説明

来店顧客応対支援装置

【課題】店舗側において、車両で来店した顧客に対して、商品やサービスの提案等を含めた、きめ細かい応対が行えるように支援する来店顧客応対支援装置を提供する。
【解決手段】来店顧客応対支援装置1は、文字認識装置2から入力されたナンバープレート番号によって、来店した顧客が、(1)新規顧客、(2)当日の予約なしで来店した既存顧客、または(3)当日の予約がある既存顧客(予約顧客)のいずれの区分に属する顧客であるかを判定する。また、来店顧客応対支援装置1は、判定した区分に応じて、この顧客の応対を要求するメッセージを作成し、出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両で来店した顧客の応対を支援する来店顧客応対支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両で来店した顧客の応対を支援する装置として特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1で提案されている装置は、顧客毎に、その顧客の車両のナンバープレート番号と、その顧客が過去に行った取り引きの内容と、を関連付けて記憶している。また、店舗に入店する車両のナンバープレートを撮像し、その撮像画像を処理して、このナンバープレートに表記されているナンバープレート番号を認識する。そして、認識したナンバープレート番号に対応付けられている過去の取り引き内容を、顧客に応対する応対担当者(店員)に提示する。具体的には、認識したナンバープレート番号に対応付けられている過去の取り引き内容を、表示器に表示している。顧客に応対する応対担当者は、この顧客が過去に行った取り引きを参考に、当該顧客にあった商品やサービスを提案する。
【特許文献1】特開2008−97576号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、顧客が来店する用件は様々である。そして、特許文献1は、車両で来店した顧客が過去に行った取り引きの内容を応対担当者に提示するだけであった。このため、顧客が来店した用件を考慮せず、この顧客が過去に行った取り引きを参考に、当該顧客にあった商品やサービスを提案すると、顧客に対する応対が不適正になり、顧客を不愉快にさせることがある。
【0004】
例えば、車両を販売している販売店(所謂、ディーラ)では、車両の突然の不具合で来店した顧客に対して、この顧客が過去に購入した商品に関連する商品やサービスを提案してしまうことがある。特に、この提案した商品やサービスに関連する商品に不具合が生じていた場合には、顧客を不愉快にさせてしまう可能性も高い。また、自動車検査登録制度によって規定されている検査(以下、車検と言う。)や、12カ月や6カ月点検等で来店を事前に予約していた顧客に対して、来店の用件を確認したり、この顧客が過去に購入した商品に関連する商品やサービスを提案することもある。来店を予約するときに用件を伝えている顧客に対して、このような応対をすることは、顧客に満足感を与えられないばかりか、不満を与えることもある。その結果、顧客の店舗に対する信頼を低下させることにもなる。
【0005】
この発明の目的は、車両で来店した顧客に対して、商品やサービスの提案等を含めた、きめ細かい応対が行えるように支援する来店顧客応対支援装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の来店顧客応対支援装置は、上記目的を達するために、以下のように構成している。
【0007】
ナンバープレート番号入力手段には、入店した車両のナンバープレート番号が入力される。例えば、ナンバープレート番号入力手段には、来店顧客の車両を撮像した撮像画像からナンバープレートを切り出し、表記されているナンバープレート番号を認識する装置(例えば、AVI)が接続されている。この装置が、来店顧客が乗車してきた車両のナンバープレート番号をナンバープレート番号入力手段に入力する。また、店員等が、入店した車両のナンバープレート番号を読み取り、キーボードを操作して入力する構成にしてもよいが、人手がかかることから、上述の装置を利用するのが好ましい。
【0008】
また、顧客情報登録手段には、ナンバープレート番号に関連付けて、顧客の氏名、過去に応対した応対担当者が登録されている。また、来店予約情報登録手段には、ナンバープレート番号に関連付けて、来店予約日時、来店時の用件、来店時の応対担当者が登録されている。
【0009】
そして、顧客種別判定手段が、ナンバープレート番号入力手段に入力されたナンバープレート番号をキーにして、顧客情報登録手段、および来店予約情報登録手段を検索し、来店顧客が顧客情報が未登録である第1の顧客、顧客情報は登録されているが、当日の来店予約がない第2の顧客、または顧客情報は登録されており、当日の来店予約がある第3の顧客のいずれの区分に属する顧客であるかを判定する。通常、第1の顧客は、店舗に来店したのが初めてである新規顧客である。また、第2の顧客は、急な用件で来店でした既存顧客である。そして、第3の顧客は、予め用件を伝えて、来店を予約していた顧客である。
【0010】
そして、メッセージ作成手段が、顧客種別判定手段が判定した顧客の区分に応じて、当該顧客の応対を要求するメッセージを作成し、メッセージ出力手段が、作成されたメッセージを出力する。メッセージの出力は、接続されている表示器に表示する構成であってもよいし、接続されているスピーカから音声で放音する構成であってもよいし、これらの両方であってもよい。
【0011】
また、メッセージ作成手段は、
(1)顧客種別判定手段が判定した顧客の区分が第1の顧客であれば、顧客が新規顧客である旨のメッセージを作成し、
(2)顧客種別判定手段が判定した顧客の区分が第2の顧客であれば、顧客の氏名、および顧客情報登録手段に登録されている過去に応対した応対担当者の氏名を含み、当日の来店予約者でない旨のメッセージを作成し、
(3)顧客種別判定手段が判定した顧客の区分が第3の顧客であれば、顧客の氏名、来店予約情報登録手段に登録されている応対担当者の氏名、および顧客の用件を含み、当日の来店予約者である旨のメッセージを作成する。
【0012】
したがって、顧客が新規顧客であれば、新規顧客の取り込みに優れた担当者に応対させることができる。また、顧客が来店を予約していない既存顧客であれば、過去に応対した担当者に応対させることができる。また、顧客が来店を予約している顧客であれば、事前に決めておいた担当者(顧客の用件を認識している担当者)に応対させることができる。このように、来店した顧客に合わせて、応対する担当者を決めることができ、店舗側においては、車両で来店した顧客に対して、商品やサービスの提案等を含めた、きめ細かい応対が行えるようになる。
【0013】
また、顧客登録手段を、顧客が主に取り引きを行う店舗の登録が行える構成とし、メッセージ出力手段を、メッセージ作成手段が作成したメッセージを表示するときに、来店顧客が主に取り引きを行う店舗が、自店舗であるかどうかによって、メッセージの表示形態を異ならせる構成としてもよい。これにより、担当者に、顧客の取り込みにかかる応対を行わせることもでき、自店舗の販売促進を図れる。
【0014】
さらに、ナンバープレート番号に関連付けて、メッセージ作成手段によるメッセージの作成、およびメッセージ出力手段によるメッセージの出力について、その要否の登録が行える除外車両登録手段を設けてもよい。このようにすれば、店員の車両、店舗の営業車両、さらには、店員が顧客から引き取ってきた車両が入店したときに、無用なメッセージが出力されるのを防止できる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、店舗側において、車両で来店した顧客に対して、商品やサービスの提案等を含めた、きめ細かい応対が行えるように支援することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の実施形態である来店顧客応対支援装置について説明する。
【0017】
図1は、この来店顧客応対支援装置を適用した応対支援システムの概略構成を示す図である。ここでは、車両を販売している車両販売店(所謂、ディーラ)に、本システムを適用した場合を例にして説明する。この応対支援システムは、来店顧客応対支援装置1と、文字認識装置2と、カメラ3と、表示器4と、スピーカ5と、を備えている。この来店顧客支援システムは、来店顧客が、(1)新規顧客、(2)当日の予約なしで来店した既存顧客、または(3)当日の予約がある既存顧客(予約顧客)のいずれの区分に属する顧客であるかを判定し、判定した区分に応じて、店員等に対して当該顧客の応対を支援するシステムである。
【0018】
なお、ここで言う新規顧客とは、その顧客の情報が登録されていない顧客であり、既存顧客とは、その顧客の情報が登録されている顧客である。
【0019】
カメラ3は、店舗の車両用入口毎に設置されている。車両用入口が1つである店舗では、カメラ3は1台でよい。カメラ3は、車両用入口を通って入店する車両の前面に取り付けられているナンバープレートを撮像する向きに設置されている。カメラ3は、1秒間に数十フレーム、例えば30フレーム、の撮像画像を出力する。
【0020】
文字認識装置2には、カメラ3の撮像画像が入力される。文字認識装置2は、カメラ3から入力された撮像画像を処理し、撮像されている車両のナンバープレートに表記されているナンバープレート番号を認識する。文字認識装置2は、認識したナンバープレート番号を来店顧客応対支援装置1に入力する。
【0021】
来店顧客応対支援装置1は、入力されたナンバープレート番号によって、来店した顧客が、(1)新規顧客、(2)当日の予約なしで来店した既存顧客、または(3)当日の予約がある既存顧客(予約顧客)のいずれの区分に属する顧客であるかを判定する。また、来店顧客応対支援装置1は、判定した区分に応じて、この顧客の応対を要求するメッセージを作成する。ここで作成したメッセージは表示器4やスピーカ5に入力される。表示器4は、例えば、店舗の受付に設置しており、受付係に対して顧客の来店通知や応対を支援するメッセージを表示する。また、スピーカ5は、店舗内の複数の場所に設置されており、顧客に応対する接客担当者に対して、顧客の来店通知や、その顧客の応対を支援するメッセージを放音する。
【0022】
次に、来店顧客応対支援装置1の構成について説明する。図2は、来店顧客応対支援装置の主要部の構成を示すブロック図である。来店顧客応対支援装置1は、制御部11と、顧客管理部12と、入力部13と、出力部14と、操作部15と、を備えている。制御部11は、本体各部の動作を制御し、来店した顧客が、上述した(1)新規顧客、(2)当日の予約なしで来店した既存顧客、または(3)予約顧客、のいずれの区分に属する顧客であるかを判定する。また、制御部2は、判定した区分に応じて、この顧客の応対を要求するメッセージを作成する。
【0023】
顧客管理部12は、顧客管理データベース21(以下、顧客管理DB21と言う。)、予約管理データベース22(以下、予約管理DB22と言う。)、除外車両データベース23(以下、除外車両DB23と言う。)、取引管理データベース24(以下、取引管理DB24と言う。)を有している。
【0024】
顧客管理DB21は、図3に示すように、顧客毎に、車両のナンバープレート番号、氏名、連絡先電話番号、住所、車種名、車両の購入店舗名、次回の車検日、営業担当、サービス担当等を対応付けて記憶している。営業担当や、サービス担当は、その顧客に対して、過去に応対した担当者であり、顧客が知っている担当者である。
【0025】
予約管理DB22は、図4に示すように、来店が予約されている顧客毎に、車両のナンバープレート番号、氏名、用件(来店の目的)、来店予約日時、来店時の応対担当者等を対応付けて記憶している。来店時の応対担当者は、顧客の用件に応じて、予め選択している。
【0026】
除外車両DB23には、店員の車両、店舗の営業車両、店員が引き取ってくる顧客の車両(所謂、納車引取の車両)等、店舗に入るときに顧客が乗車していない車両のナンバープレート番号が登録されている。また、取引管理DB24には、顧客毎に、その顧客が過去に店舗で行った取り引きの内容が登録されている。
【0027】
入力部13には、文字認識装置2が接続されており、文字認識装置2が認識した車両のナンバープレート番号が入力される。出力部14には、表示器4や、スピーカ5が接続されており、作成した顧客の応対を要求するメッセージを出力する。操作部15は、キーボードやマウス等の入力デバイスを有し、係員による装置本体に対する入力操作を受け付ける。係員は、キーボードやマウス等の入力デバイスを操作することによって、上述した顧客管理DB21、予約管理DB22、除外車両DB23、取引管理DB24に対するデータの新規登録や、変更、削除等が行える。
【0028】
次に、この応対支援システムの動作について説明する。各カメラ3は、1秒間に数十フレーム、例えば30フレーム、の撮像画像を文字認識装置2に入力している。文字認識装置2は、入力された撮像画像に車両が撮像されているかどうかを検出する。例えば、公知のAVI(Automatic Vehicle Identification)装置等と同様に、ナンバープレートが入力された撮像画像に撮像されているかどうかを検出することによって、車両が撮像されているかどうかを検出する。また、撮像画像と、背景画像との差分画像を生成し、車両が撮像されているかどうかを検出する構成とすることもできる。文字認識装置2は、撮像画像に車両が撮像されていることを検出すると、この車両のナンバープレート部分を切り出し、ナンバープレートに表記されている文字(ナンバープレート番号)をパターンマッチング等により認識する。この車両のナンバープレート部分を切り出す撮像画像は、車両が撮像されていることを検出したフレームの撮像画像であってもよいし、別のフレームの撮像画像(ナンバープレート番号の認識により適したフレームの撮像画像)であってもよい。文字認識装置2は、認識したナンバープレート番号を含む、来店通知を来店顧客応対支援装置1に入力する。
【0029】
このように、来店顧客応対支援装置1には、車両用入口を通って車両が入店する毎に、文字認識装置2から来店通知が入力される。また、この来店通知には、店舗に入った車両のナンバープレート番号が含まれている。
【0030】
図5は、来店顧客応対支援装置の動作を示すフローチャートである。来店顧客応対支援装置1は、出力部14から、当日に来店予約がある顧客のリスト(予約一覧画面)出力している(s1)。この予約一覧画面は、出力部10に接続されている表示器4で表示される。図6は、表示器で表示される予約一覧画面を示す図である。この予約一覧画面は、予約管理DB22に登録されている予約情報に基づいて作成される。来店顧客応対支援装置1は、この状態で文字認識装置2から来店通知が入力されるのを待っている(s2)。
【0031】
来店顧客応対支援装置1は、文字認識装置2から来店通知が入力されると、その来店通知に含まれているナンバープレート番号が、除外車両DB23に登録されているかどうかを判定する(s3)。上述したように、除外車両DB23には、店員の車両、店舗の営業車両、店員が引き取ってくる顧客の車両(所謂、納車引取の車両)等、店舗に入るときに顧客が乗車していない車両のナンバープレート番号が登録されている。すなわち、s3では、店員が応対する必要のない人が乗車している車両であるかどうかを判定している。来店顧客応対支援装置1は、今回入力された来店通知に含まれているナンバープレート番号が、除外車両DB23に登録されていれば、s1に戻る。これにより、後述する応対メッセージの作成や、出力を無駄に行うことがなく、また、店員に無駄な行動を起こさせることもない。
【0032】
来店顧客応対支援装置1は、s3で除外車両DB23に登録されていないナンバープレート番号であると判定すると、当日に来店予約がある顧客(予約顧客)の車両のナンバープレート番号であるかどうかを判定する(s4)。すなわち、s4では、当日に来店予約がある顧客の来店であるかどうかを判定している。s4では、予約管理DB22を検索し、当日の来店予約の中に、今回入力された来店通知に含まれているナンバープレート番号があるかどうかを判定する。来店顧客応対支援装置1は、s4で当日に来店予約がある顧客の来店であると判定すると、その顧客の来店予約情報に基づいて応対メッセージを作成する(s5)。s5では、受付に対するメッセージと、応対担当者に対するメッセージを作成する。例えば、受付に対するメッセージとしては、「ご予約の山田 太郎様が来店されました。山田様を○○にご案内してください。ご用件は、12カ月点検です。」を作成し、応対担当者に対するメッセージとしては、「担当の○○さん、本日、ご予約いただいております、山田 太郎様が来店されました。応対をお願いします。ご用件は、12カ月点検です。」を作成する。
【0033】
来店顧客応対支援装置1は、受付に対して作成したメッセージに基づく応対要求画面、および、応対担当者に対して作成したメッセージに基づく応対要求音声信号を出力部14から出力する(s6)。s6で出力した応対要求画面は、表示器4で表示される。図7は、表示器で表示される予約客に対する応対要求画面を示す図である。受付では、この応対要求画面が表示器4に表示されたことによって、予約客の来店、予約客の氏名や用件、さらには、予約客の案内先が判断できる。したがって、この予約客が受付にきたときに、氏名でお声がけができるとともに、顧客の用件等もふまえた応対が行える。さらに、予約客をスムーズに案内することができる。これによって、来店時の応対に対する不満を予約顧客に感じさせるのを防止できる。
【0034】
また、s6で出力した応対要求音声信号は、スピーカ5に入力され、このスピーカ5から音声で放音される。これにより、応対担当者は、予約顧客の来店を認識し、受付が顧客を案内している場所に、速やかに移動できる。したがって、顧客を案内した場所で待たせる時間を短縮でき、顧客サービスの向上が図れる。
【0035】
また、来店顧客応対支援装置1は、s4で予約顧客でないと判定すると、既存客であるか、新規顧客であるかを判定する(s7)。s7では、今回入力された来店通知に含まれているナンバープレート番号が、顧客管理DB21に登録されているかどうかによって、既存顧客(登録済)であるか、新規顧客(未登録)であるかを判定する。
【0036】
来店顧客応対支援装置1は、s7で既存顧客であると判定すると、その顧客の顧客情報に基づいて応対メッセージを作成する(s8)。s8では、s5と同様に、受付に対するメッセージと、担当者に対するメッセージを作成する。例えば、受付に対するメッセージとしては、「山田 太郎様が来店されました。本日の予約はありません。ご用件を確認してください。」を作成し、担当者に対するメッセージとしては、「山田 太郎様が来店されました。営業担当の○○さん、サービス担当の××さん、受付で用件を確認しております。」を作成する。ここで、選択される担当者は、顧客管理DB21において、該当する顧客に対応付けられている営業担当、およびサービス担当である。
【0037】
来店顧客応対支援装置1は、受付に対して作成したメッセージに基づく応対要求画面、および、応対担当者に対して作成したメッセージに基づく応対要求音声信号を出力部14から出力する(s9)。s9で出力した応対要求画面は、表示器4で表示される。図8は、表示器で表示される予約客に対する応対要求画面を示す図である。受付では、この応対要求画面が表示器4に表示されたことによって、予約のない既存客の来店、その顧客の氏名が判断できる。したがって、この予約客が受付にきたときに、氏名でお声がけができ、顧客に対する用件の確認がスムーズに行える。これによって、予約のない既存客に対しても、来店時の応対に対する不満を感じさせるのを防止できる。
【0038】
また、予約なしで来店する既存客は、車両の突然の不具合や、新車購入の検討等の用件で来店することが多い。このため、予約ない既存客に対する応対は、営業担当者、またはサービス担当者のどちらが適当であるか一義に判断できない。この来店顧客応対支援装置1では、予約のない既存客であると判定すると、営業担当者、およびサービス担当者に対して、応対を要求するメッセージを作成しているので、受付で確認された用件に応じた担当者に、速やかに応対させることができる。
【0039】
また、来店顧客応対支援装置1は、s7で新規顧客であると判定すると、受付に対するメッセージと、担当者に対するメッセージを作成する(s10)。s10では、例えば、受付に対するメッセージとしては、「新規顧客が来店されました。お名前と、ご用件を確認してください。」を作成し、応対担当者に対するメッセージとしては、を「新規顧客が来店されました。営業担当の○○さん、受付で用件を確認しておりますので、応対をお願いします。」を作成する。ここで、選択する担当者は、この時点を挟んで、前後1時間の間に、予約がある顧客に応対する担当者以外から選択する。また、新規顧客の取り込みに優れた担当者を登録しておき、その中から選択してもよい。
【0040】
来店顧客応対支援装置1は、受付に対して作成したメッセージに基づく応対要求画面、および、応対担当者に対して作成したメッセージに基づく応対要求音声信号を出力部14から出力する(s11)。s11で出力した応対要求画面は、表示器4で表示される。図9は、表示器で表示される予約客に対する応対要求画面を示す図である。受付では、この応対要求画面が表示器4に表示されたことによって、新規顧客の来店であることを判断でき、顧客に対する氏名や用件の確認が適正に行える。これによって、新規顧客に対しても、来店時の応対に対する不満を感じさせるのを防止できる。
【0041】
このように、この来店顧客応対支援装置1は、来店した顧客が、新規顧客、既存顧客、予約顧客のいずれであるかによって、応対を要求するメッセージを作成し、応対する受付や担当者に通知するので、顧客に対して不満を感じさせない応対が行える。これにより、顧客の店舗に対するイメージの向上や、これにともなう店舗の売上を向上が図れる。
【0042】
表示器4において、顧客の来店通知にかかる画面(図7〜図9に示す画面)を表示するときに、車両が自店舗で購入されているかどうかによって、表示形態を異ならせてもよい。例えば、画面の背景色を異ならせたり、一部を点滅させるようにしてもよい。また、図7、および図8では、車両の購入店舗(この発明で言う、顧客が主に取り引きを行う店舗に相当する。)を表示する構成としているので、この部分を点滅させればよい。これにより、他店で車両を購入した顧客に対して、次回の車両購入時に自店での購入を勧めることもできる。また、自店で車両を購入した顧客と、他店で車両を購入した顧客と、に対するサービスの差別化も行える。
【0043】
また、上記の説明では、本願発明を車両を販売している販売店に適用した場合を例にして説明したが、顧客が車両で来店する割合が高い店舗であれば、他の商品やサービスを提供する店舗にも適用可能である。
【0044】
また、来店顧客応対支援装置1に対するナンバープレート番号の入力は、係員等が操作部15のキーボードを操作して入力する構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】応対支援システムの概略構成を示す図である。
【図2】来店顧客応対支援装置の主要部の構成を示すブロック図である。
【図3】顧客管理データベースを説明する図である。
【図4】予約管理データベースを説明する図である。
【図5】来店顧客応対支援装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】表示器で表示される予約一覧画面を示す図である。
【図7】表示器で表示される予約客に対する応対要求画面を示す図である。
【図8】表示器で表示される既存客に対する応対要求画面を示す図である。
【図9】表示器で表示される新規顧客に対する応対要求画面を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1−来店顧客応対支援装置
2−文字認識装置
3−カメラ
4−表示器
5−スピーカ5
11−制御部
12−顧客管理部
13−入力部
14−出力部
15−操作部
21−顧客管理データベース(顧客管理DB)
22−予約管理データベース(予約管理DB)
23−除外車両データベース(除外車両DB)
24−取引管理データベース(取引管理DB)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入店した車両のナンバープレート番号が入力されるナンバープレート番号入力手段と、
ナンバープレート番号に関連付けて、顧客の氏名、過去に応対した応対担当者を登録する顧客情報登録手段と、
ナンバープレート番号に関連付けて、来店予約日時、来店時の用件、来店時の応対担当者を登録する来店予約情報登録手段と、
前記ナンバープレート番号入力手段に入力されたナンバープレート番号をキーにして、前記顧客情報登録手段、および前記来店予約情報登録手段を検索し、来店顧客が顧客情報が未登録である第1の顧客、顧客情報は登録されているが、当日の来店予約がない第2の顧客、または顧客情報は登録されており、当日の来店予約がある第3の顧客のいずれの区分に属する顧客であるかを判定する顧客種別判定手段と、
前記顧客種別判定手段が判定した顧客の区分に応じて、当該顧客の応対を要求するメッセージを作成するメッセージ作成手段と、
前記メッセージ作成手段が作成したメッセージを出力するメッセージ出力手段と、を備え、
前記メッセージ作成手段は、
前記顧客種別判定手段が判定した顧客の区分が第1の顧客であれば、顧客が新規顧客である旨のメッセージを作成し、
前記顧客種別判定手段が判定した顧客の区分が第2の顧客であれば、顧客の氏名、および顧客情報登録手段に登録されている過去に応対した応対担当者の氏名を含み、当日の来店予約者でない旨のメッセージを作成し、
前記顧客種別判定手段が判定した顧客の区分が第3の顧客であれば、顧客の氏名、前記来店予約情報登録手段に登録されている応対担当者の氏名、および顧客の用件を含み、当日の来店予約者である旨のメッセージを作成する、
手段である、
来店顧客応対支援装置。
【請求項2】
前記顧客情報登録手段は、顧客が主に取り引きを行う店舗の登録が行える手段であり、
前記メッセージ出力手段は、前記メッセージ作成手段が作成したメッセージを接続されている表示器に表示させる手段であり、且つ、来店顧客が主に取り引きを行う店舗が、自店舗であるかどうかによって、メッセージの表示形態を異ならせる手段である、請求項1に記載の来店顧客応対支援装置。
【請求項3】
ナンバープレート番号に関連付けて、前記メッセージ作成手段によるメッセージの作成、および前記メッセージ出力手段によるメッセージの出力について、その要否の登録が行える除外車両登録手段を備えた、請求項1、または2に記載の来店顧客応対支援装置。
【請求項4】
前記顧客種別判定手段が判定した顧客の区分が第1の顧客であれば、応対担当者を選択する応対担当者選択手段を備えた請求項1〜3のいずれかに記載の来店顧客応対支援装置。
【請求項5】
前記メッセージ出力手段は、前記メッセージ作成手段が作成したメッセージに対応する音声を、接続されているスピーカから放音する手段である、請求項1〜4のいずれかに記載の来店顧客応対支援装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−152784(P2010−152784A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−332116(P2008−332116)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)