説明

本人確認書類および製造方法

本発明は、不透明コア(6)と、前記コアの少なくとも裏面(13)または前面(12)に配置された透明材料の1つ以上の層(14)と、を含む本人確認書類(21)に関する。偽造の試みが視覚的に検出可能な本人確認書類を実現するために、本人確認書類(21)は、不透明コア(6)材料の厚みが、前記コア(6)のその他の部分の不透明コア材料の厚みと比較してより薄い領域(7)に、半透明セキュリティ要素を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本人確認書類に関し、より具体的には、偽造をますます困難にする、このような書類のセキュリティ要素に関する。
【背景技術】
【0002】
本人確認書類は、その書類において必要とされる情報が、例えばレーザー刻印または印刷によって書類に記載されている、多層書類として製造される。このようにして、書類の外面上ではなく、書類の奥深くの書類が分解されないと到達され得ない層上に情報が位置するように、必要な情報を備える書類を提供することが可能である。本人確認書類は通常、1つ以上の透明表面層によって包囲された不透明コアからなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
偽造を回避するために、書類は、書類を分解することが不可能となるような方法で、製造される。しかしながら、何らかの理由により偽造者が本人確認書類を分解できる場合には、本人確認書類は、偽造が可視マークにより確実に検出されるようにする構造を有する必要がある。
【0004】
本発明の目的は、偽造を視覚的に検出する可能性の改善を提供する、新しいタイプのセキュリティ要素を備える本人確認書類を提供することである。別の目的は、このような本人確認書類を製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これらの目的は、独立請求項1による本人確認書類、および独立請求項11による方法を用いて、実現される。
【0006】
本発明において、不透明材料のコアは、前記コアの別の部分の不透明コア材料の厚みと比較して不透明コア材料の厚みが薄い領域に、半透明セキュリティ要素が設けられている。このようにして、書類の偽造は、半透明セキュリティ要素のため、前記領域において視覚的に検出される。
【0007】
本発明の好適な実施形態は、従属請求項に開示される。
【0008】
以下において、本発明は、例示および以下の添付図面の参照によって、より詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本人確認書類の第一の実施形態を示す図である。
【図2】本人確認書類の第二の実施形態を示す図である。
【図3】本人確認書類の第三の実施形態を示す図である。
【図4】本人確認書類の第四の実施形態を示す図である。
【図5】本人確認書類の第五の実施形態を示す図である。
【図6】本人確認書類の第六の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本人確認書類1の第一の実施形態を示す。本人確認書類は、個人の身分証明書、運転免許証、パスポートの情報ページ、銀行のキャッシュカード、クレジットカード、または偽造を防止するための安全な構造を有する必要のあるその他いずれかの類似の本人確認書類であってもよい。
【0011】
図1の例において、本人確認書類には、本人確認書類の持ち主(所有者)の写真2、および本人確認書類に記載された個人データ等の情報3が、設けられている。全ての実施形態において必ずしもそうとは限らないが、この例において、本人確認書類には、データを収容するマイクロチップ4、ならびにマイクロチップ4と外部装置との間の非接触通信を容易にするためにマイクロチップに接続されたアンテナコイル5も、設けられている。
【0012】
本人確認書類は、互いに重ね合わせられた1つ以上の層で構成されてもよい、不透明コア6を含む。コア6の上面および下面は、透明材料で被覆されている(図2から図4に示される)。一代替案は、マイクロチップ4およびアンテナ5をコア6の不透明材料内に封入し、これらがコアの上面および下面に配置された透明材料層を通じて見えないようにすることである。
【0013】
本人確認書類1に設けられた写真2および情報3は、好ましくは本人確認書類1の外面上には配置されず、本人確認書類の別のいずれかの層上または層内に配置される。一代替案は、写真および情報が、例えばレーザー刻印または印刷によってコア6の上面または下面上に配置されることである。各層が写真2および/または情報3の一部のみを含むように、写真および情報がいくつかの異なる層上に配置されることも、可能である。写真および/または情報は、透明材料上に配置されることも可能であろう。いずれの場合も、写真および情報は、情報を読み取りやすく、不透明コア6によって提供される背景に対して写真を観察しやすくするような方式で、配置されるべきである。国際規格は、本人確認書類が最小限の不透過率を有する必要があると規定している。図示される実施形態において、この要件は、コア6において使用される不透明材料によって満たされている。
【0014】
本人確認書類を製造するために使用される異なる層は好ましくは、あるものは透明であってもよく、あるものは炭化されていてもよく、またあるものは着色されていてもよい、ポリカーボネート(PC)層などのプラスチック層である。ポリカーボネート層は、その間で追加接着層を用いることなく、互いに接合されることが可能である。しかしながら、その他の材料の場合には、追加接着層は、積層が行われる前に材料層の間に配置されてもよい。層は、例えば高温および高圧での積層によって、互いに接合される。これは、偽造者が偽造目的のために層を互いに剥離することによって本人確認書類を分解することが困難であるような方式で、異なる層が互いに恒久的に接合されている、本人確認書類を得ることを可能にする。
【0015】
しかしながら、偽造の試みがなされた場合に本人確認書類上に可視マークが確実に残るようにするために、本人確認書類1は、領域7に半透明セキュリティ要素が設けられている。この関連において、半透明セキュリティ要素とは、本人確認書類の少なくとも1つの面(前面または裏面)から視認者によって視覚的に認められることが通常は不可能なセキュリティ要素を指す。しかしながら、背面照明で見ると、セキュリティ要素は、領域7を透過する光によって、この少なくとも1つの面からも視認可能である。このような半透明セキュリティ要素は、偽造者が(既存の本物の本人確認書類のデータを変更する代わりに)新たな原材料から偽造本人確認書類を作成を試みた場合に、製造することも非常に困難である。
【0016】
図1において、半透明セキュリティ要素は、領域7に位置している。この領域において、コア6の不透明コア材料の厚みは、コア6の別の部分の不透明コア材料の厚みと比較して、薄くなっている。このため、本人確認書類1の前面が通常照明条件で目視されたとき、領域7には特に変わったものは見られない(この領域には、コア材料のみが見られる)。しかしながら、本人確認書類1の裏面を照らすためにランプが配置されたときなど、背面照明条件においては、半透明セキュリティ要素は、図1の右側に示されるように、本人確認書類1の前面から視覚的に認められることが可能である。偽造を試みた場合、半透明セキュリティ要素の形状は損傷しており、これは、観察しているときに単に本人確認書類をランプにかざすことによって偽造の試みを視覚的に検出することを、可能にする。
【0017】
半透明セキュリティ要素は単純に、例えば数字、文字、記号など、所定の形状を有する前記領域7で構成されてもよい。図1の場合には、この領域は丸みを帯びた矩形の形状を有しているのがわかる。しかしながら、この領域に不透明要素を設けることも、可能である。図1の例において、領域7には、本人確認書類の持ち主の写真からなる不透明要素8が設けられている。「不透明」という用語はこの関連において、半透明セキュリティ要素よりも透明度の低い要素を指す。この写真は、例えば印刷またはレーザー刻印によって、領域内に設けられていてもよい。したがって、背面照明で見たとき、不透明要素8は、本人確認書類の領域7において、半透明セキュリティ要素によって包囲されているように見える。このようなソリューションの利点は、持ち主の写真などの不透明要素が本人確認書類の材料の非常に深い部分に配置され得ることであり、これによって、偽造に関連してこれを操作するために写真に到達することを、さらに困難にする。不透明要素はまた、いくつかの材料層にレーザー刻印されている写真などの、三次元要素であってもよい。このようなソリューションは、互いに重ね合わせられた、レーザー刻印に適している、場合によってはレーザー刻印に適していない層によって分離された、いくつかの層を有することによって達成されてもよい。
【0018】
(先行技術によるソリューションのように)通常照明条件において視認可能なように持ち主の写真の第一複製を配置し、この同じ写真の第二複製を本人確認書類の材料の深部の不透明要素8として半透明セキュリティ要素内に配置することは、偽造をさらに困難にする。このようなソリューションにおいて、写真の両方の複製は同時に視認されることが可能であり、偽造によるいかなる可視マークも非常に検出されやすい。
【0019】
図2は、本人確認書類の第二の実施形態を示す。図2の実施形態は、図1に関連して説明されたものと非常によく似ている。したがって、図2の実施形態は、主にこれら実施形態の違いを参照することによって説明される。
【0020】
図2は、縁から見た本人確認書類を示しており、本人確認書類11の厚みは、本人確認書類11の内部構造を示すために、大いに誇張されている。
【0021】
このケースにおいても、不透明コア6の前面12および裏面13には、透明材料の1つ以上の層14が設けられている。マイクロチップ4およびアンテナ5は、不透明コアに封入されていてもよい。この例において、写真2および情報3はコア6の前面12上に設けられており、加えて、情報3はコア6の裏面13にも設けられている。
【0022】
不透明コア6材料の厚みがコア6のその他の部分の不透明コア材料の厚みと比較してより薄い、半透明セキュリティ要素を備える領域7は、図2に明示されている。この領域に設けられている空洞15は、図1に示される写真のような不透明要素8、あるいは印刷またはレーザー誘起マーキングを収容する。空洞15は、図示されるようにコア6の裏面13に形成されてもよく、あるいは前面14に形成されてもよい。不透明要素8はまた、その他の実施形態と同じように配置されてもよい。当然ながら、その他のタイプの不透明要素もまた、この領域7において使用されることが可能である。一旦図2の上面が背面照明(図2において下方から空洞15を照らすように配向されている光)において目視されると、本人確認書類11の上面から、不透明要素8が半透明セキュリティ要素によって包囲されているのがわかる。
【0023】
図2の本人確認書類11は、不透明コア6をまず作成することによって製造され得る。これは、複数の層を互いに重ね合わせること、および層を互いに積層することによって、実行されることが可能である。マイクロチップおよびアンテナは、いくつかの層の間に配置されてもよい。積層は、高温で、および互いに接近させるように層を押す道具を用いて、実行されることが可能である。道具は、積層中に層のうちのいくつかに貫通し、これらの層の材料に空洞15を「押し開ける」、突起部を有してもよい。あるいは、空洞は、積層中の層内へのいかなる道具の貫通も必要としないその他の何らかの方法で形成されてもよく、これはアンテナおよびマイクロチップが層の間に配置されている場合に有利であろう。一旦不透明コア6が形成されると、1つ以上の透明層が、コアの裏面13および前面12の上に配置され、第二積層が実行される。
【0024】
あるいは、たった1つの積層ステップを用いて本人確認書類を製造するために、コア6の層のうちのいくつかは、層が互いに重ね合わせられる前に、すでに層を切断するサイズの空洞15を備える穴を有してもよく、この場合、これらの穴は積層前に空洞15を形成するために互いに重ね合わせられる。この場合、やはり透明層14は、唯一の積層ステップに先立って、コア6の裏面13および前面12に配置される。
【0025】
コア6内に形成された空洞15は、透明層14がコア6に接合される前に、適切な透明プラスチック材料などの適切な材料で満たされていてもよい。この関連において、透明とは、不透明コア材料の材料よりも低い不透過率を有する材料を指し、これは本人確認書類の別の部分よりも領域7において本人確認書類をより半透明にする。
【0026】
あるいは、空洞6を空のままにすることも可能であり、この場合、問題の材料は部分的に溶融して空洞内に流入する傾向があるので、積層中にコア6の透明材料14または不透明材料で少なくとも部分的に満たされてもよい。このような場合、本人確認書類の製造が一旦完了したら、「空の」空洞が空気(またはその他の気体)で少なくとも部分的に満たされることが可能である。例えば適切な温度および圧力を選択することによって、積層中に溶融して空洞内に流入する材料で空洞が完全に満たされることを保証することは、有利であろう。
【0027】
半透明セキュリティ要素内に位置する不透明要素8はまた、マイクロチップ4またはアンテナ5の一部で構成されてもよい。そのような場合には、マイクロチップ4またはアンテナ5は、空洞15内に配置された透明材料を通じて目視されてもよい。
【0028】
図3は、本人確認書類21の第三の実施形態を示す。図3の実施形態は、図1および図2に関連して説明されたものと非常によく似ている。したがって、図3の実施形態は、主にこれらの実施形態の違いを参照することによって説明される。
【0029】
図3の実施形態において、コア6のその他の部分の不透明コア材料の厚みと比較すると、不透明コア材料の厚みがより薄い領域7と同じ、本人確認書類21の部分に可視セキュリティ要素22が位置している。この関連において、「本人確認書類の同じ部分」とは、前記領域7内に配置された空洞15の下、上、または中に可視セキュリティ要素22が配置されるソリューションを指す。この関連において、「可視セキュリティ要素」とは、偽造者にとってその複製を製造することを非常に困難にする特性を備える、セキュリティ要素を指す。
【0030】
この例において、可視セキュリティ要素22は、CLI(可変レーザー画像)またはMLI(多重レーザー画像)である。セキュリティ要素22は、実際には本人確認書類21の下面内のパターン(不規則面)として実装されるレンズと、空洞15内に配置された材料にレーザー刻印によって形成されるパターン(図形、文字列、またはその組み合わせ)とを含む。空洞15内の材料は、例えば透明な炭化ポリカーボネートで構成されてもよい。
【0031】
CLIおよびMLIの両方の特性は、セキュリティ要素が目視される方向に応じて、セキュリティ要素が異なって見えることである。一代替案は、矢印Aによって示される方向からセキュリティ要素が目視されたときに一連の数字「12345678」が見え、その一方で矢印Bによって示される方向からセキュリティ要素が目視されたときに文字列「FIN」が見えるというものである。
【0032】
したがって、図3の実施形態において、可視セキュリティ要素22は、通常照明条件(背面照明なし)の間に下面を観察しているとき、本人確認書類の下面23から見える。しかしながら、この実施形態において、不透明要素8は、コア6の不透明材料内に配置されている。不透明要素8の類似の配置もまた、別の実施形態において実現されてもよい。したがって、この不透明要素8は、通常照明条件において、本人確認書類の下面23から、または上面24からは見えない。しかしながら、一旦上面24が背面照明条件(下面が照らされる)で目視されると、領域7の半透明セキュリティ要素および不透明要素8は、上面24から視認可能となる。同様に、一旦下面23が背面照明条件(上面が照らされる)で目視されると、不透明要素8は下面から視認可能となる。
【0033】
図4は、本人確認書類31の第四の実施形態を示す。図4の実施形態は、図1からず図3に関連して説明されたものと非常によく似ている。したがって、図4の実施形態は、主にこれらの実施形態の違いを参照することによって説明される。
【0034】
図4において、空洞15は、コア6の裏面13および前面12を形成する不透明コア6材料によって封入されている。したがって、通常照明条件において本人確認書類の下面23または上面24が目視されても、空洞15は見えない。空洞が透明材料で、言い換えるとコア6で使用される材料よりも低い不透過率を有する材料で満たされている場合には、コアは実際には空洞ではなく、代わりに不透過率の低い前記透明材料を封入する。
【0035】
図4の実施形態において、不透明要素8は、コアの前面12を被覆している透明材料14内に配置されている。代替案として、要素8は、コア8の裏面13を被覆している不透明材料14内に、または領域7のこれらの箇所の間のどこかに、配置されることが可能である。
【0036】
図5は、本人確認書類の第五の実施形態を示す。図5の実施形態は、図4に関連して説明されたものと非常によく似ている。したがって、図5の実施形態は、主にこれらの実施形態の違いを参照することによって説明される。
【0037】
図5において、コア46は、コア46の実質的に全域を被覆している、透明材料の追加層42を含む。したがって、コア46で使用される全材料は不透明である必要はなく、むしろコア全体が必要最小限の不透過率を有することが保証されている限り、コア46内に1つ以上の透明層42を含むことも可能である。この実施形態においても、コア46のその他の部分の不透明コア材料の厚みと比較して、この領域で不透明コア材料の厚みがより薄いことを保証するために、半透明セキュリティ要素の領域7において空洞15が使用されている。
【0038】
図6は、本人確認書類の第六の実施形態を示す。図6の実施形態は、図2に関連して説明されたものと非常によく似ている。したがって、図6の実施形態は、主にこれらの実施形態の違いを参照することによって説明される。
【0039】
図6の実施形態において、空洞15は、コア6の残部よりも半透明度の高い材料52で満たされているが、しかしこれはコアの前面12および裏面13で使用される材料14ほど透明ではない。したがって、材料52の不透過率は、透明材料14とコア6の材料の不透過率の間である。
【0040】
図6に示される実施形態において、印刷またはレーザー誘起マーキングなどの不透明セキュリティ要素8は、空洞の底部に配置されている。しかしながら、このマーキングは、代わりに材料52内に完全に埋め込まれてもよく、言い換えると図示されている例よりも裏面13に近くてもよい。
【0041】
図6の実施形態において、不透明セキュリティ要素8は、本人確認書類51の片側から(図6の下方から)の背面照明の方が、別の側から(図6の上方から)よりも見やすい。
【0042】
上記の説明および添付図面は単に本発明を図解することを目的としていることは、理解されるべきである。本発明の範囲を逸脱することなく本発明が変更および修正され得ることは、当業者にとって明らかとなるだろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本人確認書類(1、11、21、31、41、51)であって、
不透明コア(6、46)と、
前記コアの少なくとも裏面(13)または前面(12)に配置された1つ以上の透明材料の層(14)と、を含み、
本人確認書類(1、11、21、31)は、不透明コア(6、46)材料の厚みが前記コア(6、46)のその他の部分の不透明コア材料の厚みと比較してより薄い領域(7)に半透明セキュリティ要素を有することを特徴とする、本人確認書類。
【請求項2】
前記コア(6)が、前記領域(7)に、前記コア(6)の前記裏面(13)または前面(12)に形成された空洞(15)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の本人確認書類(1、11、21、51)。
【請求項3】
前記空洞(15)が、前記不透明コア(6)材料よりも低い不透過率を有する材料で満たされていることを特徴とする、請求項2に記載の本人確認書類(1、11、21、51)。
【請求項4】
前記コア(6、46)が、前記領域(7)に、空洞(15)、または前記コア(6、46)の前記裏面(13)および前面(12)を形成している前記不透明コア材料によって封入された前記不透明コア(6、46)材料よりも低い不透過率を有する材料を含むことを特徴とする、請求項1に記載の本人確認書類(31、41)。
【請求項5】
前記空洞(15)が、コア(6)の残部よりも透明であるが、しかし前記コアの少なくとも裏面(13)または前面(12)上に配置された前記透明材料の1つ以上の層(14)ほど透明ではない材料(51)で満たされていること、ならびに前記空洞(15)が、前記半透明セキュリティ要素よりも透明度の低いマーキング(52)で構成されているセキュリティ要素(8)を含むことを特徴とする、請求項2から4の一項に記載の本人確認書類(51)。
【請求項6】
前記コア(6、46)または前記透明材料の1つ以上の層(14)には、前記領域(7)と同じ本人確認書類の部分に位置する不透明要素(8)が設けられていることを特徴とする、請求項1から5の一項に記載の本人確認書類(1、11、21、31、41、51)。
【請求項7】
前記本人確認書類には、前記領域(7)と同じ本人確認書類(21)の部分に位置する可変レーザー画像または多重レーザー画像(22)が設けられていることを特徴とする、請求項1から6の一項に記載の本人確認書類(21)。
【請求項8】
前記不透明要素が、前記本人確認書類内に位置するマイクロチップ(4)またはアンテナ(5)の一部であることを特徴とする、請求項1から6の一項に記載の本人確認書類。
【請求項9】
前記半透明セキュリティ要素が、所定形状を有する前記領域(7)、または各々が所定形状を有する複数の類似領域(7)からなることを特徴とする、請求項1から5の一項に記載の本人確認書類。
【請求項10】
半透明セキュリティ要素を備える前記領域(7)が、前記半透明セキュリティ要素よりも半透明度の低いマーキングからなるセキュリティ要素(8)を含むことを特徴とする、請求項1から9の一項に記載の本人確認書類。
【請求項11】
コア(6、46)は、不透明コア材料の厚みが、前記コア(6、46)のその他の部分の不透明コア材料の厚みと比較してより薄い領域(7)を含むように、不透明材料で製造され、
透明材料の1つ以上の層(14)は、前記コア(6、46)の少なくとも前面(12)または裏面(13)に配置されていることを特徴とする、本人確認書類(1、11、21、31、41、51)を製造する方法。
【請求項12】
前記コアの前記製造が、
前記コア(6、46)に空洞(15)を設けるステップと、
前記裏面および前面上への1つ以上の透明材料の層(14)の前記配置に先立って、前記空洞(15)を、前記不透明コア(6、46)材料よりも低い不透過率を有する材料で満たすステップと、を含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記方法が、前記本人確認書類(1、11、21、31、41、51)に、前記領域(7)と同じ本人確認書類の部分の不透明材料の要素(8)を設けるステップを含むことを特徴とする、請求項9または10に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−510737(P2013−510737A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538323(P2012−538323)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【国際出願番号】PCT/EP2010/067206
【国際公開番号】WO2011/058054
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(504326572)ジエマルト・エス・アー (31)
【Fターム(参考)】