説明

板バネ取付構造およびフェーダ

【課題】製造コストを低減すると共に、耐久性を向上させることができる板バネ取付構造およびフェーダを提供すること。
【解決手段】往復動可能なスライド部材13と、スライド部材13の取付面31に取り付けられ、スライド部材13に制動力を付与する作動力調整用板バネ23とを備え、スライド部材13は、取付面31から離間しないように作動力調整用板バネ23の少なくとも一部を係止する係止部32と、取付面31から突出した突出部33とを有し、作動力調整用板バネ23は、突出部33を挟持する一対の挟持突起42cを有し、係止部32に係止された状態で突出部33を挟持することでスライド部材13に取り付けられる構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板バネ取付構造に関し、特に、ミキサ等の音響機器の音量調整や、劇場等での光量調整に使用されるフェーダに好適な板バネ取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ミキサ等の音響機器に搭載されるフェーダにおいて、操作者の操作機能特性を微妙に調整することができる作動力調整機構が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この作動力調整機構においては、フェーダの摘みに連動するスライド部材と、このスライド部材を軸方向に摺動案内する案内軸と、カシメによりスライド部材に固着された板バネおよび緩衝材とからなる摩擦手段とを備え、摩擦手段により案内軸を挟み込み、上記板バネの挟み込む挟持力の大きさを調整ネジの操作で外部から任意に調整可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−8907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような従来の作動力調整機構においては、摩擦手段をカシメによりスライド部材に取り付けているため、カシメ用の設備が必要となり製造コストが増加するという問題があった。また、カシメ時に発生する熱により摩擦手段が取り付けられたスライド部材に熱応力が発生し、スライド部材が破損して耐久性が悪化するという問題があった。
【0005】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、製造コストを低減すると共に、耐久性を向上させることができる板バネ取付構造およびフェーダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の板バネ取付構造は、往復動可能な作動体と、前記作動体の取付面に取り付けられ、前記作動体に制動力を付与する板バネとを備え、前記作動体は、前記取付面に前記板バネの少なくとも一部を係止する係止部と、前記取付面から突出した突出部とを有し、前記板バネは、前記突出部を挟持する挟持部を有し、前記係止部に係止された状態で前記突出部を挟持することで前記作動体に取り付けられることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、板バネの少なくとも一部が作動体の係止部に係止され、挟持部が作動体の突出部を挟持することで板バネが作動体に取り付けられるため、従来のようにカシメにより板バネを作動体に取り付ける必要がない。したがって、板バネの作動体に対する取り付け時にカシメ用の設備が不要となり、製造コストを低減することができる。また、カシメにより取り付けないため、カシメの熱により作動体が破損することがなく、耐久性を向上させることができる。
【0008】
また本発明は、上記板バネ取付構造において、前記挟持部を前記板バネに形成された切欠部の対向する対向面から突出した一対の突起で構成することができる。
【0009】
また本発明は、上記板バネ取付構造において、前記作動体は、前記取付面から突出したガイドピンを有し、前記板バネは、前記ガイドピンに係合するガイド孔を有することを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、ガイドピンにガイド孔を係合させることにより、板バネが作動体の取付面にガイドされるため、板バネの取り付けを容易とすることができる。
【0011】
また本発明は、上記板バネ取付構造において、前記板バネは、少なくとも一部を前記係止部に形成された隙間に差し込むことで、前記係止部に係止され、前記ガイド孔は、前記板バネの前記係止部に対する差し込み方向に延在する長孔であることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、ガイドピンにガイド孔を係合させた状態で、板バネの係止部に対する差し込みが許容されるため、板バネを係止部に係止させ易くすることができる。
【0013】
本発明のフェーダは、上記した板バネ取付構造を備えていることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、ミキサ等の音響機器の音量調整や、劇場等での光量調整に使用されるフェーダの製造コストを低減すると共に、耐久性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、製造コストを低減すると共に、耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る作動力調整機構の実施の形態を示す図であり、板バネ取付構造が適用されるフェーダの外観斜視図である。
【図2】本発明に係る作動力調整機構の実施の形態を示す図であり、作動力調整機構の外観斜視図である。
【図3】本発明に係る作動力調整機構の実施の形態を示す図であり、スライド部材および作動力調整用板バネの分解斜視図である。
【図4】本発明に係る作動力調整機構の実施の形態を示す図であり、作動力調整用板バネの平面図である。
【図5】本発明に係る作動力調整機構の実施の形態を示す図であり、作動力調整機構による作動力調整を模式的に説明した図である。
【図6】本発明に係る作動力調整機構の実施の形態を示す図であり、作動力調整用板バネの取付方法の一例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下においては、本実施の形態に係る板バネ取付構造を、ミキサ等の音響機器の音量調整や、劇場等での光量調整に使用されるフェーダに適用する場合について説明する。しかしながら、本実施の形態に係る板バネ取付構造の適用対象については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。
【0018】
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る板バネ取付構造が適用されるフェーダについて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る板バネ取付構造が適用されるフェーダの外観斜視図である。
【0019】
図1に示すように、本実施の形態に係るフェーダ1は、前面が開口されたケース2と、ケース2の開口に装着されて収容部を形成するカバー3とを備え、ケース2およびカバー3が組み合わされて直方体形状の箱状体をなしている。ケース2の上壁には長手方向に延在するように切欠部2aが形成され、カバー3に組み合わされてスリットが形成される。
【0020】
ケース2の長手方向に位置する両側壁には、それぞれ図示上下方向に離間して2つの切欠部2b、2cが形成され、上側に位置する切欠部2bに第1のシャフト11が水平に横架され、下側に位置する切欠部2cに第2のシャフト12が水平に横架されている。第1のシャフト11および第2のシャフト12にはスライド部材13が支持されており、スライド部材13は第1のシャフト11および第2のシャフト12に沿って収容部内をスライド可能に収容されている。
【0021】
スライド部材13には上方に突出するようにレバー部材14が設けられており、このレバー部材14はケース2およびカバー3により形成されるスリットを介して外部に露出される。レバー部材14の露出部分には図示しない操作摘みが取り付けられ、この操作摘みによりスライド部材13がスライド方向に操作される。また、スライド部材13にはフェーダ1の作動力を調整するための作動力調整機構5が組み込まれている。
【0022】
また、スライド部材13には略中央部分に磁気抵抗効果素子17(GMR素子)を備える磁気検出部材15が設けられ、ケース2およびカバー3のスライド部材13のスライド方向に沿う側壁には、それぞれ内面に薄板状の磁石18(カバー3に取り付けられた磁石は不図示)が取り付けられている。また、ケース2に取り付けられた磁石18およびカバー3に取り付けられた磁石は、対向する面がそれぞれ異極に着磁され、スライド方向に沿ってそれぞれ逆方向に傾斜した外形形状を有している。したがって、収納部内にはスライド部材13の位置によって、磁気抵抗効果素子17に作用する磁場方向が回転変位するように磁界が形成されている。
【0023】
磁気抵抗効果素子17は、作用する磁場方向に応じて電気抵抗値が変化するように構成されている。したがって、磁気抵抗効果素子17の電気抵抗値に基づく出力信号により、スライド部材13の位置を検出することが可能となる。また、磁気抵抗効果素子17は、FPC21(フレキシブルプリント基板)を介して基板22に接続されており、基板22に出力信号が出力される。
【0024】
図2から図4を参照して、本発明の実施の形態に係る作動力調整機構について説明する。図2は、本発明の実施の形態に係る作動力調整機構の外観斜視図である。図3は、本発明の実施の形態に係るスライド部材および作動力調整用板バネの分解斜視図である。図4は、本発明の実施の形態に係る作動力調整用板バネの平面図である。
【0025】
図2および図3に示すように、作動力調整機構5は、スライド部材13および第1のシャフト11と、スライド部材13のカバー3側の側面に取り付けられる作動力調整用板バネ23と、作動力調整用板バネ23に押圧されて第1のシャフト11に押し付けられる制動板24と、作動力調整用板バネ23の制動板24に対する押圧力を調整するカム25とを備えている。
【0026】
スライド部材13の上部には第1のシャフト11が挿通される挿通路27がスライド方向に延在して形成されており、スライド方向の両端部分を除く中間部分のカバー3側が開口されている。スライド部材13の挿通路27の下方にはカム25が収容されるカム収容部28が形成されており、カバー3側を開口した凹部を構成している。また、カム収容部28には、カム25をカバー側から支持する押え部28aが形成されており、この押え部28aによりカム25の脱落が防止される。
【0027】
カム収容部28の下方には作動力調整用板バネ23が取り付けられる板バネ取付部29が形成されている。板バネ取付部29は、作動力調整用板バネ23の板面に平面接触する取付面31からカバー3側に突出した係止部32、突出部33、ガイドピン34とから構成されている。係止部32、突出部33、ガイドピン34は、図示左右方向に間隔を空けて一列に設けられており、係止部32および突出部33は取付面31の図示左右方向の両端側に位置し、ガイドピン34は係止部32と突出部33との略中間に位置している。
【0028】
係止部32は、突出部33に対向する側が部分的に切り欠かれて取付面31との間に隙間32aが形成されており、この隙間32aに作動力調整用板バネ23の一部が差し込まれることで作動力調整用板バネ23を係止している。また、係止部32の隙間32aは作動力調整用板バネ23の板厚と略同一の大きさに形成されているため、作動力調整用板バネ23の一部が係止部32と取付面31との間で確実に挟持されて取付面31から離間するのが防止される。
【0029】
突出部33は、直方体状に形成されており、図示上下方向に位置する上面および下面が作動力調整用板バネ23の後述する一対の挟持突起42cに両側から挟持されるように構成されている。また、突出部33の上下方向の幅は、作動力調整用板バネ23の一対の挟持突起42cに挟持された状態で、作動力調整用板バネ23が外れない程度の大きさを有している。
【0030】
制動板24は、挿通路27の中間部分の開口を覆うように配設されており、第1のシャフト11の外周面に当接している。制動板24の第1のシャフト11との当接面は、第1のシャフト11の外周面と相補形状となるように形成されている。また、制動板24のカバー3側の面には作動力調整用板バネ23からの押圧力を受ける周面部24aが僅かに突出して形成されている。
【0031】
カム25は、カム収容部28に収容されており、円柱状に形成された回転体25aと、回転体25aの一端面から突出し、回転体25aの回転軸に対して偏芯した位置に設けられた駆動ピン25bとから構成されている(図5参照)。また、回転体25aには回転軸上において他端面側から内部に向かって六角穴が形成されており、この六角穴にはケース2の外側から六角レンチが差し込まれる。駆動ピン25bは、回転体25aの回転軸に対して偏芯した位置に設けられており、回転体25aの回転に応じて周回移動する。
【0032】
作動力調整用板バネ23は、板バネ取付部29に固定される平面部36と、平面部36からカム25に向かって延出してカム25の回転体25aと接触する接触片37と、平面部36から制動板24に向かって延出して制動板24の周面部24aを押圧する押圧片38とを有している。また、作動力調整用板バネ23には、押圧片38に対して垂直に立ち上がりカム25の駆動ピン25bに牽引される牽引片39が設けられている。
【0033】
牽引片39は、中央に矩形状の孔部39aが形成されており、この孔部39aに駆動ピン25bが挿通される。そして、カム25の回転体25aを回転させて、回転体25aの編芯位置に設けられた駆動ピン25bが周回移動することより、駆動ピン25bに牽引片39が牽引されて作動力調整用板バネ23が変形し、制動板24における制動力を変化させることが可能となる。
【0034】
また、図4に示すように、平面部36は、図示左右方向の両端が矩形状に切り欠かれて切欠部41、42が形成され、切欠部41、42の中間にガイド孔43が形成されている。接触片37側の切欠部41は、奥面41aが係止部32の隙間32aに差し込まれることで、平面部36の一部を係止部32に係止させる。すなわち、切欠部41の奥面41aに直交する上面41bと下面41cとの間隔は、係止部32の上下方向の寸法と略同一に形成され、切欠部41内に係止部32の侵入を許容するように構成されている。
【0035】
押圧片38側の切欠部42は、対向する上面42aおよび下面42bからそれぞれ一対の挟持突起42cが突出して形成されており、この一対の挟持突起42cによりスライド部材13の突出部33が挟持される。すなわち、切欠部42の上面42aと下面42bとの間隔は、突出部33の上下方向の寸法よりも僅かに大きく形成されており、一対の挟持突起42cはこの寸法差を埋める程度に突出している。
【0036】
なお、一対の挟持突起42cの突出長は、切欠部42の上面42aと下面42bとの間隔と突出部33の上下方向の寸法との寸法差よりも、やや大きい構成としてもよい。この構成により、一対の挟持突起42cで突出部33を確実に挟持することが可能となる。
【0037】
ガイド孔43は、図示左右方向に延在する長孔であり、このガイド孔43にガイドピン34が挿入されることで、上下方向の移動を規制しつつ、作動力調整用板バネ23の係止部32の隙間32aに対する差し込みを許容している。このような構成により、作動力調整用板バネ23は板バネ取付部29の適切な取付位置にガイドされる。
【0038】
ここで、図5を参照して、本発明の実施の形態に係る作動力調整機構による作動力調整について簡単に説明する。図5は、本発明の実施の形態に係る作動力調整機構による作動力調整を模式的に説明した図であり、(a)はカムの駆動ピンが作動力調整用板バネに接近した接近位置にある状態を示し、(b)はカムの駆動ピンが接近位置から離間した離間位置にある状態を示している。なお、図5においては、制動板による制動力を矢印の大きさで表わしている。
【0039】
図5(a)、(b)に示すように、駆動ピン25bは作動力調整用板バネ23に接近した接近位置と接近位置から離間した離間位置との間で周回移動可能に構成されている。図5(a)に示すように、カム25の駆動ピン25bが接近位置にある場合においては、駆動ピン25bに牽引片39が牽引されない。したがって、牽引片39に連なる押圧片38により制動板24が押圧されないため、制動板24における制動力が最少となる。
【0040】
一方、図5(b)に示すように、カム25の駆動ピン25bが離間位置にある場合においては、牽引片39が駆動ピン25bに牽引されて同図に示す右方向に引き出される。これに伴い、牽引片39に連なる押圧片38も同図に示す右方向に引き出されて制動板24を押圧し、制動板24における制動力が最大となる。このように、カム25を回転させることにより、作動力を調整することが可能となっている。
【0041】
次に、図6を参照して、作動力調整用板バネの取付方法の一例について説明する。図6は、作動力調整用板バネの取付方法の一例の説明図である。なお、図6においては、説明の便宜上、作動力調整用板バネおよびスライド部材の一部分のみ図示している。
【0042】
先ず、図6(a)に示すように、作動力調整用板バネ23のガイド孔43の延在方向の略中間がスライド部材13のガイドピン34に挿通するように位置合わせする。このとき、作動力調整用板バネ23の切欠部41内にスライド部材13の係止部32の一部が位置すると共に、作動力調整用板バネ23の一部が突出部33に乗り上げている。
【0043】
次に、この状態から、作動力調整用板バネ23を矢印Aに示す方向にスライドさせながら、スライド部材13の取付面31に向けて押し込むと、図6(b)に示すように、切欠部41の奥面41aが係止部32の隙間32aに差し込まれると共に、切欠部42内に突出部33が露出し、切欠部42から突出した一対の挟持突起42cが突出部33を両側から挟持する。このように、作動力調整用板バネ23は、切欠部41が係止部32に係止され、切欠部42の一対の挟持突起42cにより突出部33を挟持することで、スライド部材13に取り付けられる。
【0044】
このようにして作動力調整用板バネ23が取り付けられたフェーダ1において、本件出願人が所定の環境において長時間の耐久性試験を行ったところ、十分な耐久性を有する結果を得ることができた。
【0045】
以上のように、本実施の形態に係る板バネ取付構造によれば、作動力調整用板バネ23の一部がスライド部材13の係止部32に係止され、一対の挟持突起42cがスライド部材13の突出部33を挟持することで作動力調整用板バネ23がスライド部材13に取り付けられるため、従来のようにカシメにより作動力調整用板バネ23をスライド部材13に取り付ける必要がない。したがって、作動力調整用板バネ23のスライド部材13に対する取り付け時にカシメ用の設備が不要となり、製造コストを低減することが可能となる。また、カシメにより取り付けないため、カシメの熱によりスライド部材13が破損することがなく、耐久性を向上させることが可能となる。
【0046】
なお、上記した実施の形態においては、作動力調整用板バネ23に形成された切欠部41を係止部32で係止する構成としたが、この構成に限定されるものではない。作動力調整用板バネ23の少なくとも一部が係止される構成であればよく、例えば、切欠部41を形成せずに平面部36の外縁部を係止部32により係止する構成としてもよい。
【0047】
また、上記した実施の形態においては、作動力調整用板バネ23の切欠部42に形成された一対の挟持突起42cでスライド部材13の突出部33を挟持する構成としたが、この構成に限定されるものではない。スライド部材13の突出部33を挟持する構成であればよく、例えば、切欠部42の対向面を内向きに膨出した湾曲面で形成し、この湾曲面で突出部33を挟持する構成としてもよい。
【0048】
また、上記した実施の形態においては、作動力調整用板バネ23に形成されたガイド孔43およびスライド部材13に設けられたガイドピン34により、作動力調整用板バネ23をスライド部材13の所定の位置にガイドする構成としたが、この構成に限定されるものではない。作動力調整用板バネ23をガイドする構成であればよく、例えば、作動力調整用板バネ23にガイドピンを形成し、このガイドピンに係合するガイド孔をスライド部材13に形成する構成としてもよい。
【0049】
また、上記した実施の形態においては、作動力調整用板バネ23をスライド部材13の所定の位置にガイドする構成としたが、ガイドしない構成としてもよい。この構成により、ガイド孔およびガイドピンが不要となり、製造コストを低減することが可能となる。
【0050】
また、上記した実施の形態においては、作動力調整用板バネ23に牽引片39を形成してフェーダ1の作動力を調整する構成としたが、この構成に限定されるものではない。フェーダ1の作動力を調整する構成であれば、どのような構成であってもよい。
【0051】
また、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施の形態のみの説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上説明したように、本発明は、製造コストを低減すると共に、耐久性を向上させることができるという効果を有し、特に、ミキサ等の音響機器の音量調整や、劇場等での光量調整に使用されるフェーダに好適な板バネ取付構造に有用である。
【符号の説明】
【0053】
1 フェーダ
2 ケース
3 カバー
5 作動力調整機構
13 スライド部材(作動体)
23 作動力調整用板バネ(板バネ)
29 板バネ取付部
31 取付面
32 係止部
32a 隙間
33 突出部
34 ガイドピン
36 平面部
37 接触片
38 押圧片
39 牽引片
39a 孔部
42c 挟持突起(突起)
43 ガイド孔


【特許請求の範囲】
【請求項1】
往復動可能な作動体と、前記作動体の取付面に取り付けられ、前記作動体に制動力を付与する板バネとを備え、
前記作動体は、前記取付面に前記板バネの少なくとも一部を係止する係止部と、前記取付面から突出した突出部とを有し、
前記板バネは、前記突出部を挟持する挟持部を有し、前記係止部に係止された状態で前記突出部を挟持することで前記作動体に取り付けられることを特徴とする板バネ取付構造。
【請求項2】
前記挟持部は、前記板バネに形成された切欠部の対向する対向面から突出した一対の突起により前記突出部を挟持することを特徴とする請求項1に記載の板バネ取付構造。
【請求項3】
前記作動体は、前記取付面から突出したガイドピンを有し、
前記板バネは、前記ガイドピンに係合するガイド孔を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の板バネ取付構造。
【請求項4】
前記板バネは、少なくとも一部を前記係止部に形成された隙間に差し込むことで、前記係止部に係止され、
前記ガイド孔は、前記板バネの前記係止部に対する差し込み方向に延在する長孔であることを特徴とする請求項3に記載の板バネ取付構造。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の板バネ取付構造を備えたフェーダ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−171299(P2010−171299A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−13937(P2009−13937)
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】