板材搬送用トレイの緩衝部材、およびその緩衝部材が取付けられた板材搬送用トレイ
【課題】本発明はガラス板、例えば液晶表示装置の表示パネルを形成するために使用されるディスプレイ用のガラス基板等の正方形状または長方形状の基板、自重により撓み易い金属薄板よりなる板状の被搬送物品を移送、運搬し、積み重ね可能にトレイ内にて支持し、厚みが薄く、トレイの薄形化に寄与し、多段の積み重ねが可能となり、製品の輸送効率化をはかる。
【解決手段】ガラス板2等撓みの大きい板状の被搬送物品Gを運搬する板材搬送用トレイTの緩衝部材1が、横長の板状体で構成される本体部3と、本体部に複数個が突設された係止部4と、厚み方向Zの上部左右に突設された円弧状の第1係合部5と、小径の嵌入部6と、前記嵌入部の下部、前方に突設された第2係合部7とで形成され、フレーム枠9の二辺10A,10C;10B,10Dの支持片11A,11B、または桟材12の内縁に略板面方向Yから抜き差し可能に取付けられる。
【解決手段】ガラス板2等撓みの大きい板状の被搬送物品Gを運搬する板材搬送用トレイTの緩衝部材1が、横長の板状体で構成される本体部3と、本体部に複数個が突設された係止部4と、厚み方向Zの上部左右に突設された円弧状の第1係合部5と、小径の嵌入部6と、前記嵌入部の下部、前方に突設された第2係合部7とで形成され、フレーム枠9の二辺10A,10C;10B,10Dの支持片11A,11B、または桟材12の内縁に略板面方向Yから抜き差し可能に取付けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は板材搬送用トレイの緩衝部材に関し、ガラス板、例えば液晶表示装置の表示パネルを形成するために使用されるディスプレイ用のガラス基板等の正方形状または長方形状の基板、または自重により撓み易い金属薄板よりなる板状の被搬送物品を移送、運搬し、積み重ね可能にトレイ内において支持するものであり、厚さが極めて薄く、トレイの薄形化に寄与し、多段の積み重ねが可能となり、製品の輸送効率化をはかるものである。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置の表示パネルは、通常、相互に対向して配置される一対のディスプレイ用のガラス基板の間に液晶を封入することにより形成されている。このような表示パネルを工場にて製造する場合には、ディスプレイ用のガラス基板が、表示パネルの製造工場に輸送される。ガラス基板は、液晶表示装置の表示パネルに限らず、各種表示装置の表示パネルの製造にも使用されている。
【0003】
また、表示パネルとするために、ガラス基板の表面に電極等が形成られた状態の表示パネルの半製品がある。
【0004】
近時、各種の表示パネルには、厚さが0.7mm以下のガラス基板が使用されるようになっている。また、表示パネルの大型化にともなって、製造工場に搬入されるガラス基板も大型化しており、一辺が1.3m以上の長方形状のガラス基板も工場に搬入されるようになっている。
【0005】
このように大きな面積で薄いガラス基板は撓み易いために、その輸送には、衝撃を和らげるための工夫から適当な間隔をあけた状態で収納する方法があるが、輸送時に各ガラス基板が撓んで隣接するガラス基板同士が接触して破損するおそれがある。
【0006】
このような要請に応える方法として、例えば従来透明導電膜付ガラス基板の梱包スペーサとして、ポリフッ化エチレン系樹脂、ポリプロピレン樹脂、ナイロン樹脂等の合成樹脂により枠状に形成され、1つのガラス基板の透明導電膜表面の周縁及びそのガラス基板に隣接して積み重ねられるもう1つガラス基盤の裏面の周縁にそれぞれに沿って接触することで複数枚のガラス基板を積み重ねて支持するという透明導電膜付ガラス基板の緩衝材としての梱包スペーサがあった(特許文献1参照)。
【0007】
ところで、複数枚のガラス基板を積み重ねることにより一度に移送、運搬を行うのには、ガラス基板相互間に適当な間隔をあける必要があり、総嵩量が増大するために、例えば製造ラインにおいて複数枚のガラス基板を積み重ね、一度に移送、運搬を行うために所定の大きさ、高さの輸送空間領域を想定すると、一度に移送、運搬することができるガラス基板の運搬枚数は上記従来の透明導電膜付ガラス基板の梱包スペーサを用いた移送、運搬方法を例えば採用した場合には、前記輸送空間領域に制約を受け、減少する。その結果、ガラス基板の移送、保管に際して、輸送空間領域が占有するスペースに対するガラス基板の枚数が低下し、スペース効率は低くなるという問題があった。
【0008】
さらに、一辺の長さが1.3m以上の大きな面積のガラス基板は、1枚当たりの重量が5kg程度と重く、ガラス基板が、20枚以上になると、作業員1人の人力により運搬、移送することが出来ないという問題がある。
【0009】
このように、上記問題を解決するために、従来、例えば1枚のガラス基板を収納する板材搬送用トレイが提案されている。この板材搬送用トレイには、被搬送物品としてのガラス基板の周囲を囲むように、前後左右の周囲を囲むフレーム枠と、このフレーム枠の下面に設けられる底板とから、略皿状に形成されるものがあった。
【特許文献1】実開平3−29474号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載の上記従来の透明導電膜付ガラス基板の梱包スペーサは、合成樹脂により枠状に形成されるものであり、例えば緩衝部材としてこの梱包スペーサを上記トレイの底板上に設置させ、その上に薄くて大きな面積の1枚のガラス基板を載置することにより運搬する場合に、1個のトレイについてのフレーム枠の高さは、梱包スペーサの厚さにガラス基板の厚さと、ガラス基板の撓みを勘案したクリアランスとを合算した高さが必要となるので、かなりの高さになっていた。また、上記従来の透明導電膜付ガラス基板の梱包スペーサを用い、トレイを積み重ねることにより、ガラス基板を運搬する場合には、緩衝材としての梱包スペーサの厚さ分、トレイを積み重ねた時の上下のクリアランスを減少してしまうため、トレイ自体のフレーム枠の高さが必然的に高くする必要がある。従って、特許文献1に記載の上記従来の透明導電膜付ガラス基板の梱包スペーサは、トレイによりガラス基板を運搬する場合に、トレイのフレーム枠の高さ増加と、このような高さ増加に伴う重量増加の点で、製品輸送効率を上げるためのトレイの積み重ね枚数の増加の点に限界があった。
【0011】
しかも、トレイ上に設置される緩衝部材としての梱包スペーサを合成樹脂にて成形するのに、その厚さを薄くするためには、成形法上の限界があるため、緩衝部材をある厚さ以上薄く形成するのは困難であり、ガラス基板を支持する上で、トレイ内のクリアランスが結局、減少されてしまうという欠点があった。
【0012】
本発明は上記従来の問題点を解決し、ガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬物品が載置される緩衝部材自体の厚さを薄くし、そして、トレイによりガラス基板を運搬する場合に、トレイのフレーム枠の高さを低く抑え、軽量にして取り扱い易いとともに、上下に充分なクリアランスが確保され、また、トレイを積み重ねて被搬送物品を搬送する場合に、積み重ね枚数を増加して製品の輸送効率が向上し、さらには構造簡単にして量産可能であり、製作および組み付けが簡単に行え、製造コストが安価な板材搬送用トレイの緩衝部材、およびその緩衝部材が取付けられた板材搬送用トレイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の請求項1に記載の発明は、ガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬送物品を移送、運搬する板材搬送用トレイに用いられる合成樹脂発泡体またはエストラマーで構成される緩衝部材において、
前記緩衝部材が、平面視横長の板状体で構成される本体部と、前記本体部の幅方向の一方に間隔を開けて突設された1個または複数個の係止部と、前記係止部には厚み方向の上部の左右に突設された円弧状の第1係合部と、前記第1係合部の下部に設けられた前記第1係合部より小径の嵌入部と、前記小径の嵌入部の中央の下部前方に突設された円弧状の第2係合部とが設けられている
ことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記緩衝部材が、前記板材搬送用トレイの平面視長方形または正方形のフレーム枠の内縁に設けられた支持片または前記フレーム枠の対向する二辺間に設けられた桟材の少なくとも何れかの内縁に略板面方向から抜差可能に取付けられていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項3に記載の発明は、請求項2または3において、前記第1係合部と前記第2係合部とが、平面視略90°方向に変位して形成されていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れかにおいて、前記本体部における前記係止部の取付端側には、上部に配置される第3係合部と、下部に配置される第4係合部とが平面視互い違いに複数個が設けられていることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れかにおいて、前記第1係合部より小径の前記嵌入部が略円形状に形成されることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れかにおいて、前記支持片または前記桟材には、前記係止部の前記小径の嵌入部が嵌脱可能になるように切欠部が設けられていることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか1項に記載された緩衝部材が、ガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬送物品を囲むフレーム枠の対向する二辺の内縁に突設される支持片、または前記二辺間に両端部を取付けた桟材の内縁に略板面方向から抜き差し可能に取付けられていることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の請求項8に記載の発明は、前記請求項1〜6の何れか1項に記載された緩衝部材が、ガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬送物品を囲むフレーム枠の対向する二辺の内縁に突設される支持片、および前記二辺間に両端部を取付けた桟材の内縁に略板面方向から抜き差し可能に取付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、ガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬送物品を移送、運搬する板材搬送用トレイに用いられる合成樹脂発泡体またはエストラマーで構成される緩衝部材において、前記緩衝部材が、平面視横長の板状体で構成される本体部と、前記本体部の幅方向の一方に間隔を開けて突設された1個または複数個の係止部と、前記係止部には厚み方向の上部の左右に突設された円弧状の第1係合部と、前記第1係合部の下部に設けられた前記第1係合部より小径の嵌入部と、前記小径の嵌入部の中央の下部前方に突設された円弧状の第2係合部とが設けられているので、ガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬物品が載置される緩衝部材自体の厚さを薄くできる。そのため、トレイによりガラス基板を運搬する場合に、トレイのフレーム枠の高さを低く抑えることができ、軽量にして取り扱い易いとともに、上下に充分なクリアランスが確保される。また、トレイを積み重ねて被搬送物品を搬送する場合に、積み重ね枚数が増加でき、製品の輸送効率が向上される。さらには、緩衝部材自体、構造簡単にして量産可能であり、製作および組み付けが簡単に行え、製造コストが安価になる。
【0022】
また、本発明の請求項2に記載の発明によれば、請求項1において、前記緩衝部材が、前記板材搬送用トレイの平面視長方形または正方形のフレーム枠の内縁に設けられた支持片または前記フレーム枠の対向する二辺間に設けられた桟材の少なくとも何れかの内縁に略板面方向から抜差可能に取付けられているので、ガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬物品が載置される緩衝部材自体の厚さを薄くできる。そのため、トレイによりガラス板を運搬する場合に、トレイのフレーム枠の高さを低く抑えることができ、軽量にして取り扱い易いとともに、上下に充分なクリアランスが確保される。また、トレイを積み重ねて被搬送物品を搬送する場合に、積み重ね枚数が増加でき、製品の輸送効率が向上される。さらには、緩衝部材自体、構造簡単にして量産可能であり、製作および組み付けが簡単に行え、製造コストが安価になる。
【0023】
また、本発明の請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2において、前記第1係合部と前記第2係合部とが、平面視略90°方向に変位して形成されているので、合成樹脂発泡体、またはエストラマーで構成される緩衝部材をフレーム枠の対向する二辺の内縁に突設される支持片、または対向する二辺間に両端部が取付けられた桟材の内縁に略板面方向から抜き差し可能に容易かつ迅速に取付けることができる。そして、緩衝部材は、前述のように、トレイ本体を構成するフレーム枠の対向する二辺の内縁に突設される支持片、または対向する二辺間に両端部が取付けられた桟材の内縁に略板面方向から抜き差し可能に取付けられるので、板状の被搬物品が載置される緩衝部材自体の厚さを薄くすることができる。このように、緩衝部材自体は薄く形成されるので、トレイによりガラス板を運搬する場合に、トレイのフレーム枠の高さは低く抑えられ、軽量にして取り扱い易くなるとともに、トレイ内の上下に充分なクリアランスを確保することができる。また、トレイを積み重ねて被搬送物品を搬送する場合に、積み重ね枚数を増加することができ、製品の輸送効率を向上することができる。さらには、緩衝部材自体、構造簡単にして量産可能であり、製作および組み付けが簡単に行え、製造コストが安価になる。しかも、緩衝部材自体は第1係合部と前記第2係合部とが、平面視略90°方向に変位して形成されているので、トレイの支持片または桟材に緩衝部材を取付後においては平面視略90°方向に変位して形成された第1係合部と、第2係合部とによりトレイの支持片または桟材に対して厚み方向(上下方向)への不用意な抜け出しを防止することができ、緩衝部材は構造堅牢に取付けになる。
【0024】
また、本発明の請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3の何れかにおいて、前記本体部における前記係止部の取付端側には、上部に配置される第3係合部と、下部に配置される第4係合部とが平面視互い違いに複数個が設けられているので、緩衝部材自体をトレイの支持片または桟材に取付後においては本体部における係止部の取付端側に、上部に複数個が設けられた第3係合部と、下部に複数個が設けられた第4係合部とが平面視変位したことにより、緩衝部材はトレイの支持片または桟材に対して厚み方向(上下方向)への不用意な抜け出しを防止することができ、緩衝部材は構造堅牢に取付けになる。
【0025】
また、本発明の請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜3の何れかにおいて、前記第1係合部より小径の嵌入部が略円形状に形成されるので、平面視横長の本体部に1個または複数個の係止部を構造堅牢に突出でき、緩衝部材が、トレイ本体を構成するフレーム枠の対向する二辺の内縁に突設される支持片、または前記対向する前記二辺間に両端部が取付けられた桟材の内縁に略板面方向から抜き差し可能に容易且つ確実に取付けることができる。そして、構造堅牢な係止部を有する緩衝部材を前記支持片、または前記桟材に取付後には厚さが薄い物品載置部にガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬物品を載置でき、トレイによりガラス板を運搬する場合に、トレイのフレーム枠の高さが低く抑えられ、軽量にして取り扱い易いとともに、上下に充分なクリアランスが確保される。また、トレイを積み重ねて被搬送物品を搬送する場合に、積み重ね枚数を増加することができ、製品の輸送効率が向上される。さらには緩衝部材自体、構造簡単にして量産可能であり、製作および組み付けが簡単に行え、製造コストが安価になる。
【0026】
また、本発明の請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜5の何れかにおいて、前記支持片または前記桟材には、前記係止部の前記小径の嵌入部が嵌脱可能になるように切欠部が設けられているので、緩衝部材が、トレイ本体を構成するフレーム枠の対向する二辺の内縁に突設される支持片、または前記対向する前記二辺間に両端部が取付けられた桟材の内縁に略板面方向から抜き差し可能に容易且つ確実に取付けることができる。そして、緩衝部材は前記支持片、または前記桟材に取付後には、前記係止部の前記小径の嵌入部が前記支持片、または前記桟材に対応して設けられた切欠部内に嵌合されるので、緩衝部材は前記支持片、または前記桟材に対して板面方向にずれ動いて不用意な抜け出しがなく、構造堅牢に取付けることができる。こうして、構造堅牢な係止部を有する緩衝部材を前記支持片、または前記桟材に取付後には厚さが薄い物品載置部にガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬物品を載置し、トレイによりガラス基板を運搬する場合に、トレイのフレーム枠の高さが低く抑えられ、軽量にして取り扱い易いとともに、上下に充分なクリアランスが確保される。また、トレイを積み重ねて被搬送物品を搬送する場合に、積み重ね枚数を増加することができ、製品の輸送効率が向上される。さらには、緩衝部材自体、構造簡単にして量産可能であり、製作および組み付けが簡単に行え、製造コストが安価になる。
【0027】
また、本発明の請求項7に記載の発明によれば、前記請求項1〜6の何れか1項に記載された緩衝部材が、ガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬送物品を囲むフレーム枠の対向する二辺の内縁に突設される支持片、または前記二辺間に両端部を取付けた桟材の内縁に略板面方向から抜き差し可能に取付けられているので、ガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬物品が載置される緩衝部材自体の厚さを薄くできる。そのため、トレイによりガラス基板を運搬する場合に、トレイのフレーム枠の高さを低く抑えることができ、軽量にして取り扱い易いとともに、上下に充分なクリアランスが確保される。また、トレイを積み重ねて被搬送物品を搬送する場合に、積み重ね枚数が増加でき、製品の輸送効率が向上される。さらには、緩衝部材自体、構造簡単にして量産可能であり、製作および組み付けが簡単に行え、製造コストが安価になる。
【0028】
また、本発明の請求項8に記載の発明によれば、前記請求項1〜6の何れか1項に記載された緩衝部材が、ガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬送物品を囲むフレーム枠の対向する二辺の内縁に突設される支持片、および前記二辺間に両端部を取付けた桟材の内縁に略板面方向から抜き差し可能に取付けられているので、ガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬物品が載置される緩衝部材自体の厚さを薄くできる。そのため、トレイによりガラス基板を運搬する場合に、トレイのフレーム枠の高さを低く抑えることができ、軽量にして取り扱い易いとともに、上下に充分なクリアランスが確保される。また、トレイを積み重ねて被搬送物品を搬送する場合に、積み重ね枚数が増加でき、製品の輸送効率が向上される。さらには、緩衝部材自体、構造簡単にして量産可能であり、製作および組み付けが簡単に行え、製造コストが安価になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図面に従って本発明の実施の最良の形態により、本発明の詳細を説明する。
【0030】
<実施形態1>
図1は本発明の板材搬送用トレイの緩衝部材の実施形態1を示し、取付け状態の一例の平面図、図2は図1のA−A拡大断面図、図3は同じく拡大分解斜視図、図4は同じく桟材に緩衝部材を取付ける状態を部分的に示す拡大平面図、図5は同じく本実施形態1を構成する緩衝部材の取付け状態を示す拡大断面図、図6は本実施形態1を構成する緩衝部材の一例を示す拡大平面図、図7は同じく緩衝部材の拡大正面図、図8は同じく緩衝部材の拡大下面図、図9は図6のB−B拡大断面図、図10は図6のC−C拡大断面図、図11は図6のD−D拡大断面図、図12は図6のE−E拡大断面図、図13は本実施形態1を構成する桟材を示す拡大平面図、図14同じく桟材を示す拡大正面図、図15同じく桟材の一部を示す拡大正面図、図16同じく図13のF−F拡大断面図である。
【0031】
本発明の実施形態1は、ガラス板2または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬送物品Gを移送、運搬する板材搬送用トレイに用いられる合成樹脂発泡体またはエストラマーで構成される緩衝部材において、前記緩衝部材1が、平面視横長の板状体で構成される本体部3と、前記本体部3の幅方向Wの一方に間隔を開けて突設された複数個、図1、図2、図3においては3個の係止部4と、前記係止部4には厚み方向Zの上部の左右に突設された円弧状の第1係合部5と、前記第1係合部5の下部に設けられた前記第1係合部5より小径の嵌入部6と、前記小径の嵌入部6の中央の下部前方に突設された円弧状の第2係合部7とが設けられている。3Aは本体部3の上面に設けられる薄肉の物品載置部である。
【0032】
そして、前記緩衝部材1が、トレイ本体8を構成するフレーム枠9の対向する二辺10A,10C;10B,10Dの内縁に突設される支持片11A,11B;11A,11B、または前記対向する前記二辺10B,10D間に両端部が取付けられた5枚の桟材12,12,12,12,12の内縁に略板面方向Y1,Y2から抜き差し可能に取付けられる。
【0033】
前記緩衝部材1は、本実施形態1では、図3,図4,図6,図8に示すように平面視略90°方向に変位して形成されているが、これは代表的な例示であり、第1係合部5と第2係合部7との設置方向はこれに限ることなく平面視90°以内ならばその増減変更は自由に選択できる。このように、第1係合部5と第2係合部7とを、平面視略90°方向に変位して形成したのは、緩衝部材1をフレーム枠9の対向する二辺10A,10C;10B,10Dの内縁に突設される支持片11A,11B;11A,11B、または前記対向する前記二辺10B,10D間に両端部が取付けられた桟材12,12,12,12,12の内縁に取付後において、緩衝部材1が厚み方向Z、すなわち、上下方向に不用意に抜け出すのを防止するためである。桟材12の両端部を前記フレーム枠9の二辺10B,10D間に取付けるのには、図には示さないが例えば溶接、または接続金具を用いてねじ止めしてもよいし、図には示さないが、二辺10B,10Dを構成する枠材の厚み方向Zに長手方向にわたって設けられた溝内に桟材12の両端部を差し込むようにしてもよい。
【0034】
前記本体部3における幅方向Wの一方の取付端13側には、上部に配置される第3係合部14と、下部に配置される第4係合部15とが互い違いに複数個が設けられている。このように、第3係合部14と第4係合部15とを、互い違いに形成したのは、緩衝部材1をフレーム枠9の対向する二辺10A,10C;10B,10Dの内縁に突設される支持片11A,11B;11A,11B、または前記対向する前記二辺10B,10D間に両端部が取付けられた桟材12,12,12,12,12の内縁に取付後において、緩衝部材1が前記第1係合部5と第2係合部7と協働して厚み方向Z、すなわち、上下方向に不用意に抜け出すのを防止するためである。
【0035】
前記第1係合部5,5よりも小径の前記嵌入部6が略円形状に形成される。このように前記嵌入部6を略円形状に形成したのは、前記係止部4を構造堅牢に形成するとともに、後記切欠部16に対する嵌入部6の嵌脱操作を円滑に容易かつ確実に行うためである。
【0036】
また、前記支持片11A,11B;11A,11Bまたは前記桟材12の左右の側端部には前記係止部4の前記嵌入部6が嵌脱可能になる略円形状の切欠部16が設けられている。このように、小径の嵌入部6が切欠部16内に嵌合されることにより、緩衝部材1が、トレイ本体8を構成するフレーム枠9の対向する二辺10A,10C;10B,10Dの内縁に突設される支持片11A,11B;11A,11B、または前記対向する前記二辺10B,10D間に両端部が取付けられた桟材12,12,12,12,12の内縁に略板面方向Y1,Y2から抜き差し可能に容易且つ確実に取付けることができるとともに、緩衝部材1の取付後に緩衝部材1が前記支持片11A、11B;11A,11B、または前記桟材12,12,12,12,12に対して板面方向Y1,Y2に不用意にずれ動くことなく、構造堅牢に取付けるようにするためである。
【0037】
前記フレーム枠9は、例えばアルミニウムのような中空の軽量金属または合成樹脂により平面視において上下左右の四辺10A,10B,10C,10Dが組付けられることにより、枠状に形成され、例えば図1に示すように長方形、または図には示さないが正方形に形成される。
【0038】
本発明の板材搬送用トレイの緩衝部材の実施形態1は以上の構成からなり、合成樹脂発泡体、またはエストラマーにより形成された緩衝部材1をフレーム枠9に取付けるのには、トレイ本体8を構成するフレーム枠9の対向する二辺10A,10C;10B,10Dの内縁に突設される支持片11A,11B;11A,11Bまたは前記対向する前記二辺10B,10D間に両端部が取付けられた桟材12,12,12,12,12の内縁に略板面方向Y1,Y2から抜き差し可能に差し込むことにより取付けられる。
【0039】
この際、緩衝部材1は、合成樹脂発泡体、またはエストラマーにより平面視横長にして本実施形態1では図3,図4,図6,図8に示すように上面には薄肉の被物品載置部3Aを有する本体部3と、前記本体部3に間隔を開けては複数個、本実施形態1では3個が突設された係止部4と、前記係止部4には厚み方向Zの上部の左右に突設された第1係合部5と、前記第1係合部5の下部に設けられた前記第1係合部5よりも小径の嵌入部6と、前記小径の嵌入部6の下部前方に突設された第2係合部7とにより形成されているので、緩衝部材1はフレーム枠9に対して斜め上方から略板面方向Yへ差し込めば、横長の本体部3における幅方向Wの一方の取付端13側に突設した複数個、本実施形態1では3個の係止部4,4,4の略円形状をなす小径の嵌入部6,6,6が、フレーム枠9の対向する二辺10A,10C;10B,10Dの内縁に突設される支持片11A,11B;11A,11Bに対応して設けられている切欠部16、および前記対向する前記二辺10B,10D間に、その両端部が取付けられた桟材12,12,12,12,12の内縁に対応して設けられている切欠部16内に嵌合されることにより、緩衝部材1はフレーム枠9の対向する二辺10A,10C;10B,10Dの内縁に突設される支持片11A,11B;11A,11Bおよび前記二辺10B,10D間に両端部が取付けられた桟材12,12,12,12,12の内縁に容易かつ確実に取付けられる(図1参照)。
【0040】
このようにして、緩衝部材1はフレーム枠9の対向する二辺10A,10C;10B,10Dの内縁に突設される支持片11A,11B;11A,11Bおよび前記二辺10B,10D間に両端部が取付けられた桟材12,12,12,12,12の内縁に取付けられるが、前述のように、係止部4,4,4の小径の嵌入部6,6,6の上面には厚さが薄い被物品載置部3Aが緩衝部材1の本体部3に連設されて支持片11A,11B;11A,11Bおよび桟材12,12,12,12,12から上方に突出された状態で取付けられる。そして、緩衝部材1全体は成形法の限界までその厚さを薄く形成する必要はなく、本体部3に連設される係止部4の上方部に設置される被物品載置部3Aの厚さtを薄く形成すれば良いので、この薄い厚さtの被物品載置部3Aの上面にガラス板2または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬物品Gは載置される。
【0041】
このように、ガラス板2または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬物品Gが実際に載置される被物品載置部3Aの厚さtが薄くなるように、緩衝部材1自体がフレーム枠9に組付けられて緩衝部材1により緩衝されて支持されるので、梱包スペーサの厚さにガラス基板の厚さと、ガラス基板の撓みを勘案したクリアランスとを合算した高さを必要とし、トレイのフレーム枠の高さがかなりの高さの特許文献1に記載の発明とは異なり、板材搬送用トレイTによりガラス板2を運搬する場合に、板材搬送用トレイTのフレーム枠9の高さHを低く抑えることができる。従って、ガラス板2を収納している板材搬送用トレイTは、軽量にして人力によっても取り扱い易いものになるとともに、板材搬送用トレイTの上下に充分なクリアランスK1,K2が確保され、面積が大きく撓み易いガラス板2を被搬送物品Gとしてもガラス板2が板材搬送用トレイTに衝突して干渉されたり、衝撃を受けて破損したり、カケを生ずることなく、安全かつ迅速に移送、運搬することができる。このため、従来よりも一層、厚さが薄いガラス板2を搬送することができる。
【0042】
また、前述のように、板状の被搬物品Gが実際に載置される被物品載置部3Aの厚さtが薄い緩衝部材1自体がフレーム枠9に組付けられるので、板材搬送用トレイTのフレーム枠9は、トレイを積み重ねた時の上下のクリアランスK1,K2を減少させずに、充分に確保した状態で、その高さHを低く形成でき、板材搬送用トレイTを積み重ねて被搬送物品Gを搬送する場合に、板材搬送用トレイTの積み重ね枚数は増加され、製品の輸送効率が向上される。
【0043】
また、前述のように、前記支持片11A,11B;11A,11B、または前記桟材12には切欠部16が設けられ、この切欠部16内には前記係止部4の前記小径の嵌入部6が嵌合されているので、緩衝部材1はフレーム枠9の前記支持片11A,11B;11A,11B、または前記桟材12,12,12,12,12に対して板面方向Y1,Y2に不用意にずれ動くことなく、構造堅牢に取付けられる。
【0044】
しかも、緩衝部材1が、第1係合部5と第2係合部7とが、小径の嵌入部6を介して上下に突設され、この第1係合部5と第2係合部7とが、図3,図4,図6,図8に示すように平面視略90°方向に変位して形成されているので、この第1係合部5と第2係合部7とが切欠部16の上面および下面の外縁部に係止することにより緩衝部材1はフレーム枠9の前記支持片11A,11B;11A,11B、または前記桟材12,12,12,12,12に対して厚み方向Z(上下方向)に不用意に抜け出すことなく、構造堅牢に取付けられる。
【0045】
また、緩衝部材1は、前記本体部3における幅方向Wの一方の前記係止部4の取付端13側には、上部に配置される第3係合部14と、下部に配置される第4係合部15とが互い違いに複数個が設けられているので、緩衝部材1を板材搬送用トレイTの支持片11A,11B;11A,11Bまたは桟材12,12,12,12,12に取付後においては、第1係合部5と第2係合部7とが協働して第3係合部14と、第4係合部15とが板材搬送用トレイTの支持片11A,11B;11A,11B、または前記桟材12,12,12,12,12の上面および下面の外縁部に係止することにより厚み方向Z(上下方向)への不用意な抜け出しを防止することができ、構造堅牢に取付けが行える。
【0046】
さらには本実施形態1の緩衝部材は、構造簡単にして量産可能であり、製作および組み付けが簡単に行え、製造コストが安価になる。
【0047】
<実施形態2>
図17および図18に示すものは本発明の板材搬送用トレイの緩衝部材の実施形態2であり、緩衝部材の取付け状態の一例を示す平面図である。そして、上記実施形態1では、板材搬送用トレイTのフレーム枠9を構成する対向する支持片11A,11B;11A,11B、および前記桟材12,12,12,12,12対して緩衝部材1を取付ける場合を代表的に説明しているが、この実施形態2では緩衝部材1は板材搬送用トレイTのフレーム枠9の対向する支持片11A,11B;11A,11Bに取付けられている点が前記実施形態1とは異なる構成であるほかは前記実施形態1と同様の構成、作用である。
【0048】
<実施形態3>
さらに、図19に示すものは本発明の板材搬送用トレイの緩衝部材の実施形態3を示し、緩衝部材の取付け状態の一例を示す平面図である。そして、この実施形態3では緩衝部材1は、板材搬送用トレイTのフレーム枠9を構成する対向する二辺10B,10Dに両端を取付けている桟材12,12,12,12の左右の側端部に取付けられている。なお、1′は前記板材搬送用トレイTのフレーム枠9を構成する四辺10A,10B,10C,10Dの内縁に取付けられる板状の他の緩衝部材であり、この緩衝部材1′は前記緩衝部材1と同高さに設定される点が前記実施形態1、および実施形態2とは異なる構成であるほかは前記実施形態1、および実施形態2と同様の構成、作用である。また、緩衝部材1のフレーム枠9に対する固着手段は上記説明は代表的な例示であり、限定されるものではない。
【0049】
さらに、上記説明では、緩衝部材1の本体部3に3個の係止部4を突出しているが、この係止部4の大きさ、設置個数の増減変更は自由に行える。また小径の嵌入部6は、略円形状に形成される場合を代表的に説明しているが、これは代表的例示であり、これに限ることなく、要は係止部4を構造堅牢に形成するとともに、緩衝部材1の切欠部16に対する嵌脱操作を円滑に容易かつ確実に行うものであれば如何なる形状であってもよい。また、緩衝部材1の長さの増減変更も自由に設定できる。さらに、上記説明1では、第1係合部5と第2係合部7との設置方向は、平面視略90°方向に変位して形成させた場合を代表的に説明しているが、これは代表的な例示であり、第1係合部5と第2係合部7との設置角度はこれに限ることなく平面視90°以内ならばその設置角度の変更は自由に選択できる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明はガラス板、例えば液晶表示装置の表示パネルを形成するために使用されるディスプレイ用のガラス基板等の正方形状または長方形状の基板、自重により撓み易い金属薄板よりなる板状の被搬送物品を移送、運搬し、積み重ね可能にトレイ内にて支持し、厚みが薄く、トレイの薄形化に寄与し、多段の積み重ねが可能となり、製品の輸送効率化をはかる用途・機能に適する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は本発明の板材搬送用トレイの緩衝部材の実施形態1を示し、取付け状態の一例の平面図である。
【図2】図2は同じく図1のA−A拡大断面図である。
【図3】図3は同じく拡大分解斜視図である。
【図4】図4は同じく桟材に緩衝部材を取付ける状態を部分的に示す拡大平面図である。
【図5】図5は同じく本実施形態1を構成する緩衝部材の取付け状態を示す拡大断面図である。
【図6】図6は本実施形態1を構成する緩衝部材の一例を示す拡大平面図である。
【図7】図7は同じく緩衝部材の拡大正面図である。
【図8】図8は同じく緩衝部材の拡大下面図である。
【図9】図9は図6のB−B拡大断面図である。
【図10】図10は図6のC−C拡大断面図である。
【図11】図11は図6のD−D拡大断面図である。
【図12】図12は図6のE−E拡大断面図である。
【図13】図13は本実施形態1を構成する桟材を示す拡大平面図である。
【図14】図14同じく桟材を示す拡大正面図である。
【図15】図15同じく桟材の一部を示す拡大正面図である。
【図16】図16同じく図13のF−F拡大断面図である。
【図17】図17は本発明の板材搬送用トレイの緩衝部材の実施形態2を示し、取付け状態の一例の平面図である。
【図18】図18同じく図17のG1−G1拡大断面図である。
【図19】図19は本発明の板材搬送用トレイの緩衝部材の実施形態3を示し、取付け状態の一例の平面図である。
【符号の説明】
【0052】
1 緩衝部材
2 ガラス板
3 本体部
3A 被物品載置部
4 係止部
5 第1係合部
6 小径の嵌入部
7 第2係合部
8 トレイ本体
9 フレーム枠
10A 辺
10B 辺
10C 辺
10E 辺
11A 支持片
11B 支持片
12 桟材
13 取付端
14 第3係合部
15 第4係合部
G 被搬送物品
T 板材搬送用トレイ
K1 クリアランス
K2 クリアランス
Y1 板面方向
Y2 板面方向
t 厚さ
【技術分野】
【0001】
本発明は板材搬送用トレイの緩衝部材に関し、ガラス板、例えば液晶表示装置の表示パネルを形成するために使用されるディスプレイ用のガラス基板等の正方形状または長方形状の基板、または自重により撓み易い金属薄板よりなる板状の被搬送物品を移送、運搬し、積み重ね可能にトレイ内において支持するものであり、厚さが極めて薄く、トレイの薄形化に寄与し、多段の積み重ねが可能となり、製品の輸送効率化をはかるものである。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置の表示パネルは、通常、相互に対向して配置される一対のディスプレイ用のガラス基板の間に液晶を封入することにより形成されている。このような表示パネルを工場にて製造する場合には、ディスプレイ用のガラス基板が、表示パネルの製造工場に輸送される。ガラス基板は、液晶表示装置の表示パネルに限らず、各種表示装置の表示パネルの製造にも使用されている。
【0003】
また、表示パネルとするために、ガラス基板の表面に電極等が形成られた状態の表示パネルの半製品がある。
【0004】
近時、各種の表示パネルには、厚さが0.7mm以下のガラス基板が使用されるようになっている。また、表示パネルの大型化にともなって、製造工場に搬入されるガラス基板も大型化しており、一辺が1.3m以上の長方形状のガラス基板も工場に搬入されるようになっている。
【0005】
このように大きな面積で薄いガラス基板は撓み易いために、その輸送には、衝撃を和らげるための工夫から適当な間隔をあけた状態で収納する方法があるが、輸送時に各ガラス基板が撓んで隣接するガラス基板同士が接触して破損するおそれがある。
【0006】
このような要請に応える方法として、例えば従来透明導電膜付ガラス基板の梱包スペーサとして、ポリフッ化エチレン系樹脂、ポリプロピレン樹脂、ナイロン樹脂等の合成樹脂により枠状に形成され、1つのガラス基板の透明導電膜表面の周縁及びそのガラス基板に隣接して積み重ねられるもう1つガラス基盤の裏面の周縁にそれぞれに沿って接触することで複数枚のガラス基板を積み重ねて支持するという透明導電膜付ガラス基板の緩衝材としての梱包スペーサがあった(特許文献1参照)。
【0007】
ところで、複数枚のガラス基板を積み重ねることにより一度に移送、運搬を行うのには、ガラス基板相互間に適当な間隔をあける必要があり、総嵩量が増大するために、例えば製造ラインにおいて複数枚のガラス基板を積み重ね、一度に移送、運搬を行うために所定の大きさ、高さの輸送空間領域を想定すると、一度に移送、運搬することができるガラス基板の運搬枚数は上記従来の透明導電膜付ガラス基板の梱包スペーサを用いた移送、運搬方法を例えば採用した場合には、前記輸送空間領域に制約を受け、減少する。その結果、ガラス基板の移送、保管に際して、輸送空間領域が占有するスペースに対するガラス基板の枚数が低下し、スペース効率は低くなるという問題があった。
【0008】
さらに、一辺の長さが1.3m以上の大きな面積のガラス基板は、1枚当たりの重量が5kg程度と重く、ガラス基板が、20枚以上になると、作業員1人の人力により運搬、移送することが出来ないという問題がある。
【0009】
このように、上記問題を解決するために、従来、例えば1枚のガラス基板を収納する板材搬送用トレイが提案されている。この板材搬送用トレイには、被搬送物品としてのガラス基板の周囲を囲むように、前後左右の周囲を囲むフレーム枠と、このフレーム枠の下面に設けられる底板とから、略皿状に形成されるものがあった。
【特許文献1】実開平3−29474号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載の上記従来の透明導電膜付ガラス基板の梱包スペーサは、合成樹脂により枠状に形成されるものであり、例えば緩衝部材としてこの梱包スペーサを上記トレイの底板上に設置させ、その上に薄くて大きな面積の1枚のガラス基板を載置することにより運搬する場合に、1個のトレイについてのフレーム枠の高さは、梱包スペーサの厚さにガラス基板の厚さと、ガラス基板の撓みを勘案したクリアランスとを合算した高さが必要となるので、かなりの高さになっていた。また、上記従来の透明導電膜付ガラス基板の梱包スペーサを用い、トレイを積み重ねることにより、ガラス基板を運搬する場合には、緩衝材としての梱包スペーサの厚さ分、トレイを積み重ねた時の上下のクリアランスを減少してしまうため、トレイ自体のフレーム枠の高さが必然的に高くする必要がある。従って、特許文献1に記載の上記従来の透明導電膜付ガラス基板の梱包スペーサは、トレイによりガラス基板を運搬する場合に、トレイのフレーム枠の高さ増加と、このような高さ増加に伴う重量増加の点で、製品輸送効率を上げるためのトレイの積み重ね枚数の増加の点に限界があった。
【0011】
しかも、トレイ上に設置される緩衝部材としての梱包スペーサを合成樹脂にて成形するのに、その厚さを薄くするためには、成形法上の限界があるため、緩衝部材をある厚さ以上薄く形成するのは困難であり、ガラス基板を支持する上で、トレイ内のクリアランスが結局、減少されてしまうという欠点があった。
【0012】
本発明は上記従来の問題点を解決し、ガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬物品が載置される緩衝部材自体の厚さを薄くし、そして、トレイによりガラス基板を運搬する場合に、トレイのフレーム枠の高さを低く抑え、軽量にして取り扱い易いとともに、上下に充分なクリアランスが確保され、また、トレイを積み重ねて被搬送物品を搬送する場合に、積み重ね枚数を増加して製品の輸送効率が向上し、さらには構造簡単にして量産可能であり、製作および組み付けが簡単に行え、製造コストが安価な板材搬送用トレイの緩衝部材、およびその緩衝部材が取付けられた板材搬送用トレイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の請求項1に記載の発明は、ガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬送物品を移送、運搬する板材搬送用トレイに用いられる合成樹脂発泡体またはエストラマーで構成される緩衝部材において、
前記緩衝部材が、平面視横長の板状体で構成される本体部と、前記本体部の幅方向の一方に間隔を開けて突設された1個または複数個の係止部と、前記係止部には厚み方向の上部の左右に突設された円弧状の第1係合部と、前記第1係合部の下部に設けられた前記第1係合部より小径の嵌入部と、前記小径の嵌入部の中央の下部前方に突設された円弧状の第2係合部とが設けられている
ことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記緩衝部材が、前記板材搬送用トレイの平面視長方形または正方形のフレーム枠の内縁に設けられた支持片または前記フレーム枠の対向する二辺間に設けられた桟材の少なくとも何れかの内縁に略板面方向から抜差可能に取付けられていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項3に記載の発明は、請求項2または3において、前記第1係合部と前記第2係合部とが、平面視略90°方向に変位して形成されていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れかにおいて、前記本体部における前記係止部の取付端側には、上部に配置される第3係合部と、下部に配置される第4係合部とが平面視互い違いに複数個が設けられていることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れかにおいて、前記第1係合部より小径の前記嵌入部が略円形状に形成されることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れかにおいて、前記支持片または前記桟材には、前記係止部の前記小径の嵌入部が嵌脱可能になるように切欠部が設けられていることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか1項に記載された緩衝部材が、ガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬送物品を囲むフレーム枠の対向する二辺の内縁に突設される支持片、または前記二辺間に両端部を取付けた桟材の内縁に略板面方向から抜き差し可能に取付けられていることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の請求項8に記載の発明は、前記請求項1〜6の何れか1項に記載された緩衝部材が、ガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬送物品を囲むフレーム枠の対向する二辺の内縁に突設される支持片、および前記二辺間に両端部を取付けた桟材の内縁に略板面方向から抜き差し可能に取付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、ガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬送物品を移送、運搬する板材搬送用トレイに用いられる合成樹脂発泡体またはエストラマーで構成される緩衝部材において、前記緩衝部材が、平面視横長の板状体で構成される本体部と、前記本体部の幅方向の一方に間隔を開けて突設された1個または複数個の係止部と、前記係止部には厚み方向の上部の左右に突設された円弧状の第1係合部と、前記第1係合部の下部に設けられた前記第1係合部より小径の嵌入部と、前記小径の嵌入部の中央の下部前方に突設された円弧状の第2係合部とが設けられているので、ガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬物品が載置される緩衝部材自体の厚さを薄くできる。そのため、トレイによりガラス基板を運搬する場合に、トレイのフレーム枠の高さを低く抑えることができ、軽量にして取り扱い易いとともに、上下に充分なクリアランスが確保される。また、トレイを積み重ねて被搬送物品を搬送する場合に、積み重ね枚数が増加でき、製品の輸送効率が向上される。さらには、緩衝部材自体、構造簡単にして量産可能であり、製作および組み付けが簡単に行え、製造コストが安価になる。
【0022】
また、本発明の請求項2に記載の発明によれば、請求項1において、前記緩衝部材が、前記板材搬送用トレイの平面視長方形または正方形のフレーム枠の内縁に設けられた支持片または前記フレーム枠の対向する二辺間に設けられた桟材の少なくとも何れかの内縁に略板面方向から抜差可能に取付けられているので、ガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬物品が載置される緩衝部材自体の厚さを薄くできる。そのため、トレイによりガラス板を運搬する場合に、トレイのフレーム枠の高さを低く抑えることができ、軽量にして取り扱い易いとともに、上下に充分なクリアランスが確保される。また、トレイを積み重ねて被搬送物品を搬送する場合に、積み重ね枚数が増加でき、製品の輸送効率が向上される。さらには、緩衝部材自体、構造簡単にして量産可能であり、製作および組み付けが簡単に行え、製造コストが安価になる。
【0023】
また、本発明の請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2において、前記第1係合部と前記第2係合部とが、平面視略90°方向に変位して形成されているので、合成樹脂発泡体、またはエストラマーで構成される緩衝部材をフレーム枠の対向する二辺の内縁に突設される支持片、または対向する二辺間に両端部が取付けられた桟材の内縁に略板面方向から抜き差し可能に容易かつ迅速に取付けることができる。そして、緩衝部材は、前述のように、トレイ本体を構成するフレーム枠の対向する二辺の内縁に突設される支持片、または対向する二辺間に両端部が取付けられた桟材の内縁に略板面方向から抜き差し可能に取付けられるので、板状の被搬物品が載置される緩衝部材自体の厚さを薄くすることができる。このように、緩衝部材自体は薄く形成されるので、トレイによりガラス板を運搬する場合に、トレイのフレーム枠の高さは低く抑えられ、軽量にして取り扱い易くなるとともに、トレイ内の上下に充分なクリアランスを確保することができる。また、トレイを積み重ねて被搬送物品を搬送する場合に、積み重ね枚数を増加することができ、製品の輸送効率を向上することができる。さらには、緩衝部材自体、構造簡単にして量産可能であり、製作および組み付けが簡単に行え、製造コストが安価になる。しかも、緩衝部材自体は第1係合部と前記第2係合部とが、平面視略90°方向に変位して形成されているので、トレイの支持片または桟材に緩衝部材を取付後においては平面視略90°方向に変位して形成された第1係合部と、第2係合部とによりトレイの支持片または桟材に対して厚み方向(上下方向)への不用意な抜け出しを防止することができ、緩衝部材は構造堅牢に取付けになる。
【0024】
また、本発明の請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3の何れかにおいて、前記本体部における前記係止部の取付端側には、上部に配置される第3係合部と、下部に配置される第4係合部とが平面視互い違いに複数個が設けられているので、緩衝部材自体をトレイの支持片または桟材に取付後においては本体部における係止部の取付端側に、上部に複数個が設けられた第3係合部と、下部に複数個が設けられた第4係合部とが平面視変位したことにより、緩衝部材はトレイの支持片または桟材に対して厚み方向(上下方向)への不用意な抜け出しを防止することができ、緩衝部材は構造堅牢に取付けになる。
【0025】
また、本発明の請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜3の何れかにおいて、前記第1係合部より小径の嵌入部が略円形状に形成されるので、平面視横長の本体部に1個または複数個の係止部を構造堅牢に突出でき、緩衝部材が、トレイ本体を構成するフレーム枠の対向する二辺の内縁に突設される支持片、または前記対向する前記二辺間に両端部が取付けられた桟材の内縁に略板面方向から抜き差し可能に容易且つ確実に取付けることができる。そして、構造堅牢な係止部を有する緩衝部材を前記支持片、または前記桟材に取付後には厚さが薄い物品載置部にガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬物品を載置でき、トレイによりガラス板を運搬する場合に、トレイのフレーム枠の高さが低く抑えられ、軽量にして取り扱い易いとともに、上下に充分なクリアランスが確保される。また、トレイを積み重ねて被搬送物品を搬送する場合に、積み重ね枚数を増加することができ、製品の輸送効率が向上される。さらには緩衝部材自体、構造簡単にして量産可能であり、製作および組み付けが簡単に行え、製造コストが安価になる。
【0026】
また、本発明の請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜5の何れかにおいて、前記支持片または前記桟材には、前記係止部の前記小径の嵌入部が嵌脱可能になるように切欠部が設けられているので、緩衝部材が、トレイ本体を構成するフレーム枠の対向する二辺の内縁に突設される支持片、または前記対向する前記二辺間に両端部が取付けられた桟材の内縁に略板面方向から抜き差し可能に容易且つ確実に取付けることができる。そして、緩衝部材は前記支持片、または前記桟材に取付後には、前記係止部の前記小径の嵌入部が前記支持片、または前記桟材に対応して設けられた切欠部内に嵌合されるので、緩衝部材は前記支持片、または前記桟材に対して板面方向にずれ動いて不用意な抜け出しがなく、構造堅牢に取付けることができる。こうして、構造堅牢な係止部を有する緩衝部材を前記支持片、または前記桟材に取付後には厚さが薄い物品載置部にガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬物品を載置し、トレイによりガラス基板を運搬する場合に、トレイのフレーム枠の高さが低く抑えられ、軽量にして取り扱い易いとともに、上下に充分なクリアランスが確保される。また、トレイを積み重ねて被搬送物品を搬送する場合に、積み重ね枚数を増加することができ、製品の輸送効率が向上される。さらには、緩衝部材自体、構造簡単にして量産可能であり、製作および組み付けが簡単に行え、製造コストが安価になる。
【0027】
また、本発明の請求項7に記載の発明によれば、前記請求項1〜6の何れか1項に記載された緩衝部材が、ガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬送物品を囲むフレーム枠の対向する二辺の内縁に突設される支持片、または前記二辺間に両端部を取付けた桟材の内縁に略板面方向から抜き差し可能に取付けられているので、ガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬物品が載置される緩衝部材自体の厚さを薄くできる。そのため、トレイによりガラス基板を運搬する場合に、トレイのフレーム枠の高さを低く抑えることができ、軽量にして取り扱い易いとともに、上下に充分なクリアランスが確保される。また、トレイを積み重ねて被搬送物品を搬送する場合に、積み重ね枚数が増加でき、製品の輸送効率が向上される。さらには、緩衝部材自体、構造簡単にして量産可能であり、製作および組み付けが簡単に行え、製造コストが安価になる。
【0028】
また、本発明の請求項8に記載の発明によれば、前記請求項1〜6の何れか1項に記載された緩衝部材が、ガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬送物品を囲むフレーム枠の対向する二辺の内縁に突設される支持片、および前記二辺間に両端部を取付けた桟材の内縁に略板面方向から抜き差し可能に取付けられているので、ガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬物品が載置される緩衝部材自体の厚さを薄くできる。そのため、トレイによりガラス基板を運搬する場合に、トレイのフレーム枠の高さを低く抑えることができ、軽量にして取り扱い易いとともに、上下に充分なクリアランスが確保される。また、トレイを積み重ねて被搬送物品を搬送する場合に、積み重ね枚数が増加でき、製品の輸送効率が向上される。さらには、緩衝部材自体、構造簡単にして量産可能であり、製作および組み付けが簡単に行え、製造コストが安価になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図面に従って本発明の実施の最良の形態により、本発明の詳細を説明する。
【0030】
<実施形態1>
図1は本発明の板材搬送用トレイの緩衝部材の実施形態1を示し、取付け状態の一例の平面図、図2は図1のA−A拡大断面図、図3は同じく拡大分解斜視図、図4は同じく桟材に緩衝部材を取付ける状態を部分的に示す拡大平面図、図5は同じく本実施形態1を構成する緩衝部材の取付け状態を示す拡大断面図、図6は本実施形態1を構成する緩衝部材の一例を示す拡大平面図、図7は同じく緩衝部材の拡大正面図、図8は同じく緩衝部材の拡大下面図、図9は図6のB−B拡大断面図、図10は図6のC−C拡大断面図、図11は図6のD−D拡大断面図、図12は図6のE−E拡大断面図、図13は本実施形態1を構成する桟材を示す拡大平面図、図14同じく桟材を示す拡大正面図、図15同じく桟材の一部を示す拡大正面図、図16同じく図13のF−F拡大断面図である。
【0031】
本発明の実施形態1は、ガラス板2または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬送物品Gを移送、運搬する板材搬送用トレイに用いられる合成樹脂発泡体またはエストラマーで構成される緩衝部材において、前記緩衝部材1が、平面視横長の板状体で構成される本体部3と、前記本体部3の幅方向Wの一方に間隔を開けて突設された複数個、図1、図2、図3においては3個の係止部4と、前記係止部4には厚み方向Zの上部の左右に突設された円弧状の第1係合部5と、前記第1係合部5の下部に設けられた前記第1係合部5より小径の嵌入部6と、前記小径の嵌入部6の中央の下部前方に突設された円弧状の第2係合部7とが設けられている。3Aは本体部3の上面に設けられる薄肉の物品載置部である。
【0032】
そして、前記緩衝部材1が、トレイ本体8を構成するフレーム枠9の対向する二辺10A,10C;10B,10Dの内縁に突設される支持片11A,11B;11A,11B、または前記対向する前記二辺10B,10D間に両端部が取付けられた5枚の桟材12,12,12,12,12の内縁に略板面方向Y1,Y2から抜き差し可能に取付けられる。
【0033】
前記緩衝部材1は、本実施形態1では、図3,図4,図6,図8に示すように平面視略90°方向に変位して形成されているが、これは代表的な例示であり、第1係合部5と第2係合部7との設置方向はこれに限ることなく平面視90°以内ならばその増減変更は自由に選択できる。このように、第1係合部5と第2係合部7とを、平面視略90°方向に変位して形成したのは、緩衝部材1をフレーム枠9の対向する二辺10A,10C;10B,10Dの内縁に突設される支持片11A,11B;11A,11B、または前記対向する前記二辺10B,10D間に両端部が取付けられた桟材12,12,12,12,12の内縁に取付後において、緩衝部材1が厚み方向Z、すなわち、上下方向に不用意に抜け出すのを防止するためである。桟材12の両端部を前記フレーム枠9の二辺10B,10D間に取付けるのには、図には示さないが例えば溶接、または接続金具を用いてねじ止めしてもよいし、図には示さないが、二辺10B,10Dを構成する枠材の厚み方向Zに長手方向にわたって設けられた溝内に桟材12の両端部を差し込むようにしてもよい。
【0034】
前記本体部3における幅方向Wの一方の取付端13側には、上部に配置される第3係合部14と、下部に配置される第4係合部15とが互い違いに複数個が設けられている。このように、第3係合部14と第4係合部15とを、互い違いに形成したのは、緩衝部材1をフレーム枠9の対向する二辺10A,10C;10B,10Dの内縁に突設される支持片11A,11B;11A,11B、または前記対向する前記二辺10B,10D間に両端部が取付けられた桟材12,12,12,12,12の内縁に取付後において、緩衝部材1が前記第1係合部5と第2係合部7と協働して厚み方向Z、すなわち、上下方向に不用意に抜け出すのを防止するためである。
【0035】
前記第1係合部5,5よりも小径の前記嵌入部6が略円形状に形成される。このように前記嵌入部6を略円形状に形成したのは、前記係止部4を構造堅牢に形成するとともに、後記切欠部16に対する嵌入部6の嵌脱操作を円滑に容易かつ確実に行うためである。
【0036】
また、前記支持片11A,11B;11A,11Bまたは前記桟材12の左右の側端部には前記係止部4の前記嵌入部6が嵌脱可能になる略円形状の切欠部16が設けられている。このように、小径の嵌入部6が切欠部16内に嵌合されることにより、緩衝部材1が、トレイ本体8を構成するフレーム枠9の対向する二辺10A,10C;10B,10Dの内縁に突設される支持片11A,11B;11A,11B、または前記対向する前記二辺10B,10D間に両端部が取付けられた桟材12,12,12,12,12の内縁に略板面方向Y1,Y2から抜き差し可能に容易且つ確実に取付けることができるとともに、緩衝部材1の取付後に緩衝部材1が前記支持片11A、11B;11A,11B、または前記桟材12,12,12,12,12に対して板面方向Y1,Y2に不用意にずれ動くことなく、構造堅牢に取付けるようにするためである。
【0037】
前記フレーム枠9は、例えばアルミニウムのような中空の軽量金属または合成樹脂により平面視において上下左右の四辺10A,10B,10C,10Dが組付けられることにより、枠状に形成され、例えば図1に示すように長方形、または図には示さないが正方形に形成される。
【0038】
本発明の板材搬送用トレイの緩衝部材の実施形態1は以上の構成からなり、合成樹脂発泡体、またはエストラマーにより形成された緩衝部材1をフレーム枠9に取付けるのには、トレイ本体8を構成するフレーム枠9の対向する二辺10A,10C;10B,10Dの内縁に突設される支持片11A,11B;11A,11Bまたは前記対向する前記二辺10B,10D間に両端部が取付けられた桟材12,12,12,12,12の内縁に略板面方向Y1,Y2から抜き差し可能に差し込むことにより取付けられる。
【0039】
この際、緩衝部材1は、合成樹脂発泡体、またはエストラマーにより平面視横長にして本実施形態1では図3,図4,図6,図8に示すように上面には薄肉の被物品載置部3Aを有する本体部3と、前記本体部3に間隔を開けては複数個、本実施形態1では3個が突設された係止部4と、前記係止部4には厚み方向Zの上部の左右に突設された第1係合部5と、前記第1係合部5の下部に設けられた前記第1係合部5よりも小径の嵌入部6と、前記小径の嵌入部6の下部前方に突設された第2係合部7とにより形成されているので、緩衝部材1はフレーム枠9に対して斜め上方から略板面方向Yへ差し込めば、横長の本体部3における幅方向Wの一方の取付端13側に突設した複数個、本実施形態1では3個の係止部4,4,4の略円形状をなす小径の嵌入部6,6,6が、フレーム枠9の対向する二辺10A,10C;10B,10Dの内縁に突設される支持片11A,11B;11A,11Bに対応して設けられている切欠部16、および前記対向する前記二辺10B,10D間に、その両端部が取付けられた桟材12,12,12,12,12の内縁に対応して設けられている切欠部16内に嵌合されることにより、緩衝部材1はフレーム枠9の対向する二辺10A,10C;10B,10Dの内縁に突設される支持片11A,11B;11A,11Bおよび前記二辺10B,10D間に両端部が取付けられた桟材12,12,12,12,12の内縁に容易かつ確実に取付けられる(図1参照)。
【0040】
このようにして、緩衝部材1はフレーム枠9の対向する二辺10A,10C;10B,10Dの内縁に突設される支持片11A,11B;11A,11Bおよび前記二辺10B,10D間に両端部が取付けられた桟材12,12,12,12,12の内縁に取付けられるが、前述のように、係止部4,4,4の小径の嵌入部6,6,6の上面には厚さが薄い被物品載置部3Aが緩衝部材1の本体部3に連設されて支持片11A,11B;11A,11Bおよび桟材12,12,12,12,12から上方に突出された状態で取付けられる。そして、緩衝部材1全体は成形法の限界までその厚さを薄く形成する必要はなく、本体部3に連設される係止部4の上方部に設置される被物品載置部3Aの厚さtを薄く形成すれば良いので、この薄い厚さtの被物品載置部3Aの上面にガラス板2または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬物品Gは載置される。
【0041】
このように、ガラス板2または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬物品Gが実際に載置される被物品載置部3Aの厚さtが薄くなるように、緩衝部材1自体がフレーム枠9に組付けられて緩衝部材1により緩衝されて支持されるので、梱包スペーサの厚さにガラス基板の厚さと、ガラス基板の撓みを勘案したクリアランスとを合算した高さを必要とし、トレイのフレーム枠の高さがかなりの高さの特許文献1に記載の発明とは異なり、板材搬送用トレイTによりガラス板2を運搬する場合に、板材搬送用トレイTのフレーム枠9の高さHを低く抑えることができる。従って、ガラス板2を収納している板材搬送用トレイTは、軽量にして人力によっても取り扱い易いものになるとともに、板材搬送用トレイTの上下に充分なクリアランスK1,K2が確保され、面積が大きく撓み易いガラス板2を被搬送物品Gとしてもガラス板2が板材搬送用トレイTに衝突して干渉されたり、衝撃を受けて破損したり、カケを生ずることなく、安全かつ迅速に移送、運搬することができる。このため、従来よりも一層、厚さが薄いガラス板2を搬送することができる。
【0042】
また、前述のように、板状の被搬物品Gが実際に載置される被物品載置部3Aの厚さtが薄い緩衝部材1自体がフレーム枠9に組付けられるので、板材搬送用トレイTのフレーム枠9は、トレイを積み重ねた時の上下のクリアランスK1,K2を減少させずに、充分に確保した状態で、その高さHを低く形成でき、板材搬送用トレイTを積み重ねて被搬送物品Gを搬送する場合に、板材搬送用トレイTの積み重ね枚数は増加され、製品の輸送効率が向上される。
【0043】
また、前述のように、前記支持片11A,11B;11A,11B、または前記桟材12には切欠部16が設けられ、この切欠部16内には前記係止部4の前記小径の嵌入部6が嵌合されているので、緩衝部材1はフレーム枠9の前記支持片11A,11B;11A,11B、または前記桟材12,12,12,12,12に対して板面方向Y1,Y2に不用意にずれ動くことなく、構造堅牢に取付けられる。
【0044】
しかも、緩衝部材1が、第1係合部5と第2係合部7とが、小径の嵌入部6を介して上下に突設され、この第1係合部5と第2係合部7とが、図3,図4,図6,図8に示すように平面視略90°方向に変位して形成されているので、この第1係合部5と第2係合部7とが切欠部16の上面および下面の外縁部に係止することにより緩衝部材1はフレーム枠9の前記支持片11A,11B;11A,11B、または前記桟材12,12,12,12,12に対して厚み方向Z(上下方向)に不用意に抜け出すことなく、構造堅牢に取付けられる。
【0045】
また、緩衝部材1は、前記本体部3における幅方向Wの一方の前記係止部4の取付端13側には、上部に配置される第3係合部14と、下部に配置される第4係合部15とが互い違いに複数個が設けられているので、緩衝部材1を板材搬送用トレイTの支持片11A,11B;11A,11Bまたは桟材12,12,12,12,12に取付後においては、第1係合部5と第2係合部7とが協働して第3係合部14と、第4係合部15とが板材搬送用トレイTの支持片11A,11B;11A,11B、または前記桟材12,12,12,12,12の上面および下面の外縁部に係止することにより厚み方向Z(上下方向)への不用意な抜け出しを防止することができ、構造堅牢に取付けが行える。
【0046】
さらには本実施形態1の緩衝部材は、構造簡単にして量産可能であり、製作および組み付けが簡単に行え、製造コストが安価になる。
【0047】
<実施形態2>
図17および図18に示すものは本発明の板材搬送用トレイの緩衝部材の実施形態2であり、緩衝部材の取付け状態の一例を示す平面図である。そして、上記実施形態1では、板材搬送用トレイTのフレーム枠9を構成する対向する支持片11A,11B;11A,11B、および前記桟材12,12,12,12,12対して緩衝部材1を取付ける場合を代表的に説明しているが、この実施形態2では緩衝部材1は板材搬送用トレイTのフレーム枠9の対向する支持片11A,11B;11A,11Bに取付けられている点が前記実施形態1とは異なる構成であるほかは前記実施形態1と同様の構成、作用である。
【0048】
<実施形態3>
さらに、図19に示すものは本発明の板材搬送用トレイの緩衝部材の実施形態3を示し、緩衝部材の取付け状態の一例を示す平面図である。そして、この実施形態3では緩衝部材1は、板材搬送用トレイTのフレーム枠9を構成する対向する二辺10B,10Dに両端を取付けている桟材12,12,12,12の左右の側端部に取付けられている。なお、1′は前記板材搬送用トレイTのフレーム枠9を構成する四辺10A,10B,10C,10Dの内縁に取付けられる板状の他の緩衝部材であり、この緩衝部材1′は前記緩衝部材1と同高さに設定される点が前記実施形態1、および実施形態2とは異なる構成であるほかは前記実施形態1、および実施形態2と同様の構成、作用である。また、緩衝部材1のフレーム枠9に対する固着手段は上記説明は代表的な例示であり、限定されるものではない。
【0049】
さらに、上記説明では、緩衝部材1の本体部3に3個の係止部4を突出しているが、この係止部4の大きさ、設置個数の増減変更は自由に行える。また小径の嵌入部6は、略円形状に形成される場合を代表的に説明しているが、これは代表的例示であり、これに限ることなく、要は係止部4を構造堅牢に形成するとともに、緩衝部材1の切欠部16に対する嵌脱操作を円滑に容易かつ確実に行うものであれば如何なる形状であってもよい。また、緩衝部材1の長さの増減変更も自由に設定できる。さらに、上記説明1では、第1係合部5と第2係合部7との設置方向は、平面視略90°方向に変位して形成させた場合を代表的に説明しているが、これは代表的な例示であり、第1係合部5と第2係合部7との設置角度はこれに限ることなく平面視90°以内ならばその設置角度の変更は自由に選択できる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明はガラス板、例えば液晶表示装置の表示パネルを形成するために使用されるディスプレイ用のガラス基板等の正方形状または長方形状の基板、自重により撓み易い金属薄板よりなる板状の被搬送物品を移送、運搬し、積み重ね可能にトレイ内にて支持し、厚みが薄く、トレイの薄形化に寄与し、多段の積み重ねが可能となり、製品の輸送効率化をはかる用途・機能に適する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は本発明の板材搬送用トレイの緩衝部材の実施形態1を示し、取付け状態の一例の平面図である。
【図2】図2は同じく図1のA−A拡大断面図である。
【図3】図3は同じく拡大分解斜視図である。
【図4】図4は同じく桟材に緩衝部材を取付ける状態を部分的に示す拡大平面図である。
【図5】図5は同じく本実施形態1を構成する緩衝部材の取付け状態を示す拡大断面図である。
【図6】図6は本実施形態1を構成する緩衝部材の一例を示す拡大平面図である。
【図7】図7は同じく緩衝部材の拡大正面図である。
【図8】図8は同じく緩衝部材の拡大下面図である。
【図9】図9は図6のB−B拡大断面図である。
【図10】図10は図6のC−C拡大断面図である。
【図11】図11は図6のD−D拡大断面図である。
【図12】図12は図6のE−E拡大断面図である。
【図13】図13は本実施形態1を構成する桟材を示す拡大平面図である。
【図14】図14同じく桟材を示す拡大正面図である。
【図15】図15同じく桟材の一部を示す拡大正面図である。
【図16】図16同じく図13のF−F拡大断面図である。
【図17】図17は本発明の板材搬送用トレイの緩衝部材の実施形態2を示し、取付け状態の一例の平面図である。
【図18】図18同じく図17のG1−G1拡大断面図である。
【図19】図19は本発明の板材搬送用トレイの緩衝部材の実施形態3を示し、取付け状態の一例の平面図である。
【符号の説明】
【0052】
1 緩衝部材
2 ガラス板
3 本体部
3A 被物品載置部
4 係止部
5 第1係合部
6 小径の嵌入部
7 第2係合部
8 トレイ本体
9 フレーム枠
10A 辺
10B 辺
10C 辺
10E 辺
11A 支持片
11B 支持片
12 桟材
13 取付端
14 第3係合部
15 第4係合部
G 被搬送物品
T 板材搬送用トレイ
K1 クリアランス
K2 クリアランス
Y1 板面方向
Y2 板面方向
t 厚さ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬送物品を移送、運搬する板材搬送用トレイに用いられる合成樹脂発泡体またはエストラマーで構成される緩衝部材において、
前記緩衝部材が、平面視横長の板状体で構成される本体部と、前記本体部の幅方向の一方に間隔を開けて突設された1個または複数個の係止部と、前記係止部には厚み方向の上部の左右に突設された円弧状の第1係合部と、前記第1係合部の下部に設けられた前記第1係合部より小径の嵌入部と、前記小径の嵌入部の中央の下部前方に突設された円弧状の第2係合部とが設けられている
ことを特徴とする板材搬送用トレイの緩衝部材。
【請求項2】
前記緩衝部材が、前記板材搬送用トレイの平面視長方形または正方形のフレーム枠の内縁に設けられた支持片または前記フレーム枠の対向する二辺間に設けられた桟材の少なくとも何れかの内縁に略板面方向から抜差可能に取付けられていることを特徴とする請求項1項に記載の板材搬送用トレイの緩衝部材。
【請求項3】
前記第1係合部と前記第2係合部とが、平面視略90°方向に変位して形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の板材搬送用トレイの緩衝部材。
【請求項4】
前記本体部における幅方向の一方の取付端側には、上部に配置される第3係合部と、下部に配置される第4係合部とが平面視互い違いに複数個が設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1の請求項に記載の板材搬送用トレイの緩衝部材。
【請求項5】
前記第1係合部より小径の前記嵌入部が、略円形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1の請求項に記載の板材搬送用トレイの緩衝部材。
【請求項6】
前記支持片または前記桟材には、前記係止部の前記小径の嵌入部が嵌脱可能になるように切欠部が適合形状に対応して設けられていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1の請求項に記載の板材搬送用トレイの緩衝部材。
【請求項7】
前記請求項1〜6の何れか1の請求項に記載された緩衝部材が、ガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬送物品を囲むフレーム枠の対向する二辺の内縁に突設される支持片、または前記二辺間に両端部を取付けた桟材の内縁に略板面方向から抜き差し可能に取付けられていることを特徴とする板材搬送用トレイ。
【請求項8】
前記請求項1〜6の何れか1の請求項に記載された緩衝部材が、ガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬送物品を囲むフレーム枠の対向する二辺の内縁に突設される支持片、および前記二辺間に両端部を取付けた桟材の内縁に略板面方向から抜き差し可能に取付けられていることを特徴とする板材搬送用トレイ。
【請求項1】
ガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬送物品を移送、運搬する板材搬送用トレイに用いられる合成樹脂発泡体またはエストラマーで構成される緩衝部材において、
前記緩衝部材が、平面視横長の板状体で構成される本体部と、前記本体部の幅方向の一方に間隔を開けて突設された1個または複数個の係止部と、前記係止部には厚み方向の上部の左右に突設された円弧状の第1係合部と、前記第1係合部の下部に設けられた前記第1係合部より小径の嵌入部と、前記小径の嵌入部の中央の下部前方に突設された円弧状の第2係合部とが設けられている
ことを特徴とする板材搬送用トレイの緩衝部材。
【請求項2】
前記緩衝部材が、前記板材搬送用トレイの平面視長方形または正方形のフレーム枠の内縁に設けられた支持片または前記フレーム枠の対向する二辺間に設けられた桟材の少なくとも何れかの内縁に略板面方向から抜差可能に取付けられていることを特徴とする請求項1項に記載の板材搬送用トレイの緩衝部材。
【請求項3】
前記第1係合部と前記第2係合部とが、平面視略90°方向に変位して形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の板材搬送用トレイの緩衝部材。
【請求項4】
前記本体部における幅方向の一方の取付端側には、上部に配置される第3係合部と、下部に配置される第4係合部とが平面視互い違いに複数個が設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1の請求項に記載の板材搬送用トレイの緩衝部材。
【請求項5】
前記第1係合部より小径の前記嵌入部が、略円形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1の請求項に記載の板材搬送用トレイの緩衝部材。
【請求項6】
前記支持片または前記桟材には、前記係止部の前記小径の嵌入部が嵌脱可能になるように切欠部が適合形状に対応して設けられていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1の請求項に記載の板材搬送用トレイの緩衝部材。
【請求項7】
前記請求項1〜6の何れか1の請求項に記載された緩衝部材が、ガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬送物品を囲むフレーム枠の対向する二辺の内縁に突設される支持片、または前記二辺間に両端部を取付けた桟材の内縁に略板面方向から抜き差し可能に取付けられていることを特徴とする板材搬送用トレイ。
【請求項8】
前記請求項1〜6の何れか1の請求項に記載された緩衝部材が、ガラス板または自重により撓みの大きい金属板よりなる板状の被搬送物品を囲むフレーム枠の対向する二辺の内縁に突設される支持片、および前記二辺間に両端部を取付けた桟材の内縁に略板面方向から抜き差し可能に取付けられていることを特徴とする板材搬送用トレイ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−120691(P2010−120691A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−298317(P2008−298317)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【出願人】(596026578)サイデック株式会社 (15)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【出願人】(596026578)サイデック株式会社 (15)
【Fターム(参考)】
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