説明

本人認証装置及びこれを備えた自動販売装置

【課題】無駄な画像データ処理を省き本人認証処理の効率化を図った本人認証装置を提供する。
【解決手段】購入者Aを撮像するカメラ2と、購入者Aの所持するICカードからなる身分証明用カードBに登録されている顔特徴量データ及び属性データを読取るカードリーダ3と、身分証明用カードBから読取った属性データから購入者Aが販売可能な条件を備えているか否かを判定し、販売可能と判定した時にカメラ2の撮像画像から生成した顔特徴量データと身分証明用カードBから読取った顔特徴量データとを照合して購入者Aがカード所有者本人か否かを判定する制御部4と、購入者Aとのインタフェース動作を行うユーザーインタフェース装置5とを備える。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、身分証明が必要な販売品の購入者の適否を判定するための本人認証装置及びこの本人認証装置を備えた自動販売装置に関し、特に、本人か否かの認証処理を効率良く行えるようにした本人認証装置及びこの本人認証装置を備えた自動販売装置に関する。
【0002】
【従来の技術】各種販売品には、例えば煙草、酒、一部の雑誌等のように未成年者には販売が禁止されているもの、交通機関、遊戯施設の利用券のように高齢者、障害者、学生等に対して割引等の優遇措置があるもの等、購入者に条件を設けているものが多数ある。しかし、煙草、酒、一部の雑誌等を例にとれば、現状では自動販売機等で誰でも購入することが可能である。
【0003】このような問題を解消するため、例えば特開平9−245231号公報等に購入者が販売可能な条件を備えた本人であるか否かを判別する本人認証機能を備えた自動販売機が提案されている。この自動販売機では、購入者の運転免許証から顔写真と生年月日を読取る一方、カメラで購入者の顔を撮像し、読取った顔写真と撮像した顔写真を照合すると共に、読取った生年月日から購入者の年齢が販売条件を満たしているか否かを判断し、購入者に対する販売の可否を決定するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の自動販売機における本人認証処理では、画像データによる本人判定処理と文字データによる年齢判定処理をそれぞれ独立して実行する。このため、文字データ処理に比べて時間のかかる画像データ処理が、数値データ処理で不適の判定結果が既に出ているにも拘わらず常に実行されることになり、本人認証処理が効率良く行われていない。
【0005】本発明は上記問題点に着目してなされたもので、購入者の属性データによる販売可能条件の判定処理で販売可能と判定した場合のみ画像データによる本人認証処理を実行し、無駄な画像データ処理を省いた本人認証装置及びこの本人認証装置を備えた自動販売装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、本発明は、身分証明が必要な販売品の購入者が販売可能な条件を備えた本人か否かを認証するための本人認証装置であって、前記購入者を撮像する撮像手段と、前記購入者の身分証明に使用された予め登録されている顔特徴量データ及び属性データを読取る購入者データ読取り手段と、購入者データ読取り手段で読取った前記属性データに基づいて購入者が前記条件を備えているか否かを判定する条件判定手段と、該条件判定手段が前記条件を備えていると判定した時に前記撮像手段の撮像画像に基づいて生成した顔特徴量データと購入者データ読取り手段で読取った顔特徴量データとを照合して購入者が前記条件を備えた本人か否かを判定する本人判定手段とを備えて構成したことを特徴とする。
【0007】かかる構成では、撮像手段で購入者を撮像する。購入者データ読取り手段は、購入者の所有する身分証明証や身分証明証の発行元のデータベース等に予め登録されている購入者の顔特徴量データ及び国籍、年齢、障害種別等の属性データを読取る。条件判定手段は、読取った属性データから販売可能な条件を備えた購入者か否かを判別する。条件判定手段が販売OKと判定した場合には、本人判定手段が読取った顔特徴量データと撮像画像から生成した顔特徴量データとを照合し本人か否かを判定する。条件判定手段が販売NGと判定した場合には、その時点で本人認証処理を終了し、顔特徴量データによる本人判定処理は行わない。
【0008】購入者データ読取り手段は、請求項2のように、データの記憶可能な記憶媒体、例えば請求項3のようなICカード等で形成された購入者の所有する身分証明証から顔特徴量データ及び属性データを読取る構成である。登録者のデータは、請求項4のように、登録者の前記顔特徴量データ及び属性データを記憶した外部のデータベースと通信可能な通信手段を設け、購入者の入力する登録者識別用ID情報に基づいて当該ID情報に対応する登録者の顔特徴量データ及び属性データを前記データベースから読取る構成としてもよい。
【0009】また、請求項5のように、登録者の前記顔特徴量データ及び属性データのいずれか一方を記憶した外部のデータベースから、購入者の入力する登録者識別用ID情報に基づいて当該ID情報に対応する登録者の一方のデータを前記通信手段を介して読取り、データの記憶可能な記憶媒体で形成された購入者の所有する身分証明証から他方のデータを読取る構成としてもよい。この場合、請求項6のように、前記外部のデータベースに前記属性データを記憶させ、前記身分証明証に顔特徴量データを記憶させるようにすれば、データ容量の多い画像データを通信手段で送信する必要がなくデータ送信時間を短くできる。
【0010】請求項7の発明では、読取った前記属性データに基づいて購入者の属性に適したインタフェース動作を行うユーザーインタフェースを備える構成とした。かかる構成では、認証処理過程において購入者に操作や処理結果等の案内等をする場合に、例えば購入者の国籍から購入者の母国語で表示案内や音声案内を行うことが可能になる。
【0011】請求項8の発明は、前記請求項1〜7のいずれか1つに記載の本人認証装置を備えた自動販売装置であって、前記本人認証装置が本人確認出力を発生し、且つ、購入者が販売品の対価以上の金銭を投入した時に、販売品の販売処理動作を実行する販売処理手段を備えることを特徴とする。かかる構成では、販売処理手段は、本人認証装置が上述のようにして本人であると認証した場合、購入者の投入金額が販売品の対価以上であれば、金銭を精算して購入者に対して販売品を排出する。
【0012】請求項9のように、前記販売品が、購入者の属性に応じた価格割引のある販売品とすれば、障害者割引、学生割引等の優遇措置がとられている販売品の販売にも適用できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る本人認証装置の第1実施形態を示す構成図である。図1において、本実施形態の本人認証装置1は、身分証明が必要な販売品を買おうとする購入者Aを撮像する撮像手段としてのカメラ2と、購入者Aの所持する身分証明用カードBから購入者Aの予め登録されている顔特徴量データ及び属性データを読取る購入者データ読取り手段としてのカードリーダ3と、カードリーダ3で読取った顔特徴量データ及び属性データとカメラ2の撮像画像データを入力し、属性データに基づいて購入者Bが前記販売品の販売可能な条件を備えているか否かを判定すると共に、読取った顔特徴量データと撮像画像とに基づいて購入者Aが身分証明用カードBの所有者本人か否かを判定する制御部4と、判定結果や操作案内等の情報を購入者BAの属性(国籍、年齢等)に適した形態で提供するユーザーインタフェース装置5とを備えて構成される。
【0014】身分証明が必要な販売品としては、例えば、煙草、酒、一部の雑誌等の未成年者に販売が禁止されているもの、通学定期、学割切符、交通機関や遊戯施設等における割引券、或いは特定の薬物等が挙げられる。前記身分証明用カードBは、データの記憶可能な記憶媒体で形成した例えば健康保険証、運転免許証等、カード所有者の身分を証明できるものであればよい。尚、前記記憶媒体として例えば接触式、非接触式のICカード等が望ましい。
【0015】前記カードリーダ3は、接触式ICカード対応であればカード挿入口を有し、カードの挿入を検知してデータの読込みを開始する。また、非接触式ICカード対応であればカードの発信信号を受信するアンテナを有しカードからの発信データの受信によりデータの読込みを開始する。前記制御部4は、カメラ2から入力する撮像画像から例えば目、鼻、耳、口の位置関係、顔の輪郭等の情報を抽出して顔特徴量データを作成する。また、カードリーダ3から入力した属性データ(年齢(生年月日)、性別、氏名、国籍、障害種別、視力等)に基づいて購入者Bが前記販売品の販売可能な条件を備えているか否かを判定処理し、販売可能な条件を備えた購入者Aであると判定した時にカメラ2の撮像画像から生成した顔特徴量データとカードリーダ3から入力した顔特徴量データとを照合して購入者Aが身分証明用カードBの所有者本人か否かを判定処理する。
【0016】ユーザーインタフェース装置5は、制御部5から入力する指令信号や属性データ等に基づいて提供情報を購入者Aの母国語で表示或いは音声出力したり、視力に応じて文字の大きさを変えて表示したり、障害種別により情報の提供形態(音声、表示、点字パネル)を変更する等、購入者Aの属性に適したインタフェース動作を行うようになっている。
【0017】図1に示す本実施形態の本人認証動作を図2のフローチャートを参照しながら説明する。ステップ1(図中S1と記す。以下同様とする。)では、購入者Aのカードデータの読込みを開始したか否かを判定し、YESであればステップ2に進む。身分証明用カードBが接触式ICカードの場合はカードリーダ3にカードBが挿入されたことを検出した時に、身分証明用カードBが非接触式ICカードの場合はアンテナがカードの発信信号を受信した時に、それぞれYESと判定される。これにより、身分証明用カードBの顔特徴量データ及び属性データが読込まれる。
【0018】ステップ2では、カメラ2により購入者Aの顔画像を撮像する。ステップ3では、読込んだデータのうちの属性データを用いて購入者Aが販売品の販売可能な条件を備えた者か否かを判定する。例えば、煙草、酒、一部の雑誌等の未成年者に販売が禁止されているような販売品であれば、例えば販売可能な条件として年齢20歳以上という条件を予め設定し、読込んだ属性データの年齢(生年月日)データと設定条件を比較して判定する。また、通学定期、学割切符等の販売であれば、読込んだ属性データに学生であることを証明するデータがあるか否かで判定する。また、交通機関や遊戯施設等の割引券(例えば高齢者割引券、障害者割引券、年齢(小学生、中学生、高校生等)別の割引券)等のような優遇措置がついている販売品であれば、属性データ中のそれぞれ対応するデータ項目に基づいて判定する。
【0019】ステップ4では、ステップ3の判定結果に基づいて販売条件クリアか否かを判定する。クリアされていると判定された時はステップ5に進み、カメラ2で撮像した購入者Aの撮像画像から顔特徴量データを生成する。ステップ6では、カードBから読込んだ顔特徴量データとステップ5で生成した購入者Aの顔特徴量データとを照合する。
【0020】ステップ7では、ステップ6の判定結果に基づいて本人であるか否かを判定する。本人の時はステップ8に進み、購入者Aが本人であることを示す本人確認出力を発生する。一方、ステップ4でNOと判定した場合は、ステップ5、6の画像データによる本人照合処理動作を行うことなくステップ9に進み、認証無効である旨を表示や音声等を用いてユーザーインタフェース装置5により購入者Aに対して知らせる。また、ステップ7でNOと判定した場合もステップ9に進み、同様に認証無効である旨をユーザーインタフェース装置5により購入者Aに対して知らせる。このユーザーインタフェース装置5では、読込んだ属性データに基づいて、購入者Aの国籍が外国人であればその人の母国語を用いて通知する。また、障害者の場合には障害種別に応じて音声で通知したり通知内容を画面で表示したり、点字パネルに代えたりする等、購入者Aの属性に適したインタフェース動作を選択する。
【0021】かかる本人認証装置1では、属性データによる販売条件判定処理と画像データによる本人判定処理の処理順序に優先順位を設け、購入者Aの属性データから販売可能な条件を備えた者か否かの判定を先に行い、販売条件をクリアした購入者の場合のみ画像データによる本人判定処理を実行するようにしたので、属性データによる販売条件判定処理をクリアしない場合には、比較的処理が複雑で時間のかかる画像データによる照合処理を実行する必要がなくなり、無駄な画像データ処理をしなくて済み、効率良く本人認証処理動作を行える。
【0022】尚、属性データを読込む場合、購入者のプライバシーを考慮し、条件判定に必要な最小限の属性データを読込むようにするとよい。例えば、煙草、酒、一部の雑誌等の未成年者か否かを判定する場合には、属性データの年齢(生年月日)、通学定期、学割切符等の販売であれば学生か否かのデータのみを読込むようにするとよい。
【0023】図3に本人認証装置の第2実施形態の構成を示す。尚、第1実施形態と同一要素には同一符号を付して説明を省略する。本実施形態は、購入者Aの身分証明用カードBの発行元等が、購入者Aの顔特徴量データ及び属性データを登録するデータベースを有し、身分証明用カードBには前記データベースにアクセスするための購入者固有のID情報(暗証番号等)が記憶されている場合の構成例である。
【0024】図3において、本実施形態の本人認証装置10は、カメラ12と、カードリーダ13と、制御部14と、ユーザーインタフェース装置15及び通信制御部16とを備えて構成される。前記制御部14は、第1実施形態の制御部4と同様の機能に加えて、カードリーダ13で読込んだ購入者AのIDデータに基づいて通信制御部16を制御し通信ネットワークで接続された各カード発行元がそれぞれ有する複数の各データベース17の中から所定のデータベース17にアクセスして、購入者Aの顔特徴量データ及び属性データを入力する機能を有する。
【0025】通信制御部16は、制御部14の制御により通信ネットワークを介して本人認証装置10とデータベース17とを通信接続するものである。尚、カメラ12、カードリーダ13及びユーザーインタフェース装置15は、第1実施形態と同様の構成である。図4のフローチャートを参照して第2実施形態の本人認証動作を説明する。
【0026】ステップ11では、購入者Aの身分証明用カードBからIDデータの読込みを開始したか否かを判定し、YESであればステップ12に進む。ステップ12では、カメラ2により購入者Aの顔画像を撮像する。ステップ13では、通信制御部16を制御して読込んだIDデータに基づいて外部のデータベース17に選択接続し、データベース17に前記IDデータと対応付けられて予め登録されている顔特徴量データ及び属性データを入力する。
【0027】ステップ13で顔特徴量データ及び属性データを入力した後のステップ14〜ステップ20までの動作は第1実施形態と同様であるので説明を省略する。尚、カードリーダ13に代えてテンキー等の入力操作部を設け、購入者AのIDデータを購入者A自身が入力するよう構成でもよい。また、上記の第2実施形態では、顔特徴量データと属性データの両データがデータベース17に記憶されている例を示したが、顔特徴量データと属性データのいずれか一方のデータがデータベース17に記憶されており他方のデータは身分証明用カードBに記憶されていてもよい。この場合、画像データはデータ量が多く送信に時間がかかるので、送信データベース17に属性データが記憶され身分証明用カードBに顔特徴量データが記憶されていることが好ましい。
【0028】次に、本人認証装置を備えた本発明に係る自動販売装置について説明する。図5に、本発明の自動販売装置の第1実施形態として定期券販売装置の例を示す。定期券販売装置では身分証明が必要な通学定期を販売するため本人認証装置が必要となる。尚、図1の実施形態と同一要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0029】図5において、本実施形態の定期券販売装置20は、図1に示す本人認証装置1と、購入者Aが購入する定期券等の指定操作を行う操作部21と、代金精算処理を行う金銭処理ユニット22と、販売した定期券を発行処理する定期券発行処理ユニット23と、本人認証装置1、操作部21、金銭処理ユニット22及び定期券発行処理ユニット23を制御する制御部24とを備えて構成される。尚、本人認証装置は図3の第2実施形態のものでもよいことは言うまでもない。
【0030】操作部21は、購入者Aが定期券の購入に必要な情報を入力操作するためのものである。金銭処理ユニット22は、購入者Aが投入した紙幣、コイン等の金銭に基づいて、投入金額が販売品の対価以上であれば販売代金に相当する金銭を回収し、釣銭があれば釣銭を返却する等の精算処理を行うものである。
【0031】定期券発行ユニット23は、所定事項を印字して定期券を排出する等の八個処理を行うものである。制御部24は、例えば操作部21からの入力情報に基づいて販売代金を演算し金銭処理ユニット22に出力し、金銭処理ユニット22からの精算完了情報に基づいて定期券発行ユニット23に定期券発行処理の指令を出力する。また、通学定期等の身分証明が必要な定期券の販売時には、本人認証装置1の本人確認出力の入力により上述した定期券販売処理動作を制御する。前記操作部21、金銭処理ユニット22、定期券発行処理ユニット23及び制御部24で販売処理手段を構成する。
【0032】また、定期券販売装置で販売する通学定期は重複して購入したり複数購入する不正な購入は許されない。このような購入量の制限がある販売品の不正購入を防止するには購入履歴データを保存することが望ましい。このため、本実施形態の定期券販売装置30では、購入履歴を例えば身分証明用カードBに書込むようにしている。
【0033】次に、図6のフローチャートを参照して本実施形態の定期券販売装置20による通学定期販売動作を説明する。購入者Aが購入しようとする定期券を操作部21で指定すると動作が開始する。ステップ31では、指定された定期券の種別を判定する。通学定期が指定されるとステップ32に進む。
【0034】ステップ32では、学生を証明する身分証明用カードBの提示の要請を本人認証装置1のユーザーインタフェース装置5により購入者Aに行う。ステップ33では、本人認証装置1による前述した図2に示す本人認証動作が実行され本人か否かの判定が行われ、本人であればステップ34に進む。また、同時に身分証明用カードBから購入履歴データを読取る。
【0035】ステップ34では、ユーザーインタフェース装置5により必要事項の入力要請を行う。これに従って、購入者Aが操作部21を操作して所定の必要事項を入力する。ステップ35では、入力された事項及び身分証明用カードBから読取った購入履歴データに基づいて重複購入や複数購入等の不正購入か否かを判定する。適正な購入であれば販売可能と判断してステップ36に進む。
【0036】ステップ36では、ユーザーインタフェース装置5で金額を提示する。ステップ37では、金銭処理ユニット22において精算が完了したか否かを判定する。金銭処理ユニット22から精算完了信号が出力され精算完了と判定すればステップ38に進み、定期券発行ユニットにより所定の通学定期を発行し、ステップ39で、今回の購入記録を本人認証装置1により身分証明用カードBに書込む。
【0037】ステップ31でNOと判定された場合はステップ40に進み、本人認証処理を行わない通常の定期券販売処理を実行し、処理を終了する。また、ステップ33でNOと判定された場合はステップ41に進み、例えば「提示された身分証明用カードはあなたのものと認められません。窓口で購入して下さい。」のような認証が無効である旨のメッセージをユーザーインタフェース装置5で通知し、処理を終了する。また、ステップ35でNOと判定された場合はステップ42に進み、例えば「あなたには指定された通学定期を購入する資格がありません。」のようなメッセージにより購入できないことをユーザーインタフェース装置5で通知し、処理を終了する。
【0038】本実施形態では、購入履歴データを購入者の身分証明用カードに書込むようにしたが、図7に示す第2実施形態のように、センタ装置30を設け、このセンタ装置30と各駅に設置された定期券販売装置20をネットワークで通信可能に接続し、センタ装置30のデータベースに購入記録を送信し保存するようにしてもよい。このようにすれば、身分証明用カードBに購入記録を書込む必要がなくなり、身分証明用カードBの購入記録の不正な書換えによる不正購入を防止できる。
【0039】尚、本人認証装置を適用する自動販売装置としては、定期券販売装置の他に、例えば、煙草、酒、一部の雑誌等の自動販売機、遊戯施設等の券売機、公営ギャンブル投票券発売機等が挙げられる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明の本人認証装置によれば、購入者の属性データにより販売可能な条件を備えているか否かの判定処理を先に行い、販売可能と判定した時のみ画像データによる本人判定処理を行う構成としたので、販売できない購入者に対して時間のかかる画像データによる判定処理を行う必要がなく、無駄な判定処理を省略でき効率の良い本人認証動作を行うことができる。
【0041】また、この本人認証装置を適用した自動販売装置によれば、効率の良い本人認証処理により販売処理の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る本人認証装置の第1実施形態を示す構成図
【図2】同上第1実施形態の動作フローチャート
【図3】本発明に係る本人認証装置の第2実施形態を示す構成図
【図4】同上第2実施形態の動作フローチャート
【図5】本発明に係る自動販売装置の第1実施形態を示す構成図
【図6】同上実施形態の動作フローチャート
【図7】本発明に係る自動販売装置の第2実施形態を示す構成図
【符号の説明】
1、10 本人認証装置
2、12 カメラ
3、13 カードリーダ
4、14 制御部
5、15 ユーザーインタフェース装置
16 通信制御部
17 データベース
20 定期券販売装置
21 操作部
22 金銭処理ユニット
23 定期券発行ユニット
24 制御部
30 センタ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】身分証明が必要な販売品の購入者が販売可能な条件を備えた本人か否かを認証するための本人認証装置であって、前記購入者を撮像する撮像手段と、前記購入者の身分証明に使用された予め登録されている顔特徴量データ及び属性データを読取る購入者データ読取り手段と、購入者データ読取り手段で読取った前記属性データに基づいて購入者が前記条件を備えているか否かを判定する条件判定手段と、該条件判定手段が前記条件を備えていると判定した時に、前記撮像手段の撮像画像に基づいて生成した顔特徴量データと購入者データ読取り手段で読取った顔特徴量データとを照合して購入者が前記条件を備えた本人か否かを判定する本人判定手段と、を備えて構成したことを特徴とする本人認証装置。
【請求項2】前記購入者データ読取り手段は、データの記憶可能な記憶媒体で形成された購入者の所有する身分証明証から前記顔特徴量データ及び属性データを読取る構成である請求項1に記載の本人認証装置。
【請求項3】前記記憶媒体がICカードである請求項2に記載の本人認証装置。
【請求項4】登録者の前記顔特徴量データ及び属性データを記憶した外部のデータベースと通信可能な通信手段を備え、購入者の入力する登録者識別用ID情報に基づいて当該ID情報に対応する登録者の顔特徴量データ及び属性データを前記通信手段を介して前記データベースから読取る構成である請求項1に記載の本人認証装置。
【請求項5】登録者の前記顔特徴量データ及び属性データのいずれか一方を記憶した外部のデータベースと通信可能な通信手段を備え、購入者の入力する登録者識別用ID情報に基づいて当該ID情報に対応する登録者の前記一方のデータを前記通信手段を介して前記データベースから読取り、データの記憶可能な記憶媒体で形成された購入者の所有する身分証明証から他方のデータを読取る構成である請求項1に記載の本人認証装置。
【請求項6】前記外部のデータベースに前記属性データを記憶させ、前記身分証明証に顔特徴量データを記憶させる請求項5に記載の本人認証装置。
【請求項7】読取った前記属性データに基づいて購入者の属性に適したインタフェース動作を行うユーザーインタフェースを備えた請求項1〜6のいずれか1つに記載の本人認証装置。
【請求項8】前記請求項1〜7のいずれか1つに記載の本人認証装置を備えた自動販売装置であって、前記本人認証装置が本人確認出力を発生し、且つ、購入者が販売品の対価以上の金銭を投入した時に、販売品の販売処理動作を実行する販売処理手段を備えることを特徴とする自動販売装置。
【請求項9】前記販売品が、購入者の属性に応じた価格割引のある販売品である請求項8に記載の自動販売装置。

【図1】
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【図7】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2003−151016(P2003−151016A)
【公開日】平成15年5月23日(2003.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−343765(P2001−343765)
【出願日】平成13年11月8日(2001.11.8)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】