説明

末梢血管疾患を治療するための方法および組成物

本発明は、対象者に有効量の少なくとも1種のホスホジエステラーゼ5型インヒビターおよび少なくとも1種の一酸化窒素ドナーを投与することによって、末梢血管疾患、または末梢血管疾患に関連する状態を治療する方法を特徴とする。本発明はまた、少なくとも1種のホスホジエステラーゼ5型インヒビター、少なくとも1種の一酸化窒素ドナー、および製薬上許容し得る担体を含む、局所もしくは経口投与のために製剤化された組成物、並びにこれらの組成物を含むキットを特徴とする。これらの方法、組成物、およびキットは、場合によって他の治療剤を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2009年12月18日に出願された米国特許仮出願第61/287,967号に基づく優先権の利益を主張する。
【0002】
技術分野
本発明は、レイノー現象または症候群を含む、末梢血管疾患の治療のための組成物および関連の方法に関する。より具体的には、本発明は、1種以上の環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼインヒビター、例えばシルデナフィル、ロデナフィル、ギザデナフィル、タダラフィル、アバナフィル、ギザデナフィル、ミロデナフィル(mirodenafil)、パログレリル(parogrelil)、SLx-2101、バルデナフィル、および/またはウデナフィル(udenafil)を、場合によって1種以上の一酸化窒素(NO)ドナー、例えばL-アルギニンと組み合わせて含有する組成物を特徴とする。これらの組成物は、患部の血管の血流を改善し、それによって疾患に関連する1以上の症状を緩和するために、末梢血管疾患に罹患している患者の端部(extremities)に局所的に適用することができる。
【背景技術】
【0003】
レイノー現象は、患者の手指、足指、耳、および/または鼻を侵す、末梢動脈の一過性、可逆性の血管攣縮を特徴とする医学的状態である。これは集団の約3〜5%で生じ、家族で起こる場合がある。罹患しやすい個体では、通常冷気(cold)またはストレスにさらされることで引き起こされ、次いで罹患した部分が変色して、最初に虚血のために白くなり、次いでチアノーゼを生じ、最後に再かん流のために赤くなる(紅斑(erythrema))。更に、痛みや時には感覚異常を生じる場合があり、まれに手指および/または足指に(そして場合によっては鼻および/または耳に)潰瘍を形成し得る。
【0004】
一次または特発性レイノー(Raynaud’s)(レイノー病)は基礎疾患なしに生じる。二次レイノー(レイノー症候群)は基礎疾患−通常、特に強皮症、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群、関節リウマチ、および多発性筋炎等の結合組織疾患と関連して生じる。二次レイノーは、血管炎、バージャー病を含む重篤な末梢血管疾患、およびまれに悪性腫瘍または化学療法と関連し得る。削岩機操作者に見られるような振動障害(vibration trauma)はレイノーを引き起こし得るが、これを一次と考えるべきか、または二次と考えるべきかについては文献上で論争がある。
【0005】
一次レイノー現象は男性よりも女性により多く、血管攣縮単独の存在を特徴とし、重篤な障害と関連しない。これは指先に表面的な潰瘍形成を引き起こし得るが、壊疽が生じることはまれである。対照的に、二次レイノー現象は指潰瘍および生命に関わる結果を伴う著しい病的状態をもたらし得る。二次レイノーにおける指潰瘍は通常非常に痛み、手の機能を制限し、そして軟組織の感染、あるいは重篤な場合では指の切断を必要とする壊疽に到る場合がある。全身性硬化症と関連するレイノー現象を確認するために爪郭の毛細血管の検査が用いられる。
【0006】
血管攣縮は冷気または温度変化に対する正常な反応である;しかしながら、血管攣縮が亢進した一次レイノーではこれが過剰になっている。カルシトニン遺伝子関連産物 (CGRP)、セロトニン受容体、およびエンドセリンを含む多くの因子が一次レイノー患者でアップレギュレートされ、二次レイノー患者でよりアップレギュレートされている。遺伝的特徴がレイノーと関連し得るが、多遺伝子性であると思われ、また国によって異なっている。例えば、ある患者が一次レイノーである場合、彼等が一次もしくは二次レイノーの家族歴を有する場合がある。同様に、二次レイノーの患者が、レイノーを有するか有さない結合組織疾患の家族歴、または一次レイノーの家族歴を有する場合さえある。
【0007】
今日まで、一次レイノー病に対する効果的な治療法はない。例えばストレスのコントロール、冷熱源への暴露の回避、または血管攣縮エピソード中に指を温める等の自助的手段が一般に推奨されている。薬剤は一次の形態には限られた効果しかないが、一方二次レイノー現象に対しては血管拡張剤、主としてカルシウムチャネル遮断剤がしばしば処方されている。
【0008】
レイノー現象の背後にある分子メカニズムは未だに良くは理解されておらず、おそらくは疾患の一次および二次の形態で異なるであろう。病因とは関係なく、レイノー現象の症状には血管運動制御の障害が明らかな指動脈および細動脈の血管攣縮が含まれる。血管緊張の調節は、内皮、平滑筋および血管神経を支配する自律神経系間の相互作用に依存する。血管緊張の調節障害は、構造的または機能的原因による異常等の血管壁に内在する原因と関連し得るか、あるいは神経調節または血管内の循環因子、例えば血小板活性化または線維素溶解の不全に起因する外部的要因によるものであり得る。
【0009】
内皮細胞は、血管緊張の調節に関わる血管収縮物質(例えばエンドセリン-1 [ET-1])または血管拡張物質(例えば一酸化窒素[NO]、プロスタサイクリン)を分泌する。従って、様々な状態によって引き起こされる内皮の機能不全によって血管作用物質の分泌の不均衡が生じ、過度の血管収縮の方へと平衡がシフトして、血管攣縮に到ることがある。例えば、全身性硬化症の患者に見られる血管収縮剤ET-1レベルの上昇は、内皮依存性の因子がレイノー現象において重要であり得ることを示唆する。NO等の血管拡張物質の調節異常も報告されている。近年の研究から、全身性硬化症患者または健康な対照と比較した一次レイノー現象患者のニトロ-チロシンレベルの低下が示され、ニトロ化タンパク質の分解が上方制御されている可能性が示唆される。ニトロ化タンパク質の残基は、反応性酸素種(ROS)の形成を示す。一次レイノー症状のより穏やかな特徴からすると、より低いニトロチロシンレベルは防御的なものであると示唆された。また、NOレベルの上昇がレイノー現象および限局型全身性硬化症の患者で観察されている。しかしながら、びまん型全身性硬化症(より重篤)の患者は正常なNOレベルを呈していたが、ニトロ化タンパク質の発現、および内皮一酸化窒素シンターゼ(NOS)の内在性インヒビターである循環不斉ジメチルアルギニンが増加していた。これらの知見を合わせると、レイノー現象の病態生理学におけるNO代謝の複雑な役割が示される。
【0010】
NOは、少なくとも部分的には、一酸化窒素シンターゼ(NOS)として知られる酵素ファミリーによってL-アルギニンから合成される。NOSは、L-アルギニン、NADPH、および酸素をシトルリン、NADH、およびNOに変換すると考えられている。NOSは以下のいくつかのイソ型で生じる:内皮一酸化窒素シンターゼ(eNOS)、マクロファージもしくは誘導性一酸化窒素シンターゼ(iNOS)、およびニューロンの一酸化窒素シンターゼ(nNOS)。その名称にも関わらず、eNOSは、内皮細胞および血管だけでなく、気管支細胞および脳のニューロン、特に海馬の錐体細胞を含むが、これらに限定されない組織の上皮でも検出されている。更に、iNOSは、特に内皮損傷の条件下、または損傷に対する応答の一部として、マクロファージだけでなく、肝細胞、軟骨細胞(chrondrocytes)、内皮細胞および線維芽細胞等の細胞でも検出されている。
【0011】
近年の研究から、NOSインヒビターが、レイノー病等の内皮血管収縮機能不全と関連し得ることが示唆されている。特に、不斉ジメチルアルギニン(ADMA)、およびN-モノメチルアルギニン(NMA)はより少ない程度で、内皮血管拡張機能不全と関連する。冠動脈疾患および末梢動脈疾患の患者、および腎不全の患者は、より多量の血漿ADMAを有する。しかしながら、外因性のADMAはin vitroで血管輪を収縮させるが、この血管収縮効果はL-アルギニンによって逆転され得ることが示されている。
【0012】
eNOSによるNOの形成は、正常な血圧調節および内皮の機能不全において重要な役割を果たしていると考えられている。eNOSは内皮における主なシンターゼであり、塩基性条件下で活性である。L-アルギニンの細胞内レベルは通常NOS酵素より高いため、NO合成は一般に細胞外への補充に依存しない。レイノー病のような特定の状況下で、L-アルギニンの局所濃度が律速となる場合がある。
【0013】
フリーラジカルガスとして、NOは極めて短い半減期を有する。特定の場合には、血管弛緩、血管拡張、血管新生、酸素化、または他のNO介在性の生物学的プロセスを誘導するために、細胞、組織、または器官内のNOの有効量を増加させることが望ましいことがある。
【0014】
損傷した内皮ではNO産生が低下する(compromises)ため、全身性硬化症は血管拡張機能の低下を特徴とする。この内皮依存性血管拡張は、疾患の発症において重要な役割を果たす。ニトログリセリンは内皮依存性の血管拡張効果を有するNOドナーであるため、レイノー現象を含む全身性硬化症の症状を改善する治療選択肢として提示されてきた。頭痛および低血圧を含む副作用を避けるために、ニトログリセリンの局所形態が使用されてきた。
【0015】
例えば、MediQuest Therapeutics社は、ランダム化二重盲検プラセボ対照第3相臨床試験において、ニトログリセリンを含有する局所オルガノゲル(MQX-503)の安全性および有効性を評価した。この試験には36名の患者が含まれ、ニトログリセリン局所製剤の2用量に対する応答を測定した。原発性(一次)または強皮症もしくは他の自己免疫疾患に続発性(二次)の軽度から重篤なレイノー現象を示す患者を制御された冷チャレンジに暴露させた。ニトログリセリンを手指に局所投与してから5分以内に、血流の増加が観察された。二次的な効果としては、強皮症患者における指潰瘍発症の低減が挙げられる。MediQuest社は、血管攣縮発作回数の減少、レイノー病評価スコアの改善、および関連する症状の低減、並びに安全性におけるこのニトログリセリン局所製剤の有効性を試験するために、第2の大規模な試験を計画した。
【0016】
ニトログリセリンテープ製剤(MILLISROL(登録商標))も、日本人研究者の手によって25名の全身性硬化症患者による予備的研究で評価された。ニトログリセリンテープの適用後、サーモグラフィーで測定した指の温度は、強皮症患者の60%で上昇したが、一方プラセボテープ群の温度は影響を受けなかった。この知見から、ニトログリセリンによる局所治療後の末梢循環の改善が示唆された。
【0017】
NOの血管拡張作用は環状ヌクレオチドの環状グアノシン一リン酸(cGMP)によって仲介される。ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)インヒビターはcGMPの分解を抑制し、それによって血管平滑筋細胞中でのその蓄積を増加させる。この治療戦略は、勃起障害および肺高血圧症の治療において成功することが判明した。レイノー現象におけるPDE5インヒビターの有効性はいくつかの臨床試験で研究され、血管攣縮症状の総体的な改善および好ましい安全性プロファイルが報告された。特に、経口投与されたシルデナフィルは、過去に血管拡張剤による治療に抵抗性を示した18名の二次レイノー現象患者で行った二重盲検プラセボ対照交差研究で、有効であることが示された。50 mgのシルデナフィルを1日2回、4週間経口投与すると、プラセボと比較してレイノー発作の頻度および持続時間の減少が生じた。一次レイノー病の2名の患者で同様の改善が示された。治療開始前に指潰瘍のあった全ての患者において、シルデナフィル治療後に潰瘍の治癒が観察され、2つの症例で潰瘍の完全な寛解が見られた。興味深いことに、レイノー症状の改善は、シルデナフィル治療患者における毛細血管の平均流速の4倍以上の増大と相関していた。15名のレイノー現象患者(一次か二次かは特定されていない)による別のランダム化二重盲検交差研究では、シルデナフィル治療後に前腕の血流の75%の上昇が報告されている。この研究は経口シルデナフィルを抗酸化剤α-トコフェロールと比較しているが、血流パラメーターへの影響は示されていない。伝統的な血管拡張剤治療が成功せず、シルデナフィルが投与された強皮症に二次的なレイノー現象患者の小規模の遡及的試験の結果も有望なものであった:患者の80%がレイノー現象発作の痛みおよび頻度の減少を経験し、治療開始前に指潰瘍のあった患者の75%で指潰瘍の治癒が見られた。しかしながら、別のランダム化二重盲検交差研究において、シルデナフィルは一次レイノー症状を改善することはできなかった。
【0018】
タダラフィル等の他のPDE5インヒビターも、強皮症および狼瘡を有する患者における小規模非盲検予備試験において、レイノー症状を低減させた。タダラフィル20 mgを週2または3回で4週間経口投与した別の研究では、ペントキシフィリン600 mgの1日2回投与と比較して、治療期間終了時に血管攣縮発作の頻度および持続時間の有意な低下、および末梢の血流増加が示された。興味深いことに、タダラフィルでの長期治療後にも改善が見られ、急性の血管拡張はその効果に対して部分的に関わるものでしかないことが示された。また、タダラフィルは、シルデナフィルの用量増大に応答しなかった、口腔扁平細胞癌に対する化学療法に二次的なレイノー現象の患者で、良好な代替療法となるように思われた。この独立した症例報告においては、等力価の(equipotent)用量のタダラフィルによってレイノー症状が改善し、毛細血管の血流が増大した。この有効性の改善は、タダラフィルの半減期がより長いことに起因すると考えられる(シルデナフィルの3.8時間に対して17.5時間)。
【0019】
最後に、一次(18%)または二次(82%)レイノー現象を示す40名の患者で行った非盲検予備試験でバルデナフィルが試験された。バルデナフィルの経口投与を行ったこの研究において、レイノー発作の持続時間、回数および重篤度は、バルデナフィル治療患者でそれぞれ60%、50%および53%低下した。臨床症状の改善は、患者の70%における指の血流上昇と相関していた。
【0020】
要約すれば、cGMPホスホジエステラーゼ(PDE)インヒビターは、経口投与した場合に末梢の血流を増加させることが示されている。これらの薬剤はまた、レイノー病等の末梢血管疾患における治療的可能性を有することが報告されている;しかしながらこれらの全身の血管に対する効果および有害な副作用(例えば血圧低下)のために、血管拡張剤として使用することは不可能であった。同様に、NO産生化合物は末梢血管疾患の治療のためにいくつかの臨床試験において検討され、様々な結果が得られている。例えば、以前の研究で、一酸化窒素前駆物質(アルギニン)の局所投与による血流増加が記載されている。しかしながら、生物学的活性を担う細胞内メッセンジャーであるcGMPは特異的ホスホジエステラーゼ酵素によって速やかに分解されるため、これらの薬剤は作用時間が短いために持続した薬理活性を示すことができなかった。従って、末梢血管疾患、並びに末梢血管疾患と関連する状態を治療するための安全かつ有効な方法および組成物に対する需要がある。
【発明の概要】
【0021】
第1の態様において、本発明は、末梢血管疾患、または末梢血管疾患と関連する状態を治療する方法であって、対象者に有効量の少なくとも1種のホスホジエステラーゼ5型インヒビターおよび少なくとも1種の一酸化窒素ドナーを投与することを含む、上記方法を特徴とする。特定の実施形態において、末梢血管疾患は一次レイノー現象、二次レイノー現象(例えば二次レイノー現象と関連する状態が全身性硬化症、CREST症候群、全身性エリテマトーデス、リウマチ性疾患、関節リウマチ、シェーグレン症候群、または多発性筋炎の1以上である場合)である。別の実施形態において、末梢血管疾患は、末梢神経障害、自律神経障害、糖尿病性神経障害、血管炎、皮膚の老化、壊疽性筋膜炎、褥瘡性潰瘍、裂肛、びまん型全身性強皮症、または凍傷の1以上である。
【0022】
第1の態様の一実施形態において、本方法は、対象者の患部への局所投与を含む。第1の態様の別の実施形態において、本方法は経口投与を含む。
【0023】
第1の態様の特定の実施形態において、ホスホジエステラーゼ5型インヒビターおよび一酸化窒素ドナーは医薬組成物中で一緒に投与される。第1の態様の別の実施形態において、ホスホジエステラーゼ5型インヒビターは経口投与し、一酸化窒素ドナーは局所的に投与する。
【0024】
第1の態様の更に別の実施形態において、ホスホジエステラーゼ5型インヒビターの量は1日1 mg〜500 mg(例えば1、5、10、25、50、100、250、および500 mg)、一酸化窒素ドナーの量は1日1 mg〜500 mg(例えば1、5、10、25、50、100、250、および500 mg)である。
【0025】
第1の態様の特定の実施形態において、ホスホジエステラーゼ5型インヒビターは、シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィル、ウデナフィル、ロデナフィル、ギザデナフィル、アバナフィル、ギザデナフィル、ミロデナフィル、パログレリル、SLx-2101、3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)-2-n-プロポキシフェニル]-2-(ピリジン-2-イル)メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、1-{6-エトキシ-5-[3-エチル-6,7-ジヒドロ-2-(2-メトキシエチル)-7-オキソ-2H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-イル]-3-ピリジルスルホニル}-4-エチルピペラジン、5-(2-エトキシ-5-モルホリノアセチルフェニル)-1-メチル-3-n-プロピル-l,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-l-イルスルホニル)-2-n-プロポキシフェニル]-2-(ピリジン-2-イル)メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)-2-(2-メトキシエトキシ)ピリジン-3-イル]-2(ピリジン-2-イル)メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、(+)-3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-l-イルスルホニル)-2-(2-メトキシ-l(R)-メチルエトキシ)ピリジン-3-イル]-2-メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-[2-メトキシエチル]-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-[2-イソ-ブトキシ-5-(4-エチルピペラジン-l-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-フェニル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-(S-アセチル-2-プロポキシ-3-ピリジニル)-3-エチル-2-(1-イソプロピル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-(5-アセチル-2-ブトキシ-3-ピリジニル)-3-エチル-2-(1-エチル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、およびこれらの誘導体および塩(例えばシルデナフィルのクエン酸塩)よりなる群から選択される。
【0026】
第1の態様の別の実施形態において、ホスホジエステラーゼ5型インヒビターは100ナノモル濃度未満のIC50を有する。第1の態様の更に別の実施形態において、ホスホジエステラーゼ5型インヒビターは1000を超える選択比を有する。
【0027】
第1の態様の特定の実施形態において、一酸化窒素ドナーは、有機硝酸エステル(例えばニトログリセリン、硝酸イソソルビド、1,3-(ニトロオキシメチル)フェニル2-ヒドロキシベンゾエート、またはこれらの誘導体もしくは塩)、有機亜硝酸エステル(例えば亜硝酸アミル)、S-ニトロシル化化合物(例えばS-ニトロソ-N-アセチル-ペニシラミン、S-ニトロソ-N-グルタチオン、もしくはS-ニトロソ-N-システイン)、ジアゼニウムジオレート(例えば6-(2-ヒドロキシ-1-メチル-2-ニトロソヒドラジノ)-N-メチル-1-ヘキサンアミン、ヒドロキシジアゼンスルホン酸1-オキシド、3,3′-(ヒドロキシニトロソヒドラジノ)ビス-1-プロパンアミン、2-(N,N-ジエチルアミノ)-ジアゼノレート2-オキシド、または3,3-ビス(アミノエチル)-1-ヒドロキシ-2-オキソ-1-トリアゼン)、血管拡張剤(例えばニトロプルシドナトリウム、リンシドミン、塩酸リンシドミン、3-モルホリノシドノンイミン、4-フェニル-3-フロキサンカルボニトリル、モルシドミン、3-(アミノプロピル)-1-ヒドロキシ-3-イソプロピル-2-オキソ-1-トリアゼン、3-メチルシドノン-5-ニトロシミン(nitrosimine)、6-ピペリジン-1-イルピリミジン-2,4-ジアミン3-オキシド、または(2S)-1-[(2S)-2-メチル-3-スルファニルプロパノイル]ピロリジン-2-カルボン酸)、シトルリン、アルギニン(例えばL-アルギニン)、およびこれらの誘導体および塩よりなる群から選択される。
【0028】
第1の態様の更なる実施形態において、本発明は、5-HT2Bアンタゴニスト、α-アドレナリン作動性受容体アンタゴニスト、β-アドレナリン作動性受容体アンタゴニスト、アンジオテンシン受容体アンタゴニスト、アンジオテンシン変換酵素インヒビター、抗凝固剤、抗うつ剤、抗糖尿病薬、抗血栓剤、カルシウムチャネル遮断剤、コレステロール降下剤、非ステロイド系抗炎症剤、プロスタグランジン、レニンアンタゴニスト、ステロイド系抗炎症剤、またはトロンボキサンA2アゴニストの1種以上を投与することを更に含む方法を特徴とする。
【0029】
第2の態様において、本発明は、少なくとも1種のホスホジエステラーゼ5型インヒビター(例えばシルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィル、ウデナフィル、ロデナフィル、ギザデナフィル、アバナフィル、ギザデナフィル、ミロデナフィル、パログレリル、SLx-2101、3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)-2-n-プロポキシフェニル]-2-(ピリジン-2-イル)メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、1-{6-エトキシ-5-[3-エチル-6,7-ジヒドロ-2-(2-メトキシエチル)-7-オキソ-2H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-イル]-3-ピリジルスルホニル}-4-エチルピペラジン、5-(2-エトキシ-5-モルホリノアセチルフェニル)-1-メチル-3-n-プロピル-l,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-l-イルスルホニル)-2-n-プロポキシフェニル]-2-(ピリジン-2-イル)メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)-2-(2-メトキシエトキシ)ピリジン-3-イル]-2(ピリジン-2-イル)メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、(+)-3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-l-イルスルホニル)-2-(2-メトキシ-l(R)-メチルエトキシ)ピリジン-3-イル]-2-メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-[2-メトキシエチル]-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-[2-イソ-ブトキシ-5-(4-エチルピペラジン-l-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-フェニル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-(S-アセチル-2-プロポキシ-3-ピリジニル)-3-エチル-2-(1-イソプロピル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-(5-アセチル-2-ブトキシ-3-ピリジニル)-3-エチル-2-(1-エチル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、およびこれらの誘導体および塩)、少なくとも1種の一酸化窒素ドナー(例えば有機硝酸エステル、有機亜硝酸エステル、S-ニトロシル化化合物、ジアゼニウムジオレート、血管拡張剤、シトルリン、アルギニン(例えばL-アルギニン)、およびこれらの誘導体および塩)、および製薬上許容される担体を含有する、局所投与のために製剤化された組成物を特徴とする。
【0030】
第2の態様の一実施形態において、組成物は1 mg〜500 mg(例えば1、5、10、25、50、100、250、および500 mg)の1種以上のホスホジエステラーゼ5型インヒビターおよび1 mg〜500 mg(例えば1、5、10、25、50、100、250、および500 mg)の1種以上の一酸化窒素ドナーを含む。別の実施形態において、組成物は10 mg〜100 mgのホスホジエステラーゼ5型インヒビターおよび10 mg〜100 mgの一酸化窒素ドナーを含有する。更に別の実施形態において、組成物は0.5%〜12.5%のホスホジエステラーゼ5型インヒビターおよび0.5%〜12.5%の一酸化窒素ドナーを含有する。
【0031】
第2の態様の特定の実施形態において、組成物は、クリーム、ゲル、ローション、軟膏、シャンプー、溶液、懸濁液、または経皮パッチとして製剤化される。
【0032】
第2の態様の更なる実施形態において、組成物は更に透過促進剤(例えばポリアクリル酸ポリマー、多糖類樹脂、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ジメチルスルホキシド、デシルメチルスルホキシド、中鎖脂肪酸のジメチルアラニンアミド、ドデシル2-(N,N-ジメチルアミノ)プロピオネート、テトラデシル(N,N-ジメチルアミノ)アセテート、ドデシル(N,N-ジメチルアミノ)アセテート、デシル(N,N-ジメチルアミノ)アセテート、オクチル(N,N-ジメチルアミノ)アセテート、およびドデシル(N,N-ジエチルアミノ)アセテート、またはこれらの塩)を含有する。
【0033】
第2の態様の一実施形態において、組成物は溶液として製剤化され、この溶液は、抗酸化剤、抗微生物剤、緩衝剤、乳化剤、親油性溶媒、潤滑剤、透過促進剤、安定化剤、懸濁剤、等張化剤、増粘剤、または湿潤剤の1種以上を更に含有する。
【0034】
第2の態様の更なる実施形態において、組成物は更に、5-HT2Bアンタゴニスト、α-アドレナリン作動性受容体アンタゴニスト、β-アドレナリン作動性受容体アンタゴニスト、アンジオテンシン受容体アンタゴニスト、アンジオテンシン変換酵素インヒビター、抗凝固剤、抗うつ剤、抗糖尿病薬、抗血栓剤、カルシウムチャネル遮断剤、コレステロール降下剤、非ステロイド系抗炎症剤、プロスタグランジン、レニンアンタゴニスト、ステロイド系抗炎症剤、またはトロンボキサンA2アゴニストの1種以上を含有する。
【0035】
第3の態様において、本発明は、少なくとも1種のホスホジエステラーゼ5型インヒビター(例えばシルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィル、ウデナフィル、ロデナフィル、ギザデナフィル、アバナフィル、ギザデナフィル、ミロデナフィル、パログレリル、SLx-2101、3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)-2-n-プロポキシフェニル]-2-(ピリジン-2-イル)メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、1-{6-エトキシ-5-[3-エチル-6,7-ジヒドロ-2-(2-メトキシエチル)-7-オキソ-2H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-イル]-3-ピリジルスルホニル}-4-エチルピペラジン、5-(2-エトキシ-5-モルホリノアセチルフェニル)-1-メチル-3-n-プロピル-l,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-l-イルスルホニル)-2-n-プロポキシフェニル]-2-(ピリジン-2-イル)メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)-2-(2-メトキシエトキシ)ピリジン-3-イル]-2(ピリジン-2-イル)メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、(+)-3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-l-イルスルホニル)-2-(2-メトキシ-l(R)-メチルエトキシ)ピリジン-3-イル]-2-メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-[2-メトキシエチル]-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-[2-イソ-ブトキシ-5-(4-エチルピペラジン-l-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-フェニル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-(S-アセチル-2-プロポキシ-3-ピリジニル)-3-エチル-2-(1-イソプロピル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-(5-アセチル-2-ブトキシ-3-ピリジニル)-3-エチル-2-(1-エチル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、およびこれらの誘導体および塩)、少なくとも1種の一酸化窒素ドナー(例えば有機硝酸エステル、有機亜硝酸エステル、S-ニトロシル化化合物、ジアゼニウムジオレート、血管拡張剤、シトルリン、アルギニン(例えばL-アルギニン)、およびこれらの誘導体および塩)、および製薬上許容される担体を含有する、経口投与のために製剤化された組成物を特徴とする。
【0036】
第3の態様の一実施形態において、組成物は、1 mg〜500 mg(例えば1、5、10、25、50、100、250、および500 mg)のホスホジエステラーゼ5型インヒビター、および1 mg〜500 mg(例えば1、5、10、25、50、100、250、および500 mg)の一酸化窒素ドナーを含有する。別の実施形態において、組成物は10 mg〜100 mgのホスホジエステラーゼ5型インヒビターおよび10 mg〜100 mgの一酸化窒素ドナーを含有する。更に別の実施形態において、組成物は0.5%〜12.5%(w/w)のホスホジエステラーゼ5型インヒビターおよび0.5%〜12.5%(w/w)の一酸化窒素ドナーを含有する。
【0037】
第3の態様の特定の実施形態において、組成物はカプセル剤、丸剤、または錠剤として製剤化される。
【0038】
第3の態様の更なる実施形態において、組成物は更に、5-HT2Bアンタゴニスト、α-アドレナリン作動性受容体アンタゴニスト、β-アドレナリン作動性受容体アンタゴニスト、アンジオテンシン受容体アンタゴニスト、アンジオテンシン変換酵素インヒビター、抗凝固剤、抗うつ剤、抗糖尿病薬、抗血栓剤、カルシウムチャネル遮断剤、コレステロール降下剤、非ステロイド系抗炎症剤、プロスタグランジン、レニンアンタゴニスト、ステロイド系抗炎症剤、またはトロンボキサンA2アゴニストの1以上を含有する。
【0039】
第4の態様において、本発明は、少なくとも1種のホスホジエステラーゼ5型インヒビター、少なくとも1種の一酸化窒素ドナー、および製薬上許容される担体を含有する、局所投与のために製剤化された組成物;および該組成物を対象者に投与するための説明書を含むキットを特徴とする。
【0040】
第5の態様において、本発明は、少なくとも1種のホスホジエステラーゼ5型インヒビター、少なくとも1種の一酸化窒素ドナー、および製薬上許容される担体を含有する、経口投与のために製剤化された組成物;および該組成物を対象者に投与するための説明書を含むキットを特徴とする。
【0041】
定義
用語「投与」または「投与する」とは、医薬組成物の用量を対象者に与える方法をいう。投与の好ましい方法は、種々の因子、例えば医薬組成物の成分もしくは状態、および疾患、障害、もしくは状態の重篤度に依存し得る。
【0042】
「一緒に」投与するとは、2種以上の化合物を対象者に投与される単一の医薬組成物中に合わせて製剤化することを意味する。
【0043】
「患部」とは、末梢血管疾患の1以上の症状を呈する対象者の端部領域を意味する。
【0044】
本明細書で使用する場合、末梢血管疾患または末梢血管疾患と関連する状態を治療することに関して使用する「有効量」または「治療するのに有効な量」との用語は、対象者における血管運動制御を改善し、末梢血管疾患によって引き起こされる1以上の症状を軽減し、または末梢血管疾患と関連する状態によって引き起こされる1以上の症状を縮小させる1種以上の化合物の量をいう。
【0045】
「製薬上許容される」とは、組成物またはその成分が過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応等なしに対象者の組織または体液と接触させて使用するのに好適であることを意味する。
【0046】
「NOドナー」または「一酸化窒素ドナー」とは、NOSによるNOの代謝的もしくは酵素的生産を上昇させ、対象者の体内でNOに変換され、または一酸化窒素部分を含み、放出し、もしくは提供する化合物を意味する。
【0047】
「NO部分」とは、1以上の-NO、-NO2、または-NO3を含む官能基を意味する。
【0048】
「NOS」とは、一酸化窒素シンターゼの任意のイソ型を意味する。
【0049】
「PDE5インヒビター」とは、cGMP PDE5アイソザイムの選択的もしくは非選択的インヒビターである化合物を意味する。
【0050】
「対象者」は哺乳動物を意味し、ヒトまたは非ヒトの哺乳動物を含むが、これらに限定されない。
【0051】
本明細書で使用するように、また当分野で理解されるように、「治療」とは、有益なまたは所望の結果、例えば臨床的結果を得るためのアプローチである。有益なまたは所望の結果としては、限定するものではないが、疾患、障害、状態、または疾患、障害、もしくは状態と関連する1以上の症状の緩和、改善、または予防;疾患、障害、または状態の程度の縮小;疾患、障害、または状態の安定した(すなわち悪化のない)状態;疾患、障害、または状態の進行を遅らせ、もしくは進行速度を下げること;および疾患、障害、または状態の改善または緩和を挙げることができる。「治療」はまた、治療を受けなかった場合に予想される生存と比較して生存が延長することも意味し得る。「予防」とは、予防的治療(prophylactic treatment)が疾患、障害、状態、または疾患、障害、もしくは状態と関連する1以上の症状を有するか、または有するであろう対象者に与えられることを意味する。疾患、障害、または状態の「緩和」とは、治療しない場合の程度または経過と比較して、疾患、障害、状態の程度および/もしくは望ましくない臨床症状が低減すること、および/または進行の時間的経過が遅く、もしくは長くなることを意味する。
【0052】
本明細書における端点による数値範囲の記載は、その範囲内に含まれる全ての数値を包含する(例えば1〜5は1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、および5を含む)。
【0053】
本明細書で使用する場合、「a」または「an」とは、他に指示がない限り、「少なくとも1」または「1以上」を意味する。更に、単数形「a」、「an」、および「the」は、内容から明らかに他のことが示されているのでない限り、複数の指示対照を含む。従って、例えば「化合物(a compound)」を含有する組成物への言及は、2以上の化合物の混合物を含む。
【0054】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および請求の範囲の記載から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1A】Krisgel 100(商標)、ヤシ油、カプリル酸(Capryloic Acid)、トリグリセリド、スクアラン、ホウ酸、ポリソルベート80、ソルビタンモノオレエート80、シメチコン、ブチル化ヒドロキシトルエンを含有する対照Veecogelクリームベース製剤の局所適用から0、5、および15分後のヒト被験者の手の一連の赤外線画像を示す。
【図1B】L-アルギニン一塩酸塩 10%w/wおよびクエン酸シルデナフィル 1%w/wクリームの組合せを含有するVeecogelベース治療製剤の局所適用から0、5、および15分後のヒト被験者の手の一連の赤外線画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0056】
本発明は、レイノー現象または症候群を含む、末梢血管疾患および関連する状態を治療するための方法および組成物を特徴とする。一実施形態において、本方法は、少なくとも1種の環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼインヒビター(例えばcGMP PDE5インヒビター)を、単独で、または1種以上の一酸化窒素(NO)ドナー、および/または本明細書に記載する他の任意成分と組み合わせて含有する組成物を、治療を必要とする患者に局所投与することを含む。組成物は、例えば局所投与に好適なゲルまたはクリームの形態であり得る。別の実施形態において、本方法および組成物は、ホスホジエステラーゼインヒビターおよび/またはNOドナー成分の経口投与に適合し得る。
【0057】
本発明はまた、PDE5インヒビターを単独で、またはNOドナーと組み合わせて含有する医薬組成物、血管疾患の治療のための組成物の使用に関する説明書、および容器を含むキットを特徴とする。
【0058】
哺乳動物の血管は、初期に環状グアノシン3',5'-一リン酸(cGMP)が存在することによる全身の血管弛緩および組織および血管の拡張がホスホジエステラーゼ5型(PDE5)のcGMP-特異的分解酵素の存在によって妨げられなければ、典型的にはニトロ系血管拡張剤に対してずっと顕著に応答する。従って、ニトロ系血管拡張剤に対する患者の応答を増大させるための1つのアプローチは、ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)の化学的インヒビターを治療製剤中に存在させることである。
【0059】
更に、平滑組織弛緩剤環状グアノシン3',5'-一リン酸(cGMP)の合成の前に活性化酵素-可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)の存在があり、それによってグアノシン一リン酸(cGMP)の合成が引き起こされ得る。しかしながら、この酵素(sGC)は一般的に、このような組織に活性一酸化窒素ラジカル(NO)またはNOを放出できる化学物質が存在することによって活性化される必要がある。従って、製剤中にNO放出剤、例えばL-アルギニンもしくは他のニトロ系血管拡張剤が存在することが望ましい場合がある。この混合物は、それら自身では生成することができない領域でのNOの合成を促進し、それによって全身の血管弛緩および拡張を容易にして皮膚および真皮への血流および循環を増大させ得る。NOの放出は、酵素グアニル酸シクラーゼ(sGC)の可溶性イソ型を直接活性化することによって、標的細胞中のグアノシン3'5'-環状一リン酸(cGMP)の合成を刺激する。NOは次いでグアニル酸シクラーゼ酵素を活性化し、その結果環状グアノシン一リン酸(cGMP)合成のレベルが上昇して、これはグアノシン一リン酸(cGMP)特異的ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)インヒビター、例えば化学的にはクエン酸1-[[3-(6,7-ジヒドロ-1-メチル-7-オキソ-3-プロピル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-イル)-4-エトキシフェニル]スルホニル]-4 メチルピペラジンと記載されるクエン酸シルデナフィル(VIAGRAR(登録商標))の存在下で、ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)酵素による分解を免れる。
【0060】
本発明の一実施形態において、L-アルギニンおよび/または他のニトロ系血管拡張剤の局所投与の併用効果を利用して一酸化窒素(NO)の放出を促進し、酵素グアニル酸シクラーゼ(sGC)を活性化し、cGMP-特異的PDE5インヒビターの存在下でグアノシン3'5'-環状一リン酸(cGMP)の合成レベルの上昇によって血管循環を増大させ、皮膚への血流を増加させる。一酸化窒素(NO)放出剤、例えばニトログリセリンまたはC3H5N3O9、ニトロプルシドナトリウム(ニトロフェリシアン化ナトリウム)またはNa2Fe(CN)5NO-2H2O、ピリミジン、C9H15N5O (MINOXIDIL(登録商標)としても知られる)、あるいはまた2,4-ジアミノ-6-ピペリジノピリミジン3-N-オキシド(Ignarro等、Pharmacol. Exp. Ther., 218, 739-749 (1981);Ignarro, Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol., 30, 535-560 (1990);Kruszyna等, Toxicol. Apol. Pharmacol., 91, 429-438 (1987);Wilcox等, Chern. Res. Toxicol., 3, 71-76 (1990)を参照のこと)に加えて、本発明における使用のために好適な他のNO放出性化合物がある。例えば、Saavedra等の米国特許第6,379,660号「一酸化窒素放出性1-[(2-カルボキシラート)ピロリジン-1-イル]ジアゼン-1-イウム-1,2-ジオレエートおよびこれを含有する組成物(Nitric oxide-releasing 1-[(2-carboxylato)pirrolidin-1-yl]diazen-1-ium-1,2-diolates and composition comprising same)」では、一酸化窒素-放出性官能基が結合した生体高分子、例えばペプチド、ポリペプチド、タンパク質、オリゴヌクレオチドまたは核酸を含む、生理的条件下で一酸化窒素を放出できる好適なポリマー組成物、および該ポリマー組成物を含有する医薬組成物について議論されている。更に、Towart等の米国特許第6,391,895号「一酸化窒素放出性キレート剤およびその治療的使用(Nitric oxide releasing chelating agents and their therapeutic use)」では、少なくとも1種の一酸化窒素放出部分に直接もしくは間接的に連結し得るか、または一酸化窒素もしくは一酸化窒素放出部分と組み合わせて使用され得る、本発明で使用できるキレート剤、例えばジピリドキシルおよびアミノポリカルボン酸に基づくキレート剤、およびこれらの金属キレートについて議論されている。
【0061】
本発明の方法および組成物を使用して、末梢血管疾患を治療することができる。末梢血管疾患としては、循環系の異常、例えば機能的原因(例えば血管攣縮)または構造的原因(例えば閉塞)の異常に起因する疾患が挙げられる。末梢血管疾患の例としては、一次レイノー現象、二次レイノー現象、バージャー病、末梢動脈疾患(PAD)、末梢動脈閉塞性疾患(PAOD、跛行(claudication))、急性血栓性閉塞、大動脈腸骨動脈および下肢閉塞性動脈疾患、動脈閉塞、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、腕頭(brachiocephalic)および上肢閉塞性疾患、ベーチェット症候群、頸動脈疾患、糖尿病と関連する血管障害、遺伝性血管浮腫、末梢動脈疾患(PAD)、弾性線維性仮性黄色腫、再狭窄、硬化症(restenosis sclerosis)、強皮症、血栓症、静脈瘤、血管炎、および静脈およびリンパ系の疾患が挙げられる。末梢血管疾患は多くの他の疾患、例えば糖尿病、バージャー病、高血圧、および一次およびレイノー現象を含むレイノー病によって引き起こされ得る。
【0062】
二次レイノー現象は一般的に、潜在する状態と関連している。こうした状態の例としては、結合組織疾患、例えば全身性硬化症、CREST症候群(石灰沈着症、レイノー現象、食道運動障害、手指硬化症、および毛細血管拡張症を特徴とするもの)、全身性エリテマトーデス、リウマチ性疾患(例えば関節リウマチ)、シェーグレン症候群、または多発性筋炎;末梢血管疾患、例えばバージャー病;悪性癌または化学療法治療後等の癌が挙げられる。
【0063】
患部としては、典型的には末梢血管系から供給を受ける端部(extremities)、例えば手、足、手指、足指、手足、鼻、および耳が挙げられる。末梢血管疾患の症状の例としては、患部の痛み(pain)、衰弱、しびれ、かゆみ、または痙攣を伴う跛行;患部の痛み(sores)、創傷、または潰瘍の回復の遅さ;患部の変色(青ざめた色(pale)、青、または赤);患部の冷たさ等の温度変化;患部の毛または爪の成長の低下;乾燥肌またはさめ肌;軽い運動による症状の悪化;壊疽;間欠性感覚異常;端部への種々の影響、例えば筋力低下、しびれ、冷え、痛み(pain)、脈拍消失、チアノーゼ、灼熱感、潰瘍形成、うずき、かゆみ、および腫れ;高血圧;もろい爪もしくは肥厚した爪;末梢性チアノーゼ;および歩行異常が挙げられる。
【0064】
本発明の方法および組成物はまた、1型糖尿病と関連する血管障害および/または他の合併症の治療のために使用することもできる。こうした状態として、限定するものではないが、足部潰瘍が挙げられる。本明細書に記載の組成物は、限定するものではないが、皮膚の老化、壊死性筋膜炎、褥瘡性潰瘍、裂肛、びまん型全身性強皮症、および凍傷を含む、真皮の血管状態を治療するために使用することができることも期待される。
【0065】
創傷治癒は、組織、例えば皮膚、筋肉、神経組織、骨、軟組織、内臓器官、および血管組織の修復および再建と関係する。創傷治癒は一般に表面の傷口を治療するために用いられる伝統的な治療には反応しない。現在、患部の水分を保ち、患部に栄養、例えば血管新生抑制性ステロイド(angiostatic steroids)、性ステロイド、ブロメライン、ビタミンB-複合体、ビタミンA、EおよびC、亜鉛、コンドロイチン硫酸、銅、α-ケトグルタル酸オルニチン(OKG)、アルギニンモノマー(例えばL-アルギニンモノマー)、カルノシン、および硫酸グルコサミンを与える以外には、創傷治癒に対する具体的な治療はほとんどない。従って、本発明はまた、創傷治癒の治療および増大のためのNOドナーおよびPDE5インヒビターの使用を意図する。
【0066】
創傷治癒と同様に、本発明はまた、凍傷の治療のためのNOドナーおよびPDE5インヒビターの使用を意図する。凍傷は低温にさらされることによって引き起こされる損傷であり、低温は必ずしも氷点下である必要はない。低温によって氷晶および血塊(clots)の形成が生じ、その結果顔および端部へのかん流が低下して、脱水および細胞死に到る。暴露が継続すれば、下層の血管、神経、および筋肉に障害が生じ得る。従って、本明細書記載の方法および組成物を使用して、創傷または凍傷の治療を含む末梢血管疾患と関連する種々の疾患および症状を治療することができ、あるいは疾患によって引き起こされる1以上の症状を軽減することによって末梢血管疾患を治療することができる。末梢血管疾患と関連する状態の例として、末梢神経障害、自律神経障害、糖尿病性神経障害、および血管炎が挙げられる。
【0067】
NOドナー、PDE5インヒビター、およびこれらの組み合わせ
本発明において使用するために好適なNOドナーとしては、一酸化窒素の前駆体を含む、一酸化窒素部分を含む化合物が挙げられる。こうしたNOドナーの例としては、限定するものではないが、有機硝酸塩、例えば一、二、または三硝酸塩;有機硝酸エステル、例えば三硝酸グリセリン(ニトログリセリンとしても知られる)、5-一硝酸イソソルビド(isosorbide 5-mononitrate)、硝酸イソソルビド、四硝酸ペンタエリスリトール、四硝酸エリスリチル、二硝酸1,5-ペンタン(1,5-pentanedinitrate)、二硝酸メチルプロピルプロパンジオール、プロパチルニトラート(propatylnitrate)、メチル2-[4-(ニトロオキシメチル)ベンゾイル]スルファニルベンゾエート(SE 175)、1,3-(ニトロオキシメチル)フェニル2-ヒドロキシベンゾエート(米国特許第6,538,033号に記載)、トロールニトラート、およびテニトラミン;および亜硝酸アミルを含む亜硝酸アルキルが挙げられる。
【0068】
好適なNOドナーとして、対象者の体内でNOに変換される化合物、または一酸化窒素部分を放出もしくは与える化合物も挙げられる。このようなNOドナーの例としては、限定するものではないが、S-ニトロシル化化合物、例えばS-ニトロソ-N-アセチル-ペニシラミン(SNAP)、S-ニトロソ-N-グルタチオン(SNO-GLU)、もしくはS-ニトロソ-N-システイン;ジアゼニウムジオレエート(diazenium diolates)(NONOエート)、例えば6-(2-ヒドロキシ-1-メチル-2-ニトロソヒドラジノ)-N-メチル-1-ヘキサンアミン(MAHMA NONOエート、NOC-9)、スルホNONOエート (ヒドロキシジアゼンスルホン酸1-オキシド二ナトリウム塩)、3,3'-(ヒドロキシニトロソヒドラジノ)ビス-1-プロパンアミン(ジプロピレントリアミンNONOエート)、2-(N,N-ジエチルアミノ)-ジアゼノレート(diazenolate)2-オキシド(ジエチルアミンNONOエート、ジエチルアンモニウム塩もしくはナトリウム塩水和物)、または3,3-ビス(アミノエチル)-1-ヒドロキシ-2-オキソ-1-トリアゼン(DETA NONOエート);血管拡張剤、例えばニトロプルシドナトリウム(SNP)、リンシドミン、塩酸リンシドミン、3-モルホリノシドノンイミン(SIN-I)、4-フェニル-3-フロキサンカルボニトリル(furoxancarbonitrile)(フロキサン)、モルシドミン、3-(アミノプロピル)-1-ヒドロキシ-3-イソプロピル-2-オキソ-1-トリアゼン(NOC-5)、3-メチルシドノン-5-ニトロシミン(nitrosimine)(RE 2047)、6-ピペリジン-1-イルピリミジン-2,4-ジアミン3-オキシド(ミノキシジル)、(2S)-1-[(2S)-2-メチル-3-スルファニルプロパノイル]ピロリジン-2-カルボン酸(カプトプリル)、またはニトロシル化モキシシリト誘導体、例えば国際公開WO 0012075号に記載されたNMI-678-11およびNMI-937;朝鮮人参;およびタイソウ(zizyphi fructus)が挙げられる。
【0069】
好適なNOドナーは更に、限定するものではないが、アミノ酸、例えばシトルリン;アルギニンまたはその誘導体、例えばL-アルギニン、N-ヒドロキシ-L-アルギニン、N-ω-ヒドロキシ-ホモ-L-アルギニン、N-ヒドロキシ-L-アルギニンのカルボン酸エステル(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチルおよびベンゾイルエステルを含むがこれらに限定されない)、N-ヒドロキシ-L-アルギニンのN-α誘導体(メチル、エチル、およびベンゾイル誘導体、例えばN-α-メチル-N-γ-ヒドロキシ-L-アルギニン、N-α-ベンゾイル-N-ベンゾイル-N-γ-ヒドロキシ-L-アルギニン、N-α-ベンゾイル-N-γ-ヒドロキシ-L-アルギニンエチルエステルを含むがこれらに限定されない)、N-γ-ヒドロキシ-アグマチン、N-γ-ヒドロキシ-L-アルギニン酸、並びにこれらのニトロソ化および/またはニトロシル化誘導体を含む。安定なN-γ-ヒドロキシ-L-アルギニン一酸化窒素付加物は、Hecker等, Proc. Natl. Acad. Sci. 1995; 92: 4671-4675によって性状解析されている。
【0070】
本発明の組成物はまた、少なくとも1種の環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼインヒビター、例えばcGMP PDE5インヒビターも含有する。本発明において使用するホスホジエステラーゼインヒビターは、PDE5酵素の選択的または非選択的インヒビターであり得る。非選択的インヒビターとしては、PDE 5および他の型のホスホジエステラーゼ酵素、例えば1型(PDE1)、2型(PDE2)、3型(PDE3)、4型(PDE4)、または6-11型を阻害する化合物;およびcGMP加水分解に効果を示す化合物、例えばPDE1-PDE3インヒビターが挙げられ、PDE1-PDE3はcGMPおよび環状アデノシン一リン酸 (cAMP)の双方を加水分解する。非選択的PDEインヒビターの例として、カフェイン、テオフィリン、IBMX (3-イソブチル-1-メチルキサンチン)、イブジラスト、パパベリン、ルテオリン、およびジピリダモールが挙げられる。
【0071】
本発明において使用するホスホジエステラーゼインヒビターは、好ましくはPDE5酵素に選択的である。典型的には、これらは治療的用量範囲で、PDE3よりも、より典型的にはPDE3およびPDE4よりも選択的である。好ましくは、本発明のcGMP PDE5インヒビターは、PDE3よりも、より好ましくはPDE3およびPDE4の双方よりも、100を超える、より好ましくは300を超える選択比を有する。選択比の決定は当分野で公知であり、本明細書中に記載する。
【0072】
本発明に従って使用するための好適なcGMP PDE5インヒビターとしては、限定するものではないが、EP-A-0463756号に開示されたピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン;EP-A-0526004号に開示されたピラムロ(pyramlo)[4,3-d]ピリミジン-7-オン;国際公開WO 93/06104号に開示されたピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン;国際公開WO 93/07149号に開示された異性体のピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン;国際公開WO 93/12095号に開示されたキナゾリン-4-オン;国際公開WO 94/05661号に開示されたピリド[3,2-d]ピリミジン-4-オン;国際公開WO 94/00453号に開示されたプリン-6-オン;国際公開WO 98/49166号に開示されたピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン;国際公開WO 99/54333号に開示されたピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン;EP-A-0995751号に開示されたピラゾロ[4,3d]ピリミジン-4-オン;国際公開WO 00/24745号に開示されたピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン;EP-A-0995750号に開示されたピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-4-オン;国際公開WO 95/19978号に開示された化合物;国際公開WO 99/24433号に開示された化合物;国際公開WO 93/07124号に開示された化合物;国際公開WO 01/27112号に開示されたピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン;国際公開WO 01/27113号に開示されたピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン;EP-A-1092718号に開示された化合物;およびEP-A-1092719号に開示された化合物が挙げられる。
【0073】
本発明に従って使用するために好ましいPDE5インヒビターとして、以下のものが挙げられる:
5-[2-エトキシ-5-(4-メチル-1-ピペラジニルスルホニル)フェニル]-1-メチル-3-n-プロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(シルデナフィル)、これは1-[[3-(6,7-ジヒドロ-1-メチル-7-オキソ-3-プロピル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-イル)-4-エトキシフェニル]スルホニル]-4-メチルピペラジンとしても知られている(EP-A-0463756号参照);
5-(2-エトキシ-5-モルホリノアセチルフェニル)-1-メチル-3-n-プロピル-l,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(EP-A-0526004号参照);
3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-l-イルスルホニル)-2-n-プロポキシフェニル]-2-(ピリジン-2-イル)メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(WO 98/49166号参照);
3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)-2-(2-メトキシエトキシ) ピリジン-3-イル]-2(ピリジン-2-イル)メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(WO 99/54333号参照);
(+)-3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-l-イルスルホニル)-2-(2-メトキシ-l(R)-メチルエトキシ)ピリジン-3-イル]-2-メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、これは3-エチル-5-{5-[4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル]-2-([(1R)-2メトキシ-l-メチルエチル]オキシ)ピリジン-3-イル}-2-メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オンとしても知られている(WO 99/54333号参照);
5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-[2-メトキシエチル]-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、これは1-{6-エトキシ-5-[3-エチル-6,7-ジヒドロ-2-(2-メトキシエチル)-7-オキソ-2H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-イル]-3-ピリジルスルホニル}-4-エチルピペラジンとしても知られている(WO 01/27113号、実施例8参照);
5-[2-イソ-ブトキシ-5-(4-エチルピペラジン-l-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(WO 01/27113号、実施例15参照);
5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-フェニル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(WO 01/27113号、実施例66参照);
5-(S-アセチル-2-プロポキシ-3-ピリジニル)-3-エチル-2-(1-イソプロピル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(WO 01/27112号、実施例124参照);
5-(5-アセチル-2-ブトキシ-3-ピリジニル)-3-エチル-2-(1-エチル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(WO 01/127112号、実施例132参照);
(6R,12aR)-2,3,6,7,12,12a-ヘキサヒドロ-2-メチル-6-(3,4-メチレンジオキシフェニル)-ピラジノ[2’,1’:6,1]ピリド[3,4-b]インドール-1,4-ジオン(IC-351またはタダラフィル)、すなわち国際公開WO 95/19978号の実施例78および95の化合物、並びに実施例1,3, 7および8の化合物;
2-[2-エトキシ-5-(4-エチル-ピペラジン-1-イル-1-スルホニル)-フェニル]-5-メチル-7-プロピル-3H-イミダゾ[5,1-f][1,2,4]トリアジン-4-オン(バルデナフィル)、これは1-[[3-(3,4-ジヒドロ-S-メチル-4-オキソ-7-プロピルイミダゾ[5,1-f]アス(as)-トリアジン-2-イル)-4-エトキシフェニル]スルホニル]-4-エチルピペラジンとしても知られている、すなわち国際公開WO 99/24433号の実施例20、19、337および336の化合物;
国際公開WO 93/07124号(EISAI)の実施例11の化合物;および
Rotella DP等, J. Med. Chem. 2000; 43(7): 1257-1263の化合物3および14。
【0074】
他のcGMP PDE5インヒビターとしては、ロデナフィル、ギザデナフィル、アバナフィル、ギザデナフィル、ミロデナフィル、パログレリル、SLx-2101、ウデナフィル、および3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)-2-n-プロポキシフェニル]-2-(ピリジン-2-イル)メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、またはこれらの誘導体もしくは塩が挙げられる。
【0075】
本発明において有用な更に他のcGMP PDE5インヒビターとしては、限定するものではないが、以下のものが挙げられる:4-ブロモ-5-(ピリジルメチルアミノ)-6-[3-(4-クロロフェニル)-プロポキシ]-3(2H)ピリダジノン;1-[4-[(1,3-ベンゾジオキソル-5-イルメチル)アミノ]-6-クロロ-2-キノゾリニル]-4-ピペリジン-カルボン酸モノナトリウム塩;(+)-シス-S,6a,7,9,9,9a-ヘキサヒドロ-2-[4-(トリフルオロメチル)-フェニルメチル-5-メチル-シクロペンタ-4,5]イミダゾ[2,1-b]プリン-4(3H)オン;フラジオシリン(furaziocillin);シス-2-ヘキシル-5-メチル-3,4,5,6a,7,8,9,9a-オクタヒドロシクロペンタ[4,5]-イミダゾ[2,1-b]プリン-4-オン;3-アセチル-1-(2-クロロベンジル)-2-プロピルインドール-6-カルボキシレート;3-アセチル-1-(2-クロロベンジル)-2-プロピルインドール-6-カルボキシレート;4-ブロモ-S-(3-ピリジルメチルアミノ)-6-(3-(4-クロロフェニル)プロポキシ)-3-(2H)ピリダジノン;1-メチル-5(5-モルホリノアセチル-2-n-プロポキシフェニル)-3-n-プロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ(4,3-d)ピリミジン-7-オン;1-[4-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)アミノ]-6-クロロ-2-キナゾリニル]-4-ピペリジンカルボン酸モノナトリウム塩;Pharmaprojects No. 4516 (Glaxo Wellcome);Pharmaprojects No. 5051 (Bayer);Pharmaprojects No. 5064 (Kyowa Hakko;WO 96/26940号参照);Pharmaprojects No. S069 (Schering Plough);GF-196960 (Glaxo Wellcome);E-80l0およびE-4010 (Eisai);Bay-38-3045 & 38-9456 (Bayer);およびSch-51866。
【0076】
cGMP PDE5インヒビターおよびNOドナーはまた、シクロデキストリンと組み合わせて使用することもできる。シクロデキストリンは薬剤分子と包接錯体および非包接錯体を形成することが知られている。薬剤-シクロデキストリン錯体の形成によって、薬剤分子の溶解性、溶出速度、およびバイオアベイラビリティーおよび/または安定性の特性を改変することができる。薬剤-シクロデキストリン錯体は一般的にほとんどの投与形態および投与経路に有用である。薬剤と直接錯体形成をする代わりに、シクロデキストリンを補助添加剤として、例えば担体、希釈剤または可溶化剤として使用することができる。α-、β-、およびγ-シクロデキストリンが最も一般的に使用されており、その好適な例はWO-A-9l/11172号、WO-A-94/02518号、およびWO-A-98/55148号に記載されている。
【0077】
本発明のcGMP PDE5インヒビターおよびNOドナーは、以下の1以上と組み合わせて投与することもできる:
5-HT2Bアンタゴニスト(例えばサルポグレラート);
α-アドレナリン受容体またはα-遮断剤としても知られているα-アドレナリン作動性受容体アンタゴニスト(例えばフェノキシベンザミン、フェントラミン、プラゾシン、およびドキサゾシン);
β-アドレナリン受容体またはβ-遮断剤としても知られているβ-アドレナリン作動性受容体アンタゴニスト(例えばプロプラノロール、メトプロロール、ピンドロール、ラベタロール、およびカルベジロール);
アンジオテンシン受容体アンタゴニスト(例えばバルサルタン、ロサルタン、オルメサルタン、およびイルベサルタン);
アンジオテンシン変換酵素インヒビター(例えばカプトプリル、エナラプリル、リシノプリル、およびラミプリル);
抗凝固剤(例えばヘパリン、クマディン、エノキサパリン、ワルファリン、アピキサバン、およびリバーロキサバン);
抗うつ剤(例えばフルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、デスベンラファキシン、デュロキセチン、ミルナシプラン、ベンラファキシン、ブプロピオン、アトモキセチン);
抗糖尿病薬(例えばインスリン、メトホルミン、グリピジド、グリブリド、グリメピリド、グリクラジド、レパグリニド、ナテグリニド、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、ミグリトール、アカルボース、リラグルチド、ビルダグリプチン、およびシタグリプチン);
抗血栓剤(例えばアスピリン、ジピリダモール、クロピドグレル、プラスグレル、およびカングレロール);
カルシウムチャネル遮断剤(例えばニフェジピン、アムロジピン、フェロジピン、およびジルチアゼム);
コレステロール降下剤(例えばアトルバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、およびロスバスタチン(rusovastatin))
非ステロイド系抗炎症剤(例えばアスピリン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ジクロフェナク、ナプロキセン、およびリコフェロン);
プロスタグランジン(例えばエポプロステノールおよびアルプロスタジル);
レニンアンタゴニスト(例えばアリスキレンおよびレニンアンタゴニスト活性を有する抗うつ剤、例えばシタロプラム、エスシタロプラム、およびフルオキセチン);
ステロイド系抗炎症剤(例えばヒドロコルチゾン、酢酸コルチゾン、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸デオキシコルチコステロン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、トリアムシノロン、ベクロメタゾン、およびアルドステロン);
トロンボキサンA2アゴニスト(例えばラマトロバンおよびセラトロダスト);および
種々の薬剤、例えばペントキシフィリンおよびシロスタゾール。
【0078】
PDE5インヒビターまたはNOドナーは場合によって、製薬業界で一般的に使用される製薬上許容される塩、例えば非毒性の酸付加塩または金属錯体として投与することができる。酸付加塩の例としては、有機酸、例えば酢酸、乳酸、パモ酸、マレイン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、コハク酸、安息香酸、パルミチン酸、スベリン酸、サリチル酸、酒石酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、またはトリフルオロ酢酸;ポリマー酸、例えばタンニン酸、カルボキシメチルセルロース等;および無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。金属錯体は、亜鉛、鉄等を含む。
【0079】
PDE5インヒビターまたはNOドナーは、本明細書に記載する任意のアミノ酸の誘導体であっても良い。アミノ酸およびペプチドの誘導体は当分野で周知である。ペプチドの誘導体として、以下の群から選択される1以上の保存的置換を含むペプチドが挙げられる:Ser、Thr、およびCys;Leu、Ile、およびVal;GluおよびAsp;LysおよびArg;PheおよびTyr;およびGlnおよびAsn。保存的置換は、他の方法、例えばBLAST (Basic Local Alignment Search Tool) アルゴリズム、BLOSUM Substitution Scoring Matrix、またはBLOSUM 62 matrixによって決定することもできる。
【0080】
アミノ酸およびペプチドの誘導体はまた、化学的に改変されたペプチドを含む。アミノ酸もしくはペプチド、またはこれらの保存的誘導体は、N-末端改変、C-末端改変、内部改変、または標準的ではない残基を含むように誘導体化することができる。N-末端、C-末端、および内部改変の例としては、可溶化基、例えばポリエチレングリコール基;NO部分、例えばニトロ基もしくはニトロシル基;疎水性の基、例えばC1-C8アルキル基、または非置換もしくは置換アリール基;脂質基、例えばホスホグリセリド、ステロール、またはスフィンゴシン;親水性の基、例えばヒドロキシル基またはアミノ基;膜貫通シグナル配列もしくはその一部;またはタンパク質形質導入ドメインもしくはその一部、の使用が挙げられる。アルギニンの誘導体の例としては、N-ヒドロキシ-L-アルギニン、ジメチルアルギニン、N-アルキル-L-アルギニン、およびこれらのニトロソ化およびニトロシル化誘導体が挙げられる。
【0081】
PDE5インヒビターまたはNOドナーは、本明細書に記載した任意の化合物の誘導体であっても良い。化合物の誘導体は当分野において周知である。化合物の誘導体としては、分子骨格内の改変および分子のペンダント基の改変が挙げられる。分子骨格内の改変としては、以下の基:O、N、およびS;またはC-C、C=C、およびC≡Cから選択される置換の使用が挙げられる。ペンダント基の改変としては、以下の基:Hおよびアルキル;ヒドロキシルおよびスルフヒドリル;ピリジル、ピラニル、およびチオピラニル;ピペリジル、テトラヒドロピラニル、およびチアニル(thianyl);ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、およびジオキサニル;またはニトロおよびニトロシルから選択される置換の使用が挙げられる。
【0082】
本発明の特定の実施形態において、組成物に使用する化合物は局所投与のための適切な特性を有する。例えば、好適な化合物として典型的には、局所的に作用し、吸収後に血管腔の多量の血液中に希釈されるもの;または有害事象を起こさないものが挙げられる。他の好適な化合物としては、吸収後に栄養を与え得るもの、例えば血管新生抑制ステロイド(angiostatic steroids)、性ステロイド、ブロメライン、ビタミンB-複合体、ビタミンA、EおよびC、亜鉛、コンドロイチン硫酸、銅、オルニチンα-ケトグルタル酸 (OKG)、アルギニンモノマー、カルノシン、およびグルコサミンサルフェートが挙げられる。
【0083】
投与量、製剤、および投与
本組成物は、単位投与形態で投与され、製薬分野で周知の方法のいずれかによって、例えば「Remington: The Science and Practice of Pharmacy」 (第20版, A. R. Gennaro編, 2000, Lippincott Williams & Wilkins)に記載されたように調製することができる。製剤中のPDE5インヒビターおよび/またはNOドナーの濃度は、投与される薬剤の投与量、および投与経路を含む多くの因子に依存して変わり得る。
【0084】
本組成物は、任意の有用な方法によって調製することができる。本明細書における組成物は製薬上許容されるその塩および/または複合体に製剤化しても良い。製薬上許容される塩は、投与される濃度において非毒性の塩である。このような塩の調製によって、組成物の生理学的効果の発揮を妨げずに組成物の物理化学的性質を変え、その薬理的使用を容易にすることができる。物理的性質の有用な変更の例としては、融点を下げて経粘膜/経皮投与を容易にすることや、溶解度を上げてより高濃度の化合物の投与を容易にすることが挙げられる。
【0085】
製薬上許容される塩としては、酸付加塩、例えば硫酸塩、塩酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩、スルファミン酸塩、硫酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、シクロヘキシルスルホン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩、およびキナ酸塩を含むものが挙げられる。製薬上許容される塩は、酸、例えば塩酸、硫酸、リン酸、スルホン酸、スルファミン酸、酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、マロン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、シクロヘキシルスルホン酸、シクロヘキシルスルファミン酸、およびキナ酸から得ることができる。このような塩は、例えば塩が不溶である溶媒または媒体中で、遊離の酸または塩基形態の化合物を1種以上の適切な塩基もしくは酸の等価物と反応させることによって調製することができる。もう1つの例において、水等の溶媒を用いて塩を調製し、次いで、真空下、凍結乾燥、もしくは好適なイオン交換樹脂上で既存の塩のイオンを別のイオンと交換することによって、溶媒を除去する。
【0086】
医薬組成物は、活性化合物および/またはその塩および/もしくは組み合わせから、1種以上の好適な担体、賦形剤、および希釈剤を使用して標準的な技術によって製剤化することができる。例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences (第19版、Williams & Wilkins, 1995) (全ての目的のために参照により本明細書中に組み入れる)を参照のこと。
【0087】
本組成物は、任意の好適な担体中で製剤化することができる。好適な担体、賦形剤、および希釈剤の例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアガム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、トラガカント、ゼラチンシロップ、メチルセルロース、メチルおよびプロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、ステアリン酸マグネシウム、水、および鉱油が挙げられる。他の添加剤として、任意に潤滑剤、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、または防腐剤が挙げられる。使用するこれらの防腐剤の量は一般的に約0.001〜0.1重量%である。
【0088】
任意の特定のPDE5インヒビターまたはNOSドナーの好適性は、文献記載の方法を用い、標準的な調剤の実務に従ってその毒性、吸収、代謝、薬物動態等の評価をし、その有効性および選択性の評価をすることによって、容易に決定することができる。
【0089】
選択比は当業者によって容易に決定され得る。PDE3およびPDE4酵素についてのIC50値は、確立された文献記載の方法を用いて決定することができる。Ballard SA等、J. Urol. 1998; 159: 2164-2171を参照のこと。cGMP PDE5インヒビターのIC50値は、例えばEP04637S6-B1およびEP0526004-A1に記載されたような確立された文献記載の方法を用いて決定することができる。好ましくは、cGMP PDE5インヒビターは100ナノモル濃度未満、より好ましくは50ナノモル濃度未満、更により好ましくは10ナノモル濃度未満のPDE5に対するIC50値を有する。
【0090】
適切な投与量の最適化は、化合物もしくは化合物の組み合わせの薬物動態を考慮して当業者が容易に行うことができる。当業者が考慮すべき因子として、化合物の具体的な活性;対象者の状態もしくは症状の重篤度;対象者の年齢、状態、体重、性別、および食事;併用療法の使用(または不使用);および他の臨床的要因が挙げられる。
【0091】
こうした製剤中のcGMP PDE5インヒビターの投与量はその効力に依存するが、1日3回までの投与において1〜500 mgの範囲(例えば1、5、10、25、50、100、250、および500 mg)であることが予想され得る。ヒトの患者への経口および非経口投与において、cGMP PDE5インヒビターの日用量レベルは通常5〜500 mgであろう(1日1回の投与または分割した投与として)。シルデナフィルの場合、好ましい投与量は10〜100 mgの範囲 (例えば10、25、50および100 mg)であり、これを1日に1回、2回、または3回(好ましくは1回)投与することができる。しかしながら、厳密な投与量は処方医師によって決定され、患者の年齢および体重、および症状の重篤度に依存する。
【0092】
非制限的な一実施形態において、本組成物は1〜30%(w/w)の1種以上の化合物(例えば1〜2%、2.5〜5%、8〜12%、10〜20%、または20〜30%(w/w))を含有する。好ましくは、本組成物は0.5〜12.5%(w/w)の1種以上のホスホジエステラーゼ5型インヒビターおよび0.5〜12.5%の1種以上の一酸化窒素ドナーを含有する。投与は毎日、毎週(もしくは別の日数の間隔で)1回または複数回、あるいは断続的なスケジュールで行うことができ、このサイクルを所定の回数(例えば2〜10サイクル)または無期限に反復することができる。
【0093】
本発明の化合物は、例えば経口、非経口、口腔内、舌下、経鼻、直腸内、パッチ、ポンプ、または経皮投与によって投与することができ、それに応じて医薬組成物を製剤化することができる。非経口投与としては、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、経皮、経鼻、肺内、髄腔内(intrathecal)、直腸内、および局所への投与が挙げられる。非経口投与は選択された期間の持続注入によるものでも良い。
【0094】
好ましい実施形態において、治療化合物および組成物を患部の皮膚上に局所的に投与する。皮膚バイオアベイラビリティーとは、局所投与された薬剤が局所循環に到達する比率をいう。薬剤の皮膚バイオアベイラビリティーを決定する因子は溶解、膜透過性および代謝安定性である。典型的には、最初にin vitro、次いでin vivoの技術を用いるスクリーニングカスケードによって、経口バイオアベイラビリティーを決定する。水性成分による薬剤の溶解または可溶化は、適切なpHで実施するin vitroの溶解度実験から予測することができる。好ましくは、本発明の化合物は50 mcg/mlの最小溶解度(minimum solubility)を有する。溶解度は、Lipinski CA等、Adv. Drug Deliv. Rev. 1997, 23: 3-25(Adv. Drug Deliv. Rev. 2001; 46: 3-26として再発行)に記載されたような当分野において公知の標準的な方法によって決定することができる。
【0095】
膜透過性とは、皮膚の細胞を通した化合物の通過をいう。親油性がこれを予測する鍵となる性質であり、これは有機溶媒および緩衝液を用いたin vitroのLogPD測定によって決定される。好ましくは、本発明の化合物は-2〜+4、より好ましくは-1〜+2のLog Dを有する。log Dは、Stopher D等、J. Pharm. Pharmacol. 1990; 42: 144に記載されたような、当分野で公知の標準的な方法によって決定することができる。
【0096】
caco-2等の細胞単層膜アッセイでは、実質的にp-糖タンパク質等の排出輸送体の存在下での望ましい膜透過性の予測、いわゆるcaco-2フラックスが得られる。好ましくは、本発明の化合物は、2x10-6 cms-1より大きい、より好ましくは5x10-6 cms-1より大きいcaco-2フラックスを有する。cacoフラックスの値は、Artursson P等, J. Pharm. Sci. 1990; 79; 595-600に記載されたような当分野において公知の標準的な方法によって決定することができる。
【0097】
上記のプロセスの相互作用のために、ある化合物がヒトにおいて皮膚へのバイオアベイラビリティーを有することの更なるサポートは動物によるin vivoの実験によって得ることができる。絶対的バイオアベイラビリティーは、これらの試験で化合物を別個に、もしくは混合物でウサギの耳に投与し、血流変化を測定することによって決定する。絶対的測定(吸収された化合物)のために、静脈内経路も用いられる。動物における皮膚のバイオアベイラビリティー(dermal bioavailability)評価の詳細は当分野において周知であり、その例はGuy RH等, Pharm. Res. 1986; 3: 253-262およびHerkenne C等, Pharm. Res. 2008; 25: 87-103に見ることができる。
【0098】
局所投与は本発明の組成物の好ましい投与経路である。本組成物は皮膚への局所投与のために好適な任意の製薬上許容される担体中で製剤化することができる。こうした担体の例としては、固体担体、例えばアルミナ、クレイ、微結晶セルロース、シリカ、もしくはタルク;および液体担体、例えばアルコール、グリコール、もしくは水-アルコール/グリコール混合物が挙げられる。化合物はまた、化合物の皮膚への侵入を可能とするリポソーム製剤中で投与することもできる。そのようなリポソーム製剤は、米国特許第5,169,637号;5,000,958号;5,049,388号;4,975,282号;5,194,266号;5,023,087号;5,688,525号;5,874,104号;5,409,704号;5,552,155号;5,356,633号;5,032,582号;4,994,213号;およびPCT公開第WO 96/40061号に記載されている。他の適切なベヒクルの例は、米国特許第4,877,805号およびEP公開第0586106A1号に記載されている。本発明において好適なベヒクルとしてまた、鉱油、ワセリン、ポリデセン、ステアリン酸、ミリスチン酸イソプロピル、ポリオキシル40ステアレート、ステアリルアルコール、または植物油が挙げられる。
【0099】
本組成物は、任意の有用な形態、例えばクリーム、ダスティングパウダー、エマルション(マイクロエマルションを含む)、フォーム、ゲル、ヒドロゲル、ローション、軟膏、懸濁性ローション(shake lotion)、シャンプー、溶液、懸濁液、または皮膚に適用するために使用される他の典型的な固体、半固体、もしくは液体の組成物で提供することができる。組成物はまた、例えば皮膚パッチの使用によって、皮膚にもしくは経皮的に投与することもできる。
【0100】
このような組成物は、こうした製品で典型的に使用される他の成分、例えば着色剤、香料、増粘剤(例えばキサンタンガム、脂肪酸、脂肪酸塩もしくはエステル、脂肪アルコール、変性セルロース、改変無機物質、Krisgel 100(商標)、または合成ポリマー)、抗微生物剤、親油性溶媒を含む溶媒、界面活性剤、洗剤、ゲル化剤、抗酸化剤(例えばα-トコフェロール)、増量剤、染料、粘度調整剤、防腐剤、保湿剤(humectants)、皮膚軟化剤(例えば天然もしくは合成の油、炭化水素油、ワックス、またはシリコーン)、水和剤、キレート剤、等張化剤、粘滑剤(demulcents)、可溶化剤、アジュバント、分散剤、透過促進剤、可塑剤、防腐剤、安定化剤、解乳化剤、湿潤剤、サンスクリーン剤、乳化剤、保湿剤(moisturizers)、収斂剤、防臭剤、および場合によって麻酔剤、かゆみ止め剤、植物抽出物、コンディショニング剤、暗色化剤もしくは美白剤、グリッター、保湿剤、マイカ、鉱物、ポリフェノール、シリコーンもしくはその誘導体、日焼け止め剤、ビタミン、および植物性医薬(phytomedicinals)を含有しても良い。
【0101】
本組成物はまた、更なる利点を与え、局所製剤の感触および/または外観を改良するための他の成分を含むこともできる。本明細書記載の製剤には、種々の添加剤を添加することができる。こうした添加剤としては、医薬調製物で伝統的に用いられる、乳化、保存、湿潤、稠度(consistency)の改善等のために機能する物質が含まれる。他の添加剤としては、イオン性もしくは非イオン性の界面活性を有する化合物、例えばソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、モノチオグリセロール、チオソルビトール、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。医薬調製物で使用するための好適な防腐剤としては、塩化ベンザルコニウム、ベンゼトニウム、フェニルエチルアルコール、クロロブタノール、チメロサール等が挙げられる。
【0102】
本組成物は、任意の多くの方法で投与することができる。例えば液体状の組成物は、吸収性パッドから適用したり;包帯および他の包材(dressings)に含浸させたり;または対象者の患部に直接噴霧したりすることができる。別の例において、半固体状を含む固体状の組成物はチューブから適用することができるか、または対象者の患部に直接適用することができる。更に別の例において、組成物は単回使用のディスペンサーに入れることができ、ゲルまたは軟膏は患部の皮膚に局所的に塗る。組成物が液状の形態の場合には、組成物を局所的に注入することができる。
【0103】
種々の送達系を使用して、液体もしくは固体状の組成物を投与することもできる。例えば、液体状または固体状の組成物はアプリケーターを使用して組成物を患部に広げることができる。別の例において、組成物は、皮膚送達系(例えば経皮パッチ)で閉鎖包帯をした皮膚に適用することもできる。更に別の例において、組成物を裂肛および痔疾の治療のために肛門坐剤として製剤化する。
【0104】
制御放出製剤における化合物の投与は、1種以上の化合物が以下のものである場合に有用であり得る:(i) 治療指数が狭い(例えば有害な副作用または毒性反応に到る血漿濃度と治療効果に到る血漿濃度との差が小さい);(ii) 上皮および/または真皮による、もしくはこれを介した吸収率が狭く、遅い;または(iii) 生物学的半減期が短く、治療レベルを維持するために1日に頻回の投与が必要。
【0105】
治療化合物の放出速度が代謝速度を上回る局所製剤の制御放出を行うために多くの戦略をとることができる。例えば、制御放出は、適切な制御放出のための組成物および被覆を含む、製剤パラメーターおよび成分の適切な選択によって得ることができる。例としては、油剤(oil solutions)、懸濁液、エマルジョン、マイクロカプセル、マイクロスフェア、ナノ粒子、パッチおよびリポソームが挙げられる。医薬組成物は化合物の即時、持続、または遅延放出のために製剤化することができる。持続放出をさせる適用のためには、特定の担体が特に好ましい場合がある。好適な持続放出性担体は、デキストロース、デキストラン、ポリ乳酸、および種々のセルロース誘導体、例えばマイクロカプセルの形態のエチルヒドロキシセルロースから製剤化することができる。
【0106】
皮膚への局所適用のために、PDE5インヒビターおよび/またはNOドナーは、好適なクリーム、ゲル、ローション、軟膏、シャンプー、溶液、懸濁液、または経皮パッチとして製剤化することができる。これらの製剤で一般的に使用される添加剤の具体的なものとしては、ミリスチン酸イソプロピル、ソルビン酸NF粉末、ポリエチレングリコール、ホスファチジルコリン(ホスファチジルコリンの混合物、例えばphospholipon Gを含む)、Krisgel 100(商標)、蒸留水、水酸化ナトリウム、デシルメチルスルホキシド(透過促進剤として)、メントールクリスタル、ブチル化ヒドロキシトルエン、エチルジグリコール試薬、および95%(190 proof)エタノールが挙げられる。
【0107】
特に、局所適用のための組成物は更に、透過促進剤、例えば「経皮透過促進剤(Percutaneous Penetration enhancers)」 (Smith EWおよびMaibach HI編、CRC Press 1995)に記載されたものを含むことができる。透過促進剤の例としては、アルキル(N,N-二置換アミノアルカノエート)エステル、例えばドデシル2-(N,N-ジメチルアミノ)プロピオネート(DDAIP)(参照としていずれも本明細書に組み入れる米国特許第6,083,996号および第6,118,020号に記載されている);水分散性酸ポリマー、例えばポリアクリル酸ポリマー、カーボマー(例えばCarbopol(商標)またはCarbopol 940P(商標)、B. F. Goodrich Company (Akron, Ohio)から入手可能)、ポリアクリル酸のコポリマー(例えばB. F. Goodrich CompanyのPemulen(商標)またはA. H. Robbins, Richmond, Va.のPolycarbophil(商標));多糖ガム、例えば寒天ガム(agar gum)、アルギン酸塩、カラギーナンガム、ガッティガム(ghatti gum)、カラヤガム、カダヤガム(kadaya gum)、ラムサンガム(rhamsan gum)、キサンタンガム、およびガラクトマンナンガム(例えばグアーガム、カロブガム(carob gum)、およびローカストビーンガム)、並びに当分野で公知の他のガム(例えばIndustrial Gums: Polysaccharides & Their Derivatives, Whistler R. L., BeMiller J. N. (編), 第3版, Academic Press (1992)およびDavidson, R. L., Handbook of Water-Soluble Gums & Resins, McGraw-Hill, Inc., N.Y. (1980)を参照のこと);またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0108】
他の好適なポリマー性透過促進剤はセルロース誘導体、例えばエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースである。更に、公知の経皮的透過促進剤も必要に応じて添加することができる。例示されるものとしてはジメチルスルホキシド(DMSO)およびジメチルアセトアミド(DMA)、2-ピロリドン、N,N-ジエチル-m-トルアミド(DEET)、1-ドデシルアザシクロヘプタン-2-オン (Azone(Nelson Researchの登録商標))、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、チオグリコール酸カルシウムおよび他の促進剤、例えばジオキソラン、環状ケトン、およびこれらの誘導体等がある。
【0109】
例示されるものはまた、米国特許第4,980,378号および米国特許第5,082,866号(いずれも参照により本明細書に組み入れる)に記載されたアルキルN,N-2-(二置換アミノ)アルカノエートである生分解性の透過促進剤のグループ、例えばテトラデシル(N,N-ジメチルアミノ)アセテート、ドデシル(N,N-ジメチルアミノ)アセテート、デシル(N,N-ジメチルアミノ)アセテート、オクチル(N,N-ジメチルアミノ)アセテート、およびドデシル(N,N-ジエチルアミノ)アセテートである。
【0110】
特に好ましい透過促進剤としては、ミリスチン酸イソプロピル;パルミチン酸イソプロピル;ジメチルスルホキシド;デシルメチルスルホキシド;中鎖脂肪酸のジメチルアラニンアミド;米国特許第6,118,020号に記載されたドデシル2-(N,N-ジメチルアミノ)プロピオネートもしくはその塩、例えばその有機(例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸および硝酸の酸付加塩)および無機の塩(例えば酢酸、安息香酸、サリチル酸、グリコール酸、コハク酸、ニコチン酸、酒石酸、マレイン酸、リンゴ酸、パモ酸、メタンスルホン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、ピクリン酸、および乳酸の酸付加塩);および米国特許第4,980,378号および米国特許第5,082,866号に記載されたアルキル2-(N,N-二置換アミノ)-アルカノエートが挙げられる。
【0111】
本組成物中の透過促進剤は、0.5〜10%(w/w)の範囲である。最も好ましい範囲は1.0〜5%(w/w)である。別の実施形態において、透過促進剤は、組成物の0.5〜1%、1〜2%、2〜3%、3〜4%、または4〜5%(w/w)で含まれる。
【0112】
皮膚への局所適用のために、PDE5インヒビターおよび/またはNOドナーは好適な溶液として製剤化することができる。好適な溶液は、抗酸化剤、抗微生物剤、緩衝剤、乳化剤、親油性溶媒、潤滑剤、透過促進剤、安定化剤、懸濁剤、等張化剤、増粘剤、または湿潤剤の1以上を含有することができる。
【0113】
安定化剤としても作用し得る抗酸化剤としては、アスコルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、メタ重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ尿素等が挙げられる。
【0114】
好適な緩衝剤としては、ホウ酸、重炭酸ナトリウムおよびカリウム、ホウ酸ナトリウムおよびカリウム、炭酸ナトリウムおよびカリウム、酢酸ナトリウム、重リン酸ナトリウム、Tris等が挙げられ、約pH 3〜約pH 9.5、最も好ましくは約pH 7〜pH 7.5のpHを維持するのに十分な量で用いられる。
【0115】
使用可能なキレート剤等の安定化剤としては、例えばEDTA、EGTA、DTPA、DOTA、エチレンジアミン、ビピリジン、1,10-フェナントロリン(phenanthrolene)、クラウンエーテル、アザクラウン、カテコール、ジメルカプロール、D-ペニシラミン、およびデフェロキサミンが挙げられる。
【0116】
好適な等張化剤としては、デキストラン40、デキストラン70、デキストロース、グリセリン、塩化カリウム、プロピレングリコール、塩化ナトリウム等が挙げられ、溶液の塩化ナトリウム相当量(equivalent)が9.9 +/- 0.2%の範囲内となるようにする。
【0117】
好適な増粘剤としては、デキストラン40、ゼラチン、グリセリン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロース、ラノリン、メチルセルロース、ワセリン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。好適な湿潤剤としては、ポリソルベート80、ポリソルベート20、ポロキサマー282、およびチロキサポールが挙げられる。
【0118】
抗菌、抗ウイルス、抗真菌および抗腫瘍剤も本発明における医薬組成物中で使用することができる。このような薬剤およびその製剤は当業者に周知である。
【0119】
溶液は更に防腐剤を含有することができる。担体は好ましくは無菌の、実質的に等張の水溶液である。このような溶液は、典型的には周知の防腐剤を用いて無菌状態が維持される。これら防腐剤の使用量は一般的に約0.001〜0.1重量%である。
【0120】
好ましい溶液は、米国特許第6,083,996号に記載されるように透過促進剤、緩衝剤、および親油性溶媒を含有する。透過促進剤の例は本明細書中に記載する。親油性溶媒の例としては、1種以上の脂肪族C1-C8アルコール(例えばエタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、グリセロール、およびプロピレングリコール)と1種以上の脂肪族C8〜C30エステル(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、ラウリン酸エチル、プロピオン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、およびパルミチン酸イソプロピル)との混合物が挙げられる。好ましい混合物としては、エタノール、イソプロパノールまたはプロピレングリコールとミリスチン酸イソプロピルとの混合物が挙げられる。緩衝剤の例としては、酸緩衝系が挙げられる。酸緩衝系は組成物のpHを望ましい範囲内に維持または緩衝するように機能する。非制限的な一実施形態において、溶液は、1種以上のPDE5インヒビター、1種以上のNOドナー、透過促進剤、緩衝剤、および親油性溶媒を含有する。
【0121】
本組成物はまた、例えば以下の1種以上の混合物に懸濁もしくは溶解した2種の化合物を含有する好適な軟膏として製剤化することもできる:鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン化合物、乳化ロウ、および水。あるいはまた、これらは例えば以下の1種以上の混合物に懸濁または溶解した好適なローションまたはクリームとして製剤化することもできる:鉱油、ソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコール、流動パラフィン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、および水。軟膏は更に透過促進剤および/または防腐剤を含むことができ、特に好適な防腐剤としてメチルおよびプロピルパラベンが挙げられる。
【0122】
本組成物はまた、好適なクリームとして製剤化することもできる。好ましい一実施形態において、ベースクリームは皮膚への優れた吸収特性を有し、更にPDE5インヒビター、L-アルギニン塩酸塩、および透過促進剤を含有する。ベースクリームの成分は、ハンドクリーム中に一般的に見られるもの、例えば水、鉱油、ステアリン酸グリセリル、スクアレン、ステアリン酸プロピレングリコール、コムギ胚芽油、ステアリン酸グリセリル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸ステアリル(steryl stearate)、ポリソルベート60、プロピレングリコール、オレイン酸、酢酸トコフェロール、コラーゲン、ソルビタンステアレート、ビタミンA、ビタミンD、トリエタノールアミン、メチルパラベン、アロエベラエキス、イミダゾリニル尿素(imidazlidineyl urea)、プロピルパラベン、Omega-3、DHA、EPA、およびBHAであり得る。
【0123】
好ましい一実施形態において、組成物は、NOドナー(例えば0.5〜12.5重量%のL-アルギニン)およびPDE-5インヒビターを含有する、皮膚への優れた吸収特性を有するベースクリームとして投与される。
【0124】
あるいはまた、本発明の組成物は、他の投与経路、例えば経口投与のために適合させることができる。ヒトにおいて、cGMP PDE5インヒビターは典型的に経口で患者に投与されている。受容者が嚥下障害または経口投与後の薬剤吸収における障害を有する状況では、薬剤は非経口的、舌下、または口腔内(buccally)に投与しても良い。別の実施形態において、本発明の組成物をPDE5インヒビターおよびNOドナーを異なる投与経路を用いて送達するために適合させる。例えば、PDE5インヒビターを経口投与のために製剤化し、NOドナーを局所製剤のために製剤化する。
【0125】
好適な経口製剤としては、錠剤、カプセル剤、丸剤、粉末剤、顆粒剤、糖衣錠、ゲル、スラリー、軟膏、溶液、坐剤、注入剤、吸入剤およびエアゾールが挙げられる。本発明の化合物は、経口投与に適合する製薬上許容される担体と混合することができる。そのような製薬上許容される担体の例としては、経口的に摂取可能な担体、例えばゼラチン;不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウム、またはカオリン;結合剤;または潤滑剤が挙げられる。ソフトゼラチンカプセルにおいては、活性成分を水または油性の媒体と混合する。
【0126】
経口投与を意図する組成物は、医薬組成物の製造のために当分野で公知の任意の方法に従って調製することができる。組成物は、より苦味の少ない調製物を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤、および防腐剤を場合によって含有しても良い。
【0127】
経口投与のために、微粉剤(fine powders)または顆粒剤は希釈剤、分散剤、および/または界面活性剤を含有していても良い。経口製剤は任意の形態であって良く、水もしくはシロップ;乾燥状態のカプセルもしくはサシェ;懸濁剤が含まれていても良い非水性の溶液もしくは懸濁液;結合剤および潤滑剤が含まれていても良い錠剤;または水もしくはシロップを含む懸濁液の形態が挙げられる。必要な場合には、香料、防腐剤、懸濁剤、増粘剤、または乳化剤を含めることもできる。錠剤、カプセル剤、および丸剤が好ましい経口投与形態であり、これらは被覆されていても良い。
【0128】
例として、持続放出または放出調節経口製剤は、当分野で公知の更なる方法を使用して調製することができる。例えば、いずれかの活性医薬成分または双方の成分の好適な持続放出形態はマトリクス錠剤またはカプセル組成物であり得る。マトリクス形成物質の好適な例としては、ワックス(例えばカルナウバ、ミツロウ、パラフィンワックス、セレシン、シェラックワックス、脂肪酸、および脂肪アルコール)、油、硬化油もしくは脂(例えば硬化ナタネ油、ヒマシ油、牛脂、ヤシ油、およびダイズ油)、およびポリマー(例えばヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリエチレングリコール)が挙げられる。他の好適なマトリクス錠剤化物質は他の担体、および充填剤と共に微結晶セルロース、粉末セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロースである。錠剤は顆粒、被覆粉末、またはペレットを含有していても良い。錠剤は多層であっても良い。多層錠は、活性成分が著しく異なる薬物動態プロファイルを有する場合に特に好ましい。場合によって、完成した錠剤は、被覆されていても被覆されていなくても良い。
【0129】
被覆組成物は典型的には不溶性マトリクスポリマー(例えば被覆組成物のおよそ15〜85重量%)および水溶性物質(例えば被覆組成物のおよそ15〜85重量%)を含有する。場合によって、腸溶性ポリマー(例えば被覆組成物のおよそ1〜99重量%)を使用もしくは含めることができる。好適な水溶性物質としては、ポリマー、例えばポリエチレングリコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール;モノマー物質、例えば糖類(ラクトース、スクロース、フルクトース、マンニトール等);塩類(塩化ナトリウム、塩化カリウム等);有機酸(フマル酸、コハク酸、乳酸、および酒石酸等);およびこれらの混合物が挙げられる。好適な腸溶性ポリマーとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アセテートスクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタレート、ポリビニルアセテートフタレート、セルロースアセテートフタレート、トリメリト酸酢酸セルロース、シェラック、ゼイン、およびカルボキシル基を含むポリメタクリレートが挙げられる。
【0130】
被覆組成物は、被覆混合物の特性、例えば主成分もしくは成分混合物のガラス転移温度または被覆組成物を適用するために使用する溶媒等によって可塑化させることができる。好適な可塑剤は被覆組成物の0〜50重量%で添加することができ、例えばジエチルフタレート、クエン酸エステル、ポリエチレングリコール、グリセロール、アセチル化グリセリド、アセチル化クエン酸エステル、セバチン酸ジブチル、およびヒマシ油が挙げられる。必要に応じて、被覆組成物は充填剤を含むことができる。充填剤の量は、被覆組成物の総重量に基づいておよそ1〜99重量%であり得、二酸化ケイ素、二酸化チタン、タルク、カオリン、アルミナ、デンプン、粉末セルロース、微結晶セルロース、またはポラクリリンカリウム等の不溶性物質であり得る。
【0131】
被覆組成物は有機溶媒もしくは水性溶媒またはその混合物中の溶液またはラテックスとして適用することができる。溶液を適用する場合、溶媒は溶解した固形物の総重量に基づいておよそ25〜99重量%の量で存在し得る。好適な溶媒は、水、低級アルコール、低級塩素化炭化水素、ケトン、またはこれらの混合物である。ラテックスを適用する場合、溶媒はラテックス中のポリマー物質の量に基づいておよそ25〜97重量%の量で存在し得る。溶媒は主に水であり得る。
【0132】
本発明の更なる特徴および利点は以下の実施例によって更に説明する。これらはいかなる意味においても本発明を限定することを意図するものではない。
【実施例1】
【0133】
局所クリームの調製
有効濃度のL-アルギニンおよびPDE5インヒビターを、L-アルギニンおよびPDE5インヒビターには適さない(hostile)生物物理学的環境とするのに十分な濃度の塩化ナトリウム等の塩と共に含有する浸透クリームを調製する。このクリームを組織に適用する。20分以内にクリームは加温効果を発揮し始め、これは長時間、しばしば約2〜18時間持続した。
【実施例2】
【0134】
ブタにおけるアルギニンおよびシルデナフィルの局所適用の効果
ブタの皮膚は一般的に実験動物の中でヒトの皮膚に最も近いと考えられているため、家畜のブタを用いてアルギニンおよびシルデナフィルの局所適用の効果を試験した。12匹の子ブタ(16〜26 kg)をチアミラールの腹腔内投与(25〜40 mg/kg)で麻酔した。安定した深度の鎮静をメトヘキシタールの持続静注で維持し、最小の眼瞼反射および規則的な呼吸数に調整(titrated)した。実験を通して、動物は100%酸素を送達する標準的な麻酔器に接続した「スナウトコーン(snout-cone)」を介して自発呼吸していた。
【0135】
動物の背面をぬるま湯で洗浄した。動物の背面10ヵ所(各2 x 2 cm)に油性マーカー(permanent marker)で印をつけた。ベースラインのドップラー画像を記録する前に少なくとも10分間血圧を60〜80 mmHgで安定させた。実験中を通して麻酔および液体量(loading)を調整し、平均動脈圧(MAP)をこの範囲(60〜80 mmHg)内に維持するようにした。各ドップラースキャンの開始時点と終了時点でMAPを記録した。
【0136】
投与体積0.1 mLのベヒクル、対照、および試験物質を各部位に適用した。L-アルギニン一水和物およびクエン酸シルデナフィルは、Krisgel 100(商標)、ヤシ油、カプリル酸、トリグリセリド、スクアラン、ホウ酸、ポリソルベート80、ソルビタンモノオレエート80、シメチコン、ブチル化ヒドロキシトルエンを含有する市販のVeecogelクリームベース製剤(PCCA, 9901 South Wilcrest Drive, Houston, Texas, USAから入手可能)中に調製した。クエン酸シルデナフィル1%をプロピレングリコール2%に溶解し、絶えず混合しながらベースと組み合わせた。L-アルギニン一水和物 10%および1%を2%プロピレングリコールに溶解し、上記のVeecogelと組み合わせた。
【0137】
隣接する2つの部位に同じ濃度の対照または試験物質を投与することはせず、また投与は各部位への投与が時間的に少なくとも2分間隔となるように時間をあけた。局所の血流測定はPeriScan PIM 3 レーザードップラーシステム(Perimed AB, Jarfalla, Sweden)を使用して熟練した研究員が実施した。適用は同じ順番で、ベースライン血流測定と同じ時間で行った。血流は適用から0、10、20、30、60、120および180分後に10箇所全てで測定した。処置した部位での測定の直前および直後に、未処置の対照部位における血流を測定した。これらの2回の測定値を平均して各区間についての対照血流を得た。局所薬物の血清レベルは測定しなかった。結果を以下の表1に示す。
【0138】
血流の場所による差異は、試験溶液の注入後に行った血流の測定値を適用前の部位でのベースライン血流に対して正規化することによって説明した。血流変化を対照血流からの変化率として表す。実験期間中の皮膚の血流の変動は、所定の部位の血流変化を対照部位の血流変化に対して正規化することによって説明した。すなわち、処置部位における皮膚の血流変化は以下の式によって決定することができる:
【数1】

【0139】
式中Sxは適用X分後の注射部位での血流であり、Soは適用前のその部位でのベースラインの血流である。Cxは適用X分後の対照部位での血流であり、Coはベースライン血流測定を行った時点での対照部位での血流である。
【0140】
一酸化窒素ドナーL-アルギニン一塩酸塩の局所投与によって、用量および時間依存的に皮膚の血流が増加した。Veecogelクリームベース中局所濃度1%のcGMP-ホスホジエステラーゼインヒビターのクエン酸シルデナフィルでも適用領域の血流が増大した。この条件下で、L-アルギニンの効果はシルデナフィルで見られた効果よりも大きく、持続的な生理的応答のためにはGC活性化が必要であることの証拠となった。低用量のL-アルギニンと最小有効投与量のシルデナフィルとの組み合わせによって強力な応答が得られ、cGMP加水分解のインヒビターと共に一酸化窒素ドナーを添加すると相乗的な生理的応答が得られることが示された。
【表1】

【実施例3】
【0141】
ヒトにおけるL-アルギニンおよびクエン酸シルデナフィルの効果
ヒトの血流調節におけるL-アルギニンおよびクエン酸シルデナフィルの効果を、正常なボランティアのヒトの手を冷水に浸した後の皮膚温度の回復速度を測定することによって決定した。測定は、25℃の室温で、順化後30分間実施した。L-アルギニン一水和物およびクエン酸シルデナフィルは、Krisgel 100(商標)、ヤシ油、カプリル酸、トリグリセリド、スクアラン、ホウ酸、ポリソルベート80、ソルビタンモノオレエート80、シメチコン、ブチル化ヒドロキシトルエンを含有する市販のVeecogelクリームベース製剤中に調製した。クエン酸シルデナフィル 1%をプロピレングリコール2%に溶解し、絶えず混合しながらベースと組み合わせた。L-アルギニン一水和物10%および1%を2%プロピレングリコールに溶解し、上記のVeecogelと組み合わせた。
【0142】
皮膚温度は赤外線カメラFLIR T300(FLIR Systems, Inc., Boston, Massachusetts, USA)で測定した。皮膚温度の変化は、2分間氷水で手を冷やした後、FLIR Quick Reportソフトウェアで個々の熱画像を分析して測定した。試験薬剤の効果は、冷やした手に物質を適用した後に測定した。結果を下記の表2に報告する。対照処置を受けた患者、および併用療法を受けた患者の熱画像を処置から0、5、および15分後に撮影し、それぞれ図1Aおよび1Bに示す。
【表2】

【0143】
本明細書中で言及した全ての文献、特許出願、および特許は、参照によって本明細書に組み入れる。
【0144】
本発明の記載された方法およびシステムの種々の改変および変形は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者には明白であろう。本発明を特定の望ましい実施形態と関連付けて記載しているが、請求項記載の本発明がそのような特定の実施形態に不当に制限されるべきものではないことは理解されるべきである。実際に、本発明を実施するための記載された方法の医学、薬理学、または関連分野における当業者には自明の種々の改変が本発明の範囲内であることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
末梢血管疾患、または末梢血管疾患に関連する状態を治療する方法であって、対象者に有効量の少なくとも1種のホスホジエステラーゼ5型インヒビターおよび少なくとも1種の一酸化窒素ドナーを投与することを含む、上記方法。
【請求項2】
末梢血管疾患が一次レイノー現象または二次レイノー現象である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
末梢血管疾患が二次レイノー現象であり、二次レイノー現象に関連する状態が全身性硬化症、CREST症候群、全身性エリテマトーデス、リウマチ性疾患、関節リウマチ、シェーグレン症候群、または多発性筋炎の1以上である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
末梢血管疾患に関連する状態が末梢神経障害、自律神経障害、糖尿病性神経障害、血管炎、皮膚の老化、壊疽性筋膜炎、褥瘡性潰瘍、裂肛、びまん型全身性強皮症、または凍傷の1以上である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
投与が対象者の患部への局所投与を含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
投与が経口投与を含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
ホスホジエステラーゼ5型インヒビターおよび一酸化窒素ドナーを医薬組成物中で一緒に投与する、請求項1記載の方法。
【請求項8】
ホスホジエステラーゼ5型インヒビターを経口投与し、一酸化窒素ドナーを局所投与する、請求項1記載の方法。
【請求項9】
ホスホジエステラーゼ5型インヒビターの量が1日1 mg〜500 mgであり、一酸化窒素ドナーの量が1日1 mg〜500 mgである、請求項1記載の方法。
【請求項10】
ホスホジエステラーゼ5型インヒビターが、シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィル、ウデナフィル(udenafil)、ロデナフィル、ギザデナフィル、アバナフィル、ギザデナフィル、ミロデナフィル(mirodenafil)、パログレリル(parogrelil)、SLx-2101、3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)-2-n-プロポキシフェニル]-2-(ピリジン-2-イル)メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、1-{6-エトキシ-5-[3-エチル-6,7-ジヒドロ-2-(2-メトキシエチル)-7-オキソ-2H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-イル]-3-ピリジルスルホニル}-4-エチルピペラジン、5-(2-エトキシ-5-モルホリノアセチルフェニル)-1-メチル-3-n-プロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-l-イルスルホニル)-2-n-プロポキシフェニル]-2-(ピリジン-2-イル)メチル-2, 6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)-2-(2-メトキシエトキシ)ピリジン-3-イル]-2(ピリジン-2-イル)メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、(+)-3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-l-イルスルホニル)-2-(2-メトキシ-l(R)-メチルエトキシ)ピリジン-3-イル]-2-メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-[2-メトキシエチル]-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-[2-イソ-ブトキシ-5-(4-エチルピペラジン-l-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-フェニル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-(S-アセチル-2-プロポキシ-3-ピリジニル)-3-エチル-2-(1-イソプロピル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-(5-アセチル-2-ブトキシ-3-ピリジニル)-3-エチル-2-(1-エチル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、およびこれらの誘導体および塩よりなる群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項11】
シルデナフィルの塩がクエン酸塩である、請求項10記載の方法。
【請求項12】
ホスホジエステラーゼ5型インヒビターが100ナノモル濃度未満のIC50を有する、請求項10記載の方法。
【請求項13】
ホスホジエステラーゼ5型インヒビターが1000を超える選択比を有する、請求項10記載の方法。
【請求項14】
更に一酸化窒素ドナーが有機硝酸エステル、有機亜硝酸エステル、S-ニトロシル化化合物、ジアゼニウムジオレート、血管拡張剤、シトルリン、アルギニン、およびこれらの誘導体および塩よりなる群から選択される、請求項10記載の方法。
【請求項15】
一酸化窒素ドナーが有機硝酸エステルである、請求項14記載の方法。
【請求項16】
有機硝酸エステルがニトログリセリン、硝酸イソソルビド、1,3-(ニトロオキシメチル)フェニル2-ヒドロキシベンゾエート、またはこれらの誘導体もしくは塩である、請求項15記載の方法。
【請求項17】
一酸化窒素ドナーが有機亜硝酸エステルであり、有機亜硝酸エステルが亜硝酸アミルである、請求項14記載の方法。
【請求項18】
一酸化窒素ドナーがS-ニトロシル化化合物である、請求項14記載の方法。
【請求項19】
S-ニトロシル化化合物がS-ニトロソ-N-アセチル-ペニシラミン、S-ニトロソ-N-グルタチオン、またはS-ニトロソ-N-システインである、請求項18記載の方法。
【請求項20】
一酸化窒素ドナーがジアゼニウムジオレートである、請求項14記載の方法。
【請求項21】
ジアゼニウムジオレートが6-(2-ヒドロキシ-1-メチル-2-ニトロソヒドラジノ)-N-メチル-1-ヘキサンアミン、ヒドロキシジアゼンスルホン酸1-オキシド、3,3′-(ヒドロキシニトロソヒドラジノ)ビス-1-プロパンアミン、2-(N,N-ジエチルアミノ)-ジアゼノレート2-オキシド、または3,3-ビス(アミノエチル)-1-ヒドロキシ-2-オキソ-1-トリアゼンである、請求項20記載の方法。
【請求項22】
一酸化窒素ドナーが血管拡張剤である、請求項14記載の方法。
【請求項23】
血管拡張剤がニトロプルシドナトリウム、リンシドミン、塩酸リンシドミン、3-モルホリノシドノンイミン、4-フェニル-3-フロキサンカルボニトリル、モルシドミン、3-(アミノプロピル)-1-ヒドロキシ-3-イソプロピル-2-オキソ-1-トリアゼン、3-メチルシドノン-5-ニトロシミン(nitrosimine)、6-ピペリジン-1-イルピリミジン-2,4-ジアミン3-オキシド、または(2S)-1-[(2S)-2-メチル-3-スルファニルプロパノイル]ピロリジン-2-カルボン酸である、請求項22記載の方法。
【請求項24】
5-HT2Bアンタゴニスト、α-アドレナリン作動性受容体アンタゴニスト、β-アドレナリン作動性受容体アンタゴニスト、アンジオテンシン受容体アンタゴニスト、アンジオテンシン変換酵素インヒビター、抗凝固剤、抗うつ剤、抗糖尿病薬、抗血栓剤、カルシウムチャネル遮断剤、コレステロール降下剤、非ステロイド系抗炎症剤、プロスタグランジン、レニンアンタゴニスト、ステロイド系抗炎症剤、またはトロンボキサンA2アゴニストの1以上を投与することを更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項25】
少なくとも1種のホスホジエステラーゼ5型インヒビター、少なくとも1種の一酸化窒素ドナー、および製薬上許容される担体を含有する、局所投与のために製剤化された組成物。
【請求項26】
ホスホジエステラーゼ5型インヒビターが、シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィル、ウデナフィル、ロデナフィル、ギザデナフィル、アバナフィル、ギザデナフィル、ミロデナフィル、パログレリル、SLx-2101、3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)-2-n-プロポキシフェニル]-2-(ピリジン-2-イル)メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、1-{6-エトキシ-5-[3-エチル-6,7-ジヒドロ-2-(2-メトキシエチル)-7-オキソ-2H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-イル]-3-ピリジルスルホニル}-4-エチルピペラジン、5-(2-エトキシ-5-モルホリノアセチルフェニル)-1-メチル-3-n-プロピル-l,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-l-イルスルホニル)-2-n-プロポキシフェニル]-2-(ピリジン-2-イル)メチル-2, 6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)-2-(2-メトキシエトキシ)ピリジン-3-イル]-2(ピリジン-2-イル)メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、(+)-3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-l-イルスルホニル)-2-(2-メトキシ-l(R)-メチルエトキシ)ピリジン-3-イル]-2-メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-[2-メトキシエチル]-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-[2-イソ-ブトキシ-5-(4-エチルピペラジン-l-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-フェニル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-(S-アセチル-2-プロポキシ-3-ピリジニル)-3-エチル-2-(1-イソプロピル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-(5-アセチル-2-ブトキシ-3-ピリジニル)-3-エチル-2-(1-エチル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、およびこれらの誘導体および塩よりなる群から選択される、請求項25記載の組成物。
【請求項27】
更に一酸化窒素ドナーが有機硝酸エステル、有機亜硝酸エステル、S-ニトロシル化化合物、ジアゼニウムジオレート、血管拡張剤、シトルリン、アルギニン、およびこれらの誘導体および塩よりなる群から選択される、請求項26記載の組成物。
【請求項28】
1 mg〜500 mgの1種以上のホスホジエステラーゼ5型インヒビターおよび1 mg〜500 mgの1種以上の一酸化窒素ドナーを含有する、請求項25記載の組成物。
【請求項29】
10 mg〜100 mgのホスホジエステラーゼ5型インヒビターおよび10 mg〜100 mgの一酸化窒素ドナーを含有する、請求項28記載の組成物。
【請求項30】
0.5%〜12.5%のホスホジエステラーゼ5型インヒビターおよび0.5%〜12.5%の一酸化窒素ドナーを含有する、請求項28記載の組成物。
【請求項31】
クリーム、ゲル、ローション、軟膏、シャンプー、溶液、懸濁液、または経皮パッチとして製剤化されたものである、請求項25記載の組成物。
【請求項32】
透過促進剤を更に含有する、請求項31記載の組成物。
【請求項33】
透過促進剤がポリアクリル酸ポリマー、多糖類樹脂、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ジメチルスルホキシド、デシルメチルスルホキシド、中鎖脂肪酸のジメチルアラニンアミド、ドデシル2-(N,N-ジメチルアミノ)プロピオネート、テトラデシル(N,N-ジメチルアミノ)アセテート、ドデシル(N,N-ジメチルアミノ)アセテート、デシル(N,N-ジメチルアミノ)アセテート、オクチル(N,N-ジメチルアミノ)アセテート、およびドデシル(N,N-ジエチルアミノ)アセテート、またはこれらの塩よりなる群から選択される、請求項32記載の組成物。
【請求項34】
組成物が溶液として製剤化され、溶液が更に抗酸化剤、抗微生物剤、緩衝剤、乳化剤、親油性溶媒、潤滑剤、透過促進剤、安定化剤、懸濁剤、等張化剤、増粘剤、または湿潤剤の1以上を含有する、請求項31記載の組成物。
【請求項35】
5-HT2Bアンタゴニスト、α-アドレナリン作動性受容体アンタゴニスト、β-アドレナリン作動性受容体アンタゴニスト、アンジオテンシン受容体アンタゴニスト、アンジオテンシン変換酵素インヒビター、抗凝固剤、抗うつ剤、抗糖尿病薬、抗血栓剤、カルシウムチャネル遮断剤、コレステロール降下剤、非ステロイド系抗炎症剤、プロスタグランジン、レニンアンタゴニスト、ステロイド系抗炎症剤、またはトロンボキサンA2アゴニストの1以上を更に含有する、請求項25記載の組成物。
【請求項36】
少なくとも1種のホスホジエステラーゼ5型インヒビター、少なくとも1種の一酸化窒素ドナー、および製薬上許容される担体を含有する、経口投与のために製剤化された組成物。
【請求項37】
ホスホジエステラーゼ5型インヒビターが、シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィル、ウデナフィル、ロデナフィル、ギザデナフィル、アバナフィル、ギザデナフィル、ミロデナフィル、パログレリル、SLx-2101、3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)-2-n-プロポキシフェニル]-2-(ピリジン-2-イル)メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、1-{6-エトキシ-5-[3-エチル-6,7-ジヒドロ-2-(2-メトキシエチル)-7-オキソ-2H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-イル]-3-ピリジルスルホニル}-4-エチルピペラジン、5-(2-エトキシ-5-モルホリノアセチルフェニル)-1-メチル-3-n-プロピル-l,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-l-イルスルホニル)-2-n-プロポキシフェニル]-2-(ピリジン-2-イル)メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)-2-(2-メトキシエトキシ)ピリジン-3-イル]-2(ピリジン-2-イル)メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、(+)-3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-l-イルスルホニル)-2-(2-メトキシ-l(R)-メチルエトキシ)ピリジン-3-イル]-2-メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-[2-メトキシエチル]-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-[2-イソ-ブトキシ-5-(4-エチルピペラジン-l-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-フェニル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-(S-アセチル-2-プロポキシ-3-ピリジニル)-3-エチル-2-(1-イソプロピル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、5-(5-アセチル-2-ブトキシ-3-ピリジニル)-3-エチル-2-(1-エチル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、およびこれらの誘導体および塩よりなる群から選択される、請求項36記載の組成物。
【請求項38】
更に一酸化窒素ドナーが有機硝酸エステル、有機亜硝酸エステル、S-ニトロシル化化合物、ジアゼニウムジオレート、血管拡張剤、シトルリン、アルギニン、およびこれらの誘導体および塩よりなる群から選択される、請求項37記載の組成物。
【請求項39】
1 mg〜500 mgのホスホジエステラーゼ5型インヒビターおよび1 mg〜500 mgの一酸化窒素ドナーを含有する、請求項36記載の組成物。
【請求項40】
10 mg〜100 mgのホスホジエステラーゼ5型インヒビターおよび10 mg〜100 mgの一酸化窒素ドナーを含有する、請求項39記載の組成物。
【請求項41】
0.5%〜12.5%(w/w)のホスホジエステラーゼ5型インヒビターおよび0.5%〜12.5%(w/w)の一酸化窒素ドナーを含有する、請求項39記載の組成物。
【請求項42】
カプセル剤、丸剤、または錠剤として製剤化されている、請求項39記載の組成物。
【請求項43】
5-HT2Bアンタゴニスト、α-アドレナリン作動性受容体アンタゴニスト、β-アドレナリン作動性受容体アンタゴニスト、アンジオテンシン受容体アンタゴニスト、アンジオテンシン変換酵素インヒビター、抗凝固剤、抗うつ剤、抗糖尿病薬、抗血栓剤、カルシウムチャネル遮断剤、コレステロール降下剤、非ステロイド系抗炎症剤、プロスタグランジン、レニンアンタゴニスト、ステロイド系抗炎症剤、またはトロンボキサンA2アゴニストの1以上を更に含有する、請求項36記載の組成物。
【請求項44】
請求項25記載の組成物と、該組成物を対象者に投与するための説明書とを含むキット。
【請求項45】
請求項36記載の組成物と、該組成物を対象者に投与するための説明書とを含むキット。

【図1A】
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【図1B】
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【公表番号】特表2013−514995(P2013−514995A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544900(P2012−544900)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/061054
【国際公開番号】WO2011/075655
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(512159672)エクソドス ライフ サイエンシーズ リミテッド パートナーシップ (3)
【Fターム(参考)】