説明

本人確認管理装置、本人確認管理システム、本人確認管理方法、及び本人確認管理プログラム

【課題】オペレータと顧客とが共謀することによる不正を行う余地を減少させることができる。
【解決手段】本人確認管理装置としてのコールセンタサーバ50は、第2の通信装置を用いて通話する通話者の本人確認を実施する場合に、第2の通信装置と呼を確立している第1の通信装置以外の任意の他の第1の通信装置を選定する本人確認装置選定機能としての転送先オペレータ選定機能64と、転送先オペレータ選定機能64が選定した他の第1の通信装置の表示装置に、他の第1の通信装置の操作者に通話者の本人確認の実施を通知する本人確認通知画面を表示させる本人確認実施通知機能65と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コールセンタなどにおける電話による本人確認業務を管理する、本人確認管理装置、本人確認管理システム、本人確認管理方法、及び本人確認管理プログラムに関し、特に、コールセンタにおける本人確認業務を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
顧客からの電話を介した取引に直接対応すると共に、コンピュータを用いて当該取引に関する取引処理を実施するオペレータが配属する組織及び施設として、コールセンタが広く知られている。
【0003】
オペレータが顧客から受けた取引処理は、承認者に取引処理の承認を受ける必要があり、オペレータは、取引処理の承認を受けるために、当該取引処理を承認者に渡し、承認者が当該取引処理の承認を行う。ここで、オペレータが特定の承認者に対して取引処理を渡す場合には、オペレータと承認者とが共謀することで、不正な取引処理の承認を受けることができる。
【0004】
そのため、従来、オペレータと承認者とが共謀することで、不正な取引処理の承認を受けることを防止するために、オペレータが承認者に対して取引処理を渡す際に、システムでランダムに承認者を決定し、決定した任意の承認者に取引処理を渡す技術があった(引用文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−323550号公報(段落0006、0007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、引用文献1に記載される技術では、オペレータと承認者とが関与するコールセンタ内での共謀の防止を行えるが、共謀を防止する範囲がコールセンタ内に限定されている。そのため、オペレータが、コールセンタ外の顧客と共謀することで不正を行う余地があった。
【0007】
例えば、取引処理の冒頭で必要となる顧客の本人確認業務において、顧客が暗証番号の入力を行う場合を考える。通常、本人確認を実施される顧客は、「一定期間内(例えば、通話中、数日、数ヶ月等)」に数回間違って暗証番号を入力することが想定されており、本人確認業務は、顧客が心当たりのある番号を何度か試しに入力し、入力した暗証番号の正誤を把握することにより行われる。
【0008】
ここで、取引処理を行う正規顧客になりすまして取引処理を行う立場にない非正規顧客が取引処理を行おうとする場合、正規顧客と非正規顧客との関係が、介護者と被介護者の関係、家族・親戚内の関係、同居人の関係等であれば、非正規顧客は正規顧客の暗証番号を類推、または把握したうえで、正規顧客になりすまして暗証番号の試し入力を行い、結果的に正規顧客の正しい暗証番号を知ることができる可能性がある。可能性があるとしたのは、上記説明した通り、本人確認業務が「一定期間内」に行われるのが通常であるから、非正規顧客が、一定期間内に、正規顧客の正しい暗証番号を知ることは容易でないためである。
【0009】
しかしながら、さらに、非正規顧客と共謀する悪意のオペレータがコールセンタ内に仮にいる場合、非正規顧客に一定期間を超えて、暗証番号(本人確認情報)の入力を行わせることが可能であり、非正規顧客が、なりすました正規顧客の正しい暗証番号(本人確認情報)を知ることが可能な状況があるという問題があった。
【0010】
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、オペレータと顧客とが共謀することによる不正を行う余地を減少させることができる、本人確認管理装置、本人確認管理システム、本人確認管理方法、及び本人確認管理プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するため、本発明に係る本人確認管理装置は、通話装置及び表示装置を備える複数の第1の通信装置と接続され、前記第1の通信装置と呼を確立する第2の通信装置を用いて通話する通話者の本人確認の実施を管理する本人確認管理装置であって、前記通話者の本人確認を実施する場合に、前記第2の通信装置と呼を確立している前記第1の通信装置以外の任意の他の第1の通信装置を選定する本人確認装置選定機能と、前記本人確認装置選定機能が選定した前記他の第1の通信装置の表示装置に、当該他の第1の通信装置の操作者に前記通話者の本人確認の実施を通知する本人確認通知画面を表示させる本人確認実施通知機能と、を備えることを特徴とする。
この本人確認実施通知機能は、前記他の第1の通信装置の表示装置に本人確認通知画面を表示させる場合に、さらに、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との間の呼の確立に代えて、当該他の第1の通信装置の通話装置と前記第2の通信装置との間で呼を確立させるようにすることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る本人確認管理装置は、前記第2の通信装置との間で呼を確立した前記他の第1の通信装置の通話装置を用いた本人確認が完了したことを示す本人確認完了情報を取得し、前記第1の通信装置の表示装置に、当該第1の通信装置の操作者に前記通話者の本人確認の完了を通知する本人確認完了通知画面を表示させる本人確認結果管理機能をさらに備える、ことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る本人確認管理システムは、前記本人確認管理装置と、前記第1の通信装置及び前記第2の通信装置に通信可能に接続される音声応答装置と、を備える本人確認管理システムであって、前記音声応答装置は、前記通話者の本人確認を前記他の第1の通信装置の操作者の指示に基づいて自動で実行する本人確認チェック機能を備え、本人確認完了情報は、前記音声応答装置又は前記他の第1の通信装置から得られる情報である、ことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る本人確認管理方法は、通話装置及び表示装置を備える複数の第1の通信装置と接続され、前記第1の通信装置と呼を確立する第2の通信装置を用いて通話する通話者の本人確認の実施を管理する本人確認管理装置に用いる本人確認管理方法であって、前記通話者の本人確認を実施する場合に、前記第2の通信装置と呼を確立している前記第1の通信装置以外の任意の他の第1の通信装置を選定し、前記選定した他の第1の通信装置の表示装置に、当該他の第1の通信装置の操作者に前記通話者の本人確認の実施を通知する本人確認通知画面を表示させる、ことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る本人確認管理プログラムは、通話装置及び表示装置を備える複数の第1の通信装置と接続され、前記第1の通信装置と呼を確立する第2の通信装置を用いて通話する通話者の本人確認の実施を管理する本人確認管理装置に用いる本人確認管理方法を実行するための本人確認管理プログラムであって、前記通話者の本人確認を実施する場合に、前記第2の通信装置と呼を確立している前記第1の通信装置以外の任意の他の第1の通信装置を選定する本人確認装置選定プログラムと、前記選定した他の第1の通信装置の表示装置に、当該他の第1の通信装置の操作者に前記通話者の本人確認の実施を通知する本人確認通知画面を表示させる本人確認実施通知プログラムと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、オペレータと顧客とが共謀することによる不正を行う余地を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態に係るコールセンタの構成図である。
【図2】第1実施形態に係る音声応答装置の機能構成図である。
【図3】第1実施形態に係るコールセンタサーバの機能構成図である。
【図4】第1実施形態に係るコールセンタサーバに格納される本人確認実施状況管理テーブルの構成図である。
【図5】第1実施形態に係るコールセンタを用いた顧客の本人確認処理のシーケンス図である。
【図6】第1実施形態に係るコールセンタ内のオペレータが操作するパソコンに表示する画面イメージである。
【図7】第2実施形態に係るコールセンタの構成図である。
【図8】第2実施形態に係るコールセンタサーバの機能構成図である。
【図9】第2実施形態に係るコールセンタを用いた顧客の本人確認処理のシーケンス図である。
【図10】第2実施形態に係るコールセンタ内のオペレータが操作するパソコンに表示する画面イメージである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1実施形態]
≪第1実施形態に係るコールセンタの構成≫
図1を参照して、第1実施形態に係るコールセンタ100の構成を説明する。図1は、第1実施形態に係るコールセンタ100の構成図である。
【0019】
本人確認管理システムとしてのコールセンタ100は、通信ネットワーク2を介して顧客が所有する第2の通信装置としての顧客用電話機1に接続されている。本実施形態では、通信ネットワーク2として公衆電話網(PSTN:Public Switched Telephone Network)を想定して説明する。以下では、通信ネットワーク2を公衆電話網2と呼ぶ場合がある。
【0020】
また、コールセンタ100は、ネットワークを介して、銀行ホスト3に接続されている。銀行ホスト3は、顧客が電話を用いて、金融に関連する商品購入を希望する場合や、口座振込を希望する場合に、取引処理を行うアプリケーションサーバである。また、銀行ホスト3は、本人確認情報(暗証番号、口座番号等)が格納されている。本実施形態は、金融取引を想定しているために銀行ホスト3としているが、金融取引以外の取引処理を行うホストコンピュータをコールセンタ100に接続することもできる。
【0021】
コールセンタ100には、オペレータA,B,・・・(以下、単に「オペレータ」と呼ぶ場合がある)が配属される。また、コールセンタ100は、オペレータAが操作するオペレータ用通信装置10A、オペレータBが操作するオペレータ用通信装置10B、・・・(以下、単に「オペレータ用通信装置」と呼ぶ場合がある)と、交換機30と、音声応答装置40と、コールセンタサーバ50とを備えて構成する。
【0022】
<オペレータ用通信装置>
第1の通信装置としてのオペレータ用通信装置10は、通話装置としてのオペレータ用電話機7と、ヘッドセット6と、表示装置を含むパソコン(Personal Computer)8とを備えて構成する。
通話装置としてのオペレータ用電話機7は、顧客用電話機1との間で呼を確立し、顧客とオペレータとの通話を実現する装置である。ここで、コールセンタ100は、代表番号による外線着信を行っていることとし、外線着信をいずれのオペレータ用電話機7に接続するかは、コールセンタサーバ50のACD機能63(図3参照)が制御を行っている。また、オペレータ用電話機7同士で呼を確立し、オペレータ間で通話を行うこともできる。
ヘッドセット6は、オペレータ用電話機7に接続され、オペレータはヘッドセット6を頭部に装着して顧客との通話を行う。
【0023】
表示装置を含むパソコン8は、演算装置、入力装置(キーボード等)、表示装置(ディスプレイ)等を備える情報処理装置であり、構内LAN5を介して音声応答装置40及びコールセンタサーバ50に接続される。パソコン8は、オペレータの操作により、顧客の本人確認の実施の開始を指示する本人確認開始指示をコールセンタサーバ50に送信する。また、パソコン8は、音声応答装置40及びコールセンタサーバ50が送信する各種情報を受信し、表示装置に表示する。
【0024】
<交換機>
交換機30は、汎用される構内交換機(PBX:Private Branch Exchange)である。
交換機30は、コールセンタ100の代表番号に対して外線着信があった場合に、発信元(例えば、顧客用電話機1)から送信されるダイヤル信号をデジタル信号に変換し、コールセンタサーバ50に送信し、コールセンタサーバ50の指示に基づき、LSI(Large Scale Integration)で実現するスイッチで交換処理を行い、発信元(例えば、顧客用電話機1)と所定のオペレータ用電話機7との間で電話(呼)を確立する。
また、交換機30は、オペレータやコールセンタサーバ50の指示に基づき、あるオペレータ用電話機7の電話(呼)を他のオペレータ用電話機7や音声応答装置40に転送することにより、各装置間で電話(呼)を確立する。
【0025】
<音声応答装置>
図2を参照して、第1実施形態に係る音声応答装置40の構成を説明する。図2は、第1実施形態に係る音声応答装置40の機能構成図である。
音声応答装置40は、CPU(Central Processing Unit)及び周辺回路等で構成される制御部41を備える。制御部41は、図示しない記憶部に格納されるプログラムを展開し、実行することにより音声応答機能42と、本人確認チェック機能43とを実現する。以下では、音声応答装置40が実現する機能を説明する。
【0026】
(音声応答機能)
音声応答機能42は、オペレータの指示に基づき転送された顧客の電話に対して音声ガイダンスを流す。音声ガイダンスは、例えば、顧客の本人確認情報を、顧客用電話機1を用いて入力することを促すものである。音声ガイダンスに従い、顧客は、本人確認情報としての暗証番号を、トーン信号を用いて入力する。
【0027】
(本人確認チェック機能)
本人確認チェック機能43は、銀行ホスト3に格納されている暗証番号と比較することで、顧客が顧客用電話機1を用いて入力した本人確認情報としての暗証番号の正誤を判定する。本人確認チェック機能43は、本人確認を実施したオペレータが操作するパソコン8に、判定結果を表示するための判定結果情報を送信する。判定結果情報は、例えば、HTML(Hypertext Markup Language)形式のデータとして送信される。それにより、オペレータが操作するパソコン8の表示装置には、顧客が入力した暗証番号の判定結果がWeb画面として表示される。また、本人確認チェック機能43は、判定結果(本人確認完了情報)を、本人確認結果管理機能66に送信する。
【0028】
<コールセンタサーバ>
図3を参照して、第1実施形態に係るコールセンタサーバ50の構成を説明する。図3は、第1実施形態に係るコールセンタサーバ50の機能構成図である。
本人確認管理装置としてのコールセンタサーバ50は、HDD(Hard Disk Drive)等で構成される記憶部51と、CPU及び周辺回路等で構成される制御部61とを備える。
記憶部51には、本人確認実施状況が管理される本人確認実施状況管理テーブル52が格納される。
【0029】
(本人確認実施状況管理テーブル)
図4は、本人確認実施状況管理テーブル52の構成図である。
本人確認実施状況管理テーブル52(以下、省略して「管理テーブル52」と呼ぶ場合がある)は、オペレータが実施する顧客の本人確認実施状況が記憶される。管理テーブル52は、後記する本人確認実施状況管理機能67により書き込みや更新が行われ、コールセンタサーバ50内の機能から参照される。
【0030】
電話通番521の欄には、顧客用電話機1とオペレータ用電話機7との間で発生した呼を識別する識別情報が格納される。電話通番521は、例えば、年月日時分+顧客の電話番号で構成される。図4では、顧客用電話番号は、XXで表示されている。
通話オペレータID522の欄には、顧客と通話による取引を行うオペレータのID(Identification)が格納される。ここで、顧客と通話による取引を行うオペレータとは、顧客と通話による取引を行うために、顧客用電話機1との間で呼を確立するオペレータ用電話機7を操作するオペレータのことである。なお、顧客と通話による取引を行うオペレータは、「(転送)元のオペレータ」と呼ぶ場合がある。
【0031】
転送開始日時523の欄には、顧客の本人確認を実施する場合に、顧客の電話が、顧客と通話による取引を行うオペレータから、顧客の本人確認を実施する他のオペレータに転送される時刻が格納される。転送終了日時524の欄には、顧客の本人確認が実施され、顧客の電話が、顧客の本人確認の実施をする他のオペレータから顧客と通話による取引を行うオペレータに転送される時刻が格納される。
【0032】
本人確認実施オペレータID525の欄には、顧客の本人確認を行うオペレータのIDが格納される。ここで、顧客の本人確認を行うオペレータとは、顧客と通話による取引を行うために、顧客用電話機1との間で呼を確立したオペレータ用電話機7を操作するオペレータ以外のオペレータの内、顧客の本人確認の依頼を受け、依頼を了解した他のオペレータのIDが格納される。顧客の本人確認を行うオペレータは、「転送先オペレータ」と呼ぶ場合がある。
【0033】
本人確認開始日時526の欄には、他のオペレータが顧客の本人確認の実施を開始する時刻が格納される。本人確認終了日時527の欄には、他のオペレータが顧客の本人確認の実施を終了する時刻が格納される。
【0034】
制御部61は、記憶部51に格納される図示しない本人確認管理プログラムを展開し、実行することによりオペレータ状況管理機能62と、ACD(自動着信呼分配−Automatic Call Distributor)機能63と、転送先オペレータ選定機能64と、本人確認実施通知機能65と、本人確認結果管理機能66と、本人確認実施状況管理機能67とを実現する。以下では、制御部61が実現する各機能を説明する。
【0035】
(オペレータ状況管理機能)
オペレータ状況管理機能62は、オペレータの稼動状況(例えば、「通話中」、「待機中」など)を常時把握しており、オペレータ状況管理機能62以外の他の機能が、電話を転送するために特定のオペレータの状況を変更したい場合や、オペレータの状況を知りたい場合に、オペレータ状況管理機能62に対して通知や問い合わせを行う。そして、オペレータ状況管理機能62は、通知や問い合わせに対して、オペレータの稼動状況を変更し、オペレータの稼動状況を回答する。
【0036】
(ACD機能)
ACD機能63は、コールセンタ100の代表番号に外線着信があった場合に、オペレータ状況管理機能62に問い合わせを行い、発信元(例えば、顧客用電話機1)からの電話(呼)を、稼動状況が「待機中」のオペレータの中から待ち時間の長いオペレータへ配分するように交換機30に指示する。また。ACD機能63は、呼を配分したオペレータをオペレータ状況管理機能62に通知する。そして、オペレータ状況管理機能62は、通知を受けたオペレータの稼働状況を「待機中」から「通話中」に変更する。
【0037】
(転送先オペレータ選定機能)
転送先オペレータ選定機能64は、顧客の本人確認を実施するオペレータの選定を行う。例えば、転送先オペレータ選定機能64は、電話を介して顧客と取引を行っているオペレータのパソコン8から、顧客の本人確認の実施の開始を指示する本人確認開始指示を受信した場合に、オペレータ状況管理機能62に問い合わせを行い、稼働状況が「待機中」のオペレータの中から任意のオペレータを選定する。ここで、顧客と取引を行っているオペレータは、顧客と通話を行っている最中なので、選定されることはない。そして、転送先オペレータ選定機能64は、選定したオペレータを、本人確認実施通知機能65に通知する。
【0038】
(本人確認実施通知機能)
本人確認実施通知機能65は、転送先オペレータ選定機能が選定したオペレータに対して、顧客の本人確認の実施を通知(依頼)する。例えば、本人確認実施通知機能65は、選定したオペレータのパソコン8に対して、顧客の本人確認の実施を通知(依頼)する情報である本人確認通知情報を送信する。本人確認通知情報は、例えば、HTML(Hypertext Markup Language)形式のデータとして送信される。それにより、選定したオペレータが操作するパソコン8には、本人確認通知情報がWeb画面として表示される。
【0039】
また、本人確認実施通知機能65は、選定したオペレータのパソコン8から、顧客の本人確認の実施の依頼を承諾したか否かの依頼結果を示す情報である本人確認依頼結果情報を受信する。本人確認実施通知機能65は、本人確認依頼結果情報の内容が依頼を承諾するものであった場合に、電話を介して顧客と取引を行っているオペレータが操作するオペレータ用電話機7を保留状態にすること、及び顧客の電話を選定したオペレータのオペレータ用電話機7に転送することを交換機30に指示する。
【0040】
一方、本人確認実施通知機能65は、本人確認依頼結果情報の内容が依頼を承諾しないものであった場合に、転送先オペレータ選定機能64に対して、再度別のオペレータを選定することを指示し、再度選定したオペレータのパソコン8に対して、顧客の本人確認の実施を通知(依頼)する情報である本人確認通知情報を送信する。以後、選定したオペレータが顧客の本人確認の実施依頼を承諾するまで、オペレータの選定及び通知(依頼)を繰り返し行う。
【0041】
(本人確認結果管理機能)
本人確認結果管理機能66は、本人確認チェック機能43から顧客の本人確認の判定結果(本人確認完了情報)を受信する。そして、本人確認結果管理機能66は、顧客の電話を、保留状態にしていた転送元のオペレータのオペレータ用電話機7に転送することを交換機30に指示する。転送元のオペレータのオペレータ用電話機7の認定は、例えば、本人確認実施状況管理テーブル52を参照して行う。また、本人確認結果管理機能66は、本人確認が完了したことを通知する情報である本人確認完了通知を、本人確認を実施した顧客と取引を行っている転送元のオペレータのパソコン8に送信する。なお、判定結果(本人確認完了情報)は、音声応答装置40の本人確認チェック機能43からではなく、顧客の本人確認を実施した転送先のオペレータのオペレータ用電話機7から受信するようにしてもよい。
【0042】
(本人確認実施状況管理機能)
本人確認実施状況管理機能67は、本人確認実施状況管理テーブル52の書き込み、及び更新を行う。例えば、本人確認実施状況管理機能67は、顧客の電話が、取引を行っていたオペレータから本人確認を実施する選定したオペレータへ転送された場合に、図4に示す本人確認実施状況管理テーブル52の通話オペレータID522、転送開始日時523、及び本人確認実施オペレータID525を更新する。
【0043】
また、本人確認実施状況管理機能67は、顧客の電話が本人確認を実施する選定したオペレータから音声応答装置40へ転送され、本人確認が開始された場合に、本人確認実施状況管理テーブル52の本人確認開始日時536を更新し、本人確認が終了した場合に、本人確認終了日時537を更新する。
また、本人確認実施状況管理機能67は、本人確認が終了した後に、顧客の電話が顧客と取引を行うオペレータに転送された場合に、本人確認実施状況管理テーブル52の転送終了日時524を更新する。
【0044】
また、本人確認実施状況管理機能67は、オペレータからの問い合わせに対して、本人確認実施状況管理テーブル52を参照し、本人確認実施状況を回答する。例えば、オペレータからの本人確認実施状況に関する問い合わせ、及び本人確認実施状況に関する回答は、オペレータが操作するパソコン8を介して行われる。
以上で、第1実施形態に係るコールセンタ100の説明を終了する。
【0045】
≪第1実施形態に係るコールセンタの処理≫
<コールセンタにおけるオペレータの業務>
最初に、図1を参照して、コールセンタにおけるオペレータの業務の一部を説明する。
オペレータは、アウトバウンドコールと称して、お知らせや商品紹介を行うために、顧客に対して電話をする。オペレータは、顧客情報を参照して、顧客にあった案内や商品紹介を実施する。
【0046】
金融機関に関するお知らせや商品紹介を例に挙げて説明すると、オペレータは、顧客に対して、「今度、近くの支店で年金相談会を実施しますが、参加されませんか?」や「先日、資料請求していただいた商品のご購入をされませんか?」などの案内等を行う。そして、オペレータが顧客に対して案内等を行った通話中に、顧客が商品購入を希望することになり、本人確認を実施の上、通話中に商品購入の処理を行う場合がある。
【0047】
<コールセンタを用いた本人確認処理>
次に、図1ないし図6を参照して、上記説明したようなアウトバウンドコール業務における本人確認処理を想定して、第1実施形態に係るコールセンタ100を用いた本人確認処理について説明する。ここで、図5は、第1実施形態に係るコールセンタ100を用いた顧客の本人確認処理のシーケンス図である。図6は、オペレータのパソコン8に表示する画面イメージである。
【0048】
図5に示すように、最初にオペレータA(図1参照)は、オペレータ用電話機7Aを用いて、顧客に電話(呼)を発信する(ステップS010)。ステップS010で発信された電話(呼)は、交換機30により交換処理が行われ(ステップS020)、顧客が顧客用電話機1を用いて電話を受信することで、顧客とオペレータAとの間で通話が可能になる(ステップS030)。
【0049】
次に、オペレータAは、顧客との通話中に、何らかの取引を行うために顧客の本人確認を実施することになり(ステップS040)、パソコン8Aの表示装置に表示される本人確認開始画面81(図6(a)参照)のボタン811を選択する。ボタン811の選択に伴い、パソコン8Aは、コールセンタサーバ50の転送先オペレータ選定機能64に対して本人確認開始指示を送信し、転送先オペレータ選定機能64は、本人確認を実施するオペレータBを選定する。一方、オペレータAが、ボタン812を選択した場合には、顧客の本人確認処理は中止される。
【0050】
次に、本人確認実施通知機能65は、オペレータBのパソコン8Bに対して本人確認通知情報を送信し、パソコン8Bには本人確認通知画面82(図6(c)参照)が表示され、オペレータBは、ボタン821を選択する。ボタン821の選択に伴い、パソコン8Bは、コールセンタサーバ50の本人確認実施通知機能65に対して本人確認の依頼を承諾する内容の本人確認依頼結果情報を送信し、本人確認実施通知機能65は、顧客の電話(呼)をオペレータBに転送する(ステップS050)。一方、オペレータBが、ボタン822を選択した場合には、パソコン8Bは、コールセンタサーバ50の本人確認実施通知機能65に対して本人確認の依頼を承諾しない内容の本人確認依頼結果情報を送信し、本人確認実施通知機能65は、オペレータA,B以外のオペレータのパソコン8に対して、再度、本人確認通知情報を送信する。
【0051】
ステップS050で転送された電話(呼)は、交換機30により交換処理が行われ(ステップS060)、オペレータBがオペレータ用電話機7Bを用いて転送を受信することで(ステップS070)、顧客とオペレータBとの間で通話が可能になる。
【0052】
次に、オペレータBは、顧客の本人確認を実施するために、顧客の電話を音声応答装置40に転送し(ステップS080)、転送された電話(呼)は、交換機30により交換処理が行われ(ステップS090)、顧客と音声応答装置40との間で情報の送受信が可能になる。そして、音声応答装置40の音声応答機能42は、顧客用電話機1に対して本人確認用の音声ガイダンスを送り(ステップS100)、送られた音声ガイダンスは顧客用電話機1に到達し(ステップS110)、顧客は、音声ガイダンスに従い顧客用電話機1を介して暗証番号を、トーン信号を用いて入力する(ステップS120)。入力された暗証番号は、音声応答装置40の本人確認チェック機能43に到達する(ステップS130)。
【0053】
次に、音声応答装置40の本人確認チェック機能43は、ステップS120で入力された顧客の暗証番号の正誤を、銀行ホスト3に格納されている暗証番号と比較することによりチェックする(ステップS140)。そして、本人確認チェック機能43は、オペレータBが操作するパソコン8に、判定結果情報を送信し(ステップS150)、パソコン8Bには本人確認結果画面83(図6(d)参照)が表示される(ステップS160)。また、顧客の電話が、オペレータBのオペレータ用電話機7Bに転送される。また、本人確認チェック機能43は、判定結果(本人確認完了情報)を、本人確認結果管理機能66に送信する。
【0054】
次に、オペレータBは、本人確認結果画面83のボタン831を選択し、ボタン831の選択に伴い、本人確認結果管理機能66は、オペレータAのパソコン8Aに対して、本人確認の完了を通知する本人確認完了通知情報を送信し、パソコン8Aには本人確認完了通知画面84(図6(b)参照)が表示される。そして、オペレータAは、本人確認完了通知画面84のボタン841を選択し、ボタン841の選択に伴い、本人確認結果管理機能66は、顧客の電話をオペレータAに転送する(ステップS170)。
【0055】
そして、ステップS170で転送された電話(呼)は、交換機30により交換処理が行われ(ステップS180)、オペレータAがオペレータ用電話機7Aを用いて転送を受信することで(ステップS190)、顧客と取引を行う元のオペレータAとの間で通話が継続する。これにより、オペレータAは、顧客が希望する取引を、顧客と通話をしながら、パソコン8Aを介して銀行ホスト3に対して処理を行う。
以上で、第1実施形態に係るコールセンタ100の処理の説明を終了する。
【0056】
以上のように、第1実施形態に係るコールセンタサーバ50、及びコールセンタ100は、顧客とオペレータ(例えば、オペレータA)が共謀し、本人確認業務を利用して、他人の顧客の暗証番号を不正に入手しようとしても、本人確認業務の実施は必ずランダムに選定された第三者のオペレータ(例えば、オペレータB)が実施することになるため、顧客とオペレータ(例えば、オペレータA)の共謀は成立しない。
【0057】
なお、本人確認業務の実施を必ずランダムに選定された第三者のオペレータが実施することは、お知らせや商品紹介を行うために、オペレータが顧客に対して電話をするアウトバウンドコールを実施する上で非常に有用である。それは、従来のコールセンタシステムでは、顧客がオペレータに電話をかけるインバウンドコールの場合、ACD機能により、コールセンタ内の特定のオペレータと顧客とが通話を行うことは難しいが、アウトバウンドコールの場合、特定のオペレータが顧客に電話をかけるために、コールセンタ内の特定のオペレータと顧客とが通話を必ず行えるため、顧客とオペレータとの共謀が実現しやすいという問題があったためである。
【0058】
また、第1実施形態に係るコールセンタサーバ50、及びコールセンタ100は、顧客と2人のオペレータとが共謀していたとしても、本人確認業務時に転送する先のオペレータは、ランダムに選定されるため、顧客及び複数人のオペレータによる共謀についても、成立しない。
【0059】
[第2実施形態]
第1実施形態に係るコールセンタ100は、コールセンタサーバ50がランダムに選定したオペレータのパソコン8の表示装置に、本人確認の実施を通知する画面を表示させることで、任意のオペレータが本人確認を行うようにしていた。これに対して、第2実施形態に係るコールセンタ100aは、外線着信時に電話(呼)の分配処理を行うACD機能63aを用いて本人確認を希望するオペレータの電話をランダムに転送することで、任意のオペレータが本人確認を行うようにする。すなわち、第2実施形態に係るコールセンタ100aは、外線着信時に処理を行うACD機能63aを流用する点に特徴がある。
【0060】
≪第2実施形態に係るコールセンタの構成≫
図7を参照して、第2実施形態に係るコールセンタ100aの構成を説明する。図7は、第2実施形態に係るコールセンタ100aの構成図である。
第1実施形態に係るコールセンタ100と、第2実施形態に係るコールセンタ100aとの違いは、オペレータ用通信装置10を構成するパソコン8a、及びコールセンタサーバ50aの機能が変更されている点である。以下では、第2実施形態に係るコールセンタサーバ50aの構成の内、第1実施形態から変更されている機能のみを説明する。
【0061】
<オペレータ用通信装置>
パソコン(Personal Computer)8aは、オペレータの操作により、顧客の本人確認の実施の開始を指示されると、当該オペレータの電話は、自動的にコールセンタ100の代表番号に外線として転送される。この際、外線の発信元番号は、コールセンタ100a内のオペレータ用電話機7である。
【0062】
<コールセンタサーバ>
図8を参照して、第2実施形態に係るコールセンタサーバ50aの構成を説明する。図8は、第2実施形態に係るコールセンタサーバ50aの機能構成図である。第2実施形態に係るコールセンタサーバ50aは、図3に示す第1実施形態に係るコールセンタサーバ50が備えていた本人確認実施状況管理テーブル52、転送先オペレータ選定機能64、本人確認実施通知機能65、本人確認結果管理機能66、及び本人確認実施状況管理機能67を有しておらず、ACD機能63の機能が変更されている。
【0063】
(ACD機能)
ACD機能63aは、第1実施形態で説明したACD機能63に加えて、オペレータ用電話機7からコールセンタ100aの代表番号に転送による外線着信があった場合(発信元番号がコールセンタ100a内のオペレータ用電話機7である場合)に、コールセンタ100aの外部(例えば、顧客用電話機1)からの外線着信と同様に、オペレータ状況管理機能62に問い合わせを行い、オペレータ用電話機7からの転送(呼)を、稼動状況が「待機中」のオペレータの中から待ち時間の長いオペレータへ配分するように交換機30に指示する。
【0064】
また、ACD機能63aは、オペレータ用電話機7からの転送(呼)を配分したオペレータのパソコン8aに対して、外部からの外線着信(例えば、顧客からの直接の通話)でなくコールセンタ100a内部からの本人確認を行うための「業務用の電話」であることを示す情報である本人確認業務用情報を送信する。本人確認業務用情報は、例えば、HTML(Hypertext Markup Language)形式のデータとして送信される。それにより、選定したオペレータが操作するパソコン8には、本人確認業務用情報がWeb画面として表示される。本人確認通知情報のWeb画面としては、例えば、「本人確認実施依頼が来ました。」、「コールセンタ内からの転送です。」とする。
以上で、第2実施形態に係るコールセンタ100aの説明を終了する。
【0065】
≪第2実施形態に係るコールセンタの処理≫
<コールセンタを用いた本人確認処理>
以下では、図7ないし図10を参照して、第1実施形態で説明したようなアウトバウンドコール業務における本人確認処理を想定して、第2実施形態に係るコールセンタ100aを用いた本人確認処理について説明する。ここで、図9は、第2実施形態に係るコールセンタ100aを用いた顧客の本人確認処理のシーケンス図である。図10は、オペレータのパソコン8aに表示する画面イメージである。
【0066】
図9のステップS010からステップS030までは、図5に示す第1実施形態と同様である。
ステップS030に続いて、オペレータAは、顧客との通話中に、何らかの取引を行うために顧客の本人確認を実施することになり(ステップS040)、パソコン8Aの表示装置に表示される本人確認開始画面81(図6(a)参照)のボタン811を選択する。ボタン811の選択に伴い、顧客の電話は保留状態になり、オペレータAの電話は、自動的にコールセンタ100の代表番号に外線として転送され、コールセンタサーバ50のACD機能63aは、オペレータAからの電話をオペレータBに配分すると決定する(ステップS350)。
【0067】
一方、オペレータAが、ボタン812を選択した場合には、オペレータAの電話の転送は中止される。また、ACD機能63aは、オペレータAからの電話(呼)を配分すると決定したオペレータBのパソコン8Baに対して、本人確認業務用情報を送信し、パソコン8Baの表示装置には本人確認業務用画面82a(図10(a)参照)が表示される。
【0068】
ステップS350で配分が決定された電話(呼)は、交換機30により交換処理が行われ(ステップS360)、オペレータBがオペレータ用電話機7Bを用いて転送を受信することで(ステップS370)、オペレータAとオペレータBとの間で通話が可能になる。
オペレータAは、オペレータBと電話がつながった際に、オペレータA自身の名前、オペレータAのID、オペレータAの内線番号等をオペレータBに告げる。そして、オペレータAは、内線転送にてオペレータBに保留状態の顧客の電話を転送する。これにより、オペレータBと顧客との間で通話が可能になる。
【0069】
図9のステップS080からステップS150までは、図5に示す第1実施形態と同様である。
ステップS150に続いて、パソコン8Baの表示装置には本人確認結果画面83a(図10(b)参照)が表示される(ステップS460)。また、顧客の電話が、オペレータBのオペレータ用電話機7Bに転送される。
【0070】
次に、オペレータBは、本人確認結果画面83aを見ることで本人確認が終了したことを確認し、ステップS370で告げられたオペレータAの内線番号を参考にして、内線転送にてオペレータAに顧客の電話を転送する(ステップS470)。
図9のステップS180、ステップS190は、図5に示す第1実施形態と同様である。
以上で、第2実施形態に係るコールセンタ100aの処理の説明を終了する。
【0071】
以上のように、第2実施形態に係るコールセンタサーバ50a、及びコールセンタ100aは、顧客とオペレータ(例えば、オペレータA)が共謀し、本人確認業務を利用して、他人の顧客の暗証番号を不正に入手しようとしても、本人確認業務の実施は必ずランダムに選定された第三者のオペレータ(例えば、オペレータB)が実施することになるため、顧客とオペレータ(例えば、オペレータA)の共謀は成立しない。
【0072】
また、第2実施形態に係るコールセンタサーバ50a、及びコールセンタ100aは、顧客と2人のオペレータとが共謀していたとしても、本人確認業務時に転送する先のオペレータは、ランダムに選定されるため、顧客及び複数人のオペレータによる共謀についても、成立しない。
【0073】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を変えない範囲で実施することができる。実施形態の変形例を以下に示す。
【0074】
(通信ネットワーク)
第1実施形態及び第2実施形態では、通信ネットワーク2として公衆電話網を想定していたが、これに以外にも、インターネット等の通信が行える通信ネットワークであればよい。
【0075】
(コールセンタ)
第1実施形態及び第2実施形態では、1つのコールセンタ100,100a内での処理を想定して説明したが、これ以外にも、他のコールセンタに本人確認の実施を通知して、複数のコールセンタが連携して本人確認の管理を行うようにしてもよい。
【0076】
(コールセンタサーバ)
第1実施形態及び第2実施形態では、コールセンタサーバ50,50aが、顧客の本人確認を管理する機能を一括して備えていたが、コールセンタサーバ50,50aが備える機能の一部、又は全部をコールセンタ100,100a内部の他の装置である交換機30や音声応答装置40が備える構成としてもよいし、コールセンタ100,100a外部の装置(図示せず)が備える構成としてもよい。
【0077】
(コールセンタの代表番号)
第2実施形態では、コールセンタ100a内部のオペレータ用電話機7からの転送と、外部からの外線着信とを同一の代表番号に行っていたが、これ以外にも、本人確認業務専用の外線番号を設定しておき、コールセンタ100a内部のオペレータ用電話機7からの転送を本人確認業務専用の外線番号に行うようにしてもよい。その場合、ACD機能63aは、本人確認業務専用の外線番号に対して着信があった電話を配分したオペレータのパソコン8aに対して、本人確認業務用情報を送信するようにできる。
【符号の説明】
【0078】
1 顧客用電話機1(第2の通信装置)
2 通信ネットワーク
6 ヘッドセット
7 オペレータ用電話機(通話装置)
8,8a パソコン(表示装置)
10 オペレータ用通信装置(第1の通信装置)
30 交換機
40 音声応答装置
42 音声応答機能
43 本人確認チェック機能
50 コールセンタサーバ(本人確認管理装置)
52 本人確認実施状況管理テーブル
62 オペレータ状況管理機能
63,63a ACD機能
64 転送先オペレータ選定機能(本人確認装置選定機能)
65 本人確認実施通知機能
66 本人確認結果管理機能
67 本人確認実施状況管理機能
81 本人確認開始画面
82 本人確認通知画面
83,83a 本人確認結果画面
84 本人確認完了通知画面
82a 本人確認業務用画面(本人確認用画面)
100,100a コールセンタ(本人確認管理システム)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通話装置及び表示装置を備える複数の第1の通信装置と接続され、前記第1の通信装置と呼を確立する第2の通信装置を用いて通話する通話者の本人確認の実施を管理する本人確認管理装置であって、
前記通話者の本人確認を実施する場合に、前記第2の通信装置と呼を確立している前記第1の通信装置以外の任意の他の第1の通信装置を選定する本人確認装置選定機能と、
前記本人確認装置選定機能が選定した前記他の第1の通信装置の表示装置に、当該他の第1の通信装置の操作者に前記通話者の本人確認の実施を通知する本人確認通知画面を表示させる本人確認実施通知機能と、
を備えることを特徴とする本人確認管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の本人確認管理装置において、
前記本人確認実施通知機能は、
前記他の第1の通信装置の表示装置に本人確認通知画面を表示させる場合に、さらに、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との間の呼の確立に代えて、当該他の第1の通信装置の通話装置と前記第2の通信装置との間で呼を確立させる、
ことを特徴とする本人確認管理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の本人確認管理装置において、
前記第2の通信装置との間で呼を確立した前記他の第1の通信装置の通話装置を用いた本人確認が完了したことを示す本人確認完了情報を取得し、前記第1の通信装置の表示装置に、当該第1の通信装置の操作者に前記通話者の本人確認の完了を通知する本人確認完了通知画面を表示させる本人確認結果管理機能をさらに備える、
ことを特徴とする本人確認管理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の本人確認管理装置において、
前記本人確認結果管理機能は、
前記第1の通信装置の表示装置に本人確認完了通知画面を表示させる場合に、さらに、前記他の第1の通信装置と前記第2の通信装置との間の呼の確立に代えて、当該第1の通信装置の通話装置と前記第2の通信装置との間で呼を確立させる、
ことを特徴とする本人確認管理装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の本人確認管理装置であって、
前記本人確認管理装置は、
前記本人確認装置選定機能及び前記本人確認実施通知機能に代えて、前記第2の通信装置からの着信呼を、待ち時間の長い当該第1の通信装置から順番に応答数が均等になるように呼を均等分配するACD機能を備え、
前記ACD機能は、
前記着信呼が前記第1の通信装置からの転送である場合においても、前記第2の通信装置からの着信呼と同様に前記均等分配させ、
前記着信呼が前記第1の通信装置からの転送である場合に、当該着信呼を均等分配した前記第1の通信装置の表示装置に、当該均等分配した着信呼が前記通話者の本人確認を行うための本人確認用の電話であることを示す本人確認用画面を表示させる、
ことを特徴とする本人確認管理装置。
【請求項6】
通話装置及び表示装置を備える複数の第1の通信装置と接続され、前記第1の通信装置と呼を確立する第2の通信装置を用いて通話する通話者の本人確認の実施を管理する本人確認管理装置であって、
前記第2の通信装置からの着信呼を、待ち時間の長い当該第1の通信装置から順番に応答数が均等になるように呼を均等分配するACD機能を備え、
前記ACD機能は、
前記着信呼が前記第1の通信装置からの転送である場合においても、前記第2の通信装置からの着信呼と同様に前記均等分配させ、
前記着信呼が前記第1の通信装置からの転送である場合に、当該着信呼を均等分配した前記第1の通信装置の表示装置に、当該均等分配した着信呼が前記通話者の本人確認を行うための本人確認用の電話であることを示す本人確認用画面を表示させる、
ことを特徴とする本人確認管理装置。
【請求項7】
請求項3又は請求項4に記載の本人確認管理装置と、前記第1の通信装置及び前記第2の通信装置に通信可能に接続される音声応答装置と、を備える本人確認管理システムであって、
前記音声応答装置は、
前記通話者の本人確認を前記他の第1の通信装置の操作者の指示に基づいて自動で実行する本人確認チェック機能を備え、
本人確認完了情報は、前記音声応答装置又は前記他の第1の通信装置から得られる情報である、
ことを特徴とする本人確認管理システム。
【請求項8】
通話装置及び表示装置を備える複数の第1の通信装置と接続され、前記第1の通信装置と呼を確立する第2の通信装置を用いて通話する通話者の本人確認の実施を管理する本人確認管理装置が実行する本人確認管理方法であって、
前記通話者の本人確認を実施する場合に、前記第2の通信装置と呼を確立している前記第1の通信装置以外の任意の他の第1の通信装置を選定し、
前記選定した他の第1の通信装置の表示装置に、当該他の第1の通信装置の操作者に前記通話者の本人確認の実施を通知する本人確認通知画面を表示させる、
ことを特徴とする本人確認管理方法。
【請求項9】
請求項8に記載の本人確認管理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする本人確認管理プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−249178(P2012−249178A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120831(P2011−120831)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】