説明

枕の載置台

【課題】中央部に貫通孔を有する枕を用いてうつ伏せ状態で寝る際に、より良好な通気性を確保し、且つ身体への負担を軽減することを可能にする、枕の載置台を提案する。
【解決手段】中央部に貫通孔(7a)を有する枕(7)の載置台(1)であって、上側基板(2)及び下側基板(3)と、下側基板上に上側基板を支持して両基板間の距離を調節するための少なくとも一つの距離調節機構(4)とを備えており、上側基板は、枕を載置した際に、枕の貫通孔(7a)と少なくとも部分的に連通する上側基板の貫通孔(5)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中央部に貫通孔を有する枕の載置台に関し、特に、うつ伏せで寝た際に良好な通気性の確保及び身体への負担軽減を実現した、枕の載置台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
うつ伏せで睡眠をとることにより、背骨の前側を走る血管リンパ管を内臓が圧迫することを回避し、血行リンパ液の流通ひいては新陳代謝が良くなり、その結果、肩凝り、便秘、不眠等の症状が改善されることが知られている。そして、うつ伏せ状態での睡眠を実現するために、例えば、直方体状の枕に切込みを入れた特許文献1に開示のうつ伏せ用枕や、馬蹄型のうつ伏せ用枕が提案されている。うつ伏せで寝る場合、顔面を枕に対して押し付けることになるが、例えば特許文献1の枕では、直方体状の通常の枕に、使用状態において左右及び下(人の顎側)方向に切込みを入れて通気路を確保し、目、鼻、口を圧迫することなく呼吸ができるようにすることを提案している。
【0003】
しかしながら、切込みにより目、鼻、口を収容する空間が設けられても、うつ伏せ用枕に対して顔面を置くと、顔面によって枕の上部が塞がれた状態となる。つまり、特許文献1のように通気路を壁で区画することにより形成した枕においては、使用時、通気路は両端が開口した空洞状になり、空気の入出は、両端の開口を通じてのみ行われることになる。そうすると、この開口を介して、多少は吐息を通気路外に排出したり、通気路内に外気を取り入れることは出来るものの、通気路内で空気が淀んでしまうため、通常の呼吸を続けることが難しい。その結果、特許文献1のような枕を用いてうつ伏せで寝た場合であっても、快適な眠りを実現することは難しかった。
また、うつ伏せで寝る場合、頭を顔面で支持することになるため、首や背骨、特に頚椎に負担がかかりやすい。そして特許文献1の枕は、直方体状の枕を用いて全体が均一な高さで構成されているため、顔面の特定の箇所に負担がかかり、身体全体への負担が大きく、かかる点においても、快適な眠りを実現することが難しかった。
このように、うつ伏せで寝る際に、通気路が壁で区画されるために空気が淀んで呼吸が困難であることや、身体に負担がかかりやすいことは、馬蹄型のうつ伏せ用枕においても同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−50222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って本発明の目的は、中央部に貫通孔を有する枕を用いてうつ伏せ状態で寝る際に、より良好な通気性を確保し、且つ身体への負担を軽減することを可能にする、枕の載置台を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで発明者は、中央部に貫通孔を有する枕を用いてうつ伏せ状態で寝る際に、より良好な通気性を確保し、さらに身体への負担を軽減するための方途について鋭意研究を重ねた。
その結果、良好な通気性を確保するためには、枕に顔面を置いて枕の上部を塞いだ状態であっても、呼吸のための通気路が、壁等の障害物によって遮られることなく、全ての方向において外気と連通することが重要であるとの着想を得た。すなわち、中央部に貫通孔を有する枕を、同様に貫通孔を設けた基板上に載置し、該基板を一以上の支持点のみでベッド又は布団等の地盤から離間させれば、枕と地盤との間に、壁等で遮られることのない通気路を設けることが可能となる。
さらにこの際、枕を載置した基板の、地盤からの高さを変化させることができれば、使用者の顔の各部位への負担を考慮して枕を所望の高さ及び傾斜角度に調節し、身体への負担を軽減することも可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)中央部に貫通孔を有する枕の載置台であって、
該載置台は、上側基板及び下側基板と、該下側基板上に該上側基板を支持して両基板間の距離を調節するための少なくとも一つの距離調節機構とを備えており、
前記上側基板は、枕を載置した際に、該枕の貫通孔と少なくとも部分的に連通する上側基板の貫通孔を有する
ことを特徴とする枕の載置台。
【0008】
(2)前記下側基板の面積は、前記上側基板の面積よりも大きいことを特徴とする、前記(1)に記載の枕の載置台。
【0009】
(3)前記上側基板は、前記上側基板の貫通孔と外界とを連絡する通路により分離されることを特徴とする、前記(1)又は(2)に記載の枕の載置台。
【0010】
(4)前記上側基板は、前記通路により分離された側の端部で蝶番によって前記下側基板と連結され、開閉可能であることを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれか一に記載の枕の載置台。
【0011】
(5)前記上側基板及び前記下側基板は、プラスチック、木又は金属であることを特徴とする、前記(1)〜(4)のいずれか一に記載の枕の載置台。
【0012】
(6)前記上側基板は、枕を所望の位置に保持するための押さえ部を有することを特徴とする、前記(1)〜(5)のいずれか一に記載の枕の載置台。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、中央部に貫通孔を有する枕を用いてうつ伏せ状態で寝る際に、より良好な通気性を確保し、且つ身体への負担を軽減することを可能にする、枕の載置台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に従う枕の載置台の第一実施形態の全体構成を示す図である。
【図2】図1に示す枕の載置台に、枕を置いた状態を示す図である。
【図3】図1に示す枕の載置台及び載置された枕の側面図である。
【図4】図1に示す枕の載置台を開けた状態を示す図である。
【図5】図1に示す枕の載置台における距離調節機構を示す図である。
【図6】本発明に従う枕の載置台の第二実施形態を示す図である。
【図7】(a)は、本発明に従う枕の載置台の第三実施形態の全体構成を示す図である。(b)は、(a)に示す載置台及び枕の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明に従う枕の載置台を説明する。図1は、本発明に従う枕の載置台の第一実施形態の全体構成を示す図である。図2は、図1に示す枕の載置台に、枕を置いた状態を示す図である。図3は、図1に示す枕の載置台及び載置された枕の側面図である。図4は、図1に示す枕の載置台を開けた状態を示す図である。図5は、図1に示す枕の載置台における距離調節機構を示す図である。図6は、本発明に従う枕の載置台の第二実施形態を示す図である。図7(a)は、本発明に従う枕の載置台の第三実施形態の全体構成を示す図である。図7(b)は、図7(a)に示す載置台及び枕の側面図である。
【0016】
図1は、本発明に従う枕の載置台の第一実施形態の全体構成を示している。
図1に示されるように、本発明の枕の載置台1は、上側基板2と、下側基板3の2枚の基板を備えている。下側基板3上には、上側基板2を支持し、且つ上側基板2及び下側基板3の間の距離を調節するための、少なくとも一つの距離調節機構4、ここでは一つの距離調節機構が設けられている。また、上側基板2には、その中央部に貫通孔5が設けられている。
【0017】
図2は、この載置台1の使用状態を示している。載置台1の使用に当たっては、図2に示すように、下側基板3をベッド又は布団等の地盤上に設置し、上側基板2の上に、中央部に貫通孔7aを有する枕7を載置する。この際、上側基板2の貫通孔5と枕7の貫通孔7aとが少なくとも部分的に連通するように、上側基板2の上に枕7を載置する。そして、下側基板3上の距離調節機構4が人の額側となるように、人の顔面を枕7に当接し、枕7の貫通孔7aに人の目、鼻、口を収容する。
【0018】
この載置台1によれば、顔面を枕7に当接した際、人の鼻及び口は、枕7の貫通孔7a及び上側基板の貫通孔5の空間内に位置することになる。また、上側基板2及び枕7をベッド又は布団等の地盤から離間して人の顔面と地盤との間に空間を設けるために、距離調節機構4により、上側基板2の一部のみを支持する構成となっている。つまり、人の顔面下の空間は、顔面に対して左右方向位置においては遮るものが何もなく、完全に外界と連通した吹き抜け状態となる。また、顔面に対して上方向位置(人の額方向位置)においては、距離調節機構4以外に遮るものはなく、さらに上側基板2と地盤との間に距離があるため、外界と充分に連通した状態である。従って、人の顔面下に、外気の入出の妨げとなるものを極力排除した良好な通気性を有する空間を創り出すことができ、該空間を用いて呼吸を行うことで、快適な眠りを実現することが可能となる。
【0019】
また、この載置台1では、距離調節機構4によって地盤からの上側基板2の高さを調節することで、枕7の高さを所望の高さ及び傾斜角度に設定することができる。従って、枕7に当接させる顔面部分への負担、特に人の額や両頬への負担を使用者に応じて調節させることができ、その結果、身体への負担を軽減して、リラックスした状態で快適な眠りを実現することが可能となる。
【0020】
そして発明者は、この載置台1を作製する過程において、さらに、距離調節機構4を用いて地盤と基板との間に空間を設ける際に、2枚の基板を用いることで、より快適な眠りを実現できることを見出した。距離調節機構4を直接地盤上に設置した場合、地盤に対する上側基板2、枕7、人の頭の荷重負荷は、距離調節機構4の支持点に集中的にかかることになる。そうすると、載置台は通常、ベッド又は布団等の比較的柔らかい地盤上で用いられるため、台自体が地盤に対して沈み込んでしまい、地盤と顔面との間の空間を確保することが難しくなる。そこで、距離調節機構4と地盤との間にさらに基板を設けて、該基板を地盤上に設置すれば、地盤が距離調節機構4から受ける負荷を分散させて、載置台1全体の安定感を得ることができ、その結果、快適な眠りを実現することができるのである。
【0021】
このように、本発明の載置台1によれば、より良好な通気性の確保及び身体への負担軽減に加えて、安定感を確保し、総じて快適な眠りを実現することが可能となる。
【0022】
以下、本発明の載置台1の各構成部分について、より詳細に説明する。
【0023】
上述の通り、発明者は、上側基板2及び下側基板3の2枚の基板を用いることで、載置台1の安定感を確保できることを見出したが、下側基板3の面積は、上側基板2の面積よりも大きいことがより好ましい。下側基板3は、上側基板2及び枕7、人の頭を支えるための載置台1の土台である。従って、下側基板3を大きくして、ベッド及び布団等の地盤に対する載置台1の接地面積を増加させることで、下側基板3が受ける負荷を分散させて、載置台1全体の安定感をより増すことができるからである。具体的には、使用状態における顔面の額から顎方向を縦方方向とした場合に、下側基板3の縦幅が上側基板2の縦幅の1.0〜1.5倍、下側基板3の横幅が上側基板2の横幅の1.0〜2.0倍であることが好ましい。
なお、第一実施形態の載置台では、上側基板2の縦幅が270±30mm、横幅が270±30mm、厚さが9±3mm、下側基板3の縦幅が270±30mm、横幅が437±30mm、厚さが9±3mmとしたが、この値に限定されるものではなく、当然のことながら、使用者やベッド等の大きさに応じて変化させることができる。
【0024】
また、図1に示すように、上側基板2は、上側基板の貫通孔5と、外界とを連絡する通路6により分断されていることが好ましい。
上側基板2は、距離調節機構4を調節することで傾斜角度を有するが、通常は、図3に示すように、顔面に対して下方向位置(人の顎方向位置)の高さの方が、顔面に対して上方向位置(人の額方向位置)の高さよりも低くなるように調節される。すなわち、顔面に対して下方向位置(人の顎方向位置)の顔面下の空間は、顔面に対して上方向位置(人の額方向位置)の顔面下の空間に比して狭くなってしまう。そこで、上側基板2のうち、呼吸をするための口及び鼻が位置する部分付近を分断することにより、貫通孔5と外界とを完全に連絡する通路6を設けることで、顔面に対して下方向位置の顔面下の空間においても、空気が滞留することなく、新鮮な空気を充分に入出させることが可能となる。
【0025】
なお、人の顔面は、直接的には上側基板2上の枕7によって支持されるが、顔面を当接した際に枕7が変形して下方に沈み、顔面が上側基板2と接触する可能性がある。従って、上側基板の貫通孔5は、少なくとも、顔面を枕7に対して当接した際に人の目、鼻、口が入る程度の大きさであることが好ましい。具体的には、上側基板の貫通孔5の横幅は、100〜140mmであることが好ましい。なお、ここで言う横幅とは、使用時における、人の顔面に対する左右方向の距離のことを言う。100mm未満とすると、あまりに狭くて人の目、鼻、口を収容することができず、一方、140mm超とすると、幅広になり過ぎて顔面を支えることができないからである。但し、貫通孔5の横幅はこの範囲に限定されるわけではなく、使用者の顔面の大きさに応じて変更することができる。
また、通路6の横幅は、上側基板の貫通孔5の横幅よりも狭いことが好ましい。枕7に顔面を当接してうつ伏せで寝る場合、人の頭は、特に、顔面の額及び左右頬で支持される。従って、通路6の横幅を狭くして、上側基板2のうち左右頬が位置する部分を充分に確保することで、顔面当接時に、左右頬を確実に支持することができるからである。具体的には、通路6の横幅は30〜40mmであることが好ましいが、この範囲に限定されるわけではなく、使用者の左右頬の間隔等に応じて変更することができる。
【0026】
また、第一実施形態の枕の載置台1においては、上側基板2は、通路6により分離された側の端部で蝶番8によって下側基板3と連結され、開閉可能となるように構成されている。
図4は、上側基板2と下側基板3を連結する蝶番8の例を示している。蝶番8は、上側基板2の下面の通路6を設けた側の端部と、下側基板3の上面の対応する位置の端部に取り付けられている。すなわち、第一実施形態の載置台1では、使用時に人の顎が配置される側では、上側基板2と下側基板3が蝶番8によって連結されており、一方、人の額が配置される側では、距離調節機構4によって上側基板2が支持されるように構成されている。
顔面を枕7に当接して載置台1を使用する場合、人の顔面は、下側基板3の上面に対向することになる。つまり、下側基板3の上面に人の吐息が直接当たるため、そのままにしておくと衛生面上好ましくない。そこで、上記のように、上側基板2及び下側基板3が一方側では固定された状態に、他方側では自在に開閉可能とすることにより、必要に応じて、対向する基板間の内面を容易に掃除することが可能となる。
【0027】
また、距離調節機構4は、図5に示すように、例えば、三段階の高さに設定可能な機構とすることができる。図示例では、距離調節機構4は、下側基板3に固定される突部4aと、取り外し可能な調節部材4bとで構成されている。突部4aは、調節部材4bを嵌め込むための嵌合部4cを有している。そして、上側基板2を最も低い一段階目の高さ位置に設定する場合には、調節部材4bを用いることなく、上側基板2の下面を突部4aに当接することで上側基板2を支持する。また、二段階目の中程度の高さ位置に設定する場合には、調節部材4bの短辺が高さを形成するように、図示例では長さmを有する辺が下側基板3に対して垂直となるように、嵌合部4cに対して調節部材4bを嵌め込む。さらに、最も高い三段階目の高さ位置に設定する場合には、調節部材4bの長辺が高さを形成するように、図示例では長さnを有する辺が下側基板3に対して垂直となるように、嵌合部4cに対して調節部材4bを嵌め込む。このように、距離調節機構4によって上側基板2の高さを変化させることにより、上側基板2上に載置された枕7の高さを低、中、高の三段階の位置に設定することが可能となる。かかる構成とすれば、使用者が自身の好みに応じて枕7の高さ位置を設定することができるため、身体への負担を軽減して、快適な眠りを実現することが可能となる。
なお、第一実施形態の載置台では、ベッド又は布団等の地盤から上側基板2の上面までの高さについて、一段階目の最低高さが46mm、二段階目の中程度の高さが66mm、三段階目の最高高さが82mmとなるように設計しているが、これらの値に限定されるものではなく、使用者の好みやベッド等の大きさに応じて変化させることができる。
【0028】
また、上側基板2及び下側基板3は、プラスチック、木又は金属であることが好ましい。かかる材料とするのは、下側基板3上の上側基板2、枕7、人の頭を支持するのに充分剛性が高く、低コストで量産性に優れているからである。また、載置台1をベッド又は布団等の地盤上で使用する場合に、ベッド又は布団と密着して載置台1を固定させることができ、且つ、ベッドシーツ等にしわがより難いからである。但し、これらの材料に限定されるわけではなく、他の材料を用いることも可能である。
特に、基板を金属とする場合には、基板の厚みを非常に薄くしても充分な剛性を確保することができる。従って、上側基板2及び下側基板3の2枚の基板を重ねた場合であっても、基板の厚みによる影響を受けることなく、枕7上の顎部をベッド又は布団等の地盤と略同平面状に配置することが可能となる。
【0029】
また、上側基板2は、枕7を所望の位置に保持するための押さえ部9を有することが好ましい。押さえ部9は、例えば図1及び2に示すように、上側基板2のうち、通路6側の端部上に、上側基板2の外周縁に壁部を設けることで形成される。距離調節機構4により上側基板2が傾斜角度を有するため、このような押さえ部9を形成することで、上側基板2上に載置された枕7が重力により滑り落ちるのを防止することができる。
なお、図示例では、上側基板2の外周縁に沿って壁部を設けることで押さえ部を形成したが、押さえ部9の形態はこれに限定されるわけではない。枕7を上側基板2上の所望の位置に保持できればよく、例えば、上側基板2に対して杭を打つようにしてもよい。
【0030】
なお、上側基板2上に載置する枕7は、市販の馬蹄型のうつ伏せ用枕や円形型の枕等、顔面を当接した際に呼吸可能なように、中央部に貫通孔7aを有する形状であれば、種々の形状の枕を用いることができる。また、枕として市販されたものではなく、ウレタンやジェル等の素材を適当な形状に成型したものでもよい。なお、顔面を当接した際に枕7が変形して下方に沈んで枕の貫通孔7aが小さくなったり、顔面に基板が直接当たるのを防ぐために、枕の貫通孔7aの大きさは、上側基板の貫通孔5の大きさと略同じ程度であることが好ましい。
【0031】
さらに載置台1は、例えば図2に示すように、枕7を所望の形状に保持するための係止部10を備えてもよい。図示例では、2本の紐によって枕7の形状を保持しているが、係止部10の形態はこれに限定されるわけではない。例えば、紐を弾性のあるゴム紐に変更したり、上側基板2に杭を打って枕7の形状を画定したり、枕7及び上側基板2にマジックテープ(登録商標)を設け、相互に貼り付けてもよい。
【0032】
また、上側基板2及び下側基板3の角部は、面取りすることが好ましい。使用者が怪我をすることがないように、又ベッドや布団を傷付けることがないようにするためである。
【0033】
次に示す図6は、本発明に従う枕の載置台の第二実施形態の全体構成を示している。
第一実施形態では、上側基板2を、使用時における顔面に対して上方向側、すなわち人の額が配置される側のみで支持する構成としたが、図6に示すように、人の顎が配置される側においても、距離調節機構4によって上側基板2を支持する構成としてもよい。そして、距離調節機構4には、図6に示すように、スクリュージャッキを用いてもよい。
この構成によれば、複数の距離調節機構4によって地盤からの上側基板2の高さを調節することができるため、使用者に応じて枕7の高さを微調整してさらに最適な位置に設定し、身体への負担を軽減した、より快適な眠りを実現することが可能となる。
【0034】
次に示す図7(a)は、本発明に従う枕の載置台の第三実施形態の全体構成を、図7(b)は、図7(a)の側面図を示している。
図7(a)に示すように、使用状態において、下側基板3の顎側の一部に凹部を形成し、上側基板2の顎側の端部2aが、凹部の基板上面に接する構成としてもよい。すなわち、図1で示した構成において、下側基板3のうち上側基板2の顎側の端部と当接する部分の基板の厚みを薄くして、上側基板2が、その薄くなった基板の上面上に位置するようにする。さらに、図7(b)で示すように、凹部を形成して薄くなった下側基板3の端部3aの上面と、上側基板2の顎側の端部2aの下面のそれぞれに、蝶番8を取り付けている。
この構成によれば、図1に示した第一実施形態の場合と比較して、使用時の上側基板2の端部2aを、凹部の厚み分だけ、ベッド又は布団等の地盤に対してより近くに配置することができる。その結果、上側基板2上に載置する枕7の、顎部分の地盤からの高さを低く設定することができ、使用者の好みに応じて選択することが可能となる。
なお、図7では、蝶番により上側基板と下側基板を連結する場合を示したが、前述の他の構成を適用することもできる。また、下側基板3の一部の厚みを薄くすることで凹部を設けるようにしたが、例えば、木で形成した下側基板3の一部を切り取って、金属等の他の薄い基板を、切り取った部分に取り付けるようにしてもよい。
【0035】
以上の通り、第一実施形態、第二実施形態、第三実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるわけではない。例えば、距離調節機構4は、三段階の高さに設定可能な機構やスクリュージャッキ以外の方法を適用することも可能である。
【0036】
また、載置台1を用いてうつ伏せで寝る場合について説明したが、本発明の載置台1は、枕7に対して人の後頭部を載置して、仰向けで寝る場合にも適用可能である。この場合にも、後頭部下で枕7及び上側基板2が貫通し、下側基板3との間に充分な空間が設けられているため、通気性が良く、後頭部が火照ることなく快適な眠りを提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
この発明によれば、中央部に貫通孔を有する枕を用いてうつ伏せ状態で寝る際に、より良好な通気性を確保するとともに身体への負担が軽減され、さらに安定感が増すため、総じて快適な眠りを実現することが可能となった。
【符号の説明】
【0038】
1 枕の載置台
2 上側基板
2a 上側基板の端部
3 下側基板
3a 下側基板の端部
4 距離調節機構
4a 突部
4b 調節部材
4c 嵌合部
5 上側基板の貫通孔
6 通路
7 枕
7a 枕の貫通孔
8 蝶番
9 押さえ部
10 係止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央部に貫通孔を有する枕の載置台であって、
該載置台は、上側基板及び下側基板と、該下側基板上に該上側基板を支持して両基板間の距離を調節するための少なくとも一つの距離調節機構とを備えており、
前記上側基板は、枕を載置した際に、該枕の貫通孔と少なくとも部分的に連通する上側基板の貫通孔を有する
ことを特徴とする枕の載置台。
【請求項2】
前記下側基板の面積は、前記上側基板の面積よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の枕の載置台。
【請求項3】
前記上側基板は、前記上側基板の貫通孔と外界とを連絡する通路により分離されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の枕の載置台。
【請求項4】
前記上側基板は、前記通路により分離された側の端部で蝶番によって前記下側基板と連結され、開閉可能であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の枕の載置台。
【請求項5】
前記上側基板及び前記下側基板は、プラスチック、木又は金属であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の枕の載置台。
【請求項6】
前記上側基板は、枕を所望の位置に保持するための押さえ部を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の枕の載置台。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−289(P2013−289A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133504(P2011−133504)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【特許番号】特許第4857400号(P4857400)
【特許公報発行日】平成24年1月18日(2012.1.18)
【出願人】(511146015)
【Fターム(参考)】