説明

木管楽器リガチャー

【課題】従来の製品が引き起こす金属的な音色、及びリード・マウスピースへ及ぼす傷などの負担軽減、またリードの差し替えに要する動作の円滑化を図る。
【解決手段】リガチャーは素材に皮4と木材5を使用することで、従来の金属製品よりリードの振動を豊かにし、同時に音の強弱や音色の調整を円滑に行うことができる。これにより木管楽器の持つ本来の音色を引き出し、さらに従来製品とマウスピースの摩擦により生じていた傷などからマウスピースの保護を計る。また、ネジの巻き上げや紐の巻き付けを必要としないため、リード差し替え時に要した動作を短縮することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマウスピースの形状に合わせて形成し、リードとマウスピース本体を固定するための木管楽器リガチャーに関する。
【背景技術】
【0002】
クラリネット族、サクソフォンなどのリードを使用する楽器においてはリードをマウスピースに固定する事を基本にリガチャーは製作されている、初期の方法としては、リードを配置したマウスピースに紐を巻き付け固定する手法が用いられ、その後、金属を使用した製品へと変化し、現在でも金属製リガチャーが主流となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-233250公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
金属の製品でリードを固定するとリード本来の弾力性が失われ高音から低音への音色が金属的な音色となり、また金属部分がリードやマウスピースに傷を付ける要因となっている。
【0005】
ドイツのオーケストラでは紐を使用してマウスピースとリードを固定しているプレイヤーもいる。この手法は音色安定や演奏感は得ることができるが、演奏途中のリードの差し替えや調整に時間を要してしまう。この問題を解決する為に紐の代わりに、ネジで締めるという金属製品への転換が行われるようになる。これにより、リードの差し替えや調整は容易になったが、音色や演奏感が紐固定方式よりも劣ってしまうという問題も起こってしまった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は以上の課題を解決するため、素材は金属ではなく皮と木材を使用し、対象となるマウスピースの形状に合わせ、リードを固定するための木管楽器リガチャーである。
【0007】
本発明はマウスピースを皮で包み込み、金属をいっさい使用せずリードとマウスピースに適度な締まり具合を生じさせる。その為、マウスピースとリードを固定出来るように、各社のマウスピースサイズに合わせて製作する。
【0008】
本発明の基本は、手でマウスピースとリードを固定して吹く事にヒントを得ている。その感触に近い状態を作る為に金属製で包み込むのではなく皮を使用し、柔軟な固定をする事によりリードの振動を阻害する事なく、リード本来の振動を最大限に引き出す事で奏者に音量や音色をより体感で出来るようにしている。
【発明の効果】
【0009】
従来の金属製品は、リードを金属ネジで締め付けることで固定するため、マウスピースとリードに摩擦が生じ、傷をつけていた。しかし本発明は皮を使用する事によりマウスピース自体に生じる摩擦を軽減し、傷を付けることがなくなるため、マウスピース保護の役目も果たし、同時に、皮で製作する事によりリードの振動を最大限に増幅させる事が出来る。
【0010】
また、紐で固定した際の演奏途中のリード交換への欠点や、金属製品を使用した際の金属的な響きが改善されるため、高音域から低音域への素早い奏法などが容易になり、木管楽器特有の弾力性に飛んだ美しい音色を作りだす事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明品本体をマウスピースに装着した状態の図である。
【図2】図1に角度をつけた斜視図である。
【図3】本発明品本体のみの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を、図1〜図3に基づき説明する。

【0013】
図1と図2がマウスピース6に本発明のリガチャーを装着した際の立面図及び斜視図で、図3が皮厚を表すために正面から45度程度傾けた斜視図である。
【0014】
本発明はマウスピース6の吹き込み口側から楽器本体とのジョイント部に向かいはめ込む形で装着する。マウスピース6は下面に向かい広がるため、本発明のリガチャーの側面形状もマウスピース6に合わせた形状を成す。故に下面に向かい緩やかな台形を形成する。
【0015】
従来の金属製品はネジを奏者の好みで締め付け、リード7の固定を行っていたが、演奏の度にその度合いにはズレが生じてしまうという難点も備えていた。しかし本発明ではネジで締めていた状態をあらかじめマウスピース6の形状に合わせて形成するため、そのズレを緩和することが可能になっている。
【0016】
皮1及び4の厚さは0.5mm〜3mmとする。皮1及び4は強度を備え、形状を保つために、硬化液を使用し、硬度を持たせる。これによりリード7の固定を確かなものとし、更に振動を調整することにより、木管楽器特有の音色を引き出すことが出来る。
【0017】
本発明には図1ないし図3に示したように縫い目2及び3を施す。この2カ所の縫い目2及び3は金属製品のリガチャーのネジと同様の意図を持つ。2カ所の縫い目2及び3はリード7を固定する補助役割を担い、リードに十分な振動を持たせることができると同時に、マウスピース6と本発明のリガチャーのズレを防ぐ役割を果たす。また、この縫い目2及び3は装飾の意味合いも持つ。
【0018】
本製品は皮を扇状に加工した1枚皮の端部を縫い合わせることにより、筒状を形成する。縫い合わせた端部には木材5を接着する。木材5を接着することで、縫い合わせた端部の強度と安定性を保ち、また、木材表面に面取りを行うことにより、縫い目2及び3と同様に装飾の意図を持たせる。木材5は木質比重0.8〜1.2g/cm3までの変形が少ない硬度を持った木材であり、例えば黒檀や樫やローズウッドや桜。
【符号の説明】
【0019】
1 皮の厚み
2 縫い目2
3 縫い目3
4 皮
5 木材
6 マウスピース
7 リード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
素材に皮と、材質比重0.8〜1.2g/cm3までの変形が少なく硬度を持った木材を使用し、マウスピースの形状に合わせて形成し装着することで、リードとマウスピース本体の固定を行う木管楽器リガチャー。
【請求項2】
皮は1枚皮とし、表面にはリードとマウスピースの安定性を目的とした縫い目を施した。請求項1に記載の木管楽器リガチャー。
【請求項3】
皮の表裏に硬化液を塗布した請求項1および2に記載の木管楽器リガチャー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−145683(P2012−145683A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2857(P2011−2857)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【出願人】(711000298)