説明

末梢血行障害による不定愁訴の治療剤

【課題】安全でかつ早期に効果が得られる、体の冷え等、就中冷房による体の冷えや肩こり等の末梢血行障害による不定愁訴の新規な治療剤の提供。
【解決手段】ケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニン、シャクヤクおよびビタミンEを組み合わせてなる末梢血行障害による不定愁訴の治療剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手足の冷え等の末梢血行障害による不定愁訴の治療剤に関する。
【背景技術】
【0002】
漢方には駆血という概念があり、これは血液の滞留により生じる冷え、肩こり等を血液の循環促進を図ることにより改善するというものである。漢方薬の代表的な駆血剤である桂枝茯苓丸は、ケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニンおよびシャクヤクを構成生薬原料とし、冷え、肩こり等の不定愁訴に適用されている(非特許文献1参照)。漢方薬は一般に、生薬を原料とするため副作用が少なく安全であるが、効果が現れるまでに時間がかかるという問題がある。即ち、効果が現れるまでに時間がかかるため、患者が途中で服用を断念し、治療効果が上がらないことが少なくない。
一方、最近の生活様式の変化により、夏季には冷房の効いた室内で長時間を過ごす人が増え、冷房による体の冷えや肩こり等の症状を訴える患者が増加する傾向にある。
そこで、体の冷え等、就中冷房による体の冷えや肩こり等の末梢血行障害による不定愁訴に対して、安全でかつ早期に治療効果が得られる新規な治療剤の開発が望まれている。
【非特許文献1】日薬連漢方専門委員会編、「一般用漢方処方の手引き」、第4版、薬業時報社、昭和51年12月1日、p.73−75
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、安全でかつ早期に効果が得られる、体の冷え等、就中冷房による体の冷えや肩こり等の末梢血行障害による不定愁訴の新規な治療剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究したところ、ケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニン、シャクヤクおよびビタミンEを組み合わせることにより、体の冷え等の末梢血行障害による不定愁訴に対して早期に優れた治療効果を発揮すること、特に冷房による体の冷えや肩こり等の末梢血行障害による不定愁訴に対しても早期に優れた治療効果を発揮することを見出して本発明を完成させた。
【0005】
即ち、本発明は以下の通りである。
(1)ケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニン、シャクヤクおよびビタミンEを組み合わせてなる末梢血行障害による不定愁訴の治療剤。
(2)ビタミンEが、コハク酸d−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム、酢酸d−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、d−α−トコフェロール、およびdl−α−トコフェロールから選ばれる少なくとも1つである、上記(1)記載の治療剤。
(3)末梢血行障害による不定愁訴が、手の冷え、足の冷え、腰の冷え、下腹部の冷え、頭重、冷房による手足の冷え、冷房による腰の冷え、冷房による下腹部の冷え、冷房による肩または首筋のこり、冷房による頭重、手のしびれ、足のしびれ、のぼせ、および打撲によるアザから選ばれる、上記(1)または(2)に記載の治療剤。
(4)末梢血行障害による不定愁訴が、冷房による手足の冷え、冷房による腰の冷え、冷房による下腹部の冷え、冷房による肩または首筋のこり、および冷房による頭重から選ばれる、上記(1)または(2)に記載の治療剤。
(5)ケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニン、シャクヤクおよびビタミンEを組み合わせてなる併用剤、および該併用剤を末梢血行障害による不定愁訴の治療用途に使用することができる、または使用すべきであることを記載した、該併用剤に関する記載物を含む商業パッケージ。
(6)ビタミンEが、コハク酸d−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム、酢酸d−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、d−α−トコフェロール、およびdl−α−トコフェロールから選ばれる少なくとも1つである、上記(5)記載の商業パッケージ。
(7)末梢血行障害による不定愁訴が、手の冷え、足の冷え、腰の冷え、下腹部の冷え、頭重、冷房による手足の冷え、冷房による腰の冷え、冷房による下腹部の冷え、冷房による肩または首筋のこり、冷房による頭重、手のしびれ、足のしびれ、のぼせ、および打撲によるアザから選ばれる、上記(5)または(6)に記載の商業パッケージ。
(8)末梢血行障害による不定愁訴が、冷房による手足の冷え、冷房による腰の冷え、冷房による下腹部の冷え、冷房による肩または首筋のこり、および冷房による頭重から選ばれる、上記(5)または(6)に記載の商業パッケージ。
【発明の効果】
【0006】
本発明の末梢血行障害による不定愁訴の治療剤は、ケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニン、シャクヤクおよびビタミンEを組み合わせることにより、体の冷え等、就中冷房による体の冷えや肩こり等の末梢血行障害による不定愁訴に対して早期に優れた治療効果を有する。この効果は、ケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニン、シャクヤクのすべてを構成生薬原料とする桂枝茯苓丸とビタミンEとを組み合わせることによっても達成できる。本発明の末梢血行障害による不定愁訴の治療剤における有効成分であるケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニン、シャクヤクおよびビタミンEは安全性の確立した生薬および物質であることから、本発明の末梢血行障害による不定愁訴の治療剤は安全性が高いものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
ケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニン、シャクヤクは、自体公知のものを用いることができる。ケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニン、シャクヤクは、生薬末であってもよく、適当な溶媒(例えば、水、アルコール(例えばエタノール等)、水とアルコール(例えばエタノール等)の種々の割合の混液等、好ましくは水、エタノール、水とエタノールの混液)で抽出した抽出エキスであってもよく、また上記生薬末と抽出エキスとの組み合わせであってもよいが、生薬末と抽出エキスとの組み合わせが好ましい。抽出エキスの調製方法としては、例えば、ケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニン、シャクヤクの各生薬から適当な溶媒(例えば、水、アルコール(例えばエタノール等)、水とアルコール(例えばエタノール等)の種々の割合の混液等、好ましくは水、エタノール、水とエタノールの混液)を用いて、通常65〜100℃程度で、30分〜3時間程度の抽出時間で抽出し、所望により乾燥させる方法等が挙げられる。上記各生薬の重量10kgから抽出して得られる抽出エキスの乾燥後の重量は、それぞれ通常1〜3kg程度である。
【0008】
ケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニン、シャクヤクの配合比は特に限定されないが、通常1〜10:1〜10:1〜10:1〜10:1〜10、好ましくは1〜5:1〜5:1〜5:1〜5:1〜5、さらに好ましくは1:1:1:1:1である。
本発明においては、ケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニンおよびシャクヤクからなる組成物として、以下に詳述する桂枝茯苓丸を用いることが、簡便で好ましい。
【0009】
桂枝茯苓丸は自体公知の方法により調製することができ、また市販品を用いることもできる。本発明に用いる桂枝茯苓丸は、ケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニン、およびシャクヤクの3〜4:3〜4:4:4:4(好ましくは、3:3:4:4:4または1:1:1:1:1)の重量比の生薬原料を生薬末として含むものであってもよく、上記生薬原料を適当な溶媒(例えば、水、アルコール(例えばエタノール等)、水とアルコール(例えばエタノール等)の種々の割合の混液等、好ましくは水、エタノール、水とエタノールの混液)で抽出した抽出エキスとして含むものであってもよく、また上記生薬末と抽出エキスとを組み合わせて含むものであってもよいが、生薬末と抽出エキスとを組み合せて含むものが好ましい。生薬の抽出エキスの調製方法としては、例えば、上記の生薬原料から適当な溶媒(例えば、水、アルコール(例えばエタノール等)、水とアルコール(例えばエタノール等)の種々の割合の混液等、好ましくは水、エタノール、水とエタノールの混液)を用いて、通常65〜100℃程度で、30分〜3時間程度の抽出時間で抽出し、所望により乾燥させる方法等が挙げられる。上記生薬原料の総重量60kgから抽出して得られる抽出エキスの乾燥後の重量は、通常6.5kg〜8.5kg程度である。
【0010】
本発明おけるビタミンEは、立体構造は限定されず、ラセミ体であってもよく、例えばd体、dl体が挙げられる。また、本発明おけるビタミンEは、医薬上許容される酸とのエステル(例えば、コハク酸、酢酸等とのエステル)であってもよく、さらに、医薬上許容される塩(例えば、カルシウム塩等)であってもよい。ビタミンEとしては、例えば、コハク酸d−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム、酢酸d−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、d−α−トコフェロール、dl−α−トコフェロール等が挙げられる。ビタミンEは、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0011】
本発明の末梢血行障害による不定愁訴の治療剤は、ケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニン、シャクヤクおよびビタミンEを組み合わせてなるもの(即ち、併用剤)であり、投与時にケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニン、シャクヤクおよびビタミンEを組み合わすことができるものであればよい。従って、本発明の末梢血行障害による不定愁訴の治療剤は、投与時にケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニン、シャクヤクおよびビタミンEを組み合わすことができるものであれば、ケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニン、シャクヤクおよびビタミンEを同時に製剤化して得られる単一の製剤であってもよく、また、例えばケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニンおよびシャクヤクからなる組成物(例えば、桂枝茯苓丸)とビタミンEとを別々に製剤化して得られる2種の製剤を組み合わせたもの等であってもよい。投与形態は、特に限定されず、例えば、(1)ケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニン、シャクヤクおよびビタミンEを含有する組成物、即ち、単一の製剤としての投与、(2)ケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニンおよびシャクヤクからなる組成物とビタミンEとを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、(3)ケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニンおよびシャクヤクからなる組成物とビタミンEとを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与(例えばケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニンおよびシャクヤクからなる組成物、ビタミンEの順序での投与、あるいは逆の順序での投与)、(4)ケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニンおよびシャクヤクからなる組成物とビタミンEとを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(5)ケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニンおよびシャクヤクからなる組成物とビタミンEとを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えばケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニンおよびシャクヤクからなる組成物、ビタミンEの順序での投与、あるいは逆の順序での投与)等が挙げられる。
なお、時間差をおいての投与の場合、ケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニン、シャクヤクおよびビタミンEが体内で共存していることが必要である。
【0012】
本発明において、ケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニン、シャクヤクおよびビタミンEの組合せの割合は、単一製剤とされる場合、別個の製剤とされる場合のいずれにおいても、ケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニンおよびシャクヤクからなる組成物(例えば、桂枝茯苓丸)の生薬原料の総量と、ビタミンEとの重量比率として、通常1:0.001〜0.05の範囲であり、1:0.03〜0.05の範囲が好ましい。
【0013】
投与量は、ケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニンおよびシャクヤクからなる組成物(例えば、桂枝茯苓丸)の生薬原料の総重量と、ビタミンEの重量の和として、1日あたり通常6.1〜9.3gの範囲であり、7.0〜9.3gの範囲が好ましい。但し、本発明において、ケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニンおよびシャクヤクからなる組成物(例えば、桂枝茯苓丸)の投与量は、ケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニンおよびシャクヤクからなる組成物(例えば、桂枝茯苓丸)の生薬原料の総重量として1日あたり通常6〜9gの範囲であり、7〜9gの範囲が好ましい。また、本発明において、ビタミンEの投与量は、1日あたり通常10〜300mgの範囲であり、100〜300mgの範囲が好ましい。
【0014】
投与方法は特に限定されないが、例えば、上記1日あたりの量を一度にもしくは数回に分け、経口投与により投与することが挙げられる。投与期間は、特に限定されないが、通常4〜28日間の範囲であり、14〜28日間の範囲が好ましい。
【0015】
本発明の末梢血行障害による不定愁訴の治療剤はその剤型に格別の制限はない。その剤型としては、例えば丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、錠剤、カプセル剤、液剤あるいは懸濁液剤等の剤型が挙げられる。
【0016】
本発明の末梢血行障害による不定愁訴の治療剤は、必要に応じて、担体、賦形剤、結合剤、膨化剤、潤滑剤、甘味剤、香味剤、防腐剤、安定剤、被覆剤等を含有することができ、これらとともに一般に認められた製剤実施に要求される単位用量形態で用いることができる。これらの製剤におけるケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニン、シャクヤクおよびビタミンEの量は指示された範囲の適当な用量が得られるようにすればよい。
【0017】
本発明の対象である末梢血行障害による不定愁訴としては、特に限定されないが、例えば、手の冷え、足の冷え、腰の冷え、下腹部の冷え、頭重、冷房による手足の冷え、冷房による腰の冷え、冷房による下腹部の冷え、冷房による肩または首筋のこり、冷房による頭重、手のしびれ、足のしびれ、のぼせ、打撲によるアザ等が挙げられる。特に、本発明の末梢血行障害による不定愁訴の治療剤は、冷房による末梢血行障害による不定愁訴、即ち、上記のうち冷房による手足の冷え、冷房による腰の冷え、冷房による下腹部の冷え、冷房による肩または首筋のこり、冷房による頭重等に対して早期に優れた効果を有する。
【0018】
本発明においては、ケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニン、シャクヤクおよびビタミンEを組み合わせてなる併用剤、および該併用剤を末梢血行障害による不定愁訴の治療用途に使用することができる、または使用すべきであることを記載した、該併用剤に関する記載物を含む商業パッケージが含まれる。この場合においても、上述のようにケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニンおよびシャクヤクからなる組成物として桂枝茯苓丸を用いることが簡便で好ましい。
【実施例】
【0019】
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下に示す実施例によって限定されるものではない。
実施例1
体の冷え等の末梢血行障害による不定愁訴に対する、桂枝茯苓丸とビタミンEとの併用投与(本発明)の効果を調べるため、桂枝茯苓丸の単独投与を対照として比較試験を行った。桂枝茯苓丸とビタミンEとの併用投与群に用いた薬剤については予め急性毒性試験により安全性を確認した。
【0020】
比較試験は、冷え、肩こりの両方またはいずれか一方の症状を有する被験者(全59例)を対象とし、被験者を桂枝茯苓丸とビタミンEとの併用投与群と桂枝茯苓丸の単独投与群のいずれかに無作為に割り付けて、二重盲験比較試験で行った。
桂枝茯苓丸とビタミンEとの併用投与群(以下、「NT群」という。)(30例)には、1日あたり、桂枝茯苓丸エキス600mg、ケイヒ末450mg、ブクリョウ末450mg、ボタンピ末450mg、トウニン末450mg、シャクヤク末450mgおよびビタミンE300mgを含有する細粒(日東薬品工業製造)を、4週間、1日3回食後に経口投与した。
桂枝茯苓丸の単独投与群(以下、「KB群」という。)(29例)には、一日あたり、桂枝茯苓丸エキス600mg、ケイヒ末450mg、ブクリョウ末450mg、ボタンピ末450mg、トウニン末450mg、シャクヤク末450mgを含有する細粒(日東薬品工業製造)を4週間、1日3回食後に経口投与した。
【0021】
試験開始日と投与4週間後に、各症状(冷房による手足の冷え、冷房による腰の冷え、冷房による下腹部の冷え、冷房による肩・首筋のこり、冷房による頭重、手の冷え、足の冷え、腰の冷え、下腹部の冷え、手のしびれ、足のしびれ、頭重、のぼせ、打撲によるアザ)の程度を、被験者自身が4段階(0:症状なし、1:軽度、2:中等度、3:重度)で評価した。症状の改善の評価は、試験開始日と投与4週間後の症状の程度を比較して、症状が消失したものを「治癒」(症状の程度が3から0、2から0、または1から0になったもの)、症状が2段階改善したものを「著明改善」(症状の程度が3から1になったもの)、症状が1段階改善したものを「軽度改善」(症状の程度が3から2、または2から1になったもの)、症状が不変であったものを「不変」、症状が悪化したものを「悪化」として評価した。結果を表1に示す。
【0022】
【表1】

【0023】
表1の各症状の軽度改善以上の改善率から明らかなように、桂枝茯苓丸とビタミンEとの併用投与(NT群(本発明))では、冷房による手足の冷え、冷房による腰の冷え、冷房による下腹部の冷え、冷房による肩・首筋のこり、冷房による頭重、手の冷え、足の冷え、腰の冷え、下腹部の冷え、手のしびれ、足のしびれ、頭重、のぼせ、打撲によるアザに対して、桂枝茯苓丸単独投与(KB群(対照))に比較して高い改善率が得られた。特に、足の冷え、下腹部の冷えに対して、桂枝茯苓丸とビタミンEとの併用投与(NT群(本発明))では、桂枝茯苓丸単独投与(KB群(対照))に比較して有意に高い改善率が得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニン、シャクヤクおよびビタミンEを組み合わせてなる末梢血行障害による不定愁訴の治療剤。
【請求項2】
ビタミンEが、コハク酸d−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム、酢酸d−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、d−α−トコフェロール、およびdl−α−トコフェロールから選ばれる少なくとも1つである、請求項1記載の治療剤。
【請求項3】
末梢血行障害による不定愁訴が、手の冷え、足の冷え、腰の冷え、下腹部の冷え、頭重、冷房による手足の冷え、冷房による腰の冷え、冷房による下腹部の冷え、冷房による肩または首筋のこり、冷房による頭重、手のしびれ、足のしびれ、のぼせ、および打撲によるアザから選ばれる、請求項1または2に記載の治療剤。
【請求項4】
末梢血行障害による不定愁訴が、冷房による手足の冷え、冷房による腰の冷え、冷房による下腹部の冷え、冷房による肩または首筋のこり、および冷房による頭重から選ばれる、請求項1または2に記載の治療剤。
【請求項5】
ケイヒ、ボタンピ、ブクリョウ、トウニン、シャクヤクおよびビタミンEを組み合わせてなる併用剤、および該併用剤を末梢血行障害による不定愁訴の治療用途に使用することができる、または使用すべきであることを記載した、該併用剤に関する記載物を含む商業パッケージ。

【公開番号】特開2006−28144(P2006−28144A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−213620(P2004−213620)
【出願日】平成16年7月21日(2004.7.21)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成16年2月20日 日本東方医学会発行の「東方医学 第19巻 第3号」に発表
【出願人】(501229193)
【出願人】(392008541)日東薬品工業株式会社 (7)
【Fターム(参考)】