説明

来場者受付システムおよび来場者受付プログラム

【課題】来場者の受付を簡単にすることができ、かつ来場者の確認をわかりやすく管理することができる来場者受付システムを提供する。
【解決手段】来場者受付システム1は、持参した来場者に関する個人情報を予め担持させた会員カード2と、会員カード2に担持させた個人情報を読み取る情報カード読取装置3と、情報カード読取装置3に読み取らせ、情報カード2を所持しない来場者が受付の際に記入する来場者を管理するための手書用の芳名カード61のレイアウトに合わせて、情報カード読取装置3により読み取った個人情報を、このレイアウトと共に、同サイズのプリンタ用の単票用紙を印刷装置4により印刷させ、管理帳票とする受付パーソナルコンピュータ5とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式典やイベントに来訪する来場者の受付および管理を容易とする来場者受付システムおよび来場者受付プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
様々な式典では、受付の際に、氏名や住所などの個人情報を帳簿やカードに記入することが要求されることが多い。例えば、葬儀では、受付で芳名カードに氏名や住所、会社名、連絡先などを記入する。
【0003】
しかし、葬儀の受付で、一人一人が芳名カードに記入していたのでは、受付に記入待ちをするための列ができたり、故人と親しい会葬者であれば悲しみのあまりに手が震えてしっかりとした記入ができなかったりすることがある。
【0004】
このような芳名カードの記入を省略することができる従来の来場者受付システムとして、例えば、特許文献1に記載されたものがある。
この特許文献1に記載の葬儀受付処理システムは、葬儀の式場の受付場所に設置され会葬者の受付処理を行う受付処理装置と、会葬者が受付処理後に渡されて所持する会葬者を識別するための識別装置(ICカードや磁気カード)と、焼香場所に設置され焼香者の氏名や故人との関係などを表示する表示装置とを備えたものである。
【0005】
この特許文献1によれば、まず、受付処理装置により、会葬者の住所、氏名、香典金額や故人との関係などの会葬者情報を受付入力する。次に、受付入力された会葬者情報に基づく会葬者の識別情報を識別装置に書き込むと共に、識別情報が書き込まれて記憶保持された識別装置を、各会葬者に引き渡して各会葬者にそれぞれ所持させる。そして、表示装置により、焼香時に焼香者が所持する識別装置から焼香者固有の識別情報を読み出すと共に、読出した焼香者の識別情報に基づいて焼香者の氏名や故人との関係などを表示部に表示する。
また、特許文献1には、会葬者がマークするマークシート形式の用紙、会葬者の所持する名刺、香典袋、香典帳、受付帳などに記載された内容から会葬者情報(住所や氏名など)を読み取り、所定の分類に整理したり、手書きのものをそのままイメージデータとして読み取り、表示するようにしたりすることで、受付け業務における手入力を省略できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−157327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、この特許文献1に記載の葬儀受付処理システムによれば、受付処理装置が、受付入力された会葬者の住所や氏名や香典金額などの会葬者情報に基づいて、各会葬者を識別する識別情報を識別装置に書き込んでいるので、受付にて会葬者情報を入力するための処理が必要である。
【0008】
また、名刺、香典袋、香典帳、受付帳などに記載された会葬者情報を受付処理装置により読み込んでいるが、読み込み元となるものが会葬者によっては名刺であったり、香典帳であったり、香典袋であったりしたのでは、入力の元となるものが統一されておらず、葬儀の最中に会葬者を確認する場合には、名刺を探したり、香典帳を探したり、香典袋を探したりするのは面倒と思われるため、結局、受付処理装置を操作して画面で確認することになるものと思われる。
また、全ての会葬者の氏名や住所の入力の元となるものを受付帳とした場合では、受付帳への記入が全ての会葬者に対して必要となるだけでなく、葬儀関係者は識別装置への書き込み処理と、受付帳からの読み込み処理が必要となるため、煩雑な手間が必要となる。
【0009】
そこで本発明は、来場者の受付を簡単にすることができ、かつ来場者の確認をわかりやすく管理することができる来場者受付システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の来場者受付システムは、持参した来場者に関する個人情報を予め担持させた情報カードと、前記情報カードに担持させた個人情報を情報カード読取装置に読み取らせ、前記情報カードを所持しない来場者が受付の際に記入する来場者を管理するための手書用の管理帳票のレイアウトに合わせて、前記情報カード読取装置により読み取った個人情報を、該レイアウトと共に、印刷媒体に印刷装置により印刷させ、管理帳票とする受付制御装置とを備えことを特徴とする。
また、本発明の来場者受付プログラムは、コンピュータを、持参した情報カードに予め担持させた来場者に関する個人情報を情報カード読取装置に読み取らせ、前記情報カードを所持しない来場者が受付の際に記入する来場者を管理するための手書用の管理帳票のレイアウトに合わせて、前記情報カード読取装置により読み取った個人情報を、該レイアウトと共に、印刷媒体に印刷装置により印刷させ、管理帳票とする受付制御装置として機能させることを特徴とする。
【0011】
来場者は、この来場者自身に関する個人情報を予め担持させた情報カードを持参して、情報カード読取装置に読ませる。受付制御装置は情報カード読取装置により読み取った個人情報を、印刷装置により印刷する。このとき受付制御装置は、個人情報を情報カードを所持しない来場者が受付の際に記入する来場者を管理するための手書用の管理帳票のレイアウトに合わせて、このレイアウトと共に、印刷媒体に印刷させ、管理帳票とする。そうすることで、情報カードを持参した来場者は、情報カード読取装置に個人情報を読み取らせるだけで受付を済ませることができる。印刷装置により印刷された管理帳票は、個人情報を印刷装置により印刷しているので、読みにくかったり、誤読してしまったりする心配がない。更に、印刷された管理帳票は情報カードを所持しない来場者が記入する手書用の管理帳票とレイアウトを合わせているので、統一された管理帳票として情報を一元管理することができる。
【0012】
前記手書用の管理帳票に記載の文字情報と、前記印刷装置により印刷された管理帳票の文字情報とを読み込んで帳票読取装置により文字認識させ、前記帳票読取装置により文字認識された個人情報を、書込装置により情報記録媒体に記録させる管理制御装置を備えるのが望ましい。手書された管理帳票や印刷された管理帳票は帳票読取装置によりそれぞれの文字情報が文字認識され、管理制御装置が書込装置を用いて情報記録媒体に文字認識された個人情報を記録することで、来場者の個人情報を電子化することができる。また、印刷された管理帳票は、文字情報が所定の文字パターンにより印刷されているので、手書きと比較して誤認識する度合いが低い。従って、正確な情報を収集することができる。
【0013】
前記情報カードは、個人情報を暗号化した情報記号として担持させたものであり、前記受付制御装置は、読み取った情報記号を復号化する機能を有するものであるであるのが望ましい。そうすることで、情報カードを紛失して、悪意のある者により他の情報カード読取装置で情報カードを読ませても、個人情報が暗号化されているので、簡単に個人情報が漏洩することがない。
【0014】
前記受付制御装置は、前記印刷装置に管理帳票を印刷させるときに、個人情報を示す情報記号も印刷させ、前記管理制御装置は、前記管理帳票に印刷された情報記号および文字情報を前記帳票読取装置により読み取らせ、該情報記号の一部または全部が認識できなったとき、または印刷された個人情報の一部または全部が認識できなったときに、認識できたいずれか一方の個人情報を正しい個人情報とする機能を備えたものであるのが望ましい。印刷装置が印刷した管理帳票が汚れて管理制御装置が文字情報を読み間違えたときに、情報記号を復号化した個人情報に基づいて正確な情報を収集することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、情報カードを持参した来場者が、情報カード読取装置に個人情報を読み取らせるだけで受付を済ませることができ、印刷された管理帳票を情報カードを所持しない来場者が記入する手書用の管理帳票のレイアウトに合わせたので、統一された管理帳票として情報を一元管理することができるので、来場者の受付を簡単にすることができ、かつ来場者の確認をわかりやすく管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係る会葬者受付システムの構成を示す図である。
【図2】図1に示す会葬者受付システムの情報カード読取装置の構成を示す図である。
【図3】図1に示す会葬者受付システムの印刷装置の構成を示す図である
【図4】図1に示す会葬者受付システムの受付パーソナルコンピュータの構成を示す図である。
【図5】芳名カードの一例を示す図であり、(A)は手書用の芳名カードを示す図、(B)は印刷された芳名カードを示す図である。
【図6】図1に示す会葬者受付システムの帳票読取装置を示す図である。
【図7】図1に示す会葬者受付システムの管理パーソナルコンピュータを示す図である。
【図8】会葬者の受付を示すフローチャートである。
【図9】芳名カードを読み取って会葬者の管理を行う場合を示すフローチャートである。
【図10】読み取った芳名カードの個人情報を修正するための修正画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態に係る来場者受付システムを、会葬者受付システムを例に、図面に基づいて説明する。
会葬者受付システムは、通夜式や告別式に出席した会葬者の受付および管理を容易とするものである。図1に示すように会葬者受付システム1は、受付場所に設置される受付システム1aと、受付場所に設置してもよいが、別室に設置することができる会葬者の管理をするための管理システム1bとを備えている。
【0018】
受付システム1aは、予め配布された情報カードである会員カード2と、会員カード2から個人情報を読み取る情報カード読取装置3および芳名カードを印刷する印刷装置4を制御する受付用のパーソナルコンピュータ(以下、受付PCと称す。)5とを備えている。
【0019】
会員カード2は、情報カードの一種であり、葬儀社が販売する保険商品に契約した契約者に、保険業者の会員となったことを示すものとして予め保険契約の際に配布されたものである。
会員カード2は、名刺サイズで、裏面に、情報記号である二次元バーコード21が印刷されたシールが貼り付けられていることで、個人情報を担持させたものである。本実施の形態では、二次元バーコードとしてQRコード(登録商標)を採用し、個人情報として、「郵便番号」「氏名」、「自宅住所」、「電話番号」、「会社名」、「会社住所」、契約保険の「証券番号」を、128ビットのブロック暗号により暗号化してQRコードとしている。暗号化は、ブロック暗号とする以外にストリーム暗号としてもよい。
【0020】
情報カード読取装置3は、二次元バーコード21を読み取って、読取情報として受付PC5へ送信するものである。図2に示すように、情報カード読取装置3は、操作ボタン31と、情報記号読取手段32と、送信手段33とを備えている。操作ボタン31は読み取りを情報記号読取手段32へ通知するためのスイッチである。情報記号読取手段32は会員カード2に付与された二次元バーコード21を撮像して、二次元バーコードを読み取って得られた読取情報を出力するカメラである。通信手段33は、読取情報を受付PC5へ送信するためのインタフェースである。本実施の形態では通信手段33をUSB(Universal Serial Bus)としている。
【0021】
図3に示すように、印刷装置4は、印刷手段41と、通信手段42とを備えたインクジェットプリンタである。印刷手段41は受付PC5から送信される印刷情報に基づいて紙媒体である帳票に印刷する機能を有する。通信手段42は、印刷情報を受付PC5から受信するためのインタフェースである。本実施の形態では通信手段42をUSBとしている。
【0022】
図4に示すように、受付PC5は、受付プログラムを動作させることで受付制御装置として機能するもので、読取制御手段51と、印刷制御手段52と、表示手段53と、入力手段54と、通信手段55と、記憶手段56とを備えている。
【0023】
読取制御手段51は、情報カード読取装置3が読み取り送信した読取情報を復号化して個人情報とし、記憶手段56へ一時的に格納する機能を有する。印刷制御手段52は、個人情報に基づいて、情報カードである芳名カードのレイアウトと共に、芳名カードと同サイズのプリンタ用の単票用紙を印刷媒体として印刷装置4により印刷させる機能を有する。表示手段53は、操作内容を確認したり、読み取った個人情報を表示して確認したりするLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)パネルである。入力手段54は、受付PC5を操作するためのもので、キーボードおよびマウスとすることができる。通信手段55は、情報カード読取装置3や印刷装置4を接続して通信するためのUSBインタフェースである。受付PC5には少なくとも2ポートのUSBが設けられている。
【0024】
ここで芳名カードについて、図面に基づいて詳細に説明する。
図5(A)および同図(B)に示す芳名カード61,62は、通夜式や告別式に出席した会葬者を管理するための管理帳票である。手書用の芳名カード61と印刷される芳名カード62は、同じレイアウトで構成されている。芳名カード61,62には、自宅住所および郵便番号に対応する住所欄6a、氏名および電話番号に対応する芳名欄6b、会社名称と電話番号に対応する会社名欄6c、備考欄6d、香典の金額を記入する金額記入部6e、会葬者が誰の関係かどのような関係かをチェックにより示す関係チェック部6f、通夜式か告別式のいずれかであることを示す式区分チェック部6gなどが設けられている。
【0025】
図5(A)に示す芳名カード61は、会員カード2を所持しない会葬者用に用意されたものである。図5(B)に示す芳名カード62は、会員カード2を持参した会葬者に対して印刷装置4により印刷したものである。芳名カード62の備考欄6dには、個人情報を示す二次元バーコード6hが印刷されている。この二次元バーコード6hは、会員カード2にシールとして貼られた二次元バーコード21と同じでもよい。しかし、芳名カード62には既に個人情報が印刷されているので、個人情報を暗号化する必要がないため暗号化せずに印刷してもよい。
【0026】
図4に戻って、記憶手段56は、OS、アプリケーションプログラムなどのソフトウェアや、各種の設定、データなどが格納されたハードディスク装置などの不揮発性メモリである。記憶手段56には、芳名カード62として印刷される挨拶文や罫線、項目名、注意書きなどのレイアウトが帳票レイアウト情報として格納されている。また、記憶手段56には、読取制御手段51が情報カード読取装置3に読み取らせた個人情報が一時的に格納される。
【0027】
図1に示す管理システム1bは、芳名カード61,62を読み込む帳票読取装置7を制御する管理用のパーソナルコンピュータ(以下、管理PCと称す。)8を備えている。
【0028】
図6に示すように、帳票読取装置7は、イメージ読取手段71と、通信手段72とを備え、手書きされた芳名カード61と印刷された芳名カード62とをイメージで読み込みイメージデータとして管理PC8へ出力するイメージスキャナである。帳票読取装置7は、大量の芳名カード61,62をセットすると連続的に読み込むことができる機能を有する。
イメージ読取手段71は、ラインイメージセンサが原稿の画像を主走査方向に所定ライン単位で読み取った画像情報に基づいてイメージデータを生成する機能を有する。通信手段72は、イメージデータを管理PC8へ送信するためのUSBインタフェースである。
【0029】
図7に示すように、管理PC8は、管理プログラムを動作させることで管理制御装置として機能するもので、スキャナ制御手段81と、文字認識手段82と、二次元バーコード認識手段83と、個人情報補正手段84と、データベース生成手段85と、表示手段53と、入力手段54と、書込制御手段86と、書込装置87と、記憶手段88と、通信手段89とを備えている。
【0030】
スキャナ制御手段81は、帳票読取装置7を制御してイメージデータを通信手段89を介して入力し、記憶手段88へ順次格納する機能を有する。文字認識手段82は、手書きされた芳名カード61および印刷された芳名カード62に記載の個人情報を文字認識する機能を有する。文字認識手段82は、文字認識する際に、記憶手段88に格納された電話帳辞書や郵便番号辞書から正確な会葬者の氏名や住所を検索することができる。二次元バーコード認識手段83は、備考欄6d(図5参照)に印刷された二次元バーコード6hから個人情報を読み取る機能を有する。
【0031】
個人情報補正手段84は、芳名カード62の文字情報の一部または全部が、または、二次元バーコード6hの一部または全部が、汚れやインクのかすれなどにより認識できないときに、認識できたいずれか一方の個人情報を正しい個人情報とする補正機能を有する。また文字認識した個人情報や補正された個人情報は、個人情報補正手段84により表示手段53に修正画面として表示させ、入力手段54を操作することで修正することができる。
【0032】
データベース生成手段85は、修正が不要な個人情報や修正済みの個人情報を記憶手段88に会葬者データベースとして、芳名カード61,62のイメージデータと共に格納する機能を有する。表示手段53および入力手段54は、図4に示す受付PC5と同様のものが使用できるので、説明は省略する。
【0033】
書込制御手段86は、記憶手段88の会葬者データベースから個人情報やイメージデータを読み込み、書込装置87により情報記録媒体に書き込む機能を有する。書込装置87は、例えば、CD(Compact Disc)−R、CD−RWなどの書込可能なCDや、DVD(Digital Versatile Disk)−R、DVD−RWなどの書込可能なDVDにデータを記録する光ディスクドライブとすることができる。
記憶手段88は、受付PCと同様に、OS、アプリケーションプログラムなどのソフトウェアや、各種の設定、データなどが格納されたハードディスク装置などの不揮発性メモリである。また、記憶手段86には、上述したように、芳名カード61,62のイメージデータや会葬者データベースなどが格納されている。通信手段89は、帳票読取装置7を接続して通信するためのUSBインタフェースである。
【0034】
以上のように構成された本発明の実施の形態に係る会葬者受付システムの動作および使用状態を、図8〜図10に基づいて説明する。
【0035】
まず、会員カード2を所持しない会葬者(非会員)は、受付にて、手書用の芳名カード61の住所欄6aに郵便番号および自宅住所、芳名欄6bに氏名および電話番号、会社名欄6cに勤務先の名称および会社の電話番号、関係チェック部6fの矩形枠に故人との関係を示すチェックを手書きにより記入して受付者に香典と共に手渡す(ステップS100)。
【0036】
会員カード2を持参した会葬者は、受付係に手渡す。受付係は、情報カード読取装置3の操作ボタン31を押下する。そうすることで、情報記号読取手段32は、読み取った二次元バーコード21に対応する読取情報を受付PC5へ通信手段33を介して送信する(ステップS200)。
受付PC5では、読取制御手段51が、通信手段55を介して受信した読取情報を復号化して個人情報とし、記憶手段56へ一時的に格納する(ステップS210)。
【0037】
印刷制御手段52は、記憶手段56から読み出した個人情報を、芳名カードのレイアウトと共に、印刷装置4により印刷させる(ステップS220)。
会葬者は、印刷された芳名カード62の関係チェック部6fの矩形枠にチェックを記入する。図5(A)および同図(B)に例では、会葬者は故人の関係者で、仕事上で付き合いのあったことを示すチェックが記入されている。そして、会葬者は、記入した芳名カード62を受付者に渡して受付を終了する。このチェックは会葬者から聞き取り受付係が記入するようにしてもよい。
【0038】
このようにして、会員カード2を持参した会葬者は、情報カード読取装置3に個人情報を読み取らせるだけで、記入が面倒な氏名や住所などの記入をすることなく、受付を済ませることができる。印刷装置4により印刷された芳名カード62は、個人情報を印刷装置4により印刷しているので、読みにくかったり、誤読したりする心配がない。更に、印刷された芳名カード62は会員カード2を所持しない会葬者が記入する手書用の芳名カード61とレイアウトに合わせてあるので、統一された芳名カードとして情報を一元管理することができる。
【0039】
例えば、受付PC5の記憶手段56に会員全部のデータベースを格納し、二次元バーコードとして会員を識別する識別情報(証券番号でもよい)を記号化しておいて、この識別情報に基づいて会員のデータベースを検索することで、会葬者の個人情報を抽出して芳名カード62を印刷することもできる。しかし、通夜式や告別式の受付には様々な会葬者が訪れるため、悪意のあるものが会員の個人情報を受付PC5から読み出すおそれがある。また受付PC5そのものを持って行ってしまうことで、会員の個人情報全部が漏洩するおそれがある。
本実施の形態では、会員カード2には個人情報が担持されているので、受付PC5の記憶手段56には個人情報が一時的には保存されるものの蓄積されることはないので、会員に関する個人情報が大量に漏洩することがない。
【0040】
会員カード2に貼り付けられた二次元バーコード21は、個人情報が暗号化されているので、会員カード2を紛失しても会員に関する個人情報が、二次元バーコード21から漏洩することがない。
【0041】
会葬者の受付が終了すると、芳名カード61,62を取り纏めた葬家または葬儀業者が、芳名カード61,62を帳票読取装置7へセットする。そして、管理PC8の入力手段54を操作することで、スキャナ制御手段81の指示によりイメージ読取手段71が芳名カード61,62を読み込む(ステップS300)。イメージ読取手段71により読み込まれた芳名カード61,62のイメージデータは、イメージ読取手段71から通信手段72を介して管理PC8へ送信される。
【0042】
管理PC8では、芳名カード61,62のイメージデータがスキャナ制御手段81により記憶手段89に格納される。文字認識手段82は、記憶手段89に格納されたイメージデータを読み出し、イメージデータに含まれた文字情報を文字認識する(ステップS310)。また、芳名カード62の備考欄6dに二次元バーコード6hが印刷されていれば、二次元バーコード認識手段83は、この二次元バーコード6hから個人情報を読み取る(ステップS320)。
【0043】
個人情報補正手段84は、記憶手段89に格納された郵便番号辞書や電話帳辞書を参照して、文字認識された住所や会葬者の氏名を補正する。手書きの芳名カード61であれば、誤認識が含まれるケースが多いため郵便番号辞書や電話帳辞書を参照することで文字認識の精度を高めることができる。また、個人情報補正手段84は、二次元バーコード6hから個人情報を読み取ることで、芳名カード62に印刷された文字情報が汚れやインクのかすれなどにより認識できなくても、正しい個人情報とすることができる。また、個人情報補正手段84は、二次元バーコード6hが汚れやインクのかすれなどにより認識できなくても、印刷された文字情報から正しい個人情報とすることができる(ステップS330)。
【0044】
個人情報補正手段84は、補正せずに正しく認識した個人情報や、補正した個人情報を修正画面Dとして表示手段82に表示する(図10参照)。誤って認識されていることに作業者が気が付けば、この修正画面Dで修正する。必要な修正が行われた個人情報は記憶手段88に会葬者データベースとして格納される(ステップS340)。
【0045】
次に、会葬者の一覧をデータとして欲しいときには、書込装置87にCD−Rを実装して、入力手段54を操作して書込制御手段86に書込を指示することで、書込制御手段86は、記憶手段88から会葬者データベースを読み出し、各個人情報や芳名カード61,62のイメージデータを書込装置87によりCD−R(図1参照)へ書き込む(ステップS350)。このときCD−Rへ出力される個人情報のファイル形式は、マイクロソフト社製のデータベース形式や、汎用性の高いCSV(Comma Separated Values)形式とすることができるが、他の形式としてもよい。また、イメージデータは、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式で出力されるが、他の形式としてもよい。
【0046】
このようにして管理PC8が書込装置87を用いて光ディスクに文字認識された個人情報を記録することで、会葬者の個人情報を電子化することができる。また、印刷された管理帳票は、文字情報が明朝体やゴシック体、行書体などの所定の文字パターンにより印刷されているので、手書きと比較して誤認識する度合いが低い。従って、正確な情報を収集することができる。
【0047】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本実施の形態では、会員カード2に個人情報を担持させるのに二次元バーコードの一種であるQRコードを採用しているが、個人情報が担持できれば、会員カードを磁気カードやICカードとしてもよい。その場合に情報カード読取装置3は磁気カードリーダとしたりICカードリーダとすれば対応可能である。
【0048】
また、本実施の形態では、通夜式や告別式の受付を例に説明したが、他の式典やイベントで来場者が受付にて管理帳票に氏名や住所を記入するのであれば、本発明の来場者受付システムは適用することが可能である。
【0049】
更に、本実施の形態では、書込装置87を管理PC8に内蔵された光ディスクドライブとしているが、情報記録媒体をUSBメモリや、各種のメモリカードとし、情報記録媒体がUSBメモリであれば書込装置をUSBインタフェース、メモリカードであれば外付けまたは内蔵のメモリカードライタとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、来場者の受付および管理を容易とすることができるので、式典やイベントに好適であり、特に、通夜式や告別式、法事などの法要に最適である。
【符号の説明】
【0051】
1 会葬者受付システム
1a 受付システム
1b 管理システム
2 会員カード
21 二次元バーコード
3 情報カード読取装置
31 操作ボタン
32 情報記号読取手段
33 通信手段
4 印刷装置
41 印刷手段
42 通信手段
5 受付パーソナルコンピュータ
51 読取制御手段
52 印刷制御手段
53 表示手段
54 入力手段
55 通信手段
56 記憶手段
61,62 芳名カード
6a 住所欄
6b 芳名欄
6c 会社名欄
6d 備考欄
6e 金額記入部
6f 関係チェック部
6g 式区分チェック部
6h 二次元バーコード
7 帳票読取装置
71 イメージ読取手段
72 通信手段
8 管理パーソナルコンピュータ
81 スキャナ制御手段
82 文字認識手段
83 二次元バーコード認識手段
84 個人情報補正手段
85 データベース生成手段
86 書込制御手段
87 書込装置
88 記憶手段
89 通信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
持参した来場者に関する個人情報を予め担持させた情報カードと、
前記情報カードに担持させた個人情報を情報カード読取装置に読み取らせ、前記情報カードを所持しない来場者が受付の際に記入する来場者を管理するための手書用の管理帳票のレイアウトに合わせて、前記情報カード読取装置により読み取った個人情報を、該レイアウトと共に、印刷媒体に印刷装置により印刷させ、管理帳票とする受付制御装置とを備えたことを特徴とする来場者受付システム。
【請求項2】
前記手書用の管理帳票に記載の文字情報と、前記印刷装置により印刷された管理帳票の文字情報とを読み込んで帳票読取装置により文字認識させ、前記帳票読取装置により文字認識された個人情報を、書込装置により情報記録媒体に記録させる管理制御装置を備えた請求項1記載の来場者受付システム。
【請求項3】
前記情報カードは、個人情報を暗号化した情報記号として担持させたものであり、
前記受付制御装置は、読み取った情報記号を復号化する機能を有するものである請求項1または2記載の来場者受付システム。
【請求項4】
前記受付制御装置は、前記印刷装置に管理帳票を印刷させるときに、個人情報を示す情報記号も印刷させ、
前記管理制御装置は、前記管理帳票に印刷された情報記号および文字情報を前記帳票読取装置により読み取らせ、該情報記号の一部または全部が認識できなったとき、または印刷された個人情報の一部または全部が認識できなったときに、認識できたいずれか一方の個人情報を正しい個人情報とする機能を備えた請求項2記載の来場者受付システム。
【請求項5】
コンピュータを、
持参した情報カードに予め担持させた来場者に関する個人情報を情報カード読取装置に読み取らせ、前記情報カードを所持しない来場者が受付の際に記入する来場者を管理するための手書用の管理帳票のレイアウトに合わせて、前記情報カード読取装置により読み取った個人情報を、該レイアウトと共に、印刷媒体に印刷装置により印刷させ、管理帳票とする受付制御装置として機能させることを特徴とする来場者受付プログラム。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図1】
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【図5】
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【図8】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−128807(P2011−128807A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−285620(P2009−285620)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(503175896)ベル少額短期保険株式会社 (1)
【Fターム(参考)】