説明

末端オレフィンのクロスメタセシスのための方法

【課題】末端オレフィンのクロスメタセシスのための方法を提供する。
【解決手段】第1の末端オレフィンに対し、他の第1の末端オレフィンを接触させて二量体を形成した後、この二量体を、式Iを有する触媒の存在下において、第2の末端オレフィンに接触させて、二置換内部オレフィン生成物を製造する。式I


MはOs又はRuであり、R、R1は、水素又はC1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、アリール、C1〜C20カルボキシレート、C1〜C20アルコキシ、C2〜C20アルケニルオキシ、C2〜C20アルキニルオキシ、アリールオキシ、C2〜C20アルコキシカルボニル、C1〜C20アルキルチオ、C1〜C20アルキルスルホニル、及びC1〜C20アルキルスルフィニルからなるグループから選択された置換基である。X、X1は、任意のアニオン性配位子である。L、L1は、任意の中性電子供与基である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は末端オレフィンのクロスメタセシスのための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
明確に定義されているルテニウムやモリブデンのメタセシス触媒における、近年の開発は、末端オレフィンの選択的クロスメタセシスの方法に対して、新たな興味を生じさせた。例えば、クロウ等(Crowe et al.)は、スチレンやアクリロニトリルのような、π置換された末端オレフィンは、効率的に官能基化された末端オレフィンに使用可能であることを示した。クロウは、アリルトリメチルシランのような求核剤を使用した有用な末端オレフィンのクロスカップリングの手順を報告している。さらに最近では、ブレチャート等(Blechert et al.)は、特定の立体障害を有した末端オレフィンは、セルフメタセシス(self-metathesis)を経ず、商業的に入手可能ないくつかの
末端オレフィンについては、ルテニウムやモリブデン触媒を使用して官能基化することができることを示した。ホモアリルグリシン誘導体のホモロゲーションは、ギブソン等(Gibson et al.)により報告されている。最後に、ルテニウム(Ru)やモリブデン(Mo)触媒を使用した、クロスイン−エン反応及び開環クロスメタセシス反応が証明された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
不運にもこれらの反応は遅く、相対的に低収率かつ非選択的である。そのため、公知の方法を用いた、商業用途のための大規模反応は一般的に実行不可能であった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の概要)
本発明は、第1の末端オレフィン及び第2の末端オレフィンから二置換内部オレフィン生成物を製造する方法に関する。一般的に、第1の末端オレフィンは、それ自身と反応して二量体の中間体を形成する。そしてこの二量体を、第2のオレフィンと反応させて、二置換内部オレフィン生成物を生成する。この概念は、抽象的に下記のように示される。
【0005】
【化1】

【0006】
複数の出発原料の末端オレフィンの内の1つを二量化すると、想定外のより速い反応速度、向上したトランス選択性、及び向上した収率が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
2つの末端オレフィンのクロスメタセシスの典型的な反応の概要は、下記のようである。
【0008】
【化2】

【0009】
ここで、X、Yは、1つ以上のアルキル又はアリール置換基で随意に置換された独立のア
ルキルまたはアリールである。X、Yは、1つ以上の官能基を随意に有していてもよい。適切な官能基の例には、ヒドロキシル基、チオール基、チオエーテル基、ケトン基、アルデヒド基、エステル基、エーテル基、アミン基、イミン基、アミド基、ニトロ基、カルボン酸基、ジスルフィド基、炭酸基、イソシアネート基、カルボジイミド基、カルボアルコキシ基、カーバメート基、及びハロゲン基が含まれるが、これらに限定されない。
【0010】
出発原料の末端オレフィンの1つの二量化は、より速い反応速度、向上したトランス選択性、及び向上した生成物の収率に帰着することが予期せずに発見された。二置換オレフィン中間体を形成するための二量化は、以下に示す開環重合/クロスメタセシス反応を経由したテレケリックポリマーの合成から着想された。
【0011】
【化3】

【0012】
本発明は、第1の末端オレフィン及び第2の末端オレフィンから二置換内部オレフィン生成物を製造するという主題の変更に関する。最初に起こることとしては、第1の末端オレフィンがそれ自身と反応し、二量体を形成する。そして二量体は、第2のオレフィンと反応し、二置換内部オレフィン生成物を生成する。この概念の概要を示す例が、下記に示される。
【0013】
【化4】

【0014】
あらゆる適切なメタセシス触媒を使用してよい。適切な触媒の例には、米国特許第5,342,909号、第5,312,940号、第5,728,917号、第5,750,815号、第5,710,298号、第5,831,108号及び5,728,785号に記載されるルテニウム及びオスミウムカルベン触媒が含まれ、これらの米国特許は全て本明細書に援用される。簡単に説明すると、ルテニウム及びオスミウムカルベン触媒は、形式的には酸化状態+2、電子数16を有し、5配位であり、下記の一般式を有するような金属中心を有する。
【0015】
【化5】

【0016】
ここで、Mはルテニウム又はオスミウムである。
X、X1は、それぞれ独立した任意のアニオン性配位子である。
L、L1は、それぞれ独立した任意の中性電子供与配位子である。
【0017】
R、R1は、それぞれ独立した水素、又は、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル
、C2〜C20アルキニル、アリール、C1〜C20カルボキシレート、C1〜C20アルコキシ
、C2〜C20アルケニルオキシ、C2〜C20アルキニルオキシ、アリールオキシ、C2〜C20アルコキシカルボニル、C1〜C20アルキルチオ、アルキルスルホニル、及びC1〜C20
アルキルスルフィニルからなるグループから選択された置換基である。R、又はR1のそ
れぞれの置換基は、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコシキ及びアリールからなるグループから選択された1つ以上の部分により随意に置換され、そのそれぞれがさらにハロゲン、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、及びフェニルから選択された1つ以上の置換基により置換されていてもよい。さらに、任意の触媒配位子は、さらに1つ以上の官能基を有していてもよい。適切な官能基の例には、ヒドロキシル基、チオール基、チオエーテル基、ケトン基、アルデヒド基、エステル基、エーテル基、アミン基、イミン基、アミド基、ニトロ基、カルボン酸基、ジスルフィド基、カーボネート基、イソシアネート基、カルボジイミド基、カルボアルコキシ基、カーバメート基、及びハロゲン基が含まれるが、これらに限定されない。
【0018】
これらの触媒の好適な実施形態において、R置換基は水素であり、R1置換基は、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、及びアリールからなるグループから選択される。
さらに好適な実施形態において、R1置換基は、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ
、フェニル、及び官能基からなるグループから選択された1つ以上の部分により随意に置換された、フェニル基又はビニル基である。特に好適な実施形態において、R1は、塩素
、臭素、ヨウ素、フッ素、−NO2、−NMe2、メチル、メトキシ、及びフェニルからなるグループから選択された1つ以上の部分により置換されたフェニル基又はビニル基である。最適な実施形態において、R1置換基はフェニル基である。
【0019】
これらの触媒の好適な実施形態において、L、L1は、ホスフィン、スルホン化ホスフ
ィン、亜リン酸塩、ホスフィナイト、ホスホナイト、アルシン、スチビン、エーテル、アミン、アミド、イミン、スルホキシド、カルボキシル、ニトロシル、ピリジン、及びチオエーテルからなるグループからそれぞれ独立に選択される。さらに好適な実施形態において、L、L1は、それぞれPR345の化学式を有するホスフィンであり、ここでR3
4、R5はそれぞれ独立のアリール、又はC1〜C10アルキル、特に第1級アルキル、第
2級アルキル、又はシクロアルキルである。最適な実施形態において、L、L1配位子は
、−P(シクロヘキシル)3、−P(シクロペンチル)3、−P(イソプロピル)3、及び
−P(フェニル)3からなるグループからそれぞれ独立に選択された配位子である。
【0020】
これらの触媒の好適な実施形態において、X、X1はそれぞれ独立した水素、ハライド
、又は、C1〜C20アルキル、アリール、C1〜C20アルコキシド、アリールオキシド、C3〜C20アルキルジケトネート、アリールジケトネート、C1〜C20カルボキシレート、アリールスルホネート、C1〜C20アルキルスルホネート、C1〜C20アルキルチオ、C1
20アルキルスルホニル、又はC1〜C20アルキルスルフィニルのグループのうちの1つ
である。X、X1は、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、及びアリールからなる
グループから選択された1つ以上の部分により随意に置換され、さらにこれらはハロゲン、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、及びフェニルから選択された1つ以上の置換基により置換されていてもよい。さらに望ましい実施形態において、X、X1は、ハライ
ド、ベンゾエート、C1〜C5カルボキシレート、C1〜C5アルキル、フェノキシ、C1
5アルコキシ、C1〜C5アルキルチオ、アリール、及びC1〜C5アルキルスルホネート
である。さらに望ましい実施形態において、X、X1はそれぞれ、ハライド、CF3CO2
、CH3CO2、CFH2CO2、(CH33CO、(CF32(CH3)CO、(CF3)(CH32CO、PhO、MeO、EtO、トシレート、メシレート、トリフルオロメタンスルホネートである。最適な実施形態において、X、X1はそれぞれ、塩素基である。
【0021】
発明を明確にするため、特に望ましい実施形態を参照して、本発明の具体的な詳細が示される。しかし、これらの実施形態や例は説明のためのみのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0022】
本発明の方法のための特に有用な用途は、末端アルケンのホモロゲーションにある。末端アルケンは、障害を有していても(hindered)、有していなくても(unhindered)よい。表1に示されているように、還流ジクロロメタン中において、9−デセン−1−イルベンゾエート(2a)を1〜2等量の対称的な内部オレフィン及び5mol%ルテニウムベンジリデン1で処理するような末端オレフィンの処理は、良好な収率でもって好適なクロスメタセシス生成物を生成した。反応はほぼ終了まで進行し、出発原料のホモダイマーは、容易に回収され、後のクロスメタセシス工程において再利用される。一般的に、本発明の方法は、トランスオレフィン異性体の形成を助長する。例えば、嵩高い保護基を有するシス−1,4−ブテンジオール誘導体について、高いトランス選択性がみられる。
【0023】
表1は、クロスメタセシス反応の例を示す。
【0024】
【化6】

【0025】
【表1】

【0026】
表1は、例に示された基質におけるクロスメタセシス生成収率を示す。パーセントの生成収率(生成物(%))は、単離された生成物の収率を反映する。E/Z比は、1H−N
MRの積分値により決定された。初期においては、末端オレフィンの、対応するアリルアルコール誘導体への加工を重点的に行った。商業的に入手可能であるシス−2−ブテン−1,4−ジオールジアセテート(エントリ1)は、還流ジクロロメタン中において、2等
量の内部オレフィンを使用し、ホモロゲートされたアリルアセテートを優れた収率(89%、4.7:1E/Z)で与えた。1等量のみのジアセテートが使用されたときは、収率が減少し(77%)、トランスシス比には有意な変化が観察されなかった(エントリ2)。2等量のジアセテートの使用は、単に1,2又は4等量のアリルアセテートを使用するよりも、より効率的であることがわかった(エントリ3〜5)。ジオールアセテートを溶媒に使用すること(55等量、45℃、12h)は、トランスオレフィン含有量(3:1E/Z)を減少させるが、単離収率を91%まで増加させた。
【0027】
良好なメタセシスの収率及び改良されたトランス選択性が、いくつかのシス−1,4−ブテンジオール(エントリ6〜8)のエーテル誘導体にみられた。エントリ6において、TBSエーテルのTBAF脱保護の後、77%の生成収率が得られた。エントリ8において、アリルベンジルエーテルのH2/Pd−C水素化−水素化分解の後、71%の生成収
率が得られた。窒素を含有する基体の混和性が、保護されたアリルアミンに直接ルートを提供する、Boc保護されたシス−1,4−ジアミノブテン(エントリ9)のクロスメタセシスにより検査された。トランス二置換内部オレフィンも反応性を有することがわかった。即ち、ジメチルトランス−3−ヘキセン−1,6−ジオエート(エントリ10)は、望ましいホモアリルエステルクロス生成物を主生成物として与えた(74%、3:1E/Z、回収したホモダイマー3a:23%)。これらの結果は、シス又はトランス二置換内部オレフィンの双方が、クロスメタセシス反応における効率的なカップリングパートナーとして使用可能であることを示す。
【0028】
本発明による方法のいくつかの例は下記のようである。
【0029】
【化7】

【0030】
減圧下における、0.3mol%の1と共に純物質(2a−c)を二量化することにより、大部分がトランス(4:1)の二置換オレフィンが高収率で与えられた。その後ホモダイマー3bが、官能化された2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−α−C−アリルグリコシド(4)に対して使用され、73%の収率(3:1e/Z、回収したホモダイマー4:19%)を得た。これと比較して、4等量の末端オレフィン2bを使用した5の合成は、わずかに低い収率と、若干低いトランス選択性(68%、2.2:1E/Z)に帰着した。オレフィン3bは、優れた収率、及び改善されたトランス選択性(85%、6:1E/Z)において、N−Boc−セリン−(O−アリル)−OMeを親油性アミノ酸7に変化させる。9−デセニル−1−イル N−Bocグリシン酸塩(2c)及び9−デセン−1−イル アセテート(2b)の多様な同等物、又は内部オレフィンホモダイマー3bを使用したクロスカップリング反応は、2つの単離された末端オレフィンについてのクロスメタセシス反応における末端オレフィン成分の化学量論の調整に有利であることを示す。
【0031】
要約すると、本発明の実施は、良好な収率及び改良されたトランス選択性を有する、二置換内部オレフィンの合成に帰着する。本発明の特に望ましい用途は、末端オレフィンのホモロゲーションにある。本発明は、マルチステップの合成におけるさらなる中間体の官能基化、及び分子生物学研究のためのヘテロダイマー分子の構築に有用である。
(実験方法)
液相クロスメタセシス反応の一般的手順
炉で乾燥させたフラスコに、磁石攪拌バー及びルテニウムベンジリデン1(21mg,5mol%)を投入し、窒素雰囲気下において隔膜で覆う。CH2Cl2(5ml)及び二置換オレフィン(1.0mmol,2等量)を続けて加える。末端オレフィン(0.5mmol,1等量)を加え、隔膜を、窒素バブラーに連結されたコンデンサによって速やかに置換する。フラスコを油浴に浸し、12時間、又はTLCにより反応が完了したと判断されるまで還流(浴温:45℃)する。
【0032】
以下の出版物及び、それらに引用された文献は、その全体が本明細書に援用される:
1. O'Leary et al., Tetrahedron Letters 1998, 39, 7427-7430.
2. Grubbs, R. H.; Chang, S. Tetrahedron 1998, 54, 4413-4450.
3. Crowe, W. E.; Zhang, Z. J. J. Am. Chem. Soc. 1993, 115, 10998-0999.
4. Crowe, W. E.; Goldberg, D. R. J. Am. Chem. Soc. 1995, 117, 5162-5163.
5. Crowe, W. E.; Goldb erg, D. R.; Zhang, Z. J. Tetrahedron Lett. 1996, 37, 2117-2120.
6. Brummer, O.; Ruckert, A.; Blechert, S. Chem. Eur. J. 1997, 3, 441-446.
7. Gibson, S. E.; Gibson, V. C.; Keen, S. P. Chem. Commun. 1997, 1107-1108.
8. Stragies, R.; Schuster, M.; Blechert, S. Angew. Chem., Intl. Ed. Engl. 1997,
36, 2518-2520.
9. Randall, M. L.; Tallarico, J. A.; Snapper, M. L. J. Am. Chem. Soc. 1995, 117, 9610-9611.
10. Scheider, M. F.; Lucas, N.; Velder, J.; Blechert, S. Angew. Chem., Intl. Ed. Engl. 1997, 36, 257-259.
11. Hillmyer, M. A.; Nguyen, S. T.; Grubbs, R. H. Macromolecules 1997, 30, 718-721.
12. Schwab, P. E.; Grubbs, R. H.; Ziller, J. W. J. Am. Chem. Soc. 1996, 118, 100-110, and Ullman, M.; Grubbs, R. H. Organometallics 1998, 17, 2484-2489.
13. Nubel, P. O.; Yokelson, H. B.; Lutman, C. A.; Bouslog, W. G.; Behrends, R.
T.; Runge, K. D. J. Mol. Catal. A: Chem. 1997, 115, 43-50.
14. Lewis, M. D.; Cha, J. K.; Kishi, Y. J. Am. Chem. Soc. 1982, 104, 4976-4978
.
15. Sugano, H.; Miyoshi, M. J. Org. Chem. 1976, 41, 2352-2353.
16. Diver, S. T.; Schreiber, S. L. J. Am. Chem. Soc. 1997, 119, 5106-5109.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の末端オレフィンを第2の二置換オレフィンと[化1]の化学式を有する触媒の存在下で接触させる工程を備え、
【化1】

Mはルテニウム又はオスミウムであり、
X、X1は同一又は相違する任意のアニオン性配位子であり、
L、L1は同一又は相違する任意の中性電子供与基であり、
R、R1は同一又は相違する、それぞれ独立の、水素、又は、C1〜C20アルキル、C2
20アルケニル、C2〜C20アルキニル、アリール、C1〜C20カルボキシレート、C1
20アルコキシ、C2〜C20アルケニルオキシ、C2〜C20アルキニルオキシ、アリールオキシ、C2〜C20アルコキシカルボニル、C1〜C20アルキルチオ、C1〜C20アルキルス
ルホニル、及びC1〜C20アルキルスルフィニルからなるグループから選択された置換基
であり、前記置換基のそれぞれは、置換され、又は置換されていない、末端オレフィンのクロスメタセシスの方法。
【請求項2】
前記置換基は、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、及びアリールからなるグループから選択された1つ以上の置換された、又は置換されていない部分により置換されている請求項1に記載された方法。
【請求項3】
前記部分は、ハロゲン、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、及びフェニルからなるグループから選択された1つ以上の置換基により置換されている請求項1に記載された方法。
【請求項4】
Rは水素であり、R1はC1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、アリール、置換され
ていないフェニル、置換されたフェニル、置換されていないビニル、及び置換されたビニルからなるグループから選択され、前記置換されたフェニル及び置換されたビニルは、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、フェニル、ヒドロキシル、チオール、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、及びハロゲンからなるグループからそれぞれ独立に選択された1つ以上の置換基により置換されている請求項1に記載された方法。
【請求項5】
L、L1は、ホスフィン、スルホン化ホスフィン、亜リン酸塩、ホスフィナイト、ホスホ
ナイト、アルシン、スチビン、エーテル、アミン、アミド、イミン、スルホキシド、カルボキシル、ニトロシル、ピリジン、及びチオエーテルからなるグループからそれぞれ独立に選択された請求項1に記載された方法。
【請求項6】
L、L1は、PR345の化学式を有するホスフィンであり、R3、R4、R5は、アリー
ル、及びC1〜C10アルキルからなるグループからそれぞれ独立に選択された請求項1に
記載された方法。
【請求項7】
3、R4、R5は、第1級アルキル、第2級アルキル、及びシクロアルキルからなるグル
ープからそれぞれ独立に選択された請求項6に記載された方法。
【請求項8】
L、L1は、P(シクロヘキシル)3、P(シクロペンチル)3、P(イソプロピル)3、及びP(フェニル)3からなるグループからそれぞれ独立に選択された請求項6に記載され
た方法。
【請求項9】
X、X1は、水素、ハロゲン、置換された部分及び、置換されていない部分からなるグル
ープからそれぞれ独立に選択され、前記部分は、C1〜C20アルキル、アリール、C1〜C20アルコキシド、アリールオキシド、C3〜C20アルキルジケトネート、アリールジケト
ネート、C1〜C20カルボキシレート、アリールスルホネート、C1〜C20アルキルスルホネート、C1〜C20アルキルチオ、C1〜C20アルキルスルホニル、及びC1〜C20アルキ
ルスルフィニルからなるグループから選択され、これらの部分における置換はC1〜C10
アルキル、C1〜C10アルコキシ、及びアリールからなるグループから選択された請求項
1に記載された方法。
【請求項10】
前記部分における置換は、ハロゲン、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、及びフェニルからなるグループから選択された1つ以上の置換基により置換された請求項9に記載された方法。
【請求項11】
X、X1は、ハライド、ベンゾエート、C1〜C5カルボキシレート、C1〜C5アルキル、
フェノキシ、C1〜C5アルコキシ、C1〜C5アルキルチオ、アリール、及びC1〜C5アルキルスルホネートからなるグループからそれぞれ独立に選択された請求項1に記載された方法。
【請求項12】
X、X1は、ハライド、CF3CO2、CH3CO2、CFH2CO2、(CH33CO、(C
32(CH3)CO、(CF3)(CH32CO、PhO、MeO、EtO、トシラート、メシラート、トリフルオロメタンスルホネートからなるグループからそれぞれ独立に選択された請求項1に記載された方法。
【請求項13】
X、X1は、共にクロライドである請求項12に記載された方法。
【請求項14】
前記第1の末端オレフィンはR6CH=CH2の化学式を有し、R6はC1〜C50アルキル及びアリールからなるグループから選択され、R6は置換された、又は置換されていない請
求項1に記載された方法。
【請求項15】
6はC1〜C50アルキル及びアリールからなるグループから選択された、置換され、又は置換されていない1つ以上の部分により置換された請求項14に記載された方法。
【請求項16】
6は、ヒドロキシル基、チオール基、チオエーテル基、ケトン基、アルデヒド基、エス
テル基、エーテル基、アミン基、アミド基、ニトロ基、カルボン酸基、ジスルフィド基、炭酸基、イソシアネート基、カルボジイミド基、カルボアルコキシ基、カーバメート基、及びハロゲン基からなるグループから選択された1つ以上の官能基により官能化されている請求項14に記載された方法。
【請求項17】
前記第1の末端オレフィンは、障害を有し、又は障害を有さない請求項1に記載された方法。
【請求項18】
前記第1の末端オレフィンは、9−デセン−1−イルベンゾエートである請求項1に記載された方法。
【請求項19】
前記第2のオレフィンは、R8CH=CHR9の化学式を有し、R8、R9は、C1〜C50
ルキル及びアリールからなるグループからそれぞれ独立に選択され、それぞれ独立に置換され、又は置換されず、互いの関係においてシス又はトランス位にある請求項1に記載された方法。
【請求項20】
8、R9は、C1〜C50アルキル及びアリールからなるグループから選択された、1つ以
上の置換された又は置換されていない部分によりそれぞれ独立に置換された請求項19に記載された方法。
【請求項21】
8、R9は、ヒドロキシル基、チオール基、チオエーテル基、ケトン基、アルデヒド基、エステル基、エーテル基、アミン基、アミノ基、アミド基、ニトロ基、カルボン酸基、ジスルフィド基、イソシアネート基、カルボジイミド基、カルボアルコキシ基、カーバメート基、及びハロゲン基からなるグループから選択された1つ以上の官能基によりそれぞれ独立に官能化された請求項19に記載された方法。

【公開番号】特開2010−265273(P2010−265273A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−136190(P2010−136190)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【分割の表示】特願2000−594761(P2000−594761)の分割
【原出願日】平成12年1月26日(2000.1.26)
【出願人】(598128421)カリフォルニア インスティテュート オブ テクノロジー (26)
【Fターム(参考)】