説明

枕装置

【課題】この発明は利用者のいびき音以外の雑音によって枕本体を動かして利用者に刺激を与えることがないようにした枕装置を提供することにある。
【解決手段】睡眠時に利用者の頭部を支える枕装置であって、
枕本体2と、枕本体に設けられ利用者のいびき音を検出するマイクロフォン9と、マイクロフォンが検出するいびき音によって作動して上記枕本体を動かすバイブレータ11と、枕本体に設けられ利用者が頭部を動かしたときに枕本体に加わる圧力の変化を検出する圧力検出スイッチ12と、圧力検出スイッチが枕本体に加わる圧力の変化を検出したときに、マイクロフォンが音を検出してもバイブレータが作動するのを所定時間阻止するゲート回路とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は利用者が睡眠中に発生するいびきを抑制するための枕装置に関する。
【背景技術】
【0002】
利用者が枕を用いて就寝する場合、枕の高さや硬さ或いは利用者の寝姿勢などによっていびきを発生するということがある。いびき音が大きい場合、周囲の人に迷惑をかけるということがあったり、自分のいびき音で目が覚めるなどのことがあるため、好ましくない。
【0003】
そこで、就寝中に利用者がいびきを発生したならば、その音をマイクロフォンによって検出し、その検出に基づいて枕に設けられたバイブレータを作動させるなどして利用者に軽い衝撃を与え、それによっていびきの発生を抑制するということが行なわれている。
【0004】
特許文献1にはマイクロフォンによっていびき音を検出したならば、その検出によって枕に設けられたバイブレータを作動させ、利用者の頭部に振動を与えることで、いびきの発生を抑制することが開示されている。
【特許文献1】特開2004−283381号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
マイクロフォンによっていびき音を検出するようにした場合、マイクロフォンはいびき音だけでなく、利用者が寝返りを打ったときに生じる掛け布団が擦れる音や枕が変形する音などを検出してしまうことがある。つまり、マイクロフォンはいびき音以外の音も検出する。
【0006】
しかしながら、従来は、マイクロフォンがいびき音以外の音を検出した場合であっても、いびき音との区別をせずに、バイブレータが作動するようになっている。そのため、利用者がいびきを発生していないときに、バイブレータによって利用者の頭部を動かすことになるから、それによって利用者の睡眠が妨げられることになり、実用上好ましくないということがあった。
【0007】
この発明は、利用者が寝返りを打つなどして、いびき以外の音が発生したときには、その音で枕に支えられた利用者の頭部を動かすことがないようにした枕装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、睡眠時に利用者の頭部を支える枕装置であって、
枕本体と、
この枕本体に設けられ利用者のいびき音及びそれ以外の音を検出するマイクロフォンと、
このマイクロフォンがいびき音を検出したときに作動して上記枕本体を動かす駆動手段と、
上記枕本体に設けられ利用者が頭部を動かしたときに上記枕本体に加わる圧力の変化を検出する検出手段と、
この検出手段が枕本体に加わる圧力の変化を検出したときに、上記マイクロフォンがいびき音以外の音を検出しても上記駆動手段が作動するのを所定時間阻止する阻止手段と
を具備したことを特徴とする枕装置にある。
【0009】
上記マイクロフォンによって検出されたいびき音は電気信号に変換されて比較部で基準値と比較され、その比較に基いて上記駆動手段を駆動する駆動信号が出力されることが好ましい。
【0010】
上記比較部での比較に基づく駆動信号が複数回繰り返して入力されたときに上記マイクロフォンが検出した音をいびき音であると判定する判定部が上記比較部と上記判定部との間に設けられていることが好ましい。
【0011】
上記駆動信号はゲート回路を介して上記駆動手段に入力され、
上記検出手段からの検出信号はタイマを作動させ、このタイマからの出力信号が上記ゲート回路に入力されるようになっていて、
上記ゲート回路は、このゲート回路に上記タイマからの出力信号が入力されている間は上記駆動信号を上記駆動手段に出力するのを阻止することが好ましい。
【0012】
上記ゲート回路から上記駆動手段に上記駆動信号が出力されたときに、前回上記ゲート回路から出力された駆動信号との時間差を計測し、その時間差が所定時間以内であったならば上記駆動手段を駆動する駆動信号のパルス幅を拡大するパルス幅設定部を有することが好ましい。
【0013】
上記駆動手段は電池によって駆動されるようになっていて、この電池の電圧を測定する電圧測定部を有し、上記電池の電圧が低下したときに上記駆動手段を駆動する駆動信号のパルス幅を上記パルス幅設定部によって拡大することが好ましい。
【0014】
上記駆動手段は上記枕本体に設けられたバイブレータであることが好ましい。
【0015】
上記マイクロフォンによって検出された利用者のいびき音を録音する録音機が設けられていることが好ましい。
【0016】
上記検出手段は上記枕本体の上面に設けられたテープ状の圧力検出スイッチであることが好ましい。
【0017】
上記駆動手段の駆動を制御する制御回路が設けられた制御装置を有し、この制御装置は上記枕本体の側面に開口して形成された収納部に収容されることが好ましい。
【0018】
上記録音機は上記制御装置に着脱可能に収容されることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、利用者が頭部を動かしたときに枕本体に加わる圧力の変化を検出し、その検出によって所定時間の間はマイクロフォンが音を検出しても枕本体が動かされることがないようにした。
【0020】
そのため、利用者がたとえば寝返りを打つなどして掛け布団が擦れる音などが発生しても、枕本体が動かされることがないから、利用者が枕の動きによって不用意に覚醒させられるのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図3はこの発明の第1の実施の形態を示し、図1に示す枕1はウレタンフォームなどの弾性材料によって成形された枕本体2を袋状に縫製された外装地3によって被覆されてなる。
【0022】
上記枕1の側面には収納部5が開口形成されていて、この収容部5には制御装置6が着脱可能に収納保持されている。なお、収容部5の内面は上記外装地3によって覆われている。
【0023】
上記制御装置6は図2に示すように筐体7を有し、この筐体7内には電子部品8aによって制御回路が形成された回路基板8が設けられている。この回路基板8には一対のコンデンサ式のマイクロフォン9、上記枕本体2を動かす駆動手段としてのバイブレータ11及び枕本体2の上面に加わる圧力を検出する柔軟なテープ状の3本の圧力検出スイッチ12が電気的に接続されている。
【0024】
上記筐体7の一側面には電源スイッチ14、電源ランプ15、感度調整ボリューム16及びACアダプタ17が接続される接続部18が設けられている。さらに、筐体7の一側面には蓋19が開閉可能に設けられている。そして、この蓋19を開けることで、ICレコーダなどの録音機21や電池22を上記筐体7に対して出し入れできるようになっている。
【0025】
図1に示すように、上記マイクロフォン9は上記枕本体2の前後方向の一端部の幅方向両端部の上面に露出して設けられている。3本の上記圧力検出スイッチ12は、図1に示すように枕本体2の上面の幅方向に所定間隔で、しかも幅方向と交差する前後方向に沿ってずれ動くことがないよう、たとえば貼着するなどして設けられている。上記バイブレータ11は上記枕本体2の前後方向の一端部の幅方向中央部分に埋設されている。
【0026】
図3は上記回路基板8に形成される制御回路のブロック図である。マイクロフォン9によって検出された音はアンプ24と上記録音機21とに出力される。録音機21はマイクロフォン9が検出した音を録音し、アンプ24はマイクロフォン9からの音信号を増幅する。
【0027】
上記アンプ24で増幅された音信号はコンデンサ充放電回路25によって充電される。このコンデンサ充放電回路25は音信号の大きさや連続性を考慮して充電されるとともに、図示しない放電抵抗が設けられていて、充電がなければ徐々に放電するようになっている。
【0028】
コンデンサ充放電回路25で充電された充電電圧は、比較回路26に設定された設定値と比較される。充電電圧値が基準値よりも高い場合には上記比較回路26からゲート回路27にパルス信号が出力される。
【0029】
比較回路26からのパルス信号は通常、上記ゲート回路27を通過して第1のタイマ28に入力し、この第1のタイマ28を作動させる。この第1のタイマ28の作動時間は短時間、たとえば1秒に設定され、その設定時間だけ出力信号をバイブ駆動回路29に出力する。それによって、枕本体2に設けられたバイブレータ11が1秒間だけ作動するようになっている。
【0030】
一方、枕本体2の上面に加わる圧力分布状態が変化すると、この枕本体2の上面に設けられた3本の圧力検出スイッチ12のうちの少なくとも1つが非加圧状態から加圧状態となって作動する。たとえば、枕1を利用する利用者が寝返りを打つなどして枕本体2の幅方向中央部に支持された頭部を横方向に動かした場合、3本の圧力検出スイッチ12のうち幅方向の一端部に位置する1つの圧力検出スイッチ12が作動してそのこと、つまり枕本体2の上面に加わる圧力の変化を検出する。
【0031】
3つのうちの少なくとも1つの圧力検出スイッチ12が圧力変化を検出すると、その検出信号がパルス回路31に入力される。それによって、パルス回路31からはパルス信号が出力され、そのパルス信号は第2のタイマ32に入力される。パルス信号が入力された第2のタイマ32は出力信号を所定の設定時間だけ上記ゲート回路27に出力する。第2のタイマ32からの出力信号、つまり第2のタイマ32の設定時間は、第1のタイマ28よりも長い時間に設定されている。この実施の形態では15秒に設定されている。
【0032】
第2のタイマ32の出力信号がゲート回路27に入力されると、その間は比較回路26からのパルス信号がゲート回路27から第1のタイマ28に入力されるのが遮断される。それによって、第2のタイマ32が作動している間は、マイクロフォン9が音を検出して比較回路26からゲート回路27にパルス信号が入力されても、そのパルス信号が第1のタイマ28に出力されることがないから、バイブレータ11が作動することもない。
【0033】
このような構成によれば、枕1に頭部を支持させた利用者がいびきを発生すると、そのいびき音がマイクロフォン9によって検出される。マイクロフォン9が検出したいびき音の電気信号はアンプ24で増幅されてコンデンサ充放電回路25によって充電され、その充電電圧値が比較回路26の設定値と比較される。
【0034】
上記コンデンサ充放電回路25からの充電電圧の値が比較回路26の設定値よりも高い場合には、この比較回路26からゲート回路27にパルス信号が出力されて第1のタイマ28が1秒間だけ作動する。それによって、バイブレータ11が1秒間だけ駆動され、枕1に支持された利用者の頭部に振動が付与されるから、その刺激によって利用者のいびきが抑制されることになる。
【0035】
就寝中の利用者が寝返りを打った場合、たとえば掛け布団が擦れたり、枕が変形するなどしていびき音以外の雑音が発生し、その雑音をマイクロフォン9が検出することがある。利用者が寝返りを打って頭部がたとえば枕1の幅方向中央部から一端部側に動くと、枕本体1の上面に設けられた3本の圧力検出スイッチ12のうち、幅方向一端部に位置する1つの圧力検出スイッチ12が非加圧状態から加圧状態となって作動する。
【0036】
3つの圧力検出スイッチ12のうちの少なくとも1つが枕本体2の上面に加わる利用者の頭部の圧力変化を検出すると、パルス回路31からのパルス信号が第2のタイマ32に出力され、このタイマ32が15秒間作動する。
【0037】
それによって、第2のタイマ32が作動している間は、マイクロフォン9が雑音を検出して比較回路26からゲート回路27にパルス信号が出力されても、そのパルス信号はゲート回路27で遮断されるから、バイブレータ11が作動するのが阻止されることになる。
【0038】
すなわち、利用者が寝返りを打つことで、マイクロフォン9がいびき音以外の雑音を検出しても、その雑音によってバイブレータ11が作動して利用者の頭部に刺激を与えるということがない。換言すれば、いびきを発生していない利用者が不用意にバイブレータ11からの刺激を受けて覚醒させられるのを防止することができる。
【0039】
マイクロフォン9が検出するいびき音や雑音は録音機21によって録音されている。そのため、録音されたいびき音から、たとえば利用者が睡眠時無呼吸症候群による異常ないびきを発生しているか否かを、専門医などによって診断してもらうことが可能となる。
【0040】
枕1には、その側面に開放する収納部5を形成し、この収納部5に制御装置6を収納するようにした。そのため、枕1と制御装置6とが一体化されるから、取り扱いに便利である。しかも、制御装置6をACアダプタ17と電池22のどちらでも作動させることができるから、使用場所に制限を受けることがない。
【0041】
図3はこの発明の第2の実施の形態を示す。なお、図3に示す第1の実施の形態と同一部分には同一記号を付して説明を省略する。すなわち、この実施の形態はバイブレータ11が電池22によって駆動される場合であって、電池22の電圧が制御装置6のプログラム処理部40に設けられた電圧値判定部41によって判定されるようになっている。
【0042】
電圧値判定部41は、電池22の電圧値を例えばE1〜E5の5段階に分けて判定し、その電圧データをパルス幅設定部42に出力する。パルス幅設定部42はE1〜E5の電圧データごとにそれぞれ強、中、弱の3通りのパルス幅を設定し、そのパルス幅データを駆動信号発生部43に出力する。
【0043】
つまり、電池22の電圧値が低下したならば、その低下度合E1〜E5に応じて駆動信号発生部43から出力される駆動信号のパルス幅が強、中、弱の3段階に設定される。したがって、合計で15通りのパルス幅の駆動信号が上記駆動信号発生部43から後述するように出力されるようになっている。
【0044】
上記比較回路26から出力されるパルス信号はいびき判定部44に入力される。いびき判定部44は比較回路26からのパルス信号が所定時間内に複数回、たとえば30秒間に3回入力されたならば、マイクロフォン9が検出した音がいびき音であると判定し、いびき信号を上記駆動信号発生部43に出力する。つまり、いびき判定部44はマイクロフォン9が検出する音が周期性を有するときに、その音がいびきであると判定するようになっている。
【0045】
いびき信号が入力された上記駆動信号発生部43は、上記パルス幅設定部42で設定されたパルス幅の駆動信号をゲート回路27に出力する。圧力検出スイッチ12が利用者の寝返りを検出すると、その寝返り信号は寝返り判定部45に出力される。寝返り判定部45からは、タイマ46にスタート信号が出力されると同時に、上記いびき判定部44にクリア信号が出力される。
【0046】
上記寝返り判定部45からタイマ46にスタート信号が出力されると、このタイマ46から上記ゲート回路27に出力禁止信号が所定時間、たとえば30秒間出力される。それによって、駆動信号発生部43から駆動信号が出力されても、その駆動信号はゲート回路27を通ってバイブ駆動回路29に入力されないようになっている。
【0047】
なお、上記寝返り判定部45から上記いびき判定部44にクリア信号が出力されると、いびき判定部44の判定用データメモリが初期化される。
上記圧力検出スイッチ12によって利用者の寝返りが検出されていないときに、上記駆動信号発生部43から駆動信号が出力されると、その駆動信号はゲート回路27を通ってバイブ駆動回路29に出力される。それによって、バイブレータ11が駆動信号のパルス幅に応じた強さで駆動されることになる。
【0048】
上記ゲート回路27を通過した駆動信号は上記バイブ駆動回路29とともに上記パルス幅設定部42にも出力される。パルス幅設定部42では前回に駆動信号が入力された時間から、今回に駆動信号が入力された時間までの時間差を計測する。そして、その時間差が一定時間以内、たとえば20秒以内であるならば、上記パルス幅設定部42は駆動信号発生部43から出力される駆動信号のパルス幅を前回のパルス幅よりも大きくするためのパルス幅データを上記駆動信号発生部43に出力する。
【0049】
それによって、駆動信号発生部43から出力される駆動信号のパルス幅が拡大されるから、バイブレータ11を前回の駆動時よりも強く作動させることになる。つまり、前回のパルス幅が弱であるならば中のパルス幅の駆動信号が出力され、中であるならば強のパルス幅の駆動信号が出力される。
【0050】
つまり、バイブレータ11が弱の振動で3回駆動されても利用者のいびきが止まらないときには、バイブレータ11が中の強さの振動で3回駆動され、それでも利用者のいびきが止まらないときには強の強さの振動で3回駆動される。
【0051】
このように、バイブレータ11の駆動を段階的に強くしていくことで、利用者のいびきを確実に止めることが可能となる。つまり、利用者に大きな不快感を与えることなく、利用者のいびきを止めることができる。
【0052】
駆動信号発生部43から出力される駆動信号のパルス幅は、電圧値判定部41で測定された電池22の電圧値によっても制御される。つまり、電池22の電圧値をE1〜E5の5段階に分け、その電圧値が低くなったならば、パルス幅を大きくするようにしている。
【0053】
そのため、電池22が消耗して電圧値が低下しても、その電圧値がE1〜E5の範囲であれば、バイブレータ11はほぼ同じ強度で駆動されることになる。
【0054】
このように、この第2の実施の形態によれば、利用者が周期的にいびきをかいているときに、そのことをいびき判定部44で検出するため、いびきが例えば1回で終わってしまったときにバイブレータ11が駆動されるのを防止することができる。
【0055】
バイブレータ11を駆動する電池22の電圧値を電圧値判定部41で検出し、電池22が消耗して電圧値が低下したならば、その電圧値の低下に応じて駆動信号のパルス幅を大きくするようにした。そのため、電池22の電圧値が低下しても、バイブレータ11をほぼ同じ強さで駆動することができる。
【0056】
バイブレータ11を駆動する駆動信号がゲート回路27を前回通過したときと、今回通過したときの時間差をパルス幅設定部42で測定し、その時間差が所定時間以上であったならば、駆動信号のパルス幅を大きくしてバイブレータ11を3段階に分けて順次強く駆動するようにした。
【0057】
つまり、最初に利用者に弱の振動を3回与えても、利用者のいびきが止まらないときにバイブレータ11の振動を中にし、それでもいびきが止まらないときには強にするようにした。そのため、利用者に急激に強い振動を与えることなく、いびきを止めることができるから、利用者に不快感を与えるのとなく、いびきを止めることができる。
【0058】
図4はこの発明の第3の実施の形態で、この実施の形態は1本のテープ状の圧力検出スイッチ12を枕本体2の上面の幅方向に沿って設けるようにした。圧力検出スイッチ12が1本であっても、利用者が寝返りを打って頭部が枕本体2上で動いときに、そのときの圧力変化を圧力検出スイッチ12によって確実に検出することができる。
【0059】
第2の実施の形態では電源が電池の場合について説明したが、第1の実施の形態と同様、ACアダプタを兼用できる構成であっても差し支えない。
【0060】
図5はこの発明の第3の実施の形態で、この実施の形態は枕本体2の上面には、テープ状の圧力検出スイッチ12を3本ではなく、枕本体2の前後方向の中途部に、幅方向ほぼ全長にわたって1本の圧力検出スイッチ12を設けるようにした。
【0061】
このような構成であっても、利用者が寝返りを打って頭部が枕本体2の幅方向に移動すれば、枕本体2の幅方向に沿って設けられた1本の圧力検出スイッチ12によってそのことを確実に検出することができる。
【0062】
なお、上記第1、第2の実施の形態ではマイクロフォンがいびき音を検出したときに、枕本体に設けられたバイブレータを作動させることで、その枕本体を動かして利用者に刺激を与えるようにしたが、バイブレータに代わり、枕本体を駆動装置によって幅方向或いは前後方向に揺動可能に設けられた載置板上に載置し、マイクロフォンがいびき音を検出したときに、上記駆動装置を作動させて枕を揺り動かすようにしてもよい。
【0063】
さらに、上記載置板を駆動装置によって上下方向に駆動されるようにし、マイクロフォンがいびき音を検出したときに、上記駆動装置を作動させて枕を上下方向に動かすようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】この発明の第1の実施の形態を示す外装地の一部を破断した枕の斜視図。
【図2】制御装置とマイクロフォン、圧力検出スイッチ及びバイブレータの概略的構成を示す斜視図。
【図3】上記制御装置に設けられた制御回路のブロック図。
【図4】この発明の第2の実施の形態を示す制御回路のブロック図。
【図5】この発明の第3の実施の形態を示す外装地の一部を破断した枕の斜視図。
【符号の説明】
【0065】
1…枕、2…枕本体、3…外装地、6…制御装置、8…回路基板、9…マイクロフォン、11…バイブレータ、12…圧力検出スイッチ、21…録音機、26…比較回路、27…ゲート回路、28…第1のタイマ、32…第2のタイマ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
睡眠時に利用者の頭部を支える枕装置であって、
枕本体と、
この枕本体に設けられ利用者のいびき音及びそれ以外の音を検出するマイクロフォンと、
このマイクロフォンがいびき音を検出したときに作動して上記枕本体を動かす駆動手段と、
上記枕本体に設けられ利用者が頭部を動かしたときに上記枕本体に加わる圧力の変化を検出する検出手段と、
この検出手段が枕本体に加わる圧力の変化を検出したときに、上記マイクロフォンがいびき音以外の音を検出しても上記駆動手段が作動するのを所定時間阻止する阻止手段と
を具備したことを特徴とする枕装置。
【請求項2】
上記マイクロフォンによって検出されたいびき音は電気信号に変換されて比較部で基準値と比較され、その比較に基いて上記駆動手段を駆動する駆動信号が出力されることを特徴とする請求項1記載の枕装置。
【請求項3】
上記比較部での比較に基づく駆動信号が複数回繰り返して入力されたときに上記マイクロフォンが検出した音をいびき音であると判定する判定部が上記比較部と上記判定部との間に設けられていることを特徴とする請求項1記載の枕装置。
【請求項4】
上記駆動信号はゲート回路を介して上記駆動手段に入力され、
上記検出手段からの検出信号はタイマを作動させ、このタイマからの出力信号が上記ゲート回路に入力されるようになっていて、
上記ゲート回路は、このゲート回路に上記タイマからの出力信号が入力されている間は上記駆動信号を上記駆動手段に出力するのを阻止することを特徴とする請求項2記載の枕装置。
【請求項5】
上記ゲート回路から上記駆動手段に上記駆動信号が出力されたときに、前回上記ゲート回路から出力された駆動信号との時間差を計測し、その時間差が所定時間以内であったならば上記駆動手段を駆動する駆動信号のパルス幅を拡大するパルス幅設定部を有することを特徴とする請求項4記載の枕装置。
【請求項6】
上記駆動手段は電池によって駆動されるようになっていて、この電池の電圧を測定する電圧測定部を有し、上記電池の電圧が低下したときに上記駆動手段を駆動する駆動信号のパルス幅を上記パルス幅設定部によって拡大することを特徴とする請求項5記載の枕装置。
【請求項7】
上記駆動手段は上記枕本体に設けられたバイブレータであることを特徴とする請求項1記載の枕装置。
【請求項8】
上記マイクロフォンによって検出された利用者のいびき音を録音する録音機が設けられていることを特徴とする請求項1記載の枕装置。
【請求項9】
上記検出手段は上記枕本体の上面に設けられたテープ状の圧力検出スイッチであることを特徴とする請求項1記載の枕装置。
【請求項10】
上記駆動手段の駆動を制御する制御回路が設けられた制御装置を有し、この制御装置は上記枕本体の側面に開口して形成された収納部に収容されることを特徴とする請求項1記載の枕装置。
【請求項11】
上記録音機は上記制御装置に着脱可能に収容されることを特徴とする請求項8記載の枕装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−12278(P2008−12278A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−50087(P2007−50087)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(000010032)フランスベッド株式会社 (95)
【Fターム(参考)】