板状体の搬送用容器
【課題】ガラス基板等の板状体を平置き状態で収納する搬送用容器として、振動や落下衝撃等により容器本体の側壁に強い力がかかった場合にも、側壁基部内側での亀裂損傷を防止でき、耐久性に優れたものとする。
【解決手段】上方に開口する平面矩形の容器本体1を有する搬送用容器であり、容器本体1の底部13の上面13aの側壁内面に沿う周縁部に、底部13上に収納される板状体Bの周縁の当接を回避するための凹部15が形成され、凹部15の底面15aの外縁側が側壁14dの外方への弾性変形時の応力集中を回避できるアール曲面で側壁14d内面に連続している。
【解決手段】上方に開口する平面矩形の容器本体1を有する搬送用容器であり、容器本体1の底部13の上面13aの側壁内面に沿う周縁部に、底部13上に収納される板状体Bの周縁の当接を回避するための凹部15が形成され、凹部15の底面15aの外縁側が側壁14dの外方への弾性変形時の応力集中を回避できるアール曲面で側壁14d内面に連続している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、素板ガラス、液晶表示用やプラズマ表示用のガラス基板等の各種のガラス基板やタッチパネル等のパネルその他の板状体を搬送、保管するのに使用する板状体の搬送用容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、素板ガラス、液晶表示用のガラス基板等の各種のガラス基板、あるいは太陽電池パネルやタッチパネル等のパネルその他の衝撃に弱い板状体を収納して搬送するための搬送用容器として、緩衝性を有する合成樹脂発泡体製の容器本体と蓋体とよりなる容器で、容器本体の一方の相対向する側壁内面に等間隔に並設された縦溝に、前記の板状体を1枚ずつ挿入して相互に接触させないように直立状態に支持して収納するようにしたものが一般に使用されていた。
【0003】
近年、液晶テレビやプラズマテレビの大型化の需要の増大から、テレビ用のガラス基板としても、縦横の一方もしくは両方が100cmを超える大型のガラス基板も採用されており、このため、かかるガラス基板を搬送するための運搬用容器も大型化している。
【0004】
しかし、従来の側壁内面の縦溝によりガラス基板を直立状態にして収容する方式では、大型で重くなったガラス基板のために、ガラス基板自体が自重によって曲げ変形したり、ガラス基板の重量が容器本体の底部に集中して負荷されることで、容器底部が圧縮変形し、クッション機能や衝撃緩和機能が損なわれるおそれがあった。
【0005】
かかる問題を生じさせないために、特許文献1〜3に例示するように、容器本体内に、ガラス基板と防護用のシートとを交互に重ねて水平状態で収納し、各ガラス基板を防護用のシートを介して面で受けるようにした搬送用容器も出現している。
【0006】
前記のようにガラス基板等の板状体を水平状態で収納する搬送用容器の場合、収納された板状体は、その周端縁における特に隅角部が、輸送時の振動や衝撃による影響を受け易く、容器本体の底面や側壁内面との接触により損傷が生じるおそれがある。
【0007】
そのため、様々な工夫がなされており、例えば、特許文献1では、ガラス基板の搬送用ボックスにおいて、ボックス本体(容器本体)の側壁内周に、柔軟性のある合成樹脂発泡体からなる当接部材を配しておいて、これにガラス基板の周端縁を当接させることで、周端縁の各辺や隅角部を側壁内面に直接接触させないように保持し、輸送時等におけるガラス基板の面方向の振動に対して衝撃を緩和し保護するようにしている。
【0008】
また、特許文献2の場合、ガラス基板の搬送用ボックスにおいて、収納されるガラス基板の保護のために、収納されるガラス基板の隅角部がボックス本体のコーナー部に接触するのを防止するように、本体の四隅部に切欠空間を形成した上、本体の側壁内面に間隔をおいて凹条溝を形成することにより、ガラス基板の周端縁の各辺が全長に渡って側壁内面に接触することがないようにしており、さらに内底面の四隅部を含む周縁部に凹条溝を形成して、ガラス基板の端辺が内底面に接触するのを防止するようにしている。
【0009】
また、特許文献3の場合も、本体の底面の周縁部に凹溝を形成して板状体の周縁が底面に対し接触させないようにした上、側壁内面に緩衝用の当接部材を配してガラス基板などの板状体の周端縁をこれに当接させることで、板状体の周端縁の各辺や隅角部を側壁内面に直接接触させないようにしている。
【0010】
しかしながら、前記いずれの場合も、運搬や輸送作業での振動や側部からの落下衝撃等による容器本体の変形による亀裂防止については充分満足できるものではない。
【0011】
この点について説明すると、例えば、図16のように、容器本体101の四隅部における側壁内側に切欠部117を形成するとともに、底部113の上面113aの周縁部に前記切欠部117を含んで全周に連続する凹部115を設け、収納される板状体Bの隅角部や周縁の底面との当接を防止するようにしたものにおいて、前記凹部115の底面115aと側壁114内面との境界部が、図のように殆どアール曲面を有さない状態で直角に交差して連続しているものであると、図17のように板状体Bを収納して包装した状態で、側部からの落下等によって収納物である板状体Bの荷重が側壁114に作用し、例えば図18(a)のように該側壁114が外方へ変形しようとしたとき、前記凹部115の底面115aと側壁114内面との境界部116に応力が集中してせん断が生じ、図18(b)のような亀裂Cが入り、繰り返し力が作用すると、破損するおそれがあり、耐久性に問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2007−314236号公報
【特許文献2】特開2008−239210号公報
【特許文献3】特開2009−269610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、前記の問題を解決するためになしたものであり、ガラス基板、太陽電池パネル、タッチパネル等の板状体を平置き状態で収納して搬送するための板状体の搬送用容器として、収納された板状体の周縁部の保護を良好になしうるとともに、運搬や輸送作業での振動や落下衝撃等により容器本体の側壁に強い力がかかり外方への変形が生じた場合にも、側壁基部内側での亀裂損傷を防止でき、耐久性に優れる板状体の搬送用容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決する本発明の板状体の搬送用容器は、上方に開口する収納部が形成された平面矩形の容器本体を有し、前記収納部に、1枚もしくは複数枚の板状体を平置き状態で収納して搬送する搬送用容器であって、容器本体の収納部の底部上面における側壁内面に沿う周縁部に、底部上に収納される板状体の周縁の当接を回避するための凹部が形成され、該凹部の底面の外縁側が側壁変形時の応力集中を回避できるアール曲面で側壁内面に連続していることを特徴とする。
【0015】
本発明の搬送用容器によれば、容器本体に収納されたガラス基板等の板状体は、その周縁部が全周に亘って容器本体の周縁部に有する凹部の位置では底部上面には接触せずに浮いた状態に保持され、運搬や輸送作業等の取り扱い上での振動や落下衝撃によって、容器本体の周縁部が少々撓み変形しても、板状体の周縁が底部上面に接触することがない。
【0016】
そればかりか、運搬や輸送作業の取り扱い上での落下衝撃等によって、例えば収納物である板状体による内部荷重が側壁に作用し、該側壁が外方へ変形しようとしたとき、前記凹部底面と側壁内面とが連続する境界部がアール曲面で連続しているために、この境界部に作用する力が分散され、側壁の外方へ反るような変形を許容でき、該境界部での亀裂発生を防止することができる。
【0017】
前記の搬送用容器は、前記容器本体が、複数枚の板状体を平置き状態にして重ねて収納する一つの収納部を有してなり、該容器本体の外周部における側壁上端部に対して嵌合して被着される蓋体を備えてなるものとすることができる。また、前記容器本体が、1枚又は数枚の板状体を平置き状態で収納する一つの収納部を有してなり、収納部に板状体を収納した状態の容器本体が蓋なしで積み重ね可能であるものとすることができる。
【0018】
いずれの場合も、前記収納部の底部上面における周縁部の凹部が、側壁内面に沿って全周にわたって連続して形成されてなるものが、収納される板状体の周縁の保護の点から好ましい。
【0019】
特に、前記容器本体の収納部の四隅部における側壁内面に、側壁内側面より拡張形成された切欠部が設けられ、該切欠部の底部が前記凹部から連続して拡張形成された拡張凹部として形成され、該拡張凹部の底面の外縁側が前記凹部から連続したアール曲面で側壁内面に連続している場合、板状体の隅角部が側壁内面に当接するのを切欠部により回避できるとともに、該切欠部による拡張凹部の底面と側壁内面との境界部での亀裂の発生も防止できることになる。
【0020】
前記の板状体の搬送用容器において、前記凹部の深さは、容器本体の収納部深さの1/5以上で、底部肉厚の1/2以下であり、また前記凹部底面と側壁内面との境界部のアール曲面の半径が、前記収納部深さの1/5以上であり、前記凹部の深さを超えないように形成されてなるものとするのが好ましい。これにより、前記凹部の深さを従来よりも大きくして、かつ前記連続部のアール曲面の半径も大きく設定することができる。前記アール曲面の半径は前記凹部の深さと同等のものが特に好ましい。
【0021】
また、前記容器本体の収納部の少なくとも一側面の側壁内面が下端から上端に向かって外方へ傾斜したテーパ状をなしているものとするのが好ましく、これにより側壁がさらに外方へ変形し易くなり、応力分散の効果が大きくなるうえ、収納された板状体の水平方向の変位を或る程度許容できることになる。
【0022】
さらに、本発明は、前記容器本体が、縦横の少なくとも一方向に並列して間隔をおいて複数の収納部が形成されてなり、各収納部に板状体を収納した状態の複数の容器本体が、蓋なしで積み重ね可能であるものとすることができる。
【0023】
また、前記容器本体の外周部における側壁上端部と、容器本体の底部下面の周縁部とに、互いに対応した凹凸形状による嵌合手段が設けられ、複数の容器本体の積み重ねの際に嵌合するように設けられてなるものとすることができる。
【0024】
これらの場合も、各収納部に収納された板状体が凹部の位置では底部上面には接触せずに浮いた状態に保持され、振動や落下衝撃等によって容器本体の周縁部が少々撓み変形しても、板状体の周縁が底部上面に接触することがないばかりか、側壁が外方へ変形しようとしたとき、前記凹部底面と側壁内面とが連続する境界部がアール曲面で連続しているために、この境界部に作用する力が分散され、該境界部での亀裂発生を防止することができる。
【0025】
前記の板状体の搬送用容器において、前記凹部の深さが、容器本体の収納部深さの1/5以上で、底部肉厚の1/2以下であり、また前記凹部底面と側壁内面との境界部の前記アール曲面の半径が、前記収納部深さの1/5以上であり、前記凹部の深さを超えないように形成されてなるものとするのが好ましい。
【0026】
前記発明の搬送用容器において、各収納部の一辺部に連続して、前記板状体に連設されたフレキ部を収納するフレキ収納部が形成されてなるものとすることができる。これにより、フレキ部を備える板状体を安定性よく収納することができる。
【発明の効果】
【0027】
上記したように、本発明の板状体の搬送用容器によれば、ガラス基板等の板状体を収納した状態で、該板状体の周縁が底部上面に当接するのを防止できるとともに、輸送、運搬等の取り扱いにおける振動や落下衝撃等によって容器本体の側壁に外方へ変形しようとする力が作用した場合にも、前記凹部底面と側壁内面との境界部に亀裂が発生するのを防止でき、耐久性を向上でき、ひいては容器本体の肉厚を過剰に大きくする必要もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の板状体の搬送用容器の実施例(第1の実施例)を示す容器本体と蓋体の斜視図である。
【図2】容器本体の平面図である。
【図3】容器本体のL1−L1線の断面図である。
【図4】容器本体のL2−L2線の断面図である。
【図5】前図の一部の拡大断面図である。
【図6】板状体を重ねて収納した使用状態の半部の断面図である。
【図7】板状体の収納形態を異にする他の実施例(第2の実施例)を示す平面図である。
【図8】同上の正面図である。
【図9】同上の断面図である。
【図10】板状体の収納形態を異にする本発明のさらに他の実施例(第3の実施例)を示す容器本体の斜視図である。
【図11】同上の容器本体の平面図である。
【図12】同上の容器本体の底面図である。
【図13】同上の容器本体のL3−L3線の断面図である。
【図14】同上の容器本体のL4−L4線の断面図である。
【図15】同上の板状体を収納した使用状態の断面図である。
【図16】従来の搬送用容器の容器本体の平面図である。
【図17】同上の容器の使用状態の一部の断面図である。
【図18】同上の容器の変形状態(a)と亀裂発生状態(b)の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【0030】
図1〜図6は、本発明にかかる板状体の搬送用容器の実施例(第1の実施例)を示している。この実施例の搬送用容器A1は、上方に開口し、収納対象のガラス基板等の板状体Bを、各板状体間にスペーサー用の保護シート(図示せず)を介して重ねた状態で収納できる平面長方形や正方形の平面矩形の容器本体1と、該容器本体1に対して嵌合して被着される蓋体3とからなる。
【0031】
容器本体1に対する蓋体3の被着構造として、前記容器本体1の側壁上端の開口端部には、内側に凸状縁11を残して外側に切欠段部12が形成され、他方、前記蓋体3の周縁部31の下面側には、前記開口端部における凸状縁11の外側の切欠段部12に嵌合し当接する下方向きの嵌合壁部32が垂設されており、この嵌合壁部32による嵌合により、蓋体3を容器本体1に被着した状態に保持できるようになっている。
【0032】
容器本体1は、緩衝性のある合成樹脂発泡体により成形されてなり、底部13より立ち上がった四周の各側壁14a,14b,14c,14dにより収納部10が形成されている。前記収納部10は、保護シートを介して重ねた複数枚の板状体Bを収納できる深さ(収納部深さD1)に形成されている。通常、板状体Bの厚みによっても異なるが、例えば厚み2〜5mmのガラス基板等の板状体Bの場合、10枚以上、好ましくは10〜数10枚程度を収納できるように比較的浅く形成される。
【0033】
前記容器本体1の底部13の上面、すなわち収納部10の底部上面13aの四周の各側壁14a,14b,14c,14dに沿う周縁部には、底部13上に収納される板状体Bの周縁の当接を回避するための凹部15が形成されている。前記凹部15は、側壁14a,14b,14c,14dの内面に沿って全周にわたって連続して形成されているのが望ましいが、板状体Bの周縁部の形態、例えば付属品の付設状態や収納部10の配置状況によっては周方向に断続状に形成したり、所要の辺部を除いて形成しておくこともできる。
【0034】
前記凹部15の深さD2は、通常、前記底部13の上面13aに対して、前記収納部深さD1の1/5以上で、底部13の肉厚の1/2以下、好ましくは少なくとも5mm以上、より好ましくは10〜20mm程度の深さに落とし込まれて形成されている。そして、前記凹部15の底面15aの外縁側が、側壁14a,14b,14c,14dの外方への弾性変形時の応力集中を回避できるアール曲面で側壁内面に連続している。すなわち、側壁内面に連続する外縁側がアール曲面をなしている。16はアール曲面の境界部を示す。
【0035】
また、前記容器本体1の各側壁14a,14b,14c,14dによる収納部10の四隅部には、側壁内面側より拡張形成された上下方向の切欠部17が形成され、該切欠部17の底部が前記凹部15から該凹部15と同深さで連続して拡張形成された拡張凹部18として形成されており、該拡張凹部18の底面18aの外縁側についても、前記凹部15の底面15aと同様に、側壁14a,14b,14c,14dの外方への弾性変形時の応力集中を回避できるアール曲面で側壁内面に連続している。19はアール曲面の境界部を示す。
【0036】
前記凹部15の底面15aと側壁14a,14b,14c,14dの内面との境界部16のアール曲面、及び前記拡張凹部18の底面18aと側壁内面との境界部19のアール曲面の半径Rは、前記凹部15の深さD2が収納部深さD1の1/5以上で、底部13の肉厚の1/2以下である場合において、通常、凹部深さD2と同様に、収納部深さD1の1/5以上、前記凹部15の深さD2より大きくならないように、すなわち、前記半径Rの曲率中心Oが底部13の上面13aより上方に位置させないように設定される。このようにすることにより、所要数枚の板状体Bを重ねて収容する重荷重用の搬送用容器において、前記凹部15の深さを従来よりも大きく設定できて、かつ前記連続部16のアール曲面の半径Rも大きく設定することができる。しかも、板状体Bの載置面となる収納部10の底部上面13aより上で対向する側壁内面間の間隔が狭くなることもなく、従来同様の必要な収納部空間を確保できる。特に好ましくは、前記のアール曲面の半径Rは、前記凹部深さD2と同等(同寸法)とする。これにより凹部底面15a又は拡張凹部18の底面18aから一つのアール曲面で側壁内面に連続することになり、応力分散の効果が大きくなる。
【0037】
なお、四周の側壁14a,14b,14c,14dのうち、前記収納部10の少なくとも一辺部の側壁の内面、例えば相対向する側壁14a,14c又は14b,14dの内面を、図5の鎖線のように、下端から上端に向かって外方へ傾斜したテーパー状等の傾斜面とすることができる。この場合、側壁がさらに外方へ変形し易くなり、応力分散の効果が大きくなる。
【0038】
前記容器本体1の四方の側壁14a,14b,14c,14dのうちの少なくとも一方の相対向する両側壁、例えば図のように各側壁14a,14b,14c,14dの内面には、辺の長さ方向の中央部等の所要の個所に、上下方向の凹溝状をなす板状体Bの収納及び取り出し操作用の切欠凹部20が少なくとも一つ設けられている。前記切欠凹部20は、側壁上端から底部13の凹部15の底面15aに至る深さの凹溝状をなしており、板状体Bの収納及び取り出し操作の際に、該切欠凹部20の部分で挿入して最下層の板状体Bの下に指先を掛けることができるように、あるいは機械的な係止手段を底部13上の部分にまで挿入して最下層の板状体Bの下に係止できるようになっている。
【0039】
前記切欠凹部20の個所においても、前記の凹部底面15aから切欠凹部20の内面への境界部は、前記同様のアール曲面で連続するように形成されている。
【0040】
前記蓋体3は、前記容器本体1と同様の緩衝性のある合成樹脂発泡体により成形され、上述したように、前記容器本体1の開口端部の嵌合用の凸条縁11に対する嵌合壁部32の嵌合により被着できるように設けられている。
【0041】
図の場合、前記蓋体3の下面には、周縁部31の前記嵌合壁部32の内面に沿う周縁部分に、前記容器本体1の底部上面13aの凹部15と同様に、収納した板状体Bの周縁の当接を回避する凹部33が周方向に連続して形成されている。容器本体1に対して被着した状態においては、容器本体1の各側壁14a,14b,14c,14dの上端が該凹部33の底面に当接するようになっている。蓋体3の周縁部31の上面3aには、段積み時の嵌合用の凸縁34が設けられており、搬送用容器A1を段積みする際に容器本体1の底部13の下面13bにおける周縁部13cが載接し、下面13bの内方部が内側に嵌り込むように形成されている。
【0042】
図中の符号29及び39は、容器本体1における底部下面及び蓋体3における周縁部31の凸縁34にそれぞれ凹溝状に形成されたベルト掛け用凹部を示している。符号の40は手掛け部である。
【0043】
前記容器本体1及び蓋体3の構成材料としては、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、スチレン−エチレン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のポリスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリ乳酸、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂等の各種合成樹脂の発泡体を用いることができる。中でも、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂を含む複合樹脂のビーズ発泡体による成形体が好適に用いられる。ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂を含む複合樹脂のビーズ発泡体は、ポリオレフィン系樹脂粒子にスチレン系単量体を重合させた後、発泡剤を含浸させた発泡性樹脂粒子を、蒸気加熱することにより成形体を得ることができる。
【0044】
上記した第1の実施例の板状体の搬送用容器Aによれば、素板ガラス、液晶表示用等の各種のガラス基板、タッチパネル等のパネルその他の板状体Bを収納する。この際、容器本体1内の底部13上に、厚み0.2〜5.0mmのスペーサー用の保護シートと板状体Bを交互に重ねて収納する。このようにして板状体Bを収納した後、容器本体1に対し蓋体3を被着する。そして、搬送用容器Aの全体にベルト掛け(図示省略)して輸送等に供する。
【0045】
このような使用において、搬送用容器A1内に収納されている板状体Bは、特に最下層の板状体Bの周縁が、底部13の上面13aにおける周縁部に有する凹部15の位置では浮いた状態に保持されている。そのため、輸送時の振動によって、板状体Bの周縁が底部上面に接触することなく保持される。前記凹部15が周方向の全周にわたって連続していると、板状体Bの周縁が全周にわたり底部上面に接触することなく保持される。また、容器本体1の側壁14a,14b,14c,14dによる四隅部においては、側壁14a,14b,14c,14dの内側に拡張形成された切欠部17が設けられ、該切欠部17の底部が前記凹部15と連続した拡張凹部18として形成されているため、収納された板状体Bの隅角部が側壁内面に当接することなく保持され、隅角部の破損を防止できる。
【0046】
しかも、前記実施例の搬送用容器A1の場合、前記凹部15の底面15aの外縁側、及び前記拡張凹部18の底面18aの外縁側が、それぞれ側壁14a,14b,14c,14dの外方への弾性変形時の応力集中を回避できるアール曲面で側壁内面に連続している。そのため、輸送等の取り扱いにおいて、仮に側面落下等による衝撃が作用し、側壁14a,14b,14c,14dが外方へ反るような力が作用したとき、前記凹部15の底面15a及び前記拡張凹部18の底面18aと側壁内面との間の境界部16,19のアール曲面により、該境界部16,19に作用する力を分散でき、該側壁14a,14b,14c,14dの外方へのある程度の反り変形を許容できることになって、境界部16,19での亀裂の発生を抑えることができ、ひいては合成樹脂発泡体製の容器であっても、割れによる側壁の分離を防止でき、耐久性を高めることができる。したがって、容器本体1の肉厚を過度に大きくしたりして強度を高くする必要がなく、発泡樹脂材料の高発泡倍率化、薄肉化に寄与でき、コスト安価に製造でき提供できる。
【0047】
図7〜図9は、本発明の板状体の搬送用容器の他の実施例(第2の実施例)を示している。この実施例の容器本体1の構成において、上記した実施例と共通している構成部分には同符号を付して必要に応じて簡単に説明し、主に上記の実施例と異なっている構成について説明する。
【0048】
この実施例の搬送用容器A2の場合、平面矩形の容器本体1は、上記と同様の合成樹脂発泡体から成形され、四周の側壁14a,14b,14c,14dを段積み用の枠部とする比較的浅い収納部10を有し、該収納部10の底部13上に搬送対象のガラス基板やパネル等の1枚、もしくは保護シート(保護を兼ねたスペーサ)を介して重ねた数枚の板状体Bを平置き状態で収納して例えば段積みして包装できるように形成されている。
【0049】
前記収納部10における底部13の上面13aの側壁14a,14b,14c,14dの内面に沿う周縁部には、上記した実施例と同様に、収納される板状体Bの周縁の当接を回避するための凹部15が、主として全周にわたって連続して形成されている。この実施例でも、前記凹部15は必ずしも全周にわたって連続するものである必要はない。さらに前記容器本体1の各側壁14a,14b,14c,14dによる四隅部には、側壁内面側より拡張形成された上下方向の切欠部17が形成され、該切欠部17の底部が前記凹部15から該凹部15と同深さで連続して拡張形成された拡張凹部18として形成されている。そして、前記凹部15の底面15aの側壁内面に連続する外縁側、及び前記拡張凹部18の底面18aの外縁側が、それぞれ側壁14a,14b,14c,14dの外方への弾性変形時の応力集中を回避できるアール曲面をなしている。16及び19は、前記凹部15及び拡張凹部18と側壁内面との間のアール曲面による境界部を示す。
【0050】
この実施例の場合も、凹部15の深さD2は、収納部深さD1の1/5以上とし、アール曲面の半径Rは、前記凹部15の深さD2より大きくならないように、収納部深さD1の1/5以上、板状体Bを1枚収納する浅い容器の場合は1/2以上とするのがより好ましい。これにより、凹部底面15a又は拡張凹部18の底面18aから側壁内面に連続する境界部16,19のアール曲面により応力分散の効果が大きくなる。蓋なしで段積みする容器の場合、前記側壁の高さ、すなわち収納部深さを、底部肉厚の数倍の高さにして実施することもできる。この場合、前記アール曲面の半径は、応力集中を防止できる範囲で収納部深さの1/5以下とすることも可能である。
【0051】
なお、図示は省略しているが、前記底部13の下面にも前記凹部15との対応位置に同様の凹部を形成しておいて、板状体Bを収納して段積みした状態においては、下段の容器本体1に収納された板状体Bの前記各辺の表面が上段の容器本体1の底部下面に接触しないように設けておくのが望ましい。
【0052】
前記の搬送用容器A2は、容器本体1の底部13の下面13bの周縁所要幅の部分に、段積みの際に下段の容器本体1の側壁上端部が嵌合できる切欠部22が形成され、該側壁14a,14b,14c,14dの上端部が切欠部22に嵌合することにより、収納部10の底部13の下面13bにおける内方部が下段容器の収納部10に嵌合するように設けられるとともに、この嵌合状態において、収納部10の底部13の上に板状体Bの収納部10となる間隙(空間)を確保できるように形成されている。通常、前記間隙は、表裏面にフィルムや紙等の保護シート(図示せず)を重ねて保護した状態の1枚または数枚の板状体Bを段積み荷重を負荷させないようにして収納保持しておくことができ、かつ板状体Bの過度の浮き上がりを規制できるように形成される。
【0053】
前記搬送用容器A2は、水平面上に水平に載置できるように、前記切欠部22の四隅付近及び/又は辺部の個所に前記収納凹部1の底部13の下面13bと同程度もしくはやや下方にまで突出した脚部23が突設されるとともに、前記側壁14a,14b,14c,14dの上面側には、段積み状態において前記脚部23が嵌合する凹部24が設けられている。
【0054】
この実施例の板状体Bの搬送用容器A2においては、保護シート(図示せず)を重ねて保護した状態の1枚または数枚の板状体Bを収納して、主として段積みした状態にして包装し、輸送等に供する。この使用において、上記した実施例と同様に、底部上面の周縁部に有する凹部15により、収納されたガラス基板等の板状体Bの周縁が底部上面に接触するのを防止できる。また、前記凹部15の底面15aの外縁側、及び前記拡張凹部18の底面18aの外縁側が、それぞれ側壁14a,14b,14c,14dの外方への弾性変形時の応力集中を回避できるアール曲面で側壁内面に連続しているため、仮に側面落下等により側壁14a,14b,14c,14dに強い力が作用したとき、前記凹部底面15a及び前記拡張凹部の底面18aと側壁内面との間の境界部16,19のアール曲面により、該境界部16,19に作用する力を分散でき、該側壁の外方へ反るような変形を許容でき、境界部16,19での亀裂の発生を抑えることができ、ひいては割れによる側壁分離を防止でき、耐久性を高めることができる。
【0055】
図10〜図15は、本発明の板状体の搬送用容器のさらに他の実施例(第3の実施例)を示している。この実施例の容器本体1の構成において、上記した実施例と共通している構成部分には同符号を付して必要に応じて簡単に説明し、主に上記の実施例と異なっている構成について説明する。
【0056】
この実施例の搬送用容器A3の場合、平面矩形の容器本体1は、上記と同様の合成樹脂発泡体から成形され、外周部の四周の側壁14a,14b,14c,14dを段積み用の枠部として、搬送対象のガラス基板やパネル等の1枚もしくは保護シートを介して重ねた数枚の板状体Bを平置き状態で収納できる比較的浅い収納部10が、縦横の少なくとも1方向に間隔をおいて並列して複数形成されている。図の場合、四つの収納部10が前後左右に各二つずつ並列して形成されている。
【0057】
また、この実施例の場合、本体部b1の一辺部に、フレキシブルプリント配線板を有するフレキ部b2が連設されている板状体Bを収納できるように、各収納部10の1辺部に連続してフレキ部b2を収納するフレキ収納部25が形成されている。左右に並列する二つの収納部10、10間及びフレキ収納部25,25間には、外周部の側壁14a〜14dと同高さの仕切り壁26が設けられている。前後に並列する収納部10,10間の部分は、板状体Bのフレキ部b2側の両側端部の受け部27となる部分を残して、フレキ収納部25,25が連続して形成されているが、両フレキ収納部25,25間にも仕切り壁を形成しておくことができる。
【0058】
そして、前記各収納部10における底部13の上面13aの周縁部、すなわち、前記側壁14a〜14d及び仕切り壁26に沿う周縁部及び前記フレキ収納部26との境界部には、上記した実施例と同様に、収納される板状体Bの周縁の当接を回避するための凹部15が形成されている。この実施例でも、前記凹部15は、必ずしも図のように全周にわたって連続して形成しておく必要はなく、例えば、収納部10とフレキ収納部25の境界部を除いて前記凹部15を形成しておくこともできる。そして、前記凹部15の底面15aの少なくとも側壁14a,14b,14c,14dの内面に連続する外縁側が、それぞれ側壁14a,14b,14c,14dの外方への弾性変形時の応力集中を回避できるアール曲面をなしている。16はアール曲面の境界部を示す、アール前記凹部15の底面15aの仕切り壁26に連続する部位等の他部分の外縁側も前記同様のアール曲面をなしている。
【0059】
この実施例の場合も、前記凹部15の深さD2は、収納部深さD1の1/5以上とし、アール曲面の半径Rは、前記凹部15の深さD2より大きくならないように、収納部深さD1の1/5以上、1枚の板状体Bを収納する浅い容器の場合は1/2以上とするのがより好ましい。これにより、凹部底面15aから側壁内面に連続する境界部16のアール曲面により応力分散の効果が大きくなる。蓋なしで段積みする容器の場合、前記側壁の高さ、すなわち収納部深さを、底部肉厚の数倍の高さにして実施することもできる。この場合、前記アール曲面の半径は、応力集中を防止できる範囲で収納部深さの1/5以下とすることも可能である。
【0060】
さらに、前記容器本体1の外周部の側壁上端部には、内側に凸状縁11を残して外側に切欠段部12が形成され、また容器本体1の底部下面13bの周縁部には、段積みの際に下段容器の側壁上端部の切欠段部12に嵌合する凸部21が形成されている。前記凸部21は、その内側に沿って前記凸条縁11が嵌合する切欠部22が形成されてることにより凸状をなしている。これにより、搬送用容器A3は、前記凸部21が切欠段部12に嵌合し、前記凸条縁11が切欠部22に嵌合した状態で段積できるようになっており、この嵌合状態において、収納部10の底部13上に板状体Bを収納できる間隙(空間)を確保できるように形成されている。通常、前記間隙は、表裏面にフィルムや紙等の保護シート(図示せず)を重ねて保護した状態の1枚の板状体B、あるいは数枚の板状体Bを段積み荷重を負荷させないようにして収納保持できて、かつ板状体Bの過度の浮き上がりを規制できるように設定される。
【0061】
なお、前記各収納部10の周囲の側壁14a,14b,14c,14d及び仕切り壁26の所要の個所には、必要に応じて、図のように板状体Bの周縁に取り付けられ突出している付属部品b3を収納できる収納凹部28を形成しておくことができる。板状体Bの付属部品の有無等の形態によっては、前記収納凹部28は不要である。また、前記収納部10の配置数、配置方向は、図示するものには限らず、各収納部10とフレキ収納部25を同方向にして配置することも、また、2枚の板状体のみを並列して収納できるように配置形成して実施することもできる。
【0062】
さらに、この実施例の場合、左右の側壁14b,14d及び仕切り壁26には、上下方向の凹溝状をなす板状体Bの収納及び取り出し操作用の切欠凹部20が形成されている。また、各収納部10の四隅部には上下方向の切欠部(図示省略)が必要に応じて形成される。図中の40は手掛け部である。
【0063】
前記搬送用容器A3の場合は、例えば表裏面にフィルムや紙等の保護シートが貼着され保護された複数のフレキ部付き板状体Bの本体部b1を、容器本体1の複数の各主収納部10に収納するとともに、該本体部b1に連設されたフレキ部b2を前記各収納部10に連続して形成された各フレキ収納部25に収納する(図10鎖線)。このようにして板状体Bを収納した容器本体1を、図15のように、上層の容器本体1の下面側の外周部に形成された凸部27を、下層の容器本体1の側壁上端部に有する切欠段部12に嵌合した状態で段積みする。必要に応じて、最上段には板状体を収納していない空の容器本体1を蓋として段積みしておく。こうして段積みした容器全体にベルト掛け(図示省略)して輸送等に供する。
【0064】
この実施例においても、上記した実施例と同様に、各収納部10の底部上面13aの周縁部に形成された凹部15により、収納された板状体Bの周縁が底部上面に接触するのを防止できる。また、前記凹部15の底面15aの少なくとも側壁14a,14b,14c,14dに連続する外縁側が、該側壁14a,14b,14c,14dの外方への弾性変形時の応力集中を回避できるアール曲面をなしているため、仮に側面落下等により側壁14a,14b,14c,14dに強い力が作用したとき、前記凹部底面15a及び前記拡張凹部の底面18aと側壁内面との間の境界部16のアール曲面により、該境界部16に作用する力を分散できる。これにより、側壁14a,14b,14c,14dのある程度の外方への反り変形を許容でき、境界部16での亀裂の発生を抑えることができ、ひいては割れによる側壁分離を防止でき、耐久性を高めることができる。
【0065】
本発明の搬送用容器は、素板ガラス、液晶表示用やプラズマ表示用ガラス基板等の各種のガラス基板、太陽電池パネルやタッチパネル等のパネルその他の衝撃に弱い各種の板状体を搬送、保管するのに好適に利用できる。
【符号の説明】
【0066】
A1,A2,A3…搬送用容器、B…板状体、b1…本体部、b2…フレキ部、b3…付属部品、1…容器本体、3…蓋体、10…収納部、11…凸条縁、12…切欠段部、13…底部、13a…底部の上面、13…底部の下面、14a,14b,14c,14d…側壁、15…凹部、15a…凹部の底面、16…アール曲面の境界部、17…切欠部、18…拡張凹部、18a…拡張凹部の底面、19…境界部、20…切欠凹部、21…凸部、22…切欠部、23…脚部、24…凹部、25…フレキ収納部、26…仕切り壁、27…受け部、28…収納凹部、29…ベルト掛け用凹部、31…周縁部、32…嵌合壁部、33…凹部、34…凸縁、39…ベルト掛け用凹部、40…手掛け部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、素板ガラス、液晶表示用やプラズマ表示用のガラス基板等の各種のガラス基板やタッチパネル等のパネルその他の板状体を搬送、保管するのに使用する板状体の搬送用容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、素板ガラス、液晶表示用のガラス基板等の各種のガラス基板、あるいは太陽電池パネルやタッチパネル等のパネルその他の衝撃に弱い板状体を収納して搬送するための搬送用容器として、緩衝性を有する合成樹脂発泡体製の容器本体と蓋体とよりなる容器で、容器本体の一方の相対向する側壁内面に等間隔に並設された縦溝に、前記の板状体を1枚ずつ挿入して相互に接触させないように直立状態に支持して収納するようにしたものが一般に使用されていた。
【0003】
近年、液晶テレビやプラズマテレビの大型化の需要の増大から、テレビ用のガラス基板としても、縦横の一方もしくは両方が100cmを超える大型のガラス基板も採用されており、このため、かかるガラス基板を搬送するための運搬用容器も大型化している。
【0004】
しかし、従来の側壁内面の縦溝によりガラス基板を直立状態にして収容する方式では、大型で重くなったガラス基板のために、ガラス基板自体が自重によって曲げ変形したり、ガラス基板の重量が容器本体の底部に集中して負荷されることで、容器底部が圧縮変形し、クッション機能や衝撃緩和機能が損なわれるおそれがあった。
【0005】
かかる問題を生じさせないために、特許文献1〜3に例示するように、容器本体内に、ガラス基板と防護用のシートとを交互に重ねて水平状態で収納し、各ガラス基板を防護用のシートを介して面で受けるようにした搬送用容器も出現している。
【0006】
前記のようにガラス基板等の板状体を水平状態で収納する搬送用容器の場合、収納された板状体は、その周端縁における特に隅角部が、輸送時の振動や衝撃による影響を受け易く、容器本体の底面や側壁内面との接触により損傷が生じるおそれがある。
【0007】
そのため、様々な工夫がなされており、例えば、特許文献1では、ガラス基板の搬送用ボックスにおいて、ボックス本体(容器本体)の側壁内周に、柔軟性のある合成樹脂発泡体からなる当接部材を配しておいて、これにガラス基板の周端縁を当接させることで、周端縁の各辺や隅角部を側壁内面に直接接触させないように保持し、輸送時等におけるガラス基板の面方向の振動に対して衝撃を緩和し保護するようにしている。
【0008】
また、特許文献2の場合、ガラス基板の搬送用ボックスにおいて、収納されるガラス基板の保護のために、収納されるガラス基板の隅角部がボックス本体のコーナー部に接触するのを防止するように、本体の四隅部に切欠空間を形成した上、本体の側壁内面に間隔をおいて凹条溝を形成することにより、ガラス基板の周端縁の各辺が全長に渡って側壁内面に接触することがないようにしており、さらに内底面の四隅部を含む周縁部に凹条溝を形成して、ガラス基板の端辺が内底面に接触するのを防止するようにしている。
【0009】
また、特許文献3の場合も、本体の底面の周縁部に凹溝を形成して板状体の周縁が底面に対し接触させないようにした上、側壁内面に緩衝用の当接部材を配してガラス基板などの板状体の周端縁をこれに当接させることで、板状体の周端縁の各辺や隅角部を側壁内面に直接接触させないようにしている。
【0010】
しかしながら、前記いずれの場合も、運搬や輸送作業での振動や側部からの落下衝撃等による容器本体の変形による亀裂防止については充分満足できるものではない。
【0011】
この点について説明すると、例えば、図16のように、容器本体101の四隅部における側壁内側に切欠部117を形成するとともに、底部113の上面113aの周縁部に前記切欠部117を含んで全周に連続する凹部115を設け、収納される板状体Bの隅角部や周縁の底面との当接を防止するようにしたものにおいて、前記凹部115の底面115aと側壁114内面との境界部が、図のように殆どアール曲面を有さない状態で直角に交差して連続しているものであると、図17のように板状体Bを収納して包装した状態で、側部からの落下等によって収納物である板状体Bの荷重が側壁114に作用し、例えば図18(a)のように該側壁114が外方へ変形しようとしたとき、前記凹部115の底面115aと側壁114内面との境界部116に応力が集中してせん断が生じ、図18(b)のような亀裂Cが入り、繰り返し力が作用すると、破損するおそれがあり、耐久性に問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2007−314236号公報
【特許文献2】特開2008−239210号公報
【特許文献3】特開2009−269610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、前記の問題を解決するためになしたものであり、ガラス基板、太陽電池パネル、タッチパネル等の板状体を平置き状態で収納して搬送するための板状体の搬送用容器として、収納された板状体の周縁部の保護を良好になしうるとともに、運搬や輸送作業での振動や落下衝撃等により容器本体の側壁に強い力がかかり外方への変形が生じた場合にも、側壁基部内側での亀裂損傷を防止でき、耐久性に優れる板状体の搬送用容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決する本発明の板状体の搬送用容器は、上方に開口する収納部が形成された平面矩形の容器本体を有し、前記収納部に、1枚もしくは複数枚の板状体を平置き状態で収納して搬送する搬送用容器であって、容器本体の収納部の底部上面における側壁内面に沿う周縁部に、底部上に収納される板状体の周縁の当接を回避するための凹部が形成され、該凹部の底面の外縁側が側壁変形時の応力集中を回避できるアール曲面で側壁内面に連続していることを特徴とする。
【0015】
本発明の搬送用容器によれば、容器本体に収納されたガラス基板等の板状体は、その周縁部が全周に亘って容器本体の周縁部に有する凹部の位置では底部上面には接触せずに浮いた状態に保持され、運搬や輸送作業等の取り扱い上での振動や落下衝撃によって、容器本体の周縁部が少々撓み変形しても、板状体の周縁が底部上面に接触することがない。
【0016】
そればかりか、運搬や輸送作業の取り扱い上での落下衝撃等によって、例えば収納物である板状体による内部荷重が側壁に作用し、該側壁が外方へ変形しようとしたとき、前記凹部底面と側壁内面とが連続する境界部がアール曲面で連続しているために、この境界部に作用する力が分散され、側壁の外方へ反るような変形を許容でき、該境界部での亀裂発生を防止することができる。
【0017】
前記の搬送用容器は、前記容器本体が、複数枚の板状体を平置き状態にして重ねて収納する一つの収納部を有してなり、該容器本体の外周部における側壁上端部に対して嵌合して被着される蓋体を備えてなるものとすることができる。また、前記容器本体が、1枚又は数枚の板状体を平置き状態で収納する一つの収納部を有してなり、収納部に板状体を収納した状態の容器本体が蓋なしで積み重ね可能であるものとすることができる。
【0018】
いずれの場合も、前記収納部の底部上面における周縁部の凹部が、側壁内面に沿って全周にわたって連続して形成されてなるものが、収納される板状体の周縁の保護の点から好ましい。
【0019】
特に、前記容器本体の収納部の四隅部における側壁内面に、側壁内側面より拡張形成された切欠部が設けられ、該切欠部の底部が前記凹部から連続して拡張形成された拡張凹部として形成され、該拡張凹部の底面の外縁側が前記凹部から連続したアール曲面で側壁内面に連続している場合、板状体の隅角部が側壁内面に当接するのを切欠部により回避できるとともに、該切欠部による拡張凹部の底面と側壁内面との境界部での亀裂の発生も防止できることになる。
【0020】
前記の板状体の搬送用容器において、前記凹部の深さは、容器本体の収納部深さの1/5以上で、底部肉厚の1/2以下であり、また前記凹部底面と側壁内面との境界部のアール曲面の半径が、前記収納部深さの1/5以上であり、前記凹部の深さを超えないように形成されてなるものとするのが好ましい。これにより、前記凹部の深さを従来よりも大きくして、かつ前記連続部のアール曲面の半径も大きく設定することができる。前記アール曲面の半径は前記凹部の深さと同等のものが特に好ましい。
【0021】
また、前記容器本体の収納部の少なくとも一側面の側壁内面が下端から上端に向かって外方へ傾斜したテーパ状をなしているものとするのが好ましく、これにより側壁がさらに外方へ変形し易くなり、応力分散の効果が大きくなるうえ、収納された板状体の水平方向の変位を或る程度許容できることになる。
【0022】
さらに、本発明は、前記容器本体が、縦横の少なくとも一方向に並列して間隔をおいて複数の収納部が形成されてなり、各収納部に板状体を収納した状態の複数の容器本体が、蓋なしで積み重ね可能であるものとすることができる。
【0023】
また、前記容器本体の外周部における側壁上端部と、容器本体の底部下面の周縁部とに、互いに対応した凹凸形状による嵌合手段が設けられ、複数の容器本体の積み重ねの際に嵌合するように設けられてなるものとすることができる。
【0024】
これらの場合も、各収納部に収納された板状体が凹部の位置では底部上面には接触せずに浮いた状態に保持され、振動や落下衝撃等によって容器本体の周縁部が少々撓み変形しても、板状体の周縁が底部上面に接触することがないばかりか、側壁が外方へ変形しようとしたとき、前記凹部底面と側壁内面とが連続する境界部がアール曲面で連続しているために、この境界部に作用する力が分散され、該境界部での亀裂発生を防止することができる。
【0025】
前記の板状体の搬送用容器において、前記凹部の深さが、容器本体の収納部深さの1/5以上で、底部肉厚の1/2以下であり、また前記凹部底面と側壁内面との境界部の前記アール曲面の半径が、前記収納部深さの1/5以上であり、前記凹部の深さを超えないように形成されてなるものとするのが好ましい。
【0026】
前記発明の搬送用容器において、各収納部の一辺部に連続して、前記板状体に連設されたフレキ部を収納するフレキ収納部が形成されてなるものとすることができる。これにより、フレキ部を備える板状体を安定性よく収納することができる。
【発明の効果】
【0027】
上記したように、本発明の板状体の搬送用容器によれば、ガラス基板等の板状体を収納した状態で、該板状体の周縁が底部上面に当接するのを防止できるとともに、輸送、運搬等の取り扱いにおける振動や落下衝撃等によって容器本体の側壁に外方へ変形しようとする力が作用した場合にも、前記凹部底面と側壁内面との境界部に亀裂が発生するのを防止でき、耐久性を向上でき、ひいては容器本体の肉厚を過剰に大きくする必要もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の板状体の搬送用容器の実施例(第1の実施例)を示す容器本体と蓋体の斜視図である。
【図2】容器本体の平面図である。
【図3】容器本体のL1−L1線の断面図である。
【図4】容器本体のL2−L2線の断面図である。
【図5】前図の一部の拡大断面図である。
【図6】板状体を重ねて収納した使用状態の半部の断面図である。
【図7】板状体の収納形態を異にする他の実施例(第2の実施例)を示す平面図である。
【図8】同上の正面図である。
【図9】同上の断面図である。
【図10】板状体の収納形態を異にする本発明のさらに他の実施例(第3の実施例)を示す容器本体の斜視図である。
【図11】同上の容器本体の平面図である。
【図12】同上の容器本体の底面図である。
【図13】同上の容器本体のL3−L3線の断面図である。
【図14】同上の容器本体のL4−L4線の断面図である。
【図15】同上の板状体を収納した使用状態の断面図である。
【図16】従来の搬送用容器の容器本体の平面図である。
【図17】同上の容器の使用状態の一部の断面図である。
【図18】同上の容器の変形状態(a)と亀裂発生状態(b)の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【0030】
図1〜図6は、本発明にかかる板状体の搬送用容器の実施例(第1の実施例)を示している。この実施例の搬送用容器A1は、上方に開口し、収納対象のガラス基板等の板状体Bを、各板状体間にスペーサー用の保護シート(図示せず)を介して重ねた状態で収納できる平面長方形や正方形の平面矩形の容器本体1と、該容器本体1に対して嵌合して被着される蓋体3とからなる。
【0031】
容器本体1に対する蓋体3の被着構造として、前記容器本体1の側壁上端の開口端部には、内側に凸状縁11を残して外側に切欠段部12が形成され、他方、前記蓋体3の周縁部31の下面側には、前記開口端部における凸状縁11の外側の切欠段部12に嵌合し当接する下方向きの嵌合壁部32が垂設されており、この嵌合壁部32による嵌合により、蓋体3を容器本体1に被着した状態に保持できるようになっている。
【0032】
容器本体1は、緩衝性のある合成樹脂発泡体により成形されてなり、底部13より立ち上がった四周の各側壁14a,14b,14c,14dにより収納部10が形成されている。前記収納部10は、保護シートを介して重ねた複数枚の板状体Bを収納できる深さ(収納部深さD1)に形成されている。通常、板状体Bの厚みによっても異なるが、例えば厚み2〜5mmのガラス基板等の板状体Bの場合、10枚以上、好ましくは10〜数10枚程度を収納できるように比較的浅く形成される。
【0033】
前記容器本体1の底部13の上面、すなわち収納部10の底部上面13aの四周の各側壁14a,14b,14c,14dに沿う周縁部には、底部13上に収納される板状体Bの周縁の当接を回避するための凹部15が形成されている。前記凹部15は、側壁14a,14b,14c,14dの内面に沿って全周にわたって連続して形成されているのが望ましいが、板状体Bの周縁部の形態、例えば付属品の付設状態や収納部10の配置状況によっては周方向に断続状に形成したり、所要の辺部を除いて形成しておくこともできる。
【0034】
前記凹部15の深さD2は、通常、前記底部13の上面13aに対して、前記収納部深さD1の1/5以上で、底部13の肉厚の1/2以下、好ましくは少なくとも5mm以上、より好ましくは10〜20mm程度の深さに落とし込まれて形成されている。そして、前記凹部15の底面15aの外縁側が、側壁14a,14b,14c,14dの外方への弾性変形時の応力集中を回避できるアール曲面で側壁内面に連続している。すなわち、側壁内面に連続する外縁側がアール曲面をなしている。16はアール曲面の境界部を示す。
【0035】
また、前記容器本体1の各側壁14a,14b,14c,14dによる収納部10の四隅部には、側壁内面側より拡張形成された上下方向の切欠部17が形成され、該切欠部17の底部が前記凹部15から該凹部15と同深さで連続して拡張形成された拡張凹部18として形成されており、該拡張凹部18の底面18aの外縁側についても、前記凹部15の底面15aと同様に、側壁14a,14b,14c,14dの外方への弾性変形時の応力集中を回避できるアール曲面で側壁内面に連続している。19はアール曲面の境界部を示す。
【0036】
前記凹部15の底面15aと側壁14a,14b,14c,14dの内面との境界部16のアール曲面、及び前記拡張凹部18の底面18aと側壁内面との境界部19のアール曲面の半径Rは、前記凹部15の深さD2が収納部深さD1の1/5以上で、底部13の肉厚の1/2以下である場合において、通常、凹部深さD2と同様に、収納部深さD1の1/5以上、前記凹部15の深さD2より大きくならないように、すなわち、前記半径Rの曲率中心Oが底部13の上面13aより上方に位置させないように設定される。このようにすることにより、所要数枚の板状体Bを重ねて収容する重荷重用の搬送用容器において、前記凹部15の深さを従来よりも大きく設定できて、かつ前記連続部16のアール曲面の半径Rも大きく設定することができる。しかも、板状体Bの載置面となる収納部10の底部上面13aより上で対向する側壁内面間の間隔が狭くなることもなく、従来同様の必要な収納部空間を確保できる。特に好ましくは、前記のアール曲面の半径Rは、前記凹部深さD2と同等(同寸法)とする。これにより凹部底面15a又は拡張凹部18の底面18aから一つのアール曲面で側壁内面に連続することになり、応力分散の効果が大きくなる。
【0037】
なお、四周の側壁14a,14b,14c,14dのうち、前記収納部10の少なくとも一辺部の側壁の内面、例えば相対向する側壁14a,14c又は14b,14dの内面を、図5の鎖線のように、下端から上端に向かって外方へ傾斜したテーパー状等の傾斜面とすることができる。この場合、側壁がさらに外方へ変形し易くなり、応力分散の効果が大きくなる。
【0038】
前記容器本体1の四方の側壁14a,14b,14c,14dのうちの少なくとも一方の相対向する両側壁、例えば図のように各側壁14a,14b,14c,14dの内面には、辺の長さ方向の中央部等の所要の個所に、上下方向の凹溝状をなす板状体Bの収納及び取り出し操作用の切欠凹部20が少なくとも一つ設けられている。前記切欠凹部20は、側壁上端から底部13の凹部15の底面15aに至る深さの凹溝状をなしており、板状体Bの収納及び取り出し操作の際に、該切欠凹部20の部分で挿入して最下層の板状体Bの下に指先を掛けることができるように、あるいは機械的な係止手段を底部13上の部分にまで挿入して最下層の板状体Bの下に係止できるようになっている。
【0039】
前記切欠凹部20の個所においても、前記の凹部底面15aから切欠凹部20の内面への境界部は、前記同様のアール曲面で連続するように形成されている。
【0040】
前記蓋体3は、前記容器本体1と同様の緩衝性のある合成樹脂発泡体により成形され、上述したように、前記容器本体1の開口端部の嵌合用の凸条縁11に対する嵌合壁部32の嵌合により被着できるように設けられている。
【0041】
図の場合、前記蓋体3の下面には、周縁部31の前記嵌合壁部32の内面に沿う周縁部分に、前記容器本体1の底部上面13aの凹部15と同様に、収納した板状体Bの周縁の当接を回避する凹部33が周方向に連続して形成されている。容器本体1に対して被着した状態においては、容器本体1の各側壁14a,14b,14c,14dの上端が該凹部33の底面に当接するようになっている。蓋体3の周縁部31の上面3aには、段積み時の嵌合用の凸縁34が設けられており、搬送用容器A1を段積みする際に容器本体1の底部13の下面13bにおける周縁部13cが載接し、下面13bの内方部が内側に嵌り込むように形成されている。
【0042】
図中の符号29及び39は、容器本体1における底部下面及び蓋体3における周縁部31の凸縁34にそれぞれ凹溝状に形成されたベルト掛け用凹部を示している。符号の40は手掛け部である。
【0043】
前記容器本体1及び蓋体3の構成材料としては、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、スチレン−エチレン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のポリスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリ乳酸、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂等の各種合成樹脂の発泡体を用いることができる。中でも、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂を含む複合樹脂のビーズ発泡体による成形体が好適に用いられる。ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂を含む複合樹脂のビーズ発泡体は、ポリオレフィン系樹脂粒子にスチレン系単量体を重合させた後、発泡剤を含浸させた発泡性樹脂粒子を、蒸気加熱することにより成形体を得ることができる。
【0044】
上記した第1の実施例の板状体の搬送用容器Aによれば、素板ガラス、液晶表示用等の各種のガラス基板、タッチパネル等のパネルその他の板状体Bを収納する。この際、容器本体1内の底部13上に、厚み0.2〜5.0mmのスペーサー用の保護シートと板状体Bを交互に重ねて収納する。このようにして板状体Bを収納した後、容器本体1に対し蓋体3を被着する。そして、搬送用容器Aの全体にベルト掛け(図示省略)して輸送等に供する。
【0045】
このような使用において、搬送用容器A1内に収納されている板状体Bは、特に最下層の板状体Bの周縁が、底部13の上面13aにおける周縁部に有する凹部15の位置では浮いた状態に保持されている。そのため、輸送時の振動によって、板状体Bの周縁が底部上面に接触することなく保持される。前記凹部15が周方向の全周にわたって連続していると、板状体Bの周縁が全周にわたり底部上面に接触することなく保持される。また、容器本体1の側壁14a,14b,14c,14dによる四隅部においては、側壁14a,14b,14c,14dの内側に拡張形成された切欠部17が設けられ、該切欠部17の底部が前記凹部15と連続した拡張凹部18として形成されているため、収納された板状体Bの隅角部が側壁内面に当接することなく保持され、隅角部の破損を防止できる。
【0046】
しかも、前記実施例の搬送用容器A1の場合、前記凹部15の底面15aの外縁側、及び前記拡張凹部18の底面18aの外縁側が、それぞれ側壁14a,14b,14c,14dの外方への弾性変形時の応力集中を回避できるアール曲面で側壁内面に連続している。そのため、輸送等の取り扱いにおいて、仮に側面落下等による衝撃が作用し、側壁14a,14b,14c,14dが外方へ反るような力が作用したとき、前記凹部15の底面15a及び前記拡張凹部18の底面18aと側壁内面との間の境界部16,19のアール曲面により、該境界部16,19に作用する力を分散でき、該側壁14a,14b,14c,14dの外方へのある程度の反り変形を許容できることになって、境界部16,19での亀裂の発生を抑えることができ、ひいては合成樹脂発泡体製の容器であっても、割れによる側壁の分離を防止でき、耐久性を高めることができる。したがって、容器本体1の肉厚を過度に大きくしたりして強度を高くする必要がなく、発泡樹脂材料の高発泡倍率化、薄肉化に寄与でき、コスト安価に製造でき提供できる。
【0047】
図7〜図9は、本発明の板状体の搬送用容器の他の実施例(第2の実施例)を示している。この実施例の容器本体1の構成において、上記した実施例と共通している構成部分には同符号を付して必要に応じて簡単に説明し、主に上記の実施例と異なっている構成について説明する。
【0048】
この実施例の搬送用容器A2の場合、平面矩形の容器本体1は、上記と同様の合成樹脂発泡体から成形され、四周の側壁14a,14b,14c,14dを段積み用の枠部とする比較的浅い収納部10を有し、該収納部10の底部13上に搬送対象のガラス基板やパネル等の1枚、もしくは保護シート(保護を兼ねたスペーサ)を介して重ねた数枚の板状体Bを平置き状態で収納して例えば段積みして包装できるように形成されている。
【0049】
前記収納部10における底部13の上面13aの側壁14a,14b,14c,14dの内面に沿う周縁部には、上記した実施例と同様に、収納される板状体Bの周縁の当接を回避するための凹部15が、主として全周にわたって連続して形成されている。この実施例でも、前記凹部15は必ずしも全周にわたって連続するものである必要はない。さらに前記容器本体1の各側壁14a,14b,14c,14dによる四隅部には、側壁内面側より拡張形成された上下方向の切欠部17が形成され、該切欠部17の底部が前記凹部15から該凹部15と同深さで連続して拡張形成された拡張凹部18として形成されている。そして、前記凹部15の底面15aの側壁内面に連続する外縁側、及び前記拡張凹部18の底面18aの外縁側が、それぞれ側壁14a,14b,14c,14dの外方への弾性変形時の応力集中を回避できるアール曲面をなしている。16及び19は、前記凹部15及び拡張凹部18と側壁内面との間のアール曲面による境界部を示す。
【0050】
この実施例の場合も、凹部15の深さD2は、収納部深さD1の1/5以上とし、アール曲面の半径Rは、前記凹部15の深さD2より大きくならないように、収納部深さD1の1/5以上、板状体Bを1枚収納する浅い容器の場合は1/2以上とするのがより好ましい。これにより、凹部底面15a又は拡張凹部18の底面18aから側壁内面に連続する境界部16,19のアール曲面により応力分散の効果が大きくなる。蓋なしで段積みする容器の場合、前記側壁の高さ、すなわち収納部深さを、底部肉厚の数倍の高さにして実施することもできる。この場合、前記アール曲面の半径は、応力集中を防止できる範囲で収納部深さの1/5以下とすることも可能である。
【0051】
なお、図示は省略しているが、前記底部13の下面にも前記凹部15との対応位置に同様の凹部を形成しておいて、板状体Bを収納して段積みした状態においては、下段の容器本体1に収納された板状体Bの前記各辺の表面が上段の容器本体1の底部下面に接触しないように設けておくのが望ましい。
【0052】
前記の搬送用容器A2は、容器本体1の底部13の下面13bの周縁所要幅の部分に、段積みの際に下段の容器本体1の側壁上端部が嵌合できる切欠部22が形成され、該側壁14a,14b,14c,14dの上端部が切欠部22に嵌合することにより、収納部10の底部13の下面13bにおける内方部が下段容器の収納部10に嵌合するように設けられるとともに、この嵌合状態において、収納部10の底部13の上に板状体Bの収納部10となる間隙(空間)を確保できるように形成されている。通常、前記間隙は、表裏面にフィルムや紙等の保護シート(図示せず)を重ねて保護した状態の1枚または数枚の板状体Bを段積み荷重を負荷させないようにして収納保持しておくことができ、かつ板状体Bの過度の浮き上がりを規制できるように形成される。
【0053】
前記搬送用容器A2は、水平面上に水平に載置できるように、前記切欠部22の四隅付近及び/又は辺部の個所に前記収納凹部1の底部13の下面13bと同程度もしくはやや下方にまで突出した脚部23が突設されるとともに、前記側壁14a,14b,14c,14dの上面側には、段積み状態において前記脚部23が嵌合する凹部24が設けられている。
【0054】
この実施例の板状体Bの搬送用容器A2においては、保護シート(図示せず)を重ねて保護した状態の1枚または数枚の板状体Bを収納して、主として段積みした状態にして包装し、輸送等に供する。この使用において、上記した実施例と同様に、底部上面の周縁部に有する凹部15により、収納されたガラス基板等の板状体Bの周縁が底部上面に接触するのを防止できる。また、前記凹部15の底面15aの外縁側、及び前記拡張凹部18の底面18aの外縁側が、それぞれ側壁14a,14b,14c,14dの外方への弾性変形時の応力集中を回避できるアール曲面で側壁内面に連続しているため、仮に側面落下等により側壁14a,14b,14c,14dに強い力が作用したとき、前記凹部底面15a及び前記拡張凹部の底面18aと側壁内面との間の境界部16,19のアール曲面により、該境界部16,19に作用する力を分散でき、該側壁の外方へ反るような変形を許容でき、境界部16,19での亀裂の発生を抑えることができ、ひいては割れによる側壁分離を防止でき、耐久性を高めることができる。
【0055】
図10〜図15は、本発明の板状体の搬送用容器のさらに他の実施例(第3の実施例)を示している。この実施例の容器本体1の構成において、上記した実施例と共通している構成部分には同符号を付して必要に応じて簡単に説明し、主に上記の実施例と異なっている構成について説明する。
【0056】
この実施例の搬送用容器A3の場合、平面矩形の容器本体1は、上記と同様の合成樹脂発泡体から成形され、外周部の四周の側壁14a,14b,14c,14dを段積み用の枠部として、搬送対象のガラス基板やパネル等の1枚もしくは保護シートを介して重ねた数枚の板状体Bを平置き状態で収納できる比較的浅い収納部10が、縦横の少なくとも1方向に間隔をおいて並列して複数形成されている。図の場合、四つの収納部10が前後左右に各二つずつ並列して形成されている。
【0057】
また、この実施例の場合、本体部b1の一辺部に、フレキシブルプリント配線板を有するフレキ部b2が連設されている板状体Bを収納できるように、各収納部10の1辺部に連続してフレキ部b2を収納するフレキ収納部25が形成されている。左右に並列する二つの収納部10、10間及びフレキ収納部25,25間には、外周部の側壁14a〜14dと同高さの仕切り壁26が設けられている。前後に並列する収納部10,10間の部分は、板状体Bのフレキ部b2側の両側端部の受け部27となる部分を残して、フレキ収納部25,25が連続して形成されているが、両フレキ収納部25,25間にも仕切り壁を形成しておくことができる。
【0058】
そして、前記各収納部10における底部13の上面13aの周縁部、すなわち、前記側壁14a〜14d及び仕切り壁26に沿う周縁部及び前記フレキ収納部26との境界部には、上記した実施例と同様に、収納される板状体Bの周縁の当接を回避するための凹部15が形成されている。この実施例でも、前記凹部15は、必ずしも図のように全周にわたって連続して形成しておく必要はなく、例えば、収納部10とフレキ収納部25の境界部を除いて前記凹部15を形成しておくこともできる。そして、前記凹部15の底面15aの少なくとも側壁14a,14b,14c,14dの内面に連続する外縁側が、それぞれ側壁14a,14b,14c,14dの外方への弾性変形時の応力集中を回避できるアール曲面をなしている。16はアール曲面の境界部を示す、アール前記凹部15の底面15aの仕切り壁26に連続する部位等の他部分の外縁側も前記同様のアール曲面をなしている。
【0059】
この実施例の場合も、前記凹部15の深さD2は、収納部深さD1の1/5以上とし、アール曲面の半径Rは、前記凹部15の深さD2より大きくならないように、収納部深さD1の1/5以上、1枚の板状体Bを収納する浅い容器の場合は1/2以上とするのがより好ましい。これにより、凹部底面15aから側壁内面に連続する境界部16のアール曲面により応力分散の効果が大きくなる。蓋なしで段積みする容器の場合、前記側壁の高さ、すなわち収納部深さを、底部肉厚の数倍の高さにして実施することもできる。この場合、前記アール曲面の半径は、応力集中を防止できる範囲で収納部深さの1/5以下とすることも可能である。
【0060】
さらに、前記容器本体1の外周部の側壁上端部には、内側に凸状縁11を残して外側に切欠段部12が形成され、また容器本体1の底部下面13bの周縁部には、段積みの際に下段容器の側壁上端部の切欠段部12に嵌合する凸部21が形成されている。前記凸部21は、その内側に沿って前記凸条縁11が嵌合する切欠部22が形成されてることにより凸状をなしている。これにより、搬送用容器A3は、前記凸部21が切欠段部12に嵌合し、前記凸条縁11が切欠部22に嵌合した状態で段積できるようになっており、この嵌合状態において、収納部10の底部13上に板状体Bを収納できる間隙(空間)を確保できるように形成されている。通常、前記間隙は、表裏面にフィルムや紙等の保護シート(図示せず)を重ねて保護した状態の1枚の板状体B、あるいは数枚の板状体Bを段積み荷重を負荷させないようにして収納保持できて、かつ板状体Bの過度の浮き上がりを規制できるように設定される。
【0061】
なお、前記各収納部10の周囲の側壁14a,14b,14c,14d及び仕切り壁26の所要の個所には、必要に応じて、図のように板状体Bの周縁に取り付けられ突出している付属部品b3を収納できる収納凹部28を形成しておくことができる。板状体Bの付属部品の有無等の形態によっては、前記収納凹部28は不要である。また、前記収納部10の配置数、配置方向は、図示するものには限らず、各収納部10とフレキ収納部25を同方向にして配置することも、また、2枚の板状体のみを並列して収納できるように配置形成して実施することもできる。
【0062】
さらに、この実施例の場合、左右の側壁14b,14d及び仕切り壁26には、上下方向の凹溝状をなす板状体Bの収納及び取り出し操作用の切欠凹部20が形成されている。また、各収納部10の四隅部には上下方向の切欠部(図示省略)が必要に応じて形成される。図中の40は手掛け部である。
【0063】
前記搬送用容器A3の場合は、例えば表裏面にフィルムや紙等の保護シートが貼着され保護された複数のフレキ部付き板状体Bの本体部b1を、容器本体1の複数の各主収納部10に収納するとともに、該本体部b1に連設されたフレキ部b2を前記各収納部10に連続して形成された各フレキ収納部25に収納する(図10鎖線)。このようにして板状体Bを収納した容器本体1を、図15のように、上層の容器本体1の下面側の外周部に形成された凸部27を、下層の容器本体1の側壁上端部に有する切欠段部12に嵌合した状態で段積みする。必要に応じて、最上段には板状体を収納していない空の容器本体1を蓋として段積みしておく。こうして段積みした容器全体にベルト掛け(図示省略)して輸送等に供する。
【0064】
この実施例においても、上記した実施例と同様に、各収納部10の底部上面13aの周縁部に形成された凹部15により、収納された板状体Bの周縁が底部上面に接触するのを防止できる。また、前記凹部15の底面15aの少なくとも側壁14a,14b,14c,14dに連続する外縁側が、該側壁14a,14b,14c,14dの外方への弾性変形時の応力集中を回避できるアール曲面をなしているため、仮に側面落下等により側壁14a,14b,14c,14dに強い力が作用したとき、前記凹部底面15a及び前記拡張凹部の底面18aと側壁内面との間の境界部16のアール曲面により、該境界部16に作用する力を分散できる。これにより、側壁14a,14b,14c,14dのある程度の外方への反り変形を許容でき、境界部16での亀裂の発生を抑えることができ、ひいては割れによる側壁分離を防止でき、耐久性を高めることができる。
【0065】
本発明の搬送用容器は、素板ガラス、液晶表示用やプラズマ表示用ガラス基板等の各種のガラス基板、太陽電池パネルやタッチパネル等のパネルその他の衝撃に弱い各種の板状体を搬送、保管するのに好適に利用できる。
【符号の説明】
【0066】
A1,A2,A3…搬送用容器、B…板状体、b1…本体部、b2…フレキ部、b3…付属部品、1…容器本体、3…蓋体、10…収納部、11…凸条縁、12…切欠段部、13…底部、13a…底部の上面、13…底部の下面、14a,14b,14c,14d…側壁、15…凹部、15a…凹部の底面、16…アール曲面の境界部、17…切欠部、18…拡張凹部、18a…拡張凹部の底面、19…境界部、20…切欠凹部、21…凸部、22…切欠部、23…脚部、24…凹部、25…フレキ収納部、26…仕切り壁、27…受け部、28…収納凹部、29…ベルト掛け用凹部、31…周縁部、32…嵌合壁部、33…凹部、34…凸縁、39…ベルト掛け用凹部、40…手掛け部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に開口する収納部が形成された平面矩形の容器本体を有し、前記収納部に、1枚もしくは複数枚の板状体を平置き状態で収納して搬送する搬送用容器であって、
容器本体の収納部の底部上面における側壁内面に沿う周縁部に、底部上に収納される板状体の周縁の当接を回避するための凹部が形成され、該凹部の底面の側壁内面に連続する外縁側が側壁変形時の応力集中を回避できるアール曲面をなしていることを特徴とする板状体の搬送用容器。
【請求項2】
前記容器本体が、複数枚の板状体を平置き状態にして重ねて収納する一つの収納部を有してなり、該容器本体の外周部における側壁上端部に対して嵌合して被着される蓋体を備えてなる請求項1に記載の板状体の搬送用容器。
【請求項3】
前記容器本体が、1枚又は数枚の板状体を平置き状態で収納する一つの収納部を有してなり、収納部に板状体を収納した状態の容器本体が蓋なしで積み重ね可能である請求項1に記載の板状体の搬送用容器。
【請求項4】
収納部の底部上面における周縁部の凹部が、側壁内面に沿って全周にわたって連続して形成されてなる請求項2に記載の板状体の搬送用容器。
【請求項5】
収納部の底部上面における周縁部の凹部が、側壁内面に沿って全周にわたって連続して形成されてなる請求項3に記載の板状体の搬送用容器。
【請求項6】
前記容器本体の収納部の四隅部における側壁内面に、側壁内側面より拡張形成された切欠部が設けられ、該切欠部の底部が前記凹部から連続して拡張形成された拡張凹部として形成され、該拡張凹部の底面の外縁側が前記凹部から連続したアール曲面で側壁内面に連続している請求項2〜5のいずれか1項に記載の板状体の搬送用容器。
【請求項7】
前記凹部の深さが、容器本体の収納部深さの1/5以上で、底部肉厚の1/2以下であり、また前記凹部底面と側壁内面との境界部の前記アール曲面の半径が、前記収納部深さの1/5以上であり、前記凹部の深さを超えないように形成されてなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の板状体の搬送用容器。
【請求項8】
前記凹部の深さが、容器本体の収納部深さの1/5以上で、底部肉厚の1/2以下であり、また前記凹部底面と側壁内面との境界部の前記アール曲面の半径が、前記収納部深さの1/5以上であり、前記凹部の深さを超えないように形成されてなる請求項6に記載の板状体の搬送用容器。
【請求項9】
容器本体の収納部の少なくとも一側面の側壁内面が下端から上端に向かって外方へ傾斜したテーパ状をなしている請求項1〜5のいずれか1項に記載の板状体の搬送用容器。
【請求項10】
容器本体の収納部の少なくとも一側面の側壁内面が下端から上端に向かって外方へ傾斜したテーパ状をなしている請求項6に記載の板状体の搬送用容器。
【請求項11】
前記容器本体が、縦横の少なくとも一方向に並列して間隔をおいて複数の収納部が形成されてなり、各収納部に板状体を収納した状態の容器本体が蓋なしで積み重ね可能である請求項1に記載の板状体の搬送用容器。
【請求項12】
前記容器本体の外周部における側壁上端部と、容器本体の底部下面の周縁部とに、互いに対応した凹凸形状による嵌合手段が設けられ、複数の容器本体の積み重ねの際に嵌合するように設けられてなる請求項11に記載の板状体の搬送用容器。
【請求項13】
前記凹部の深さが、容器本体の収納部深さの1/5以上で、底部肉厚の1/2以下であり、また前記凹部底面と側壁内面との境界部の前記アール曲面の半径が、前記収納部深さの1/5以上であり、前記凹部の深さを超えないように形成されてなる請求項11又は12に記載の板状体の搬送用容器。
【請求項14】
各収納部の1辺部に連続して、前記板状体に連設されたフレキ部を収納するフレキ収納部が形成されてなる請求項11または12に記載の板状体の搬送用容器。
【請求項1】
上方に開口する収納部が形成された平面矩形の容器本体を有し、前記収納部に、1枚もしくは複数枚の板状体を平置き状態で収納して搬送する搬送用容器であって、
容器本体の収納部の底部上面における側壁内面に沿う周縁部に、底部上に収納される板状体の周縁の当接を回避するための凹部が形成され、該凹部の底面の側壁内面に連続する外縁側が側壁変形時の応力集中を回避できるアール曲面をなしていることを特徴とする板状体の搬送用容器。
【請求項2】
前記容器本体が、複数枚の板状体を平置き状態にして重ねて収納する一つの収納部を有してなり、該容器本体の外周部における側壁上端部に対して嵌合して被着される蓋体を備えてなる請求項1に記載の板状体の搬送用容器。
【請求項3】
前記容器本体が、1枚又は数枚の板状体を平置き状態で収納する一つの収納部を有してなり、収納部に板状体を収納した状態の容器本体が蓋なしで積み重ね可能である請求項1に記載の板状体の搬送用容器。
【請求項4】
収納部の底部上面における周縁部の凹部が、側壁内面に沿って全周にわたって連続して形成されてなる請求項2に記載の板状体の搬送用容器。
【請求項5】
収納部の底部上面における周縁部の凹部が、側壁内面に沿って全周にわたって連続して形成されてなる請求項3に記載の板状体の搬送用容器。
【請求項6】
前記容器本体の収納部の四隅部における側壁内面に、側壁内側面より拡張形成された切欠部が設けられ、該切欠部の底部が前記凹部から連続して拡張形成された拡張凹部として形成され、該拡張凹部の底面の外縁側が前記凹部から連続したアール曲面で側壁内面に連続している請求項2〜5のいずれか1項に記載の板状体の搬送用容器。
【請求項7】
前記凹部の深さが、容器本体の収納部深さの1/5以上で、底部肉厚の1/2以下であり、また前記凹部底面と側壁内面との境界部の前記アール曲面の半径が、前記収納部深さの1/5以上であり、前記凹部の深さを超えないように形成されてなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の板状体の搬送用容器。
【請求項8】
前記凹部の深さが、容器本体の収納部深さの1/5以上で、底部肉厚の1/2以下であり、また前記凹部底面と側壁内面との境界部の前記アール曲面の半径が、前記収納部深さの1/5以上であり、前記凹部の深さを超えないように形成されてなる請求項6に記載の板状体の搬送用容器。
【請求項9】
容器本体の収納部の少なくとも一側面の側壁内面が下端から上端に向かって外方へ傾斜したテーパ状をなしている請求項1〜5のいずれか1項に記載の板状体の搬送用容器。
【請求項10】
容器本体の収納部の少なくとも一側面の側壁内面が下端から上端に向かって外方へ傾斜したテーパ状をなしている請求項6に記載の板状体の搬送用容器。
【請求項11】
前記容器本体が、縦横の少なくとも一方向に並列して間隔をおいて複数の収納部が形成されてなり、各収納部に板状体を収納した状態の容器本体が蓋なしで積み重ね可能である請求項1に記載の板状体の搬送用容器。
【請求項12】
前記容器本体の外周部における側壁上端部と、容器本体の底部下面の周縁部とに、互いに対応した凹凸形状による嵌合手段が設けられ、複数の容器本体の積み重ねの際に嵌合するように設けられてなる請求項11に記載の板状体の搬送用容器。
【請求項13】
前記凹部の深さが、容器本体の収納部深さの1/5以上で、底部肉厚の1/2以下であり、また前記凹部底面と側壁内面との境界部の前記アール曲面の半径が、前記収納部深さの1/5以上であり、前記凹部の深さを超えないように形成されてなる請求項11又は12に記載の板状体の搬送用容器。
【請求項14】
各収納部の1辺部に連続して、前記板状体に連設されたフレキ部を収納するフレキ収納部が形成されてなる請求項11または12に記載の板状体の搬送用容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−106793(P2012−106793A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203503(P2011−203503)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】
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