説明

板状部材の保持構造

【課題】簡便な方法を用いて板状部材が歪むことなく保持することが可能な板状部材の保持構造を得る。
【解決手段】第1の押さえ部材310には第1の穴及び突起315が設けられる。第2の押さえ部材320は板状部材330を覆う程度の大きさを有し、第2及び第3の穴が設けられる。板状部材330には第4の穴が設けられる。第1の穴と第2の穴にはリベット340が嵌挿されて、係止される。これにより、第1及び第2の押さえ板310、320が密着する。このとき、突起315は第3及び第4の穴と係合する。これにより、板状部材330は第1及び第2の押さえ板310、320の間で位置が固定され、動くことはない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば内視鏡装置が備える光源装置に用いられる板状部材の保持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源装置に設けられて光源から出射される照明光の光量の制御を行う露光装置には、光路を通過する照明光の制御を行うために極細幅のスリットを有する板状の羽絞りが用いられる。羽絞りには一定の強度が要求される一方で、スリットには厚さが薄いことが求められる。そのため、羽絞りに薄いスリットを溶融接合する方法が提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−196261号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、溶融接合するとスリットに歪みが生じ、正確なスリットの幅を得られないという問題がある。
【0004】
本発明は、この問題を解決するためになされたものであり、簡便な方法を用いて板状部材が歪むことなく保持することが可能な板状部材の保持構造を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による板状部材の保持構造は、第1の押さえ部材と第2の押さえ部材との間に挟持される板状部材を備え、第1の押さえ部材は、板状部材と重合しない位置に設けられる第1の穴、及び板状部材と重合する位置に設けられる突起を有し、第2の押さえ部材は、第1の穴に対応する位置に設けられる第2の穴、及び突起に対応する位置に設けられる第3の穴を有し、板状部材は、突起及び第3の穴に対応する位置に設けられる第4の穴を有し、第1の穴と第2の穴とは接合され、突起と第3の穴と第4の穴とは係合することを特徴とする。
【0006】
第1の穴と第2の穴は鋲着されて接合されても良い。
【0007】
板状部材は絞り窓を有し、第1の押さえ部材は第1の開口部とを有し、第2の押さえ部材は第2の開口部とを有し、第1及び第2の押さえ板は絞り窓が第1及び第2の開口部から露出するように板状部材を挟持することが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡便な方法を用いて板状部材が歪むことなく保持することが可能な板状部材の保持構造を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明における板状部材の保持構造の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0010】
板状部材の保持構造を図1から図6を用いて説明する。
【0011】
露光装置100は内視鏡装置の光源装置400に設けられる。内視鏡装置はスコープ600と、スコープ600に接続されるビデオプロセッサー500とから主に構成される。ビデオプロセッサー500は内部に光源装置400を備える。光源装置400が発生する照明光はスコープ600に伝達される。スコープ600は人体に挿入されて照明光を観察部位に照射する。
【0012】
光源装置400は光源410と、第1及び第2の集光レンズと、露光装置100とを有する。光源410から生じた照明光は第1の集光レンズ420により集光されて露光装置100に導かれる。露光装置100は照明光の光路を遮断又は開放する。光路が開放されると、照明光は第2の集光レンズ430により集光されてスコープ600に伝達される。スコープ600は照明光を観察対象物に照射する。光路440が遮断されると、照明光はスコープ600に伝えられず、観察対象物は照明されない。
【0013】
露光装置100はロータリシャッタ200と羽絞り300とを主に備える。ロータリシャッタ200は駆動円盤210と従動円盤220とを有する。駆動円盤210と従動円盤220は同軸に設けられ、第1のモータ230により一定の速度で回転する。駆動円盤210と従動円盤220にはそれぞれ対応する位置に図示しない開口部が設けられる。それぞれの開口部が重なることにより図示しないシャッタ窓が形成され、従動円盤220が駆動円盤210に対して相対的に回転することにより、シャッタ窓の大きさが調整される。
【0014】
第1の集光レンズ420とロータリシャッタ200との間の光路440上には羽絞り300が設けられる。羽絞り300は第1及び第2の押さえ部材310、320と、板状部材330とから主に構成される。第1の押さえ部材310はロータリシャッタ200の径方向に伸びる円弧状の頭部311と、頭部311の内周における中央部からその円弧の中心に向けて伸びる脚部312とを有する。
【0015】
脚部312には第2のモータ102が取り付けられ、羽絞り300は第2のモータ102の軸Oを中心に回動する。
【0016】
板状部材330は極薄厚であって、絞り部333を有する(図6参照)。絞り部333は、最も幅の広い全開部334において、絞り部333は光路440を完全に開放するに十分な大きさを有する円形状である。円形状の全開部334と最も幅の狭い最小部335とは、絞り部334に対して凸である曲線によって連続的に接続され、全開部334から最小部335に向けて急激に幅が狭くなる。
【0017】
第1及び第2の押さえ部材310、320は、第1及び第2の開口部313、323を有する。第1及び第2の開口部313、323は絞り部333全体が露出することが可能な大きさを有する。第1の押さえ部材310には第1の穴314及び突起315が設けられる。第1の穴314は板状部材330と重複しない位置であって、第2の押さえ部材320と重複する位置であって、板状部材330の周囲を囲むように5つ設けられる。突起315は、ハーフパンチを用いて、板状部材330と重複する位置に複数設けられる。
【0018】
第2の押さえ部材320は板状部材330を覆う程度の大きさを有し、第2及び第3の穴324、325が設けられる。第2の穴324は、第1及び第2の押さえ部材310、320が重合されたとき、第1の穴314に対応する位置に設けられる。第3の穴325は、第1及び第2の押さえ部材310、320が重合されたとき、突起315に対応する位置に設けられる。
【0019】
板状部材330には第4の穴336が設けられる。第4の穴336は、第1及び第2の押さえ部材310、320が重合されたとき、突起315に対応する位置に設けられる。
【0020】
第1の穴と第2の穴314、324にはリベット340が嵌挿されて、係止される。これにより、第1及び第2の押さえ板310、320が密着する。このとき、突起315は第3及び第4の穴325、336と係合する。これにより、板状部材330は第1及び第2の押さえ板310、320の間で位置が固定され、動くことはない。
【0021】
これにより、簡便、かつ絞り部が歪むことなく板状部材を固定することが可能となる。
【0022】
また、この板状部材の支持構造により板状部材を支持する羽絞りを用いた露光装置を備える内視鏡装置を用いることにより、観察部位に非常に短時間の照明光を照射することが出来、ぶれのない静止画像を得ることが可能となる。
【0023】
なお、突起315はハーフパンチによるものでなくても良く、突起315を形成することが出来る方法であれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】内視鏡装置の一部概念図である。
【図2】絞り羽根の正面図である。
【図3】絞り羽根の図2のIII−III線における一部断面図である。
【図4】第1の押さえ部材の正面図である。
【図5】第2の押さえ部材の正面図である。
【図6】板状部材の正面図である。
【符号の説明】
【0025】
100 露光装置
102 第2のモータ
200 ロータリシャッタ
230 第1のモータ
300 羽絞り
310 第1の押さえ部材
314 第1の穴
315 突起
320 第2の押さえ部材
324 第2の穴
330 板状部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の押さえ部材と第2の押さえ部材との間に挟持される板状部材を備え、
前記第1の押さえ部材は、前記板状部材と重合しない位置に設けられる第1の穴、及び前記板状部材と重合する位置に設けられる突起を有し、
前記第2の押さえ部材は、前記第1の穴に対応する位置に設けられる第2の穴、及び前記突起に対応する位置に設けられる第3の穴を有し、
前記板状部材は、前記突起及び前記第3の穴に対応する位置に設けられる第4の穴を有し、
前記第1の穴と前記第2の穴とは接合され、前記突起と前記第3の穴と前記第4の穴とは係合することを特徴とする板状部材の保持構造。
【請求項2】
前記第1の穴と前記第2の穴は鋲着されて接合することを特徴とする請求項1に記載の板状部材の保持構造。
【請求項3】
前記板状部材は絞り窓を有し、
前記第1の押さえ部材は第1の開口部とを有し、
前記第2の押さえ部材は第2の開口部とを有し、
前記第1及び第2の押さえ板は前記絞り窓が前記第1及び第2の開口部から露出するように前記板状部材を挟持することを特徴とする請求項2に記載の板状部材の保持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−111966(P2008−111966A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−294362(P2006−294362)
【出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】