子孫を生産するステップを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
前記遺伝子マーカーが多型である、請求項61に記載の方法。
【請求項65】
前記遺伝子マーカーが一塩基多型(SNP)である、請求項61に記載の方法。
【請求項66】
表3に記載の一遺伝子内に位置する少なくとも1つのマーカーと対立遺伝子関連にある遺伝子マーカーを同定することによって、有角または無角表現型に関連する遺伝子マーカーを同定する方法であって、
a.表3に記載のSNPの群から選択されるマーカーAと対立遺伝子関連にある疑いのある遺伝子マーカーBを同定するステップと、
b.AおよびBが対立遺伝子関連にあるかどうかを決定するステップと
を含み、少なくとも100頭の動物の集団標本の式1に関してr>0.2である場合に対立遺伝子関連が存在し、式1が
【数2】

であり、式中、Aが表3に記載のSNPの一対立遺伝子を表し、Bが別の遺伝子座の遺伝子マーカーを表し、f(A)が、AおよびBの両方を有する頻度を示し、f(A)が集団内のAの頻度であり、f(B)が集団内のBの頻度である方法。
【請求項67】
遺伝子マーカーBがSNPである、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
同定された遺伝子マーカーが、表3に記載の一遺伝子内に位置する少なくとも1つのSNPと連鎖不平衡にある、請求項66に記載の方法。
【請求項69】
が、有角/無角表現型に関係する定量的または定性的形質遺伝子座の基礎となる原因変異である、請求項66に記載の方法。
【請求項70】
>0.5である、請求項66に記載の方法。
【請求項71】
>0.9である、請求項66に記載の方法。
【請求項72】
無角表現型に関連するSNPと対立遺伝子関連にある遺伝子マーカーを同定する、請求項66から71のいずれかに記載の方法。
【請求項73】
前記遺伝子マーカーが、無角表現型に関連するSNPと連鎖不平衡にある、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
同定される遺伝子マーカーが原因変異である、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
遺伝子発現を用いる、ウシ動物を選択する方法であって、
a.前記動物から試料を取得するステップと、
b.前記試料を遺伝子発現に関して分析するステップと、
c.前記動物を、遺伝子発現の分析に従って使用に割り当てるステップと
を含み、前記遺伝子が、表3に記載の遺伝子から選択される方法。
【請求項76】
前記遺伝子発現が、mRNAの分析を介して転写レベルで測定される、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記遺伝子発現が、前記試料のタンパク質含有量の分析を介して翻訳レベルで測定される、請求項75に記載の方法。
【請求項78】
前記タンパク質含有量が、ウエスタンブロット分析、ポリクローナル抗体ベースの試験、モノクローナル抗体ベースの試験、タンパク質電気泳動、タンパク質アッセイ、マイクロアレイ、免疫組織化学、競合アッセイ、酵素アッセイおよび酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)からなる群から選択される試験を用いて分析される、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記タンパク質含有量が、抗体を含む側方流動試験を用いて分析される、請求項77に記載の方法。
【請求項80】
前記タンパク質含有量が、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を用いて分析される、請求項77に記載の方法。
【請求項81】
少なくとも10の多型の、どの対立遺伝子が試料中に存在しているかを決定するための核酸アレイであって、表1および2に記載の多型から選択される1つまたは複数の多型とストリンジェントな条件下でハイブリッド形成できる1つまたは複数の核酸配列を含む核酸アレイ。
【請求項82】
表1および2に記載の多型から選択される2つ以上の多型を含む、請求項81に記載の核酸アレイ。
【請求項83】
表1および2に記載の多型から選択される5つ以上の多型を含む、請求項82に記載の核酸アレイ。
【請求項84】
表1および2に記載の多型から選択される10以上の多型を含む、請求項83に記載の核酸アレイ。
【請求項85】
動物の遺伝子型を1または複数箇所の遺伝子座で評価する方法であって、少なくとも1箇所の遺伝子座が、表1および2に記載の多型から選択される多型を含む方法。
【請求項86】
動物の遺伝子型を10箇所以上のゲノム遺伝子座で評価するステップを含む、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
動物の遺伝子型が10箇所以上の遺伝子座で評価され、少なくとも2箇所の遺伝子座が、表3および配列表に記載の多型から選択される多型を含む、請求項85に記載の方法。
【請求項88】
動物の遺伝子型が20箇所以上の遺伝子座で評価され、少なくとも2箇所の遺伝子座が、表3および配列表に記載の多型から選択される多型を含む、請求項85に記載の方法。
【請求項89】
全ゲノム分析を含む、請求項85から88のいずれかに記載の方法。
【請求項90】
表1および2ならびに配列表に記載の核酸の群から選択される、連続した少なくとも17ヌクレオチドの核酸を含む単離されている核酸配列であって、前記核酸が表1および2ならびに配列表に記載の少なくとも1つの多型ヌクレオチドを含む核酸配列。
【請求項91】
請求項90に記載の核酸配列とストリンジェントな条件下でハイブリッド形成できる配列を含む単離されている核酸配列。

【公表番号】特表2011−501659(P2011−501659A)
【公表日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−527944(P2010−527944)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【国際出願番号】PCT/US2008/011024
【国際公開番号】WO2009/045289
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
【出願人】(593141953)ファイザー・インク (302)
【Fターム(参考)】