説明

板ガラス用のコンテナ輸送治具

【課題】 軽量でコンテナへの搬入及び組み立てが容易で、かつ、用済み後の分解及び廃棄処分が容易なコンテナ輸送治具を実現する。
【解決手段】 建材用板ガラス用のコンテナ輸送治具1は、複数の柱部材2と前記柱部材2同士を連結する複数の梁部材3とを備えて構成され、柱部材2は、立設したときの底部となる底面4と、底面4から鉛直に延在する一対の側面5とを有し、側面5に平行な縦断面が直角三角形の頂部を切断した台形状に形成され、台形状の傾斜面が前面6とされ、前面に対向する鉛直面が背面7とされ、複数枚のダンボール板8を側面5に平行に積層して形成されてなり、梁部材3は、直方体型をしており、複数枚のダンボール板8を長手方向に延在させて積層して形成されてなり、柱部材2には、傾斜面の前面6側に、柱部材2の両側面5を貫通させて、梁部材3がはめ込まれるコの字型の切り込み9が形成されてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板ガラス用のコンテナ輸送治具に係り、特に、建材用の板ガラスをコンテナに収納して輸送する際に用いるコンテナ輸送治具に関する。
【背景技術】
【0002】
建材用の大型板ガラスは、例えば十数枚の板ガラスを1ユニットとして重ねて束ねると約1〜2トンの重量になるものがある。通常は、各ユニット間に発泡スチロールの緩衝材を挟んで複数ユニットを一纏めにし、コンテナの内壁に斜めに立てかけて固定し、船舶、トラック、航空機などによりコンテナ輸送する。
【0003】
コンテナ輸送において、板ガラスをコンテナ内壁に斜めに立て掛けた場合に、コンテナ内壁との間に断面が直角三角形の空間ができ、板ガラスが撓んで輸送中の振動で損傷を受けるおそれがある。また、輸送中にコンテナから与えられる慣性力により板ガラスがコンテナ内で移動しないようにしっかり固定する必要がある。そこで、従来から、板ガラスとコンテナ内壁との間に形成される空間を埋めて、板ガラスの撓みを抑えるために、輸送治具が用いられている。この輸送治具は、角パイプや山形鋼等で形成されたスチール製であり、縦断面が直角三角形の頂部を切断した台形状の柱部材を間隔をあけて複数配列し、各柱部材間を複数本の梁部材で連結してフレーム状に形成したものである。
【0004】
上記のように形成される輸送治具を、柱部材の直角三角形の斜面を前面とし、鉛直面を背面としてコンテナの内壁に当接して設置し、前面に緩衝材を介して板ガラスをもたせかけ、輸送治具と板ガラスをスチールバンドなどにより固縛して固定するようにしている。また、板ガラスの複数ユニット分の厚みに合わせた長さのベース部材を輸送治具の柱部材の下端部に配置し、このベース部材を介して輸送治具をコンテナの床面に固定するようにしている。これにより、大型板ガラスの損傷を防いで安全に輸送することができる。また、輸送治具に固縛された板ガラスがコンテナ内壁の反対側に倒れないように、板ガラス面に突っ張り棒などをあてがうようにしている。
【0005】
なお、板ガラスをコンテナの内壁に斜めに立てかけることに代えて、コンテナの中央の位置に、板ガラスを互いに斜めにもたせかけることも可能である。この場合は、縦断面が二等辺三角形の輸送治具が用いられることになるが、スチール製の角パイプや山形鋼により形成することになる。
【0006】
しかし、上述した従来の板ガラス用のコンテナ輸送治具は、スチール製であることから重量が重く、コンテナ内に運び込む作業をフォークリフトなどの重機を用いて行わなければならない。また、コンテナ輸送治具は使い捨てであるから、現地で板ガラスを積み下ろした後、スチール製の輸送治具を切断して分解した後に廃棄処分しなければならない。したがって、従来の板ガラス用のコンテナ輸送治具は、重量が重いスチール製であることから、コンテナ内への搬入作業の工数、重機などの費用、廃棄処分費用、等々の輸送コストがかかるため、輸送コストを低減できるコンテナ輸送治具が要望されている。
【0007】
一方、特許文献1に、板ガラス等の薄板を縦置きの支持部材に立てかけて梱包する技術が提案されている。すなわち、縦断面が直角三角形の頂部を切断した台形状の柱部材をダンボールにより形成し、柱部材の下端両脇にダンボールによりL字型に形成した肘掛け部を固着したガラス板用の支持部材が提案されている。これによれば、ガラス板の支持部材がダンボールで形成されているから重量が軽いという利点がある。そこで、ダンボールを建材用の大型板ガラスのコンテナ輸送治具に用いることができれば、重量が軽く、容易に切断等により分解して廃棄処分できることから、上述したスチール製のコンテナ輸送治具の問題を解決することが期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−274732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1に記載されたガラス板の支持部材は、液晶ディスプレイ用ガラス等に用いられる比較的小型の軽量なガラス板の輸送に用いられるものであり、建材用の板ガラスに比べて、ガラス板の重量が比較にならないほど軽いことから、次のような解決すべき課題がある。
すなわち、特許文献1の台形状の柱部材は、ダンボールを筒型に折り曲げて形成したものであるから、建材用の大型の板ガラスの束をもたせかけると柱部材が潰れて使い物にならない。また、肘掛け部材は、ダンボール紙を複数枚積層して形成しているから、一定の強度を有するものと認められるが、建材用の大型の板ガラスの束は、数トンから数10トンに至ることから、ダンボール紙を複数枚積層しても、潰れてしまうので使い物にならない。
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、軽量でコンテナへの搬入及び組み立てが容易で、かつ、用済み後の分解及び廃棄処分が容易なコンテナ輸送治具を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明は、建材用板ガラス用のコンテナ輸送治具であって、複数の柱部材と前記柱部材同士を連結する複数の梁部材とを備え、前記柱部材は、前記コンテナの床面に設置される底面と、前記板ガラスが立て掛けられる傾斜させて形成された少なくとも1つの前面と、前記底面から鉛直に延在する一対の側面とを有し、複数のダンボール板を前記側面に平行に積層して形成されてなり、前記梁部材は、複数のダンボール板を長手方向に延在させて積層して形成されてなり、前記柱部材の両側面を貫通させて、前記梁部材がはめ込まれる切り込み又は開口が形成されてなることを特徴とする。
【0012】
この場合において、前記柱部材は、前記側面に平行な断面が直角三角形の頂部を切断した台形状に形成され、該台形状の傾斜面が前記前面とされ、該前面に対向する鉛直面が背面とされてなるものとすることができる。この場合、柱部材は、前面と背面の少なくとも一方に前記梁部材がはめ込まれるコの字型の複数の切り込みが形成され、前記梁部材は、前記柱部材の切り込みにはめ込まれる部分に、前記柱部材の幅に対応したコの字型の切り込みが形成されてなるものとすることができる。これにより、柱部材の背面をコンテナの内壁に当接させて配置し、柱部材の全面に立てかけた板ガラスの荷重をコンテナの内壁でしっかりと支持させることができる。
【0013】
また、柱部材は、直角三角形の頂部を切断した台形状に変えて、側面に平行な断面が二等辺三角形の頂部を切断した台形状に形成することができる。これにより、台形状の傾斜面が前面とされ、板ガラスを柱部材の両側から立て掛けて用いることができる。
【0014】
特に、本発明によれば、コンテナ輸送治具を、ダンボール板で形成したことから、スチール製と比べて重量を著しく軽くすることができる。特に、柱部材を、複数のダンボール板を柱部材の側面に平行に積層して形成した。つまり、ダンボール板の中芯の波形が見える方向を板ガラスのもたせかけ荷重が加わる方向に一致させることにより、柱部材の強度が発揮でき、積層枚数に応じた耐荷重力を持たせることができる。また、柱部材と梁部材の連結は、柱部材のコの字型の切り込み又は開口に梁部材を嵌め込むことにより行えるから、組立て分解が容易である。これらのことから、コンテナへの搬入時には、コンテナ輸送治具を分解して搬入できるので、重機を用いることなく人手により簡単に搬入して組立てることができる。同様に、現地で板ガラスを積み下ろした後も、簡単に分解して人手により搬出でき、かつ廃棄処分も容易に行うことができる。
【0015】
本発明において、梁部材は、複数枚のダンボール板を長手方向に延在させて積層して形成することができる。柱部材と梁部材は、柱部材の切り込み部で連結される。なお、梁部材は、柱部材にはめ込まれる部分に柱部材の幅に対応したコの字型の切り込みを形成したものとし、連結部の強度を高めることもできる。
【0016】
さらに、ダンボール板は、波形の中芯がライナーに挟持されて形成され、柱部材は、ダンボール板の中芯の波形が前面側から視認可能に前記ダンボールが積層されてなるものとすることができる。これにより、柱部材の板ガラスを立て掛ける面の耐圧縮強度を高めると共に、ダンボール板の積層方向の強度を高めることができる。
【0017】
また、柱部材をコンテナの床面に固定するベース部材を備えることができる。
ベース部材は、柱部材の下端の側面を挟んで、コンテナの床面に配置される木製の一対の角材と、該一対の角材の上面に渡して固定される木製の板材とにすることができる。これにより、数トンから数10トンに至る建材用の大型の板ガラスの束を載せても潰れることなく、立て掛けておくことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、軽量でコンテナへの搬入及び組み立てが容易で、かつ、用済み後の分解及び廃棄処分が容易なコンテナ輸送治具を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態のコンテナ輸送治具の主要部全体の斜視図である。
【図2】図1の1本の柱部材を後方から見た斜視図である。
【図3】図1の梁部材の詳細構造を表す斜視図である。
【図4】図1の柱部材を形成するダンボール板の詳細構造を示す部分の斜視図である。
【図5】図1のコンテナ輸送治具をコンテナの内壁に当接して組み立てた状態を示す立面図である。
【図6】図5の平面図である。
【図7】図6の線A―Aにおける断面図である。
【図8】本発明の他の実施形態のコンテナ輸送治具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を適用してなるコンテナ輸送治具の実施形態について、図1から図8を参照して説明する。
【0021】
(実施形態1)
図1は、本実施形態のコンテナ輸送治具の斜視図を示している。図1に示すように、コンテナ輸送治具1は、複数の柱部材2と、柱部材2同士を連結する複数の梁部材3とを含んで構成される。なお、図1では、2組のコンテナ輸送治具1を複数の梁部材3で連結した例を示している。
【0022】
柱部材2は、立設したときの底部となる底面4と、底面4から鉛直に延在する一対の側面5とを有し、側面5に平行な断面が直角三角形の頂部を切断した台形状に形成され、台形状の傾斜面が前面6とされ、鉛直面が背面7とされ、複数のダンボール板8を側面5に平行に積層して形成されている。また、柱部材2の傾斜角度は、立て掛ける板ガラスの大きさや重量によって変更することができる。
【0023】
梁部材3は、直方体型をしており、複数枚のダンボール板8を長手方向に延在させて積層して形成されている。
【0024】
図2に示すように、柱部材2の傾斜面の前面6側に、側面5からみた形状がコの字型の複数の切り込み9が形成されている。この複数の切り込み9は、柱部材2の両側面5を貫通させて、はめ込まれる複数の梁部材3の本数に対応させて設けられている。
【0025】
図3に示すように、梁部材3には、柱部材2の切り込み9にはめ込まれる部分に、柱部材2の幅に対応したコの字型の複数の切り込み10が形成されている場合もある。この切り込み10の数は、連結する柱部材2の切り込み9の数に対応している。このように構成されることから、柱部材2と梁部材3とは、互いに切り込み部で相手の部材と噛み合って連結されるため、連結部の強度を高めることができる。
【0026】
柱部材2の切り込み9は、柱部材2の背面7に備えることもできる。さらに、柱部材2を貫通するのは、開口(貫通口)であってもよい。
【0027】
ダンボール板8は、波形の中芯11がライナー12に挟持されて形成されている。柱部材2は、ダンボール板8同士を合わせて複数層に積層した積層ダンボールで形成されている。また、ダンボール板8の中芯11の波形が前面6側から視認できるように形成されている。つまり、図4に示すように、ダンボール板8の中芯11の波形が現れている端面が、柱部材2の前面6になる。このように構成されるダンボール板8は、積層方向と直交する方向の耐圧縮強度が高いことから、前面6に加わる板ガラスのもたせかけ荷重を十分に支えることができる。また、隣り合うダンボール板8同士を合わせることにより、ダンボール板8の積層方向の強度を高めることができる。なお、ダンボール板は、資源リサイクル可能な材質を使用し、耐水紙及び防水含浸処理されたダンボール紙を採用している。これにより、ダンボール板を再利用できるため、コストを低減できる。また、海上輸送の場合には、湿気や結露が発生しても輸送治具の強度を維持することができる。
【0028】
図5に示すように、コンテナ輸送治具1は、柱部材2をコンテナ13の床面14に固定するベース部材15を備えている。なお、図5中の斜線は断面を表すものではなく、部材の区別をわかりやすくするために記載したものである。ベース部材15は、柱部材2の下端の側面5を挟んで、コンテナ13の床面14に配置される木製の一対の角材16と、一対の角材16の上面に渡して固定される木製の板材17とからなる。このとき、板材17は輸出規制に準じた合板を用いることが好ましい。ベース部材15の板材17の上面には、角材16の延在方向に複数枚のゴム板の緩衝材18を備える。なお、緩衝材18の素材は、緩衝効果が発揮できれば、ゴム板に限られない。
【0029】
このように構成される本実施形態のコンテナ輸送治具1をコンテナに設置する手順について、図5から図7を参照して説明する。
【0030】
まず、図6に示すように、柱部材2の背面7をコンテナ13の内壁面19に当接する。なお、図6中の斜線は断面を表すものではなく、部材の区別をわかりやすくするために記載したものである。次に、図7に示すように、柱部材2をコンテナ13の床面14に固定するために、ベース部材15を設置する。図7において、板ガラスのユニット20については煩雑になるので、ハッチングを省略した。ベース部材15は、柱部材2の下端の側面5を挟んで、コンテナ13の床面14に木製の一対の角材16を配置し、一対の角材16の上面に渡して木製の板材17を固定する。このとき、ベース部材15は、複数枚の板ガラスを1ユニットとして重ねて束ねた、複数枚の板ガラスのユニット20を立て掛ける分の厚みに合わせた長さにする。ベース部材15を設置した後に、板材17の上面に角材16の延在方向に複数枚のゴム板の緩衝材18を設置する。本実施形態では、十数枚の板ガラスを1ユニットとし、ゴム板の枚数を2枚としているが、1ユニットの板ガラスの枚数及びゴム板の枚数はこれに限られない。
【0031】
そして、柱部材2の切り込み9に、梁部材3をはめ込み、図5に示すように、複数の柱部材2と複数の梁部材3とを連結して1つのコンテナ輸送治具1を組み立てる。本実施形態では、3本の柱部材2と2本の梁部材3とで1つのコンテナ輸送治具1を構成し、さらに2つのコンテナ輸送治具1をコンテナ13の長手方向に並べて設置して、2本の梁部材3で連結している。なお、コンテナ輸送治具1の柱部材2と梁部材3の本数は、立て掛ける板ガラスの大きさや重量によって異ならせることは言うまでもない。また、本実施形態の2つのコンテナ輸送治具1のそれぞれに対し、板ガラスのユニット20を立て掛けてもよいが、板ガラスのサイズが大きい場合には、2つのコンテナ輸送治具1に渡って立て掛けて輸送することができる。
【0032】
図7に示すように、板ガラスのユニット20をベース部材15の上面の緩衝材18の上に載置し、各ユニットの間に発泡スチロール製の板状のスペーサーを挟みながら、板ガラスのユニット20を柱部材2の前面6に立て掛ける。次いで、柱部材2の位置に対応する位置に板状の硝子押さえ21を板ガラスのユニット20の前面に押しあて、柱部材2と硝子押さえ21の位置で板ガラスのユニット20を含む全体をスチールバンド22で束ねて固縛する。そして、コンテナ13の両内壁面19に板ガラスのユニット20を立て掛けた後、硝子押さえ21を介してスチール製の突っ張り棒23で両側の板ガラスのユニット20をコンテナの内壁面19側へ押さえつけて固定する。これにより、輸送中にコンテナ13が揺れても、板ガラスのユニット20が内壁面19の反対側に転倒するのを防止できるので、板ガラスの損傷を防いで安全に輸送することができる。
【0033】
さらに、図5及び図6に示すように、1つのコンテナ輸送治具1に立て掛けた板ガラスのユニット20の下端部をガラス固定用木材24で内壁面19の延在方向の前後から挟んで固定する。これにより、輸送中にコンテナ13から与えられる慣性力により板ガラスのユニット20がコンテナ13内で移動するのを防止することができる。
【0034】
また、梁部材3をはめ込んだ柱部材2は、板ガラスのユニット20の重量を全て支えるものではなく、板ガラスのユニット20をコンテナ13の内壁面19に立て掛けておくときのいわばクッション材としての役割を持つ。これに加えて、柱部材2はダンボール板8を側面5に平行に積層して形成されており、板ガラスのユニット20のもたせかけ荷重が加わる方向にダンボール板8のライナー12面を配置している。このため、コンテナ輸送治具1をダンボール板8で形成していても、ダンボール板8の積層方向と直交する方向の前面は耐圧縮強度が高くなるから、板ガラスのユニット20の重量を支えることができる。
【0035】
また、本実施形態によれば、コンテナ輸送治具1の柱部材2と梁部材3の素材がダンボール板8で、それらがはめ込み式となるように構成されているから、
スチール製に比べて重量が軽く、かつ、工具を使用せずに、柱部材2と梁部材3とを容易に組み立て又は分解することができる。これにより、コンテナ輸送治具のコンテナへの搬入及び組み立てが容易で、かつ、用済後の分解及廃棄処分の作業が容易となる。なお、作業者負担を軽減することを考慮して、各部材の重量を例えば5kg以下にすることが望ましい。
【0036】
(実施形態2)
次に、図8に、本発明の他の実施形態を示す。本実施形態が実施形態1と相違する点は、柱部材は、その側面に平行な断面が二等辺三角形の頂部を切断した台形状に形成され、台形状の傾斜面が前面とされてなることにある。その他の点は、実施形態1と同一であることから、説明を省略する。なお、図8において、板ガラスのユニット20については煩雑になるので、ハッチングを省略した。
【0037】
図8に示すように、本実施形態では、コンテナ13の中央の位置に、断面が二等辺三角形の頂部を切断した台形状のコンテナ輸送治具25を設置して、そのコンテナ輸送治具25を介して板ガラスのユニット20を互いに斜めにもたせかけて形成することになる。
【0038】
このように構成されることから、本実施形態によれば、実施形態1と同一のコンテナ輸送治具のコンテナへの搬入及び組み立てが容易で、かつ、用済後の分解及廃棄処分の作業が容易となるという効果を奏することができる。また、実施形態1に比べて1つのコンテナ輸送治具に立て掛けられる板ガラスのユニット数が倍になるため、コンテナ輸送治具の数が少なくて済む。
【0039】
以上、本発明を実施形態1、2を用いて説明したが、本発明はこれらに限られない。要するに、複数の柱部材と柱部材同士を連結する複数の梁部材とを備え、柱部材は、コンテナの床面に設置される底面と、板ガラスが立て掛けられる傾斜させて形成された少なくとも1つの前面と、底面から鉛直に延在する一対の側面とを有し、複数のダンボール板を側面に平行に積層して形成されてなり、梁部材は、複数のダンボール板を長手方向に延在させて積層して形成されてなり、柱部材の両側面を貫通させて、梁部材がはめ込まれる切り込み又は開口が形成されてなるものであればよい。
【符号の説明】
【0040】
1 コンテナ輸送治具
2 柱部材
3 梁部材
4 柱部材の底面
5 柱部材の側面
6 柱部材の前面
7 柱部材の背面
8 ダンボール板
9 柱部材の切り込み
10 梁部材の切り込み
11 ダンボール板の中芯
12 ダンボール板のライナー
13 コンテナ
14 コンテナの床面
15 ベース部材
16 角材
17 板材
18 緩衝材
19 コンテナの内壁面
20 板ガラスのユニット
21 硝子押さえ
22 スチールバンド
23 突っ張り棒
24 ガラス固定用木材
25 コンテナ輸送治具
26 梁部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建材用板ガラス用のコンテナ輸送治具であって、
複数の柱部材と前記柱部材同士を連結する複数の梁部材とを備え、
前記柱部材は、前記コンテナの床面に設置される底面と、前記板ガラスが立て掛けられる傾斜させて形成された少なくとも1つの前面と、前記底面から鉛直に延在する一対の側面とを有し、複数のダンボール板を前記側面に平行に積層して形成されてなり、
前記梁部材は、複数のダンボール板を長手方向に延在させて積層して形成されてなり、
前記柱部材の両側面を貫通させて、前記梁部材がはめ込まれる切り込み又は開口が形成されてなることを特徴とする板ガラス用のコンテナ輸送治具。
【請求項2】
請求項1に記載の板ガラス用のコンテナ輸送治具において、
前記柱部材は、前記側面に平行な断面が直角三角形の頂部を切断した台形状に形成され、該台形状の傾斜面が前記前面とされ、該前面に対向する鉛直面が背面とされてなることを特徴とする板ガラス用のコンテナ輸送治具。
【請求項3】
請求項2に記載の板ガラス用のコンテナ輸送治具において、
前記柱部材は、前記前面と前記背面の少なくとも一方に前記梁部材がはめ込まれるコの字型の複数の切り込みが形成されてなることを特徴とする板ガラス用のコンテナ輸送治具。
【請求項4】
請求項1に記載の板ガラス用のコンテナ輸送治具において、
前記柱部材は、前記側面に平行な断面が二等辺三角形の頂部を切断した台形状に形成され、該台形状の傾斜面が前記前面とされてなることを特徴とする板ガラス用のコンテナ輸送治具。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の板ガラス用のコンテナ輸送治具において、
前記ダンボール板は、波形の中芯がライナーに挟持されて形成され、
前記柱部材は、前記ダンボール板の中芯の波形が前記前面側から視認可能に前記ダンボールが積層されてなることを特徴とする板ガラス用のコンテナ輸送治具。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の板ガラス用のコンテナ輸送治具において、
さらに、前記柱部材を前記コンテナの床面に固定するベース部材を備え、
前記ベース部材は、前記柱部材の下端の前記側面を挟んで、前記コンテナの床面に配置される木製の一対の角材と、該一対の角材の上面に渡して固定される木製の板材とからなることを特徴とする板ガラス用のコンテナ輸送治具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−41055(P2012−41055A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181828(P2010−181828)
【出願日】平成22年8月16日(2010.8.16)
【出願人】(000178011)山九株式会社 (48)
【出願人】(504347784)日本セキソー株式会社 (3)
【Fターム(参考)】