説明

材料を検査するためのマイクロ波装置

本発明は、材料(150)に放射するための搬送周波数Fpの電磁信号を送信するための手段(110)と、電磁信号を受信するための手段(130)とを少なくとも備える、材料(150)を検査するための装置(100)であって、送信された電磁信号を空間的に標本化するために、送信手段(110)と材料(150)との間の信号経路に設けられている、電磁信号を周波数Fm1で変調するための第1変調手段と、材料(150)を通過した電磁信号を空間的に標本化するために、材料(150)と電磁信号受信手段(130)との間の信号経路に設けられている、電磁信号を周波数Fm2で変調するための第2変調手段(140)とをさらに備えることを特徴とする装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料を検査するための装置に関するものである。さらに、本発明は、この装置を使用する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明の装置は、様々な用途に使用することができる。
【0003】
特に、本発明に係る装置によれば、材木、紙、岩もしくはグラスウール、ガラス、プラスチック、農産物加工品、又は放射素子などのような完全には金属でできていない材料の検査が可能となる。
【0004】
このようなタイプの材料について、この装置によれば、特に、材料物理特性(密度、湿度)の測定、又は、検査した材料の欠陥(空洞、含有物など)の検出さえ可能になる。
【0005】
工業生産ラインにおいて材料を検査するには、大抵の場合は無侵襲の高速な装置を使用する必要がある。このような無侵襲の装置は、例えば、X線、ガンマ、及び、赤外線もしくは超音波の装置などが知られており、これらの装置の各々にはその独自の特定の用途がある。
【0006】
これらの装置の性能を向上させるため、各装置が単独で有する利点を少なくとも得られるように、装置を組み合わせることが提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、現行の技術は、非金属材料に適用するには、たとえ特に電磁波を基礎とする装置の使用によって一定の利点(特に、非金属材料の内部への電磁波の本質的浸透)が提供されるとしても、工業的用途に関して依然として制限されている。
【0008】
実際、このような工業的用途には、検査しようとする材料が生産ラインに沿って進む速度率を考慮し、且つ、材料の広い部分を検査する必要性を考慮したリアルタイム測定が必要である。
【0009】
本発明の目的は、上述の制限を改善することである。
【0010】
より正確には、本発明の第1目的は、完全には金属でできていない材料を検査することのできる装置を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、材料のリアルタイム検査を実施することのできる装置を提供することである。
【0012】
本発明のさらに他の目的は、材料の大部分に亘る検査を可能にすることである。
【0013】
本発明のまた他の目的は、全タイプの生産ラインに簡単に適合可能な、簡単に設置されるモジュール式装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
このため、本発明の主題は、材料に放射するための搬送周波数Fpの電磁信号を送信するための手段と、電磁信号を受信するための手段とを少なくとも備える、材料を検査するための装置であって、送信された電磁信号を空間的に標本化するために、送信手段と材料との間の信号経路に設けられている、電磁信号を周波数Fm1で変調する第1変調手段と、材料を通過した電磁信号を空間的に標本化するために、材料と電磁信号受信手段との間の信号経路に設けられている、電磁信号を周波数Fm2で変調するための第2変調手段とをさらに備えることを特徴とする装置を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、伝送モードで材料を検査するための装置の概略図である。
【図2】図2は、本発明に係る材料を検査するための装置のブロック図である。
【図3】図3は、反射モードで本発明に係る材料を検査するための装置の概略図である。
【図4】図4は、変調素子を有するセンサの概略図である。
【図5】図5は、図4に基づく変調素子を有するセンサのアレイの図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、添付の図面を参照しながら、制限を意図するものではない以下の説明を読むことで、理解するのがより簡単になり、その他の対象、目的、及び利点が明らかになるであろう。
【0017】
1.伝送モードで材料を検査するための装置
図1及び図2に、材料(material)150を検査(controlling)するための、伝送構成の装置100を示す。
【0018】
この検査装置100は、
検査しようとする材料150に放射するための搬送周波数Fpの電磁信号の送信手段110、
材料150から受信した電磁信号の周波数Fm2での変調手段140、
変調により作成された電磁信号の受信手段130の形態をとる。
【0019】
変調手段140は、材料150と変調により作成される電磁信号の受信手段130との間の信号経路に設けられている。
【0020】
一方では送信手段110が、そして、他方では変調手段140及び受信手段が、検査しようとする材料150の両側に、変調手段140がこの材料150を通過した後の伝送された信号を受信するように、それぞれ設けられている。
【0021】
a.送信手段
送信手段110は、搬送周波数Fpの電磁信号を送信するための隣接した送信アンテナのアレイを備えている。この信号は、より正確には電磁平面波である。周波数Fpは、マイクロ波周波数の領域内にある。
【0022】
これらのアンテナは、パッチアンテナであることが好ましい。
【0023】
b.変調手段
変調手段140は、材料150に対向して配置されたセンサ200のアレイを有し、これらのセンサ200は、送信手段110によって送信される信号の伝播方向に対して垂直な共通の面に並べられている。
【0024】
変調手段の役割は、材料150を通過した電磁信号を空間的に標本化してセンサ200と同じだけの個数の独立した信号にするために、変調周波数F2で電磁場を局所的に擾乱(disturb)させることである。
【0025】
空間的な分離のための変調素子を集積しているセンサ200は、図4及び図5に関係してより詳しく説明される。
【0026】
さらに、本発明の他の一実施形態は、変調周波数Fm2,Fm2−1,Fm2−2…Fm2−i(ただし、「i」はn番目のセンサに相当する)を生成する変調手段を提案する。
【0027】
c.受信手段
また、受信手段130は、送信アレイのアンテナと同タイプであるか、又は、同一でさえあることが好ましい、並んだ受信アンテナのアレイを有している。
【0028】
受信アンテナのアレイは、空間変調のセンサ200のアレイの後ろに配置されている。
【0029】
受信アンテナのこのアレイは、搬送周波数の信号と、変調により生じる変調された周波数Fp±Fmの信号とを集めるためのものである。
【0030】
受信手段130の実施形態の一変形例では、受信アンテナのアレイ、及び、空間変調のセンサ200のアレイが、集積受信アンテナと集積空間変調センサとをそれぞれ含む独立した素子のアレイとして設けられていてもよい。
【0031】
d.検査装置の他の要素
図2から分かるように、装置は、周波数Fm2で変調された信号を逆多重化するための手段180をさらに有している。この逆多重化手段(demultiplexing means)180は、異なるセンサ200をアドレシングする機能を果たす。換言すれば、逆多重化手段180により、受信手段130は、センサ200からもたらされる異なる信号の発信元を識別できるようになる。
【0032】
この逆多重化手段は、時間的又は空間的逆多重化手段であってもよい。
【0033】
時間的逆多重化では、異なるセンサ200へ向けて変調信号を連続的に配信することによって、識別が行われる。
【0034】
空間的逆多重化では、異なる変調周波数Fm、又は、1セットの直交変調をアレイの各センサ200に同時に割り当てることによって、識別が行われる。
【0035】
装置は、受信手段130によって受信された搬送周波数Fp及び変調された周波数Fp±Fmの信号の濾波手段190と、増幅手段191とをさらに備えている。
【0036】
より正確には、濾波手段190は、変調された信号が増幅される前に搬送周波数Fpが除去されるようにカットオフ周波数及び帯域幅が調整された帯域通過フィルターを有している。
【0037】
したがって、材料150を通過したビームを集める受信器163の機能の有効ダイナミックレンジは、通例は選択された搬送周波数Fpのレベルよりも60から80dB下のレベルを有する周波数Fp±Fmで変調された信号に基づいて更新される。
【0038】
濾波手段190により、受信器163が搬送周波数Fpの信号によって飽和されないようにすることができ、これにより、装置のよりいっそう良好なダイナミックスを得ることができる。
【0039】
多重搬送周波数の装置では、搬送周波数の各々を中心とし、周波数帯に沿って動く、例えばイットリウム・鉄・ガーネットYIGフィルターなどのフィルターを使用することができる。
【0040】
さらに、増幅手段191は、低雑音増幅器を備えている。なお、この低雑音増幅器は、濾波された信号を受信し、この信号が受信器163によって集められる前にこの信号を増幅するためのものである。
【0041】
最後に、装置は、特定のユニット161,162,163と通信するプロセッサ170を備えている。特定のユニット161,162,163は、それぞれ、送信手段110、逆多重化手段、及び変調された電磁信号の実部及び虚部を測定するための受信手段130に接続された受信器163の段階での信号の伝送(transmission)を管理するよう意図される。
【0042】
プロセッサ170は、同様に、送信手段110によって送信された電磁信号の擾乱検出(disturbance detection)を改善するために、受信器163からの実信号及び虚信号を処理するための手段を備えている。
【0043】
プロセッサ170は、さらに、検査した材料150のイメージの処理後表示のための表示手段を備えている。なお、このイメージは、変調の結果得られる信号に基づいて作成されるものである。
【0044】
e.検査装置の動作原理
このような手段では、検査しようとする材料(material to be controlled)150に放射するために電磁信号が周波数Fpで送信されるプロセスを使用することができる。
【0045】
さらに、送信手段110によって電磁信号が一旦送信されたら、この電磁信号は、検査しようとする材料150に伝播する。
【0046】
材料150の僅かな不均一性、又は、その密度、湿度もしくは温度における差異は、材料150において伝播される電磁場の性質を変更する可能性がある。
【0047】
同様に、欠陥があると、欠陥の誘電特性又は磁気特性が材料150の誘電特性又は磁気特性とは異なるため、材料150に伝播される電磁信号が欠陥の場所において擾乱を受ける。
【0048】
このように変化を受けた信号は、変調手段140のアレイのセンサ200によって受信される。
【0049】
その後、そのセンサ200の各々において、材料150から出された電磁信号は、変調周波数Fm2で変調される。続いて、各センサ200から出された変調信号は、受信手段130のアンテナによって受信される。
【0050】
このように、既に変調された信号を受信手段130の段階で受信した後、どのセンサ200が擾乱を受けた信号を検出したかを認識することができる。この特定のセンサ200が、材料150の局在ゾーンに対応するであろう。
【0051】
変調され、受信手段130によって受信されたこれらの信号は、次に、濾波され、増幅され、検査しようとする材料150のイメージを得るために処理される。
【0052】
材料150のゾーンにおける欠陥の存在により引き起こされる電磁信号の擾乱は、1つ又は複数の特定のセンサ200におけるイメージ上で見えるので、欠陥の場所を特定することができるようになる。
【0053】
同様に、材料150における不均一性、又は、密度、湿度もしくは温度の差異が装置によって検出される。
【0054】
また、装置の放射部分が反対である図1の他の一実施形態では、受信手段130のアンテナにより送信を行い、送信手段110のアンテナにより受信を行ってもよい。
【0055】
f.二重変調検出装置
図1の装置に、送信手段110によって送信される信号を変調周波数Fm1で変調するための手段を追加してもよい。
【0056】
この変調周波数Fm1は、材料150によって受信される電磁信号の変調周波数と同じであってもよいし、又は、異なっていてもよい。
【0057】
これらの手段は、上述の変調手段140に類似し、図4及び図5に関連して説明される。
【0058】
また、本発明の実施形態の一変形例は、変調Fm1,Fm1−1,Fm1−2…Fm1−i(ただし、「i」はn番目のセンサに相当する)をもたらす変調手段を提案する。
【0059】
この変調手段は、送信手段110と被分析材料150との間の信号経路に配置されている。
【0060】
変調手段は、送信手段110によって送信された電磁信号を空間的に標本化して変調手段のアレイにおけるセンサと同じだけの個数の信号にする。
【0061】
搬送周波数Fpの電磁信号の二重変調はこのようにして得られる。
【0062】
電磁信号の各送信点について、材料を通過した信号は、変調手段140のアレイのセンサ200の集合体によって受信される。
【0063】
したがって、センサに集められた信号は、材料150を通過した電磁信号の異なる経路に対応している。
【0064】
したがって、2つのアレイの全てのセンサ間の材料150を通過する電磁信号の経路の集まりは、2点間で測定される。
【0065】
これにより、分析された材料150のマルチスタティック断層像を獲得し、且つ、高品質の再構成イメージを得ることができる。
【0066】
2.反射モードで材料を検査するための装置
図3は、反射モードにおける材料150の検査装置を示す。動作の手段及び論理は、伝送モードにおける検査装置と同じである。
【0067】
違いは、主に、送信手段110、変調手段140、及び受信手段130の配置である。
【0068】
反射モードでは、一方では送信手段110が、そして、他方では変調手段140及び受信手段130が、検査しようとする材料150の同じ側に、変調手段140が材料150によって反射された信号を受信するように設けられている。
【0069】
この装置は、二重伝送で動作するという利点を提供する。なぜなら、このモードでは、搬送周波数の電磁信号が、検査される材料150を2回通過するからである。このような装置は、測定しようとする材料150の一方の面にアクセスすることができない場合、又は、試験しようとする材料150が金属表面を有している場合に有利である。
【0070】
一実施形態では、反射を改善するために、金属板を、送信手段110、変調手段140、及び受信手段130とは反対側の検査しようとする材料150の後ろに設けてもよい。
【0071】
3.センサのアレイ
図4に示す空間変調のセンサ200は、4つの主要な要素、すなわち、放射配線220、非線形電子部品230、供給配線240、及び基板210の集まりからなる。
【0072】
センサ200の動作の原理を、材料150と受信手段130との間の信号経路に配置された変調手段140のセンサ200について説明する。説明は以下の通りである。
【0073】
センサ200の放射配線220は、材料150を通過した搬送周波数Fpの電磁信号をピックアップする。
【0074】
この配線220は、さらに、非線形電子部品230によって充電される。なお、非線形電子部品230自体は、変調周波数Fm2の信号を活用して分極されているものである。
【0075】
よって、配線220は、周波数Fp±Fm2で変調された信号、つまり、受信手段130によって受信されることとなる信号を生成する。
【0076】
より正確には、各センサ200は、非線形電子部品230の各側にそれぞれ接続された2つの放射配線220を備えている。
【0077】
非線形電子部品230は、電気(electric)又は光電ダイオード(photoelectric diode)であることが好ましい。
【0078】
また、非線形電子部品は、サーミスタなどの温度に敏感な非線形電子部品であってもよい。
【0079】
センサ200の変調の有効性は、ダイオードのオン状態とオフ状態との間の対比に直接関連している。
【0080】
2本の放射配線220は、長方形の区画の形態であることが好ましい。一変形例では、放射配線220は他の形態であってもよい。
【0081】
配線220のサイズは、波長に比べて小さいことが好ましい。
【0082】
なお、配線220の表面が増大するにつれて、周波数Fp±Fm2で変調された電磁信号の振幅が大きくなる。
【0083】
さらに、配線220は、送信手段110のアンテナのアレイの分極の方向に関して決定された角度構成で配置されている。配線の長手方向とアンテナのアレイの分極の方向との間に形成される角度αは、0°と180°との間であり得る。
【0084】
配線220は、送信手段110のアンテナのアレイの分極の方向に関してα=45°で配置されていることが好ましい。
【0085】
これは、アレイの異なるセンサ200間のスペースが低減されるという利点を提供し、その結果、センサ200の密度が増大し、それにより、図5に関連して以下で説明されるように、装置100の空間解像度が改善される。
【0086】
したがって、配線220の形態を調整し、又は、配線220の長さ若しくは幅を増減し、且つ、配線220の配置を送信手段110のアンテナのアレイの分極に従って調整することにより、複数の構成を放射配線220のために採用することができる。
【0087】
各センサ200は、さらに、非線形電子部品230に供給を行う2本の供給配線240を有している。これらの供給配線240は、送信手段110のアンテナのアレイの分極の方向に対して垂直に配置されていることが好ましい。
【0088】
このことは、供給配線240が入射電磁場に及ぼす影響を低減するという利点を提供する。
【0089】
また、供給配線240と配線220とが、送信アンテナのアレイの分極の方向に対してそれぞれ垂直及びα=45°に配置されている構成により、供給配線240に沿って、そして、特に変調周波数Fm2の信号の通過は保証しつつ、配線における周波数Fpで生成された信号を遮断するためのローパスフィルタに沿って、濾波手段を自由に使用できるようになる。
【0090】
さらに、その他の素子の集まりが設けられている基板210は、フレキシブルなものでも、固いものでもよい。基板210は、最小の厚みの他に誘電特性を備えていることが有利であり、これにより、界面での反射を制限し、入射電磁信号の振幅における損失を低減することができる。
【0091】
基板210がフレキシブルなものである場合は、センサ200のアレイの整合した構成が可能である。例えば、センサ200の円形タイプのアレイは、例えば、管に沿って進む材料に検査を適合させることができる。
【0092】
センサ200に集積された変調素子230は、電子光学部品の非線形電気部品であることが好ましい。
【0093】
供給配線240は、プリント電気配線又は非プリント電気配線でもよく、一方、電子光学センサでは、供給配線240は、光ファイバー又はレーザービームによって代替される。
【0094】
図5は、図4に関連して説明されるセンサ200と同じセンサのアレイを示す。
【0095】
アレイの長さは、検査しようとする材料150を全体的に検査できるように、検査しようとする材料150の幅以上であるほうがよい。
【0096】
アレイのセンサ200は、好ましくは規則的に間隔が開けられている。より具体的には、センサ200は、所定の距離Dの間隔が開いており、これにより、装置の空間的な解像度を定義することができる。
【0097】
実際、距離Dが短ければ短いほど、センサ200によって解析される材料150のゾーンの幅は狭くなる。
【0098】
さらに、アレイ状に設けられたセンサ200は、送信手段110のアンテナのアレイの分極に関して、異なる寸法と角度位置とをそれぞれ有していてもよい。
【0099】
この実施形態の一変形例は、センサ200の配線220を送信手段110のアンテナのアレイの分極の方向に関してα=+45°及びα=−45°に方向付けて、センサ200を連続的に配置することを可能にする。
【0100】
これにより、入射電磁場の2つの構成要素を測定する他に、センサ200のアレイに対して二極性を生成できるようになる。
【0101】
この実施形態のさらに他の一変形例は、例えばセンサの配線220を充電することにより直列に配置された複数の非線形電子部品230の配置の使用に備えたものである。
【0102】
さらに、この実施形態のさらに他の一変形例は、複数の非線形電子部品230の配置により充電される、センサの配線220の断片化に備えたものである。
【0103】
また、この実施形態のさらに他の一変形例により、送信手段110のアンテナのアレイの分極とは異なる2つの角度位置を有する2つのセンサ200を積み重ねることができる。これにより、同じ場所で入射電磁場の2つの構成要素を測定することの他に、形成された広域センサ200の二極性を生成することもできるようになる。
【0104】
最後に、この実施形態のさらに他の一変形例によれば、送信手段、及び/又は、受信手段としての二極性化されたアンテナを、材料の欠陥の旋光測定を実施できるように、二極性化されたセンサと組み合わせて使用してもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料(150)に放射するための搬送周波数Fpの電磁信号を送信するための手段(110)と、前記電磁信号を受信するための手段(130)とを少なくとも備える、前記材料(150)を検査するための装置(100)であって、
前記送信された電磁信号を空間的に標本化するために、前記送信手段(110)と前記材料(150)との間の信号経路に設けられている、前記電磁信号を周波数Fm1で変調するための第1変調手段と、
前記材料(150)を通過した前記電磁信号を空間的に標本化するために、前記材料(150)と前記電磁信号受信手段(130)との間の信号経路に設けられている、前記電磁信号を周波数Fm2で変調するための第2変調手段(140)とをさらに備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、
前記第1及び第2変調手段(141,140)は、空間変調のセンサ(200)のアレイを有し、
各センサ(200)は、非線形電子部品又は非線形電子部品(230)のアレイにより形成され、前記非線形電子部品は、所望の変調周波数Fmで供給され、且つ、該部品にそれぞれ接続された2本以上の放射配線(220)を充電することを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置において、
各センサ(200)は、前記非線形電子部品(230)に供給を行う2本の供給配線(240)を有し、
前記供給配線(240)は、前記送信手段(110)の分極の方向に対して垂直に配置されていることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項2から3のいずれか1つに記載の装置において、
前記非線形電子部品(230)は、電子ダイオード、光電ダイオード、又は、サーミスタであり、
前記供給配線(240)は、プリントもしくは非プリントの電気配線、又は、光ファイバーでもよいことを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか1つに記載の装置において、
前記センサ(200)は、電気ダイオード、光電ダイオード、又は、サーミスタタイプなどの非線形要素によって充電される電気双極子であることを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項2から5のいずれか1つに記載の装置において、
アレイの前記センサ(200)は、規則的に間隔が開いていることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置において、
各アレイの全てのセンサ(200)は、前記材料(150)に対向して、前記送信手段(110)によって送信される前記信号の伝播方向に対して垂直な共通の面に1つ又は複数の列で並べられていることを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項6から7のいずれか1つに記載の装置において、
各センサ(200)は、前記送信手段(110)の分極の方向に対して±45°に配置された前記放射配線(220)を有していることを特徴とする装置。
【請求項9】
前記請求項のいずれか1つに記載の装置において、
一方では前記送信手段(110)が、そして、他方では前記第2変調手段(140)及び前記受信手段(130)が、前記材料(150)の両側に、前記第2変調手段(140)が前記材料(150)を通して伝送された前記信号を受信するように、それぞれ設けられていることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか1つに記載の装置において、
一方では前記送信手段(110)が、そして、他方では前記第2変調手段(140)及び前記受信手段(130)が、前記材料(150)の同じ側に、前記変調手段(140)が前記材料(150)によって反射された前記信号を受信するように設けられていることを特徴とする装置。
【請求項11】
前記請求項のいずれか1つに記載の装置において、
前記送信手段(110)及び前記受信手段(130)は、同タイプのアンテナのアレイをそれぞれ有することを特徴とする装置。
【請求項12】
前記請求項のいずれか1つに記載の装置において、
前記第2変調手段(140)へ向けて前記変調信号を逆多重化するための手段(180)を備えることを特徴とする装置。
【請求項13】
前記請求項に記載の装置において、
前記逆多重化手段(180)は、時間的又は空間的逆多重化手段であることを特徴とする装置。
【請求項14】
前記請求項のいずれか1つに記載の装置において、
前記受信手段(130)によって受信された信号を濾波するための手段(190)をさらに備えることを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項2から14のいずれか1つに記載の装置において、
前記センサ(200)は、前記センサ(200)の各アレイを形成させることのできるフレキシブル基板を有することを特徴とする装置。
【請求項16】
材料(150)を検査するための方法であって、
電磁信号を、前記材料(150)に放射するために周波数Fpで送信し、
前記送信された電磁信号を、前記材料(150)に達する前に、変調周波数Fm1で変調し、
前記材料(150)からの前記電磁信号を、変調周波数Fm2で変調して受信し、
前記変調の結果生じる信号に基づいて、前記材料(150)のイメージを得ることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−504535(P2010−504535A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−529687(P2009−529687)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【国際出願番号】PCT/EP2007/060150
【国際公開番号】WO2008/037705
【国際公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(509084792)エステーウー ダプリカシオン テクノロジック ドゥ リマジュリー ミクロ−オンド (1)
【Fターム(参考)】