説明

本人認証システム

【課題】効率的に本人認証を行うとともに、確実に成りすましを防ぐことができる本人認証システムを提供する。
【解決手段】携帯電話9の認証用画面に入力された入力情報と、データベース2A、2Bにあらかじめ格納された登録情報とを照合することにより入力情報を入力した入力者の本人認証を行う本人認証システムであって、データベース2Aに格納されたアカウント情報と、入力された入力アカウント情報とを照らし合わせる第1の照合と、データベース2Aに格納された回答用端末8の識別番号と、入力された回答用端末8の入力識別番号とを照らし合わせる第2の照合と、データベース2Bに格納された個人情報と、入力された入力個人情報とを照らし合わせる第3の照合とのすべての照合で両者が一致した場合に、入力者が試験を申し込んだ申込者本人であると認証することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本人認証を行う本人認証システムに関し、特に、学校等で実施される試験において、携帯電話の認証用画面に入力された入力情報と、データベースに格納された登録情報とを照合することにより本人認証を行う本人認証システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、大学で実施される試験や講義では、身代わり受験や身代わり受講等の第三者による成りすましを防ぐために本人認証が行われている。このような本人認証を行う本人認証システムとしては、携帯電話から送信された個人IDおよび携帯電話で撮影した顔画像と、あらかじめデータベースに格納しておいた個人IDおよび顔画像とを照合することにより本人認証を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−308396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の本人認証システムでは、顔画像の照合が講師やスタッフ等の管理者の目視によって行われる。このため、試験の申込者が多人数(数百人)の場合は、顔画像の照合に時間がかかってしまい、照合時間を短縮すべく試験会場に多くの管理者を配置させなければならないという問題が生じていた。
【0005】
一方、顔画像の照合を行わず個人IDの照合のみで本人認証を行うと、申込者から身代わり受験の依頼を受けた第三者が申込者に成りすまして申込者の個人IDを入力した場合、この第三者を申込者本人と認証してしまうという問題が生じていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであって、その課題とするところは、効率的に本人認証を行うことができ、しかも確実に成りすましを防ぐことができる本人認証システムを提供することにある。
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る本人認証システムは、携帯電話の認証用画面に入力された入力情報と、あらかじめ格納された登録情報とを照合することにより入力情報を入力した入力者の本人認証を行う本人認証システムであって、登録情報のうち、試験を申し込んだ申込者の申込情報と、申込者のアカウント情報と、試験の際に申込者に使用させる回答用端末の固有の識別番号とが格納された第1登録情報データベースと、登録情報のうち、申込者の個人情報が格納された第2登録情報データベースと、入力情報として、少なくとも入力アカウント情報、入力識別番号および入力個人情報を入力するための認証用画面を携帯電話に表示させる表示手段と、認証用画面を表示した携帯電話から送信された入力情報を受付ける入力情報受付手段と、第1登録情報データベースに格納されたアカウント情報と、入力情報受付手段が受付けた入力アカウント情報とを照らし合わせる第1の照合と、第1登録情報データベースに格納された識別番号と、入力情報受付手段が受付けた入力識別番号とを照らし合わせる第2の照合と、第2登録情報データベースに格納された個人情報と、入力情報受付手段が受付けた入力個人情報とを照らし合わせる第3の照合とのすべての照合で両者が一致した場合に、入力者が申込者本人であると認証する本人認証手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、アカウント情報に関する第1の照合、回答用端末の固有の識別番号に関する第2の照合、および個人情報に関する第3の照合のすべてにおいて入力情報と登録情報とが一致した場合に、入力者を申込者本人であると認証する本人認証手段を備えているため、管理者の手作業による照合を必要とすることなく、第1〜3の照合を機械的に行うことができ、短時間で効率的に本人認証を行うことができる。
【0009】
さらに、この構成によれば、第3の照合において、申込者の父母の漢字氏名や帰省先の住所といった申込者本人しか回答することができないような個人情報を入力者に入力させることで、確実に成りすましを防ぐことができる。
【0010】
また、本発明に係る本人認証システムは、認証結果表示手段と、管理者用端末と、本人認証手段における認証結果が格納された認証結果情報データベースとをさらに備え、認証結果表示手段は、認証結果情報データベースに格納された認証結果に基づいて認証結果確認用画面を生成し、該認証結果確認用画面を管理者用端末に表示させることが好ましい。この構成によれば、管理者は管理者用端末で認証結果を確認することができるため、本人認証に失敗した入力者(申込者に成りすました入力者)をすぐに特定することができる。
【0011】
上記表示手段は、申込者が試験を申し込む際に、申込者の携帯電話に試験申込用画面を表示させることが好ましい。また、上記入力情報受付手段は、試験申込用画面を表示した申込者の携帯電話から送信された情報を申込情報として受付けることが好ましい。これらの構成によれば、申込者が多人数であっても試験の申込みを効率的に受付けて、処理することができる。
【0012】
また、上記表示手段は、申込者の携帯電話に試験申込用画面を表示させる前に、申込アカウント情報を入力させるための事前照合用画面を表示させ、上記本人認証手段は、事前照合用画面を表示した申込者の携帯電話から送信された申込アカウント情報と、第1登録情報データベースに格納されたアカウント情報とを照らし合わせる事前照合を行い、該事前照合において両者が一致した場合に、表示手段が申込者の携帯電話に試験申込用画面を表示させることが好ましい。この構成によれば、アカウント情報を知らない第三者が、試験を申し込むのを防ぐことができる。
【0013】
上記第1登録情報データベースには、申込者の携帯電話に割り当てられた固有の識別情報が格納されており、上記表示手段は、第1登録情報データベースに格納された識別情報と認証用画面を表示させようとする携帯電話の固有の識別情報とが一致した場合に、認証用画面を携帯電話に表示させることが好ましい。この構成によれば、試験の申込みに使用した携帯電話を持っていない第三者が、申込者に成りすまして試験を受けようとするのを防ぐことができる。
【0014】
さらに、上記表示手段は、第1登録情報データベースに格納された識別情報と事前照合用画面を表示させようとする携帯電話の固有の識別情報とが一致した場合に、事前照合用画面を該携帯電話に表示させることが好ましい。この構成によれば、第1登録情報データベースに格納されている識別情報が割り当てられた携帯電話を持っていない第三者が、試験を申し込むのを防ぐことができる。
【0015】
上記認証用画面は、申込者ごと、かつ試験ごとに異なっていることが好ましい。この構成によれば、例えば、携帯電話に表示させる認証用画面に、正しい個人情報を含む複数の選択肢を表示させ、入力者に正しい選択肢の番号を選択させることができる。これにより、個人情報を文章で入力させる場合と比べて、入力者の入力時間を短縮したり、入力者の入力ミスを防いだりすることができる。
【0016】
上記試験を、学校において実施される試験とし、上記個人情報を、申込者が学校に入学する際に申込者から取得されたものとし、上記アカウント情報を、申込者が学校に入学する際に申込者に付与されたものとしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、効率的に本人認証を行うことができ、しかも確実に成りすましを防ぐことができる本人認証システムを提供することできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る本人認証システムの構成を示すブロック図である。
【図2】認証用画面の一例であって、(a)はアカウント情報を入力するための画面、(b)はクリッカーの識別番号を入力するための画面、(c)は個人情報を入力するための画面である。
【図3】データベースに登録情報を格納するステップを示すフローチャートである。
【図4】登録情報と入力情報とを照合するステップを示すフローチャートである。
【図5】認証用画面の変形例であって、(a)はアカウント情報を入力するための画面、(b)は個人情報を入力するための画面である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明に係る本人認証システムの好ましい実施形態について説明する。
【0020】
[本人認証システムの構成]
図1に示すように、本実施形態に係る本人認証システム1は、データベース2と、表示手段3と、入力情報受付手段4と、本人認証手段5と、認証結果表示手段6と、管理者用端末7とを備えている。本実施形態に係る本人認証システム1は、クリッカー(回答用端末)8を使用して回答させる試験を行うにあたり、携帯電話9の認証用画面に入力された入力情報と、データベース2にあらかじめ格納された、試験を申し込んだ申込者に関する登録情報とを照合することにより、入力情報を入力した入力者の本人認証を行うものである。
【0021】
データベース2は、第1登録情報データベース2Aと、第2登録情報データベース2Bと、試験情報データベース2Cと、認証結果情報データベース2Dとから構成されている。
【0022】
第1登録情報データベース2Aには、登録情報のうち、申込者の申込情報と、申込者のアカウント情報と、申込者に試験当日に使用させるクリッカー8の識別番号と、申込者の携帯電話9に割り当てられている固有の識別情報(例えば、MACアドレス)と、が格納されている。
【0023】
申込情報は、後述する試験申込用画面を表示した携帯電話9から送信された情報であり、申込者の学生番号、携帯電話9のメールアドレス、申込者が受験を希望する試験を含んでいる。なお、携帯電話9のメールアドレスは、申込者の携帯電話9に割り当てられている固有の識別情報としても用いることができる。
【0024】
アカウント情報は、本人認証のための照合(第1の照合)に使用される情報であり、個人IDとパスワードを含んでいる。このアカウント情報は、申込情報(例えば、学生番号)に関連付けられて格納されている。
【0025】
クリッカー8の識別番号は、本人認証のための照合(第2の照合)に使用される情報であり、クリッカー8に付与された固有の番号である。この識別番号は、アカウント情報と同様に、申込情報に関連付けられて格納されている。
【0026】
第2登録情報データベース2Bには、登録情報のうち、申込者の個人情報が申込情報に関連付けられて格納されている。個人情報は、本人認証のための照合(第3の照合)に使用される情報であり、申込者の住所・郵便番号、出身校、父母の漢字氏名、帰省先の住所・電話番号等を含んでいる。これらの個人情報は、試験申込時よりも前(例えば、入学時)に申込者から取得したものである。
【0027】
試験情報データベース2Cには、試験問題および解答が格納されている。また、認証結果情報データベース2Dには、本人認証手段5における認証結果が申込情報に関連付けられて格納されている。
【0028】
表示手段3は、携帯電話9に認証用画面、事前照合用画面、および試験申込用画面を表示させる。これらの画面のうち、認証用画面は、試験当日に携帯電話9に表示される画面であり、事前照合用画面および試験申込用画面は、試験を申し込む際に携帯電話9に表示される画面である。
【0029】
事前照合用画面には、個人IDおよびパスワード等のアカウント情報を入力するための欄が設けられている。事前照合用画面に入力されたアカウント情報(以下、「申込アカウント情報」という。)は、後述する本人認証手段5で行われる事前照合において、第1登録情報データベース2Aに格納されたアカウント情報と照合される。
【0030】
試験申込用画面には、学生番号、携帯電話9のメールアドレス、受験を希望する試験を入力するための欄が設けられており、これらの欄に入力された情報は、申込情報として第1登録情報データベース2Aに格納される。なお、入力ミスを防ぐために、試験申込用画面に学生番号、携帯電話9のメールアドレス等を表示させて、申込者にその表示が正しいかどうかを確認させるだけでもよい。
【0031】
認証用画面は、図2(a)に示すアカウント情報を入力するための画面(以下、認証用画面(a))と、図2(b)に示すクリッカー8の識別番号を入力するための画面(以下、認証用画面(b))と、図2(c)に示す個人情報を入力するための画面(以下、認証用画面(c))とから構成されている。認証用画面(a)には、個人IDを入力するための欄とパスワードを入力するための欄が設けられており、認証用画面(b)には、クリッカー8の識別番号を入力するための欄が設けられており、認証用画面(c)には、申込者の個人情報に関する設問(本実施形態では、申込者の郵便番号)とその回答を入力するための欄が設けられている。認証用画面(c)に設けられた申込者の個人情報に関する設問は、第三者の成りすましを確実に防ぐため、試験ごとに変更される。
【0032】
入力情報受付手段4は、事前照合用画面、試験申込用画面、および認証用画面(a)〜(c)が表示された携帯電話9から送信された情報を受付ける。
【0033】
本人認証手段5は、第1登録情報データベース2Aおよび第2登録情報データベース2Bに格納された登録情報と、入力情報受付手段4が受付けた入力情報とを照合する。登録情報と入力情報との照合は、アカウント情報に関する第1の照合と、クリッカー8の識別番号に関する第2の照合と、個人情報に関する第3の照合とを含んでいる。
【0034】
第1の照合は、入力者の携帯電話9において認証用画面(a)に入力されたアカウント情報(以下、「入力アカウント情報」という。)と、第1登録情報データベース2Aに格納された申込者のアカウント情報とを照らし合わせて、両者が一致するか否かを判定するものである。
【0035】
第2の照合は、認証用画面(b)に入力されたクリッカー8の識別番号(以下、「入力識別番号」という。)と、第1登録情報データベース2Aに格納された申込者に使用させるクリッカー8の識別番号とを照らし合わせて、両者が一致するか否かを判定するものである。
【0036】
第3の照合は、認証用画面(c)に入力された個人情報(以下、「入力個人情報」という。)と、第2登録情報データベース2Bに格納された申込者の個人情報とを照らし合わせて、両者が一致するか否かを判定するものである。
【0037】
本人認証手段5は、これら第1〜3の照合すべてにおいて両者が一致すると判定した場合に、入力者を申込者本人であると認証する。この認証結果は、申込情報に関連付けられて認証結果情報データベース2Dに格納される。
【0038】
また、本人認証手段5は、表示手段3が携帯電話9に認証用画面または事前照合用画面を表示させる前に、認証用画面または事前照合用画面を表示させようとする携帯電話9に割り当てられた固有の識別情報と、第1登録情報データベース2Aに格納された識別情報とを照らし合わせて、両者が一致するか否かを判定する(携帯電話の照合)。この携帯電話の照合において、両者が一致すると判定された場合は、表示手段3により携帯電話9に認証用画面または事前照合用画面が表示される。
【0039】
さらに、本人認証手段5は、事前照合用画面に入力された申込アカウント情報と、第1登録情報データベース2Aに格納されたアカウント情報と照らし合わされて、両者が一致するか否かを判定する(事前照合)。この事前照合において、両者が一致すると判定された場合は、表示手段3により携帯電話9に試験申込用画面が表示される。
【0040】
認証結果表示手段6は、認証結果情報データベース2Dに格納された認証結果に基づいて認証結果確認用画面を生成し、該認証結果確認用画面を管理者用端末7に表示させる。認証結果確認用画面は、認証結果、申込者の学生番号、申込者の氏名等から構成されている。認証結果は、本人認証手段5により第1の照合が行われていないときは「未認証」となり、第1〜3のいずれかの照合において入力情報と登録情報が一致しなかったときは「認証失敗」となり、本人認証手段5により申込者本人であると認証されたときは「認証成功」となる。管理者は、この認証結果確認用画面から本人認証に失敗した入力者(申込者に成りすました入力者)をすぐに特定することができる。
【0041】
以上のように、本実施形態に係る本人認証システム1では、第1〜3の照合のすべてにおいて入力情報と登録情報とが一致した場合に、入力者を申込者本人であると認証する本人認証手段5を備えているため、管理者の手作業による照合を必要とすることなく、第1〜3の照合を機械的に行うことができ、短時間で効率的に本人認証を行うことができる。
【0042】
また、本実施形態に係る本人認証システム1では、第3の照合において、申込者本人しか回答することができないような個人情報を入力させることで、確実に成りすましを防ぐことができる。
【0043】
さらに、本実施形態に係る本人認証システム1では、第1〜3の照合に加えて、携帯電話の照合と、事前照合とを行っているので、第三者の成りすましをより確実に防ぐことができる。
【0044】
[本人認証のフロー]
次に、図3および図4を参照して、本実施形態に係る本人認証システム1を用いた本人認証のフローついて説明する。なお、本実施形態では、試験は大学において実施される検定試験であり、申込者は該検定試験を受けようとする学生である。
【0045】
また、第3の照合に使用される個人情報は、申込者が大学に入学する際に該申込者から取得されたものであり、事前照合および第1の照合に使用されるアカウント情報は、申込者が大学に入学する際に該申込者に付与されたものである。なお、個人情報およびアカウント情報は、所定の時期まで第2登録情報データベース2Bとは異なる別のデータベースに格納される。そして、この別のデータベースに格納された個人情報およびアカウント情報がコピーされることによって、個人情報は、試験当日までに、申込情報(例えば、学生番号)に関連付けられて第2登録情報データベース2Bに格納され、アカウント情報は、試験の申込みを受付ける前までに、申込情報に関連付けられて第1登録情報データベース2Aに格納される。
【0046】
本人認証のフローには、試験当日までにデータベース2に登録情報を格納するステップ(図3、S1〜S7)と、試験当日に登録情報と入力情報とを照合するステップ(図4、S8〜S19)とが含まれている。
【0047】
データベース2に登録情報を格納するステップ(S1〜S7)では、まず、試験を受けようとする申込者(学生)は、自分の携帯電話9を用いてシステム側(大学)から指定された二次元コードを読み取り、この二次元コードにコード化されていたメールアドレスにメールを送信する。システム側は、携帯電話9からメールを受信すると、携帯電話9に割り当てられている固有の識別情報(例えば、携帯電話9のメールアドレスやMACアドレス)を第1登録情報データベース2Aに格納するとともに、携帯電話9に試験申込サイトのURLを送信する。
【0048】
試験申込サイトのURLを受信した申込者が試験申込サイトにアクセスすると、本人認証手段5が、試験申込サイトにアクセスしてきた携帯電話に割り当てられている固有の識別情報と、第1登録情報データベース2Aに格納された識別情報とを照らし合わせて、両者が一致するか否かを判定する照合(携帯電話の照合)を行う。
【0049】
携帯電話の照合において、両者が一致していると判定された場合は、表示手段3が、試験申込サイトにアクセスしてきた申込者の携帯電話9に事前照合用画面を表示させる(S1)。一方、一致していないと判定された場合、すなわち申込者の携帯電話9以外の携帯電話から試験申込サイトにアクセスしてきた場合は、携帯電話に事前照合用画面が表示されない。
【0050】
携帯電話9に事前照合用画面が表示された場合、事前照合用画面を見た申込者は、この事前照合用画面に従って、個人IDとパスワード等のアカウント情報(申込アカウント情報)を入力する(S2)。入力された申込アカウント情報は、携帯電話9から本人認証システム1に送信され、入力情報受付手段4により受付けられた後に、本人認証手段5により第1登録情報データベース2Aに格納された申込者の個人IDおよびパスワード等のアカウント情報と照合される(事前照合)。
【0051】
事前照合において、申込アカウント情報と第1登録情報データベース2Aに格納されている申込者のアカウント情報とが一致すると判定された場合は、表示手段3が、携帯電話9に試験申込用画面を表示させる(S3)。
【0052】
表示された試験申込用画面を見た申込者は、この試験申込用画面に従って、自分の学生番号、携帯電話9のメールアドレス、受験を希望する試験等の必要な情報を入力する(S4)。入力された情報は、携帯電話9から本人認証システム1に送信される。送信された情報のうち少なくとも一部の情報は、入力情報受付手段4により申込情報として受付けられて第1登録情報データベース2Aに格納される(S5)。
【0053】
申込情報が受付けられると、システム側は、申込者に試験当日に使用させるクリッカー8の識別番号を申込情報に関連付けて第1登録情報データベース2Aに格納し(S6)、試験当日に実施される試験問題を試験情報データベース2Cに格納する(S7)。なお、クリッカー8の識別番号および試験問題は、試験の実施が決定した時点、すなわち、申込を受付ける前までに、それぞれ第1登録情報データベース2Aおよび試験情報データベース2Cに格納されていればよい。
【0054】
続いて、試験当日に行われる登録情報と入力情報とを照合するステップ(S8〜S19)について説明する。
【0055】
このステップ(S8〜S19)では、入力情報を入力する入力者は、試験会場の指定された座席に着席している。また、入力者には、第1登録情報データベース2Aに格納された識別番号が付与されたクリッカー8が配布されている。
【0056】
試験会場で入力者があらかじめ受信していた本人認証サイトにアクセスすると、本人認証手段5が、本人認証サイトにアクセスしてきた入力者の携帯電話に割り当てられた固有の識別情報と、第1登録情報データベース2Aに格納された識別情報とを照らし合わせて、両者が一致するか否かを判定する携帯電話の照合を行う。
【0057】
携帯電話の照合において、両者が一致していると判定された場合は、すなわち、本人認証サイトにアクセスしてきた入力者の携帯電話が申込者の携帯電話9であると判定された場合は、表示手段3が、本人認証サイトにアクセスしてきた入力者の携帯電話9に図2(a)に示す認証用画面(a)を表示させる(S8)。また、この場合、一致した識別情報の関連元となる申込者情報をもつ申込者が特定される。
【0058】
携帯電話9に認証用画面(a)が表示されると、認証用画面(a)を見た入力者は、この認証用画面(a)に従って、個人IDとパスワード(入力アカウント情報)を入力する(S9)。入力された個人IDおよびパスワードは、携帯電話9から本人認証システム1に送信され、入力情報受付手段4により受付けられた後に、本人認証手段5により第1登録情報データベース2Aに格納されている申込者の個人IDおよびパスワード(アカウント情報)と照合される(S10)。
【0059】
この第1の照合において、入力された個人IDおよびパスワードが、第1登録情報データベース2Aに格納されている、携帯電話の照合において特定した申込者の個人IDおよびパスワードと一致していないと判定された場合、表示手段3は、入力者の携帯電話9に再入力を促すメッセージとともに再び認証用画面(a)を表示させる(S8)。なお、認証用画面(a)を再表示させる回数を制限して、その回数を超えると認証失敗となるようにしてもよい。
【0060】
一方、第1の照合において、入力された個人IDおよびパスワードが、第1登録情報データベース2Aに格納されている特定した申込者の個人IDおよびパスワードと一致していると判定された場合、表示手段3が入力者の携帯電話9に図2(b)に示す認証用画面(b)を表示させる(S11)。
【0061】
認証用画面(b)を見た入力者は、この認証用画面(b)に従って、配布されたクリッカー8の識別番号(入力識別番号)を入力する(S12)。入力された識別番号は、携帯電話9から本人認証システム1に送信され、入力情報受付手段4により受付けられた後に、本人認証手段5により第1登録情報データベース2Aに格納されている特定した申込者に使用させるクリッカー8の識別番号と照合される(S13)。
【0062】
この第2の照合において、入力された識別番号が第1登録情報データベース2Aに格納されている識別番号と一致していないと判定された場合は、認証失敗となる(S18)。一方、入力された識別番号と第1登録情報データベース2Aに格納されている識別番号が一致していると判定された場合、表示手段3は、入力者の携帯電話9に図2(c)に示す認証用画面(c)を表示させる(S14)。認証用画面(c)には、第2登録情報データベース2Bに格納されている特定した申込者の個人情報に基づいて作成された設問(本実施形態では、申込者の現住所の郵便番号)とその回答欄が設けられている。
【0063】
認証用画面(c)を見た入力者は、この認証用画面(c)に従って、設問の回答(入力個人情報)を入力する(S15)。入力された回答は、携帯電話9から本人認証システム1に送信され、入力情報受付手段4により受付けられた後に、本人認証手段5により第2登録情報データベース2Bに格納されている特定した申込者の個人情報(申込者の現住所の郵便番号)と照合される(S16)。
【0064】
この第3の照合において、入力された回答と第2登録情報データベース2Bに格納されている個人情報が一致していないと判定された場合は、認証失敗となり(S18)、一致していると判定された場合は、認証成功となる(S17)。この認証結果は、申込情報に関連付けられて認証結果情報データベース2Dに格納される。
【0065】
認証結果表示手段6は、認証結果情報データベース2Dに格納された認証結果に基づいて各入力者の認証結果を示す認証結果確認用画面を生成し、この認証結果確認用画面を管理者用端末7に表示させる(S19)。これにより、認証結果確認用画面を見た管理者は、本人認証に失敗した入力者(申込者に成りすました入力者)をすぐに特定することができる。
【0066】
なお、表示手段3は、認証結果情報データベース2Dに格納された認証結果に基づいて入力者本人の認証結果を示す認証結果画面を生成し、この認証結果画面を入力者の携帯電話9に表示させてもよい。
【0067】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0068】
例えば、認証用画面(a)〜(c)を申込者ごと、かつ試験ごとに異なるように構成してもよい。具体的には、図5(a)に示すように、認証用画面(a)に申込者の携帯電話9のメールアドレスが表示された部分を設けてもよい。これにより、入力者(申込者)は自分の認証用画面(a)が正しく表示されていることがわかり、安心して情報を入力することができる。
【0069】
さらに、図5(b)に示すように、個人情報に基づいて作成された設問の回答の選択肢が表示された部分を設け、入力者に正しい選択肢の番号を回答させるようにしてもよい。これにより、回答を文章で入力させる場合と比べて、入力者の入力時間を短縮したり、入力者の入力ミスを防いだりすることができる。
【0070】
また、上記実施形態では、アカウント情報に関する第1の照合、クリッカー8の識別番号に関する第2の照合、個人情報に関する第3の照合の順に本人認証を行っているが、照合の順序は任意に変更することができる。
【0071】
また、上記実施形態では、申込情報に関連付けて個人情報、アカウント情報、クリッカー8の識別番号をデータベース2に格納しているが、これらの関連付けの関係は任意に変更することができる。
【0072】
また、上記実施形態では、管理者用端末7に表示される認証結果確認用画面の認証結果を、「未認証」、「認証失敗」、「認証成功」の3つの状態に分けているが、これに限らず、第1〜3の照合のそれぞれの結果が分かるようにしてもよい。具体的には、第1〜3の照合の結果をそれぞれ認証結果情報データベース2Dに格納して、「認証失敗」の状態を、さらに、「第1の照合における認証失敗」、「第2の照合における認証失敗」、「第3の照合における認証失敗」の3つの状態に分けることが好ましい。これにより、管理者は、第1〜3の照合のうちどの照合で認証失敗となったのかをすぐに把握することができるので、より円滑に試験を実施することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 本人認証システム
2 データベース
2A 第1登録情報データベース
2B 第2登録情報データベース
2C 試験情報データベース
2D 認証結果情報データベース
3 表示手段
4 入力情報受付手段
5 本人認証手段
6 認証結果表示手段
7 管理者用端末
8 クリッカー
9 携帯電話

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話の認証用画面に入力された入力情報と、あらかじめ格納された登録情報とを照合することにより前記入力情報を入力した入力者の本人認証を行う本人認証システムであって、
前記登録情報のうち、試験を申し込んだ申込者の申込情報と、前記申込者のアカウント情報と、前記試験の際に前記申込者に使用させる回答用端末の固有の識別番号とが格納された第1登録情報データベースと、
前記登録情報のうち、前記申込者の個人情報が格納された第2登録情報データベースと、
前記入力情報として、少なくとも入力アカウント情報、入力識別番号および入力個人情報を入力するための前記認証用画面を前記携帯電話に表示させる表示手段と、
前記認証用画面を表示した前記携帯電話から送信された前記入力情報を受付ける入力情報受付手段と、
前記第1登録情報データベースに格納された前記アカウント情報と、前記入力情報受付手段が受付けた前記入力アカウント情報とを照らし合わせる第1の照合と、前記第1登録情報データベースに格納された前記識別番号と、前記入力情報受付手段が受付けた前記入力識別番号とを照らし合わせる第2の照合と、前記第2登録情報データベースに格納された前記個人情報と、前記入力情報受付手段が受付けた前記入力個人情報とを照らし合わせる第3の照合とのすべての照合で両者が一致した場合に、前記入力者が前記申込者本人であると認証する本人認証手段と、
を備えたことを特徴とする本人認証システム。
【請求項2】
認証結果表示手段と、管理者用端末と、前記本人認証手段における認証結果が格納された認証結果情報データベースとをさらに備え、
前記認証結果表示手段は、前記認証結果情報データベースに格納された前記認証結果に基づいて認証結果確認用画面を生成し、該認証結果確認用画面を前記管理者用端末に表示させること特徴とする請求項1に記載の本人認証システム。
【請求項3】
前記表示手段は、前記申込者が前記試験を申し込む際に、前記申込者の携帯電話に試験申込用画面を表示させ、
前記入力情報受付手段は、前記試験申込用画面を表示した前記申込者の携帯電話から送信された情報を前記申込情報として受付けることを特徴とする請求項1または2に記載の本人認証システム。
【請求項4】
前記表示手段は、前記申込者の携帯電話に前記試験申込用画面を表示させる前に、申込アカウント情報を入力させるための事前照合用画面を表示させ、
前記本人認証手段は、前記事前照合用画面を表示した前記申込者の携帯電話から送信された前記申込アカウント情報と、前記第1登録情報データベースに格納された前記アカウント情報とを照らし合わせる事前照合を行い、
該事前照合において両者が一致した場合に、前記表示手段が前記申込者の携帯電話に前記試験申込用画面を表示させることを特徴とする請求項3に記載の本人認証システム。
【請求項5】
前記第1登録情報データベースには、前記申込者の携帯電話に割り当てられた固有の識別情報が格納されており、
前記表示手段は、前記第1登録情報データベースに格納された前記識別情報と前記認証用画面を表示させようとする前記携帯電話の固有の識別情報とが一致した場合に、前記認証用画面を前記携帯電話に表示させることを特徴とする請求項4に記載の本人認証システム。
【請求項6】
前記表示手段は、前記第1登録情報データベースに格納された前記識別情報と前記事前照合用画面を表示させようとする携帯電話の固有の識別情報とが一致した場合に、前記事前照合用画面を該携帯電話に表示させることを特徴とする請求項5に記載の本人認証システム。
【請求項7】
前記認証用画面は、前記申込者ごと、かつ前記試験ごとに異なることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の本人認証システム。
【請求項8】
前記試験は、学校において実施される試験であり、
前記個人情報は、前記申込者が前記学校に入学する際に前記申込者から取得されたものであり、
前記アカウント情報は、前記申込者が前記学校に入学する際に前記申込者に付与されたものであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の本人認証システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−99068(P2012−99068A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248662(P2010−248662)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(504255685)国立大学法人京都工芸繊維大学 (203)
【Fターム(参考)】