杭配置装置、杭配置方法、杭配置プログラム、および記録媒体
【課題】 住宅の杭の配置を検討する際に、杭の配置を自動的に決定でき、且つ、杭配置後の修正作業を軽減することができる杭配置装置、杭配置方法、杭配置プログラム、および記録媒体を提供する。
【解決手段】 本杭配置装置1は、建物の規模、階高、積雪区分、屋根仕様、屋根勾配、床仕様、用途、外壁仕様、軒の出、バルコニー仕様、設計地耐力、建物形状10、荷重要素、屋根形状、耐力壁13の位置、小屋伏図、床伏図、及び基礎伏図が入力されると、入力されたこれらの情報と、積雪区分、屋根仕様、床仕様、用途、外壁仕様、及びバルコニー仕様に対する荷重を算出するための記憶した係数とに基づいて1階柱軸力を算出し、入力された基礎伏図の基礎梁16の出入隅部、T字部、十字部、及び算出した1階柱軸力が所定値以上の柱19の直下に杭18を配置し、且つ、配置した杭18の基礎梁16上の杭間が所定間隔以上である場合に、その杭間を等分した位置に杭18を配置し、その配置結果を出力するものである。
【解決手段】 本杭配置装置1は、建物の規模、階高、積雪区分、屋根仕様、屋根勾配、床仕様、用途、外壁仕様、軒の出、バルコニー仕様、設計地耐力、建物形状10、荷重要素、屋根形状、耐力壁13の位置、小屋伏図、床伏図、及び基礎伏図が入力されると、入力されたこれらの情報と、積雪区分、屋根仕様、床仕様、用途、外壁仕様、及びバルコニー仕様に対する荷重を算出するための記憶した係数とに基づいて1階柱軸力を算出し、入力された基礎伏図の基礎梁16の出入隅部、T字部、十字部、及び算出した1階柱軸力が所定値以上の柱19の直下に杭18を配置し、且つ、配置した杭18の基礎梁16上の杭間が所定間隔以上である場合に、その杭間を等分した位置に杭18を配置し、その配置結果を出力するものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅の杭配置の検討を支援する杭配置装置、杭配置方法、杭配置プログラム、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅等の建物の構造設計に際して、構造設計者は、建物の構造耐力上主要な部分である梁、柱、基礎、杭等のメンバー及び配置を決定し、建物が決定した梁、柱、基礎、杭等により建物に作用する荷重及び外力に対して充分な強度を保持して構造耐力上安全であるか否かを構造計算により判定する。強度が不足し、構造耐力上安全でないと判定した場合、梁、柱、基礎、杭等の設計の変更を行う。
【0003】
このような構造設計を行う際に、コンピュータを利用して構造設計を支援するシステムがあり、その中に杭の設計を支援するものがある(例えば、特許文献1参照)。このシステムにおいては、構造設計者は、施工現場の間口、奥行、前面道路、地盤調査の結果、上部構造物の荷重、構造等の情報をコンピュータに入力することによって、杭の鉛直支持力及び水平支持力、杭の種類、本数等の杭に関する条件をコンピュータを用いて自動的に計算、選定、又は決定できる。これにより、構造設計者の設計作業にかかる労力が軽減される。
【0004】
また、構造設計者が住宅の杭の配置を検討する際に使用する杭配置装置がある。この装置においては、構造設計者が、建物に作用する荷重及び外力にかかわる種々の情報や、小屋伏図、床伏図、基礎伏図等を杭配置装置に入力し、杭配置装置が入力された情報に基づいて柱軸力を算出し、算出した柱軸力の大きい部分に杭配置装置が杭を配置し、杭配置装置がその配置結果を出力することにより、杭の配置を検討している。
【特許文献1】特開平9−195430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記したように杭配置装置により杭を柱軸力の大きい部分に配置した場合、杭間隔が開きすぎたり、実際には杭を施工出来ない距離に隣接して配置することがあり、杭配置装置による杭配置後に、構造設計者が杭の配置を修正していた。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、住宅の杭の配置を検討する際に、杭の配置を自動的に決定でき、且つ、杭配置後の修正作業を軽減することができる杭配置装置、杭配置方法、杭配置プログラム、および記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載の杭配置装置は、建物の規模、階高、積雪区分、屋根仕様、屋根勾配、床仕様、用途、外壁仕様、軒の出、バルコニー仕様、設計地耐力、建物形状、荷重要素、屋根形状、耐力壁の位置、小屋伏図、床伏図、及び基礎伏図を入力する入力手段と、前記積雪区分、屋根仕様、床仕様、用途、外壁仕様、及びバルコニー仕様に対する荷重を算出するための係数を記憶した記憶手段と、入力された前記建物の規模、階高、積雪区分、屋根仕様、屋根勾配、床仕様、用途、外壁仕様、軒の出、バルコニー仕様、設計地耐力、建物形状、荷重要素、屋根形状、耐力壁の位置、小屋伏図、床伏図、及び基礎伏図と、記憶した前記係数とに基づいて1階柱軸力を算出する算出手段と、入力された前記基礎伏図の基礎梁の出入隅部、T字部、十字部、及び算出された前記1階柱軸力が所定値以上の柱の直下に杭を配置し、且つ、配置した前記杭の前記基礎梁上の杭間が所定間隔以上である場合に、その杭間を等分した位置に杭を配置する杭配置手段と、その配置結果を出力する出力手段と、を備えることを特徴としている。
【0008】
請求項2記載の杭配置装置は、請求項1記載の杭配置装置において、前記杭配置手段により配置された前記杭の杭間が杭を施工する上で必要な最低間隔を有していない場合に、該最低間隔を確保するように前記杭を再配置する杭再配置手段を備えることを特徴としている。
【0009】
請求項3記載の杭配置方法は、コンピュータを用いて杭の配置を検討する方法であって、ユーザが、建物の規模、階高、積雪区分、屋根仕様、屋根勾配、床仕様、用途、外壁仕様、軒の出、バルコニー仕様、設計地耐力、建物形状、荷重要素、屋根形状、耐力壁の位置、小屋伏図、床伏図、及び基礎伏図を入力するステップと、コンピュータが、入力された前記建物の規模、階高、積雪区分、屋根仕様、屋根勾配、床仕様、用途、外壁仕様、軒の出、バルコニー仕様、設計地耐力、建物形状、荷重要素、屋根形状、耐力壁の位置、小屋伏図、床伏図、及び基礎伏図と、前記積雪区分、屋根仕様、床仕様、用途、外壁仕様、及びバルコニー仕様に対する荷重を算出するための記憶した係数とに基づいて1階柱軸力を算出するステップと、コンピュータが、入力された前記基礎伏図の基礎梁の出入隅部、T字部、十字部、及び算出された前記1階柱軸力が所定値以上の柱の直下に杭を配置し、且つ、配置した前記杭の前記基礎梁上の杭間が所定間隔以上である場合に、その杭間を等分した位置に杭を配置するステップと、コンピュータが、その配置結果を出力するステップと、を備えることを特徴としている。
【0010】
請求項4記載の杭配置方法は、請求項3記載の杭配置方法において、コンピュータが、配置された前記杭の杭間が杭を施工する上で必要な最低間隔を有していない場合に、該最低間隔を確保するように前記杭を再配置するステップを備えることを特徴としている。
【0011】
請求項5記載の杭配置プログラムは、コンピュータを、請求項1又は2記載の手段として機能させることを特徴としている。
【0012】
請求項6記載の記録媒体は、コンピュータを、請求項1又は2記載の手段として機能させるための杭配置プログラム記録したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の請求項1の杭配置装置によれば、基礎伏図の基礎梁の出入隅部、T字部、十字部、及び算出された1階柱軸力が所定値以上の柱の直下に杭を配置し、且つ、配置した杭の基礎梁上の杭間が所定間隔以上である場合に、その杭間を等分した位置に杭を配置するので、ユーザは、杭の配置を自動的に得ることができ、且つ、杭配置後の修正作業を軽減することができる。
【0014】
請求項2記載の杭配置装置によれば、請求項1記載の杭配置装置の効果に加えて、杭配置後、配置した杭の杭間が杭を施工する上で必要な最低間隔を有していない場合に、その最低間隔を確保するように杭を再配置するため、ユーザは、施工するのに適正な間隔を確保した杭の配置を自動的に得ることができ、且つ、杭配置後の修正作業をより軽減することができる。
【0015】
本発明の請求項3の杭配置方法によれば、請求項1と同様の効果を奏することができる。
【0016】
本発明の請求項4の杭配置方法によれば、請求項2と同様の効果を奏することができる。
【0017】
請求項5の杭配置プログラム及び請求項6記載の記録媒体によれば、本発明の杭配置プログラムを汎用のコンピュータにインストールすることにより、請求項1又は2と同様の効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき具体的に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る杭配置装置1の概略構成を示すものである。杭配置装置1は、図示するように、制御部(CPU:Central Processing Unit)2、ROM(Read Only Memory)3、RAM(Random Access Memory)4、HD(Hard Disk)5、入力装置6、及び表示装置7を備えており、各部2乃至7はバス8によって通信可能に接続されている。
【0019】
制御部2は、杭配置装置1を構成する各部を制御するものである。ROM3は、制御部2によって杭配置装置1の各部が制御されるための制御プログラムを記憶するものである。また、ROM3は、入力装置6により入力された情報に応じて柱軸力を算出し、杭を配置し、その配置結果を出力し、杭反力、杭反力負担率、基礎梁に作用する曲げモーメントやせん断力といった基礎梁応力、基礎梁応力負担率等を算出し、その算出結果を出力するための弾性支承計算を用いた杭配置プログラム9を記憶している。また、この杭配置プログラム9を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体(不図示)から汎用のコンピュータに杭配置プログラム9をインストールすることにより、当該コンピュータを杭配置装置1として機能させることができる。RAM4は、制御部2の主メモリ、ワークエリア等として機能するものである。
【0020】
HD5は、入力装置6により入力される建物の規模、階高、積雪区分、屋根仕様、屋根勾配、床仕様、用途、外壁仕様、軒の出、バルコニー仕様、標準せん断力係数、設計地耐力、風に関する地域条件、地震に関する地域低減、耐震等級、耐風等級、建物形状、荷重要素、屋根形状、耐力壁の位置、小屋伏図、床伏図、基礎伏図、杭伏図といった情報を関連付けて記憶するものであり、杭配置装置1のユーザは、入力装置6により入力したこれらの情報を再度HD5から読み出して確認したり、修正することができ、同じ住宅の杭の配置を何度も検討することができる。また、制御部2が入力された情報に基づいて住宅に作用する固定荷重、積載荷重、積雪荷重、風圧力、地震力といったさまざまな荷重及び外力をROM3に記憶された杭配置プログラム9に従って算出するために必要な係数を記憶している。また、HD5は、耐力壁の位置、小屋伏図、床伏図、基礎伏図、杭伏図を入力する際に用いられる耐力壁、柱、梁、基礎、杭等の部品データを記憶している。
【0021】
ここで、建物の規模とは、計画している住宅が1階建て、2階建て、又はペントハウスが付随した2階建てのいずれであるかを示す情報である。階高とは、建物の1層分の高さのことである。積雪区分とは、住宅の計画地が建築基準法に基づく一般地域又は多雪地域のどちらに含まれるか、また多雪地域に含まれる場合、積雪量はどのくらいかといった情報である。屋根仕様とは、屋根材の種類のことである。屋根勾配とは、屋根の勾配の程度のことである。床仕様とは、床材の種類のことである。用途とは、建物2階部分の用途のことであり、2階部分が住宅、共同住宅、事務所、又は店舗のいずれとして用いられるかを示す情報である。外壁仕様とは、外壁材の種類のことである。軒の出とは、建物の外壁からの軒の出寸法である。バルコニー仕様とは、建物にバルコニーがある場合のバルコニーの種類を示す情報である。標準せん断力係数とは、計画地を含む区域の地盤の硬軟に応じて建築基準法に基づいて決定される係数である。設計地耐力とは、計画地の地盤面の載荷重に対する許容限度のことである。風に関する地域条件とは、計画地における建築基準法に基づく粗度区分と基準風速のことである。地震に関する地域低減とは、計画地を含む地域の過去の地震の記録に基づいて決定される係数であり、建築基準法に基づいて決定される。耐震等級及び耐風等級とは、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)により定められた等級であり、計画している住宅に倒壊や損傷を生じさせる地震や風の規模により決定される。建物形状とは、計画している住宅の外壁ラインを示すものである。荷重要素とは、バルコニーや庇、吹抜けといった屋根荷重や床荷重に荷重を加減するものである。屋根形状とは、建物の屋根の勾配の有無や小屋梁天端からの高さのことである。
【0022】
入力装置6は、杭配置装置1のユーザがさまざまな情報を杭配置装置1に入力するための装置であり、汎用のマウスやキーボードである。表示装置7は、制御部2が出力したさまざまな入力画面や算出結果を示す画面等を表示する装置であり、汎用のCRTディスプレイや液晶ディスプレイである。
【0023】
以上のように構成された杭配置装置1を用いて杭の配置を検討する杭配置方法について、図2及び図3に示すフローチャートを用いて説明する。なお、この杭配置装置1の各部の処理動作は、ROM3に記憶されている制御プログラム及び杭配置プログラム9に基づいて制御部2が発行する制御命令に従って行われる。
【0024】
まず、杭配置装置1のユーザは、表示装置7に表示された入力画面から計画している住宅の建物の規模、階高、積雪区分、屋根仕様、屋根勾配、床仕様、用途、外壁仕様、軒の出、バルコニー仕様、標準せん断力係数、設計地耐力、風の地域条件、地震の地域低減、耐震等級、及び耐風等級を入力装置6により入力する(S1)。制御部2は、入力されたこれらの情報をHD5に保存する。次いで、ユーザは、図4に例示するように、建物形状入力画面に建物形状10を単線の線図として入力する(S2)。具体的には、ユーザは、まず入力装置6により建物形状入力画面右側にあるツールパネルの「外壁ライン」ボタン11をクリックし、画面上の所望の座標にカーソルを合わせてクリックすることにより基点を入力し、次の出隅部又は入隅部を同様に入力する。順次出隅部又は入隅部を入力し、最終的に基点に戻ってクリックすると、建物形状10は確定する。建物形状10の確定後、画面右下側にある「次画面」ボタン12をクリックすると、次の入力画面が表示される。建物の規模が2階建て又はペントハウスが付随した2階建てと入力されている場合、1階部分の建物形状10を入力した後に、続けて2階部分の建物形状10を入力する。
【0025】
次いで、ユーザは、荷重要素を入力する(S3)。具体的には、屋根荷重や床荷重に荷重を加減する必要があるバルコニーや庇、吹抜け等をツールパネルから選択し、位置を入力する。そして、屋根形状及び高さを入力する(S4)。具体的には、ユーザは、図5に例示するように、屋根形状入力画面の右側に表示された1乃至9の屋根形状から建物の東西方向であるX方向と、南北方向であるY方向のそれぞれの屋根形状を選択し、番号で入力する。そして、屋根の高さを数値入力する。なお、屋根形状入力画面に表示された1乃至9の屋根形状の斜線部は、勾配面を、白抜き部は垂直面を示す。
【0026】
次いで、ユーザは、耐力壁配置入力画面から耐力壁13の配置を入力する(S5)。具体的には、ユーザは、図6に例示するように、耐力壁配置入力画面の右上側に表示された耐力壁目安枚数(LX、LY)、その下に表示された設計水平力(2PX、2PY)、建物形状10内に表示された荷重心(3.00,2.50)を確認し、耐力壁目安枚数を参考にしながら、画面上に耐力壁13の両端位置をクリックすることによって入力し、配置する。なお、梁上耐力壁の剛性低減に必要な梁や柱がある場合はそれらを入力し、剛性低減値を計算する。この剛性低減とは、梁の途中に耐力壁が配置されると、梁の変形により剛性が低下することをいい、低減後の耐力壁の剛性を剛性低減値という。
【0027】
次いで、制御部2は、S1乃至S5により入力された情報及びHD5に記憶された係数に基づいて耐力壁13の負担水平力、偏心率、重なり、せん断力を算出し、表示装置7に出力する(S6)。ユーザは、表示装置7に表示された耐力壁13の負担水平力、偏心率、重なり、せん断力がそれぞれ許容値以下であるか否かを判断し(S7)、許容値を超えている場合(S7:NO)、耐力壁13の配置の修正を入力し(S5)、許容値以下におさまるまでS5乃至S7のステップを繰り返す。
【0028】
一方、ユーザは、表示された耐力壁13の負担水平力、偏心率、重なり、せん断力がそれぞれ許容値以下であると判断した場合は(S7:YES)、入力した建物形状10、耐力壁13に合わせて、小屋伏図入力画面から小屋伏図を入力し、次いで、床伏図入力画面から床伏図を入力する(S8)。小屋伏図及び床伏図は、予め仮定断面として決定されており、ユーザは、図7に例示するように、予め決定されている小屋伏図及び床伏図に基づいて、配置する梁(トラス)14や軸柱15等を画面右側にあるツールパネルから選択し、それらの位置を入力する。制御部2は、選択された部品データをHD5から読み出し、入力された位置に出力する。
【0029】
次いで、ユーザは、図8に例示するように、基礎伏図入力画面から基礎伏図を入力する(S9)。この基礎伏図も予め仮定断面として決定されており、ユーザは、配置する基礎梁16の種類を画面右側にあるツールパネルから選択し、基礎梁16の位置を入力する。基礎伏図入力後、ユーザが「次画面」ボタン12をクリックすると、杭伏図入力画面が表示される。ユーザは、この画面において土間コン重量を基礎荷重に算入するか否かについての選択を入力する。そして、ユーザがこの画面の「杭自動配置」ボタン17をクリックして杭自動配置の実行を入力すると(S10)、制御部2は、配置する杭の支持力を選択する画面を出力する。ユーザがその画面から杭の支持力の選択を入力すると、制御部2は、1階柱軸力を算出し、図9に示すように、入力された基礎伏図の基礎梁16の出入隅部、T字部、十字部、及び算出した1階柱軸力が所定値以上、例えば、10kN以上の柱の直下に杭18を配置し、且つ、配置した杭18の基礎梁16上の杭間が所定間隔以上、例えば、3m以上である場合に、その杭間を等分した位置に杭18を配置する。また、配置した杭18の杭間が杭を施工する上で必要な最低間隔、例えば、1mを有していない場合に、杭間が必要な最低間隔である1mを確保するように杭を再配置し、配置結果を出力する(S11)。この杭18の再配置をする際に移動する杭18の優先順位は、配置した杭間が所定間隔以上である場合に配置された杭18、1階柱軸力が所定値以上の柱の直下にある杭18、基礎伏図のT字部にある杭18、基礎伏図の十字部にある杭18、基礎伏図の出入隅部にある杭18の順である。
【0030】
制御部2による杭自動配置完了後、ユーザが構造計算の実行を入力すると、制御部2は、S1乃至S9において入力された情報及びHD5に記憶された係数に基づいて柱軸力を算出し、表示装置7に出力する。ユーザは、表示装置7に表示された柱軸力を確認し、「次画面」ボタン12をクリックする。それを受けて制御部2は、入力された情報及びHD5に記憶された係数に基づいて、長期時及び短期積雪時の杭反力及び杭反力負担率と、基礎梁応力負担率を弾性支承計算を用いて算出し、図10に例示するように、長期時又は短期積雪時のうち厳しい方の杭反力負担率の算出結果を出力して表示装置7に表示する(S12)。この杭反力負担率は、杭18に作用する負担荷重を杭18の支持力により除したものであり、基礎梁応力負担率は、基礎梁16に作用する負担応力を基礎梁16の許容応力により除したものである。なお、ユーザは、杭配置装置1に画面の切り換えを入力することによって、長期時又は短期積雪時のうち厳しい方の杭反力負担率を示す画面、杭長期反力を示す画面、杭短期反力を示す画面、又は基礎梁応力負担率を示す画面の表示を切り換えることができる。なお、ユーザは、表示された柱軸力を確認した際に修正する必要がある場合は、柱軸力を表示した画面において柱軸力を修正することができる。
【0031】
ここで、弾性支承計算について説明する。弾性支承計算とは、杭18をバネとみなすことで、柱軸力を柱の直下の杭18のみに負担させるのではなく、周辺の杭18にも分散して負担させる計算のことである。例えば、図11(a)に示すような柱19、基礎梁16及び杭18a乃至杭18cがある場合、従来は、図11(b)に示すように、杭18a乃至杭18cを支点とみなし、柱19の直下の杭18aのみに柱軸力Fが作用し、杭18aの負担力faにより支持するように計算していたが、本発明においては、図11(c)に示すように、杭18a乃至杭18cをバネとみなし、柱19の柱軸力Fにより杭18aが沈下することにより、基礎梁16を介して柱軸力Fが杭18b及び杭18cにも作用し、柱軸力Fを杭18aの負担力fa、杭18bの負担力fb、及び杭18cの負担力fcにより支持するように計算する。これにより、従来においては、柱軸力が柱直下の杭18の杭支持力を上回る場合、柱直下から均等にずらした位置に杭18を2本配置していたが、弾性支承計算を用いて柱軸力を周辺の杭18にも分散して負担させることによって、柱直下の杭18の支持力及び周辺の杭18の負担力により柱軸力を支持できることがあり、杭18を追加配置せずに済むことがある。したがって、過剰に杭18を配置することがなく、適切な杭配置が可能となる。
【0032】
次いで、ユーザは、表示装置7に表示された杭反力及び杭反力負担率と、基礎梁応力負担率の算出結果が許容値以下であるか否かを判断する(S13)。算出結果が許容値を超えていると判断した場合(S13:NO)、杭伏図入力画面に戻り、杭18の配置の修正を入力し(S14)、S12以降のステップを行う。具体的には、杭配置装置1が杭反力負担率の算出結果を示す画面において、ユーザは、各杭反力負担率が0.9(1.00)以下であるか否かを判断し、画面中の杭18の近傍に表示された杭反力負担率が0.9(1.00)を超えている場合、ユーザは、杭反力負担率が0.9(1.00)を超えていると判断し、杭伏図入力画面に戻って、杭反力負担率が0.9(1.00)を超えている杭18の近傍に新たに杭18を入力し、杭反力負担率が0.9(1.00)以下になるように修正する。同様に、ユーザは、基礎梁応力負担率を示す画面において、基礎梁応力負担率が1.00以下であるか否かを判断し、基礎梁応力が1.00を超えている基礎梁16があると判断した場合は、杭伏図入力画面に戻り、基礎梁16の負担率が1.00以内になるように杭18の配置を修正する。
【0033】
そして、ユーザが杭反力負担率及び基礎梁応力負担率を確認し、「次画面」ボタン12をクリックすると、制御部2は、図12に例示するように、杭18及び基礎梁16の配置計画をまとめた画面を出力して表示装置7に表示する。この画面左側には、杭18及び基礎梁16の配置が表示され、画面右側には、1,2階軸力、杭反力、及び基礎梁応力がまとめられている。1,2階軸力には、長期時及び短期積雪時の1,2階総軸力及び1,2階各最大軸力が表示される。杭反力には、長期杭反力の大きなものから5つ表示され、その位置が座標で示され、長期軸力に対する杭反力及び短期軸力に対する杭反力、及び杭反力の許容値が表示される。基礎梁応力には、長期曲げモーメントの大きいもの3つが上に表示され、せん断力の大きいもの3つが下に表示され、その位置が座標で表示され、長期及び短期積雪時に基礎梁16に作用する曲げモーメント、せん断力、及びそれらの許容値が表示される。また、制御部2は、最終的に入力された情報をHD5に保存する。これにより、ユーザは、一度入力した情報を読み出して表示させることができ、同じ建物の杭の配置を何度も検討することができる。なお、この杭18及び基礎梁16の配置計画をまとめた画面は、S13においてユーザが算出結果が許容値を超えていると判断した場合(S13:NO)においても、「次画面」ボタン12をクリックすることによって表示することができる。この画面において、杭反力や基礎梁応力が許容値を超えている杭18や基礎梁16がある場合は、許容値を超えている数値を赤色等で明示するようにするとユーザが認識しやすく、好適である。
【0034】
以上の説明から明らかなように、本実施の形態の杭配置装置1及び杭配置方法によれば、基礎伏図の出入隅部、T字部、及び算出された1階柱軸力が所定値以上の柱の直下に杭を配置し、且つ、配置した杭間が所定間隔以上である場合に、その杭間を等分した位置に杭を配置し、杭配置後、杭の間隔が所定間隔に満たない場合に、自動的に所定間隔を確保するため、ユーザは、適正な間隔を確保した杭の配置を自動的に得ることができ、且つ、杭配置後の修正作業を軽減することができる。また、本実施の形態の杭配置プログラム9をインストールしたコンピュータ、及び杭配置プログラム9を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体から杭配置プログラム9をインストールしたコンピュータを用いても同様の効果を奏することができる。
【0035】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、杭18の再配置をする際に移動する杭18の優先順位は、配置した杭間が所定間隔以上である場合に配置された杭18、1階柱軸力が所定値以上の柱の直下にある杭18、基礎伏図のT字部にある杭18、基礎伏図の十字部にある杭18、基礎伏図の出入隅部にある杭18の順としたが、杭18に作用する1階柱軸力に応じた優先順位としてもよい。また、汎用のプリンタ(不図示)を杭配置装置1に接続し、算出結果等を用紙に記録できるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、住宅の杭配置の検討を支援する杭配置装置、杭配置方法、杭配置プログラム、および記録媒体に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の形態に係る杭配置装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】杭配置装置を用いて杭の配置を検討する杭配置方法を示すフローチャートである。
【図3】杭配置装置を用いて杭の配置を検討する杭配置方法を示すフローチャートである。
【図4】建物形状入力画面の一例を示す図である。
【図5】屋根形状入力画の一例を示す図である。
【図6】耐力壁配置入力用画面の一例を示す図である。
【図7】小屋伏図入力画面の一例を示す図である。
【図8】基礎伏図入力画面の一例を示す図である。
【図9】杭伏図入力画面の一例を示す図である。
【図10】杭反力負担率を示す画面の一例を示す図である。
【図11】柱、基礎梁、及び杭の力学的モデルを示す模式図である。
【図12】杭及び基礎梁の配置計画をまとめた画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
1 杭配置装置
2 制御部
3 ROM
5 HD
6 入力装置
7 表示装置
9 杭配置プログラム
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅の杭配置の検討を支援する杭配置装置、杭配置方法、杭配置プログラム、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅等の建物の構造設計に際して、構造設計者は、建物の構造耐力上主要な部分である梁、柱、基礎、杭等のメンバー及び配置を決定し、建物が決定した梁、柱、基礎、杭等により建物に作用する荷重及び外力に対して充分な強度を保持して構造耐力上安全であるか否かを構造計算により判定する。強度が不足し、構造耐力上安全でないと判定した場合、梁、柱、基礎、杭等の設計の変更を行う。
【0003】
このような構造設計を行う際に、コンピュータを利用して構造設計を支援するシステムがあり、その中に杭の設計を支援するものがある(例えば、特許文献1参照)。このシステムにおいては、構造設計者は、施工現場の間口、奥行、前面道路、地盤調査の結果、上部構造物の荷重、構造等の情報をコンピュータに入力することによって、杭の鉛直支持力及び水平支持力、杭の種類、本数等の杭に関する条件をコンピュータを用いて自動的に計算、選定、又は決定できる。これにより、構造設計者の設計作業にかかる労力が軽減される。
【0004】
また、構造設計者が住宅の杭の配置を検討する際に使用する杭配置装置がある。この装置においては、構造設計者が、建物に作用する荷重及び外力にかかわる種々の情報や、小屋伏図、床伏図、基礎伏図等を杭配置装置に入力し、杭配置装置が入力された情報に基づいて柱軸力を算出し、算出した柱軸力の大きい部分に杭配置装置が杭を配置し、杭配置装置がその配置結果を出力することにより、杭の配置を検討している。
【特許文献1】特開平9−195430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記したように杭配置装置により杭を柱軸力の大きい部分に配置した場合、杭間隔が開きすぎたり、実際には杭を施工出来ない距離に隣接して配置することがあり、杭配置装置による杭配置後に、構造設計者が杭の配置を修正していた。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、住宅の杭の配置を検討する際に、杭の配置を自動的に決定でき、且つ、杭配置後の修正作業を軽減することができる杭配置装置、杭配置方法、杭配置プログラム、および記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載の杭配置装置は、建物の規模、階高、積雪区分、屋根仕様、屋根勾配、床仕様、用途、外壁仕様、軒の出、バルコニー仕様、設計地耐力、建物形状、荷重要素、屋根形状、耐力壁の位置、小屋伏図、床伏図、及び基礎伏図を入力する入力手段と、前記積雪区分、屋根仕様、床仕様、用途、外壁仕様、及びバルコニー仕様に対する荷重を算出するための係数を記憶した記憶手段と、入力された前記建物の規模、階高、積雪区分、屋根仕様、屋根勾配、床仕様、用途、外壁仕様、軒の出、バルコニー仕様、設計地耐力、建物形状、荷重要素、屋根形状、耐力壁の位置、小屋伏図、床伏図、及び基礎伏図と、記憶した前記係数とに基づいて1階柱軸力を算出する算出手段と、入力された前記基礎伏図の基礎梁の出入隅部、T字部、十字部、及び算出された前記1階柱軸力が所定値以上の柱の直下に杭を配置し、且つ、配置した前記杭の前記基礎梁上の杭間が所定間隔以上である場合に、その杭間を等分した位置に杭を配置する杭配置手段と、その配置結果を出力する出力手段と、を備えることを特徴としている。
【0008】
請求項2記載の杭配置装置は、請求項1記載の杭配置装置において、前記杭配置手段により配置された前記杭の杭間が杭を施工する上で必要な最低間隔を有していない場合に、該最低間隔を確保するように前記杭を再配置する杭再配置手段を備えることを特徴としている。
【0009】
請求項3記載の杭配置方法は、コンピュータを用いて杭の配置を検討する方法であって、ユーザが、建物の規模、階高、積雪区分、屋根仕様、屋根勾配、床仕様、用途、外壁仕様、軒の出、バルコニー仕様、設計地耐力、建物形状、荷重要素、屋根形状、耐力壁の位置、小屋伏図、床伏図、及び基礎伏図を入力するステップと、コンピュータが、入力された前記建物の規模、階高、積雪区分、屋根仕様、屋根勾配、床仕様、用途、外壁仕様、軒の出、バルコニー仕様、設計地耐力、建物形状、荷重要素、屋根形状、耐力壁の位置、小屋伏図、床伏図、及び基礎伏図と、前記積雪区分、屋根仕様、床仕様、用途、外壁仕様、及びバルコニー仕様に対する荷重を算出するための記憶した係数とに基づいて1階柱軸力を算出するステップと、コンピュータが、入力された前記基礎伏図の基礎梁の出入隅部、T字部、十字部、及び算出された前記1階柱軸力が所定値以上の柱の直下に杭を配置し、且つ、配置した前記杭の前記基礎梁上の杭間が所定間隔以上である場合に、その杭間を等分した位置に杭を配置するステップと、コンピュータが、その配置結果を出力するステップと、を備えることを特徴としている。
【0010】
請求項4記載の杭配置方法は、請求項3記載の杭配置方法において、コンピュータが、配置された前記杭の杭間が杭を施工する上で必要な最低間隔を有していない場合に、該最低間隔を確保するように前記杭を再配置するステップを備えることを特徴としている。
【0011】
請求項5記載の杭配置プログラムは、コンピュータを、請求項1又は2記載の手段として機能させることを特徴としている。
【0012】
請求項6記載の記録媒体は、コンピュータを、請求項1又は2記載の手段として機能させるための杭配置プログラム記録したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の請求項1の杭配置装置によれば、基礎伏図の基礎梁の出入隅部、T字部、十字部、及び算出された1階柱軸力が所定値以上の柱の直下に杭を配置し、且つ、配置した杭の基礎梁上の杭間が所定間隔以上である場合に、その杭間を等分した位置に杭を配置するので、ユーザは、杭の配置を自動的に得ることができ、且つ、杭配置後の修正作業を軽減することができる。
【0014】
請求項2記載の杭配置装置によれば、請求項1記載の杭配置装置の効果に加えて、杭配置後、配置した杭の杭間が杭を施工する上で必要な最低間隔を有していない場合に、その最低間隔を確保するように杭を再配置するため、ユーザは、施工するのに適正な間隔を確保した杭の配置を自動的に得ることができ、且つ、杭配置後の修正作業をより軽減することができる。
【0015】
本発明の請求項3の杭配置方法によれば、請求項1と同様の効果を奏することができる。
【0016】
本発明の請求項4の杭配置方法によれば、請求項2と同様の効果を奏することができる。
【0017】
請求項5の杭配置プログラム及び請求項6記載の記録媒体によれば、本発明の杭配置プログラムを汎用のコンピュータにインストールすることにより、請求項1又は2と同様の効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき具体的に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る杭配置装置1の概略構成を示すものである。杭配置装置1は、図示するように、制御部(CPU:Central Processing Unit)2、ROM(Read Only Memory)3、RAM(Random Access Memory)4、HD(Hard Disk)5、入力装置6、及び表示装置7を備えており、各部2乃至7はバス8によって通信可能に接続されている。
【0019】
制御部2は、杭配置装置1を構成する各部を制御するものである。ROM3は、制御部2によって杭配置装置1の各部が制御されるための制御プログラムを記憶するものである。また、ROM3は、入力装置6により入力された情報に応じて柱軸力を算出し、杭を配置し、その配置結果を出力し、杭反力、杭反力負担率、基礎梁に作用する曲げモーメントやせん断力といった基礎梁応力、基礎梁応力負担率等を算出し、その算出結果を出力するための弾性支承計算を用いた杭配置プログラム9を記憶している。また、この杭配置プログラム9を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体(不図示)から汎用のコンピュータに杭配置プログラム9をインストールすることにより、当該コンピュータを杭配置装置1として機能させることができる。RAM4は、制御部2の主メモリ、ワークエリア等として機能するものである。
【0020】
HD5は、入力装置6により入力される建物の規模、階高、積雪区分、屋根仕様、屋根勾配、床仕様、用途、外壁仕様、軒の出、バルコニー仕様、標準せん断力係数、設計地耐力、風に関する地域条件、地震に関する地域低減、耐震等級、耐風等級、建物形状、荷重要素、屋根形状、耐力壁の位置、小屋伏図、床伏図、基礎伏図、杭伏図といった情報を関連付けて記憶するものであり、杭配置装置1のユーザは、入力装置6により入力したこれらの情報を再度HD5から読み出して確認したり、修正することができ、同じ住宅の杭の配置を何度も検討することができる。また、制御部2が入力された情報に基づいて住宅に作用する固定荷重、積載荷重、積雪荷重、風圧力、地震力といったさまざまな荷重及び外力をROM3に記憶された杭配置プログラム9に従って算出するために必要な係数を記憶している。また、HD5は、耐力壁の位置、小屋伏図、床伏図、基礎伏図、杭伏図を入力する際に用いられる耐力壁、柱、梁、基礎、杭等の部品データを記憶している。
【0021】
ここで、建物の規模とは、計画している住宅が1階建て、2階建て、又はペントハウスが付随した2階建てのいずれであるかを示す情報である。階高とは、建物の1層分の高さのことである。積雪区分とは、住宅の計画地が建築基準法に基づく一般地域又は多雪地域のどちらに含まれるか、また多雪地域に含まれる場合、積雪量はどのくらいかといった情報である。屋根仕様とは、屋根材の種類のことである。屋根勾配とは、屋根の勾配の程度のことである。床仕様とは、床材の種類のことである。用途とは、建物2階部分の用途のことであり、2階部分が住宅、共同住宅、事務所、又は店舗のいずれとして用いられるかを示す情報である。外壁仕様とは、外壁材の種類のことである。軒の出とは、建物の外壁からの軒の出寸法である。バルコニー仕様とは、建物にバルコニーがある場合のバルコニーの種類を示す情報である。標準せん断力係数とは、計画地を含む区域の地盤の硬軟に応じて建築基準法に基づいて決定される係数である。設計地耐力とは、計画地の地盤面の載荷重に対する許容限度のことである。風に関する地域条件とは、計画地における建築基準法に基づく粗度区分と基準風速のことである。地震に関する地域低減とは、計画地を含む地域の過去の地震の記録に基づいて決定される係数であり、建築基準法に基づいて決定される。耐震等級及び耐風等級とは、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)により定められた等級であり、計画している住宅に倒壊や損傷を生じさせる地震や風の規模により決定される。建物形状とは、計画している住宅の外壁ラインを示すものである。荷重要素とは、バルコニーや庇、吹抜けといった屋根荷重や床荷重に荷重を加減するものである。屋根形状とは、建物の屋根の勾配の有無や小屋梁天端からの高さのことである。
【0022】
入力装置6は、杭配置装置1のユーザがさまざまな情報を杭配置装置1に入力するための装置であり、汎用のマウスやキーボードである。表示装置7は、制御部2が出力したさまざまな入力画面や算出結果を示す画面等を表示する装置であり、汎用のCRTディスプレイや液晶ディスプレイである。
【0023】
以上のように構成された杭配置装置1を用いて杭の配置を検討する杭配置方法について、図2及び図3に示すフローチャートを用いて説明する。なお、この杭配置装置1の各部の処理動作は、ROM3に記憶されている制御プログラム及び杭配置プログラム9に基づいて制御部2が発行する制御命令に従って行われる。
【0024】
まず、杭配置装置1のユーザは、表示装置7に表示された入力画面から計画している住宅の建物の規模、階高、積雪区分、屋根仕様、屋根勾配、床仕様、用途、外壁仕様、軒の出、バルコニー仕様、標準せん断力係数、設計地耐力、風の地域条件、地震の地域低減、耐震等級、及び耐風等級を入力装置6により入力する(S1)。制御部2は、入力されたこれらの情報をHD5に保存する。次いで、ユーザは、図4に例示するように、建物形状入力画面に建物形状10を単線の線図として入力する(S2)。具体的には、ユーザは、まず入力装置6により建物形状入力画面右側にあるツールパネルの「外壁ライン」ボタン11をクリックし、画面上の所望の座標にカーソルを合わせてクリックすることにより基点を入力し、次の出隅部又は入隅部を同様に入力する。順次出隅部又は入隅部を入力し、最終的に基点に戻ってクリックすると、建物形状10は確定する。建物形状10の確定後、画面右下側にある「次画面」ボタン12をクリックすると、次の入力画面が表示される。建物の規模が2階建て又はペントハウスが付随した2階建てと入力されている場合、1階部分の建物形状10を入力した後に、続けて2階部分の建物形状10を入力する。
【0025】
次いで、ユーザは、荷重要素を入力する(S3)。具体的には、屋根荷重や床荷重に荷重を加減する必要があるバルコニーや庇、吹抜け等をツールパネルから選択し、位置を入力する。そして、屋根形状及び高さを入力する(S4)。具体的には、ユーザは、図5に例示するように、屋根形状入力画面の右側に表示された1乃至9の屋根形状から建物の東西方向であるX方向と、南北方向であるY方向のそれぞれの屋根形状を選択し、番号で入力する。そして、屋根の高さを数値入力する。なお、屋根形状入力画面に表示された1乃至9の屋根形状の斜線部は、勾配面を、白抜き部は垂直面を示す。
【0026】
次いで、ユーザは、耐力壁配置入力画面から耐力壁13の配置を入力する(S5)。具体的には、ユーザは、図6に例示するように、耐力壁配置入力画面の右上側に表示された耐力壁目安枚数(LX、LY)、その下に表示された設計水平力(2PX、2PY)、建物形状10内に表示された荷重心(3.00,2.50)を確認し、耐力壁目安枚数を参考にしながら、画面上に耐力壁13の両端位置をクリックすることによって入力し、配置する。なお、梁上耐力壁の剛性低減に必要な梁や柱がある場合はそれらを入力し、剛性低減値を計算する。この剛性低減とは、梁の途中に耐力壁が配置されると、梁の変形により剛性が低下することをいい、低減後の耐力壁の剛性を剛性低減値という。
【0027】
次いで、制御部2は、S1乃至S5により入力された情報及びHD5に記憶された係数に基づいて耐力壁13の負担水平力、偏心率、重なり、せん断力を算出し、表示装置7に出力する(S6)。ユーザは、表示装置7に表示された耐力壁13の負担水平力、偏心率、重なり、せん断力がそれぞれ許容値以下であるか否かを判断し(S7)、許容値を超えている場合(S7:NO)、耐力壁13の配置の修正を入力し(S5)、許容値以下におさまるまでS5乃至S7のステップを繰り返す。
【0028】
一方、ユーザは、表示された耐力壁13の負担水平力、偏心率、重なり、せん断力がそれぞれ許容値以下であると判断した場合は(S7:YES)、入力した建物形状10、耐力壁13に合わせて、小屋伏図入力画面から小屋伏図を入力し、次いで、床伏図入力画面から床伏図を入力する(S8)。小屋伏図及び床伏図は、予め仮定断面として決定されており、ユーザは、図7に例示するように、予め決定されている小屋伏図及び床伏図に基づいて、配置する梁(トラス)14や軸柱15等を画面右側にあるツールパネルから選択し、それらの位置を入力する。制御部2は、選択された部品データをHD5から読み出し、入力された位置に出力する。
【0029】
次いで、ユーザは、図8に例示するように、基礎伏図入力画面から基礎伏図を入力する(S9)。この基礎伏図も予め仮定断面として決定されており、ユーザは、配置する基礎梁16の種類を画面右側にあるツールパネルから選択し、基礎梁16の位置を入力する。基礎伏図入力後、ユーザが「次画面」ボタン12をクリックすると、杭伏図入力画面が表示される。ユーザは、この画面において土間コン重量を基礎荷重に算入するか否かについての選択を入力する。そして、ユーザがこの画面の「杭自動配置」ボタン17をクリックして杭自動配置の実行を入力すると(S10)、制御部2は、配置する杭の支持力を選択する画面を出力する。ユーザがその画面から杭の支持力の選択を入力すると、制御部2は、1階柱軸力を算出し、図9に示すように、入力された基礎伏図の基礎梁16の出入隅部、T字部、十字部、及び算出した1階柱軸力が所定値以上、例えば、10kN以上の柱の直下に杭18を配置し、且つ、配置した杭18の基礎梁16上の杭間が所定間隔以上、例えば、3m以上である場合に、その杭間を等分した位置に杭18を配置する。また、配置した杭18の杭間が杭を施工する上で必要な最低間隔、例えば、1mを有していない場合に、杭間が必要な最低間隔である1mを確保するように杭を再配置し、配置結果を出力する(S11)。この杭18の再配置をする際に移動する杭18の優先順位は、配置した杭間が所定間隔以上である場合に配置された杭18、1階柱軸力が所定値以上の柱の直下にある杭18、基礎伏図のT字部にある杭18、基礎伏図の十字部にある杭18、基礎伏図の出入隅部にある杭18の順である。
【0030】
制御部2による杭自動配置完了後、ユーザが構造計算の実行を入力すると、制御部2は、S1乃至S9において入力された情報及びHD5に記憶された係数に基づいて柱軸力を算出し、表示装置7に出力する。ユーザは、表示装置7に表示された柱軸力を確認し、「次画面」ボタン12をクリックする。それを受けて制御部2は、入力された情報及びHD5に記憶された係数に基づいて、長期時及び短期積雪時の杭反力及び杭反力負担率と、基礎梁応力負担率を弾性支承計算を用いて算出し、図10に例示するように、長期時又は短期積雪時のうち厳しい方の杭反力負担率の算出結果を出力して表示装置7に表示する(S12)。この杭反力負担率は、杭18に作用する負担荷重を杭18の支持力により除したものであり、基礎梁応力負担率は、基礎梁16に作用する負担応力を基礎梁16の許容応力により除したものである。なお、ユーザは、杭配置装置1に画面の切り換えを入力することによって、長期時又は短期積雪時のうち厳しい方の杭反力負担率を示す画面、杭長期反力を示す画面、杭短期反力を示す画面、又は基礎梁応力負担率を示す画面の表示を切り換えることができる。なお、ユーザは、表示された柱軸力を確認した際に修正する必要がある場合は、柱軸力を表示した画面において柱軸力を修正することができる。
【0031】
ここで、弾性支承計算について説明する。弾性支承計算とは、杭18をバネとみなすことで、柱軸力を柱の直下の杭18のみに負担させるのではなく、周辺の杭18にも分散して負担させる計算のことである。例えば、図11(a)に示すような柱19、基礎梁16及び杭18a乃至杭18cがある場合、従来は、図11(b)に示すように、杭18a乃至杭18cを支点とみなし、柱19の直下の杭18aのみに柱軸力Fが作用し、杭18aの負担力faにより支持するように計算していたが、本発明においては、図11(c)に示すように、杭18a乃至杭18cをバネとみなし、柱19の柱軸力Fにより杭18aが沈下することにより、基礎梁16を介して柱軸力Fが杭18b及び杭18cにも作用し、柱軸力Fを杭18aの負担力fa、杭18bの負担力fb、及び杭18cの負担力fcにより支持するように計算する。これにより、従来においては、柱軸力が柱直下の杭18の杭支持力を上回る場合、柱直下から均等にずらした位置に杭18を2本配置していたが、弾性支承計算を用いて柱軸力を周辺の杭18にも分散して負担させることによって、柱直下の杭18の支持力及び周辺の杭18の負担力により柱軸力を支持できることがあり、杭18を追加配置せずに済むことがある。したがって、過剰に杭18を配置することがなく、適切な杭配置が可能となる。
【0032】
次いで、ユーザは、表示装置7に表示された杭反力及び杭反力負担率と、基礎梁応力負担率の算出結果が許容値以下であるか否かを判断する(S13)。算出結果が許容値を超えていると判断した場合(S13:NO)、杭伏図入力画面に戻り、杭18の配置の修正を入力し(S14)、S12以降のステップを行う。具体的には、杭配置装置1が杭反力負担率の算出結果を示す画面において、ユーザは、各杭反力負担率が0.9(1.00)以下であるか否かを判断し、画面中の杭18の近傍に表示された杭反力負担率が0.9(1.00)を超えている場合、ユーザは、杭反力負担率が0.9(1.00)を超えていると判断し、杭伏図入力画面に戻って、杭反力負担率が0.9(1.00)を超えている杭18の近傍に新たに杭18を入力し、杭反力負担率が0.9(1.00)以下になるように修正する。同様に、ユーザは、基礎梁応力負担率を示す画面において、基礎梁応力負担率が1.00以下であるか否かを判断し、基礎梁応力が1.00を超えている基礎梁16があると判断した場合は、杭伏図入力画面に戻り、基礎梁16の負担率が1.00以内になるように杭18の配置を修正する。
【0033】
そして、ユーザが杭反力負担率及び基礎梁応力負担率を確認し、「次画面」ボタン12をクリックすると、制御部2は、図12に例示するように、杭18及び基礎梁16の配置計画をまとめた画面を出力して表示装置7に表示する。この画面左側には、杭18及び基礎梁16の配置が表示され、画面右側には、1,2階軸力、杭反力、及び基礎梁応力がまとめられている。1,2階軸力には、長期時及び短期積雪時の1,2階総軸力及び1,2階各最大軸力が表示される。杭反力には、長期杭反力の大きなものから5つ表示され、その位置が座標で示され、長期軸力に対する杭反力及び短期軸力に対する杭反力、及び杭反力の許容値が表示される。基礎梁応力には、長期曲げモーメントの大きいもの3つが上に表示され、せん断力の大きいもの3つが下に表示され、その位置が座標で表示され、長期及び短期積雪時に基礎梁16に作用する曲げモーメント、せん断力、及びそれらの許容値が表示される。また、制御部2は、最終的に入力された情報をHD5に保存する。これにより、ユーザは、一度入力した情報を読み出して表示させることができ、同じ建物の杭の配置を何度も検討することができる。なお、この杭18及び基礎梁16の配置計画をまとめた画面は、S13においてユーザが算出結果が許容値を超えていると判断した場合(S13:NO)においても、「次画面」ボタン12をクリックすることによって表示することができる。この画面において、杭反力や基礎梁応力が許容値を超えている杭18や基礎梁16がある場合は、許容値を超えている数値を赤色等で明示するようにするとユーザが認識しやすく、好適である。
【0034】
以上の説明から明らかなように、本実施の形態の杭配置装置1及び杭配置方法によれば、基礎伏図の出入隅部、T字部、及び算出された1階柱軸力が所定値以上の柱の直下に杭を配置し、且つ、配置した杭間が所定間隔以上である場合に、その杭間を等分した位置に杭を配置し、杭配置後、杭の間隔が所定間隔に満たない場合に、自動的に所定間隔を確保するため、ユーザは、適正な間隔を確保した杭の配置を自動的に得ることができ、且つ、杭配置後の修正作業を軽減することができる。また、本実施の形態の杭配置プログラム9をインストールしたコンピュータ、及び杭配置プログラム9を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体から杭配置プログラム9をインストールしたコンピュータを用いても同様の効果を奏することができる。
【0035】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、杭18の再配置をする際に移動する杭18の優先順位は、配置した杭間が所定間隔以上である場合に配置された杭18、1階柱軸力が所定値以上の柱の直下にある杭18、基礎伏図のT字部にある杭18、基礎伏図の十字部にある杭18、基礎伏図の出入隅部にある杭18の順としたが、杭18に作用する1階柱軸力に応じた優先順位としてもよい。また、汎用のプリンタ(不図示)を杭配置装置1に接続し、算出結果等を用紙に記録できるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、住宅の杭配置の検討を支援する杭配置装置、杭配置方法、杭配置プログラム、および記録媒体に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の形態に係る杭配置装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】杭配置装置を用いて杭の配置を検討する杭配置方法を示すフローチャートである。
【図3】杭配置装置を用いて杭の配置を検討する杭配置方法を示すフローチャートである。
【図4】建物形状入力画面の一例を示す図である。
【図5】屋根形状入力画の一例を示す図である。
【図6】耐力壁配置入力用画面の一例を示す図である。
【図7】小屋伏図入力画面の一例を示す図である。
【図8】基礎伏図入力画面の一例を示す図である。
【図9】杭伏図入力画面の一例を示す図である。
【図10】杭反力負担率を示す画面の一例を示す図である。
【図11】柱、基礎梁、及び杭の力学的モデルを示す模式図である。
【図12】杭及び基礎梁の配置計画をまとめた画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
1 杭配置装置
2 制御部
3 ROM
5 HD
6 入力装置
7 表示装置
9 杭配置プログラム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の規模、階高、積雪区分、屋根仕様、屋根勾配、床仕様、用途、外壁仕様、軒の出、バルコニー仕様、設計地耐力、建物形状、荷重要素、屋根形状、耐力壁の位置、小屋伏図、床伏図、及び基礎伏図を入力する入力手段と、前記積雪区分、屋根仕様、床仕様、用途、外壁仕様、及びバルコニー仕様に対する荷重を算出するための係数を記憶した記憶手段と、入力された前記建物の規模、階高、積雪区分、屋根仕様、屋根勾配、床仕様、用途、外壁仕様、軒の出、バルコニー仕様、設計地耐力、建物形状、荷重要素、屋根形状、耐力壁の位置、小屋伏図、床伏図、及び基礎伏図と、記憶した前記係数とに基づいて1階柱軸力を算出する算出手段と、入力された前記基礎伏図の基礎梁の出入隅部、T字部、十字部、及び算出された前記1階柱軸力が所定値以上の柱の直下に杭を配置し、且つ、配置した前記杭の前記基礎梁上の杭間が所定間隔以上である場合に、その杭間を等分した位置に杭を配置する杭配置手段と、その配置結果を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする杭配置装置。
【請求項2】
前記杭配置手段により配置された前記杭の杭間が杭を施工する上で必要な最低間隔を有していない場合に、該最低間隔を確保するように前記杭を再配置する杭再配置手段を備えることを特徴とする請求項1記載の杭配置装置。
【請求項3】
コンピュータを用いて杭の配置を検討する方法であって、
ユーザが、建物の規模、階高、積雪区分、屋根仕様、屋根勾配、床仕様、用途、外壁仕様、軒の出、バルコニー仕様、設計地耐力、建物形状、荷重要素、屋根形状、耐力壁の位置、小屋伏図、床伏図、及び基礎伏図を入力するステップと、
コンピュータが、入力された前記建物の規模、階高、積雪区分、屋根仕様、屋根勾配、床仕様、用途、外壁仕様、軒の出、バルコニー仕様、設計地耐力、建物形状、荷重要素、屋根形状、耐力壁の位置、小屋伏図、床伏図、及び基礎伏図と、前記積雪区分、屋根仕様、床仕様、用途、外壁仕様、及びバルコニー仕様に対する荷重を算出するための記憶した係数とに基づいて1階柱軸力を算出するステップと、
コンピュータが、入力された前記基礎伏図の基礎梁の出入隅部、T字部、十字部、及び算出された前記1階柱軸力が所定値以上の柱の直下に杭を配置し、且つ、配置した前記杭の前記基礎梁上の杭間が所定間隔以上である場合に、その杭間を等分した位置に杭を配置するステップと、
コンピュータが、その配置結果を出力するステップと、を備えることを特徴とする杭配置方法。
【請求項4】
コンピュータが、配置された前記杭の杭間が杭を施工する上で必要な最低間隔を有していない場合に、該最低間隔を確保するように前記杭を再配置するステップを備えることを特徴とする請求項3記載の杭配置方法。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1又は2記載の手段として機能させるための杭配置プログラム。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1又は2記載の手段として機能させるための杭配置プログラム記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
建物の規模、階高、積雪区分、屋根仕様、屋根勾配、床仕様、用途、外壁仕様、軒の出、バルコニー仕様、設計地耐力、建物形状、荷重要素、屋根形状、耐力壁の位置、小屋伏図、床伏図、及び基礎伏図を入力する入力手段と、前記積雪区分、屋根仕様、床仕様、用途、外壁仕様、及びバルコニー仕様に対する荷重を算出するための係数を記憶した記憶手段と、入力された前記建物の規模、階高、積雪区分、屋根仕様、屋根勾配、床仕様、用途、外壁仕様、軒の出、バルコニー仕様、設計地耐力、建物形状、荷重要素、屋根形状、耐力壁の位置、小屋伏図、床伏図、及び基礎伏図と、記憶した前記係数とに基づいて1階柱軸力を算出する算出手段と、入力された前記基礎伏図の基礎梁の出入隅部、T字部、十字部、及び算出された前記1階柱軸力が所定値以上の柱の直下に杭を配置し、且つ、配置した前記杭の前記基礎梁上の杭間が所定間隔以上である場合に、その杭間を等分した位置に杭を配置する杭配置手段と、その配置結果を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする杭配置装置。
【請求項2】
前記杭配置手段により配置された前記杭の杭間が杭を施工する上で必要な最低間隔を有していない場合に、該最低間隔を確保するように前記杭を再配置する杭再配置手段を備えることを特徴とする請求項1記載の杭配置装置。
【請求項3】
コンピュータを用いて杭の配置を検討する方法であって、
ユーザが、建物の規模、階高、積雪区分、屋根仕様、屋根勾配、床仕様、用途、外壁仕様、軒の出、バルコニー仕様、設計地耐力、建物形状、荷重要素、屋根形状、耐力壁の位置、小屋伏図、床伏図、及び基礎伏図を入力するステップと、
コンピュータが、入力された前記建物の規模、階高、積雪区分、屋根仕様、屋根勾配、床仕様、用途、外壁仕様、軒の出、バルコニー仕様、設計地耐力、建物形状、荷重要素、屋根形状、耐力壁の位置、小屋伏図、床伏図、及び基礎伏図と、前記積雪区分、屋根仕様、床仕様、用途、外壁仕様、及びバルコニー仕様に対する荷重を算出するための記憶した係数とに基づいて1階柱軸力を算出するステップと、
コンピュータが、入力された前記基礎伏図の基礎梁の出入隅部、T字部、十字部、及び算出された前記1階柱軸力が所定値以上の柱の直下に杭を配置し、且つ、配置した前記杭の前記基礎梁上の杭間が所定間隔以上である場合に、その杭間を等分した位置に杭を配置するステップと、
コンピュータが、その配置結果を出力するステップと、を備えることを特徴とする杭配置方法。
【請求項4】
コンピュータが、配置された前記杭の杭間が杭を施工する上で必要な最低間隔を有していない場合に、該最低間隔を確保するように前記杭を再配置するステップを備えることを特徴とする請求項3記載の杭配置方法。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1又は2記載の手段として機能させるための杭配置プログラム。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1又は2記載の手段として機能させるための杭配置プログラム記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−127186(P2006−127186A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−315161(P2004−315161)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(000198787)積水ハウス株式会社 (748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(000198787)積水ハウス株式会社 (748)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]