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末端不飽和を含有する水溶性マクロモノマー及びその製造方法
説明

末端不飽和を含有する水溶性マクロモノマー及びその製造方法

本発明は、モノマー類の水性系中での連鎖移動剤の内包錯体の存在下の重合によって得られる、末端不飽和を有する水溶性マクロモノマーを提供する。疎水性連鎖移動剤AMSDは、メチル化シクロデキストリンとの内包錯体を形成する。錯体化は、その水中での溶解性を高め、水溶性モノマーの水性媒質中での重合を可能にする。重合後、シクロデキストリンを除去し、得られた末端不飽和を有するマクロマーは、任意のビニルモノマーとの共重合においてさらに使用し得る。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(技術分野)
本発明は、末端不飽和を有する水溶性マクロモノマーおよびその製造方法に関する。さらに詳細には、本発明は、末端不飽和を有する水溶性マクロモノマーが得られる、連鎖移動剤-メチル化シクロデキストリン錯体の存在下での任意の水溶性モノマーの水性重合に関する。これらのマクロモノマーは、水溶性モノマーを、連鎖移動剤とシクロデキストリン誘導体との水溶性内包錯体の存在下に、熱または光化学開始剤を使用して水性重合させることによって得られる。
末端基としての不飽和を有するマクロモノマーは、ブロック、グラフトおよび末端官能性ポリマーのプレカーサーとしての利用性、ひいては、ポリマー構造に応じた広範な用途を有する。ポリマー鎖の化学構造を変えることにより、種々の特性を有するマクロモノマーを提供することができ、また、コモノマーを変えることにより、種々の特性を有するポリマーを提供し得る。
【0002】
(背景技術)
特定の用途におけるポリマーの選定は、ポリマーの分子量および分子量分布の双方に依存する。極めて頻繁に、ポリマーの分子量を制御して、ポリマーがその特定の用途に適合し得るようにすることが必要である。マクロマーと称する低分子量を有しある種の官能性を有するポリマーは、界面活性剤、分散剤、バインダーおよびコーティーング、金属イオン封鎖剤および密閉剤のような種々の用途において有用であることから、益々の興味を有するようになってきている。
この点、20,000までの平均分子量を有するアクリル酸(AA)の水溶性オリゴマーおよび低分子量ポリマーは、各種の用途においてとりわけ有用であるようである。ポリアクリル酸(PAA)の典型的な用途は、天然ゴムラテックスを増粘させることにある。ナトリウム塩としての低分子量PAAの40質量%天然ゴムへのクリーム化剤としての添加は、系の2つの層、即ち、透明なラテックス漿液と60質量%のゴム含有の濃縮ラテックスへの分離を生じる。低分子量PAA溶液を、アルミニウムホイルを貼付けなければならないプロピレンシート上に散布した場合、得られるAl-PPラミネートは、高機械強度を有する。水力系中の分散剤としての用途における最適のPAA分子量は、1,000〜4,000の範囲にある。10,000〜18,000の範囲内のMn値を有するポリ(アクリル酸)は、無機充填剤、無機顔料および他の無機物を水系中に分散させてポンプ吸引に適する安定な懸濁液またはスラリーを得るのに使用し得る。例えば、堆積物からのカオリンの分離は、4,000〜10,000の範囲内のMnを有するポリマーにより、乾燥鉱物に対して0.001〜2.0質量%比のAAポリマー含有量を使用して最良に行われている。低分子量PAAにおけるもう1つの応用分野は、水スラリー中のセメントおよび石膏のような結合剤を改良するための分散剤としてである。また、低分子量PAAは、コンクリートの凝結も促進する(急結コンクリート)。最低のオリゴマーから20,000までの分子量範囲のアクリル酸ポリマーは、タルク精製において使用し得る(例えば、0.1〜2質量%のpAA) (Spychaj T., Progress in Organic Coatings, 17, 1989, 71)。
【0003】
低分子量ポリ(ビニルアルコール) (PVA)は、多くの工業的用途、例えば、紙コーティーング、繊維サイジングにおいて、分散系中の安定剤として、さらに、繊維およびフィルムの製造において使用されている。PVAは、他のポリマー類のブレンド中で、その溶液およびバルク特性を改良するために頻繁に使用されている。ポリビニルピロリドン並びにセルロースおよびその誘導体のような数種のポリマーは、ブレンドフィルム中のPVAと、ある特定の相互作用、例えば、PVAとこれらのポリマー間の水素結合のために混和性であることが知られている。しかしながら、PVAを含有する多くの他のポリマーブレンドは、巨視的な相分離を示すことも知られている。他方では、良好に形成された構造を有するグラフトコポリマーを製造するためには、マクロモノマー法を使用し得る。PVA配列を1つの成分として含有するブロックおよびグラフトコポリマーは、ブレンドの各種特性をより一層良好にする微分散性を得るためのブレンド用の相溶化剤として使用されている。最近、VAcと連鎖移動剤とのフリーラジカル重合が、PVA配列を含有するブロックコポリマーの製造に応用された(Ohnaga T., Sato T., Polymer 37(16), 1996, 3729)。また、マクロマーから製造されたコポリマーは、種々の特性を有し、従って、新たな利用領域も開拓し得ている。
40質量%のAAを含有し且つ範囲400〜4,000内の分子量を有するAA-St(アクリル酸-スチレン)コポリマーは、紙用の水溶性ラッカーとして使用されている。低分子量AA-Stコポリマーは、紙、ポリマーまたは金属ホイル上にプリンティングするインク配合物用の優れた基礎原料を提供している(Spychaj T., Progress in Organic Coatings, 17, 1989, 71)。
塗料工業における低分子量AA-St樹脂の使用例には、屋根用の防水シーリング剤および粉末アルミニウム充填剤をベースとする導電性コーティーング並びに高性能を有する耐黴性エマルジョン塗料がある(Kapse G. and AggarwaI L., Paint India, 33, 1983, 5)。
St-AAコポリマー用途の特徴的な例は、リノリウムまたはポリ(塩化ビニル)プレート上の自己研磨性床コーティーングにある。これらのコーティーング材は、アンモニアの存在下で水溶性であるが、乾燥(およびアンモニアの部分的蒸発)後に不溶性になる。そのような自己研磨床コーティーングによって示される他の利点は、洗浄剤、磨耗および汚染に対して耐性、並びに長期間に亘る高い光沢の存在である。上記の要件は、コモノマーのモル比が1:2であり、500〜6,000範囲の分子量を有するAA-Stコポリマーによって最良に満たされる(Spychaj T., Progress in Organic Coatings, 17, 1989, 71)。
【0004】
フリーラジカル重合における連鎖移動剤の使用は、その連鎖破壊作用によりポリマー分子量を低下させ得る。メルカプタンまたは臭化アルキルのような有機化合物は、ポリマー分子量を調整するために重合工程において広く使用されている。
米国特許第4,000,220号は、メルカプタン、チオプロピオン酸、四塩化炭素および二量体アルファメチルスチレンのような連鎖移動剤の熱可塑性グラフトコポリマー樹脂の製造における使用を開示しており、少量の二重結合、即ち、AMSDの導入により、耐候性をひいては樹脂の衝撃強度を増強させている。米国特許第4,001,349号は、メルカプタンのような連鎖移動剤のスチレンと飽和ポリオレフィンエラストマーとのグラフト生成物の製造における使用を開示している。米国特許第4,427,826号は、1,3-ジエンゴムと1種以上のビニルモノマーを、溶媒ありまたは溶媒なしで、フリーラジカル開始剤の不存在下、メルカプタン連鎖移動剤の存在下に重合させることを開示している。また、不飽和を有するマクロマーは、米国特許第4,680,352号および米国特許第4,694,054号に記載されているようなコバルト(IIまたはIII)キレートのような連鎖移動剤を使用しても得ることができる。末端エチレン性不飽和オリゴマーの、ある種のポリマーの分子量を調整するための連鎖移動剤としての使用も知られている。そのようなオリゴマーは、例えば、米国特許第4,547,327号、米国特許第4,170,582号、米国特許第4,808,656号に開示されているように既知である。
マクロモノマーのビニルまたはアクリルコモノマーとのフリーラジカル共重合は、グラフトポリマーの容易な入手手段を提供するので、マクロモノマーの主要分野であってきたし依然としてそうである。メタクリレート、アクリレートおよびスチレン(St)のようなモノマーの成長ラジカルの付加に対して反応性である不飽和末端基(例えば、2-置換-2-プロペニル末端基)を担持するマクロモノマーは、通常のフリーラジカル重合による枝分れまたはグラフトポリマー合成用の有用なプレカーサーとして注目を引付けている。通常のラジカル重合によるマクロモノマーの合成およびこれらマクロモノマーの反応は、近年幅広く研究されてきている。該方法は、リビングイオン性重合と比較してその適度な条件の利点を有する。
【0005】
ポリマー鎖の化学構造を変えることにより、種々の特性を有するマクロモノマーを提供することができ、また、コモノマーを変えることにより、種々の特性を有するポリマーをもたらし得る。同時に、マクロモノマーは、小モノマーおよびポリマーのそれとは異なる非揮発性および高溶解性のような幾つかの利点を有し、マクロモノマーをさらなる反応において制御するのを容易にしている。従って、種々の構造を有するマクロモノマーを設計し合成することは、新規な高分子材料を開発するのに有用である。
マクロモノマーの合成は、主として2つの方法よる。第1の方法は、いわゆるエンドキャップ剤である。第2の方法、いわゆる誘導方法は、マクロモノマーを直接形成させるモノマーの重合をもたらす不飽和開始剤を使用する。これら2つの方法は、マクロモノマーのアニオン、カチオンまたは基移動重合による合成において成功裏に応用されている。イオン性リビング重合における過酷な条件およびモノマー選定の制限故、ラジカル重合によるマクロモノマー調製についての多くの試みがなされている。
触媒連鎖移動(CCT)重合は、ラジカル重合においてマクロモノマーを調製する最も効果的な調製方法の1つである。また、アクリレートおよびStの高温での重合も、中鎖ラジカルの形成およびその後のフラグメント化(fragmentation)によってマクロモノマーを生じることが証明されている。しかしながら、炭素-炭素二重結合を生じる効果的なCCT重合は、メチルメタクリレート(MMA)ようなR-メチルビニル化合物およびR-メチルスチレンのホモ重合および共重合に制約される(Sato E., Zetterlund P. and Yamada B., Macromolecules, 37, 2004, 2363)。
フリーラジカル重合の卓越した利点は、求電子性および求核性化合物に対する、とりわけ、水の存在に対する寛容性であるけれども、水溶液中での制御されたフリーラジカル重合研究は、少数である。このことは、必要な添加剤を改質してこれらの添加剤に水溶性を付与する必要性による。さらにまた、このことは、ニトロキシド介在重合(NMP)においてしばしば必要とするような100℃を超える高温、或いは多くの原子移動ラジカル重合(ATRP)触媒に関連する‘調節剤’の感受性の水の存在に対する感受性にもよる。このことに関しては、可逆的付加フラグメント化連鎖移動(RAFT)法の使用は、水性重合系においてとりわけ魅力的なようである。それでも、RAFT法の水性系での使用についての報告数は限られている。これに対して、一般的に使用される群のジチオエステルおよびトリチオカルボネート化合物は、加水分解に対して感受性であることが知られている(Baussard J., Habib Jiwan J., Laschewsky A., Mertoglu M., Storsberg J., Polymer 45, 2004, 3615)。
【0006】
通常のラジカル重合においては、マクロモノマープレカーサー法は、極めて有用である;マクロモノマープレカーサーを、先ず、チオグリコール酸のような適切な移動剤を使用することにより合成し、次いで、不飽和を上記反応により導入していた。しかしながら、この方法の使用は、2工程を必要とする。従って、ビニルモノマーのどれかとの共重合において直接使用し得る不飽和マクロマーを取得する必要がある。
Meijs等(Meijs G., Rizzardo E. and Thang S., Macromolecules, 21, 1988, 3122, Meijs G. and Rizzardo E., Makromol. Chem., 191, 1990, 1545, Meijs G., Morton T., Rizzardo E., and Thang S., Macromolecules, 24, 1991, 3689)は、フェニル、アルコキシカルボニルおよびシアノ基によって活性化されたアリル化合物が、逐次ラジカル付加およびフラグメント化反応を介しての末端二重結合を有するポリマーを生ずる連鎖移動を受けることを報告している。
また、2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテン、即ち、α-メチルスチレンダイマー(α-MSD)も、スチレン重合における有効な連鎖移動剤であることが知られている。S. Suyama等は、2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテンの存在下でのフリーラジカルスチレン重合における付加-フラグメント化連鎖移動を報告している。彼らは、付加-フラグメント化反応による連鎖移動メカニズムを提案している(Watanabe Y., Ishigaki H., Okada H. and Suyama S., Chemistry letters, 1993, 1089)。即ち、ポリマーラジカルがα-MSDの末端二重結合に付加し、その後、アダクトラジカルがフラグメント化を受けて、クミルラジカルと末端二重結合を有するポリマーとを与える。何故ならば、第三級ラジカルであるクミルラジカルは、第二級ラジカルであるポリマーラジカルよりも安定であることによる。
メチルメタクリレート、スチレンのような疎水性モノマーに対する連鎖移動剤としてのAMSDの使用に関する報告も知られている。また、該報告は、AMSDのフリーラジカル重合においての使用がポリマーに末端不飽和の点で官能性を与えることも説明している。
【0007】
FischerおよびLuders(Fischer J. and Luders W., Makromol. Chem., 155, 1972, 239,)は、連鎖移動が、ポリマーラジカルによるアリル水素の抽出および/またはポリマーラジカルのα-MSDへの付加およびその後の水素原子のスチレンへの移動よって進行することを提議している。α-MSDは、本来極めて疎水性であり、水性重合系においては適し得ない。末端不飽和物を有する水溶性オリゴマーの多くの応用が存在している。
適切な疎水性モノマーを水に溶解させるための等モル量のシクロデキストリンの使用並びにそのようなホスト/ゲスト錯体のフリーラジカル重合は、最近、Ritter等によって研究されている(Jeromin J., Noll O., Ritter H., Macromol. Chem. Phys. 199, 1998, 2641, Jeromin J., Ritter H., Macromol. Rapid Commun. 19, 1998, 377, Jeromin J., Ritter H., Macromolecules 32, 1999, 5236, Glockner P., Ritter H., Macromol. Rapid Commun., 20, 1999, 602, Glockner P., Metz N., Ritter H., Macromolecules 33, 2000, 4288, Ritter H., Storsberg J., Pielartzik H., Groenendaal L., Adv. Mater. 12, 2000, 567)。
触媒量のシクロデキストリンの使用は、極めて疎水性のモノマーのエマルジョン重合における使用を可能にする;この重合において、シクロデキストリンは、層間移動触媒として作用し、疎水性モノマーを連続的に錯体化し可溶化して疎水性モノマーをポリマー粒子に放出している (Lau W., Macromol. Symp. 182, 2000, 283-289, Leyrer R., Machtle W., Macromol. Chem. Phy., 201, 2000, 1235-1243)。
メチルメタクリレート-me-β-CDおよびスチレン-me-β-CDの1:1ホスト-ゲスト錯体における連鎖移動定数は、水溶性ドデカンチオール-me-β-CD錯体を使用して測定された。この錯体化系の連鎖移動定数は、錯体化していない系と比較したとき、低いことが判明している(Glockner P., Ritter H., Macromol. Chem. Phy., 201, 2000, 24552457)。
CD錯体化モノマーの水性媒質中での親水性連鎖移動剤としてのN-アセチル-Lシステインの存在下のフリーラジカル重合についての研究は、Ritter等によって報告されている。N-アセチル-L-システインの比較的高い連鎖移動定数は、水中での錯体化メチルメタクリレートおよびスチレンモノマーの場合に見出されている(Glockner P., Metz N., Ritter H., Macromolecules, 33, 2000, 4288)。
【0008】
現在まで、CD-錯体化モノマーの重合度に対するメルカプタンの連鎖移動活性については、僅かに2つ報告が評価されている。しかしながら、これらの報告においては、これら連鎖移動剤の連鎖移動活性に対する立体障害の作用のみしか研究されていない。
有機媒質中のα-メチルスチレンダイマーは、文献に報告されているように、連鎖移動剤として有効に使用されている。しかしながら、水性媒質中でのAMSDの連鎖移動剤としての使用に関する報告書は存在しない。連鎖移動剤の使用分野における従来技術の調査によれば、末端不飽和を有する水溶性マクロマーを与える水性媒質中での水溶性モノマーに対してのAMSD-DM-β-CD錯体の使用は、現在まで報告されていないことが明らかである。AMSD-DM-β-CD錯体を使用して得られた末端不飽和は、共重合において妥当な反応性を有する。AMSDが、DM-β-CDとの内包錯体を形成し、水溶性となり、従って、水溶性連鎖移動剤として使用し得ることは判明している。さらに、上記連鎖移動剤の連鎖移動活性は低下することなく、さらにまた、末端官能性としての不飽和を取込む。末端官能性としての不飽和を有する水溶性マクロマーを与えるこの性質は、種々の水溶性モノマーの重合において使用される。この末端不飽和は、特定の用途に応じた任意のコモノマーの架橋またはグラフト化においてさらに使用し得る。
【0009】
(発明の開示)
発明の目的
本発明の主たる目的は、末端不飽和を有する水溶性マクロマーを提供することである。
さらにもう1つの目的は、α-メチルスチレンダイマーを連鎖移動剤として使用することによる、末端不飽和を有する水溶性マクロマーを得るための重合方法を提供することである。
さらにもう1つの目的は、そのようにして製造するマクロマーの分子量を制御することである。
発明の要約
本発明は、末端不飽和を含有する水溶性マクロマーの合成方法を開示する。末端不飽和を有する水溶性マクロマーを得るのに使用する連鎖移動剤を、α-メチルスチレンダイマー-ジメチル化β-CD錯体(AMSD-DM-β-CD)によって例証する。AMSDは、DM-β-CDとの水溶性内包錯体を形成する。この錯体を、水性媒質中での種々の親水性モノマーのホモ重合においてさらに使用して、末端不飽和を有するポリマーを得た。重合後、シクロデキストリンを除去して、得られたマクロマーは、任意のビニルモノマーとの共重合においてさらに使用し得る。
これらのマクロマーの合成に使用し得るビニルモノマーは、アクリルアミド、メタクリル酸、N-ビニルピロリドン、2-ジメチルアミノエチルメタクリレート、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸およびスチレンスルホン酸ナトリウムによって例証される。重合反応は、有機極性溶媒中でよりはむしろ水性媒質中で実施する。即ち、本発明は、末端不飽和を含有する水溶性マクロマーの調製方法を開示する。また、重合は、N,N'-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのような有機溶媒または水性媒質中で、油溶性/水溶性開始剤のいずれかを使用しても実施し得る。
【0010】
(発明を実施するための最良の形態)
従って、本発明は、式(Ax)Bを有し、式中、「A」は任意の水溶性ビニルモノマーであり、「x」は重合度であり、「B」は鎖末端のアルファ-メチルスチレンダイマー(AMSD)である水溶性マクロモノマーを提供する。
本発明の1つの実施態様においては、上記マクロモノマーの重合度は、5〜100の範囲内である。
さらにもう1つの実施態様においては、使用するビニル不飽和を含有する親水性モノマーは、酸性、塩基性または中性である。
さらにもう1つの実施態様においては、使用するビニル不飽和を含有する水溶性酸性モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸および4-スチレンスルホン酸からなる群から選ばれる。
さらにもう1つの実施態様においては、使用するビニル不飽和を含有する水溶性酸性モノマーは、好ましくは、メタクリル酸および2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸から選ばれる。
さらにもう1つの実施態様においては、使用するビニル不飽和を含有する水溶性塩基性モノマーは、2-ジメチルアミノエチルメタクリレートおよび2-ジエチルアミノエチルメタクリレートから選ばれる。
さらにもう1つの実施態様においては、使用する水溶性塩基性モノマーは、好ましくは、2-ジメチルアミノエチルメタクリレートである。
さらにもう1つの実施態様においては、使用するビニル不飽和を含有する水溶性中性モノマーは、アクリルアミド、N,N'-ジメチルアクリルアミド、t-ブチルアクリルアミドおよびN-ビニルピロリドンからなる群から選ばれる。
さらにもう1つの実施態様においては、使用する水溶性中性モノマーは、好ましくは、アクリルアミドおよびN-ビニルピロリドンから選ばれる。
【0011】
さらに、本発明は、下記の工程を含むことを特徴とする、式(Ax)Bを有し、「A」が任意の水溶性ビニルモノマーであり、「x」が重合度であり、「B」が鎖末端のアルファ-メチルスチレンダイマー(AMSD)である水溶性マクロモノマーの製造方法を提供する:
a) 等モル量の連鎖移動剤であるアルファ-メチルスチレンダイマー(AMSD)と錯化剤であるジメチル化ベータシクロデキストリン(DM-β-CD)を有機溶媒中に約24時間の撹拌下に溶解し、該反応混合物を濃縮して乾固させ、溶媒で洗浄して未反応連鎖移動剤(AMSD)を除去し、次いで、乾燥させてAMSD-DM-β-CD錯体を得る工程、
b) 上記AMSD-DM-β-CD錯体と水溶性ビニルモノマーをラジカル開始剤の存在下に水性媒質中に溶解し、上記ビニルモノマーを溶液重合法により20〜70℃の範囲内の温度で重合させ、錯化剤(DM-β-CD)を含まない得られたポリマーを、非溶媒を使用することによって沈降および再沈降させ、その後、濾過し乾燥させて、所望の精製マクロモノマーを得る工程。
さらにもう1つの実施態様においては、上記錯体を調製する工程(a)において使用する有機溶媒を、メタノール、クロロホルムおよびテトラヒドロフランから選択する。
さらにもう1つの実施態様においては、得られるAMSD-DM-β-CD錯体中のAMSD対DMCDの比率は、約1:1である。
さらにもう1つの実施態様においては、重合工程(b)において使用するラジカル開始剤は、熱、レドックスまたは光開始剤である。
さらにもう1つの実施態様においては、重合において使用する熱開始剤を、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、アゾビスシアノ吉草酸および2,2'-アゾビスアミジノプロパンジヒドロクロライドからなる群から選択する。
さらにもう1つの実施態様においては、重合において使用する熱開始剤を、好ましくは、過硫酸カリウムおよび2,2'-アゾビスアミジノプロパンジヒドロクロライドから選択する。
さらにもう1つの実施態様においては、重合において使用するレドックス開始剤を、好ましくは、メタ重亜硫酸ナトリウム-過硫酸カリウムおよび亜硫酸ナトリウム-過硫酸カリウムから選択する。
さらにもう1つの実施態様においては、重合において使用する光開始剤は、好ましくは、2,2'-アゾビスアミジノプロパンジヒドロクロライドである。
【0012】
(実施例)
以下の実施例は、例示として提示するものであり、従って、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
実施例1
クロロホルム中でのAMSD-DM-β-CD錯体の合成
28.2g(0.0212モル)のDM-β-CDを、564mlのクロロホルム中に室温で溶解した。これに、5g(0.0212モル)のα-メチルスチレンダイマーを1度に添加し、混合物を、電磁撹拌機を使用して24時間撹拌した。クロロホルム錯体を得た。クロロホルムを室温で蒸発させた。錯体をデシケーター内で真空下に乾燥させた。収率は95%であった。錯体を、200MHz 1H NMRおよびIR分光法によって特性決定した。
錯体の化学量論値を、DM-β-CDおよびα-メチルスチレンダイマーにおけるプロトン領域から測定し、1:1であることが判明した。IR分光分析は、AMSDによる錯体中の不飽和および芳香族性の存在を示していた。
【0013】
実施例2
テトラヒドロフラン中でのAMSD-DM-β-CD錯体の合成
5.6414g(0.0042モル)のDM-β-CDを、113mlのテトラヒドロフラン中に室温で溶解した。これに、1g(0.0042モル)のα-メチルスチレンダイマーを1度に添加して、混合物を、電磁撹拌機を使用して24時間撹拌した。テトラヒドロフラン可溶性錯体を得た。溶媒を室温で蒸発させた。錯体をデシケーター内で真空下に乾燥させた。収率は95%であった。錯体を、200MHz 1H NMRおよびIR分光法によって特性決定した。
錯体の化学量論値を、DM-β-CDおよびα-メチルスチレンダイマーにおけるプロトン領域から測定し、1:1であることが判明した。IR分光分析は、AMSDによる錯体中の不飽和および芳香族性の存在を示した。
【0014】
実施例3
メタノール中でのAMSD-DM-β-CD錯体の合成
5.6414g(0.0042モル)のDM-β-CDを、113mlのメタノール中に室温で溶解した。これに、1g(0.0042モル)のα-メチルスチレンダイマーを1度に添加して、混合物を、電磁撹拌機を使用して24時間撹拌した。メタノール可溶性錯体を得た。溶媒を室温で蒸発させた。錯体をデシケーター内で真空下に乾燥させた。収率は95%であった。錯体を、200MHz 1H NMRおよびIR分光法によって特性決定した。
錯体の化学量論値を、DM-β-CDおよびα-メチルスチレンダイマーにおけるプロトン領域から測定し、1:1であることが判明した。IR分光分析は、AMSDによる錯体中の不飽和および芳香族性の存在を示した。
FTIR(クロロホルム):702cm-1 AMSDのモノ置換ベンゼン;1494、1600cm-1 AMSDのベンゼン環;1624 cm-1 AMSDのビニル基;1215 cm-1 DMCDの-OCH3、3408 cm-1 DMCDの-OH。
1H NMR (CDCl3):4.78δ、5.15δ AMSDのC=CH2;7.2〜7.4δ AMSDのフェニル環、3.39〜3.41および3.57〜3.85δ シクロデキストリンピーク。
得られた錯体は、下記の水溶性マクロマーの合成に使用した。
【0015】
実施例4
この実施例は、p(メタクリル酸)、即ち、p(MA)のアルファメチルスチレンダイマー-ジメチル化β-シクロデキストリン錯体(AMSD-DM-β-CD錯体)の存在下での調製を示す。
1g(0.0116モル)のメタクリル酸、0.010gの過硫酸カリウム(モノマー基準で10 質量%)および0.7292gのAMSD-DM-β-CD錯体(モノマー:錯体モル比 25:1)を、試験管内の10mlの蒸留水中に溶解した。反応混合物を窒素ガスでパージし、重合を65℃で6時間実施した。得られた溶液を、回転蒸発器を使用して濃縮乾固し、アセトンおよびpetエーテルで洗浄し、DM-β-CDおよび未反応モノマーを除去した。ポリマーを、水性GPCによって特性決定し、その分子量を測定した。
Mn = 39,441
不飽和含有量 = 4.76モル%
FTIR(クロロホルム):702 cm-1 AMSDのモノ置換ベンゼン;1494、1600 cm-1 AMSDのベンゼン環;1624 cm-1 AMSDのビニル基;2900〜3200 MAのOH;1710cm-1 MAのC=O。
13C(CDCl3):183.45δメタクリル酸のC=O;114δ、124δ AMSDのC=C。
重合を、下記の表1に示すような種々の比率のモノマーとAMSD-DM-β-CD錯体を使用して実施した。
【0016】
実施例5
この実施例は、p(アクリルアミド)、即ち、p(AM)のAMSD-DM-β-CD錯体の存在下での調製を示す。
1g(0.0141モル)のアクリルアミド、0.010gの過硫酸カリウム(モノマー基準で10質量%)および0.8826gのAMSD-DM-β-CD錯体(モノマー:錯体モル比 25:1)を、試験管内の10mlの蒸留水中に溶解した。反応混合物を窒素ガスでパージし、重合を65℃で6時間実施した。得られた溶液を、回転蒸発器を使用して濃縮乾固し、アセトンおよびpetエーテルで洗浄し、DM-β-CDおよび未反応モノマーを除去した。ポリマーを、水性GPCによって特性決定し、その分子量を測定した。
Mn = 4,625
不飽和含有量 = 2.78モル%
FTIR(クロロホルム):702cm-1 AMSDのモノ置換ベンゼン;1494、1600cm-1 AMSDのベンゼン環;1624cm-1 AMSDのビニル基;3100cm-1、1640cm-1 AMの。
1H NMR(CDCl3):4.78δ、5.15δ AMSDのC=CH2;7.2〜7.4δ AMSDのフェニル環。
重合を、下記の表2に示すような種々の比率のモノマーとAMSD-DM-β-CD錯体を使用して実施した。
【0017】
実施例6
この実施例は、p(アクリルアミド)、即ち、p(AM)のAMSD-DM-β-CD錯体の存在下での2時間の反応時間を有する調製を示す。
1g(0.0141モル)のアクリルアミド、0.010gの過硫酸カリウム(モノマー基準で10質量%)および0.2207gのAMSD-DM-β-CD錯体(モノマー:錯体モル比 100:1)を、試験管内の10mlの蒸留水中に溶解した。反応混合物を窒素ガスでパージし、重合を65℃で2時間実施した。得られた溶液を、回転蒸発器を使用して濃縮乾固し、アセトンおよびpetエーテルで洗浄し、DM-β-CDおよび未反応モノマーを除去した。ポリマーを、水性GPCによって特性決定し、その分子量を測定した。
Mn = 8,272
不飽和含有量 = 1.45モル%
FTIR(クロロホルム):702cm-1 AMSDのモノ置換ベンゼン;1494、1600cm-1 AMSDのベンゼン環;1624cm-1 AMSDのビニル基、3100cm-1、1640cm-1 AMの。
1H NMR(CDCl3):4.78δ、5.15δ AMSDのC=CH2;7.2〜7.4δ AMSDのフェニル環。
【0018】
実施例7
この実施例は、p(アクリルアミド)、即ち、p(AM)のAMSD-DM-β-CD錯体の存在下での3時間の反応時間を有する調製を示す。
1g(0.0141モル)のアクリルアミド、0.010gの過硫酸カリウム(モノマー基準で10質量%)および0.2207gのAMSD-DM-β-CD錯体(モノマー:錯体モル比 100:1)を、試験管内の10mlの蒸留水中に溶解した。反応混合物を窒素ガスでパージし、重合を65℃で3時間実施した。得られた溶液を、回転蒸発器を使用して濃縮乾固し、アセトンおよびpetエーテルで洗浄し、DM-β-CDおよび未反応モノマーを除去した。ポリマーを、水性GPCによって特性決定し、その分子量を測定した。
Mn = 10,851
不飽和含有量 = 1.35モル%
FTIR(クロロホルム):702cm-1 AMSDのモノ置換ベンゼン;1494、1600cm-1 AMSDのベンゼン環;1624cm-1 AMSDのビニル基、3100cm-1、1640cm-1 AMの。
1H NMR(CDCl3):4.78δ、5.15δ AMSDのC=CH2;7.2〜7.4δ AMSDのフェニル環。
【0019】
実施例8
この実施例は、p(N-ビニルピロリドン)、即ち、p(NVP)のAMSD-DM-β-CD錯体の存在下での調製を示す。
1g(0.009モル)のN-ビニルピロリドン、0.010gの2,2'-アゾビスアミジノプロパンジヒドロクロライド(モノマー基準で10質量%)および0.1129gのAMSD-DM-β-CD錯体(モノマー:錯体モル比 125:1)を、試験管内の10mlの蒸留水中に溶解した。反応混合物を窒素ガスでパージし、重合を65℃で6時間実施した。得られた溶液を、回転蒸発器を使用して濃縮乾固し、テトラヒドロフランおよびpetエーテルで洗浄し、DM-β-CDおよび未反応モノマーを除去した。ポリマーを、水性GPCによって特性決定し、その分子量を測定した。
Mn = 4,404
不飽和含有量 = 0.85モル%
FTIR(クロロホルム):702cm-1 AMSDのモノ置換ベンゼン;1494、1600cm-1 AMSDのベンゼン環;1624cm-1 AMSDのビニル基;1710cm-1 NVPのC=O。
1H NMR(CDCl3):4.78δ、5.15δ AMSDのC=CH2;7.2〜7.4δ AMSDのフェニル環;2.1〜2.2δ、2.5δ、3.5δ NVPのCH2
重合を、下記の表3に示すような種々の比率のモノマーとAMSD-DM-β-CD錯体を使用して実施した。
【0020】
比較例9
この実施例は、p(N-ビニルピロリドン)、即ち、p(NVP)のAMSD-DM-β-CD錯体の不存在下での調製を示す;即ち、直接AMSDを使用した。
1g(0.009モル)のN-ビニルピロリドン、0.010gの2,2'-アゾビスアミジノプロパンジヒドロクロライド(モノマー基準で10質量%)および0.0142gのAMSD(モノマー:AMSDモル比 150:1)を、試験管内の10mlの蒸留水中に溶解した。反応混合物を窒素ガスでパージし、重合を65℃で6時間実施した。得られた溶液を、回転蒸発器を使用して濃縮乾固し、petエーテルで洗浄し、未反応モノマーを除去した。ポリマーを、水性GPCによって特性決定し、その分子量を測定した。
Mn = 78,700
FTIR(クロロホルム):1710cm-1 NVPのC=O。
1H NMR(CDCl3):2.1〜2.2δ、2.5δ、3.5δ NVPのCH2
【0021】
実施例10
この実施例は、p(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸のNa塩)、即ち、p(NaAMPS)のAMSD-DM-β-CD錯体の存在下での調製を示す。
1g(0.0039モル)の2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸のNa塩、0.010gの2,2'-アゾビスアミジノプロパンジヒドロクロライド(モノマー基準で10質量%)および0.2497gのAMSD-DM-β-CD錯体(モノマー:錯体モル比 25:1)を、試験管内の10mlの蒸留水中に溶解した。反応混合物を窒素ガスでパージし、重合を65℃で6時間実施した。得られた溶液を、回転蒸発器を使用して濃縮乾固し、アセトンおよびpetエーテルで洗浄し、DM-β-CDおよび未反応モノマーを除去した。ポリマーを、水性GPCによって特性決定し、その分子量を測定した。
Mn = 21,110
不飽和含有量 = 2.9モル%
FTIR(クロロホルム):702cm-1 AMSDのモノ置換ベンゼン;1494、1600cm-1 AMSDのベンゼン環;1624cm-1 AMSDのビニル基;1350cm-1 AMPSのS=O;3000cm-1 AMPS のOH。
1H NMR(CDCl3):4.78δ、5.15δ AMSDのC=CH2;7.2〜7.4δ AMSDのフェニル環;1.51δ AMPSのCH3;3.35δ AMPSのSO3H。
重合を、下記の表4に示すような種々のモル比のモノマー対AMSD-DM-β-CD錯体を使用して実施した。
【0022】
実施例11
この実施例は、p(2-ジメチルアミノエチルメタクリレート)、即ち、p(DMAEMA)のAMSD-DM-β-CD錯体の存在下での調製を示す。
1g(0.0063モル)のDMAEMA、0.010gの過硫酸カリウム(モノマー基準で10質量%)および0.3991g相当量のAMSD-DM-β-CD錯体(モノマー:錯体モル比 25:1)を、試験管内の10mlの蒸留水中に溶解した。反応混合物を窒素ガスでパージし、重合を65℃で6時間実施した。得られた溶液を、回転蒸発器を使用して濃縮乾固し、petエーテルで洗浄し、未反応モノマーを除去した。ポリマーを、水性GPCによって特性決定し、その分子量を測定した。
Mn = 927
不飽和含有量 = 28.57%
FTIR(クロロホルム):702cm-1 AMSDのモノ置換ベンゼン;1494、1600cm-1 AMSDのベンゼン環;1624cm-1 AMSDのビニル基;1720cm-1 DMAEMAのC=O。
1H NMR(CDCl3):4.78δ、5.15δ AMSDのC=CH2;7.2〜7.4δ AMSDのフェニル環;2.3、2.65、4.3δ DMAEMAの。
重合を、下記の表5に示すような種々のモル比のモノマー対AMSD-DM-β-CD錯体を使用して実施した。
【0023】
実施例12
この実施例は、p(スチレンスルホン酸ナトリウムのNa塩)、即ち、p(NaSSA)のAMSD-DM-β-CD錯体の存在下での調製を示す。
1g(0.0048モル)のスチレンスルホン酸ナトリウムのNa塩、0.010gの2,2'-アゾビスアミジノプロパンヒドロクロライド(モノマー基準で10質量%)および0.1520gのAMSD-DM-β-CD錯体(モノマー:錯体モル比 50:1)を、試験管内の10mlの蒸留水中に溶解した。反応混合物を窒素ガスでパージし、重合を65℃で6時間実施した。得られた溶液を、回転蒸発器を使用して濃縮乾固し、アセトンおよびpetエーテルで洗浄し、DM-β-CDおよび未反応モノマーを除去した。ポリマーを、水性GPCによって特性決定し、その分子量を測定した。
Mn = 1054
不飽和含有量 = 1モル%
FTIR(クロロホルム):702cm-1 AMSDのモノ置換ベンゼン;1494、1600cm-1 AMSDのベンゼン環;1624cm-1 AMSDのビニル基;3000cm-1 NaSSAのOH;1350cm-1 NaSSAのS=O。
1H NMR(CDCl3):4.78δ、5.15δ AMSDのC=CH2;7.2〜7.4δ AMSDのフェニル環;7.15〜7.3δ NaSSAのフェニル環。
【0024】
実施例13
この実施例は、p(メタクリル酸)のAMSD-DM-β-CD錯体の存在下での光重合を使用しての調製を示す。
1g(0.0116モル)のメタクリル酸、0.1215gのAMSD-DM-β-CD錯体(モノマー:錯体モル比 150:1)および0.010gの2,2'-アゾビスイソブチルアミジンヒドロクロライドを、試験管内の10mlの蒸留水中に溶解した。反応混合物を窒素ガスでパージし、溶液をペトリ皿に注入し、光重合用のUVランプの下に15分間保った。その後、得られた粘性溶液をアセトン中で沈降させて、DM-β-CDおよび未反応モノマーを除去した。ポリマーを、水性GPCによって特性決定し、その分子量を測定した。
Mn = 1,35,565
不飽和含有量 = 0.55モル%
FTIR(クロロホルム):702cm-1 AMSDのモノ置換ベンゼン;1494、1600cm-1 AMSDのベンゼン環;1624cm-1 AMSDのビニル基;2900〜3200cm-1 MAのOH;1710cm-1 MAのC=O。
1H NMR(CDCl3):4.78δ、5.15δ AMSDのC=CH2;7.2〜7.4δ AMSDのフェニル環。
【0025】
実施例14
この実施例は、p(アクリルアミド)のAMSD-DM-β-CD錯体の存在下でのレドックス開始剤系を使用しての調製を示す。
1g(0.0141モル)のアクリルアミド、0.0175gの過硫酸カリウム、0.01235gのメタ重亜硫酸ナトリウム(sodium metabisulphite)および0.2207gのAMSD-DM-β-CD錯体(モノマー:錯体モル比 100:1)を、試験管内の10mlの蒸留水中に溶解した。反応混合物を窒素ガスでパージし、重合を30℃で5時間実施した。得られた溶液を、アセトン中で沈降させて、DM-β-CDおよび未反応モノマーを除去した。ポリマーを、水性GPCによって特性決定し、その分子量を測定した。
Mn = 6,120
不飽和含有量 = 1.23モル%
FTIR(クロロホルム):702 cm-1 AMSDのモノ置換ベンゼン;1494、1600 cm-1 AMSDのベンゼン環;1624 cm-1 AMSDのビニル基;3100cm-1、1640cm-1 AMの。
1H NMR(CDCl3):4.78δ、5.15δ AMSDのC=CH2;7.2〜7.4δ AMSDのフェニル環。
【0026】
実施例15
この実施例は、p(アクリルアミド)、即ち、p(AM)のAMSD-DM-β-CD錯体の存在下、50℃でのアゾビスイソブチルアミジンヒドロクロライド開始剤を使用しての調製を示す。
1g(0.0141モル)のアクリルアミド、0.010gのアゾビスイソブチルアミジンヒドロクロライド開始剤(モノマー基準で10 質量%)および0.4409gのAMSD-DM-β-CD錯体(モノマー:錯体モル比 50:1)を、試験管内の10mlの蒸留水中に溶解した。反応混合物を窒素ガスでパージし、重合を65℃で6時間実施した。得られた溶液を、回転蒸発器を使用して濃縮乾固し、アセトンおよびpetエーテルで洗浄し、DM-β-CDおよび未反応モノマーを除去した。ポリマーを、水性GPCによって特性決定し、その分子量を測定した。
Mn = 5,540
不飽和含有量 = 1.95モル%
FTIR(クロロホルム):702 cm-1 AMSDのモノ置換ベンゼン;1494、1600 cm-1 AMSDのベンゼン環;1624 cm-1 AMSDのビニル基;3100cm-1、1640cm-1 AMのアミド基。
1H NMR(CDCl3):4.78δ、5.15δ AMSDのC=CH2;7.2〜7.4δ AMSDのフェニル環。
【0027】
表1:AMSD-DM-β-CD錯体の存在下でのメタクリル酸の重合


表2:AMSD-DM-β-CD錯体の存在下でのアクリルアミドの重合


表3:AMSD-DM-β-CD錯体の存在下でのN-ビニルピロリドンの重合

【0028】
表4:AMSD-DM-β-CD錯体の存在下でのNa-アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸の重合


表5:AMSD-DM-β-CD錯体の存在下での2-ジメチルアミノエチルメタクリレートの重合

【0029】
本発明の利点は、以下のとおりである:
(1) AMSDは本来疎水性であるが、メチル化シクロデキストリンとのAMSDの内包錯体は、水性系中で連鎖移動剤として使用し得る。
(2) AMSD-DM-β-CD錯体は、ポリマーの分子量を有効に制御し、さらにまた、末端官能性をポリマーに与える。
(3) 不飽和マクロマーは、妥当な反応性を有し、共重合においてさらに使用し得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(Ax)Bを有する水溶性マクロモノマーであって、
式中、「A」は任意の水溶性ビニルモノマーであり、「x」は重合度であり、「B」は鎖末端のアルファ-メチルスチレンダイマー(AMSD)であることを特徴とする水溶性マクロモノマー。
【請求項2】
5〜100の範囲内にある、請求項1記載のマクロモノマーの重合度。
【請求項3】
使用するビニル不飽和を含有する親水性モノマーが、酸性、塩基性または中性である、請求項1記載のマクロモノマー。
【請求項4】
使用するビニル不飽和を含有する水溶性酸性モノマーが、アクリル酸、メタクリル酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸および4-スチレンスルホン酸からなる群から選択される、請求項1記載のマクロモノマー。
【請求項5】
使用するビニル不飽和を含有する水溶性酸性モノマーが、好ましくは、メタクリル酸および2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸から選択される、請求項1又は4記載のマクロモノマー。
【請求項6】
使用するビニル不飽和を含有する水溶性塩基性モノマーが、2-ジメチルアミノエチルメタクリレートおよび2-ジエチルアミノエチルメタクリレートから選択される、請求項1記載のマクロモノマー。
【請求項7】
使用する水溶性塩基性モノマーが、好ましくは、2-ジメチルアミノエチルメタクリレートである、請求項1又は6記載のマクロモノマー。
【請求項8】
使用するビニル不飽和を含有する水溶性中性モノマーが、アクリルアミド、N,N'-ジメチルアクリルアミド、t-ブチルアクリルアミドおよびN-ビニルピロリドンからなる群から選択される、請求項1記載のマクロモノマー。
【請求項9】
使用する水溶性中性モノマーが、好ましくは、アクリルアミドおよびN-ビニルピロリドンから選択される、請求項1又は8記載のマクロモノマー。
【請求項10】
式(Ax)B、
(式中「A」が任意の水溶性ビニルモノマーであり、「x」が重合度であり、「B」が鎖末端のアルファ-メチルスチレンダイマー(AMSD)である)を有する水溶性マクロモノマーの製造方法であって、以下の工程:
a) 等モル量の連鎖移動剤であるアルファ-メチルスチレンダイマー(AMSD)と錯化剤であるジメチル化ベータシクロデキストリン(DM-β-CD)を有機溶媒中に約24時間の撹拌下に溶解し、該反応混合物を濃縮して乾固させ、溶媒で洗浄して未反応連鎖移動剤(AMSD)を除去し、次いで、乾燥させてAMSD-DM-β-CD錯体を得る工程、
b) 前記AMSD-DM-β-CD錯体と水溶性ビニルモノマーをラジカル開始剤の存在下に水性媒質中に溶解し、前記ビニルモノマーを溶液重合法により20〜70℃の範囲の温度で重合させ、錯化剤(DM-β-CD)を含まない得られたポリマーを、非溶媒を使用することによって沈降および再沈降させ、その後、濾過し乾燥させて、所望の精製マクロモノマーを得る工程、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記錯体を調製する工程(a)において使用する有機溶媒が、メタノール、クロロホルムおよびテトラヒドロフランから選択される、請求項10記載の方法。
【請求項12】
得られるAMSD-DM-β-CD錯体中のAMSD対DMCDの比率が、約1:1である、請求項10記載の方法。
【請求項13】
重合工程(b)において使用するラジカル開始剤が、熱、レドックスまたは光開始剤である、請求項10記載の方法。
【請求項14】
重合において使用する熱開始剤が、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、アゾビスシアノ吉草酸および2,2'-アゾビスアミジノプロパンジヒドロクロライドからなる群から選択される、請求項10又は13記載の方法。
【請求項15】
重合において使用する熱開始剤が、好ましくは、過硫酸カリウムおよび2,2'-アゾビスアミジノプロパンジヒドロクロライドから選択される、請求項10又は14記載の方法。
【請求項16】
重合において使用するレドックス開始剤が、メタ重亜硫酸ナトリウム-過硫酸カリウムおよび亜硫酸ナトリウム-過硫酸カリウムから選択される、請求項10又は13記載の方法。
【請求項17】
重合において使用する光開始剤が、好ましくは、2,2'-アゾビスアミジノプロパンジヒドロクロライドである、請求項10又は16記載の方法。

【公表番号】特表2009−531514(P2009−531514A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−502335(P2009−502335)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【国際出願番号】PCT/IN2007/000125
【国際公開番号】WO2007/110882
【国際公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(508176500)カウンシル オブ サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ (27)
【Fターム(参考)】