説明

服薬計画遵守モニタリングシステムおよび方法

服薬計画の遵守をモニターするシステムは、パッチを含む。パッチは、RFID機器とセンサと含む。パッチは、生体有機体の本体に取り外し可能に固定できるように構成される。センサは、RFID機器と電気通信しており、検出可能な物質の有無について生体有機体の生体材料を検査するように構成される。RFID機器は、検査の結果をRFID機器および/または通信装置に送信するように構成される。方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2010年1月19日出願の米国特許出願第12/689,257号の利益を主張するものであり、この出願の全容は、本明細書において参照することにより援用されている。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般に、処方された服薬計画に対する人の遵守のモニタリングに関するものであり、更に詳しくは、服薬または食事構成の一部で摂取された検出可能な物質を感知することにより処方された服薬計画に対する人の遵守をモニターすることに関するものである。
【背景技術】
【0003】
医療専門家は、クオリティオブライフを維持するため、または、患者が心的外傷を負った、もしくは後期疾病治療を受けている後の苦痛を和らげるために、病状を改善または安定させ、裁判所の命令による社会復帰計画の遵守を確保するように策定された服薬計画を処方することにより患者らを治療することが多い。服薬計画は、一般的に、特定の投薬量にておよび処方された時間間隔にて患者が処方された薬物を摂取するための指示を含む。当該の服薬計画の効果は、患者がどれくらいよく療法の指示を遵守するかに左右されることが多い。たとえば、患者が所定の時間間隔または投薬量にて薬物を摂取しなかった場合、服薬計画は、患者に効果がない、または有害でさえある場合がある。
【0004】
現行の構成は、錠剤または他の薬物がパッケージ、たとえば、錠剤容器から取り出されたか否かを感知するために存在しているが、当該のシステムは、患者または被検者が薬を飲まず、取り出されたことを示すために単に容器から薬を取り出したのかどうかを確かめるものではない。
【0005】
患者らつまりプログラム受領者らは、様々な理由から服薬または他の投与計画を忠実に遵守しない可能性がある。たとえば、高齢患者は、薬を飲むのを忘れる、または、複数の薬を同時に飲む、複数の服薬計画を忠実に遵守する、もしくは、投薬必要量を変える、たとえば、投薬量の増減、といった複雑さのために混乱することが多い。別の例として、患者らは、特定の薬物または薬物の組み合わせにかかる費用、副作用への恐れ、病状の重篤さの過小評価、指示の誤解、または、ただ、薬を飲みたくないという思いのために服薬計画を忠実に遵守しないことが多い。服薬計画を忠実に遵守しないと、結果的に、回復時間の長期化、病状の悪化、新たな医学的問題発生の危険性の増大、医療費の増大、または、他の望ましくない、もしくは不本意な結果が発生する可能性がある。
【0006】
したがって、必要とされるものは、患者の満足できる生活状態を促進するために服薬計画の遵守を確認するシステムである。
【発明の概要】
【0007】
以下で説明する本発明の更なる実施形態は、網羅的であること、または、以下の説明において開示する正確な形態に本発明を限定することを意図したものではない。むしろ、当業者が本発明の原理および実践を認識および理解することができるように実施形態を選び説明する。
【0008】
一実施形態により、服薬計画の遵守をモニターするシステムシステムは、パッチおよびRFIDトランシーバを含む。パッチは、RFID機器とセンサと含む。パッチは、生体有機体の本体に取り外し可能に固定できるように構成される。センサは、RFID機器と電気通信しており、かつ、検出可能な物質の有無について生体有機体の生体材料を検査するように構成される。RFID機器は、検査の結果をRFIDトランシーバに通信するように構成される。
【0009】
別の実施形形態により、服薬計画の遵守をモニターするシステムは、パッチおよび通信装置を含む。パッチは、RFID機器とセンサと含む。パッチは、生体有機体の本体に取り外し可能に固定できるように構成される。センサは、RFID機器と電気通信しており、かつ、検出可能な物質の有無について生体有機体の生体材料を検査するように構成される。RFID機器は、検査の結果を通信装置に通信するように構成される。通信装置は、検査の結果を受信するように構成され、かつ、検査の結果を遠隔地に送信するように更に構成される。
【0010】
別の実施形形態により、服薬計画の遵守をモニターする方法を提供する。方法は、RFID機器と電気通信しているセンサを生体有機体に近接して配置するステップを含む。方法は、センサを使用して、検出可能な物質の有無について生体有機体の生体材料を検査するステップを更に含む。方法は、RFID機器で検査の結果をRFIDトランシーバに送信するステップを更に含む。
【0011】
別の実施形形態により、服薬計画の遵守をモニターする方法を提供する。方法は、RFID機器と電気通信しているセンサを生体有機体に近接して配置するステップを含む。方法は、センサを使用して、検出可能な物質の有無について生体有機体の生体材料を検査するステップを更に含む。方法は、RFID機器で検査の結果を通信装置に送信するステップを更に含む。方法は、通信装置で検査の結果を遠隔地に送信するステップを更に含む。
【0012】
前述の実施形態においては、検出可能な物質としては、栄養補助食品、摂取可能な微量元素、個体の遺伝子構造に基づいて特定の化学物質を生成する食物(たとえば、酪農製品、アスパラガス、他の果物または野菜、糖分の高い食品など)を挙げることができる。
【0013】
本発明の他の特長および利点は、以下の詳細な説明から当業者に明らかとなろう。しかしながら、様々な実施形態および特定の例の詳細な説明は、本発明の好適な実施形態および他の実施形態を示すが、例示として示しており、制限するものではないことを理解されたい。本発明の範囲内の多くの変更および改変を本発明の精神から逸脱することなく行なうことができ、本発明は、全ての当該の改変を含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の上記ならびに他の目的および利点は、添付図面に関連して本発明の現在好適な例示実施形態の以下の更に詳細な説明を参照することにより完全に理解および認識されよう。
【0015】
【図1】パッチが人間に取り外し可能に固定され、かつ、RFIDトランシーバと通信するRFID機器を含む、一実施形態による、服薬計画の遵守をモニターするシステムを示す概略図である。
【0016】
【図2】図1のパッチを示す概略図である。
【0017】
【図3】パッチが人間に取り外し可能に固定され、かつ、通信装置と通信するRFID機器を含む、別の実施形態による、服薬計画の遵守をモニターするシステムを示す概略図である。
【0018】
【図4】本発明を実践する例示方法を提示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
この文書で開示する装置および方法を例としてかつ図を参照して詳細に説明する。特記がない限り、図中の同様の数字は、図を通して同じ、類似、または対応する要素への言及を示す。自明であるが、開示および説明する例、配置、構成、構成要素、要素、装置、方法、材料には改変を行なうことができ、特定の用途のために改変が所望される場合があるであろう。本開示においては、具体的な形状、材料、技術、配置などの特定はいずれも、提示する具体的な例に関係するか、または、単に当該の形状、材料、技術、配置などの概要であるにすぎない。具体的な詳細または例の特定は、別段の指定がない限り、必須または制限的なものとして解釈されることを意図するものではなく、かつ、解釈するべきではない。服薬計画の遵守をモニターする装置および方法の選択した例を図1〜図3を参照して以下に開示するとともに詳細に説明する。
【0020】
薬品療法遵守モニタリングは、1または複数の服薬計画の遵守について人間などの生体有機体をモニターすることを含むことができる。服薬計画は、治療サイクルの経過に伴って特定の時期に特定薬剤または薬物を摂取する指示を含むことができる。たとえば、医療専門家は、患者を検査して、その患者が感染症を有すると診断することができる。1つの治療コースは、患者の服薬計画の処方とすることができ、当該服薬療法は、錠剤、カプセル、液体、または、感染症を治療する抗生物質を含む他の適切な形態の薬物を摂取することを含む。服薬計画は、たとえば、日に2回、午前中に1回、夕方に1回、10日間錠剤を摂取するように患者に指示することを含むことができる。
【0021】
当該の服薬計画に対する患者の遵守のモニタリングは、患者が特定の薬物を摂取したかどうかおよびいつ摂取したかを検出し、当該の検出結果から患者が服薬計画を遵守しているかどうか判断し、当該の検出結果および遵守判断に関係するデータを格納し、および/または、当該の検出結果および遵守データを遠隔地に送信する装置および方法を含むことができる。服薬計画の遵守または不遵守を判断することにより、患者を治療している医療専門家または患者の健康に興味がある介護者は、患者の便益に妥当である措置を講じることができる。
【0022】
自明であるが、服薬計画に対する人の遵守のモニタリングは、その人に有益である可能性があるだけでなく、その人と接触する人たちにも有益である可能性がある。たとえば、結核などの伝染病がある人または抗精神病の薬を飲んでいる人が処方された服薬計画を遵守しているかどうか判断することは有益である。更に、麻薬患者、アルコール常習者または性犯罪者の地域住民に対する危険を低減するために、彼らをモニターして薬が適時に摂取されていることを確認することは有益であろう。
【0023】
一実施例においては、薬物は、服薬計画遵守のモニタリングを促進しやすくするために検出可能な物質を含むことができる。検出可能な物質は、薬物が摂取されて代謝されると、人の生体材料を検査することにより検出可能である特徴的化学的指標または特性を生成することができるように構成することができる。別の実施例においては、検出可能な物質自体を、人の生体材料を検査することにより、かつ、検出可能な物質の代謝の必要なく検出可能である化学的指標または特性とすることができる。一実施例においては、検出可能な物質は、人の通常の食事と別である食物成分とすることができる。たとえば、検出可能な物質は、果物または野菜(たとえばアスパラガス)酪農製品、糖分の高い食品、または、蛋白質などの食物に安全な添加物、油、着香料または人に一般的に無害である他の適当な化学物質などの特定の食物とすることができる。特定の検出可能な物質を引き出すことができる揮発性の有機化合物としては、メタンチオール、ジメチルスルフィドジメチルスルホキシド、ジメチルジスルフィド、ビス(メチルリチオ)メタン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、様々なチオール、チオエステルおよびアンモニアを含む他の硫黄含有分解生成物がある。検出可能な物質または化学的指標の有無を検査することができる生体材料の例としては、とりわけ、人の汗、呼気、血液、涙、尿、排泄物および唾液がある。
【0024】
生体材料の検査を介して検出可能な物質を感知または検出する装置を人体に近接して配置することができる。検出可能な物質の存在が感知されると、当該の装置は、服薬計画の遵守または不遵守を判断し、データを格納し、および/または、当該のデータを地元または遠隔地に送信して、何らかの介入が必要とされるかどうかにかかわらずモニタリング場所を支援することができる。遠隔地からの服薬計画の遵守のモニタリングにより、当該のモニタリングの頻度、効率および有用性を上げることができる。たとえば、医療専門家または介護者は、遠隔モニターを介して服薬計画の人の遵守をより頻繁にモニターすることができる。遠隔モニタリングは、人が服薬計画を遵守していない場合に、医療専門家または介護者に注意を喚起することができ、かつ、その人に恩恵をもたらすようリマインダの開始または在宅訪問を行うなどの是正措置を取ることができる。
【0025】
図1に概略的に示すように、服薬計画モニタリングシステム10の一実施例は、パッチ12および無線周波数識別(RFID)トランシーバ18を含むことができる。
【0026】
パッチ12は、RFID機器14およびセンサ16を含むように構成することができる。本発明を実践する際の使用に利用可能な例示的RFID機器は、ジョージア州フラワリブランチのAvery Dennison RFID社から販売されている。詳述すると、RFID機器14および/またはセンサ16は、服薬計画に対する人の遵守をモニターするために人の生体材料の検査を容易にするように構成することができる。一実施例においては、パッチ12は、人の皮膚の表面上にまたはその近傍に位置する生体材料の検査を促進するために取り外し可能または再配置可能な接着剤を使用するなどして人体20に取り外し可能に固定されるように構成することができる。たとえば、パッチ12は、RFID機器14および/またはセンサ16が、薬物に含まれた検出可能な物質がないか人の汗または血液を検査することができるように人の皮膚に取り外し可能に固定することができる。図1に示すように、一実施例においては、人の皮膚に接触してまたは極めて近接してRFID機器14および/またはセンサ16を配置するために、パッチ12を人体20の上腕に接着することができる。
【0027】
別の実施例においては、パッチ12は、人の生体材料の検査を促進するために人体20付近であるが直接触れていない位置に配置することができる。たとえば、パッチ12は、RFID機器14および/またはセンサ16が、薬物に含まれた検出可能な物質がないかその人の呼気を検査することができるように人の口に近接した衣類に固定することができる。詳述すると、人の生体材料が検出可能な物質の有無を検出するために検査されると、RFID機器14は、当該の検出結果をRFIDトランシーバ18などの1または複数の他の装置に通信することができる。
【0028】
図2は、パッチ12を更なる詳細に概略的に示す。RFID機器14およびセンサ16に加えて、パッチ12は、粘着部22を含むことができる。粘着部22は、人体20にパッチ12を取り外し可能に固定するように構成することができる。RFID機器14は、RFIDチップ24およびRFIDチップ24と電気通信しているアンテナ26を含むことができる。RFID機器14およびRFIDトランシーバ18は、相互に通信するように構成することができる。たとえば、RFIDトランシーバ18は、データまたは指示で符号化された無線信号をRFID機器14に送信するように構成することができる。アンテナ26は、当該の無線信号を受信して無線信号をRFIDチップ24に中継するように構成することができる。RFIDチップ24は、RFIDトランシーバ18によりブロードキャストされた無線信号で符号化された指示を解釈するように構成することができる。
【0029】
RFID機器は、表示装置を含むか、または、検査の結果に基づいて可聴音調を生成するか、または、装置の現状を信号で知らせるように構成することができる。
【0030】
一実施例においては、RFIDチップ24は、RFID機器14とRFIDトランシーバ18または他のそういった適当な装置との間の通信を促進するために、独自の識別子を有する高周波(HF)RFIDチップ24とすることができる。あるいは、RFID機器は、極超短波域(UHF)または低周波数域(LF)で動作することができる。別の実施例においては、RFID機器14は、自装置の無線信号を生成するように構成することができるか、または、RFID機器は、通信を促進するために、RFIDトランシーバ18から無線信号を受信して、この無線信号をRFIDトランシーバ18に反射するように構成することができる。RFIDチップ24は、データまたは指示で当該の無線信号を符号化することができる。たとえば、RFIDチップ24は、人の生体材料内での検出可能な物質の検出または欠如に対応するデータで無線信号を符号化することができる。別の実施例においては、RFIDチップ24は、RFIDチップ24からの無線信号を受信する任意の装置が無線信号の供給源を確認することができるように独自の識別子で無線信号を符号化することができる。RFIDトランシーバ18は、RFID機器14から無線信号を受信して、無線信号で符号化されたデータ、指示、独自の識別子などを解釈するように構成することができる。
【0031】
センサ16は、人の生体材料を検査して直接、間接を問わず、生体材料内での検出可能な物質の有無を判断するように構成することができる。先に論じたように、生体材料内の化学的指標が存在することは、薬物内に含まれた検出可能な物質を示すことができる。センサ16は、RFIDチップ24と電気通信しているように構成することができる。このような構成においては、センサ16は、検出可能な物質または化学的指標の読取り値または検出結果をRFIDチップ24に中継することができる。RFIDチップ24は、RFIDトランシーバ18にブロードキャストされた無線信号で当該の検出結果を符号化することにより当該の読取り値または検出結果をRFIDトランシーバ18に通信することができる。センサ16は、検査された生体材料に応じて検出可能な物質または化学的指標を検出するようにいくつかの構成で構成することができる。たとえば、血液が検査しなければならない場合、センサ16は、人の皮膚の表面近傍の毛細管を検査して化学的指標の有無を判断するために赤外線放射源または発光ダイオードを含むことができる。別の実施例においては、人の汗を検査しなければならない場合、センサ16は、人の汗の抵抗率の変換により示されるように検出可能な物質または化学的指標の有無を検出するために電気抵抗を測定することができる。
【0032】
図2を参照すると、一実施例においては、RFIDチップ24は、RFIDタグ部28、メモリ部30および電源32を含むことができる。自明であるが、他の例においては、RFID機器は、RFIDタグ部が受動タグである場合など、RFIDタグ部のみを含むことができる。尚も他の実施例においては、RFID機器は、RFIDタグ部およびメモリ部のみを含むことができる。尚も他の実施例においては、RFID機器は、RFIDタグ部および電源のみを含むことができる。自明であるが、RFID機器14は、センサ16により確認された検出結果または読取り値を管理できる適当な構成であれば、様々な構成のうちいずれであってもよい。
【0033】
一実施例においては、メモリ部30は、センサ16により取得された検出結果を格納するように構成することができる。たとえば、メモリ部30は、センサ16により測定されると、人の生体材料内の検出結果または化学的指標の欠如を定期的に格納するように構成することができる。格納された検出結果の集合体は、一定期間にわたって患者の遵守プロファイルを表すことができる。当該の遵守プロファイルは、服薬計画に対する患者の長期の遵守を判断する際に有用である可能性がある。
【0034】
一実施例においては、電源32は、RFID機器14が能動RFIDタグとして動作するようにRFID機器14に電力を供給することができる。電源32は、たとえば、バッテリ、超コンデンサ、電動アンテナまたは他の当該の適当な電力源を含むことができる。RFID機器14は能動RFIDタグとして動作すると、電源32からの電力を使用して無線信号を送信することができる。別の実施例においては、電源32は、センサ16が検出可能な物質または化学的指標の有無に向けて生体材料を検査することができるようにセンサ16に電力を供給するように構成することができる。自明であるが、代替実施形態においては、センサ16は、センサ16への電源供給を専用とする自装置の電源により電力を供給することができる。
【0035】
一実施例においては、RFID機器14は、集積回路を含むことができる。集積回路は、RFIDタグ部28およびメモリ部30を含むことができる。当該の構成においては、集積回路は、データ、指示、情報などを格納するように構成することができる。集積回路は、データおよび情報を処理または管理し、無線信号および他の当該の機能を変調および復調するように更に構成することができる。アンテナ26は、集積回路と電気通信していることができ、かつ、無線信号を送受信するように構成することができる。更に、RFID機器14は、HFまたはUHFインレイを含むように構成することができるか、および/または、受動RFIDタグ部を増幅するように構成することができる。
【0036】
図1を再び参照すると、RFIDトランシーバ18は、無線信号を送信することができる無線信号送信器34を含むことができる。無線信号送信器34は、指示で符号化された無線信号をRFID機器14に送ることができる。たとえば、RFIDトランシーバ18は、RFID機器14にセンサ16による人の生体材料の検査を開始し、かつ、当該の検査の結果を示すデータを返すように指示することができる。別の実施例においては、RFIDトランシーバ18は、RFID機器14に、RFIDトランシーバ18にRFID機器14のメモリ部30上に格納されたデータを送り返すように指示することができる。当該の構成においては、RFIDトランシーバ18は、RFID読取り装置として機能することができ、RFID機器14は、電源32からの電力を使用してデータで符号化された無線信号をRFIDトランシーバ18にブロードキャストすることができる。
【0037】
RFIDトランシーバ18は、RFID機器14のエネルギー源として機能することもできる。たとえば、RFID送信器18は、アンテナ26により受信してRFIDタグ部28により捕捉することができる相対的に高いエネルギー無線信号を送信することができる。無線信号からのエネルギーは、その後、RFID機器14および/またはセンサ16に電力を供給するために導くことができる。RFIDタグ部28が受動タグとして構成されている場合、当該の高エネルギー無線信号は、RFIDタグ部28により変調し、センサ16および/またはメモリ部30からのデータで符号化し、かつ、RFIDトランシーバ18に反射させることができる。当該の実施例においては、RFIDトランシーバ18は、センサ16およびRFID機器14の動作を制御し、RFID機器14は32などの電源を含む必要がない。したがって、自明であるがRFIDトランシーバ18は、人の生体材料の検査を開始することができる。
【0038】
一実施例においては、RFIDトランシーバ18は、患者の自宅内に配置してRFID読取り装置として機能することができる。たとえば、高齢者に向けて、RFIDトランシーバ18は、高齢者が通常日中座っている肘掛け椅子の近傍などの、その人がよくいる場所に配置することができる。RFIDトランシーバ18は、患者がRFIDトランシーバ18の範囲内で来る度に人の生体材料の検査を開始するように構成することができる。たとえば、RFID送信器18は、肘掛け椅子のアームレスト内に設置することができ、かつ、人が肘掛け椅子に着座していることを示す、肘掛け椅子に印加された振動または圧力を検出したときはいつでも読み取りを開始することができる。
【0039】
図1に示すように、一実施例においては、RFIDトランシーバ18は、メモリ部36を含むことができる。メモリ部36は、RFID機器14から受信されたデータを格納するように構成することができる。たとえば、メモリ部36は、センサ16により検査されてRFID機器14により送信された人の生体材料の連続的検査の結果を格納することができる。測定結果の当該の集合体は、一定期間にわたって服薬計画の人の遵守の遵守プロファイルを表すことができる。
【0040】
RFIDトランシーバ18は、携帯電話、インターネット接続、陸線接続、または情報を送信する他の適当な装置などの内部通信構成部品38を更に含むことができる。通信構成部品38は、人の電子診療記録を編集する診療室、介護者、サーバーなどの遠隔地に服薬計画に対する人の遵守に関する警報またはデータを送るように構成することができる。自明であるが、当該のデータを送ると結果的に服薬計画に対する人の遵守の欠如の早期発見となる可能性がある。当該の早期発見により、人に服薬計画を遵守するように促すことができる介入を開始することができる。
【0041】
服薬計画モニタリングシステム110の別の実施例を図3に概略的に示す。服薬計画モニタリングシステム110は、パッチ12および通信装置42を含む。パッチ12は、一般的に先述した通りとすることができ、かつ、RFID機器14およびセンサ16を含むことができる。RFID機器14は、人の生体物質内の検出可能な物質または化学的指標の検出に関する情報を通信装置42に通信するように構成することができる。通信装置42は、RFID機器14により通信された情報を受信するかまたはその他の方法で捕捉するように構成することができる。一実施例においては、RFID機器14および通信装置42は、たとえば、とりわけ、近接場通信、短距離無線周波数通信システム(802.11xおよび802.15を含むIEEE802ファミリの無線通信プロトコルなどの規格で動作するものなど)、および、赤外線信号通信などの無線通信技術を介して相互に通信することができる。
【0042】
一実施例においては、通信装置42は、近接場通信能力が装備された携帯電話または個人用携帯情報端末を含むことができる。RFID機器14は、近接場対応通信装置42と通信する13.56MHzのRFIDタグを含むことができる。自明であるが、通信装置42は携帯電話または個人用携帯情報端末として説明しているが、情報またはデータを受信および送信することができる適当な装置であれば、様々な製品のうちいずれであってもよい。たとえば、通信装置42は、カスタマイズされ、かつ、服薬計画モニタリングシステム110内の通信装置42として機能するように特別設計されている装置とすることができる。
【0043】
一実施例においては、通信装置42は、RFID機器14に信号を送ることによりRFID機器14で通信を開始することができ、それにより、結果的に、RFID機器14は、人の生体材料内の検出可能な物質または化学的指標の検出に関する情報またはデータで応答する。別の実施例においては、RFID機器14は、通信装置42がRFID機器14に近接して配置されていることを感知して、人の生体材料内の検出可能な物質または化学的指標の検出に関する情報またはデータで通信装置42への信号を開始することができる。
【0044】
通信装置42が人の生体材料内の検出可能な物質または化学的指標の検出に関する情報またはデータを受信すると、当該の情報およびデータを医療専門家、介護者、または人から離れて位置する他の利害関係者に送信することができる。任意の所望の時期にて、パッチ12を着用している人は、図3に示すようにパッチ12の極めて近接したところに通信装置42を移動することによりその人の生体材料の検査を開始することができる。当該の近接度により、その人の生体材料を検査するようにセンサ16を導くことができる。生体材料が検査されると、センサ16は、当該の検査の結果をRFID機器14に通信することができる。RFID機器14は、その後、アンテナ26を用いることなどにより、結果を通信装置42に通信することができる。該の構成においては、通信装置42は、RFID読取り装置として機能することができる。結果が通信装置42により受信されていると、医療専門家または介護者による当面の閲覧に向けて結果を更に遠隔地に送信するか、または、医療専門家または介護者による今後の閲覧に向けて格納することができる。
【0045】
通信装置42が携帯電話または個人用携帯情報端末の場合、適当なフォーマットであれば様々なフォーマットのうちいずれのフォーマットでも結果を遠隔地に送信することができる。たとえば、生データとして、テキストメッセージとして、電子メールメッセージとして、無線メッセージとして、または何らかの他のフォーマットで結果を送信することができる。結果は無線技術を使用して送信することができるが、あるいは、他の適当な通信方法により結果を送信することができる。たとえば、通信装置は、コンピューターに定期的にリンクされることができ、コンピューターは、その後、通信装置から結果をアップロードしてイントラネットまたはインターネットで送信する。
【0046】
人の生体材料の検査は、医療専門家または介護者により遠隔操作にて開始することができる。たとえば、服薬計画に対する人の遵守を判断したいと思う医療専門家または介護者は、その人に連絡して検査を要求することができる。このような連絡は、医療専門家または介護者が患者に対して、検査を開始するためにパッチ12の近接部位に通信装置42を移動するよう要求する呼び出しを開始するか、電子メールを送るか、または、テキストメッセージを送ることにより達成することができる。通信装置42が携帯電話または個人用携帯情報端末である場合、その人は、携帯電話または個人用携帯情報端末を介して要求を受信すると直ちに検査を開始することができ、検査の結果は、医療専門家または介護者へ返信される。
【0047】
別の実施例においては、医療専門家または介護者が通信装置42に自動的に検査を試行するように指示する信号を通信装置42に送ることにより人の生体材料の検査を遠隔操作にて開始することができる。通信装置42は、検査を開始するためにRFID機器14に信号を送ることにより応答することができる。成功した検査の結果は、通信装置42に送信し、かつ、更に医療専門家または介護者に通信することができる。当該の実施例においては、人は、率先的な措置を講じる必要はなく、かつ、検査が行われて結果が医療専門家または介護者に通信されたことに気づきさえしない場合がある。
【0048】
自明であるが、本開示では医療専門家、介護者、警察署、他の当局またはパッチ12を着用する人が人の生体材料の検査を開始すると説明しているが、当該の検査を自動化することができる。たとえば、通信装置42は、設定時間または間隔にて検査を開始するようにプログラムすることができる。別の実施例においては、RFID機器14は、設定時間または間隔にて検査を開始するようにプログラムすることができる。更に別の実施例においては、リモートコンピューターまたは他の当該の遠隔装置は、設定時間または間隔にて検査を開始するために信号を通信装置42に送るようにプログラムすることができる。
【0049】
更に別の実施例においては、介護者、医療専門家またはリモートコンピューターは、薬を飲むように要求するメッセージ、次に、所定の間隔で検査を開始する指示を送ることができる。
【0050】
更なる実施形態においては、モニターされる人に2つ以上で1組の薬物を与えることができ、この1組の薬物は、複雑な服薬計画の実行は、モニターできるようにパッチ内に収納された感知装置または2つ以上の感知装置により、お互いと区別することができる多くの検出可能な実体を含むことができる。
【0051】
ここで、本明細書で説明する発明を示す図4を参照するが、図4には本発明を実施する例示方法を示すブロック図が提示されている。プロセスを開始すると、ステップ100にてセンサおよびRFID機器を設ける。次に、ステップ110にて、センサは、生体有機体に近接してかつRFID機器と電気的に接触しているように配置する。その後、ステップ120にて、センサを使用して生物内の生体材料を検出する。ステップ130にて、検査の結果を通信装置に送信し、ステップ140にて、結果を遠隔地に送信する。ステップ144にて陰性の結果が検査の結果として取得して判断した場合、更なる信号を通信装置および/またはRFID機器に送信することによりプロセスを再開し、プロセスを繰り返す。
【0052】
検査後陽性の結果を取得する状況においては、ステップ142にて、検査を終了することができるか、または、あるいは、ステップ150にて異なるパラメータの検査の新しい要求を要求することができる。
【0053】
更に、検査では、同時に、実質的に同時に複数の物質の場所を特定するか、または、最初の検査要求の一部として、もしくは、1または複数の検査の結果に基づいて必要となって、物質または生体材料を連続して見つけることができることを理解されたい。
【0054】
実施例の先の説明は、例示および説明を目的として提示したものである。網羅的または説明した形態に限定することを意図したものではない。多数の修正が上記の教示内容に照らして可能である。それらの修正の一部について論じてきたが、その他についても当業者には自明であろう。実施例は、企図する特定の用途に適しているように様々な実施例の原理を最良に示すために選んで説明した。範囲は、言うまでもなく、本明細書で述べた例に限定されるものではなく、当業者により任意の数の用途および同等の装置において採用することができる。
【符号の説明】
【0055】
10 服薬計画モニタリングシステム
12 パッチ
14 RFID機器
16 センサ
18 無線周波数識別(RFID)トランシーバ
20 人体
22 粘着部
24 RFIDチップ
26 アンテナ
28 RFIDタグ部
30 メモリ部
32 電源
34 無線信号送信器
36 メモリ部
38 内部通信構成部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
服薬計画の遵守をモニターするシステムであって、
パッチおよびRFIDトランシーバを備え、
前記パッチは、RFID機器とセンサとを含み、前記パッチは、生体有機体の本体に取り外し可能に固定できるように構成され、
前記センサは、前記RFID機器と電気通信しており、検出可能な物質の有無について生体有機体の少なくとも1つの生体材料の有無を検査するように構成され、
前記RFID機器は、前記検査の結果を前記RFIDトランシーバに通信するように構成されるシステム。
【請求項2】
前記検出可能な物質は、化学的指標、食物成分、食物、食物に安全な添加物またはその組み合わせを含む群から選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記食物に安全な添加物は、蛋白質、油、着香料、または他の適当な化学物質、またはその組み合わせを含む群から選択される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記食物は、酪農製品、糖分を含む食品、果物または野菜またはその組み合わせを含む群から選択される、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記野菜はアスパラガスである、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記生体材料は、汗、呼気、血液、涙、尿、排泄物、唾液およびその組み合わせを含む群から選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
服薬計画の遵守をモニターするシステムであって、
パッチおよび通信装置を備え、前記パッチは、RFID機器とセンサと含み、
前記パッチは、生体有機体の本体に取り外し可能に固定できるように構成され、前記センサは、前記RFID機器と電気通信しており、検出可能な物質の有無について生体有機体の少なくとも1つの生体材料の存在を検査するように構成され、
前記RFID機器は、前記検査の結果を前記通信装置に通信するように構成され、
前記通信装置は、前記検査の前記結果を受信するように構成され、かつ、前記検査の前記結果を遠隔地に送信するように更に構成されるシステム。
【請求項8】
前記RFID機器は、メモリと電源とを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記メモリは、遵守プロファイルを判断するために使用される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記電源は、バッテリ、コンデンサ、電源アンテナまたはその組み合わせを含む群から選択される、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記センサには、発光ダイオードまたは赤外線放射線源の少なくとも一方が設置される、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記センサは、複数の生体材料がないか検査することができる、請求項7に記載のシステム。
【請求項13】
複数の生体材料がないかの前記検査は同時に行われる、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
複数の生体材料がないかの前記検査は連続的に行われる、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
服薬計画の遵守をモニターする方法であって、
センサとRFID機器とを設けるステップと、
前記RFID機器と電気通信している前記センサを生体有機体に近接して配置するステップと、
前記センサを使用して、検出可能な物質の有無について生体有機体の少なくとも1つの生体材料の有無を検査するステップと、
前記RFID機器で前記検査の結果をRFIDトランシーバに送信するステップと、
を含む方法。
【請求項16】
前記検出可能な物質は、化学的指標、食物成分、食物、食物に安全な添加物またはその組み合わせを含む群から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記食物に安全な添加物は、蛋白質、油、着香料、または他の適当な化学物質、またはその組み合わせを含む群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記食物は、酪農製品、糖分を含む食品、果物または野菜またはその組み合わせを含む群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記野菜はアスパラガスである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記生体材料は、汗、呼気、血液、涙、尿、排泄物、唾液およびその組み合わせを含む群から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記RFID機器はトランシーバを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記センサとRFID機器とを設ける前記ステップの後に、前記生体有機体が前記RFID機器に極めて近接しているときに前記検査を開始する更なるステップを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
服薬計画の遵守をモニターする方法であって、
センサとRFID機器とを設けるステップと、
前記RFID機器と電気通信している前記センサを生体有機体に近接して配置するステップと、
前記センサを使用して、検出可能な物質の有無について前記生体有機体の少なくとも1つの生体材料の有無を検査するステップと、
前記RFID機器で前記検査の結果を通信装置に送信するステップと、
前記検査の前記結果を遠隔地に送信するステップと、
を含む方法。
【請求項24】
前記結果を前記遠隔地に送信する前記ステップの後に、更なる検査を要求する更なるステップを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記結果を場所に送信する前記ステップの後に、前記結果を分析して陽性または陰性の結果であることを判断する更なるステップを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記結果を分析する前記ステップの後に、陽性の分析結果に基づいて新しい検査を要求する更なるステップを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記結果を分析する前記ステップの後に、陰性の分析に基づいて前記前回の検査の繰り返しを要求する更なるステップを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記センサを使用して検査する前記ステップは、複数の生体材料を探すために行われる、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
複数の生体材料を探す前記検査は同時に行われる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
複数の生体材料を探す前記検査は連続的に行われる、請求項28に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−517091(P2013−517091A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550035(P2012−550035)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際出願番号】PCT/US2011/021057
【国際公開番号】WO2011/090869
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(511205046)エイブリィ デニソン コーポレーション (15)
【Fターム(参考)】