説明

析出金属板のサンプリング装置

【課題】搬送コンベアを介して連続的に搬送されてくる多数の析出金属板から任意の析出金属板を取り出してサンプリングを行うことが可能であるとともに、切断片として取り出す部分も任意に選択することができ、さらには所望とするときにサンプリングを行うことのできる析出金属板のサンプリング装置を提供する。
【解決手段】金属板を搬送コンベアで搬送する途中で、サンプリングを行う装置であって、サンプリングコンベアと搬送コンベアとで金属板のサンプリング位置を決め、プレス装置にて、前記サンプリング位置とした金属板の一部分を切り出すことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解槽から析出された、例えば純銅板のような析出金属板のサンプリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ISA法と称される銅の電解精錬は、電気分解によりステンレスのカソード板の両面に純銅を析出させる事で行われている。
【0003】
そして、ステンレス製のカソード板は、ある重量になった時点で電解槽から引き上げられ、図4および図5に示したように、母板とされたステンレス板2の両面に析出された純銅板4(以下、単に銅板4という)がスクレーパなどの剥ぎ取り機により剥ぎ取られている。
【0004】
この剥ぎ取られた銅板4,4は、間欠的な移動を行う第1の搬送コンベア6上に横臥した姿勢で載置され、所定位置まで搬送され、さらに銅板4は、図示しない吸着機構などからなる移載装置により第2の搬送コンベア8に移載され、この第2の搬送コンベア8により引き続き同方向への搬送がなされる。なお、第1の搬送コンベア6から第2の搬送コンベア8に移載されるまでに、銅板4は2枚重ねにされ、2枚が一対となって第2の搬送コンベア8に引き渡される。
【0005】
第2の搬送コンベア8も第1の搬送コンベア6と同様に、例えば、タイマーなどの設定により間欠的な駆動を行うもので、例えば、第2の搬送コンベア8が停止している間に、複数枚の銅板4が一つの山として同一箇所に積載され、その後、所定距離移動して、次の積載が行われる。
【0006】
このように第2の搬送コンベア8上に多段に積層された銅板4は、間欠的にワンピッチずつ下流側に搬送される。
一方、第2の搬送コンベア8の側方には、図4に示したように、サンプリング用のサンプリングコンベア12とプレス装置10とが設置されている。
【0007】
また、図示していないが、サンプリングコンベア12の上方には、銅板4の移載手段としてピックアップ装置が設置されている。
上記プレス装置10は、1枚の矩形状の銅板4から、例えば、角部近傍をサンプルとして部分的に切り出すためのもので、プレス装置10の切断刃は、図4の紙面に対して直角な方向すなわち上下方向に移動可能にセットされている。
【0008】
上記サンプリングコンベア12は、第2の搬送コンベア8の搬送方向に対して斜めに配置されている。このサンプリングコンベア12の駆動ローラは正、逆回転可能であり、この回転方向を制御することにより、搬送方向を矢印A’あるいは矢印A方向のいずれかに変更可能とされている。
【0009】
上記ピックアップ装置は、第2の搬送コンベア8上の銅板4を吸着してサンプリングコンベア12に移載したり、あるいはサンプリングコンベア12上の銅板4を吸着して第2の搬送コンベア8上に移載したりするのに使用される。すなわち、この図示しないピックアップ装置は、サンプリングのための銅板4の移載のために使用される。
【0010】
このように構成された従来のサンプリング装置では、以下のようにして銅板4のサンプリングが行われている。
すなわち、先ず、カソード電極であるステンレス板2の両側から一対の銅板4、4が剥ぎ取られ、両側に横臥した姿勢で第1の搬送コンベア6上に載置される。その後、第1の搬送コンベア6を介して下流側に搬送される。図5に示したように、第1の搬送コンベア6の下流側において、この第1の搬送コンベア6から第2の搬送コンベア8に移載されるときには、銅板4,4が2枚に積層された姿勢から上位の銅板4が第2の搬送コンベア8に移載される。
【0011】
また、第2の搬送コンベア8においては、銅板4がさらに多段に積層され、所定枚数の銅板4が集まった時点で下流に搬送される。そして、第2の搬送コンベア8における搬送の途中で、多段に積層された銅板4から上記ピックアップ装置により最上段の銅板4がピックアップされ、このピックアップされた最上段の銅板4が、オフラインに配置された上記サンプリングコンベア12上に移載される。
【0012】
サンプリングコンベア12に最上段の銅板4が移載された後、このサンプリングコンベア12は、搬送方向が矢印A’方向になるように駆動する。そして、銅板4をプレス装置10側に移送する。これにより、サンプリングコンベア12上の銅板4が、図4において二点鎖線で示したように、プレス装置10の下方に案内される。そして、プレス装置10の切断刃により銅板4の一部分がサンプリング用に切り出される。
【0013】
その後、サンプリングコンベア12は、今度は搬送方向が矢印A方向となるように駆動される。そして、銅板4は、二点鎖線の位置から矢印A方向に移動され、しかる後、ピックアップ装置によりピックアップされ、これにより、第2の搬送コンベア8上に戻される。
そして、第2の搬送コンベア8では、当初、積層された複数枚の銅板4が元の状態とされて下流側に搬送される。
【0014】
このようにして、サンプリングのための所定の工程が完了する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ところで、上記した従来の析出金属板のサンプリング装置では、サンプリングされる銅板4は、第2の搬送コンベア8上の多段に積層された銅板4の山のうち、常に最上段の銅板4しか用いることができない。すなわち、第2の搬送コンベア8上で下段に積層されている銅板4からは、サンプリング用として取り出すことができない。結果として、従来の析出金属板のサンプリング装置では、サンプリング用としての対象金属板が限定されてしまうという問題があった。
【0016】
また、従来のサンプリング装置では、プレス装置10がサンプリングコンベア12に対して移動不能であるため、一枚の銅板4が仮に1メートル四方の大きさであるとしても、その銅板4から切り出される小片の位置は、常に隅角部など予め設定された一箇所に限定されてしまうという問題があった。
【0017】
本発明は、このような実情に鑑み、搬送コンベアを介して連続的に搬送されてくる純銅板のような多数枚の析出金属板のうち任意の析出金属板を取り出してサンプリングを行うことが可能であるとともに、小片として切り出す部分も任意の位置を選択することができ、さらには所望とするときにいつでもサンプリングを行うことのできる析出金属板のサンプリング装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するための本発明は、
金属板を搬送コンベアで搬送する途中で、サンプリングを行う装置であって、サンプリングコンベアと搬送コンベアとで金属板のサンプリング位置を決め、プレス装置にて、前記サンプリング位置とした金属板の一部分を切り出すことを特徴としている。
【0019】
このようなサンプリング装置であれば、搬送コンベアを介して連続的に搬送されてくる純銅板のような多数枚の金属板から任意の金属板を取り出してサンプリングを行うことができる。また、小片として切り出す部分も任意の位置を選択することができる。
【0020】
また、本発明に係る析出金属板のサンプリング装置は、カソード電極の両面から剥がされた2枚一対の析出金属板を一枚ずつ搬送コンベアで連続的に下流側に搬送するとともに、この下流側に搬送されてきた前記析出金属板を前記搬送コンベアに対して下流側に配置された第1のサンプリングコンベア上に移送した後、前記析出金属板から一部分を切り出してサンプリングを行う析出金属板のサンプリング装置であって、
前記第1のサンプリングコンベアのさらに下流側に、この第1のサンプリングリングコンベアと同期する第2のサンプリングコンベアを配置するとともに、前記第1のサンプリングコンベアの終端部と前記第2のサンプリングコンベアの始端部との離間距離を前記析出金属板の一辺の長さよりも短く設定し、
さらに、前記析出金属板から一部分を切り出すプレス装置を、前記第1,第2のサンプリングコンベアの側方に往復移動自在に配置し、
前記搬送コンベアにより前記第1のサンプリングコンベアに移送されてきた前記析出金属板を、さらに前記第2のサンプリングコンベアに移送する際に、前記第1のサンプリングコンベアと前記第2のサンプリングコンベアの駆動を停止することにより、前記析出金属板を前記第1のサンプリングコンベアと前記第2のサンプリングコンベアとの間に跨った姿勢で停止し、
さらに、停止した前記析出金属板に対し、前記プレス装置を側方から接近させて、このプレス装置により前記析出金属の一部分がサンプリング用に切り出されることを特徴としている。
【0021】
このような構成のサンプリング装置では、最上位に配置される析出金属板に限定されず、搬送されてくるどの析出金属板からもサンプリングを行うことができる。
また、本発明は、前記第1のサンプリングコンベアおよび前記第2のサンプリングコンベアの前後方向に対する停止位置、および前記プレス装置の水平方向への突出移動距離をそれぞれ調整可能に設定することにより、前記析出金属板のX方向およびY方向の任意の位置から前記サンプリング用の一部分が切り出されることを特徴としている。
【0022】
このような構成であれば、一枚の析出金属板に対するプレス位置を、XY方向に任意に調整することができる。したがって、搬送されてくる任意の析出金属板を選別して、その金属板のどの位置からであってもサンプリング用に切り出すことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る析出金属板のサンプリング装置によれば、サンプリングコンベアで搬送されてくる金属板は1枚ずつ搬送されてくるので、多数枚の金属板のうち任意の金属板を選択して、そこからサンプリングを行うことができる。
【0024】
また、第1のサンプリング用コンベアと第2のサンプリング用コンベアの停止位置を制御し、かつプレス装置の水平方向への突出位置を調整すれば、1枚の析出金属板のどの位置からであっても小片を切り出すことができる。
【0025】
さらに、サンプリングを任意の時間に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1および図2は電解槽で精製された純銅板4の搬送工程を示したもので、図1は概略平面図、図2はその概略正面図である。これらの搬送工程で使用されるコンベアの途中に、本発明の一実施例による析出金属板のサンプリング装置が構成されている。また、図3および図4は、本実施例で採用されたプレス装置の概略正面図と、その概略側面図である。なお、以下の説明では、図4、図5と同一要素については同一符号を付して説明する。
【0027】
本発明では、図1において、上流側の搬送コンベア6上を矢印Y方向に向かって順次下流側に搬送される析出金属板4は、例えば、ニッケル、銅、亜鉛など、電解精製する金属であれば、どのような金属であっても良いが、本実施例では、純銅板4を例にして説明する。
【0028】
銅の電解精錬では、前述しように電解槽内においてカノード電極としてのステンレス板2が採用され、このステンレス板2は、ある重量になった時点で電解槽から引き上げられる。そして、ステンレス板2の両面に析出された銅板4が図1及び図2の搬送コンベア6上で、図示しないスクレーパなどにより剥ぎ取られて、上記の搬送工程で順次下流側に搬送される。
【0029】
スクレーパなどにより剥ぎ取られた銅板4は、図1および図2に示したように、上流側搬送コンベア6、第1のサンプリングコンベア8A、第2のサンプリングコンベア8B、下流側搬送コンベア16、排出コンベア18により、矢印Y方向に搬送される。これらのコンベア6、8A、8B,16、18のうち、排出コンベア18のみが一段低い位置に配置される他は、略同一高さに設置されている。
【0030】
また、上流側搬送コンベア6、第1のサンプリングコンベア8A、第2のサンプリングコンベア8B、下流側搬送コンベア16、排出コンベア18のうち、隣接する2つのコンベアの間には、図2に示したように、移載装置22,26と、積載装置28とが設置されている。
上記移載装置22,26は、例えは、1枚あるいは複数枚の銅板4を上方に持ち上げ、この銅板4を横移動する機能を有していればどのような構造のものを採用しても良い。
また、上記積載装置28は、下流側搬送コンベア16から運搬された銅板4を複数枚毎に排出コンベア18に移載し、積載するもので、構造は何ら限定されない。
これらの移載装置22,26、あるいは積載装置28を介して銅板4が下流側のコンベアに移載される。なお、コンベア8A,8B間での銅板4の移載は双方のコンベアの同期で行なわれている。
【0031】
図1に示したように、第1のサンプリングコンベア8Aの送り方向終端部8aと、第2のサンプリングコンベア8Bの送り方向始端部8bとの離間距離は、対象銅板4の両端部が跨がる程度の間隔に設定されている。すなわち、その離間距離は、銅板4の一辺の長さよりも短く設定されている。
【0032】
また、第1のサンプリングコンベア8Aと第2のサンプリングコンベア8Bとの駆動は、同期するように制御されている。さらに、第1のサンプリングコンベア8Aと第2のサンプリングコンベア8Bの停止位置は、図1に示した位置よりY方向あるいはY’方向のいずれかに、若干移動した位置に調整可能である。すなわち、第1のサンプリングコンベア8Aおよび第2のサンプリングコンベア8Bの停止位置が、Y、Y’方向のいずれかに若干移動可能であることから、図1および図3に示したように、二点鎖線で示した対象銅板4が、2つのコンベア8A、8B間に跨った姿勢、あるいは跨らずに片側にオーバーハング状態で支持された場合に、図の位置より若干左方に寄ったり、あるいは若干右方に寄ったりすることができるようにされている。
【0033】
さらに、本実施例のサンプリング装置では、図1に示したようにプレス装置10が、第1のサンプリングコンベア8Aおよび第2のサンプリングコンベア8Bに対してX−X’方向に移動可能に設置されている。すなわち、プレス装置10は、図1および図3に示したように、コンベア8A,8B上に跨って配置された対象銅板4に対して、X−X’方向に移動可能であることから、対象銅板4に対して近い位置あるいは遠い位置であってもプレス位置を調整することが可能にされている。
【0034】
このように、本実施例では、対象銅板4を支持する2つのコンベア8A,8BがY−Y’方向に移動可能であるとともに、プレス装置10がX−X’方向に移動可能であり、さらにプレス装置10の切断刃Pおよびその受け台5が、図3において、Z−Z’方向(鉛直方向)に移動可能であることにより、対象銅板4のどの位置であってもサンプリング用として任意の位置から切り出すことが可能にされている。
【0035】
図3および図4に示したように、プレス装置10の切断刃Pは、切り出しが完了した後、Z方向に移動し、元の上方位置に復帰する。
以下に、このようなプレス装置10を備えたサンプリング装置20の搬送工程における作用について説明する。
【0036】
今、ステンレス板2の両側から剥ぎ取られた一対の銅板4、4は、上流側搬送コンベア6により一枚ずつ下流側に搬送される。そして、図2に示したように、上流側搬送コンベア6から第1のサンプリングコンベア8Aに銅板4が移載されるときには、銅板4は移載装置22によりピックアップされ、図2において矢印で示したように第1のサンプリングコンベア8A上に移載される。その後、移載された銅板4は、第1のサンプリングコンベア8Aの駆動力により、第1のサンプリングコンベア8Aの下流側に案内される。対象銅板4が第1のサンプリングコンベア8Aの終端近傍にまで案内されたら、第1のサンプリングコンベア8Aと第2のサンプリングコンベア8Bとの駆動を停止する。そして、対象銅板4が今度は、移載装置24により、第1のサンプリングコンベア8Aと第2のサンプリングコンベア8Bとの間に跨った姿勢、あるいは跨らずに片側のサンプリングコンベアにオーバーハング状態に配置される(図1〜図4の二点鎖線で示す姿勢)。
【0037】
その後、サンプリング位置にある銅板4に対してプレス装置10が最初に図1において矢印X方向に移動する。そして、プレス装置10の矢印X方向への移動が停止され、しかる後、プレス装置10の切断刃Pが図3において鉛直方向(Z’方向)に案内されて、銅板4の一部が、受け台5との間でプレスされ、これにより銅板4から小片が切り出される。小片の切り出しが完了した後、切断刃PはZ方向に移動する。さらにプレス装置10が、図1において矢印X’方向に後退し、プレス装置10が元の位置に復帰する。なお、プレス装置10は元の位置には復帰せず、次の指令があるまでその位置で待機することも出来る。
【0038】
続いて、第1,第2のサンプリングコンベア8A,8Bの駆動が再び開始される。これにより、小片が切り出された後の銅板4は、図2に示したように、第2のサンプリングコンベア8Bにより下流側搬送コンベア16に向かって搬送される。第2のサンプリングコンベア8Bによりこの第2のサンプリングコンベア8Bの終端付近にまで搬送されたら、今度は、移載装置26を介して、銅板4が下流側搬送コンベア16に移載される。その後、銅板4は、下流側搬送コンベア16で下流に搬送された後、今度は、積載装置28を介して排出コンベア18上に積載される。なお、この排出コンベア18では、多数枚の銅板4が多段に積層され、間欠的に移動するように搬送が制御されている。
【0039】
以上説明したように、本実施例によるサンプリング装置20では、連続的にステンレス板2から剥ぎ取られてくる銅板4が、第1のサンプリングコンベア8Aと第2のサンプリングコンベア8Bとにおいては一枚ずつ下流側に搬送されてくるので、どの銅板4であっても、任意に選択してサンプリングを行うことができる。また、プレス装置10の銅板4に対する水平方向の移動距離をX−X’方向に調整したり、サンプリングコンベア8A,8BのY−Y’方向の停止位置を調整したりすることが可能であることにより、銅板4のサンプリングとしての切り取り位置を任意に設定することができる。
【0040】
結果として、本発明では、連続的に搬送されてくる多数の銅板4のうち、任意の銅板4を選択して、その銅板4のどの部分からであってもサンプリング用として切り出すことができる。
【0041】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されない。
例えば、上記のサンプリング装置20において、サンプリングを行わない場合には、上流側搬送コンベア6などでは銅板4を2枚重ねで搬送しても良い。
また、隣接するコンベア間に配置される移載装置22,26は、銅板を持ち上げて横移動できる構造であればいかなるものでもよい。さらに、積載装置28も下流側搬送コンベア16から下段の排出コンベア18に銅板4を移載できる機能を有していれば、その構造は何ら限定されない。例えば,爪などで引っ掛けて銅板4を移動させても良い。
また、析出金属板は銅板4に何ら限定されない。
さらに、上記実施例では、ステンレス板をカソードに用いているが、種板として薄い銅板を採用し、この薄い銅板をカソードとして用いることもできる。さらに、銅鉱石などの電解方法は何ら限定されない。要は、多数枚連続的に送られてくる析出金属板であれば、どのような溶解方法で溶解されても良い。
【0042】
また、多数の電解槽を備えた施設などにおいては、各個別の電解槽に対応して1枚ずつサンプリングを行えば、多数設置された電解槽の特性などを調査することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は本発明の一実施例に係る析出金属板のサンプリング装置が具備された電解精製の搬送工程を示す概略平面図である。
【図2】図2は図1に示した搬送工程の概略正面図である。
【図3】図3は図1においてプレス装置が設置された部分の概略正面図である。
【図4】図4は従来の析出金属板のサンプリング装置の概略平面図である。
【図5】図5は図4に示した従来のサンプリング装置の概略正面図である。
【符号の説明】
【0044】
2 ステンレス板
4 純銅板
6 上流側搬送コンベア
8a 第1のサンプリングコンベア
8b 第2のサンプリングコンベア
10 プレス装置
16 下流側搬送コンベア
18 排出コンベア
20 サンプリング装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板を搬送コンベアで搬送する途中で、サンプリングを行う装置であって、サンプリングコンベアと搬送コンベアとで金属板のサンプリング位置を決め、プレス装置にて、前記サンプリング位置とした金属板の一部分を切り出すことを特徴とするサンプリング装置。
【請求項2】
カソード電極の両面から剥がされた2枚一対の析出金属板を一枚ずつ搬送コンベアで連続的に下流側に搬送するとともに、この下流側に搬送されてきた前記析出金属板を前記搬送コンベアに対して下流側に配置された第1のサンプリングコンベア上に移送した後、前記析出金属板から一部分を切り出してサンプリングを行う析出金属板のサンプリング装置であって、
前記第1のサンプリングコンベアのさらに下流側に、この第1のサンプリングリングコンベアと同期する第2のサンプリングコンベアを配置するとともに、前記第1のサンプリングコンベアの終端部と前記第2のサンプリングコンベアの始端部との離間距離を前記析出金属板の一辺の長さよりも短く設定し、
さらに、前記析出金属板から一部分を切り出すプレス装置を、前記第1,第2のサンプリングコンベアの側方に往復移動自在に配置し、
前記搬送コンベアにより前記第1のサンプリングコンベアに移送されてきた前記析出金属板を、さらに前記第2のサンプリングコンベアに移送する際に、前記第1のサンプリングコンベアと前記第2のサンプリングコンベアの駆動を停止することにより、前記析出金属板を前記第1のサンプリングコンベアと前記第2のサンプリングコンベアとの間に跨った姿勢で停止し、
さらに、停止した前記析出金属板に対し、前記プレス装置を側方から接近させて、このプレス装置により前記析出金属の一部分がサンプリング用に切り出されることを特徴とする析出金属板のサンプリング装置。
【請求項3】
前記第1のサンプリングコンベアおよび前記第2のサンプリングコンベアの前後方向に対する停止位置、および前記プレス装置の水平方向への突出移動距離をそれぞれ調整可能に設定することにより、前記析出金属板のX方向およびY方向の任意の位置から前記サンプリング用の一部分が切り出されることを特徴とする請求項2に記載の析出金属板のサンプリング装置。

【図4】
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【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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