説明

板状の物品のためのチューブ状袋包装

板状の物品(14)のためのチューブ状袋包装(10)は、シート状の包装材料(12)からなり、包装前面(16)と、長手方向シールシーム(20)を有する包装背面(18)と、長手方向シールシーム(20)に対して横方向に互いに間隔を置いて配置される2つの横方向シールシーム(22,24)と、包装を開放するための裂開補助手段としての、包装前面(16)に長手方向シールシーム(20)に対して平行に延びる線状又はストリップ状の少なくとも1つの分離領域とを有している。包装材料(12)は、分離領域において長手方向シールシーム(20)に対して平行に切断され、オーバラップするように配置され、かつ少なくとも1つの分離可能な長手方向シーム(26)を形成するようにオーバラップ領域において解離可能に結合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、板状の物品、特に板チョコレートのためのチューブ状袋包装であって、シート状の包装材料からなり、包装前面と、長手方向シールシームを有する包装背面と、長手方向シールシームに対して横方向に互いに間隔を置いて配置される2つの横方向シールシームと、包装を開放するための開放補助手段としての、包装前面に長手方向シールシームに対して平行に延びる線状又はストリップ状の少なくとも1つの分離領域とを備えるチューブ状袋包装に関する。本発明の範囲内には、チューブ状袋包装を続いて製造するための包装材の製造のために適した方法も含まれる。
【0002】
従来技術
ドイツ連邦共和国特許出願公開第2458462号明細書において、リブにおいて割ることができる板チョコレートのためのチューブ状袋包装が公知である。包装下面には、板チョコレートの第1の目標破断箇所に沿って、長手方向シールシームが配置されている。長手方向シールシームの破断は、目標破断箇所に沿って板チョコレートを割ることにより行われる。長手方向シールシームを分離するため、ひいては包装を開放するために必要なシールの保持力を超えるために、板チョコレートを割る際のてこ作用が利用される。
【0003】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第2658631号明細書において、包装内で目標破断箇所に沿って割りたい板チョコレートのための包装が公知である。包装下面に配置された閉鎖シームには、閉鎖シームをより容易に分離するために、包装材料の、閉鎖シームを形成する面上に部分的にのみ塗布された常温接着剤が施されている。
【0004】
前述の両包装における欠点は、一般に製品の魅力的でない下面が露わになるという点にある。さらに、長手方向シールシームの裂開は、製品がてことして利用される場合にのみ可能である。このことは、製品を割ることを必要とする。
【0005】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第3115144号明細書において、開放補助手段として長手方向で延びるノッチを備える側方に配置された長手方向シールシームを備える、板チョコレートのためのシート包装が公知である。包装を開放するために、非魅力的な外観の広幅の舌片の形で包装から突出した長手方向シールシームが、残りの包装から、目標破断箇所を形成するノッチに沿って裂開される。
【0006】
国際公開第88/00562号パンフレットにおいて、包装背面に長手方向シールシームを備える板チョコレートのためのチューブ状袋包装が公知である。包装前面には、対向する縁部領域に、長手方向シールシームに対して平行に延びる側方のシールシームが、包装材料に配置されている。線状の目標破断箇所が裂開領域を画成している。横方向シールシームのシールされていない縁部域を介して、包装前面を形成する包装材料は、把持され、包装を開放するために、両目標破断箇所間で板チョコレートの幅にわたって延在するストリップとして、残りの包装から引き離される。包装前面の開放により、魅力的な製品上面が呈され、かつ包装の開放は、容易となる。しかし、この包装の欠点は、両側方のシールシームが3重に折り返されなければならないので、材料消費量が高いことにある。
【0007】
米国特許第2005276525号明細書において、包装シートに加工されオーバラップするようにシールされたラベルの形の再閉鎖システムを備えるチューブ状袋包装が公知である。僅かなオーバラップを有するラベルの取り付けにより、僅かな材料消費量の増大が生じるにすぎない。ラベルは、既にシートに加工してあってもよいし、包装機械で初めて取り付けられてもよい。この包装の欠点は、開放を包装の全面で行うことできず、これにより板状の製品を取り出すことができない点、及び前製造されるラベルのコストが高い点にある。
【0008】
発明の概要
本発明の課題は、従来技術で挙げた欠点を解消した、板状の製品用の包装を提供することである。特に、包装は省材料に製造可能であり、包装前面の全幅にわたる包装の簡単な開放が可能であることが望ましい。
【0009】
本発明の別の課題は、包装を製造するために適した方法を提供することである。
【0010】
この課題を解決するために本発明では、冒頭で述べた形式のチューブ状袋包装、すなわち、板状の物品、特に板チョコレートのためのチューブ状袋包装であって、シート状の包装材料からなり、包装前面と、長手方向シールシームを有する包装背面と、長手方向シールシームに対して横方向に互いに間隔を置いて配置される2つの横方向シールシームと、包装を開放するための裂開補助手段としての、包装前面に長手方向シールシームに対して平行に延びる線状又はストリップ状の少なくとも1つの分離領域とを備えるチューブ状袋包装において、包装材料が、分離領域において長手方向シールシームに対して平行に切断され、オーバラップするように配置され、かつ少なくとも1つの分離可能な長手方向シームを形成するようにオーバラップ領域において解離可能に結合されているようにした。
【0011】
分離可能な長手方向シームは、縁部領域か、又は縁部領域間の略中央を延びていてよい。好ましくは、分離可能な長手方向シームが、裂開舌片を形成するように、包装材料の長手方向自由縁部に対して間隔を置いて配置されている。裂開舌片は、ループ状に切断線を引いたことによりタブ状の把持舌片として形成されていてよい。
【0012】
別の有利なチューブ状袋包装において、包装前面の両縁部領域にそれぞれ1つの分離可能な長手方向シームを備える2つの分離領域が、実質的に包装前面の全幅にわたって延在する、包装から解離可能な開放ラベルを形成するように配置されている。好ましくは、この場合、少なくとも一方の横方向シールシームに、シールされていない縁部域が、裂開舌片を形成するように配置されている。
【0013】
別の有利なチューブ状袋包装において、包装前面の両縁部領域にそれぞれ1つの分離可能な長手方向シームを備える2つの分離領域が、実質的に包装前面の全幅にわたって延在する、包装から部分的に解離可能な開放ラベルを形成するように配置されており、開放ラベルを残りの包装から引き離すために、横方向シールシームのうちの一方の横方向シールシームの領域において、包装材料に、弱化線が横方向シールシームに対して平行に配置されている。
【0014】
本発明に係るチューブ状袋包装を製造するために適した第1の方法は、ストリップ状の包装材ウェブを連続的に包装材料の側方の引き込みにより包装材ウェブの平面から第1の角度で変向させるとともに、間隔を置いて第2の角度で逆向きに、包装材ウェブの平面に対して平行な平面内に変向させ、包装材ウェブを第1の平面内において、第1の包装材ウェブストリップと、第1の包装材ウェブストリップの少なくとも一方側に位置する少なくとも1つの側方の包装材ウェブストリップとを形成するように変向手前で切断し、少なくとも1つの側方の包装材ウェブストリップの、包装材料の2度の変向により生じる変向された部分を第2の平面内に移動させ、これにより、第1の包装材ウェブストリップと、少なくとも1つの側方の包装材ウェブストリップとの狭幅のオーバラップが生じるようにし、かつ包装材ウェブストリップをオーバラップ領域において接着剤又はシール層を介して、分離可能な長手方向シームを形成するように分離可能に結合することを特徴とする。
【0015】
有利な形態では、包装材ウェブを第1の平面内において、中央の包装材ウェブストリップと、中央の包装材ウェブストリップの両側に位置する2つの側方の包装材ウェブストリップとを形成するように変向手前で切断し、かつ側方の包装材ウェブストリップの、包装材料の2度の変向により生じる変向された部分を第2の平面内に移動させ、これにより、中央の包装材ウェブストリップと、側方の包装材ウェブストリップとの狭幅のオーバラップが生じるようにする。
【0016】
本発明に係るチューブ状袋包装を製造するために適した第2の方法は、ストリップ状の包装材ウェブを連続的に包装材料の側方の引き込みにより変向させて、包装材ウェブの平面から垂直に突出する少なくとも1つの折り目を形成し、包装材ウェブを折り目において、第1の包装材ウェブストリップと、第1の包装材ウェブストリップの少なくとも一方側に位置する少なくとも1つの側方の包装材ウェブストリップとを形成するように切断し、折り目の切断により包装材料から生じる、包装材ウェブの平面から突出した折り目の部分を、包装材ウェブの平面内に戻し案内し、これにより、第1の包装材ウェブストリップと、少なくとも1つの側方の包装材ウェブストリップとの狭幅のオーバラップが生じるようにし、かつ包装材ウェブストリップをオーバラップ領域において接着剤又はシール層を介して、分離可能な長手方向シームを形成するように分離可能に結合することを特徴とする。
【0017】
本発明に係る包装により特に生じる利点は、
‐板状の製品のための包装の開放が容易である点、
‐包装を開放する際、製品の魅力的な上面が露出される点。
‐製品が開放時に損傷を受けない点、
‐包装の上面が全面的に形成される点(邪魔なラベルがない点)、
‐材料消費量が開放補助手段なしの包装と比較しても僅かに高いだけである点、
‐複雑な材料構造が不要である点(原材料がモノシートであってもよい点)、
‐「ホットシール」材料にも適している点(例えば「ピールシール」を形成するため)、
‐開放補助手段が、特別に開放機構を備えた高価なシートを使用する必要なしに、連続的にインラインで製造される点、
‐オーバラップシームを形成するためのモジュールが追加された既存の標準チューブ状袋製袋機械が使用可能である点、
‐包装が極めて高い速度で製造可能である点(コールドシール)、
‐二次包装の変更が不要である点、
‐開放舌片あるいは開放機構を探す必要がない点、
‐包装が適当なシール層又は付加的な閉鎖ストリップにより繰り返し再閉鎖可能に構成可能である点、
‐開放舌片が加工可能である点、
‐チューブ状袋製袋機械が簡単な変更により開放補助手段を有する包装又は開放補助手段を有しない包装を製造可能である点、
‐オーバラップシールを製造するためのモジュールを製袋機械に設置する程でもない小さな生産ロットのために、提案される方法の代わりに、同じ包装が、既に加工されたラップシール/加工された開放補助手段を備えるシートロールにより製造可能である点、
にある。
【0018】
本発明の別の利点、特徴及び詳細は、有利な実施の形態の以下の説明から、かつ説明のためだけに役立ち、限定の意図はない図面から看取される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】チューブ状袋包装の第1の実施の形態の概略横断面図である。
【図2】チューブ状袋包装の第2の実施の形態の概略横断面図である。
【図3】付加的な開放舌片を備える図2の実施の形態の概略平面図である。
【図4】チューブ状袋包装の第3の実施の形態の概略横断面図である。
【図5】チューブ状袋包装の第4の実施の形態の概略横断面図である。
【図6】部分的なラベルを備える図5の実施の形態の概略平面図である。
【図7】チューブ状袋包装の第5の実施の形態の概略横断面図である。
【図8】図7の実施の形態の概略縦断面図である。
【図9】チューブ状袋包装を製造するための包装材ウェブを製造する方法の第1の実施の形態を示す概略図である。
【図10】チューブ状袋包装を製造するための包装材ウェブを製造する方法の第2の実施の形態を示す概略図である(ヒートシール)。
【図11】チューブ状袋包装を製造するための包装材ウェブを製造する方法の第3の実施の形態を示す概略図である。
【図12】チューブ状袋包装を製造するための包装材ウェブを製造する方法の第4の実施の形態を示す概略図である。
【図13】チューブ状袋包装を製造するための包装材ウェブを製造する方法の第5の実施の形態を示す概略図である。
【0020】
有利な実施の形態の説明
フレキシブルなシート状の包装材料12からなる図1に示すチューブ状袋包装10あるいはピロータイプ包装は、板状の物品14、例えば板チョコレートを包囲し、包装前面16及び包装背面18を形成している。包装背面18には、技術的な概念「フィンシール」として公知のフィンの形の長手方向シールシーム20が設けられている。長手方向シールシーム20に対して横方向に、チューブ状袋包装は、図3に示すように、両端において各々1つの横方向シールシーム22,24を介して閉鎖されている。包装前面16には、一方の側方の縁部領域に、長手方向シールシーム20に対して平行に、付加的な分離可能な長手方向シーム26が配置されている。包装材料は、この領域において切断され、オーバラップした状態でシールされている。このオーバラップした状態でなされるシールは、技術的な概念「ラップシール」として公知である。分離可能な長手方向シーム26は、包装材料12の長手方向自由縁部30に対して間隔を置いて配置されて、裂開舌片28あるいは開封舌片を形成している。裂開舌片28は、包装10の全長にわたって延在している。その結果、裂開舌片28を引っ張って、分離可能な長手方向シーム26を分離することにより、包装10を裂開すると、包装前面16全体が開放あるいは開封される。
【0021】
図2に示すチューブ状袋包装110は、図1に示した実施の形態とは、裂開舌片28を備える分離可能な長手方向シーム26が包装前面16の略長手方向中央に配置されている点においてのみ異なる。この場合も、裂開舌片28の引っ張りによる分離可能な長手方向シーム26の分離の際に、包装前面16全体にわたる包装の開放が生じる。
【0022】
図3に示すチューブ状袋包装110は、図2に示した実施の形態とは、裂開舌片28が、ループ状に切断線を引いたことによりタブ状の把持舌片29として形成されている点においてのみ異なる。
【0023】
図4に示すチューブ状袋包装210は、図1に示した実施の形態とは、裂開舌片28を備える分離可能な長手方向シーム26がフィンシールとして形成されている点においてのみ異なる。この場合も、裂開舌片28の引っ張りによる分離可能な長手方向シーム26の分離の際に、包装前面16全体にわたる包装の開放が生じる。
【0024】
図5に示すチューブ状袋包装210′は、図4に示した実施の形態とは、包装前面16の両縁部領域にそれぞれ1つの分離可能な長手方向シーム26a,26bを備える2つの分離領域が配置されて、実質的に包装前面16の全幅にわたって延在する、包装から部分的に解離可能な開放ラベル17′を形成している点において異なる。図6から看取可能であるように、両分離可能な長手方向シーム26a,26bを分離しつつ、残りの包装から開放ラベル17′を引き離すために、一方の横方向シールシーム22,24の領域において、包装材料に弱化線25が、横方向シールシーム22に対して平行に配置されている。この弱化線25において、包装は開裂し、部分的な開放ラベル17′を残りの包装から引き離すことができる。
【0025】
チューブ状袋包装310の図7に示す実施の形態では、包装前面16の両縁部領域にそれぞれ1つの分離可能な長手方向シーム26a,26bを備える2つの分離領域が配置されて、実質的に包装前面16の全幅にわたって延在する、包装から解離可能な開放ラベル17を形成している。両分離可能な長手方向シーム26a,26bを分離しつつ、残りの包装から開放ラベル17を引き離すために、一方の横方向シールシーム22,24には、シールされていな縁部領域が配置されて、裂開舌片23を形成している(図8)。
【0026】
図7に示したチューブ状袋包装310を製造するための、2つの付加的な分離可能な長手方向シーム26a,26bを備える包装材料12を連続的に製造する、図9に5つの工程a〜eで示す方法では、平らなフレキシブルな包装材ウェブ112を、図示しない蓄えロールから繰り出し(工程a)、例えば2つのローラ対114a,114bからなる折り曲げ装置において連続的に、包装材料の側方の引き込みによって、第1の角度で第1の平面から変向させるとともに、第1の平面に対して間隔sを置いて第2の角度で逆方向に、第1の平面に対して平行な第2の平面内に変向させる(工程b)。包装材ウェブ112は第1の平面内において、中央の包装材ウェブストリップ112aと、この中央の包装材ストリップ112aの両側に位置する2つの側方の包装材ウェブストリップ112b,112cとを形成するように、変向点の手前で例えば切断ホイール116a,116bにより切断される(工程c)。シート状の包装材料の剛性の結果、上述の平面の、包装材料の2度の変向により生じた間隔sに実質的に等しい、側方の包装材ウェブストリップ112bの変向されていた部分が、第2の平面内へと弾発する。これにより、中央の包装材ウェブストリップ112aと側方の包装材ウェブストリップ112bとの狭幅のオーバラップが生じる(工程d)。オーバラップ領域で包装材ウェブストリップ112a,112bを圧着することにより、包装材ウェブストリップ112a,112bは、片面に被着された常温接着剤ストリップ118a,118bを介して分離可能にシールされて、分離可能な長手方向シーム26a,26bを形成する。常温接着剤ストリップ118a,118bは、既に、ロール製品として存在する包装材ウェブ112上に設けられていてもよいし、場合によっては既に変向された包装材ウェブ112の切断の前に包装材ウェブ112上に被着されてもよい。
【0027】
図7に示したチューブ状袋包装310を製造するための、2つの付加的な分離可能な長手方向シーム26a,26bを備える包装材料12を連続的に製造する、図10に4つの工程a〜dで示す方法は、図9に示した方法とは、シール媒体の塗布の形態についてのみ異なる。シール媒体は、本実施の形態では、既に、全面的なヒートシール層として包装材の片面に設けられている。シールは、加熱可能なシール工具、例えばシールロール対120a,120bの形のシール工具で行われる(工程d)。剥離可能なシールが考慮される。
【0028】
図7に示したチューブ状袋包装310を製造するための、2つの付加的な分離可能な長手方向シーム26a,26bを備える包装材料12を連続的に製造する、図11に5つの工程a〜eで示す方法は、図9に示した方法とは、やはり、シール媒体の塗布の形態についてのみ異なる。シール媒体は、本実施の形態では、切断工程(工程c)の後に、ホットメルトストリップの形態で噴霧塗布される(工程d)。オーバラップ領域での包装材ウェブストリップ112a,112bの圧着により、包装材ウェブストリップ112a,112bは、片面に塗布されたホットメルトストリップ118a,118bを介して分離可能にシールされて、分離可能な長手方向シーム26a,26bを形成する(工程e)。
【0029】
図1に示したチューブ状袋包装10を製造するための、1つの付加的な分離可能な長手方向シーム26aを備える包装材料12を連続的に製造する、図12及び図13に5つの工程a〜eで示す方法は、図11に示した方法とは、ストリップ状の包装材ウェブ112が連続的に包装材料の側方の引き込みにより変向されて、包装材ウェブの平面から垂直に突出した折り目122を形成し(工程b)、包装材ウェブ112が折り目122において、第1の包装材ウェブストリップ112aと、第1の包装材ウェブストリップ112aの片側に位置する側方の包装材ウェブストリップ112bとを形成するように切断される(工程c)点において異なる。折り目122の、折り目122の切断により包装材料から生じる、包装材ウェブの平面から突出していた部分は、包装材ウェブの平面内に戻し案内される。これにより、第1の包装材ウェブストリップ112aと側方の包装材ウェブストリップ112bとの狭幅のオーバラップが生じる。図12に示した方法と図13に示した方法とは、折り目122が形成され切断される包装材ウェブの側が異なるだけである。
【0030】
有利には、シーム、特に長手方向シーム(一シール)が超音波でシール可能である。これにより、一方では、長手方向シームがより狭幅に構成されることにより、材料消費量を減少させることができる。他方では、製品やシートへの入熱が軽減される。これにより、シートが変形する危険は低下する。さらにデザインは、開放のために必要とされない長手方向シームが外観にあまり現れない点において改善される。他のシームも超音波によりシールされてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の物品(14)、特に板チョコレートのためのチューブ状袋包装(10,110,210,310)であって、シート状の包装材料(12)からなり、包装前面(16)と、長手方向シールシーム(20)を有する包装背面(18)と、前記長手方向シールシーム(20)に対して横方向に互いに間隔を置いて配置される2つの横方向シールシーム(22,24)と、包装を開放するための裂開補助手段としての、前記包装前面(16)に前記長手方向シールシーム(20)に対して平行に延びる線状又はストリップ状の少なくとも1つの分離領域とを備えるチューブ状袋包装(10,110,210,310)において、
前記包装材料(12)が、前記分離領域において前記長手方向シールシーム(20)に対して平行に切断され、オーバラップするように配置され、かつ少なくとも1つの分離可能な長手方向シーム(26,26a,26b)を形成するようにオーバラップ領域において解離可能に結合されていることを特徴とする、チューブ状袋包装。
【請求項2】
前記分離可能な長手方向シーム(26)が、裂開舌片(28)を形成するように、前記包装材料(12)の長手方向自由縁部(30)に対して間隔を置いて配置されている、請求項1記載のチューブ状袋包装。
【請求項3】
前記裂開舌片(28)が、ループ状に切断線を引いたことによりタブ状の把持舌片(29)として形成されている、請求項1記載のチューブ状袋包装。
【請求項4】
前記分離可能な長手方向シーム(26)が、縁部領域か、又は前記包装前面(16)の縁部領域間の略中央を延びている、請求項1記載のチューブ状袋包装。
【請求項5】
前記包装前面(16)の両縁部領域にそれぞれ1つの分離可能な長手方向シーム(26a,26b)を備える2つの分離領域が、実質的に前記包装前面(16)の全幅にわたって延在する、前記包装から解離可能な開放ラベル(17)を形成するように配置されている、請求項1記載のチューブ状袋包装。
【請求項6】
少なくとも一方の横方向シールシーム(22)に、シールされていない縁部域が、裂開舌片(23)を形成するように配置されている、請求項5記載のチューブ状袋包装。
【請求項7】
前記包装前面(16)の両縁部領域にそれぞれ1つの分離可能な長手方向シーム(26a,26b)を備える2つの分離領域が、実質的に前記包装前面(16)の全幅にわたって延在する、前記包装から部分的に解離可能な開放ラベル(17′)を形成するように配置されており、該開放ラベル(17′)を残りの包装から引き離すために、前記横方向シールシーム(22,24)のうちの一方の横方向シールシームの領域において、前記包装材料に、弱化線(25)が前記横方向シールシーム(22)に対して平行に配置されている、請求項1記載のチューブ状袋包装。
【請求項8】
請求項1記載のチューブ状袋包装を製造するための包装材ウェブを製造する方法において、
‐ストリップ状の包装材ウェブ(112)を連続的に包装材料の側方の引き込みにより前記包装材ウェブの平面から第1の角度で変向させるとともに、間隔(s)を置いて第2の角度で逆向きに、前記包装材ウェブの平面に対して平行な平面内に変向させ、
‐前記包装材ウェブ(112)を第1の平面内において、第1の包装材ウェブストリップ(112a)と、該第1の包装材ウェブストリップ(112a)の少なくとも一方側に位置する少なくとも1つの側方の包装材ウェブストリップ(112b,112c)とを形成するように変向手前で切断し、
‐前記少なくとも1つの側方の包装材ウェブストリップ(112b,112c)の、前記包装材料の2度の変向により生じる変向された部分を第2の平面内に移動させ、これにより、前記第1の包装材ウェブストリップ(112a)と、前記少なくとも1つの側方の包装材ウェブストリップ(112b,112c)との狭幅のオーバラップが生じるようにし、かつ
‐前記包装材ウェブストリップ(112a,112b,112c)をオーバラップ領域において接着剤又はシール層を介して、分離可能な長手方向シーム(26a,26b)を形成するように分離可能に結合する
ことを特徴とする、チューブ状袋包装を製造するための包装材ウェブを製造する方法。
【請求項9】
‐前記包装材ウェブ(112)を前記第1の平面内において、中央の包装材ウェブストリップ(112a)と、該中央の包装材ウェブストリップ(112a)の両側に位置する2つの側方の包装材ウェブストリップ(112b,112c)とを形成するように変向手前で切断し、かつ
‐前記側方の包装材ウェブストリップ(112b,112c)の、前記包装材料の2度の変向により生じる変向された部分を前記第2の平面内に移動させ、これにより、前記中央の包装材ウェブストリップ(112a)と、前記側方の包装材ウェブストリップ(112b,112c)との狭幅のオーバラップが生じるようにする、請求項8記載の方法。
【請求項10】
請求項1記載のチューブ状袋包装を製造するための包装材ウェブを製造する方法において、
‐ストリップ状の包装材ウェブ(112)を連続的に包装材料の側方の引き込みにより変向させて、前記包装材ウェブの平面から垂直に突出する少なくとも1つの折り目を形成し、
‐前記包装材ウェブ(112)を前記折り目において、第1の包装材ウェブストリップ(112a)と、該第1の包装材ウェブストリップ(112a)の少なくとも一方側に位置する少なくとも1つの側方の包装材ウェブストリップ(112b)とを形成するように切断し、
‐前記折り目の切断により前記包装材料から生じる、前記包装材ウェブの平面から突出した折り目の部分を、前記包装材ウェブの平面内に戻し案内し、これにより、前記第1の包装材ウェブストリップ(112a)と、前記少なくとも1つの側方の包装材ウェブストリップ(112b)との狭幅のオーバラップが生じるようにし、かつ
‐前記包装材ウェブストリップ(112a,112b)をオーバラップ領域において接着剤又はシール層を介して、分離可能な長手方向シーム(26a,26b)を形成するように分離可能に結合する、
ことを特徴とする、チューブ状袋包装を製造するための包装ウェブを製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2012−515689(P2012−515689A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546643(P2011−546643)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際出願番号】PCT/EP2009/066296
【国際公開番号】WO2010/083917
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】