説明

木質系ボード用接着剤組成物

【課題】異なる2種類の木質系ボードを接着しても、そりの発生を抑制し、接着性に優れた、木質系ボード用接着剤組成物を提供する。
【解決手段】含水率又は収縮率が異なる2種類の木質系ボードを接着する接着剤組成物において、硬化後の20℃での弾性率が、1〜20MPaである、木質系ボード用接着剤組成物。含水率又は収縮率が異なる2種類の木質系ボードの一方が圧縮材であり、もう一方の木質系ボードが木合板である、前記の木質系ボード用接着剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建材用のボード接着に用いる接着剤組成物、さらに詳しくは、内装用の木質系ボードの張り合わせに使用する接着剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
建築内装材は、木材や集成材、パーティクルボード、MDF(中密度繊維板;木質繊維を接着剤で固めたもの)を基材として、その表面に木目調などの印刷やシボ加工等を施したプラスチックシート、フィルムを被覆、接着し、無垢の木材の質感を出すことが行われる。
【0003】
ここで使用される基材としては、経済性や、リサイクル性、強度、耐久性などを得るための様々な複合材が提案されている。その中で、これらの特性を満足するためには、単一の素材のみの特性では不十分なため、数種類の材料をラミネートすることが行われている。例えば、切削粉等の廃棄材を接着剤で固めたリサイクル材と、木板や木合板とを、貼り合わせることで、基材としての経済性と耐久性を両立することができる。
ところが、この貼り合わせを行った場合、それぞれの材料の吸水率、収縮率が異なるため、基材にそりや変形が起こることがある。そのため、接着剤としては、強固な反応性の接着剤を用い、かつ貼り合わせ後、長時間プレス養生したりするなどの必要があり、生産性が悪くなる欠点があった。また、そのように生産された基材においても、経時でのそり等を押さえることが難しい。
【0004】
一方、建材内装用の高速接着剤としては、特許文献1や特許文献2に記載されるものなどが提案されている。これらの接着剤は、加熱溶融させて貼り合わせた後、反応により硬化し、接着強度が上がるため、高速接着と基材の仕上がりが向上するが、上記の基材のそりに対しては、充分な効果は得られない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−71565号公報
【特許文献2】特開2007−119578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、切削粉等の廃棄材を接着剤で固めたMDF(中密度繊維板)が建材内装用途に使用される。これらの材料は、基材としての強度を得るため、合板などの補強材と貼り合わせて使用するが、それぞれの材料が含水率の変化によって寸法変化し、また寸法変化率に差があるため、基材とした場合、環境条件によってはそりが発生する。そのため、貼り合わせた場合、そりの発生しない接着剤が望まれている。
本発明は、異なる2種類の木質系ボードを接着しても、そりの発生を抑制し、接着性に優れた、木質系ボード用接着剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、前記の問題点を解決する為、鋭意研究の結果、本発明に到達したものである。すなわち、本発明は以下の通りである。
(1) 含水率又は収縮率が異なる2種類の木質系ボードを接着する接着剤組成物において、硬化後の20℃での弾性率が、1〜20MPaである、木質系ボード用接着剤組成物。
(2)含水率又は収縮率が異なる2種類の木質系ボードの一方が圧縮材であり、もう一方の木質系ボードが木合板である、(1)記載の木質系ボード用接着剤組成物。
(3)ポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応してなるウレタンプレポリマーを成分として含む、(1)又は(2)に記載の木質系ボード用接着剤組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、異なる2種類の木質系ボードを接着しても、そりの発生を抑制し、接着性に優れた、木質系ボード用接着剤組成物を提供することが可能となり、寸法安定性のいい基材(木質系ボード)を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の木質系ボード用接着剤組成物は、含水率又は収縮率が異なる2種類の木質系ボードを接着する接着剤組成物において、硬化後の20℃での弾性率が、1〜20MPaである。
本発明における木質系ボードとしては、例えば、パーティクルボード、MDF(中密度繊維板;木質繊維を接着剤で固めたもの)等の圧縮材、木合板、無垢の木材、集成材等が挙げられる。以下、木質系ボードは、ボードと略し、表すこともある。
木質系ボードは、それぞれ、材質や製法が異なるため、含水率や収縮率が同じではない。一般的に、ボードの含水率(質量%)は、100×(含水率を測定するボードの質量−全乾状態のボードの質量)/全乾状態のボードの質量、で求めることができる。
【0010】
伐採後、乾燥工程を経ていない木材は、「生材」と呼ばれ、その含水率は樹種にもよるが、一般的に、40〜300質量%である。生木を乾燥させていくと含水率30質量%前後(繊維飽和点)で収縮が始まり、木材を一定の温度・湿度に調節された環境に放置すると、ある含水率に達した時点で木材の吸湿と放湿が同じスピードになり、平衡含水率になる。この状態にある木材は「気乾材」と呼ばれるが、おおむね含水率は12〜16質量%程度である。
建築用材であれば通常20質量%程度である。また、空調設備の整った屋内で使用されるボードの場合は、15質量%以下の含水率が好ましく、7〜10質量%の含水率がより好ましい。一般的に、屋内の床材として使用される、集成材の含水率は8〜15質量%であり、圧縮材の含水率は5〜13質量%であり、木合板の含水率は3〜20質量%である。
なお、接着する2種類のボードの含水率の差としては、通常、5質量%以下であり、好ましくは3質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下である。含水率の差が、5質量%を超えると、そりや割れ等の不具合を生じるおそれがある。
【0011】
ボードは、通常、含水率に応じて伸び(膨潤)縮み(収縮)し、ボードの収縮率は、含水率の減少にほぼ比例して大きくなる。
ボードの収縮率としては、例えば、JISの規定に準じ、一辺3cm、厚さ5mmの試験片を用いて収縮度合いを測定し、求めることが可能である。そして、含水率15質量%時を基準に、含水率1質量%の変化で起こる収縮を「平均収縮率」という。以下、本発明において、収縮率とは、「平均収縮率」である。
また、一般的に、集成材の収縮率は0.02〜0.06%であり、圧縮材の収縮率は0.01〜0.05%であり、木合板の収縮率は0.005〜0.05%である。
接着する2種類のボードの収縮率の差としては、通常、0.03%以下であり、好ましくは0.02%以下であり、より好ましくは0.01%以下である。収縮率の差が、0.03%を超えると、そりや割れ等の不具合を生じるおそれがある。
【0012】
本発明の木質系ボード用接着剤組成物は、硬化後の20℃での弾性率が、1〜20MPaであり、好ましくは、1〜10MPaである。弾性率が、20MPaより大きいと、貼り合せ基材(ボード)のそれぞれの材料(ボード)間の収縮率の差による寸法変化により基材(ボード)のそりが発生するおそれがある。また、弾性率が、1MPaより小さいと貼り合せ基材(ボード)間の接着強度が不足し、浮きが発生するおそれがある。
なお、硬化後の20℃での弾性率の測定は次のように行われる。まず、初期長20mm(L)、厚さ約50μmの接着剤組成物を170℃で1時間硬化させ、硬化フィルムを作製する。この硬化フィルムに一定荷重1〜10kgf(W)を印加した状態で20℃の恒温槽に投入する。投入後、硬化フィルムの温度が20℃に達した後、硬化フィルムの伸び量(ΔL)と断面積(S)を求めて下記の式から弾性率(E’)を算出する。よって、本発明のおける弾性率とは、引張り弾性率である。
E’=L・W/(ΔL・S)
【0013】
本発明の木質系ボード用接着剤組成物は、硬化後の20℃での弾性率が、1〜20MPaであればよく、前記特性を満たせば、その配合は特に限定しないが、ポリオールと、ポリイソシアネート化合物とを反応してなるウレタンプレポリマーを成分として含むことが好ましい。
本発明で使用するポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ロジン変性ポリオール、ポリエチレンブチレンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等が挙げられる。使用するポリオールは、1分子中に1.5個以上、好ましくは2〜3個の水酸基を有するポリオールの一種、又は二種以上を組み合わせて用いる。
【0014】
本発明で使用するポリイソシアネート化合物としては、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート等が挙げられる。
なお、市販品としては、ミリオネートMT(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「ミリオネート」は登録商標)等が挙げられる。
【0015】
本発明の木質系ボード用接着剤組成物での弾性率は、ポリオールの種類、Tg(ガラス転移点)、結晶性の有無に左右されるために、ウレタンプレポリマーの合成に使用される、ポリオールの選択、配合量を調節することが好ましい。
従って、使用される全ポリオール中、質量比で、非晶性ポリオール/微結晶性ポリオール/高結晶性ポリオール=30〜80/20〜60/0〜50であることが好ましい。また、非晶性ポリオールのTgは−50〜30℃であることが好ましい。質量比やTgが前記範囲内であることが、本発明の木質系ボード用接着剤組成物の硬化後の20℃での弾性率を1〜20MPaにする点で好ましい。
なお、ポリオールやプラスチックにおいて、非晶性とは、高分子が糸玉状になったり絡まったりして存在する状態であり、結晶性とは、高分子が規則正しく配列する状態であるといえる。このように、ポリオールやプラスチックは、高分子の配列状態の違いにより、結晶性と非晶性とに分けられる。現実に存在するポリオールやプラスチックは、すべての部分が結晶状態であるというわけではなく、結晶性といっても、結晶部分と非晶部分とが混在している。下記に示すように、ポリオールやプラスチック中の結晶部分の割合(体積)を結晶化度と呼ばれる値で表現する。
結晶化度の定義;(結晶化度)=(結晶領域部分)÷(結晶領域部分と非結晶領域部分との和)
よって、一般的には、微結晶性とは、結晶化度が50%未満の状態であり、高結晶性とは結晶化度が50%以上の状態である。
また、非晶性ポリオールとしては、PP2000(官能ポリエーテルポリオール、三洋化成工業株式会社製、商品名)等が挙げられる。
【0016】
本発明の木質系ボード用接着剤組成物に含まれる、ウレタンプレポリマーは、ポリオールと、ポリイソシアネート化合物とを反応させて得られる。例えば、ポリオール(ポリオール混合物を含む)と、ポリイソシアネート化合物とを、加熱及び脱泡可能な混合機を用いて、50〜130℃の範囲で窒素ガスをパージする等の方法で空気と遮断しつつ数時間加熱、反応させる。その際、ポリオールと、ポリイソシアネート化合物との混合比は、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基(NCO)と、ポリオールの水酸基(OH)の当量比として、NCO/OH比が、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.5〜3の範囲となるようにする。1.2未満では、得られるウレタンプレポリマーの粘度が高くなり過ぎ、作業性の悪化を招き、3を超えると得られる被膜が脆くなり、接着性の低下を生じるという傾向がある。
【0017】
本発明の木質系ボード用接着剤組成物において、ウレタンプレポリマーの含有量は、50〜100質量%が好ましく、70〜90質量%がより好ましい。含有量が50質量%未満の場合、そりの発生や接着性が低下するおそれがある。
また、本発明の木質系ボード用接着剤組成物は、必要に応じ、ウレタンプレポリマー以外の成分を含んでいてもよい。例えば、表面調整剤として、アクリル系重合体、シリコン系界面活性剤、消泡剤等、あるいは、熱可塑性ポリマー(ポリウレタン、エチレン系共重合体、プロピレン系共重合体、塩化ビニル系共重合体、アクリル共重合体、スチレン−共役ジエンブロック共重合体等の各種ゴム系)、粘着付与樹脂(ロジン樹脂、ロジンエステル樹脂、水添ロジンエステル樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水添テルペン樹脂、石油樹脂、水添石油樹脂、クマロン樹脂、ケトン樹脂、スチレン樹脂、変性スチレン樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂等の各種樹脂系)、更に触媒(ジブチルチンジラウレート、ジブチルチオンオクテート、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリオクチルアミン等)、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、充填剤等を適量含んでいても良い。
【0018】
本発明の木質系ボード用接着剤組成物は、建築用基材の製造に好適であり、そりの発生しない、接着性に優れた、寸法安定性のいい建築用基材を提供することが可能となる。例えば、含水率又は収縮率が異なる木質系ボードである圧縮材と木合板とを、木質系ボード用接着剤組成物からなる接着剤で接着して、建築用基材としてもよい。
建築用基材の製造方法としては、例えば、本発明の木質系ボード用接着剤組成物(又は接着剤)を、厚み1〜5mmの木合板に、加熱ロールコーター等で、塗布量20〜300g/mの範囲で、塗工し、さらに、その塗工面に、厚み1〜5mmの圧縮材(例えばMDF)を重ね、ゴムロール等で、加圧し、5〜35℃で3〜10日程度養生する。なお、圧縮材に、本発明の木質系ボード用接着剤組成物(又は接着剤)を塗工してもよく、建築用基材としては、圧縮材と木合板が、2枚以上積層されていればよい。
【0019】
建築用基材に使用される、圧縮材と木合板は、含水率又は収縮率が異なるものであり、通常、圧縮材と木合板の含水率の差は、1〜10質量%であり、あるいは、圧縮材と木合板の収縮率の差は、0.01〜0.05%である。
本発明の木質系ボード用接着剤組成物を使用した建築用基材は、養生直後、又は、加湿サイクル試験等の耐久試験後でも、そりは、ほとんど発生しない。例えば、圧縮材、木合板からなる、厚み5mm、幅300mm、長さ300mmの建築用基材でも、そりは、1mm未満である。
【実施例】
【0020】
(実施例1)
表1の実施例1に示す配合でポリオールを予め真空乾燥機により脱水処理し、ポリイソシアネート化合物としてジフェニルメタンジイソシアネートを、加熱、脱泡攪拌可能な反応容器に投入し、窒素ガス雰囲気中で混合攪拌しながら、110℃で2時間反応させた後、更に110℃で2時間減圧脱泡攪拌し、イソシアネート末端ポリウレタンプレポリマーを合成し、前記ポリウレタンプレポリマーからなる反応性ホットメルト接着剤組成物(木質系ボード用接着剤組成物)を得た。
なお作製したイソシアネート末端ポリウレタンプレポリマーの弾性率の測定は以下のように行った。
初期長20mm(L)、厚さ約50μmのポリウレタンプレポリマーを170℃で1時間硬化させ、硬化フィルムを作製する。この硬化フィルムに一定荷重1〜10kgf(W)を印加した状態で20℃の恒温槽に投入する。投入後、硬化フィルムの温度が20℃に達した後、硬化フィルムの伸び量(ΔL)と断面積(S)を求めて下記の式から弾性率(E’)を算出する。よって、本発明のおける弾性率とは、引張り弾性率である。結果を表1に示した。
E’=L・W/(ΔL・S)
【0021】
【表1】

(配合単位;質量部)
PP2000;非晶性ポリオール、三洋化成工業株式会社製、商品名、数平均分子量2000
ポリエステルA;微結晶性ポリオール、1,4BDAL(1,4−ブタンジリオール)、EGL(エチレングリコール)、ADAC(アジピン酸)
ポリエステルB;高結晶性ポリオール、1,6HDAL(1,6−ヘキサンジオール)、ADAC(アジピン酸)
ポリエステルC;非晶性ポリオール、EGL(エチレングリコール)、NPGL(ネオペンチルグリコール)、ADAC(アジピン酸)
ミリオネートMT;ジフェニルメタンジイソシアネート、日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名
【0022】
表1の実施例1の反応性ホットメルト接着剤組成物(木質系ボード用接着剤組成物)を、加熱ロールコーターにて、圧縮材であるMDFボード(含水率:8質量%、300mm×300mm)に塗付後(塗布量150g/m)、木合板(含水率:3質量%、300mm×300mm)と貼り合せ、厚み5mmの基材(木質系ボード、300mm×300mm)を作製した。
前記基材(木質系ボード)を、23℃、50%で1週間養生後、加湿サイクル試験(50℃、95%RH⇔23℃、50%RHを3サイクル)した後、そりの発生程度を確認した。「○」はそりなし(1mm未満)、「△」はそり高さ1mm以上5mm未満、「×」はそり高さ5mm以上とした。評価結果を表2に示した。
また、同様に接着性も確認した。「○」は浮きなし、「×」は浮き有りとした。結果を表2に示した。
【0023】
(実施例2)
表1の実施例2の反応性ホットメルト接着剤組成物(木質系ボード用接着剤組成物)を使用した以外は、実施例1と同様に、圧縮材であるMDFボード(含水率:8質量%、300mm×300mm)に塗付後(塗布量150g/m)、木合板(含水率:3質量%、300mm×300mm)と貼り合せ、厚み5mmの基材(木質系ボード、300mm×300mm)を作製し、評価した。評価結果を表2に示した。
【0024】
(比較例1)
表1の比較例1の反応性ホットメルト接着剤組成物(木質系ボード用接着剤組成物)を使用した以外は、実施例1と同様に、圧縮材であるMDFボード(含水率:8質量%、300mm×300mm)に塗付後(塗布量150g/m)、木合板(含水率:3質量%、300mm×300mm)と貼り合せ、厚み5mmの基材(木質系ボード、300mm×300mm)を作製し、評価した。評価結果を表2に示した。
【0025】
(比較例2)
表1の比較例2の反応性ホットメルト接着剤組成物(木質系ボード用接着剤組成物)を使用した以外は、実施例1と同様に、圧縮材であるMDFボード(含水率:8質量%、300mm×300mm)に塗付後(塗布量150g/m)、木合板(含水率:3質量%、300mm×300mm)と貼り合せ、厚み5mmの基材(木質系ボード、300mm×300mm)を作製し、評価した。評価結果を表2に示した。
【0026】
【表2】

【0027】
表2に示したように、硬化後の20℃での弾性率が、1〜20MPaである、本発明の木質系ボード用接着剤組成物を使用した、実施例1、2においては、含水率が異なる2種類の木質系ボードを接着しても、そりが発生せず、また接着性に優れていることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
含水率又は収縮率が異なる2種類の木質系ボードを接着する接着剤組成物において、硬化後の20℃での弾性率が、1〜20MPaである、木質系ボード用接着剤組成物。
【請求項2】
含水率又は収縮率が異なる2種類の木質系ボードの一方が圧縮材であり、もう一方の木質系ボードが木合板である、請求項1に記載の木質系ボード用接着剤組成物。
【請求項3】
ポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応してなるウレタンプレポリマーを成分として含む、請求項1又は2に記載の木質系ボード用接着剤組成物。

【公開番号】特開2013−87147(P2013−87147A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226735(P2011−226735)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000233170)日立化成ポリマー株式会社 (75)
【Fターム(参考)】