説明

杭補強構造の施工装置及びその方法

【目的】杭の周囲の地盤を除去し杭を露出させ、除去した空間に砕石等の補強材料を投入して締め固めて補強層を形成してなる杭補強構造の施工に適した施工装置及び施工方法を提案する。
【構成】杭打設機により回転される回転ロッド11と該回転ロッド11の下端に接続され、回転ロッド11の回転に伴い地中に打設される杭21と、回転ロッド21により回転されるオーガー31と、を備え、回転ロッド11、杭21及びオーガー31は同軸上に配置され、回転ロッド11の回転に伴い杭21が回転するように回転ロッド11へ杭21を着脱自在に連結する第1の連結部(13、23)と、回転ロッド11の回転に伴いオーガー31が回転するように回転ロッド11へオーガーを連結する第2の連結部(19,35)と、を備え、地中に打設された杭21に対してオーガー31は、軸を共有して、自由回転可能に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は建物の杭の補強構造の施工に適した装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
耐震性の向上等の見地から地盤に杭を打設することが多い。建物に対して充分な支持力を確保するためには、杭の打設数を多くしたり、杭長を長くしたりすればよいが、何れも杭打設の手間が増え、コストも嵩むこととなる。
本発明に関連する技術を開示する文献として特許文献1及び特許文献2を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−61172号公報
【特許文献2】特開2009−35927号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
簡易な方法でかつコストをかけずに杭の支持力を増強する方法を鋭意検討してきた結果、杭の周囲の地盤を除去し杭を露出させ、得られた空間に砕石等の補強材料を投入して締め固めて補強層を形成してなる杭補強構造に想到した。この杭補強構造を構築することにより、建物に対する支持力が格段に向上する。この杭補強構造は、杭に対して補強層が同心的に形成される。ここに、杭の径に対して補強層の径を3〜6倍にすることが好ましい。補強層の深さと補強層の径との比(アスペクト比)は0.8〜1.2とすることが好ましく、更に好ましくはアスペクト比を1とする。
なお、建物のフーチング等の下面は杭及び補強層の両者に当接するものとする。
かかる新規な杭補強構造の使用を広めるには、簡易かつ安価な施工方法の確立が必要である。
【0005】
この発明は、上記新規な杭補強構造の施工に用いられる装置及びその装置を用いた新規な施工方法の提供を目的とする。
即ち、この発明の第1の局面は次のように規定される。
杭打設機により回転される回転ロッドと
該回転ロッドの下端に接続され、回転ロッドの回転に伴い地中に打設される杭と、
前記回転ロッドにより回転されるオーガーと、を備え、
前記回転ロッド、前記杭及び前記オーガーは同軸上に配置され、
前記回転ロッドの回転に伴い前記杭が回転するように前記回転ロッドへ前記杭を着脱自在に連結する第1の連結部と、
前記回転ロッドの回転に伴い前記オーガーが回転するように前記回転ロッドへ前記オーガーを連結する第2の連結部と、を備え、
地中に打設された杭に対して前記オーガーは、軸を共有して、自由回転可能に配置される、
杭補強構造の施工装置。
【0006】
このように規定される第1の局面の施工装置により、次の施工方法を実行できる。
即ち、地中に杭を打設し、該杭の周囲の地盤を除去して該杭を露出させ、前記除去した領域の底部に前記杭の周面と当接する補強層を形成する杭補強構造の施工方法であって、
杭打設機の回転ロッドに対しその回転力が伝達可能なように前記杭及びオーガーが連結され、前記オーガーは前記杭に対して自由回転可能であり、
前記回転ロッドを回転させて前記杭を地中へ打設する杭打設ステップと、
前記回転ロッドの回転を打設された前記杭に対して非伝達状態として、前記回転ロッドの回転を前記オーガーに伝達して打設された前記杭の周縁領域の土を除去する除去ステップと、
前記除去した領域に補強材料を充填する充填ステップと、
前記回転ロッドを逆回転させて前記オーガーで充填された前記補強材料を締め固める締固ステップと、を備え、
前記杭打設ステップ、除去ステップ、充填ステップ及び前記締固ステップの実行中、前記回転ロッド、前記杭及び前記オーガーの軸芯が一致している、
杭補強構造の施工方法(第4の局面参照)。
【0007】
上記の施工装置によれば、杭打設機により回転される回転ロッドに杭及びオーガーが取り付けられているので、杭の打設に連続してオーガーによる杭周囲の地盤除去が行なえる。
ここに、杭に対してオーガーが同軸的に配置されているので、各要素の位置合わせに手間がかからなくなる。また、打設された杭に対してオーガーが軸を共有して自由回転可能であるため、換言すれば、オーガーが杭に被るようして自由回転可能であるため、オーガーを正回転させることにより、杭を中心としてその周囲の地盤を水平方向へ均等に除去することが容易になる。また、オーガーを逆回転させることにより、杭の周囲の空間部へ投入した補強材料を締め固めるときの位置合わせも容易になり、補強材料に対する締め固めの力も均等になる。
【0008】
施工装置において、杭の打設時に、回転ロッドと杭とは直接的に若しくは間接的に連結されて回転ロッドの作用力が杭に伝達され、かつ、打設後には杭から回転ロッドが分離される(第1の連結部)。打設後に杭から回転ロッドを分離するのは、回転ロッドの作用力をオーガーのみに伝達するためである。
回転ロッドと杭とのこのような連結態様は特に限定されるものではないが、例えばキー(この明細書で「サイコロ」ということがある)とキー溝とを用いることができる。更には、ボルト−ナット等のねじ止め構造により回転ロッドに対して杭を着脱可能としてもよい。必ずしも回転ロッドと杭とは直接的に連結される必要はなく、例えばオーガーを介して回転ロッドの作用力を杭へ伝達することもできる。
【0009】
施工装置において、回転ロッドとオーガーとの連結(第2の連結部)は、オーガーが正転かつ逆転可能とする。それぞれ地盤の除去及び補強材料の締め固めのためである。
回転ロッドとオーガーとを固定すれば、回転ロッドの回転にオーガーの回転が従動することは勿論である。
回転ロッドにキー(又はキー溝)を設け、オーガー側にキー溝(又はキー)を設けることで回転ロッドの回転にオーガーの回転を従動させることもできる。回転ロッドと杭との連結がキーとキー溝との結合によるもののときは、回転ロッドとオーガーとの結合にもキーとキー溝の結合を用いることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】杭補強構造の施工方法の概念図を示す。
【図2】この発明の実施形態の施工装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図3】同じく施工装置に用いられるオーガーの構造を示す斜視図である。
【図4】同じく施工装置における回転ロッド、オーガー及び杭の連結構造を示す模式図である。
【図5】オーガーの変形態様を示す斜視図である。
【図6】同じくオーガーの変形態様を斜視図である。
【図7】同じくオーガーの変形態様を示す斜視図である。
【図8】この発明の他の実施形態の施工装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図9】この発明の他の実施形態の施工装置の構造を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1はこの発明の杭補強構造の施工方法を示す。
図1(A)は地盤1に打設された杭2の周囲の地盤をオーガー4により除去する様子を示す。ここにおいて、符号7は回転ロッドであり図示しない杭打設機により回転かつ上下動される。符号8はオーガー4により形成された空間であり、図に示す通り、杭2にオーガー4の中心柱5を外挿することにより、杭2を中心として空間8が水平方向に均等に形成される。
空間8を形成後、回転ロッド7を引き上げてオーガー4を空間8の真上へ引き上げ、補強材料として砕石9を投入する。この例では、空間8の容積の約1/3を投入する。次に、図1(B)に示すように、回転ロッド7を下げるとともにオーガー4を逆転させ、オーガー4の下縁で砕石9を締め固める。このとき、オーガー4の中心柱5は杭2へ外挿されるので、オーガー4の位置合わせが容易になるとともに、砕石9に対する押圧力も水平方向に均等になる。
また、締め固めに際して杭2に不要な力がかからないので、杭2自体も安定する。
その後、オーガー4の引き上げ、砕石9の投入、オーガー4による締め固めを繰返し、最終的に砕石9の表面をプレートランマー6で締め固める(図1(C)。
上記の施工方法によれば、杭の打設から砕石の9の締め固めという一連の工程において回転ロッド7の移動が垂直方向となる。
この杭補強構造では空間8のアスペクト比が約1であるので、砕石9の層(補強層)が比較的深くなる。その結果、空間8の全体を砕石9で充填しその表面をプレートランマー6で押圧するだけでは、砕石9を充分に締め固めることができない。そこで、図1(B)に示す通り、砕石9を段階的に締め固める必要がある。ここに、オーガー4を上下させ、かつその位置を杭2にガイドさせることにより、当該締め固め作業の効率が向上する。
【0012】
上記施工方法に用いる施工装置10の例を図2〜4に示す。
この施工装置10は回転ロッド11、杭21、オーガー31を備えてなる。
回転ロッド11はその下端の側面に第1のキー溝13を備える。この第1のキー溝13は回転ロッド11の下端から形成される軸方向の第1のスライド溝15とこの第1のスライド溝15の上端に形成された第1のロック溝17とからなる。第1のロック溝17は、回転ロッド11が杭21を打設するときの回転方向と反対側に向けて形成される。このロック溝17を省略してもよい。
回転ロッド11において、第1のキー溝13の上側に第1のキー(第1のサイコロ)19が突設される。
【0013】
杭21はパイプ状の鋼材であって、その上端内周面に第2のキー(第2のサイコロ)23が形成される。この第2のキー23は回転ロッド11の第1のキー溝13へスライド自在に係合する。杭21の長さや径は要求される支持力、地盤の状況に応じて任意に選択される。
【0014】
オーガー31は中心柱33と螺旋翼34とを備える。中心柱33の内径は杭21の外径より大きく、中心柱33を杭21へ外挿した状態で中心柱33は杭21から実質的な干渉を受けず、自由回転可能である。中心柱33にはスリット(第2のキー溝)35が形成される。このスリット35は軸方向に伸びるスライドスリット(第2のスライド溝)36、その上端に形成される上ロックスリット(第2のロック溝)37及びその下端に形成される下ロックスリット(第3のロック溝)38を備えてなる。上ロックスリット37はオーガー31の正転方向(杭21の打設時の回転ロッドの回転方向とは逆方向)に形成され、下ロックスリット38はオーガー31の逆転方向に形成される。
このスリット35に回転ロッド11の第2のキー19がスライド自在に係合する。
なお、この例では、オーガー31の中心柱33にこれを貫通するスリット(無底の溝)35を設けてこれに回転ロッド11の第1のキー19を係合させたが、中心柱33の内周面に溝(中心柱33を貫通しない、いわゆる有底の溝)を形成してもよい。オーガー31を回転ロッド11に外挿した状態で杭21を打設するとき、オーガー31のキー溝を無底(スリット)とすることにより、土の排出効率が向上する。
【0015】
かかる施工装置10の動作を以下に説明する。
杭21の打設時には、回転ロッド11を杭21に挿入する。このとき、回転ロッド11の第1のキー溝13の第1のロック溝17へ杭21の第1のキー23が係合する。他方、回転ロッド11の第2のキー19はオーガー31のスリット35の下ロックスリット38に係合する。
この状態で回転ロッド11を回転させて杭21を打設する。回転ロッド11に外挿されたオーガー31は回転ロッド11の回転にともないとも回りしている。
なお、図4に示す通り、回転ロッド11にオーガー31を外挿し、第2のキー19と下ロックスリット38を係合した状態において、回転ロッド11の下端はオーガー31の下端より突出している。従って、杭21を地盤へ打ち込んだ状態で、オーガー31の下端は地盤表面から、回転ロッド11の突出長さL1分だけ、浮いた状態である。
【0016】
次に、回転ロッド11をほんの僅か杭打設時の回転に対して逆転させる。杭21は地盤に固定されているので、第1のロック溝17から第1のキー23が外れ、その状態で回転ロッド11を引き上げると、第1のスライド溝15を介して第1のキー23が回転ロッド11から外れる。
次に、オーガー31を固定して、回転ロッド11を同様に逆回転させると、回転ロッドの第2のキー19が下ロックスリット38から外れる。その後、回転ロッド11を引き上げると第2のキー19がスライドスリット36を滑る。その後、その上端において同様に逆回転させると、第2のキー19は上ロックスリット37に係合する。
【0017】
続いて、回転ロッド11、オーガー31及び杭21を芯合わせして、オーガー31が正転するように回転ロッド11を回転させて杭21の周囲の地盤を除去する。このときの回転ロッド11の回転方向は、杭打設時の回転方向と逆である。
オーガー31による掘削深さは、図2に示されるように、回転ロッド11の下端とオーガー31の下端との距離L2で規定される。
オーガー31により杭21の周囲の地盤を削除し、所望の空間を形成した後、回転ロッド11を真上に、即ちその軸方向に引き上げて、オーガー31を地盤より上に持ち上げる。その後、杭21の周りへ砕石を投入する(図1(B)参照)。
【0018】
次に、オーガー31の中心柱33が杭21に外挿されるように両者を芯合わせして、オーガー31が逆転するように回転ロッド11を回転させる。このとき、回転ロッド11に下方への意図的な力は加えない。なお、オーガー31の下縁には回転ロッド11及びオーガー31の重さがかかる。
なお、図5に示すように、スライドスリット36の上端若しくは中腹において上ロックスリット37と反対側へ第3のスリット39を設け、そこへ第2のキー19を係合させれば、オーガー31による砕石の締め固め時に、回転ロッド11により下方へ意図的な力を加えることができる。出願人による施工例では約1tの力がオーガー31の下縁にかかり、砕石に対してこれを締め固めるのに充分な力を加えられる。
なお、この第3のスリット39をスライドスリットの上端以外(上ロックスリット37の横以外)の部分に形成することが、オーガー31の施工性の見地から好まし。同レベルに正方向及び逆方向のロックスリットがあると、ロックスリットからキーを外してこれをスライドスリットへ移行させる際の回転ロッドの回転制御が困難になるからである。
更には、図6に示す通り、スライドスリット36の下方側に保持スリット39aを形成することができる。この保持スリット39へ第2のキー19を係合させた状態で、回転ロッド19の下端はオーガー31の下端と同一高さか若しくはオーガー31内に収納されるものとする。これにより、回転ロッド19へオーガー31を取り付けた状態で、オーガー31を安定して立てておくことができる。
また、図7に示す通り、オーガー31の下端には掘削刃131を設けて、地盤の除去作業の効率化を図ることが好ましく、同様の見地から、オーガー31の中心柱下端及び、必要に応じてその中腹に土抜き穴133を設けることもできる。
【0019】
砕石の締め固めた後、オーガー31を引き上げて、再度砕石を投入し、オーガー31を引き下げて、再度上記ご同様に締め固めを実行する。
以上を繰返し、杭の周囲の空間の全てを砕石で充填し、締め固めを行なう。最終段階では、図1(C)に示すように、プレートランマーを用いることが好ましい。
上記において、補強材料として砕石を用いているが、その他土嚢、コンクリート片等を用いることもできる。補強材料へ結合剤を注入してもよい。
また、杭には、既述の鋼管杭の他、PHC杭、RC杭、SC杭などの公知の杭を用いることができる。
【0020】
図8に他の態様の施工装置40を示す。
この施工装置40では、回転ロッド41に対してオーガー43がその上端においてねじ止め等の機構で着脱自在に固定される。回転ロッド41の下端には図示しない杭が、図2に示す構造で連結される。
この施工装置40では、杭を打ち込んだ後、杭から回転ロッド41を外し、その後オーガー43を回転ロッド41に取り付ける。その後、図1(A)及び図1(B)に示す作業を実行する。
かかる構成の施工装置40によれば、オーガー43にスリットがないので、その機械的強度が向上する。また、オーガー43の上端を回転ロッド41の下端へ連結することにより、オーガー43を回転させるときに回転ロッド41の下端が杭と干渉することを防止できる。よって、オーガー43を小型化できる。
【0021】
図9に他の態様の施工装置50を示す。
この施工装置50では、回転ロッド51の下端にオーガー53の上端が溶接等の方法で固定される。オーガー53の下端に杭55がねじ止め等の方法で着脱自在に固定される。
この施工装置50では、杭55を打ち込んだ後、杭55からオーガー53を外し、その後、図1(A)及び図1(B)の作業を実行する。
かかる構成の施工装置40によれば、オーガー43にスリットがないので、その機械的強度が向上する。また、オーガー43の上端を回転ロッド41の下端へ連結することにより、オーガー43を回転させるときに回転ロッド41の下端が杭と干渉することを防止できる。よって、オーガー43を小型ができる。
【0022】
この発明は、上記発明の実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【符号の説明】
【0023】
1 地盤
2、21、55 杭
4、31、43、54 オーガー
5、33 中心柱
7、11、41、51 回転ロッド
9 砕石(補強材料)
23 第1のキー
13 第1のキー溝
15 第1のスライド溝
17 第1のロック溝
19 第2のキー
35 スリット(第2のキー溝)
36 スライドスリット(第2のスライド溝)
37 上ロックスリット(第2のロック溝)
38 下ロックスリット(第3のロック溝)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
杭打設機により回転される回転ロッドと
該回転ロッドの下端に接続され、回転ロッドの回転に伴い地中に打設される杭と、
前記回転ロッドにより回転されるオーガーと、を備え、
前記回転ロッド、前記杭及び前記オーガーは同軸上に配置され、
前記回転ロッドの回転に伴い前記杭が回転するように前記回転ロッドへ前記杭を着脱自在に連結する第1の連結部と、
前記回転ロッドの回転に伴い前記オーガーが回転するように前記回転ロッドへ前記オーガーを連結する第2の連結部と、を備え、
地中に打設された杭に対して前記オーガーは、軸を共有して、自由回転可能に配置される、
杭補強構造の施工装置。
【請求項2】
前記第1の連結部は、
(A)前記回転ロッドの下端に形成された第1のキー溝であって、軸方向の第1のスライド溝と該第1のスライド溝の上端に形成された第1のロック溝とを有する第1のキー溝と、
(B)前記杭の内周面に形成されて前記第1のキー溝に係合する第1のキーと、を備えてなり、
前記第2の連結部は、
(C)前記回転ロッドに外挿される前記オーガーの筒状柱に形成された第2のキー溝であって、軸方向の第2のスライド溝と該スライド溝の上端側から前記オーガーの正転方向に形成された第2のロック溝と前記第2のスライド溝の下端側から前記オーガーの逆転方向に形成された第3のロック溝とを有する第2のキー溝と、
(D)前記回転ロッドの外周面に形成されて前記第2のキー溝に係合する第2のキーと、
を備えてなる、請求項1に記載の施工装置。
【請求項3】
前記第1の連結部は、
(A)前記回転ロッドの下端に形成された第1のキー溝であって、軸方向の第1のスライド溝と該第1のスライド溝の上端に形成された第1のロック溝とを有する第1のキー溝と、
(B)前記杭の内周面に形成されて前記第1のキー溝に係合する第1のキーと、を備えてなり、
前記第2の連結部は、
(E)前記回転ロッドと前記オーガーとをねじ止めする、請求項1に記載の施工装置。
【請求項4】
前記第2の連結部は、前記回転ロッドの下端へ前記オーガーを固定してなり、
前記第1の連結部は、前記回転ロッドに固定されたオーガーの下端に前記杭の上端をねじ止めしてなる、請求項1に記載の施工装置。
【請求項5】
地中に杭を打設し、該杭の周囲の地盤を除去して該杭を露出させ、前記除去した領域の底部に前記杭の周面と当接する補強層を形成する杭補強構造の施工方法であって、
杭打設機の回転ロッドに対しその回転力が伝達可能なように前記杭及びオーガーが連結され、前記オーガーは前記杭に対して自由回転可能であり、
前記回転ロッドを回転させて前記杭を地中へ打設する杭打設ステップと、
前記回転ロッドの回転を打設された前記杭に対して非伝達状態として、前記回転ロッドの回転を前記オーガーに伝達して打設された前記杭の周縁領域の土を除去する除去ステップと、
前記除去した領域に補強材料を充填する充填ステップと、
前記回転ロッドを逆回転させて前記オーガーで充填された前記補強材料を締め固める締固ステップと、を備え、
前記杭打設ステップ、除去ステップ、充填ステップ及び前記締固ステップの実行中、前記回転ロッド、前記杭及び前記オーガーの軸芯が一致している、
杭補強構造の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−219505(P2012−219505A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86264(P2011−86264)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(505181550)株式会社新生工務 (8)
【Fターム(参考)】