説明

東西幕移動装置

【課題】 東西幕で区切られる舞台の袖部を広狭できるようにする。
【解決手段】 舞台Sの袖に設けられて舞台Sの中央側部に対向する舞台Sの袖部を区切る東西幕1と、この東西幕1を舞台Sの袖で吊持する吊持機構2とを有し、この吊持機構2が舞台Sの間口方向に延在される基部21と、この基部21に保持されてこの基部21に沿って移動可能とされながら東西幕1を吊持する移動体22とを有し、この移動体22が駆動機構3の駆動で基部21に対して舞台Sの間口方向に移動可能とされてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、東西幕移動装置に関し、特に、多機能ホールなどの舞台の袖に設けられて舞台の中央側部とこれに対向する舞台の袖部とを区切る東西幕を舞台の間口方向に移動可能にする東西幕移動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の多機能ホール(多目的ホールあるいは多用途ホールと称されることもある)などにおける舞台にあっては、多種多様の舞台装置が設けられるが、その中に、舞台の袖に、すなわち、客席から見る舞台の左右方向たる舞台の間口方向の両側となる左右の袖に東西幕を設けることがある。
【0003】
この東西幕は、舞台の袖にあって、たとえば、舞台の客席側と舞台の奥側とを結ぶ方向となる奥行方向に引き割り可能に設けられて、舞台の中央側部とこれに対向する袖部とを区切るが、この東西幕で区切られた舞台の袖部は、役者などの舞台に登場する者が控える空間(ギャラリー)などとして利用される。
【0004】
一方、舞台の袖に設けられる東西幕は、たとえば、特許文献1に開示されているように、サイドバトンで吊持されることがあり、これにより、東西幕が舞台の袖にいわゆる固定的に設けられることによる不具合を回避できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−54687号公報(明細書中の段落0003)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、東西幕で区切られる舞台の袖部が言わば狭い場合には、いわゆる使い勝手が悪く、したがって、使い勝手を良くする上からは、東西幕を舞台の間口方向に移動可能にするのが良い。
【0007】
しかしながら、上記したサイドバトンは、舞台の袖で東西幕を昇降させるには最適となるが、東西幕を舞台の間口方向に移動させるには不向きとなる。
【0008】
それゆえ、舞台の袖に設けられる東西幕を舞台の間口方向に移動可能にする提案が望まれていたが、これまでに、その提案がないのが実情で、したがって、この発明は、東西幕で区切られる舞台の袖部を広狭できる東西幕移動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するために、この発明による東西幕移動装置の構成を、基本的には、舞台の袖に設けられてこの舞台の中央側部に対向するこの舞台の袖部を区切る東西幕と、この東西幕を上記舞台の袖で吊持する吊持機構とを有し、この吊持機構が上記舞台の間口方向に延在される基部と、この基部に保持されてこの基部に沿って移動可能とされながら上記東西幕を吊持する移動体とを有し、この移動体が駆動機構の駆動で上記基部に対して上記舞台の間口方向に移動可能とされてなるとする。
【発明の効果】
【0010】
それゆえ、この発明にあっては、東西幕が駆動機構の駆動で舞台の袖側と舞台の中央側との間で舞台の間口方向に沿って移動可能とされるから、東西幕が舞台の袖側から舞台の中央側に向けて移動されるとき、東西幕で区切られる舞台の袖部を広くする。
【0011】
そして、東西幕が舞台の中央側から舞台の袖側に向けて移動されるとき、舞台の袖部を狭くするが、このとき、不使用時の東西幕を格納する態勢になるから、要する場合に、東西幕を開くなどして、舞台の袖部を舞台の中央側部に連続させて舞台の袖部の有効利用を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明による東西幕移動装置を舞台の上手の袖に設けた状態を示す概略半截平面図である。
【図2】図1に示す東西幕移動装置を拡大して示す平面図である。
【図3】図2の東西幕移動装置を示す縦断面図である。
【図4】他の実施形態による東西幕移動装置を図3と同様示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明による東西幕移動装置は、図1に示すように、多機能ホールなどの舞台に設けられるいわゆる舞台装置を構成する。
【0014】
ちなみに、この種の舞台に設けられる他の舞台装置としては、たとえば、緞帳やホリゾント幕あるいは音響機器を吊持するバトン装置や舞台と舞台下方の奈落とを連絡する迫り床装置、さらには、音響効果を高める音響反射板装置がある。
【0015】
ところで、この発明による東西幕移動装置は、図1に示すように、東西幕1と、吊持機構2とを有し、駆動機構3の駆動で東西幕1を舞台の間口方向(図1中での上下方向)に移動可能にする。
【0016】
なお、以下の説明において、舞台なる語は、舞台床を指す場合と、この舞台床の上方の空間を指す場合と、舞台床とその上方の空間とを合体したものを指す場合とがあり、また、袖なる語についても、袖床を指す場合と、この袖床の上方の空間を指す場合と、袖床とその上方の空間とを合体したものとを指す場合とがあるが、必要な場合を除き、明確に区別することなく使用することがある。
【0017】
ちなみに、以下の説明においては、基本的には、袖部S(図3参照)は、袖床(符示せず)とこの袖床の上方の空間(符示せず)とが合体したものを指すものとする。
【0018】
また、図1中の右側に符号Gで示すのは、客席エリアであって、この客席エリアGから見る舞台の左右方向が舞台の間口方向であり、この舞台の間口方向の両端側が袖に設定され、客席エリアGから見て右側の袖を上手(の袖)と称し、図示しないが、客席Gから見て左側の袖を下手(の袖)と称する。
【0019】
東西幕1は、図1中で上方部となる舞台の袖に設けられて、図1中の下方部となる舞台の中央側部に対向することになる舞台の袖部S(図3参照)を区切る。
【0020】
なお、舞台における袖は、客席エリアGから見る場合に、基本的には、客席エリアGからの視野外とされ、この客席エリアGからの視野外とする遮蔽目的で舞台の袖に東西幕(駄目幕と称されることもある)1が設けられる。
【0021】
そして、この東西幕1は、舞台の客席側と舞台の奥側とを結ぶ方向となる奥行方向(図1中での左右方向)に設けられて、舞台の袖部Sを区切るが、この舞台の袖部Sは、前記したように、たとえば、役者などの舞台に登場する者が控える空間(ギャラリー)などとして利用される。
【0022】
さらに、この東西幕1は、詳しくは図示しないが、多くの場合に、別珍やベルベットなどの陰影に富む布製とされて襞付きの引き割り可能に形成され、作業員たる裏方によって中央部から手引きで開閉されるように構成されるが、この発明の成立にあっては、機械力を利用する自動開閉を含めて、任意の態様に設定されると共に、片開きなどの任意の開閉方式が選択されて良い。
【0023】
なお、東西幕1の色は、多くの場合に黒とされ、このことから、この東西幕1のことを駄目黒と称することもある。
【0024】
吊持機構2は、東西幕1を舞台の袖に設けるためにこの東西幕1を吊持するもので、舞台の間口方向に延在される基部と、この基部に保持されてこの基部に沿って移動可能とされながら東西幕1を吊持する移動体とを有し、この移動体が駆動機構3の駆動で基部に対して舞台の間口方向に移動可能とされる。
【0025】
すなわち、吊持機構2は、図2および図3に示すように、舞台の間口方向に延在される基部たる梁材21と、この梁材21に保持されてこの梁材21に副って移動可能とされながら東西幕1を吊持する移動体たるフレーム体22とを有し、このフレーム体22が駆動機構3の駆動で梁材21に対して舞台の間口方向に移動可能とされる。
【0026】
そして、この吊持機構2にあっては、フレーム体22の先端部にあって舞台の奥行方向に設けられたカーテンレール23に東西幕1を吊持し、この態勢でフレーム体22が梁材21に対して舞台の間口方向に移動可能とされて、東西幕1(図3参照)を舞台の間口方向に移動可能な状態に吊持する。
【0027】
なお、カーテンレール23の構成およびこのカーテンレール23に東西幕1を移動可能に吊持する構成については、周知の構成が採用されて良く、したがって、ここでは詳細に説明しない。
【0028】
一方、この吊持機構2は、図示するところでは、梁材21が舞台の袖を区画する袖壁Wに一体に保持されることで、袖壁Wに設けられるとするが、この発明が意図するところからすると、いわゆるユニット構造に構成されて、舞台の袖に言わば後付け工事で設けられるとしても良い。
【0029】
そして、この吊持機構2がユニット構造に構成されて舞台の袖に後付け工事で設けられる設定の場合には、既存の東西幕1の吊持装置類に代えて、この発明による東西幕移動装置を設置する改修を短期間に実現し得る点で有利となる。
【0030】
ちなみに、吊持機構2がユニット構造に構成されて、舞台の袖に後付け工事で設けられる場合には、ユニットにおける安定性を保障する上から、舞台の袖壁Wや床など適宜の部位に一体的に連結されるであろう。
【0031】
ところで、この吊持機構2にあって、基部たる梁材21は、所定の機械的強度を有するように、たとえば、型鋼からなり、図示するところでは、舞台の袖を区画する袖壁Wから水平方向に突出して、移動体たるフレーム体22を移動可能に保持するガイドレールとして機能し、さらに、図2に示すように、駆動機構3を保持する。
【0032】
このとき、この梁材21における図2および図3中で左端となる先端は、必要以上に舞台の中央側部に向けて突出しない、つまり、図示しないが、吊り下げ式に構成される音響反射板装置における側面反射板の昇降を妨げない程度に突出する設定とされる。
【0033】
すなわち、舞台装置である音響反射板装置が吊り下げ式に構成される場合、多くの吊り下げ式の音響反射板装置にあっては、天井反射板および正面反射板が舞台の中央部の上方に吊り上げられ、あるいは、舞台の中央部の奥壁に沿うように吊り上げられて格納態勢におかれるのに対して、側面反射板が舞台の袖の上方に吊り上げられて格納態勢におかれることがある。
【0034】
このことから、吊り下げ式の音響反射板装置の利用時には、側面反射板が舞台の袖で昇降されることになり、それゆえ、東西幕1を吊持する構成が、すなわち、この発明における吊持機構2を構成する基部たる梁材21が側面反射板の昇降の妨げにならないように配慮される。
【0035】
そして、この梁材21は、図中で右端部となる基端部が袖壁Wに埋設されて図中で左側となる先端側が袖壁Wの外に突出する、すなわち、片持ち構造に突設されるから、好ましくは、図示するように図中で左端部となる先端部が吊り束材24(図3参照)で吊持されるのが良い。
【0036】
ちなみに、この吊り束材24の上端部は、図示しないが、袖の上方となる舞台の天井に固定的に連結されるであろう。
【0037】
ところで、この発明にあって、フレーム体22は、駆動機構3の駆動で梁材21に対して移動可能とされてなる。
【0038】
すなわち、移動体たるフレーム体22は、先端部で吊持する東西幕1における舞台の間口方向への移動を可能にするもので、上記した梁材21に移動可能に保持される関係からすれば、図示する態様に代えて、図示しないが、たとえば、複数本に並列される梁状体や棒状体からなるとしても良い。
【0039】
ただ、移動体が複数本に並列される梁状体や棒状体からなる場合には、相隣間でのいわゆる同期する移動を考慮すると、相隣する梁状体や棒状体が繋ぎ材で連結されて一体的に構成されるであろうから、結果的には、自己支持性を保障するための強度を有するフレーム体22からなるのが良い。
【0040】
なお、フレーム体22は、東西幕1を吊持するのに必要にして充分な機械的強度を有するように、たとえは、型鋼で形成され、いわゆる一体性を保障するためには、必要に応じて補強材(図示せず)などが適宜に連結されるであろう。
【0041】
一方、吊持機構2を構成する上記のフレーム体22は、前記した梁材21にこの梁材21の軸線方向への移動を可能にするように、すなわち、舞台の間口方向に延材される梁材21に対して、同じく舞台の間口方向に移動可能に保持されてなる。
【0042】
このフレーム体22が梁材21に対して移動可能に保持される構成については、任意の構造が選択されて良いが、図示するところでは、フレーム体22の天端たる上端に配設されていわゆる前後となる複数の吊り車25が梁材21の底端たる下端に配設された図示しない軌条を走行する構成とされる。
【0043】
ちなみに、フレーム体22が梁材21に移動可能に保持される観点からすれば、これが実現される限りには、上記の軌条の配設が省略されて、梁材21を軌条に設定するとしても良い。
【0044】
ところで、前記した基部たる梁材21にあっては、この梁材21における図中で左端となる先端が必要以上に舞台の中央側部に向けて突出しない、つまり、吊り下げ式に構成される音響反射板装置における側面反射板の昇降を妨げない程度に突出する設定とされるとした。
【0045】
このことは、上記の移動体たるフレーム体22にも共通するテーマであって、それゆえ、このフレーム体22にあっては、このフレーム体22が、特に、梁材21に対して最後退するときに、舞台の中央側部に対向する先端が上記の梁材21における先端位置と同一位置あるいは後退位置とされて、舞台の袖とその上方との間における音響反射板装置における側面反射板の昇降を妨げないとする。
【0046】
一方、フレーム体22を梁材21に対して移動可能にする駆動機構3は、この駆動機構3が機能するところを勘案すると、任意に構成されて良く、原理的には、裏方による綱引きなどの手動操作でフレーム体22が梁材21に対して移動可能とされても良い。
【0047】
とは言え、近年の舞台装置の多くがコンピューターを利用した自動制御、つまり、遠隔操作とされることが多いことを鑑みると、この駆動機構3の駆動についても、たとえば、前記した音響反射板装置の動きに連動するように、自動制御とされるのが、人員の削減や装置の安全な運行の観点からも望ましいであろう。
【0048】
そこで、この発明にあっても、駆動機構3が自動制御を可能にし得るように、吊持機構2における基部からなる固定部、すなわち、図2に示すところでは、梁材21に配設される駆動源31と、この駆動源31の駆動で作動して移動体たるフレーム体22を舞台の間口方向に進退させる作動部32とを有し、この作動部32が駆動源31の駆動で回動する回動部33と、この回動部33に基端部が連結されて回動部33の回動で先端部を舞台の間口方向に進退させる移動手段34とを有してなる。
【0049】
ちなみに、駆動源31が固定部に配設されるとするのは、駆動源31をいわゆる安定させていたずらに騒音や振動を発生させないためであり、したがって、この固定部については、上記した基部からなるのに代えて、舞台の袖壁Wからなるとしても良い。
【0050】
ところで、駆動源31は、詳しく図示しないが、電動モータを有してなり、この電動モータの回転速度を減速機で適宜に減速し、たとえば、チェーンや歯車を利用するなどして作動部32に出力する。
【0051】
そして、作動部32は、駆動源31の駆動するところで、フレーム体22を梁材21に沿って移動させるもので、詳しくは図示しないが、駆動源31からの回転を受けるスプロケットを回動部33に有する。
【0052】
そして、作動部32における移動手段34は、詳しく図示しないが、図示する実施形態では、たとえば、送りネジ構造のネジシリンダからなり、このネジシリンダの基端部が上記の回動部33に連結され、このネジシリンダの先端部がフレーム体22に連結されてなる。
【0053】
それゆえ、この駆動機構3にあっては、たとえば、商用電流の利用でフレーム体22を舞台の間口方向に移動させることを可能にすることになり、たとえば、油圧シリンダを利用してフレーム体22を移動させる場合に比較して、油漏れの被害を懸念しなくて済む点で有利となる。
【0054】
なお、駆動機構3にあって、ネジシリンダや電動モータ、さらには、スプロケットを利用する場合であっても、いわゆる駆動部分には潤滑のためのグリスなどが塗布などされることがあり、したがって、このグリスなどの垂れ落ちを回避する観点から、上記した駆動源31,作動部32さらにはネジシリンダがケースや蛇腹状に形成されるなどのブーツやカバーなどで適宜に被覆されるのが良い。
【0055】
また、この駆動機構3の構成については、上記したところ以外の機器装置類が利用されても良く、たとえば、前記した手動操作の際の人力利用を含めて作動流体を利用する流体圧シリンダや空圧シリンダが利用されても良いことはもちろんである。
【0056】
以上のように形成されたこの発明による東西幕移動装置にあっては、駆動機構3の駆動で東西幕1が舞台の袖側と舞台の中央側との間で、すなわち、舞台の間口方向に移動可能とされる。
【0057】
その結果、東西幕1が舞台の袖側から舞台の中央側に向けて移動されるとき、東西幕1で区切られる舞台の袖部Sを広くし、また、東西幕1が舞台の中央側から舞台の袖側に向けて移動されるとき、東西幕1で区切られる舞台の袖部Sを狭くする。
【0058】
そして、東西幕1の不使用時には、東西幕1を舞台の中央側から舞台の袖側に向けて移動することで、格納態勢になるから、要する場合に、東西幕1を開くなどして、舞台の袖部Sを舞台の中央側部に連続させて舞台の袖部Sの有効利用を可能にする。
【0059】
のみならず、この発明による東西幕移動装置にあっては、東西幕1が舞台の袖壁Wに接近する方向に後退されるとき、基部たる梁材21の先端だけでなく、移動体たるフレーム体22の先端がいたずらに突出しない設定とすることで、吊り下げ式に構成される音響反射板装置における側面反射板の昇降を妨げないようにすることが可能になる。
【0060】
つまり、この発明にあっては、東西幕1をいわゆる前進させてギャラリーたる舞台の袖部Sを広くすることを可能にする一方で、吊り下げ式に構成される音響反射板装置における側面反射板の舞台の袖における昇降を妨げないことを可能にする利点がある。
【0061】
前記したところでは、駆動源31の駆動で移動体を舞台の間口方向に進退させる移動手段34がネジシリンダからなるとしたが、これに代えて、図4に示すように、ラックアンドピニオン構造からなるとしても良い。
【0062】
このとき、駆動源31は、モータからなり、基部たる梁材21に固定状態に保持され、このモータが有するピニオンギア35がラック軸36に噛合し、ラック軸35は、フレーム体22に保持される。
【産業上の利用可能性】
【0063】
多機能ホールなどの舞台の袖に設けられて舞台の中央側部とこれに対向する舞台の袖部とを区切る東西幕を舞台の間口方向に移動可能にして、舞台の袖部の広狭を可能にするのに向く。
【符号の説明】
【0064】
1 東西幕
2 吊持機構
3 駆動機構
21 基部たる梁材
22 移動体たるフレーム体
23 カーテンレール
24 吊り束材
25 吊り車
31 駆動源
32 作動部
33 回動部
34 移動手段
35 ピニオンギア
36 ラック軸
S 袖部
W 袖壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
舞台の袖に設けられてこの舞台の中央側部に対向するこの舞台の袖部を区切る東西幕と、
この東西幕を上記舞台の袖で吊持する吊持機構とを有し、
この吊持機構が上記舞台の間口方向に延在される基部と、この基部に保持されてこの基部に沿って移動可能とされながら上記東西幕を吊持する移動体とを有し、
この移動体が駆動機構の駆動で上記基部に対して上記舞台の間口方向に移動可能とされてなることを特徴とする東西幕移動装置。
【請求項2】
上記移動体がフレーム体からなり、このフレーム体が上記舞台の中央側部に対向する先端部に上記東西幕を吊持して上記基部に移動可能に保持され、かつ、上記フレーム体が上記駆動機構に連結されてなる請求項1に記載の東西幕移動装置。
【請求項3】
上記駆動機構が上記舞台の袖壁あるいは上記吊持機構における上記基部に配設される駆動源と、この駆動源の駆動で作動して上記移動体を上記舞台の間口方向に進退させる移動手段とを有してなる請求項1に記載の東西幕移動装置。
【請求項4】
上記移動体における上記基部に対する最後退時に上記舞台の中央側部に対向する先端が同じく上記舞台の中央側部に対向する梁部における先端位置と同一位置あるいは後退位置とされて、上記舞台の袖とその上方との間における音響反射板装置における側面反射板の昇降を妨げない請求項1に記載の東西幕移動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−192123(P2012−192123A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60167(P2011−60167)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(304039065)カヤバ システム マシナリー株式会社 (185)
【出願人】(501357821)株式会社槇総合計画事務所 (1)